JP2015059465A - 真空ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却液の流量を計測するための流量計を省くことができる真空ポンプの提供。
【解決手段】真空ポンプにおいては、電源装置2には、内部に冷却液が流通する流路23aが形成され、流路上に発熱用回路部品として回路部品22が配置される冷却部23と、回路部品22が配置された流路領域Aよりも上流側の冷却液温度を検出する温度センサ24と、流路領域Aよりも下流側の冷却液温度を検出する温度センサ25と、温度センサ24,25の各々によって検出された温度、および電流センサの検出電流値に基づいて算出される回路部品22の発熱量に基づいて、流路23aを流れる冷却液の流量を推定する制御部21と、が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】真空ポンプにおいては、電源装置2には、内部に冷却液が流通する流路23aが形成され、流路上に発熱用回路部品として回路部品22が配置される冷却部23と、回路部品22が配置された流路領域Aよりも上流側の冷却液温度を検出する温度センサ24と、流路領域Aよりも下流側の冷却液温度を検出する温度センサ25と、温度センサ24,25の各々によって検出された温度、および電流センサの検出電流値に基づいて算出される回路部品22の発熱量に基づいて、流路23aを流れる冷却液の流量を推定する制御部21と、が設けられている。
【選択図】図1
Description
冷却液を流通させて電源装置の冷却を行う真空ポンプ。
電源装置とポンプ本体を一体型としたターボ分子ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。ターボ分子ポンプはポンプ本体を冷却して用いる場合が多く、その場合には水冷により冷却が行われる。そのため、電源装置の冷却も水冷とされる場合が多い。冷却水を用いたターボ分子ポンプでは、冷却性能を確保するために、冷却水温度および流量を規定している。そして、冷却水配管に専用の水量計を設けて流量を計測し、流量が低下した場合にはポンプを停止し、流量低下の原因を取り除いた後に再度ポンプを起動するという作業が行われる。
しかしながら、専用の流量計を設ける必要があるため、コストアップを招く。また、流量計は、その内部において流路が狭まる構造を有しているので、異物が詰まりやすいという欠点を有している。
本発明の好ましい実施の形態による真空ポンプは、気体を排気するポンプ本体と、ポンプ本体を駆動制御するための複数の回路部品を筐体内に収納して成る電源装置と、を備える真空ポンプであって、電源装置には、内部に冷却液が流通する流路が形成され、流路上に複数の回路部品の少なくとも一つが発熱用回路部品として配置される冷却部と、発熱用回路部品が配置された流路領域よりも上流側の冷却液温度を検出する第1の温度センサと、流路領域よりも下流側の冷却液温度を検出する第2の温度センサと、ポンプ本体に設けられたロータ回転用モータに流れる電流を検出する電流センサと、第1および第2の温度センサの各々によって検出された温度と、電流センサの検出電流値から算出される発熱用回路部品の発熱量とに基づいて、流路を流れる冷却液の流量を推定する流量推定部と、が設けられている。
さらに好ましい実施形態では、筐体の回路部品収納空間は密閉されている。
さらに好ましい実施形態では、冷却部は、ポンプ本体に固定されると共に、冷却部におけるポンプ本体固定側の面と反対側の面に、発熱用回路部品、第1の温度センサおよび第2の温度センサが設けられ、筐体は、複数の回路部品、第1の温度センサおよび第2の温度センサが収納されるように冷却部に固定されている。
さらに好ましい実施形態では、冷却部に配置される発熱用回路部品は、モータを駆動するためのインバータである。また、発熱用回路部品として、ロータ回転用モータの回生ブレーキ用抵抗を用いても良い。
さらに好ましい実施形態では、筐体の回路部品収納空間は密閉されている。
さらに好ましい実施形態では、冷却部は、ポンプ本体に固定されると共に、冷却部におけるポンプ本体固定側の面と反対側の面に、発熱用回路部品、第1の温度センサおよび第2の温度センサが設けられ、筐体は、複数の回路部品、第1の温度センサおよび第2の温度センサが収納されるように冷却部に固定されている。
