JP2015054006A - 超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定装置の制御方法 - Google Patents

超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 超音波プローブのプローブ位置の位置ずれを測定者等に報知することができる超音波測定装置及び超音波画像装置等の提供。
【解決手段】 超音波測定装置100は、超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送受信制御を行う送受信部110と、受信信号に基づいて測定対象の表面に対する超音波プローブ200のプローブ位置の位置ずれ検出処理を行う処理部120と、検出されたプローブ位置の位置ずれ情報を含む報知情報を出力する報知情報出力部130を含む。処理部120は、測定期間内の第1のタイミングの第1の受信信号に基づいて、第1の超音波画像を生成し、測定期間内の第2のタイミングの第2の受信信号に基づいて、第2の超音波画像を生成し、第1の超音波画像及び第2の超音波画像における特徴点を検出し、検出した特徴点に基づいて、プローブ位置の位置ずれの検出処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定装置の制御方法等に関係する。
被検体である人体の内部を検査するために用いる装置として、対象物に向けて超音波を出射し、対象物内部における音響インピーダンスの異なる界面からの反射波を受信する超音波測定装置が注目されている。
さらに、超音波測定装置は、脂肪層や筋肉層の厚さの測定や血流量の測定など、被検体の表層の画像診断にも応用されており、特許文献1等において開示されている。
また、超音波測定装置を用いて測定を行っている際には、手ブレや体動ブレが生じることが多い。手ブレ等が発生したことを検出する発明としては、特許文献2において開示される発明がある。
特開平4−231945号公報 特開2010−233956号公報
超音波測定装置を用いて測定を行う際には、測定箇所の表皮上に塗ったジェル等により、超音波プローブが滑り動き、プローブ位置が本来の測定箇所からずれてしまうことがある。
本発明の幾つかの態様によれば、超音波プローブのプローブ位置の位置ずれを測定者等に報知することができる超音波測定装置、超音波画像装置及び超音波測定装置の制御方法等を提供することができる。
本発明の一態様は、超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送受信制御を行う送受信部と、前記送受信部が受信した受信信号に基づいて、測定対象の表面に対する超音波プローブのプローブ位置の位置ずれ検出処理を行う処理部と、前記位置ずれ検出処理の結果に基づいて、報知情報を出力する報知情報出力部と、を含み、前記処理部は、測定期間内の第1のタイミングの第1の受信信号に基づいて、第1の超音波画像を生成し、前記測定期間内の第2のタイミングの第2の受信信号に基づいて、第2の超音波画像を生成し、前記第1の超音波画像及び前記第2の超音波画像における特徴点を検出し、検出した前記特徴点に基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミング間における前記プローブ位置の前記位置ずれ検出処理を行い、前記報知情報出力部は、検出された前記プローブ位置の位置ずれ情報を含む前記報知情報を出力する超音波測定装置に関係する。
本発明の一態様では、第1の超音波画像及び第2の超音波画像における特徴点を検出し、検出した特徴点に基づいて、測定対象の表面に対する超音波プローブのプローブ位置の位置ずれ検出処理を行う。そして、検出されたプローブ位置の位置ずれ情報を含む報知情報を出力する。
これにより、超音波プローブのプローブ位置の位置ずれを測定者等に報知することが可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の超音波画像における複数の前記特徴点の位置情報と、前記第2の超音波画像における複数の前記特徴点の位置情報とに基づいて、特徴点の時間変位量情報を求め、求めた前記特徴点の時間変位量情報に基づいて、前記プローブ位置の前記位置ずれ検出処理を行ってもよい。
これにより、超音波画像において観察すべき点として特徴点を求め、特徴点の時間変位量情報に基づいて、プローブ位置の位置ずれを検出すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の超音波画像における前記特徴点と、前記第2の超音波画像における前記特徴点との対応付け処理を行い、前記第1の超音波画像における第1の特徴点の位置情報と、前記第2の超音波画像において前記第1の特徴点に対応付けられた第3の特徴点の位置情報との差分情報である第1の位置差分情報を求め、前記第1の超音波画像における第2の特徴点の位置情報と、前記第2の超音波画像において前記第2の特徴点に対応付けられた第4の特徴点の位置情報との差分情報である第2の位置差分情報を求め、前記第1の位置差分情報と前記第2の位置差分情報とに基づいて、前記特徴点の前記時間変位量情報を求めてもよい。
これにより、第1の超音波画像と第2の超音波画像間における各特徴点の時間変位量情報として、特徴点の移動量を算出すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の超音波画像における前記特徴点と、前記第2の超音波画像における前記特徴点との対応付け処理を行い、前記第1の超音波画像における第1の特徴点と第2の特徴点間の第1の距離情報を求め、前記第2の超音波画像において、前記第1の特徴点に対応付けられた第3の特徴点と、前記第2の特徴点に対応付けられた第4の特徴点との間の第2の距離情報を求め、前記第1の距離情報と前記第2の距離情報との差分情報に基づいて、前記特徴点の時間変位量情報を求めてもよい。
これにより、第1のタイミングと第2のタイミング間における、任意の特徴点と、任意の特徴点の周囲に位置する他の特徴点との位置関係の変化量を、任意の特徴点の時間変位量情報として求めること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記報知情報出力部は、前記測定対象の表面に対する前記プローブ位置の位置ずれ量及び位置ずれ方向の少なくとも一方を表す情報を、前記報知情報として出力してもよい。
これにより、どの方向に又はどのくらいの距離だけプローブ位置がずれたかを、測定者が把握すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記報知情報出力部は、前記測定対象の表面に対する前記プローブ位置の移動指示量及び移動指示方向の少なくとも一方を表す情報を、前記報知情報として出力してもよい。
これにより、どの方向に又はどのくらいの距離だけプローブ位置を動かせば良いかを、把握すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記報知情報出力部は、前記報知情報として、画像情報を出力してもよい。
これにより、測定者が表示部を見て直感的に、プローブ位置のずれや移動指示を把握すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の超音波画像と前記第2の超音波画像とに基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミング間における前記測定対象の表面に対する前記超音波プローブの姿勢ずれ検出処理を行い、前記報知情報出力部は、検出された前記超音波プローブの姿勢ずれを報知する前記報知情報を出力してもよい。
これにより、超音波プローブの姿勢ずれを測定者等に報知すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記報知情報出力部は、前記測定対象の表面に対する前記超音波プローブの姿勢ずれ量及び姿勢ずれ方向の少なくとも一方を表す画像を、前記報知情報として出力してもよい。
