JP2008190801A - 集熱器 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射鏡の集点に向かう太陽光を夫々の反射鏡内の集熱管の個数を変化させて、集熱管を徐々に加熱して高い熱効率を維持しながら熱媒体の温度を高温に保つことを目的とする。
【解決手段】集熱器16は、太陽光を集光する複数個の反射鏡1と、その焦点2または焦点2の周囲に設けられた複数個の集熱管5と、前記複数個の反射鏡1に設けた夫々の集熱管5の個数を変化させて設ける集熱部4と、これらの反射鏡1と集熱部4を収納する外装とで構成したものである。集熱管5には反射鏡1の焦点2に向かう太陽光が集光するので、集熱部4を流通する熱媒体6の温度が高温に加熱されるようになる。また、集熱器16入口側の熱媒体6の温度が低い時は、集熱管5の受光面積が大きくなり多量の熱を収集して出口側の熱媒体6の温度が上昇した時は、集熱管5の受光面積を小さくして集光し集熱管5の温度を高温化して熱媒体の温度を高温にするものである。
【選択図】図1
【解決手段】集熱器16は、太陽光を集光する複数個の反射鏡1と、その焦点2または焦点2の周囲に設けられた複数個の集熱管5と、前記複数個の反射鏡1に設けた夫々の集熱管5の個数を変化させて設ける集熱部4と、これらの反射鏡1と集熱部4を収納する外装とで構成したものである。集熱管5には反射鏡1の焦点2に向かう太陽光が集光するので、集熱部4を流通する熱媒体6の温度が高温に加熱されるようになる。また、集熱器16入口側の熱媒体6の温度が低い時は、集熱管5の受光面積が大きくなり多量の熱を収集して出口側の熱媒体6の温度が上昇した時は、集熱管5の受光面積を小さくして集光し集熱管5の温度を高温化して熱媒体の温度を高温にするものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽光を集光して、太陽熱を回収するの集熱器に関するものである。
従来、この種の集熱器は、放射円筒状の反射鏡の焦点と放射円筒状反射鏡面上の中央を通る開口部頂点との間及び焦線上に、放射円筒状反射鏡長手方向に沿って複数本の集熱管を配置し、集熱管列の最上部管が焦線上に位置するように設け、直射日光と散乱光のいずれも集熱するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭55−105147号公報
しかしながら、前記従来技術では、反射鏡の焦点上に配置される集熱管は、複数本の集熱管の一部であるため、反射鏡で集光する直射日光を受ける集熱管以外には、直射日光が当たらず集熱管内を通過する熱媒体の温度を高温にできないという課題があった。
また、散乱光を受けることができても、焦点上のように集光できないので、焦点上で集光した太陽熱を他の集熱管で放熱し、集熱器の集熱効率を向上できないという課題もあった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、反射鏡の焦点の周囲に複数個の集熱管を配置して、常に集点に向かう太陽光を夫々の集熱管で受けるようにして、熱媒体の温度を高温に保つことと、集熱器入口側の熱媒体温度の低い時は、集熱管の個数を増やして受光面積を大きくとり熱媒体の加熱を促進し、出口側の熱媒体温度が上昇した時は、集熱管の個数を減らして受光面積を小さくして熱媒体の温度を高温にして、集熱器の高い熱効率を維持しながら高温の熱媒体を得ることを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の集熱器は、太陽光を集光する複数個の反射鏡と、この反射鏡の焦点または焦点の周囲に設けられ、熱媒体が流通する複数個の集熱管と、前記複数個の反射鏡に設けた夫々の集熱管の個数を変化させて設けた集熱部と、これらの反射鏡と集熱部を収納する外装とで構成したものである。
