JP2015065276A - 光電変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池セルを樹脂封止した場合において、樹脂による内部応力を緩和することで光電変換装置の信頼性を向上させる。また、影またはセルの故障などによる発電性能の低下または発電の停止を防ぐことが可能な光電変換装置を実現する。
【解決手段】ベース基板3上において封止される太陽電池セル1を、1枚毎に電極を太陽電池モジュールの外に取り出す構造、または、2枚もしくは3枚の太陽電池セル1を直列に接続したストリング単位毎に電極を取り出す構造を有する太陽電池モジュールを形成する。
【選択図】図2
【解決手段】ベース基板3上において封止される太陽電池セル1を、1枚毎に電極を太陽電池モジュールの外に取り出す構造、または、2枚もしくは3枚の太陽電池セル1を直列に接続したストリング単位毎に電極を取り出す構造を有する太陽電池モジュールを形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、光電変換装置に関し、特に、複数の太陽電池セルを基板上に並べて配置した光電変換装置に関するものである。
太陽電池は、光起電力効果を利用し、光エネルギーを電力に変換する電力機器、つまり光電変換装置である。太陽電池セルを基板上に複数配置してパネル状に成形したものを太陽電池モジュール、または太陽電池パネルと言う。
太陽電池モジュールの製造方法としては、複数の太陽電池セルを配線により接続した構成を有するストリングを、基板と樹脂フィルムとの間に真空ラミネート法を用いて封止する方法が知られている。太陽電池セルは、p型層およびn型層を含む半導体基板を含む積層体を個片化して形成された、発電用の素子である。
また、特許文献1(特開2010-157652号公報)には、基材上に複数の太陽電池素子を配置し、ウレタン樹脂によってそれらの複数の太陽電池素子を封入した太陽電池パネルが記載されている。また、特許文献1には、配線によって複数の太陽電池素子を接続した構成を有するストリングを、ガラス基板上において、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)樹脂によって封止することが記載されている。また、特許文献1には、当該EVA樹脂をPET(Polyethylene Terephthalate)樹脂シート、つまりバックシートにより覆うことが記載されている。
真空ラミネート法を用いて太陽電池モジュールを形成する場合は、例えば以下の工程を行う。まず、ガラス基板上にEVA樹脂のフィルムを置き、その上に配線によって複数の太陽電池セルを接続したストリングを置く。次に、そのストリングの上にEVA樹脂のフィルムをもう一枚重ねて置き、そのEVA樹脂フィルム上にPET樹脂のフィルムを置く。次に、これらの積層体を真空中で加熱することで、EVA樹脂を溶融させ、配線や太陽電池セルと完全に密着させる。その後、さらに加熱処理を施すことでEVA樹脂を硬化させる。
しかし、上記の真空ラミネート法を用いた場合、複数枚のフィルムを真空中で重ね合わせる必要があるため、フィルムを取り回すための機構が複雑になる。さらに真空チャンバも必要になるため、製造装置が非常に大型で高価なものとなる。また、製造装置内に収容可能な単位モジュール毎に真空排気と大気開放を繰り返すため、生産効率が低く、生産コストが高くなる。
これらの問題を解決する方法として、基板上に配置した複数の太陽電池セルを、樹脂を用いて封止する方法を用いることが考えられる。
しかし、太陽電池セルを樹脂により封止した場合、封止樹脂の熱膨張または収縮により、太陽電池セルまたはセル間を接続する配線などに応力が加わる。この場合、セルの割れ、配線の断線、樹脂基板と封止樹脂との境界面での剥離、または、樹脂基板と太陽電池セルとの境界面での剥離などの問題が生じる虞がある。特に、太陽電池セルを封止した樹脂の外周を基板、枠部および上蓋で囲う構造では、樹脂の応力が内部に集中し、セルの割れ、配線の断線、樹脂基板と封止樹脂との境界面での剥離、および、樹脂基板と太陽電池セルとの境界面での剥離が生じやすくなる。
また、結晶系シリコンを用いた太陽電池モジュールでは、太陽電池セルを全て当該太陽電池モジュール内で接続し、1列もしくは複数列毎にバイパスダイオードを接続している。このため、発電中に太陽電池モジュールの表面に短期的に影がかかった場合、または、一部の太陽電池セルの故障の影響により発電性能の低下もしくは発電の停止が起こった場合、その影響はバイパスダイオードで区切られた1単位のグループ全体に及ぶ。
このため、太陽電池セルを樹脂封止する場合においては、封止樹脂の熱膨張による応力を緩和することで太陽電池モジュールの信頼性を向上させることが重要となる。また、影もしくは太陽電池セルの故障などによる発電効率の低下または発電の停止による影響を、最小限に抑える太陽電池モジュールの構造を実現することが望まれる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
一実施の形態である光電変換装置は、ベース基板上において封止される太陽電池セルを、1枚毎に電極を太陽電池モジュールの外に取り出す構造、または、2枚もしくは3枚の太陽電池セルを直列に接続したストリング単位毎に電極を取り出す構造を有するものである。
本願において開示される一実施の形態によれば、光電変換装置の信頼性を向上し、かつ、発電の低下を防ぐことができる。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