これにより、どの方向に又はどのくらいの角度だけ超音波プローブが傾いたかを、測定者が表示部を見て把握すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の超音波画像を、前記超音波プローブの前記プローブ位置の基準位置を示す基準画像に設定し、前記基準画像における前記プローブ位置と、前記第2の超音波画像における前記プローブ位置との差を、前記プローブ位置の前記位置ずれとして検出してもよい。
これにより、少しずつプローブ位置がずれる場合であっても、プローブ位置の位置ずれを検出すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記第1の超音波画像と前記第2の超音波画像は、1又は複数のフレーム間隔で得られる超音波画像であってもよい。
これにより、プローブ位置がずれる前後の超音波画像を取得すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様では、前記超音波測定装置と、前記報知情報を表示する表示部と、を含む超音波画像装置に関係する。
また、本発明の他の態様では、超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送受信制御を行い、測定期間内の第1のタイミングの第1の受信信号に基づいて、第1の超音波画像を生成し、前記測定期間内の第2のタイミングの第2の受信信号に基づいて、第2の超音波画像を生成し、前記第1の超音波画像及び前記第2の超音波画像における特徴点を検出し、検出した前記特徴点に基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミング間における測定対象の表面に対する超音波プローブのプローブ位置の位置ずれ検出処理を行い、検出された前記プローブ位置の位置ずれ情報を含む報知情報を出力する超音波測定装置の制御方法に関係する。
本実施形態のシステム構成例。 図2(A)〜図2(C)は、超音波測定装置の具体的な機器構成の一例。 図3(A)、図3(B)は、測定時の様子の説明図。 図4(A)は、Bモード画像の説明図であり、図4(B)は、Aモード波形の説明図。 図5(A)〜図5(C)は、プローブ位置の位置ずれの説明図。 図6(A)、図6(B)は、位置ずれを表す報知情報の説明図。 本実施形態の処理の流れを説明するフローチャート。 図8(A)、図8(B)は、特徴点の検出処理の説明図。 図9(A)、図9(B)は、特徴点の対応付け処理の説明図。 図10(A)、図10(B)は、特徴点の時間変位量情報の算出処理の説明図。 図11(A)、図11(B)は、報知情報の他の表示例。 図12(A)〜図12(C)は、超音波トランスデューサー素子の構成例。 超音波トランスデューサーデバイスの構成例。 図14(A)、図14(B)は、各チャンネルに対応して設けられる超音波トランスデューサー素子群の構成例。
以下、本実施形態について説明する。まず、本実施形態の概要を説明し、次に本実施形態のシステム構成例について説明する。そして、フローチャートを用いて本実施形態の処理の流れについて詳細に説明し、次に本実施形態の手法についてまとめる。さらに、超音波トランスデューサー素子及び超音波トランスデューサーデバイスの構成例について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.概要
被検体である人体の内部を検査するために用いる装置として、対象物に向けて超音波を出射し、対象物内部における音響インピーダンスの異なる界面からの反射波を受信する超音波測定装置が知られている。さらに、超音波測定装置の応用例としては、脂肪層や筋肉層の厚さの測定や血流量の測定など、被検体の表層の画像診断を行うポケット型超音波ビューアなどがあり、ヘルスケア分野への展開が期待されている。
そして、このような超音波測定装置に関する発明としては、特許文献1において開示される発明がある。特許文献1の皮下脂肪表示計測器は、小型で容易に取り扱え、かつ正確に脂肪層を計測でき、計測結果を詳細に判りやすく表示することができる。そのため、これを用いれば被検体の脂肪層の全体像を容易に把握できる。また、特許文献1の発明では、超音波断層情報(Aモード波形)のピーク値を検出することで、皮下脂肪層と他層との境界を検出することもできる。
例えば特許文献1の発明を用いて測定を行う場合には、被検体の測定箇所にマーキングを施し、マーキングした位置に超音波プローブを当てて超音波画像を取得する。そのため、測定中には、超音波プローブのプローブ位置がマーキングした位置からずれないようにすることが望ましい。
しかし、超音波画像において組織境界が鮮明に映し出されているかを確認するために、測定者は測定中に表示部を注視していることが多い。この時、測定箇所の表皮上に塗ったジェル等により、超音波プローブが滑り動き、プローブ位置がマーキングした位置からずれてしまうことがある。この場合には、異なる箇所の超音波画像が取得されてしまい、本来の測定箇所の超音波画像を取得することができない。
また、脂肪層の厚さ等の測定を行う場合には、測定者がノンエキスパートである場合も多い。測定者がノンエキスパートである場合には、尚更、超音波プローブのプローブ位置を同じ位置に保ち続けることは困難である。さらに、超音波画像は似たような画像に見えるため、プローブ位置がずれてしまっても、表示部を注視しているだけでは画像変化に気付かないことも多い。
これに対して、特許文献2には、測定中に手ブレや体動ブレが起こった際に、手ブレ等が生じたデータを測定者が確実に判別し、排除できる超音波診断装置に関する発明が開示されている。具体的に、特許文献2の超音波診断装置は、生体組織を映すMモード画像に基づいて、測定中の手ブレや体動ブレを検出する。そして、手ブレ等による超音波探触子と被検体との相対的位置の変位量を検出し、検出した変位量に基づいて、生体組織の弾性特性を計算する。
しかし、特許文献2の発明は、一時的な手ブレや体動ブレによるノイズを含む測定データを、測定者が判別しやすくするものであって、前述したような超音波プローブが滑り動くことによるプローブ位置のずれを検出するものではない。したがって、プローブ位置のずれを十分に検出できないことがある。
また、特許文献2では、手ブレ等が発生したことを測定者等に報知する方法については記載されているが、プローブ位置がずれて、測定箇所が変わってしまった場合に、どの方向にどの程度ずれてしまったかや、プローブ位置をどう修正すればいいか等を報知する方法については記載されていない。
また、特許文献2の発明では、Mモード画像を用いているが、ノンエキスパートが測定を行う場合には、Mモード画像は映し出される生体組織の様子を直感的にイメージすることが難しいという問題もある。ノンエキスパートが測定を行う場合には、生体組織の現在の断層画像であるBモード画像を用いることが望ましい。
そこで、本実施形態の超音波測定装置等は、例えば超音波プローブが滑り動くこと等による超音波プローブのプローブ位置の位置ずれを、測定者等に報知する。具体的には、異なるタイミングにおいて取得された複数のBモード画像に対して画像解析を行うことより、プローブ位置の位置ずれを検出する。そして、プローブ位置の位置ずれが検出された際は、移動量と移動方向を可視化して、表示部に警告表示する。そのため、測定者は警告表示に従って、プローブ位置の位置ずれ補正動作やプローブ位置調整を行うことで、適切な位置における超音波画像を観察又は取得することができる。
なお、本実施形態は、プローブ位置の測定対象表面に対する位置ずれを検出するものである。そのため、例えば心臓等の測定対象自体が動くことによる測定対象とプローブ位置の相対的な位置ずれを検出する発明とは本質的に異なる。
2.システム構成例
