JP2015055481A - 尿検体に由来する有形成分の形態を撮像した画像の処理方法 - Google Patents

尿検体に由来する有形成分の形態を撮像した画像の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015055481A
JP2015055481A JP2013187192A JP2013187192A JP2015055481A JP 2015055481 A JP2015055481 A JP 2015055481A JP 2013187192 A JP2013187192 A JP 2013187192A JP 2013187192 A JP2013187192 A JP 2013187192A JP 2015055481 A JP2015055481 A JP 2015055481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
image
boundary
value
urine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013187192A
Other languages
English (en)
Inventor
正二郎 舛岡
Shojiro Masuoka
舛岡  正二郎
肇一 馬島
Keiichi Majima
肇一 馬島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2013187192A priority Critical patent/JP2015055481A/ja
Publication of JP2015055481A publication Critical patent/JP2015055481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】尿中有形成分分析においてそのような画像を処理する場合に、さらなる解析処理速度の向上、装置の単純化、価格低下などを目的とする。【解決手段】以下の(1)〜(8)の工程を含む尿検体分析方法。(1)被検液の攪拌(2)分注(3)染色液の添加(4)被検液と染色液の混合液を透光板に分注(5)透光板を撮像ステージに載置(6)被検液中の有形成分の標本像を拡大(7)自動焦点での撮像(8)有形成分の境界決定方法をその一工程として含む、撮像画像の処理、識別【選択図】なし

Description

本発明は、例えば尿中に含まれる血球類などの有形成分を、画像解析技術を用いて自動分析するための装置及び方法に関する。さらに詳しくは、有形成分の形態を直接光学的に撮像した画像を処理する方法において、画像中の有形成分の輪郭をトレースする、有形成分の境界決定方法および装置に関する。例えば血球や細胞などの粒子を、顕微鏡を介してビデオカメラ等で撮像して画像メモリに取り込み、この取り込んだ画像中の有形成分領域の境界を画像処理によって決定する有形成分の境界決定方法および装置に関する。
尿中に含まれる血球類などの有形成分を、画像解析技術を用いて自動分析するための装置及び方法が知られている。例えば、特許文献1に記載の装置は、サンプル容器中の原尿被検液を攪拌する手段と、攪拌した原尿被検液を分注する手段と、原尿被検液と混合するための染色液を添加する手段と、原尿被検液と染色液の混合液を被覆透光板一体型透光板の間隙部分に分注する手段と、透光板上の原尿被検液を撮像するための撮像ステージと、原尿被検液中の有形成分の標本像を拡大する手段と、有形成分の標本像の焦点を自動で合わせる機能を有し、当該像を顕微鏡などで撮像する手段と、撮像された画像を処理して各種成分に識別する手段とを有し、尿中の有形成分分析(尿沈渣分析など)にかかわる作業の全て又は一部を自動化している。
画像解析においては、物体の形状を知ることにより、その物体の特徴や傾向を知ることができる。例えば、画像中の物体領域の境界に着目し、粒子などの物体の輪郭をトレース(追跡)することにより、粒子の周囲長や面積などの特徴量を算出し、どのような形状をしているかを数値的に把握する方法が挙げられる。例えば特許文献2には、試料中の粒子を撮像した画像の各画素の濃度情報が2値信号に変換された2値画像に基づいて、その2値画像における粒子領域に位置する各画素について、周囲を取り囲む近傍画素の2値信号の値を示す近傍画素状態値を取得するとともに、粒子領域の頂点に位置する第1画素の座標を求め、その座標に位置する第1画素を始点とし、第1画素の近傍画素状態値を参照して次に連接すべき第2画素を決定し、第1画素から第2画素に連接する方向を示す第1絶対連接方向値に基づいて第2画素の近傍画素状態値を正規化し、正規化された近傍画素状態値を参照して次に連接すべき方向を示す相対連接方向値を求め、第1絶対連接方向値と前記相対連接方向値とから次に連接すべき方向を示す第2絶対連接方向値を算出することにより、次に連接すべき第3画素を決定し、これを粒子の境界に位置する各画素について繰り返すことにより粒子の境界を追跡する粒子の境界決定方法が記載されている。
特許第3924870号 特許第4299908号
しかしながら、特許文献2に記載の方法は、イメージングフローサイトメータ等を流れる粒子を対象としたものであって、物体の形態を直接光学的に撮像した画像を処理する方法については全く言及されていない。本発明は、尿中有形成分分析においてそのような画像を処理する場合に、さらなる解析処理速度の向上、装置の単純化、価格低下などを目的とするものである。
本発明の有形成分の境界決定方法は、有形成分の形態を直接光学的に撮像した画像を処理する方法において、試料中の有形成分を撮像した画像の各画素の濃度情報が2値信号に変換された2値画像に基づいて、その2値画像における有形成分領域に位置する各画素について、周囲を取り囲む近傍画素の2値信号の値を示す近傍画素状態値を取得するとともに、有形成分領域の頂点に位置する第1画素の座標を求め、その座標に位置する第1画素を始点とし、第1画素の近傍画素状態値を参照して次に連接すべき第2画素を決定し、第1画素から第2画素に連接する方向を示す第1絶対連接方向値に基づいて第2画素の近傍画素状態値を正規化し、正規化された近傍画素状態値を参照して次に連接すべき方向を示す相対連接方向値を求め、第1絶対連接方向値と前記相対連接方向値とから次に連接すべき方向を示す第2絶対連接方向値を算出することにより、次に連接すべき第3画素を決定し、これを有形成分の境界に位置する各画素について繰り返すことにより有形成分の境界を追跡することを特徴とする。
典型的な本発明は以下に示すとおりのものである。
[項1]
尿検体に由来する有形成分の形態を直接光学的に撮像した画像の処理において、前記有形成分の境界を決定する方法であって、
試料中の有形成分を撮像した画像の各画素の濃度情報が2値信号に変換された2値画像に基づいて、その2値画像における有形成分領域に位置する各画素について、周囲を取り囲む近傍画素の2値信号の値を示す近傍画素状態値を取得するとともに、有形成分領域の頂点に位置する第1画素の座標を求め、その座標に位置する第1画素を始点とし、第1画素の近傍画素状態値を参照して次に連接すべき第2画素を決定し、第1画素から第2画素に連接する方向を示す第1絶対連接方向値に基づいて第2画素の近傍画素状態値を正規化し、正規化された近傍画素状態値を参照して次に連接すべき方向を示す相対連接方向値を求め、第1絶対連接方向値と前記相対連接方向値とから次に連接すべき方向を示す第2絶対連接方向値を算出することにより、次に連接すべき第3画素を決定し、これを有形成分の境界に位置する各画素について繰り返すことにより有形成分の境界を追跡する
有形成分の境界決定方法。
[項2]
以下の(1)〜(8)に記載の工程を少なくとも含む尿検体分析方法であって、前記尿検体分析方法の工程(8)において、さらに項1に記載の有形成分の境界決定方法をその一工程として含む尿検体分析方法。
(1)サンプル容器中の尿被検液を攪拌する工程
(2)攪拌した尿被検液を分注する工程
(3)尿被検液と混合するための染色液を添加する工程
(4)尿被検液と染色液の混合液を被覆透光板一体型透光板の間隙部分に分注する工程
(5)被覆透光板一体型透光板を撮像ステージに載置する工程
(6)尿被検液中の有形成分の標本像を拡大する工程
(7)有形成分の標本像の焦点を自動で合せ、有形成分の標本像を撮像する工程
(8)撮像された画像を処理して、各種成分に識別する工程
[項3]
尿検体に由来する有形成分の形態を直接光学的に撮像した画像の処理において、前記有形成分の境界を決定するための装置であって、
試料中の有形成分を撮像した画像の各画素の濃度情報を2値信号に変換する2値化部と、
2値化部により得られた2値画像に基づいて、その2値画像における有形成分領域に位置する各画素について、周囲を取り囲む近傍画素の2値信号の値を示す近傍画素状態値を取得する画素抽出部と、
有形成分領域の頂点に位置する第1画素の座標を求める座標抽出部と、
座標抽出部で得られた座標に位置にする第1画素を始点とし、画素抽出部によって取得された第1画素の近傍画素状態値を参照して次に連接すべき第2画素を決定し、第1画素から第2画素に連接する方向を示す第1絶対連接方向値に基づいて第2画素の近傍画素状態値を正規化し、正規化された近傍画素状態値を参照して次に連接すべき方向を示す相対連接方向値を求め、第1絶対連接方向値と前記相対連接方向値とから次に連接すべき方向を示す第2絶対連接方向値を算出することにより、次に連接すべき第3画素を決定し、これを粒子の境界に位置する各画素について繰り返すことにより有形成分の境界を追跡するエッジトレース部と
を備えてなる有形成分の境界決定装置。
[項4]
以下の(1)〜(8)に記載の構成を少なくとも含む尿検体分析装置であって、前記尿検体分析装置において、さらに項3に記載の有形成分の境界決定装置を含む尿検体分析装置。
(1)サンプル容器中の尿被検液を攪拌する手段
(2)攪拌した尿被検液を分注する手段
(3)尿被検液と混合するための染色液を添加する手段
(4)尿被検液と染色液の混合液を被覆透光板一体型透光板の間隙部分に分注する手段
(5)透光板上の尿被検液を撮像するための撮像ステージ
(6)尿被検液中の有形成分の標本像を拡大する手段
(7)有形成分の標本像の焦点を自動で合わせる機能を有し、当該像を撮像する手段
(8)撮像された画像を処理して各種成分に識別する手段
本発明の有形成分分析装置及び有形成分分析方法によれば、被検液中の有形成分の分析にかかわる作業が簡素化され、検査技師の負担を低減させることができる。また、測定対象が流体でないため標本像の焦点を容易に合わせることができ、更にフローセルを使用せずに透光板を用いるので、一回使い切り(ディスポーザル)のものを使用することができ、前検体のキャリーオーバや染色液による汚染の可能性がゼロである。即ち、本発明により、精密性、正確性の高い分析結果を提供することができる。