これよって、複数個の集熱管には、反射鏡の焦点に向かう太陽光が集光し、集熱器入口側の熱媒体温度の低い時は、集熱管の個数を増やして受光面積を大きくとり多量の熱を収集して熱媒体の加熱を促進し、出口側の熱媒体温度が上昇した時は、集熱管の個数を減らし受光面積を小さくして集光し集熱管の温度を高温化して熱媒体を加熱するものである。
本発明の集熱器は、複数個の集熱管に反射鏡の焦点に向かう太陽光を順次受光面積を変化させながら集光するので、集熱部を流通する熱媒体の温度を徐々に高温に加熱することができ、熱媒体の温度がまだ低い時は、熱量を多く確保し熱効率を高めるように作用し、熱媒体の温度が上昇したときは、高温に加熱するので、高い熱効率を維持しながら高温の熱媒体を供給できるものである。
第1の発明は、太陽光を集光する複数個の反射鏡と、この反射鏡の焦点または焦点の周
囲に設けられ、熱媒体が流通する複数個の集熱管と、前記複数個の反射鏡に設けた夫々の集熱管の個数を変化させて設けた集熱部と、これらの反射鏡と集熱部を収納する外装とで構成したもので、複数個の集熱管には反射鏡の焦点に向かう太陽光が集光するので、集熱部を流通する熱媒体の温度が高温に加熱することができる。
囲に設けられ、熱媒体が流通する複数個の集熱管と、前記複数個の反射鏡に設けた夫々の集熱管の個数を変化させて設けた集熱部と、これらの反射鏡と集熱部を収納する外装とで構成したもので、複数個の集熱管には反射鏡の焦点に向かう太陽光が集光するので、集熱部を流通する熱媒体の温度が高温に加熱することができる。
また、集熱器入口側の熱媒体温度の低い時は、集熱管の集熱管の個数を増やして受光面積を大きくとり多量の熱を収集して熱媒体の加熱を促進し、出口側の熱媒体温度が上昇した時は、集熱管の集熱管の個数を減らし受光面積を小さくして集光し集熱管の温度を高温化して熱媒体の温度を高温にするので、集熱部を流通する熱媒体の温度を徐々に高温に加熱することができ、熱媒体を高温に加熱するための熱量を効率良く回収することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、集熱部は、熱媒体の入口側の集熱管から出口側の集熱管に向かって個数を減じるように構成したことにより、集熱器入口側の熱媒体温度の低い時は、集熱管の受光面積を大きくとり多量の熱を収集して熱媒体の加熱を促進し、出口側の熱媒体温度が上昇した時は、集熱管の受光面積を小さくして集光し集熱管の温度を高温化して熱媒体の温度を高温にするので、集熱部を流通する熱媒体の温度を徐々に高温に加熱することができ、熱媒体を高温に加熱するための熱量を効率良く回収することができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、複数個の反射鏡は、その形状を略同一にしたことにより、焦点または焦点の周囲に設ける集熱管の個数を変化させることで、集熱管の受光面積を変えて、集熱部に対する集光比を調節できるので、熱媒体の加熱温度を容易にコントロールすることができる。
第4の発明は、特に、第1または3の発明において、複数個の反射鏡は、略東西方向に焦点の軌跡を形成するように配置したことにより、複数個の反射鏡は、1日の太陽の方位方向の動きに合わせて日射を取り込むので、1日内に長い時間、集熱管を加熱することができる。
第5の発明は、特に、第1または2の発明において、集熱部は、夫々の反射鏡内に設ける集熱管を熱媒体の入口側の集熱管から出口側の集熱管に向かって、順次連通させ一体化したことにより、熱媒体を集熱管の受光面積を変化させて加熱していくので、熱量と温度を確保しながら熱媒体を高温に保つことができる。
第6の発明は、特に、第1,2,5の発明において、集熱部は、集熱部は、熱媒体の出口側の集熱管を単管としたことにより、略同一形状の反射鏡の中で最大の集光比に調節するので、出口側の熱媒体の温度を最高に上昇させ熱媒体の使用温度を確保することができる。
