JP2014226186A - 超音波測定装置及び超音波測定装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 適正な測定状態を音でユーザーに報知して、ユーザーの操作性や利便性を向上できる超音波測定装置及び超音波測定装置の制御方法の提供。【解決手段】 超音波測定装置は、走査面に沿ってスキャンしながら超音波ビームを送信すると共に、超音波ビームによる超音波エコーを受信する超音波トランスデューサーデバイス20と、超音波トランスデューサーデバイス20からの受信信号に基づいて処理を行う処理部120と、音を出力する音出力部130と、を含む。そして、音出力部130は、測定箇所表面に対する超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向に応じて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つが変化する音を出力する。【選択図】 図1
Description
本発明は、超音波測定装置及び超音波測定装置の制御方法等に関係する。
対象物に向けて超音波を出射し、対象物内部における音響インピーダンスの異なる界面からの反射波を受信する装置として、例えば被検体である人体の内部を検査するための超音波測定装置が知られている。そして、一般的な超音波測定装置では、超音波プローブと、測定結果を表示する表示部とは、別筺体で構成されている。
一方、超音波測定装置の応用例として、内臓脂肪の測定や血流量の測定など、被検体の表層の画像診断を行うヘルスケア分野への展開が期待されている。このようなヘルスケア分野では、超音波プローブと表示部とを一体化して装置のコンパクト化を図ることが望まれる。
ここで、ユーザーが自ら超音波プローブをその体に当てて、生体情報を測定するシーンを想定する。すると、測定箇所によっては、ユーザーが表示部の画面を見ることが出来ない状態で、超音波プローブを体に当てて測定を行う必要がある。このため、超音波ビームの走査面の方向が理想的な方向とずれてしまい、正しい測定結果を得ることができないおそれがある。これは、例えば表示部が一体に設けられた超音波測定装置において大きな問題となる。また、表示部が一体となっていない超音波測定装置においても、適切な測定のために表示部の画像を操作者が注視しながら、超音波ビームの走査面の方向等の測定状態が適切になるように調整する必要があり、測定操作が簡単ではなかったという問題がある。なお、超音波測定装置の従来技術としては例えば特許文献1等に開示される技術がある。
本発明の幾つかの態様によれば、適正な測定状態を音でユーザーに報知して、ユーザーの操作性や利便性を向上できる超音波測定装置及び超音波測定装置の制御方法等を提供することができる。
本発明の一態様は、走査面に沿ってスキャンしながら超音波ビームを送信すると共に、前記超音波ビームによる超音波エコーを受信する超音波トランスデューサーデバイスと、前記超音波トランスデューサーデバイスからの受信信号に基づいて処理を行う処理部と、音を出力する音出力部と、を含み、前記音出力部は、測定箇所表面に対する前記超音波トランスデューサーデバイスの前記走査面の方向に応じて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つが変化する音を出力する超音波測定装置に関係する。
本発明の一態様では、測定箇所表面に対する超音波トランスデューサーデバイスの走査面の方向が変わった場合に、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つが異なる音を出力して、適正な測定状態である否かを音でユーザーに報知する。
よって、ユーザーの操作性や利便性を向上することが可能となる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記受信信号に基づいて得られるAモード波形データの振幅に基づいて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つを変化させる処理を行ってもよい。
これにより、超音波トランスデューサーデバイスの走査面の方向に応じて音を変化させること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記測定箇所表面に対する前記超音波トランスデューサーデバイスの前記走査面の方向が、第1の方向〜第K(Kは2以上の整数)の方向のうちの第L(1≦L≦K)の方向である時のAモード波形データ群を、前記受信信号に基づいて取得し、前記第Lの方向での前記Aモード波形データ群に基づいて、前記Aモード波形データの振幅を求め、求めた前記振幅に基づいて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つを設定する処理を行ってもよい。
これにより、出力される音によって、超音波トランスデューサーデバイスの走査面が向く方向をユーザーが判断すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記受信信号に基づいて得られるAモード波形データの振幅に基づいて、音生成部からの音に対して、AM変調又はFM変調を行い、前記音出力部は、前記AM変調又は前記FM変調後の音を出力してもよい。
これにより、Aモード波形データの振幅に応じて連続的に変化する音を出力すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記測定箇所表面に対する前記超音波トランスデューサーデバイスの前記走査面の方向が、第1の方向〜第K(Kは2以上の整数)の方向のうちの第L(1≦L≦K)の方向である時のAモード波形データ群を、前記受信信号に基づいて取得し、前記第Lの方向での前記Aモード波形データ群に基づいて、前記Aモード波形データの振幅を求め、求めた前記振幅に基づいて、前記音生成部からの音に対して、前記AM変調又は前記FM変調を行ってもよい。