また、本発明によれば、尿検体に由来する有形成分の境界の追跡に際しては、有形成分領域の頂点に位置する画素を始点とし、有形成分の境界に位置する画素の連接してきた方向を基準とする相対連接方向値を求めることにより次に連接する方向の絶対連接方向値を算出するようにしているので、有形成分の画像の境界の追跡を、高速かつ少ない回路規模(高集積化)で行うことが可能となる。
カバーガラス一体型スライドガラス1の斜視図である。 本発明の有形成分分析装置の一例を示す図である。 本発明の有形成分分析装置の他の例を示す図である。 本発明の有形成分分析方法の一例を示す工程ブロック図である。 本発明の有形成分分析方法の他の例を示す工程ブロック図である。 尿中ATP濃度と菌数との相関図である。 この発明の物体の境界決定装置の構成を示すブロック図である。 着目画素に対する8近傍画素の定義を示す説明図である。 着目画素を合む8近傍画素の2値状態の一例を示す説明図である。 エッジトレース部の詳細構成を示すブロック図である。 連接方向を示す説明図である。 連接方向とX,Yアドレスカウンタの増減値との関係を示す説明図である。 着目画素に対する8近傍画素の対称性を示す説明図である。 8近傍画素状態値のビット配置を示す説明図である。 8近傍画素状態値をシフトさせた状態を示す説明図である。 正規化前の8近傍画素状態値の一例を示す説明図である。 正規化前の8近傍画素状態値の一例を示す説明図である。 正規化前の8近傍画素状態値の一例を示す説明図である。 正規化前の8近傍画素状態値の一例を示す説明図である。 第1論理演算器いおける論理演算の真理値を示す説明図である。 境界の前連接方向に対して225°転進する例を示す説明図である。 境界の前連接方向に対して225°転進する例を示す説明図である。 境界の前連接方向に対して135°転進する例を示す説明図である。 エッジトレース時の処理動作を示すフローチャートである。 グレースケール画像の一例を示す説明図である。 2値画像保持メモリの記憶内容の一例を示す説明図である。 8近傍画素メモリの記憶内容の一例を示す説明図である。 8近傍画素メモリのラスタースキャンの様子を示す説明図である。 着目画素が(E0)Hの8近傍画素状態値を示す説明図である。 着目画素が(E0)Hの8近傍画素状態値を並べ替えた場合のビット配置を示す説明図である。 8近傍画素メモリにおける境界の追跡状態を示す説明図である。 粒子の境界を一周してエッジトレースを終了する状態を示す説明図である。 従来の物体の境界追跡方法を示すブロック図である。
本発明の実施形態の一つは、尿検体に由来する有形成分の形態を直接光学的に撮像した画像の処理において、前記有形成分の境界を決定する方法である。
本発明の有形成分の境界決定方法において、境界決定の対象となる尿検体に由来する有形成分は、被検液中に分散ないし懸濁しているものであれば特に限定されるものではない。例えば、赤血球(変形赤血球、各種由来赤血球)、白血球、上皮細胞類(扁平上皮細胞、移行上皮細胞、尿細管上皮細胞、円形上皮細胞、尿道円柱上皮細胞、前立腺上皮細胞、精嚢腺上皮細胞、子宮内膜上皮細胞、卵円形脂肪体、細胞質内封入体細胞、多辺形細胞など)、円柱類(硝子円柱、上皮円柱、顆粒円柱、蝋様円柱、脂肪円柱、赤血球円柱、白血球円柱、細胞円柱、硝子白血球円柱、ヘモグロビン円柱、ヘモジリデン円柱、ミオグロビン円柱、アミロイド円柱、蛋白円柱、空胞変形円柱、血小板円柱、細菌円柱、ビリルビン円柱、塩類円柱など)、微生物類(真菌、細菌、脂肪球、原虫、トリコモナス、精子など)、結晶・塩類(尿酸塩、リン酸塩、シュウ酸カルシウム、ビリルビン、シスチン、コレステロール、2,8−ジヒドロキシアデニン結晶など)、その他(核内封入体細胞、脂肪顆粒細胞、大食細胞、異型細胞)等が分析対象となる有形成分として挙げられる。
本発明の有形成分の境界決定方法において、有形成分の形態を直接光学的に撮像する手段としては、撮像した物体の画像を電気信号に変換して出力することが可能なものであればよく、デジタルカメラ、CCDカラービデオカメラ等が挙げられる。また、撮像手段には、有形成分の標本像の焦点を自動で合わせる機能(オートフォーカス機能)を付加しておくのが好ましい。拡大手段は、撮像前の標本像を光学的に拡大するものであっても良いし、撮像された標本像の画像をデジタル処理等して拡大するものであっても良い。具体的には、前記カメラに取り付けられるズームレンズや対物レンズ等が挙げられる。
本発明の有形成分の境界決定方法においては、まず、試料中の有形成分を撮像した画像の各画素の濃度情報を2値信号に変換し、その2値画像に基づいて、その2値画像における有形成分領域に位置する各画素について、周囲を取り囲む近傍画素の2値信号の値を示す近傍画素状態値を取得する。次に、有形成分領域の頂点に位置する第1画素の座標を求め、その座標に位置する第1画素を始点とし、第1画素の近傍画素状態値を参照して次に連接すべき第2画素を決定する。次に、第1画素から第2画素に連接する方向を示す第1絶対連接方向値に基づいて第2画素の近傍画素状態値を正規化し、正規化された近傍画素状態値を参照して次に連接すべき方向を示す相対連接方向値を求める。上記構成においては、次に連接する方向の絶対連接方向値を、前に連接してきた方向の絶対連接方向値に相対連接方向値を加えることにより算出することができる。具体的には、第1絶対連接方向値と前記相対連接方向値とから次に連接すべき方向を示す第2絶対連接方向値を算出することができる。これにより、次に連接すべき第3画素を決定し、これを有形成分の境界に位置する各画素について繰り返すことにより有形成分の境界を追跡することができる。
複数の画素をスキャンして得られたアナログ映像信号のグレースケール(多値画像)で表したディジタル信号への変換、ディジタル信号の2値信号への変換、2値信号の近傍画素状態値への変換および連接方向値の算出等は、CPU,ROM,RAM,I/Oポートからなるマイクロコンピュータを備えた画像処理装置(イメージプロセッサ)で行うことができる。
以下、この発明を詳述する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
(1)尿検体に由来する有形成分の形態の直接光学的撮像手段、および、前記手段で撮像した画像を用いて尿検体の有形成分を分析する方法
尿検体に由来する有形成分の形態を直接光学的に撮像する手段は、特に限定されないが、例えば、有形成分が含まれる被検液を透光板上に載置し、これを顕微鏡などで撮像すればよい。
また、前記手段で撮像した画像を用いて尿検体の有形成分を分析する方法は、特に限定されないが、例えば、(1)透光板上に被検液を載置する工程と、(2)必要であれば被検液中の有形成分の標本像を拡大する工程と、(3)有形成分の標本像の焦点を自動で合せ、有形成分の標本像を撮像する工程と、(4)撮像された画像を処理して、各種成分に識別する工程とを少なくとも有する方法が挙げられる。
前記方法を実施する手段は、特に限定されないが、例えば、透光板上の被検液を撮像するための撮像ステージと、必要であれば被検液中の有形成分の標本像を拡大する手段(以下、「拡大手段」という。)と、標本像を撮像する手段(以下、「撮像手段」という。)と、撮像された画像を処理して各種成分に識別する手段(以下、「識別手段」という。)とを有する有形成分分析装置が挙げられる。
(1−1)透光板
前記透光板は透光性を有し、被検液を載置可能なものであれば良く、例えば、スライドガラス等が挙げられる。スライドガラスは一回使い切り(ディスポーザブル)であるため、前検体のキャリーオーバや染色剤による汚染の可能性がゼロであり、信頼性の高い測定結果を提供することができる。透光板の材料は、プラスチック(合成樹脂)、ガラスなど透光性を有するものであれば、特に限定されるものではない。なお、プラスチックの場合は、必要に応じて親水性を向上させるための化学的処理を施すのが良い。
前記透光板に載置された被検液は、被覆透光板で被覆されていても良い。被覆透光板としては、例えばカバーガラスが挙げられる。被覆透光板の材料としては、上記した透光板と同様のものが挙げられるが、特に限定されるものではない。
図1は、被覆透光板となるカバーガラスと、透光板となるスライドガラスとが一体的に形成された、カバーガラス一体型スライドガラス1の斜視図である。図1(a)ではスライドガラス部2上に載置されたカバーガラス部3の対向する二辺が接着剤4などで封止され、残りの対向する二辺が開放状態になっている。図1(b)はスライドガラス部2上に載置されたカバーガラス部3の三辺が接着剤4などで封止され、残りの一辺が開放状態になっている。被検液を開放された一辺から分注すると、毛細管現象によりスライドガラス部2とカバーガラス部3との間隙に被検液が注入される。即ち、透光板であるスライドガラス部2に被検液が載置される。このようにカバーガラス一体型スライドガラス1を用いれば、簡単に所定量を正確に注入させることができ、カバーガラスをセットする煩雑な標本作製工程を省力化することができる。
(1−2)撮像ステージ
前記透光板上の被検液を撮像するための撮像ステージは、透光板を載置し得るものであれば良く、特に限定されないが、撮像位置を変更できるように移動可能なものであるのが好ましい。移動は手動で行っても良いが、例えばサーボモータ、ステッピングモータやリニアモータ等を使用して機械的に行うのが好ましい。
(1−3)撮像手段
撮像手段としては、撮像した物体の画像を電気信号に変換して出力することが可能なものであればよく、デジタルカメラ、CCDカラービデオカメラ等が挙げられる。また、撮像手段には、有形成分の標本像の焦点を自動で合わせる機能(オートフォーカス機能)を付加しておくのが好ましい。拡大手段は、撮像前の標本像を光学的に拡大するものであっても良いし、撮像された標本像の画像をデジタル処理等して拡大するものであっても良い。具体的には、前記カメラに取り付けられるズームレンズや対物レンズ等が挙げられる。
被検液中の有形成分としては、血球類や細菌などの数μmの大きさのものから、円柱などの数百μmの大きさのものまでがある。従って、拡大手段の有する拡大倍率は、一種類のみとするよりも、二種類以上とするのが好ましい。この場合、小型の有形成分から大型の有形成分までをより精度よく解析することができる。また、拡大倍率は連続的に変化するものであっても良い。拡大倍率は有形成分に合わせて適宜決定すれば良い。
(1−4)識別手段
