JP2015063619A - 蛍光体 - Google Patents

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【課題】硫水分又は硫化水素ガスなどの悪影響を抑制するために被覆層を形成したとしても、光の取出し効率の低下を抑えることができる、新たな蛍光体を提案する。【解決手段】蛍光体粒子(「母体粒子」とも称する)の表面側の全体又は一部に被覆層が存在し、該被覆層内に、空隙を有する多孔質部が存在する構成を備えた蛍光体を提案する。【選択図】図1

Description

本発明は、被覆層を備えた蛍光体に関する。中でも、耐水性向上等の目的のために被覆層を形成した場合にも、光の取出し効率の低下を抑えることが可能な蛍光体に関する。
赤色蛍光体の代表例として、例えば(Ca、Sr)S:Eu、(Zn、Cd)(S、Se):Ag、Ba2ZnS3:Mnなど、母体に硫黄を含む硫黄含有蛍光体が知られているほか、特許文献1や特許文献2には、硫化カルシウム(CaS)を母体とし、Euを発光中心(付活剤)とし、Mn,Li,Cl、Ce,Gd等を増感剤(共付活剤)として含有してなる赤色蛍光体が開示されている。
また、緑色蛍光体として、(Ca、Sr、Ba)(Al、Ga、In)24:Euで表される硫化物系のチオガレート蛍光体が知られている(特許文献3、特許文献4、特許文献5)ほか、青色蛍光体として、例えばSrS:Ce、(Sr、Ca)Ga24:Ce、BaAl24:Eu、Ba2SiS4:Ce等の硫黄含有蛍光体が知られている。
このように母体に硫黄を含む硫黄含有蛍光体は、LEDなどによって励起され、組成によって様々な色を発光することができるため、各種蛍光体として開発が進められている。
しかし、この種の硫黄含有蛍光体は、水と反応し易いために、大気中で保存若しくは使用される場合、大気中の水分等と反応して加水分解して蛍光体が劣化し、発光が弱くなるという問題を抱えていた。
また、硫黄含有蛍光体中の硫黄と水との反応によって硫化水素ガスが発生し、この硫化水素ガスが、特に白色LED素子に使用される場合に、蛍光体と混合されるシリコーン樹脂の硬化を阻害したり、リードフレームの反射率を高めるために施されたAgめっき膜(以下「Ag反射膜」と称する)等の素子内部の金属部材を腐食させて、その反射性能を低下させたり、断線等の電気的不良の原因となったりするなどの問題が指摘されていた。
そこで従来、耐湿性等の向上を目的として、この種の蛍光体をガラス材料等でコーティングする方法(特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10)や、蛍光体粒子の表面を化学気相反応法によって被覆する方法(特許文献11)や、金属化合物の粒子を付着させる方法(特許文献12)等が提案されている。
また、特許文献13には、硫黄を含む硫黄含有蛍光体の表面に、耐水性を高めることができるガラス層や、硫化水素ガスを吸収することができるZnO化合物からなるZnO化合物層を備えた蛍光体が開示されている。
特開2002−80845号公報 特開2003−41250号公報 特開2002−060747号公報 特開2007−056267号公報 特開2007−214579号公報 特開2002−223008号公報 特開2004−250705号公報 特開2002−173675号公報 特開2008−7779号公報 特開2009−13186号公報 特開2005−82788号公報 特開2006−28458号公報 WO2012/77656A1公報
蛍光体粒子をガラス層で被覆すると、耐水性が高まるため、大気中の水分によって蛍光体が劣化して発光が弱くなるという欠点は解消される。
また、蛍光体粒子をZnO化合物からなる結晶質層で被覆すると、耐水性を高めることができると共に、ZnO化合物が硫化水素ガスを吸収するため、硫化水素ガスの悪影響を抑制することができる。
しかしながら、ガラス層や結晶質層で蛍光体粒子を被覆すると、励起光量の減衰や蛍光量の減衰を引き起こすため、光の取出し効率が低下してしまうという課題を抱えていた。
そこで本発明は、水分又は硫化水素ガスなどの悪影響を抑制するために被覆層を形成したとしても、光の取出し効率の低下を抑えることができる、新たな蛍光体を提案せんとするものである。
本発明は、蛍光体粒子(「母体粒子」とも称する)の表面側の全体又は一部に、空隙を有する多孔質部を備えた蛍光体粒子を含む蛍光体を提案する。例えば、母体粒子の表面側の全体又は一部に被覆層が存在し、該被覆層内に、空隙を有する多孔質部が存在する構成を備えた蛍光体を提案する。
本発明が提案する蛍光体は、蛍光体粒子(母体粒子)の表面側の全体又は一部に、空隙を有する多孔質部を備えた蛍光体粒子を含んでいるため、蛍光体に入射する励起光は、該多孔質部の空隙によって散乱を繰り返しながら、光量を減衰させることなく、蛍光体に到達する。他方、蛍光体から出射する蛍光は、多孔質部の空隙によって散乱を繰り返しながら、光量を減衰させることなく、蛍光体粒子外へ伝搬するため、母体粒子の表面側に、ガラス層や結晶質層などの被覆層が存在したとしても、光の取出し効率の低下を防ぐことができる。
よって、例えば母体粒子の表面側に、ガラス層や結晶質層などの被覆層が存在する場合において、該被覆層の厚さをより厚くして耐水性をさらに高めたり、硫化水素の吸収量を増加させたりしても、該被覆層内に多孔質部が存在することによって、光の取出し効率の低下を防ぐことができるから、耐水性や耐硫化水素ガス性などの信頼性と光の取出し特性とを両立させることができる。
(A)は、実施例1−1で得られた蛍光体の断面を、SEM(3000倍)で観察した電子顕微鏡写真であり、(B)は、(A)のマルで囲まれた部分、すなわち多孔質部の拡大写真である。 比較例1−4で得られた蛍光体の断面を、SEM(3000倍)で観察した電子顕微鏡写真である。 実施例及び比較例で得た蛍光体(サンプル)を用いて作製したLEDパッケージ(蛍光体充填前)の上面図である。 図3に示したLEDパッケージ(蛍光体充填後)の一部拡大上面図である。 図3に示したLEDパッケージ(蛍光体充填後)の縦断面図である。
以下に本発明の実施形態について詳細に述べる。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<本蛍光体>
本実施形態に係る蛍光体(以下「本蛍光体」と称する)は、蛍光体粒子(「母体粒子」とも称する)の表面側の全体又は一部に被覆層が存在し、該被覆層内に多孔質部が存在する構成を備えた蛍光体粒子(以下「本蛍光体粒子」と称する)を含む粉体である。
