JP2015061321A - 過電流状態検出回路 - Google Patents

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矢部 弘男
Hiroo Yabe
弘男 矢部
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Abstract

【課題】電線の特性に応じた適切な過電流保護を行うことができる過電流状態検出回路を提供する。
【解決手段】ケーブルHや負荷3を流れる負荷電流ILに対応する検出電流ISをセンスFETS2で検出するようにした。そして、ケーブルHが熱的に平衡状態に保たれて正常範囲内の温度を維持する上限通電電流値IREFに対応する基準電流Irefとの差から、コンデンサC1と抵抗R1により構成した温度上昇模擬部Aにおいて、ケーブルHの熱容量と熱抵抗とを考慮してケーブルHの通電による温度上昇を模擬した。さらに、コンデンサC1の正極に現れるケーブルHの通電による温度上昇を表す電位VC1を、ケーブルHが発煙する直前の耐熱限界温度に達したときを表す基準電圧VrefとコンパレータCompで比較し、その結果に基づいて、ケーブルHが過電流保護状態にあるか否かを決定して、ケーブルHや負荷3への電力供給の遮断を行うようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線及び電線を介して電力が供給される負荷に発生する過電流状態を検出する過電流状態検出回路に関する。
負荷を過電流から保護する際、電流のピーク値が瞬時的にであっても過電流判定のしきい値を超えた場合に負荷が保護すべき状態であると判断すると、例えば、実際には負荷に損傷等が発生するよりも随分前の段階で電力供給が遮断されてしまう等の、過剰な過電流保護動作が行われてしまう場合がある。
そこで、単位時間当たりの過電流状態の発生率から過電流の発生時間率を求め、これが許容限度を超えた場合に負荷が保護すべき状態にあると判断する提案が、過去に行われている(例えば、特許文献1)。
特開平8−47159号公報
上述した従来の提案では、過電流の時間発生率によって負荷が保護すべき状態にあるか否かを決定することで、負荷側が過電流により発熱損傷に至るまでのプロセスを考慮するようにしている。しかし、その元となる過電流状態の判定は、負荷を流れる電流がしきい値を超えるか否かという、むしろ、その値を超えると即損傷発生に至ると見倣される値を用いて行っている。
つまり、上述した従来の提案は、発熱損傷までのプロセスを考慮して負荷が保護すべき状態にあるか否かを決定するために、発熱損傷までのプロセスを考慮していない画一的なしきい値を過電流状態の判定に用いているという点で、判定の仕方が目的とマッチングしていない。それに起因する問題点を、具体例を用いて説明する。
例えば、ある電線が、13A(アンペア)の電流が流れると通電後100sec(秒)で発煙に至り、電流が20Aであると発煙に至るのが通電後20secである特性を有しているものとする。この電線を用いた負荷への電力供給について、特許文献1の図1,4に記載された過電流保護回路により過電流保護を行う場合を想定する。
過電流保護の設定としては、電線に13Aの電流が流れる通電時を基準に、電流及び通電時間にマージンを持たせて、10Aを超える電流が連続40sec流れた時に負荷への電力供給を遮断することを想定する。
このような設定にするには、特許文献1の図1,4に記載された過電流保護回路において、シャント抵抗Rs=10mΩ、第1の電圧検出回路1による検出電圧Vsと比較する所定のしきい値Vth1=0.1V、容量素子Cxの容量=160μF、第1の定電流回路21による容量素子Cxの充電電流Ic=10μA、第2の定電流回路22による容量素子Cxの放電電流Id=1μA、第2の電圧検出回路3による容量素子Cxの端子電圧Vxと比較する所定のしきい値Vth2=2.5Vとすればよい。