識別手段は、撮像された画像中の有形成分をその形態等に基づいて分類し、識別するものである。識別手段には、予め設定された視野分の全識別結果から分析結果を算出する機能と、分析結果を出力器から出力する機能とを付加するのが好ましい。なお、ここでいう予め設定された視野分とは、撮像する視野(画像)数のことをいう。また、識別手段には撮像された画像を一旦記憶しておくためのメモリ等を備えておくのが好ましい。
識別手段としては、例えば、上記の識別を行うようにプログラミングされたコンピュータ、論理回路で構成された識別装置等が挙げられる。このうち、識別手段としてコンピュータを用いれば、各工程の動作、画像処理、記憶、計算、出力等すべての制御がソフト上で行えるようになり好ましい。
識別手段は学習機能を有しているのが好ましい。学習認識機能を有することによって、正確性、精密性の高い測定結果が提供される。識別手段は、(1)赤、緑、青を明度と色度とに分離する色抽出の範囲指定、(2)穴埋め、線分の書き込み、画像の切り離しからなる二値画像処理の範囲指定、(3)画像の特徴量(面積、円形度係数、円相当径、周囲長、絶対最大長、フェレ径X/Y比、最大弦長X/Y比、短軸長さ/長軸長さ比など)の範囲指定を学習し、識別を行うことができる。
(1−4−1)染色剤などの利用
また、識別手段による上記画像処理は、ソフトウェアにより、有形成分の形態に基づいて有形成分を分類分析するため、明らかに形状の違う円柱や扁平上皮などの分類に関しては精度が高いが、小型な腎上皮細胞や赤血球、白血球、細菌などの形態が似かよった場合には、分析能はどうしても低下してしまう。
そこで、本発明の装置においては、被検液に成分識別を助力するための染色剤などの試薬を添加する手段を本発明の装置に更に付加することによって、本発明の方法においては、被検液に成分識別を助力するための染色剤などの試薬を添加する工程を加えることによって、上記の形態の似かよった成分を分類し、分析能を向上させることができる。
試薬は特に限定されないが、一般的に知られているものとしてSternheimer−Malbin染色法(SM染色法)、Sternheimer 染色法(S染色法、NS染色法またはSternheimer 染色法の変法)、Prescott−Brodie 染色法、Behre−Muhlberg染色法(BM染色法)、SudanIII染色法、Lugol 染色法、hemosiderin 染色法、Papanicolaou染色法、4−chloro−1−naphthol 法、Field 染色法、Quaglino−Flemans法、Kaplow法、佐藤・関谷法、ベルリン青法、ギムザ染色法、ライト染色法、パッペンハイム染色法、コンゴー赤染色法、メチル緑・ピロニン染色法、アルシアン青染色法、ショール染色法、フォイルゲン染色法、オイル赤O染色法、Brecker 法、ハインツ小体染色法、中性赤・ヤーヌス緑超生体染色法、ブリリアントクレシル青染色法(「臨床検査アトラス1 尿沈渣」、「臨床検査技術全書3 血液検査」、「臨床検査法提要」、「染色法のすべて MEDICAL TECHNOLOGY別冊」)等のうち少なくとも一法に用いられている成分の一種類または二種類以上を含有するものが挙げられる。例えば、ある一つの染色法で用いられる複種類の染色剤及び添加剤の中から幾つかの染色剤及び添加剤を選択し、これらを組み合わせて試薬としても良いし、それぞれ別の染色法で用いられている複種類の染色剤を組み合わせて試薬としても良い。
なお、上記染色剤には、染色剤の保存安定性や防腐性能を高めるために、一般的に知られている防腐(抗菌)剤(各種抗生物質、EDTA塩類、ホウ酸、クエン酸、NaN 、プロクリン、ベンツイソチアゾロン、ピリチオン、N−メチルイソチアゾール等)を添加しても良い。また、染色液を至適pHに保つ為に各種緩衝液を添加したり、有形成分の形態を保持するために各種塩類(EDTA塩類、石炭酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、NaCl、KCl、CaCl、AlCl 等)、各種糖類(グルコース、フラクトース、ガラクトース、マルトース、キシリトール、ソルビトール)、シクロデキストリン類、グルタルアルデヒドを添加しても良い。更に、測定の妨げとなる不溶性物質を除くために各種界面活性剤や酵素類を添加しても良い。
(1−4−2)有形成分に起因する光学的特徴量の利用
さらに、形態による分類分析では十分な結果が期待できない場合には、本発明の装置においては、識別手段に、有形成分に起因する光学的特徴量に基づいて有形成分の量を算出する機能を付加するのが、又本発明の方法においては、有形成分に起因する光学的特徴量に基づいて、有形成分の量を算出することが好ましい。
例えば、被検液中の細菌類などの微生物の量を測定する際、分析精度をより向上させることを目的として発光試薬を被検液中に添加することができる。しかし、細菌類はその状態(死菌、生菌)によって染色度合いが異なるため、分析能が低下してしまう。そこで、さらに分析能を向上させるため、微生物がATP(アデノシン三リン酸)を産出することを利用し、被検液中のATPを測定する工程を加えることによって細菌類の量を正確に測定することができる。ATPの測定は、ルシフェラーゼ、ルシフェリンなどを含むATP試薬を利用し、ATP量に応じた発光量(光学的特徴量)を検知することによって行うことができる(下記式参照)。
ルシフェラーゼ
ルシフェリン+ATP+O→→→→→→オキシルシフェリン+AMP+CO+(光)
(1−5)画像記憶手段
また、本発明の装置には、撮像された画像を処理して各種成分に識別した結果を記憶しておく手段(画像記憶装置)が備えられているのが好ましい。記憶しておく手段としては、記憶容量の大きい光磁気ディスク、固定ディスク、デジタルビデオディスク、CD−R等の補助記憶装置が挙げられる。
(1−6)インターフェイス
本発明の装置に用いられる出力器としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プリンタ等の出力装置や上記補助記憶装置が挙げられる。なお、出力装置としてディスプレイを用いる場合には、メニュー選択によって、測定結果や画像データの他、時刻、現在の装置の状況(各検体の測定状況、各検体又は選択した検体の測定終了予定時刻又は必要残時間、廃液タンクの廃液量、純水タンクの残量、各試薬の残量、洗剤の残量、スライドガラスの残数)等を表示する機能や、選択指定した情報のみを離れた場所から読み取れるように拡大表示する機能を付加しても良い。
(1−7)その他の機能
本発明の装置においては、識別手段に、分類不可能な有形成分について「その他成分」なる項目に分類する機能、又はその画像を後に呼び出して、技師が直接目視により判断し、その判断結果をデータに付け加えたり修正したりできる機能を付加しても良い。
本発明の装置には、ディスプレイの表示メニューの選択や当該装置の操作をリモコン装置を用いて遠隔操作できる機能を付加しても良い。更に、本発明の装置には、何らかのアクシデントが発生した場合、廃液タンクが満杯になった場合、純水、各試薬、洗剤、スライドガラス等の残りが少なくなった場合等には、画面表示、音又は信号によって警告を発する機能を付加しても良い。
本発明の装置には、緊急の分析に対応するため、分析中の検体の次に緊急検体(緊急の分析を要する検体)を優先して割り込ませる機能、又は分析を一時停止して直ちに緊急検体を分析する機能を付加しても良い。なお、緊急の分析は迅速に行う必要があるため、例えば緊急分析用ボタンを設置し、該ボタンの操作のみで装置に緊急の分析を行わせるようにするのが好ましい。
上記で説明した方法は、容易に全自動で行うことができる。即ち、自動で透光板上に被検液を載置する工程が行われ、拡大手段により被検液中の有形成分の標本像を拡大する工程が行われ、撮像手段により有形成分の標本像の焦点を自動で合せ、有形成分の標本像を撮像する工程が行われ、識別手段により撮像された画像を処理して、各種成分に識別する工程が行われる。
(1−8)図に基づく説明
以下、上記の装置及び方法の例を図に基づいて説明するが、上記の装置及び方法はこれらの例に限定されるものではない。
(例1)
図2は、本発明の有形成分分析装置の一例を示す図であり、尿沈渣成分の分析装置を示す。
図2の例では、透光板としてはスライドガラス5が用いられている。スライドガラス5は、図1(a)に示したようにカバーガラスと一体的に形成されて、カバーガラス一体型スライドガラスとなっている。スライドガラス5は撮像ステージとなるXYテーブル6上に載置されている。XYテーブル6には駆動源としてステップモータが組み込まれている。XYテーブル6は駆動回路11からの信号を受けて駆動され、スライドガラス5をX座標軸方向及びY座標軸方向に自在に移動、停止させて撮像位置を変更する。
撮像手段としては自動焦点機能付きのCCDカメラ10が用いられている。CCDカメラ10には拡大手段として、対物レンズが取り付けられている。
識別手段は、画像処理制御回路12、画像メモリ14、特徴抽出回路15、識別演算回路16、中央制御部17および演算回路22で構成されており、同図では点線で囲まれている。23は、出力装置として用いられているディスプレイである。18は各種成分に識別した結果を記憶するための画像記憶装置である。次に、本発明の装置で行われる処理を時系列に説明する。
最初に、被検液となる尿検体をサンプル容器からプローブによって、三本の反応管19a、19b、19cに必要量分注する。なお、より均一に分注するため、尿検体は分注前に攪拌している。サンプル容器として予めバーコードが貼り付けられた容器を用いるのであれば、バーコード読み取り装置にて、予めバーコードを読み取る。バーコードを使用することによってサンプルの有無、種類、検体番号を読み取れば、以後の処理データおよびサンプルの識別を容易に行える。
次に、染色液を反応管19aに必要量注入し、有形成分の染色を行う。約2分後、反応管19aから被検液と染色液との反応液を分取し、カバーガラス一体型スライドガラス(スライドガラス5)に注入する。なお、染色反応時間や反応温度は任意に設定している。
次に、被検液を撮像するため、光源となるランプ7から光を照射する。ランプ7から照射された光(点線部)は光軸上を進み、コンデンサレンズ8を通ってスライドガラス5上の被検液上に集光される。被検液中の有形成分の標本像は対物レンズ9により結像位置に形成され、この結像位置の標本像は、CCDカメラ10の撮像面上に画像として投影され、光電変換される。
画像処理制御回路12は、駆動回路11を制御してXYテーブル6の移動又は停止を制御するとともに、XYテーブル6が停止した際に、CCDカメラ10に撮像を行わせる。CCDカメラ10で得られた画像は、A/D変換器13によりデジタル化される。画像処理制御回路12は、このデジタル化された画像データを画像メモリ14に格納する。