さらに好ましい実施形態では、冷却部に配置される発熱用回路部品は、モータを駆動するためのインバータである。また、発熱用回路部品として、ロータ回転用モータの回生ブレーキ用抵抗を用いても良い。
本発明によれば、冷却液の流量を計測するための流量計を省くことができる。
以下、図を参照して本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明に係る真空ポンプの特徴を説明するための概念図であり、ポンプ本体1と、ポンプ本体1を制御駆動するための電源装置2とを示す。ポンプ本体1と電源装置2とは、電源ケーブル3によって接続される。
電源装置2の筐体20の内部には、ポンプ本体1を駆動制御するための種々の回路部品が設けられている。回路部品22はそれらの内の一つであり、ポンプ運転時における発熱が比較的大きな回路部品(例えば、後述するインバータ)である。筐体20は密閉構造となっており、筐体内には冷却液が流通する冷却部23が設けられている。冷却部23としては、銅パイプのような配管でも良いし、内部に冷却液が流通する流路23aが形成されたブロック状の部材でもよい。
冷却部23の外表面に接触するように設けられた回路部品22は、流路が形成されている流路領域(符号Aで示す領域)の外表面に配置されている。冷却部23には、温度センサ24,25が設けられている。温度センサ24は、回路部品22が配置された流路領域Aよりも上流側の冷却液温度を検出する。温度センサ25は、回路部品22が配置された流路領域Aよりも下流側の冷却液温度を検出する。温度センサ24,25により検出された温度情報は、電源装置の制御部21に入力される。制御部21は、以下に記載のような原理で、流路23aを流通する冷却液の流量を推定する。
(流量の推定方法)
次に、制御部21における流量推定の方法について説明する。回路部品22の発熱量Q(W)は既知であるとし、これにより冷却液の温度が上昇したと考えると、簡易的に次式(1)に示すような関係が成り立つ。式(1)において、kは回路部品22から流路23aの冷却液への伝熱係数を表す。T0は流路領域Aよりも上流側の冷却液の温度であり、温度センサ24によって検出される。T1は流路領域Aよりも下流側の冷却液の温度であり、温度センサ25によって検出される。式(1)は式(2)ように変形でき、伝熱係数kは既知の量Q,T0,T1で表される。
Q=k×(T1−T0) …(1)
k=Q/(T1−T0) …(2)
次に、制御部21における流量推定の方法について説明する。回路部品22の発熱量Q(W)は既知であるとし、これにより冷却液の温度が上昇したと考えると、簡易的に次式(1)に示すような関係が成り立つ。式(1)において、kは回路部品22から流路23aの冷却液への伝熱係数を表す。T0は流路領域Aよりも上流側の冷却液の温度であり、温度センサ24によって検出される。T1は流路領域Aよりも下流側の冷却液の温度であり、温度センサ25によって検出される。式(1)は式(2)ように変形でき、伝熱係数kは既知の量Q,T0,T1で表される。
Q=k×(T1−T0) …(1)
k=Q/(T1−T0) …(2)
一方、冷却液の流量をfw、冷却液の比熱をCwとすると、Qは次式(3)のようにも表される。すなわち、伝熱係数kと冷却液の流量fwとは次式(4)の関係を有し、kは流量fwに比例している。
Q=fw×Cw×(T1−T0) …(3)
k=fw×Cw …(4)
Q=fw×Cw×(T1−T0) …(3)
k=fw×Cw …(4)
図5は、式(2)において、T0を10℃、15℃、20℃とした場合の温度T1と伝熱係数kとの関係を図示したものである。ただし、Q=100とした。図5において、ラインL1はT0=10℃の場合、ラインL2はT0=15℃の場合、ラインL3はT0=20℃の場合を示す。上述したように流量fwは伝熱係数kに比例するので、伝熱係数kを示している図5の縦軸は、流量fwを表しているとみなすことができる。
例えば、T0=10℃のラインL1において、下流側の温度T1が30℃である場合、伝熱係数kは式(2)から5となる。また、T1=50℃の場合、k=2.5となる。すなわち、T0=10℃の冷却液が流れているときに、下流側の温度T3が30℃から50℃に変化した場合には、伝熱係数kが5から2.5に変化したことになる。冷却液の流量以外の要素に変化が無いとすれば、伝熱係数kは流量fwの変化に起因することになる。