ところが、この設定では、20Aの電流が連続して電線に流れた場合に、負荷への電力供給が過電流保護回路により遮断されるまでの時間が20secを超えてしまい、電線が発煙に至ってしまう。そのため、20Aの通電時における電力供給の遮断までの時間が20secよりも短くなるように、上述した設定を変更する必要がある。
そして、そのように設定変更すると、13Aの通電時に、電線が発煙に至るよりも十分に早い段階で、発煙の恐れがない状態であるにも拘わらず負荷への電力供給が過電流保護回路により遮断されてしまう。
また、負荷への電力供給を例えばデューティー比50%のPWM制御で行う場合は、電線の発煙特性が、18Aでの通電時に連続100secの通電で発煙、28Aでの通電時に連続20secの通電で発煙する特性にシフトする。
このときに、上述した設定の過電流保護回路では、デューティー比50%のPWM制御で10Aを超える通電が90sec連続すると、過電流保護回路により負荷への電力供給が遮断される。しかし、電流が18Aに達しない10Aの通電では電線が発煙しないので、この電力供給の遮断は、本来なら電力供給を遮断する必要のない過剰な過電流保護動作になってしまう。
また、PWM制御による通電電流が28Aに上がっても、過電流保護回路の設定上では通電後90sec経過しないと電力供給が遮断されないので、その前に電線が発煙してしまい過電流保護を実現することができない。
このように上述した従来の提案では、通電電流がしきい値を超えると、具体的な電流値がいくらであるかに関係なく一律に過電流状態と判断している。このため、過電流状態の時間発生率に基づいて負荷に対する電力供給の遮断を決定しても、電線の特性に応じた過電流保護を行うことができない。
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、電線の特性に応じた適切な過電流状態の検出を行うことができる過電流状態検出回路を提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1に記載した本発明の過電流状態検出回路は、
電線及び該電線を介して電力が供給される負荷に発生する過電流状態を検出する回路であって、
前記電線を流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部の検出電流値と、前記電線が熱的に平衡状態に保たれる上限通電電流値とから、前記電線の発熱量の近似値を検出する近似発熱量検出部と、
前記近似発熱量検出部の検出発熱量と前記電線の熱容量とから、該電線の温度上昇を模擬する温度上昇模擬部と、
前記温度上昇模擬部が模擬した温度上昇後の前記電線の温度と、該電線の耐熱限界温度とから、前記電線乃至前記負荷を過電流から保護すべき状態であるか否かを判定する保護判定部と、
を備えることを特徴とする。
請求項1に記載した本発明の過電流状態検出回路によれば、負荷に供給される電力が流れる電線の発熱量の近似値が、電線を流れる電流の大きさだけでなく、電線が熱的に平衡状態を保つ上限の通電電流値に対する実際の電線を流れる電流の大きさを考慮して検出される。そして、電線が有する熱エネルギーの出入りに対する温度変化の特性である熱容量を考慮に入れて、電線の発熱量を元に電線の温度上昇が模擬される。
したがって、電線が熱的平衡状態を保つ上限通電電流値や電線の熱容量を加味して模擬した電線の温度上昇量から、電線を過電流から保護すべき状態であるか否かを判定することができ、電線の特性に応じた適切な過電流状態の検出を行うことができる。
また、請求項2に記載した本発明の過電流状態検出回路は、請求項1に記載した本発明の過電流状態検出回路において、前記温度上昇模擬部は、前記電線の熱抵抗による遅延を考慮して該電線の温度上昇を模擬することを特徴とする。
請求項2に記載した本発明の過電流状態検出回路によれば、請求項1に記載した本発明の過電流状態検出回路において、電線の発熱量に対する温度上昇量の特性である熱抵抗をさらに考慮して電線の温度上昇が模擬される。したがって、電線の熱容量のみを考慮して電線の発熱量に対する温度上昇量を模擬して求めるよりもさらに精度のよい電線の温度上昇量を模擬することができる。
