JP2015057309A - 印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法 - Google Patents

印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コスト上昇を抑えつつ高画質な印刷物を製造すること。
【解決手段】印刷装置は、被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面を酸性化するプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を備えてもよい。また、印刷装置は、被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面の浸透率を上げるプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を備えてもよい。
【選択図】図4

Description

本発明は、印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法に関する。
従来のインクジェット記録装置では、ヘッドが紙やフィルムに代表される記録媒体の幅方向に往復するシャトル方式が中心であるため、高速印刷によるスループットの向上が困難であった。そこで近年では、高速印刷に対応するために、記録媒体の幅全体を網羅するように複数のヘッドを並べて、一度に記録する1パス方式が提案されている。
しかし、1パス方式は高速化には有利ではあるが、隣接ドットを打滴する時間的間隔が短く、先に打滴されたインクが記録媒体に浸透する前に隣接ドットが打滴されるため、隣接ドットの合一(以下、打滴干渉と呼ぶ)が起こり、画質が低下してしまうという、ビーディングやブリードなどの問題が存在した。
また、インクジェット方式の印刷装置にて、フィルムやコート紙などの非浸透メディア・緩浸透メディアに印刷する場合、隣接するインクドットが流動・合一し、ビーディングやブリードという画像不良をもたらすという問題も存在する。これを解決する従来技術としては、上記メディアに予め先塗り剤を塗布し、インクの凝集性と定着性を高めることで対策する方法や、UV硬化型インクを使用する方法が既に知られている。
しかしながら、上述した印刷メディアに予め先塗り剤を塗布する方法では、インクの水分以外に先塗り剤の水分も蒸発・乾燥させる必要があり、より多くの乾燥時間や大型の乾燥装置が必要になる。また、先塗り剤がサプライ品であるため、印刷コストを引き上げる要因ともなる。さらに、処理液自体が強酸性液である場合には、その刺激臭も問題になる。さらにまた、UV硬化型インクを使用する方法では、UV硬化型インクのコストが水性インクより高いため、印刷コストをさらに引き上げる要因となるだけでなく、UV硬化型インク自体が化学反応を起こして定着するため、耐候性がよく剥離にも強くなる一方で、反応の制御に高い精度が要求され、取り扱いが難しくなるという問題が存在した。
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、先塗り液を使用することなく、高画質な印刷物を高速印刷で製造することが可能な印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかる印刷装置は、被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面を酸性化するプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる他の印刷装置は、被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面の浸透率を上げるプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷システムは、印刷対象の画像データのラスタデータを生成する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から入力された前記ラスタデータを被処理物に印刷する印刷装置とを備え、前記印刷装置は、前記被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面を酸性化するプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる他の印刷システムは、印刷対象の画像データのラスタデータを生成する印刷制御装置と、前記印刷制御装置から入力された前記ラスタデータを被処理物に印刷する印刷装置とを備え、前記印刷装置は、前記被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面の浸透率を上げるプラズマ処理手段と、前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷物の製造方法は、インクジェット記録によって画像が形成された印刷物を製造するための製造方法であって、被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面を酸性化するプラズマ処理工程と、前記プラズマ処理工程によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録工程と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかる他の印刷物の製造方法は、インクジェット記録によって画像が形成された印刷物を製造するための製造方法であって、被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面の浸透率を上げるプラズマ処理工程と、前記プラズマ処理工程によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、コスト上昇を抑えつつ高画質な印刷物を製造することが可能な印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態にかかるプラズマ処理の一例を説明するための図である。 図2は、実施形態にかかるインクの粘度とインクのpH値との関係例を示す図である。 図3は、本発明の実施形態にかかる印刷装置の概略構成例を示す模式図である。 図4は、実施形態で採用される酸性化処理の概略を説明するための模式図である。 図5は、実施形態にかかるプラズマ処理を施していない被処理物に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図である。 図6は、図5に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。 図7は、実施形態にかかるプラズマ処理を施した被処理物に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図である。 図8は、図7に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。 図9は、実施形態にかかるプラズマエネルギーと濡れ性、ビーディング、pH値および浸透性との関係を示すグラフである。 図10は、プラズマエネルギーとドット径との関係を示すグラフである。 図11は、プラズマエネルギーとドットの真円度との関係を示すグラフである。 図12は、プラズマエネルギーと実際に形成されたドット形状との関係を示す図である。 図13は、実施形態にかかるプラズマ処理を行わなかった場合のドットの顔料濃度を示すグラフである。 図14は、実施形態にかかるプラズマ処理を行った場合のドットの顔料濃度を示すグラフである。 図15は、実施形態にかかる印刷装置におけるプラズマ処理装置からインクジェット記録装置の下流に配置されたパターン読取部までの構成の詳細を示す模式図である。 図16は、実施形態にかかるプラズマ処理を含む印刷処理の一例を示すフローチャートである。 図17は、図16に示すフローチャートにおいてインク滴量とプラズマエネルギーとを特定する際に用いるテーブルの一例を示す図である。 図18は、図16のステップS105でプラズマ処理された被処理物の一例を示す図である。 図19は、図16のステップS106で形成されたテストパターンの一例を示す図である。 図20は、テストパターンの他の例を示す図である。 図21は、実施形態にかかるパターン読取部の一例を示す模式図である。 図22は、実施形態にかかるドットの撮像画像の一例を示す図である。 図23は、図22に示す撮像画像に対して最小二乗法を適用する際の流れを説明するための図である。 図24は、実施形態にかかるインク吐出量と画像濃度との関係を示すグラフである。 図25は、実施形態の変形例にかかる印刷装置におけるプラズマ処理装置からインクジェット記録装置までの構成の詳細を示す模式図である。 図26は、図25に示す構成のA−A断面図である。 図27は、実施形態の変形例2にかかるインクジェットヘッドと放電電極とが別々に設けられた構成を示す模式図である。 図28は、図27における画像形成領域とプラズマ処理領域とを示す上視図である。 図29は、実施形態の変形例2にかかるプラズマ処理装置のプラズマ処理時の構成を示す概略図である。 図30は、実施形態の変形例2にかかるプラズマ処理装置の被処理物搬送時の構成を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な実施形態であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
