JP2015054384A - 制御装置、ロボットシステム、ロボット、ロボット制御方法およびロボット制御プログラム - Google Patents

制御装置、ロボットシステム、ロボット、ロボット制御方法およびロボット制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができるロボットシステムなどを提供する。
【解決手段】制御装置は、物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成する接触状態遷移図生成部と、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定する経路決定部と、前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御するロボット動作制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、制御装置、ロボットシステム、ロボット、ロボット制御方法およびロボット制御プログラムに関する。
ロボットに物体を操作させる場合に、ロボットにより物体を把持せずに環境を利用して所望の姿勢に操作するグラスプレス・マニピュレーションの技術が検討されている(例えば、非特許文献1−2参照。)。
グラスプレス・マニピュレーションでは、物体の初期姿勢から終了姿勢までに取り得る接触状態を状態遷移のノードで表し、この状態遷移図で表される経路のなかから最小の負荷で操作を終える経路を探索して選択し、選択した経路に沿ってロボットを動作させることで、対象となる物体の操作を実現する。
Y.AIYAMA、T.YASUI、T.ARAI、"Planning of Object Motion by Graspless Manipulation using Contact State Transition Graph"、Proceedings of the 4th IEEE International Symposium on Assembly and Task Planning、May 2001、pp.184−189 前田 雄介、木地本 浩和、太田 順、相山 康道、新井 民夫、「複数のロボット指による平面内グラスプレス・マニピュレーションの計画」、日本ロボット学会誌、Vol.19、No.8、2001、pp.1010−1017 小菅 一弘、「力制御法の分類と制御システムの設計法」、日本ロボット学会誌、Vol.9、No.6、1991、pp.751−758
しかしながら、従来のグラスプレス・マニピュレーションでは、実際のロボットによる作業への適用という点で、更なる開発が要求されている。
本発明は、前記の点に鑑み為されたものであり、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができるロボットシステム、ロボット制御方法およびロボット制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、上記の課題を解決するためになされたものであり、物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成する接触状態遷移図生成部と、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定する経路決定部と、前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御するロボット動作制御部と、を備える制御装置である。
この構成により、制御装置は、物体の接触状態遷移図を生成し、重みを設定して採用する経路(採用経路)を決定し、決定した経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、ロボットの動作を制御する。これにより、制御装置では、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
本発明の一態様は、制御装置において、前記コンプライアントモーションコントロールは、インピーダンス制御である、構成が用いられてもよい。
この構成により、制御装置は、物体の接触状態遷移図を生成し、重みを設定して採用する経路(採用経路)を決定し、決定した経路にしたがって、インピーダンス制御を行って、ロボットの動作を制御する。これにより、制御装置では、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
本発明の一態様は、制御装置において、前記ロボット動作制御部は、前記物体の姿勢の操作する方向と、前記物体の形状と、前記物体の剛性とに応じて、前記インピーダンス制御の特性を変えることによって、前記ロボットの動作を制御する、構成が用いられてもよい。
この構成により、制御装置は、物体の姿勢の操作する方向と、物体の形状と、物体の剛性とに応じて、インピーダンス制御の特性を変える。これにより、制御装置では、インピーダンス制御により、ロボットを柔らかく制御することができる。
本発明の一態様は、制御装置において、前記経路決定部は、あらかじめ定められた重み設定の規則にしたがって、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移について、当該接触状態または当該遷移以降の接触状態または遷移の状況に応じて、前記重みを設定し、前記経路決定部は、前記物体の前記第1の姿勢から前記第2の姿勢までの経路ごとに重みの積算値を算出し、前記積算値が最大となる経路を、前記採用経路として決定する、構成が用いられてもよい。
この構成により、制御装置は、あらかじめ定められた重み設定の規則にしたがって重みを設定し、重みの積算値が最大となる経路を採用するように決定する。これにより、制御装置では、効率的な経路を決定することができる。
本発明の一態様は、制御装置において、前記物体は、三次元の物体であり、前記物体は、前記ロボットの手先または前記他の物体に接触することが禁止されている面である接触禁止面を有し、前記重み設定の規則には、前記接触禁止面を考慮することを含む、構成が用いられてもよい。
この構成により、制御装置は、三次元の接触禁止面を有する物体を操作する制御を行う。これにより、制御装置では、三次元の接触禁止面を有する物体の操作を制御することができる。
本発明の一態様は、制御装置において、前記重み設定の規則には、前記ロボットの可動範囲を考慮することを含む、構成が用いられてもよい。
この構成により、制御装置は、ロボットの可動範囲を考慮した重み設定の規則を用いる。これにより、制御装置では、ロボットの可動範囲を考慮した重み設定の規則を用いて、適切に、ロボットの動作を制御することができる。
