JP2015060015A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】表示品位を向上することが可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供する。【解決手段】ヘッドアップディスプレイ装置100は、表示手段5が出射した表示光Lを平行化するコリメートレンズ30と、コリメートレンズ30で平行化した表示光Lが入射し、表示光Lの一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー41と、表示光Lを半透過平面ミラー41へ反射する平面ミラー42とが互いに対向するように配置される一対の平行平面ミラー40と、コリメートレンズ30を保持するホルダ部材70とを備える。ホルダ部材70は、コリメートレンズ30の出射面31を露出させる開口部71を有し、開口部71は、その外周に傾斜72a,73aが設けられ、開口部71の一対の平行平面ミラー40での表示光Lの進行方向に対して垂直方向の長さが一対の平行平面ミラー40での表示光Lの進行方向に向かって徐々に小さくなるように設けられる。【選択図】図8

Description

本発明はヘッドアップディスプレイ装置に関する。
従来のヘッドアップディスプレイとして、特許文献1に開示されたヘッドアップディスプレイが知られている。このヘッドアップディスプレイは、表示デバイスと、コリメートレンズと、一対の平行に配置された平面ミラーとから構成されている。一対の平面ミラーのうち、一方の平面ミラーは、入射した光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーである。表示デバイスから出射した光(表示光)は、コリメートレンズによって平行な光となり、一対の平行に配置された平面ミラーに入射する。一対の平行に配置された平面ミラーに入射した平行な光は、平面ミラーの間で反射を繰り返す。一対の平行に配置された平面ミラーのうちの一方の平面ミラーは、半透過ミラーであるので、半透過ミラーに入射した平行な光の一部が、半透過ミラーから出射する。この半透過ミラーから出射した平行な光が平面透明板(いわゆるコンバイナ)で反射され、その平行な光が観察者の眼に達する。観察者の眼には平行な光が入射するので、観察者がコンバイナに投影された虚像を見ることによって、観察者は遠方に表示像があるように認識する。
国際公開第2010/092409号
特許文献1に記載のヘッドアップディスプレイでは、表示光により、表示像の周辺にコリメートレンズの外周が見えることがあり、これは特に夜間など周囲が暗い場合に顕著である。また、かかるヘッドアップディスプレイは、一対の平面ミラーの間で繰り返し反射する表示光を観察するものであり、表示像は反射回数毎に短冊状に観察されるが、コリメートレンズの外周の像も一対の平面ミラーの間で繰り返し反射され複数の反射像が視認されることとなる。また、コリメートレンズの外周の像は、反射回数が多いほど一対の平面ミラー間での光路長が伸長するため、観察者からみて遠方に位置するように視認され像の大きさは小さく見える。そのため、コリメートレンズの外周の像は、全体として見ると反射回数が増える毎に徐々に小さく見え、段差のある状態で観察される。このように、段差のあるコリメートレンズの外周の像(複数の像)は、表示像の周囲近傍に位置するため、観察者にとって煩わしく、結果としてヘッドアップディスプレイ装置の表示品位が低下するという問題点があった。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、表示品位を向上させることが可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るヘッドアップディスプレイ装置は、コンバイナに表示光を出射し、前記表示光が前記コンバイナで反射することによって、前記表示光が表す像を虚像として前記コンバイナに投影するヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記表示光を出射する表示手段と、
前記表示手段が出射した前記表示光を平行化するコリメート部材と、