後述する記憶部125には、式(2)や、図5の関係に基づくテーブルが予め記憶されている。なお、図5はQ=100の場合のグラフであるが、記憶部125には、回路部品22として取り得る種々の発熱量Qに関して、同様のテーブルが記憶されている。なお、回路部品22の発熱量はポンプ本体1の運転状態によって決まるので、制御部21はポンプ運転状態(例えばモータ電流値)に基づいて回路部品の発熱量Qを算出する。この場合も、モータ電流値と発熱量との関係を示す式や、テーブルが記憶部125に予め記憶されている。
制御部21は、温度センサ24,25から入力された温度情報およびポンプ運転状態に基づいて算出される回路部品22の発熱量と式(2)(または、テーブル)とに基づいて、伝熱係数kを算出する。さらに、その伝熱係数kと式(4)(または、テーブル)とから冷却液の流量を推定する。
なお、上述した式(1)においては、発熱体(回路部品22)の温度上昇を無視して単純化しているが、発熱体の温度上昇を考慮すると、伝熱係数kは、次式(5)のように表される。式(5)おいて、Chは発熱体の比熱(既知とする)、Mhは発熱体の質量、T2は発熱体の温度である。温度T2は発熱体に設けられた温度センサによって検出され、温度T2を検出することによって、冷却液の流量をより正確に推定することができる。
k=(Q−Ch×Mh×(T2−T1))/(T1−T0) …(5)
k=(Q−Ch×Mh×(T2−T1))/(T1−T0) …(5)
図2は、本発明に係る真空ポンプの一実施の形態であるターボ分子ポンプを示す図である。図2に示すターボ分子ポンプ100は磁気軸受式のターボ分子ポンプであり、ポンプ本体1と電源装置2とがボルト固定された一体型のターボ分子ポンプである。ポンプ本体1には、回転翼8が形成されたロータ3、磁気軸受51,52、モータ6、固定翼9,ネジステータ11、変位センサ71,72が設けられている。
磁気軸受51,52は、ロータ3を磁気支持する。モータ6はロータ3を回転駆動する。ロータ3の回転は、回転センサ40によって検出される。変位センサ71,72は、ロータ3の浮上位置の変位を検出する。モータ6、磁気軸受51,52、変位センサ71,72はベース4に設けられている。なお、磁気軸受が動作していない状態では、ロータ3はメカニカルベアリング27,28によって支持される。
軸方向に積層された複数段の固定翼9は、スペーサ10によって軸方向位置が位置決めされる。複数段の固定翼9は、回転翼8に対して軸方向に交互に配置されている。回転翼8と固定翼9とにより、タービン翼段が構成される。固定翼9およびスペーサ10は、ポンプケーシング13内に納められている。ロータ3は、上述した複数段の回転翼8とともに、回転翼8の下流側に形成された円筒部12を備えている。円筒部12はドラッグポンプ段の一方を構成するものであり、円筒部12の外周側には、ドラッグポンプ段の他方を構成するネジステータ11がギャップを介して配設されている。
ベース4の下端に設けられたフランジ4aには、電源装置2が固定されている。電源装置2には、冷却液が流通するパイプ31が内装された冷却ジャケット30を備えている。冷却ジャケット30には熱伝導性に優れた金属を用いるのが良く、例えば、アルミ金属などを用いることができる。パイプ31には、例えば銅パイプが用いられる。図2に示す例では、銅パイプをアルミ鋳造品に鋳込むことで、冷却ジャケット30とパイプ31とは一体に形成されている。冷却ジャケット30はフランジ4aにボルト固定される。冷却ジャケット30の下面には電源装置2の筐体20が固定される。筐体20は、塵等が外部から入り込めないように密閉構造となっている。冷却ジャケット30および筐体20には、アルミ材等の熱伝導性に優れた材料を用いるのが好ましい。
冷却ジャケット30の下面は冷却面を構成しており、複数の回路部品22a〜22cが設けられている。また、比較的発熱の小さな回路部品が実装された基板303は、支柱302により冷却ジャケット30に固定されている。回路部品22a〜22cで発生した熱は冷却ジャケット30に直接伝達され、基板303の回路部品で発生した熱は、支柱302を介して冷却ジャケット30に伝達される。ここでは、回路基板を2層構造としたが3層以上としても良く、発熱量の大きい回路部品ほど冷却ジャケット30に近い位置に実装するのが好ましい。
