JP2015061738A - 砥石車ならびにその製造および使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の砥石車と比較して砥石車を低剛性化する方法を提供する。
【解決手段】砥粒を有機結合剤および、1つまたは複数の補強材を含む的に結合して製造されるセンタへこみ形研削砥石10を、従来の砥石より低剛性とする方法は、該センタへこみ形研削砥石10の隆起ハブ領域16に、該センタへこみ形研削砥石10を不可逆的に低剛性化するのに有効な力を加えるステップを含む。
【選択図】図1A

Description

一般に、結合研削材物品は、砥粒を結合剤および、必要に応じて添加剤と混合し、その結果として得られる混合物を、たとえば適当な型を使って成形することにより製作される。混合物を成形して素地を形成でき、これに、たとえば硬化、焼結等の熱処理を行うと、砥粒が三次元結合剤マトリックスの中に保持された状態の製品が生成される。結合研削材工具の中で、砥石(または研磨)車はしばしば、樹脂等の有機質結合剤を使って製作される。このような砥石車は、たとえばナイロン、カーボン、ガラスまたは綿布を円盤状に裁断したものを用いて補強でき、あるいは無補強または補強なしとすることもできる。
ある場合には、加工物を比較的剛性の高い砥石車を使って加工する必要がある。しかしながら、より低剛性の、すなわち、より柔軟な砥石車を用いて実行するのが最良である作業もあり、このような砥石車の製造に用いられる1つの既存の技術では、砥石車の作業面または非作業面にパターンが付与される。このパターンは一般に、溝と突出部を含み、その形状は、たとえば十字形、環状またはその他の適当な形である。
しかしながら、低剛性の砥石車およびそのような砥石車の製造および使用方法が依然として求められている。
本発明は一般に、結合研削材物品、特に低剛性の有機的に結合された研磨/切削車、その製造方法およびその使用方法に関する。
1つの態様において、本発明は有機的に結合された砥石車を低剛性化する方法に関する。この方法は、補強センタへこみ形研削砥石の隆起ハブ領域に、前記砥石車を不可逆的に低剛性化するために有効な力を加えるステップを含む。他の態様において、補強された、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石を低剛性化する方法は、目標の剛性を得るように計算された量だけ砥石車を撓ませるステップを含む。
他の態様において、本発明は、補強センタへこみ形研削砥石の製造工程に関する。この工程は、たとえば、室温または高温下でセンタへこみ形研削砥石の形状の素地を形成するステップであって、前記素地が1つまたは複数の補強材を含むようなステップと、素地を熱処理し、硬化した生成物を得るステップと、硬化した生成物の隆起ハブ領域に、硬化した生成物を不可逆的に低剛性化するために有効な荷重を付加し、それによってセンタへこみ形研削砥石を生成するステップと、を含む。
本発明のいくつかの態様は、低剛性の砥石車に関する。1つの実施例において、補強された、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石の剛性は、同じ仕様の同等の砥石車のそれより少なくとも10%低い。低剛性砥石車およびこれと同等の砥石車は、パターン化された特徴のない複数の表面を有していてもよく、または、どちらも、パターン化された面を少なくとも1つ有していてもよい。たとえは、1つの例において、どちらの砥石車も作業面(表面)にパターン化された特徴がない。他の例において、どちらの砥石車もパターン化された作業面を有する。さらに別の例において、どちらの砥石車もパターン化された非作業表面を有する。他の実施例において、補強された、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石の低剛性化率は少なくとも約10%であり、これは式、[(Sc−Sn)/Sc]×100%で求められ、式中、Scは同等の従来製品の剛性、Snは補強された、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石の測定された剛性であり、ScとSnはどちらも同じ条件下で測定される。他の実施例において、補強された有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石は、(i)ぎざぎざの形状を有する鋸歯状区間を含む荷重前撓み−荷重曲線と、(ii)前記鋸歯状区間が平滑化された荷重後撓み−荷重曲線を有する。また別の実施例において、補強された、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石の仕様は、(i)ぎざぎざの形状を有する鋸歯状区間を含む荷重前撓み−荷重曲線と、(ii)前記鋸歯状区間が平滑化された荷重後撓み−荷重曲線を有する。
1つの例において、砥石車の前面にガラス繊維織布を持たない、有機的に結合された補強センタへこみ形研削砥石は、荷重対撓みプロットの初期区間において均一な撓み挙動を示し、初期区間とは、プロットのうち、破壊荷重での全撓みの0%の撓み(mm)〜70%の撓み(mm)の間、たとえば0%の撓み(mm)〜50%の撓み(mm)の間の区間によって定義される。他の例において、有機的に結合された補強センタへこみ形研削砥石は、荷重対撓みプロットのうち、破壊荷重での全撓みの0%〜70%、たとえば0%〜60%または0%〜50%の区間により定義される初期区間内に自然撓みが実質的にない機械的挙動を示す。他の例において、有機的に結合された補強センタへこみ形研削砥石(たとえば、寸法125×3.2×22.3mmの砥石車)は、750N/mm未満の初期剛性を示し、初期剛性は荷重対撓みプロットの5N〜150Nの間の勾配として測定される。
本発明の他の態様は、本明細書に記載されるようなセンタへこみ形研削砥石の使用方法に関する。1つの実施形態において、加工物の研磨方法は、研磨盤の主軸にセンタへこみ形研削砥石を取り付けるステップと、前記砥石車を加工物に当てて回転させることにより、前記加工物を研磨するステップと、を含み、センタへこみ形研削砥石は、同じ研削条件下で測定した場合に、同じ仕様の従来の砥石車に関して高いQ比を示す。他の実施形態において、加工物の研磨方法は、研磨盤の主軸にセンタへこみ形研削砥石を取り付けるステップと、前記砥石車を加工物に当てて回転させることにより、前記加工物を研磨するステップと、を含み、センタへこみ形研削砥石は、同じ研削条件下で、同じ仕様の従来の砥石車と比較して低い騒音量を示す。
また別の態様において、本発明は、センタへこみ形研削砥石の低剛性化率を測定する方法に関する。この方法は、センタへこみ形研削砥石の撓み−荷重曲線を、同じ仕様の従来のセンタへこみ形研削砥石の撓み−荷重曲線と比較するステップを含み、前者に鋸歯状区間がなく、後者に鋸歯状区間があることは、センタへこみ形研削砥石が前記従来のセンタへこみ形研削砥石と比較して低剛性化されていることを示す。
本発明には多くの利点がある。その実施形態のいくつかにおいて、砥石車を低剛性化するための比較的単純な方法が提供される。この技術は、既存の製造工程に組み込むことができ、または独立して、たとえば製造後に完成品に対して実行することもできる。本明細書に記載の方法によれば、パターン化された作業または非作業面を不要とすることができるが、パターン化された特徴をなくす必要はない。本発明の態様による砥石車は、砥石車の寿命が長く、Q比が良好である。さらに、本明細書に記載されるような砥石車を動作させることによって発生する音量はしばしば低く、場合により、この砥石車では、ピークの第一モードがより低周波数へと移行するほか、ピーク高さが低い。
ここで、部品の構成と組み合わせのさまざまな詳細を含む、本発明の上記および他の特徴とその他の利点を、添付の図面を参照しながらより具体的に説明し、特許請求の範囲の中で明示する。当然のことながら、本発明を実施するための具体的な方法と装置は、本発明の限定としてではなく、例として示されている。本発明の原理と特徴は、各種の数多くの実施形態で利用でき、これらは本発明の範囲から逸脱しない。
ここで、以下の発明が提供される。
[1]センタへこみ形研削砥石の製造方法において、a.前記センタへこみ形研削砥石の形状の素地を形成するステップと、b.前記素地に熱処理を行うことによって、硬化された生成物を得るステップと、c.前記硬化された生成物の隆起ハブ領域に、前記硬化された生成物を不可逆的に低剛性化するのに有効な荷重を付加して、前記センタへこみ形研削砥石を生成するステップと、を含む方法。
[2]加えられる前記荷重が、破壊荷重の約60%までの臨海荷重の範囲内である、[1]に記載の方法。
[3]加えられる前記荷重が、前記センタへこみ形研削砥石または同じ仕様を有する砥石車に加えられる前記荷重の関数としての剛性の相関関係を使用して選択される、[1]または[2]のいずれかに記載の方法。
[4]加えられる前記力が、目標の剛性を得るために必要な力を計算することによって選択される、[1]乃至[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記力が単独の周期で加えられる、[1]乃至[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記力が2つまたはそれ以上の繰返しパルスで加えられる、[1]乃至[4]のいずれかに記載の方法。
[7](i)ぎざぎざの形状を持つ鋸歯状区間を含む荷重付加前の撓み−荷重曲線と、(ii)前記鋸歯状区間が平滑化されている荷重付加後の撓み−荷重曲線と、を有する、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石。
[8]750N/mm未満の初期剛性を示し、前記初期剛性が荷重対撓みプロットの5N乃至150Nの間の勾配として測定される、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石。
[9]前記センタへこみ形研削砥石が、パターン化された特徴のない作業面を有する、[7]または[8]に記載のセンタへこみ形研削砥石。