第7の発明は、特に、第1,2,5,6の発明において、集熱部は、集熱部は、夫々の反射鏡内に設ける集熱管の内径を同一に構成したことにより、集熱管内を流通する熱媒体の流速を低下させないので、集熱管から熱媒体への熱伝達性能の低下を防止することができる。
(実施の形態1)
図1、図2において、1は太陽光を集光する反射鏡で、その断面形状は、太陽光を焦点2に集束させるために放物線断面に設定され、全体としては樋型に構成している。
図1、図2において、1は太陽光を集光する反射鏡で、その断面形状は、太陽光を焦点2に集束させるために放物線断面に設定され、全体としては樋型に構成している。
この樋型の反射鏡1は太陽の方位方向、すなわち、東西方向に位置設定されるもので、
太陽の高度方向に向けて南北方向に複数個、並列に配置している。
太陽の高度方向に向けて南北方向に複数個、並列に配置している。
複数個の反射鏡1は同一の放物線断面であり、それらの反射面3は太陽光の反射率を向上させるために、鏡面に仕上げている。
反射面3の鏡面仕上げは、反射鏡1を構成する材料によりめっき、蒸着、研磨、塗装等の方法がある。
反射鏡1の加工は、耐熱の樹脂(例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂等)を成型、ステンレスをプレス加工、アルミダイカスト成型等の方法がある。またアルミの鏡面仕上げ板を折り曲げる方法もある。
例えば、反射鏡1を耐熱樹脂で成型した時は、鏡面をアルミめっき(蒸着)や塗装で仕上げ、反射面3を形成する。特に、鏡面をアルミめっきする時は、ポリイミド樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂またはポリステル樹脂、ポリアミド樹脂等を使用する。
また、ステンレスをプレス加工したときは、アルミ電解研磨やバフ研磨等で鏡面を形成することもある。さらに、アルミダイカストの成型でもめっき等により鏡面仕上げを行い、アルミダイカスト材料の研磨後の酸化皮膜による反射率の低下を防止することもある。
反射鏡1の放物線の焦点2の周囲であって、その焦線に沿って配置されている集熱部4は、複数個の集熱管5(銅管やステンレス管や黄銅管やアルミ管等)で構成され、前記焦点2の周囲に同一距離をおいて配置している。
つまり、反射鏡1の焦点2から均等の距離に複数個の集熱管5を配置して、それら集熱管5に同一の集光状態の太陽光を当て、夫々の集熱管5の温度を均一に上昇させ、内部を流通する熱媒体6を均一に加熱するようにしている。複数個の集熱管5は、夫々の端部が順次連結され、一経路に連通するように構成してある。
これにより、集熱管5内を流通する熱媒体6の流速を低下させないで、集熱管5の集光状態の太陽光を受ける面積を拡大して太陽熱を回収するようにしている。
前記のように、集熱部4は夫々の反射鏡1内に複数個の集熱管5で構成されるが、熱媒体6の入口側7の反射鏡1に設ける集熱管5の個数を出口側8の反射鏡1に設ける集熱管5の個数よりも多く構成するようにしている。
例えば、図1のように入口側7の反射鏡1内の集熱管5を3個、出口側8の集熱管5を1個に構成し、熱媒体6の温度がまだ低い入口側7では、集熱管5の受光面積を拡大してより多くの熱量を獲得するようにし、また熱媒体6の温度が上昇した出口側8では、受光面積を減少させて太陽光を集光し、集熱管5の温度をより上昇させるようにしている。
夫々の反射鏡1内の集熱管5は、反射鏡1外で夫々の端部が順次連結され、一経路に連通するように構成している。
これにより、集熱管5内を流通する熱媒体6を徐々に加熱し、集熱管5の急激な温度上昇による放熱損失を防止しながら集熱効率の低下を軽減し、太陽熱を回収するようにしている。
集熱部4は、例えば、入口側7の反射鏡1に複数個の集熱管5を3個設ける時は、図2のように集熱部4に流入する熱媒体6の入口側9と出口側10を両端に分け、中間11に