これにより、出力される音によって、超音波トランスデューサーデバイスの走査面が向く方向をユーザーが判断すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第Lの方向での前記Aモード波形データ群の平均化処理又は前記第Lの方向での前記Aモード波形データ群からの代表Aモード波形データの選択処理を行うことで、前記Aモード波形データを求めてもよい。
これにより、第LのAモード波形データの振幅を算出すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記走査面が前記測定箇所表面に対して垂直な面に近付くにつれて、音量を大きくする処理、音の出力間隔を速くする処理、音の周波数を高くする処理、及び音パターンを変更する処理のうちの少なくとも一つの処理を行ってもよい。
これにより、例えば、音量が大きくなるほど、若しくは音の出力間隔が速くなるほど、又は音の周波数が高くなるほど、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いたとユーザーが判断すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記音出力部は、前記受信信号に基づいて得られるAモード波形の振幅が所与の閾値未満の場合には、音を非出力とし、前記振幅が前記所与の閾値以上の場合に、音の出力を開始してもよい。
これにより、音が出力されなくなった時に、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いたとユーザーが判断すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記走査面が前記測定箇所表面に対して垂直な面に近付くにつれて、音量を小さくする処理、音の出力間隔を遅くする処理、音の周波数を低くする処理、及び音パターンを変更する処理のうちの少なくとも一つの処理を行ってもよい。
これにより、例えば、音量が小さくなるほど、若しくは音の出力間隔が遅くなるほど、又は音の周波数が低くなるほど、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いたとユーザーが判断すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様では、走査面に沿ってスキャンしながら超音波ビームを送信すると共に、前記超音波ビームによる超音波エコーを受信する超音波トランスデューサーデバイスからの受信信号に基づいて処理を行い、音を出力する超音波測定装置の制御方法であって、測定箇所表面に対する前記超音波トランスデューサーデバイスの前記走査面の方向に応じて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つが異なる音を出力する超音波測定装置の制御方法に関係する。
以下、本実施形態について説明する。まず、本実施形態の概要を説明し、次に本実施形態のシステム構成例について説明する。そして、本実施形態の手法について具体例を交えつつ詳細に説明し、超音波トランスデューサー素子及び超音波トランスデューサーデバイスの構成例について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.概要
超音波測定装置の超音波プローブを被検体の体に当てて、被検体の内臓脂肪や血流量の測定などを行うシーンを想定する。この場合に、正確な測定結果を得るためには、超音波プローブを測定箇所表面に対して垂直に当てた状態を保つ必要があるが、測定箇所によっては、ユーザーが表示部の画面を見ることが出来ない状態で、超音波プローブを体に当てて測定を行うこともある。このため、超音波ビームの走査面の方向が理想的な方向とずれてしまい、正しい測定結果を得ることができないおそれがある。これは、表示部が一体に設けられた超音波測定装置においても大きな問題となる。また、表示部が一体となっていない超音波測定装置においても、適切な測定のために表示部の画像を操作者が注視しながら、超音波ビームの走査面の方向等の測定状態が適切になるように調整する必要があり、測定操作が簡単ではなかったという問題がある。さらに、ノンエキスパートが自ら測定を行う場合には、超音波プローブの姿勢を保つことは尚更容易ではない。
超音波測定装置の超音波プローブを被検体の体に当てて、被検体の内臓脂肪や血流量の測定などを行うシーンを想定する。この場合に、正確な測定結果を得るためには、超音波プローブを測定箇所表面に対して垂直に当てた状態を保つ必要があるが、測定箇所によっては、ユーザーが表示部の画面を見ることが出来ない状態で、超音波プローブを体に当てて測定を行うこともある。このため、超音波ビームの走査面の方向が理想的な方向とずれてしまい、正しい測定結果を得ることができないおそれがある。これは、表示部が一体に設けられた超音波測定装置においても大きな問題となる。また、表示部が一体となっていない超音波測定装置においても、適切な測定のために表示部の画像を操作者が注視しながら、超音波ビームの走査面の方向等の測定状態が適切になるように調整する必要があり、測定操作が簡単ではなかったという問題がある。さらに、ノンエキスパートが自ら測定を行う場合には、超音波プローブの姿勢を保つことは尚更容易ではない。
そこで、本実施形態の超音波測定装置及び超音波測定装置の制御方法等は、適正な測定状態を音でユーザーに報知して、ユーザーの操作性や利便性を向上させる。例えば、超音波プローブの姿勢が理想的な姿勢から離れれば離れるほど、大きな音を出力したり、逆に、超音波プローブの姿勢が理想的な姿勢になった時に、メロディを出力したりする処理などを行う。さらに詳細な処理の内容については、後述する。
2.システム構成例
次に、本実施形態の超音波測定装置の構成例を図1に示す。
次に、本実施形態の超音波測定装置の構成例を図1に示す。
超音波測定装置は、超音波プローブ200と、送受信部110と、処理部120と、音出力部130と、表示部300と、を含む。そして、超音波プローブ200は、超音波トランスデューサーデバイス20を含む。なお、超音波測定装置は、図1の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加したりするなどの種々の変形実施が可能である。例えば、超音波測定装置は、設定値等を入力するためのユーザインターフェース部(操作部)や記憶部等を含んでいても良い。また、本実施形態の超音波測定装置の一部又は全部の機能は、通信により接続されたサーバーにより実現されてもよい。