[10]前記センタへこみ形研削砥石が、前記パターン化された作業面、前記パターン化された非作業面、または前記パターン化された作業面と前記パターン化された非作業面の両方を有する、[7]または[8]に記載のセンタへこみ形研削砥石。
[11]前記センタへこみ形研削砥石が1つまたは複数の補強材を有する、[7]乃至[10]のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
[12]前記センタへこみ形研削砥石が、少なくとも1つのガラス繊維織布補強材を有する、[7]乃至[11]のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
[13]前記少なくとも1つのガラス繊維織布補強材の引張強度が、少なくとも約200メガパスカルである、[12]に記載のセンタへこみ形研削砥石。
[14]前記センタへこみ形研削砥石が、前記センタへこみ形研削砥石の作業面にガラス繊維織布補強材を含まない、[7]乃至[10]のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
[15]前記センタへこみ形研削砥石の厚さが、約1.5mm乃至約6mmの範囲内である、[7]乃至[14]のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
又、以下の発明が提供される。
<1>有機的に結合された砥石車を低剛性化する方法において、センタへこみ形研削砥石の隆起ハブ領域に力を加えるステップを含み、前記力は前記センタへこみ形研削砥石を不可逆的に低剛性化するのに有効である方法。
<2>センタへこみ形研削砥石の製造方法において、a.前記センタへこみ形研削砥石の形状の素地を形成するステップと、b.前記素地に熱処理を行うことによって、硬化された生成物を得るステップと、c.前記硬化された生成物の隆起ハブ領域に、前記硬化された生成物を不可逆的に低剛性化するのに有効な荷重を付加して、前記センタへこみ形研削砥石を生成するステップと、を含む方法。
<3>前記センタへこみ形研削砥石が、パターン化された特徴のない作業面を有する、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<4>前記センタへこみ形研削砥石が、パターン化された作業面、パターン化された非作業面、または前記パターン化された作業面と前記パターン化された非作業面の両方を有する、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<5>前記センタへこみ形研削砥石が、1つまたは複数の補強材を有する、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<6>前記センタへこみ形研削砥石が、少なくとも1つのガラス繊維織布補強材を有する、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<7>前記少なくとも1つのガラス繊維織布補強材の引張強度が少なくとも約200メガパスカルである、<5>に記載の方法。
<8>前記センタへこみ形研削砥石が、前記センタへこみ形研削砥石の作業面にガラス繊維織布補強材を含まない、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<9>加えられる前記力が、破壊荷重の約60%までの臨海荷重の範囲内である、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<10>加えられる前記力が、前記センタへこみ形研削砥石または同じ仕様を有する砥石車に加えられる前記荷重の関数としての剛性の相関関係を使用して選択される、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<11>加えられる前記力が、目標の剛性を得るために必要な力を計算することによって選択される、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<12>前記力が単独の周期で加えられる、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<13>前記力が2つまたはそれ以上の繰返しパルスで加えられる、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<14>前記センタへこみ形研削砥石の厚さが、約1.5mm乃至約6mmの範囲内である、<1>または<2>のいずれかに記載の方法。
<15>前記素地が、室温または上昇した温度で形成される、<2>に記載の方法。
<16><1>乃至<15>のいずれかの方法により製造されるセンタへこみ形研削砥石。
<17>剛性が、同じ仕様の同等の砥石車のそれより少なくとも10%低い、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石において、両方の砥石車が、(i)パターン化された特徴のない作業面、(ii)パターン化された作業面、(iii)パターン化された非作業面、または(iv)パターン化された作業面とパターン化された非作業面を有する、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石。
<18>剛性が少なくとも約10%低剛性化され、これは式、[(Sc−Sn)/Sc]×100%で計算され、式中、Scは対応する従来製品の剛性、Snは前記有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石の測定剛性であり、ScとSnの両方が同じ条件下で測定される、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石。
<19>(i)ぎざぎざの形状を持つ鋸歯状区間を含む荷重付加前の撓み−荷重曲線と、(ii)前記鋸歯状区間が平滑化されている荷重付加後の撓み−荷重曲線と、を有する、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石。
<20>(i)ぎざぎざの形状を持つ鋸歯状区間を含む荷重付加前の撓み−荷重曲線と、(ii)前記鋸歯状区間が平滑化されている荷重付加後の撓み−荷重曲線と、を有する、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石の仕様。
<21>荷重対撓みプロットの初期区間の中で均一な撓み挙動を示し、前記初期区間は、前記プロットのうち、破壊荷重における本体の全撓みの0%の撓み(mm)乃至70%の撓み(mm)の区間によって定義される、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石。
<22>荷重対撓みのプロットのうち、前記破壊荷重での全撓みの0%乃至60%の区間によって定義される初期撓み区間内に、実質的に自然撓み挙動を持ちない機械的挙動を示す、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石。
<23>750N/mm未満の初期剛性を示し、前記初期剛性が荷重対撓みプロットの5N乃至150Nの間の勾配として測定される、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石。
<24>前記センタへこみ形研削砥石が、パターン化された特徴のない作業面を有する、<17>乃至<23>のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
<25>前記センタへこみ形研削砥石が、前記パターン化された作業面、前記パターン化された非作業面、または前記パターン化された作業面と前記パターン化された非作業面の両方を有する、<17>乃至<23>のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
<26>前記センタへこみ形研削砥石が1つまたは複数の補強材を有する、<17>乃至<23>のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
<27>前記センタへこみ形研削砥石が、少なくとも1つのガラス繊維織布補強材を有する、<17>乃至<23>のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
<28>前記少なくとも1つのガラス繊維織布補強材の引張強度が、少なくとも約200メガパスカルである、<27>に記載のセンタへこみ形研削砥石。
<29>前記センタへこみ形研削砥石が、前記センタへこみ形研削砥石の作業面にガラス繊維織布補強材を含まない、<17>乃至<23>のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
<30>前記センタへこみ形研削砥石の厚さが、約1.5mm乃至約6mmの範囲内である、<17>乃至<23>のいずれかに記載のセンタへこみ形研削砥石。
<31>加工物の研磨方法において、a)センタへこみ形研削砥石を研磨機の主軸に取り付けるステップと、b)前記砥石車を加工物に当てて回転させ、前記加工物を研磨するステップと、を含み、前記センタへこみ形研削砥石が、同じ研磨条件下で測定した場合に同じ仕様の従来の砥石車に関して上昇したQ比を示す方法。
<32>加工物の研磨方法において、a)センタへこみ形研削砥石を研磨機の主軸に取り付けるステップと、b)前記センタへこみ形研削砥石を加工物に当てて回転させ、前記加工物を研磨するステップと、を含み、前記センタへこみ形研削砥石が、同じ研磨条件下の同じ仕様の従来の砥石に関して低減された音量を示す方法。
<33>センタへこみ形研削砥石の低剛性化を測定する方法において、前記センタへこみ形研削砥石の撓み−荷重曲線を、同じ仕様の従来のセンタへこみ形研削砥石の撓み−荷重曲線と比較するステップを含み、前者に鋸歯状区間がなく、後者に鋸歯状区間があることは、前記センタへこみ形研削砥石が前記従来のセンタへこみ形研削砥石と比較して低剛性化されていることを示す方法。
<34>前記センタへこみ形研削砥石が、パターン化された特徴のない作業面を有する、<31>乃至<33>のいずれかに記載の方法。