さらに、請求項3に記載した本発明の過電流状態検出回路は、請求項1又は2に記載した本発明の過電流状態検出回路において、前記保護判定部による前記電線の過電流からの保護に関する判定状態が非保護状態から保護状態に移行した後、所定の解除条件が成立するまでの間、前記判定状態を保護状態にラッチするラッチ部をさらに備えることを特徴とする。
請求項3に記載した本発明の過電流状態検出回路によれば、請求項1又は2に記載した本発明の過電流状態検出回路において、電線が過電流から保護すべき状態であると判定された場合、その後に所定の解除条件が成立するまでは、判定状態が保護状態にラッチされる。
ここで、所定の解除条件の成立は、例えば、負荷に対する電力供給を必要としない状態が一定期間継続することとすることができる。負荷への電力供給が不必要な状態とは、例えば、負荷に対する電力供給の指令が一定期間継続して発生しない状態とすることができる。
そして、所定の解除条件の成立まで判定状態を保護状態にラッチすることで、保護判定部の判定状態が保護状態から非保護状態に移行した直後に非保護状態から再び保護状態に移行して、判定状態が保護状態と非保護状態とを交互に繰り返すチャタリングの発生を、防止することができる。
また、請求項4に記載した本発明の過電流状態検出回路は、請求項1、2又は3に記載した本発明の過電流状態検出回路において、前記保護判定部の判定状態が保護状態である間、前記電線乃至前記負荷に対する電力供給を遮断させる遮断部をさらに備えることを特徴とする。
請求項4に記載した本発明の過電流状態検出回路によれば、請求項1、2又は3に記載した本発明の過電流状態検出回路において、電線乃至負荷に過電流状態が発生した際のそれらに対する電力供給の遮断を、電線の特性に応じて適切に行うことができる。
本発明によれば、電線の特性に応じた適切な過電流状態の検出を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る過電流保護回路の回路図である。 図1の各部における電圧や電流の変化を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る過電流保護回路の回路図である。
本実施形態の過電流保護回路1(請求項中の過電流状態検出回路に相当)は、不図示のPWM制御ユニットから制御入力端子Pinに入力されるPWM信号をゲート駆動信号(電圧VG)としてオンオフ駆動されるNチャネルのパワーMOSFETS1及びセンスFETS2(請求項中の電流検出部に相当)を有している。
パワーMOSFETS1は、負荷3に対する電力の供給をオンオフするスイッチングデバイスである。この電力は、電源入力端子Vinに接続された電源VBから供給される。負荷3に対する電力の供給は、電源出力端子Voutに接続されたケーブルH(請求項中の電線に相当)を介して行われる。
また、センスFETS2は、負荷3に流れる負荷電流IL(請求項中の電線を流れる電流に相当)を検出するためのデバイスである。センスFETS2には、ゲート−ソース間電圧VgsがパワーMOSFETS1と等しいときに、パワーMOSFETS1とのオン抵抗比(1/n)に応じた、負荷電流ILに対応する検出電流IS(=IL/n)が流れる。
パワーMOSFETS1は、デバイスとしてのパワーMOSFETを構成する多数の単位セルの大半を用いて構成されており、残る一部の単位セルを用いてセンスFETS2が構成されている。
そして、パワーMOSFETS1とセンスFETS2を構成する単位セルのドレイン端子は、全て、電源入力端子Vinに接続されている。また、パワーMOSFETS1を構成する単位セルのソース端子は、電源出力端子Voutを介して負荷3に接続されている。一方、センスFETS2を構成する単位セルのソース端子は、オペアンプOP1の反転入力端子に接続されている。オペアンプOP1の非反転入力端子には、電源出力端子Voutが接続されている。
オペアンプOP1の出力は、pnp型のトランジスタQ3のベースに接続されており、トランジスタQ3のエミッタはセンスFETS2のソースに接続されている。オペアンプOP1はトランジスタQ3と共に、センスFETS2のソース電位がパワーMOSFETS1のソース電位と等しくなるように、センスFETS2のオン中における通電量をフィードバック制御する。
