JP2015059165A - 表面改質方法及び表面改質弾性体 - Google Patents

表面改質方法及び表面改質弾性体 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な自己潤滑性を有する樹脂を使用することなく、優れた摺動性、摺動の繰り返しに対する耐久性を付与し、かつシール性も改善できる加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーの表面改質方法を提供する。また、該表面改質方法により得られる改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケット、カテーテル、及びタイヤの溝表面を少なくとも一部に有するタイヤなどの表面改質弾性体を提供する。【解決手段】加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、改質対象物の表面13に重合開始点を形成する工程1と、重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、改質対象物の表面13にポリマー鎖を成長させる工程2と、成長させたポリマー鎖に紫外線を照射する工程3とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、表面改質方法、並びに、該改質方法により得られる改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケット、カテーテル、及びタイヤの溝表面を少なくとも一部に有するタイヤなどの表面改質弾性体に関する。
シール状態を維持しながら摺動する部分、例えば、注射器のプランジャーに一体化されてプランジャーとシリンジのシールを行うガスケットには、シール性を重視し、ゴム等の弾性体が使用されているが、摺動性に若干問題がある(特許文献1参照)。そのため、摺動面にシリコーンオイルなどの摺動性改良剤を塗布しているが、最近上市されているバイオ製剤にシリコーンオイルが悪影響を及ぼす可能性が指摘されている。一方、摺動性改良剤を塗布していないガスケットは摺動性に劣るため、投与の際にプランジャーを円滑に押せずに脈動し、注入量が不正確になる、患者に苦痛を与えるなどの問題が生じる。
このような、シール性と摺動性の相反する要求を満たすため、自己潤滑性を有するPTFEフィルムを被覆する技術が提案されているが(特許文献2参照)、一般に高価なため、加工製品の製造コストが上昇し、応用範囲が限定されてしまう。また、PTFEフィルムを被覆した製品を、摺動などが繰り返され耐久性が要求される用途に適用することについて、信頼性の不安もある。更に、PTFEは放射線に弱いため、照射線による滅菌ができないという問題もある。
また、水存在下での摺動性が要求される他の用途への応用も考えられる。すなわち、プレフィルドシリンジのシリンジ内面や水を送るための管又はチューブの内面の流体抵抗を下げることや、水との接触角を上げる、又は目覚しく下げることでロスなく水を送れる。カテーテルのチューブの内外表面の表面抵抗を下げることで、体内への挿入をしやすくすることや、カテーテル内にガイドワイヤーを通しやすくすることができる。タイヤの溝表面の流体抵抗を下げることや、水との接触角を上げる、又は目覚しく下げることでウエットや雪上路面での水や雪のはけが良くなり、結果としてグリップ性、ハイドロプレーニング性が向上し安全性が改善される。タイヤのサイドウォール面や建物の壁の摺動抵抗を減少させることや、水との接触角を上げることでゴミや粉塵が付着しにくくなることも期待できる。
更に、ダイヤフラムポンプ、ダイヤフラム弁などのダイヤフラムで水又は水溶液等を送る時の圧損が少なくなる。スキー板やスノーボード板の滑走面の摺動性を高めることで滑りやすくなる。道路標識や看板の摺動性を高めて雪が滑りやすくすることで標識が見やすくなる。船の外周面の摺動抵抗を低下させることや、水との接触角を上げることで水の抵抗が減少するとともに外周面に菌が付着しにくくなる。水着の糸表面の摺動性を改良することで水の抵抗が減る、などの有利な効果も期待できる。
特開2004−298220号公報 特開2010−142573号公報
本発明は、前記課題を解決し、高価な自己潤滑性を有する樹脂を使用することなく、優れた摺動性、摺動の繰り返しに対する耐久性を付与し、かつシール性も改善できる加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーの表面改質方法を提供することを目的とする。また、該表面改質方法により得られる改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケット、カテーテル、及びタイヤの溝表面を少なくとも一部に有するタイヤなどの表面改質弾性体を提供することを目的とする。