以下では、図1、図2および図3を用いて、本実施の形態の光電変換装置の構造を説明する。図1は、本実施の形態の光電変換装置である太陽電池モジュールを示す平面図である。図2は、本実施の形態の光電変換装置である太陽電池モジュールを示す断面図である。すなわち、図2は、図1に示すA−A線における断面図である。図3は、本実施の形態の光電変換装置を構成する複数の太陽電池セルのうち、1枚の太陽電池セルを示す断面図である。なお、図1では樹脂層および蓋基板の図示を省略している。
太陽電池は、光起電力効果を利用し、光エネルギー(例えば、太陽光)を電力に変換する装置である。よって、光電変換装置とも呼ばれる。また、太陽電池モジュールとは、配線2を介して接続された複数の太陽電池セル1を、ベース基板3などからなる箱、つまり構造体の内部に固定した、組立体である。
図1および図2に示すように、本実施の形態の太陽電池モジュールは、ベース基板3を有している。ベース基板3は、例えばアクリルまたはポリカーボネートなどの光透過性を有する樹脂からなる樹脂基板である。また、ベース基板3はガラス基板であってもよい。ただし、後述するように、ベース基板3には複数の孔部が形成されており、ベース基板3の材料が樹脂であれば、孔部を開口する工程が容易となる。
ベース基板3上には、複数の太陽電池セル1がマトリクス状、つまりアレイ状に配置されている。すなわち、太陽電池セル1は、ベース基板3の上面に沿う方向である第1方向と、第1方向に直交し、ベース基板3の上面に沿う方向である第2方向とのそれぞれに並んで複数配置されている。各太陽電池セル1は、平面視において、1辺が例えば150mm程度の矩形の形状を有している。
なお、図を分かりやすくするため、図1では太陽電池モジュール内に配置する太陽電池セル1を比較的少ない数で示している。太陽電池セル1を並べる態様の具体例としては、太陽電池セル1を横に9枚、縦に5枚並べて行列を形成することで、計45枚の太陽電池セル1をベース基板3上に配置することが考えられる。
図2に示すように、各太陽電池セル1の下面および上面のそれぞれには、配線2が電気的に接続されている。ベース基板3上には、ベース基板3の上面に沿う所定の方向に延在する配線2が複数設けられている。配線2には、例えば半田コートの銅箔など、つまり、帯状のタブ線が使用される。太陽電池セル1の下面に接続された配線2と、太陽電池セル1の上面に接続された配線2とは、別個の配線であり、それらの配線2のそれぞれには、導通体6が電気的に接続されている。導通体6は、ベース基板3を貫通して複数設けられている。各導通体6は、ベース基板3の主面に対して垂直な方向に延在しており、配線2を介して太陽電池セル1に電気的に接続されている。
図1に示すように、1枚の太陽電池セル1の上面および下面のそれぞれには、配線2の延在方向に直交する方向において、2本の配線2が接続されている。この2本の配線同士は、平面視において太陽電池セル1と重ならない箇所で、導線を介して互いに電気的に接続されている。なお、太陽電池セル1の上面および下面のそれぞれに接続される配線2は、2本に限らず1本または3本以上であってもよい。図示は省略しているが、太陽電池セル1の上面および下面には、配線2の延在方向に直交する方向において、配線2よりも細いフィンガー電極が複数配置されていてもよく、この場合、配線2は複数のフィンガー電極をまとめる役割を果たす。
太陽電池セル1の上面は、例えば複数本の配線2および1本の導通体6を介して、ベース基板3の下方に電気的に取り出されている。同様に、太陽電池セル1の下面は、例えば複数本の配線2および1本の導通体6を介して、ベース基板3の下方に電気的に取り出されている。図2に示すように、導通体6は、ベース基板3を貫通する孔部内を通るように配置されている。つまり、ベース基板3には、ベース基板3の上面から下面に達する孔部が複数開口されている。
導通体6は、例えば帯上の金属箔であってもよく、また、柱状の金属電極であってもよい。また、図2では導通体6の下面はベース基板3の下面と同じ高さで終端しているが、導通体6は、ベース基板3の下面から下方に突出していてもよい。なお、導通体6を設けず、太陽電池セル1に接続された配線2が、ベース基板3を含む構造体から直接引き出されていてもよい。この場合、ベース基板3に形成された複数の孔部の内側を配線2が通過する。
各太陽電池セル1は、ベース基板3の上面から離間して配置されている。なお、図示していないが、ベース基板3と太陽電池セル1との間には、太陽電池セル1を支える支持体が介在していてもよい。
図1に示すように、平面視におけるベース基板3の周縁部の上には、壁状の枠部5が形成されている。図2に示すように、枠部5の底面は、ベース基板3の上面の端部に接している。枠部5の上面の高さは、太陽電池セル1の上面上の配線2の上面の高さよりも高い。なお、本願でいう高さとは、ベース基板3の主面から、ベース基板3の主面に対して垂直な方向における距離である。枠部5は、後述する液体状の樹脂層7がベース基板3、枠部5および蓋基板4からなる箱内の外側に漏出しないようにするために設けられている。
ベース基板3上において、複数の太陽電池セル1の周囲は枠部5によって囲まれている。枠部5上には蓋基板4が設けられている。蓋基板4は、例えばアクリルまたはポリカーボネートなどの光透過性を有する樹脂からなる樹脂基板である。また、蓋基板4はガラス基板であってもよい。複数の太陽電池セル1は、ベース基板3、枠部5および蓋基板4により囲まれており、ベース基板3、枠部5および蓋基板4からなる箱内には、樹脂層7が充填されている。各太陽電池セル1は、樹脂層7により覆われている。
