JP2008133991A - 太陽熱集熱器 - Google Patents

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Abstract

【課題】集熱器の輻射と対流による放熱を低減して、住宅の屋根材として設置できるようにして、太陽熱を利用した熱媒体の加熱のために必要な熱量を効率良く回収することを目的とする。
【解決手段】反射鏡1の端部は屈曲させて集熱部3を間隙を介して内包して構成したことにより、高温となった集熱部3から外部へ放射する輻射熱を防止でき、また、集熱部3から周囲の気体に放熱した熱は、高温状態で密閉てきるので、効率良く熱媒体7を加熱し、太陽熱集熱器の効率を向上でき、コンパクト化や簡素化を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、太陽熱を利用したコージェネレーションシステムに搭載される太陽熱集熱器に関するものである。
図5は従来のこの種の太陽熱集熱器を示し、断面を複合放物面(CPC)とした桶型の細長い反射鏡101の少し上方に二次元状に存在する焦点に集熱管102を配置したものとなっている。
そして、この集光反射鏡101と集熱管102からなる集熱部103を複数個並べて、それぞれの集熱管102を熱媒体配管104で接続し、熱媒体入口105から熱媒体出口106までを1つにつないだ管路を形成している。
また、集光反射鏡101の開口側を光透過体107で、その他の部分をケーシング108で囲う構成としている。
太陽熱のほとんどを透過する熱透過体107とケーシング108により囲われる空間は密閉されており、集熱器外部の空気が集熱管102と接することがないようになっている。
太陽熱は、熱透過体107を通り抜けて反射鏡101で反射され、その焦点に配置された集熱管102に集められる。
集められた太陽熱は集熱管102の表面において吸収される。熱媒体は熱媒体入口105からすべての集熱管102の内部を順に通って、熱媒体出口106へと流れていき、その過程で集熱管102によって加熱される。
この時、集熱管102は高温となっているため、その周囲にある気体へ熱が放熱されるが、熱透過体1017とケーシング08によって内部を密閉することで対流による外部への放熱を抑制している。また、熱透過体107によって太陽熱のほとんどを透過しながら、高温となった集熱管2から放射される赤外波長のほとんどを外部へと透過させないことによって外部への熱放射を抑制している。
このようにして変換された熱の外部への放熱ロスを抑制することで効率の良い太陽熱集熱器としている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−228271号公報
しかしながら、前記従来技術では、太陽熱を反射鏡にて集熱管に集めて熱媒体を流しながら加熱をおこなう。このため、集熱管やその内部の熱媒体の温度上昇に伴い、その周辺の空気などの温度も集熱部の温度上昇につれて高温となっていく。断熱材を含んだケーシングや熱透過体による密閉構造などにより、断熱構造としているものの、内部の集熱管や熱媒体の温度が高いと外部との温度差が大きくなるので、集熱部から外部への放熱量は増加し、太陽熱集熱器としての効率が悪くなるという課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、効率のよい太陽熱集熱器を提供すること
を目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の太陽熱集熱器は、反射鏡の端部を180°以上屈曲させて集熱部を間隙を介してこの屈曲空間に内包したもので、集熱部は外部に直接面する部分がなくなり、遮熱できるため、集熱部から外部へ放射する輻射熱を防止でき、太陽熱集熱器の効率を向上するものである。