本発明は、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に重合開始点を形成する工程1と、前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる工程2と、成長させた前記ポリマー鎖に紫外線を照射する工程3とを含む表面改質方法に関する。
前記工程2のラジカル重合は、波長330〜400nmの紫外線を照射するものであり、前記工程3の紫外線照射は、波長300nm以下の紫外線を照射するものであることが好ましい。
前記加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーが二重結合に隣接する炭素原子であるアリル位の炭素原子を有することが好ましい。
前記重合開始点は、前記改質対象物の表面に重合開始剤を吸着させて形成されることが好ましい。
前記重合開始剤は、ベンゾフェノン系化合物及び/又はチオキサントン系化合物であることが好ましい。
更に、吸着させた前記重合開始剤に光を照射して前記改質対象物の表面に化学結合させることが好ましい。
前記ラジカル重合が光ラジカル重合であることが好ましい。
前記ラジカル重合は、前記光照射時又は照射前に反応容器及び反応液に不活性ガスを導入し、不活性ガス雰囲気に置換して重合させることが好ましい。
前記モノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリル酸アルカリ金属塩、アクリル酸アミン塩、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、メタクリルアミド、メタクリル酸アルカリ金属塩、メタクリル酸アミン塩、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、イソプロピルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン、及びアクリロニトリルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記光ラジカル重合は、前記改質対象物の表面又は前記重合開始剤が吸着若しくは共有結合した改質対象物の表面に、前記モノマー又はその溶液を接触させ、光を照射して重合を進行させることが好ましい。
前記モノマー又はその溶液が重合禁止剤を含むもので、該重合禁止剤の存在下で重合させることが好ましい。
前記重合禁止剤が4−メチルフェノールであることが好ましい。
前記ポリマー鎖の長さが10〜50000nmであることが好ましい。
本発明は、前記表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する表面改質弾性体に関する。
本発明は、前記表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケットに関する。
本発明は、前記表面改質方法により改質されたタイヤの溝表面を少なくとも一部に有するタイヤに関する。
本発明は、前記表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有するカテーテルに関する。
本発明によれば、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に重合開始点を形成する工程1と、前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる工程2と、成長させた前記ポリマー鎖に紫外線を照射する工程3とを含む表面改質方法であるので、改質対象物表面に、優れた摺動性、摺動の繰り返しに対する耐久性を付与できるとともに、良好なシール性も得ることもできる。また、改質された表面改質弾性体は、PTFEのポリマー骨格を持たないため、γ線などの放射線での滅菌が可能である。
注射器用ガスケットの実施形態の側面図の一例である。 空気入りタイヤ(全体不図示)のトレッド部の展開図の一例である。 図2のA1−A1断面図の一例である。
本発明は、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、前記改質対象物の表面に重合開始点を形成する工程1と、前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる工程2と、成長させた前記ポリマー鎖に紫外線を照射する工程3とを含む。
工程1では、加硫成形後のゴム又は成形後の熱可塑性エラストマー(改質対象物)の表面に重合開始点を形成する。
上記加硫ゴム、上記熱可塑性エラストマーとしては、二重結合に隣接する炭素原子(アリル位の炭素原子)を有するものが好適に使用される。
