JP2015058490A - 面取り機、及びこれに用いられるカッターチップ - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば細い長孔形状の溝等の内周縁部にR面取り加工を施すことができるハンド型の面取り機を提供する。【解決手段】平面視正三角形の板状体からなるカッターチップ10がカッター台20に締付固定されたカッターブレード30を有する面取り機50であって、該カッターチップ10はR面取り用の面取り刃12を有しており、さらに該面取り刃12のR面取り加工半径は2mm以下(すなわちR2以下)に定められている。該カッターチップ10は平面視正三角形の板状体からなるため、該カッターチップ10をカッター台20に固定した状態で該カッター台20の先端部の外形寸法が可及的に小さくなり、例えば細い長孔形状の溝等の内周縁部にR面取り加工を施すことができる。【選択図】図4
Description
本発明は、例えば長孔等の溝における内周縁部をR面取りするための面取り機、及び該面取り機に用いられるカッターチップに関する。
従来、面取り加工時において使用されるハンド型の面取り機は、カッターチップをカッター台に取り付けてなる面取り用のカッターブレードを、電気や圧縮空気で回転駆動する出力軸の先端に装着して構成されている。そして作業者が該面取り機を手に持ち、面取り加工する際にカッターブレードを回転させつつ、カッターチップの先端に設けられた切削刃を対象に押し当てることで、目的とする箇所を切削して面取りする。
このような面取り加工を行うハンド型の面取り機は従来からよく知られており、例えば特許文献1に提案されているものがある。これは面取り機本体に、カッターを回転駆動手段により回転可能に取り付け、該カッターにカッターチップを交換可能に取り付けたものである。
また、板材の端縁部をR面取りする手持ち面取り機としては特許文献2に提案されているものがある。これは挟持部間にワークである板材を挿入挟持させ、該板材の端縁部をローラに当接させて面取りカッターにより面取りするものである。
また、上記したような面取り機は、基本的に複数の切り刃を有するカッターチップが用いられ、切り刃が摩耗した場合には別の切り刃を使用することでカッターチップそのものの寿命を長くしている。例えば、従来のC面取り用のカッターチップにおいては、正六角形板状のチップ本体における表側の複数の辺に各々切り刃を設け、さらに裏側にも表側と同様の切り刃を各々設けることで、計12個の切り刃を有するものが提案されている。一方、R面取り用のカッターチップの場合には、強度低下等の観点から裏側に切り刃を設けた構成はほとんど普及していないが、正四角形以上の正多角形板状にして切り刃の数を増やすことでカッターチップの長寿命化が図られている。
しかしながら、上述のように切り刃の数を増やそうと四角形以上の正多角形板状のカッターチップとした場合、必然的にカッターチップが装着されるカッター先端の外径が大きくなる。そうすると、例えば、細い長孔形状の溝等の内周縁部に対してR面取り加工を施そうとした場合、カッター先端の径が溝幅よりも大となり、溝内にカッターを挿入することができず、加工できないという問題が生じる。例えば、上記特許文献2に開示されている面取り機は、板材等の外周の面取りを行うことを目的としており、上記したような極めて狭い箇所である溝等の内周縁部にR面取り加工を施すことは想定されていない。
そこで本発明は、例えば長孔形状の溝等の内周縁部にR面取り加工を施すことができるハンド型の面取り機を提供することを目的とする。
本発明は、平面視正三角形である板状体の各辺部にR面取り用の面取り刃を有してなるカッターチップがカッター台に脱着可能に固定されたカッターブレードを備えている面取り機であって、該カッターチップにおける面取り刃のR面取り加工半径は、2mm以下であることを特徴とする面取り機である。
上記のように、面取り機のカッターチップを平面視正三角形の板状体で構成し、かつ各辺部に面取り刃を設けたため、カッター台に固定された状態でカッターチップの外径寸法を可及的に小さくまとめることができると共に、カッターチップ自体の長寿命化も確保することが可能となる。これにより、例えば細い長孔形状の溝内にカッター台の先端部が挿入可能となり、該溝の内周縁部に、2mm以下の小さな加工半径(すなわちR2)としたR面取り加工を行うことができるようになる。
