JP2015058172A - 電気刺激装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】患者が嚥下動作を終了した後、患者自身の操作によらず、適時に電気刺激用電流の供給を終了させることが可能な電気刺激装置を提供する。
【解決手段】本発明の電気刺激装置は、生体内で生じる振動を検出する検出部と、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、前記検出部が特定周波数パターンを検出したときに前記電極からの電気刺激用電流の供給を終了させる、ことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体に電気刺激用電流を与えるための電気刺激装置に関し、特に、生体内の振動の特定周波数パターンを検出して電気刺激用電流の供給を制御することが可能な電気刺激装置に関するものである。
生体の表面から電気刺激を与え、生体内の神経や筋肉を刺激するための電気刺激装置が各種知られている。このような電気刺激装置としては、例えば、脳血管障害や脳性麻痺などの脳性疾患、または脊髄性疾患等により身体機能に障害を有する患者に対して、治療及びリハビリテーションを目的として使用され、あるいは、健常者に対して、身体機能を向上させて健康を増進させることを目的として使用されている。
電気刺激装置の治療対象疾患としては、特に、脳梗塞等により、咽喉頭領域における感覚刺激の反射が鈍くなることに起因する嚥下機能障害が知られる。嚥下機能障害の治療方法としては、例えば、特許文献1のように、患者の咽喉頭領域に電気刺激を与え、感覚神経を賦活させて鋭敏にしたり、関連筋の収縮訓練を通じて患者の嚥下反射、運動能力を促進する方法が提供されている。
このような電気刺激装置を嚥下機能障害の治療に使用する場合、嚥下動作が終了した後、嚥下動作が終了した後も電気刺激用電流の供給が持続することで、該電流が患者に不快感を生じさせる、という問題があった。嚥下動作終了後、適時に電気刺激用電流を終了させるためには、例えば、特許文献2のように、患者自身で操作を行う必要があった。
米国特許第7039468号明細書 特表2008−544832号
そこで、本発明は、患者が嚥下動作を終了した後、患者自身の操作によらず、適時に電気刺激用電流の供給を終了させることが可能な電気刺激装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するにあたり、発明者らは、患者の嚥下動作時に生体内に特定周波数パターンの振動が生じることに着目し、本発明を完成させるに至った。
本発明の要旨は、以下の通りである。
本発明の電気刺激装置は、生体内で生じる振動を検出する検出部と、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、前記検出部が特定周波数パターンを検出したときに前記電極からの電気刺激用電流の供給を終了させる、ことを特徴とする。
本発明の電気刺激装置によれば、嚥下動作時に生じる振動の特定周波数パターンを検出することで、電気刺激用電流の供給を振動終了後適時に終了させることができる。これにより、電流供給の不要な延長により患者に生じる不快感を防止することが可能となる。
本発明の他の態様の電気刺激装置は、生体表面から生体内に向けて振動を与える振動発生部と、生体内で生じる振動を検出する検出部と、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、前記検出部が、前記振動発生部から与えられた振動により生体内に生じる共鳴振動を検出し、前記検出された共鳴振動の波長が変化したときに前記制御部が前記電極からの電気刺激用電流の供給を終了させる、ことを特徴とする。
本発明の他の態様の電気刺激装置によれば、外部振動を生体外から与えることにより生体内に生じる共鳴振動について、嚥下動作時の生体内構造変化による該共鳴振動の周波数変化を検出することで、電気刺激用電流の供給を振動終了後適時に終了させることができる。生体内構造変化に伴う共鳴振動の周波数変化を嚥下動作の状態評価として用いることで、生体内で発生する振動のみを検出する場合と比して、振動パターンの変化を正確に検出しやすい、という利点を有する。
本発明の電気刺激装置及び他の態様の電気刺激装置において、前記検出部の検出する振動が、周波数20Hz〜20000Hzの音波であることが好ましい。