位置する集熱管5を春分(秋分)時の南中の太陽に正対するときに反射鏡1の開口部12の頂点の逆(逆正三角形)に配置して、入口側9の集熱管5と出口側10の集熱管5と中間11に位置する集熱管5が均一に集光した太陽光を受光するようにして、集熱管5内を流通する熱媒体6の温度を集熱管5の出口側10まで低下させないで保つようにしている。
位置する集熱管5を春分(秋分)時の南中の太陽に正対するときに反射鏡1の開口部12の頂点の逆(逆正三角形)に配置して、入口側9の集熱管5と出口側10の集熱管5と中間11に位置する集熱管5が均一に集光した太陽光を受光するようにして、集熱管5内を流通する熱媒体6の温度を集熱管5の出口側10まで低下させないで保つようにしている。
反射鏡1は、春分(秋分)時の南中の太陽に正対する位置を基準にすることで、夏至や冬至の時の太陽高度の大きな変化の中で、年間を通して長い期間、日射を受けるようにしている。
集熱管5は、入口側9から中間11に部分と中間11から出口側10に連結する時に集熱管5が潰れないように曲率をもたせて折り返すような構成にしている。この集熱管5の折り返す部分は、反射鏡1の外側に設けるようにしている。この折り返す部分は、別の構成部品(例えば、2重構造の分離した部屋を構成する)で構成することも可能である。
また、複数個の集熱管5を2個設けるときは、図2のように入口側9の集熱管5と出口側10の集熱管5を春分(秋分)時の南中の太陽に正対するときに反射鏡1の開口部10の頂点に対して直角方向に配置して、入口側7の集熱管5と出口側8の集熱管5に反射鏡1により集光した太陽光が同一条件で受光できるようにしている。
また、2個(偶数配置も含む)配置の時は、入口側9の集熱管5と出口側10の集熱管5は、同一側から反射鏡1内に挿入でき、片支持が可能となり、支持構成、断熱構成が容易となるようにしている。
また、図1のように熱媒体6の出口側の反射鏡1内の集熱管5は、最高の加熱温度を得るために単管を用い、この場合は、集熱管5は、反射鏡1の焦点2(焦線)上に配置するようにしている。
反射鏡1では開口部12の幅を大きくすることにより焦点2に集光する太陽光の量を増加し、集熱部4の温度を高温に上昇するようにしている。
熱媒体6は、代替フロン(HFC:Hydrogenerated Fluoro Carbon)の134Aや二酸化炭素(CO2)を使用するか、または熱媒体油(シリコーン油のような鉱物油)を使用している。
13は反射鏡1と集熱部4とを収納した外装で、上部に透過体14の開口を設けた箱状に構成している。
外装13は腐食の少ないステンレスや耐候性のある樹脂材料(例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等)で構成している。
外装13の内部は反射鏡1や集熱部4の周囲を外装断熱材15で覆うようにしている。外装断熱材15は耐熱性のロックウール、グラスウール等で構成している。外装断熱材15の表面は硬化させて、それだけで壁面を構成するかまたは板で内面を補強して構成するようにしている。
透過体14は放物面反射鏡1の上部に設けられ、太陽光を取り込み、反射鏡1の内部に雨やホコリが侵入するのを防止している。
透過体14は太陽光を通過させるために透過率の大きな透明ガラスを使用している(こ
のような透明ガラスの日射透過率は、約90%である)。この透過体14に向かって外装断熱材15を傾斜させて、上方に広がるように構成して、太陽の高度に合わせて反射鏡で太陽光を多く受けられるようにしている。
のような透明ガラスの日射透過率は、約90%である)。この透過体14に向かって外装断熱材15を傾斜させて、上方に広がるように構成して、太陽の高度に合わせて反射鏡で太陽光を多く受けられるようにしている。