本発明の一態様は、制御装置において、前記他の物体は、前記ロボットが所定の作業において使用する作業台である、構成が用いられてもよい。
この構成により、制御装置は、ロボットが作業台を使用して所定の作業を行う場合に、物体の接触状態遷移図を生成し、重みを設定して採用する経路(採用経路)を決定し、決定した経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、ロボットの動作を制御する。これにより、制御装置では、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
本発明の一態様は、以上のような制御装置と、前記ロボットと、を備えるロボットシステムである。
この構成により、ロボットシステムは、物体の接触状態遷移図を生成し、重みを設定して採用する経路(採用経路)を決定し、決定した経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、ロボットの動作を制御する。これにより、ロボットシステムでは、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
本発明の一態様は、物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成する接触状態遷移図生成部と、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定する経路決定部と、前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御するロボット動作制御部と、を備えるロボットである。
この構成により、ロボットは、物体の接触状態遷移図を生成し、重みを設定して採用する経路(採用経路)を決定し、決定した経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、ロボットの動作を制御する。これにより、ロボットでは、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
本発明の一態様は、接触状態遷移図生成部が、物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成し、経路決定部が、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定し、ロボット動作制御部が、前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御する、ロボット制御方法である。
この構成により、ロボット制御方法は、物体の接触状態遷移図を生成し、重みを設定して採用する経路を決定し、決定した経路にしたがって、インピーダンス制御を行って、ロボットの動作を制御する。これにより、ロボット制御方法では、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
本発明の一態様は、接触状態遷移図生成部が、物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成する手順と、経路決定部が、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定する手順と、ロボット動作制御部が、前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御する手順と、をコンピューターに実行させるためのプログラム(ロボット制御プログラム)である。
この構成により、ロボット制御プログラムは、物体の接触状態遷移図を生成し、重みを設定して採用する経路を決定し、決定した経路にしたがって、インピーダンス制御を行って、ロボットの動作を制御する。これにより、ロボット制御プログラムでは、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
以上のように、本発明によれば、制御装置、ロボットシステム、ロボット、ロボット制御方法およびロボット制御プログラムは、物体の接触状態遷移図を生成し、重みを設定して採用する経路を決定し、決定した経路にしたがって、インピーダンス制御を行って、ロボットの動作を制御する。これにより、制御装置、ロボットシステム、ロボット、ロボット制御方法およびロボット制御プログラムでは、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
本発明の一実施形態に係るロボットシステムの概略的な構成例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボット制御装置の概略的な構成例を示すブロック図である。 (A)は物体の初期姿勢の一例を示す図であり、(B)は物体の終了姿勢の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボット制御装置において行われる処理の概要を示すフローチャート図である。 本発明の一実施形態に係る接触状態遷移図(一部抜粋)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るロボット制御装置において行われる重みの設定の処理を示すフローチャート図である。 本発明の一実施形態に係る一連の遷移(経路)の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るインピーダンス制御の一例を説明するための図である。
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[本実施形態に係るロボットシステムの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係るロボットシステムの概略的な構成例を示す図である。
本実施形態に係るロボットシステムは、双腕ロボット1と、ロボット制御装置2と、有線のケーブル3を備える。
双腕ロボット1とロボット制御装置2が、ケーブル3を介して、接続されている。他の構成例として、有線の回線(本実施形態では、ケーブル3)の代わりに、無線の回線が用いられてもよい。
また、図1には、双腕ロボット1による作業において使用される机41と、双腕ロボット1による作業の対象となる物体51を示してある。本実施形態では、双腕ロボット1による作業は、グラスプレス・マニピュレーションにより、他の物体に接触させた状態で物体51を初期姿勢から終了姿勢まで操作する作業である。ここで、他の物体とは、例えば、机41のような作業台や、作業において使用されるワーク等である。