嚥下動作時に生じる振動として、音波領域の振動、すなわち嚥下音を検出する構成とすることで、嚥下動作終了を正確に検知することができる。
本発明の他の態様の電気刺激装置において、前記振動発生器から与えられる振動が周波数20Hz〜20000Hzの音波であり、前記検出部の検出する共鳴振動が共鳴音である、ことが好ましい。
音波領域の共鳴振動、すなわち、共鳴音を検出することで、さらに嚥下動作終了を正確に検知することができる。
本発明の電気刺激装置及び他の態様の電気刺激装置において、前記電極は、顎下部、前頸部、または頬部に固定され、電気刺激用電流で口腔・咽喉頭領域を刺激する構成とすることが好ましい。
口腔・咽喉頭領域を刺激する構成とすることで、特に、嚥下機能障害の治療等に適した電気刺激装置の提供が可能である。
本発明の電気刺激装置及び他の態様の電気刺激装置において、前記検出部が剛性物質を備え、前記剛性物質を介して体表面に接触するよう配設されることが好ましい。
剛性物質を体表面に接触させることで、生体内に生じた振動または共鳴振動を感度良く検出することが可能となる。
本発明の電気刺激装置及び他の態様の電気刺激装置において、前記電極と前記検出部が一体的な部材を構成することが好ましい。
体表面の電気刺激位置と検出位置とが一致または近接する場合、電極と検出部を一体的な部材とすることで、配置時の操作や収納が簡便となる、という利点を有する。
本発明の電気刺激装置によれば、患者の嚥下動作時に生じる振動、または外部振動により生体内に生じる共鳴振動の周波数の変化を検出し、嚥下動作終了後、適時に電気刺激用電流の供給を終了させることが可能である。これにより、電気刺激用電流供給の不要な延長により生じる、患者の不快感を減じることが可能となる。
本発明の電気刺激装置の第1実施形態の使用時の工程を示すフローチャートである。 本発明の電気刺激装置の第2実施形態の使用時の工程を示すフローチャートである。 本発明の電気刺激装置の第1実施形態の電極部の一例を示す斜視図である。 本発明の電気刺激装置の第1実施形態の電極部の一例について、(A)上面図、(B)a−a断面図、(C)付着部と導線部とを分離させた状態での導線部の上面図、(D)b−b断面図、(E)付着部と導線部とを分離させた状態での付着部の上面図、(F)c−c断面図を示したものである。 本発明の電気刺激装置の第1実施形態の電極部の他の例について、(A)上面図、(B)d−d断面図、(C)付着部と導線部とを分離させた状態での導線部の上面図、(D)e−e断面図、(E)付着部と導線部とを分離させた状態での付着部の上面図、(F)f−f断面図を示したものである。 本発明の電気刺激装置の第2実施形態の電極部の一例について、(A)上面図、(B)g−g断面図、(C)付着部と導線部とを分離させた状態での導線部の上面図、(D)h−h断面図、(E)付着部と導線部とを分離させた状態での付着部の上面図、(F)i−i断面図を示したものである。 本発明の電気刺激装置の第1実施形態の一例の概略を示すブロック図である。 本発明の電気刺激装置の第2実施形態の一例の概略を示すブロック図である。 本発明の電気刺激装置の使用状態の一例を示す図である。 喉頭蓋と喉頭の構造を模式的に示す図である。(A)は、非嚥下時の喉頭蓋と喉頭の構造の模式図であり、(B)は、嚥下時の喉頭蓋と喉頭の構造の模式図である。
(電気刺激装置)
本明細書においては、電気刺激装置として、嚥下機能障害の治療及びリハビリテーションのために、図9に示すように患者の顎下部若しくは前頸部に、または頬部(図示せず)に電極部材91を貼付して、咽喉頭領域または口腔領域を刺激する電気刺激装置について、例示的に記載する。なお、電気刺激装置の電極部材貼付位置は特に限定されるものではないが、嚥下機能障害の治療においては、顎下部、前頸部、または頬部への貼付が高い効果が得られるため好ましい。
<第1実施形態>
本発明の電気刺激装置の第1実施形態(以降、「第1電気刺激装置」とも称する)は、生体内で生じる振動を検出する検出部と、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、前記検出部が特定周波数パターンを検出したときに前記電極からの電気刺激用電流の供給を終了させる、ことを特徴とする。