<35>前記センタへこみ形研削砥石が、パターン化された作業面、パターン化された非作業面、またはパターン化された作業面とパターン化された非作業面の両方を有する、<31>乃至<33>のいずれかに記載の方法。
<36>前記センタへこみ形研削砥石が1つまたは複数の補強材を有する、<31>乃至<33>のいずれかに記載の方法。
<37>前記センタへこみ形研削砥石が、少なくとも1つのガラス繊維織布補強材を有する、<31>乃至<33>のいずれかに記載の方法。
<38>前記少なくとも1つのガラス繊維織布補強材の引張強度が、少なくとも約200メガパスカルである、<37>に記載の方法。
<39>前記センタへこみ形研削砥石が、前記センタへこみ形研削砥石の作業面にガラス繊維織布補強材を含まない、<31>乃至<33>のいずれかに記載の方法。
<40>前記センタへこみ形研削砥石の厚さが、約1.5mm乃至約6mmの範囲内である、<31>乃至<33>のいずれかに記載の方法。
添付の図面中、異なる図面を通じて、同じ部品には参照番号を付けた。図は必ずしも正確な縮小で描かれておらず、その代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。
センタへこみ形研削砥石の断面図である。 センタへこみ形研削砥石のパターン化された作業(前)面の図である。 センタへこみ形研削砥石の作業(前)面の図であり、この作業面にはパターン化された特徴がない。 柔軟センタへこみ形研削砥石により加工されている加工物の図である。 混合物層と補強材のさまざまな配置を説明する、センタへこみ形研削砥石の平坦領域の一部の断面図である。 混合物層と補強材のさまざまな配置を説明する、センタへこみ形研削砥石の平坦領域の一部の断面図である。 混合物層と補強材のさまざまな配置を説明する、センタへこみ形研削砥石の平坦領域の一部の断面図である。 混合物層と補強材のさまざまな配置を説明する、センタへこみ形研削砥石の平坦領域の一部の断面図である。 混合物層と補強材のさまざまな配置を説明する、センタへこみ形研削砥石の平坦領域の一部の断面図である。 センタへこみ形研削砥石の隆起ハブ領域に力を加えるために使用可能な構成の概略図である。 機械的挙動に対する荷重付加工程の影響を説明する2本の撓み対荷重プロットを示す。 勾配ゼロ、若干正の勾配および若干負の勾配を有する鋸歯状区間に関連する形状の説明図である。
本発明は一般に結合研削材物品、特に、低剛性の有機的に結合された研削車と、その製造および使用方法に関する。
特定の実施例において、砥石車はセンタへこみ形研削砥石、たとえばANSI(米国国家規格協会)の27型、28型または29型砥石車または、欧州規格(EN14312)の42型砥石車である。たとえば、図1Aには、裏(上)面12と、前(下)面14を含むセンタへこみ形研削砥石10の断面図が示されている。裏面12は、隆起ハブ領域16と外側の平坦な裏面砥石車領域18を含む。前面14は、陥凹中央領域20と、外側の平坦な前面砥石車領域22(砥石車の作業面となる)を含む。次に、隆起ハブ領域16は隆起ハブ面24と裏面勾配(または傾斜)面26を有し、陥凹中央領域20は陥凹中央28と前面勾配(または傾斜)面30を含む。砥石車10は、砥石車を工具、たとえばハンドヘルド型のアングルグラインダの回転スピンドルに取り付けるための中央開口部32を有する。作業中、砥石車10は一般に、マウンティングハードウェア(図1Aには示さず)、たとえば適当なフランジシステムによって固定される。砥石車はまた、マウンティングハードウェアを含む一体的構造の一部とすることもできる。
砥石車10は厚さAを有し、これはたとえば砥石車の周縁で測定される。多くの設計において、砥石車10の厚さは砥石車の中央開口部から外側縁辺(周縁)に沿って同じ、または基本的に同じままである。他の設計では、砥石車の厚さは中央開口部から周縁に沿って変化してもよい(増大または減少してもよい)。
多くの場合、砥石車の厚さ(たとえば、A)は、約6.5ミリメートル(mm)より小さく、たとえば、6mm、4.8mm、3.5mm、3.2mm、3mm、2.5mm、1.5mmであり、少なくとも約0.8mmである。本発明のいくつかの態様はまた、厚さの異なる砥石車で実施することができる。場合により、本明細書に記載のセンタへこみ形研削砥石とは、「薄型」砥石車またはハンドヘルド型、すなわち厚さが6.5mm未満の砥石車を指す。
本発明の各種の実施例は、パターン化された作業表面を有するセンタへこみ形研削砥石で実施することができる。たとえば、図1Bにはセンタへこみ形研削砥石150の前面図が示されており、これは取付穴155、陥凹中央151、および作業面153を有し、これをパターン化して、凹部(または溝)159により分離された凸部157の列を設けることができる。例えば当業界で知られているような他のパターン構成も利用可能である。
多くの実施形態において、センタへこみ形研削砥石はパターン化された特徴のない作業面を有する。たとえば図1Cは、陥凹中央101、取付穴105、および平滑な(パターン化されてない)作業面103を有する砥石車100の前面図を示す。換言すれば、作業面103には凸部や溝(凹部)がない。
本明細書に記載のセンタへこみ形研削砥石の外径111は約50mm、たとえば少なくとも約75mmとすることができる。外径111はこれより大きくてもよく、たとえば少なくとも約100mm、少なくとも約115mm、少なくとも約125mm、または少なくとも約150mmであってもよい。具体的な例において、外径111は約50mm〜250mmの間、たとえば約75mm〜約230mmの間の範囲内である。
砥石車の直径と砥石車の厚さの間の比(直径:厚さ)は約125:1〜約15:1の間、たとえば約100:1〜約30:1の間の範囲内とすることができる。
本発明は、異なる寸法と異なる寸法比の砥石車で実施できる。
本発明の多くの態様は一般に、低剛性の砥石車に関する。このような砥石車はまた、本明細書において、可撓型または柔軟型と呼ぶことがある。砥石車の柔軟性は、それが撓む能力により説明でき、本発明の態様による砥石車は、破損することなく、限定的に撓むことができる。例として、図1Dには可撓型または柔軟型センタへこみ形研削砥石100が示されており、これは、加工物120の表面122に当たって矢印が示すように回転している。砥石車100の外側部分103が加工物と接触し、これを研磨する時、砥石車の本体の残りの部分との平面から、撓みによって外れることができ、それによって加工中の加工物との接触が改善される。
対応する従来の砥石車の剛性と比較して、本明細書に記載の砥石車は低剛性であり(たとえば、少なくとも約10%)、これは式[(Sc−Sn)/Sc]×100%により計算され、式中、Scは対応する従来製品の剛性、Snは本明細書で開示される実施形態による砥石の測定された剛性であり、ScとSnはどちらも同じ条件下で測定される。
対応する従来の(または同等の)製品は、本発明の態様による砥石車と同じ仕様の砥石とすることができる。砥石車の仕様は当業界で知られており、砥石車の種類、砥石車の構成、たとえば砥粒の種類、粒度、使用される結合剤、砥石車の構造、砥石車の硬度等の特徴を特定するために使用される。砥石車はまた、その寸法、製造会社および/またはその他の属性、たとえば補強の有無によっても特定できる。いくつかの実施例において、従来の砥石車は、本発明の砥石車の低い剛性ではなく、それに通常関連する剛性を有する砥石車と考えることができる。他の実施例において、従来の砥石車は、本明細書に記載の実施形態による荷重付加工程を施していない砥石車である。
本発明の砥石車とそれに対応する従来の砥石車を比較するための別の方法は、砥石車の撓み対力曲線により示される、それらの撓みの機械的挙動の違いを利用する。以下に詳しく説明するように、従来の砥石車は、その曲線において鋸歯状区間(図4のプロット850(灰色の線)のBCにより示されるようなぎざぎざの外観を有する)を示す可能性があり、この鋸歯状区間は、それに対応する砥石車(すなわち、本発明の態様による砥石車の仕様)について得られる曲線では平滑化される。
場合により、比較はまた、特定の素材に対して同じ研磨作業を実行する間の砥石車の交換可能性を利用して行うこともできる。この比較はまた、1つの同じ砥石車に関して、たとえば、その砥石車に対し、砥石車を低剛性化するように考案された、本明細書に記載の方法を実行する前(従来)と後(たとえば、可撓性を増大させた)とで行うことができる。具体的な実施例において、2つの砥石車を、同じ配合、形状、補強材の設計等を利用して、同様に作製することができる。本明細書に記載の技術を使用することにより、第一の砥石車の剛性を第二の「従来の」砥石車(このような技術を適用していない)より低くすることができる。
本明細書で開示する実施形態によるセンタへこみ形研削砥石等の研削物品は、対応する従来の砥石と比較して、少なくとも約10%、たとえば少なくとも約15%、低剛性化されている。また別の例において、剛性の差はそれより大きてもよく、たとえば、剛性は従来の砥石と比較して、少なくとも約20%低く、少なくとも約70%低く、少なくとも約75%低く、少なくとも約80%低く、少なくとも約90%低くさえあってもよい。さらに、本明細書に記載の実施形態は、従来製品と比較して約10%〜約90%、たとえば約15%〜約85%の間、または約20%〜約80%の範囲内でさえ低剛性化されてもよい。
好ましくは、センタへこみ形研削砥石車は、1つまたは複数、たとえば2つまたは3つの補強材で補強される。本明細書において、「補強された」または「補強材」等の用語は、結合研削材物品車を作製するために使用される結合剤と研削材の混合物とは異なる材料からなる、別の層または挿入材またはその他のこのような構成要素を指す。一般に、補強材の材料には研削砥粒が含まれない。砥石車の厚さに関して、補強材は砥石車本体の中に埋め込むことができ、このような砥石車は一般に、「内部」補強型と呼ばれる。補強材はまた、砥石車の前面および/または裏面の近くにあっても、またはそこに取り付けてもよい。いくつかの補強材を砥石車の厚さ全体にわたって様々な深さに堆積させることができる。