本発明の太陽熱集熱器は、反射鏡の端部は180°以上屈曲させて集熱部を間隙を介して内包して構成したことにより、高温となった集熱部から外部へ放射する輻射熱を防止でき、また、集熱部から周囲の気体に放熱した熱は、高温状態で密閉てきるので、高温部からの放熱損失を低減し、効率良く熱媒体を加熱するともに、出口温度を上昇させ、太陽熱集熱器の効率を向上できる。
第1の発明は、太陽光を集光する反射鏡と、熱媒体を流す熱媒体配管を設けた集熱部とを具備し、前記反射鏡の端部は180°以上屈曲させて前記集熱部を間隙を介して内包して構成したことにより、集熱部は外部に直接面する部分がなく遮熱できるため、集熱部から外部へ放射する輻射熱を防止でき、かつ、集熱部から周囲の気体に放熱した熱を密閉てきるので、太陽熱集熱器の効率を向上するものである。
すなわち、太陽熱は反射鏡により一回または複数回反射して集熱部に達し、熱媒体配管の熱媒体を加熱してその温度を上昇させる。
このため、高温となった集熱部からは、輻射と対流による放熱が発生するが、反射鏡により集熱部を内包して構成しているため、集熱部から放射する赤外線は必ず反射鏡に衝突し、その大半は再び集熱部と反射鏡に当って減衰し、赤外線が外部に放射するのを防止できる。
そのため、集熱部から外部へ放射する輻射熱を防止でき、また、反射鏡により集熱部を間隙を介して内包して構成たことにより、高温の集熱部からの対流放熱により加熱された集熱部の周囲の気体は外部と接することなく反射鏡の屈曲部に滞留する。
したがって、集熱部の周りだけが高温状態で密閉できるので、高温部からの放熱損失が低減し、熱媒体の出口温度を上昇させることが可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明の反射鏡の屈曲した部分に断熱材を設けた構成としたことにより、太陽光を反射鏡により集熱部に吸収して熱エネルギーに変換して熱媒体の温度を上昇した時、高温の集熱部からの対流放熱により加熱された集熱部の周囲の気体は高温となる。
反射鏡の屈曲した部分に断熱材を設けたことにより、前記集熱部の周囲の高温となった気体から反射鏡を伝熱して外部に放熱するのを防止して、放熱損失がさらに低減する。
このため、外部への放熱を防止でき効率良く熱媒体を加熱するともに、集熱部の放熱が少ないことは熱媒体の温度を高くしても高効率に保てることが可能となる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の反射鏡の太陽光の当る面の反対側は断熱材を設け、反射鏡の屈曲した部分は第2の反射鏡で断熱材を覆ったことにより、集光面積
を大きくして、受熱量を増加できる。
すなわち、断熱材に当る太陽光を第2の反射鏡で反射させ、集熱部に導くことが可能となり、太陽光が当る集光面積は第2の反射鏡の面積だけ増加するため、集光熱量が増加し、この分、太陽熱集熱器のコンパクト化や簡素化を可能とできる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の複数の反射鏡を設けると共に、集熱部は、内部に熱媒体を流通させるために一体の集熱管を複数個の反射鏡内に連通させて配置したことにより、熱媒体がそれぞれの反射鏡を通過しながら集中する太陽熱で加熱されので、熱媒体の温度を高温に維持しながら所定の熱量を得ることができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の集熱部は、表面に赤外線を吸収する選択吸収膜を装着したことにより、集熱部からの赤外線放射を防止して集熱部の温度を高温に維持して、熱媒体にその熱を効率良く伝えることができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明は、外装内部に熱伝導率の小さいガスを注入し、密封したことにより、外装内における空気の対流熱伝達による放熱を大幅に小さくして、外装からの放熱を低減させ集熱効率を向上することができる。
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか1つの発明の集熱器を太陽熱ランキンシステムに搭載して、発電と給湯・暖房などのコージェネレーションのシステムをを実現することができる。