本実施形態では、物体51は、三次元の立体を有する。
双腕ロボット1は、本体と、2本の腕を有する。
本体は、下部に2個(または、任意の個数)の車輪を有し、移動することが可能である。
それぞれの腕は、6軸または7軸(または、任意の軸数)のマニピュレーターから構成されており、先端に手先(ハンド)を有する。
双腕ロボット1は、ケーブル3を介してロボット制御装置2との間で通信する。双腕ロボット1は、ロボット制御装置2から送信される制御信号を受信して、受信した制御信号に従って動作する。
図2は、本発明の一実施形態に係るロボット制御装置2の概略的な構成例を示すブロック図である。
ロボット制御装置2は、入力部11と、出力部12と、記憶部13と、通信部14と、制御部15を備える。
制御部15は、接触状態遷移図生成部21と、経路決定部22と、ロボット動作制御部23を備える。
ロボット動作制御部23は、インピーダンス制御部24を備える。
入力部11は、ユーザー(人)または外部の装置から指示やデータなどを入力する。入力部11は、一例として、ユーザーにより操作されるキーボードやマウスなどを用いて構成され、他の例として、外部の装置から出力される信号を入力する入力端子を用いて構成される。なお、入力部11は、不要であれば、備えられなくてもよい。
出力部12は、ユーザーまたは外部の装置に対してデータなどを出力する。出力部12は、一例として、ユーザーに対してデータを画面に表示するディスプレイあるいは音声を出力するスピーカなどを用いて構成され、他の例として、外部の装置へ信号を出力する出力端子を用いて構成される。なお、出力部12は、不要であれば、備えられなくてもよい。
記憶部13は、各種の情報を記憶するメモリーなどを用いて構成される。記憶部13は、例えば、制御部15により使用されるプログラムの情報や、各種のパラメーターの情報や、保存対象となる各種のデータなどを記憶する。
通信部14は、ケーブル3を介して双腕ロボット1との間で通信する。
制御部15は、各種の制御を行う。
接触状態遷移図生成部21は、接触状態の遷移図を生成する。
経路決定部22は、接触状態遷移図生成部21により生成された接触状態で遷移図で表される経路のなかから、経路を選択して決定する。
ロボット動作制御部23は、双腕ロボット1を制御するための制御信号を、通信部14を介して、双腕ロボット1に送信することで、双腕ロボット1の動作を制御する。
インピーダンス制御部24は、ロボット動作制御部23により双腕ロボット1の動作を制御する場合に、インピーダンス制御を行う機能を有する。
[双腕ロボットによる作業における操作の概略]
図3(A)は、物体51の初期姿勢の一例を示す図である。
図3(B)は、物体51の終了姿勢(目的姿勢)の一例を示す図である。
本実施形態では、物体51は、カメラであり、直方体の形状を有する本体部61と、円柱の形状を有するレンズ部62を有する。
本実施形態では、レンズ部62の面(レンズが外面にある方の面)は、双腕ロボット1や机41と接触することが禁じられている。以下で、この面を接触禁止面と呼ぶ。
図4は、本発明の一実施形態に係るロボット制御装置2において行われる処理の概要を示すフローチャート図である。この処理では、ロボット制御装置2が双腕ロボット1を制御して、物体51を初期姿勢から終了姿勢に操作する。初期姿勢は、第1の姿勢に相当し、終了姿勢は、第2の姿勢に相当する。
ロボット制御装置2では、まず、接触状態遷移図生成部21が、物体51の初期姿勢から終了姿勢までの接触状態遷移図を生成する(ステップS1)。
ここで、本実施形態では、接触状態遷移図とは、物体51と机41との接触の状態(接触状態)の遷移を表す図であり、ノードでそれぞれの接触状態を表し、複数の接触状態の間(複数のノードの間)を結ぶ矢印で状態の遷移(状態遷移)を表す。具体的には、接触状態遷移図に複数のノードおよびノード間を結ぶ1つ以上の矢印が表されている場合、各ノードは各接触状態を表し、各矢印は各遷移を表す。
ステップS1の処理により生成される接触状態遷移図には、例えば、一部を除いて可能な全ての接触状態が含まれる。
ロボット制御装置2では、次に、経路決定部22が、各遷移の重みを計算する(ステップS2)。
ここで、本実施形態では、経路決定部22は、各ノードの前後のノードの状況を考慮して、各遷移の重み(各ノードの重み)を計算する。本実施形態では、1つのノード(ここでの説明のために、ノードAという。)について、そのノード(ノードA)の遷移前のノードを親ノードと呼び、そのノード(ノードA)の遷移後のノードを子ノードと呼び、さらにその子ノードの遷移後のノードを孫ノードと呼ぶ。
ロボット制御装置2では、次に、経路決定部22が、重みの計算結果に基づいて、1つの一連の遷移を、経路として、決定する(ステップS3)。
ここで、本実施形態では、経路決定部22は、各遷移に割り付けられた重みを積算(総和)し、その積算値が最も大きくなる一連の遷移(かつ、初期姿勢から終了姿勢までの一連の遷移)を採用する経路(採用経路に相当する)として決定する。
ロボット制御装置2では、次に、ロボット動作制御部23が、経路決定部22により決定された経路に沿って双腕ロボット1を動作させるように制御する(ステップS4)。これにより、双腕ロボット1は、決定された経路に沿って、物体51を初期姿勢から終了姿勢に操作するように動作する。
[接触状態遷移図の生成]
図4に示されるステップS1の処理における接触状態遷移図の生成について説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る接触状態遷移図(一部抜粋)の一例を示す図である。
図5の例は、物体51の初期姿勢の接触状態101と終了姿勢の接触状態(図示せず)との間における接触状態の一部を抜粋したものである。図5の例では、物体51の初期姿勢の接触状態101と、その初期姿勢の接触状態101において双腕ロボット1の2つの手先で様々な位置を把持されたときの物体51の接触状態111〜116と、これらそれぞれの接触状態111〜116から双腕ロボット1の操作により1回遷移したときの物体51の接触状態121〜132を示してある。なお、図5の例では、物体51の終了姿勢の接触状態については図示を省略してあり、全体の接触状態遷移図では物体51の初期姿勢の接触状態101から終了姿勢の接触状態になるまでの様々な物体51の接触状態が含まれる。
また、図5の例では、双腕ロボット1の2つの手先で物体51を把持する位置(接触位置)を丸印(それぞれの丸印が1つの手先の位置を示す。)で表している。
