JP2015063503A - 放射性テクネチウムの結合部位を有する化合物、及び、その放射性テクネチウム錯体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明において、「放射性テクネチウムとの結合部位」とは、放射性テクネチウムと配位結合をする部位をいい、上記一般式(1)で表される化合物は、配位子として、放射性テクネチウムと錯体を形成する。放射性テクネチウムは、好ましくは、テクネチウム‐99mである。また、放射性テクネチウムとしては、5価のテクネチウムが好ましい。より好ましい態様において、上記一般式(1)で表される化合物は、[Tc=O]3+に配位し、これを中心とするオキソコア錯体を形成する。
・4‐ニトロベンジル N‐(2‐スルファニルエチル)グリシルグリシルグリシナート(SD59)
・4‐ニトロベンジル N‐メチル‐N‐(2‐スルファニルエチル)グリシルグリシルグリシナート(SD60)
・4‐ニトロベンジル N‐(2‐スルファニルエチル)‐N‐(2‐スルファニルエチル)カルバモイルメチル‐2‐アミノアセテート(SD61)
・4‐ニトロベンジル N‐[2‐(2‐スルファニルアセチルアミノ)エチル]グリシルグリシナート(SD70)
・4‐ニトロベンジル 2‐[N‐(2‐{2‐[N’’‐(2‐スルファニルエチル)アミノ]アセチルアミノ}エチル]アミノ]アセテート(SD78)
・N‐[2‐(4‐ニトロベンジル)スルファニルアセチル]‐N’‐(2‐スルファニルアセチル)エチレンジアミン(SD82)
・N‐{2‐(4‐ニトロベンジル)スルファニルエチル}‐2‐(2‐スルファニルアセチルアミノ)アセタミド(SD86)
・N‐[2‐(4‐ニトロベンジル)スルファニルエチル]‐2‐[N’‐(2‐スルファニルエチル)アミノ]アセタミド(SD90)
・4−ニトロベンジル 3−{N−[2−(2−スルファニルアセタミド)エチル]グリシルアミノ}プロパノエート(SD128)
・4−ニトロベンジル 3−{N−[2−(2−スルファニルアセタミド)エチル]グリシルアミノ}ブタノエート(SD129)
・4−ニトロベンジル 3−{N−[2−(2−スルファニルアセタミド)エチル]グリシルアミノ}ヘキサノエート(SD130)
SD59は、上記一般式(6)中、mが1であり、R1、R2、R4がメチレン基(CH2)、R3、R5がカルボニル基(CO)、R6が水素原子(H)の化合物である。
SD60は、上記一般式(6)中、mが1であり、R1、R2、R4がメチレン基(CH2)、R3、R5がカルボニル基(CO)、R6がメチル基(CH3)の化合物である。
SD70は、上記一般式(6)中、mが1であり、R2、R3、R4がメチレン基(CH2)、R1、R5がカルボニル基(CO)、R6が水素原子(H)の化合物である。
SD78は、上記一般式(6)中、mが1であり、R1、R2、R4、R5がメチレン基(CH2)、R3がカルボニル基(CO)、R6が水素原子(H)の化合物である。
SD128は、上記一般式(6)中、mが2であり、R2、R3、R4がメチレン基(CH2)、R1、R5がカルボニル基(CO)、R6が水素原子(H)の化合物である。
SD129は、上記一般式(6)中、mが3であり、R2、R3、R4がメチレン基(CH2)、R1、R5がカルボニル基(CO)、R6が水素原子(H)の化合物である。
SD130は、上記一般式(6)中、mが5であり、R2、R3、R4がメチレン基(CH2)、R1、R5がカルボニル基(CO)、R6が水素原子(H)の化合物である。
SD82は、上記一般式(5)中、R2、R3、R5がメチレン基(CH2)、R1、R4がカルボニル基(CO)の化合物である。
SD86は、上記一般式(5)中、R2、R4、R5がメチレン基(CH2)、R1、R3がカルボニル基(CO)の化合物である。
SD90は、上記一般式(5)中、R1、R2、R4、R5がメチレン基(CH2)、R3がカルボニル基(CO)の化合物である。
まず、グリシンと、4‐ニトロベンジルアルコールとをエステル縮合する(ステップa)。次いで、得られたグリシンの4‐ニトロベンジルエステルと、グリシンとをアミド結合し(ステップb)、さらに、ブロモ酢酸とアミド結合を形成する(ステップc)。その後、2‐アミノエタンチオールのアミノ基を求核剤、ブロモ基を脱離基とした求核置換反応により、2‐アミノエタンチオールを導入し(ステップe)、SD59を得る。SD60は、SD59のN‐メチル化反応(ステップg)により得ることができる。
2‐アミノエタンチオールのアミノ基に、2等量のブロモ酢酸エチルを作用させ、三級アミンを形成する(ステップb)。その後、カルボキシル基の脱保護により、ジカルボン酸を形成した(ステップc)後、2‐アミノエタンチールとアミド結合を形成し、モノカルボン酸を得る(ステップd)。得られたモノカルボン酸とニトロベンジルアルコールとをエステル縮合して(ステップe)、SD61を得る。
グリシンと、4‐ニトロベンジルアルコールとをエステル縮合し、得られたグリシンの4‐ニトロベンジルエステルと、ブロモ酢酸との間にアミド結合を形成する(ステップa)。一方、2‐メルカプト酢酸と、エチレンジアミンとの間にアミド結合を形成し(ステップc)、得られた一級アミン(18)を求核剤、ブロモ基を脱離基とした求核置換反応によりカップリングを行い(ステップd)、SD70を得る。
2‐メルカプトエチルアミンのアミノ基を求核剤、ブロモ酢酸エチルのブロモ基を脱離基として求核置換反応を行い(ステップb)、カルボキシル基を脱保護した後、ジエチルアミンの一方のアミノ基とアミド結合を形成する(ステップe)。その後、ジエチルアミンの他方のアミノ基を求核剤とし、2‐ブロモ酢酸ニトロベンジルエステルのブロモ基を脱離基として求核置換反応を行い(ステップh)、SD78を得る。
2‐メルカプト酢酸とジエチルアミンの一方のアミノ基との間にアミド結合を形成し(ステップa)、ジエチルアミンの他方のアミノ基と2‐(4‐ニトロベンジル)スルファニル酢酸との間にアミド結合を形成して(ステップd)、SD82を得る。
2‐アミノエタンチオールと、4‐ニトロベンジルブロマイドとを反応させて、チオエーテル結合を形成した(ステップa)後、グリシンを作用させてアミド結合を形成する(ステップb)。その後、2‐メルカプト酢酸を作用させアミド結合を形成し(ステップd)、SD86を得る。
2‐アミノエタンチオールと、4‐ニトロベンジルブロマイドとを反応させて、チオエーテル結合を形成した後、2‐ブロモ酢酸を作用させアミド結合を形成する(ステップa)。その後、2‐アミノエタンチオールのアミノ基を求核剤とし、ブロモ基を脱離基として求核置換反応を行い(ステップb)、SD90を得る。
エチレンジアミンを出発物質とし、ブロモ酢酸エチルのブロモ基を脱離基とした求核置換反応によりN−モノアルキル化して、エステル体を得る(ステップb)。得られたエステル体とチオグリコール酸とをアミド結合させ(ステップc)、エステル部位の加水分解によりカルボン酸とする(ステップd)。一方で、各種のメチレン鎖の長さが異なるN−保護アミノ酸と、4‐ニトロベンジルアルコールとをエステル縮合することでニトロベンジルエステル体を得た後(ステップe)、N−アミノ基を脱保護し、ステップdで得られたカルボン酸と縮合することでアミド結合を形成して(ステップf)、SD128、SD129、SD130を得る。
本発明に係る放射性テクネチウム錯体は、上記一般式(1)で表される化合物を配位子とした、放射性テクネチウム錯体であれば限定されないが、上記一般式(1)で表される化合物を配位子と、5価の放射性テクネチウムとの錯体が好ましく、上記一般式(1)で表される化合物が[Tc=O]3+に配位し、これを中心としたオキソコア錯体がより好ましい。中でも、放射性テクネチウムとしてTc‐99mを用いた下記一般式(11)で表される、99mTc(V)‐オキソコア錯体が好ましい。
本発明において「放射性医薬組成物」とは、上記の本発明に係る放射性テクネチウム錯体を生体内への投与に適した形態で含む処方物と定義することができる。この放射性医薬組成物には、本発明に係る放射性テクネチウム錯体を有効成分とし、薬理学的に許容される担体、希釈剤、エマルジョン、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、着色剤、安定化剤等の追加成分を含んでいても良い。
本発明のキットは、本発明の放射性医薬組成物を調製するために用いられるものであり、少なくとも上記一般式(1)で表される化合物又はその塩を含む。
実施例中、各化合物のNMRスペクトルによる分子構造は、1H‐NMRスペクトル、13C‐NMR、又は、質量分析で同定した。NMRスペクトルは、NMR装置として、BrukerAvance III 400MHzNMR spectrometer(ブルカー・バイオスピン株式会社)を使用して得た。1H‐NMRスペクトルにおいて、内部標準物質としてテトラメチルシランを溶媒に対して0.05%添加し、そのシグナルδ0.00を参照として使用した。13C‐NMRスペクトルにおいて、溶媒が重クロロホルム(CDCl3)の場合は、シグナルδ77を参照として使用し、溶媒がジメチルスルホキシド‐d6(DMSO‐d6)の場合は、シグナルδ39.7を参照とし、溶媒が重メタノール(CD3OD)の場合は、シグナルδ49.0を参照として使用した。全ての化学シフトはデルタスケール(δ)上のppmであり、シグナルの微細分裂については、略号(s:シングレット、d:ダブレット、dd:ダブルダブレット、dt:ダブルトリプレット、t:トリプレット、td:トリプルダブレット、tt:トリプルトリプレット、q:カルテット、m:マルチプレット、bs:ブロードシングレット、bt:ブロードトリプレット、bm:ブロードマルチプレット)を用いて示した。質量分析は、化合物7、8、19、SD90は、Xevo QTof MS(Waters社製)を使用し、その他はLCMS−IT−TOF(島津製作所社製)を使用して行った。
図1に示すスキームに沿って、4‐ニトロベンジル N‐(2‐スルファニルエチル)グリシルグリシルグリシナート(SD59)を合成した。
N‐(tert‐ブトキシカルボニル)グリシン(1.93g、11mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、4‐ニトロベンジルアルコール(1.53g、10mmol)を加え、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(2.30g、12mmol)、及び、N,N‐ジメチル‐4‐アミノピリジン(0.122g、1mmol)の存在下、室温で14時間反応させた。溶媒を減圧留去した後に蒸留水を加え、酢酸エチルを用いて抽出した。有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液にて洗浄後、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、有機層をろ過、得られたろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、化合物2(2.976g、収率96%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.23(dt,J=8.8,2.1,2H),7.52(d,J=8.8,2H),5.28(s,2H),5.02(bs,1H),4.00(d,J=2.9,2H),1.45(s,9H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 170.1,155.7,147.8,142.4,128.5,123.8,80.3,65.4,42.4,28.3。
化合物2(0.633g、2.04mmol)を95体積%トリフルオロ酢酸水溶液(20mL)に溶解し、室温で3時間反応させた。溶媒を減圧留去し、 得られた残査をジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、N‐(tert‐ブトキシカルボニル)グリシン(0.368g、2.10mmol)を加え、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.403g、2.10mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(0.322g、2.10mmol)、及び、トリエチルアミン(585μL、4.20mmol)存在下、室温で終夜、反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣に有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液にて洗浄後、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、有機層をろ過、得られたろ液を減圧留去し、化合物3(0.721g、収率96%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.20(d,J=8.4,2H),7.52(d,J=8.4,2H),7.25(bs,1H),5.63(bs,1H),5.27(bs,1H),4.14(d,J=5.3,2H),3.88(bs,2H),1.44(s,9H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 170.4,169.5,156.2,147.7,142.5,128.4,123.8,80.2,65.5,44.0,41.1,28.2。
化合物3(1.62g、4.47mmol)を95体積%トリフルオロ酢酸水溶液(30mL)に溶解し、室温で7時間反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた残査をジメチルホルムアミド(30mL)に溶解しブロモ酢酸を加え、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.027g、5.36mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(0.821g、5.36mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(1.87mL、10.72mmol)存在下、室温で24時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣に有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液にて洗浄後、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、有機層をろ過、得られたろ液を減圧留去し、化合物4(1.12g、収率65%)を得た。化合物4は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,DMSO‐d6):δ 8.53−8.48(m,2H),8.24(d,J=8.8,2H),7.65(d,J=8.8,2H),5.29(s,2H),4.15(s,2H),3.98(d,J=5.8,2H),3.82(d,J=5.8,2H)。
13C‐NMR(100MHz,DMSO‐d6):δ 169.7,169.3,166.5,147.3,143.9,128.6,123.7,64.8,42.7,42.2,40.9。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C13H14N3O6BrNa[M+Na]+ 409.9958,found 409.9971。