次に各部で行われる処理について説明する。
まず、送受信部110は、超音波トランスデューサーデバイス20に対して超音波の送受信制御を行う。例えば送受信部110は、送信パルス発生器と、送信遅延回路と、送受信切替スイッチと、受信遅延回路と、フィルター回路と、メモリと、A/D変換回路等を含む。
具体的に、送信パルス発生器(パルサー回路)は、送信パルス電圧を印加させ、超音波プローブ200を駆動させる。
また、送信遅延回路は、送波ビームをフォーカシングする。そのために、送信遅延回路は、送信パルス電圧の印加タイミングに関して、チャンネル間で時間差を与え、複数の振動素子から発生した超音波を集束させる。このように、遅延時間を変化させることにより、焦点距離を任意に変化させることが可能である。
また、送受信切替スイッチは、超音波の送受信の切り替え処理を行う。送受信切替スイッチは、送信時の振幅パルスが受信回路に入力されないように保護し、受信時の信号を受信回路に通す。
受信遅延回路は、受波ビームをフォーカシングする。ある反射体からの反射波は球面上に広がるため、受信遅延回路は、各振動子に到達する時間が同じになるように遅延時間を与え、遅延時間を考慮して反射波を加算する。
そして、フィルター回路は、受信信号に対して帯域通過フィルターによりフィルター処理を行い、雑音を除去する。
また、メモリは、フィルター回路から出力された受信信号を記憶するもので、その機能はRAM等のメモリやHDDなどにより実現できる。
そして、超音波トランスデューサーデバイス20は、走査面に沿って対象物をスキャンしながら、対象物に対して超音波ビームを送信すると共に、超音波ビームによる超音波エコーを受信する。圧電素子を用いるタイプを例にとれば、超音波トランスデューサーデバイス20は、複数の超音波トランスデューサー素子(超音波素子アレイ)と、複数の開口がアレイ状に配置された基板とを有する。そして、超音波トランスデューサー素子としては、薄手の圧電素子と金属板(振動膜)を貼り合わせたモノモルフ(ユニモルフ)構造を用いたものを用いる。超音波トランスデューサー素子(振動素子)は、電気的な振動を機械的な振動に変換するものであるが、この場合には、圧電素子が面内で伸び縮みすると貼り合わせた金属板(振動膜)の寸法はそのままであるため反りが生じる。
また、超音波トランスデューサーデバイス20では、近隣に配置された数個の超音波トランスデューサー素子で一つのチャンネルを構成し、1回に複数のチャンネルを駆動しながら、超音波ビームを順次移動させるものであってもよい。
なお、超音波トランスデューサーデバイス20としては、圧電素子(薄膜圧電素子)を用いるタイプのトランスデューサーを採用できるが、本実施形態はこれに限定されない。例えばc‐MUT(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers)などの容量性素子を用いるタイプのトランスデューサーを採用してもよいし、バルクタイプのトランスデューサーを採用してもよい。超音波トランスデューサー素子及び超音波トランスデューサーデバイス20のさらに詳細な説明については、後述する。
次に、処理部120は、超音波トランスデューサーデバイス20からの受信信号に基づいて処理を行う。例えば、処理部120は、受信信号に基づいて、超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向が所与の方向に対して傾いているか否か等の検出処理を行う。
他にも、処理部120は、超音波の受信信号の振幅を主として解析して、被検体の内部構造を画像化したB(Brightness)モード画像(断層画像)のデータを生成し、生成したBモード画像データに基づいて、生体組織の解析処理等を行ってもよい。Bモード画像データとは、超音波のA(Amplitude)モード波形における振幅を点の明るさ(輝度)として表した画像データのことをいう。このようなBモード画像データを生成する場合には、処理部120は、例えば検波処理部と、対数変換処理部と、ゲイン・ダイナミックレンジ調整部と、STC(Sensitivity Time Control)と、DSC(Digital Scan Converter)と、を含む。
そして、検波処理部は、受信信号に対して絶対値(整流)処理を行った後に、低域通過フィルターをかけて、非変調信号を抽出する。
次に、対数変換処理部は、非変調信号に対してLog圧縮を行い、受信信号の信号強度の最大部分と最小部分を同時に確認しやすいように、表現形式を変換する。
そして、ゲイン・ダイナミックレンジ調整部は、信号強度及び関心領域を調整する。具体的に、ゲイン調整処理では、Log圧縮後の信号に対して、直流成分を加える。また、ダイナミックレンジ調整処理では、Log圧縮後の信号に対して、任意の数を乗算する。
さらに、STCは、生体組織での深さに応じて信号の増幅度(明るさ)を補正し、画面全体で一様な明るさの画像を取得する。
そして、DSCは、走査変換処理を行って、Bモード画像データを生成する。例えば、DSCは、バイリニアなどの補間処理により、ライン信号を画像信号に変換する。
なお、処理部120の機能は、各種プロセッサー(CPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
そして、音出力部130は、処理部120の検出処理の結果に基づいて、音を出力する。
さらに、表示部300は、処理部120の解析処理の結果に基づいて、Bモード画像を表示する。なお、表示部300は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、電子ペーパーなどにより実現できる。
ここで、本実施形態の超音波測定装置(広義には電子機器)の具体的な機器構成の例を図2(A)〜図2(C)に示す。図2(A)はハンディタイプの超音波測定装置の例であり、図2(B)は据置タイプの超音波測定装置の例である。図2(C)は超音波プローブ200が本体に内蔵された一体型の超音波測定装置の例である。