本発明の第1電気刺激装置について、その使用時のフローチャートを図1に示す。図9に示すように患者生体の咽喉頭領域に貼付された電極部材91は、定常状態においては、咽喉頭領域に刺激を与えないか、または、筋運動が生じない出力レベルでの電流を供給する(ステップS1)。嚥下動作時において、患者自身の操作により、または、顎下筋の運動もしくは筋電パターンの変化を検出することにより(ステップS2)、電極部材を介して筋運動が誘発される出力レベルの電気刺激用電流の供給が開始される(ステップS3)。顎下筋の運動もしくは筋電パターンの変化を検出する場合は、電極部材とは別に、顎下筋領域に貼付された加速度センサ、筋電計等の検出機構を顎下筋近傍に取り付けることにより、筋運動もしくは筋電パターンが検出される(図示せず)。
電気刺激用電流の供給を受けることで生じた嚥下運動により、生体内に特定の周波数パターンを有する振動、すなわち嚥下音が生じる。第1電気刺激装置は、該嚥下音の特定周波数パターンを検出した場合(ステップS4で「Yes」)、その直後または一定時間後(例えば0〜3秒後)に、電気刺激用電流の供給を終了するように制御される(ステップS5)。
図7は、第1電気刺激装置の構成の一例を示すブロック図である。図示例の第1電気刺激装置は、電源と、電気刺激用電流を生成するための発振器と、生成された電気刺激用電流を増幅する増幅器と、該電気刺激用電流を生体に提供する電極と、マイクロフォン等の振動検出装置に接続された検出部と、ROM、EEPROM、RAM等のメモリに格納されたプログラムに基づいて電流供給を制御する制御部と、LED、LCD、ブザー等を有する表示部と、びON/OFFスイッチ、モード選択スイッチ、出力調整スイッチ等を有する入力部とを備える。前記電源は、発振器及び制御部に直接接続され、また、前記制御部には、発振器、振動検出装置、メモリ、表示部、入力部がそれぞれ接続される。
<<電極部材の構成>>
前記電極と前記検出部は、別部材として、体表面のそれぞれ別の位置に配置してもよいが、電気刺激用電流の被供給部位と、振動検出部位は一致または近似していることが好ましいことから、一体的な電極部材として構成されることが好ましい。ここでいう「一体的な電極部材」は、前記電極を形成する部品と前記検出部を形成する部品とが係合や貼付により取り外し可能に一体化している場合であっても、装置の動作時に一体として使用するものであれば包含するものとする。
以下、第1電気刺激装置の電極部材の複数例について、図を参照して詳説する。なお、本発明の電気刺激装置の第1実施形態は、図示例に限定されるものではない。
図3は、電極部材の第1図示例の外観を示す斜視図である。図4(A)は、該電極部材の上面図、図4(B)は、図4(A)のa−a断面図である。電極部材31は、体表面に配置するものであり、体表面側から順に、導電性ゲル電極32、カーボンシート33、絶縁性基材34及び剛性シート35が積層され、これに導電性の係合金具36a、36b、絶縁性カバー37及び導線38が付属されてなる。なお、第1図示例において、電極部材31は略円盤形状であるが、この形状に限定されることなく、楕円形、角丸四角形等の所望の形状とすることができる。
第1図示例においては、電極部材31は、係合金具36a、36bの係合を外すことで、剛性シート35、係合金具36a、絶縁性カバー37、及び導線38を備えた導線部31a(図4(C)及び(D))と、導電性ゲル電極32、カーボンシート33、絶縁性基材34及び係合金具36bを備える付着部31b(図4(E)及び(F))との2部品に分離可能である。導電性ゲル電極32は、使用を繰り返すことによりその粘着性が失われ、使用が困難となるため、導電性ゲル電極32を含む部品は、適宜新しいものと交換する必要がある。第1図示例のように、電極部材31の導線部31aと付着部31bとを分離可能とすると、廃棄される部分をより小さくすることができるため、使用コスト、環用負荷を低減させることが可能となるため、好ましい。なお、本発明は、電極部材が分離不能な構造である電気刺激装置を除外するものではない。
電極部材31は、係合金具36aと36bとを係合して、導線部31aと付着部31bとを一体化させた状態で使用する。使用時には、付着部31bのみを体表面の特定部位(図9の電極部材91が貼付されている部位等)に貼付してから、導線部31aを係合させてもよく、また係合した状態で貼付してもよい。電極部材31は、付着部31bの導電性ゲル電極32によって、体表面の特定位置に固定される。導電性ゲル電極32に積層されるカーボンシート33は必須ではないが、導電性ゲル電極32よりも導電性の高いカーボンシート33を介することで、導電性ゲル電極32の生体接触面全体に電流を供給することが可能となるため、好ましい。絶縁性基材34としては、絶縁性のフィルムであれば、特に限定されないが、ゲルのはがしやすさ等の観点から、布、ポリエチレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム、ポリエチレンポリ酢酸ビニルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルム等の可撓性フィルムを使用することが好ましい。なお、絶縁性基材34は省略することもできる。
