JP2015059730A - 太陽熱集熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光の集熱効率を向上させると共に、熱エネルギー変換後のエネルギー損失を抑制する太陽熱集熱装置を提供する
【解決手段】外側の熱と熱交換する熱媒体を流通させた集熱管2と、集熱管の軸に沿って外周側に所定の空域をもって覆うように配設した断熱性の集光ダクト3と、集光ダクトはその内面に光反射手段と集熱管の軸に沿った入光用のスリット31とが形成され、かつ集光ダクトの外側にスリットを除く略全体を覆うように配設したケース6と、ケース内に配置して内部の熱と熱交換する集熱管と連通する熱回収管5と、から構成する。集光ダクトは、スリットを除く外周側に所定断熱材41を配設し、該断熱材を熱伝導材から成る伝熱部4で覆って保形する。伝熱部は熱回収管の外周面と接続させた構成とする。また、ケース内に伝熱部及び熱回収管の外周側を覆う断熱材61を配設する。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、太陽光を反射させつつ集光すると共に、その熱エネルギーを集熱して利用可能とする太陽熱集熱装置に関する。
従来から、太陽光を集光して発電又は発熱等のエネルギー源として利用する装置は種々開発されており、環境へ与える影響が少ないクリーンな装置として昨今の注目度も高いものである。
かかる太陽光の熱エネルギーを利用する装置は、太陽光を効率よく集光し、その熱エネルギーを利用、例えば、発電や発熱のエネルギー源として利用する集熱装置が重要な役割を担っていた。
例えば、特許文献1には、集熱管の周囲に2つの放物線の断面形状を組み合わせた大きめの反射鏡面を有する真空ガラス管を配置し、太陽光の集光ズレを反射鏡面にて補正して反射させて集光効率性を高めた集熱装置が開示されている。
また、特許文献2にも、光吸収管とその外側に2重管状に配置した透明管から成り、透明管の太陽光の入射方向の反対側に鏡面反射膜を形成し、光吸収管からの反射輻射熱を再度吸収する集熱装置が開示されている。
他にも、特許文献3に示すように、熱媒体が流通する配管の周囲に180度以上屈曲させて上記配管を内包する反射鏡を備えた集熱装置が開示されている。
特開平2−93253号公報 特開2010−203624号公報 特開2008−133991号公報
しかしながら、上記文献の太陽光の集熱装置は、以下の問題点があった。
まず、特許文献1の集熱装置は、太陽光の入光部側を大きく設定する必要があり、太陽光は入光角度によってはその一部が透過材である真空ガラス管の表面で反射し、太陽光全体のエネルギーが減少するものであった。この結果、集熱管での熱エネルギーの損失は避けられないものであった。また、集熱管の温度上昇による自身の輻射熱も反射鏡面によって反射するために回収可能であるが、その一部が透過材である真空ガラス管を通過して外部にも放射されてしまう問題があった。この問題点は、特許文献2の集熱装置においても、同様であった。
特許文献3の集熱装置は、集熱部の周囲に断熱材を配置する構成であるため、特許文献1、2の集熱装置に比べて輻射熱によるエネルギー損失は低減できる利点があった。しかし、集熱部の温度状態、例えば、設定よりも高温状態になった場合等、すべての状況で輻射熱を完全に遮断、若しくは利用することは特許文献3の集熱装置の構造上困難であり、その場合の輻射熱は単純に外部に放出されるだけであり、その輻射熱を有効的に利用することはできないものであった。
そこで、本願発明は上記課題に着目し、この課題を解決することを目的に為されたものである。すなわち、太陽光の集熱効率を向上させると共に熱エネルギー変換後のエネルギー損失を抑制し、かかる損失エネルギーを回収可能な太陽熱集熱装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本願発明にかかる太陽熱集熱装置は、以下のように構成している。