また、図5の例では、接触状態遷移図生成部21により生成される接触状態遷移図とともに、経路決定部22により計算されて設定される重みなどの数値も示してある。
ここで、本実施形態では、双腕ロボット1により物体51に対して行う操作は、次の5種類の操作(操作1)〜(操作5)である。
前方、後方、左側、右側の各方向は、例えば、双腕ロボット1の本体または机41、あるいは地面(絶対的な位置、方向を有するもの)などを基準にして定められており、物体51の位置や姿勢とは無関係である。つまり、前方、後方、左側、右側の各方向が定められた空間において、双腕ロボット1の操作により物体51の接触状態(例えば、物体51の姿勢)が順次遷移されていく。
(操作1)は、双腕ロボット1の2つの手先のうちの一方または両方の位置を変更する操作(手先位置変更の操作)であり、CM(Change Manipulator object contact)で表す。
(操作2)は、物体51の前方の端部を中心として回転(本実施形態では、90度だけ回転)させる操作(前方端部中心回転の操作)であり、TF(Tumble Front)で表す。
(操作3)は、物体51の後方の端部を中心として回転(本実施形態では、90度だけ回転)させる操作(後方端部中心回転の操作)であり、TB(Tumble Back)で表す。
(操作4)は、物体51の左側の端部を中心として回転(本実施形態では、90度だけ回転)させる操作(左側端部中心回転の操作)であり、TL(Tumble Left)で表す。
(操作5)は、物体51の右側の端部を中心として回転(本実施形態では、90度だけ回転)させる操作(右側端部中心回転の操作)であり、TR(Tumble Right)で表す。
接触状態遷移図は、物体51の初期姿勢の接触状態101を起点として、上記のような複数種類の操作のなかで双腕ロボット1により実行することが可能な操作により実現される物体51の姿勢の接触状態(操作による遷移後の接触状態)を、物体51の終了姿勢の接触状態まで、記述したものである。
ここで、双腕ロボット1により実行することが可能な操作とは、操作の完了後に、双腕ロボット1の2つの手先が物体51と机41との間に挟まれず、物体51が机41と直接接触する操作である。
なお、本実施形態では、物体51の接触禁止面が双腕ロボット1の2つの手先のいずれかや机41と接触する操作についても、回避する(このような操作を接触状態遷移図に含めるか否かは任意であってもよい。)。
ここで、接触状態遷移図の内容や、接触状態遷移図を生成するタイミングや、接触状態遷移図を生成する手法などとしては、それぞれ、様々な構成が用いられてもよい。
接触状態遷移図の内容としては、例えば、ある作業で用いられる物体51の初期姿勢から終了姿勢までの接触状態の遷移を表す図が用いられる構成以外に、複数種類の作業のために、あらかじめ、取り得る全てのノードおよび遷移を含む網羅的な接触状態の遷移を表す図(網羅的な接触状態遷移図)を用意しておき、任意の姿勢を初期姿勢として他の任意の姿勢を終了姿勢とする場合に、網羅的な接触状態遷移図を参照して、網羅的な接触状態遷移図に含まれるその初期姿勢からその終了姿勢までの重み付け(重みの計算および設定)を行うような構成が用いられてもよい。この構成では、初期姿勢や終了姿勢が任意に変更されても、共通の網羅的な接触状態遷移図を用いることができ、網羅的な接触状態遷移図を再利用することが可能である。
また、接触状態遷移図の内容としては、例えば、ある作業で用いられる物体51の初期姿勢から終了姿勢までの接触状態の遷移だけを含む最低限の範囲の内容が生成されてもよく、または、その最低限の範囲を超えて、より大きい範囲の内容が生成されてもよい。接触状態遷移図の内容として、最低限の範囲の内容が生成される場合には、その最低限の範囲の内容が生成された時点で、接触状態遷移図の生成処理を終了する。
接触状態遷移図を生成するタイミングとしては、例えば、毎回の作業を行うタイミングで、その作業における物体51の初期姿勢と終了姿勢に基づいて一つの接触状態遷移図を生成する構成以外に、あらかじめのタイミングで、最大または任意の大きい範囲の接触状態遷移図を生成しておいて、その接触状態遷移図の範囲に含まれる初期姿勢および終了姿勢に係る複数の異なる作業において、その接触状態遷移図を再利用する構成が用いられてもよい。
また、接触状態遷移図を生成するタイミングとしては、例えば、重み付け(重みの計算および設定)の処理のタイミングに対して、以前に行われてもよく、または、同時に行われてもよい。
[接触状態遷移図における接触状態(遷移)に対する重みの計算]
図6は、本発明の一実施形態に係るロボット制御装置2において行われる重みの設定の処理を示すフローチャート図である。本実施形態では、経路決定部22が各遷移の重みを計算して設定する。
注目するノード(注目ノード)について重みを計算して設定する処理を開始する(ステップS21)。本実施形態では、注目ノードへの遷移前のノード(注目ノードの親ノード)から当該注目ノードへの遷移に、当該注目ノードについて計算した重みを設定する。
まず、実現可能な次の2つ(2段階)の接触状態(親ノードである注目ノードに対する子ノードおよび孫ノード)を予測する(ステップS22)。
予測した次の2つ(または、3つ以上でもよい。)の接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノード)のうちで、物体51の接触禁止面の環境(本実施形態では、机41)への接触があるか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23の判定処理において、予測した次の2つ(または、3つ以上でもよい。)の接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノード)のうちで物体51の接触禁止面の環境への接触があると判定した場合には、重みを−1に設定する(ステップS24)。この理由は、物体51の接触禁止面の環境への接触の可能性があるためである。そして、ステップS25の処理へ移行する。
一方、ステップS23の判定処理において、予測した次の2つ(または、3つ以上でもよい。)の接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノード)のうちで物体51の接触禁止面の環境への接触がないと判定した場合には、ステップS25の処理へ移行する。
なお、本例では、ステップS23の判定処理において、予測した次の接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノード)が2つ以上存在しない場合には、ステップS25の処理へ移行する構成が用いられてもよい。