次に、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波画像装置400の構成例を図1に示す。超音波測定装置100は、送受信部110と、処理部120と、報知情報出力部130と、を含む。さらに、超音波画像装置400は、超音波測定装置100と、表示部300と、を含む。なお、超音波測定装置100及びこれを含む超音波画像装置400は、図1の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。例えば、超音波測定装置100及びこれを含む超音波画像装置400は、設定値等を入力するためのユーザインターフェース部(操作部)や記憶部を含んでいても良い。また、本実施形態の超音波測定装置100及びこれを含む超音波画像装置400の一部又は全部の機能は、通信により接続されたサーバーにより実現されてもよい。
次に各部で行われる処理について説明する。
まず、送受信部110は、超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送受信制御を行う。例えば送受信部110は、送信パルス発生器と、送信遅延回路と、送受信切替スイッチと、受信遅延回路と、フィルター回路と、メモリと、A/D変換回路等を含む。
具体的に、送信パルス発生器(パルサー回路)は、送信パルス電圧を印加させ、超音波プローブ200を駆動させる。
また、送信遅延回路は、送波ビームをフォーカシングする。そのために、送信遅延回路は、送信パルス電圧の印加タイミングに関して、チャンネル間で時間差を与え、複数の振動素子から発生した超音波を集束させる。このように、遅延時間を変化させることにより、焦点距離を任意に変化させることが可能である。
また、送受信切替スイッチは、超音波の送受信の切り替え処理を行う。送受信切替スイッチは、送信時の振幅パルスが受信回路に入力されないように保護し、受信時の信号を受信回路に通す。
受信遅延回路は、受波ビームをフォーカシングする。ある反射体からの反射波は球面上に広がるため、受信遅延回路は、各振動子に到達する時間が同じになるように遅延時間を与え、遅延時間を考慮して反射波を加算する。
そして、フィルター回路は、受信信号に対して帯域通過フィルターによりフィルター処理を行い、雑音を除去する。
また、メモリは、フィルター回路から出力された受信信号を記憶するもので、その機能はRAM等のメモリやHDDなどにより実現できる。
ここで、超音波プローブ200は、超音波トランスデューサーデバイスを含む。
そして、超音波トランスデューサーデバイスは、走査面に沿って対象物をスキャンしながら、対象物に対して超音波ビームを送信すると共に、超音波ビームを送信したことにより得られる超音波エコーを受信する。圧電素子を用いるタイプを例にとれば、超音波トランスデューサーデバイスは、複数の超音波トランスデューサー素子(超音波素子アレイ)と、複数の開口がアレイ状に配置された基板とを有する。そして、超音波トランスデューサー素子としては、薄手の圧電素子と金属板(振動膜)を貼り合わせたモノモルフ(ユニモルフ)構造を用いたものを用いる。超音波トランスデューサー素子(振動素子)は、電気的な振動を機械的な振動に変換するものであるが、この場合には、圧電素子が面内で伸び縮みすると貼り合わせた金属板(振動膜)の寸法はそのままであるため反りが生じる。従って、圧電体膜に交流電圧を印加することで、振動膜が膜厚方向に対して振動し、この振動膜の振動により超音波が放射される。なお、圧電体膜に印加される電圧は、例えば10〜30Vであり、周波数は例えば1〜10MHzである。
また、超音波トランスデューサーデバイスでは、近隣に配置された数個の超音波トランスデューサー素子で一つのチャンネルを構成し、1回に複数のチャンネルを駆動しながら、超音波ビームを順次移動させるものであってもよい。
なお、超音波トランスデューサーデバイスとしては、圧電素子(薄膜圧電素子)を用いるタイプのトランスデューサーを採用できるが、本実施形態はこれに限定されない。例えばc‐MUT(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers)などの容量性素子を用いるタイプのトランスデューサーを採用してもよいし、バルクタイプのトランスデューサーを採用してもよい。超音波トランスデューサー素子及び超音波トランスデューサーデバイスのさらに詳細な説明については、後述する。
次に、処理部120は、送受信部110が受信した受信信号に基づいて、超音波プローブ200のプローブ位置の位置ずれの検出処理を行う。
例えば、処理部120は、超音波の受信信号の振幅を主として解析して、被検体の内部構造を画像化したB(Brightness)モード画像(断層画像)のデータを生成し、生成したBモード画像データに基づいて、超音波プローブ200のプローブ位置の位置ずれの検出処理を行う。Bモード画像データとは、超音波のA(Amplitude)モード波形における振幅を点の明るさ(輝度)として表した画像データのことをいう。このようなBモード画像データを生成する場合には、処理部120は、例えば検波処理部と、対数変換処理部と、ゲイン・ダイナミックレンジ調整部と、STC(Sensitivity Time Control)と、DSC(Digital Scan Converter)と、を含む。
そして、検波処理部は、受信信号に対して絶対値(整流)処理を行った後に、低域通過フィルターをかけて、非変調信号を抽出する。
次に、対数変換処理部は、非変調信号に対してLog圧縮を行い、受信信号の信号強度の最大部分と最小部分を同時に確認しやすいように、表現形式を変換する。
そして、ゲイン・ダイナミックレンジ調整部は、信号強度及び関心領域を調整する。具体的に、ゲイン調整処理では、Log圧縮後の信号に対して、直流成分を加える。また、ダイナミックレンジ調整処理では、Log圧縮後の信号に対して、任意の数を乗算する。
さらに、STCは、生体組織での深さに応じて信号の増幅度(明るさ)を補正し、画面全体で一様な明るさの画像を取得する。
そして、DSCは、走査変換処理を行って、Bモード画像データを生成する。例えば、DSCは、バイリニアなどの補間処理により、ライン信号を画像信号に変換する。
なお、処理部120の機能は、各種プロセッサー(CPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
また、報知情報出力部130は、プローブ位置の位置ずれの検出処理の結果に基づいて、表示部300に報知情報を出力する。報知情報出力部130は、例えば表示部300と有線又は無線により通信を行う通信部(インターフェース部)であってもよいし、画像出力部(画像生成部)であってもよい。
さらに、表示部300は、報知情報出力部130から取得された報知情報を表示する。また、表示部300は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどにより実現できる。
ここで、本実施形態の超音波測定装置100(広義には電子機器)の具体的な機器構成の例を図2(A)〜図2(C)に示す。図2(A)はハンディタイプの超音波測定装置100の例であり、図2(B)は据置タイプの超音波測定装置100の例である。図2(C)は超音波プローブ200が本体に内蔵された一体型の超音波測定装置100の例である。
図2(A)及び図2(B)の超音波測定装置100は、超音波プローブ200と超音波測定装置本体101(広義には電子機器本体)を含み、超音波プローブ200と超音波測定装置本体101はケーブル210により接続される。また、超音波プローブ200の先端部分には、プローブヘッド220が設けられており、超音波測定装置本体101には、画像を表示する表示部300が設けられている。図2(C)では、表示部300を有する超音波測定装置100に超音波プローブ200が内蔵されている。図2(C)の場合、超音波測定装置100は、例えばスマートフォンなどの汎用の携帯情報端末により実現できる。
3.処理の詳細
まず、本実施形態の測定対象の一例として、被検体(人間)の腹部(腹直筋)を図3(A)に示し、その際の被検体の腹部の断面図(エコー画像)を図3(B)に示す。図3(A)のように、超音波プローブPBを腹部に押し付けた場合には、図3(B)に示す測定領域EAの生体組織(生体組織層)の解析処理が行われる。なお、生体組織層とは、例えば脂肪層、筋肉層、骨、内臓及び血管等のことを指す。