すなわち、外側の熱と熱交換する熱媒体を流通させた集熱管と、該集熱管の軸に沿って外周側に所定の空域をもって覆うように配設した断熱性の集光ダクトと、該集光ダクトはその内面に光反射手段と前記集熱管の軸に沿った入光用のスリットとが形成されており、かつ前記集光ダクトの外側には前記スリットを除く略全体を覆うように配設したケースと、該ケース内に配置して内部の熱と熱交換する熱媒体を流通させた熱回収管と、から成ることを特徴としている。
集熱管の材質としては、熱伝導効率が良い金属、特に銅材が好適である。集光ダクトとしては、集熱管の外周側を囲う円筒状とし、その一部を母線方向に亘って切り欠いて入光用のスリットを形成することが好適であり、特に集光ダクト内の集熱管の周囲の間隙に比べてスリットはできる限り小さくすることが好適である。また、集光ダクトは、その内側表面の一部又は全部に光反射手段を形成しているが、具体的には反射膜を、例えば、メッキ形成することが好適である。
かかる構成の太陽熱集熱装置は、集光ダクトのスリットからの太陽光を遮る物(透過材も含む。)なく入射させることが可能であり、入射した太陽光を集光ダクト内部で複数回に渡って反射させつつ集熱管に集光させることができる。加えて、集熱管からの輻射熱の一部も集光ダクト内で再度反射させて回収することができる。この集光により集熱管の熱媒体を昇温することになり、外側の熱と熱交換が実施されることになる。一方、熱回収管は集光ダクトの外側に配設しているため、熱回収管は集光ダクトの熱媒体は、主に集熱管からの輻射熱、すなわちケース内部の熱との熱交換を実施することになる。
また、熱回収管は、集熱管と連通させたことを特徴としている。この構成を採用した場合、熱媒体は先に熱回収管を通過した後に集熱管に流通させることが好適である。この場合、集熱管の輻射熱の一部を熱回収管での熱交換、別言すれば、集熱回収が可能となり、熱媒体の所謂予熱が実施可能となるからである。
上記集光ダクトは、断熱性を確保する具体的手段として、スリットを除く外周側に所定の断熱材を配設し、さらにこの断熱材を熱伝導材から成る伝熱部で覆って保形したことを特徴としている。また、この伝熱部は熱回収管の外周面と接続させたことを特徴としている。ここで、断熱材を伝熱部で覆って保形するとは、集光ダクトを覆ったスリットを除く断熱材の全体を熱伝導材である金属の板材等で覆って伝熱部を構成する状態を意味する。伝熱部は熱伝導効率が良い金属、例えば、アルミ材や銅材で形成することが好適である。
また、ケース内において、上記伝熱部及び熱回収管の外周側を覆う断熱材を配設している。つまり、太陽熱集熱装置は、ケース内部に集光ダクトを覆う断熱材と、伝熱部と熱回収管を覆う断熱材と有する態様となる。
さらに、集光ダクト周囲の断熱材は、伝熱部と熱回収管の周囲の断熱材よりも熱伝導効率が高いことを特徴としている。例えば、集光ダクト周囲の断熱材としては石膏断熱材を採用し、伝熱材周囲の断熱材としてはグラスウールやロックウール断熱材とすることが好適である。
加えて、集熱管の外側表面に熱吸収被膜を形成したことを特徴としている。熱吸収被膜としては、例えば、黒色塗装を採用している。この熱吸収被膜は、ケースの外側表面の全部又は一部に形成しても良い。
上記構成の本願発明にかかる太陽熱集熱装置は、以下の効果を奏する。
まず、集光ダクトのスリットから入射した太陽光は、集光ダクト内に太陽光が外部へ透過する箇所がなく、かつ閉空間の奥側に集熱管を配置した構成であるため、一旦進入した太陽光が集光ダクトの内周面に複数の反射を繰り返しつつ集熱管に集光する。これにより、太陽光が集光ダクトから外部へ漏れ出すことが抑制されるため、集熱管への集光効率が格段に向上している。