以下の実施形態では、被処理物(記録媒体または印刷メディアともいう)にインクが着弾した直後にインク顔料の分散を防止しつつ顔料を凝集させるために、被処理物表面を酸性化させる。酸性化する手段としては、プラズマ処理を例示する。
また、以下の実施形態では、プラズマ処理された被処理物表面の濡れ性、pH値の低下によるインク顔料の凝集性や浸透性をコントロールすることで、インクドット(以下、単にドットという)の真円度を向上させるとともに、ドットの合一を防止してドットの鮮鋭度や色域を拡げる。これにより、ビーディングやブリードといった画像不良を解決して、高品質な画像が形成された印刷物を得ることができる。また、被処理物上の顔料の凝集厚みを薄く均一にすることにより、インク液滴量を削減して、インク乾燥エネルギーの低減および印刷コストの低減を図ることも可能にする。
酸性化処理手段(工程)としてのプラズマ処理では、被処理物に大気中のプラズマ照射を行うことによって、被処理物表面の高分子を反応させ、親水性の官能基を形成する。詳細には、図1に示すように、放電電極から放出された電子eが電界中で加速されて、大気中の原子や分子を励起・イオン化する。イオン化された原子や分子からも電子が放出され、高エネルギーの電子が増加し、その結果、ストリーマ放電(プラズマ)が発生する。このストリーマ放電による高エネルギーの電子によって、被処理物20(たとえばコート紙)表面の高分子結合(コート紙のコート層21は炭酸カルシウムとバインダーとして澱粉で固められているが、その澱粉が高分子構造を有している)が切断され、気相中の酸素ラジカルOやオゾンOと再結合する。これにより、被処理物20の表面に水酸基やカルボキシル基等の極性官能基が形成される。その結果、被処理物20の表面に親水性や酸性化が付与される。
被処理物上で隣接したドットが、親水性が上がることにより濡れ拡がって合一することで、ドット間の混色が発生するのを防ぐためには、着色剤(例えば顔料や染料)をドット内で凝集させることや、ビヒクルが濡れ拡がるよりも早くビヒクルを乾燥させたり被処理物内へ浸透させたりすることが重要であることも分かった。そこで、以下の実施形態では、着色剤を凝集したり、ビヒクルを被処理物内へ浸透させたりするために、インクジェット記録処理の前処理として、被処理物表面を酸性化する酸性化処理を実行する。
本説明における酸性化とは、インクに含まれる顔料が凝集するpH値まで印刷媒体表面のpH値を下げることを意味する。pH値を下げるとは、物体中の水素イオンH+濃度を上昇させることである。被処理物表面に触れる前のインク中の顔料はマイナスに帯電し、ビヒクル中で顔料が分散している。図2に、インクのpH値とインクの粘度との関係の一例を示す。図2に示すように、インクは、そのpH値が低いほど、その粘度が上昇する。これは、インクの酸性度が高くなるほど、インクのビヒクル中でマイナスに帯電している顔料が電気的に中和され、その結果、顔料同士が凝集するためである。したがって、たとえば図2に示すグラフにおいてインクのpH値が必要な粘度と対応する値となるように印刷媒体表面のpH値を下げることで、インクの粘度を上昇させることが可能である。これは、インクが酸性である印刷媒体表面に付着した際、顔料が印刷媒体表面の水素イオンH+によって電気的に中和された結果、顔料同士が凝集するためである。それにより、隣接したドット間の混色を防止するとともに、顔料が印刷媒体の奥深く(さらには裏面まで)浸透するのを防止することが可能となる。ただし、必要な粘度と対応するpH値となるようにインクのpH値を下げるためには、印刷媒体表面のpH値を必要な粘度と対応するインクのpH値よりも低くしておく必要がある。
また、インクを必要な粘度とするためのpH値は、インクの特性によって異なる。すなわち、図2のインクAに示すように、比較的中性に近いpH値で顔料が凝集して粘度が上がるインクもあれば、インクAとは異なる特性を持つインクBに示すように、顔料を凝集させるためにインクAよりも低いpH値が必要なインクも存在する。
着色剤がドット内で凝集する挙動や、ビヒクルの乾燥速度や被処理物内への浸透速度は、ドットの大きさ(小滴、中滴、大滴)によって変わる液滴量や、被処理物の種類などによって異なる。そこで以下の実施形態では、プラズマ処理におけるプラズマエネルギーを、被処理物の種類や印刷モード(液滴量)などに応じて最適な値に制御してもよい。
つづいて、本発明の実施形態にかかる印刷装置、印刷システムおよび印刷物の製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本実施形態では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の4色の吐出ヘッド(記録ヘッド、インクヘッド)を有する画像形成装置を説明するが、これらの吐出ヘッドに限定されない。すなわち、グリーン(G)、レッド(R)及びその他の色に対応する吐出ヘッドを更に有してもよいし、ブラック(K)のみの吐出ヘッドを有していてもよい。ここで、以後の説明において、K、C、M及びYは、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの夫々に対応するものとする。
また、本実施形態では、被処理物として、ロール状に巻かれた連続紙(以下、ロール紙という)を用いるが、これに限定されものではなく、たとえばカット紙など、画像を形成できる記録媒体であればよい。そして、紙の場合その種類としては例えば、普通紙、上質紙、再生紙、薄紙、厚紙、コート紙等を用いることができる。また、OHPシート、合成樹脂フィルム、金属薄膜及びその他表面にインク等で画像を形成することができるものも被処理物として用いることができる。被処理物がコート紙のような非浸透、緩浸透紙の場合、本実施形態はより効果を発揮する。ここで、ロール紙は、切断可能なミシン目が所定間隔で形成された連続紙(連帳紙、連続帳票)であってよい。その場合、ロール紙におけるページ(頁)とは、例えば所定間隔のミシン目で挟まれる領域とする。
図3に示すように、印刷装置(システム)1は、被処理物20(ロール紙)を搬送経路D1に沿って搬入(搬送)する搬入部30と、搬入された被処理物20に対して前処理としてのプラズマ処理を施すプラズマ処理装置100と、プラズマ処理された被処理物20の表面に画像を形成する画像形成部40とを有する。画像形成部40は、プラズマ処理された被処理物20にインクジェット処理により画像を形成するインクジェットヘッド170と、被処理物20に形成された画像を読み取るパターン読取部180と、を含むことができる。また、画像形成部40は、画像が形成された被処理物20を後処理する後処理部を含んでもよい。さらに、印刷装置(システム)1は、後処理された被処理物20を乾燥する乾燥部50と、画像形成された(場合によってはさらに後処理された)被処理物20を搬出する搬出部60とを有してもよい。なお、パターン読取部180は、搬送経路D1上における乾燥部50よりも下流の位置に設けられていてもよい。さらにまた、印刷装置(システム)1は、各部の動作を制御する制御部(不図示)を有する。この制御部は、たとえば印刷対象の画像データからラスタデータを生成する印刷制御装置に接続されてもよい。印刷制御装置は、印刷装置(システム)1の内部に設けられても、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワークを介した外部に設けられてもよい。
実施形態では、図3に示す印刷装置(システム)1において、上述したように、インクジェット記録処理の前に、被処理物の表面を酸性化する酸性化処理が実行される。この酸性化処理には、たとえば誘電体バリア放電を利用した大気圧非平衡プラズマ処理を採用することができる。大気圧非平衡プラズマによる酸性化処理は、電子温度が極めて高く、ガス温度が常温付近であるため、記録媒体などの被処理物に対するプラズマ処理方法として好ましい方法の1つである。