(実施の形態1)
図1において、1は太陽熱を集熱する反射鏡で、太陽熱を集束させるために放物面をベースにインボリュート状に形成するとともに、端部は180°以上螺旋状に屈曲させて樋型に構成している。
この樋型の反射鏡1を方位方向(東西方向)に伸ばして一つの反射鏡ユニットを構成している。
反射鏡1の反射面2は、太陽熱の反射率を向上させるために鏡面に仕上げている。この鏡面仕上げは、反射鏡1を構成する材料により、めっき、蒸着、研磨、塗装等の方法がある。
反射鏡1の加工は、耐熱の樹脂(例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂等)を成型したもの、ステンレスをプレス加工したもの、或いはアルミダイカスト成型等の方法がある。
また、アルミの鏡面仕上げ板を折り曲げる方法もある。例えば、反射鏡1を耐熱樹脂で成型した時は、鏡面をアルミめっき(蒸着)や塗装で仕上げて反射面2を形成する。特に、鏡面をアルミめっきする時は、ポリイミド樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂またはポリステル樹脂、ポリアミド樹脂等を使用する。
ステンレスをプレス加工したときは、アルミ電解研磨やバフ研磨等で鏡面を形成することもある。
アルミダイカストの成型でもめっき等により鏡面仕上げを行い、アルミダイカスト材料の研磨後の酸化皮膜による反射率の低下を防止することもある。
3は集熱部で、管(銅管やステンレス管や黄銅管やアルミ管等)で構成し、東西方向に伸ばして構成した樋型の反射鏡1の屈曲部に間隙を介して内包してある。
放物面の反射鏡1は、入ってくる太陽熱を反射面2で屈曲させながら集熱部3の表面に焦点を結ぶ様に形状を構成している。
反射鏡1の屈曲した部分の外周には断熱材4を設け、第2の反射鏡5でその断熱材4の外側を覆った構成である。
断熱材4は、樹脂あるいは無機材料、真空断熱構成等により熱伝道の低い材料を用い、反射鏡1あるいは第2の反射鏡5に接着あるいは挟み込みにより取り付ける。
外から入ってくる太陽熱は、反射鏡1の反射面2と第2の反射鏡5の反射面6で屈曲させながら集熱部3の表面に焦点を結ぶ様にしている。
7は、集熱部3の内部に供給される熱媒体で、代替フロン(HFC:Hydrogenerated Fluoro Carbon)の134Aや二酸化炭素(CO2)、あるいはアルコール類を使用している。
この熱媒体7の流通が抵抗にならない程度に集熱部3の管外径を小さく構成して、太陽光が集熱部3に多く集中できるようにしている。管外径が小さいほど集熱比(太陽熱の入射面積で焦点面積を除したもの、樋型では、反射鏡の開口幅で焦点の管外径を除した値)が高くなり、集熱部3を高温にできる。
集熱部3の表面には、選択吸収膜を形成している。この選択吸収膜は、集熱部3の表面に黒色の黒クロムまたは無電解ニッケルのめっき処理を行うようにしている。めっきの替わりにマンガン系の黒色塗料を塗布することもある。
8は、反射鏡1と集熱部3を収納した外装で、上部に太陽熱が透過する透過体9を設けて箱状に構成しており、腐食の少ないステンレスや耐候性のある樹脂材料(例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等)からなる。
反射鏡1や集熱部3の周囲を覆う外装断熱材10は、外装8の内壁に沿って充填している。この外装断熱材10を耐熱性のロックウール、グラスウール等で構成するとともに、表面を硬化させて、それだけで外装8とすることも考えられ、この場合には、内面に補強材を入れておくことが望ましい。
透過体9は、内部に雨やホコリが侵入するのを防止するものであるが、太陽熱を通過させるために透過率の大きな透明ガラス等を使用する(このような透明ガラスの日射透過率は、約90%である)。