画像処理制御回路12は、画像メモリ14への格納の終了後、さらにXYテーブル6を移動させて撮像位置(視野)を変え、上記と同様に撮像、A/D変換、メモリへの格納を行う。画像処理制御回路12は、この一連の動作を予め設定された視野数になるまで繰り返し行う。なお、撮像位置を変更するためのXYテーブル6の移動は、一視野分の画像解析が終了してから行うように制御しても良い。
次に、画像処理制御回路12は、画像メモリ14に格納された画像データを、特徴抽出回路15へ入力する。特徴抽出回路15は、画像の特徴量(例えば、有形成分の面積、円形度係数、円相当径、周囲長、絶対最大長、フェレ径X/Y比、最大弦長X/Y比、短軸長さ/長軸長さ比など)を一次パラメータとして抽出する。画像処理制御回路12は、これら一次パラメータ及びこれらの組合せ演算で生じる二次パラメータを識別演算回路16に入力する。
識別演算回路16は、ニューラルネットワークを用いて有形成分の分類を行う。ニューラルネットワークは、予め専門家の判断にもとづいて大量のデータを用いて学習を実行し、各ニューロン間の結合係数を最適化するものである。従って、識別演算回路16は、入力された一次および二次パラメータを用いてニューラルネットワーク演算を行い、対象となる有形成分の自動分類を実施する。なお、ニューラルネットワーク演算の代わりに、識別演算回路16には統計的学習認識方法を用いた有形成分の自動分類を行わせても良い。
中央制御部17は、分類結果及び画像データを画像記憶装置18に記憶させる。本実施例では、画像記憶装置18として、記憶容量が大きい光磁気ディスクが用いられている。
一方、尿検体中の細菌などの微生物量を測定するために、反応管19b中にトリクロロ酢酸を添加し、その一部の検体試料を分取してATP測定試薬を添加し、発光させる。反応管19c中にはトリクロロ酢酸を添加せずに、その一部の検体試料をブランクとして分取し、上記と同様にATP測定試薬を添加して発光させる。発光はルミノメータ20により検知する。積算回路21は、所定時間内にルミノメータ20にて検知された発光をカウントし、積算する。次に、演算回路22は、積算回路21により積算された発光の数(フォトン数)の情報を、予めATPの標準品によって算出された計算式に基づいてATP量に変換して微生物の数を算出し、算出結果を中央制御部17に入力する。
中央制御部17は、撮像された画像の各視野ごとの分類結果を全視野分積算し、演算回路22から入力される微生物の数と共に、予め入力された境界値(有形成分の標準値)に基づいて定性データ(例えば−、±、+、++、+++など)に変換し、得られた定性データや画像データをディスプレイやプリンタ等の出力装置23に出力する。
図4は、本発明の有形成分分析方法の一例を示す工程ブロック図であり、図1に示す装置を使用して分析が行われている。以下、図4を各工程ごとに説明する。
〔尿検体採取工程〕
本工程においては、尿原液200検体を遠心分離せずに攪拌後、各検体0.75mlをそれぞれ三本の所定の反応管に分注する。
〔染色工程〕
本工程においては、尿検体を採取した反応管のうちの一本に、S(Sternheimer )染色液を0.25ml添加し攪拌する。
〔標本作製工程〕
本工程は、透光板上に被検液を載置する工程である。なお、本工程においては、被検液となる染色液を添加した液から0.015mlを分取し、カバーガラス一体型スライドガラスの間隙部分に分注し標本を作製している。
〔標本移動工程〕
本工程においては、作製した標本を撮像ステージにセットしている。撮像ステージはセットされた標本を撮像位置まで移動させる。
〔撮像工程〕
本工程は、被検液中の有形成分の標本像を拡大する工程と、拡大された有形成分の標本像の焦点を自動で合せ、有形成分の標本像を撮像する工程とである。本工程においては、最初に、CCDカメラに取り付けられた対物レンズ(拡大手段)によって標本像を拡大している。次に、撮像ステージにセットされたCCDカメラによって、自動で焦点を合せ、拡大画像を撮像している。
〔画像処理・記憶工程〕
本工程は撮像された画像を処理して各種成分に識別する工程である。本工程においては、最初に、撮像した画像を光磁気ディスクに記憶する。次に、過去のデータを学習認識する機能を有した演算回路等を用いて、この記憶された画像データから尿中有形成分を各種成分に分類し、各種成分ごとに計数する。分類結果及び係数結果は制御計算工程へ伝達される。
なお、上記した撮像工程、画像処理・記憶工程は、撮像ステージを移動させて撮像位置を変更しながら視野数が100になるまで繰り返し行われる。
〔微生物量分析工程〕
本工程は、有形成分に起因する光学的特徴量に基づいて、有形成分の量を算出する工程である。本工程においては、最初に尿検体採取工程で尿検体を分注した反応管三本のうち一本に、0.4%トリクロロ酢酸を0.75ml添加する。残りの一本にはなにも添加せずブランクとする。各反応管から尿検体0.01mlを分取し、これにATP測定試薬〔30mMグリシルグリシンバッファ(pH7.8)、5mM硫酸マグネシウム、0.1mM硫酸ルシフェリン、10U/mlルシフェラーゼを含有する。〕を0.5ml添加して発光を生じさせる。この発光をルミノメータを用いて検知し、積算回路等を用いて発光をカウントし、積算する。
次に、予めATPの標準品によって算出した計算式によって、各検体中のATP量を求める。その後、トリクロロ酢酸を添加した検体中のATP量と、ブランクとした検体中のATP量との差を求め、検体中の微生物起源のATP量を算出する。その結果を制御計算工程へ伝達する。図6に尿中ATP濃度と菌数との相関図を示す。
〔制御計算工程〕
本工程においては、画像処理・記憶工程および微生物量分析工程の各工程から得られた結果を統合し、ディスプレイやプリンタ等に出力する。表1は、その出力(印字)例を示している。
この例における画像処理による検査結果の一致率を表2にまとめた。即ち、撮像された各画像を目視して、画像処理により分類分析された成分名(白血球、赤血球など)と一致しているか否かを判断した。
(例2)
図3は、本発明の有形成分分析装置の他の例を示す図である。図3の例では、図2の例と異なり、ATP測定試薬の添加はなく、よって図1の例で用いられているルミノメータ、積算回路、演算回路は備えられていない。従って、図3の例に示すように、尿検体は反応管19にのみ必要量が分取されている。それ以外の構成については図2に示した装置と同様である。
図5は、本発明の有形成分分析方法の他の例を示す工程ブロック図であり、図3に示す装置を使用して分析が行われている。以下、図5を各工程ごとに説明する。
〔尿検体採取工程〕
本工程においては、尿原液検体を遠心分離せずに攪拌した後、この検体0.75mlを反応管に分取する。
〔染色工程〕
本工程においては、尿検体を分注した反応管に、S(Sternheimer )染色液を0.25ml添加し攪拌する。
〔標本作製工程〕
本工程においては図4の例と同様に、染色液を添加した液から0.015mlを分取し、カバーガラス一体型スライドガラスの間隙部分に分注し標本を作製する。
〔標本移動工程〕
本工程においては図4の例と同様に、作製した標本を撮像ステージにセットし、撮像位置まで移動させる。
〔撮像工程〕
本工程においては図4の例と同様に、拡大された有形成分の標本像の焦点を自動で合せ、撮像ステージにセットされたCCDカメラによって拡大画像を撮像している。
〔画像処理・記憶工程〕
本工程においては図4の例と同様に、撮像した画像を記憶し、画像データから尿中有形成分を各種成分に分類し、各種成分ごとに計数している。分類結果及び係数結果は制御計算工程へ伝達される。なお、撮像工程、画像処理・記憶工程は、撮像ステージを移動させて撮像位置を変更しながら視野数が100になるまで繰り返し行われる。
〔制御計算工程〕
本工程においては画像処理・記憶工程から得られた結果を統合し、ディスプレイやプリンタ等に出力する。表3は、その出力(印字)例を示しており、強拡大視野(HPF)における結果が記号で示されている。
(2)有形成分の境界決定方法
以下に説明する有形成分の境界決定方法は、上記で説明した、尿検体に由来する有形成分の形態の直接光学的撮像手段、および、前記手段で撮像した画像を用いて尿検体の有形成分を分析する方法に適用することができる。特に上記の(1−4)などで説明した識別手段に適用することが好ましい。
本発明の有形成分の境界決定方法においては、まず、試料中の有形成分を撮像した画像の各画素の濃度情報を2値信号に変換し、その2値画像に基づいて、その2値画像における有形成分領域に位置する各画素について、周囲を取り囲む近傍画素の2値信号の値を示す近傍画素状態値を取得する。次に、有形成分領域の頂点に位置する第1画素の座標を求め、その座標に位置する第1画素を始点とし、第1画素の近傍画素状態値を参照して次に連接すべき第2画素を決定する。次に、第1画素から第2画素に連接する方向を示す第1絶対連接方向値に基づいて第2画素の近傍画素状態値を正規化し、正規化された近傍画素状態値を参照して次に連接すべき方向を示す相対連接方向値を求める。上記構成においては、次に連接する方向の絶対連接方向値を、前に連接してきた方向の絶対連接方向値に相対連接方向値を加えることにより算出することができる。具体的には、第1絶対連接方向値と前記相対連接方向値とから次に連接すべき方向を示す第2絶対連接方向値を算出することができる。これにより、次に連接すべき第3画素を決定し、これを有形成分の境界に位置する各画素について繰り返すことにより有形成分の境界を追跡することができる。
この方法によれば、物体の境界の追跡に際しては、物体領域の頂点に位置する画素を始点とし、物体の境界に位置する画素の連接してきた方向を基準とする相対連接方向値を求めることにより次に連接する方向の絶対連接方向値を算出するようにしているので、従来のルックアップテーブルを用いる方法と比較して、物体の画像の境界の追跡を、高速かつ少ない回路規模(高集積化)で行うことが可能となる。
本発明の有形成分の境界決定方法は、例えば、図7に示す構成の境界決定装置により実施することができる。該境界決定装置は、測定する対象物を撮像するビデオカメラと、イメージプロセッサ(画像処理装置)と、マイクロコンピュータと、CRTディスプレイ装置と、外部記憶装置から構成される。イメージプロセッサは、デジタイザと、コンパレータ8、2値画像保持メモリと、画素抽出部(たとえば8近傍画素抽出フィルタと8近傍画素メモリ)と、エッジトレース部と、特徴量抽出部とから構成される。
(2−1)撮像手段