改質対象物としてのゴムとしては、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、脱タンパク天然ゴムなどのジエン系ゴム、及びイソプレンユニットを不飽和度として数パーセント含むブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどが挙げられる。ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムの場合、加硫ゴムからの抽出物が少なくなる点から、トリアジンによる架橋ゴムが好ましい。この場合、受酸剤を含んでもよく、好適な受酸剤としては、ハイドロタルサイト、炭酸マグネシウムが挙げられる。
他のゴムの場合は、硫黄加硫が好ましい。その場合、硫黄加硫で一般に使用されている加硫促進剤、酸化亜鉛、フィラー、シランカップリング剤などの配合剤を添加してもよい。フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどを好適に使用できる。
なお、ゴムの加硫条件は適宜設定すれば良く、ゴムの加硫温度は、好ましくは150℃以上、より好ましくは170℃以上、更に好ましくは175℃以上である。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、可塑性成分(ハードセグメント)の集まりが架橋点の役割を果たすことにより常温でゴム弾性を有する高分子化合物(スチレン−ブタジエンスチレン共重合体などの熱可塑性エラストマー(TPE)など);熱可塑性成分及びゴム成分が混合され架橋剤によって動的架橋が行われたゴム弾性を有する高分子化合物(スチレン系ブロック共重合体又はオレフィン系樹脂と、架橋されたゴム成分とを含むポリマーアロイなどの熱可塑性エラストマー(TPV)など)が挙げられる。
また、他の好適な熱可塑性エラストマーとして、ナイロン、ポリエステル、ウレタン、ポリプロピレン、及びそれらの動的架橋熱可塑性エラストマーが挙げられる。動的架橋熱可塑性エラストマーの場合、ハロゲン化ブチルゴムを熱可塑性エラストマー中で動的架橋したものが好ましい。この場合の熱可塑性エラストマーは、ナイロン、ウレタン、ポリプロピレン、SIBS(スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体)などが好ましい。
重合開始点は、例えば、改質対象物の表面に重合開始剤を吸着させることで形成される。重合開始剤としては、例えば、カルボニル化合物、テトラエチルチウラムジスルフィドなどの有機硫黄化合物、過硫化物、レドックス系化合物、アゾ化合物、ジアゾ化合物、ハロゲン化合物、光還元性色素などが挙げられ、なかでも、カルボニル化合物が好ましい。
重合開始剤としてのカルボニル化合物としては、ベンゾフェノン及びその誘導体が好ましく、例えば、下記式で表されるベンゾフェノン系化合物を好適に使用できる。
Figure 2015059165
(式中、R〜R及びR1′〜R5′は、同一若しくは異なって、水素原子、アルキル基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、水酸基、1〜3級アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよい炭化水素基を表し、隣り合う任意の2つが互いに連結し、それらが結合している炭素原子と共に環構造を形成してもよい。)
ベンゾフェノン系化合物の具体例としては、ベンゾフェノン、キサントン、9−フルオレノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。なかでも、良好にポリマーブラシが得られるという点から、ベンゾフェノン、キサントン、9−フルオレノンが特に好ましい。ベンゾフェノン系化合物として、フルオロベンゾフェノン系化合物も好適に使用でき、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンゾフェノン、デカフルオロベンゾフェノンなどが挙げられる。
重合開始剤としては、重合速度が速い点、及びゴムなどに吸着及び/又は反応し易い点から、チオキサントン系化合物も好適に使用可能である。例えば、下記式で表される化合物を好適に使用できる。
Figure 2015059165
(式中、R11〜R14及びR11′〜R14′は、同一若しくは異なって、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、環状アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基を表す。)