2‐アミノエタンチオール塩酸塩(化合物5)(2.31g、30mmol)をトリフルオロ酢酸(30mL)に溶解し、トリチルクロリド(8.36g、30mmol)を加え、室温で7時間反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた固体をジエチルエーテル/ヘキサンにて再結晶し、化合物6(10.7g)を定量的に得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CD3OD):δ 7.47(dd,J=7.3,1.25Hz,6H),7.34(tt,J=7.3,1.25Hz,6H),7.27(tt,J=7.3,1.25Hz,3H),2.60(t,J=6.6Hz,2H),2.51(t,J=6.6Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,d6‐DMSO):δ145.6,130.7,129.2,128.2,68.4,39.6,30.1。
化合物4(388mg、1.0mmol)、及び、化合物6(534mg、1.5mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、炭酸カリウム(622mg、4.5mmol)、及び、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(111mg、0.3mmol)存在下、室温で19時間、反応させた。溶媒を減圧留去後、残渣を酢酸エチルに溶解し、精製水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥・ろ過後、ろ液を濃縮し得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて分離し、化合物7(409mg、収率65%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.20(dt,J=8.9,2.1Hz,2H),7.82(t,J=5.9Hz,1H),7.49(dt,J=8.9,2.1Hz,2H),7.40(dt,J=7.0,1.6Hz,6H),7.28(tt,J=7.0,1.6Hz,6H),7.21(tt,J=7.0,1.6Hz,3H),7.00(t,J=5.5Hz,1H),5.24(s,2H),4.06(d,J=5.5Hz,2H),3.95(d,J=6.0Hz,2H),3.13(s,2H),2.49(dd,J=6.2,5.5Hz,2H),2.37(dd,J=6.2,5.5Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.7,169.4,169.2,147.8,144.6,142.3,129.5,128.4,127.9,126.7,123.8,66.8,65.5,51.6,48.4,42.9,41.1,32.3。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C34H35N4O6S[M+H]+ 627.2277,found 627.2290。
化合物7(61.5mg、0.098mmol)をトリフルオロ酢酸/トリイソプロピルシラン/水/エタンジチオール(94:1:2.5:2.5(体積比))の混合溶液(10mL)に溶解し、室温で30分間反応させた。溶媒を減圧留去した後に、残渣に4℃に冷却したジエチルエーテルを加え、結晶化させ、得られた結晶を乾燥することで、SD59(46.4mg、収率95%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,DMSO‐d6):δ 9.08(bs,2H),8.84(t,J=5.8Hz,1H),8.59(t,J=5.8,1H),8.25(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.66(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),5.29,(s,2H),4.00(d,J=5.8Hz,2H),3.88(d,J=5.8Hz,2H),3.84(s,2H),3.13(t,J=7.4,2H),2.85−2.71(m,3H)。
13C‐NMR(100MHz,DMSO‐d6):δ 169.6,169.1,165.6,147.2,143.9,128.5,123.7,64.8,49.6,47.6,41.8,40.8,19.7。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C15H21N4O6S[M+H]+ 385.1176,found 385.1190。
図1に示すスキームに沿って、4‐ニトロベンジル N‐メチル‐N‐(2‐スルファニルエチル)グリシルグリシルグリシナート(SD60)を合成した。
実施例1と同様な方法で合成した化合物7(36mg、57.4μmol)を1,2‐ジクロロエタン(500μL)に溶解し、トリエチルアミン(19.5μL、140μmol)存在下、ヨードメタン(48μL、770μmol)を加え、65℃で1時間反応させた。溶媒を減圧留去し、酢酸エチルに溶解後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液し、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を濃縮後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)にて精製し、化合物8(9mg、収率24%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.22(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.91(t,J=6.0Hz,1H),7.49(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.38(dt,J=7.2,1.8Hz,6H),7.30−7.26(m,6H),7.21(tt,J=7.2,1.2Hz,3H),6.81(t,J=5.4Hz,1H),5.25(s,2H),4.01(d,J=5.6Hz,2H),3.96(d,J=6.1Hz,2H),2.96(s,2H),2.43(t,J=6.5Hz,2H),2.32(t,J=6.5Hz,2H),2.18(s,3H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.0,169.5,169.2,147.9,144.7,142.3,129.5,128.5,128.0,126.8,123.9,66.7,65.5,60.6,56.5,43.2,42.6,41.1,30.2。
HRMS(ESI)m/z:Calcd for C35H36N4O6NaS[M+Na]+ 663.2253,found 663.2252。
化合物8(9mg、14μmol)をトリフルオロ酢酸/トリイソプロピルシラン/水(95:2.5:2.5(体積比))の混合溶液(5mL)に溶解し、室温で2時間反応させた。溶媒を減圧留去した後に、残渣に4℃に冷却したジエチルエーテルを加え、結晶化させ、得られた結晶を乾燥することで、SD60(5mg、収率70%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,DMSO‐d6):δ 9.86(bs,1H),8.94(t,J=5.7Hz,2H),8.60(t,J=5.7Hz,2H),8.24(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),5.29(s,2H),4.01(d,J=5.7Hz,2H),4.00(s,2H),3.88(d,J=5.7Hz,2H),3.30−3.27(m,2H),2.85−2.79(m,3H),2.83(s,3H)。
13C‐NMR(100MHz,DMSO‐d6):δ 169.7,168.9,164.9,147.2,143.9,128.5,123.7,64.8,58.3,56.3,41.8,41.0,40.9,18.0。
HRMS(ESI)m/z: calcd for C16H23N4O6S[M+H]+ 399.1333,found 399.1317。
図2に示すスキームに沿って、4‐ニトロベンジル N‐(2‐スルファニルエチル)‐N‐(2‐スルファニルエチル)カルバモイルメチル‐2‐アミノアセテート(SD61)を合成した。図2中、PSは、1%ジビニルベンゼン含有ポリスチレン樹脂を示す。
トリチルクロリド樹脂(1%ジビニルベンゼン含有ポリスチレン樹脂、渡辺化学工業社製)(1g、活性基1.57mmol相当)と、2‐アミノエタンチオール(化合物5)(892mg、7.85mmol)とを、トリフルオロ酢酸(5mL)中、室温で終夜反応させた。溶媒を除去後、ジクロロメタン(5回)、ジメチルホルムアミド(5回)、ジクロロメタン(5回)、ジクロロメタン/メタノール/ジイソプロピルエチルアミン(17:2:1(体積比))混合液(5回)、メタノール(5回)にて順次、洗浄した後、乾燥することで、化合物10(1.059g、収率92%)を得た。Kaiserテスト陽性であったことから、2‐アミノエタンチオールが担持され、化合物10が得られたことを確認した。
実施例1に示す方法で合成した化合物6(2.05g、5.77mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、ブロモ酢酸エチル(5.11mL、46.2mmol)を加え、トリエチルアミン(6.43mL、46.2mmol)存在下、50℃で1時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、化合物11(2.85g)を定量的に得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.42−7.39(m,6H),7.28−7.23(m,6H),7.20−7.16(m,3H),4.10(q,J=7.1Hz,4H),3.36(s,2H),2.64−2.60(m,2H),2.36−2.33(m,2H),1.22(t,J=7.1Hz,6H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 170.9,144.8,129.5,127.7,126.5,66.6,60.3,54.8,53.6,30.2,14.1。
化合物11(2.84g、5.77mmol)をメタノール(35mL)に溶解し、9mol/L水酸化カリウム水溶液(5mL)を加え室温で16時間反応させた。メタノールを減圧留去後、氷冷下、6mol/L塩酸をpHが2になるまで加えた。生成した結晶をろ取した後、乾燥することで化合物12(1.81g、収率67%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CD3OD):δ 7.42−7.39(m,6H),7.33−7.28(m,6H),7.26−7.22(m,3H),3.68(s,4H),2.84−2.80(m,2H),2.62−2.58(m,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CD3OD):δ 169.9,145.6,130.7,129.2,128.2,68.7,56.0,55.7,27.8。
0.5mol/L1‐ヒドロキシベンゾトリアゾールのジメチルホルムアミド溶液(1.2mL)中、化合物12(273mg、0.58mmol)を、ジイソプロピルカルボジイミド(89μL、0.58mmol)存在下に室温で10分間反応させた後、化合物10(200mg、活性基0.29mmol相当)を加え、室温にて18時間反応させた。溶媒を除去後、ジクロロメタン(5回)、ジメチルホルムアミド(5回)、ジクロロメタン(5回)、ジクロロメタン/メタノール/ジイソプロピルエチルアミン(17:2:1(体積比))混合液(5回)、メタノール(5回)にて順次、洗浄し、化合物13の粗生成物を得た。化合物13は精製することなくそのまま次の反応(ステップe)に用いた。
ジメチルホルムアミド(2.9mL)中、トリエチルアミン(404μL、2.9mmol)存在下に、ステップdにて得られた化合物13と、4‐ニトロベンジルブロマイド(626mg、2.9mmol)とを室温で16時間反応させた。溶媒を除去後、ジメチルホルムアミド(5回)で洗浄し、化合物14の粗生成物を得た。化合物14は精製することなくそのまま次の反応(ステップf)に用いた。
ステップeにて得られた化合物14にトリフルオロ酢酸/水/トリイソプロピルシラン(92.5:2.5:5(体積比))の混合溶液(5mL)を加え、室温で4時間反応させた。樹脂をろ過により除き、トリフルオロ酢酸、クロロホルム、メタノールで順次、樹脂を洗浄した後、得られた溶液を合わせ、溶媒を減圧留去した。残渣を分取用HPLCにて分取し、目的のSD61(23mg、化合物10からの収率20%)をトリフルオロ酢酸塩として得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.24(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.94‐7.90(bm,1H),7.52(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),5.25(s,2H),3.53(s,2H),3.48(q,J=6.4Hz,2H),3.33(s,2H),2.92(t,J=6.4Hz,2H),2.71−2.62(m,4H),1.54(t,J=7.6Hz,1H),1.42(t,J=8.4Hz,1H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 170.65,170.59,147.9,142.3,128.7,123.9,65.3,58.9,57.9,55.6,42.0,24.6,23.0。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C15H22N3O5S2[M+H]+ 388.0995,found 388.1004。
<分取用HPLC条件>
カラム:C18カラム(CAPCELLPAK(登録商標)C18−MS−IIMG−II、20×150mm、資生堂製)
検出器:UV(LaChlom ELITE L−2455、日立ハイテクノロジーズ社製)
移動相:0.1体積%トリフルオロ酢酸水溶液/アセトニトリル=95/5−5/95(リニアグラジエント、10分間)
SD61の保持時間:5.3分
図3に示すスキームに沿って、4‐ニトロベンジル N‐[2‐(2‐スルファニルアセチルアミノ)エチル]グリシルグリシナート(SD70)を合成した。
実施例1に示す方法で合成した化合物2(620mg、2mmol)を、95%トリフルオロ酢酸水溶液(5mL)中、室温で2.5時間反応させた。溶媒を減圧留去後、残査をジクロロメタン(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(829mg、6mmol)存在下、ブロモアセチルブロマイド(172μL、1.9mmol)を0℃で25分反応させた後、室温にて7時間反応させた。水を加えた後、塩酸水溶液(1mol/L)で中和し、ジクロロメタンを用いて抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥したのちにろ過し、ろ液の溶媒を減圧留去し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、化合物15(0.418g、収率63%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.24(dt,J=9.0,2.2Hz,2H),7.53(dt,J=9.0,2.2Hz,2H),7.00(bs,1H),5.30(s,2H),4.17(d,J=5.18Hz,2H),3.93(s,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 168.8,165.9,147.9,142.1,128.6,123.9,65.7,41.8,28.4。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C11H12N2O5Br[M+H]+ 330.9924,found 330.9936。