大気圧非平衡プラズマを広範囲に安定して発生させるには、ストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電を採用した大気圧非平衡プラズマ処理を実行するとよい。ストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電は、たとえば誘電体で被覆された電極間に交番する高電圧が印加することで得ることが可能である。
なお、大気圧非平衡プラズマを発生させる方法としては、上述したストリーマ絶縁破壊形式の誘電体バリア放電以外にも、種々の方法を用いることができる。たとえば、電極間に誘電体等の絶縁物を挿入する誘電体バリア放電、細い金属ワイヤ等に著しい不平等電界を形成するコロナ放電、短パルス電圧を印加するパルス放電などを適用することが可能である。また、これらの方法を2つ以上組み合わせることも可能である。
図4は、実施形態で採用される酸性化処理の概略を説明するための模式図である。図4に示すように、実施形態で採用される酸性化処理には、放電電極11と、接地電極14と、誘電体12と、高周波高圧電源15とを備えたプラズマ処理装置10が用いられる。プラズマ処理装置10において、誘電体12は、放電電極11と接地電極14との間に配置される。高周波高圧電源15は、放電電極11と接地電極14との間に高周波・高電圧のパルス電圧を印加する。このパルス電圧の電圧値は、たとえば約10kV(キロボルト)程度である。また、その周波数は、たとえば約20kHz(キロヘルツ)とすることができる。このような高周波・高電圧のパルス電圧を2つの電極間に供給することで、放電電極11と誘電体12との間に大気圧非平衡プラズマ13が発生する。被処理物20は、大気圧非平衡プラズマ13の発生中に放電電極11と誘電体12との間を通過する。これにより、被処理物20の放電電極11側の表面がプラズマ処理される。
なお、図4に例示したプラズマ処理装置10では、回転型の放電電極11とベルトコンベア型の誘電体12とが採用されている。被処理物20は、回転する放電電極11と誘電体12との間で挟持搬送されることで、大気圧非平衡プラズマ13中を通過する。これにより、被処理物20の表面が大気圧非平衡プラズマ13に接触し、これに一様なプラズマ処理が施される。
ここで、図5〜図8を用いて、実施形態にかかるプラズマ処理を施した場合と施していない場合との印刷物の違いを説明する。図5は、実施形態にかかるプラズマ処理を施していない被処理物に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図であり、図6は、図5に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。図7は、実施形態にかかるプラズマ処理を施した被処理物に対してインクジェット記録処理を行うことで得られた印刷物の画像形成面を撮像して得られた画像の拡大図であり、図8は、図7に示す印刷物における画像形成面に形成されたドットの例を示す模式図である。なお、図5および図7に示す印刷物を得るにあたり、デスクトップ型のインクジェット記録装置を用いた。また、被処理物20には、コート層21(図1参照)を備える一般的なコート紙を用いた。
実施形態にかかるプラズマ処理を施していないコート紙は、コート紙表面にあるコート層21の濡れ性が悪い。そのため、プラズマ処理を施していないコート紙に対してインクジェット記録処理にて形成した画像では、たとえば図5および図6に示すように、ドットの着弾時にコート紙の表面に付着したドットの形状(ビヒクルCT1の形状)が歪になる。また、表面の濡れ性が悪い場合、ビヒクルCT1の表面張力によってドットが高さのある形状となり、その乾燥に比較的長い時間を要してしまう。ドットの乾燥が十分でない状態で近接ドットを形成すると、図5および図6に示すように、コート紙への近接ドットの着弾時にビヒクルCT1およびCT2同士が合一し、これによりドット間で顔料P1およびP2の移動(混色)が起き、その結果、ビーディング等による濃度ムラが生じてしまう場合がある。
一方、実施形態にかかるプラズマ処理を施したコート紙は、コート紙表面にあるコート層21の濡れ性が改善されている。そのため、プラズマ処理を施したコート紙に対してインクジェット記録処理にて形成した画像では、たとえば図7に示すように、ビヒクルCT1がコート紙の表面に比較的平坦な真円状に広がる。これにより、図8のようにドットが平坦な形状となる。また、プラズマ処理で形成された極性官能基によってコート紙表面が酸性になるため、インク顔料が電気的に中和され、顔料P1が凝集してインクの粘性が上がる。これにより、図8のようにビヒクルCT1及びCT2が合一した場合にも、ドット間の顔料P1およびP2の移動(混色)が抑制される。さらに、コート層21内部にも極性官能基が生成されるため、ビヒクルCT1の浸透性が上がる。これによりビヒクルが被処理物20内部へ浸透し、比較的短時間で乾燥することが出来る。濡れ性向上により真円状に広がったドットが、浸透しながら凝集することにより、顔料P1が高さ方向に均等に凝集され、ビーディング等による濃度ムラの発生を抑えることが可能となる。なお、図6および図8は模式図であり、実際には図8の場合にも顔料は層になって凝集している。
このように、実施形態にかかるプラズマ処理を施した被処理物20では、プラズマ処理によって極性官能基が形成された結果、表面が酸性になる。それにより、マイナスに帯電した顔料が被処理物20表面で中和されることにより、顔料が凝集して粘性が上がり、結果的にドットが合一したとしても顔料の移動を抑制することが可能となる。また、被処理物20表面に形成されたコート層21内部にも極性官能基が生成されることで、ビヒクルが速やかに被処理物20内部に浸透し、これにより、乾燥時間を短縮することが出来る。つまり、濡れ性が上がることで真円状に広がったドットは、凝集によって顔料の移動が抑えられた状態で浸透することで真円に近い形状を保つことが可能となる。
図9は、実施形態にかかるプラズマエネルギーと被処理物表面の濡れ性、ビーディング、pH値および浸透性との関係を示すグラフである。図9では、被処理物20としてコート紙へ印刷した場合の表面特性(濡れ性、ビーディング、pH値、浸透性(吸液特性))がプラズマエネルギーに依存してどのように変化するかが示されている。なお、図9に示す評価を得るにあたり、インクには、顔料が酸により凝集する特性の水性顔料インク(マイナスに帯電した顔料が分散されているアルカリ性インク)を使用した。
図9に示すように、コート紙表面の濡れ性は、プラズマエネルギーが低い値(たとえば0.2J/cm程度以下)で急激に良くなり、それ以上エネルギーを増加させてもあまり改善はしない。一方、コート紙表面のpH値は、ある程度まではプラズマエネルギーを高めることにより低下していく。ただし、プラズマエネルギーがある値(たとえば4J/cm程度)を超えたところで飽和状態になる。また、浸透性(吸液特性)は、pHの低下が飽和したあたり(たとえば4J/cm程度)から急激に良くなっている。ただし、この現象は、インクに含まれている高分子成分に依存して異なる。
この結果として、浸透性(吸液特性)がよくなり始めて(例えば4J/cm程度)からビーディング(粒状度)の値が非常に良い状態となっている。ここでのビーディング(粒状度)とは、画像のざらつき感を数値で表したものであり、濃度のばらつきを平均濃度の標準偏差で表したものである。図9では、2色以上のドットからなる色のベタ画像の濃度を複数サンプリングし、その濃度の標準偏差をビーディング(粒状度)として表している。このように実施形態1にかかるプラズマ処理を施したコート紙に吐出されたインクが真円上に広がりかつ凝集しながら浸透するため、画像のビーディング(粒状度)が改善される。
上述したように、被処理物20表面の特性と画像品質との関係では、表面の濡れ性が向上することにより、ドットの真円度が向上している。この理由としては、プラズマ処理により生成された親水性の極性官能基によって被処理物20表面の濡れ性が向上するとともにこれが均一化したことに加え、ゴミや油分や炭酸カルシウムなどの撥水要因がプラズマ処理によって除外されたことによると考えられる。被処理物20表面の濡れ性が向上した結果、液滴が円周方向に均等に拡がり、ドットの真円度が向上する。
また、被処理物20表面を酸性化(pHの低下)させることにより、インク顔料の凝集、浸透性の向上、ビヒクルのコート層内部への浸透などが生じる。これらにより、被処理物20表面の顔料濃度が上昇するため、ドットが合一したとしても、顔料の移動を抑えることが可能となり、その結果、顔料の混濁が抑制し、顔料を均一に被処理物表面に沈降凝集させることが可能となる。ただし、顔料混濁の抑制効果は、インクの成分やインクの滴量に依存して異なる。たとえばインクの適量が小滴の場合、大滴の場合に比べて、ドットの合一による顔料の混濁は発生し難い。それは、ビヒクル量が小滴の場合の方が、ビヒクルがより早く乾燥・浸透するためであり、少しのpH反応で顔料を凝集することができるためである。なお、プラズマ処理の効果は、被処理物20の種類や環境(湿度など)によって変動する。そこで、プラズマ処理の際のプラズマエネルギーを最適な値とすることで、被処理物20の表面改質効率が向上するため、さらなる省エネを達成することが可能となる。