図7の発振器で発振された電気刺激用電流は、増幅器を通って、導線38を介して電極部材に供給される。導線38は、導電性の係合金具36aに接続されており、前記電気刺激用電流は、係合金具36a、36bを介してカーボンシート33、導電性ゲル電極32に送られ、生体表面に供給される。
生体内で発生する振動は、剛性シート35を介して伝達され、マイクロフォン等で電気信号化された後、該電気信号が制御部に送られる。剛性シート35としては、PVDFフィルムやEMFITフィルム等の圧電フィルムを好適に使用でき、該圧電フィルムにより、生体内で発生する振動を即時に電気信号化することができる。電気刺激用電流が生体に供給されることに嚥下反射が生じ、嚥下時に生じる特定周波数パターンの振動(例えば嚥下音)の信号が制御部に送られると、制御部からの指令より発振器からの電気刺激用電流の供給が止められる。
ここで、剛性シート35で検出され制御部で解析される振動は、音波、具体的には20Hz〜20000Hzの周波数を有する振動であることが好ましい。音波以外の振動、例えば筋運動等の低周波数の振動は、嚥下時以外にも生じることが多く、ノイズが生じやすい、という問題がある。また、電気刺激用電流以外の外力が加わることによっても、ノイズが生じ得る。一方、20000Hz超の高音波については、現在のところ、嚥下反射に特有の周波数パターンは知られていない。したがって、嚥下時に生じる20Hz〜20000Hzの周波数の音波振動、すなわち嚥下音を検出することが好ましい。
振動の周波数が1000Hz〜20000Hzであると、嚥下音を高い精度で検出できるため、より好ましい。
図5に、第1電気刺激装置の電極部材の第2図示例の構造を示す。図5(A)は、該電極部材の上面図、図5(B)は、図5(A)のd−d断面図である。電極部材51は、体表面に配置するものであり、体表面側から順に、導電性ゲル電極52、カーボンシート53及び絶縁性基材54が貫通孔を有する状態で積層され、該貫通孔に剛性部材55が配置され、これに導電性の係合金具56a、56b、絶縁性カバー57及び導線58が付属されてなる。前記貫通孔は、導電性ゲル電極52の生体接触面の中央相当部分に設けられることが好ましい。なお、第2図示例においても、電極部材は略円盤形状であるが、この形状に限定されるものではない。
第2図示例においても、第1図示例と同様に、電極部材51は、剛性部材55、係合金具56a、絶縁性カバー57、及び導線58を備えた導線部51a(図5(C)及び(D))と、導電性ゲル電極52、カーボンシート53、絶縁性基材54及び係合金具56bを備える付着部51b(図5(E)及び(F))との2部品に分離可能である。
第2図示例の使用方法、作用機序は第1図示例とほぼ同様であるが、生体内の振動を検出する剛性物質(ここでは、剛性部材55)が、生体表面に直接接触可能な点で、第1図示例と相違する。生体内の振動は、導電性ゲル等に吸収されやすいため、より高感度に該振動を検出するためには、生体表面に直接検出機構を接触させることが好ましい。なお、前記剛性部材55としては、圧電素子を好適に使用できる。
<第2実施形態>
本発明の電気刺激装置の第2実施形態(以降、「第2電気刺激装置」とも称する)は、生体表面から生体内に向けて外部振動を与える振動発生部と、生体内で生じる振動を検出する検出部と、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、前記検出部が、前記振動発生部から与えられた振動により生体内に生じる共鳴振動を検出し、前記検出された共鳴振動の波長が変化したときに前記制御部が前記電極からの電気刺激用電流の供給を終了させる、ことを特徴とする。
本発明の第2電気刺激装置について、その使用時のフローチャートを図2に示す。患者生体の咽喉頭領域に貼付された電極部材は、定常状態においては、咽喉頭領域に刺激を与えないか、または、筋運動が生じない出力レベルでの電流を供給する(ステップS6)。嚥下動作時において、患者自身の刺激開始ボタンONの操作により、または、顎下筋の運動もしくは筋電パターンの変化を検出することにより(ステップS8)、電極を介して筋運動が誘発される出力レベルの電気刺激用電流の供給が開始される(ステップS9)。