樹脂層7は、光透過性を有する樹脂からなる。樹脂層7の材料には、例えば、シリコン樹脂(シリコーン)、またはウレタン樹脂などを用いることができる。このように、太陽電池セル1の周囲を樹脂層7で覆うことにより、太陽電池セル1の保護性を向上させることができる。つまり、太陽電池セル1の耐湿性または耐衝撃性などを向上させることができる。ここで、太陽電池セル1をベース基板3または蓋基板4に直接接するように配置した場合、太陽電池セル1とベース基板3および蓋基板4との熱膨張係数の違いに起因して応力が発生し、光電変換装置の信頼性が低下する問題がある。これに対し、本実施の形態では太陽電池セル1を樹脂層7により覆っているため、当該応力による歪みの影響を低減することができる。
ここで、太陽電池セル1の断面構造を、図3に示す。図3に示すように、半導体基板S1を有している。半導体基板S1内の最上部には、第1導電型(例えば、n型)の半導体領域1Nが形成されている。また、半導体領域1Nと接するように、その下部に第2導電型(例えば、p型)の半導体領域1Pが形成されている。太陽電池セル1は、半導体領域1Nと、半導体領域1Pとのpn接合部において、光起電力効果を利用して、入力光から電力を発生させる素子である。つまり、半導体領域1N、1Pは光電変換部を構成する。
ここでは、半導体領域1Pの下に、半導体領域1Pより高濃度の第2導電型(例えば、p型)の半導体領域1PPが配置されている。つまり、半導体領域1PPは、半導体領域1Pよりもp型の不純物濃度が大きい。本実施の形態では、半導体基板S1は半導体領域1N、1Pおよび1PPを含む積層構造を有している。
半導体基板S1の下面に接して第1電極EL1が設けられている。また、半導体基板S1の上面に接して、第2電極EL2が設けられている。つまり、半導体基板S1の下面には、第1電極EL1が電気的に接続されており、半導体基板S1の上面には、第2電極EL2が電気的に接続されている。このように、太陽電池セル1は、受光面側に、第1電極EL1を有し、下面に第2電極EL2を有しており、これらの電極の間に光電変換部を有している。第1電極EL1および第2電極EL2は、例えばAl(アルミニウム)を含んでいる。なお、第2電極EL2を、複数のライン状の導電膜からなるフィンガー電極と、それと交差する方向に延びるバス電極とで構成してもよい。バス電極は、図2に示す配線2に対応する。
次に、図4を用いて、本実施の形態の太陽電池モジュール内の複数の太陽電池セルを当該太陽電池モジュール外で結線する態様について説明する。図4は、本実施の形態の光電変換装置の模式的な回路図である。図4では、ベース基板3上にマトリクス状に並べた複数の太陽電池セル1と、太陽電池セル1に電気的に接続された配線と、太陽電池セル1に電気的に接続されたバイパスダイオード8とを示している。当該配線およびバイパスダイオード8は、図4に示すベース基板3および太陽電池セル1を含む太陽電池モジュールの外に設けられており、図2には示されていない。つまり、各太陽電池セル1は、太陽電池モジュール内において互いに電気的に接続されておらず、太陽電池モジュール外の配線を介して電気的に接続されている。
図4に示すように、1個の太陽電池モジュール内の全ての太陽電池セル1は、二つの端子間で直列に接続されている。第1方向に並ぶ複数の太陽電池セル1は、全て直列に接続されている。これは、第2方向において並ぶいずれの列においても同様である。ここでは、直列接続された1列の太陽電池セル1の第1方向における一方の端部で配線を折り返し、第2方向において隣り合う他の列の太陽電池セル1の列に接続することで、蛇行する回路を形成している。
ここで、上記のように配線を折り返した箇所に対し、第1方向における反対側の端部では、直列に接続された複数の太陽電池セル1に対して、並列にバイパスダイオード8が接続されている。バイパスダイオード8が設けられていない場合、太陽電池モジュールは、2端子間において直列接続された複数の太陽電池セル1により構成される。このため、一部の太陽電池セル1に対し太陽光が遮光されるなどすると、その部分の抵抗値が高くなり、電流の通過が阻害され、太陽電池モジュール全体が発電しなくなる問題が生じる。そこで、そのような問題が生じることを防ぐために、バイパスダイオード8が、直列に接続された複数の太陽電池セル1に対し並列に接続されている。
ここで、1個のバイパスダイオード8に対し並列に接続されている1群の太陽電池セル1を、太陽電池セル群9と呼ぶ。図4に破線を用いて示すように、太陽電池セル群9は直列に接続された複数の太陽電池セル1により構成されており、太陽電池モジュール内において複数設けられている。太陽電池モジュールは、例えば、直列に接続された複数の太陽電池セル1と、これらの太陽電池セル1に対して並列に接続されたバイパスダイオード8とを含む並列回路を、2端子間において直列に複数接続した構造を有している。
図2に示す隣り合う太陽電池セル1同士は、一方の太陽電池セル1の下面に接続された配線2と、他方の太陽電池セル1の上面に接続された配線2と、それらの配線2をそれぞれベース基板3の下側に引き出す導通体6とを介して接続されている。隣り合う太陽電池セル1同士は、それらに接続された導通体6同士を、図2において図示していない配線などにより、太陽電池モジュールの外部において互いに接続することで、電気的に接続される。言い換えれば、太陽電池モジュール内、つまり、ベース基板3および樹脂層7を含む構造体内において、各太陽電池セル1同士は互いに絶縁されており、隣り合う太陽電池セル1同士は、太陽電池モジュールの外部において互いに接続されている。