トランジスタQ3のコレクタには、npn型のトランジスタQ4のコレクタが接続されており、トランジスタQ4のエミッタと、トランジスタQ4と共にカレントミラー回路Cur1を構成するnpn型のトランジスタQ5のエミッタは、いずれも接地されている。
トランジスタQ5のコレクタには、pnp型のトランジスタQ6のコレクタが接続されている。トランジスタQ6のエミッタと、トランジスタQ6と共にカレントミラー回路Cur2を構成するpnp型のトランジスタQ7のエミッタは、いずれもラッチ用電源Vccに接続されている。
トランジスタQ7のコレクタには、npn型のトランジスタQ2のコレクタが接続されている。トランジスタQ2のエミッタと、トランジスタQ2と共にカレントミラー回路Cur3(請求項中の近似発熱量検出部に相当)を構成するnpn型のトランジスタQ1のエミッタは、いずれも接地されている。トランジスタQ1のコレクタは、抵抗R2を介してラッチ用電源Vccに接続されている。
トランジスタQ2には、カレントミラー回路Cur1,Cur2の出力であるセンスFETS2の検出電流IS(=IL/n)が流れる。一方、トランジスタQ1には、ラッチ用電源Vccの電圧と抵抗R2の抵抗値とによって定まる基準電流Irefが流れる。この基準電流Irefは、ケーブルHが熱的に平衡状態に保たれて正常範囲内の温度を維持する上限通電電流値IREFを、パワーMOSFETS1とセンスFETS2とのオン抵抗比(1/n)に応じて定義する(Iref=IREF/n)ものである。
カレントミラー回路Cur3では、トランジスタQ2を流れる検出電流ISが、トランジスタQ1を流れる基準電流Irefよりも小さいと、基準電流Irefと等しい電流をトランジスタQ2がコレクタから吸い込もうと動作する。しかし、実際には基準電流Irefよりも小さい検出電流ISしか流れないので、トランジスタQ2のコレクタ電圧はほぼ0Vに下がる。このため、カレントミラー回路Cur2のトランジスタQ6のコレクタとトランジスタQ5のコレクタとの接続点にアノードを接続したダイオードD1には、電流が流れない。
一方、カレントミラー回路Cur3において、トランジスタQ2を流れる検出電流ISが、トランジスタQ1を流れる基準電流Irefを上回ると、基準電流Irefと等しい電流をトランジスタQ2がコレクタから吸い込む。このため、検出電流ISと基準電流Irefとの差電流(IS−Iref)がダイオードD1を流れる。
ダイオードD1のカソードには、コンデンサC1の正極が接続されている。コンデンサC1の負極は接地されている。このコンデンサC1は、ケーブルHが有する熱エネルギーの出入りに対する温度変化の特性である熱容量を模擬する手段として設けられている。したがって、コンデンサC1の静電容量(充電容量)は、ケーブルHの熱的平衡状態が崩れて温度上昇する際の、ケーブルHが有する熱容量に応じた温度上昇の遅延分に対応する値に設定されている。コンデンサC1は、ダイオードD1を流れる差電流(IS−Iref)によって充電される。
コンデンサC1には抵抗R1が並列接続されている。この抵抗R1は、ケーブルHの熱抵抗を模擬する手段として設けられている。したがって、抵抗R1の抵抗値は、ケーブルHの熱抵抗に応じた値に設定されている。
上述したコンデンサC1と抵抗R1は、カレントミラー回路Cur3の出力である検出電流ISと基準電流Irefとの差電流(IS−Iref)と、ケーブルHの熱容量及び熱抵抗とから、ケーブルHの温度上昇を模擬する温度上昇模擬部Aを構成している。
コンデンサC1の正極は、コンパレータComp(請求項中の保護判定部に相当)の非反転入力端子に接続されている。このコンパレータCompは、制御入力端子PinのPWM信号に連動する不図示の電源によって作動する。
コンパレータCompの反転入力端子には、基準電圧Vrefを発生する定電圧源VREFが接続されている。基準電圧Vrefは、ケーブルHが発煙する直前の耐熱限界温度に達したときにコンパレータCompの非反転入力端子に現れる、コンデンサC1の正極の電位VC1の値に設定されている。したがって、ケーブルHが過電流から保護すべき状態になると、コンパレータCompの出力がLoからHiに反転する。