また、上記面取り刃のR面取り加工半径は、加工精度やカッターチップの強度の観点から、0.5mm以上であることが望ましい。
このように加工半径を0.5mm以上(すなわちR0.5以上)とすることにより、カッターチップを汎用の材料で、十分な強度を確保しつつ好適に製造することが可能となる。
さらに本発明は、これまでに述べた上記面取り機に用いられるカッターチップである。
ところで、当業者間において、「面取り」は2種に大別され、例えば板材の端縁部を斜めに直線状にカットすることを「C面取り(加工)」といい、円弧形状にカットすることを「R面取り(加工)」という。
本発明にかかる面取り機は、従来では困難であった細い長孔形状の溝等の内周縁部にR面取り加工を施すことができる優れた効果がある。
また、本発明にかかるカッターチップは、上記面取り機を好適に提供することができる効果がある。
以下に本発明を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
〔カッターチップ〕
図1a,図1bに示すように、R面取り用のカッターチップ10は、平面視正三角形の板状体をなすチップ本体11からなり、該チップ本体11の各辺部に対応する側周面13に、円弧状をなす面取り刃12が各々配設されている。なお、本実施例においては、該面取り刃12の刃先の角度は90°とされ、加工半径は2mm(いわゆるR2)とされている。
図1a,図1bに示すように、R面取り用のカッターチップ10は、平面視正三角形の板状体をなすチップ本体11からなり、該チップ本体11の各辺部に対応する側周面13に、円弧状をなす面取り刃12が各々配設されている。なお、本実施例においては、該面取り刃12の刃先の角度は90°とされ、加工半径は2mm(いわゆるR2)とされている。
さらに詳説すると、前記チップ本体11は、超硬合金材料からなり、各側周面13と、これを挟む一対の平坦面11L,11Rとが、それぞれ直交して形成されている。また、前記面取り刃12にあっては、該面取り刃12の端部がチップ本体11の各頂部15に連続するようにして各々配置されている。さらに、該チップ本体11の中央には、固定孔14が配置されており、一側(表側)の平坦面11Lの中央と、他側(裏側)の平坦面11Rの中央との間で該チップ本体11を厚み方向に貫通するように形成されている。
前記固定孔14は、前記カッターチップ10を後述するカッター台20に固定するためのネジ31(図3a参照)を挿通するべく設けられたものである。該ネジ31には、頭部とネジ部との間にテーパ部分を有した皿ネジが用いられる。そして該ネジ31のテーパ部分を収容するために、該固定孔14の端部内周面には、一側(表側)の平坦面11L側に近づくに従い拡径するテーパ部が形成されている。そして、該固定孔14のテーパ部分と該ネジ31のテーパ部分とが面接触することで、該カッターチップ10がカッター台20の正規の位置に固定され、がたつきが生じてしまうことが防止されている。
〔カッター台〕
図2a,図2bに示すように、カッター台20は、円柱軸状のシャンク21と、該シャンク21の先端部に設けられた略円形台状のチップホルダ22と、を備えている。該チップホルダ22には、複数(本実施例では3つ)のチップポケット23が設けられている。該チップポケット23は、平面視で前記チップホルダ22の先端部を、前記シャンク21の軸線Cを中心とした回転方向Tで等間隔おきとなるように、扇状に切り欠いて形成され、該回転方向T側を向く平面状の壁面24を有する凹状をなしている。なお、該チップポケット23は、必ずしも3つに限られず、複数であれば2つ、あるいは4つ以上設けられていてもよい。
図2a,図2bに示すように、カッター台20は、円柱軸状のシャンク21と、該シャンク21の先端部に設けられた略円形台状のチップホルダ22と、を備えている。該チップホルダ22には、複数(本実施例では3つ)のチップポケット23が設けられている。該チップポケット23は、平面視で前記チップホルダ22の先端部を、前記シャンク21の軸線Cを中心とした回転方向Tで等間隔おきとなるように、扇状に切り欠いて形成され、該回転方向T側を向く平面状の壁面24を有する凹状をなしている。なお、該チップポケット23は、必ずしも3つに限られず、複数であれば2つ、あるいは4つ以上設けられていてもよい。