回路部品22aは、図1に示した回路部品22に対応するものであり、パイプ31が通っている領域の下面に配置されている。図3は、冷却ジャケット30の冷却面(下面)に固定された回路部品22aを示す図である。破線は、冷却ジャケット30内に内装されたパイプ31を示しており、冷却液は矢印で示す方向に流れている。冷却ジャケット30には、回路部品22aを挟んで流れの上流側および下流側に穴30a、30bが形成されている。そのため、穴30a,30bの部分においてはパイプ31が露出している。温度センサ24は、上流側の穴30aから露出しているパイプ31の表面に固定されている。温度センサ25は、下流側の穴30bから露出しているパイプ31の表面に固定されている。
図4は、電源装置2の概略構成を示すブロック図である。図4では、電力の伝達を実線の矢印で示し、制御信号の伝達を白抜きの矢印で示している。電源装置2は、電力系回路部110と信号制御系回路部120とで構成されている。電力系回路部110は、外部AC電源入力をDC電源化するためのAC/DCコンバータ111を有する。AC/DCコンバータ111には、外部AC電源から、例えば、200V程度の電圧が入力される。
AC/DCコンバータ111は、DC電力をインバータ112および制御電源113へと出力する。制御電源113は、信号制御系回路部120に設けられた制御部21、磁気軸受制御回路122およびモータ制御回路131の電源を構成している。AC/DCコンバータ111およびインバータ112はパワー回路であり、電源装置2の中でも特に消費電力が大きく、放熱のため冷却が必要になる部分である。例えば、インバータ112は、120V程度のモータ駆動電圧を出力する。また、モータを回生ブレーキにより減速する際には、回生エネルギーをブレーキ抵抗116で熱エネルギーに変換するので、モータ減速時にはブレーキ抵抗116が発熱する。
インバータ112には、AC/DCコンバータ111からの直流電圧を3相交流電圧に変換するための複数のスイッチング素子が備えられている。インバータ112に設けられた複数のスイッチング素子のオンオフは、モータ制御回路131のPWM指令により制御される。モータ電流の値は、電流センサ132によって検出され、電流センサ132によって検出された電流値は、モータ制御回路131に入力される。その電流情報は、制御部21に送られる。
回転センサ40からの回転情報は、モータ制御回路131および制御部21に入力される。信号制御系回路部120は、制御部21、磁気軸受制御回路122、記憶部125、およびモータ制御回路131を備えている。磁気軸受制御回路122は、磁気軸受51,52を駆動制御する。制御部21はマイコンやDSPなどを備え、電力系回路部110の制御、磁気軸受制御回路122の制御等、種々の制御を行う。表示部142には、運転状態や異常アラーム等が表示される。制御部21には、温度センサ24,25からの温度情報が入力される。
上述したように、制御部21は、温度センサ24,25からの温度情報(T0,T1)と、回路部品22aの発熱量Qとに基づいて、冷却液の流量fwを推定する。ここで、流量推定に使用可能な回路部品としては、例えば、インバータ112やAC/DCコンバータ111や、ブレーキ抵抗116などがある。なお、流量をより短時間で検出するためには、温度検出部分の熱容量を小さくする必要があるので、状況に応じて発熱体としての回路部品を選択すれば良い。
インバータ112やAC/DCコンバータ111はポンプ駆動時には常に発熱しており、発熱量はモータ電流に依存する。図6は、モータ電流と電源装置2における回路部品の発熱量との関係の一例を示す図である。図6では、AC/DCコンバータ111の発熱量Qaと、インバータ112の発熱量Qbと、その他の定常的発熱量Qcとに分けて図示した。インバータ112の発熱量Qbはモータ電流値がゼロの場合にはゼロであるが、AC/DCコンバータ111の発熱量Qaやその他の定常的発熱量Qcは、モータ電流値がゼロであってもゼロではない。モータ電流値が増加すると発熱量Qa,Qbは増加するが、AC/DCコンバータ111の発熱量Qaに比べてインバータ112の発熱量Qbの方が増加量および増加の割合が大きい。そのため、発熱用の回路部品22aとしては、インバータ112の方が適している。図7は、モータ電流値とインバータ112の発熱量との関係の一例を示したものである。