撮像手段は、既に(1−3)で述べたように、撮像した有形成分(図7では、対象物)の画像を電気信号に変換して出力することが可能なものであればよく、ビデオカメラには、CCD(電荷結合素子)を用いた通常のビデオカメラ等を適用できる。前記撮像手段により撮像した画像は複数の画素をスキャンしたアナログ映像信号として得られる。したがって、アナログ映像信号をグレースケール(多値画像)で表したデジタル信号への変換、デジタル信号の2値信号への変換、2値信号の8近傍画素状態値への変換、および連接方向値の算出は、CPU,ROM,RAM,I/Oポートからなるマイクロコンピュータを備えた画像処理装置(イメージプロセッサ)で行うことができる。図7において、デジタイザは、ビデオカメラからのアナログ映像信号をA/D変換する。すなわち、アナログ映像信号を、各画素の輝度(光強度)を例えば0〜255までの256段階のデジタルの8ビット信号で表した多値画像(グレースケール)に変換し、これをラスタースキャン(線順次走査)の様式で順次出力する。このようにしてデジタイザから出力される情報は、対象画像の各画素の濃度情報といえるものであり、この情報が、以下に述べる2値化部、画像抽出部、座標抽出部、エッジトレース部で処理されることにより、物体の境界が追跡される。
(2−2)2値化
2値化部は、例えばコンパレータと2値画像保持メモリとから構成される。コンパレータは、グレースケールのデジタル信号を、名画素毎に、粒子を“l”、背景を“0”とする2値のレベルに振り分け、この2値信号をラスタースキャンの様式で順次出力する。すなわち、グレースケールに変換された粒子などの対象画像の輝度ヒストグラムをあらかじめ解析しておき、背景と粒子とが好適に分離されるしきい値を求めておく。そして、コンパレータ8にこのしきい値をセットし、粒子を“l”、背景を“0”とする2値に振り分ける。この振り分けは、粒子を“0”、背景を“1”とするものであってもよい。2値画像保持メモリは、粒子と背景とに2値化された画像を保持するメモリであり、着目画素およびその着目画素の周囲8画素の2値化情報(1か0かの情報)をラスタースキャンの様式で順次出力する。2値画像保持メモリの記憶内容については後ほど詳述する。
(2−3)近傍画素状態値の取得
画素抽出部は、例えば8近傍画素抽出フィルタと8近傍画素メモリとから構成される。8近傍画素抽出フィルタは、2値画像の全画素を順次着目画素とし、その着目画素の周囲の8近傍画素の2値について論理演算を行い、粒子の内部と外部の画素については“0”の値を持ち、粒子の境界にある画素については非“0”の値を持つような8ビットデータ(1バイトすなわち1ワードのデータ)を、ラスタースキャンの様式で順次出力する。8近傍画素メモリは、画像入力時における動作と、エッジトレース時における動作との2状態の動作モードを有しており、画像入力時には、8近傍画素状態値(上述した“0”または“8ビットデータ”の値)がラスタースキャンの様式で順次入力される。すなわち、前ステージの8近傍画素抽出フィルタから8近傍画素状態値がラスタースキャンの様式で順次出力されるので、これを受けてこの8近傍画素状態値を保持する。また、エッジトレース時には、次ステージのエッジトレース部が粒子の境界に沿って指示するアドレスに保持されている8近傍画素状態値を出力する。
(2−3−1)近傍画素抽出フィルタの処理(1)
8近傍画素抽出フィルタの処理では、1ラスタースキャンの走査時間の間に以下のような論理演算を行う。図8に示すように、中心の着目画素n8に対し、3時の方向から反時計周りに8近傍画素n0,n1,n2,n3,n4,n5,n6,n7を定義し、8近傍画素メモリ11の着目画素n8に対応する位置に以下の論理式の演算結果aを8ビットデータとして記憶する。
a=n8&(n0♯n1♯n2#n3#n4#n5#n6#n7)&nj
(ただし、#は論理和、&は論理積、!は否定、njは“n7n6n5n4n3n2n1n0”のバイナリー表示を表す)
具体的には、n8と、(n0♯n1#n2#n3#n4♯n5♯n6#n7)と、njのアンド(論理積)をとっており、以下の意味を持っている。右辺の第1項は着目画素が粒子領域、すなわち粒子の境界または内部にあるか否かを表し、第2項は着目画素の周囲に“1”となる画素があるか否かを表し、第3項は着目画素の周囲8画素の状態を表している。つまり、着日画素が“0”であれば、これは背景とみなして8近傍画素の値に関係なくaを“0”とする。着目画素が“1”であっても、8近傍画素が全て“0”であれば、これは粒子ではなく塵等とみなしてaを“0”とする。結局、上記のような論理条件下で“0”にならない画素が、粒子の境界および内部に位置する画素とみなされる。したがって、背景の画素だけが“0”の値を持ち、粒子の境界および内部に位置する画素はa=njの値、つまり非“0”の値を持つことになる。このように、着目画素が粒子の境界および内部に位置する場合には、その着日画素の周囲の8近傍画素状態値(1か0かの2値)が8近傍画素メモリの着目画素に対応する位置に8ビットデータで保持される。
例えば、着目画素n8を合む8近傍画素nj(j=0〜7)図9に示すような2値状態であれば、njは“n7n6n5n4n3n2n1n0”すなわち“11111000”となり、8近傍画素メモリ11の着目画素n8に対応する位置には、(11111000)Bの値、つまり0x“F8”の値が記憶される。ただし“( )B”は2進数(バイナリーコード)であることを示す記号であり、“0x”または“( )H”は16進数(ヘキサコード)であることを示す記号である。このようにして、2値化後の画像に対して上記のような手法で画像に合まれる粒子を抽出し、粒子の境界および内部に位置する画素の周囲の状況を8近傍画素状態値として保持しておくことにより、後述するようなより少ない回路規模でエッジトレースを実現する。
(2−3−2)近傍画素抽出フィルタの処理(2)
なお、上記の論理式において、右辺に!(n0&n2&n4&n6)の項を加えて、粒子の境界に位置する画素だけを抽出するようにしてもよい。すなわち、論理式を
a=n8&(n0♯n1♯n2#n3#n4♯n5♯n6♯n7)&!(n0&n2&n4&n6)&njとし、n8と、(n0♯n1#n2♯n3♯n4#n5#n6♯n7)と、!(n0&n2&n4&n6)と、njのアンド(論理積)をとるようにしてもよい。このようにした場合には、!(n0&n2&n4&n6)の条件を加えることができる。つまり、着目画素が“1”で、8近傍画素のいずれか1つが“l”であっても、8近傍画素の内の時計方向に3時と12時と9時と6時の方向の近傍画素が“1”であれば、これは粒子の内部とみなしてaを“0”とすることができる。したがって、この場合には、粒子の境界でない画素、つまり粒子の外部と内部の画素は“0”の値を持ち、粒子の境界画素だけがa=njの値、つまり非“0”の値を持つことになる。これにより、着目画素が粒子の境界に位置する場合にだけ、その着目画素の周囲の8近傍画素状態値(lか0かの2値)が8近傍画素メモリ11の着目画素に対応する位置に8ビットデータで保持されることになる。
次ステージのエッジトレース部では、粒子の境界に位置する画素だけをトレースしてゆくので、粒子の内部の画素が8近傍画素状態値を持っていても“0”であっても影響はないが、粒子の内部を“0”にして、粒子の境界に位置する画素だけに8近傍画素状態値を与えるようにすることにより、エッジトレース時に、連接する方向の誤りを防止することができる。
(2−4)有形成分の境界追跡
エッジトレース部は、8近傍画素メモリの内容を参照しながら粒子のエッジ(境界または輪郭ともいう)を画素単位でトレース(追跡)し、粒子の境界が表す連接コード(チェーンコード)を出力する。
図10はエッジトレース部の詳細構成を示すブロック図である。
この図に示すように、エッジトレース部は、Xアドレスカウンタと、Yアドレスカウンタと、8近傍画素正規化器と、第1論理演算器と、加算器と、絶対方向レジスタと、第2論理演算器から構成されており、絶対方向レジスタからチェーンコードを出力する。
(2−4−1)アドレスカウンタ
XアドレスカウンタとYアドレスカウンタは、8近傍画素メモリのデータを読み出す擦に、どの位置のデータを読み出すのかを指定するアップダウンカウンタであり、読み出す画素の座標値を指定するものである。Xアドレスカウンタは横方向に相当するX方向の値を指定し、Yアドレスカウンタは縦方向に相当するY方向の値を指定する。粒子の境界をトレースする場合には、このXアドレスカウンタとYアドレスカウンタから指示を与えて、次に連接する境界画素のアドレスにある8近傍画素状態値を8近傍画素メモリから読み出す。8近傍画素メモリは、上述したように、画像入力時に、ラスタースキャンの様式で前ステージにあたる8近傍画素抽出フィルタの出力結果を2次元型画像データとして保持している。その後、エッジトレース時に、XアドレスカウンタとYアドレスカウンタで指示されたアドレスの8近傍画素状態値を出力する。
(2−4−2)近傍画素正規化器
8近傍画素正規化器は、8近傍画素メモリに記憶された8近傍画素状態値のビット配置“n7n6n5n4n3n2n1n0”を、絶対方向レジスタの値を基準として並べ替え、正規化近傍画素値として出力する。
次に、上記8近傍画素正規化器の処理について詳述する。すなわち、8近傍画素メモリに記憶された8近傍画素状態値のビット配置を、前に連接する方向を起点として並び替え、正規化し、次の連接ゴードに変換する過程について具体的に説明する。図13の(a)〜(h)に一例を示すように、着目画素に対して周囲8方向に隣接する8個の近傍画素の関係は、多くは4回対称、場合によって8回対称となる。例えば、図13(a)の8近傍画素状態値のビット配置を反時計方向に1つシフトさせると図13(b)のビット配置となる。同様に、図13(b)を1つシフトさせると図13(c)に、図13(c)をlつシフトさせると図13(d)に、図13(d)を1つシフトさせると図13(e)に、図13(e)を1つシフトさせると図13(f)に、図13(f)を1つシフトさせると図13(g)に、図13(g)を1つシフトさせると図13(h)になる。このように、図13の(a)〜(h)の例では、着目画素に対して隣接する8個の近傍画素の関係は8回対称となり、この対称性に着目して論理圧縮を施すと、エッジトレースを行う際の次の連接方向の算出に必要な論理回路の規模をl/4〜1/8に削減する事が可能である(4〜8倍の集積化が可能である)。
このような論理回路の規模の削減のため、8近傍画素正規化器では、以下のようにして8近傍画素状態値のビット配置をシフトさせる。