2‐メルカプト酢酸(化合物16)(1.53mL、22mmol)を、トリフルオロエタン酢酸(40mL)中、トリチルクロリド(5.58g、20mmol)と室温で24時間反応させた。溶媒を減圧留去し、得られ結晶をジエチルエーテル/ヘキサンにて再結晶により精製し、化合物17(4.96g、収率74%)で得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.42(dt,J=7.6,1.7,6H),7.30(tt,J=7.6,1.9,6H),7.23(tt,J=7.2,1.3,3H),3.04(s,1H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 175.6,143.9,129.5,128.1,127.0,67.3,34.5。
化合物17(334mg、1mmol)をジメチルホルムアミド(1.5mL)に溶解し、エチレンジアミン(675μL、10mmol)を加え、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(211mg、1.1mmol)、及び、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(168mg、1.1mmol)存在下に、室温で31時間反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣に飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出後、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過し、ろ液を濃縮したのちに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物18(140mg、収率37%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.43(dt,J=7.1,1.8Hz,6H),7.29(tt,J=7.4,1.6Hz,6H),7.22(tt,J=7.3,1.3Hz,3H),6.55(t,J=5.7Hz,1H),3.11(s,2H),3.03−2.99(m,4H),2.64(t,J=5.9Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 168.7,144.1,129.5,128.2,127.0,67.7,41.5,40.8,36.0。
化合物15(108mg、0.33mmol)と化合物18(140mg、0.37mmol)をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、炭酸ナトリウム(74.2mg、mmol)を加え、室温で33時間反応させた。反応溶液に水を加え、クロロホルムで抽出後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過過後、ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)にて精製し、化合物19(18.6mg、収率9%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.22(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.65(t,J=5.8,1H),7.49(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.42−7.39(m,6H),7.31−7.27(m,6H),7.25−7.21(m,3H),6.30(d,J=5.8Hz,1H),5.21(s,2H),4.06(d,J=5.8Hz,2H),3.28(s,2H),3.15(s,2H),3.07(q,J=5.8Hz,2H),2.62(t,J=5.8Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.0,169.7,168.6,147.8,143.9,142.3,129.4,128.5,128.2,127.1,123.9,67.9,65.5,52.1,49.1,40.6,39.5,35.9。
HRMS(ESI)m/z:Calcd for C34H35N4O6S[M+H]+ 627.2277,found 627.2274。
化合物19(18.6mg、0.03mmol)をトリフルオロ酢酸/水/エタンジチオール/トリイソプロピルシラン(94:2.5:2.5:1(体積比))の混合溶液(5mL)に溶解し、室温で2.5時間反応させた。溶媒を減圧留去した後に、残渣に4℃に冷却したジエチルエーテルを加え、結晶化させ、得られた結晶を乾燥することで、SD70(15.0mg)を定量的に得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.99(t,J=5.8Hz,1H),8.88(bs,2H),8.34−8.24(m,1H),8.25(d,J=8.8Hz,2H),7.66(d,J=8.8Hz,2H),5.31(s,2H),4.10(d,J=5.8Hz,2H),3.85(s,2H),3.41−3.33(2H),3.13(d,J=7.2Hz,2H),3.03(t,J=6.2Hz,2H),2.78(t,J=7.2Hz,1H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 170.6,169.3,166.0,147.3,143.7,128.6,123.7,65.0,47.6,46.5,40.8,35.6,27.3。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C15H20N4O6SNa[M+Na]+ 407.0996,found 407.0986。
なお、1H‐NMRのδ3.41−3.33ppmのピークはトリフルオロ酢酸由来のプロトンシグナルと重なったため、二次元NMR(H−H COSY,HMQC及びHMBC)で決定した。
図4に示すスキームに沿って、4‐ニトロベンジル 2‐[N‐(2‐{2‐[N’’‐(2‐スルファニルエチル)アミノ]アセチルアミノ}エチル]アミノ]アセテート(SD78)を合成した。
実施例1に示す方法で合成した化合物6(2g、5.63mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、2‐ノシルクロリド(1.22g、5.5mmol)を加え、トリエチルアミン(2.36g、17mmol)存在下に、室温で15時間反応させた。溶媒を減圧留去し、塩酸(1mol/L)を加え、ジエチルエーテルで抽出後、有機層を飽和炭酸水溶液で洗浄し、さらに飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を減圧濃縮した後、得られた結晶を酢酸エチル/ジエチルエーテルを用いて再結晶し化合物20(1.99g、収率72%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.00−7.97(m,1H),7.87−7.85(m,1H),7.74−7.66(m,2H),7.36−7.33(m,6H),7.26−7.21(m,6H),7.19−7.15(m,3H),5.38(t,J=6.1,1H),2.76(q,J=6.6Hz,2H),2.43(t,J=6.6Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 148.0,144.3,133.8,133.4,132.7,131.0,129.4,128.0,126.8,125.4,67.0,42.5,31.9。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C27H24N2O4S2[M+Na]+ 527.1070,found 527.1095。
化合物20(1.09g、2mmol)をアセトニトリル(35mL)に溶解し、ブロモ酢酸エチル(332μL、3mmol)を加え、炭酸セシウム(1.95g、6mmol)及びテトラブチルアンモニウムヨージド(148g、0.4mmol)存在下に60℃で1.5時間反応させた。反応液に飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物21(1.2g)を定量的に得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.92−7.90(m,1H),7.60−7.57(m,2H),7.52−7.50(m,1H),7.38−7.35(m,6H),7.27−7.22(m,6H),7.20−7.16(m,3H),4.01(q,J=7.0Hz,2H),3.85(s,1H),3.24−2.99(m,2H),2.55−2.51(m,2H),1.13(t,J=7.0Hz,3H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 168.3,147.7,144.3,133.5,132.9,131.6,130.6,129.4,127.8,126.7,123.9,67.1,61.2,48.6,48.1,30.2,13.9。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C31H30N2O6S2Na[M+Na]+ 613.1437,found 613.1452。
化合物21(226mg、0.38mmol)をテトラヒドロフラン(2mL)に溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液(2mL)を加え、室温で14時間反応させた。塩酸(6mol/L)を用いてpH1〜2にし、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、溶液をろ過した。ろ液を濃縮した後にシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物22(176mg、収率82%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,DMSO‐d6):δ 7.95−7.91(m,2H),7.84(td,J=7.7,1.4Hz,1H),7.77(td,J=7.7,1.4Hz,1H),7.33−7.27(m,12H),7.24−7.20(m,3H),3.85(s,2H),2.99(bt,J=7.7Hz,2H),2.42(bt,J=7.7Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,DMSO‐d6):δ 169.9,147.5,144.4,134.6,132.5,132.0,130.2,129.2,128.2,126.9,124.3,66.5,48.7,47.7,29.8。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C29H26N2O6S2Na[M+Na]+ 585.1124,found 585.1141。
1,2‐エチレンジアミン(2.23mL、33.3mmol)をジクロロメタン(110mL)に溶解し、0℃に冷却し、二炭酸ジ‐tert‐ブチル(1.21g、5.55mmol)を加え、0℃で40分間撹拌したのち、室温で23時間反応させた。溶媒を減圧留去後、水を加えた後、炭酸ナトリウムを用いてpHを11に調整した。ジクロロメタンを用いて抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過した。ろ液を減圧濃縮することで、化合物23(885mg)を定量的に得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 4.96(bs,1H),3.17(bq,J=5.8,2H),2.80(t,J=5.8,2H),1.45(s,9H),1.27(bs,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 156.2,79.1,43.4,41.8,28.4。
化合物22(500mg、0.89mmol)及び化合物23(160.22g、1mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(182.1mg、0.95mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(145.5mg、0.95mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(348μL、2mmol)存在下、室温で14時間反応させた。反応溶媒を減圧留去後、酢酸エチルに溶解し、有機層を10体積%クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後ろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物24(582mg、収率93%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.94(dd,J=7.5,1.7Hz,1H),7.66−7.59(m,3H),7.37−7.34(m,6H),7.29−7.24(m,6H),7.22−7.18(m,3H),6.60(bt,J=5.4Hz,1H),4.87(bt,J=5.3Hz,1H),3.69(s,2H),3.22−3.18(m,2H),3.09−3.03(m,4H),2.52−2.49(m,2H),1.44(s,9H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 167.8,156.3,147.8,144.3,134.0,132.1,131.9,131.2,129.5,127.9,126.8,124.2,79.6,67.1,50.4,48.9,40.2,39.9,30.1,28.3。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C36H40N4O7S2Na[M+Na]+ 727.2231,found 727.2241。
化合物24(344mg、0.488mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/水(50:50:1)の混合溶液(10mL)に溶解し、室温で1.5時間反応させた。溶媒を減圧留去し、化合物25を得た。化合物25は精製せずに次の反応(ステップh)に全量使用した。
4‐ニトロベンジルアルコール(3.06g、20mmol)とコリジン(2.9mL、22mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解し、0℃下、ブロモアセチルブロマイド(1.81mL、20mmol)を加えた後、室温で24時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣にジエチルエーテルを加え、析出した結晶をろ過することで除去した。ろ液を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、化合物26(4.73g、収率86%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.24(dt,J=8.7,2.2Hz,2H),7.55(dt,J=8.7,2.2Hz,2H),5.31(s,2H),3.92(s,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 166.8,147.8,142.1,128.4,123.8,66.2,25.2。