ここで、プラズマエネルギーとドットの真円度との関係を説明する。図10は、プラズマエネルギーとドット径との関係を示すグラフである。図11は、プラズマエネルギーとドットの真円度との関係を示すグラフである。図12は、プラズマエネルギーと実際に形成されたドット形状との関係を示す図である。
図10に示すように、プラズマエネルギーを大きくした場合、CMYKのいずれの顔料についても、そのドット径が小さくなる傾向にある。これは、プラズマ処理の結果、顔料の凝集効果(凝集による粘性の増加)と浸透性効果(ビヒクルのコート層内への浸透)とが向上し、これにより、ドットが拡がる過程で迅速に凝集・浸透するためであると考えられる。このような効果を利用することで、ドット径をコントロールすることが可能になる。すなわち、プラズマエネルギーを制御することで、ドット径を制御することが可能である。
また、図11および図12に示すように、ドットの真円度は、プラズマエネルギーが低い値(たとえば0.2J/cm程度以下)であっても大幅に改善されている。これは、上述したように、被処理物20をプラズマ処理することで、ドット(ビヒクル)の粘性が上がるとともにビヒクルの浸透性が上がり、これにより顔料が均等に凝集されたためであると考えられる。
つづいて、プラズマ処理を行った場合のドットの顔料濃度と行わなかった場合のドットの顔料濃度とについて説明する。図13は、実施形態にかかるプラズマ処理を行わなかった場合のドットの顔料濃度を示すグラフである。図14は、実施形態にかかるプラズマ処理を行った場合のドットの顔料濃度を示すグラフである。なお、図13および図14では、それぞれ図面中右下にあるドット画像における線分a−b上の濃度を示している。
図13および図14の測定では、形成したドットの画像を取り込み、その画像における濃度ムラを測定して、濃度のバラツキを計算した。図13および図14を比較すると明らかなように、プラズマ処理を行った場合(図14)の方が、行わなかった場合(図13)よりも、濃度のバラツキ(濃度差)を小さくすることができた。そこで、以上のような算出方法にて求めた濃度のバラツキに基づいて、一番バラツキ(濃度差)が小さくなるように、プラズマ処理におけるプラズマエネルギーを最適化してもよい。これにより、より鮮明な画像を形成することが可能となる。
なお、濃度のバラツキは、上述した算出方法に限らず、顔料の厚みを光干渉膜厚計測手段にて測定して算出してもよい。その場合、顔料の厚みの偏差を最小にするように、プラズマエネルギーの最適値を選定してもよい。
つづいて、実施形態にかかる印刷装置(システム)1を、より詳細に説明する。印刷装置(システム)1では、インクジェット記録手段の下流側に、形成されたドットの画像を取得するパターン読取手段が設けられる。また、取得した画像を解析して、ドットの真円度、ドット径、濃度のバラツキ等を算出し、この結果に基づいてプラズマ処理手段をフィードバック制御またはフィードフォワード制御する。図15に、実施形態にかかる印刷装置におけるプラズマ処理装置からインクジェット記録装置の下流に配置されたパターン読取部までの構成の詳細を示す。その他の構成は、図3に示す印刷装置(システム)1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
図15に示すように、印刷装置(システム)1は、搬送経路D1の上流側に配置されたプラズマ処理装置100と、搬送経路D1におけるプラズマ処理装置100よりも下流側に配置されたインクジェットヘッド170と、インクジェットヘッド170よりも下流側に配置されたパターン読取部180と、プラズマ処理装置100の各部を制御する制御部160とを含む。インクジェットヘッド170は、上流側に配置されたプラズマ処理装置100によって表面がプラズマ処理された被処理物20にインクを吐出して画像形成を行う。なお、インクジェットヘッド170は、別に設けられた制御部(不図示)によって制御されてもよいし、制御部160によって制御されてもよい。
プラズマ処理装置100は、搬送経路D1に沿って配列された複数の放電電極111〜116と、各放電電極111〜116に高周波・高電圧のパルス電圧を供給する高周波高圧電源151〜156と、複数の放電電極111〜116に対して共通に設けられた接地電極141と、放電電極111〜116と設置電極141との間を搬送経路D1に沿って流れるように配置されたベルトコンベア型の無端状の誘電体121およびローラ122と、を備える。搬送経路D1に沿って配列する複数の放電電極111〜116を用いる場合には、図15に示すように、誘電体121に無端状のベルトが用いられることが好適である。
制御部160は、不図示の上位装置からの指示に基づいてローラ122を駆動することで、誘電体121を循環させる。被処理物20は、上流の搬入部30(図3参照)から誘電体121上に搬入されると、誘電体121の循環によって搬送経路D1を通過する。
高周波高圧電源151〜156は、それぞれ制御部160からの指示にしたがって、高周波・高電圧のパルス電圧を放電電極111〜116に供給する。パルス電圧は、すべての放電電極111〜116に供給されてもよいし、放電電極111〜116のうち被処理物20の表面を所定のpH値以下とするのに必要な数の放電電極に供給されてもよい。または、制御部160は、各高周波高圧電源151〜156から供給されるパルス電圧の周波数および電圧値(プラズマエネルギーに相当。以下、プラズマエネルギーという)を、被処理物20の表面を所定のpH値以下とするのに必要となるプラズマエネルギーに調整してもよい。
パターン読取部180は、たとえば被処理物20に形成された画像のドットを撮像する。なお、被処理物20に形成された画像は、ドット解析用のテストパターンであってもよい。以下の説明では、テストパターンである場合を例に挙げて説明する。
パターン読取部180で取得された画像は、制御部160に入力される。制御部160は、入力された画像を解析することで、テストパターンにおけるドットの真円度、ドット径、濃度のバラツキ等を算出し、この算出結果に基づいて、駆動する放電電極111〜116の数、および/または、各高周波高圧電源151〜156から各放電電極111〜116へ供給するパルス電圧のプラズマエネルギーを調整する。
ここで、被処理物20表面を必要十分にプラズマ処理するために必要なプラズマエネルギーを得る方法の1つとしては、プラズマ処理の時間を長くすることが考えられる。これは、たとえば被処理物20の搬送速度を遅くすることで実現可能である。ただし、被処理物20へ高速で画像記録を行う場合には、プラズマ処理の時間を短くすることが望まれる。プラズマ処理時間を短くする方法としては、上述のように、放電電極111〜116を複数備え、印刷速度および必要なプラズマエネルギーに応じて必要な数の放電電極111〜116を駆動する方法や、各放電電極111〜116に与えるプラズマエネルギーの強度を調整する方法などが考えられる。ただし、これらに限定されるものではなく、これらを組み合わせた方法や、その他の方法など、適宜変更することが可能である。
図15に示すように、インクジェットヘッド170としては、複数の同色ヘッド(4色×4ヘッド)を備えてもよい。これにより、インクジェット記録処理の高速化が可能になる。その際、たとえば高速で1200dpiの解像度を達成するためには、インクジェットヘッド170における各色のヘッドは、インクを吐出するノズルとノズルとの間隔を補正するようにずらして固定されている。さらに、各色のヘッドには、そのノズルから吐出されるインクのドットが大/中/小滴と呼ばれる3種類の容量に対応するように、いくつかのバリエーションを持った駆動周波数の駆動パルスが入力される。
制御部160は、複数の高周波高圧電源151〜156を個別にオン/オフすることが可能であり、たとえば印刷速度情報に比例して高周波高圧電源151〜156の駆動数を選択するか、各放電電極111〜116に与えるパルス電圧のプラズマエネルギーの強度を調整する。また、制御部160は、被処理物20の種類(たとえばコート紙やPETフィルムなど)に応じて、高周波高圧電源151〜156の駆動数、および/または、各放電電極111〜116に与えるプラズマエネルギーを調整してもよい。
また、複数の放電電極111〜116を備えることは、被処理物20の表面を均一にプラズマ処理する点においても有効である。すなわち、たとえば同じ搬送速度(または印刷速度)とした場合、1つの放電電極でプラズマ処理を行う場合よりも複数の放電電極でプラズマ処理を行う場合の方が被処理物20がプラズマの空間を通過する時間を長くすることが可能となる。その結果、より均一に被処理物20の表面にプラズマ処理を施すことが可能となる。
