JP2015065741A - ステータコア - Google Patents

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浅野 光俊
Mitsutoshi Asano
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Abstract

【課題】外筒リングを用いずに分割コアを一体化することで鉄損の抑制を図り、ひいては、モータ効率の向上を可能にしたステータコアを提供する。【解決手段】円環状に配置する複数の分割コア4・4・・・によって、円環状のヨーク2と、該ヨーク2の内周面から半径方向内側に突出する複数のティース3・3・・・とを構成し、分割コア4におけるヨーク2を構成する部位である円弧部4aの周方向における側面には、該分割コア4の高さ方向において凸部4cと凹部4dが交互に形成されており、周方向において隣接する前記分割コア4・4同士の凸部4cと凹部4dが互いに嵌め合いされることによってヨーク2が構成されるものであって、ヨーク2を半径方向内側に押圧しつつ、該ヨーク2に通電をし、複数の分割コア4・4・・・を拡散接合することによって一体的に構成される。【選択図】図4

Description

本発明は、ステータコアの技術に関し、より詳しくは、分割コアを用いて構成されるステータコアに関する。
モータのステータを構成し磁束通路を形成するステータコアは、該ステータコアにおいて渦電流が生じて発熱すると、エネルギー損失(鉄損)が生じることが知られており、この鉄損をいかにして低減するかということが、モータ効率の改善を図る上で重要な課題となっている。
従来、所定個数の分割コアを円環状に整列させる構成とした分割構造を有するステータコアが知られており、例えば、以下に示す特許文献1にその技術が開示され公知となっている。分割コアからなる(即ち、分割構造を有する)ステータコアは、モータの小型化を可能にするという大きな利点を有している。
また、ステータコアにおける鉄損の低減を図るためには、電磁鋼板を積層してステータコアを形成するのが有効であることが一般的に知られており、特許文献1に示されたステータコアでは、電磁鋼板片(コアプレート)を複数枚積層してステータコアを形成する構成としている。
特開2009−95189号公報
特許文献1に示されているステータコアは、分割コアの周囲に外筒リングを嵌めることで、各分割コアを拘束して、円環状にする構成としている。
そして、斯かる分割構造を有する従来のステータコアでは、従来の一体構造のステータコアに比して、鉄損が大きくなっていた。
鉄損が大きくなる要因としては、
1)外筒リングの締付により、ステータコアに圧縮応力が作用していること、
2)外筒リングを介して、コアプレート間の短絡が生じていること、
3)隣接する分割コアの突き合わせ部において、磁路分断による磁気抵抗の増加が生じること、
4)コアプレートの配置のバラツキにより、異なるコアプレートに磁路が分散されること、等が考えられる。
即ち、分割構造を有する従来のステータコアでは、鉄損を抑制することで、さらにモータ効率を向上させる余地が残されていた。
そこで、分割コアの利点を活かしながら、鉄損の抑制を実現し、モータ効率の向上を可能にするステータコアの開発が望まれていた。
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、外筒リングを用いずに分割コアを一体化することで鉄損の抑制を図り、ひいては、モータ効率の向上を可能にしたステータコアを提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、円環状に配置する複数の分割コアによって、円環状のヨークと、該ヨークの内周面から半径方向内側に突出する複数のティースとを構成し、前記分割コアにおける前記ヨークを構成する部位である円弧部の周方向における側面には、該分割コアの高さ方向において凸部と凹部が交互に形成されており、周方向において隣接する前記分割コア同士の前記凸部と前記凹部が互いに嵌め合いされることによって前記ヨークが構成されるステータコアであって、前記ヨークを半径方向内側に押圧しつつ、該ヨークに通電をし、前記複数の分割コアを拡散接合することによって一体的に構成されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、外筒リングを用いることなく、複数の分割コアからなるステータコアを構成することができる。これにより、鉄損を低減することができる。
本発明の一実施形態に係るステータコアを示す模式図、(a)平面模式図、(b)側面模式図。 本発明の一実施形態に係るステータコアを構成する分割コアを示す模式図、(a)平面模式図、(b)側面模式図。 本発明の一実施形態に係るステータコアにおける分割コアの嵌め合わせ状況を示す模式図、(a)部分平面模式図、(b)部分側面模式図。 分割コアの拡散接合状況を示す模式図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の一実施形態に係るステータコアの全体構成について、図1および図2を用いて説明をする。
ステータコアは、モータにおけるステータを構成する部材であり、図1(a)に示す如く、本発明の一実施形態に係るステータコア1は、円環状の部位であるヨーク2と、該ヨーク2から半径方向内側に向けて突出する部位である複数のティース3・3・・・を備えている。
また、ステータコア1は、図1(a)(b)に示すように、複数の分割コア4・4・・・を円環状に複数配置することで構成されている。
尚、図1(a)(b)では、理解を容易にするため、着色した分割コア4と無着色の分割コア4を交互に配置して、どの範囲が一つの分割コア4であるのかを示している。