ステップfで得られた化合物25と化合物26(123mg、0.45mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、炭酸カリウム(207mg、1.5mmol)を加え、室温で12時間反応させた。水を加えた後、クロロホルムを用いて抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層をろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物27(229.6mg、化合物24からの2段階収率64%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.18(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.93−7.91(m,1H),7.67−7.58(m,3H),7.50(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.36−7.31(m,6H),7.27−7.23(m,7H),7.20−7.16(m,3H),6.67(bt,J=5.5Hz,1H),5.24(s,2H),3.71(s,2H),3.43(s,2H),3.19(q,J=5.6Hz,2H),3.09−3.05(m,2H),2.65(t,J=5.9Hz,2H),2.52−2.48(m,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.0,167.4,147.7,147.6,144.2,142.7,133.8,132.0,131.8,130.9,129.3,128.4,127.8,126.7,124.2,123.6,67.0,64.9,50.6,50.0,48.9,47.8,38.8,30.0。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C40H40N5O9S2[M+H]+ 798.2262,found 798.2271。
化合物27(96.1mg、0.12mmol)をジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、チオグリコール酸50μL、0.72mmol)を加え、水酸化リチウム(55.4mg、1.32mmol)存在下に、室温で1時間反応させた。蒸留水を加えた後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をアセトニトリルに溶解し、ジエチルエーテルを加え析出した結晶をろ過により除去し、ろ液を濃縮することで化合物27a(44.6mg、収率61%)を得た。
化合物27a(44.6mg、0.0728mmol)をトリフルオロ酢酸/エタンジチオール/水/トリイソプロピルシラン(94:2.5:2.5:1)の混合溶液(5mL)に溶解し、室温で2.5時間反応させた。溶媒を減圧留去し、4℃に冷却したジエチルエーテルを加え、結晶化させ、得られた結晶を乾燥することで、SD78(40.3mg、収率92%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 9.29(bs,4H),8.82(t,J=5.7Hz,1H),8.26(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.70(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),5.41(s,2H),4.20(s,2H),3.78(s,2H),3.49(q,J=6.0Hz,2H),3.15−3.10(m,4H),2.83(bs,1H),2.74(t,J=7.0),2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 166.7,166.0,147.4,143.0,128.9,123.7,65.7,49.7,47.6,46.9,46.1,35.2,19.7。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C15H22N4O5S[M+Na]+ 393.1203,found 393.1201。
図5に示すスキームに沿って、N‐[2‐(4‐ニトロベンジル)スルファニルアセチル]‐N’‐(2‐スルファニルアセチル)エチレンジアミン(SD82)を合成した。
実施例4に示す方法で合成した化合物17(418mg、1.25mmol)、及び、実施例5に示す方法で合成した化合物23(200mg、1.25mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(268mg、1.4mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(214mg、1.4mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(488μL、2.8mmol)存在下、室温で17時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層をろ過し、ろ液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ヘキサン/酢酸エチル)し、化合物28(0.523g、収率88%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 7.43−7.40(m,6H),7.31−7.27(m,6H),7.25−7.20(m,3H),6.36(bs,1H),4.77(bs,1H),3.11(s,2H),3.06−3.04(m,4H),1.41(s,9H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 168.8,156.2,143.9,129.4,128.1,127.0,79.4,67.8,40.2,40.1,35.8,28.3。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C28H32N2O3SNa[M+Na]+ 499.2026,found 499.2027。
化合物28(100mg、0.21mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/水(49.5:49.5:1(体積比))の混合溶液(10mL)に溶解し、室温で2時間反応させた。溶媒を減圧留去し、化合物29を得た。化合物29は精製せずに次の反応(ステップd)に全量使用した。
2‐メルカプト酢酸(347μL、5mmol)と4‐ニトロベンジルブロマイド(540mg、2.5mmol)をメタノール(50mL)に溶解し、炭酸ナトリウム(530mg、5mmol)存在下、25時間加熱還流した。塩酸(6mol/L)を加え、pHを2に調整し、メタノールを減圧留去した。得られた水溶液をクロロホルムで抽出し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物30(201.6mg、収率35%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.20(td,J=8.8,2.2Hz,2H),7.54(td,J=8.8,2.2Hz,2H),3.94(s,2H),3.10(s, 2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 176.0,147.3,144.7,130.1,123.9,64.0,35.7,32.0。
ステップbで得られた化合物29及び、化合物30(68.2mg、0.3mmol)をジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(57.5mg、0.3mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(45.9mg、0.3mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(157μL、0.9mmol)存在下、室温で24時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物31(82mg、化合物28からの2段階収率67%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.15(td,J=8.7,2.2Hz,2H),7.47(td,J=8.7,2.2Hz,2H),7.42−7.39(m,6H),7.32−7.27(m,6H),7.25−7.21(m,3H),6.98(bt,J=4.6Hz,1H),6.30(bt,J=5.6Hz,1H),3.77(s,2H),3.21−3.17(m,2H),3.14(s,2H),3.11−3.07(m,2H),3.00(s,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 169.6,168.9,147.1,144.9,143.8,130.0,129.4,128.2,127.1,123.8,67.9,40.5,39.4,36.0,35.7,34.7。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C32H31N3O4S2Na[M+Na]+ 608.1648,found 608.1649。
化合物31(50mg、0.0854mmol)をトリフルオロ酢酸/水/トリイソプロピルシラン(95:2.5:2.5)の混合溶液(5mL)に溶解し、室温で5時間反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、SD82(23.1mg、収率79%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.19(d,J=8.7Hz,2H),7.64(bs,1H),7.59(bs,1H),7.53(d,J=8.7Hz,2H),3.87(s,2H),3.39−3.34(m,4H),3.20(s,2H),3.07(s, 2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 171.5,170.3,147.0,145.0,129.9,123.7,39.5,39.4,35.8,34.4,27.8。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C13H17N3O4S2Na[M+Na]+ 366.0553,found 366.0546。
図6に示すスキームに沿って、N‐{2‐(4‐ニトロベンジル)スルファニルエチル}‐2‐(2‐スルファニルアセチルアミノ)アセタミド(SD86)を合成した。
35℃に加温した水(9mL)に水酸化リチウム一水和物(0.755g、18mmol)に溶解し、エタノール(27mL)を加えた後、2‐アミノエタンチオール塩酸塩(化合物5)を懸濁し、同温度で45分間反応させた。エタノールを減圧留去し、得られた水溶液に水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層をろ過後、ろ液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物32(1.72g、収率92%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.17(d,J=8.6Hz,2H),7.51(d,J=8.6Hz,2H),3.80(s,2H), 2.86(t,J=6.4Hz,2H),2.55(t,J=6.4Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 146.6,146.1,129.3,123.4,40.5,35.2,35.1。
化合物32(424.5mg、2mmol)、及び、N‐(tert‐ブトキシカルボニル)グリシン(367.9mg、2.1mmol)をジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(402.6mg、2.1mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(321.6mg、2.1mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(732μL、4.2mmol)存在下、室温で2.5時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、化合物33(627mg、収率85%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.19(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.51(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),6.53(bs,1H),5.16(bs,1H),3.80(s,2H),3.78(d,J=6.0Hz,2H),3.44(t,J=6.6Hz,2H),2.56(t,J=6.6Hz,2H),1.45(s,9H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 169.7,156.1,147.1,145.8,129.7,123.8,80.5,44.5,38.1,35.2,31.0,28.3。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C16H23N3O5SNa[M+Na]+ 392.1251,found 392.1248。
化合物33(100mg、0.271mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/水(49.5:49.5:1(体積比))の混合溶液(10mL)に溶解し、室温で1時間反応させた。溶媒を減圧留去し、化合物34を得た。化合物34は精製せずに次の反応(ステップd)に全量使用した。
ステップcで得られた化合物34、及び、実施例4に示す方法で合成した化合物17(100mg、0.3mmol)をジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(57.5mg、0.3mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(45.9mg、0.3mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(157μL、0.9mmol)存在下、室温で終夜反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、化合物35(100mg、化合物33からの2段階収率63%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,d6‐アセトン):δ 8.16(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.63(dt,J=8.8,2.2Hz,2H), 7.43−7.40(m,7H),7.37(t,J=5.4,1H),7.34−7.29(m,6H),7.24(tt,J=7.2,1.3Hz,3H),3.89(s,2H),3.69(d,J=5.4Hz,2H),3.36(td,J=7.5,6.3Hz,2H),3.01(s,2H),2.53(dd,J=7.5,6.3Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,d6‐アセトン):δ 169.4,168.7,147.9,147.7,145.2,130.9,130.3,128.8,127.7,124.3,67.7,43.6,39.3,36.8,35.3,31.3。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C32H31N3O4S2Na[M+Na]+ 608.1648,found 608.1647。