コンパレータCompの出力は、バイアス抵抗R7を介してnpn型のトランジスタQ10のベースに接続されている。トランジスタQ10のコレクタには、抵抗R10を介して制御入力端子Pinに接続されており、トランジスタQ10のエミッタは接地されている。また、トランジスタQ10のエミッタは、抵抗R8を介してベースに接続されている。
コンパレータCompの出力がLoからHiに反転すると、トランジスタQ10が導通し、制御入力端子Pinに連なるパワーMOSFETS1のゲート電位が接地電位に下がる。したがって、電源VBから負荷3への電力供給が、パワーMOSFETS1のオフによって遮断される。即ち、本実施形態では、トランジスタQ10が請求項中の遮断部に相当している。
コンパレータCompの出力がLoからHiに反転すると、バイアス抵抗R5を介してnpn型のトランジスタQ9のベースがバイアスされて、トランジスタQ9が導通する。トランジスタQ9のコレクタは、バイアス抵抗R3を介してpnp型のトランジスタQ8のベースに接続されており、トランジスタQ9の導通に伴いトランジスタQ8のベースがバイアスされて、トランジスタQ8が導通する。
トランジスタQ8のエミッタはラッチ用電源Vccに接続されており、トランジスタQ8のコレクタはダイオードD2に接続されている。トランジスタQ8が導通すると、ダイオードD2を介してコンパレータCompの非反転入力端子の電位が、ラッチ用電源Vccの電源電位に維持される。この電源電位は基準電圧Vrefよりも高い電位に設定されている。
なお、トランジスタQ8のエミッタは、抵抗R4を介してベースに接続されている。また、トランジスタQ9のエミッタは、抵抗R6を介してベースに接続されている。
以上に説明した抵抗R3,R4,R5,R6とトランジスタQ8,Q9、及び、ダイオードD2は、コンデンサC1と共にラッチ部Bを構成している。このラッチ部Bは、コンパレータCompの出力がLoからHiに反転した(ケーブルHの過電流からの保護に関する判定状態が非保護状態から保護状態に移行した)後、所定の解除条件が成立するまでの間、コンパレータCompの出力をHiにラッチするためのものである。
ここで、ラッチ部Bの動作を含めて、過電流保護回路1の動作について、図2のタイミングチャートを参照して説明する。
まず、制御入力端子PinのPWM信号のオン(Hi)期間では、ゲート駆動信号の電圧VGもHiとなり、パワーMOSFETS1がオンして、電源VB(図2(a)参照)の電力がケーブルH乃至負荷3に供給され、これらに負荷電流ILが流れる。
パワーMOSFETS1のオン直後には、大概の負荷3に突入電流が流れ(図2(f)参照)、センスFETS2を流れる検出電流ISがカレントミラー回路Cur3の基準電流Irefを上回る。しかし、ダイオードD1を流れる検出電流IS(図2(g)参照)と基準電流Irefとの差電流(IS−Iref)によって充電されるコンデンサC1の正極の電位VC1が、突入電流の発生中に基準電圧Vrefを上回るまでには至らない(図2(h)参照)。
また、突入電流が収まって、センスFETS2を流れる検出電流ISが基準電流Irefを下回るようになると(図2(g)参照)、抵抗R1を介して放電されるコンデンサC1の電位VC1が低下する(図2(h)参照)。したがって、パワーMOSFETS1のオン直後に、負荷3を流れる突入電流によって、負荷3への電力供給が誤って遮断される(パワーMOSFETS1がオフされる)ことはない。
なお、突入電流によりケーブルHが耐熱限界温度に達するまで温度上昇することがないように、ケーブルHの熱容量や熱抵抗、過電流保護回路1の各部の回路構成も、それぞれ適切な内容に設定される。
ところで、図2中に破線で示すタイミングで過電流異常がケーブルH乃至負荷3に発生すると、負荷電流ILの上昇に伴い検出電流ISが基準電流Irefを上回る(図2(f),(g)参照)。すると、ダイオードD1を流れる差電流(IS−Iref)によってコンデンサC1が充電され、正極の電位VC1が上昇する(図2(h)参照)。