前記コリメート部材で平行化した前記表示光が入射し、前記表示光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、前記表示光を前記半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向して配置される一対のミラーと、前記コリメート部材を保持するホルダ部材と、を備え、
前記ホルダ部材は、前記コリメート部材の出射面を露出させる開口部を有し、
前記開口部は、その外周に傾斜が設けられ、前記開口部の前記一対のミラーでの前記表示光の進行方向に対して垂直方向の長さが前記一対のミラーでの前記表示光の進行方向に向かって徐々に小さくなるように設けられることを特徴とする。
本発明によれば、ヘッドアップディスプレイ装置において、表示品位を向上させることが可能となる。
本発明の実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の概略を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る一対の平行平面ミラーにおける表示光の光路を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る光学シミュレーションを説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る光学シミュレーションを説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る制御部の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態に係るホルダ部材を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係るコリメートレンズの外周の像を示す図である。 本発明の実施の形態に係るコリメートレンズの外周の像の位置関係を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係るコリメートレンズの外周の像の視線方向の位置関係を示す模式図である。 本発明の実施の形態に係る傾斜の設計を説明するための図である。 本発明の実施の形態に係るホルダ部材の別例を示す正面図である。
(実施の形態)
本発明の実施の形態について、図1〜図12を参照して説明する。
図1に本実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の概略を示す。ここで、車両200の左右方向(観察者の眼1の左右方向)をX軸、車両200の上下方向(観察者の眼1の上下方向)をY軸、X軸およびY軸に垂直で観察者の視線方向をZ軸とする(図1)。
本実施の形態に係るヘッドアップディスプレイ装置100は、図1に示すように、車両200のダッシュボード内に設置される。ヘッドアップディスプレイ装置100は、出射部101から表示画像Mを表す表示光Lを車両200のフロントガラス201へ出射する。フロントガラス201に反射された表示光Lは、観察者の眼1に達する。観察者はフロントガラス201に反射された表示光Lが表す表示画像Mの虚像(フロントガラス201に投影された虚像)Vを視認する。観察者はフロントガラス201を通して、表示画像Mが遠方にあるように認識する。
図2は、ヘッドアップディスプレイ装置100の車両200(図1)における左右方向の断面の概略、図3は、ヘッドアップディスプレイ装置100の車両200(図1)における上下方向の断面の概略を示す。ここで、図1と同様に、車両200の左右方向(観察者の眼1の左右方向)をX軸、車両200の上下方向(観察者の眼1の上下方向)をY軸、X軸およびY軸に垂直で観察者の視線方向をZ軸とする(図2、3)。
ヘッドアップディスプレイ装置100は、図2に示すように、筐体102内に配置された表示手段5と、一対の平行平面ミラー40と、曲面ミラー50とを備える。また、ヘッドアップディスプレイ装置100は制御部60(図示せず)を備える。
また、表示手段5は、表示デバイス10と、折り返しミラー20と、コリメートレンズ(コリメート部材)30とを備える。