化合物35(50mg、0.0854mmol)をトリフルオロ酢酸/水/トリイソプロピルシラン(95:2.5:2.5(体積比))の混合溶液(5mL)に溶解し、室温で5時間反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製し、SD86(26.9mg、収率92%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.19(d,J=8.8Hz,2H),7.75(bs,1H),7.53(d,J=8.8Hz,2H),7.40(bs,1H),3.87(s,2H),3.82(s,2H),3.43−3.39(m,2H),3.25(s,2H),2.56(t,J=6.8Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 171.0,169.1,147.0,146.0,129.7,123.8,43.0,38.4,35.1,30.7,27.7。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C13H17N3O4S2Na[M+Na]+ 366.0553,found 366.0542。
図7に示すスキームに沿って、N‐[2‐(4‐ニトロベンジル)スルファニルエチル]‐2‐[N’‐(2‐スルファニルエチル)アミノ]アセタミド(SD90)を合成した。
実施例7の方法で合成した化合物32(500mg、2.36mmol)とジイソプロピルエチルアミン(822μL、4.72mmol)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、0℃下、ブロモアセチルブロマイド(256μL、mmol)を加え、同温度で1時間反応させた。塩酸(1.2mol/L)を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後に硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物36(350mg、収率45%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.19(td,J=8.6,2.2Hz,2H),7.52(td,J=8.6,2.2Hz,2H),6.82(bs,1H),3.88(s,2H),3.82(s,2H),3.46(q,J=6.6Hz,2H),2.60(t,J=6.6Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 165.5,147.1,145.7,129.7,123.9,38.7,35.3,30.8,29.0。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C11H14N2O3SBr[M+H]+ 332.9903,found 332.9901。
化合物36(100mg、0.3mmol)、及び、実施例5で合成した化合物20(121.1mg、0.24mmol)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、炭酸セシウム(293.2mg、0.9mmol)、及び、テトラブチルアンモニウムヨージド(22.2mg、0.06mmol)存在下、70℃で1.5時間反応させた。反応液に飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物37(139mg、収率77%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.15(td,J=8.8,2.2Hz,2H),7.91(dd,J=7.6,1.8Hz,1H),7.69−7.58(m,3H),7.47(td,J=8.8,2.2Hz,2H),7.36−7.33(m,6H),7.28−7.23(m,6H),7.21−7.7.17(m,3H),6.55(t,J=5.8Hz,1H),3.73(s,2H),3.68(s,2H),3.28(q,J=6.4Hz,2H),3.06−3.03(m,2H),2.51−2.48(m,2H),2.40(t,J=6.6Hz,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 167.5,147.8,147.0,145.7,144.2,134.1,132.0,131.9,131.2,129.7,129.4,127.9,126.8,124.3,123.8,67.2,50.8,49.1,38.0,35.1,30.8,30.3。
HRMS(ESI)m/z:calcd for C38H36N4O7S3Na[M+Na]+ 779.1638,found 779.1645。
化合物37(60.3mg、0.0797mmol)、及び、チオグリコール酸(33μL、0.478mmol)を、水酸化リチウム(36.8mg、0.877mmol)存在下、室温で1時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶液をろ過後、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し目的の脱ノシル体(20mg、収率44%)を得た。得られたノシル体(20mg、0.035mmol)をトリフルオロ酢酸/エタンジチオール/水/トリイソプロピルシラン(94:2.5:2.5:1(体積比))の混合溶液(5mL)に溶解し、室温で3時間反応させた。溶媒を減圧留去し、4℃に冷却したジエチルエーテルを加え、結晶化させ、得られた結晶を乾燥することで、SD90(6.6mg、収率43%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMR並びに質量分析により構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 9.00(bs,2H),8.65(t,J=5.7Hz,1H),8.20(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.63(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),3.92(s,2H),3.75(s,2H),3.31(q,J=6.6Hz,2H),3.11(dd,J=8.9,6.6Hz,2H),2.83(bs,1H),2.73(bt,J=7.3Hz,2H),2.52−2.48(m,2H)。
13C‐NMR(100MHz,CDCl3):δ 165.2,147.2,146.5,130.3,123.7,49.5,47.6,38.4,34.1,30.1,19.7。
HRMS(ESI)m/z:Calcd for C13H19N3O3NaS2[M+Na]+ 352.0766,Found:352.0775。
過テクネチウム酸イオンとグルコヘプトン酸ナトリウムとを反応させて、99mTc‐グルコヘプトン酸を得るため、反応の条件の検討を行った。
グルコヘプトン酸の生理食塩水溶液(100μL、40mg/0.5mL)と、表1に示す量の塩化第一スズの2mol/L塩酸溶液(2mg/1mL)とを混合し、5分間室温でインキュベーションした後、過テクネチウム酸イオンの生理食塩水溶液(400μL,90〜20MBq/2mL)を加え、さらに5分間室温でインキュベーションした。
反応溶液をHPLCにインジェクションし、過テクネチウム酸イオン、及び、99mTc‐グルコヘプトン酸のピークの面積値を調べた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95
99mTc‐グルコヘプトン酸の保持時間:1.7分
過テクネチウム酸イオンの保持時間:2.7分
実施例1で合成したSD59のTc‐99m標識反応の条件を検討した。
SD59の50体積%アセトニトリル水溶液(1mg/20μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、実施例9の実験番号1の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(10MBq、200μL)を加え、加熱しながら反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD59のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD59を得た。得られたHPLCのクロマトグラムにおける99mTc‐SD59のピーク面積値から99mTc標識率を求めた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク社製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、メーカー:ALOKA)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95(0−2分)、5/95−95/5(リニアグラジエント、2−17分)、95/5(17−22分)
99mTc‐SD59の保持時間:14.5分
実施例2で合成したSD60のTc‐99m標識反応は、実施例10の実験番号5で行ったSD59のTc‐99m標識反応と同様に行った。すなわち、SD60の50体積%アセトニトリル水溶液(10μL、5mg/200μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(20μL)を加えた後、実施例9の実験番号1の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(52.7MBq、230μL)を加え、室温で70分間反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD60のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD60を得た。得られたHPLCのクロマトグラムにおける99mTc‐SD60のピーク面積値から99mTc標識率を求めた。その結果、99mTc標識率90%で、99mTc‐SD60が得られた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95−95/5(リニアグラジエント、0−15分)
99mTc‐SD60の保持時間:12.9分
実施例3で合成したSD61のTc‐99m標識反応は、以下の通りに行った。
SD61の67体積%アセトニトリル水溶液(10μL、1mg/20μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(100μL)を加えた後、実施例9の実験番号1の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(10MBq、200μL)を加え、60℃で10分間反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD61のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD61を得た。得られたHPLCのクロマトグラムにおける99mTc‐SD61のピーク面積値から99mTc標識率を求めた。その結果、99mTc標識率99%で、99mTc‐SD61が得られた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95(0−2分)、5/95−95/5(リニアグラジエント、2−17分)、95/5(17−22分)
99mTc‐SD61の保持時間:11.4分
実施例4で合成したSD70のTc‐99m標識反応の条件を検討した。
SD70の75体積%アセトニトリル水溶液(20μL、1mg/100μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(100μL)を加えた後、実施例9の実験番号1の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(10MBq、200μL)を加え、加熱しながら反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD70のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD70を得た。得られたHPLCのクロマトグラムにおける99mTc‐SD70のピーク面積値から99mTc標識率を求めた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95(0−2分)、5/95−95/5(リニアグラジエント、2−17分)、95/5(17−22分)
99mTc‐SD70の保持時間:13.5分
実施例5で合成したSD78のTc‐99m標識反応の条件を検討した。
SD78の75体積%アセトニトリル水溶液(1mg/100μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、及び、りん酸トリス(2−クロロエチル)(TCEP)の生理食塩水溶液(2mg/1mL)を加えた後、実施例9の実験番号1の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(10MBq、200μL)を加え、表4に示す条件下で反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD78のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD78を得た。得られたHPLCのクロマトグラムにおける99mTc‐SD78のピーク面積値から99mTc標識率を求めた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95(0−2分)、5/95−95/5(リニアグラジエント、2−17分)、95/5(17−22分)
99mTc‐SD78の保持時間:12.5分
実施例6で合成したSD82のTc‐99m標識反応の条件を検討した。
SD82の75体積%アセトニトリル水溶液(1mg/100μL)に、アセトニトリル(100μL)、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(100μL)、及び、りん酸トリス(2−クロロエチル)(TCEP)の生理食塩水溶液(2mg/1mL)を加えた後、実施例9の実験番号1の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液を加え、表5に示す条件下で反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD82のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD82を得た。得られたHPLCのクロマトグラムにおける99mTc‐SD82のピーク面積値から99mTc標識率を求めた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95(0−2分)、5/95−95/5(リニアグラジエント、2−17分)、95/5(17−22分)
99mTc‐SD82の保持時間:15.6分
実施例7で合成したSD86のTc‐99m標識反応の条件を検討した。