一方、患者生体の咽喉頭領域には、定常時より継続的または断続的に特定波長の振動を供給し、咽喉頭領域に共鳴振動を生じさせる(ステップS7)。電気刺激用電流の供給を受けることで生じた嚥下運動により、後述するように、生体内で咽喉頭領域の形状が変化し、これにより、前記共鳴振動の波長が変化する。第2電気刺激装置は、該共鳴波長の変化を検出した場合(ステップS10で「Yes」)、その直後または一定時間後(例えば0〜3秒後)に、電気刺激用電流の供給を終了するように制御される(ステップS11)。
図8は、第2電気刺激装置の構成の一例を示すブロック図である。振動生成部及び振動供給部をさらに備えること以外は、第1電気刺激装置のブロック図(図7)と同様である。
第2電気刺激装置は、前記電極とは別に振動供給部を有し、該振動供給部を介して、生体表面から生体内に向かって特定周波数の振動を継続的に、または断続的に供給し続ける。図10に示すように、喉頭は管状の構造を有する臓器である。定常状態、すなわち非嚥下時には、喉頭101は、その両末端が開放された開管状態であるが(図10(A))、嚥下時には、嚥下内容物が気管に流れるのを防ぐために、喉頭蓋102が管の上部に蓋をするように動くため、喉頭101は、一方端部が閉じられた閉管状態となる(図10(B))。
管体は、開管状態のときと閉管状態のときとでは、その共鳴波長が異なる。例えば、簡略的に喉頭101を長さLの円管とすると、開管状態の円管の共鳴波長λは、下記式(I)で表される。
λ=2L/n ・・・(I)
(式中、L=円管の長さ、n=1,2,3・・・)
一方、閉管状態の円管の共鳴波長λは、下記式(II)で表される。
λ=4L/(2n−1) ・・・(II)
(式中、L=円管の長さ、n=1,2,3・・・)
そのため、特定周波数の振動を喉頭101に与えた場合、嚥下時の喉頭蓋102の動きにより、喉頭101が開管状態から閉管状態に変化し、これにより、共鳴波長の変化が生じることとなる。第2電気刺激装置は、この共鳴波長の変化を検知して、電気刺激用電流の供給を終了させるよう制御する機構を有するものである。このように、能動的に振動を与えて共鳴振動を発生させ、その共鳴波長の変化を検出することで、供給振動の出力を調整して検出感度を適正化したり、供給振動の周波数を調整してノイズを減じたりすることが可能である。
<<電極部材の構成>>
前記電極と前記検出部は、別部材として、体表面のそれぞれ別の位置に配置してもよいが、一体的な電極部材として構成されることが好ましい。「一体的な」電極部材の定義については、第1電気刺激装置と同様である。
以下、第2電気刺激装置の電極部材の例について、図を参照して詳説する。なお、本発明の電気刺激装置の第2実施形態は、図示例に限定されるものではない。
図6に、第2電気刺激装置の電極部材の例の構造を示す。図6(A)は、該電極部材の上面図、図6(B)は、図6(A)のg−g断面図である。電極部材61は、体表面に配置するものであり、体表面側から順に、導電性ゲル電極62、カーボンシート63及び絶縁性基材64が貫通孔を有する状態で積層され、該貫通孔に円柱状の振動供給部69とその側面を囲繞する剛性部材65が配置され、これに導電性の係合金具66a、66b、絶縁性カバー67及び導線68が付属されてなる。前記貫通孔は、導電性ゲル電極62の生体接触面の中央相当部分に設けられることが好ましい。なお、図示例の電極部材は略円盤形状であるが、この形状に限定されるものではない。
電極部材61は、係合金具66a、66bの係合を外すことで、振動供給部69、剛性部材65、係合金具66a、絶縁性カバー67、及び導線68を備えた導線部61a(図6(C)及び(D))と、導電性ゲル電極62、カーボンシート63、絶縁性基材64及び係合金具66bを備える付着部61b(図6(E)及び(F))の2部品に分離可能である。
図示例は、振動供給部69の側面を剛性部材65が囲繞する形態を示しているが、この形態に限定されるものではなく、例えば、剛性部材65を振動供給部69が囲繞する形態であってもよく、また、それぞれが半円柱状であり、2つの半円柱を組み合わせて円柱を形成する形態であってもよい。剛性部材65の内部に振動供給部69を埋め込む形態とすることもできる。剛性部材65としては、圧電素子を好適に使用できる。振動供給部69としては、振動素子を好適に使用できる。