透過体9に向かって反射鏡1と第2の反射鏡5を傾斜させて、上方に広がるように構成して、太陽の高度に合わせて反射鏡1で太陽熱を多く受けられるようにしている。
11は、熱媒体13の循環ポンプ、12は、熱媒体7が流れる回路、13は、熱媒体7からの高温の熱を蓄える蓄熱槽である。
以上のように構成された集熱器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、循環ポンプ11を作動し、熱媒体7を回路12内に循環させ、集熱部3に送る。
集熱部3では、太陽光が反射鏡1及び第2の反射鏡5の反射面2,6に当たる。太陽熱は、高度と方位の変化によって反射面2,6に斜め方向からも当たって繰り返し反射されて集熱部3に集中し、集熱部3の温度を上昇させる。
集熱部3の表面に装着した選択吸収膜により、太陽熱の約90%が吸収され、したがって、熱媒体7を送ると、高温の液体または蒸気(または液体や蒸気と液体が混ざったもの等)を生成して蓄熱槽13に送られる。
蓄熱槽13では、この液体または蒸気を受けて200℃程度の熱量を蓄積するようにしている。
熱媒体7の液体または蒸気は、蓄熱槽13で凝縮して液体となり、循環ポンプ11により再度、集熱部3に送られ、加熱されるようにしている。この動作を太陽熱の供給が可能な間、繰り返すことにより、必要な熱量を蓄熱槽13に維持するようにしている。
ところで、反射鏡1の端部は180°以上屈曲させて集熱部3を間隙を介して内包していることにより、集熱部3は外部に直接面する部分がなく遮断できる。
このため、集熱部3から外部へ放射する輻射熱を防止でき、かつ、集熱部3から周囲の気体に放熱した熱を密閉てきるので、太陽熱集熱器の効率を向上する。
すなわち、太陽熱は反射鏡1と第2の反射鏡11の反射面2,6により一回または複数回反射して集熱部3に達し、熱媒体7の温度を上昇させる。このため、高温となった集熱部3からは、輻射と対流による放熱が発生するが、反射鏡1により集熱部3を内包しているところからそれらの熱は必ず反射鏡1に衝突し、その大半は再び集熱部3に当って、外部に放射するのを防止できる。
そのため、集熱部3から外部へ放射する輻射熱を防止でき、また、反射鏡1により集熱部3を間隙を介して内包して構成たことにより、高温の集熱部3からの対流放熱により加熱された周囲の気体は、外部と接することなく反射鏡1の屈曲部に滞留する。その結果、集熱部3の周りが高温状態で密閉できるので、高温部からの放熱損失が低減する。
このように、外部への放熱を防止でき、効率良く熱媒体7を加熱するともに、集熱部3の放熱が少ないことは熱媒体7の温度を高くしても高効率に保てるから、熱媒体の出口温度を上昇させることが可能となる。よって、向上した効率性能を利用して太陽熱集熱器のコンパクト化や簡素化を可能とできる。
また、反射鏡1の屈曲した部分に断熱材4を設けたことにより、太陽熱を反射鏡1により集熱部3に集熱して熱媒体7の温度を上昇した時、高温の集熱部3からの対流放熱により周囲の気体は高温となる。反射鏡1の屈曲した部分に断熱材4を設けたことにより、集熱部3の周囲の高温となった気体から反射鏡1に伝熱して外部へと放熱するのを防止して、放熱損失がさらに低減する。
このため、外部への放熱を防止でき効率良く熱媒体を加熱するともに、集熱部3の放熱が少ないことは熱媒体7の温度をさらに高くしても高効率に保てることが可能となる。
また、反射鏡1の太陽熱の当る面の反対側は断熱材4を設け、反射鏡1の屈曲した部分には第2の反射鏡5で断熱材4を覆ったことにより、集光面積を大きくして、受熱量を増加できる。
すなわち、断熱材4に当る太陽熱を第2の反射鏡5で反射させ、集熱部3に導くことが可能となり、太陽光が当る集光面積は第2の反射鏡5の投影面積だけ増加する。このため、集光熱量がこの面積に相当するだけ増加し、この分、太陽熱集熱器のコンパクト化や簡素化を可能とでき、構成部品や制御の簡略化によりコストダウンを図ることができる。