ステップS25の処理では、予測した次の2つ(または、3つ以上でもよい。)の接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノード)のうちで、親ノード(注目ノード)と同じ接触状態を繰り返すか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25の処理において、予測した次の2つ(または、3つ以上でもよい。)の接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノード)のうちで親ノード(注目ノード)と同じ接触状態を繰り返すと判定した場合には、重みを0に設定する(ステップS26)。この理由は、接触状態の繰り返しが発生する可能性があるためである。そして、ステップS27の処理へ移行する。
一方、ステップS25の処理において、予測した次の2つ(または、3つ以上でもよい。)の接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノード)のうちで親ノード(注目ノード)と同じ接触状態を繰り返さないと判定した場合には、ステップS27の処理へ移行する。
なお、本例では、ステップS25の判定処理において、予測した次の接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノード)が2つ以上存在しない場合には、ステップS27の処理へ移行する構成が用いられてもよい。
ステップS27の処理では、次の2つ(2段階)の遷移(親ノードである注目ノードから子ノードへの遷移、および子ノードから孫ノードへの遷移)のうちで、マニピュレーター(本実施形態では、双腕ロボット1の両腕の手先)の物体51に対する接触側面が変化するか否かを判定する(ステップS27)。ここで、本実施形態では、双腕ロボット1の2つの手先のうち少なくとも1つの手先の接触側面が変化すれば(つまり、少なくとも1つの手先の位置が移動すれば)、変化すると判定する。
ステップS27の処理において、次の2つの遷移のうちでマニピュレーターの物体51に対する接触側面が変化すると判定した場合には、重みを1に設定する(ステップS28)。この理由は、双腕ロボット1の手先の位置が移動する場合には、物体51自体の動作とは無関係な動作を含むことから、作業に時間がかかると判断されるためである。そして、ステップS29の処理へ移行する。
一方、ステップS27の処理において、次の2つの遷移のうちでマニピュレーターの物体51に対する接触側面が変化しないと判定した場合には、ステップS29の処理へ移行する。
ステップS29の処理では、次の2つ(2段階)の遷移(親ノードである注目ノードから子ノードへの遷移、および子ノードから孫ノードへの遷移)のうちで、物体51の希望の接触状態(本実施形態では、物体51の終了姿勢の接触状態)が達成されるか否かを判定する(ステップS29)。
ステップS29の処理において、次の2つの遷移のうちで物体51の希望の接触状態が達成されると判定した場合には、重みを2に設定する(ステップS30)。この理由は、希望の接触状態が達成される可能性があるためである。そして、ステップS31の処理へ移行する。
一方、ステップS29の処理において、次の2つの遷移のうちで物体51の希望の接触状態が達成されないと判定した場合には、ステップS31の処理へ移行する。
ステップS31の処理では、次の2つ(2段階)の遷移(親ノードである注目ノードから子ノードへの遷移、および子ノードから孫ノードへの遷移)のうちで、2つ(または、3つ以上も含む)の新しい接触状態を生成するか否かを判定する(ステップS31)。ここで、一例として、子ノードへの遷移または孫ノードへの遷移のうちの任意の遷移において合計で2つ(または、3つ以上も含む)の新しい接触状態を生成するか否かを判定してもよく、他の例として、子ノードへの遷移において1つ(または、2つ以上も含む)の新しい接触状態を生成しかつ孫ノードへの遷移において1つ(または、2つ以上も含む)の新しい接触状態を生成するか否かを判定してもよい。
ステップS31の処理において、次の2つの遷移のうちで2つ(または、3つ以上も含む)の新しい接触状態を生成すると判定した場合には、重みを2に設定する(ステップS32)。この理由は、新しい接触状態を生成する場合には状態遷移が継続していると判断できるためである。そして、ステップS33の処理へ移行する。
一方、ステップS31の処理において、次の2つの遷移のうちで2つ(または、3つ以上も含む)の新しい接触状態を生成しないと判定した場合には、ステップS33の処理へ移行する。
次に、親ノードである注目ノードに対する子ノードが存在するか否かを判定する(ステップS33)。
ステップS33の判定処理において、注目ノードに対する子ノードが存在しないと判定した場合には、注目ノードについて計算した重みを設定して、本処理を終了する(ステップS34)。
一方、ステップS33の判定処理において、注目ノードに対する子ノードが存在すると判定した場合には、注目ノードについて計算した重みを設定して、そして、次に、子ノードについて重みを計算して設定する処理を開始する(ステップS35)。
なお、子ノードおよび(存在するなら)それに続く孫ノード以降についても、注目ノードである親ノードと同様な処理により、重みを計算して設定する。
以上と同様な重みの計算を、接触状態遷移図における全ての遷移(初期姿勢の接触状態以外の全てのノード)について行う。
そして、経路決定部22は、接触状態遷移図における初期姿勢の接触状態から終了姿勢の接触状態までの一連の遷移が複数経路存在する場合に、それぞれの一連の遷移(それぞれの経路)について、その経路に含まれる各遷移に割り付けられた重み(設定された重み)を積算(総和)し、その積算値が最も大きくなる一連の遷移(初期姿勢の接触状態から終了姿勢の接触状態までの一連の遷移)を、採用する経路として、選択して決定する。
[図6に示されるフローチャートの他の例]
図6に示されるフローチャートの他の例を示す。
ここでは、上記で説明した内容とは異なる部分である他の例に係るステップS23〜ステップS26の処理を説明する。なお、ステップS21〜ステップS22およびステップS27〜ステップS35の処理は、上記で説明した内容と同様である。
予測した次の2つの接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノードおよび孫ノード)のうちで、物体51の接触禁止面の環境(本実施形態では、机41)への接触があるか否かを判定する(他の例に係るステップS23)。