上記式で示されるチオキサントン系化合物としては、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,3−ジメチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,3−ジエチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−シクロヘキシルチオキサントン、4−シクロヘキシルチオキサントン、2−ビニルチオキサントン、2,4−ジビニルチオキサントン、2,4−ジフェニルチオキサントン、2−ブテニル−4−フェニルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、2−p−オクチルオキシフェニル−4−エチルチオキサントンなどが挙げられる。なかでも、R11〜R14及びR11′〜R14′のうちの1〜2個、特に2個がアルキル基により置換されているものが好ましく、2,4−Dimethylthioxanthone(2,4−ジメチルチオキサントン)、2,4−Diethylthioxanthone(2,4−ジエチルチオキサントン)がより好ましい。
ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などの重合開始剤の改質対象物表面への吸着方法は、公知の方法を用いれば良い。例えば、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物については、対象物の改質する表面部位を、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物を有機溶媒に溶解させて得られた溶液で処理することで表面に吸着させ、必要に応じて有機溶媒を乾燥により蒸発させることにより、重合開始点が形成される。表面処理方法としては、該ベンゾフェノン系化合物溶液、該チオキサントン系化合物溶液を改質対象物の表面に接触させることが可能であれば特に限定されず、例えば、該ベンゾフェノン系化合物溶液、該チオキサントン系化合物溶液の塗布、吹き付け、該溶液中への浸漬などが好適である。更に、一部の表面にのみ表面改質が必要なときには、必要な一部の表面にのみ重合開始剤を吸着させればよく、この場合には、例えば、該溶液の塗布、該溶液の吹き付けなどが好適である。上記溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトン、ベンゼン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、THFなどを使用できるが、改質対象物を膨潤させない点、乾燥・蒸発が早い点でアセトンが好ましい。
また、改質対象部位にベンゾフェノン系化合物溶液、チオキサントン系化合物溶液による表面処理を施して重合開始剤を吸着させた後、更に光を照射して改質対象物の表面に化学結合させることが好ましい。例えば、波長330〜400nm(好ましくは350〜390nm)の紫外線を照射して、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物溶液を表面に固定化できる。前記工程1及び該固定化においては、ゴム表面の水素が引き抜かれ、引き抜かれた水素がC=Oの酸素に結合し、C−O−Hが形成される。また、この水素引き抜き反応は改質対象物のアリル位の水素で選択的に行われるため、ゴムはアリル水素を持つブタジエン、イソプレンユニットを含むものが好ましい。
Figure 2015059165
なかでも、改質対象物の表面を重合開始剤で処理することで該重合開始剤を表面に吸着させ、次いで、処理後の表面に330〜400nmのLED光を照射することにより、重合開始剤を形成することが好ましく、特に、改質対象物の表面にベンゾフェノン系化合物溶液、チオキサントン系化合物溶液などによる表面処理を施して重合開始剤を吸着させた後、更に処理後の表面に330〜400nmのLED光を照射することで、吸着させた重合開始剤を表面に化学結合させることが好ましい。ここで、LED光の波長は、350〜390nmが好適である。
工程2では、工程1で形成された重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる。これにより、モノマーがラジカル重合して得られるポリマー鎖が改質対象物表面に形成される。
モノマーは特に限定されず、従来公知の単量体を使用でき、後述する工程3の紫外線照射により、工程2で成長させたポリマー鎖同士が架橋構造を形成することが可能なもの等を好適に使用できる。
モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メトキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸アミン塩、(メタ)アクリロニトリルが挙げられ、更に分子内にC−N結合を持つモノマーなども挙げられる。分子内にC−N結合を持つモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド;N−アルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体(N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド等);N,N−ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体(N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等);ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド;ヒドロキシ(メタ)アクリルアミド誘導体(N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等);環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導体((メタ)アクリロイルモルホリン等)などが挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリル酸アミン塩、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリンが好ましく、アクリルアミド、アクリル酸がより好ましい。
工程2のモノマーのラジカル重合の方法としては、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物などが吸着又は共有結合した改質対象物の表面に、モノマー(液体)若しくはそれらの溶液を塗工(噴霧)し、又は、該改質対象物をモノマー(液体)若しくはそれらの溶液に浸漬し、330〜400nmの紫外線などの光を照射することでそれぞれのラジカル重合(光ラジカル重合)が進行し、該改質対象物表面にポリマー鎖が成長する。更に前記塗工後に、表面に透明なガラス・PET・ポリカーボネートなどで覆い、その上から紫外線などの光を照射することでそれぞれのラジカル重合(光ラジカル重合)が進行し、改質対象物表面にポリマー鎖を成長させることもできる。
塗工(噴霧)溶媒、塗工(噴霧)方法、浸漬方法、照射条件などは、従来公知の材料及び方法を適用できる。なお、モノマー(ラジカル重合性モノマー)の溶液としては、水溶液又は使用する重合開始剤(ベンゾフェノン系化合物など)を溶解しない有機溶媒に溶解させた溶液が使用される。また、モノマー(液体)、その溶液として、4−メチルフェノールなどの公知の重合禁止剤を含むものも使用できる。
本発明では、モノマー(液体)若しくはその溶液の塗布後又はモノマー若しくはその溶液への浸漬後、光照射することでモノマーのラジカル重合が進行するが、フィルターを使用して330nm以下の光をカットしつつ、主に紫外光に発光波長をもつ高圧水銀灯、メタルハライドランプ、LEDランプなどのUV照射光源を照射する方法等を好適に利用できる。照射光量は、重合時間や反応の進行の均一性を考慮して適宜設定すればよい。また、反応容器内における酸素などの活性ガスによる重合阻害を防ぐために、光照射時又は光照射前において、反応容器内や反応液中の酸素を除くことが好ましい。そのため、反応容器内や反応液中に窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスを導入して酸素などの活性ガスを反応系外に排出し、反応系内を不活性ガス雰囲気に置換すること、などが適宜行われている。更に、酸素などの反応阻害を防ぐために、UV照射光源をガラスやプラスチックなどの反応容器と反応液や改質対象物の間に空気層(酸素含有量が15%以上)が入らない位置に設置する、などの工夫も適宜行われる。
工程2で紫外線を照射する場合、その波長は、好ましくは330〜400nm、より好ましくは350〜390nmである。これにより、改質対象物の表面に良好にポリマー鎖を形成できる。330nm未満の紫外線は、表面からではなく、モノマーを単独で重合させフリーポリマーを生成させてしまうという弊害もある。光源としては高圧水銀ランプや、365nmの中心波長を持つLED、375nmの中心波長を持つLEDなどを使用することが出来る。なかでも、330〜400nmのLED光を照射することが好ましく、350〜390nmのLED光を照射することがより好ましい。特に、ベンゾフェノンの励起波長366nmに近い365nmの中心波長を持つLEDなどが効率の点から好ましい。
また、工程2において、ポリマー鎖を形成することにより、優れた摺動性、耐久性、タンパク質の吸着防止性や凝集防止性が得られ、かつ良好なシール性も維持できる。形成されるポリマー鎖の重合度は、好ましくは20〜200000、より好ましくは350〜50000である。20未満であると、ポリマー鎖が短すぎて、改質対象物の表面の凹凸に埋もれてしまい、摺動性が発揮されない傾向がある。200000を超えると、使用するモノマー量が多くなり、経済的に不利となる傾向がある。