表示デバイス10から出射した表示光Lは、折り返しミラー20によって反射され、コリメートレンズ30に入射する。表示光Lはコリメートレンズ30によって、平行化される。コリメートレンズ30から出射した表示光Lは、一対の平行平面ミラー40に入射する。一対の平行平面ミラーのうち、表示光Lが入射する一方の平面ミラーは、入射した光の一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー41で構成されており、一対の平行平面ミラー40に入射した表示光Lは、一対の平行平面ミラー40の間で反射を繰り返しつつ、一部の表示光Lは一対の平行平面ミラー40から出射する(半透過平面ミラー41を透過する)。
半透過平面ミラー41を透過した表示光Lは、曲面ミラー50によって反射され、出射部101から出射する(図3)。出射部101から出射した表示光Lはフロントガラス201に入射する。フロントガラス201は入射した表示光Lを反射し、反射された表示光Lは観察者の眼1に達する。
本実施の形態において、フロントガラス201は所定の曲面(車両200の車外方向に凸)を有するガラスである(図1)。曲面ミラー50は、入射した半透過平面ミラー41を透過した表示光Lのうち、YZ平面に平行な表示光Lが、曲面ミラー50、フロントガラス201の順に反射され、YZ平面に平行な表示光L(図1、3)となるよう、入射した半透過平面ミラー41を透過した表示光Lをフロントガラス201へ反射する。すなわち、曲面ミラー50は、入射した半透過平面ミラー41を透過した表示光Lのうち、YZ平面に平行な表示光Lが、曲面ミラー50、フロントガラス201の順に反射され、YZ平面に平行な表示光Lとなる、曲面形状を有する。フロントガラス201によって反射された、YZ平面に平行な表示光Lは、観察者の眼1の左右方向で平行な光であるので、観察者はフロントガラス201を通して、表示画像Mが遠方にあるように認識する。
ヘッドアップディスプレイ装置100の具体的な構成について説明する。なお、発明の理解を容易にするために、コリメートレンズ30から出射したYZ平面に平行な光(観察者の眼1の左右方向で平行な光)に限定して説明する。
(表示デバイス、折り返しミラー、コリメートレンズ)
本実施の形態において、表示デバイス10は液晶表示デバイスであり、光源11と、拡散板12と、液晶表示パネル13と、ヒートシンク14とから構成される。光源11は複数のLED(Light Emitting Diode)から構成される。光源11は、液晶表示パネル13を照明する光を出射する。拡散板12は白色に着色されたポリカーボネート等の樹脂から構成される。拡散板12は光源が出射した光を拡散し、液晶表示パネルを均一に照明する。液晶表示パネル13は、後述する制御部60から送信される映像信号に従って、拡散板12からの照明光を変調することによって、表示画像Mを生成する。液晶表示パネル13からは、表示画像Mを表す表示光Lが出射される。
ヒートシンク14はアルミニウム等の金属で構成され、光源11で発生する熱を放散する。ヒートシンク14は、光源11の光を出射する面の反対面に配置される。
折り返しミラー20は、例えば、平面アルミ蒸着ミラーであり、液晶表示パネル13が出射した表示光Lを、コリメートレンズ30へ反射する。折り返しミラー20は、表示光Lを折り返して反射するために、液晶表示パネル13の表示面に対して傾斜して配置される(図2)。
コリメートレンズ30は、例えば、凸レンズである。コリメートレンズ30は、図示しないホルダ部材70によって保持され、折り返しミラー20が反射した表示光Lの光路上に配置される(図2)。ホルダ部材70の詳細は後で述べる。コリメートレンズ30は、入射した表示光Lを平行化する。また、コリメートレンズ30はレンズ光軸Pを有する。
(一対の平行平面ミラー)
一対の平行平面ミラー40は、入射した光の一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー41と、平面ミラー42とが平行に配置されることによって、構成される。半透過平面ミラー41は、例えば、ガラスに誘電体多層膜をコーティングして構成される。平面ミラー42は、例えば、平面アルミ蒸着ミラーである。本実施の形態の半透過平面ミラー41における透過光と反射光の光量比は、透過光:反射光=1:9である。