他の例に係るステップS23の判定処理において、予測した次の2つの接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノードおよび孫ノード)のうちで物体51の接触禁止面の環境への接触があると判定した場合には、重みを−1に設定する(他の例に係るステップS24)。この理由は、物体51の接触禁止面の環境への接触の可能性があるためである。そして、他の例に係るステップS25の処理へ移行する。
一方、他の例に係るステップS23の判定処理において、予測した次の2つの接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノードおよび孫ノード)のうちで物体51の接触禁止面の環境への接触がないと判定した場合には、他の例に係るステップS25の処理へ移行する。
他の例に係るステップS25の処理では、予測した次の2つの接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノードおよび孫ノード)のうちで、親ノード(注目ノード)と同じ接触状態を繰り返すか否かを判定する(他の例に係るステップS25)。
他の例に係るステップS25の処理において、予測した次の2つの接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノードおよび孫ノード)のうちで親ノード(注目ノード)と同じ接触状態を繰り返すと判定した場合には、重みを0に設定する(他の例に係るステップS26)。この理由は、接触状態の繰り返しが発生する可能性があるためである。そして、ステップS27の処理へ移行する。
一方、他の例に係るステップS25の処理において、予測した次の2つの接触状態(ここでは、親ノードである注目ノードに対する子ノードおよび孫ノード)のうちで親ノード(注目ノード)と同じ接触状態を繰り返さないと判定した場合には、ステップS27の処理へ移行する。
[重みの他の例]
各遷移の重みの計算に、ロボットの制御性を考慮することが可能である。
一般に、ロボットのベース(本実施形態では、双腕ロボット1の本体)と手先(本実施形態では、双腕ロボット1の2本の腕のそれぞれの手先)の位置との距離と、当該ロボットの可操作性(当該ロボットの可動範囲)には相関がある。
そこで、ロボットのベースと手先の位置との距離に応じた値を、本実施形態で説明した重み(例えば、各遷移の重み)に演算する構成を用いることで、ロボットの可操作性を考慮して、最適な経路を決定することが可能となる。
一例として、ロボットのベースと手先の位置との距離の逆数に比例した値を、本実施形態で説明した重み(例えば、各遷移の重み)に加えたものを、重み(ロボットの可操作性を考慮した重み)として使用する構成を用いることができる。
本実施形態では、例えば、重み設定の規則には、双腕ロボット1の可動範囲を考慮する。
ここで、ロボットのベースと手先の位置との距離としては、本実施形態のように複数の手先を持つロボットが用いられる場合には、例えば、それぞれの手先に関する距離の平均値が用いられてもよく、または、あらかじめ定められた1つの手先に関する距離が用いられてもよく、または、全ての手先のなかで最も短い距離が用いられてもよく、または、全ての手先のなかで最も長い距離が用いられてもよい。
[一連の遷移(経路)の例]
図7は、本発明の一実施形態に係る一連の遷移(経路)の一例を示す図である。
図7の例では、物体51の接触状態(1)〜(8)を示してある。ここで、接触状態(1)が物体51の初期姿勢の接触状態であり、接触状態(8)が物体51の終了姿勢の接触状態である。そして、ロボット動作制御部23が、物体51の初期姿勢の接触状態(1)を起点として、接触状態(2)〜接触状態(7)を経由して、物体51の終了姿勢の接触状態(8)に到達するように、双腕ロボット1の2本の腕(手先を含む。)を制御して、双腕ロボット1により物体51を操作させる。
このように、接触状態遷移図において重みの積算値が最も大きくなる経路(物体51の初期姿勢から終了姿勢までの経路)を選択して採用することで、例えば、物体51の接触禁止面が机41に接触することなく、物体51が初期姿勢から終了姿勢へ操作される。
[インピーダンス制御]
本実施形態では、状態遷移時に、物体51を机41に接触させながら物体51の姿勢を変える際に、物体51に過大な力が加わらないように、コンプライアントモーションコントロールを適用することが好ましい。コンプライアントモーションコントロールとは、マニピュレーター(例えば、双腕ロボット1)と作業環境との間に生じる干渉力を考慮して、マニピュレーターを柔らかく制御することを言う。
コンプライアントモーションコントロールとしては、例えば、インピーダンス制御があり(例えば、非特許文献3参照。)、本実施形態では、インピーダンス制御部24がインピーダンス制御を行う機能を有する。
図8は、本発明の一実施形態に係るインピーダンス制御の一例を説明するための図である。
本実施形態では、双腕ロボット1の2本の腕のそれぞれについて、手首に力センサ(図示せず)を取り付けて備えている。双腕ロボット1は、それぞれの腕の手首に備えられた力センサにより検出された結果(力の値)の情報を、ケーブル3を介して、ロボット制御装置2に送信する。
ロボット制御装置2では、双腕ロボット1から送信された力センサの検出結果の情報を、通信部14により受信する。そして、インピーダンス制御部24が、受信された情報(双腕ロボット1から送信された力センサの検出結果の情報)に基づいて、それぞれの腕の手先301、302にバネとマスとダンパ(バネ−マス−ダンパ)が取り付けられているように運動させるように、双腕ロボット1のそれぞれの腕の手先301、302を制御する。
ここで、インピーダンス制御の特性(周波数応答、硬さ/柔らかさ)は、バネに対応する値mの大きさ、マスに対応する値dの大きさ、およびダンパに対応する値kの大きさで決定される。
一例として、三次元の直交座標系XYZにおける座標(x,y、z)を想定する。この場合、左腕の手先301について、(バネに対応する値、マスに対応する値、ダンパに対応する値)は、X軸方向では(m ,d ,k )、Y軸方向では(m ,d ,k )、Z軸方向では(m ,d ,k )と表される。また、右腕の手先302について、(バネに対応する値、マスに対応する値、ダンパに対応する値)は、X軸方向では(m ,d ,k )、Y軸方向では(m ,d ,k )、Z軸方向では(m ,d ,k )と表される。なお、Lは左を表しており、Rは右を表している。また、(バネに対応する値、マスに対応する値、ダンパに対応する値)は、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向だけではなく、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りで表してもよい。つまり、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3変数だけではなく、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りの回転モーメントを考慮して6変数でもよい。