一般的な補強材は円形の形状を有する。補強材の外周はまた、正方形、六角形またはその他の多角形の形状とすることもできる。不規則な外縁も使用できる。使用可能な円形以外の適当な補強材の形状は、それぞれ2004年6月15日と2005年9月13日にどちらもMota et al.に発行された米国特許第6,749,496号明細書と第6,942,561号明細書に記載されており、両特許の全体を引用によって本願に援用する。多くの場合、補強材は砥石車の内径(中央開口部の縁辺)から最も沿側の縁辺まで延びる。部分的な補強材もまた利用でき、その場合、補強材は、たとえば砥石車内径(中央開口部の外径)から砥石車の半径に沿って、また円形以外の形状の場合は、補強材の最大の「半径」に相当するものに沿って、約30%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%の範囲にわたっていてもよい。
砥石車の補強には様々な補強材の材料を使用でき、1つの砥石車に複数の種類の補強材の材料を使用できる。適当な補強材は、ガラス(C、EまたはS2)、Kevlar、Basalt、カーボン、織物有機材料(エラストマ、ゴム等)、組み合わせられた材料等を使用した織物でも不織物であってもよいが、これらに限定されない。本発明の多くの態様は、砥石車(三次元結合剤マトリックス中に分散された切削砥粒を含む)の補強材とその隣接領域の間の界面におけるせん断を可能とする補強材の使用によって、有利となる。
具体的な例において、砥石車には少なくとも1つ、たとえば2つのガラス繊維補強材を、たとえばガラス繊維織布の形態で設けられる。一般に、ガラス繊維織布は、ガラスの極細繊維から織られる。ガラス繊維織布は、絡み織りまたは平織りとすることができる。
使用されるガラス繊維は、Eガラス(アルカリ酸化物が1wt%未満のアルミノ硼珪酸ガラスとすることができる。その他のタイプのガラス繊維、たとえばAガラス(酸化硼素をほとんど、またはまったく含まないアルカリ石灰ガラス)、E−CRガラス(アルカリ酸化物が1wt%未満の、耐酸性が高いアルミノ石灰珪酸)、Cガラス(酸化硼素含有率が高く、たとえばガラスステープルファイバに使用されるアルカリ石灰ガラス)、Dガラス(誘電率が高い硼珪酸ガラス)、Rガラス(MgOとCaOを含まない、機械的要求の高いアルミノ珪酸ガラス)、Sガラス(CaOを含まないが、MgO含有量が高く、引張強さが高いアルミノ珪酸ガラス)。
ガラス繊維織布は、どのような適当な方法でも、結合切削工具に配置することができる。多くの実施例において、砥石車の作業面へのガラス繊維織布の設置は避けられる。本明細書に記載のセンタへこみ形研削砥石の多くは、砥石車と同様の内径(取付穴の直径に対応する)およびそれと同じ外径を有する、少なくとも1枚のガラス繊維織布で十分に補強される。取付穴から砥石車の平坦領域の全部ではなく一部に延びる部分的な織布補強材も使用でき、またその他の織布補強材の設置も可能である。
補強材は、次の物理的パラメータ、すなわち重量(g/m)、厚さ(mm)、1cmあたりの開口部および、縦糸(ロールの長さに関して継続的に走る長い織布構成要素)の引張強度と横糸(ロールの方向を横切る短い構成要素)の引張強度に関連してさらに細分化できる引張強度(MPa)のうちの1つまたは複数によって特徴付けることができる。多くの例において、使用されるガラス繊維織布の1つまたは複数の最低引張強度は、少なくとも200MPaである。他の要素としては、当業界で知られているように、フィラメント径、コーティングの量、たとえばコーティングが織布を被覆する程度、およびその他がある。
化学的パラメータを、ガラス繊維織布の上に設けられるコーティングの化学反応に関連付けることができる。一般に、化学的「コーティング」には2種類ある。第一のコーティングは、しばしば「サイジング」と呼ばれ、ブッシングから出た直後のガラス繊維ストランドに塗布され、一般には水中に分散する塗膜形成要素、潤滑剤、シラン等の成分を含む。サイジングは通常、フィラメントが加工によって劣化(摩減等)しないように保護する。これはまた、織って織布にする等の二次的加工中の摩減に対する保護手段にもなる。第一のコーティング(サイジング)に関連する特性を戦略的に操作することにより、ガラス繊維と第二のコーティングとの適合性に影響を与えることができ、第二のコーティング自体はコーティングと樹脂結合剤との適合性に影響を与えることができる。一般に、第二のコーティングはガラス織布に塗布され、従来、ワックスを含み、主として出荷や保管中の織布の「詰まり」を防止するために使用される。多くの場合、第二のコーティングはサイジング(第一のコーティング)と補強しようとするマトリックス樹脂のどちらとも適合する。
補強センタへこみ形研削砥石等の結合研削工具は、砥粒、結合剤、たとえば有機物(樹脂)と、多くの場合にその他の成分、たとえば、充填剤、処理用酸、潤滑剤、架橋結合剤、帯電防止剤等を組み合わせて作製できる。
各種の成分は、公知の技術や設備、たとえば、Eirichミキサ、たとえばモデルRV02、Littleford、ボウル型ミキサその他を用いて、どのような適当な順序で加え、混合してもよい。その結果得られる混合物を使って素地を形成することができる。本明細書において、「素地」という用語は、次の加工ステップ中にその形状を維持するが、一般に、永久的にはその形状を維持する強度を持たない物体を指し、すなわち、素地の中に含まれる樹脂結合剤が硬化されていない、または重合化されていない状態である。素地は好ましくは、所望の製品、たとえばセンタへこみ形研削砥石等の形状に成形される(冷間、温間、または熱間成形)。
1つまたは複数の補強材、たとえば本明細書に記載されるようなガラス繊維織布を素地の中に組み込むことができる。たとえば、砥粒と結合剤の材料を含む混合物の第一の部分を、適当な型穴の底部に入れ、分散させ、その後、第一の補強材で覆うことができる。適当な補強材は、ガラス繊維メッシュまたは前述のような織布である。次に、結合剤/砥粒混合物の第二の部分を第一の補強層の上に堆積させ、分散させることができる。必要に応じて、別の補強材および/または結合剤/砥粒混合物の層を設置できる。特定の厚さの層を形成するために加えられる混合物の量は、当業界で公知の方法で計算できる。その他の適当なシーケンスおよび/または技術を使用して、補強された素地を成形できる。たとえば、紙片またはガラス繊維メッシュまたは織布、またはガラス繊維メッシュまたは織布を取り付けた紙片を、第一の混合物の前に型穴の中に挿入してもよい。
いくつかの構成において、砥粒と結合剤を含む各種の層(本明細書においては、「混合物層」とも呼ぶ)は、1つまたは複数の特性、たとえば、層厚、層の配合(たとえば、使用される成分の量およびまたは種類、粒度、粒形、空隙率その他)に関して、相互に違えることができる。このようなセンタへこみ形研削砥石を形成するために、第一の混合物層a(砥粒と結合剤を含む)を型の底に積層する。その上に第一の補強材Vを積層し、その後、第二の層aを積層し、これはaと同じでも異なっていてもよい。第二の補強材V(Vと同じでも異なっていてもよい)をaの上に堆積させる。要望に応じて、砥粒と結合剤を含む第三の混合物層aを使用してVを被覆してもよい。第三の層は、aおよび/またはaに関して同じでも、違っていてもよい。別の補強材と層を基本的に前述の方法で追加して、所望の数の層と補強材を設けることができる。他の方法では、第一の補強材Vを型のまさに底に設置して、第一の混合物aで被覆し、追加の層と補強材を上述のように堆積させる。隣接する混合物層aとaが補強材により分離されない構成もまた可能であり、2つまたはそれ以上の補強材層、たとえばVとVが混合物によって分離されないものも同様に可能である。
たとえば、図2Aは、混合物層202と204を有し、それらの間に補強材のないセンタへこみ形研削砥石の平坦な外側領域200の一部の断面図である。混合物層202と204のそれぞれの厚さは、実質的に同じでも、異なっていてもよい。たとえば、混合物層間の厚さの差は、少なくとも約5%の差、少なくとも約10%の差、少なくとも約20%の差、少なくとも約25%の差、少なくとも約30%の差または、少なくとも約50%の差でさえあってもよい。図2Bは、1層の補強層212と1層の混合物層202を含む平坦な外側領域210の断面図である。図2Cは、混合物層202と204の間に挟まれた中間補強材212を含む平坦な外側領域220の断面図である。図2Dは、補強材212、混合物層202、補強材214(これは補強材212と同じでも異なっていてもよい)、および混合物層204を含む別の構成のセンタへこみ形研削砥石の平坦な外側領域230の一部の断面図である。図2Eは、混合物層202、補強材212、混合物層204、および砥石車の作業面の補強材214を含む別の構成の平坦な外側領域240の一部の断面図である。多くの場合、補強材の厚さは混合物層のいずれよりも薄い。
混合物層のそれぞれの厚さは、実質的に同じとすることができる。特定の例において、混合物層の厚さは異なっていてもよく、大きく異なってさえいてもよい。たとえば、2つの研削材層の厚さの差は、少なくとも約5%の差、少なくとも約10%の差、少なくとも約20%の差、少なくとも約25%の差、少なくとも約30%の差、または少なくとも約50%の差でさえあってもよい。2つの研削材層の厚さを設計上、異なるようにすることにより、特定の機械的特性と研磨性能における利点を増大させることができる。厚さの相違に加えて、またはその代わりに、混合物層および/または補強材は、配合、使用される材料および/またはその他の特性に関して異なっていてもよい。
結合研削材物品、たとえば補強センタへこみ形研削砥石の作製に使用可能な技術には、たとえば、冷間プレス、温間プレスまたは熱間プレスがある。冷間プレスは、たとえば米国特許第3,619,151号明細書に記載されており、同特許を引用によって本願に援用する。冷間プレス中、型内の材料は周囲温度、たとえば通常、約摂氏30°(C)未満に保持される。未硬化の材料塊に、適当な手段、たとえば油圧プレスによって圧力が加えられる。加えられる圧力は、たとえば約70.3kg/cm(0.5tsi)〜約2109.3kg/cm(15tsi)の範囲、より一般的には約140.6kg/cm(1tsi)〜約843.6kg/cm(6tsi)の範囲とすることができる。プレス内での保持時間は、たとえば約2.5秒〜約1分の範囲とすることができる。