本願では、太陽電池モジュール内、つまり、ベース基板および樹脂層を含む構造体内において配線を介して接続された複数の太陽電池セルをストリングと呼ぶ。これに対し、本実施の形態では、太陽電池モジュール内において、太陽電池セル1はいずれも他の太陽電池セル1に接続されておらず、各太陽電池セル1に接続された導通体6は、ベース基板3の下面側に引き出されている。よって、本実施の形態では、ストリングは形成されていない。
次に、本実施の形態の光電変換装置の効果について、比較例を用いて説明する。
まず、比較例の光電変換装置として、太陽電池モジュール内に大規模なストリングを封止した構成について説明する。当該ストリングは、封止用の樹脂層内において、複数の太陽電池セルを、配線を介して接続することで形成されている。つまり、比較例である太陽電池モジュールは、ベース基板上に配置した複数の太陽電池セルを例えば直列に接続したストリングを、ベース基板および蓋基板間において樹脂層により封止した構造を有している。
なお、本願でいう大規模なストリングとは、ベース基板の1辺に沿う方向においてN枚の太陽電池セルが並んでいる場合に、N枚以上の太陽電池セルを含むストリングを指す。つまり、ベース基板の1辺に沿う方向においてN枚の太陽電池セルが並んでいる場合に、N枚未満の太陽電池セルからなるストリングは、大規模ではない。本願において、太陽電池セルの数を示す上記Nは、正の整数である。
複数の太陽電池セルはベース基板上において、アレイ状に並べられている。平面視において矩形の形状を有するベース基板の1辺に沿う方向において、N枚の太陽電池セルが並んでいる。これらのN枚の太陽電池セルは、樹脂層内において配線を介して直列に接続されており、上記ストリングを構成している。つまり、太陽電池モジュール内において、太陽電池セルが複数列並んで配置されており、そのうちの1列が、第1方向に並ぶN枚の太陽電池セルにより構成されている場合、その列のN枚の太陽電池セル1は、樹脂層内で全て直列に接続されている。
複数の太陽電池セルのうち、第1の太陽電池セルの下面と第2の太陽電池セルの上面とは、ベース基板、蓋基板および樹脂層を含む箱、つまり構造体内において、配線を介して接続されている。さらに、第2の太陽電池セルの下面と第3の太陽電池セルの上面とは、上記構造体内において、配線を介して接続されている。このような接続を繰り返すことにより、直列に複数の太陽電池セルが接続されている。さらに、直列に接続された複数の太陽電池セル1を所定の枚数、つまりN枚毎に折り返して配置することにより、2端子間において直列に接続された、複数の太陽電池セル1からなるストリングが形成されている。
比較例の光電変換装置としては、例えば、ベース基板の1辺に沿う第1方向に9枚の太陽電池セルが並び、そのような列が第2方向において5列並ぶことで、複数の太陽電池セルがアレイ状に並んでいる構成が挙げられる。この場合、例えば、第2方向において隣り合う2列が1群の太陽電池セル群を構成しており、上記5列の全てが1個のストリングを構成している。1群の太陽電池セル群は、第1方向における一方の端部で配線が折り返すことで直列の電流経路を構成しており、当該太陽電池セル群のもう一方の端部には、バイパスダイオードが並列に接続されている。
このとき、1群の太陽電池セル群は、2列の太陽電池セル群、つまり18枚の太陽電池セルを有している。また、上記の例における1個のストリングは、5列並んだ計45枚の太陽電池セルを有しており、第1方向に並ぶ9枚の太陽電池セル以上の数を有する大規模なストリングである。
ここでは、複数の太陽電池セルを直列に接続することで、1群の太陽電池セル群を構成している。直列接続された複数の太陽電池セルからなる太陽電池セル群には、バイパスダイオードが並列接続されている。ここで、バイパスダイオードは太陽電池モジュールの外部に設けられている。図1〜図4を用いて説明した本実施の形態、および、上記比較例において、1群の太陽電池セル群と1個のストリングとは、必ずしも同一の規模ではない。例えば、1個のストリングが、複数の太陽電池セル群により構成されていることが考えられる。
比較例の上記太陽電池モジュールを形成する工程では、まず、複数の太陽電池セルを、セル自動配線装置により互いに結線することで、複数の太陽電池セルからなるストリングを形成する。次に、ストリング装置、つまりレイアップ装置を用いて、ストリングを搬送し、ベース基板上に上記ストリングを配置する。その後、ベース基板上のストリングを樹脂層により封止し、続いて、樹脂層上に蓋基板を配置する。この工程により、比較例の太陽電池モジュールが形成される。なお、太陽電池モジュール内には1個の接続体であるストリング、または複数のストリングを直列もしくは並列に接続した接続体が配置されており、それらの接続体の両端の電極は、ベース基板を貫通する導通体により、太陽電池モジュールの外部に引き出されている。
ここで、上記比較例の光電変換装置では、太陽電池セルまたは太陽電池セル同士の間の配線などに応力が加わることにより、太陽電池セルが破損する虞がある。また、上記応力により、太陽電池セル同士を接続する配線が太陽電池セルから剥離し、または断線する虞がある。これは、太陽電池モジュール内において、ベース基板と蓋基板との間の熱膨張係数の違いにより応力が生じており、太陽電池モジュール内において太陽電池セル同士の接続を繰り返すことで、太陽電池セルなどに負荷として加わる当該応力が増大するためである。
つまり、互いに配線で接続された複数の太陽電池セルからなる大規模なストリングが樹脂層に覆われている比較例の構造では、各太陽電池セルおよび配線が樹脂層内で移動することができる自由度が低い。したがって、比較例におけるストリングは、太陽電池モジュール内において生じる応力の影響を大きく受ける。特に、ベース基板の1辺に沿う方向において太陽電池セルがN枚並べられている太陽電池モジュールにおいて、樹脂層により封止されたストリングが、N枚以上の数の太陽電池セルを接続したものである場合、応力による破損などの発生がより顕著となる。