つづいて、実施形態にかかるプラズマ処理を含む印刷処理について、図面を参照して詳細に説明する。図16は、実施形態にかかるプラズマ処理を含む印刷処理の一例を示すフローチャートである。図17は、図16に示すフローチャートにおいてインク滴量とプラズマエネルギーとを特定する際に用いるテーブルの一例を示す図である。なお、図16では、図15に示す印刷装置(システム)1を用いてカット紙(所定の大きさにカットされた記録媒体)を被処理物20として印刷する場合を例に挙げる。なお、カット紙に限らず、ロール状に巻かれたロール紙に対しても、同様の印刷処理を適用可能である。
図16に示すように、印刷処理では、まず、制御部160が被処理物20の種類(紙種)を特定する(ステップS101)。被処理物20の種類(紙種)は、ユーザが不図示のコントロールパネルから印刷装置(システム)1に設定入力してもよい。もしくは、印刷装置(システム)1が図示しない用紙種検出手段を備え、この用紙種検出手段により検出された紙種情報に基づいて、制御部160が特定してもよい。なお、用紙種検出手段は、例えば用紙表面にレーザー光を照射し、その反射光の干渉スペクトルを分析して種類を特定するものであってもよい。また、制御部160は、印刷モードを特定する(ステップS102)。印刷モードは、たとえば印刷物の画像の解像度(600dpi、1200dpi等)であり、たとえばユーザによって不図示の入力部を用いて設定されてよい。また、印刷モードには、白黒印刷やカラー印刷などが含まれていてもよい。
つぎに、制御部160は、画像形成の際のインク滴量を特定する(ステップS103)。インク滴量は、たとえば特定した印刷モードとドットサイズとに基づき、図17に示すようなテーブルから特定することが可能である。たとえば印刷モードが1200dpiで且つドットサイズが小滴である場合、インク滴量は、図17に示すテーブルに基づいて、2pl(ピコリットル)と特定することができる。また、印刷モードが600dpiで且つドットサイズが大滴である場合には、インク滴量は、15pl(ピコリットル)と特定することができる。なお、ドットサイズは、インクジェットヘッド170から吐出する液滴の大きさ、または、被処理物20に形成するドットの大きさであり、印刷対象の画像情報から制御部160によって特定されてよい。
つづいて、制御部160は、プラズマ処理時のプラズマエネルギーを設定する(ステップS104)。プラズマエネルギーは、特定した被処理物20の種類(紙種)とインク滴量とに基づき、図17に示すようなテーブルから特定することが可能である。たとえば被処理物20の種類がコート紙Aであり、インク滴量が6plである場合、制御部160は、プラズマエネルギーを0.7J/cmに設定する。なお、図17に示すテーブルでは、プラズマエネルギーの値を登録したが、これに限らず、たとえば高周波高圧電源151〜156から放電電極111〜116へ供給するパルス電圧の電圧値およびパルス時間幅が登録されていてもよい。また、図17に示すテーブルでは、白黒印刷モードとカラー印刷モードとに応じてプラズマエネルギーが変更されるように登録されていてもよい。さらに、図17に示すテーブルは、ステップS103で用いる部分と、ステップS104で用いる部分とに分かれていてもよい。
つぎに、制御部160は、設定したプラズマエネルギーに基づいて高周波高圧電源151〜156から放電電極111〜116に適宜パルス電圧を供給することで、被処理物20に対するプラズマ処理を実行する(ステップS105)。つづいて、制御部160は、プラズマ処理後の被処理物20に対するテストパターンの印刷を実行する(ステップS106)。つづいて、制御部160は、パターン読取部180を用いてテストパターンのドットを撮像することで、プラズマ処理後の被処理物20に形成されたドットの画像(ドット画像)を読み取る(ステップS107)。
つぎに、制御部160は、読み取ったドット画像からドットの真円度(ステップS108)と、ドット径(ステップS109)と、ドットにおける顔料濃度の偏差(バラツキ、濃度差)(ステップS110)とをそれぞれ検出する。また、制御部160は、読み取ったドット画像からドット間の合一の状態を判定してもよい。ドット間の合一の状態は、たとえばパターン認識によって判定することが可能である。
つぎに、制御部160は、検出したドットの真円度、ドット径およびドットにおける顔料濃度の偏差(およびドットの合一の状態)に基づいて、形成されたドットの品質が十分な品質であるか否かを判定する(ステップS111)。十分な品質でない場合(ステップS111;NO)、制御部160は、検出したドットの真円度、ドット径およびドットにおける顔料濃度の偏差(およびドットの合一の状態)に応じてプラズマエネルギーを補正し(ステップS112)、ステップS105へリターンして、再度、テストパターンの印刷からドットの解析を実行する。この補正は、たとえば予め定めておいた所定量の補正値で設定中のプラズマエネルギーを増減してもよいし、検出したドットの真円度、ドット径およびドットにおける顔料濃度の偏差(およびドットの合一の状態)に応じて最適なプラズマエネルギーを求め、この値に設定し直してもよい。
一方、ドットが十分な品質である場合(ステップS111;YES)、制御部160は、特定した被処理物20の種類(紙種)と印刷モードとに基づいて、図17に登録されているプラズマエネルギーを更新するとともに(ステップS113)、実際の印刷対象の画像を印刷し(ステップS114)、完了次第、本動作を終了する。
なお、被処理物20としてロール紙を用いた場合、ステップS105〜S112では、不図示の給紙装置より導かれた紙の先端部分を使ってプラズマ処理後に形成したドット画像を取得してもよい。ロール紙を用いた場合では、1つのロールで性状がほとんど変わらないため、先端部分を使ってプラズマエネルギーを調整した後は、そのままの設定で安定して連続印刷が可能となる。ただし、ロール紙を使い切らずに長期間停止した場合、紙の性状が変化する可能性があるため、印刷再開前に同様に先端部分を使ってプラズマ処理後に形成したドット画像を再度取得し、これを解析すればよい。また、先端部分を使ってプラズマ処理後に形成したドット画像を解析してプラズマエネルギーを調整した後に、定期的または連続してドット画像を測定してプラズマエネルギーを調整してもよい。これにより、より詳細に安定した制御を行うことが可能となる。
また、図16では、図17に示すようなテーブルを用いたが、この方法に限定されず、たとえば最初のプラズマエネルギーを最小値としておき、得られたテストパターンのドット画像の解析結果に基づいて、プラズマエネルギーを段階的に上げていくように動作してもよい。
プラズマエネルギーを最小値から段階的に上げていく場合、図15における各放電電極111〜116に印加されるプラズマエネルギーを下流側から段階的に大きくなるように変化させてもよいし、被処理物20の搬送速度、すなわち誘電体121の巡回速度を変化させてもよい。その結果、図16のステップS105では、図18に示すように、領域ごとに異なるプラズマエネルギーでプラズマ処理された被処理物20を得ることができる。なお、図18では、領域R1はプラズマ処理をしなかった領域(プラズマエネルギー=0J/cm)であり、領域R2は0.1J/cmのプラズマエネルギーでプラズマ処理された領域を示し、領域R3は0.5J/cmのプラズマエネルギーでプラズマ処理された領域を示し、領域R4は2J/cmのプラズマエネルギーでプラズマ処理された領域を示し、領域R5は5J/cmのプラズマエネルギーでプラズマ処理された領域を示す。
また、図18に示すような、領域ごとに異なるプラズマエネルギーでプラズマ処理された被処理物20に対しては、たとえば図19に示すような、異なるドット径を持つ複数のドットを含む共通のテストパターンTPが、図16のステップS106でそれぞれの領域R1〜R5に形成されてもよい。また、図19に示すテストパターンTPは、図20に示すような、CMYKごとに異なるドット径を持つ複数のドットを含むテストパターンTP1に置き換えられてもよい。
以上のように形成されたテストパターンTPは、図16のステップS107において、図15におけるパターン読取部180によって読み取られる。ここで、図21に、実施形態にかかるパターン読取部180の一例を示す。