図2(A)、図2(B)の超音波測定装置は、超音波プローブ200と超音波測定装置本体101(広義には電子機器本体)を含み、超音波プローブ200と超音波測定装置本体101はケーブル210により接続される。また、超音波プローブ200の先端部分には、プローブヘッド220が設けられており、超音波測定装置本体101には、画像を表示する表示部300が設けられている。図2(C)では、表示部300を有する超音波測定装置に超音波プローブ200が内蔵されている。図2(C)の場合、超音波測定装置は、例えばスマートフォンなどの汎用の携帯情報端末により実現できる。
3.本実施形態の手法
まず、本実施形態の測定対象の一例として、被検体(人間)の腹部(腹直筋)を図3(A)に示し、その際の被検体の腹部の断面図(エコー画像)を図3(B)に示す。図3(A)のように、超音波プローブPBを腹部に押し付けた場合には、図3(B)に示す測定領域EAの生体組織の解析処理が行われる。
まず、本実施形態の測定対象の一例として、被検体(人間)の腹部(腹直筋)を図3(A)に示し、その際の被検体の腹部の断面図(エコー画像)を図3(B)に示す。図3(A)のように、超音波プローブPBを腹部に押し付けた場合には、図3(B)に示す測定領域EAの生体組織の解析処理が行われる。
次に、本実施形態の手法について説明する。
本実施形態の超音波測定装置は、走査面に沿ってスキャンしながら超音波ビームを送信すると共に、超音波ビームによる超音波エコーを受信する超音波トランスデューサーデバイス20と、超音波トランスデューサーデバイス20からの受信信号に基づいて処理を行う処理部120と、音を出力する音出力部130と、を含む。そして、音出力部130は、測定箇所表面に対する超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向に応じて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つが変化する音を出力する。
このように、本実施形態では、測定箇所表面に対する超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向が変わった場合に、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つが異なる音を出力して、適正な測定状態である否かを音でユーザーに報知する。
例えば図2(A)、図2(C)のようなハンディタイプの超音波測定装置等では特に、ユーザーが表示部300の画面を見ながら、適正な走査面の方向を模索して測定を行うことが難しいという問題がある。
この点、本実施形態の手法によれば、ユーザーが表示部300の画面を確認しなくても、音で適正な測定状態である否かを判断できるため、上記のような問題を解消し、ユーザーの操作性や利便性を向上することが可能となる。
また、本実施形態の超音波測定装置は、前述したように表示部300を有している。そして、超音波の画像表示方法は数種類あり、超音波の受信信号における振幅を輝度に変換して2次元画像として表示するBモードと呼ばれる方法と、超音波の振幅をグラフとして描くAモードと呼ばれる方法がある。具体的に、Bモード画像の一例を図4(A)に示し、Aモード波形の一例を図4(B)に示す。図4(A)のBモード画像では、縦軸が被検体の表層面からの深さ方向となっている。例えば骨や組織境界のように超音波の反射率が高い生体組織は、高い輝度である白色で描かれる。一方、超音波の反射率が低い生体組織は、低い輝度である黒色で描かれる。このBモード画像は、Aモード波形データの振幅を輝度に変換すること生成できる。一方で、図4(B)のAモード波形は、図4(A)のBモード画像中の破線L1部分の輝度値を表しており、縦軸は表層面からの深さ方向の距離を表す。なお、前述したように、一般的なAモード波形の横軸は、受信信号の振幅強度を表すが、図4(B)の例では振幅を輝度値に変換した値を用いている。
そして、骨や組織境界等の特定の生体組織に対応するピーク波形の振幅は、測定箇所表面(体の表面)に対する超音波ビームの走査面の方向(走査面と測定箇所表面とのなす角度)に応じて変化する。
そこで、処理部120は、受信信号に基づいて得られるAモード波形データの振幅に基づいて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つを変化させる処理を行ってもよい。
これにより、Aモード波形データの振幅に基づいて音を変化させる処理を行うことで、超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向に応じて音を変化させること等が可能になる。
より具体的に説明すると、処理部120は、測定箇所表面に対する超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向が、第1の方向〜第K(Kは2以上の整数)の方向のうちの第L(1≦L≦K)の方向である時のAモード波形データ群を、受信信号に基づいて取得し、第Lの方向でのAモード波形データ群に基づいて、Aモード波形データの振幅を求め、求めた振幅に基づいて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つを設定する処理を行ってもよい。
例えば図5のB1、B2、B3では、測定箇所表面に対する超音波ビームの走査面の方向を変化させることで得られる複数のAモード波形データが取得されている。例えばB1、B2、B3では、各々、走査面の方向が第1の方向DR1、第2の方向DR2、第3の方向DR3である場合のAモード波形データが取得されている。すなわち、K=3の例である。
このとき、方向DR1、DR2は、測定箇所の体の表面に対して垂直な方向ではなく、適正な走査面の方向となっていない。このため、B1、B2のAモード波形データでは、骨に対応する注目ピーク波形での振幅が小さくなっている。
一方、方向DR3は、測定箇所の体の表面に対して垂直(略垂直)な方向になっており、適正な走査面の方向となっている。このため、B3のAモード波形データでは、骨に対応する注目ピーク波形での振幅が、B1、B2のAモード波形データでの振幅よりも大きくなっており、最大となっている。即ち、超音波ビームの走査面の方向が適正である場合には、注目ピーク波形の振幅も大きくなる。