本実施形態では、双腕ロボット1の手先301、302で物体51を挟み込む方向(手先301、302と物体51とが接触する方向)と、物体51と机41とを接触させる方向とでは、接触する物が違うため、適切なインピーダンス制御の特性が異なる。
本実施形態では、物体51の状態遷移は、例えば、手先301、302の位置、物体51の姿勢を変える方向、およびインピーダンス制御の特性により、特徴付けられる。
ロボット制御装置2では、ロボット動作制御部23により双腕ロボット1の動作を制御するに際して、インピーダンス制御部24により、手先301、302の位置および物体51の姿勢を変える方向に応じて、適切なインピーダンス制御の特性を設定することができる。このため、物体51を破壊することなく所望の姿勢に変更することが図られる。
一例として、ロボット動作制御部23は、物体51の姿勢の操作する方向と、物体51の形状と、物体51の剛性とに応じて、インピーダンス制御の特性を変えることによって、双腕ロボット1の動作を制御することが可能である。
[実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態に係るロボットシステムでは、ロボット制御装置2が双腕ロボット1を制御する場合に、物体51の接触状態遷移図を生成する機能を有し、接触状態遷移図における重みに基づいて採用する経路を決定する機能を有し、決定した経路にしたがって双腕ロボット1を制御する機能を有し、双腕ロボット1を制御する際にインピーダンス制御を行う機能を有する。
本実施形態に係るロボット制御装置2では、三次元の物体51(対象物)の形状や接触禁止面や初期姿勢や終了姿勢(目的姿勢)を考慮して、物体51の初期姿勢の接触状態から終了姿勢の接触状態までの接触状態遷移図を、装置により自動的に、生成する。
本実施形態に係るロボット制御装置2では、接触状態遷移図における各遷移(各ノード)に設定された重みに基づいて、最適な経路を選択して決定する。
本実施形態に係るロボット制御装置2では、選択した経路にしたがって、インピーダンス制御を用いて、初期姿勢から最終姿勢まで物体51を操作するように、双腕ロボット1の2本の腕(手先を含む。)を制御する。これにより、物体51を所望の姿勢(最終姿勢)とするように操作する。
以上のように、本実施形態に係るロボットシステムでは、三次元の物体51の操作が可能であり、物体51の接触禁止面の存在を考慮しており、接触状態遷移図を自動的に生成することが可能であり、重みを用いて最適な状態遷移(経路)を選択することが可能であり、インピーダンス制御を行うことが可能である。そして、本実施形態では、グラスプレス・マニピュレーションの技術(または、それに類似する技術が含まれてもよい。)を、実際の作業に適用し易くすることを実現することができる。
このように、本実施形態では、グラスプレス・マニピュレーションを実際のロボットによる作業に効果的に適用することができる。
ここで、ロボットとしては、本実施形態のような双腕ロボット1に限られず、様々なものが用いられてもよい。
一例として、ロボットとしては、本実施形態の双腕ロボット1の腕のように、肩に対応する関節と肘に対応する関節と手首に対応する関節を接続して有し前記手首にエンドエフェクターが接続されるロボットを用いることができる。一例として、肩に対応する関節は3つであり、肘に対応する関節は1つであり、手首に対応する関節は3つである。一例として、エンドエフェクターとして、対象物(物体)を把持する手先が用いられる。
また、ロボットにより操作する対象となる物体51としては、様々なものが用いられてもよく、例えば、接触禁止面を有する任意の物体を用いることが可能である。
また、本実施形態では、机41の上で物体51を操作する構成を示したが、他の構成例として、机以外の様々なもの(例えば、床の上など)において物体を操作する構成が用いられてもよい。
また、本実施形態では、ロボットを制御する際にインピーダンス制御を行う構成を示したが、他の構成例として、インピーダンス制御を行わずにロボットを制御する構成が用いられてもよい。
[以上の実施形態に関する構成例]
一構成例として、物体(本実施形態では、物体51)を他の物体(本実施形態では、机41)に接触させた状態で第1の姿勢(本実施形態では、初期姿勢)から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢(本実施形態では、終了姿勢)まで操作することに関する接触状態遷移図を生成する接触状態遷移図生成部(本実施形態では、接触状態遷移図生成部21)と、前記接触状態遷移図における各接触状態(または、各遷移)に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定する経路決定部(本実施形態では、経路決定部22)と、前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロール(本実施形態では、インピーダンス制御部24によるインピーダンス制御)を行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボット(本実施形態では、双腕ロボット1)の動作を制御するロボット動作制御部(本実施形態では、ロボット動作制御部23)と、を備える制御装置(本実施形態では、図1に示されるロボット制御装置2)である。
一構成例として、制御装置では、前記コンプライアントモーションコントロールは、インピーダンス制御である。
一構成例として、制御装置では、前記ロボット動作制御部は、前記物体の姿勢の操作する方向と、前記物体の形状と、前記物体の剛性とに応じて、前記インピーダンス制御の特性を変えることによって、前記ロボットの動作を制御する。
一構成例として、制御装置では、前記経路決定部は、あらかじめ定められた重み設定の規則(本実施形態では、図6に示されるフローチャートにおける重み設定の規則や、他の例としてロボットの可操作性を考慮した重み設定の規則)にしたがって、前記接触状態遷移図における各接触状態(または、各遷移)について、当該接触状態(または、当該遷移)以降の接触状態(または、遷移)の状況に応じて、前記重みを設定し、前記経路決定部は、前記物体の前記第1の姿勢から前記第2の姿勢までの経路ごとに重みの積算値を算出し、前記積算値が最大となる経路を、前記採用経路として決定する。