本蛍光体は、本蛍光体粒子を含む粉体であるが、全てが本蛍光体粒子でなくてもよい。例えば、一部に本蛍光体粒子とは認められない粒子、例えば多孔質部を備えていない蛍光体粒子や、前記被覆層を構成する成分からなる粒子(例えばガラス成分やZnO化合物からなる粒子)などが混じっていてもよい。本蛍光体に含まれる全粒子の多くが、本蛍光体粒子で占められていれば、それ以外の粒子が混じっていても、本蛍光体粒子のみからなる場合と同様の効果を得ることができるからである。よって、かかる観点から、本蛍光体は、全粒子のうちの80個数%以上、好ましくは90個数%以上を本蛍光体粒子が占めていればよい。
また、母体粒子の表面側に被覆層が存在すればよいから、母体粒子の表面と当該被覆層の間に他の層、例えば多孔質部を備えない層が介在してもよい。
<母体粒子>
本蛍光体の母体粒子は、特に組成を限定するものではない。なぜなら、母体粒子の表面側に多孔質部を備えてなる構成を採用した際の効果は、母体粒子の組成に関係なく享受できるからである。
但し、ガラス層や、ZnやAlなどを含有する無機化合物を含む結晶質層などが、母体粒子表面側に存在する場合の効果を考慮すると、母体粒子は、硫黄を含む硫黄含有蛍光体粒子であるのが好ましい。すなわち、母体粒子が硫黄含有蛍光体粒子であれば、空気中の水分等と反応して硫化水素ガスを発生する可能性があるが、ガラス層や結晶質層などで母体粒子を被覆すれば、母体粒子に対する水分の影響を抑えることができるからである。また、硫黄含有蛍光体粒子の表面側に、ZnやAlなどを含有する無機化合物を含む結晶質層が存在すれば、母体粒子に対する水分の影響を抑えることができると共に、硫黄含有蛍光体粒子から発生する硫化水素ガスを吸収することができるからである。
硫黄含有蛍光体粒子としては、アルカリ土類金属元素を少なくとも一種以上含む硫化物からなる硫黄含有蛍光体粒子を挙げることができる。具体例としては、例えば(Ca、Sr、Ba)S、(Zn、Cd)(S、Se)、Ba2ZnS3、(Ca、Sr、Ba)(Al、Ga、In)24:Eu、(Ca、Sr、Ba)Ga24、BaAl24、Ba2SiS4などを挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
なお、上記の表記において、括弧内の元素は0〜100%の比率でその何れか或いは二種類以上の元素を含んでいてもよいという意味である(後述する場合も同様)。
他方、このような結晶母体に組み合わせる付活元素又は共付活元素発光中心(発光イオン)としては、例えばSc、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属のイオンや、Cr、Ti、Ag、Cu、Au、Al、Mn、Sb等の遷移金属のイオンを挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
母体粒子の具体例としては、例えば青色蛍光体としてのBa2(Si1−xAl)S4:Ce(但し、式中のxは0<x<1)やSrS:Ce、緑色蛍光体としてのSrGa24:Eu、SrS:Tb、CaS:Ce、黄色蛍光体としてのCaGa24:Eu、Sr2SiS4:Eu、CaS:Ce,Eu、赤色蛍光体としての(Ca1−xSr)S:Eu,In(但し、式中のxは0〜1)や、La22S:Eu、Y22S:Euなどを代表例として挙げることができる。但し、これらに限定するものではない。
なお、以上挙げたうちの1種類の蛍光体を用いることも可能であるし、また、2種類以上の蛍光体を組み合わせて用いることも可能である。
母体粒子は、一次粒子であっても、該一次粒子同士が一部結合したり、凝集したりしてなる二次粒子であってもよい。すなわち、本蛍光体粒子としては、一次粒子又は二次粒子からなる母体粒子の表面側の全体又は一部に多孔質部を備えていればよい。
母体粒子の一次粒子及び二次粒子の形状は、特に限定するものではない。
母体粒子の一次粒子及び二次粒子の粒径は、特に制限するものではない。但し、分散性の観点からは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定して得られる体積基準粒度分布によるD50が0.1μm〜50μmであることが好ましく、1μm以上或いは30μm以下であることがより好ましく、2μm以上或いは20μm以下であることが特に好ましい。
D50が0.1μm以上であれば、発光効率が低下する傾向もなく、また、蛍光体粒子が凝集することもない。また、50μm以下であれば、分散性を維持して、塗布ムラやディスペンサー等の閉塞を防ぐことができる。
<被覆層>
被覆層は、母体粒子の表面の全体を被覆するように存在してもよいし、また、母体粒子の表面の一部に該被覆層で被覆されない部分が存在するように存在してもよい。
また、被覆層は、一層であってもよいし、二層或いはそれ以上の多層であってもよい。例えば、母体粒子の表面側に、ガラス層、或いはZnやAlなどを含有する無機化合物を含む結晶質層がそれぞれ一層存在してもよいし、ガラス層及び結晶質層が積層していてもよい。
被覆層の一例として、Si、Al、Zn、Ba、Sr、Ca、Mg及びBからなる群から選択される1種又は2種以上の元素を有する酸化物又はフッ化物を含む層を挙げることができる。なお、この点は後述する。
本蛍光体では、被覆層の厚さを大きくしても、多孔質部の存在によって、光の取り出し効率が低下しないため、被覆層の厚さを大きくして、耐水性や硫化水素ガスの吸収特性などの信頼性を高めることができる。よって、かかる観点から、被覆層の厚さは170nm〜10000nm、中でも200nm以上或いは5000nm以下、その中でも400nm以上或いは1000nm以下であるのが好ましい。
以下、被覆層の例として、ガラス層及び結晶質層について説明する。ただし、本蛍光体における被覆層がこれらに限定されるものではない。
(ガラス層)
本蛍光体の母体粒子が、例えば硫黄含有蛍光体粒子である場合、水と反応し易いために、大気中で保存若しくは使用されると、大気中の水分等と母体粒子が反応して加水分解して蛍光体が劣化して発光が弱くなるという問題を抱えていた。これに対し、母体粒子の表面をガラス層で被覆すれば、耐湿性が向上するため、この問題を解消することができる。
本蛍光体粒子がガラス層を備える形態としては、例えば母体粒子の表面に結晶質層が存在し、これを被覆するようにガラス層を備えてもよいし、また、母体粒子の表面にガラス層を形成し、該ガラス層の表面に結晶質層が存在してもよい。さらには、被覆層を3層以上とし、その一つの任意の層をガラス層とし、他の任意の層が結晶質層としてもよい。
ガラス層を構成する成分は、非晶質ガラス、結晶質ガラスのいずれであってもよい。