振動供給部69が供給する振動は、音波、具体的には20Hz〜20000Hzの周波数を有する振動であることが好ましい。供給振動の低周波数を20Hz未満とすると、その共鳴振動も低周波数となり、生体の筋運動等がノイズとなりやすい、という問題がある。また、供給振動、電気刺激用電流以外の外力が加わることによっても、ノイズが生じやすい。一方、20000Hz超の超音波については、共鳴波長の変化を検出するのが困難である、という問題がある。振動供給部69が供給する振動の周波数が500Hz〜15000Hzであると、共鳴波長の変化を高い精度で検出できるため、より好ましい。
また、剛性部材65で検出され制御部で解析される共鳴振動についても、20Hz〜20000Hzの周波数を有する振動とすることが好ましい。前記した通り、20Hz未満の低周波数の共鳴振動は、生体の筋運動等のノイズが入りやすい、という問題があり、20000Hz高周波数の共鳴振動は、その共鳴波長の変化の検出が困難である、という問題がある。同様に、検出される共鳴振動の周波数が1000Hz〜20000Hzであると、共鳴波長を高い精度で検出できるため、より好ましい。
<他の実施形態>
本発明の電気刺激装置の他の実施形態としては、
(1)生体内で生じる振動を検出する検出部と、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、前記検出部が特定周波数パターンを検出したときに前記電極からの電気刺激用電流の供給を開始させる、ことを特徴とする電気刺激装置;及び
(2)生体表面から生体内に向けて外部振動を与える振動発生部と、生体内で生じる振動を検出する検出部と、電気刺激用電流を発振する発振器と、生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、前記検出部が、前記振動発生部から与えられた振動により生体内に生じる共鳴振動を検出し、前記検出された共鳴振動の波長が変化したときに前記制御部が前記電極からの電気刺激用電流の供給を開始させる、ことを特徴とする電気刺激装置
が挙げられる。
すなわち、上記の他の実施形態(1)は、本発明の第1電気刺激装置において、検出部が特定周波数パターンを検出したときに前記電極からの電気刺激用電流の供給を「終了」ではなく、「開始」させる構成を有し、他の実施形態(2)は、本発明の第2電気刺激装置において、共鳴振動の波長が変化したときに前記制御部が前記電極からの電気刺激用電流の供給を「終了」ではなく「開始」させる構成を有する。このような構成を有する電気刺激装置は、例えば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療に適用することが出来る。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、睡眠時の筋弛緩により、舌根部や軟口蓋が下がり、気道を閉塞することによって生じる。したがって、経皮的に喉頭領域や舌に対して電気刺激を与えることで、気道閉塞に関与する弛緩した筋肉を収縮させ、気道を開放することができる。閉塞性睡眠時無呼吸症候群の患者の多くは、無呼吸時にいびきをかくことが知られる。そのため、いびきの振動の特定周波数パターンを検出した時に、電気刺激用電流の供給が開始される構成とすることで、気道の開放が可能となる。あるいは、定常状態から継続的または断続的に咽喉頭に特定周波数の振動を供給して共鳴波長を生じさせ、無呼吸時、すなわち、気道が閉塞した際の共鳴波長の変化を検出した時に、電気刺激用電流の供給が開始される構成とすることもできる。
(電気刺激装置を用いた治療方法)
本発明の第1電気刺激装置により提供される治療方法としては、生体の嚥下機能障害を電気刺激を用いて治療する方法であって、電気刺激用電流を発振する発振工程と、前記電気刺激用電流を前記生体に供給する電流供給工程と、生体内で生じる振動を検出する検出工程と、前記検出工程において特定波長の振動を検出したときに前記電気刺激用電流を終了させる供給終了工程とを含む、ことを特徴とする治療方法が挙げられる。
また、本発明の第2電気刺激装置により提供される治療方法としては、生体の嚥下機能障害を電気刺激を用いて治療する方法であって、電気刺激用電流を発振する発振工程と、前記電気刺激用電流を前記生体に供給する電流供給工程と、生体表面から生体内に向けて振動を与える振動付与工程と、前記振動付与工程で与えられた振動により生体内に生じる共鳴振動を検出する検出工程と、前記検出工程で検出される共鳴振動の波長が変化したときに前記電気刺激用電流の供給を終了させる供給終了工程とを含む、ことを特徴とする治療方法が挙げられる。