SD86の75体積%アセトニトリル水溶液(1mg/100μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(100μL)、及び、アセトニトリルを加えた後、実施例9の実験番号1の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(3.2MBq)を加え、95℃で5分間反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD86のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD86を得た。得られたHPLCのクロマトグラムにおける99mTc‐SD86のピーク面積値から99mTc標識率を求めた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95(0−2分)、5/95−95/5(リニアグラジエント、2−17分)、95/5(17−22分)
99mTc‐SD86の保持時間:16.3分
実施例8で合成したSD90のTc‐99m標識反応の条件を検討した。
SD90の75体積%アセトニトリル水溶液(1mg/100μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液(pH12)、及び、アセトニトリルを加えた後、実施例9の実験番号1の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(3.2MBq)を加え、加熱しながら反応させた反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD90のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD90を得た。得られたHPLCのクロマトグラムにおける99mTc‐SD90のピーク面積値から99mTc標識率を求めた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95(0−2分)、5/95−95/5(リニアグラジエント、2−17分)、95/5(17−22分)
99mTc‐SD90の保持時間:17.7分
実施例10〜17に示す方法で合成した99mTc錯体の脂溶性評価を行った。
あらかじめ、オクタノール/リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)(1:1、v/v)とを平衡化させた。次いで、実施例10〜17に示す方法で合成した99mTc錯体を加え、手で10分程度激しく撹拌した後、遠心分離(14000g、室温、15分)により、オクタノール相と水相とを分離し、γカウンター(2480WIZARD2、パーキンエルマー社製)にて放射能を測定し、下記数式(数1)より、オクタノール/水分配係数(LogPo/w)を求めた。n=4で試験を行った結果を表8に示す。表8には、LogPo/wを平均値±標準偏差で示した。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(CAPCELLPAK(登録商標)MG−II、2.0×75mm、資生堂製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95−95/5(リニアグラジエント、15分)
マウス腹水腫瘍細胞(FM3A細胞)又はマウス扁平上皮癌細胞(SCCVII細胞)を移植した腫瘍移植マウスを用いて、99mTc‐SD59、及び、99mTc‐SD60の体内分布を評価した。また、比較のため、非特許文献6に示す99mTc‐SD32を用いて同様な評価を行った。
FM3A細胞は、京都大学大学院薬学研究科、佐治英郎教授から供与されたものを増殖させて利用した。また、SCCVII細胞は、京都大学粒子線生物学研究分野、増永慎一郎教授から供与されたものを増殖させて利用した。
腫瘍移植マウスは、C3H/Heマウス(日本SLC株式会社、雌、7週齢又は10週齢、n=3〜5)の背部皮下にFM3A細胞又はSCCVII細胞1×107個を移植して作成し、移植後2−4週後に実験に供した。
各99mTc錯体の5体積%ジメチルスルホキシド含有生理食塩水溶液50−100kBqを腫瘍移植マウスに尾静脈より投与した。99mTc錯体の投与1時間後に屠殺した後、各組織を摘出し重量測定を行い、さらに放射能をオートガンマカウンター(2480WIZARD2、パーキンエルマー社製)で測定した。各臓器に分布した放射能は、投与した量を100%としたときのそれぞれの臓器1gあたりの放射能(%ID/g tissue)の平均値±標準偏差として表した。結果を表9に示す。
マウス乳癌細胞(EMT6)を用いて、99mTc‐SD59、99mTc‐SD70、99mTc‐SD78及び99mTc‐SD86の体内分布を評価した。
EMT6細胞は、ATCC社より購入し、増殖させて利用した。
腫瘍移植マウスは、Balb/cマウス(日本SLC株式会社、雌、6週齢、n=4−5)の背部皮下にEMT6細胞2×105個を移植して作成し、移植後2週後に実験に供した。
各99mTc錯体の生理食塩水溶液50−100kBqを腫瘍移植マウスに尾静脈より投与した。99mTc錯体の投与1時間又は3時間後に屠殺した後、各組織を摘出し重量測定を行い、さらに放射能をオートガンマカウンター(2480WIZARD2、パーキンエルマー社製)で測定した。各臓器に分布した放射能は、投与した量を100%としたときのそれぞれの臓器1gあたりの放射能(%ID/g tissue)の平均値±標準偏差として表した。結果を表10〜13に示す。
実施例20で使用した99mTc錯体に関し、血清安定性の評価を行った。
まず、非動化していないウシ胎児血清(FBS)に、99mTc‐SD59、99mTc‐SD70、99mTc‐SD78、若しくは、99mTc‐SD86、又は実施例15で合成した99mTc‐SD82を加え、37℃でインキュベートした。その後、FBSと同量のアセトニトリルを加え、撹拌後、4℃で15分静置した。遠心分離(14000g、4℃、15分)後、上清をとり、HPLCにて、99mTc錯体のピーク面積値が95%以上であるとき「安定」と判断し、50%未満を「不安定」と判断した。HPLC条件は、実施例10、13〜16に示す条件を用いた。
その結果、99mTc‐SD59、99mTc‐SD70、99mTc‐SD78、99mTc‐SD82及び99mTc‐SD86は、いずれも「安定」と判断され、実施例20における放射能分布は、99mTc錯体の分布に対応していることが裏付けられた。
マウス乳癌細胞(EMT6)を移植した腫瘍移植マウスを用い、腫瘍の大きさと、99mTc錯体の集積率との関係について、評価した。
実施例20と同様な方法で、EMT6をマウスに移植し、移植後の腫瘍細胞の増殖時間を変えて、腫瘍の大きさが異なる腫瘍移植マウスを作製した。99mTc‐SD70の生理食塩水溶液50−100kBqを腫瘍移植マウス(日を変えて、n=4ずつ)に尾静脈より投与した。ただし、一部のマウスについては、5体積%ジメチルスルホキシド含有の99mTc‐SD70溶液を投与した。99mTc錯体の投与後15分、1時間、3時間、6時間後に屠殺した後、腫瘍を摘出し重量測定を行い、さらに放射能をオートガンマカウンター(2480WIZARD2、パーキンエルマー社製)で測定した。各臓器に分布した放射能は、投与した量を100%としたときの腫瘍1gあたりの放射能(%ID/g)として表した。
99mTc錯体を投与した腫瘍移植マウスをSPECT/CTで撮像した。
腫瘍移植マウスは、Balb/cマウス(日本SLC株式会社、雌、8週齢)の背部皮下に、実施例20と同様な方法で入手したEMT6細胞2×105個を移植して作成し、移植後2週後に実験に供した。
99mTc‐SD70又は99mTc‐SD86の1体積%ジメチルスルホキシド含有生理食塩水26MBqを150μL腫瘍移植マウスに尾静脈より投与した。投与1.5時間後にピモニダゾール(コスモバイオ株式会社製)を投与し、投与2.4時間でCT撮像を行い、投与2.6時間後にSPECT撮像を行った。SPECT/CT装置は、Bioscan社製のNanoSPECT/CTを用いた。
実施例23のSPECT撮像後、99mTc錯体の投与3.1時間後にマウスを屠殺して腫瘍を摘出し、液体窒素にて急速冷凍した。この冷凍腫瘍組織を5μm厚又は25μm厚にスライスし、凍結切片を作成した。連続切片を用いて、オートラジオグラフィー、並びに、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色、及び、免疫染色に供した。
オートラジオグラフィーは、イメージングプレート(BAS−III、富士フィルム社製)に12時間感光させた後、画像解析装置(FLA−7000、富士フィルム社製)にて画像化及び解析を行った。
ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色は、マイヤー・ヘマトキシリン溶液(武藤化学社製)、エオシンY 1%液(武藤化学社製)を用いて行った。
免疫染色は、ピモニダゾール染色により行った。抗体として、抗ピモニダゾールウサギ抗体(コスモ・バイオ社製)用い、ネガティブコントロールとして、ウサギポリクローナルIgG(DAKO社製)を用いた。
図示するように、ピモニダゾールの好染部位と、放射能集積とがある程度一致し、99mTc錯体が腫瘍の低酸素領域に集積することが示唆された。
図17に示すスキームに沿って、4−ニトロベンジル 3−{N−[2−(2−スルファニルアセタミド)エチル]グリシルアミノ}プロパノエート(SD128)を合成した。
N−(tertブトキシカルボニル)エチレンジアミン(化合物41)(1.777g、11.1mmol)とトリエチルアミン(4.64mL、33.3mmol)を溶解したジクロロメタン(50mL)に溶解し、氷冷下、2−ニトロベンゼンスルホニルクロライド(2.458g、11.1mmol)を加え、室温で4時間、反応させた。溶媒を減圧留去後、1mmmol/L塩酸を加え、pHを3にし、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、有機層をろ過、得られたろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、化合物42(3.477g、収率91%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.13−8.08(m,1H),7.86−7.81(m,1H),7.78−7.74(m,2H),6.12(bs,1H),5.27(bt,J=5.8Hz,1H),3.29−2.24(m,4H),1.40(s,9H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 156.2,147.6,133.6,133.0,132.7,130.6,125.0,79.4,43.6,40.0,28.1。
化合物42(173mg、0.50mmol)、炭酸カリウム(207mg、1.50mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(37mg、0.10mmol)をアセトニトリル(2mL)に懸濁し、室温下、ブロモ酢酸エチル(55μL、0.50mmol)を滴下した。60℃に昇温し、40分間加熱後、水(5mL)を加え反応を停止した。クロロホルムで抽出後、得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、有機層をろ過、得られたろ液を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、化合物43(0.215g、収率99%)を得た。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.06−8.04(m,1H),7.73−7.70(m,1H),7.63−7.61(m,2H),5.16(bt,J=5.8Hz,1H),4.21(s,2H),4.12(q,J=7.1Hz,2H),3.50(t,J=5.8Hz,2H),3.31(q,J=5.8Hz,2H),1.42(s,9H),1.21(t,J=7.1Hz,3H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 168.9,155.9,147.8,133.7,132.7,131.7,130.8,124.0,79.3,61.5,48.6,48.4,38.3,28.2,13.8。
化合物43(1.50g、3.48mmol)を50体積%トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン溶液に溶解し、室温にて15分反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をジメチルホルムアミド(42mL)に溶解し、トリチルチオグリコール酸(1.40g、4.18mmol)、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.80g、4.17mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(0.64mg、4.17mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(2.18mL、12.5mmol)を加え、室温で4.5時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物44(2.23g、収率99%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.04−8.01(m,1H),7.69−7.75(m,2H),7.61−7.58(m,1H),7.42−7.40(m,6H),7.32−7.27(m,6H),7.25−7.20(m,3H),6.35(bt,J=5.7,1H),4.11(s,2H),4.09(q,J=7.2Hz,2H),3.35(t,J=6.0Hz,2H),3.14(q,J=6.0Hz,2H),3.04(s,2H),1.20(t,J=7.2Hz,3H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 168.9,168.7,147.9,143.9,133.7,132.9,131.8,131.1,129.5,128.2,127.0,124.2,67.7,61.6,48.7,47.7,37.6,35.9,14.0。
化合物44(0.911g、1.41mmol)をエタノール(12.5mL)に溶解し、10体積%水酸化ナトリウム水溶液(12.5mL)を加え、室温で1.5時間反応させた。6mol/L塩酸でpHを1にした後、酢酸エチルを用いて抽出し、得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、化合物45(0.859g、収率99%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.80(bs,1H),7.96−7.93(m,1H),7.61−7.56(m,2H),7.53−7.51(m,1H),7.39−7.37(m,6H),7.27−7.24(m,6H),7.20−7.16(m,3H),6.50(bt,J=5.7Hz,1H),4.05(s,1H),3.27(t,J=5.8Hz,2H),3.05(q,J=3.05Hz,2H),3.02(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 171.3,169.9,147.7,143.7,133.8,132.5,132.0,130.8,129.3,128.1,127.0,124.1,67.6,48.3,47.3,37.6,35.5。