ガラスの緻密性や光透過性を高める観点からは、非晶質ガラスが好ましい。他方、水や酸・アルカリに対する化学的耐久性を改善するために、ガラス内に微細な結晶粒子を析出させた結晶質ガラスを用いてもよい。
ガラス層は、ガラス組成物を含有していればよい。
該ガラス組成物としては、例えばSi、Al、Zn、Bi、Ba、Sr、Ca、Mg及びBからなる群から選択される1種又は2種以上の元素を有する酸化物又はフッ化物からなるガラス組成物を挙げることができる。より具体的には、例えばSiO2、SiO−B、Ma2O−MbO−B23−SiO2、(Maはアルカリ金属、Mbはアルカリ土類金属又はZn)、例えばSiO−B−Al、SiO−ZnO、B−ZnO、SiO−B−ZnO、Al−ZnO、SiO−B−Al−ZnO、SiO−B−AlF−ZnO、(Mg、Ca、Sr、Ba)O−SiO−B、(Mg、Ca、Sr、Ba)O−SiO−B−AlFAl−B3、Al−B、Al−AlF−ZnO−BBi−SiO−ZnOBi−SiO−BBi−(Mg、Ca、Sr、Ba)O−SiO−Bなどのガラス組成物を挙げることができる。
ガラス層の形成方法としては、例えばガラス層の前駆体と水と溶媒とを含む前駆体混合物を準備し、前駆体混合物と蛍光体粒子とを混合し、ゾル−ゲル反応を誘導して、蛍光体粒子の表面にガラスをコートし、次に、フィルタリングによって、ガラス層が形成された蛍光体粒子のみを分離して得た後、その蛍光体粒子を乾燥及び熱処理すればよい。
また、蛍光体粒子とガラス組成物の粉末とを混合し、ガラス組成物の粉末が溶融されて蛍光体粒子を取り囲むように、ガラス組成物の粉末と蛍光体粒子との混合物を熱処理した後、その混合物を冷却するようにしてもよい。
そのほか、蛍光体粒子の表面を化学気相反応法によって被覆する方法や、金属化合物の粒子を付着させる方法などを採用することも可能である。
(結晶質層)
本蛍光体の母体粒子が例えば硫黄含有蛍光体粒子である場合、水と反応し易いために、大気中で保存若しくは使用されると、大気中の水分等と反応して加水分解して蛍光体が劣化して発光が弱くなるという問題を抱えていた。これに対し、母体粒子の表面を、結晶質層で被覆すれば、耐湿性が向上するため、この問題を解消することができる。
また、硫黄含有蛍光体粒子中の硫黄と水との反応によって硫化水素ガスが発生したとしても、硫黄含有蛍光体粒子(母体粒子)の表面側に、ZnO化合物などを含む結晶質層が存在すれば、該結晶質層が硫化水素ガスを吸収することができるため、かかる問題をも解消することができる。
本蛍光体粒子が結晶質層を備える形態としては、例えば母体粒子の表面にガラス層が存在し、これを被覆するように結晶質層を備えてもよいし、また、母体粒子の表面に結晶質層を形成し、該結晶質層の表面にガラス層が存在してもよい。さらには、被覆層を3層以上とし、その一つの任意の層を結晶質層とし、他の任意の層がガラス層としてもよい。
但し、耐湿性をより一層高めるためには、母体粒子の表面に結晶質層が存在し、該結晶質層を被覆するようにガラス層が存在する構成が好ましい。
結晶質層は、結晶性を有する無機化合物微粒子を含有する層であればよい。この際、無機化合物微粒子が連続的につながって層を為して母体粒子の表面側を被覆しているのが好ましい。但し、結晶質層が存在しない部分が見られてもよい。
当該無機化合物微粒子としては、例えば金属酸化物、金属酸硫化物、金属フッ化物、金属酸フッ化物、金属窒化物、金属酸窒化物などの材料からなる微粒子を挙げることができる。但しこれらに限定するものではない。具体的には、例えばSi、Al、Ga、Zn、Ba、Sr、Ca、Mg、Y、La,Gd及びLuからなる群から選択される1種又は2種以上の元素を有する酸化物、酸硫化物又はフッ化物からなる微粒子を挙げることができる。例えば(Mg、Ca、Sr,Ba)ZnOS、ZnAl2などである。但し、これらに限定するものではない。
なお、上記の表記において、括弧内の元素は0〜100%の比率でその何れか或いは二種類以上の元素を含んでいてもよいという意味である。
これらの中でも、Zn及びOを含有するZnO化合物を含むように結晶質層を形成するのが好ましい。Zn及びOを含有するZnO化合物は、硫化水素ガスと反応し、且つ、LED等の光を吸収せず色に影響を与えることがない、言い換えれば白色透明であるという特徴を有しているからである。
上記のZnO化合物としては、Zn及びOを含有する化合物であればよく、例えばZnO、Zn(OH)2、ZnSO4・nH2O(0≦n≦7)、ZnTi、ZnTi、ZnTiO4、ZnTiO、ZnBaO、ZnBa、ZnGa、Zn1.23Ga0.28、ZnGaO、ZnGa、Zn0.125〜0.95Mg0.05〜0.9O、Zn0.1〜0.75Ca0.25〜0.9O、ZnSrO、Zn0.3Al2.4、ZnAl、Zn3〜7In6〜10、ZnSnO、ZnSnOからなる群から選ばれる一種又は二種以上の化合物または結晶性微粒子を挙げることができる。
さらにまた、ステアリン酸亜鉛などの有機酸亜鉛塩であってもよい。
ZnO化合物と母体粒子中の硫黄は化学結合していないことが好ましい。化学結合して、母体粒子中のSとZnO化合物のZnが反応してZnSが生成すると、硫化水素ガスとの反応が阻害されるばかりか、新たなAg反射膜の腐食要因となるからである。よって、ZnO化合物は、母体粒子の表面側に物理的に付着しているのが好ましい。
母体粒子とZnO化合物との質量割合は、母体粒子:ZnO化合物=1:0.005〜1:1であるのが好ましい。ZnO化合物の割合が、前記範囲内であれば、硫化水素ガス吸着の効果を得ることができるばかりか、蛍光体がLEDから発せられた光を吸収して発光するのを妨げることがなく、蛍光体の発光効率を維持することができる。かかる観点から、特に硫黄含有蛍光体:ZnO化合物=1:0.01〜1:0.5であるのが好ましく、中でも特に1:0.02〜1:0.3であるのがより一層好ましい。
ZnO化合物(特にZn)の存在割合に関しては、硫化水素ガスの悪影響を抑制する観点から、本蛍光体中のSの原子数量NSに対する、ZnO化合物中のZnの原子数量NZnの比率NZn/NSが0.0050以上であるのが好ましく、特に0.0100以上、中でも特に0.0200以上であるのがより一層好ましい。他方、蛍光体がLEDから発せられた光を吸収し発光するのを妨げない観点からは、本蛍光体中のSの原子数量NSに対する、ZnO化合物中のZnの原子数量NZnの比率NZn/NSが1.0000以下であるのが好ましく、特に0.5000以下、中でも特に0.3000以下であるのがより一層好ましい。
また、ZnO化合物からなる結晶粒子の周囲に、Znを含まない酸化物、酸硫化物又はフッ化物の微細な結晶粒子(「非Zn系結晶粒子」と称する)が接触するように混合された状態で存在するのも好ましい一例である。