なお、本実施の形態では反射鏡1、集熱部3が1個だけであるが、複数の反射鏡1を設けると共に、集熱部3は、内部に熱媒体7を流通させるために一体の集熱管を複数個の反射鏡内に連通させて配置したことにより、熱媒体7がそれぞれの反射鏡1を通過しながら集中する太陽熱で加熱され、熱媒体の温度を高温に維持しながら所定の熱量を得ることができる。
また、集熱部3は、表面に選択透過性能を有する耐熱性、耐候性の優れた樹脂材料(例えば、ポリカーボネート等)で構成した赤外線を吸収する選択吸収膜を装着したことにより、集熱部3からの赤外線放射を防止してその温度を高温に維持し、熱媒体7にその熱を効率良く伝えることができ、軽量化と低コスト化を行うことができる。
さらに、外装8は、透過体9で封口して内部に熱伝導率の小さいガス(例えば、クリプトンガス)を注入し、密封してあるので、外装8内における空気の対流熱伝達による放熱を大幅に小さくして、集熱効率を向上することができる。
そして、外装8は、反射鏡1が開口された側に透過体9を装着したことにより、内部に雨水やホコリが堆積せず、長期間にわたって集熱効率を良好に維持することができる。併せて、高温の集熱部3を覆い安全性を高め、各部位の劣化を防止して、長期間の使用に耐えるようにしている。
(実施の形態2)
図2は太陽熱ランキンシステムに使用したもので、14は、太陽熱を受けて回収する集熱器で、この集熱器14の熱を蓄熱槽15に伝えるために、循環ポンプ16を途中に設けた回路17(閉回路)を設けている。
回路17内を循環する熱媒体7は、フロンや水のような液体で構成している(熱媒体7は、超臨界状態のCO2や液体空気を用いる場合もある)。
熱媒体7は、集熱器14で加熱されて蒸気になり蓄熱槽15に送られ、そこで熱交換することで凝縮し液体となる。この熱媒体7を循環ポンプ16で再度集熱器14に送るようにしている。この動作を繰り返すことで、蓄熱槽15に熱を貯めるようにしている。
蓄熱槽15は、融点の高い溶融塩の相変化を利用した潜熱型や溶融塩や油等を用いた顕熱型や蒸気を圧力水の形で蓄える蒸気アキュムレイタ等を用いることで100℃以上の高温の熱を貯めるようにしている。
18は、蓄熱槽15の熱を熱源とする熱媒体19の蒸気を蒸気タービン20に供給する供給ポンプで、この蒸気タービン20から排出された熱媒体19を再度蓄熱槽15に送る回路21(閉回路)の途中に設けている。
この回路21内を循環する熱媒体19は、フロンや水のような液体とその蒸気で構成している(熱媒体19は、超臨界状態のCO2や液体空気を用いる場合もある)。
また、回路21の蒸気タービン20と供給ポンプ18の途中に貯湯タンク22を設けて、蒸気タービン20に運動エネルギを与えた後の高温蒸気の熱を利用して、貯湯タンク2
2の湯水を加熱するようにしている。
熱媒体19は、この貯湯タンク22の湯水に熱を伝えるときに凝縮して液体となり、再度蓄熱槽15に送られて加熱されて気化されるようにしている。この動作を繰り返すことで、蒸気タービン20に設けた発電機23により発電しながら貯湯タンク22にお湯を貯めるようにしている。貯湯タンク22に貯められたお湯は、給水ポンプ24により給湯用や暖房用に供給されるようにしている。
このように、集熱器14で回収した熱を利用して蒸気タービン203を回転させる太陽熱ランキンシステムを構成し、給湯や暖房を行うための回路を組み合わせてコージェネレーションシステムを構成するようにいている。
以上のように構成された太陽熱ランキンシステムを搭載したコージェネレーションシステムについて、以下その動作、作用を説明する。
まず、蒸気タービン20に供給する熱媒体19の蒸気を形成するためには、循環ポンプ16を作動し、熱媒体7を回路17内に循環させ、太陽の熱を受けた集熱器14で加熱し、高温の蒸気(または液体や蒸気と液体が混ざったもの等)を形成して蓄熱槽15に送る。蓄熱槽15では、この蒸気を受けて200℃程度の熱量を蓄積するようにしている。
熱媒体7の蒸気は、蓄熱槽15で凝縮して液体となり、循環ポンプ16により再度、集熱器14に送られ、加熱されるようにしている。
この動作を太陽熱の供給が可能な間、繰り返すことにより、必要な熱量を蓄熱槽15に維持する。