そして、L=1である時と、L=2である時と、L=3である時のそれぞれにおいて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つを設定する処理を行う。つまり、L=1である時と、L=2である時と、L=3である時とにおいて、それぞれ異なる音を出力することができる。なお、一度の超音波測定において、L=1〜Kの全ての場合について連続して測定処理と音の設定処理を行わなければならない訳ではなく、L=1〜Kのうちのいずれかの場合についてのみ測定処理と音の設定処理を行ってもよい。
これにより、出力される音によって、超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向がどの方向を向いているかをユーザーが判断すること等が可能になる。
さて、図5のBモード画像は、図6(A)のリニアスキャン方式で生成された画像の例である。なお、Bモード画像やAモード波形データの生成・取得手法は、これに限定されず、図6(B)のようなセクタースキャン方式であってもよい。
図6(A)のリニアスキャン方式では、例えば、超音波の送受信の1チャンネルごとにシフトしながらAモード波形データが取得され、例えば1回分のリニアスキャンで取得されたAモード波形データ群の振幅を輝度に変換することで、Bモード画像が生成される。この場合に、図5のB1〜B3で説明した各Aモード波形データは、例えば1回分のリニアスキャンで取得されたAモード波形データ群の平均化処理により求めることができる。即ち、Aモード波形データ群のAモード波形データの各深度での各振幅の平均化処理を行うことで、B1〜B3の各Aモード波形データを求める。或いは、1回分のリニアスキャンで取得されたAモード波形データ群の中から代表Aモード波形データ(例えばリニアスキャンにおける中央付近のAモード波形データ)を選択し、B1〜B3の各Aモード波形データとして、この代表Aモード波形データを用いてもよい。
本実施形態のAモード波形データ群は、例えば、このような1回分のスキャンで取得される複数のAモード波形データにより構成される群である。これらの複数のAモード波形データに対する平均化処理や選択処理を行うことで、各Aモード波形データ群(第1〜第Kの各Aモード波形データ群)に対応する各Aモード波形データ(第1〜第Kの各Aモード波形データ)が求められる。
なお、図6(A)、図6(B)において、超音波トランスデューサーデバイス20の走査面とは、各スキャンにおいて送信される超音波ビームBM1〜BMjが沿う面であり、図6(A)、図6(B)の紙面に平行な面である。
また、図6(A)のリニアスキャンでは、選択されたチャンネル(例えばチャンネルCH1〜CH8)の幅に対応する出射幅WSの超音波ビームが超音波トランスデューサーデバイス20から出射される。図6(B)のセクタースキャンでは、ライン状のデバイス幅全体(或いはセクタースキャンの対象チャンネルの幅)にわたる出射幅WSの超音波ビームが超音波トランスデューサーデバイス20から出射される。そして、図6(C)に示すように、送信信号の遅延制御や音響レンズ等により、スキャン方向での幅がフォーカス点FPにおいて集束するように超音波ビームの送信フォーカス制御が行われる。
以上のように、処理部120は、第Lの方向でのAモード波形データ群の平均化処理又は第Lの方向でのAモード波形データ群からの代表Aモード波形データの選択処理を行うことで、Aモード波形データを求めてもよい。
これにより、第LのAモード波形データの振幅を算出すること等が可能になる。
また、処理部120は、受信信号に基づいて得られるBモード画像の輝度値に基づいて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つを変化させる処理を行ってもよい。
また、出力される音は、Aモード波形データの振幅に応じて連続的に変化する音であってもよい。
そこで、処理部120は、受信信号に基づいて得られるAモード波形データの振幅に基づいて、音生成部からの音に対して、AM変調又はFM変調を行い、音出力部130は、AM変調又はFM変調後の音を出力してもよい。
なお、音生成部は、本実施形態の超音波測定装置に設けられていてもよいし、外部に設けられていても良い。
これにより、Aモード波形データの振幅に応じて連続的に変化する音を出力すること等が可能になる。
より具体的に説明すると、処理部120は、測定箇所表面に対する超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向が、第1の方向〜第K(Kは2以上の整数)の方向のうちの第L(1≦L≦K)の方向である時のAモード波形データ群を、受信信号に基づいて取得し、第Lの方向でのAモード波形データ群に基づいて、Aモード波形データの振幅を求め、求めた振幅に基づいて、音生成部からの音に対して、AM変調又はFM変調を行ってもよい。
これにより、出力される音によって、超音波トランスデューサーデバイス20の走査面の方向がどの方向を向いているかをユーザーが判断すること等が可能になる。
また、処理部120は、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付くにつれて、音量を大きくする処理、音の出力間隔を速くする処理、音の周波数を高くする処理、及び音パターンを変更する処理のうちの少なくとも一つの処理を行ってもよい。
例えば、図7のように、測定箇所表面に対して垂直な方向と、走査面の方向がずれているDR1とDR2の場合には、音を出力せず、測定箇所表面に対して垂直な方向と、走査面の方向が一致しているDR3の場合には、メロディMDを出力してもよい。
これにより、例えば、音量が大きくなるほど、若しくは音の出力間隔が速くなるほど、又は音の周波数が高くなるほど、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いたとユーザーが判断すること等が可能になる。さらに、所与のパターンの音が鳴った時に、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いたとユーザーが判断すること等が可能になる。