ここで、重み設定の規則としては、様々な規則が定められて用いられてもよい。
一構成例として、制御装置では、前記物体は、三次元の物体であり、前記物体は、前記ロボットの手先(本実施形態では、手先301、302)または前記他の物体に接触することが禁止されている面である接触禁止面を有し、前記重み設定の規則には、前記接触禁止面を考慮することを含む。
一構成例として、制御装置では、前記重み設定の規則には、前記ロボットの可動範囲を考慮することを含む。
一構成例として、制御装置では、前記他の物体は、前記ロボットが所定の作業において使用する作業台(本実施形態では、机41からなる台)である。
一構成例として、以上のような制御装置と、前記ロボットと、を備えるロボットシステム(本実施形態では、図1に示されるロボットシステム)である。
[以上の実施形態について]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
なお、以上に説明した装置(例えば、ロボット制御装置2など)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD(Compact Disk)−ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM:Random Access Memory)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1…双腕ロボット、2…ロボット制御装置、3…ケーブル、41…机、51…物体、61…本体部、62…レンズ部、11…入力部、12…出力部、13…記憶部、14…通信部、15…制御部、21…接触状態遷移図生成部、22…経路決定部、23…ロボット動作制御部、24…インピーダンス制御部、101、111〜116、121〜132…接触状態、301、302…手先

Claims (11)

  1. 物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成する接触状態遷移図生成部と、
    前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定する経路決定部と、
    前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御するロボット動作制御部と、
    を備える制御装置。
  2. 前記コンプライアントモーションコントロールは、インピーダンス制御である、
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記ロボット動作制御部は、前記物体の姿勢の操作する方向と、前記物体の形状と、前記物体の剛性とに応じて、前記インピーダンス制御の特性を変えることによって、前記ロボットの動作を制御する、
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記経路決定部は、あらかじめ定められた重み設定の規則にしたがって、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移について、当該接触状態または当該遷移以降の接触状態または遷移の状況に応じて、前記重みを設定し、
    前記経路決定部は、前記物体の前記第1の姿勢から前記第2の姿勢までの経路ごとに重みの積算値を算出し、前記積算値が最大となる経路を、前記採用経路として決定する、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
  5. 前記物体は、三次元の物体であり、
    前記物体は、前記ロボットの手先または前記他の物体に接触することが禁止されている面である接触禁止面を有し、
    前記重み設定の規則には、前記接触禁止面を考慮することを含む、
    請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記重み設定の規則には、前記ロボットの可動範囲を考慮することを含む、
    請求項4に記載の制御装置。
  7. 前記他の物体は、前記ロボットが所定の作業において使用する作業台である、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の制御装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の制御装置と、
    前記ロボットと、
    を備えるロボットシステム。
  9. 物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成する接触状態遷移図生成部と、
    前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定する経路決定部と、
    前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御するロボット動作制御部と、
    を備えるロボット。
  10. 接触状態遷移図生成部が、物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成し、
    経路決定部が、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定し、
    ロボット動作制御部が、前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御する、
    ロボット制御方法。
  11. 接触状態遷移図生成部が、物体を他の物体に接触させた状態で第1の姿勢から前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢まで操作することに関する接触状態遷移図を生成する手順と、
    経路決定部が、前記接触状態遷移図における各接触状態または各遷移に重みを設定し、前記重みに基づいて採用経路を決定する手順と、
    ロボット動作制御部が、前記採用経路にしたがって、コンプライアントモーションコントロールを行って、前記物体を前記第1の姿勢から前記第2の姿勢まで操作するロボットの動作を制御する手順と、
    をコンピューターに実行させるためのロボット制御プログラム。
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