Zn化合物の中にはZnOをはじめとして吸湿性をもつ材料が多いため、非Zn系結晶粒子が接触するように混合された状態で存在すれば、前記ZnO化合物が吸湿して白色化することをより一層抑えることができる。
上記非Zn系結晶粒子としては、例えば(Mg、Ca、Sr,Ba)O、(Mg、Ca、Sr、Ba)F、(Al、Ga)、SiO−Al3、(Y、La、Gd)S、(Y、La、Gd)などの微粒子を挙げることができる。
ZnO化合物粒子に非Zn系結晶粒子が接触するように混合してなる状態の粒子として、例えば(Mg、Ca、Sr、Ba)F−ZnO、ZnAl24、(Al、Ga)−ZnO、(Mg、Ca、Sr、Ba)F−SiO−Al−ZnO(Y、La、Gd)S−ZnO、(Y、La、Gd)−ZnOなどを挙げることができる。
この際、非Zn系結晶粒子の量は特に限定されるものではない。例えばZnO化合物の5〜95質量%、中でも10質量%以上或いは70質量%以下、その中でも25質量%以上或いは50質量%以下であるのが好ましい。
結晶質層を構成する微細な結晶粒子は、SEM又はTEM観察による平均粒径が1μm未満の結晶粒子であるのが好ましく、中でも平均粒径0.3μm未満、その中でも0.1μm以下、さらにその中でも0.01μm以下の結晶粒子であるのがより好ましい。
無色透明(白色)の結晶粒子で、さらに平均粒径が1μm未満、さらにそれより微粒であれば、当該結晶粒子がLEDより発せられた光を散乱させず、LEDから発せられた光を蛍光体が吸収するのを妨げないため、好ましい。また、硫化水素ガスを吸着する目的を考慮すると、比表面積が大きい方が好ましいから、この観点からすると、100nm以下であれば、さらに好ましいといえる。
なお、SEM又はTEM観察による平均粒径は、任意の10個の視野で観測される任意の100個の平均粒径であり、粒子がアスペクト比を持つ場合は、長径と短径の平均値をその粒子の粒径とした。
母体粒子の表面側に結晶質層を存在させる製法としては、例えばZnO化合物粒子、或いはZnO化合物粒子および非Zn系結晶粒子などを溶媒(例えばエタノール)に加えて超音波分散させ、これに母体粒子粉末、例えば硫黄含有蛍光体粉末を添加して攪拌した後、溶媒を蒸発させて、母体粒子の表面に結晶粒子を付着させて存在させるようにすればよい。
また、母体粒子粉末、例えば硫黄含有蛍光体粉末と、結晶粒子とをブレンダー等を使って乾式混合しても、母体粒子の表面に結晶粒子を付着させて存在させることは可能である。
また、例えば化学気相反応法などの方法を採用することもできる。
但し、このような方法に限定されるものではない。
<多孔質部>
本蛍光体は、母体粒子の表面側に存在する上記被覆層の表面側の全体又は一部に多孔質部が存在していればよい。例えば被覆層の表面側の適宜箇所が部分的に多孔質部となっていればよい。
このように各母体粒子の表面側に少なくとも一か所でも多孔質部を備えていれば、それぞれの母体粒子について光の散乱効果を得ることができる。すなわち、本蛍光体粒子のそれぞれが一か所に多孔質部を備えていれば、多数の本蛍光体粒子の集合である本蛍光としては多数の多孔質部、言い換えれば散乱部を備えることになるから、光の散乱効果を十分に得ることができる。なお、該多孔質部を備えない母体粒子が含まれていてもよい。
後述するように、被覆層を形成した後、洗浄液に溶出し易い成分を、洗浄によって被覆層内から溶出させることにより、多孔質部を形成するという製法を用いると、被覆層の厚さがより大きな部分に多孔質部が形成される傾向が認められる。
ここで、多孔質部は、SEM又はTEM観察により断面を見た際に、10μmの範囲内に少なくとも2個以上、好ましくは5個以上、中でも10個以上の空隙を備えている部分であるのが好ましい。
多孔質部の空隙は、大き過ぎると、水蒸気や硫化水素といったガスの出入りがしやすくなり蛍光体の吸湿劣化やLEDパッケージ内の銀の腐食(硫化)を起こしやすくなる一方、小さ過ぎると、光の散乱が過度に著しくなるため光の減衰を起こしLEDの光束低下を招くことになる。よって、一つの空隙の孔径は、SEM又はTEM観察による平均粒径で30nm〜1,000nmであるのが好ましく、中でも50nm以上或いは800nm以下、その中でも100nm以上或いは500nm以下であるのが特に好ましい。また、最大の空隙の孔径は、その空隙が存在する多孔質部の厚さの2分の1以下、好ましくは5分の1以下、中でも10分の1以下であるのが特に好ましい。
前記多孔質部は、ガスバリア性を高める観点からは厚い方が好ましいが、厚過ぎると粒子全体が肥大化しLEDパッケージへポッティングする際に樹脂との混合ムラなどを生じる可能性があるため、70nm〜5000nmの厚さを有するのが好ましく、中でも100nm以上或いは3000nm以下であるのがさらに好ましく、その中でも300nm以上或いは2000nm以下であるのがさらに好ましい。
なお、母体粒子及び被覆層は、必要に応じて、各種添加剤、例えば可塑剤、顔料、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、発泡剤、フィラー、帯電防止剤、繊維等の補強剤などを適宜含有してもよい。
<製造方法>
母体粒子の表面側に被覆層を存在させると共に、該被覆層内に多孔質部を形成する方法としては、例えば、噴霧乾燥法などによって被覆層を形成する際に、噴霧する組成物中に水溶性粒子を含ませておき、被覆層を形成した後に、水洗するなどして水溶性粒子を溶出させることで、被覆層内に多孔質部を形成する方法を挙げることができる。
この際、水溶性粒子の大きさと量を調整することで、多孔質部の孔径と空隙容積を調整することができる。
また、水溶性粒子としては、例えば酸化ホウ素(例えばB23)粒子や、硫酸マグネシウム粒子、硫酸亜鉛粒子などを挙げることができる。
<用途>
本蛍光体は、例えばLED、レーザー又はダイオード等の1個以上の半導体型発光素子と組み合わせて発光素子を構成することができる。すなわち、当該半導体型発光素子の近傍に本蛍光体を配置することにより、発光素子乃至装置を構成し、各種用途に用いることができる。例えばLED上に、直接或は粘着剤や接着剤を介して間接的に接触させるように配置すればよい。
このように本蛍光体をLEDの近傍に配置することにより、例えば照明装置や特殊光源のほか、液晶表示装置などの画像表示装置のバックライトなどに利用することができる。
また、発光体の近傍に電界源や電子源を配置してその近傍に配置することで、EL、FED、CRTなどの表示デバイスに利用することができる。発光体の近傍とは、該発光体が発光した光を受光し得る位置をいう。