16は放物面反射鏡1と集熱部4を外装断熱材15で囲み、収納するとともに反射鏡1の上部を透過体14で開口した外装13で構成した集熱器である。
17は熱媒体6の循環ポンプ、18は熱媒体6が流れる回路、19は熱媒体6からの高温の熱を蓄える蓄熱槽である。この蓄熱槽19は融点の高い溶融塩の相変化を利用した潜熱型や溶融塩や油等を用いた顕熱型や蒸気を圧力水の形で蓄える蒸気アキュムレイタ等を用いることで100℃以上の高温の熱を貯めるようにしている。
20は集熱器16の各部の温度を検知しながら循環ポンプ17の運転時間や熱媒体6の流量をコントロールする制御部である。
以上のように構成された集熱器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、制御部20に運転の支持があたえられるか、または集熱器16の温度上昇を検知した制御部20により、循環ポンプ17が作動し、熱媒体6を回路18内に循環させ、集熱器16に送る。
集熱器16では、例えば、太陽が南中にあれば、太陽光は、高度、方位に関して反射鏡1の放物線上の反射面3に直角に当たり、その反射光は、放物線で反射し、焦点2の周囲に設けた集熱部4に太陽光を集中させて、集熱部4の温度を上昇させる。
集熱部4の表面に装着した選択吸収膜により、太陽光の約90%が集熱部4に吸収され、集熱部4の温度が上昇する。集熱部4に熱媒体6が送られると、集熱部4の熱を受け、熱媒体6は高温の液体または蒸気(または液体や蒸気と液体が混ざったもの等)を形成して蓄熱槽19に送られる。
蓄熱槽19ではこの液体または蒸気を受けて100℃以上の熱量を蓄積するようにしている。
熱媒体6の液体または蒸気は蓄熱槽19で凝縮して液体となり、循環ポンプ17により再度、集熱器16に送られ、加熱されるようにしている。この動作を太陽熱の供給が可能な間、繰り返すことにより、必要な熱量を蓄熱槽19に維持するようにしている。
以上のように、本実施の形態においては、太陽光を集光する複数個の反射鏡1と、この反射鏡1の焦点2または焦点2の周囲に設け、熱媒体6が流通する複数個の集熱管5と、前記複数個の反射鏡1に設けた夫々の集熱管5の個数を変化させて設ける集熱部4と、これらの反射鏡1と集熱部4を収納する外装11とで構成したので、複数個の集熱管5には、反射鏡1の焦点2に向かう太陽光が集光するので、集熱部4を流通する熱媒体6の温度が高温に加熱されるようになる。
また、本実施の形態においては、集熱器16入口側7の熱媒体6の温度の低い時は、集熱管5の個数を増加させて受光面積を大きくとり多量の熱を収集して熱媒体6の加熱を促進し、出口側8の熱媒体6の温度が上昇した時は、集熱管5の個数を減少させて受光面積を小さくして集光するので、集熱器16の出口側の直前で集熱管5の温度を高温化して、集熱管5からの放熱を軽減しながら熱媒体6の温度を高温にするものである。
また、本実施の形態においては、集熱器16入口側の熱媒体6の温度の低い時は、受光面積を大きくとり多量の熱を収集し、集熱器16の出口側の直前で集熱管5の温度を高温化して、集熱管5からの放熱を軽減するようにしているので、集熱器16全体として高い集熱効率を維持しながら熱媒体6の温度を高温にすることができる。
また、本実施の形態においては、集熱部4は、熱媒体6の入口側7の集熱管5から出口側8の集熱管5に向かって個数を減じるように構成したので、夫々の集熱管5の個数変化により徐々に集熱管5の加熱温度を変化させ、熱媒体6の急激な温度上昇による放熱損失を防止して、集熱器16全体として高い集熱効率を維持しながら熱媒体6の温度を高温にすることができる。
また、本実施の形態においては、複数個の反射鏡1を同一の形状としたので、複数個の集熱管5を配置した時に夫々の反射鏡1内で、同じ位置の焦点2を持つことになり、集熱管5の配置が容易になり、焦点2に対する配置の精度を向上することができる。