また、一旦集熱管により吸収されて熱交換された熱エネルギーが輻射熱として放射された場合、かかる輻射熱は集光ダクトに反射して集熱管に戻る一方、その一部は伝熱部によっても回収されて熱回収管に伝熱されることとなる。これにより、熱回収管から集熱管へ熱媒体を送る経路を形成した場合、熱回収管において所謂予熱が実施されることとなり、集熱管での熱媒体の昇温効率が格段に向上することとなる。
また、集熱管、集光ダクト、伝熱部、熱回収管全体を、断熱材を介してケースに収納すると共に、集熱管の外表面には熱吸収被膜を形成しているため、輻射熱の放射抑制に加えて装置全体における蓄熱作用も期待できる。
本願発明の太陽熱集熱装置の外観を示す一部切り欠き斜視図である。 本願発明の太陽熱集熱装置の縦断面図である。 本願発明の太陽熱集熱装置を既存の太陽光集光機構に配置した状態を示す斜視図である。 本願発明の太陽熱集熱装置を既存の太陽光集光機構に配置した状態を示す断面図である。
本願発明の太陽光集光装置(以下、「本装置」と略称する。)の最良の実施形態例について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本装置の外観を示す一部切り欠き斜視図であり、図2は本装置の縦断面図であり、図3及び図4は本装置を既存の太陽光集光機構に配置した状態を示す斜視図及び断面図である。
本装置1は、主に、熱媒体bを流通させる集熱管2と、この集熱管2の外周側に配置する集光ダクト3と、集光ダクト3を覆う伝熱部4と、集熱管2と連通すると共に伝熱部4に保持され、かつ集熱管2と平行配置する熱回収管5と、及びこれら構成要素の全体を内包しつつ保形するケース6と、から構成している。
まず、集熱管2は、銅材から管状に形成されており、後述する集光ダクト3の内周面の上端部から懸架状に配置されている。この集熱管2の外装表面には、熱吸収効率を高めるために熱吸収被膜21を形成している。この熱吸収被膜21は、黒色の黒クロム若しくは無電解ニッケルメッキ処理、またはマンガン系の黒色塗料を塗布することにより形成している。
また、集熱管2は、吸熱用の熱媒体bの供給施設(図示省略)と連通しており、その内部に所定量の熱媒体bを流通させている。そして、太陽光からの熱エネルギーを吸収した後の熱媒体bを集熱管2が連通した所定の利用施設や装置(何れも、図示省略)に供給している。また、熱媒体bとしては、熱エネルギーを吸収する媒体、具体的には水、油、を採用している。
集光ダクト3は、熱伝導率が高いアルミ材から上記集熱管2の外周を上方側から覆うと共に、集熱管2を懸架状に保持した反対側を下方に延設部31aをもって延長しつつ開放したスリット31を形成し、言わば、上部が丸く下方が矩形状に閉じた断面視が鍵穴状を形成し、かつその断面方向に全体を延長した下面一部開放のダクト体である。別言すると、開放側が縮形した樋状体を上下逆さに配置した態様を呈している。
上記の集光ダクト3の延設部31aを含めた内周面は、太陽光のほぼ全てを反射し得る光反射手段として鏡面処理を施している。鏡面処理としては、例えば、電気メッキ、溶融メッキ、蒸着メッキ等の金属被膜処理、化成処理の適宜な方法によって太陽光の反射膜を形成するものである。
集光ダクト3の外周側には、集光ダクト3の全体を覆うように伝熱部4を配置している。この伝熱部4は、集光ダクト3のスリット31の部分を除いた外周側のほぼ全てを覆う断熱材41と、この断熱材41のさらに外周側を覆いつつ保形するアルミ材から成る保形部42と、保形部42の上部側と接続して熱回収管5を保持するアルミ材から成る接続部43と、から構成している。
上記集光ダクト3を覆う断熱材41としては、石膏を採用している。石膏を採用した理由は、比較的低額となるコストの問題だけでなく、集熱管2からの輻射熱の断熱作用に加えて、熱伝導率が高めの石膏の断熱作用から漏れた輻射熱を、保形部42及び接続部43を介して熱回収管5に伝達することを目的としているからである。