例えば、8近傍画素状態値のビット配置が図14に示す配置であるとすれば、中央の空白部分の着目画素に対して連接してきた方向が“0”の方向、つまり前連接コードが“0”であれば、図15(a)に示すように、8近傍画素状態値のビット配置をシフトさせずそのままとする。また、前連接コードが“1”であれば、着目画素に対して“l”の方向から反時計回りにn0〜n7のビット値を取り出す(図15(b)参照)。同様に、前連接コードが“2”であれば、着日画素に対して“2”の方向から反時計回りにn0〜n7のビット値を取り出し(図15(c)参照)、前連接コードが“3”であれば、着目画素に対して“3”の方向から反時計回りにn0〜n7のビット値を取り出し(図15(d)参照)、前連接コードが“4”であれば、着目画素に対して“4”の方向から反時計回りにn0〜n7のビット値を取り出し(図15(e)参照)、前連接コードが“5”であれば、着目画素に対して“5”の方向から反時計回りにn0〜n7のビット値を取り出し(図15(f)参照)、前連接コードが“6”であれば、着目画素に対して“6”の方向から反時計回りにn0〜n7のビット値を取り出し(図15(g)参照)、前連接コードが“7”であれば、着目画素に対して“7”の方向から反時計回りにn0〜n7のビット値を取り出す(図15(h)参照)。
例えば、着自画素の8近傍画素が図16に示すような2値である場合、正規化する前の着目画素の8近傍画素状態値は以下のような値である。すなわち、3時の方向から反時計回りにn0,n1,・・・,n7と順番に2値を当てはめるため、
(n7,n6,n5,n4,n3,n2,n1,n0)=(1,1,1,0,0,0,0,0)
の値である。
この8近傍画素状態値において、着目画素に連接してきた方向、つまり前連接方向が“3”の方向(図中、矢印Rで示す)であったとすると、方向3で正規札した正規化近傍画素値は、図17に示すように、着目画素から見て“3”の方向を基準にし、そこから反時計回りにn0,n1,・・・,n7と2値を取り出してゆくため、
(n7,n6,n5,n4,n3,n2,n1,n0)=(0,0,0,1,1,1,0,0)
となる。
同様に、着目画素の8近傍画素が図18に示すような2値である場合、正規化する前の着目画素の8近傍画素状態値は以下のような値である。
(n7,n6,n5,n4,n3,n2,n1,n0)=(1,1,0,0,0,0,0,1)
この8近傍画素状態値において、前連接方向が“4”の方向(図中、矢印Rで示す)であったとすると、方向4で正規札した正規化近傍画素値は、図19に示すように、
(n7,n6,n5,n4,n3,n2,n1,n0)=(0,0,0,1,1,1,0,0)
となる。
このように、連接してきた方向に関して正規化を施せば、図16で示した8近傍画素状態値と、図18で示した8近傍画素状態値とは、着目画素に隣接する8画素の2値状態は異なっているにもかかわらず、同じ値となり、これは実は相対的にみれば、8近傍画素が同じ並び方であることを示している。したがって、このように相対的な連接方向を採用することにより、連接方向のパターンを大幅に減らすことができ、これにより、次ステージの第1論理演算器の論理回路の規模を大幅に圧縮することができる。
(2−4−3)第1論理演算器
第1論理演算器は、8近傍画素正規化器から出力される正規化近傍画素値をn0,n1,n2,n3,n6,n7とすれば、以下の演算を行う。
d2=(!n0&!n1&!n2&!n3)#n6#n7;
d1=(!n0&!n1&n2)#(!n0&!n1&n3)#n6#n7;
d0=(!n0&n1&!n6)#(!n0&!n2&n3&!n6)♯(!n6&n7);
(ただし#は論理和、&は論理積、!は否定を表す。)
この演算によって得られたd2,d1,d0の値(d2d1d0)Bが次の境界の相対連接方向を示すものとなり、第1論理演算器は、このd2,d1,d0の値を相対連接方向値として出力する。ここで、d2,d1,d0の右辺にはn4とn5が合まれていないが、これはn4とn5が相対連接方向値の算出には不要なデータであることを示している。連接方向を説明するため、図11に(d2d1d0)Bの2進数で示す方向とこれを10進数に変換した方向とを示す。着目画素から連接する方向は8方向であるため、方向は、時計の3時の方向を“0”とし、反時計回りに0〜7の数値で示している。このような方向を示す数値を連接コードという。例えば、(d2d1d0)Bが(011)Bであれば連接方向は“3”の方向であり、(d2d1d0)Bが(010)Bであれば連接方向は“2”の方向である。ただし、この第1論理演算器から出力される値は、絶対方向レジスタの値を基準とした相対連接方向値である。
次に、8近傍画素正規化器からデータを受け取った場合の第1論理演算器における処理について詳述する。図20は第1論理演算器における論理演算の真理値を示す説明図であり、8近傍画素正規化器から出力される正規化近傍画素値と、第1論理演算器24から出力される相対連接方向値との関係を示している。例えば、第1論理演算器から出力される正規化近傍画素値が前述のような(n7,n6,n5,n4,n3,n2,n1,n0)=(0,0,0,1,1,1,0,0)であれば、これ0xlCであるので、相対連接方向値は“2”(0,l,0)となり、境界の連接方向が、着自画素から反時計方向に90°の方向に転進することを意味している。
このように、第1論理演算器は、8近傍画素正規化器から出力される正規化近傍画素値n0,n1,n2,n3,n6,n7から、上述した論理演算によって相対連接方向値d2,d1,d0を得るのであるが、8近傍画素を正規化しているために、図20に示すように、正規化近傍画素値は19種類のパターンに集約され、これによる相対連接方向値は0,1,2,3,4,6,7の7方向となり、極めて簡単な論理横算処理となる。この相対連接方向値の0〜7の意味は、境界の連接する方向を意味する。すなわち、方向0は前連接方向と同じ方向に転進することを意味し、方向1は前連接方向に対して反峙計回りで45°の方向に転進することを意味し、方向2は前連接方向に対して反時計回りで90°の方向に転進することを意味し、方向3は前連接方向に対して反時計回りで135°の方向に転進することを意味し、方向4は前連接方向に対して反時計回りで180。の方向に転進することを意味し、方向6は前連接方向に対して反時計回りで270°の方向に転進することを意味し、方向7は前連接方向に対して反時計回りで315°の方向に転進することを意味する。
参考のために説明すれば、相対連接方向値d2,d1,d0の出力には、“5”の値がない。これは、図21(a)および図22(a)に示すように、境界の前連接方向に対して225°転進することを意味するが、物体の境界を左回りにトレースする場合、図21(b)および図22(b)に示すように、225°転進することはできず、このため、相対連接方向値の出力には、“5”という値は存在しない。
なお、この“5”の方向と対称な“3”の方向ついては、図23の(a)および(b)に示すように、境界のトレース方向に対して135°転進することを意味し、この転進は可能である。“4”の方向への転進については、180°の方向であるため、もとの方向へ戻ることとなるが、線状あるいは棒状の粒子であればこの方向への転進はあり得る。
以上述べたような論理演算により、エッジトレース部は、次に運接すべき画素を探索し、探索した画素の8近傍画素状態値が有効(非ゼロ)である限りその画素を追跡し、開始座標と一致するまで境界の追跡を続ける。すなわち、エッジトレース部では、このように、着目画素の直前の連接方向を起点として、8近傍画素状態値を並び替えて正規化し、次に連接する方向を絶対角度ではなく前の運接方向に対する相対角度として出力するようにしているので、従来のルックアップテーブルによる方法よりも大帽に少ない論理規模で境界を追跡することができ、したがって、そのための論理回路もゲートアレイ等で容易に集積することができる。
(2−4−4)加算器と絶対方向レジスタ
加算器は、第1論理演算器から出力された相対連接方向値と、絶対方向レジスタに記憶されている絶対連接方向値とを加算し、これを次の境界の絶対連接方向値として出力する。この加算器は3ビット加算器であり、000〜111までの8通りの値しかとらない。例えば、絶対方向レジスタ26に(011)B=3が記憶されており、上記の論理式で求めた(d2d1d0)Bが(010)B=2であれば、加算器の出力は(011)B+(010)B=(101)Bとなり、次の境界の絶対連接方向値は“5”の方向となる。
また、例えば、絶対方向レジスタに(101)B=5が記憶されており、上記の論理式で求めた(d2d1d0)Bが(111)B=7であれば、加算器の出力は、3ビットだけであるため、(l01)B+(111)B=(100)Bとなり、次の境界の絶対連接方向値は“4”の方向となる。絶対方向レジスタは、この加算器25から出力された次の境界の絶対連接方向値を保持する。チェーンコードは、絶対方向レジスタの出力するデータ系列であり、このような境界の絶対連接方向値のデータ系列を粒子の境界のチェーンコードとして用い、次ステージで粒子の特徴量を算出する。
(2−4−5)第2論理演算器
第2論理演算器は、次の境界の絶対連接方向値よりXアドレスカウンタとYアドレスカウンタに、図12に示すような増減値を指示する。すなわち、絶対連接方向値が“0”であれば、座標値として(X,Y)=(+1,0)を、“1”であれば(+1,+1)を、“2”であれば(0,+1)を、“3”であれば(−1,+1)を、“4”であれば(−1,0)を、“5”であれば(−1,−1)を、“6”であれば(0,−l)を、“7”であれば(+l,−1)を、それぞれ増減値として指示する。
(2−5)その他の構成
特徴量抽出部は、前ステージのエッジトレース部が出力する粒子の境界が表すチェーンコードから、粒子の周囲長や面積等の特徴量を求めて出力する。マイクロコンピュータは、イメージプロセッサの各要素を適切に制御する。また周囲長や面積のような特徴量を粒子ごとに一時記憶し、統計処理を施し、CRTディスプレイ装置に出力する。CRTディスプレイ装置は、この統計処理の結果を表示する。物体の境界決定等の制御プログラムは、マイクロコンピュータの主メモリ上で実行される。
本発明において外部記憶装置が設けられていてよい。外部記憶装置は、マイクロコンピュータを制御するためのプログラム、すなわち本発明の物体の境界決定装置をマイクロコンピュータによって制御するためのプログラムを記憶することができる。また、イメージブロセッサで得られた粒子の特徴量や統計処理の結果を記憶することができる。この外部記憶装置は、ハードディスクにデータの書き込みや読み出しを行うハードディスク装置や、フレキシブルディスクにデータの書き込みや読み出しを行うフレキシブルディスク装置であってもよいし、回線を通じて接続されたファイルサーバのような他の装置と共用の記憶装置であってもよい。物体の境界決定の制御プログラムが、この外部記憶装置からローディングされた後、マイクロコンピュータ4の主メモリ上で実行されてよい。