また、超音波の画像表示方法は数種類あり、超音波の受信信号における振幅を輝度に変換して2次元画像として表示するBモードと呼ばれる方法と、超音波の振幅をグラフとして描くAモードと呼ばれる方法がある。具体的に、Bモード画像の一例を図4(A)に示し、Aモード波形の一例を図4(B)に示す。図4(A)のBモード画像では、縦軸が被検体の表層面からの深さを表している。一方で、図4(B)のAモード波形は、図4(A)のBモード画像中の破線L1部分の輝度値を表しており、縦軸は表層面からの深さを表す。なお、前述したように、一般的なAモード波形の横軸は、受信信号の振幅強度(受信強度)を表すが、図4(B)の例では振幅を輝度値に変換した値を用いている。このようなBモード画像やAモード波形を解析することにより、皮下脂肪層と筋肉層との境界はBD1であり、筋肉層と内臓との境界はBD2であると判別すること等が可能である。
ここで、超音波測定装置を用いて測定対象を計測する際には、繰り返し精度を高めるために毎回同じ場所に超音波プローブを当てることが必要となる。そのため、解剖学的に測定位置を予め決めておいて測定を行う。例えば腹部を測定する場合には、臍点横へ超音波プローブを約4cm移動させて、その位置から約4cm上部の位置を計測する。超音波プローブを当てる際には、図5(A)に示すような位置P1に予めマーキングをしておく。次に、組織境界が鮮明に映し出され、読影に適した図4(A)のような超音波画像を取得するため、測定者は表示部を注視しながら、図5(B)に示すように超音波プローブの傾きを調整する。ところがこの際に、表皮上に塗ったジェルによって、超音波プローブが滑って動いてしまうことがある。そのため、測定者がノンエキスパートである場合には、固定状態を保つことが困難であり、結果的に図5(C)に示すように、マーキング位置P1から外れた位置P2を測定してしまっていることが度々ある。
そこで、本実施形態では、プローブ位置の位置ずれを検出し、図6(A)及び図6(B)に示すように、プローブ位置の位置ずれ情報を画像化してBモード画像と共に表示し、位置ずれを測定者に報知する。例えば図6(A)の例では、位置ずれ情報として、プローブ位置の位置ずれ量と位置ずれ方向を矢印画像SSにより表示する。一方、図6(B)の例では、図6(A)の場合と同じ位置ずれが生じた際の位置ずれ情報として、測定者にプローブ位置を修正させるための移動指示量と移動指示方向を、矢印画像MSにより表示している。なお、図6(A)では、矢印画像SSの向きが位置ずれ方向を表し、位置ずれ量が大きいほど、矢印画像SSが長くなる。また、位置ずれ量が大きくなるほど、矢印画像SSを太くしてもよい。図6(B)の矢印画像MSについても同様である。
以下では、図7のフローチャートを用いて、本実施形態の処理の流れについて説明する。なお、図7では、Bモード画像を生成した後の処理から説明する。Bモード画像は、任意の方法で生成してもよい。また、Bモード画像は生成される度に記憶部に逐次一時的に格納されていき、処理に必要な画像が処理部120により逐次読み込まれるものとする。
まず、対となる超音波画像(Bモード画像)A及び超音波画像Bを読み込む(S601)。ここで、超音波画像Aは、第1のタイミングで得られるBモード画像であり、超音波画像Bは、第1のタイミングと異なる第2のタイミングで得られるBモード画像であるものとする。
次に、超音波画像A及び超音波画像Bの特徴点を抽出する(S602)。特徴点とは、画像中から際立って観測できる点のことをいう。図8(A)には、第1のタイミングであるtフレーム目のBモード画像における特徴点を丸印で囲って表し、図8(B)には、第2のタイミングであるt’(=t+Δt)フレーム目のBモード画像における特徴点を丸印で囲って表す。
本例では、特徴点の抽出方法として、コーナー検出法等を用いるが、その他のコーナー部検出(固有値、FAST特徴検出)を用いても良いし、SIFT(Scale invariant feature transform)に代表される局所特徴量記述子やSURF(Speeded Up Robust Feature)等を用いても良い。
そして、超音波画像A及び超音波画像Bにおいて抽出された特徴点の中から、互いに対応する特徴点のペアを選択する(S603)。言い替えれば、超音波画像Aにおける特徴点と同じ部位を指し示す特徴点を、超音波画像Bにおける特徴点の中から特定(推定)し、二つの特徴点をペアとして対応付ける。本例では、RANSAC(RANdom SAmple Consensus)を用いて対応点関係を特定するが、これ以外にも、最小二乗法、最小メジアン法、M推定法などといった手法を用いても良い。
具体例として、超音波画像A及び超音波画像Bにおいて対応付けを行った結果を図9(A)及び図9(B)に示す。ここでは、図9(A)に示す超音波画像Aと図9(B)に示す超音波画像Bにおいて、対応付けができた白い丸印で示す特徴点を矢印で結んでいる。図9(A)及び図9(B)に示すように、必ずしも全ての特徴点が対応付けできるわけではなく、また、必ずしも全ての特徴点を対応付けする必要もない。ただし、対応付けができた特徴点の数が多ければ多いほど、後の位置ずれの検出処理の精度が向上する。
さらに、対応付けられた特徴点毎に時間変位量を算出する(S604)。特徴点の時間変位量とは、タイミングの異なる2つのフレーム間で特徴点がどの程度移動したかを表す移動量のことをいう。
ここで、図9(A)の一部を拡大した図10(A)と、図9(B)の一部を拡大した図10(B)を用いて、具体例を説明する。図10(A)は、tフレーム目の脂肪層における4つの特徴点(A、B、C、D)を表し、図10(B)は、t’フレーム目の脂肪層における4つの特徴点(At’、Bt’、Ct’、Dt’)を表す。なお、特徴点At’は特徴点Aに対応する特徴点であって、特徴点Aの座標値を(x、y)とする。他の特徴点についても同様である。
この時、tフレーム目からt’(=t+Δt)フレーム目までの特徴点Aの時間変位量Δdは、例えば下式(1)により表される。
また、Bモード画像の2次元平面上における各特徴点と、各特徴点に近接する他の特徴点(近接特徴点)との距離変化量Dの平均値を、各特徴点の時間変位量Δdとして求めてもよい。すなわち、この場合には特徴点Aの時間変位量Δdは、下式(2)で表される。なお、式(2)において、nは近接する特徴点の数であり、iは1以上n以下の変数である。
より具体的には、図10(A)及び図10(B)において、特徴点Aの近接特徴点は、B、C及びDの3点であるため(n=3)、tフレーム目からt’フレーム目における特徴点Aの時間変位量Δdは、下式(3)で表される。なお、式(3)中のDは下式(4)で、Dは下式(5)で,Dは下式(6)で表される。
なお、ここでは、2点間距離を用いて計算しているが、水平方向のみの移動量や、垂直方向のみの移動量を計算して、これを特徴点の時間変位量として扱っても良い。
次に、各特徴点の時間変位量に基づき、超音波プローブのプローブ位置の位置ずれを検出し、プローブ位置の位置ずれを表す警告表示画像を生成する(S605)。
具体的には、ステップS604において求めた各時間変位量の平均値を求める。そして、算出した時間変位量の平均値が所与の閾値以下である場合には、超音波プローブは位置ずれしていないものとして扱う。この場合には、警告表示画像を非表示にする。
一方で、算出した平均値が所与の閾値よりも大きい場合には、画像中の移動量(pixel)から超音波プローブのプローブ位置の位置ずれ量(mm)を算出する。そして、超音波プローブの位置ずれ量を可視化して表すアイコン(警告表示画像)の長さを決定して、Bモード画像上に表示させる。ここで、アイコン(警告表示画像)とは、例えば図6(A)の矢印画像SSや、図6(B)の矢印画像MSなどを指す。また、位置ずれ量に応じて、警告表示画像の色(輝度、彩度等)を変えてもよいし、図11(A)に示すように、警告表示画像AR1の長さを変えてもよいし、図11(B)に示すように、警告表示画像AR2の太さを変えてもよい。
そして、超音波画像Bに警告表示画像を重ね合わせ、合成画像を生成し、表示部に合成画像を表示して(S606)、一連の処理を終了する。