また、上記のようなストリング構造を有する太陽電池モジュールは、衝撃に対しても弱く、当該衝撃が太陽電池モジュールに加わることで、例えば配線の断線が生じる虞がある。このように、比較例の光電変換装置では、応力または衝撃などにより太陽電池セルの破損、または配線の断線などが起きやすく、これにより、光電変換装置の信頼性が低下する問題が生じる。
また、比較例では、1群の太陽電池セル群のうち、一部の太陽電池セルに対して太陽光が遮光された場合、発電効率が低下し、太陽電池セルの抵抗値が高くなることで、当該太陽電池セル群に並列接続されたバイパスダイオードに電流が流れる。この場合、日陰に入ることで遮光された一部の太陽電池セルのみならず、その太陽電池セルを含む上記太陽電池セル群全体が、発電に寄与しなくなる。
また、想定以上の外的負荷が加わることで一部の太陽電池セルが故障する可能性もある。この場合、1群の太陽電池セル群の一部の太陽電池セルに破損などの故障が生じることで、上記と同様に、当該一部の太陽電池セルの発電効率が低下し、または太陽電池セル自体が導通しなくなる。この場合も、当該太陽電池セル群ではなく、バイパスダイオードに電流が流れるため、当該太陽電池セル群を構成する正常な太陽電池セルまでもが、発電に寄与することができなくなる。
同様に、上記のように太陽電池モジュール内の応力などに起因して、ストリングを構成する配線が断線した場合においても、当該配線を含む太陽電池セル群内の正常な太陽電池セルが発電に寄与しなくなる。特に、屋外に配置される太陽電池モジュールは、温度変化などの外部環境の影響を受けやすい。例えば、一日のうちの温度変化または季節による温度変化に伴い、太陽電池セルの封止層である樹脂層の膨張・収縮が繰り返される。これにより、太陽電池セルまたは配線などに応力負荷が加わりやすくなり、太陽電池セルの異常または配線の断線などが生じやすくなる。
上記のように1群の太陽電池セル群の一部の太陽電池セルまたは配線に異常が生じた場合、異常が生じた太陽電池セルまたは配線のみを回路から除外し、それらの異常部分を迂回するように配線を繋ぎ直すことが考えられる。このようなメンテナンスを行えば、異常による太陽電池モジュールの発電性能の低下を最低限に抑えることができる。
しかし、上記比較例の太陽電池モジュールでは、直列に接続された複数の太陽電池セルにより構成される1群の太陽電池セル群が、太陽電池モジュールを構成する樹脂層内に封止されている。このため、上記のように、太陽電池モジュールが完成した後に異常が発見された場合に、その後太陽電池セル群内の結線態様を変更するようなメンテナンスを行うことは困難である。つまり、比較例の光電変換装置では、上記異常に起因する発電性能の低下または発電の停止が生じた場合に、太陽電池モジュールの修復または改善が困難である。
したがって、太陽電池セル群の一部に異常が生じた場合、当該太陽電池セル群は発電に寄与しなくなるため、その太陽電池セル群を含む太陽電池モジュールの発電性能は著しく低下する。このような場合、著しく低下した発電性能を少しでも回復させるためには、太陽電池モジュール自体を交換することとなり、コストが高くなる。
これは、1群の太陽電池セル群の一部に対し太陽光が遮光される場合も同様である。太陽電池モジュールを設置した場合、時間帯によっては、一時的または常に、太陽と太陽電池モジュールとの間の遮蔽物によって太陽電池モジュールに影がかかる。そのような時間帯の間、太陽電池セル群のうち、影に入っている一部の太陽電池セルの抵抗値が上がることで、太陽電池セル群全体が発電に寄与しなくなる。このため、影がかかっておらず、正常な発電を行うことができる太陽電池セルまでもが、発電に寄与しなくなる。
上記の比較例のように、太陽電池モジュール内に太陽電池セル同士を接続した大規模なストリングを封止している光電変換装置では、一部の太陽電池セルの発電性能が低下した場合などに、その太陽電池セルを含む太陽電池セル群全体が発電に寄与しなくなる。したがって、光電変換装置の性能が低く、また、光電変換装置の信頼性が低い問題がある。
また、比較例のように大規模なストリングを形成する場合、大きなセル自動配線装置と、大きなストリングを搬送する搬送装置と、当該ストリングをベース基板上に搭載するための大規模なストリング装置とが必要となる。つまり、ストリングを形成する装置、および、ストリングを搬送してベース基板上に配置するための取り回し用の装置のそれぞれが大きくなるため、光電変換装置の製造コストが増大する問題が生じる。
そこで、本実施の形態では図2に示すように、各太陽電池セル1の電極を、1枚毎に配線2と導通体6を介して太陽電池モジュールの外に引き出す構成としている。つまり、太陽電池モジュールを構成するベース基板3および樹脂層7を含む構造体内には、配線2を介して接続された複数の太陽電池セルからなるストリングは形成されていない。
本実施の形態の光電変換装置では、樹脂からなるベース基板3を用いている。このため、例えば、ガラス基板と、基板上のEVAと、EVA上のバックシートとを有する構成よりも、太陽電池モジュール自体の耐衝撃性を向上させることができる。特に、樹脂層7が柔軟な材料で構成されている場合であっても、ベース基板3側からの耐衝撃性を向上させることができる。