工程2で形成されるポリマー鎖の長さは、好ましくは10〜50000nm、より好ましくは100〜50000nmである。10nm未満であると、良好な摺動性が得られない傾向がある。50000nmを超えると、摺動性の更なる向上が期待できず、高価なモノマーを使用するために原料コストが上昇する傾向があり、また、表面処理による表面模様が肉眼で見えるようになり、美観を損ねたり、シール性が低下する傾向がある。
上記工程2では、重合開始点を起点にして2種以上のモノマーを同時にラジカル重合させてもよく、また、改質対象物の表面に複数種のポリマー鎖を成長させてもよい。
工程3では、工程2において、改質対象物表面に成長させたポリマー鎖に紫外線を照射する。これにより、ポリマー鎖間に架橋が起こり、架橋前に比べて、より良好なシール性を持った表面改質弾性体が得られる。工程3で形成される架橋構造の詳細は明らかではないが、高エネルギー紫外線照射によりポリマー鎖にラジカルが形成され、鎖間に架橋構造が形成されるものと推察される。
工程3で照射される紫外線の波長は、好ましくは300nm以下、より好ましくは150〜280nm、更に好ましくは175〜270nmである。300nmを超える紫外線を用いても架橋構造が形成されず、シール性の向上等の効果が得られない傾向がある。
工程3の紫外線照射の光源は、低圧水銀ランプなどを好適に使用できる。照射光量及び照射時間は反応の進行の均一性を考慮して適宜設定すればよい。また、反応容器内における酸素などの活性ガスによる反応阻害を防ぐために、紫外線照射時又は紫外線照射前において、反応容器内や反応液中の酸素を除くことが好ましく、工程2と同様の手法を採用できる。
なお、ポリマー鎖間には、イオン架橋、酸素原子を有する親水性基による架橋が形成されてもよい。更には、一分子内に2つ以上のビニル基を持つ化合物を少量添加して重合することにより、重合中にポリマー鎖間に架橋構造を導入してもよい。一分子内に2つ以上のビニル基を持つ化合物としては、N,N′−メチレンビスアクリルアミドなどが好ましい。
加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーに前記表面改質方法を適用することで、表面改質弾性体が得られる。例えば、水存在下又は乾燥状態での摺動性に優れた表面改質弾性体が得られ、これは低摩擦で、水の抵抗が少ないという点にも優れている。また、三次元形状の固体(弾性体など)の少なくとも一部に前記方法を適用することで、改質された表面改質弾性体が得られる。更に、該表面改質弾性体の好ましい例としては、ポリマーブラシ(高分子ブラシ)が挙げられる。ここで、ポリマーブラシとは、表面開始リビングラジカル重合によるgrafting fromのグラフトポリマーを意味する。また、グラフト鎖は、改質対象物の表面から略垂直方向に配向しているものがエントロピーが小さくなり、グラフト鎖の分子運動が低くなることにより、摺動性が得られて好ましい。更に、ブラシ密度として、0.01chains/nm以上である準濃度及び濃度ブラシが好ましい。
また、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーに前記表面改質方法を適用することで、改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケットを製造できる。改質は、少なくともガスケット表面の摺動部に施されていることが好ましく、表面全体に施されていてもよい。
図1は、注射器用ガスケットの実施形態の側面図の一例である。図1に示されているガスケット1は、注射器の注射筒内周面と接触する外周面に、連続して円周方向に突出した3つの環状突起部11a、11b、11cを有している。ガスケット1において、前記表面改質を適用する部位としては、(1)環状突起部11a、11b、11cなどのシリンジと接する突起部表面、(2)環状突起部11a、11b、11cを含む側面の表面全部、(3)該側面の表面全部と底面部の表面13、などが挙げられる。
同時に、加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーに前記表面改質方法を適用することで、改質された表面を少なくとも一部に有するカテーテルを製造できる。改質は、少なくともカテーテルの表面の潤滑性を必要とする箇所に施されていることが好ましく、表面全体に施されていてもよい。
更に、乗用車などの車両に使用されるタイヤのトレッドに形成された溝に前記表面改質方法を適用し、溝にポリマーブラシを生成させることにより、ウエットや雪上路面における溝表面の流体抵抗が下がったり、水との接触角が上がったりするので、水や雪の排除及びはけを向上させ、グリップ性を改善できる。