温間プレスは冷間プレスに非常に類似した技術であるが、型内の混合物の温度がより高く、通常、約120℃、より多くの場合には約100℃以下の温度とされる。適当な圧力と保持時間は、たとえば冷間プレスの場合と同じとすることができる。
熱間プレスは、たとえばベークライトに関する刊行物、Rutaphen(登録商標)−Resins for Grinding Wheels−Technical Infomation.(KN 50E−09.92−G&S−BA)、およびベークライトに関する他の刊行物:Rutaphen Phenolic Resins−Guide/Product Ranges/Applicaton(KN107/e−10.89GS−BG)に記載されている。有益な情報は、J.F.Monk編集のThermosetting Plastics,Chapter 3(“Compression Moulding of Thermosets”),1981 George Goodwin Ltd.in association with The Plastics and Rubber Instituteにも掲載されている。本願の目的において、「熱間プレス」という用語の範囲は、当業界で知られているホットコイニング加工を含む。一般的なホットコイニング加工では、圧力は、加熱炉から取り出された後の型アセンブリに加えられる。
たとえば、砥石は、通常はステンレス鋼、高炭素鋼、または高クロム鋼からなる適当な型の中で、砥粒、結合剤および、随意選択により他の成分を含む混合物の層を、1つまたはそれ以上の補強層の下や上に堆積させることによって作製できる。混合物の仕上げには、成形されたプランジャを使用してもよい。冷間予備プレスを使用することもあり、その後、装填された型アセンブリを適当な炉内に設置した後、予熱する。型アセンブリは、どのような好都合な方法で加熱してもよく、たとえば、電気、蒸気、加圧熱湯、高温のオイルまたはガス火炎等がある。抵抗加熱器または誘導型加熱器を使用してもよい。窒素等の不活性ガスを導入して、硬化中の酸化を抑えてもよい。
具体的な温度、圧力、時間範囲は異なっていてもよく、使用される具体的な材料、使用する設備の種類、寸法およびその他のパラメータに依存する。圧力は、たとえば約70.3kg/cm(0.5tsi)〜約703.2kg/cm(5.0tsi)、より一般的には約70.3kg/cm(0.5tsi)〜約281.2kg/cm(2.0tsi)の範囲とすることができる。この工程のプレス温度は一般に、約115℃〜約200℃、より一般的には約140℃〜約190℃の範囲である。型内の保持時間は通常、砥石の厚さ1ミリメートルにつき約30〜約60秒である。
結合研削材物品は、有機質結合材料を硬化させることによって形成される。本明細書において、「最終硬化温度」とは、有機質結合材料の重合、たとえば架橋結合を起こさせることによって砥石を成形するために成形品を保持する温度である。本明細書において、「架橋結合」とは、加熱下および、しばしば架橋結合剤、たとえば「ヘキサ」、すなわちヘキサメチレンテトラアミンの存在下で起こる、有機質結合組成物を硬化させる化学反応を指す。一般に、成形品は、最終硬化温度で、ある時間、たとえば6時間〜48時間、たとえば10時間〜36時間、または成形品の質量中心が架橋結合温度と所望の研磨性能(たとえば、架橋結合の密度)に到達するまで浸漬される。
硬化温度の選択は、たとえば使用する結合材料の種類、強度、硬度、および所望の研削性能等の要素に依存する。多くの場合、硬化温度は約150℃〜約250℃の範囲とすることができる。有機質結合剤を使用する、より具体的な実施形態において、硬化温度は約150℃〜約230℃の範囲とすることができる。たとえば、フェノール樹脂の重合は一般に、約110℃〜約225℃の範囲の温度で起こる。レゾール樹脂は一般に、約140℃〜約225℃の範囲の温度で重合し、ノボラック樹脂は一般に、約110℃から約195℃の範囲の温度で重合する。
説明すると、補強結合研削材物品を製造するための素地は、初期温度、たとえば約100℃に予熱してもよく、この温度でたとえは約0.5時間から数時間にわたり浸漬する。次に、素地をある時間、たとえば数時間かけて最終加熱温度まで加熱し、この温度で硬化に適した時間だけ保持または浸漬する。ベーク周期が終わったら、砥石、たとえば補強センタへこみ形研削砥石を空冷することができる。要望に応じて、エッジング、仕上げ、形直し、バランシング等を標準的な慣行に従って実行できる。
1つの実施形態において、本発明は、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石を低剛性化する方法に関する。この方法は本明細書中、「荷重付加」、「荷重付加工程」、「荷重付加方法」または「荷重付加法」とも呼ばれ、ハブ領域、たとえばハブ面(図1Aの表面24)に力を加えることによって砥石車を低剛性化する。荷重付加は、たとえば前述のような冷間、温間、熱間プレス工程を用いて製造工程に組み込むことができる。たとえば、この方法は、ベーク周期完了後に実行できる。方法はまた、完成品に対して実行することもできる。
好ましい実施例において、荷重付加工程は、最新の機械、たとえば荷重付加速度、荷重量または砥石車の撓みを正確に制御するため、撓み対荷重曲線を記録するため、および荷重付加工程後の硬度を計算するためのコンピュータを備えた装置で実行される。他の方法では、荷重付加工程はまた、砥石車のハブ領域または砥石車の作業面領域のいずれかに加える圧力または荷重を制御するためのロードセルまたは圧力センサを備える単純な機械構成でも実行できる。
この方法はまた、たとえば既存の完成品、たとえば市販のセンタへこみ形研削砥石を使って、砥石車の製造工程とは別に実行することもできる。
荷重付加方法において、力(荷重)は、たとえば補強センタへこみ形研削砥石の表面24(図1A)の、隆起ハブ領域に加えられ、これは平滑またはパターン化された作業面を有していてもよい。荷重付加はまた、平滑またはパターン化された非作業面を有する砥石車で実行することができる。多くの場合、砥石車の作業面にはガラス繊維織布の補強材がない。
力は、ある期間、たとえば1秒〜5分間の範囲で継続する単独周期のバーストまたはインパルスで、または同じ値の荷重または異なる値の荷重で繰返し的に加えることができる。砥石車のハブ領域に、いくつかの、たとえば5つのパルスまたは周期を使って力を加えることができる(本明細書では「パルス式荷重付加」ともいう)。より大規模な施設では、単独または少数の荷重付加サイクル(荷重パルス)の使用により、製造時間が短縮し、製造効率が高まる。
具体的な実施形態において、力または荷重は、図3に示されるような構成により加えることができる。この図に示されるように、センタへこみ形研削砥石900はその周縁において、プラテン、たとえば剛性シリンダ903によって支持される。砥石に、図のように発せられる力または荷重(L)を加える。荷重は、一定でも可変でもよい。すなわち、単一の変化しない荷重値を砥石900に加えることができる。あるいは、荷重は、たとえば初期荷重値から最終荷重値まで変化させることができ、初期荷重値は最終荷重値より小さくてよい。具体的な例において、設備はハブ面全体に均一な力を加えやすいように設計される。
加えられる力(荷重)は、砥石車の機械的完全性を変化させることなく、砥石車の剛性を永久的(不可逆的)に低下させるのに有効な力とする。一般に、荷重は砥石車の破壊(破断)荷重(砥石車が壊れる荷重、または砥石車を破断または破壊するのに必要な力に対応する)より小さい。砥石車破壊荷重以下で、ある値の荷重では小さすぎて、不可逆的に低剛性化することができず、このような荷重を砥石車の隆起ハブ領域に加えても、その後、砥石車はもともとの(当初の)状態に戻るだけである。本明細書において「臨界荷重」と呼ぶ特定のレベルおよびそれ以上において、砥石車を不可逆的に低剛性化して、砥石車を(より)可撓的にすることができる。この特性は、1回または繰り返し使用する間、好ましくは砥石車の寿命が終わるまで保持される。
加えられる力は、たとえば砥石車を中実のスタンドに設置し、その後、砥石車のハブ領域から徐々に荷重付加工程を行って砥石を撓ませ、所望の低剛性化率に到達させることによって決定できる。他の方法では、最初に、目標の剛性に基づいて計算された砥石車に関する1つまたはそれ以上の撓みの数値を決定する。あるセンタへこみ形研削砥石または砥石車の仕様Wに関して、たとえば、目標の剛性X(N/mm)を計算によって、硬度Xを得るために加える必要のある撓みY(mm)に関連付けてもよい。力が決定されたところで、この力をハブ領域(たとえば、図1Aのハブ表面24)に加え、目標の撓み量に到達するまで砥石車を低剛性化する(その砥石車または砥石車の仕様に適用可能な破壊荷重および/または安全マージンを考慮する)。
一般に、本明細書に記載の荷重付加方法によれば、製品の弾性係数が低下し、その結果、従来製品(たとえば、荷重付加法が施されなかった製品)より研磨性能が改善され、騒音量が小さくなる。
たとえば、本明細書に記載の実施形態によるセンタへこみ形研削砥石は、性能特性が改善されている可能性がある。多くの実施例において、このような砥石車は、同等の最新技術の砥石車より砥石車の寿命が長い。たとえば、この砥石が示すQ比(加工物から除去された材料の測定値(重量)を砥石本体から失われた材料(重量)で割ったもの)は、従来の同等物と比較して、少なくとも約5%の改善されている(すなわち、相対Q比)。相対Q比は、式、[(Qn−Qc)/Qc)]×100%で計算でき、式中、Qcは従来製品のQ比、Qnは本明細書に記載の実施形態による砥石の、同じ(または基本的に同じ)研削条件下における測定Q比である。
Q比は、砥石製品を、最大動作速度が約80m/秒の携帯型アングルグラインダに取り付けることによって測定できる。一般的な寸法(たとえば300mm(長さ)×100mm(幅)×20mm(厚さ))で重量がわかっている加工物の材料を固定し、研磨できる状態とする。加工物の材料の重量を、砥石の直径と重量とともにコンピュータシステムに記録できる。オペレータは次に、加工物について研磨または切削作業を実行する。アングルグラインダに接続さたれデータ取得システムを使用して、グラインダの出力と電流および試験中の研磨時間をモニタできる。試験は、砥石の作業領域が完全に消耗するまで継続する。砥石が消耗した後に、試験対象の砥石の残りの直径と重量を測定し、記録する。残りの加工物の材料の重量も計測し、記録する。適当なソフトウェアアプリケーションを使用するコンピュータシステムで、材料除去速度(MRR)と砥石車摩耗率(WWR)を判定する。アプリケーションにより、MRRをWWRで割ることにより、絶対Q比が計算される。