図6のようなモータ電流値と発熱量Qa,Qbとの関係は予めテーブルとして、または計算式として記憶部125に記憶されている。制御部21では、電流センサ132で検出されたモータ電流値とテーブルまたは計算式とに基づいて発熱量Qを算出する。そして、算出された発熱量Qと温度センサ24,25で検出された温度T0,T1とに基づいて、パイプ31を流れる冷却液の流量fwを推定する。
また、ブレーキ抵抗116の発熱量Qについても、モータ電流から算出することができる。ただし、ブレーキ抵抗116の発熱は、モータ6のブレーキ動作時にしか発生しない。そのため、ブレーキ抵抗116の発熱量に基づいて冷却液流量の推定を行う場合には、例えば、ポンプ起動からポンプ停止までの運転動作中に、定期的または不定期にブレーキ動作を短期間行わせ、その際の発熱量および温度センサ24,25の温度検出値T0,T1を取得して冷却液流量fwを算出する。
以上のように、本実施の形態の真空ポンプにおいては、電源装置2に、内部に冷却液が流通する流路23aが形成され、流路上に発熱用回路部品として回路部品22が配置される冷却部23と、回路部品22が配置された流路領域Aよりも上流側の冷却液温度T0を検出する第1の温度センサ24と、流路領域Aよりも下流側の冷却液温度T1を検出する第2の温度センサ25と、が設けられている。そして、制御部21は、温度センサ24,25の各々によって検出された温度T0,T1と、電流センサ132の検出電流値に基づいて、流路23aを流れる冷却液の流量を推定している。
このように、本実施の形態の真空ポンプでは、冷却液の流量を計測するための専用の流量計を備える必要がない。また、電源装置2が備えている回路部品22を発熱用回路部品として利用することにより、電源装置2のコストダウンを図ることができる。インバータ112やAC/DCコンバータ111等においては、温度をモニタするための温度センサを設ける場合があるが、その温度センサを上述した温度センサ24,25として用いることで、さらにコスト低減を図ることができる。
このように、本実施の形態では冷却液の流量を推定することができるので、流量低下が確認された場合には、モータ回転数を低下させる等して、電源装置2の発熱を抑える処置を適切に行うことが可能となる。
また、温度センサ24,25により冷却液の温度T0,T1を計測しているので、電源装置の許容温度範囲内において、冷却液の流量を必要最小限の流量に管理することも可能となる。図8は、下流側の温度T1をT1=55℃で管理する場合の、温度T0と伝熱係数kとの関係を示す図であり、式(1)においてQ=100とした場合を示している。
なお、電源装置2とポンプ本体1とを一系列の冷却系で冷却する場合、一般的に、電源装置2を冷却系の上流側に配置する。そのため、ポンプ本体1の冷却性能を確保する必要から、電源装置2から排出される冷却液の温度、すなわちポンプ本体1に供給される冷却液の温度は所定温度以下となるように管理される。本実施形態の場合、上記温度T1がこの所定温度以下となるように冷却液の流量が管理される。
また、筐体20を回路部品収納空間は密閉される密閉構造とすることにより、筐体外への放熱を抑えることができる。その結果、発熱用回路部品の発熱量と冷却液の温度上昇とを用いた式(1)を適用することが可能となり、容易に流量推定を行うことができる。なお、上述した実施の形態では複数の部品回路の内の一つを発熱用回路部品22として利用したが、複数を発熱用回路部品22として利用しても良いし、電源装置全体の発熱量(図6に示す全体の発熱量)を利用しても良い。電源装置全体の発熱を利用する場合には、冷却系の入口および出口における冷却液温度を温度センサ24,25で計測する。
なお、その際には、筐体20からの放熱がなるべく小さくなるようにする必要がある。輻射による放熱量は次式(6)で表される。式(6)において、εは筐体20の放射率、σはステファン・ボルツマン定数で、σ=5.67×10−8(W/m2・K4)である。また、T3は筐体20の温度、T4は外気温度である。すなわち、筐体20の外表面の放射率を低くすることで、輻射による放熱量を低く抑えることができ、本実施の形態における流量推定精度が向上する。例えば、筐体20を金属で形成し、それに低放射率のコーティングを施したり、樹脂モールドしたりすることで、放熱量を抑えることができる。