図21に示すように、パターン読取部180には、たとえば発光部182と受光部183とを含む反射型の2次元センサが用いられる。発光部182と受光部183とは、たとえば被処理物20に対してドット形成側に配置された筐体181内に配置される。筐体181の被処理物20側には開口部が設けられており、発光部182から放射された光が被処理物20表面で反射して、受光部183に入射する。受光部183は、被処理物20の表面で反射した反射光量(反射光強度)を結像する。結像された反射光の光量(強度)は、印字(テストパターンTPのドットDT)がある部分とない部分とで変化するため、受光部183で検出された反射光量(反射光強度)を基にドット形状及びドット内部の画像濃度を検出することが可能である。なお、パターン読取部180の構成やその検出方法は、被処理物20に印刷されたテストパターンTPを検出することが可能であれば、種々変更することが可能である。
また、パターン読取部180は、発光部182の光量および受光部183の読出電圧をキャリブレーションする手段として、基準パターン185を備えた基準パターン表示部184を備えていてもよい。基準パターン表示部184は、たとえば所定の被処理物(たとえば普通紙)で構成された直方体の形状をしており、そのうちの1つの面に基準パターン185が貼り付けられている。基準パターン表示部184は、発光部182および受光部183のキャリブレーションを行う場合、基準パターン185が発光部182および受光部183側を向くように回転し、キャリブレーションを行わない場合、基準パターン185が発光部182および受光部183側を向かないように反転する。なお、基準パターン185は、たとえば図19または図20で示したようなテストパターンTPまたはTP1と同様の形状であってよい。
なお、実施形態では、パターン読取部180を用いて取得したドット画像の解析結果に基づいてプラズマエネルギーを調節する場合を例示したが、これに限らず、たとえば図16のステップS106でプラズマ処理後の被処理物20に形成されたテストパターンTPに基づいて、ユーザがプラズマエネルギーを設定するように構成されてもよい。
次に、図を参照しながら、被処理物20に形成されたテストパターンのドットの大きさの判別方法例について説明する。テストパターンのドットの大きさを判別するには、図19または図20に示したようなテストパターンTPまたはTP1をプラズマ処理後の被処理物20に記録し、パターン読取部180でこのテストパターンTPまたはTP1と基準パターン185とを撮像することで、図22に示すようなドットの撮像画像(ドット画像)を取得する。なお、基準パターン185の位置は、図21に示す受光部183の全撮像領域(二次元センサ全撮像領域)のうちのいずれの位置であるか、予め計測によって把握されているものとする。制御部160は、取得されたテストパターンTPまたはTP1のドット画像のピクセルと、基準パターン185のドット画像のピクセルとを比較することで、テストパターンTPまたはTP1のドット画像に対するキャリブレーションを行なう。その際、たとえば図22に示すように、完全に円ではないが、円のような図形(たとえばテストパターンTPまたはTP1のドットの輪郭部分:実線)があり、これを真円(基準パターン185のドットの輪郭部分:一点破線)でフィッティングするが、このフィッティングでは最小二乗法が用いられる。
図23に示すように、最小二乗法では、円のような図形(実線)と真円(一点破線)との偏差を数値化するために、大まかな中心位置に原点Oを取り、この原点Oを基準としたXY座標系を設定して、最終的に最適な中心点A(座標(a,b))と真円の半径Rとを求める。そこで、まず、円のような図形の一周(2π)を角度に基づいて均等に分割し、この分割により得られたデータ点P1〜Pnそれぞれについて、X軸に対する角度θと原点Oからの距離ρとを求める。ここで、データ点の数(すなわち、データセットの数)を‘N’とすると、三角関数の関係から、以下の式(1)を導き出すことができる。
このとき、最適な中心点A(座標(a,b))と真円の半径Rとは、以下の式(2)で与えられる。
このように、基準パターン185のドット画像を読み取り、上記した最小二乗法により算出されたドット径の直径と、基準チャートの直径とを比較してキャリブレーションを行なう。キャリブレーション後、パターンで印字されたドット画像を読み取り、ドットの直径を算出する。
また、真円度は、一般には、円のような図形を2つの同心の幾何学的円で挟んだとき、同心円の間隔が最小となった際の2つの同心円の半径の差で表すが、同心円での最小径/最大径の比率を真円度として定義することもできる。その場合、最小径/最大径の値が‘1’となった場合が真円であることを意味する。この真円度も、ドット画像を取り込むことによって、最小二乗法にて算出することができる。
最大径は、取り込んだ画像のドット中心と円周上の各点とを結んだ際に最大になる距離として求めることができる。一方、最小径は、同様にドット中心点と円周上の各点とを結んだ際に最小になる距離として算出することが可能である。
被処理物20のインク浸透状態によっては、ドット径およびドットの真円度が異なる。本実施形態では、被処理物20の種類や、インクの吐出量に応じて、ドット形状(真円度)やドット径が目標とする値となるようにコントロールすることで、画像の品質を向上する。また、本実施形態では、形成した画像を読み取り、この画像を解析することで、インク吐出量毎のドット径が目的のドット径になるように、プラズマ処理におけるプラズマエネルギーを調整することにより、高画質化を図っている。
また、本実施形態では、反射光の光量に基づいてドットの顔料濃度を検出できるので、ドット画像を取り込み、そのドット内部の濃度を計測する。その濃度値を、統計計算よりバラツキ分散として算出することで、濃度ムラを測定する。また、算出した濃度ムラが最小となるようにプラズマエネルギーを選定することで、ドットの合一による顔料の混濁を防止することが可能となり、これにより、さらなる高画質化が図れる。ドット径の制御を優先とするか、濃度ムラの抑制を優先とするか、真円度の向上を優先とするかは、好みの画質に応じてユーザがモードを切り替えられるように構成されてもよい。
以上のように、実施形態では、ドットの真円度又はドット内の顔料のムラが少なくなる、又はドット径が目的の大きさになるように、プラズマエネルギーがコントロールされる。それにより、先塗り液を使用することなく高画質な印刷品を提供することが可能となる。また、被処理物の性状を変更したり印刷速度を変更したりしても、安定したプラズマ処理を行うことが可能であるため、良好な画像記録を安定して実現することが可能となる。
上記した実施形態では、主として被処理物に対してプラズマ処理を行う場合を説明したが、先述の通り、プラズマ処理を行うと被処理物に対するインクの濡れ性が向上する。その結果、インクジェット記録時に付着させるドットが拡がるので、未処理の被処理物に対してイメージ展開した場合と異なる画像が記録される可能性がある。そこで、プラズマ処理した記録媒体に印刷する際は、たとえばインクジェット記録を行う際のインクの吐出電圧を下げてインクの滴量を少なくすることで対応することが可能である。その結果、インク滴量を削減することが可能となるため、コストダウンすることが可能となる。
図24は、実施形態にかかるインク吐出量と画像濃度との関係を示すグラフである。図24において、実線C1は上述した実施形態にかかるプラズマ処理を施していない被処理物に対してインクジェット記録処理を行った際のインク吐出量と画像濃度との関係を示し、破線C2は上述した実施形態にかかるプラズマ処理を施した被処理物に対してインクジェット記録処理を行った際のインク吐出量と画像濃度との関係を示す。また、一点破線C3は、実線C1に対する破線C2のインク低減率を示す。
図24における実線C1と破線C2との比較、ならびに、一点破線C3から分かるように、上述した実施形態にかかるプラズマ処理をインクジェット記録処理の前に被処理物20に施しておくことで、ドットの真円度の向上、ドットの拡大、顔料のドット内の濃度均一化などの効果により、同一画像濃度を得るために必要となるインク吐出量が低減される。
また、上述した実施形態にかかるプラズマ処理をインクジェット記録処理の前に被処理物20に施しておくことで、被処理物20に付着した顔料の厚みが薄くなるため、彩度が向上し、色域も拡がる効果を得ることができる。さらに、インク量が低減された結果、そのインクの乾燥エネルギーも低減可能であるため、省エネ効果も得ることが可能である。
また、上記した実施形態では、被処理物20表面の目標pH値の一例として5以下を挙げたが、これは単なる一例に過ぎない。たとえばインクの成分や種類や被処理物の変更等によって、各々の被処理物の濡れ性や浸透性が向上する理想的なpH値があると考えられる。そこで、インクの種類や被処理物の種類ごとに最適条件であるプラズマエネルギーもしくは目標pH値をあらかじめ求めておき、これを制御部に登録しておいてもよい。
なお、インクジェット記録処理の前に、放電により雰囲気ガスを電離させてなる放電プラズマを被印刷物表面に施すように構成してもよい。このように、インクジェット記録処理の前に被印刷物表面に親水化処理を施すことで、被処理物表面の濡れ性がよくなるため、インクジェット記録処理で形成されるドットの真円度を向上することが可能になる。また、ビヒクルの乾燥時間を短縮することも可能となるため、ビーディングの発生を低減することも可能になる。