本明細書に記載の実施形態の特定の砥石の相対Q比は、従来の砥石と比較して、少なくとも約5%または10%大きく、たとえば少なくとも約20%大きく、少なくとも約30%大きく、少なくとも約40%大きく、または少なくとも約50%大きくすることができる。特定の実施形態の相対Q率の数値は、従来の砥石と比較して、約5%〜約100%、たとえば約20%〜約100%、または約20%〜約90%の範囲内でさえあってもよい。
本発明の実施例により、研磨動作に関連する音響特性に関しても改善され、多くの場合において、研磨動作により発生する騒音量はより小さい。例示的な構成では、騒音量は、BZ−7222のソフトウェアを用いるBrueel&Kjaer製の2250型騒音計で測定される。これは、標準試験IEC61672−1の要求事項に対応するクラス1の騒音計である。音声マイクロフォンを金属製三脚で地表面より1m上方の、動作場所から1メートル離れた位置に設置する。試験中の室温は25℃である。記録した騒音量は、研磨時間30秒、周波数帯域5〜20kHzでの騒音量dB(A)の加重平均である。試験用の加工物材料は304ステンレス鋼である。使用する研磨盤は、1020W、回転数11000rpmのBoschGWS−10アングルグラインダである。
具体的な例において、本明細書の砥石では、従来の砥石と比較して、少なくとも約1dBの低騒音化(すなわち、研削中の騒音の相対的変化)が実証されている。騒音低減幅(NR)は、式NR=[dBc−dBn]で表すことができ、式中、dBcは上記の条件下で測定された従来製品のデシベルであり、dBnは上記の条件下で測定された、ある実施形態による砥石のデシベルを単位とする測定ノイズである。1つの実施形態によれば、本明細書の実施形態の砥石の騒音低減幅は、少なくとも約2dB、少なくとも約2.5dB、少なくとも約3dB、または少なくとも約4dBでさえあってもよい。特定の例において、本明細書に記載の砥石車の騒音低減幅は、従来の砥石と比較して、約1dB〜約10dBの間、または約1dB〜約5dBの間の範囲とすることができる。
場合により、砥石車において、ピークの第一モードがより低い周波数に移動するほか、ピーク高さが低下する。
本発明の具体的な態様は、ある砥石車または砥石車の仕様に関して、加えられる荷重の関数としての撓み(撓み)プロットを生成することに関する。インストロンの装置を使用して、たとえば150Nの荷重を1.5mm/分またはそれ以上の速度で中央開口部の近隣領域に加えることができる。剛性試験中および荷重付加中、円筒形の支持部が砥石の作業面と接触している。円筒形の支持部は円周全体にわたり、作業面と上面の間の表面を画定する、作業面上の砥石の周縁に最も近い位置において、砥石と接触する。荷重を加えながら荷重対撓みデータを収集し、荷重−撓み曲線を作成することができる。自動化された実施では、データはコンピュータにより収集され、荷重−撓み曲線はコンピュータプログラム(たとえば、スプレッドシートプログラム)を使って自動的にプロットされる。1mmあたりのニュートン(N)の単位で測定される荷重−撓み曲線の勾配は、線形曲線あてはめ方式(たとえば、コンピュータプログラム)によって判定でき、砥石の測定された絶対剛性を表す。相対剛性は、従来の砥石(たとえば、本明細書に記載の荷重付加方法が実行されていない)の絶対剛性と比較した砥石の絶対剛性の比である。相対剛性は、剛性の変化の比較に利用できる。
本明細書に記載されているように生成される曲線(プロット)は、砥石車を本明細書に記載の方法により低剛性化できるか否か、砥石車を永久的または不可逆的に低剛性化させるために加えることのできる適当な力範囲の数値、砥石の構成、厚さ、砥石車の形状、補強材の特性、補強材(たとえば、繊維織布)対混合物との比率等が臨界荷重に与える影響のうちの1つまたは複数を判断するのに役立つ。
説明すると、図4のプロット850(灰色の線)と852(黒い線)は、図2Dに示されるような積層構造を有する2つの補強材とパターン化された作業面を有する、有機的に結合されたセンタへこみ形研削砥石の、付加された荷重の値(ニュートンを単位とする)の関数としてのmmを単位とする撓みを示す。プロット850は、荷重付加が行われていないセンタへこみ形研削砥石(従来の砥石車)の破壊までの挙動を示す。プロット852は、砥石車(本発明の実施形態による砥石車)の破壊までの荷重付加後の挙動を示す。
荷重付加工程が行われていない(従来の)補強センタへこみ形研削砥石のプロット850(図4の灰色の線)は、弾性的線形区間(AからB)、鋸歯状領区間(BからC)、線形区間2(CからD)、線形区間3(DからE)およびマクロ破壊を特徴とする点Eを含む。このプロットにはまた、臨界荷重Cと砥石車の破壊荷重Eも示されている。プロット852は、補強センタへこみ形研削砥石(本発明の実施形態による砥石車に対応する)の破壊までの荷重付加後の挙動を示す。
図4に示されるように、従来の砥石は、初期区間において実質的に不均一な撓み挙動を示す(プロット850の約4.8mmの撓みまでの鋸歯状区間BからC参照)。この不均一な撓み挙動は、プロットのうち、ぎざぎざの線を特徴とする区間、より具体的には、1本の曲線ではなく、曲線の2つまたはそれ以上の勾配によって定義しやすい区間として識別される。初期区間とは、プロットのうち、砥石に対して本明細書に詳細に記されている荷重パラメータに従って荷重付加工程を最初に行った時の、その砥石の初期剛性挙動を表す区間である。初期区間は、プロットのうち、本体の全撓みの0%の撓み〜70%の撓みの間の区間として、より適切に定義でき、100%の撓みは、破壊荷重が付加され、砥石が破綻する点として測定される。初期区間はまた、プロットのうち、砥石本体の破壊荷重の0%の荷重(N)〜60%の間の区間として定義することもでき、破壊荷重は、砥石が破壊され、破綻する荷重である。
従来の砥石が見せる初期撓みは、荷重を実質的に増大させても非常に小さく、撓みが限定されていることを実証している。特定の初期臨界荷重が付加されると、従来の砥石の挙動は顕著に変化し、本体は不均一で急峻な撓み挙動を見せ、撓みの量は、付加する荷重がほとんど、または実質的に変化しなくても大幅に増大する。
上記の鋸歯状区間に対して、プロット852(砥石車の荷重付加後の挙動)は、初期区間において均一な撓み挙動(平滑な曲線を参照)を示す。より具体的には、プロット852は、初期区間において荷重の増加に伴う連続的な撓みを実証する単一の平滑な曲線を示し、これは、荷重が急激に増加しても撓みがほとんど発生しない不均一な撓み挙動と、次に、ほとんど、またはまったく荷重を付加せずに撓みが増大する「自然撓み挙動」を画定する2つの異なる挙動を示す曲線とは対照的である。
力対撓みのプロットにおいて、鋸歯状区間(もしあれば)は、基本的にゼロの勾配、若干正の勾配、または若干負の勾配を含む可能性がある。各状況に関連する形状の視覚的表現が図5に示されている。
本明細書に記載の荷重付加方法では、より柔軟な砥石車が得られるが、これは、その特徴的な破壊荷重(図4の点E参照)またはその破裂強度は実質的に変化しない。
付加された荷重の関数としての砥石車の剛性の相関図を作成できる。たとえば、表Aは、付加された荷重の関数としての砥石車の剛性の数値を示しており、付加された荷重が臨界荷重を超えた後に荷重が増大すると剛性が減少することを示す。低剛性化は一般に、使用される荷重によって異なるが、臨界荷重は、砥石車の配合、砥石車の構成、砥石車の厚さ、砥石車の形状、繊維織布(これが補強材として使用されている場合)と混合物の量の比等のうちの1つまたは複数の要素に関する。多くの実施例において、砥石車の低剛性化のために選択される荷重は、破断荷重よりずっと低く、たとえば図4のBからCの区間により示される、本明細書において「鋸歯状区間」とも呼ばれる区間内にある。決定された荷重の値は、全体的な砥石車製造プロセスの中の1つのステップとして、本明細書に記した荷重付加方法を使って、試験したものと同じ仕様の砥石車をより柔軟にすることができるような生産ラインに組み込むことができる。
Figure 2015061738
具体的な例において、荷重付加により、砥石車の初期剛性は、従来の砥石と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約80%さえも低下する。「初期剛性」は、本明細書に記載の荷重付加工程を実行しない、同じ研削物品を指し、一般に、砥石車の配合、砥石車の形状、寸法、弾性係数および測定方法に関する要素に依存する。
特定の実施形態が示す初期剛性の低下は、従来の砥石の初期剛性の約10%〜約90%の間、たとえば約30%〜約90%の間、または約50%〜約90%の間の範囲内でさえある。多くの実施例において、実現できる剛性は、同等の砥石車のそれの最大10分の1である。
いくつかの実施例において、砥石の初期剛性は1000N/mm未満とすることができ、初期剛性は、5N〜150Nの間の本体の荷重対撓みのプロットの勾配として測定される。他の実施形態において、初期剛性はより低く、たとえば1000N/mmより低く、約750N/mmより低く、約500N/mmより低く、約400N/mmより低く、約350N/mmより低く、または約250N/mmより低くさえすることができる。特定の例において、本明細書の実施形態の砥石は、初期剛性が約250N/mm〜約900N/mmの間、たとえば約250N/mm〜約850N/mmの間、たとえば約250N/mm〜約800N/mの間、または約250N/mm〜約750N/mmの間の範囲とさえすることができる。
砥石車の初期剛性は、砥石車の配合、形状、寸法、熱硬化、空隙率、弾性係数に依存する。一般に、鋸歯状区間、たとえば図4の鋸歯状区間804があれば、本明細書に記載の方法を使って砥石を不可逆的に(永久的に)低剛性化できることを示し、鋸歯状区間がなければ、一般にこれらの技術で砥石車の可撓性を高められないことを示す。設計および/または、砥石車の厚さ、形状、砥石車の構成、砥石車の構造、補強材の設計その他等の砥石車のパラメータを操作して、臨界荷重に影響を与えることができる。