保形部42は、上記のように石膏性の断熱材41を介して集光ダクト3を覆っているため、集光ダクト3より一回り大きな下向きの樋状を呈している。接続部43は、2本の帯状の板体を上記保形部42の上部斜め位置の長手方向の左右に配置し、接続部43の上部に集熱管2と平行配置した熱回収管5の外周面を両側から保持及び接続する形態である。
熱回収管5は、上述したように伝熱部4の接続部43によって集熱管2の上部側に平行配置している。熱回収管5は、銅材から集熱管4より若干小径に設定されて形成している。なお、熱回収管5は、後述するように直接的に太陽光の熱エネルギーを吸収しないため、集熱管2と異なり熱吸収被膜等の形成を省略している。
また、熱回収管5は、上述のように集熱管2と連通して熱媒体bを流通させているが、熱媒体bはその供給施設から、まずはこの熱回収管5を流通した後に集熱管2へと向かう経路を辿る構成を採っている。
ケース6は、集光ダクト3のスリット31の開口部を除く全体を、所定断熱材61を介して覆いつつ外観上、直方体を呈するように保形している。ケース6の材質としてアルミ板材を採用し、この板材の複数を組み合わせて直方体を形成している。また、上記の断熱材61は石膏より熱伝導率が低い(保温性が高い)グラスウールを採用している。
なお、集光ダクト周囲の断熱材41と伝熱部周囲の断熱材61は、熱伝導率が集光ダクト周囲側の方が高ければ、上記構成に限定するものではない。例えば、集光ダクト周囲側が繊維系のグラスウールであれば、伝熱部周囲は樹脂形の硬質ウレタンフォームを採用するようにしても良い。
また、ケース6の外装表面には、集熱管2と同様に熱吸収効率を高めるために熱吸収被膜62を形成している。この熱吸収被膜62は、集熱管2と同様に無電解ニッケルメッキ処理、または黒色塗料の塗布により形成している。
上記構成の本装置1は、以下の様に作用し太陽光を集光して熱交換し、その熱エネルギーの集熱を実施している。
まず、本装置1を既存の太陽光集光機構7(以下、「集光機構」と略称して用いる。)に設置する。集光機構7としては、本装置1の配置位置に太陽光を集光する反射面71を備えたものである。本実施例では、太陽光を2方向に振り分けて集光可能な集光機構7(特許第4247301号で開示の太陽光集光装置)に配置した例を図示して説明する。
まず、本装置1の集熱管2に熱媒体bを流通させる。熱媒体bは上述したように先ず、熱回収管5を通過して集熱管2に送られている。
次に、太陽光が集光機構7に入光すると(矢印s)、当該集光機構7の反射面71により振り分けられ、太陽光が本装置1の集光ダクト3に入射することになる(矢印s)。入射した太陽光はスリット31の延設部31aを介して内部反射を繰り返しつつ集熱管2に集光する。集光した太陽光の熱エネルギーは集熱管2の熱媒体を加熱し、別言すれば、外側の熱と熱交換が実施されることとなる。そして、加熱された熱媒体bは所定の利用施設に供給されることになる。
ここで、集熱管2からの輻射熱は集光ダクト3での反射によって集熱管2へ戻ったり、又は伝熱部4の断熱材41によって多くが遮断されたりするが、この断熱材41が予め熱伝導率の高い石膏であるために輻射熱の一部が外部に向かって漏れ出すことになる。この漏れだした輻射熱は伝熱部4に伝熱し、その後に伝熱部4の保形部42及び接続部43を介して熱回収管5へと伝熱する。
上記伝熱により熱回収管5での輻射熱の熱回収が実施されることになる。この熱回収は、熱回収管5の熱媒体bとケース内部の熱との熱交換の実施に相当する。なお、熱回収管5からの輻射熱は、その周囲の熱伝導率が低いグラスウール性の断熱材61、及びこれを保形するケース6によってほぼ遮断されることになる。