一対の平行平面ミラー40は、平面ミラー42がコリメートレンズ30側に配置される(図2)。また、一対の平行平面ミラー40の平行な平面は、コリメートレンズ30のレンズ光軸Pに対して傾いて配置される。本実施の形態においては、一対の平行平面ミラー40の平行な平面はコリメートレンズ30のレンズ光軸Pに対して60°傾斜する(図2)。
コリメートレンズ30から出射したYZ平面に平行な表示光Lは、半透過平面ミラー41に入射する。なお、表示光Lの光路を確保するため、平面ミラー42の外形は、半透過平面ミラー41の外形よりも小さい(図2)。
図4を参照して、一対の平行平面ミラー40の作用について説明する。
本実施の形態では、一対の平行平面ミラー40の平行な平面は、コリメートレンズ30のレンズ光軸Pに対して傾いて配置されるので、一対の平行平面ミラー40に入射した表示光Lは、YZ平面に平行な状態で、一対の平行平面ミラー40の間で反射を繰り返す。また、半透過平面ミラー41における透過光と反射光の光量比は1:9である。したがって、表示光Lが最初に半透過平面ミラー41に入射した場合、一対の平行平面ミラー40からの最初の出射光(半透過平面ミラー41からの最初の透過光)は、光量が最初に半透過平面ミラー41に入射した表示光Lの1/10の光となる(以下、表示光L1)。表示光L1は、表示光Lと比較して光量が異なるだけであるので、表示光L1は、表示光Lと同様に、表示画像M(以下、表示画像M1)を表す(ただし、本実施の形態では、表示デバイス10と一対の平行平面ミラー40との間に折り返しミラー20が設けられているので、表示画像M1は、表示画像Mの左右が反転した画像となる)。また、表示光LはYZ平面に平行な光であり、半透過平面ミラー41と平面ミラー42とは平行に配置されているので、表示光L1はYZ平面に平行な光として一対の平行平面ミラー40から出射する。
一方、最初に半透過平面ミラー41に入射した表示光Lは、半透過平面ミラー41、平面ミラー42の順に反射され、再度(2回目)、半透過平面ミラー41に入射する。表示光Lが2回目に半透過平面ミラー41に入射した場合、最初の場合と同様に、一対の平行平面ミラー40から、表示画像M(以下、表示画像M2)を表す表示光L2が出射する。
表示光Lは一対の平行平面ミラー40の間で反射を繰り返すので、表示光Lが半透過平面ミラー41にn回入射した場合、表示画像M1〜Mnを表す表示光L1〜Lnが一対の平行平面ミラー40から出射される。すなわち、一対の平行平面ミラー40からは、X軸方向(観察者の眼1の左右方向)に沿って、n個の表示画像M(表示画像M1〜Mn)を表す表示光L(表示光L1〜Ln)が出射することとなる。
一対の平行平面ミラー40から出射した(半透過平面ミラー41を透過した)表示光Lは、後述のように、フロントガラス201に反射され、観察者はフロントガラス201に投影された虚像Vを視認する。一対の平行平面ミラー40から出射した表示光Lは、観察者の眼1の左右方向に沿ったn個の表示画像Mを表すので、フロントガラス201には観察者の眼1の左右方向に沿って、n個の虚像Vが投影される。したがって、観察者(例えば、車両200の運転者)は、左右方向の広い範囲で、虚像Vを視認できる。すなわち、観察者は、左右方向の広い範囲で、表示画像Mが遠方にあるように認識できる。
(曲面ミラー)
曲面ミラー50は、例えば、アルミ蒸着ミラーであり、半透過平面ミラー41を透過した表示光Lの光路上に配置される。曲面ミラー50は、出射部101を通して、半透過平面ミラー41を透過した表示光Lを、フロントガラス201へ反射する。この場合、曲面ミラー50は、YZ平面に平行な光として入射した表示光Lが曲面ミラー50、フロントガラス201の順に反射され、YZ平面に平行な表示光(図1、3)となるように反射する。すなわち、曲面ミラー50は、半透過平面ミラー41を透過したYZ平面に平行な表示光Lが、曲面ミラー50、フロントガラス201の順に反射され、YZ平面に平行な光となる、曲面形状を有する。
曲面ミラー50が有する曲面形状は、フロントガラス201の曲面形状から、市販の光学シミュレーションソフト(例えば、Synopsys社製CODEV、Lambda Research社製OSLO等)を使用して、得ることができる。
図5、6を参照して、光学シミュレーションによって得られる曲面ミラー50の曲面形状について説明する。