放熱量(W)=ε×σ×放熱面積(m2)×(T34−T44) …(6)
放熱量(W)=ε×σ×放熱面積(m2)×(T34−T44) …(6)
また、図2に示すような電源装置2とポンプ本体1を一体とした一体型真空ポンプの場合には、電源装置2をポンプ本体1に取り付けるための部材(冷却ジャケット30)にパイプ31を内蔵して冷却液の流路とし、温度センサ24,25、発熱用の回路部品22aが設けられた金属製の冷却ブロックとしても良い。そして、全ての回路部品および温度センサ24,25が密閉状態で収納されるように、冷却ジャケット30の下面に筐体20が取り付けられる。
なお、図3に示した例では、パイプ31が設けられている領域に鋳抜きの穴30a,30bを形成して、そこに露出しているパイプ表面に温度センサ24,25を固定しているので、冷却液の温度を正確に検出することができる。もちろん、検出精度は若干落ちるが、穴30a,30bを形成せずに、冷却ジャケット30の冷却面に温度センサ24,25を取り付ける構造でも良い。
なお、以上の説明はあくまでも一例であり、発明を解釈する際、上記実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。例えば、上述した実施の形態では磁気軸受方式のターボ分子ポンプを例に説明したが、磁気軸受方式でないターボ分子ポンプや、さらにはターボ分子ポンプ以外の真空ポンプにも同様に適用することができる。また、図2では一体型の真空ポンプを示したが、本発明は、図1に示したように電源装置とポンプ本体とが別々の真空ポンプにも適用することができる。その場合も、電源装置は密閉型であることが好ましい。
1:ポンプ本体、2:電源装置、3:ロータ、6:モータ、20:筐体、21:制御部、22,22a:回路部品、23:冷却部、23a:流路、24,25:温度センサ、30:冷却ジャケット、31:パイプ、100:ターボ分子ポンプ、111:AC/DCコンバータ、112:インバータ、116:ブレーキ抵抗、132:電流センサ
Claims (5)
- 気体を排気するポンプ本体と、
ポンプ本体を駆動制御するための複数の回路部品を筐体内に収納して成る電源装置と、を備える真空ポンプであって、
前記電源装置には、
内部に冷却液が流通する流路が形成され、流路上に前記複数の回路部品の少なくとも一つが発熱用回路部品として配置される冷却部と、
前記発熱用回路部品が配置された流路領域よりも上流側の冷却液温度を検出する第1の温度センサと、
前記流路領域よりも下流側の冷却液温度を検出する第2の温度センサと、
前記ポンプ本体に設けられたロータ回転用モータに流れる電流を検出する電流センサと、
前記第1および第2の温度センサの各々によって検出された温度と、前記電流センサの検出電流値から算出される前記発熱用回路部品の発熱量とに基づいて、前記流路を流れる冷却液の流量を推定する流量推定部と、が設けられている真空ポンプ。 - 請求項1に記載の真空ポンプにおいて、
前記筐体の回路部品収納空間は密閉されている、真空ポンプ。 - 請求項1または2に記載の真空ポンプにおいて、
前記冷却部は、前記ポンプ本体に固定されると共に、前記冷却部におけるポンプ本体固定側の面と反対側の面に、前記発熱用回路部品、前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサが設けられ、
前記筐体は、前記複数の回路部品、前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサが収納されるように前記冷却部に固定されている、真空ポンプ。 - 請求項2または3に記載の真空ポンプにおいて、
前記冷却部に配置される前記発熱用回路部品は、前記モータを駆動するためのインバータである、真空ポンプ。 - 請求項2または3に記載の真空ポンプにおいて、
前記冷却部に配置される前記発熱用回路部品は、前記ロータ回転用モータの回生ブレーキ用抵抗である、真空ポンプ。
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- 2013-09-18 JP JP2013192939A patent/JP2015059465A/ja active Pending
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