さらに、本発明の電気刺激装置により提供される他の治療方法として、
(1)生体の嚥下機能障害を電気刺激を用いて治療する方法であって、電気刺激用電流を発振する発振工程と、前記電気刺激用電流を前記生体に供給する電流供給工程と、生体内で生じる振動を検出する検出工程と、前記検出工程において特定波長の振動を検出したときに前記電気刺激用電流を開始させる供給開始工程とを含む、ことを特徴とする治療方法;及び
(2)生体の嚥下機能障害を電気刺激を用いて治療する方法であって、電気刺激用電流を発振する発振工程と、前記電気刺激用電流を前記生体に供給する電流供給工程と、生体表面から生体内に向けて振動を与える振動付与工程と、前記振動付与工程で与えられた振動により生体内に生じる共鳴振動を検出する検出工程と、前記検出工程で検出される共鳴振動の波長が変化したときに前記電気刺激用電流の供給を開始させる供給開始工程とを含む、ことを特徴とする治療方法
が挙げられる。
本発明の電気刺激装置の用途は、嚥下機能障害の治療に限定されるものではなく、また、電気刺激部位も咽喉頭領域に限定されない。本発明の電気刺激装置と同様の構成で、または、同様の装備を備えることで、嚥下機能障害の治療のみならず、他の疾患、例えば、前述した通り、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療にも適用可能である。
本発明の電気刺激装置は、嚥下機能障害の治療及びリハビリテーション等の、医療分野で利用可能である。
31、51、61、91…電極部材
31a、51a、61a…導線部
31b、51b、61b…付着部
32、52、62…導電性ゲル電極
33、53、63…カーボンシート
34、54、64…絶縁性基材
35…剛性シート
55、65…剛性部材
36a、36b、56a、56b、66a、66b…係合金具
37、57、67…絶縁性カバー
38、58、68…導線
69…振動供給部
101…喉頭
102…喉頭蓋
L…円筒の長さ

Claims (7)

  1. 生体内で生じる振動を検出する検出部と、
    電気刺激用電流を発振する発振器と、
    生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、
    前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、
    前記検出部が特定周波数パターンを検出したときに前記電極からの電気刺激用電流の供給を終了させる、
    ことを特徴とする電気刺激装置。
  2. 生体表面から生体内に向けて外部振動を与える振動発生部と、
    生体内で生じる振動を検出する検出部と、
    電気刺激用電流を発振する発振器と、
    生体表面の特定位置に配置固定され、前記発振器が発振した電気刺激用電流を該特定位置を介して生体に供給する電極と、
    前記電極からの電気刺激用電流の供給を制御する制御部とを備え、
    前記検出部が、前記振動発生部から与えられた振動により生体内に生じる共鳴振動を検出し、
    前記検出された共鳴振動の波長が変化したときに前記制御部が前記電極からの電気刺激用電流の供給を終了させる、
    ことを特徴とする電気刺激装置。
  3. 前記検出部の検出する振動が、周波数20Hz〜20000Hzの音波である、請求項1または2に記載の電気刺激装置。
  4. 前記振動発生器から与えられる振動が周波数20Hz〜20000Hzの音波であり、前記検出部の検出する共鳴振動が共鳴音である、請求項2に記載の電気刺激装置。
  5. 前記電極は顎下部、前頸部、または頬部に固定され、電気刺激用電流で口腔・咽喉頭領域を刺激する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気刺激装置。
  6. 前記検出部が剛性物質を備え、前記剛性物質を介して体表面に接触するよう配設された、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気刺激装置。
  7. 前記電極と前記検出部が一体的な部材を構成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の電気刺激装置。
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