光学シミュレーションにおいては、曲面ミラー50、フロントガラス201は任意の基準点S1、S2を原点として、凸面に垂直な方向にγ軸、車両200の左右方向にα軸、α軸およびγ軸に垂直な方向にβ軸を有すると仮定した(図5、6)。光学シミュレーションにおいては、βγ平面(図5、6)が上述したYZ平面(図1、3)に相当する。
曲面ミラー50は、一対の平行平面ミラー40に向けて凸面を有するとし、曲面ミラー50を、曲面ミラー50のγ軸とZ軸とのなす角が30°となるように配置した(図6)。また、Z軸に平行な方向における、曲面ミラー50の基準点S1と半透過平面ミラー41との距離を180mmとした(図5)。
フロントガラス201の曲面形状は、車両200の内部に向けて凹面(車外の方向に凸面)であり、α軸方向の曲率半径Rα(フロントガラス201の横断面に関する曲率半径)が3000mm、β軸方向の曲率半径Rβ(フロントガラス201の縦断面に関する曲率半径)が15000mmとした(図5)。また、フロントガラス201を、フロントガラス201のγ軸とZ軸とのなす角を60°、フロントガラス201の基準点S2と曲面ミラー50の基準点S1との距離を250mmに配置した(図6)。
さらに、観察者の眼1とフロントガラス201の基準点S2との距離を500mmに設定した(図5)。
以上の条件において、曲面ミラー50に入射したβγ平面に平行な光がフロントガラス201へ反射され、フロントガラス201に入射した光がβγ平面に平行な光として反射される、曲面ミラー50の曲面形状(曲率)を光学シミュレーションによって、決定した。
光学シミュレーションの結果、曲面ミラー50の曲面形状として、α軸方向の曲率半径Rα(曲面ミラー50の横断面に関する曲率半径):5000mm、β軸方向の曲率半径Rβ(曲面ミラー50の縦断面に関する曲率半径):10000mmが得られた。
以上のように、フロントガラス201の曲面形状から、光学シミュレーションによって曲面ミラー50の曲面形状を得ることができる。
なお、曲面ミラー50はX軸を回転軸とする回転部51を備える。この回転部51をステッピングモーター52(図示せず)で回転させることによって、フロントガラス201における虚像VのY軸方向(図1)の投影位置を調整することができる。
ヘッドアップディスプレイ装置100は上記の曲面ミラー50を備えるので、曲面ミラー50によって反射され、ヘッドアップディスプレイ装置100から出射した表示光Lは、フロントガラス201に反射されて、図5に示す観察者の眼1の左右方向で平行な光(YZ平面に平行な光)となる。したがって、観察者はフロントガラス201に反射された表示光Lが表す表示画像Mの虚像(フロントガラス201に投影された虚像)Vを視認し、フロントガラス201を通して、表示画像Mが遠方にあるように認識する。
(制御部)
制御部60は、図7に示すように、光源11、液晶表示パネル13、ステッピングモーター52等を制御する。例えば、制御部60は液晶表示パネル13に映像信号を送信することにより、液晶表示パネル13を制御する。制御部60は、CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、汎用メモリ63、ビデオメモリ64、外部インターフェース65等から構成される。外部インターフェース65は、光源11、液晶表示パネル13、ステッピングモーター52、車両200に関する情報等を送受信するためのCAN(Control Area Network)バス67と接続される。また、外部インターフェース65は、光源11の明るさや曲面ミラー50の角度を調整するためのキー入力を受け付ける入力手段66と接続される。
(ホルダ部材)
ホルダ部材70は、コリメートレンズ30を保持し、ネジやボルトなどによって筺体102内の所定位置に取り付けられて、コリメートレンズ30を折り返しミラー20が反射した表示光Lの光路上に配置するための部材である。ホルダ部材70は、黄銅やアルミニウムなどの金属やポリカーボネート(PC)などの樹脂からなり、その色調はつや消しの黒である。