本装置1は、集光ダクト内に入射した太陽光を集熱管2において集光して熱エネルギーに変換するだけでなく、その変換後の輻射熱を熱回収管5で回収するため、熱回収管5において所謂予熱(予備的な加熱)も可能となっている。つまり、本装置1は上記構成によって、太陽光の熱エネルギーの利用効率が高くなっている。
1 本装置
2 集熱管
21 熱吸収被膜
3 集光ダクト
31 スリット
31a 延設部
4 伝熱部
41 断熱材
42 保形部
43 接続部
5 熱回収管
6 ケース
61 断熱材
62 熱吸収被膜
7 集光機構
71 反射面
b 熱媒体
s 太陽光
すなわち、外側の熱と熱交換する熱媒体を流通させた集熱管と、該集熱管の軸に沿って外周側に所定の空域をもって覆うように配設すると共に、内面に光反射手段と前記集熱管の軸に沿った入光用のスリット形成した集光ダクトと該集光ダクトのスリットを除く外周側を第1断熱材で覆うと共に、該第1断熱材を熱伝導材で覆って保形して成る伝熱部と、該伝熱部で保持すると共に、伝熱部の熱と熱交換する熱媒体を流通させた熱回収管と、該熱回収管及び上記伝熱部の外側には集光ダクトのスリットを除く略全体を覆うように配設したケースと、から成ることを特徴としている。
かかる構成の太陽熱集熱装置は、集光ダクトのスリットの太陽光入射側に太陽光を反射させたり又は遮る物が透過材を含めて何も配置しない構成である。また、スリットから入射した太陽光を集光ダクト内部で複数回に渡って反射させつつ集熱管に集光する。加えて、集熱管からの輻射熱の一部も集光ダクト内で再度反射させて回収する。この集光により集熱管の熱媒体を昇温する。一方、熱回収管は集光ダクトの外側に配設しているため、熱回収管の熱媒体は、集熱管から伝熱部を介して伝熱する輻射熱によって昇温する
ここで、第1断熱材を伝熱部の熱伝導材で覆って保形するとは、集光ダクトを覆ったスリットを除く第1断熱材の全体を熱伝導材である金属の板材等で覆って伝熱部を構成する状態を意味する。また、熱回収管を伝熱部で保持するとは、熱回収管の外周面を伝熱部に接続状態で保持することを意味する。この伝熱部は熱伝導効率が良い金属、例えば、アルミ材や銅材で形成することが好適である。
熱回収管は、集熱管と連通させたことを特徴としている。この構成を採用した場合、熱媒体は先に熱回収管を通過した後に集熱管に流通させる構成とする。この場合、集熱管の輻射熱の一部が伝熱部を伝熱して熱回収管に到達し、この熱が熱回収管の熱媒体を昇温する、別言すれば、上記輻射熱の集熱回収を行い、熱媒体の所謂予熱を行っている。
また、ケース内において、上記伝熱部及び熱回収管の外周側を覆う第2断熱材を配設している。つまり、太陽熱集熱装置は、ケース内部に集光ダクトを覆う第1断熱材と、伝熱部と熱回収管を覆う第2断熱材と有する態様となる。
さらに、集光ダクト周囲の第1断熱材は、伝熱部と熱回収管の周囲の第2断熱材よりも熱伝導効率が高いものとしても良い。例えば、集光ダクト周囲の断熱材としては石膏断熱材を採用し、伝熱材周囲の断熱材としてはグラスウールやロックウール断熱材としても良い
また、集熱管、集光ダクト、伝熱部、熱回収管全体を、第2断熱材を介してケースに収納すると共に、集熱管の外表面には熱吸収被膜を形成しているため、輻射熱の放射抑制に加えて装置全体における蓄熱作用も期待できる。
図1は本装置の外観を示す一部切り欠き斜視図であり、図2は本装置の縦断面図であり、図3及び図4は本装置を既存の太陽光集光機構に配置した状態を示す斜視図及び断面図である。なお、便宜上、図面の記載に基づいた上下方向を設定し、以下の説明に用いる。
集光ダクト3の外周側には、集光ダクト3の全体を覆うように伝熱部4を配置している。この伝熱部4は、集光ダクト3のスリット31の部分を除いた外周側のほぼ全てを覆う第1断熱材41と、この第1断熱材41のさらに外周側を覆いつつ保形するアルミ材から成る保形部42と、保形部42の上部側と接続して熱回収管5を保持するアルミ材から成る接続部43と、から構成している。