たとえば、本明細書に記載の方法は、より薄い(たとえば、1.5mm)のほか、より厚い砥石車(たとえば、6mm)でも実施できるが、後者の場合、前者と同じ可撓性を実現するには、より大きい荷重とより多くの補強が必要となり得る。
一般に、本明細書に記載の荷重付加技術は、補強なしの砥石車には適用されない。多くの場合、良好な低剛性化は、1つの(たとえば、中間または非作業面)補強材を有する設計か、2つの補強材(たえば、図2Dに示される)を利用する設計を使って実現される。多くの場合、砥石車の作業面にガラス繊維織布の補強材(たとえば、図2Eに示される)を持つ構成は避けられる。
混合物の層(複数の場合もある)を十分に強化する補強材の材料が好ましい。多くの実施例において、ガラス繊維織布(このような織布が補強材として使用される場合)の引張強度は少なくとも200MPaである。
作業面のパターン化された特徴の有無は、実現可能な最大撓みにはほとんど、またはまったく影響を与えない。それゆえ、本明細書に記載の方法により、パターン化された作業面を不要とすることができる。いくつかの例において、パターン化された作業面がないと、同程度の低剛性化を実現するために、より大きな荷重が必要となる。
砥石車の配合に関して、使用可能な適当な砥粒としては、たとえばアルミナ系砥粒がある。本明細書において、「アルミナ」、「Al」および「酸化アルミニウム」という用語は互換的に使用される。多くのアルミナ系砥粒が市販されており、特殊砥粒のカスタムメイドも可能である。本発明に使用可能な適当なアルミナ系砥粒の具体例としては、Saint−Gobain Ceramics&Plastics,Inc.の白棒砥粒またはTreibacher Schleifmittel,AGのピンクアランダム、単結晶アルミナ、コーティング有りまたはコーティング無しの褐色溶融アルミナ、加熱処理アルミナ、炭化珪素またはこれらの組み合わせがある。他の砥粒、たとえば種添加または種不添加ゾロゲルアルミナで、酸化希土類、MgO等の化学修飾を有する、または有さないもの、アルミナジルコニア、硼素アルミナ、ダイヤモンド、立体晶窒化硼素、酸窒化アルミニウムその他、および異なるタイプの砥粒の組み合わせを利用することができる。1つの実施例において、使用される砥粒の少なくとも一部は、高温(たとえば、1950℃)でジルコニアとアルミナを融合させることによって生成される耐摩耗性および反易損性アルミナジルコニア砥粒である。このような粒子の例は、Saint−Gobain Corporationから、ZF(登録商標)とNZ(登録商標)の商品名で入手できる。耐摩耗性および反易損性アルミナジルコニア砥粒をたとえば、焼結ボーキサイト(たとえば、76A)砥粒、セラミックコート溶融アルミナ砥粒、CとMgOとの特殊合金とされ、角度のついた粒形(たとえば、Treibacher Schleifmittel,AGからKMGSKの商品名で入手可能)を有する溶融酸化アルミニウム砥粒、およびその他の研削材料と組み合わせることができる。砥粒はまた、他の適当な無機質材料、たとえば酸化物、カーバイド、窒化物、硼化物またはそれらの組み合わせからも作製できる。
粗粒の大きさはしばしば、粒度として表され、ミクロンまたはインチで表現される粒度とそれに対応する平均粒径の関係を示す図表が当業界で知られており、対応する米国規格篩システム(USS)メッシュサイズとの相互関係も知られている。粒度の選択は、研削工具が使用される所期の用途または工程に依存する。本発明の各種の実施形態において使用可能な適当な粒度は、たとえば約16(約1660マイクロメートル(μm)の平均サイズに対応)〜約220(約32μmの平均サイズに対応)の範囲である。別の大きさもまた使用可能である。各種の粒形(球形、長形、不規則、その他)または形状の組み合わせも使用できる。
本発明の具体的な実施例において、結合剤は有機質結合剤であり、また、「高分子」または「樹脂」結合剤とも呼ばれ、一般に、結合材料を硬化することによって得られる。結合研削材物品の製造に使用可能な有機質結合材料の例には、1つまたはそれ以上のフェノール樹脂が含まれる。このような樹脂は、フェノールをアルデヒド、特にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドまたはフルフラールで重合化することによって取得できる。フェノールに加えて、クレゾール、キシレノールおよび置換フェノールを使用できる。同等の、ホルムアルデヒド含まない樹脂もまた使用できる。
フェノール樹脂のうち、レゾールは一般に、アルカリ触媒存在下で水性ホルムアルデヒドとフェノールの間の1段階反応で得られる。2段法フェノール樹脂とも呼ばれるノボラック樹脂もまた、酸性条件の下で生成され、粉砕工程中、架橋結合剤、たとえばヘキサメチレンテトラアミン(しばしば、「ヘキサ」とも呼ばれる)等と混合される。
結合材料は、複数のフェノール樹脂、たとえば少なくとも1つのレゾールおよび少なくともノバラック型フェノール樹脂を含んでいてもよい。多くの場合、少なくとも1つのフェノール樹脂は液体である。フェノール樹脂の適当な組合せは、たとえば、Gardziella et al.への米国特許第4,918,116号明細書に記載されており、同特許の全文を引用によって本願に援用する。
その他の適当な有機質結合材料の例としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、ゴム、ポリイミド、ポリベンゾイミダゾール、芳香族ポリアミド、変性フェノール樹脂(たとえば、エポキシ変性およびゴム変性樹脂または、可塑剤等と混合したフェノール樹脂)等のほか、これらの混合物がある。具体的な実施例において、結合剤はフェノール樹脂を含む。
混合物はまた、充填剤、硬化剤および、有機的に結合された研削材物品の作製に一般的に使用されるその他の化合物を含んでいてもよい。これらの追加成分のいずれでも、または全部を、砥粒、結合材料または、砥粒と結合材料の混合物と組み合わせることができる。
充填剤は、微細粉末、顆粒、球、繊維またはその他の形状の材料形態であってもよい。適当な充填剤の例としては、砂、炭化珪素、発泡アルミナ、硼化物、クロマイト、マグネサイト、ドロマイト、発泡ムライト、ホウ化物、二酸化チタン、炭素製品(たとえば、カーボンブラック、コークス、グラファイト等)、木粉、クレイ、タルク、六価窒化硼素、二硫化モリブデン、長石、霞石閃長岩、各種の形態のガラス、たとえばガラス繊維や中空のガラス球およびその他、CaF2、KBF4、クリオライト(Na3A1F6)およびカリウム水晶石(K3AlF6)、黄鉄鉱、ZnS、硫化銅がある。複数の充填剤の混合物もまた使用可能である。添加できる他の材料としては、帯電防止剤または金属酸化物、たとえば石灰、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、これらの混合等、および潤滑剤、たとえばステアリン酸とグリセロールモノステアレート、グラファイト、カーボン、二硫化モリブデン、ワックスビード、炭化カルシウム、フッ化カルシウムおよびそれらの混合物がある。充填剤は、機能充填剤(たとえば、潤滑剤、増孔剤および/または第二の砥粒などの研磨補助剤)であっても、または外観面等の非機能的性質(たとえば、着色剤)の傾向がより強くてもよい点に留意する。具体的な実施例において、充填剤は、硼弗化カリウムおよび/またはマンガン化合物、たとえばマンガンの塩化物塩、たとえばWashington MillsからMKCSの名称で入手可能な、二塩化マンガン(MnCl.sub.2)と塩化カリウム(KCl)を融合して作られる共晶塩を含む。
多くの例において、充填剤の量は、組成物全体の重量に基づき、約1〜約30重量部の範囲内である。研削盤の場合、充填剤材料のレベルは、盤の重量に基づき、約5〜25重量部の範囲内とすることができる。
具体的な実施形態において、砥粒は溶融アルミナ−ジルコニア研削材、アルミナ研削材であり、結合剤はフェノール樹脂と充填剤を含む。
使用可能な硬化剤または架橋結合剤は、選択される結合材料によって異なる。たとえば、フェノールノバラック樹脂を硬化させる場合、一般的な硬化剤はヘキサである。その他のアミン、たとえばエチレンジアミン、エチレントリアミン、メチルアミン、および硬化剤の前駆体、たとえばホルムアルデヒドと反応してヘキサを生成する水酸化アンモニウムもまた使用可能である。硬化剤の適当な量は、ノバラック樹脂全体の100部あたりの硬化剤として、たとえば約5〜約20重量部の範囲内とすることができる。
通常、使用可能な硬化剤の有効量は、ノバラック樹脂全体100部あたりの硬化剤として、約5〜約20(重量)部である。樹脂結合研削材物品の分野の当業者であれば、各種の要素、たとえば使用する樹脂の特定の種類、必要な硬化の程度、その砥石の所望の最終的特性、強度、硬度および研磨性能に基づいて、この量を調節できるであろう。砥石車の作製において、硬化剤の好ましい量は約8〜約15重量部である。
砥石車またはその混合物層は、砥石車(または具体的な混合物層)の総量の少なくとも20vol%の結合剤材料を含むように形成できる。より多くの結合剤含有量、たとえば、少なくとも約30vol%、少なくとも約40vol%、少なくとも約50vol%、または少なくとも約60vol%さえ使用できる。砥粒に関して、砥石車(またはそのうちの特定の混合物層)は、少なくとも約20vol%の砥粒、たとえば少なくとも約35vol%、少なくとも約45vol%、少なくとも約55vol%、少なくとも約60vol%、または少なくとも約65vol%含む。
本明細書に記載の強化結合された研削材物品は、所望の空隙を有するように作製できる。空隙は、たとえば砥石車の硬度、強度および初期剛性のほか、チップクリアランスと切屑除去等といったパラメーターを含む、所望の砥石車の性能を提供するように設定できる。空隙は、砥石車本体を通じて均一にも、または不均一にも分散させることができ、結合剤マトリックス内の粒子の配列、砥粒の形状および/または利用されている結合剤の前駆体、プレス条件等により得られる固有の空隙でも、増孔剤の使用によって生成させたものでもよい。両方のタイプの空隙を存在させることもできる。