ホルダ部材70は、図8に示すように、一対の平行平面ミラー40と対向する側にコリメートレンズ30の出射面31を露出させる開口部71を有する。なお、図示しないがホルダ部材70は折り返しミラー20と対向する側にもコリメートレンズ30の入射面を露出させる開口部を有する。開口部71は、それ自体は矩形状に形成される。開口部71の外周には、図8の矢印で示す一対の平行平面ミラー40における表示光Lの進行方向(反射を繰り返しながら一対の平行平面ミラー40間を進む方向)に対して垂直方向の2辺(図8における上辺及び下辺)と重なるように、それぞれ傾斜72a及び73aを備えるマスク部材72及び73が配置されている。マスク部材72及び73の材質は、ホルダ部材70と同様に黄銅やアルミニウムなどの金属やポリカーボネート(PC)などの樹脂からなり、その色調はつや消しの黒である。開口部71の上辺に設けられるマスク部材72は、その下側に傾斜72aを備える。傾斜72aは、一対の平行平面ミラー40の進行方向に向かって徐々に開口部71の上下中央側に傾く(下向きの)傾斜である。開口部71の下辺に設けられるマスク部材73は、その上側に傾斜73aを備える。傾斜73aは、一対の平行平面ミラー40の進行方向に向かって徐々に開口部71の上下中央側に傾く(上向き)の傾斜である。すなわち、傾斜72a及び73aを備えるマスク部材72及び73を開口部71の外周上側及び下側に設けることによって、開口部71は、開口部71の一対の平行平面ミラー40での表示光Lの進行方向に対して垂直方向の長さ(図8の上下方向の長さ)が一対の平行平面ミラー40での表示光Lの進行方向に向かって徐々に小さくなる、略楔形状に設けられる格好となる。
次に、開口部71に傾斜72a及び73aを設けることによる作用及び効果について図9及び図10を用いて説明する。
図9(a)は、開口部71に傾斜72a及び73aを備えない場合(従来例)における、表示画像Mの虚像Vと、観察者が虚像Vを視認した際に虚像Vと同時に視認するコリメートレンズ30の外周の像E1〜E3を示すものである。コリメートレンズ30の外周の反射像E1〜E3は、すなわち開口部71の外周の像である。なお、ホルダ部材71自体はつや消しの黒であるためその像は観察されない。コリメートレンズ30から出射される表示光Lが一対の平行平面ミラー40の間で反射を繰り返すことによって複数個の虚像Vがフロントガラス201に投影され、反射回数の異なる複数の短冊状の虚像Vが視認されるのと同様に、コリメートレンズ30の外周の反射像E1〜E3も反射回数の異なる複数の像が観察者に視認される。図9(a)では、3つのコリメートレンズの外周の反射像E1〜E3を示しているが、反射像の個数はこれに限定されるものではない。なお、反射像E1は、一対の平行平面ミラー40間を1回反射した反射像であり、反射像E2は、一対の平行平面ミラー40間を2回反射した反射像であり、反射像E3は、一対の平行平面ミラー40間を3回反射した像である。各反射像E1〜E3は、図10に示すように、反射回数が多いほどホルダ部材70から観察者の眼1までの各光路OP1〜OP3の長さが長くなるため(OP1<OP2<OP3)、各光路OP1〜OP3を展開して得られる観察者の視線方向(図1のZ軸方向)の位置が遠くなって、図9(a)に示すように小さく見える。したがって、コリメートレンズの外周の反射像E1〜E3を全体としてみると段差が生じた状態で視認されて観察者にとって煩わしい。なお、図10においては説明を簡略化するために曲面ミラー50及びフロントガラス201を省略した。
これに対し、図9(b)は、開口部71に傾斜72a及び73aを備えた場合(本実施形態)における、表示画像Mの虚像Vと、観察者が虚像Vを視認した際に虚像Vと同時に視認するコリメートレンズ30の外周の像E1〜E3を示すものである。開口部71に傾斜72a及び73aを設けたことによって、コリメートレンズ30の外周の反射像E1〜E3は、反射像E1〜E3が連続する方向に対して垂直方向の長さ(図9(b)の上下方向の長さ)が反射像E1〜E3が連続する方向に向かって徐々に小さくなる。したがって、見た目の大きさが異なる隣り合う反射像の段差が解消ないし低減され、ヘッドアップディスプレイ装置100の表示品位を向上させることができる。
ここで、傾斜72a及び73aはコリメートレンズ30の外周の反射像E1〜E3が実際にどのように視認されるか確認した上で段差を解消するのに適度であって、かつ、表示画像Mの表示を妨げない角度及び線で設計されるものであるが、以下に傾斜72aの線の設計方法の一例を示す。