より具体的には、例えば、少なくとも1つのLEDチップと、少なくとも一つの蛍光体とを備えており、LEDから発せられる光の少なくとも一部を蛍光体が吸収し、LEDから発せられる光と、蛍光体から発せられる光が混合された光を得る波長変換型発光素子を構成することができ、これを照明装置や画像表示装置の発光素子として利用することができる。
また、反射板としての金属部材上に、LEDなどの固体発光素子を配置すると共に、本蛍光体を樹脂中に配合して形成してなる蛍光体含有層を形成してなる構成を備えた発光デバイスを構成することができる。
上記発光デバイスにおける金属部材としては、硫黄系ガスと反応する金属部材、例えばVIII族系金属、或いはIB族系金属を一種以上含有する金属又は合金からなるものを挙げることができる。具体的には、例えば銀、銀系合金、銅、銅系合金、ニッケル、ニッケル系合金、鉄、鉄系合金などを挙げることができる。
また、上記発光デバイスにおける樹脂としては、透明若しくは白色の熱可塑性樹脂、透明若しくは白色の熱硬化性樹脂、および、透明若しくは白色の光硬化樹脂のいずれかを用いることもできる。
上記発光デバイスは、例えばLED電球装置やLED照明装置などの照明装置や、液晶テレビのバックライトや、信号機、インジケーターなどの視覚装置の部品として好適に用いることができる。
<用語の説明>
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
(比較例1−1 Sr0.97Eu0.09Ga24蛍光体の合成)
出発原料としてのSrS、Ga23及びEuSを目的の組成となるように秤量して混合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、980℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、Sr0.97Eu0.09Ga24からなる蛍光体粉末(サンプル)を得た。
得られた蛍光体について、セイコーインスツル社製SPS7800によりICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。
(比較例1−2 Ba0.22Sr0.75Eu0.09Ga24蛍光体の合成)
出発原料として、BaSを追加した点以外は、比較例1−1と同様にしてBa0.22Sr0.75Eu0.09Ga24からなる蛍光体粉末(サンプル)を得た。得られた蛍光体について、セイコーインスツル社製SPS7800によりICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。
(比較例1−3 Ca0.97Eu0.09Ga24蛍光体の合成)
出発原料として、SrSの代わりにCaSを使用した以外は、比較例1−1と同様にしてCa0.97Eu0.09Ga24からなる蛍光体粉末(サンプル)を得た。得られた蛍光体について、セイコーインスツル社製SPS7800によりICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。
(比較例2−1 Ca0.99Eu0.01S蛍光体の合成)
出発原料としてのCaS及びEuSを目的の組成となるように秤量して混合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で6時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、Ca0.99Eu0.01Sからなる蛍光体粉末(サンプル)を得た。
得られた蛍光体について、比較例1−1と同様にICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。
(比較例2−2 Ca0.22Sr0.79Eu0.01S蛍光体の合成)
出発原料として、SrSを追加した点以外は、比較例2−1と同様にしてCa0.22Sr0.79Eu0.01Sからなる蛍光体粉末(サンプル)を得た。
得られた蛍光体について、セイコーインスツル社製SPS7800によりICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。
(比較例1−4 B23−SiO2ガラス被覆Sr0.97Eu0.09Ga24蛍光体の合成)
比較例1−1で得られたSr0.97Eu0.09Ga24蛍光体を懸濁したエタノールに、純水、Si(OEt)4、H3BO3を加え、さらに触媒としてアンモニア水を少量添加して60℃で加水分解させ、ガラスの前駆体ゲルを蛍光体表面に被覆したガラス前駆体・蛍光体複合体を合成した。
このガラス前駆体・蛍光体複合体を、600℃で30分間熱処理して、B23−SiO2ガラスを被覆したB23−SiO2ガラス被覆Sr0.97Eu0.09Ga24蛍光体を得た。
得られた蛍光体について、比較例1と同様にICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。また、ICP分析の結果、蛍光体成分とガラス成分(SiO2及びB23)との質量比は1:0.0383であった。
(比較例1−5 B23−SiO2ガラス被覆Ba0.22Sr0.75Eu0.09Ga24蛍光体の合成)
比較例1−1で得られたSr0.97Eu0.09Ga24蛍光体の代わりに、比較例1−2で得られたBa0.22Sr0.75Eu0.09Ga24蛍光体を用いた以外は、比較例1−4と同様にして、B23−SiO2ガラスを被覆したB23−SiO2ガラス被覆Ba0.22Sr0.75Eu0.09Ga24蛍光体を得た。
得られた蛍光体について、比較例1−1と同様にICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。また、ICP分析の結果、蛍光体成分とガラス成分(SiO2及びB23)との質量比は1:0.0383であった。
(比較例1−6 B23−SiO2ガラス被覆Ca0.97Eu0.09Ga24蛍光体の合成)
比較例1−1で得られたSr0.97Eu0.09Ga24蛍光体の代わりに、比較例1−3で得られたCa0.97Eu0.09Ga24蛍光体を用いた以外は、比較例1−4と同様にして、B23−SiO2ガラスを被覆したB23−SiO2ガラス被覆Ca0.97Eu0.09Ga24蛍光体を得た。
得られた蛍光体について、比較例1−1と同様にICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。また、ICP分析の結果、蛍光体成分とガラス成分(SiO2及びB23)との質量比は1:0.0383であった。