また、本実施の形態の光電変換装置では、太陽電池セル1に対し、1枚毎に電極取出し口をベース基板3に設けることで、太陽電池モジュール内において個々の太陽電池セル1を分離している。これにより、各太陽電池セル1が樹脂層7内で動くことが可能な自由度が向上するため、ベース基板3と蓋基板4との間の熱膨張係数の差による応力に起因して太陽電池セルおよび配線2などに加わる応力を、最小限に抑えることが可能となる。よって、内部応力または衝撃に起因する太陽電池セル1の破損、配線2の断線、樹脂基板と封止樹脂との境界面での剥離、またはベース基板3と太陽電池セル1との境界面での剥離などを防ぐことができる。したがって、光電変換装置の信頼性を向上することができる。
特に、屋外に配置される太陽電池モジュールは、温度変化などにより異常が生じやすいが、本実施の形態の太陽電池モジュールにおいては、かかる環境下においても、太陽電池モジュールの信頼性を維持することができる。
また、本実施の形態の光電変換装置は、太陽電池セル1同士を樹脂層7内で電気的に接続しておらず、太陽電池セル1の下面および上面の電極を1枚毎に太陽電池モジュールの外部に引き出している。したがって、太陽電池セル1同士を結ぶ配線は、太陽電池モジュールを構成するベース基板3および樹脂層7を含む構造体の外部において、自由に結線が可能である。当該結線の態様は、太陽電池モジュールの形成後においても変更が容易である。
このため、太陽電池モジュールを設置した後において、太陽電池モジュールにおいて発電性能に問題がある箇所を発見した場合、当該箇所の太陽電池セルを回路から分離し、別系統での発電を行うことが容易となる。また、同様に、太陽電池モジュールを設置した後において、バイパスダイオードの配置換えを行うことが容易となる。このように、太陽電池セル群を構成する太陽電池セル1同士を太陽電池モジュールの外部で接続することで、太陽電池モジュールの形成後または設置後のメンテナンスが容易となる。
これにより、太陽電池セル群を構成する一部の太陽電池セルまたは配線に、破損による異常または影による発電不良などが生じた場合において、配線を結線し直すことで、異常が生じた部分を回路から除外することが容易となる。これにより、異常が生じていない太陽電池セルを用いて発電することが可能となるため、一部の異常によって当該太陽電池セル群全体が発電に寄与しなくなることを防ぐことができる。よって、太陽電池モジュールの発電性能が著しく低下することを、メンテナンスにより容易に防ぐことができるため、光電変換装置の信頼性を向上させることができる。
また、発電性能の低下を最低限に抑えることができるため、発電性能が著しく低下した太陽電池モジュール自体を、異常のない他の太陽電池モジュールに替える必要がなくなる。これにより、太陽電池モジュールの発電性能を、低コストで維持することが可能である。
また、本実施の形態の光電変換装置は、その製造工程においてストリングを形成せず、各太陽電池セル1をそれぞれベース基板3上に搭載し、その後、それらの太陽電池セル1を樹脂層7により封止することで形成される。したがって、ストリングを形成するための大規模なセル自動配線装置を必要とせず、また、ストリングを搬送するのに必要な規模の搬送装置を必要としない。また、太陽電池セル1をベース基板3上に搭載するための装置は、大規模なストリングをベース基板3上に搭載するのに用いられる大規模なストリング装置である必要がない。
つまり、ベース基板3上に搭載する太陽電池セル1を搬送し、また、ベース基板3上に搭載するために用いる装置は、ストリングを形成する上記比較例の光電変換装置の製造工程で用いる装置に比べて小規模な装置で済む。すなわち、ストリングを作らなくてよいため、太陽電池セル1の配置時に必要な装置の必要面積、つまりフットプリントが小さくなる。これにより、光電変換装置の製造コストを低減することができる。また、太陽電池セル1の配置時に必要な装置の大きさを縮小することが可能となることで、当該装置の取扱いが容易になるため、製造工程での問題が生じにくい。
また、太陽電池モジュールの製造工程中において、例えばベース基板3上に太陽電池セル1を搭載した後であって、樹脂封止工程の前に、一部の当該太陽電池セル1に異常が発見された場合、異常が発見された太陽電池セル1のみを交換することができる。上記比較例において、ベース基板3上に搭載されたストリングを構成する各太陽電池セルは、既に互いに結線されているため、ストリングの一部の太陽電池セルに異常が発見された場合には、ストリング自体を破棄する必要がある。これに対し、本実施の形態では、封止前のベース基板3上の太陽電池セル1をそれぞれ交換することが容易であるため、光電変換装置の製造コストを低減することができる。
以下では、本実施の形態の光電変換装置の変形例について、図5および図6を用いて説明する。図5は、本実施の形態の光電変換装置である太陽電池モジュールを示す平面図である。図6は、本実施の形態の光電変換装置である太陽電池モジュールを示す断面図である。すなわち、図6は、図5に示すB−B線における断面図である。なお、図5では樹脂層および蓋基板の図示を省略している。
本変形例における太陽電池モジュールは、図5および図6に示すように、図1〜図4を用いて説明した太陽電池モジュールとほぼ同様の構造を有している。ただし、ベース基板3および樹脂層7を含む構造体内において、一部の複数の太陽電池セル1同士は配線2を介して直列に接続されており、小規模なストリングを構成している。なお、小規模なストリングを構成する2枚または3枚の太陽電池セル1は、直列ではなく並列に接続されていてもよい。