3−(tert−ブトキシカルボニル)アミノプロピオン酸(化合物46)(568mg、3.00mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、4−ニトロベンジルアルコール(689mg、4.50mmol)、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(633mg、3.30mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(73mg、0.60mmol)、及び、トリエチルアミン(836μL、6.00mmol)を加え、室温で19時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物49(0.812g、収率83%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.22(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),7.53(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),5.24(s,2H),5.11(bs,1H),3.44(q,J=6.2Hz,2H),2.65(t,J=6.2Hz,2H),1.43(s,9H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 171.8,155.6,147.5,142.9,128.2,123.6,79.3,64.7,36.0,34.4,28.2。
化合物49(64.8mg、0.20mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/水(50:50:1(体積比))の混合溶液に溶解し、室温にて30分反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をジメチルホルムアミド(1mL)に溶解し、化合物45(130mg、0.21mmol)、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(93.2mg、0.20mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(104μL、0.60mmol)を溶解したジメチルホルムアミド(1mL)溶液を加え、室温で12時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物52(117mg、収率71%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.19(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),8.04−7.99(m,1H),7.71−7.66(m,2H),7.63−7.58(m,1H),7.49(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),7.41−7.38(m,6H),7.30−7.25(m,6H),7.23−7.19(m,3H),6.83(t,J=6.1Hz,1H),6.50(t,J=5.9Hz,1H),5.19(s,2H),3.90(s,2H),3.48(q,J=6.1Hz,2H),3.33(t,J=5.9Hz,2H),3.15(q,J=5.9Hz,2H),3.03(s,2H),2.57(t,J=6.1Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 171.6,168.9,167.9,147.9,147.7,143.9,142.8,134.0,132.1,132.0,131.3,129.4,128.5,128.1,127.0,124.3,123.8,67.5,65.1,51.1,48.8,37.8,35.9,35.3,33.6。
化合物52(40.0mg、0.048mmol)をジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、チオグリコール酸(20μL、0.291mmol)を加え、水酸化リチウム(22.3mg、0.532mmol)存在下に、室温で30分反応させた。溶媒を減圧留去した後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製し、化合物55(20mg、収率64%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.21(dt,J=8.7,2.1Hz,2H),7.49(dt,J=8.7,2.1Hz,2H),7.47−7.45(bm,1H),7.42−7.39(m,6H),7.31−7.27(m,6H),7.25−7.21(m,3H),6.25(bt,J=5.7Hz,1H),5.19(s,2H),3.52(q,J=6.3Hz,2H),3.19(s,2H),3.16(s,2H),3.03(q,J=5.9Hz,2H),2.62(t,J=6.3Hz,2H),2.52(t,J=5.9Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 171.8,171.5,168.5,147.8,143.9,142.8,129.4,128.4,128.2,127.1,123.8,67.9,65.0,52.2,49.1,39.5,35.9,34.4,34.0。
化合物55(41mg、0.063mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/トリイソプロピルシラン(20:20:1)の混合溶液(20.5mL)に溶解し、室温で1時間反応させた。溶媒を減圧留去した後に、残渣に4℃に冷却したジエチルエーテルを加え、結晶化させ、得られた結晶を乾燥することで、SD128(31mg、収率96%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 8.83(bs,2H),8.61(t,J=5.5Hz,1H),8.35(t,J=5.7Hz,1H),8.25(d,J=8.8Hz,2H),7.65(d,J=8.8Hz,2H),5.26(s,2H),3.71(s,2H),3.52(s,2H),3.44−3.37(m,2H),3.01(t,J=6.3Hz,2H),2.64(t,J=6.6Hz,2H)。
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6):δ 171.1,168.8,165.4,147.3,144.0,128.7,123.8,64.6,47.9,46.5,42.2,35.7,34.9,33.6。
図17に示すスキームに沿って、4−ニトロベンジル 3−{N−[2−(2−スルファニルアセタミド)エチル]グリシルアミノ}ブタノエート(SD129)を合成した。
4−(tert−ブトキシカルボニル)アミノブタン酸(化合物47)(610mg、3.00mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、4−ニトロベンジルアルコール(689mg、4.50mmol)、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(633mg、3.30mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(73mg、0.60mmol)、及び、トリエチルアミン(836μL、6.00mmol)を加え、室温で19時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物50(0.830g、収率82%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.21(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.54(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),5.23(s,2H),4.88(bs,1H),3.19(q,J=6.4Hz,2H),2.48(t,J=7.4Hz,2H),1.90−1.83(m,2H),1.44(s,9H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.6,155.8,147.4,143.1,128.1,123.5,78.9,64.5,39.6,31.1,28.2,25.1。
化合物50(123mg、0.36mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/水(50:50:1(体積比))の混合溶液に溶解し、室温にて20分反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をジメチルホルムアミド(4mL)に溶解し、実施例25のステップa〜dと同様な方法で合成した化合物45(187mg、0.30mmol)、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(69mg、0.36mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(56mg、0.36mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(190μL、1.09mmol)を加え、室温で20時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物53(159mg、収率62%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.16(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),8.05−8.00(m,1H),7.67−7.61(m,2H),7.60−7.56(m,1H),7.48(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),7.40−7.37(m,6H),7.28−7.24(m,6H),7.21−7.17(m,3H),6.86(t,J=5.9Hz,1H),6.58(t,J=5.9Hz,1H),5.17(s,2H),3.94(s,2H),3.35(t,J=5.8Hz,2H),3.24−3.14(m,4H),3.01(s,2H),2.38(t,J=7.4Hz,2H),1.80−1.73(m,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.5,168.8,167.8,147.8,147.4,143.8,143.1,133.9,132.03,131.97,131.0,129.3,128.2,128.0,126.9,124.1123.6,67.4,64.7,50.7,48.6,38.7,37.6,35.9,31.1,24.3。
化合物53(114mg、0.136mmol)をジメチルホルムアミド(4mL)に溶解し、チオグリコール酸(57μL、0.815mmol)を加え、水酸化リチウム(63mg、1.494mmol)存在下に、室温で30分反応させた。溶媒を減圧留去した後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製し、化合物56(63mg、収率70%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.20(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.50(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.42−7.39(m,6H),7.31−7.27(m,6H),7.25−7.20(m,3H),6.29(bt,J=5.8Hz,1H),5.19(s,2H),3.26(q,J=6.7Hz,2H),3.19(s,2H),3.14(s,2H),3.04(q,J=5.9Hz,2H),2.55(t,J=5.9Hz,2H),2.41(t,J=7.4Hz,2H),1.87−1.80(m,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.6,171.5,168.4,147.6,143.8,143.1,129.3,128.3,128.1,127.0,123.7,67.8,64.7,52.1,49.0,39.4,38.1,35.8,31.4,24.8。
化合物56(54mg、0.083mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/トリイソプロピルシラン(20:20:1)の混合溶液(20.5mL)に溶解し、室温で1時間反応させた。溶媒を減圧留去した後に、残渣に4℃に冷却したジエチルエーテルを加え、結晶化させ、得られた結晶を乾燥することで、SD129(40mg、収率92%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 8.85(bs,2H),8.50(t,J=5.6Hz,1H),8.36(t,J=5.7Hz,1H),8.25(d,J=8.7Hz,2H),7.64(d,J=8.7Hz,2H),5.25(s,2H),3.73(s,2H),3.52(s,2H),3.41−3.38(m,2H),3.17(q,J=6.3Hz,2H),3.02(t,J=6.3Hz,2H),2.47(t,J=7.4Hz,2H),1.76−1.69(m,2H)。
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6):δ 172.5,168.8,165.2,147.3,144.2,128.7,123.8,64.5,47.9,46.5,42.1,38.1,35.7,30.8,24.4。
図17に示すスキームに沿って、4−ニトロベンジル 3−{N−[2−(2−スルファニルアセタミド)エチル]グリシルアミノ}ヘキサノエート(SD130)を合成した。
6−(tert−ブトキシカルボニル)アミノヘキサン酸(化合物48)(694mg、3.00mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、4−ニトロベンジルアルコール(689mg、4.50mmol)、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(633mg、3.30mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン(73mg、0.6mmol)、及び、トリエチルアミン(836μL、6.00mmol)を加え、室温で19時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物51(0.984g、収率90%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.23(dt,J=8.9,2.1Hz,2H),7.52(dt,J=8.9,2.1Hz,2H),5.21(s,2H),4.61(bs,1H),3.12(q,J=6.6Hz,2H),2.41(t,J=7.5Hz,2H),1.72−1.65(m,2H),1.54−1.47(m,2H),1.44(s,9H),1.41−1.33(s,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 173.0,156.0,147.6,143.4,128.3,123.8,79.1,64.6,40.3,34.0,29.7,28.4,26.2,24.5。