(比較例2−3 B23−SiO2ガラス被覆Ca0.99Eu0.01S蛍光体蛍光体の合成)
比較例1−1で得られたSr0.97Eu0.09Ga24蛍光体の代わりに、比較例2−1で得られたCa0.99Eu0.01S蛍光体を用いた以外は、比較例1−4と同様にして、B23−SiO2ガラスを被覆したB23−SiO2ガラス被覆Ca0.99Eu0.01S蛍光体を得た。
得られた蛍光体について、比較例1−1と同様にICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。また、ICP分析の結果、蛍光体成分とガラス成分(SiO2及びB23)との質量比は1:0.0383であった。
(比較例2−4 B23−SiO2ガラス被覆Ca0.22Sr0.79Eu0.01S蛍光体の合成)
比較例1−1で得られたSr0.97Eu0.09Ga24蛍光体の代わりに、比較例2−2で得られたCa0.22Sr0.79Eu0.01S蛍光体を用いた以外は、比較例1−4と同様にして、B23−SiO2ガラスを被覆したB23−SiO2ガラス被覆Ca0.22Sr0.79Eu0.01S蛍光体を得た。
得られた蛍光体について、比較例1−1と同様にICP分析を行ったところ、Znは検出されなかった。また、ICP分析の結果、蛍光体成分とガラス成分(SiO2及びB23)との質量比は1:0.0383であった。
(実施例1−1 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
出発原料としてのSrS、Ga23及びEuSを目的の組成となるように秤量して混合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、980℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、SrGa24:Eu2+粒子粉末を得た。
こうして得られたSrGa24:Eu2+粒子粉末をエタノールに加えて懸濁させ、これに、純水、Si(OEt)4を加え、さらに触媒としてアンモニア水を少量添加して60℃で加水分解させ、SiO2ガラスを被覆したSiO2ガラス被覆SrGa24:Eu2+粒子粉末を得た。
こうして得られたSiO2ガラス被覆SrGa24:Eu2+粒子粉末をエタノールに加えて懸濁させ、これに、純水、Si(OEt)4、H3BO3を加え、さらに触媒としてアンモニア水を少量添加して60℃で加水分解させ、ガラスの前駆体ゲルを蛍光体表面に被覆したガラス前駆体・蛍光体複合体を合成した。
そして、このガラス前駆体・蛍光体複体を、600℃で30分間熱処理して、SiO2ガラス/B23−SiO2ガラスを被覆したSiO2ガラス/B23−SiO2ガラス被覆SrGa24:Eu2+粉末を得た。
上述の工程を経て得られたSiO2ガラス/B23−SiO2ガラス被覆SrGa24:Eu2+粉末100gを、1Lの純水中で5分間攪拌後、濾過して洗浄した。これにより、2層目被覆の工程で生成したSiO2リッチ相とB23リッチ相のうち、B23リッチ相が選択的に溶解し、被覆表面層に気孔が生成した。
濾過後のケーキを80℃で真空乾燥して、多孔質部含有被覆蛍光体(本蛍光体粒子、サンプル)を得た。
(実施例1−2 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
SrGa24:Eu2+粒子粉末の代わりに、比較例1−2のようにして得られたBa0.22Sr0.75Eu0.09Ga24粉末を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、多孔質部含有被覆蛍光体(サンプル)を得た。
(実施例1−3 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
SrGa24:Eu2+粒子粉末の代わりに、比較例1−3のようにして得られたCa0.97Eu0.09Ga24粉末を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、多孔質部含有被覆蛍光体(サンプル)を得た。
(実施例2−1 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
SrGa24:Eu2+粒子粉末の代わりに、比較例2−1のようにして得られたCa0.99Eu0.01S粉末を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、多孔質部含有被覆蛍光体(サンプル)を得た。
(実施例2−2 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
SrGa24:Eu2+粒子粉末の代わりに、比較例2−2のようにして得られたCa0.22Sr0.79Eu0.01S粉末を用いた以外は、実施例1−1と同様にして、多孔質部含有被覆蛍光体(サンプル)を得た。
(実施例1−4 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
出発原料としてのSrS、Ga23及びEuSを目的の組成となるように秤量して混合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、980℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、SrGa24:Eu2+粒子粉末を得た。
ZnO粒子粉末(平均粒径30nm)を、エタノール50mLとともにナス型フラスコに入れ、超音波洗浄器にてZnO粒子粉末をエタノール中に分散させ、ここに、前記で得たSrGa24:Eu2+粒子粉末10gを添加し、エバポレータで攪拌しながらエタノールを蒸発させ、ZnO被着SrGa24:Eu2+粒子粉末を得た。
こうして得られたZnO被着SrGa24:Eu2+粒子粉末をエタノールに加えて懸濁させ、これに、純水、Si(OEt)4、H3BO3を加え、さらに触媒としてアンモニア水を少量添加して60℃で加水分解させ、ガラスの前駆体ゲルを蛍光体表面に被覆したガラス前駆体・蛍光体複合体を合成した。
そして、この複合体を、600℃で30分間熱処理して、B23−SiO2ガラスを被覆したZnO/B23−SiO2ガラス被覆SrGa24:Eu2+粉末を得た。
次に、上述の工程を経て得られたZnO/B23−SiO2ガラス被覆SrGa24:Eu2+粉末100gを、1Lの純水中で5分間攪拌後、濾過して洗浄した。これにより、2層目被覆の工程で生成したSiO2リッチ相とB23リッチ相のうち、B23リッチ相が選択的に溶解し、被覆表面層に気孔が生成した。