図7の処理後には、プローブ位置の位置ずれを確認した測定者がプローブ位置を修正して、再度測定を行い、図7のステップS601からの処理を繰り返す。この時、測定者がプローブ位置を修正する際には、位置ずれを報知する警告表示画像を非表示にすることが望ましい。この場合には、例えば直前に報知した位置ずれ方向と逆方向(又は移動指示方向と同じ方向)へのプローブ位置の移動は、測定者によるプローブ位置の修正によるものであると判断する。そして、移動指示方向へのプローブ位置の移動量が、移動指示量以内である場合には、警告表示画像を非表示にする。ただし、移動指示方向へのプローブ位置の移動量が、移動指示量よりも大きくなった場合には、他の場合と同様に、警告表示画像を表示する。
4.本実施形態の手法
次に、本実施形態の手法について説明する。
以上の本実施形態の超音波測定装置100は、超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送受信制御を行う送受信部110と、送受信部110が受信した受信信号に基づいて、測定対象の表面に対する超音波プローブ200のプローブ位置の位置ずれ検出処理を行う処理部120と、位置ずれ検出処理の結果に基づいて、報知情報を出力する報知情報出力部130と、を含む。そして、処理部120は、測定期間内の第1のタイミングの第1の受信信号に基づいて、第1の超音波画像を生成し、測定期間内の第2のタイミングの第2の受信信号に基づいて、第2の超音波画像を生成し、第1の超音波画像及び第2の超音波画像における特徴点を検出し、検出した特徴点に基づいて、第1のタイミングと第2のタイミング間における測定対象の表面に対するプローブ位置の位置ずれ検出処理を行う。さらに、報知情報出力部130は、検出されたプローブ位置の位置ずれ情報を含む報知情報を出力する。
なお、検出するプローブ位置の位置ずれは、測定対象表面と超音波プローブの走査面との時間的な位置の変化を指すものであって、測定対象を測定する際における理想的なプローブ位置(例えば、測定対象が最も明瞭に映る超音波画像を取得可能なプローブ位置)からのずれを指すものではない。
本実施形態では、超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送受信制御を行う。そして、測定期間内の第1のタイミングの第1の受信信号に基づいて、第1の超音波画像を生成し、測定期間内の第2のタイミングの第2の受信信号に基づいて、第2の超音波画像を生成する。
ここで、第2のタイミングとは、測定期間内において第1のタイミングよりも後のタイミングである。第1のタイミングと第2のタイミングは、超音波プローブのプローブ位置のずれが発生し得る間隔だけ離れていることが望ましい。例えば本例では第1のタイミングと第2のタイミングは、数フレーム分、離れていることを想定している。ただし、これには限定されず、隣接する超音波出射タイミング(隣接フレーム)であってもよい。
すなわち、第1の超音波画像と第2の超音波画像は、1又は複数のフレーム間隔で得られる超音波画像であってもよい。
これにより、プローブ位置がずれる前後の超音波画像を取得すること等が可能になる。
また、第1の受信信号とは、第1のタイミングにおいて出射した超音波に対する超音波エコーを受信した時に得られる信号のことをいう。
同様に、第2の受信信号とは、第2のタイミングにおいて出射した超音波に対する超音波エコーを受信した時に得られる信号のことをいう。
さらに、超音波画像は、例えば生体組織の断層画像やBモード画像のことを指す。また本実施形態では、超音波画像のうち一部の画素のみを用いても良い。例えば、Bモード画像を構成するラインデータの一部のデータのみを用いてもよい。
そして、第1の超音波画像及び第2の超音波画像における特徴点を検出し、検出した特徴点に基づいて、第1のタイミングと第2のタイミング間における超音波プローブのプローブ位置の位置ずれ検出処理を行う。なお、検出される特徴点は、複数であることが想定される(すなわち、特徴点群とも呼べる)が、一つであってもよい。
さらに、検出されたプローブ位置の位置ずれ情報を含む報知情報を出力する。
ここで、位置ずれ情報とは、超音波プローブのプローブ位置の位置ずれを表す情報である。例えば、位置ずれ情報は、プローブ位置の位置ずれの有無や、位置ずれ量、位置ずれ方向及びこれらの組み合わせの情報などである。
また、報知情報とは、プローブ位置の位置ずれ情報を含む情報であって、例えば位置ずれ情報を表す画像データや文字情報等である。さらに、報知情報は、位置ずれを報知する音声データや振動データ等であってもよい。
これにより、超音波プローブのプローブ位置の位置ずれを測定者等に報知することが可能になる。そして、測定者は、例えば表示部を注視するだけで、疎かになりがちなプローブ位置の位置ずれの確認を行うことができる。そして、測定者は警告表示に従って、プローブ位置の位置ずれ補正動作やプローブ位置調整を行って、適切な位置における超音波画像を観察又は取得することができる。
また、本実施形態では、超音波画像のみからプローブ位置の位置ずれを検出するため、角度センサーなどの追加デバイスが不要であり、ソフトウェアアップデートなどにより従来装置でも容易に利用可能であるという利点もある。
また、処理部120は、第1のタイミングと第2のタイミング間における特徴点の時間変位量情報を求める。すなわち、処理部120は、第1の超音波画像における複数の特徴点の位置情報と、第2の超音波画像における複数の特徴点の位置情報とに基づいて、特徴点の時間変位量情報を求める。そして、処理部120は、求めた特徴点の時間変位量情報に基づいて、プローブ位置の位置ずれ検出処理を行ってもよい。
ここで、特徴点の位置情報とは、例えば超音波画像における特徴点の位置を表す座標データなどである。
また、特徴点の時間変位量情報とは、異なるタイミング間における特徴点の変位量を表す情報のことをいう。つまり、特徴点の時間変位量情報は、第2の超音波画像において、第1の超音波画像の任意の特徴点が所定の単位時間の間に、どの程度動いたかを表す情報である。
これにより、超音波画像において観察すべき点として特徴点を求め、特徴点の時間変位量情報に基づいて、プローブ位置の位置ずれを検出すること等が可能になる。また、位置ずれ検出処理において、複数の特徴点を用いる場合には、一つの特徴点を用いる場合よりも、位置ずれ検出処理の精度を向上させること等が可能になる。
ただし、第1の超音波画像における任意の特徴点が、第2の超音波画像のどの特徴点に対応するかが分からなければ、特徴点の時間変位量情報を求めることができない。
そこで、処理部120は、第1の超音波画像における特徴点と、第2の超音波画像における特徴点との対応付け処理を行ってもよい。
具体的に、第1の超音波画像における特徴点とは、例えば前述した図8(A)の超音波画像Aに示される(複数の)特徴点であり、第2の超音波画像における特徴点とは、例えば前述した図8(B)の超音波画像Bに示される(複数の)特徴点である。そして、図9(A)及び図9(B)を用いて前述したように、矢印で示す通りに特徴点を対応付ける。
この特徴点の対応付け処理では、異なるタイミングの超音波画像間において、測定対象の同一の組織や構造が映る画像箇所(位置)が特定され、互いに関連付けられる。
そして、対応付けられた特徴点の2枚の超音波画像上での距離(ずれ)を、時間変位量情報として求める。
例えば、処理部120は、第1の超音波画像における第1の特徴点の位置情報と、第2の超音波画像において第1の特徴点に対応付けられた第3の特徴点の位置情報との差分情報である第1の位置差分情報を求めてもよい。
具体的には、図9(A)及び図9(B)に示すように、第1の超音波画像の座標(10、2)の第1の特徴点SP1と、第2の超音波画像の座標(10、1)の第3の特徴点SP3とが対応付けられた場合には、第1の特徴点SP1と第3の特徴点SP3の距離1を、第1の位置差分情報として求める。
同様にして、処理部120は、第1の超音波画像における第2の特徴点の位置情報と、第2の超音波画像において第2の特徴点に対応付けられた第4の特徴点の位置情報との差分情報である第2の位置差分情報を求めてもよい。