従来のステータコアでは、複数の分割コアを円環状に保持するために外筒リングを必要としていたが、本発明に係るステータコア1では、外筒リングを必要としない点に特徴を有している。
図2(a)(b)に示す如く、ステータコア1を構成する分割コア4は、複数(本実施形態では3枚)のコアプレート5・5・5を、板厚方向に積層し、かしめることで一体的に構成される部材である。そして分割コア4は、ステータコア1におけるヨーク2を構成する略円弧状の部位である円弧部4aと、ステータコア1におけるティース3を構成する凸状の歯部4b・4b・4bと、を備えている。
また分割コア4は、図2(a)(b)に示すように、厚さ方向における中央のコアプレート5に対して、該コアプレート5の厚さ方向における両面に接する各コアプレート5・5の配置をずらすことで、円弧部4aの周方向における両端部に凸部4cと凹部4dをそれぞれ形成する構成としている。
尚、本実施形態の分割コア4は、コアプレート5・5・5の積層数を3層としているが、さらに多数のコアプレート5・5・・・を積層する構成とすることもできる。この場合、積層方向に隣接するコアプレート5・5同士の周方向位置を互いにずらして配置し、全体としては、積層された複数のコアプレート5・5・・・の周方向における配置位置を千鳥状にずらした構成とすることができる。
そして、図3(a)(b)に示すように、複数の分割コア4・4・・・を円環状に配置するとともに、隣り合う分割コア4・4同士の凸部4cと凹部4dを嵌め合わせることで、略円環状のステータコア1(図1(a)(b)参照)が構成される。
ステータコア1では、隣接する分割コア4・4同士の凸部4cと凹部4dを突き合わせた状態となっており、かつ、凸部4cと凹部4dを嵌め合わせた部位では、各コアプレート5・5の表面と裏面が接した状態となっている。
次に、本発明の一実施形態に係るステータコアの作成方法について、図4を用いて説明をする。
本発明の一実施形態に係るステータコア1は、複数の分割コア4・4・・・を一体化することにより構成される。
図4に示す如く、ステータコア1は、該ステータコア1を構成する各分割コア4・4・・・を円環状に配置するとともに、この状態で各分割コア4・4・・・をステータコア1の半径方向における内側に向けて押圧しておく。
このとき、例えば径方向に伸縮可能なリング状の治具等を用いて、各分割コア4・4・・・を均等に押圧することが好ましい。
そして次に、各分割コア4・4・・・を押圧した状態で、円環状のヨーク2を構成する各分割コア4・4・・・に対する通電を行う。通電に際しては、ヨーク2における最も離間した2点を選び、各部に均等な電流が流れるようにして電源回路を接続する。
また、各分割コア4・4・・・に対する通電条件は、例えば、1000〜3000Aの大電流を60secの間通電すればよく、これにより、隣接する各分割コア4・4同士が接触する部位でジュール熱が生じ、各分割コア4・4・・・が加熱される。
そしてこのように、各分割コア4・4・・・のを加熱しながら押圧する状態を保持することで、各分割コア4・4同士を拡散接合する構成としている。
尚「拡散接合」とは、母材同士を密着させつつ、母材の融点以下の温度条件で、塑性変形を生じない程度に加圧して、接合面間に生じる原子の拡散を利用して接合する方法である。
このような構成により、従来は必要であった外筒リングを用いる必要がなくなり、外筒リング無しで複数の分割コア4・4・・・を円環状の形状に保持して一体化することができる。
即ち、本発明の一実施形態に係るステータコア1は、円環状に配置する複数の分割コア4・4・・・によって、円環状のヨーク2と、該ヨーク2の内周面から半径方向内側に突出する複数のティース3・3・・・とを構成し、分割コア4におけるヨーク2を構成する部位である円弧部4aの周方向における側面には、該分割コア4の高さ方向において凸部4cと凹部4dが交互に形成されており、周方向において隣接する前記分割コア4・4同士の凸部4cと凹部4dが互いに嵌め合いされることによってヨーク2が構成されるものであって、ヨーク2を半径方向内側に押圧しつつ、該ヨーク2に通電をし、複数の分割コア4・4・・・を拡散接合することによって一体的に構成されるものである。
このように構成されるステータコア1では、外筒リングを用いずに、複数の分割コア4・4・・・からステータコア1を構成することができるため、外筒リングを介して各コアプレートが短絡することが防止できる。
また、各分割コア4・4・・・同士が拡散接合により堅固に固着されるため、隣接する分割コア4・4においてコアプレート5・5同士の突き合わせ部が振動等によりズレることがなく、また各コアプレート5・5の配置のバラツキも抑制できるため、磁路の分断や拡散が確実に防止される。
そして、本発明の一実施形態に係るステータコア1を用いれば、鉄損を低減することができ、モータ効率の向上を図ることができる。
1 ステータコア
2 ヨーク
3 ティース
4 分割コア
4a 円弧部
4b 歯部
4c 凸部
4d 凹部

Claims (1)

  1. 円環状に配置する複数の分割コアによって、
    円環状のヨークと、該ヨークの内周面から半径方向内側に突出する複数のティースとを構成し、
    前記分割コアにおける前記ヨークを構成する部位である円弧部の周方向における側面には、該分割コアの高さ方向において凸部と凹部が交互に形成されており、
    周方向において隣接する前記分割コア同士の前記凸部と前記凹部が互いに嵌め合いされることによって前記ヨークが構成されるステータコアであって、
    前記ヨークを半径方向内側に押圧しつつ、該ヨークに通電をし、前記複数の分割コアを拡散接合することによって一体的に構成される、
    ことを特徴とするステータコア。
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