濾過後のケーキを80℃で真空乾燥して、多孔質部含有被覆蛍光体(サンプル)を得た。
(実施例2−3 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
SrGa24:Eu2+粒子粉末の代わりに、比較例2−2のようにして得られたCa0.22Sr0.79Eu0.01S粉末を用いた以外は、実施例1−4と同様にして、多孔質部含有被覆蛍光体(サンプル)を得た。
(実施例1−5 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
実施例1−4においてZnO被着SrGa24:Eu2+粒子粉末を作製する際に、ZnO粒子粉末(平均粒径30nm)にAl23粒子粉末を加えて、ZnO−Al23被着SrGa24:Eu2+粒子粉末を得、その後、実施例1−4と同様に、B23−SiO2ガラスを被覆したZnO−Al23/B23−SiO2ガラス被覆SrGa24:Eu2+粉末を得、さらに実施例1−4と同様に多孔質部含有被覆蛍光体(サンプル)を得た。
(実施例2−4 多孔質部含有被覆蛍光体の合成)
実施例2−3においてZnO被着Ca0.22Sr0.79Eu0.01S粉末を作製する際に、ZnO粒子粉末(平均粒径30nm)にAl23粒子粉末を加えて、ZnO−Al23被着Ca0.22Sr0.79Eu0.01S粉末を得、その後、実施例2−3と同様に、B23−SiO2ガラスを被覆したZnO−Al23/B23−SiO2ガラス被覆Ca0.22Sr0.79Eu0.01S粉末を得、さらに実施例2−3と同様に多孔質部含有被覆蛍光体(サンプル)を得た。
<評価試験>
実施例・比較例で得た蛍光体(サンプル)を次の評価試験にて評価した。
(多孔質部の観察及び測定)
多孔質部の空隙の孔径の評価は以下のように行った。まず、被覆蛍光体とエポキシ樹脂を混合し、真空乾燥器中で脱気したのち、そのまま加熱硬化した。さらにその被覆蛍光体・エポキシ樹脂混合硬化物を、クロスセクションポリッシャ(JEOL社製「SM-09010」)で切断し、被覆蛍光体の断面を露出させた。その後、切断面中に露出した被覆蛍光体の部分を、FE−SEMにより観察し、さらに、エネルギー分散X線分光法(EDS)を用いて元素濃度を測定した。
この測定では、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM、日本電子社製「JSM7001F」)に接続したEDS検出器(オックスフォード・インストゥルメンツ社製「INCA Energy250」と定量分析ソフト(Thermo Fisher SCIENTIFIC社製「NORAN system7」を用いて、Si、Zn、Al、C及びOの分布を分析した。
なお、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM)の加速電圧は5kV、電流は18μA、ワーキングディスタンス10.00mmとし、Spectral Imagingにより多孔質部の確認、Point&Shootにより定量分析を行った。定量分析の設定値はライフタイム60秒、プロセスタイム3、スペクトルレンジ0から20keVとした。
ピークの検出位置を、Siが1.74keV、Znが1.02keV、Cが0.28keV、Oが0.52keVとし、6元素の合計を100wt.%とし、各元素の質量濃度を計算した。
多孔質部を観察及び測定した結果、いずれの実施例においても、実施例1−1で得られた蛍光体の断面の電子顕微鏡写真図1(A)、(B)に見られるように、蛍光体粒子の最外縁部に、CとOを主な成分とした領域を一部に有するSiとOを主な成分とする被覆層が確認された。この際、CとOは、蛍光体表面に形成された多孔質部の空隙に入り込んだエポキシ樹脂である。なお電子顕微鏡写真図1の蛍光体断面において、表面に形成された被覆層の厚さは0.4μmから0.7μm、多孔質部の厚さは0.8μmから1.5μmであった。
空隙の孔径は以下のように定義した。まず、一つのCとOを主成分とする連続した領域をSEM画像より抽出し、さらにそれが外接する長方形を設定した。この時、CとOを主成分とする領域とそれ外接する長方形とは、長方形の各四辺で必ず接するように設定し、また長辺の長さは空隙とそれを囲うSiとOを主成分とする領域の境界の最も離れた二点の距離となるようにした。このように設定した長方形の長辺と短辺の平均値を空隙の孔径とし、各実施例において、それぞれ10個の空隙を無作為に抽出し、その孔径を測定した。
その結果、すべての実施例において、空隙の孔径は1nm〜1000nmの範囲にあった。また、B−SiOで被覆した比較例のSEM像には、空隙は確認されなかった。
(Ag腐食試験)
実施例及び比較例で得た蛍光体(サンプル)を、それぞれシリコーン樹脂と混練して蛍光体樹脂混合物を得た。石英ガラス板上にメッキによりAg膜(70nm)を形成したAg膜付ガラス板のAg膜側に、前記蛍光体樹脂混合物を300μmの厚さに塗布し、120℃×1時間に加熱硬化させ、環境試験用のテストピースを得た。
また、蛍光体を混合していない樹脂のみをガラス片のAg膜側に塗布して硬化させたテストピースも作製した(参照例)。
実施例・比較例の蛍光体を用いたテストピースを、60℃、90%RHの恒温槽内に20時間保存し、保存後のテストピースの蛍光体樹脂混合膜をピンセットにより剥離し、露出したAg膜の反射率(%)を測定し、Ag膜の腐食を評価した。
なお、反射率の測定は、分光測色計(コニカミノルタ製「CM−2600d」)を使用して測定した。
(硫化水素ガス発生量の評価試験)
実施例及び比較例で得た蛍光体をそれぞれ2g秤量し、パイレックス(商標登録)ガラス製のシャーレに薄く広げてのせた。また、純水を10g入れたパイレックス(商標登録)ガラス製のシャーレを用意した。
密閉可能な角型アクリルデシケータ(内容積6.76L)の中に、比較例・実施例で得た蛍光体をのせたシャーレと、純水を入れたシャーレと、ガステック社製拡散式硫化水素測定器GHS−8AT(測定範囲0〜125ppm)と、ボタン型温湿度記録計(KHラボラトリー製ハイグロクロン)とを入れて、該デシケータを密閉した。
さらに、30℃に調整された恒温槽(エスペックSH−641)内に、デシケータごと入れて、その状態で10時間硫化水素濃度を測定した。
硫化水素濃度の測定中のアクリルデシケータ内の温度と湿度は、それぞれ概ね30℃、90%RHであった。
(発光強度の評価方法)
上記実施例及び比較例で得た蛍光体を用いて発光デバイス(LEDパッケージ)を作製し、光束維持率(光束相対値)を評価した。