具体的には、図9(A)及び図9(B)に示すように、第1の超音波画像の座標(8、4)の第2の特徴点SP2と、第2の超音波画像の座標(9、4)の第4の特徴点SP4とが対応付けられた場合には、第2の特徴点SP2と第4の特徴点SP4の距離1を、第2の位置差分情報として求める。
さらに、処理部120は、第1の位置差分情報と第2の位置差分情報とに基づいて、特徴点の時間変位量情報を求めてもよい。例えば、前述した例では、第1の位置差分情報(距離1)と第2の位置差分情報(距離1)との和(距離2)を、特徴点の時間変位量情報として求める。また、第1の位置差分情報と第2の位置差分情報とを直接、特徴点の時間変位量情報として用いてもよい。
これにより、第1の超音波画像と第2の超音波画像間における各特徴点の時間変位量情報として、特徴点の移動量を算出すること等が可能になる。
また、時間変位量情報の求め方は、前述した方法に限定されない。例えば、処理部120は、第1の超音波画像における第1の特徴点と第2の特徴点間の第1の距離情報を求め、第2の超音波画像において、第1の特徴点に対応付けられた第3の特徴点と、第2の特徴点に対応付けられた第4の特徴点との間の第2の距離情報を求め、第1の距離情報と第2の距離情報との差分情報に基づいて、特徴点の時間変位量情報を求めてもよい。
例えば前述した図10(A)及び図10(B)の例に当てはめて説明すると、第1の特徴点は、特徴点Aである。そして、第2の特徴点は、第1の特徴点の近傍に位置する他の特徴点の一つであって、例えば特徴点Bである。この場合には、第1の距離情報は、特徴点A及び特徴点B間の距離を表す情報になる。
また、第3の特徴点とは、第2の超音波画像において、前述した対応付け処理により、第1の特徴点に対応付けられた特徴点のことをいう。第3の特徴点は、第1の特徴点と全く同じ部位を表す点であることが望ましいが、対応付け処理が誤っている場合には、第1の特徴点と異なる部位を表す点になってしまうこともある。具体的に図10(B)では、第1の特徴点がAである場合には、第3の特徴点はAt’であると推定される。
同様に、第4の特徴点とは、第2の超音波画像において、前述した対応付け処理によって、第2の特徴点に対応付けられた特徴点のことをいう。対応付け処理が誤っている場合には、第2の特徴点と異なる部位を表す点になってしまうことも同様である。具体的に図10(B)では、第2の特徴点がBである場合には、第4の特徴点はBt’である。
そして、この場合には、第2の距離情報は、特徴点At’及び特徴点Bt’間の距離を表す情報である。
さらに、前述した式(4)のように、第1の距離情報と第2の距離情報の差分情報を求め、前述した式(2)に従って、第1の特徴点の時間変位量情報を求める。
これにより、第1のタイミングと第2のタイミング間における、任意の特徴点と、任意の特徴点の周囲に位置する他の特徴点との位置関係の変化量を、任意の特徴点の時間変位量情報として求めること等が可能になる。
また他にも、異なるタイミングの超音波画像における特徴点の分布密度の差や、特徴点の配置形状の差に基づいて、時間変位量情報を求める方法もある。特徴点の配置形状とは、超音波画像において検出されたN個の特徴点を結んで形成される図形の形状などである。例えば4つの特徴点が検出された場合には、これらの特徴点を結び四角形が形成され、他方の超音波画像での特徴点を結んで形成される四角形と比較して、時間変位量情報を求める。
さらに、異なるタイミングの超音波画像における特徴点のばらつきの中心位置(重心位置)の差に基づいて、時間変位量情報を求める方法などもある。
このように、測定者がノンエキスパートであって、プローブ位置がずれても測定者が画像変化に気付かない場合であっても、超音波画像の特徴点の時間変位量からプローブ位置の位置ずれ量を算出し、警告表示を行って、測定者に確実に位置ずれを気付かせること等が可能になる。
次に、報知情報の報知方法について説明する。
まず、報知情報出力部130は、測定対象の表面に対するプローブ位置の位置ずれ量及び位置ずれ方向の少なくとも一方を表す情報を、報知情報として出力してもよい。
例えば、前述した図6(A)の矢印画像SSは、矢印の向きが位置ずれ方向を表し、矢印の長さ又は太さが位置ずれ量を表す画像である。
これにより、どの方向に又はどのくらいの距離だけプローブ位置がずれたかを、測定者が把握すること等が可能になる。
図6(A)は、実際のプローブ位置の位置ずれ量と位置ずれ方向を表示しているが、位置ずれが発生した際に、プローブ位置をどう修正すれば良いかを測定者に指示するような報知情報を出力してもよい。
すなわち、報知情報出力部130は、測定対象の表面に対するプローブ位置の移動指示量及び移動指示方向の少なくとも一方を表す情報を、報知情報として出力してもよい。
例えば、前述した図6(B)の矢印画像MSは、矢印の向きが移動指示方向を表し、矢印の長さ又は太さが移動指示量を表す画像である。
これにより、どの方向に又はどのくらいの距離だけプローブ位置を動かせば良いかを、把握すること等が可能になる。また、位置ずれ方向を示す報知情報から超音波プローブを右にスライドすればよいか、左にスライドすればよいかが分かり、位置ずれ量を示す報知情報からどの程度の距離だけ、プローブ位置を移動させれば良いかが分かるため、測定者が被検体の体表に視線を動かさずに操作を行うこと等が可能になる。なお、図6(A)に示す矢印画像SSと図6(B)に示す矢印画像MSは、同時に表示してもよい。
また、報知情報出力部130は、報知情報として、画像情報を出力してもよい。
これにより、測定者が表示部300を見て直感的に、プローブ位置のずれや移動指示を把握すること等が可能になる。
さらに、超音波プローブによる測定を行う際には、プローブ位置がずれるだけではなく、超音波プローブが傾き、測定において適正な姿勢ではなくなってしまうことが多い。
そこで、処理部120は、第1の超音波画像と第2の超音波画像とに基づいて、第1のタイミングと第2のタイミング間における測定対象の表面に対する超音波プローブ200の姿勢ずれ検出処理を行ってもよい。そして、報知情報出力部130は、検出された超音波プローブ200の姿勢ずれを報知する報知情報を出力してもよい。
これにより、超音波プローブの姿勢ずれを測定者等に報知すること等が可能になる。そして、測定者は、例えば表示部を注視するだけで、疎かになりがちな超音波プローブの姿勢ずれの確認を行うこと等が可能になる。そして、測定者は警告表示に従って、超音波プローブの姿勢ズレ補正動作やプローブ姿勢調整を行って、適切な姿勢において測定を行い、より明瞭な超音波画像を観察又は取得することができる。
また、報知情報出力部130は、測定対象の表面に対する超音波プローブ200の姿勢ずれ量及び姿勢ずれ方向の少なくとも一方を表す画像を、報知情報として出力してもよい。
これにより、どの方向に又はどのくらいの角度だけ超音波プローブが傾いたかを、測定者が表示部を見て把握すること等が可能になる。
さて、前述した図7のフローチャートのステップS605では、各特徴点の時間変位量の平均値と所与の閾値とを比較し、時間変位量の平均値が所与の閾値以下である場合には、プローブ位置がずれていないと判断し、平均値が所与の閾値よりも大きい場合には、プローブ位置がずれたと判断する。例えばこの場合には、第1の超音波画像として前回取得した超音波画像を用い、第2の超音波画像としては今回取得した超音波画像を用いる。すなわち、位置ずれ検出処理を行う度に、第1の超音波画像と第2の超音波画像とがそれぞれ変わるものである。この手法では、所与の閾値の大きさを変えることにより、検出する位置ずれの精度を調整することが可能である。
しかし、この手法では位置ずれ検出処理を行うたびに、所与の閾値以下のずれが続けて発生している場合には、各回の検出処理において位置ずれは検出されないが、測定を開始したプローブ位置(又は後述する基準位置)と比べると、所与の閾値よりも大きなずれが発生していることがある。
そこで、プローブ位置の位置ずれ検出処理において、特定の超音波画像を第1の超音波画像として毎回用いても良い。