コンデンサC1の電位VC1は、負荷電流IL及び検出電流ISが「0」になるPWM信号のオフ期間(Lo)に(図2(f),(g)参照)、抵抗R1を介して放電されるため低下する。しかし、PWM信号が再びオン期間(Hi)になると、コンデンサC1の正極の電位VC1は、再び充電によって上昇する(図2(h)参照)。
そして、電位VC1がやがて基準電圧Vrefを上回ると(図2(h)参照)、コンパレータCompの出力の反転(Lo→Hi)とそれに伴うトランジスタQ10の導通により、ゲート駆動信号の電圧VGが「0」となる(図2(d)参照)。これにより、パワーMOSFETS1がオフされて、電源出力端子Voutに接続されたケーブルHを介した負荷3への電力供給が遮断される(図2(e)参照)。
これと同時に、トランジスタQ8,Q9の導通により、コンデンサC1の正極の電位VC1がラッチ用電源Vccの電源電位付近に引き上げられて(図2(h)参照)、パワーMOSFETS1のオフによる負荷3への電力供給の遮断が継続される。
以後、PWM信号のオフ期間(Lo)中には(図2(c)参照)、コンパレータCompの動作が停止して出力がLoとなり、トランジスタQ8,Q9が非導通状態となる。これにより、コンデンサC1の正極がラッチ用電源Vccから切り離されて、コンデンサC1の正極の電位VC1が低下する。
但し、PWM信号のオフ期間(Lo)が最長の場合であっても、その間に低下した電位VC1が基準電圧Vrefを下回らないように、過電流保護回路1の各部が設定されている。詳細には、コンデンサC1の静電容量、抵抗R1の抵抗値、ラッチ用電源Vccの電源電位(図2(b)参照)、パワーMOSFETS1のオフによる負荷3への電力供給の遮断開始時にトランジスタQ8の導通で引き上げられるコンデンサC1の正極の電位VC1の引き上げ幅等が、上述した点を考慮して決定されている。
したがって、本実施形態の過電流保護回路1では、制御入力端子PinへのPWM信号の入力が続く限り、パワーMOSFETS1のオフによる負荷3への電力供給の遮断が継続される。
そして、制御入力端子PinへのPWM信号の入力が終了すると、コンデンサC1が抵抗R1を介して放電し続けるようになり、この状態が一定期間継続すると、コンデンサC1の正極の電位VC1がやがて基準電圧Vrefを下回るようになる(請求項中の所定の解除条件の成立に相当)。
すると、コンパレータCompの動作中の出力がHiからLoに反転し、PWM信号のオン期間(Hi)にパワーMOSFETS1がオンして、ケーブルHを介した負荷3への電力供給が再開される。
以上に説明した本実施形態の過電流保護回路1では、ケーブルHや負荷3を流れる負荷電流ILに対応する検出電流ISをセンスFETS2で検出するようにした。そして、ケーブルHが熱的に平衡状態に保たれて正常範囲内の温度を維持する上限通電電流値IREFに対応する基準電流Irefとの差から、コンデンサC1と抵抗R1により構成した温度上昇模擬部Aにおいて、ケーブルHの熱容量と熱抵抗とを考慮してケーブルHの通電による温度上昇を模擬した。
さらに、コンデンサC1の正極に現れるケーブルHの通電による温度上昇を表す電位VC1を、ケーブルHが発煙する直前の耐熱限界温度に達したときを表す基準電圧VrefとコンパレータCompで比較し、その結果に基づいて、ケーブルHが過電流保護状態にあるか否かを決定して、ケーブルHや負荷3への電力供給の遮断を行うようにした。
このため、負荷3に供給される電力が流れるケーブルHの発熱量の近似値が、ケーブルHを流れる負荷電流IL(に対応する検出電流IS)の大きさだけでなく、ケーブルHが熱的に平衡状態を保つ上限通電電流値IREFに対応する基準電流Irefに対する、実際のケーブルHを流れる負荷電流ILに対応する検出電流ISの大きさを考慮して検出される。そして、ケーブルHが有する熱エネルギーの出入りに対する温度変化の特性である熱容量を考慮に入れて、ケーブルHの発熱量を元にケーブルHの温度上昇が模擬される。