樹脂(シリコーン樹脂、東レ・ダウコーニング社製「OE−6630」(A液:B液=1:4)中に、該樹脂に対して、各実施例・比較例で得た蛍光体(サンプル)5wt.%を混合し、自転・公転ミキサー(シンキ−社製「AR−250」)で撹拌、脱泡を60秒ずつ行い、樹脂と蛍光体の混合物を得た。この混合物をLEDリードフレーム(図3参照)内に800μmの厚みで充填した。その後、ゆっくりとシリコーン樹脂を硬化させてLEDパッケージ(サンプル)を作製した(図4、図5参照)。
温度85℃、湿度85%RHに設定した小型環境試験器(エスペック社製「SH−641」)内に、実施例及び比較例で得たサンプル(LEDパッケージ)を1000時間放置し、放置前の光束を100%とし、放置後の光束変化を調べた。
光束は、LEDパッケージに電圧3V、電流50mAを印加し、2インチの積分球(ラブスフェア社製「SPH−2−2」、バッフル付き「BP−2−0」)で集光し、光ファイバ(オーシャンオプティクス社製「VIS−NIR」、コア径400μm)でファイバマルチチャンネル分光器(オーシャンオプティクス社製「USB4000」)と接続して測光し、測定用ソフト(オーシャンフォトニクス社製「OPwave Version1.40」)を用いて、積分時間4ms、平均回数10回、スムージング回数10回でLEDパッケージの光束を得た。
なお、発光スペクトルおよび強度は、絶対強度補正用ハロゲン光源(オーシャンオプティクス社製「LS−1−CAL」を用いて補正した。
(考察)
表1に示すとおり、比較例1-4〜1−6は、母体粒子表面をSiO−Bで被覆することで、比較例1−1〜1−3の母体粒子(未被覆)に比べ、耐湿性が大幅に改善された。しかしながら、光束相対値は5−10%の低下が見られた。そこで、実施例1−1〜1−3では、比較例1−1〜1−3および比較例1-4〜1−6と同組成の母体粒子表面に、母体粒子側から順に、SiO、SiO−Bからなる層を積層して被覆し、更に多孔質部を例えば実施例1−1のように形成した。その結果、比較例1−4〜1−6と同様に耐湿性を低下させることなく(むしろ改善され)、相対光束値は比較例1−1〜1−3と同程度に回復させることができた。
このことより、母体粒子表面の被覆によってガスバリア性を高めたことで、耐湿性や耐Ag腐食性を改善させることができ、なお且つ、多孔質部を形成したことにより光の減衰を抑えることができたものと考えられる。
なお、比較例1−4〜1−6のサンプルを、実施例1−1〜1−3と同様に多孔質部を形成しようとすると、水洗処理中に下地層となるSiOがないため、蛍光体粒子の表面が露出し、蛍光体粒子が水と反応してしまい光束が低下してしまった。
また、実施例1−1〜1−3で多孔質部を形成する前に光束を測定すると、光束が比較例1−4〜1−6より更に5%ほど低下する結果であった。これは、被覆層の厚みにより、被覆層を光が通過する間に光の減衰を招いたためである。
実施例1−4〜1−5は、下地層に亜鉛化合物(酸化亜鉛)用いた例であるが、同じ蛍光体SrGa:Eu組成である実施例1−1と比して、耐湿性を確保しつつ、耐Ag腐食性を大幅に改善された。これは、前述したような亜鉛化合物の硫化水素を吸収する性質が寄与したものである。また、実施例1−5では酸化亜鉛とともに酸化アルミニウムを使用したことで、吸湿性をもつ酸化亜鉛の欠点を補い、耐湿性が更に改善されたことを示した。
実施例2−1〜2−4の比較例2−1〜2−4に対する改善効果とその理由も、上述と同様である。
一般的に母体粒子の表面を被覆層でなるべく厚く被覆することで、ガスバリア性が高まり、耐湿性や耐Ag腐食性を改善させることができる。しかし、被覆層が厚くなるほど、被覆層中に内包されるマクロなライン欠陥(結晶質層の場合は粒界を意味する)や粒界3重点に析出する不純物相などによって、被覆層中を通過する光が少しずつ吸収を繰り返しながら光の強度が減衰していき、LEDの光束低下を招く問題を生じさせる。ここで、前記した被覆層中を通過する光とは、LEDのような光半導体素子から直接発する一次光と、その一次光で励起されて母体粒子から発する蛍光(二次光)のことである。
これに対し、上記実施例のように、蛍光体粒子表面に多孔質部を形成することで、この問題を解決することができることが分かった。この際、多孔質部の空隙は、蛍光体粒子に侵入してくる光半導体素子からの一次光を表面層で散乱を起こすことで、前述したような光の減衰を抑えることができ、更に内層にある緻密で薄い被覆層を透過して、母体粒子へと伝搬させることが出来る。また、一次光によって励起された母体粒子からの蛍光である二次光も、薄い被覆層を透過して多孔質部へと伝搬され、一次光と同様に空隙で再度散乱を繰り返しながら、蛍光体粒子の表面から系外へと発せられる。

Claims (9)

  1. 蛍光体粒子(「母体粒子」とも称する)の表面側の全体又は一部に被覆層が存在し、該被覆層内に、空隙を有する多孔質部が存在する構成を備えた蛍光体。
  2. 前記被覆層は、Si、Al、Zn、Ba、Sr、Ca、Mg及びBからなる群から選択される1種又は2種以上の元素を有する酸化物又はフッ化物を含む層であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体。
  3. 前記被覆層は、170nm〜10000nmの厚さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光体。
  4. 蛍光体粒子(「母体粒子」とも称する)の表面側の全体又は一部に、空隙を有する多孔質部を備えた蛍光体粒子を含む蛍光体。
  5. 前記母体粒子は、硫黄を含む硫黄含有蛍光体粒子であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の蛍光体。
  6. 前記母体粒子は、アルカリ土類金属元素を少なくとも一種以上含む硫化物からなる硫黄含有蛍光体粒子であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに2に記載の蛍光体。
  7. 前記多孔質部は、70nm〜5000nmの厚さを有することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の蛍光体。
  8. 前記多孔質部は、一つの空隙の孔径が30nm〜1000nmであり、且つ、各多孔質部には当該空隙が2個以上存在することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の蛍光体。
  9. 1個以上の半導体型発光素子と、請求項1〜8の何れかに記載の蛍光体とを備えた発光素子。
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