上記集光ダクト3を覆う第1断熱材41としては、石膏を採用している。石膏を採用した理由は、比較的低額となるコストの問題だけでなく、集熱管2からの輻射熱の断熱作用を得るためである。一方で石膏によって断熱しきれずに漏れた輻射熱の一部は、保形部42及び接続部43を介して熱回収管5に伝達する。
保形部42は、上記のように石膏性の第1断熱材41を介して集光ダクト3を覆っているため、集光ダクト3より一回り大きな下向きの樋状を呈している。接続部43は、2本の帯状の板体を上記保形部42の上部斜め位置の長手方向の左右に配置し、接続部43の上部に集熱管2と平行配置した熱回収管5の外周面を両側から保持及び接続する形態である。
ケース6は、集光ダクト3のスリット31の開口部を除く全体を、所定の第2断熱材61を介して覆いつつ外観上、直方体を呈するように保形している。ケース6の材質としてアルミ板材を採用し、この板材の複数を組み合わせて直方体を形成している。また、上記の第2断熱材61は石膏より熱伝導率が低い(保温性が高い)グラスウールを採用している。
なお、集光ダクト周囲の第1断熱材41と伝熱部周囲の第2断熱材61は、熱伝導率が集光ダクト周囲側の方が高ければ、上記構成に限定するものではない。例えば、集光ダクト周囲側が繊維系のグラスウールであれば、伝熱部周囲は樹脂形の硬質ウレタンフォームを採用するようにしても良い。
ここで、集熱管2からの輻射熱は集光ダクト3での反射によって集熱管2へ戻ったり、又は伝熱部4の断熱材41によって多くが遮断されたりするが、断熱しきれなかった輻射熱の一部外部に向かって漏れ出し、放射されることになる。この漏れだした輻射熱は伝熱部4に伝熱し、その後に伝熱部4の保形部42及び接続部43を介して熱回収管5へと伝熱する。
1 本装置
2 集熱管
21 熱吸収被膜
3 集光ダクト
31 スリット
31a 延設部
4 伝熱部
41 第1断熱材
42 保形部
43 接続部
5 熱回収管
6 ケース
61 第2断熱材
62 熱吸収被膜
7 集光機構
71 反射面
b 熱媒体
s 太陽光

Claims (6)

  1. 外側の熱と熱交換する熱媒体を流通させた集熱管と、
    該集熱管の軸に沿って外周側に所定の空域をもって覆うように配設した断熱性の集光ダクトと、
    該集光ダクトはその内面に光反射手段と前記集熱管の軸に沿った入光用のスリットとが形成されており、
    かつ前記集光ダクトの外側には前記スリットを除く略全体を覆うように配設したケースと、該ケース内に配置して内部の熱と熱交換する熱媒体を流通させた熱回収管と、
    から成ることを特徴とする太陽熱集熱装置。
  2. 熱回収管は、集熱管と連通させたことを特徴とする請求項1記載の太陽熱集熱装置。
  3. 集光ダクトのスリットを除く外周側を断熱材で覆うと共に、該断熱材を熱伝導材から成る伝熱部で覆って保形し、かつ、該伝熱部と熱回収管の外周面とを接続させたことを特徴とする請求項1、又は2記載の太陽熱集熱装置。
  4. ケース内において、上記伝熱部及び熱回収管の外周囲を覆う断熱材を配設したことを特徴とする請求項3記載の太陽熱集熱装置。
  5. 集光ダクトの外周囲の断熱材は、ケースにより保持される断熱材よりも熱伝導率が高いことを特徴とする請求項4記載の太陽熱集熱装置。
  6. 上記集熱管の外側表面に熱吸収被膜を形成したことを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載の太陽熱集熱装置。
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