化合物51(147mg、0.40mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/水(50:50:1(体積比))の混合溶液に溶解し、室温にて20分反応させた。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をジメチルホルムアミド(4mL)に溶解し、実施例25のステップa〜dと同様な方法で合成した化合物45(207mg、0.40mmol)、1‐エチル‐3‐(3‐ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(77mg、0.40mmol)、1‐ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(61mg、0.40mmol)、及び、ジイソプロピルエチルアミン(209μL、1.20mmol)を加え、室温で20時間反応させた。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した後、有機層を10%(v/v)クエン酸水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、化合物54(192mg、収率66%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.18(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),8.07−8.02(m,1H),7.68−7.64(m,2H),7.62−7.57(m,1H),7.49(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),7.41−7.38(m,6H),7.29−7.24(m,6H),7.22−7.18(m,3H),5.18(s,2H), 3.94(s,2H),3.35(t,J=6.0Hz,2H),3.18−3.12(m,4H),3.10(s,2H),2.37(t,J=7.41Hz,2H),1.65−1.58(m,2H),1.46−1.39(m,2H),1.32−1.24(m,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.9,168.7,167.5,147.7,147.4,143.8,143.3,133.9,132.1,132.0,131.1,129.3,128.2,128.0,126.8,124.1,123.6,67.4,64.5,50.6,48.4,39.2,37.5,35.8,33.7,28.7,26.0,24.2。
化合物54(115mg、0.132mmol)をジメチルホルムアミド(4mL)に溶解し、チオグリコール酸(55μL、0.792mmol)を加え、水酸化リチウム(60mg、1.452mmol)存在下に、室温で40分反応させた。溶媒を減圧留去した後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶液をろ過し、ろ液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製し、化合物57(71mg、収率79%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.20(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.50(dt,J=8.8,2.2Hz,2H),7.42−7.40(m,6H),7.32−7.27(m,6H),7.25−7.21(m,3H),7.08(bt,J=5.8Hz,1H),6.29(bt,J=5.7Hz,1H),5.19(s,2H),3.20(q,J=6.8Hz,2H),3.18(s,2H),3.14(s,2H),3.04(q,J=5.9Hz,2H),2.55(t,J=5.9Hz,2H),2.40(t,J=7.5Hz,2H),1.70−1.62(m,2H),1.53−1.45(m,2H),1.37−1.29(m,2H)。
13C−NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.9,171.2,168.3,147.6,143.8,1432,129.3,128.3,128.1,127.0,123.7,67.8,64.5,52.2,49.0,39.4,38.6,35.8,33.8,29.3,26.3,24.3。
化合物57(62mg、0.090mmol)をトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/トリイソプロピルシラン(20:20:1)の混合溶液(20.5mL)に溶解し、室温で1時間反応させた。溶媒を減圧留去した後に、残渣に4℃に冷却したジエチルエーテルを加え、結晶化させ、得られた結晶を乾燥することで、SD130(48mg、収率95%)を得た。本化合物は1H‐NMR及び13C‐NMRにより構造を決定した。
1H‐NMR(400MHz,DMSO−d6):δ 8.91(bs,2H),8.46(t,J=5.6Hz,1H),8.39(t,J=5.7Hz,1H),8.24(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),7.64(dt,J=8.8,2.1Hz,2H),5.24(s,2H),3.73(s,2H),3.52(s,2H),3.43−3.40(m,2H),3.11(q,J=6.3Hz,2H),3.03(t,J=6.3Hz,2H),2.41(t,J=7.4Hz,2H),1.61−1.54(m,2H),1.47−1.40(m,2H),1.33−1.23(m,2H)。
13C−NMR(100MHz,DMSO−d6):δ 172.8,168.9,165.0,147.2,144.3,128.7,123.8,64.4,47.9,46.4,42.2,38.6,35.7,33.4,28.7,25.9,24.2。
グルコヘプトン酸の生理食塩水溶液(500μL、40mg/0.5mL)と、塩化第一スズの0.01mol/L塩酸溶液(2mg/1mL)20μLとを混合し、5分間室温でインキュベーションした後、過テクネチウム酸イオンの生理食塩水溶液(2mL,500〜50MBq/2mL)を加え、さらに5分間室温でインキュベーションした。反応溶液をHPLCにインジェクションし、過テクネチウム酸イオンの消失、及び、99mTc‐グルコヘプトン酸の生成を確認し、99mTc‐グルコヘプトン酸が定量的に得られていることを確認した。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γSURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95
99mTc‐グルコヘプトン酸の保持時間:1.7分
過テクネチウム酸イオンの保持時間:2.7分
実施例25で合成したSD128のTc‐99m標識反応の条件を検討した。SD128の50体積%アセトニトリル水溶液(1mg/100μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、実施例28で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(70−60MBq、400μL)を加え、加熱しながら反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD128のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD128を得た。分取した99mTc‐SD128のピークに含まれる放射活性をインジェクションした反応液に含まれる放射活性で除することで99mTc標識率を求めた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク社製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、メーカー:ALOKA)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95(0−2分)、5/95−95/5(リニアグラジエント、2−17分)、95/5(17−22分)
99mTc‐SD128の保持時間:13.7分
実施例26で合成したSD129のTc‐99m標識反応は、実施例29の実験番号4で行ったSD128のTc‐99m標識反応と同様に行った。すなわち、SD129の50体積%アセトニトリル水溶液(5μL、1mg/100μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5μL)を加えた後、実施例28で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(24.7MBq、400μL)を加え、室温で3分間反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD129のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD129を得た。分取した99mTc‐SD129のピークに含まれる放射活性をインジェクションした反応液に含まれる放射活性で除することで99mTc標識率を求めた。その結果、99mTc標識率45%で99mTc‐SD129が得られたことが確認された。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95−95/5(リニアグラジエント、0−15分)
99mTc‐SD129の保持時間:13.9分
実施例27で合成したSD130のTc‐99m標識反応は、実施例29の実験番号4で行ったSD128のTc‐99m標識反応と同様に行った。すなわち、SD130の50体積%アセトニトリル水溶液(5μL、1mg/100μL)に、7質量%炭酸水素ナトリウム水溶液(2.5μL)を加えた後、実施例28の条件で得られた99mTc‐グルコヘプトン酸溶液(19.7MBq、400μL)を加え、室温で3分間反応させた。反応溶液をHPLCにインジェクションし、下記HPLC条件で99mTc‐SD130のピークを分取し、減圧下濃縮して、99mTc‐SD130を得た。分取した99mTc‐SD130のピークに含まれる放射活性をインジェクションした反応液に含まれる放射活性で除することで99mTc標識率を求めた。その結果、99mTc標識率23%で99mTc‐SD130が得られた。
<HPLC条件>
カラム:C18カラム(COSMOSIL(登録商標)C18−MS−II、4.6×150mm、ナカライテスク製)
検出器:RI(γ SURVEY METER TCS-172、ALOKA製)
移動相:アセトニトリル/10mmol/L酢酸アンモニウム(pH7)=5/95−95/5(リニアグラジエント、0−15分)
99mTc‐SD130の保持時間:14.6分
実施例29〜31に示す方法で合成した99mTc錯体の脂溶性評価を行った。あらかじめ、オクタノール/リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)(1:1、v/v)とを平衡化させた。次いで、実施例Xに示す方法で合成した99mTc錯体を加え、手で10分程度激しく撹拌した後、遠心分離(14000g、室温、15分)により、オクタノール相と水相とを分離し、γカウンター(2480WIZARD2、パーキンエルマー社製)にて放射能を測定し、実施例18で示した数式(数1)より、オクタノール/水分配係数(LogPo/w)を求めた。n=4で試験を行った結果を表15に示す。表15には、LogPo/wを平均値±標準偏差で示した。
マウス乳がん細胞(EMT6)を移植した腫瘍移植マウスを用いて、実施例29〜31に示す方法で合成した99mTc−SD128、99mTc−SD129、及び、99mTc−SD130の体内分布を評価した。EMT6細胞はATCC社(米国)から購入したものを増殖させて利用した。腫瘍移植マウスはBalb/cマウス(日本SLC株式会社、雌、6週齢、n=4〜5)の背部皮下にEMT6細胞2.5×105個を移植して作成し、移植後、約2週後に実験に供した。各99mTc錯体の生理食塩水溶液50kBqを腫瘍移植マウスに尾静脈より投与した。99mTc錯体の投与1時間、及び、3時間後に屠殺した後、各組織を摘出し重量測定を行い、さらに放射能をオートガンマカウンター(2480WIZARD2、パーキンエルマー社製)で測定した。各臓器に分布した放射能は、投与した量を100%としたときのそれぞれの臓器1gあたりの放射能(%ID/g tissue)の平均値±標準偏差として表した。結果を表16に示す。
実施例33で使用した99mTc錯体に関し、血清安定性の評価を行った。まず、非動化していないウシ胎児血清(FBS)に、99mTc‐SD128、99mTc‐SD129、99mTc‐SD130を加え、37℃で6時間、インキュベートした。その後、FBSと同量のアセトニトリルを加え、撹拌後、4℃で15分静置した。遠心分離(14000g、4℃、15分)後、上清をとり、HPLCにて、99mTc錯体のピーク面積値が95%以上であるとき「安定」と判断し、50%未満を「不安定」と判断した。HPLC条件は、実施例29〜31に示す条件を用いた。その結果、99mTc‐SD128、99mTc‐SD129、及び、99mTc‐SD130は、いずれも「安定」と判断され、実施例33における放射能分布は、99mTc錯体の分布に対応していることが裏付けられた。
99mTc錯体を投与した腫瘍移植マウスをSPECT/CTで撮像した。腫瘍移植マウスは、Balb/cマウス(日本SLC株式会社、雌、6週齢)の背部皮下に、実施例33と同様な方法で入手したEMT6細胞2.5×105個を移植して作成し、移植後2週後に実験に供した。実施例29に示す方法で合成した99mTc‐SD128の生理食塩水26MBqを150μL腫瘍移植マウスに尾静脈より投与した。投与30分後にピモニダゾール(コスモバイオ株式会社製)を投与し、投与50分でCT撮像を行い、投与1時間後にSPECT撮像を行った。SPECT/CT装置は、Bioscan社製のNanoSPECT/CTを用いた。
実施例35のSPECT撮像後、99mTc錯体の投与1.5時間後にマウスを屠殺して腫瘍を摘出し、−80℃下で急速冷凍した。この冷凍腫瘍組織を7μm厚又は25μm厚にスライスし、凍結切片を作成した。連続切片を用いて、オートラジオグラフィー、並びに、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色、及び、免疫染色に供した。オートラジオグラフィーは、イメージングプレート(BAS−III、富士フィルム社製)に12時間感光させた後、画像解析装置(FLA−7000、富士フィルム社製)にて画像化及び解析を行った。ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色は、マイヤー・ヘマトキシリン溶液(武藤化学社製)、エオシンY1%液(武藤化学製)を用いて行った。免疫染色は、ピモニダゾール染色により行った。抗体として、抗ピモニダゾールウサギ抗体(コスモ・バイオ社製)用い、ネガティブコントロールとして、ウサギポリクローナルIgG(DAKO社製)を用いた。
Claims (7)
- 一般式(1)で表され、放射性テクネチウムとの結合部位を有する化合物又はその塩。
- 一般式(1)中、A1が一般式(2)で表される置換基の場合において、Xがアミノ基(NH)であり、一般式(2)中、nは1である、請求項1記載の化合物又はその塩。
- 一般式(1)中、A1が一般式(2)で表される置換基の場合において、Xが硫黄原子(S)であり、一般式(2)中、nは0である、請求項1記載の化合物又はその塩。
- 一般式(1)中、A2が一般式(2)で表される置換基のとき、一般式(2)中、mは1であり、nは1である、請求項1記載の化合物又はその塩。
- 請求項1乃至4いずれか一項に記載の化合物と、放射性テクネチウムとの錯体。
- 請求項5記載の錯体を含む放射性医薬組成物。
- 請求項1乃至4いずれか一項に記載の化合物又はその塩を含み、請求項6記載の放射性医薬組成物を調製するために用いられる、キット。
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EUROPEAN JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 58, JPN6017040096, 2012, pages 50 - 63 * |
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