したがって、ケーブルHが熱的平衡状態を保つ上限通電電流値IREF(に対応する基準電流Iref)やケーブルHの熱容量を加味して模擬したケーブルHの温度上昇量に対応する、コンデンサC1の正極の電位VC1から、ケーブルHや負荷3を過電流から保護すべき状態であるか否かを判定することができる。よって、過電流状態の時間発生率でケーブルHの過電流状態を判定するのに比べて、ケーブルHの特性に応じた適切な過電流保護を行うことができる。
なお、本実施形態では、ケーブルHが過電流保護状態にある場合に、パワーMOSFETS1のオフにより負荷3への電力供給を遮断するようにした。しかし、この構成は省略してもよい。
また、ケーブルHが過電流保護状態にあるとのコンパレータCompの出力(Hi)を、負荷3に対する電力供給の指令(PWM信号)が一定期間継続して発生しない状態となるまで維持するために設けたラッチ部Bは、省略してもよい。また、抵抗R1を用いてケーブルHの熱抵抗を考慮した温度上昇を模擬する構成は、省略してもよい。
なお、上述した実施形態では、ケーブルHを介した負荷3への電力供給のオンオフにパワーMOSFETS1を用いたが、IGBT等のパワーMOSFET以外の半導体スイッチング素子を用いる場合にも、本発明は適用可能である。
本発明は、電線を介して負荷に電力を供給する際に用いて極めて有用である。
1 過電流保護回路(過電流状態検出回路)
3 負荷
A 温度上昇模擬部
B ラッチ部
C1 コンデンサ
Comp コンパレータ(保護判定部)
Cur1〜Cur3 カレントミラー回路
D1,D2 ダイオード
H ケーブル(電線)
IL 負荷電流(電線を流れる電流)
IS 検出電流(電流検出部の検出電流値)
Iref 基準電流
OP1 オペアンプ
Pin 制御入力端子
Q1〜Q9 トランジスタ
Q10 トランジスタ(遮断部)
R1〜R10 抵抗
S1 パワーMOSFET
S2 センスFET(電流検出部)
VB 電源
VC1 コンデンサ正極電位
VG ゲート駆動信号電圧
VREF 定電圧源
Vcc ラッチ用電源
Vin 電源入力端子
Vout 電源出力端子
Vref 基準電圧

Claims (4)

  1. 電線及び該電線を介して電力が供給される負荷に発生する過電流状態を検出する回路であって、
    前記電線を流れる電流を検出する電流検出部と、
    前記電流検出部の検出電流値と、前記電線が熱的に平衡状態に保たれる上限通電電流値とから、前記電線Hの発熱量の近似値を検出する近似発熱量検出部と、
    前記近似発熱量検出部の検出発熱量と前記電線の熱容量とから、該電線の温度上昇を模擬する温度上昇模擬部と、
    前記温度上昇模擬部が模擬した温度上昇後の前記電線の温度と、該電線の耐熱限界温度とから、前記電線乃至前記負荷を過電流から保護すべき状態であるか否かを判定する保護判定部と、
    を備えることを特徴とする過電流状態検出回路。
  2. 前記温度上昇模擬部は、前記電線の熱抵抗による遅延を考慮して該電線の温度上昇を模擬することを特徴とする請求項1記載の過電流状態検出回路。
  3. 前記保護判定部による前記電線の過電流からの保護に関する判定状態が非保護状態から保護状態に移行した後、所定の解除条件が成立するまでの間、前記判定状態を保護状態にラッチするラッチ部をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の過電流状態検出回路。
  4. 前記保護判定部の判定状態が保護状態である間、前記電線乃至前記負荷に対する電力供給を遮断させる遮断部をさらに備えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の過電流状態検出回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105911093A (zh) * 2016-06-23 2016-08-31 苏州华天国科电力科技有限公司 一种应用于高压电缆增容土壤热阻热容计算方法

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