すなわち、処理部120は、第1の超音波画像を、超音波プローブ200のプローブ位置の基準位置を示す基準画像に設定し、基準画像におけるプローブ位置と、第2の超音波画像におけるプローブ位置との差を、プローブ位置の位置ずれとして検出してもよい。
ここで、基準画像とは、超音波プローブ200の基準位置において取得された超音波画像である。そして、基準位置とは、測定対象の表面に対する適正なプローブ位置であって、例えば測定者が測定したい生体組織の位置に対応する表皮上の位置のことをいう。また、基準位置は、測定開始時のプローブ位置であってもよいし、測定者により設定されたプローブ位置であってもよい。
これにより、少しずつプローブ位置がずれる場合であっても、プローブ位置の位置ずれを検出すること等が可能になる。すなわち、プローブ位置が基準位置にあった時から、今回の位置ずれ検出処理を行うまでに累積した位置ずれを検出すること等が可能になる。ただし、本実施形態はこれに限定されず、前述したように、前回の位置ずれ検出処理から今回の位置ずれ検出処理の間に生じた位置ずれを検出してもよい。
なお、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波画像装置400等は、その処理の一部または大部分をプログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサーがプログラムを実行することで、本実施形態の超音波測定装置100及び超音波画像装置400等が実現される。具体的には、情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサーが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリー(カード型メモリー、ROM等)などにより実現できる。そして、CPU等のプロセッサーは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピューター(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。
5.超音波トランスデューサー素子
図12(A)〜図12(C)に、超音波トランスデューサーデバイスの超音波トランスデューサー素子10の構成例を示す。この超音波トランスデューサー素子10は、振動膜(メンブレン、支持部材)50と圧電素子部とを有する。圧電素子部は、第1電極層(下部電極)21、圧電体層(圧電体膜)30、第2電極層(上部電極)22を有する。
図12(A)は、基板(シリコン基板)60に形成された超音波トランスデューサー素子10の、素子形成面側の基板60に垂直な方向から見た平面図である。図12(B)は、図12(A)のA−A’に沿った断面を示す断面図である。図12(C)は、図12(A)のB−B’に沿った断面を示す断面図である。
第1電極層21は、振動膜50の上層に例えば金属薄膜で形成される。この第1電極層21は、図12(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子10に接続される配線であってもよい。
圧電体層30は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)薄膜により形成され、第1電極層21の少なくとも一部を覆うように設けられる。なお、圧電体層30の材料は、PZTに限定されるものではなく、例えばチタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO3)などを用いてもよい。
第2電極層22は、例えば金属薄膜で形成され、圧電体層30の少なくとも一部を覆うように設けられる。この第2電極層22は、図12(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子10に接続される配線であってもよい。
振動膜(メンブレン)50は、例えばSiO2薄膜とZrO2薄膜との2層構造により開口40を塞ぐように設けられる。この振動膜50は、圧電体層30及び第1、第2電極層21、22を支持すると共に、圧電体層30の伸縮に従って振動し、超音波を発生させることができる。
開口40は、基板60(シリコン基板)の裏面(素子が形成されない面)側から反応性イオンエッチング(RIE)等によりエッチングすることで形成される。この開口40の開口部45のサイズによって超音波の共振周波数が決定され、その超音波は圧電体層30側(図12(A)において紙面奥から手前方向)に放射される。
超音波トランスデューサー素子10の下部電極(第1電極)は、第1電極層21により形成され、上部電極(第2電極)は、第2電極層22により形成される。具体的には、第1電極層21のうちの圧電体層30に覆われた部分が下部電極を形成し、第2電極層22のうちの圧電体層30を覆う部分が上部電極を形成する。即ち、圧電体層30は、下部電極と上部電極に挟まれて設けられる。
6.超音波トランスデューサーデバイス
図13に、超音波トランスデューサーデバイス(素子チップ)の構成例を示す。本構成例の超音波トランスデューサーデバイスは、複数の超音波トランスデューサー素子群UG1〜UG64、駆動電極線DL1〜DL64(広義には第1〜第nの駆動電極線。nは2以上の整数)、コモン電極線CL1〜CL8(広義には第1〜第mのコモン電極線。mは2以上の整数)を含む。なお、駆動電極線の本数(n)やコモン電極線の本数(m)は、図13に示す本数には限定されない。
複数の超音波トランスデューサー素子群UG1〜UG64は、第2の方向D2(スキャン方向)に沿って64列に配置される。UG1〜UG64の各超音波トランスデューサー素子群は、第1の方向D1(スライス方向)に沿って配置される複数の超音波トランスデューサー素子を有する。
図14(A)に、超音波トランスデューサー素子群UG(UG1〜UG64)の例を示す。図14(A)では、超音波トランスデューサー素子群UGは第1〜第4の素子列により構成される。第1の素子列は、第1の方向D1に沿って配置される超音波トランスデューサー素子UE11〜UE18により構成され、第2の素子列は、第1の方向D1に沿って配置される超音波トランスデューサー素子UE21〜UE28により構成される。第3の素子列(UE31〜UE38)、第4の素子列(UE41〜UE48)も同様である。これらの第1〜第4の素子列には、駆動電極線DL(DL1〜DL64)が共通接続される。また、第1〜第4の素子列の超音波トランスデューサー素子にはコモン電極線CL1〜CL8が接続される。
そして、図14(A)の超音波トランスデューサー素子群UGが、超音波トランスデューサーデバイスの1チャンネルを構成する。即ち、駆動電極線DLが1チャンネルの駆動電極線に相当し、送信回路からの1チャンネルの送信信号は駆動電極線DLに入力される。また、駆動電極線DLからの1チャンネルの受信信号は駆動電極線DLから出力される。なお、1チャンネルを構成する素子列数は図14(A)のような4列には限定されず、4列よりも少なくてもよいし、4列よりも多くてもよい。例えば図14(B)に示すように、素子列数は1列であってもよい。
図13に示すように、駆動電極線DL1〜DL64(第1〜第nの駆動電極線)は、第1の方向D1に沿って配線される。駆動電極線DL1〜DL64のうちの第j(jは1≦j≦nである整数)の駆動電極線DLj(第jのチャンネル)は、第jの超音波トランスデューサー素子群UGjの超音波トランスデューサー素子が有する第1の電極(例えば下部電極)に接続される。
超音波を出射する送信期間には、送信信号VT1〜VT64が駆動電極線DL1〜DL64を介して超音波トランスデューサー素子に供給される。また、超音波エコー信号を受信する受信期間には、超音波トランスデューサー素子からの受信信号VR1〜VR64が駆動電極線DL1〜DL64を介して出力される。
コモン電極線CL1〜CL8(第1〜第mのコモン電極線)は、第2の方向D2に沿って配線される。超音波トランスデューサー素子が有する第2の電極は、コモン電極線CL1〜CL8のうちのいずれかに接続される。具体的には、例えば図13に示すように、コモン電極線CL1〜CL8のうちの第i(iは1≦i≦mである整数)のコモン電極線CLiは、第i行に配置される超音波トランスデューサー素子が有する第2の電極(例えば上部電極)に接続される。