また逆に、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いた時に、出力していた音を非出力にしてもよい。
すなわち、音出力部130は、受信信号に基づいて得られるAモード波形の振幅が所与の閾値未満の場合には、音を非出力とし、振幅が所与の閾値以上の場合に、音の出力を開始してもよい。
これにより、音が出力されなくなった時に、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いたとユーザーが判断すること等が可能になる。
さらに、処理部120は、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付くにつれて、音量を小さくする処理、音の出力間隔を遅くする処理、音の周波数を低くする処理、及び音パターンを変更する処理のうちの少なくとも一つの処理を行ってもよい。
例えば、図8のように、測定箇所表面に対して垂直な方向と、走査面の方向がずれているDR1とDR2の場合には、音(SD1及びSD2)を出力し、測定箇所表面に対して垂直な方向と、走査面の方向が一致しているDR3の場合には、音を非出力にしてもよい。
これにより、例えば、音量が小さくなるほど、若しくは音の出力間隔が遅くなるほど、又は音の周波数が低くなるほど、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いたとユーザーが判断すること等が可能になる。さらに、所与のパターンの音が鳴らなくなった時に、走査面が測定箇所表面に対して垂直な面に近付いたとユーザーが判断すること等が可能になる。
以下では、図9のフローチャートを用いて、本実施形態の処理の流れについて説明する。
まず、被検体表面の測定部位に超音波プローブを接触させ、超音波プローブに設けられた圧力センサーから押し圧データを取得し(S101)、押し圧を検出する(S102)。
そして、適正な押し圧か否かを判定し(S103)、適正な押し圧であると判定した場合には、アラーム音を出力する(S104)。適正な押し圧は、例えば筋肉や脂肪の量、被検体表面の硬さ等により、測定部位毎に異なる。そのため、測定部位毎の適正押し圧をあらかじめ記憶しておき、測定部位に対応する適正押し圧を読み出すことで、測定部位に適した測定が可能になる。測定部位の他にも、年齢、性別、人種などによって異なる適正押し圧を記憶しておき、これを用いても良い。他にも、被検体の体型(筋肉質、普通、太めなど)ごとに適正押し圧を記憶しておいてもよい。
一方で、適正な押し圧ではないと判定した場合には、アラーム音が出力されないため、アラーム音が出力されるまで、ユーザーが押し圧を調整し、その間、押し圧の検出処理を繰り返す(S102)。
そして、適正な押し圧になった時点で、前述したリニアスキャンを行う。まず、走査線番号nの初期値を1に設定する(S105)。次に、超音波パルスを送信し(S106)、送信した超音波パルスに対する超音波エコーを受信する(S107)。そして、超音波エコーの受信信号に基づいて、Aモード波形データを生成し(S108)、生成したAモード波形データに基づいて、音生成部が生成した音に対してAM変調(又はFM変調)を行い(S109)、AM変調(又はFM変調)後の音データを増幅し(S110)、増幅された音を出力する(S111)。
そして、Aモード波形データを記憶し(S112)、走査線番号nがn<N(Nは走査線数)であるか否かを判定する(S113)。n<Nであると判定した場合には、走査線番号nを更新(nに1を加算)して(S114)、ステップS106から処理を繰り返す。
一方で、n≧Nであると判定した場合には、リニアスキャンを終了し、記憶したAモード波形データ群に基づいてBモード画像を生成し(S115)、Aモード波形データ及びBモード画像を表示部に表示する(S116)。
また、この間、ステップS111で出力された音は鳴り続けており、出力されている音を聞いたユーザーが、超音波プローブが最適な傾きになるように向きを調整し、最適な傾きになった時点で、表示部に表示されているAモード波形データ及びBモード画像をホールドする。そして、Aモード波形データ及びBモード画像がホールドされたか否かを判定し(S117)、Aモード波形データ及びBモード画像がホールドされたと判定した場合には、処理を終了する。
一方で、Aモード波形データ及びBモード画像がホールドされなかったと判定した場合には、ステップS105の処理に戻る。そして、Aモード波形データ及びBモード画像がホールドされるまで、ステップS105〜S116までの処理を繰り返し、超音波プローブが適正な傾きの時に得られるAモード波形データ及びBモード画像が表示されるまで処理を続ける。
これにより、ユーザーは出力される音により、超音波プローブの傾きが測定に最適か否かを判断しながら、超音波プローブを調整して、超音波プローブの傾きが測定に最適な状態である時に取得されたAモード波形データ及びBモード画像を確認することが可能になる。
また、以上では人体の脂肪厚や筋厚の測定時に本実施形態の手法を適用した場合について説明したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば肉牛や豚などの畜産物の出荷時期の確認や肉質の確認時に本実施形態の手法を適用してもよい。例えば肉牛の肉質(脂肪交雑)の判定時に、本実施形態の手法を適用してもよい。
なお、本実施形態の超音波測定装置等は、その処理の一部または大部分をプログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサーがプログラムを実行することで、本実施形態の超音波測定装置等が実現される。具体的には、情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサーが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリー(カード型メモリー、ROM等)などにより実現できる。そして、CPU等のプロセッサーは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち、情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピューター(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。