図2は、空気入りタイヤ(全体不図示)のトレッド部2の展開図の一例、図3は、図2のA1−A1断面図の一例を示す。
図2〜3において、中央縦溝3a(溝深さD1)、ショルダー縦溝3b(溝深さD2)は、タイヤ周方向に直線状にのびるストレート溝で構成される。このようなストレート溝は、排水抵抗を小さくし、直進走行時に高い排水性能を発揮しうる。
また、空気入りタイヤは、ショルダー縦溝3b側でタイヤ周方向にのびる細溝5(溝深さD3)、この細溝5から中央縦溝3aに向かって傾斜してのびる中間傾斜溝6(溝深さD4)、細溝5よりもタイヤ軸方向内側に位置しかつタイヤ周方向で隣り合う中間傾斜溝6、中間傾斜溝6間を接続する継ぎ溝7(溝深さD5)、ショルダー縦溝3bからタイヤ外間に向かうショルダー横溝8、8a、8b(溝深さD6)などが配され、このような溝でも排水性能が発揮しうる。そして、これらの溝に前記方法を適用することで、前述の効果が発揮される。
以下、実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(実施例1)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴムガスケット(180℃で10分加硫)をベンゾフェノンの1wt%アセトン溶液に浸漬して、加硫ゴム表面にベンゾフェノンを吸着させた。その後、加硫ゴムを取り出し乾燥した。
乾燥した加硫ゴムをアクリルアミドの水溶液(1.25M)の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLEDUVランプ(2mW/cm)を150分照射してラジカル重合を行ってゴム表面にポリマー鎖を成長させた後、水洗して乾燥した。
乾燥した加硫ゴムに、低圧水銀ランプ(254nmの照度:6mW/cm)を30分照射して、表面改質弾性体ガスケット(ポリマーブラシ)を得た。
(実施例2)
低圧水銀ランプの照射時間を15分に変更した以外は、実施例1と同様にして表面改質弾性体ガスケットを作製した。
(実施例3)
ベンゾフェノンの1wt%アセトン溶液を2,4−ジメチルチオキサントンの1%アセトン溶液に、LEDUVランプの照射時間を90分間に変更した以外は、実施例1と同様にして表面改質弾性体ガスケットを作製した。
(実施例4)
アクリルアミドの水溶液(1.25M)を、アクリルアミド/アクリル酸混合水溶液(1.25M、アクリルアミド:アクリル酸=10:90)に、LEDUVランプの照射時間を120分間に変更した以外は、実施例1と同様にして表面改質弾性体ガスケットを作製した。
(実施例5)
イソプレンユニットを含むクロロブチルゴム(不飽和度:1〜2%)をトリアジンで架橋した加硫ゴムガスケット(180℃で10分加硫)をベンゾフェノンの1wt%アセトン溶液に浸漬して、加硫ゴム表面にベンゾフェノンを吸着させた。その後、加硫ゴムを取り出し乾燥した。
乾燥した加硫ゴムをアクリルアミド/アクリル酸混合水溶液(1.25M、アクリルアミド:アクリル酸=10:90)の入ったガラス反応容器に浸漬し、365nmの波長を持つLEDUVランプ(2mW/cm)を120分照射してラジカル重合を行ってゴム表面にポリマー鎖を成長させた後、水洗して乾燥した。
乾燥した加硫ゴムをアルゴンガスで置換したガラス容器の中に入れ、低圧水銀ランプ(254nmの照度:6mW/cm)を30分照射して、表面改質弾性体ガスケット(ポリマーブラシ)を得た。
(比較例1)
クロロブチルゴムをトリアジンで架橋した加硫ゴムガスケット(180℃で10分加硫)を使用した。
実施例、比較例で作製した表面改質弾性体ガスケットを以下の方法で評価し、表1に結果を示した。
(ポリマー鎖の長さ)
加硫ゴム表面に形成されたポリマー鎖の長さは、ポリマー鎖が形成された改質ゴム断面を、SEMを使用し、加速電圧15kV、1000倍で測定した。撮影されたポリマー層の厚みをポリマー鎖の長さとした。
(摩擦抵抗力)
表面改質弾性体ガスケットの表面の摩擦抵抗力を測定するために、実施例、比較例で作製した加硫ゴムガスケットを注射器のCOP樹脂シリンジにセットし、引張試験機を用いて押し込んでいき、そのときの摩擦抵抗力を測定した(押し込み速度:100mm/min)。比較例1の摩擦抵抗力を100として、下記式を用い、各実施例、比較例について摩擦抵抗指数で示した。指数が小さい方が、摩擦抵抗力が低いことを示す。
(摩擦抵抗指数)=各実施例の摩擦抵抗力/比較例1の摩擦抵抗力×100
Figure 2015059165
表1より、実施例の表面改質弾性体表面は、摩擦抵抗力が非常に大きく下がり、良好な摺動性が得られることが明らかとなった。また、シール性は、比較例1と比較して、向上した。