(2−6)フローチャートに基づく説明
このような構成における物体の境界決定装置の勤作を、図24に示すフローチャートを交えて説明する。
まず、マイクロコンピュータは、対象物である、血液中に合まれる血球や尿中に合まれる細胞のような粒子をビデオカメラで撮像する。撮像した粒子のアナログ映像信号はイメージプロセッサに入力される。イメージプロセッサでは、デジタイザにより、アナログ映像信号をA/D変換する。図25はグレースケール画像の一例を示す説明図であり、A/D変換した0〜64までの65段階のグレースケール画像を示したものである。デジタイサは、これをラスタースキャンの様式で順次出力する。
次に、コンパレータにより、グレースケール画像を2値のレベルに振り分け、2値画像保持メモリに記憶する。図26は2値画像保持メモリの記憶内容の一例を示す説明図であり、グレースケール画像を“25”のしきい値で2値化したものである。
次に、8近傍画素抽出フィルタにより、着目画素の周囲の8近傍画素の2値について論理演算を行って8近傍画素状態値を算出し、これを8近傍画素メモリに記億する。図27は8近傍画素メモリの記憶内容の一例を示す説明図であり、背景を“0”とし、粒子の境界と内部を非“0”とした場合を示すものである。ここまでは、画像入力時の動作であり、以後はエッジトレース時の動作となる。
エッジトレース時には、エッジトレース部により、8近傍画素メモリの内容を参照しながら粒子のエッジを画素単位でトレースし、連接コードを出力する。次に、特徴量抽出部により、連接コードから粒子の周囲長や面積等の特徴量を求める。
(2−6−1)エッジトレース時の処理動作
ここで、エッジトレース時の処理動作について、図24のフローチャートに従い詳述する。
まず、エッジトレースの始点を決める必要がある。そのためマイクロコンピュータは、まず、2次元型データを持つ8近傍画素メモリを、図28の矢印Tで示すように、左上から右下の方向ヘラスタースキャンの様式で順次アクセスし、非“0”の点(画素)を探索する(ステップSl)。図28では、(E0)Hの値を持つ点Aが探索される。
次に、ラスタースキャンで最初に見つけた(E0)Hの値を持つ点Aの座標、すなわちX,Yアドレスをスタートアドレス(Sx、Sy)とし、その値をスタートアドレスレジスタと、X,Yアドレスカウンタ21,22にセットする(ステップS2)。なお、スタートアドレスレジスタはX,Yアドレスカウンタ21,22内にあらかじめ設けておく。
次に、Xアドレスカウンタ,Yアドレスカウンタの示すアドレスに従って、8近傍画素メモリから着目画素の8近傍画素の状態を読み出し、この8近傍画素の状態から、着目画素の前の連接コードを予測し、絶対方向レジスタにセットする(ステップS3)。なお、この最初の着目画素への前の連接コードの予測は、従来の方法にて行う。この従来の方法では、例えば、連接方向と連接コードを図11に示したように定義し、8近傍画素メモリから得た着目画素の8近傍画素の状態が(E0)H=(1,1,1,0,0,0,0,0)Bであれば、着目画素の近傍画素の状態は、図29に示したものとなるので、これから、図中の矢印で示すように、前の連接方向を“3”の方向と予測し、この値“3”を絶対方向レジスタにセットする。
次に、8近傍画素正規化器により、絶対方向レジスタの値を基準にして、8近傍画素メモリから読み出した着目画素の8近傍画素を並べ替え、正規化する(ステップS4)。例えば、図30に示すように、8近傍画素の状態が(E0)H=(1,1,1,0,0,0,0,0)Bであるものを、絶対方向レジスタの値“3”の方向を起点として並ベ替えると、(0,0,0,1,1,1,0,0)Bとなる。なお、この並べ替え処理は、従来公知のマルチプレクサを設けておくことにより容易に実現できる。
次に、この8近傍画素正規化器から出力された正規化近傍画素値を第1論理演算器に入力し、図20に示したような相対連接方向値を得る(ステップS5)。例えば(n7,n6,n5,n4.n3,n2,n1,n0)として(0,0,0,1,1,1,0,0)Bすなわち0x1Cを入力すると、出力(d2,d1,d0)は(0,1,0)となる。つまり次に連接する境界の相対連接方向値は“2”(l0進数)の方向となる。
次に、絶対方向レシスタの値と第1論理演算器の出力である相対連接方向値とを加算器で加算し、その値を次の境界の絶対連接方向値として、絶対方向レジスタに記憶する(ステップS6)。加算器は3ビット加算器であるので、連接コードが10進数で“8”以上になる場合は、8の剰余が絶対連接方向値となる。例えば、絶対方向レジスタの値が“3”であり、加算器から出力された相対連接方向値が“2”であれば、3+2=5で、次の境界の絶対連接方向値は“5”となる。次のクロックでこの値が絶対方向レジスタにセットされる。このように、次の境界の絶対連接コードは、前の境界の絶対連接コードに、前の境界の絶対連接コードと次の境界の絶対連接コードとの差分(相対値)を加算した結果となる。
次に、絶対方向レジスタに記憶した絶対連接方向値を、第2論理回路で、図12に示したような増減値に変換し、この増減値をXアドレスカウンタ,Yアドレスカウンタに指示する(ステップS7)。例えば、絶対方向レジスタの値が、上述したように“5”であれば、X,Yの増減値は(−1,−1)となり、この値をXアドレスカウンタ,Yアドレスカウンタに指示する。これにより、境界の追跡は、図31の矢印で示すように、相対連接方向値“2”の方向へ転進するため、次の境界画素は、(E3)Hの値を持つ点Bとなる。
次に、スタートアドレスレジスタに保存しておいた、粒子の境界の追跡を始めたスタートアドレス(Sx、Sy)と、Xアドレスカウンタ.Yアドレスカウンタの示すアドレスとを比較する(ステップS8)。ここで、Xアドレスカウンタ,Yアドレスカウンタの示すアドレスがスタートアドレス(Sx、Sy)と異なっていれば、ステップS4に戻り、境界の画素の数だけステップS4からステッブS8までを繰り返す。ここでもし、Xアドレスカウンタ,Yアドレスカウンタの示すアドレスがスタートアドレス(Sx、Sy)と一致していれば、図32に示すように、粒子の境界を一周したことになるので、エッジトレースを中止する。エッジトレースを開始してから終了するまでの絶対方向レジスタの値のデータ系列が、その粒子の境界を表すチェーンコードを示している。
このようにして、8近傍画素状態値における境界追跡の方向を基準とした対称性に着目し、直前のチェーンコードを基準として8近傍画素状態値を並べ替えているので、最小限のパラメータ(6ビット)で次のチェーン方向を算出することができ、結果的に簡単な論理演算と加算器のみでチェーンコードを生成することが可能となる。そして、このように簡単な論理演算とランダム論理のみで境界の追跡が実現できるので、従来のマイクロプログラム論理方式と比較して、イメージプロセッサの高度な集積化(4倍以上の集積化)や、イメージ処理の大幅な高速化(500万画素/秒以上の境界追跡能力)が可能となる。そして、これらのことが比較的小容量(数1000ゲート)のFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレー)で実現することができた。
(2−6−2)エッジトレースの始点検出
ところで、本発明においては、図8に示すように座標抽出部(ここでは頂点座標検出部と頂点座標保持メモリで表わす)を備え、それによってエッジトレースの始点を検出するようにすることが好ましい。以下説明する。
座標抽出部において、例えば、粒子の境界上のある一つの画素について“1”の値を持ち、他の画素については“0”の値を持つ1ビットデータを得ることができれば、その値が“1”となる場合の画素の座標を知ることができる。この座標情報はエッジトレース部によるエッジトレースの際に参照されることにより、エッジトレースの始点として有効利用され、さらなる処理の高速化や回路の集積化に貢献する。
頂点座標検出部は、8近傍画素抽出フィルタが各着目画素の周囲の8近傍画素について論理演算する際に、その着目画素について別の論理演算を行う。すなわち、各着目画素n8に対して次のような粒子端検出フラグTIPを計算する。n0,n1,n2,n3,n4,n5,n6,n7,n8は図8に従うとする。n8は着目画素である。
TIP=n8&!n1&!n2&!n3&!n4&(n0♯n5♯n6#n7)
このフラグTIPの値は、n8が“1”であって、n1,n2,n3,n4が全て“0”であって、n0,n5,n6,n7のいずれかが“1”である場合に“1”となり、このときその着目画素n8は2値画像において右上、上、左上、左のいずれの側の画素にも連接せず、左下、下、右下、右のいずれかの側の画素には連接する画素となっている。すなわち粒子領域の左上端に位置する画素となっている。図26の2値画像の場合には、上から3段目、左から7番目の画素(これは図28における点Aである)についてフラグTIPが“1”となり、他の画素については“0”となる。このようにして、頂点座標検出部において、フラグTIPが“1”となるときの着目画素の座標(Sx,Sy)を検出する。この座標は頂点座標保持メモリに記憶される。
エッジトレース時の処理動作について、図24を参照して説明する。
先の実施例では、8近傍画素メモリをラスタースキャンの様式でアクセスし非ゼロの値を持つ点を探索することによりその点の座標を見つけていたが(ステップS1)、本実施例ではラスタースキャン処理を行うことなく、頂点座標保持メモリから出力された頂点座標(Sx,Sy)をスタートアドレスレジスタと、Xアドレスカウンタ,Yアドレスカウンタにセットするようにしており、このことによりエッジトレース時におけるさらなる処理の簡略化、高速化を図っている。以降行われる処理、すなわち、8近傍画素メモリの内容を参照しながら粒子のエッジ(境界または輪郭ともいう)を画素単位でトレース(追跡)し、粒子の境界が表す連接コード(チェーンコード)を出力する処理については同じである。
本発明は、尿中有形成分分析における解析処理速度の向上、装置の単純化、価格低下などを可能とするものであり、産業上寄与するところ大である。
1 カバーガラス一体型スライドガラス
2 スライドガラス部
3 カバーガラス部
4 接着剤
5 スライドガラス
6 XYテーブル
7 ランプ
8 コンデンサレンズ
9 対物レンズ
10 CCDカメラ
11 駆動回路
12 画像処理制御回路
13 A/D変換器
14 画像メモリ
15 特徴抽出回路
16 識別演算回路
17 中央制御部
18 画像記憶装置
19 反応管
20 ルミノメータ
21 積算回路
22 演算回路
23 出力装置

Claims (4)

  1. 尿検体に由来する有形成分の形態を直接光学的に撮像した画像の処理において、前記有形成分の境界を決定する方法であって、