蓄熱槽15に所定の熱量が蓄積されると、回路21に設けた供給ポンプ18で熱媒体19を循環させ、蓄熱槽15で200℃程度の熱媒体19の蒸気を形成し、蒸気タービン20に供給して回転させ、これと連動して発電機23を回転させて、発電を行うようにしている。
蒸気タービン20から排出した熱媒体19の蒸気は、貯湯タンク22に送られ、水と熱交換を行い、その熱は貯湯タンク22内にお湯として貯められる。
熱媒体19の蒸気は、貯湯タンク22内で凝縮し、液体となって供給ポンプ18により蓄熱槽15に送られ、再度加熱され蒸気を形成するようにしている。
この動作を繰り返すことにより、蒸気タービン20で発電しながら貯湯タンク22にお湯を貯め、給湯や暖房の必要なときに給水ポンプ24を作動し、お湯を使用することでコージェネレーションシステムを構成するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、太陽熱を集熱する反射鏡1と、熱媒体を流す熱媒体配管を設けた集熱部3とを具備し、反射鏡1の端部は180°以上屈曲させて集熱部3を間隙を介して内包して構成したので、集熱部3から外部へ放射する輻射熱を防止でき、また、集熱部3の周りだけが高温状態で密閉てきるので、外部への放熱を防止でき、熱媒体7の温度を高くしても高効率に保てるから、熱媒体7の出口温度を上昇させることが可能となり、熱媒体77,19の流量を少なくでき、循環ポンプ16、供給ポンプ18の消費電力を低減できると共に、蓄熱槽15と貯湯タンク22の蓄熱量が増加できる。
また、太陽熱は反射鏡1で複数回反射させる様にできるため、反射鏡1の背の高さを低
くする構成が可能となり、外装8の高さ方向も低くなり薄く構成でき、屋根材として設置が容易になるコージェネレーションシステムを提供することができる。そして、独立した集熱用の回路17を構成して、集熱器14で得られた太陽熱を蒸気タービン20の動作に関係なく、常時蓄熱槽15に蓄えて維持できるので、発電の必要なときに蒸気タービン20で必要な熱媒体19の蒸気を随時取り出すことができる。
また、集熱器14で得られた太陽熱を蒸気タービン20の動作に関係なく、常時蓄熱槽15に蓄えて維持できるので、1年間の日射が強い時(例えば、夏至の頃)の集熱温度の上昇時に発電をしないかまたは発電を小さく抑えた時に、熱媒体7の蒸気の持つ過剰な熱量を蓄熱槽15で吸収するので、集熱器14の異常な温度上昇を防止することができる。
そして、回路21の途中に貯湯タンク22を設けたので、発電に関係なく蓄熱槽15の熱をお湯として貯湯タンク22に貯めることが可能なので、給湯や暖房に必要なお湯を随時取り出せることができる。
さらに、太陽熱を利用して熱媒体19の蒸気を形成し、蒸気タービン20を回転させて発電するので、発電と給湯・暖房のコージェネレーションシステムを実現することで、太陽熱という自然エネルギを活用し省エネ促進とCO2削減の有効な手段を得ることができる。
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3を示し、集熱器14で形成した熱媒体7の蒸気を循環ポンプ16より回路17(閉回路)で直接蒸気タービン20に送り、蒸気タービン20を回転させて発電機23により発電を行い、また、回路17の蒸気タービン20と循環ポンプ16の途中に貯湯タンク22を設けて、蒸気タービン20に運動エネルギを与えた後の高温蒸気の熱を利用して、貯湯タンク22に湯を貯めるようにしている。
以上のように構成された熱交換器について、以下その動作、作用を説明する。
熱媒体7は、この貯湯タンク22に熱を伝えるときに凝縮して液体となり、再度集熱器14に送られて加熱され蒸気を形成するようにしている。この動作を繰り返すことで、蒸気タービン20に設けた発電機23により発電しながら貯湯タンク22にお湯を貯めるようにしている。