従って、注射器のプランジャーのガスケットに使用した場合、十分なシール性とともにプランジャーのシリンジに対する摩擦力が軽減され、注射器による処置を容易にかつ正確に行うことができる。また、注射器のシリンジを熱可塑性エラストマーで作製し、その内表面にポリマー鎖を生成させたときも、上記と同様に注射器による処方を容易に行うことができる。
また、乗用車などに使用されるタイヤのトレッドに形成された溝、サイドウォール、ダイヤフラム、スキーやスノーボード板の滑走面、水泳水着、道路標識、看板などの表面にポリマー鎖を形成することで、前述の効果も期待できる。
1 ガスケット
11a、11b、11c 環状突起部
13 底面部の表面
2 トレッド部
3a 中央縦溝
3b ショルダー縦溝
5 細溝
6 中間傾斜溝
7 継ぎ溝
8、8a、8b ショルダー横溝

Claims (17)

  1. 加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーを改質対象物とする表面改質方法であって、
    前記改質対象物の表面に重合開始点を形成する工程1と、
    前記重合開始点を起点にしてモノマーをラジカル重合させ、前記改質対象物の表面にポリマー鎖を成長させる工程2と、
    成長させた前記ポリマー鎖に紫外線を照射する工程3とを含む表面改質方法。
  2. 前記工程2のラジカル重合は、波長330〜400nmの紫外線を照射するものであり、前記工程3の紫外線照射は、波長300nm以下の紫外線を照射するものである請求項1記載の表面改質方法。
  3. 前記加硫ゴム又は熱可塑性エラストマーが二重結合に隣接する炭素原子であるアリル位の炭素原子を有する請求項1又は2記載の表面改質方法。
  4. 前記重合開始点は、前記改質対象物の表面に重合開始剤を吸着させて形成される請求項1〜3のいずれかに記載の表面改質方法。
  5. 前記重合開始剤は、ベンゾフェノン系化合物及び/又はチオキサントン系化合物である請求項4記載の表面改質方法。
  6. 更に、吸着させた前記重合開始剤に光を照射して前記改質対象物の表面に化学結合させる請求項4又は5に記載の表面改質方法。
  7. 前記ラジカル重合が光ラジカル重合である請求項1〜6のいずれかに記載の表面改質方法。
  8. 前記ラジカル重合は、前記光照射時又は照射前に反応容器及び反応液に不活性ガスを導入し、不活性ガス雰囲気に置換して重合させる請求項1〜7のいずれかに記載の表面改質方法。
  9. 前記モノマーは、アクリル酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリル酸アルカリ金属塩、アクリル酸アミン塩、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、メタクリルアミド、メタクリル酸アルカリ金属塩、メタクリル酸アミン塩、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ジメチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、イソプロピルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリルアミド、メタクリロイルモルホリン、及びアクリロニトリルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜8のいずれかに記載の表面改質方法。
  10. 前記光ラジカル重合は、前記改質対象物の表面又は前記重合開始剤が吸着若しくは共有結合した改質対象物の表面に、前記モノマー又はその溶液を接触させ、光を照射して重合を進行させる請求項6〜9のいずれかに記載の表面改質方法。
  11. 前記モノマー又はその溶液が重合禁止剤を含むもので、該重合禁止剤の存在下で重合させる請求項1〜10のいずれかに記載の表面改質方法。
  12. 前記重合禁止剤が4−メチルフェノールである請求項11記載の表面改質方法。
  13. 前記ポリマー鎖の長さが10〜50000nmである請求項1〜12のいずれかに記載の表面改質方法。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載の表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する表面改質弾性体。
  15. 請求項1〜13のいずれかに記載の表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有する注射器用ガスケット。
  16. 請求項1〜13のいずれかに記載の表面改質方法により改質されたタイヤの溝表面を少なくとも一部に有するタイヤ。
  17. 請求項1〜13のいずれかに記載の表面改質方法により改質された表面を少なくとも一部に有するカテーテル。
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