    試料中の有形成分を撮像した画像の各画素の濃度情報が2値信号に変換された2値画像に基づいて、その2値画像における有形成分領域に位置する各画素について、周囲を取り囲む近傍画素の2値信号の値を示す近傍画素状態値を取得するとともに、有形成分領域の頂点に位置する第1画素の座標を求め、その座標に位置する第1画素を始点とし、第1画素の近傍画素状態値を参照して次に連接すべき第2画素を決定し、第1画素から第2画素に連接する方向を示す第1絶対連接方向値に基づいて第2画素の近傍画素状態値を正規化し、正規化された近傍画素状態値を参照して次に連接すべき方向を示す相対連接方向値を求め、第1絶対連接方向値と前記相対連接方向値とから次に連接すべき方向を示す第2絶対連接方向値を算出することにより、次に連接すべき第3画素を決定し、これを有形成分の境界に位置する各画素について繰り返すことにより有形成分の境界を追跡する
    有形成分の境界決定方法。
  2. 以下の(1)〜(8)に記載の工程を少なくとも含む尿検体分析方法であって、前記尿検体分析方法の工程(8)において、さらに請求項1に記載の有形成分の境界決定方法をその一工程として含む尿検体分析方法。
    (1)サンプル容器中の尿被検液を攪拌する工程
    (2)攪拌した尿被検液を分注する工程
    (3)尿被検液と混合するための染色液を添加する工程
    (4)尿被検液と染色液の混合液を被覆透光板一体型透光板の間隙部分に分注する工程
    (5)被覆透光板一体型透光板を撮像ステージに載置する工程
    (6)尿被検液中の有形成分の標本像を拡大する工程
    (7)有形成分の標本像の焦点を自動で合せ、有形成分の標本像を撮像する工程
    (8)撮像された画像を処理して、各種成分に識別する工程
  3. 尿検体に由来する有形成分の形態を直接光学的に撮像した画像の処理において、前記有形成分の境界を決定するための装置であって、
    試料中の有形成分を撮像した画像の各画素の濃度情報を2値信号に変換する2値化部と、
    2値化部により得られた2値画像に基づいて、その2値画像における有形成分領域に位置する各画素について、周囲を取り囲む近傍画素の2値信号の値を示す近傍画素状態値を取得する画素抽出部と、
    有形成分領域の頂点に位置する第1画素の座標を求める座標抽出部と、
    座標抽出部で得られた座標に位置にする第1画素を始点とし、画素抽出部によって取得された第1画素の近傍画素状態値を参照して次に連接すべき第2画素を決定し、第1画素から第2画素に連接する方向を示す第1絶対連接方向値に基づいて第2画素の近傍画素状態値を正規化し、正規化された近傍画素状態値を参照して次に連接すべき方向を示す相対連接方向値を求め、第1絶対連接方向値と前記相対連接方向値とから次に連接すべき方向を示す第2絶対連接方向値を算出することにより、次に連接すべき第3画素を決定し、これを粒子の境界に位置する各画素について繰り返すことにより有形成分の境界を追跡するエッジトレース部と
    を備えてなる有形成分の境界決定装置。
  4. 以下の(1)〜(8)に記載の構成を少なくとも含む尿検体分析装置であって、前記尿検体分析装置において、さらに請求項3に記載の有形成分の境界決定装置を含む尿検体分析装置。
    (1)サンプル容器中の尿被検液を攪拌する手段
    (2)攪拌した尿被検液を分注する手段
    (3)尿被検液と混合するための染色液を添加する手段
    (4)尿被検液と染色液の混合液を被覆透光板一体型透光板の間隙部分に分注する手段
    (5)透光板上の尿被検液を撮像するための撮像ステージ
    (6)尿被検液中の有形成分の標本像を拡大する手段
    (7)有形成分の標本像の焦点を自動で合わせる機能を有し、当該像を撮像する手段
    (8)撮像された画像を処理して各種成分に識別する手段
JP2013187192A 2013-09-10 2013-09-10 尿検体に由来する有形成分の形態を撮像した画像の処理方法 Pending JP2015055481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013187192A JP2015055481A (ja) 2013-09-10 2013-09-10 尿検体に由来する有形成分の形態を撮像した画像の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013187192A JP2015055481A (ja) 2013-09-10 2013-09-10 尿検体に由来する有形成分の形態を撮像した画像の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015055481A true JP2015055481A (ja) 2015-03-23

Family

ID=52819986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013187192A Pending JP2015055481A (ja) 2013-09-10 2013-09-10 尿検体に由来する有形成分の形態を撮像した画像の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015055481A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018041818A (ja) * 2016-09-07 2018-03-15 株式会社フジクラ 蓄電デバイス、蓄電モジュール、及び、蓄電モジュールの製造方法
WO2020012528A1 (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 オリンパス株式会社 光分析装置、光分析方法および学習済みモデル
WO2023227120A1 (zh) * 2022-05-27 2023-11-30 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 尿液拍摄方法和尿液拍摄系统

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018041818A (ja) * 2016-09-07 2018-03-15 株式会社フジクラ 蓄電デバイス、蓄電モジュール、及び、蓄電モジュールの製造方法
WO2020012528A1 (ja) * 2018-07-09 2020-01-16 オリンパス株式会社 光分析装置、光分析方法および学習済みモデル
JPWO2020012528A1 (ja) * 2018-07-09 2021-08-19 オリンパス株式会社 光分析装置、光分析方法および学習済みモデル
WO2023227120A1 (zh) * 2022-05-27 2023-11-30 深圳迈瑞生物医疗电子股份有限公司 尿液拍摄方法和尿液拍摄系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11499908B2 (en) Urine analysis system, image capturing apparatus, urine analysis method
JP4911172B2 (ja) 分析装置及びその利用
CA2899714C (en) Tissue object-based machine learning system for automated scoring of digital whole slides
US10803290B2 (en) Classifier construction method and method for determining life or death of cell using same
Davidson et al. Automated detection and staging of malaria parasites from cytological smears using convolutional neural networks
WO2021144800A1 (en) Automated spermatozoa candidate identification
JP3924870B2 (ja) 有形成分分析装置及び有形成分分析方法
JP2015055481A (ja) 尿検体に由来する有形成分の形態を撮像した画像の処理方法
JP2007271484A (ja) 細胞成分分析装置の感度を向上する方法
JP2010151523A (ja) 粒子画像解析方法および装置
JPS6132182A (ja) 細胞分類装置
JP2010127807A (ja) 有形成分の検出力向上方法
WO2020010634A1 (zh) 一种细胞图像处理系统、方法、自动读片装置与存储介质
JP2007010685A (ja) 有形成分分析装置及び有形成分分析方法
US10540535B2 (en) Automatically identifying regions of interest on images of biological cells
JP2008111833A (ja) 尿中有形成分分類装置
US20240029458A1 (en) A method for automated determination of platelet count based on microscopic images of peripheral blood smears
JPH1090163A (ja) 粒子分析装置
JPH0989752A (ja) 尿沈渣検査装置
US20240094109A1 (en) Counting chambers and applications thereof, methods and systems for analyzing particles in test samples
Moradi et al. Comprehensive quantitative analysis of erythrocytes and leukocytes using trace volume of human blood using microfluidic-image cytometry and machine learning
JP4244065B2 (ja) 尿中有形成分分類装置
JP2004132787A (ja) 髄液分析装置および髄液分析方法
JPH09126987A (ja) 粒子画像解析装置
JP2008065342A (ja) 尿中有形成分分類装置