図11は、コリメートレンズ30の外周の反射像E1〜E3が、ホルダ部材70の実体の位置においてはどのように観察されるかを示したものである。なお、観察者の眼1はホルダ部材70の中央に位置するものとする。反射像E1〜E3のホルダ部材70の実体の位置における上側の見た目の高さの差分A,B,Cは、以下の式1で表される。
(式1)
A=H×a/(h+a)
B=H×(a+b)/(h+a+b)
C=H×(a+b+c)/(h+a+b+c)
なお、Hは観察者の眼1からホルダ部材70の開口部71の外周上辺までの長さであり、hは観察者の眼1からホルダ部材70までの視線方向(前後方向)の長さであり、aはホルダ部材70の実像から反射像E1までの視線方向(前後方向)の長さであり、bは反射像E1から反射像E2までの視線方向(前後方向)の長さであり、cは反射像E2から反射像E3までの視線方向(前後方向)の長さである。
次に、上述のようにして得られる反射像E1〜E3のホルダ部材70の実体の位置における上側の見た目の高さの差分A,B,Cに基づいて、開口部71に対し3つの点T1〜T3を設定した。具体的には、開口部71の外周上辺の向かって右側の端部を基準点T0として、基準点T0からの上下方向の長さがそれぞれ差分A,B,Cとなる3つの点T1〜T3を設定した。なお、T0〜T3は左右方向には等間隔となるように設定した。そして、かかるT0〜T4を結ぶ曲線を描き、この曲線を傾斜72aの線とした。これによれば、反射像E1〜E3の見た目の大きさの変化に概ね応じた角度の傾斜72aを得ることができる。また、同様にして傾斜73aの線を設計することも可能である。なお、このようにして得た傾斜72a及び傾斜73aに基づいて、コリメートレンズの外周の反射像E1〜E3が実際にどのように視認されるか確認した上で段差を解消するに適度であって、かつ、表示画像Mの表示を妨げない角度及び線となるように適宜調整することができることは勿論である。なお、傾斜72a及び傾斜73aの線は直線であってもよいし、曲線であってもよい。
上記実施の形態で説明したヘッドアップディスプレイ装置100によれば、コリメートレンズ30の外周の反射像E1〜E3の段差を解消あるいは低減して、表示品位を向上させることが可能となる。これは、以下の構成によって実現される。
コンバイナに表示光Lを出射し、表示光Lがコンバイナで反射することによって、表示光Lが表す像Mを虚像Vとしてコンバイナに投影するヘッドアップディスプレイ装置100であって、像Mを表す表示光Lを出射する表示手段5と、表示手段5が出射した表示光Lを平行化するコリメートレンズ30と、コリメートレンズ30で平行化した表示光Lが入射し、表示光Lの一部を反射し一部を透過する半透過平面ミラー41と、表示光Lを半透過平面ミラー41へ反射する平面ミラー42とが互いに対向するように配置される一対の平行平面ミラー40と、コリメートレンズ30を保持するホルダ部材70とを備え、
ホルダ部材70は、コリメートレンズ30の出射面31を露出させる開口部71を有し、
開口部71は、その外周に傾斜72a,73aが設けられ、開口部71の一対の平行平面ミラー40での表示光Lの進行方向に対して垂直方向の長さが一対の平行平面ミラー40での表示光Lの進行方向に向かって徐々に小さくなるように設けられる。
また、開口部71の外周に、傾斜72a,73aを有するマスク部材72,73が設けられてなる。これによれば、マスク部材72,73を変更することによって傾斜72a,73aの調整が容易であり、製造における利便性を向上することができる。
図13は、本発明のホルダ部材の別例を示すものである。別例であるホルダ部材80は、ホルダ部材80の開口部81自体に傾斜81a及び81bが設けられており、これによって、開口部81の一対の平行平面ミラー40での表示光Lの進行方向に対して垂直方向の長さが一対の平行平面ミラー40での表示光Lの進行方向に向かって徐々に小さくなるように設けられている。かかる構成によっても前述の実施形態と同様に、コリメートレンズ30の外周の反射像E1〜E3の段差を解消あるいは低減して、表示品位を向上させることが可能となる。
表示手段5は、表示デバイス10とコリメートレンズ30とから構成することもできる。さらに、表示手段5は表示デバイス10から構成されてもよい。