ここでいう小規模なストリングとは、ベース基板3の1辺に沿う第1方向においてN枚の太陽電池セル1が並んでいる場合に、N未満の数の太陽電池セル1を直列接続して設けられたストリングをいう。図5および図6に示す太陽電池モジュールでは、第1方向において5枚の太陽電池セル1が並んでいるため、この場合、4枚以下であって2枚以上の太陽電池セル1からなるストリングを小規模なストリングと呼ぶ。
本変形例では、ストリングを構成する太陽電池セル1の数は2枚または3枚のみである。図5および図6に示すように、2枚の太陽電池セル1からなるストリングは、樹脂層7内において、隣り合う太陽電池セル1同士のうち、一方の太陽電池セル1の下面と、もう一方の太陽電池セル1の上面とを配線2により電気的に接続している。また、図6に示すように、2枚の太陽電池セル1からなるストリングを構成する一方の太陽電池セル1の下面の電極と、もう一方の太陽電池セル1の上面の電極とは、それぞれ導通体6を介してベース基板3の下面側に引き出されている。3枚の太陽電池セル1からなるストリングも、3枚の太陽電池セル1を直列に接続した同様の構造を有しており、その両端の電極はベース基板3の下面側に引き出されている。
なお、ここではベース基板3上に2枚の太陽電池セル1からなるストリングと、3枚の太陽電池セル1からなるストリングとを混載している。しかし、ベース基板3上のストリングは全て2枚の太陽電池セル1からなるストリングであってもよく、また、ベース基板3上のストリングは全て3枚の太陽電池セル1からなるストリングであってもよい。また、2枚または3枚の太陽電池セル1からなるストリングの他に、図2に示すような、ストリングを構成しない太陽電池セル1が搭載されていてもよい。
このように、2枚または3枚の太陽電池セル1からなるストリングが設けられており、全ての太陽電池セル1の上面および下面のそれぞれが個別に太陽電池モジュールの外に引き出されているわけでない点以外の構造は、図1〜図4に示した構造と同一である。したがって、図5および図6に示す2枚または3枚の太陽電池セル1からなるストリングのそれぞれの電極は太陽電池セルモジュールの外部に引き出されている。また、隣り合うストリング同士は、太陽電池モジュールの外において、配線(図示しない)を介して電気的に接続されている。つまり、樹脂層7内において、隣り合うストリング同士は、互いに絶縁されている。
また、本変形例においても、図4に示した回路図のように、1群の太陽電池セル群およびバイパスダイオードを含む回路が2個の端子間に形成されている。ただし、当該太陽電池セル群は、2枚または3枚の太陽電池セル1からなるストリングを、複数直列に接続することで形成されている。
次に、本実施の形態の変形例の効果について説明する。
本変形例の光電変換装置では、樹脂からなるベース基板3を用いているため、例えば、ガラス基板、EVAおよびバックシートを有する構成よりも、太陽電池モジュール自体の耐衝撃性を向上させることができる。
また、本変形例の光電変換装置は、は図6に示すように、2枚または3枚の太陽電池セル1からなるストリングをベース基板3上において封止し、それらのストリング毎に、電極を配線2と導通体6を介して太陽電池モジュールの外に引き出す構成を有している。ここで、ベース基板3の1辺に沿う方向に並べられた太陽電池セル1の数は4枚以上であり、2枚または3枚の太陽電池セル1からなる本変形例のストリングは小規模である。つまり、ベース基板3の1辺に沿う方向に並べられた太陽電池セル1の数をN枚とした場合、本変形例のストリングを構成する太陽電池セル1の数は、N枚未満である。
つまり、ベース基板3の1辺に沿う方向において太陽電池セルがN枚並べられている太陽電池モジュールにおいて、樹脂層により封止されたストリングが、N枚未満の数の太陽電池セル1を接続したものである。このため、応力による破損などの発生を防ぐことができる。
上記のように、本変形例の光電変換装置では、小規模なストリング毎に電極取出し口をベース基板3に設けることで、太陽電池モジュール内において個々のストリングを分離している。ストリングを構成する太陽電池セル1は2枚または3枚のみであるため、ベース基板3と蓋基板4との間の熱膨張係数の差による応力に起因して太陽電池セルおよび配線2などに加わる応力を、最小限に抑えることが可能である。よって、内部応力または衝撃に起因する太陽電池セル1の破損、配線2の断線、樹脂基板と封止樹脂との境界面での剥離、またはベース基板3と太陽電池セル1との境界面での剥離などを防ぐことができる。したがって、光電変換装置の信頼性を向上することができる。
また、本変形例の光電変換装置は、小規模なストリング同士を樹脂層7内で電気的に接続しておらず、各ストリングの両端の電極を太陽電池モジュールの外部に引き出している。したがって、小規模なストリング同士を結ぶ配線は、太陽電池モジュールを構成するベース基板3および樹脂層7を含む構造体の外部において、自由に結線が可能である。当該結線の態様は、太陽電池モジュールの形成後においても変更が容易である。このため、一部のストリングに、破損による異常または影による発電不良などが生じた場合において、配線を結線し直すことで、異常が生じた部分を回路から除外することが容易となる。よって、太陽電池モジュールの形成後または設置後のメンテナンスが容易となるため、光電変換装置の信頼性を向上させることができる。
また、上記比較例のようにストリングがN枚以上の太陽電池セルを含む場合に比べて、発電性能の低下を抑えることができるため、発電性能が著しく低下した太陽電池モジュール自体を、異常のない他の太陽電池モジュールに替える必要がなくなる。これにより、太陽電池モジュールの発電性能を、低コストで維持することが可能である。