また、本実施の形態においては、複数個の反射鏡1は、東西方向に焦点を形成するように配置したので、1日の太陽の動きの中で大きく変化する方位方向の動きに合うように長い時間、太陽光が反射鏡1内に入射することができる。
また、本実施の形態においては、集熱部4は、夫々の反射鏡1内に設ける集熱管5を熱媒体6の入口側7の集熱管5から出口側8の集熱管5に向かって、順次連通させ一体化したので、太陽光を連続して集光でき、熱媒体6の温度低下を起こすことなく、太陽熱を回収し、熱媒体6への太陽熱の授受を効率良く促進することができる。
また、本実施の形態においては、集熱部4は、熱媒体6の出口側8の集熱管5を単管としたので、複数個の反射鏡1を同一の形状とした場合は、単管が最も太陽光の集光する割合が高く、集熱管5の加熱温度を出口側で最高に上昇させ、所定の温度の高温の熱媒体6を得ることができる。
また、本実施の形態においては、集熱部4は、夫々の反射鏡1内に設ける集熱管5の内径を同一に構成したので、集熱管5内を流通する熱媒体6の流速を低下させないで、熱媒体6への太陽熱の授受を効率良く促進することができる。熱媒体6の集熱管5内での流速を低下させないことで、集熱管5から熱媒体6への熱伝達性能の低下を防止することができる。
また、本実施の形態においては、集熱部4は、反射鏡1の焦点2から均等の距離に複数個設ける集熱管5を配置したので、複数個の集熱管5に同一の集光状態の太陽光を当て、集熱管5の温度を均一に上昇させることができ、集熱5内を流通する熱媒体6を均一に加熱することができる。
また、本実施の形態においては、集熱部4は、反射鏡1の焦点2から均等の距離に複数個設ける集熱管5を配置したので、焦点2上に1本の集熱管5を設けることよりも組み立て時に焦点2に対して配置がずれても集光された太陽光を受けることができるので、組み立てを容易にすることができる。
また、本実施の形態においては、集熱管5は、表面に赤外線を吸収する選択吸収膜を形成したことにより、集熱管5からの赤外線放射を防止して集熱管5の温度を高温に維持して、熱媒体6にその熱を効率良く伝えることができる。
また、本実施の形態においては、外装13は、反射鏡1が開口部12側に透過体14を
装着したことにより、外装13内に雨水やホコリが堆積しないので、長期間にわたって集熱効率を良好に維持することができる。
装着したことにより、外装13内に雨水やホコリが堆積しないので、長期間にわたって集熱効率を良好に維持することができる。
また、透過体14を反射鏡1の上に載置したので、反射鏡1内に熱をこもらせ、集熱管5からの対流による放熱を防止して、集熱管5の温度を高温に維持して、熱媒体6にその熱を効率良く伝えることができる。
また、本実施の形態の透過体14は、選択透過性能を有する耐熱性、耐候性の優れた樹脂材料(例えば、ポリカーボネート等)で構成することにより、集熱器16の軽量化と低コスト化を行うことができる。
また、本実施の形態の蓄熱槽19に熱を蓄えるので、その熱は、夜間に利用したり、あるいは曇りの時に十分な熱が得られない時に補充する形で太陽光の不安定な熱の供給を安定化し、使い勝手を向上することができる。また、常時、蓄熱槽19に熱を蓄えることができるので、エネルギー密度の少ない太陽熱を効率良く回収することができる。
なお、反射鏡1の形状は、太陽光を焦点2に集束させるために放物線で断面を形成されているが、基本的に焦点2に集光する太陽光は反射鏡1に対して一方向の太陽光のみであり、常に太陽光に向かって反射鏡1を移動させる必要がある(実際の太陽光は、雲や空気中の塵や建物等で乱反射しているので色々な角度から入射している場合が多い)。
このため、制御部18は、太陽の年間の動きをベースに季節や1日の太陽高度に合わせて、反射鏡1を回転させて、その日のその時間の太陽の日射が最大になる高度に合わせるように支持することも可能である。それにより反射鏡1に反射した太陽光が常に焦点2上の集熱部4に集中し、集熱部4の温度を高温に上昇させることができ、熱媒体6に高温の熱を年間の長い期間、1日の多くの時間帯を使って伝えることができる。