表示デバイス10としては、有機EL(Electroluminesence)ディスプレイ、プロジェクション方式のディスプレイ等を用いることができる。また、表示デバイス10にマイクロレンズアレイ等の集光手段、あるいは表示光Lの平行光化手段を設けてもよい。
コリメートレンズ30は、複数の凸レンズ、凸レンズと凹レンズ等を組み合わせた光学系であってもよい。また、コリメートレンズ30には、レンチキュラーレンズを使用することもできる。また、表示光Lの平行光化手段であるコリメート部材として、ハーフミラーと凹面鏡等を組み合わせた光学系を用いてもよい。
虚像Vが投影されるコンバイナは、車両200のフロントガラス201に限定されない。虚像Vが投影されるコンバイナは、例えば、専用に設けられるコンバイナ部材、建築物における湾曲したガラス、メガネレンズ等であってもよい。
本発明の一対のミラーは、互いに対向するように配置されるものであれば完全な平行に配置されなくともよく、また、平面ミラーでなく曲面ミラーであってもよい。また、一対のミラー間は中空でなく中実構造であってもよい。例えば樹脂材料からなる基部の対向する両面にそれぞれ半透過面(半透過ミラー)と反射面(ミラー)とを形成して中実構造の一対のミラーを得ることができる。
以上の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略した。
1 観察者の眼
5 表示手段
10 表示デバイス(液晶表示デバイス)
11 光源
12 拡散板
13 液晶表示パネル
14 ヒートシンク
20 折り返しミラー
30 コリメートレンズ
40 一対の平行平面ミラー
41 半透過平面ミラー
42 平面ミラー
50 曲面ミラー
51 回転部
52 ステッピングモーター
60 制御部
61 CPU
62 ROM
63 汎用メモリ
64 ビデオメモリ
65 外部インターフェース
66 入力手段
67 CANバス
70 ホルダ部材
71 開口部
72 マスク部材
72a 傾斜
73 マスク部材
73a 傾斜
80 ホルダ部材
81 開口部
81a 傾斜
81b 傾斜
100 ヘッドアップディスプレイ装置
101 出射部
102 筐体
200 車両
201 フロントガラス
M 表示画像(像)
L 表示光
P コリメートレンズの光軸
V 虚像

Claims (2)

  1. コンバイナに表示光を出射し、前記表示光が前記コンバイナで反射することによって、前記表示光が表す像を虚像として前記コンバイナに投影するヘッドアップディスプレイ装置であって、
    前記表示光を出射する表示手段と、
    前記表示手段が出射した前記表示光を平行化するコリメート部材と、
    前記コリメート部材で平行化した前記表示光が入射し、前記表示光の一部を反射し一部を透過する半透過ミラーと、前記表示光を前記半透過ミラーへ反射するミラーとが互いに対向して配置される一対のミラーと、前記コリメート部材を保持するホルダ部材と、を備え、
    前記ホルダ部材は、前記コリメート部材の出射面を露出させる開口部を有し、
    前記開口部は、その外周に傾斜が設けられ、前記開口部の前記一対のミラーでの前記表示光の進行方向に対して垂直方向の長さが前記一対のミラーでの前記表示光の進行方向に向かって徐々に小さくなるように設けられることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。
  2. 前記開口部の外周に、前記傾斜を有するマスク部材が設けられてなることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019219555A (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 創智車電股▲ふん▼有限公司Conserve&Associates,Inc. ディスプレイ装置、および、それを用いた自動車のヘッドアップディスプレイシステム(display device and automobile head−up display system using the same)
WO2023224028A1 (ja) * 2022-05-17 2023-11-23 日本精機株式会社 車両用の内装部材とこれを用いた表示装置

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