前記チップホルダ22の壁面24には、その内部に上記カッターチップ10を収容し、保持するための固定座25が凹設されている。そして、該固定座25の主要部を構成する平底面25A上には、ネジ穴26が形成されている。また、該固定座25の平底面25Aの周縁からは、側周面25Bが起立状に形成されており、この平底面25Aから立ち上がる側周面25Bが、上記カッターチップ10の側周面13の平面部分に対応して当接するようにされている。
つまり、前記チップホルダ22に前記カッターチップ10を収容する際には、図3aに示すように、該側周面25Bに該カッターチップ10の側周面13のいずれかの平面部分を当接させる。かかる構成とすることにより、前記カッターチップ10の面取り刃12が面取り対象となるワークWに接触した際に生ずる該カッターチップ10に向かう方向の押圧力(図3aにおける矢印参照)に対し、該カッターチップ10がネジ周りに回転してしまうことを防止している。また、該カッターチップ10の微細振動によって締付け固定状態が緩むことも抑制されている。
なお、上記カッターチップ10は、1体に対して3つの面取り刃12を設けることで、面取り刃12の摩耗等による交換に際し計3回の使い回しを可能とし、カッターチップ10の長寿命化を図っている。
また、上記のように、カッターチップ10を、正多角形のうち最少角である正三角形の板状体で構成したため、該カッターチップ10を前記カッター台20に固定した状態において、固定孔14と面取り刃12との距離を、正四角形以上の板状体で構成した場合よりも短くすることが可能となり、カッターチップ10を含むカッター台20の先端部の外形寸法を可及的に小さくすることができる。
ところで、前記カッターチップ10においては、前記面取り刃12の刃先の角度は90°とされている。この場合、ワークWとこれに接触する面取り刃12との接触角度を好適なものとするべく、固定座25に固定されたカッターチップ10は、上記シャンク21の軸線Cの延びる方向から所定の取付角度θだけ回転方向T側へ前傾した状態で取り付けられている。該取付角度θは、面取り刃12による面取り量と該面取り刃12の摩耗量との兼ね合い等といった加工効率を好適なものにするという観点から、好ましくは5°〜45°であり、より好ましくは5°〜30°であり、さらに好ましくは10°±5°である。またカッターチップ10を傾けて取り付ける場合の取付角度θの調整は、前記チップポケット23の形成時において、前記壁面24あるいは前記固定座25の平底面25Aの形成角度の設定によってなすことができる。
〔カッターブレード〕
図3a,図3bに示すように、カッターブレード30は、前記カッター台20に前記カッターチップ10が装着されることによって構成されている。ここで、カッターチップ10をカッター台20に装着する際は、チップ本体11に設けられた固定孔14に、ネジ31の軸部を挿通したうえで、該ネジ31をネジ穴26に螺入し、締め付け状態として完了する。
図3a,図3bに示すように、カッターブレード30は、前記カッター台20に前記カッターチップ10が装着されることによって構成されている。ここで、カッターチップ10をカッター台20に装着する際は、チップ本体11に設けられた固定孔14に、ネジ31の軸部を挿通したうえで、該ネジ31をネジ穴26に螺入し、締め付け状態として完了する。
前記固定座25は、その深さが、前記カッターチップ10の厚みよりも浅くなるように形成されている。また該固定座25にあっては、平底面25Aの面積が、前記カッターチップ10の他側の平坦面11Rの面積よりも小さくなるように形成されている。したがって、前記固定座25に装着された前記カッターチップ10は、面取り刃12がチップポケット23の外部へ露出し、またカッターブレード30の回転方向Tにおける回転時に、ワークWのみに面取り刃12が接触し、これによってワークWの所要部位が切削されるように配置される。
〔面取り機〕