4.超音波トランスデューサー素子
図10(A)〜図10(C)に、超音波トランスデューサーデバイス20の超音波トランスデューサー素子10の構成例を示す。この超音波トランスデューサー素子10は、振動膜(メンブレン、支持部材)50と圧電素子部とを有する。圧電素子部は、第1電極層(下部電極)21、圧電体層(圧電体膜)30、第2電極層(上部電極)22を有する。
図10(A)〜図10(C)に、超音波トランスデューサーデバイス20の超音波トランスデューサー素子10の構成例を示す。この超音波トランスデューサー素子10は、振動膜(メンブレン、支持部材)50と圧電素子部とを有する。圧電素子部は、第1電極層(下部電極)21、圧電体層(圧電体膜)30、第2電極層(上部電極)22を有する。
図10(A)は、基板(シリコン基板)60に形成された超音波トランスデューサー素子10の、素子形成面側の基板60に垂直な方向から見た平面図である。図10(B)は、図10(A)のA−A’に沿った断面を示す断面図である。図10(C)は、図10(A)のB−B’に沿った断面を示す断面図である。
第1電極層21は、振動膜50の上層に例えば金属薄膜で形成される。この第1電極層21は、図10(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子10に接続される配線であってもよい。
圧電体層30は、例えばPZT(ジルコン酸チタン酸鉛)薄膜により形成され、第1電極層21の少なくとも一部を覆うように設けられる。なお、圧電体層30の材料は、PZTに限定されるものではなく、例えばチタン酸鉛(PbTiO3)、ジルコン酸鉛(PbZrO3)、チタン酸鉛ランタン((Pb、La)TiO3)などを用いてもよい。
第2電極層22は、例えば金属薄膜で形成され、圧電体層30の少なくとも一部を覆うように設けられる。この第2電極層22は、図10(A)に示すように素子形成領域の外側へ延長され、隣接する超音波トランスデューサー素子10に接続される配線であってもよい。
振動膜(メンブレン)50は、例えばSiO2薄膜とZrO2薄膜との2層構造により開口40を塞ぐように設けられる。この振動膜50は、圧電体層30及び第1、第2電極層21、22を支持すると共に、圧電体層30の伸縮に従って振動し、超音波を発生させることができる。
開口(空洞領域)40は、シリコン基板60の裏面(素子が形成されない面)側から反応性イオンエッチング(RIE: Reactive Ion Etching)等によりエッチングすることで形成される。この空洞領域40の形成によって振動可能になった振動膜50のサイズによって超音波の共振周波数が決定され、その超音波は圧電体層30側(図10(A)において紙面奥から手前方向)に放射される。
超音波トランスデューサー素子10の下部電極(第1電極)は、第1電極層21により形成され、上部電極(第2電極)は、第2電極層22により形成される。具体的には、第1電極層21のうちの圧電体層30に覆われた部分が下部電極を形成し、第2電極層22のうちの圧電体層30を覆う部分が上部電極を形成する。即ち、圧電体層30は、下部電極と上部電極に挟まれて設けられる。
5.超音波トランスデューサーデバイス
図11に、超音波トランスデューサーデバイス20(素子チップ)の構成例を示す。本構成例の超音波トランスデューサーデバイス20は、複数の超音波トランスデューサー素子群UG1〜UG64、駆動電極線DL1〜DL64(広義には第1〜第nの駆動電極線。nは2以上の整数)、コモン電極線CL1〜CL8(広義には第1〜第mのコモン電極線。mは2以上の整数)を含む。なお、駆動電極線の本数(n)やコモン電極線の本数(m)は、図11に示す本数には限定されない。
図11に、超音波トランスデューサーデバイス20(素子チップ)の構成例を示す。本構成例の超音波トランスデューサーデバイス20は、複数の超音波トランスデューサー素子群UG1〜UG64、駆動電極線DL1〜DL64(広義には第1〜第nの駆動電極線。nは2以上の整数)、コモン電極線CL1〜CL8(広義には第1〜第mのコモン電極線。mは2以上の整数)を含む。なお、駆動電極線の本数(n)やコモン電極線の本数(m)は、図11に示す本数には限定されない。
複数の超音波トランスデューサー素子群UG1〜UG64は、第2の方向D2(スキャン方向)に沿って64列に配置される。UG1〜UG64の各超音波トランスデューサー素子群は、第1の方向D1(スライス方向)に沿って配置される複数の超音波トランスデューサー素子を有する。
図12(A)に、超音波トランスデューサー素子群UG(UG1〜UG64)の例を示す。図12(A)では、超音波トランスデューサー素子群UGは第1〜第4の素子列により構成される。第1の素子列は、第1の方向D1に沿って配置される超音波トランスデューサー素子UE11〜UE18により構成され、第2の素子列は、第1の方向D1に沿って配置される超音波トランスデューサー素子UE21〜UE28により構成される。第3の素子列(UE31〜UE38)、第4の素子列(UE41〜UE48)も同様である。これらの第1〜第4の素子列には、駆動電極線DL(DL1〜DL64)が共通接続される。また、第1〜第4の素子列の超音波トランスデューサー素子にはコモン電極線CL1〜CL8が接続される。
そして、図12(A)の超音波トランスデューサー素子群UGが、超音波トランスデューサーデバイスの1チャンネルを構成する。即ち、駆動電極線DLが1チャンネルの駆動電極線に相当し、送信回路からの1チャンネルの送信信号は駆動電極線DLに入力される。また駆動電極線DLからの1チャンネルの受信信号は駆動電極線DLから出力される。なお、1チャンネルを構成する素子列数は図12(A)のような4列には限定されず、4列よりも少なくてもよいし、4列よりも多くてもよい。例えば図12(B)に示すように、素子列数は1列であってもよい。