空隙は閉鎖していても、および/または相互につながっていても(開放していても)よい。「閉鎖」型の空隙の場合、空洞の孔やセルは一般に、相互に連通しない。これに対して、「開放」型の空隙は、他の孔と相互につながった孔をなす。閉鎖および相互につながった空隙の発生を誘導するために使用可能な方法の例は、米国特許第5,203,886号明細書、第5,221,294号明細書、第5,429,648号明細書、第5,738,696号明細書、第5,738,697号明細書、第6,685,755号明細書、第6,755,729号明細書に記載されており、その各々の全文を引用によって本願に援用する。
完成した結合研削材物品は、(砥石の総量に基づいて)約0vol%から約40vol%の範囲内の空隙を含んでいてもよい。いくつかの実施例において、本明細書に記載の砥石車(またはそれらの混合物層)の空隙は、約0vol%〜約30vol%の範囲内、たとえば25vol%以下、しばしば約20vol%以下、たとえば約15vol%以下、約10vol%、または約5vol%以下である。特定の例において、空隙は、約1vol%〜約25vol%、たとえば約5vol%〜25vol%の範囲内である。
本発明の態様を、限定することを意図しない以下の例によってさらに説明する。
実施例1
配合と初期剛性の値が異なる、125(外径)×3.2(厚さ)×22.3(内径)mmの、図2Dに示されるようなセンタへこみ形研削砥石の数枚に対して、本明細書に記載の荷重付加方式を実施した。付加した荷重は、低剛性化するために選択した。いずれの場合も、砥石車は初期剛性に関して低剛性化され、砥石車は可撓性の増大を見せた。砥石車A〜Dの初期剛性と荷重付加工程後に得られた剛性を下の表1に示す。
Figure 2015061738
実験の結果、すべての例において低剛性化が可能であり、配合は砥石車の付加荷重後の可撓性または剛性に影響を与えないことがわかった。
実施例2
同じバッチの125×3.2×22.3mmのセンタへこみ形研削砥石の8枚について、研磨性能(研磨条件は同じ)を評価した。
そのうちの4枚に本明細書に記載の荷重付加工程を実施し、残りの4枚には荷重付加工程を実施しなかった。以下に示される各データポイントは、4つの測定値の平均である。Q比(g/g)に関する結果を下の表2に示す。
Figure 2015061738
結果は、低剛性化が研磨性能に影響を与えることを実証している。Q比の増大は、砥石車によってより多くの材料が除去できることを意味する。
実施例3
125×3.2×22.3mmのセンタへこみ形研削砥石に本明細書に記載の荷重付加工程を実施したものと実施しないものについて、研磨中の音声量を調べた。荷重付加力には、850Nと1250Nの2つの数値を使用した。その結果を下の表3に示し、以下の各データポイントは2つの測定値の平均である。
Figure 2015061738
データは、本明細書に記載の荷重付加工程によって得られた砥石車の低剛性化とこれに対応する可撓性の増大により、研磨中の音声量が減少したことを示している。
実施例4
この例は、同じ配合、寸法(125×3.2×22.3mm)、表面パターンおよび、図2Dのような構成(V)の樹脂結合されたセンタへこみ形研削砥石の2枚について得られた曲線の詳細を示す。
荷重付加前および付加後のデータを下の表4に示す。剛性は431から118N/mmへと変化した。
Figure 2015061738
実施例5
同じ配合、寸法(125×3.2×22.3mm)および、図2Dによる構成(V)を有するが、表面パターンを持たない樹脂結合されたセンタへこみ形研削砥石の2枚に関して得られたデータを下の表5に示す。剛性は658から272N/mmへと変化した。
Figure 2015061738
実施例6
同じ配合、同じ構成および同じ表面パターンを有する、125×3.2×22.3mmのセンタへこみ形研削砥石の20枚について、破壊回転数(試験条件は同じ)を評価した。そのうちの10枚に対して本明細書に記載の荷重付加工程を実施し、その際、850Nの荷重を使用した。残りの10枚には荷重付加工程を実施しなかった。破壊回転数(m/秒)の結果を下の表6に示す。この表に示される各データポイントは、10個の測定値の平均である。
Figure 2015061738
結果は、荷重付加工程が破壊回転数に影響を与えないことを示しており、これは、砥石車の両グループともに、基本的に同じ破壊回転数を示したからである。これに対して、砥石車の2つのグループは、その剛性に関して注目すべき差を示した。すべての砥石車について、破壊回転数はEN12413の144m/秒またはANSI B7.1−2000の140.8m/秒という要求値より高い。
実施例7
同じ配合、同じ構成および同じ表面パターンを有する125×3.2×22.3mmのセンタへこみ形研削砥石の20枚について、破壊/破断(試験条件は同じ)を評価した。そのうちの10枚に本明細書に記載の荷重付加工程を実施し、850Nの荷重を使用した。残りの10枚には荷重付加工程を実施しなかった。試験は、砥石車のハブ領域を、砥石車に目に見える破壊が発生するまで圧迫して行った。使用されたスパンは110mmである。以下に示す各データポイントは、10個の測定値の平均である。破壊/破断荷重(N)(図4)に関する結果を下の表7に示す。
Figure 2015061738
結果はまた、荷重付加工程が破壊荷重に影響を与えないことを示している。砥石車の両グループともに、破壊点は基本的に同じであるが、剛性は大きく異なっていた。
本発明をその好ましい実施形態を参照しながら具体的に示し、説明したが、当業者にとっては当然のことながら、形態や詳細における各種の変更を加えることが可能で、これらは、付属の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲から逸脱しない。
上記の説明の中で、具体的な実施形態および特定の構成要素の接続への言及は例示的である。したがって、上記の趣旨を限定的とは考えないものとし、付属の特許請求の範囲は、本発明の範囲内に含まれるすべての変更、改良およびその他の実施形態をカバーするものである。それゆえ、法の下で可能なかぎり、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその均等物をできるだけ広く解釈することによって判断されるものであり、上記の詳細な説明によって制約または限定されないものとする。さらに、上記の説明は、本発明を定義する特徴の階層を定めようとするものではない。むしろ、上記の説明は異なる特徴を詳細に記しており、それらを如何様に組み合わせて本発明の真の範囲を定義してもよい。
開示の要約は、特許法に準じて提示されたもので、それが特許請求の範囲の範囲または意味の解釈または限定のためには使用されないとの認識の上で提出されている。これに加えて、上記の図面の詳細な説明において、開示の合理化のために、各種の特徴を集合としてまとめ、または単独の実施形態の中で説明する場合がある。本明細書は、特許請求されている実施形態に各請求項に明記されたもの以外の特徴が必要であるとする意図を反映していないと解釈するものとする。むしろ、以下の特許請求の範囲に反映されているように、発明性のある主旨は、開示された実施形態のうちのいずれか特徴の一部に関するものであってもよい。それゆえ、以下の特許請求の範囲は、図面の詳細な説明の中に組み込まれ、各請求項は、別々に特許請求される主旨を定義するものとして独立している。

Claims (13)

  1. 有機的に結合された砥石車を低剛性化する方法において、
    センタへこみ形研削砥石の隆起ハブ領域に力を加えるために制御された荷重付加工程を用いるステップを含み、加えられる前記力は前記センタへこみ形研削砥石を不可逆的に低剛性化するのに有効であり、加えられる前記力が目標の剛性を得るために必要な力を計算することによって選択される、方法。
  2. 前記センタへこみ形研削砥石が、パターン化された特徴のない作業面を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記センタへこみ形研削砥石が、パターン化された作業面、パターン化された非作業面、またはパターン化された作業面とパターン化された非作業面の両方を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記センタへこみ形研削砥石が、1つまたは複数の補強材を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記センタへこみ形研削砥石が、少なくとも1つのガラス繊維織布補強材を有する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つのガラス繊維織布補強材の引張強度が、少なくとも約200メガパスカルである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記センタへこみ形研削砥石が、前記センタへこみ形研削砥石の作業面にガラス繊維織布補強材を含まない、請求項1に記載の方法。
  8. 加えられる前記力が、破壊荷重の約60%までの臨海荷重の範囲内である、請求項1に記載の方法。
  9. 加えられる前記力が、前記センタへこみ形研削砥石または同じ仕様を有する砥石車に加えられる前記荷重の関数としての剛性の相関関係を使用して選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記力が、単独の周期で加えられる、請求項1に記載の方法。
  11. 前記力が、2つまたはそれ以上の繰返しパルスで加えられる、請求項1に記載の方法。
  12. 前記センタへこみ形研削砥石の厚さが、約1.5mm乃至約6mmの範囲内である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記センタへこみ形研削砥石の撓み−荷重曲線を同じ仕様の従来のセンタへこみ形研削砥石の撓み−荷重曲線と比較するステップを含み、前者に鋸歯状区間がなく、後者に鋸歯状区間があることは、前記センタへこみ形研削砥石が前記従来のセンタへこみ形研削砥石と比較して低剛性化されていることを示す、請求項1に記載の方法。

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