また、本変形例の光電変換装置は、その製造工程において大規模なストリングを形成せず、複数の小規模なストリングをそれぞれベース基板3上に搭載し、その後、それらのストリングを樹脂層7により封止することで形成される。したがって、ストリングを形成するためのセル自動配線装置の大きさを縮小することができる。また、ストリングを搬送する搬送装置の大きさを縮小することができる。また、大規模なストリングをベース基板3上に搭載する必要がないため、ストリングをベース基板3上に搭載するための装置の大きさを縮小することができる。
つまり、ベース基板3上に搭載するストリングを形成する装置、ストリングを搬送する装置、および、ベース基板3上にストリングを搭載するために用いる装置は、上記比較例の光電変換装置の製造工程で用いる装置に比べて小規模な装置で済む。また、これによりそれらの装置の取扱いが容易になるため、製造工程での問題が生じにくい。
また、太陽電池モジュールの製造工程中において、例えばベース基板3上に複数のストリングを搭載した後であって、樹脂封止工程の前に、一部のストリングに異常が発見された場合、異常が発見されたストリングのみを交換することができる。上記比較例において、ベース基板上に搭載されたストリングを構成する各太陽電池セルは、N枚以上の太陽電池セルを有する大規模なストリングであるため、異常が発見された場合にはそのストリング自体を破棄する必要がある。これに対し、本変形例で上記のような異常が発見された場合、封止前のベース基板3上の小規模なストリングを交換すれば済むため、光電変換装置の製造コストを低減することができる。
ここで、本変形例においてストリングを構成する太陽電池セル1の最大の数を3枚としている理由は、以下の通りである。すなわち、ストリングを構成する太陽電池セル1の数を4枚以上とすると、上記比較例に比べて、太陽電池セル1および配線に加わる応力の大きさの変化が小さい。つまり、ストリングを構成する太陽電池セル1の数を4枚以上とした場合、効果的に応力を低減することができない。
これに対し、ストリングを構成する太陽電池セル1の数を3枚とすれば、上記比較例の大規模なストリングに比べて、太陽電池セル1および配線に加わる応力を効果的に低減することができ、ストリングの破損を防ぐことができる。したがって、本変形例では、ストリングを構成する太陽電池セル1の数を2枚または3枚としている。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
例えば、図4では、直列に接続された10枚の太陽電池セル1からなる太陽電池セル群に対し、1個のバイパスダイオード8を並列に接続しているが、バイパスダイオード8を並列に接続する対象は、より小規模であってもよい。つまり、図5に示す1個のストリングに対して、1個のバイパスダイオードを並列に接続してもよい。
また、図1に示す1枚の太陽電池セル1ごとに、1個のバイパスダイオードを並列に接続してもよい。この場合、太陽電池モジュールを構成する太陽電池セル1の数と、バイパスダイオードの数とが同一になる。
本発明は、太陽電池セルを複数有する光電変換装置に広く適用することができる。
1 太陽電池セル
2 配線
3 ベース基板
4 蓋基板
5 枠部
6 導通体
7 樹脂層
8 バイパスダイオード
9 太陽電池セル群
2 配線
3 ベース基板
4 蓋基板
5 枠部
6 導通体
7 樹脂層
8 バイパスダイオード
9 太陽電池セル群
Claims (9)
- ベース基板と、
前記ベース基板上において1方向に並べて設けられたN枚の太陽電池セルと、
複数の前記太陽電池セルを封止する樹脂層と、
を有し、
複数の前記太陽電池セルのそれぞれの電極が、前記ベース基板および前記樹脂層を含む構造体の外部に引き出され、
または、2枚以上N枚未満の前記太陽電池セルを互いに接続した構成を有する1単位のストリングの電極が、前記構造体の外部に引き出されている、光電変換装置。 - 請求項1記載の光電変換装置において、
前記樹脂層内において、複数の前記太陽電池セルのそれぞれは、互いに絶縁されている、光電変換装置。 - 請求項1記載の光電変換装置において、
前記ストリングは前記樹脂層内において複数設けられ、複数の前記ストリングのそれぞれは、互いに絶縁されている、光電変換装置。 - 請求項1記載の光電変換装置において、
複数の前記太陽電池セルは、前記構造体の外部において電気的に接続されている、光電変換装置。 - 請求項1記載の光電変換装置において、
前記ストリングは、2枚もしくは3枚の前記太陽電池セルを直列、または並列に接続した構造を有している、光電変換装置。 - 請求項1記載の光電変換装置において、
前記太陽電池セルの電極または前記ストリングの電極は、前記ベース基板を貫通する導通体を介して、前記ベース基板の下面側に引き出されている、光電変換装置。 - 請求項1記載の光電変換装置において、
前記樹脂層上には、蓋基板が設けられており、
前記ベース基板および前記蓋基板は、光透過性を有する、光電変換装置。 - 請求項1記載の光電変換装置において、
前記ベース基板は、樹脂からなる、光電変換装置。 - 請求項1記載の光電変換装置において、
複数の前記太陽電池セルは、直列に接続され、1群の太陽電池セル群を構成しており、
前記太陽電池セル群は、バイパスダイオードと並列に接続されている、光電変換装置。
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-
2013
- 2013-09-25 JP JP2013198012A patent/JP2015065276A/ja active Pending
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