コモン電極線CL1〜CL8には、コモン電圧VCOMが供給される。このコモン電圧VCOMは一定の直流電圧であればよく、0V、即ちグランド電位(接地電位)でなくてもよい。
そして送信期間では、送信信号電圧とコモン電圧との差の電圧が超音波トランスデューサー素子に印加され、所定の周波数の超音波が放射される。
なお、超音波トランスデューサー素子の配置は、図13に示すマトリックス配置に限定されず、いわゆる千鳥配置等であってもよい。
また図14(A)及び図14(B)では、1つの超音波トランスデューサー素子が送信素子及び受信素子の両方に兼用される場合について示したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば送信素子用の超音波トランスデューサー素子、受信素子用の超音波トランスデューサー素子を別々に設けて、アレイ状に配置してもよい。
以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、超音波測定装置及び超音波画像装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
100 超音波測定装置、101 超音波測定装置本体、110 送受信部、
120 処理部、130 報知情報出力部、200 超音波プローブ、210 ケーブル、
220 プローブヘッド、300 表示部、400 超音波画像装置

Claims (13)

  1. 超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送受信制御を行う送受信部と、
    前記送受信部が受信した受信信号に基づいて、測定対象の表面に対する超音波プローブのプローブ位置の位置ずれ検出処理を行う処理部と、
    前記位置ずれ検出処理の結果に基づいて、報知情報を出力する報知情報出力部と、
    を含み、
    前記処理部は、
    測定期間内の第1のタイミングの第1の受信信号に基づいて、第1の超音波画像を生成し、前記測定期間内の第2のタイミングの第2の受信信号に基づいて、第2の超音波画像を生成し、前記第1の超音波画像及び前記第2の超音波画像における特徴点を検出し、検出した前記特徴点の位置情報に基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミング間における前記プローブ位置の前記位置ずれ検出処理を行い、
    前記報知情報出力部は、
    検出された前記プローブ位置の位置ずれ情報を含む前記報知情報を出力することを特徴とする超音波測定装置。
  2. 請求項1において、
    前記処理部は、
    前記第1の超音波画像における複数の前記特徴点の位置情報と、前記第2の超音波画像における複数の前記特徴点の位置情報とに基づいて、特徴点の時間変位量情報を求め、求めた前記特徴点の時間変位量情報に基づいて、前記プローブ位置の前記位置ずれ検出処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。
  3. 請求項2において、
    前記処理部は、
    前記第1の超音波画像における前記特徴点と、前記第2の超音波画像における前記特徴点との対応付け処理を行い、
    前記第1の超音波画像における第1の特徴点の位置情報と、前記第2の超音波画像において前記第1の特徴点に対応付けられた第3の特徴点の位置情報との差分情報である第1の位置差分情報を求め、
    前記第1の超音波画像における第2の特徴点の位置情報と、前記第2の超音波画像において前記第2の特徴点に対応付けられた第4の特徴点の位置情報との差分情報である第2の位置差分情報を求め、
    前記第1の位置差分情報と前記第2の位置差分情報とに基づいて、前記特徴点の前記時間変位量情報を求めることを特徴とする超音波測定装置。
  4. 請求項2又は3において、
    前記処理部は、
    前記第1の超音波画像における前記特徴点と、前記第2の超音波画像における前記特徴点との対応付け処理を行い、
    前記第1の超音波画像における第1の特徴点と第2の特徴点間の第1の距離情報を求め、
    前記第2の超音波画像において、前記第1の特徴点に対応付けられた第3の特徴点と、前記第2の特徴点に対応付けられた第4の特徴点との間の第2の距離情報を求め、
    前記第1の距離情報と前記第2の距離情報との差分情報に基づいて、前記特徴点の時間変位量情報を求めることを特徴とする超音波測定装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記報知情報出力部は、
    前記測定対象の表面に対する前記プローブ位置の位置ずれ量及び位置ずれ方向の少なくとも一方を表す情報を、前記報知情報として出力することを特徴とする超音波測定装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記報知情報出力部は、
    前記測定対象の表面に対する前記プローブ位置の移動指示量及び移動指示方向の少なくとも一方を表す情報を、前記報知情報として出力することを特徴とする超音波測定装置。
  7. 請求項5又は6において、
    前記報知情報出力部は、
    前記報知情報として、画像情報を出力することを特徴とする超音波測定装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記第1の超音波画像と前記第2の超音波画像とに基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミング間における前記測定対象の表面に対する前記超音波プローブの姿勢ずれ検出処理を行い、
    前記報知情報出力部は、
    検出された前記超音波プローブの姿勢ずれを報知する前記報知情報を出力することを特徴とする超音波測定装置。
  9. 請求項8において、
    前記報知情報出力部は、
    前記測定対象の表面に対する前記超音波プローブの姿勢ずれ量及び姿勢ずれ方向の少なくとも一方を表す画像を、前記報知情報として出力することを特徴とする超音波測定装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記第1の超音波画像を、前記超音波プローブの前記プローブ位置の基準位置を示す基準画像に設定し、前記基準画像における前記プローブ位置と、前記第2の超音波画像における前記プローブ位置との差を、前記プローブ位置の前記位置ずれとして検出することを特徴とする超音波測定装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれかにおいて、
    前記第1の超音波画像と前記第2の超音波画像は、
    1又は複数のフレーム間隔で得られる超音波画像であることを特徴とする超音波測定装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の超音波測定装置と、
    前記報知情報を表示する表示部と、
    を含むことを特徴とする超音波画像装置。
  13. 超音波トランスデューサーデバイスに対して超音波の送受信制御を行い、
    測定期間内の第1のタイミングの第1の受信信号に基づいて、第1の超音波画像を生成し、
    前記測定期間内の第2のタイミングの第2の受信信号に基づいて、第2の超音波画像を生成し、
    前記第1の超音波画像及び前記第2の超音波画像における特徴点を検出し、
    検出した前記特徴点に基づいて、前記第1のタイミングと前記第2のタイミング間における測定対象の表面に対する超音波プローブのプローブ位置の位置ずれ検出処理を行い、
    検出された前記プローブ位置の位置ずれ情報を含む報知情報を出力することを特徴とする超音波測定装置の制御方法。
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