また、上述した実施形態では、画像記録用のインクジェットヘッドとプラズマ処理用の放電電極とを別々に設けたが、このような構成に限られるものではない。たとえば図25および図26に示す変形例1のように、インクジェットヘッド170と放電電極110とを同じ搬送体(以下、キャリッジという)に搭載してもよい。
図25および図26に示す変形例1にかかる構成を、より詳細に説明する。なお、図25および図26には、たとえば図15におけるプラズマ処理装置100からインクジェットヘッド170までの構成を抜粋し、プラズマ処理装置100内にインクジェットヘッド170が組み込まれた場合を例示する。また、図25および図26では、説明の簡略化のため、1組の放電電極110、接地電極140および高周波高圧電源150が単一キャリッジ201に搭載された場合を示すが、これに限らず、複数組の放電電極(たとえば放電電極111〜116)、接地電極(たとえば接地電極141〜146)および高周波高圧電源(たとえば高周波高圧電源151〜156)が単一または複数のキャリッジ201に搭載されてもよい。さらに、図25および図26では、単一のキャリッジ201に2つのインクジェットヘッド170が搭載されている場合を例示する。
図25および図26に示すように、本変形例では、2つのインクジェットヘッド170と1つの放電電極110とが単一のキャリッジ201に搭載されている。放電電極110は、ローラ形状を有し、キャリッジ201に対して例えばD2方向に回転可能に支持されている。ただし、これに限らず、記録媒体に対して狭小ギャップを有する固定式の放電電極とすることも可能である。
キャリッジ201は、インクジェットヘッド170の走査方向D2に沿って平行に配設された2本のガイドロッド202にスライド可能に設けられている。インクジェットヘッド170および放電電極110は、それぞれキャリッジ201に固定されており、キャリッジ201の走査方向D2への移動に伴って自身も走査方向D2へ移動する。なお、走査方向D2は、たとえば搬送経路D1の方向と垂直である。
無端ベルトである誘電体121を挟んで放電電極110と対向する位置には、接地電極(カウンタ電極ともいう)140が設けられている。この接地電極140は、たとえば放電電極110の移動範囲全体に対して対向するように設けられてもよいし、接地電極140と同程度あるいは一回り大きいサイズを有し、放電電極110の移動、すなわちキャリッジ201の移動に伴って移動するように設けられてもよい。
以上のような構成では、図示しないインク供給ユニットによりインクがインクジェットヘッド170に供給され、インクジェットヘッド170からインクを打滴(吐出)しながらキャリッジ201を走査することで、誘電体121上を搬送される被処理物20に画像が形成される。
次に、変形例1にかかる印刷装置の動作について説明する。なお、ここでは、画像形成および表面改質(プラズマ処理)の動作について触れる。その他の動作は、上述した実施形態と同様であってよい。
図示しない給紙ユニットより供給された被処理物20は、誘電体121(搬送ベルト)により搬送経路D1に沿って搬送される。その後、放電電極110下まで搬送されると、被処理物20の搬送が停止する。次に、放電電極110および接地電極140間に高周波高圧電源150により高周波・高電圧のパルス電圧を印加しつつ、キャリッジ201が走査方向D2に沿って移動する。これにより、電極間に発生した大気圧非平衡プラズマが走査方向D2に移動する。その結果、被処理物20の放電電極110側の表面がプラズマ処理される。
次に、誘電体121(搬送ベルト)により被処理物20をインクジェットヘッド170の直下まで搬送して停止する。この状態でキャリッジ201を走査しながらインクジェットヘッド170からインクを打滴することで、被処理物20にインクジェットヘッド170の書き込み幅分の画像が形成される。また、この画像形成と同時に、放電電極110および接地電極140間に高周波高圧電源150により高周波・高電圧のパルス電圧を印加することで、次に画像が形成される領域にプラズマ処理が行なわれる。
その後、同様の動作を繰り返すことで、被処理物20に対してプラズマ処理と画像形成とを行なうことが可能である。
また、変形例2として、インクジェットヘッドの走査と放電電極の走査とが別々に行わされる場合を説明する。
図27は、変形例2にかかるインクジェットヘッドと放電電極とが別々に設けられた構成を示す模式図である。図28は、図27における画像形成領域とプラズマ処理領域とを示す上視図である。図29は、変形例2にかかるプラズマ処理装置100のプラズマ処理時の構成を示す概略図である。図30は、変形例2にかかるプラズマ処理装置100の被処理物搬送時の構成を示す概略図である。
図27および図28に示すように、本変形例2では、プラズマ処理装置100と画像形成部40が別々に設けられている。プラズマ処理装置100における放電電極111および112の走査方向は、変形例1と同様に、搬送経路D1の方向に対して垂直な走査方向D2である。
この構成において、ロール状に巻かれた被処理物20(記録媒体)は、給紙ロール31からプラズマ処理装置100の放電電極111および112下まで搬送されて停止する。すると、プラズマ処理装置100では、高周波高圧電源151および152から放電電極111および112へそれぞれ高周波・高電圧のパルス電圧が供給されるとともに、放電電極111および112が不図示のキャリッジの移動に伴って走査方向D2へ走査される。これにより、放電電極111および112と接地電極141との間に発生した大気圧非平衡プラズマが走査方向D2へ移動し、被処理物20の表面がプラズマ処理される。
ただし、本変形例2のように、放電電極111および112に回転ローラ式の電極を用いた場合、図29に示すように、プラズマ処理時には、放電電極111および112が被処理物20に当接している。そのため、プラズマ処理時には、被処理物20を搬送することができない。そこで、被処理物20の搬送時には、図30に示すように、放電電極111および112を上方や側方へ退避させることで、放電電極111および112と被処理物20との当接を解除する。解除する際の放電電極111および112の位置は、被処理物20の幅方向で、且つ、被処理物20から外側(側方)へ移動した位置、放電電極111および112が被処理物20の上方へ離間した位置、または、被処理物20の側方外側で且つ上方へ離間した位置とすることができる。なお、放電電極111および112を上方へ移動させる方法としては、たとえば変形例1におけるガイドロッド202を図示しないカム機構により上昇させる方法などが考えられる。また、被処理物20の搬送時に放電電極を退避させる構成は、上述した変形例1に対しても適用する可能である。
以上のようにプラズマ処理された被処理物20は、プラズマ処理領域(搬送方向D1における電極幅以下)分の搬送がされて再停止され、次の領域がプラズマ処理される。これを繰り返すことで、被処理物20表面がプラズマ処理される。このようにプラズマ処理された被処理物20は、順次、画像形成部40へ搬送される。
画像形成部40では、プラズマ処理された被処理物20がインクジェットヘッド170まで搬送されて停止する。この状態で、インクジェットヘッド170を搭載するキャリッジを走査方向D2へ移動させながらインクジェットヘッド170からインクを打滴することで、被処理物20にインクジェットヘッド170の書き込み幅分の画像形成がなされる。このように画像形成された被処理物20は、画像形成領域(搬送方向D1におけるヘッド幅以下)分の搬送がされて再停止され、次の領域の画像形成が実行される。
その後、同様の動作を繰り返すことで、被処理物20に対してプラズマ処理と画像形成とを行なうことが可能である。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1 印刷装置
10、100、200 プラズマ処理装置
11、110、111〜116 放電電極
12、121 誘電体
122 ローラ
13 大気圧非平衡プラズマ
14、140、141 接地電極
15、150、151〜156 高周波高圧電源
160 制御部
170 インクジェットヘッド
180 パターン読取部
30 搬入部
31 送出しローラ
40 画像形成部
50 乾燥部
60 搬出部
61 巻取りローラ
201 キャリッジ
202 ガイドロッド
特開2009−279796号公報
また、本発明にかかる印刷システムは、被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面を酸性化するプラズマ処理装置と、前記プラズマ処理装置によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録装置と、を備えることを特徴とする。