また、反射鏡1は、放物線の代わりに複合放物面集光器(CPC:Compound Parabolic Concentrator)の反射鏡を用いることが可能である。この場合、色々な方向からの太陽光を受け、太陽光の所定の傾斜角度(例えば、太陽光の入射可能な角度が天頂より30°程度なら約3倍の集光比、入射可能な角度が20°程度に狭くすると、集光比は約7倍に拡大する。
集光比が、大きくなれば太陽光がより集束するので、開口部12で照射する熱量は増加し、温度を上昇するようになる。しかし、集光比を拡大すると太陽光の入射可能な角度は、天頂を基準に狭くなるので、集光部での集光時間、設置場所等の制約が多くなり、考慮する必要がある。これに対して、集熱部4に集中することができるので、太陽の高度に対して反射鏡1を回転させなくても1日の中で長時間、太陽光を反射鏡1内に入射することができる。
以上のように、本発明にかかる集熱器は、反射鏡の焦点の周囲に複数個の集熱管を配置して、反射鏡ごとに集熱管の個数を変化させるようにして、熱媒体の温度を高温に保つことができるので、住宅の給湯や発電のための加熱装置に適用することができる。
1 反射鏡
2 焦点
4 集熱部
5 集熱管
6 熱媒体
13 外装
16 集熱器
2 焦点
4 集熱部
5 集熱管
6 熱媒体
13 外装
16 集熱器
Claims (7)
- 太陽光を集光する複数個の反射鏡と、この反射鏡の焦点または焦点の周囲に設けられ、熱媒体が流通する複数個の集熱管と、前記複数個の反射鏡に設けた夫々の集熱管の個数を変化させて設けた集熱部と、これらの反射鏡と集熱部を収納する外装とで構成した集熱器。
- 集熱部は、熱媒体の入口側の集熱管から出口側の集熱管に向かって個数を減じるように構成した請求項1記載の集熱器。
- 複数個の反射鏡は、夫々の形状を略同一にした請求項1記載の集熱器。
- 複数個の反射鏡は、略東西方向に焦点の軌跡を形成するように配置した請求項1または3記載の集熱器。
- 集熱部は、夫々の反射鏡に設けた集熱管を熱媒体の入口側の集熱管から出口側の集熱管に向かって順次連通させ一体化した請求項1または2記載の集熱器。
- 集熱部は、熱媒体の出口側の集熱管を単管とした請求項1,2,5いずれか1項記載の集熱器。
- 集熱部は、夫々の反射鏡に設けた集熱管の内径を同一にして構成した請求項1,2,5,6いずれか1項記載の集熱器。
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---|---|---|---|
JP2007026716A JP2008190801A (ja) | 2007-02-06 | 2007-02-06 | 集熱器 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104676912A (zh) * | 2015-02-16 | 2015-06-03 | 天津商业大学 | 一种聚光光热蒸发装置 |
JP2016503477A (ja) * | 2012-11-15 | 2016-02-04 | フリース,ケヴィン,リー | 監視、分析、制御用統合自動システムを用いて加熱、冷却、発電、エネルギー貯蔵を提供する冷却、熱、電力併給ハイブリッドトリジェネレーションシステムマイクログリッド |
CN108759113A (zh) * | 2018-06-27 | 2018-11-06 | 河北工业大学 | 聚焦式光伏光热一体化供暖装置 |
-
2007
- 2007-02-06 JP JP2007026716A patent/JP2008190801A/ja active Pending
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