貯湯タンク22に貯められたお湯は、給水ポンプ24により給湯用に供給されるようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、コージェネレーションシステムを簡素化するので、システムの低コスト化を図ることができる。また、集熱器14で得られた太陽熱を蒸気タービン20の動作に関係なく、常時貯湯タンク22にお湯として蓄えるので、1年間の日射が強い時(例えば、夏至の頃)の集熱温度の上昇時に発電をしないかまたは発電を小さく抑えた時に、熱媒体7の蒸気の持つ過剰な熱量を貯湯タンク22で吸収するので、集熱器14の異常な温度上昇を防止することができる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4を示し、集熱器14で形成した熱媒体7の蒸気を循環ポンプ16より回路17(閉回路)で直接蒸気タービン20に送り、蒸気タービン20を回転させて発電機23により発電だけを行うようにしている。発電した電気は、バッテリー25に充電するようにしている。バッテリー25は、鉛電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、キャパシタ等で構成している。
以上のように構成された熱交換器について、以下その動作、作用を説明する。
熱媒体7の蒸気は、蒸気タービン20に運動エネルギを伝えた後に凝縮して液体となり、再度集熱器14に送られて加熱され蒸気を形成するようにしている。この動作を繰り返すことで、蒸気タービン20に設けた発電機23により発電を行うようにしている。
発電機23により発電した電気は、バッテリー250に充電し、天候により集熱器14の集熱温度が変動しても安定した出力が得られるようにしている。このため、集熱器14と循環ポンプ16と蒸気タービン20の簡素化されたシステムを構成するので、設置が容易となり、低コスト化も実現することができる。
また、発電した電気をバッテリー25に蓄えるので、1年間の日射が強い時(例えば、夏至の頃)に発電量が増加しても、バッテリー25で吸収し、集熱器14と蒸気タービン20の運転を持続させて使い勝手を向上することができる。
以上のように、本発明にかかる集熱器は、外装からの放熱を防止し、エネルギ密度の低い太陽光から熱を回収して効率よい熱交換を行って熱媒体を加熱できるので、住宅の給湯や発電のための加熱装置に適用することができる。
本発明の実施の形態1における太陽熱集熱器の部分断面の構成図 本発明の実施の形態2における太陽熱ランキンシステムを搭載したコージェネレーションシステムの構成図 本発明の実施の形態3における他の太陽熱ランキンシステムを搭載したコージェネレーションシステムの構成図 本発明の実施の形態4における他の太陽熱ランキンシステムの構成図 従来例における太陽熱集熱器の斜視図
符号の説明
1 反射鏡
3 集熱部
7 熱媒体
8 外装
9 透過体

Claims (7)

  1. 太陽熱を集熱する反射鏡と、熱媒体を流す熱媒体配管を設けた集熱部とを具備し、前記反射鏡の端部を180°以上屈曲させて前記集熱部を間隙を介して内包した太陽熱集熱器。
  2. 反射鏡の屈曲した部分に断熱材を設けた請求項1記載の太陽熱集熱器。
  3. 反射鏡の太陽光の当る面の反対側は断熱材を設け、反射鏡の屈曲した部分は第2の反射鏡で断熱材を覆った請求項1または2記載の太陽熱集熱器。
  4. 複数の反射鏡を設けると共に、集熱部は、内部に熱媒体を流通させるために一体の集熱管を複数個の反射鏡内に連通させて配置した請求項1〜3いずれか1項記載の太陽熱集熱器。
  5. 集熱部は、表面に赤外線を吸収する選択吸収膜を装着した請求項1〜4いずれか1項記載の太陽熱集熱器。
  6. 熱伝導率の小さいガスを注入した外装に反射鏡および集熱部を密封した請求項1〜5いずれか1項記載の太陽熱集熱器。
  7. 請求項1〜6いずれか1項記載の太陽熱集熱器を搭載した太陽熱コージェネレーションシステム。
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