Claims (21)

  1. 被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面を酸性化するプラズマ処理手段と、
    前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面の浸透率を上げるプラズマ処理手段と、
    前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  3. 前記インクジェット記録により前記被処理物に形成された画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段で読み取られた前記画像におけるドットの真円度、ドット径および顔料濃度偏差のうち少なくとも1つを解析する解析手段と、
    前記解析手段による解析結果に基づいて、前記プラズマ処理手段のプラズマエネルギーを調節する制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 前記プラズマ処理におけるプラズマエネルギーと、前記被処理物の種類および印刷モードとを対応づけて記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記解析結果と、前記被処理物の種類および印刷モードとに基づいて、前記プラズマ処理手段のプラズマエネルギーを調節することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記プラズマ処理におけるプラズマエネルギーと、ドットに対するインク滴量とを対応づけて記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記解析結果と、前記インク滴量とに基づいて、前記プラズマ処理手段のプラズマエネルギーを調節することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  6. 前記制御手段は、前記解析手段による解析結果に基づいて前記プラズマ処理手段のプラズマエネルギーを調節することで、前記記録手段によって形成される画像におけるドットのドット径を制御することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  7. 前記プラズマ処理におけるプラズマエネルギーと、前記被処理物の種類および印刷モードとを対応づけて記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記解析結果と、前記被処理物の種類および印刷モードとに基づいて、前記プラズマ処理手段のプラズマエネルギーを調節することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  8. 前記プラズマ処理におけるプラズマエネルギーと、ドットに対するインク滴量とを対応づけて記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記解析結果と、前記インク滴量とに基づいて、前記プラズマ処理手段のプラズマエネルギーを調節することを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  9. 前記記録手段は、予め用意されたテストパターンを前記プラズマ処理後の被処理物に形成し、
    前記解析手段は、前記読取手段で読み取られた前記テストパターンにおけるドットの真円度、ドット径および顔料濃度偏差のうち少なくとも1つを解析することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  10. 前記制御手段は、前記解析手段による前記ドットの真円度および前記顔料濃度偏差の解析結果に基づいて前記プラズマ処理におけるプラズマエネルギーを最適化することを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
  11. 前記プラズマ処理におけるプラズマエネルギーの最適値を、被処理物の種類、インク滴量および印刷モードに対応づけて記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された最適値にしたがって前記プラズマ処理におけるプラズマエネルギーを最適化することを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
  12. 前記プラズマ処理手段における前記プラズマ処理用の放電電極を搭載し、前記被処理物の搬送方向に対して垂直方向へ走査可能に設けられたキャリッジをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
  13. 前記キャリッジは、前記記録手段における前記インクジェット記録用のヘッドをさらに搭載することを特徴とする請求項12に記載の印刷装置。
  14. 前記被処理物の搬送時に前記キャリッジを前記被処理物に対して退避させる退避手段をさらに備えることを特徴とする請求項12または13に記載の印刷装置。
  15. 前記酸性化とは、前記被処理物の少なくとも表面の水素イオン濃度を、前記記録手段が吐出するインクの特性に応じて上昇させることであることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  16. 印刷対象の画像データのラスタデータを生成する印刷制御装置と、
    前記印刷制御装置から入力された前記ラスタデータを被処理物に印刷する印刷装置とを備え、
    前記印刷装置は、
    前記被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面を酸性化するプラズマ処理手段と、
    前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、
    を備えることを特徴とする印刷システム。
  17. 印刷対象の画像データのラスタデータを生成する印刷制御装置と、
    前記印刷制御装置から入力された前記ラスタデータを被処理物に印刷する印刷装置とを備え、
    前記印刷装置は、
    前記被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面の浸透率を上げるプラズマ処理手段と、
    前記プラズマ処理手段によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録手段と、
    を備えることを特徴とする印刷システム。
  18. 前記印刷装置は、
    前記インクジェット記録により前記被処理物に形成された画像を読み取る読取手段と、
    前記読取手段で読み取られた前記画像におけるドットの真円度、ドット径および顔料濃度偏差のうち少なくとも1つを解析する解析手段と、
    前記解析手段による解析結果に基づいて、前記プラズマ処理手段のプラズマエネルギーを調節する制御手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項16または17に記載の印刷システム。
  19. インクジェット記録によって画像が形成された印刷物を製造するための製造方法であって、
    被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面を酸性化するプラズマ処理工程と、
    前記プラズマ処理工程によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録工程と、
    を備えることを特徴とする印刷物の製造方法。
  20. インクジェット記録によって画像が形成された印刷物を製造するための製造方法であって、
    被処理物表面をプラズマ処理することで該被処理物の少なくとも表面の浸透率を上げるプラズマ処理工程と、
    前記プラズマ処理工程によるプラズマ処理後の前記被処理物表面にインクジェット記録を実行する記録工程と、
    を備えることを特徴とする印刷物の製造方法。
  21. 前記インクジェット記録により前記被処理物に形成された画像を読み取る読取工程と、
    前記読取工程で読み取られた前記画像におけるドットの真円度、ドット径および顔料濃度偏差のうち少なくとも1つを解析する解析工程と、
    前記解析工程による解析結果に基づいて、前記プラズマ処理工程におけるプラズマエネルギーを調節する制御工程と、
    を備えることを特徴とする請求項19または20に記載の印刷物の製造方法。
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