図4に示すように、面取り機50は、ヘッド部51の内側に回転自在に垂直に挿設される回転軸52の下端に、前記カッターブレード30が、案内軸受53が備えられたカッター固定ボルト54により固設され、前記ヘッド部51の下端には、中央に軸挿入孔が貫設された回転マウント55が螺合され、前記回転マウント55の下部には、中央に貫通孔が貫設された円板状の支持案内板56が設置されるよう構成されている。
図4に示すように、面取り機50は、ヘッド部51の内側に回転自在に垂直に挿設される回転軸52の下端に、前記カッターブレード30が、案内軸受53が備えられたカッター固定ボルト54により固設され、前記ヘッド部51の下端には、中央に軸挿入孔が貫設された回転マウント55が螺合され、前記回転マウント55の下部には、中央に貫通孔が貫設された円板状の支持案内板56が設置されるよう構成されている。
前記面取り機50の使用に際しては、図4に示すように、ワークWを前記案内軸受53と前記支持案内板56底面とに当接させるようにして前記カッターブレード30を回転させ、前記面取り刃12を該ワークWの角部に当ててR面取りを行う。
この際、上記したようにカッターチップ10が平面視正三角形の板状体からなるため、カッターブレード30の先端部の外形寸法を可及的に小さくすることができ、例えば細い長孔形状の溝内に該先端部を挿入しつつ、該溝の内周縁部に対して、R面取りを行うことが可能となる。具体的には、長孔形状からなる溝の内周縁部に、加工半径が2mm以下(R2以下)のR面取り加工を行うことができるようになる。
なお、本実施例においては、R面取りにおける加工半径(R)の下限値は特に限定されないが(すなわち0<R)、例えばR0.1以上に設定することができる。また、カッターチップ10の強度確保の観点からすれば、好ましくは0.5mm以上のR面取りが可能に設定することもできる。
上記面取り機50において、回転軸52を回転駆動させるための駆動源は汎用性の点から圧縮空気を用いることが好ましい。しかし特に図4に示す構造に限定されることはなく、例えば高周波電源を用いてもよいしカッターブレード30がモーターに直結された構成であっても構わない。
前記カッターチップ10の面取り刃12にあっては、一側の平坦面11Lと側周面13とがなす角度が90°に定められているが、これに限られず、例えば側周面13の中央に、V字溝やU字溝等のような凹みを周方向に沿って延設したり、一側の平坦面11Lから他側の平坦面11Rに向かってテーパ状に傾斜を設け、その傾斜角度として30°,45°,60°等の90°未満の角度を定めるようにしてもよい。また、前記カッター台20に前記カッターチップ10を取り付ける際に、前記取付角度θを0°としてもよい。
10 カッターチップ
12 面取り刃
20 カッター台
30 カッターブレード
50 面取り機
12 面取り刃
20 カッター台
30 カッターブレード
50 面取り機
Claims (3)
- 平面視正三角形である板状体の各辺部にR面取り用の面取り刃を有してなるカッターチップがカッター台に脱着可能に固定されたカッターブレードを備えている面取り機であって、
該カッターチップにおける面取り刃のR面取り加工半径は、2mm以下である
ことを特徴とする面取り機。 - 前記面取り刃のR面取り加工半径は、0.5mm以上である
請求項1に記載の面取り機。 - 請求項1又は請求項2に記載の面取り機に用いられるカッターチップ。
Priority Applications (1)
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JP2013192418A JP2015058490A (ja) | 2013-09-17 | 2013-09-17 | 面取り機、及びこれに用いられるカッターチップ |
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Publications (1)
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JP2013192418A Pending JP2015058490A (ja) | 2013-09-17 | 2013-09-17 | 面取り機、及びこれに用いられるカッターチップ |
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