図11に示すように、駆動電極線DL1〜DL64(第1〜第nの駆動電極線)は、第1の方向D1に沿って配線される。駆動電極線DL1〜DL64のうちの第j(jは1≦j≦nである整数)の駆動電極線DLj(第jのチャンネル)は、第jの超音波トランスデューサー素子群UGjの超音波トランスデューサー素子が有する第1の電極(例えば下部電極)に接続される。
超音波を出射する送信期間には、送信信号VT1〜VT64が駆動電極線DL1〜DL64を介して超音波トランスデューサー素子に供給される。また、超音波エコー信号を受信する受信期間には、超音波トランスデューサー素子からの受信信号VR1〜VR64が駆動電極線DL1〜DL64を介して出力される。
コモン電極線CL1〜CL8(第1〜第mのコモン電極線)は、第2の方向D2に沿って配線される。超音波トランスデューサー素子が有する第2の電極は、コモン電極線CL1〜CL8のうちのいずれかに接続される。具体的には、例えば図11に示すように、コモン電極線CL1〜CL8のうちの第i(iは1≦i≦mである整数)のコモン電極線CLiは、第i行に配置される超音波トランスデューサー素子が有する第2の電極(例えば上部電極)に接続される。
コモン電極線CL1〜CL8には、コモン電圧VCOMが供給される。このコモン電圧VCOMは一定の直流電圧であればよく、0V、即ちグランド電位(接地電位)でなくてもよい。
そして、送信期間では、送信信号電圧とコモン電圧との差の電圧が超音波トランスデューサー素子に印加され、所定の周波数の超音波が放射される。
なお、超音波トランスデューサー素子の配置は、図11に示すマトリックス配置に限定されず、いわゆる千鳥配置等であってもよい。
また、図10(A)〜図12(B)では、1つの超音波トランスデューサー素子が送信素子及び受信素子の両方に兼用される場合について示したが、本実施形態はこれに限定されない。例えば送信素子用の超音波トランスデューサー素子、受信素子用の超音波トランスデューサー素子を別々に設けて、アレイ状に配置してもよい。
以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、超音波測定装置の構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
20 超音波トランスデューサーデバイス、110 送受信部、120 処理部、
130 音出力部、200 超音波プローブ、300 表示部
130 音出力部、200 超音波プローブ、300 表示部
Claims (10)
- 走査面に沿ってスキャンしながら超音波ビームを送信すると共に、前記超音波ビームによる超音波エコーを受信する超音波トランスデューサーデバイスと、
前記超音波トランスデューサーデバイスからの受信信号に基づいて処理を行う処理部と、
音を出力する音出力部と、
を含み、
前記音出力部は、
測定箇所表面に対する前記超音波トランスデューサーデバイスの前記走査面の方向に応じて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つが変化する音を出力することを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項1において、
前記処理部は、
前記受信信号に基づいて得られるAモード波形データの振幅に基づいて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つを変化させる処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項2において、
前記処理部は、
前記測定箇所表面に対する前記超音波トランスデューサーデバイスの前記走査面の方向が、第1の方向〜第K(Kは2以上の整数)の方向のうちの第L(1≦L≦K)の方向である時のAモード波形データ群を、前記受信信号に基づいて取得し、前記第Lの方向での前記Aモード波形データ群に基づいて、前記Aモード波形データの振幅を求め、求めた前記振幅に基づいて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つを設定する処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項1において、
前記処理部は、
前記受信信号に基づいて得られるAモード波形データの振幅に基づいて、音生成部からの音に対して、AM変調又はFM変調を行い、
前記音出力部は、
前記AM変調又は前記FM変調後の音を出力することを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項4において、
前記処理部は、
前記測定箇所表面に対する前記超音波トランスデューサーデバイスの前記走査面の方向が、第1の方向〜第K(Kは2以上の整数)の方向のうちの第L(1≦L≦K)の方向である時のAモード波形データ群を、前記受信信号に基づいて取得し、前記第Lの方向での前記Aモード波形データ群に基づいて、前記Aモード波形データの振幅を求め、求めた前記振幅に基づいて、前記音生成部からの音に対して、前記AM変調又は前記FM変調を行うことを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項3又は5において、
前記処理部は、
前記第Lの方向での前記Aモード波形データ群の平均化処理又は前記第Lの方向での前記Aモード波形データ群からの代表Aモード波形データの選択処理を行うことで、前記Aモード波形データを求めることを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記走査面が前記測定箇所表面に対して垂直な面に近付くにつれて、音量を大きくする処理、音の出力間隔を速くする処理、音の周波数を高くする処理、及び音パターンを変更する処理のうちの少なくとも一つの処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記音出力部は、
前記受信信号に基づいて得られるAモード波形の振幅が所与の閾値未満の場合には、音を非出力とし、前記振幅が前記所与の閾値以上の場合に、音の出力を開始することを特徴とする超音波測定装置。 - 請求項1乃至6のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記走査面が前記測定箇所表面に対して垂直な面に近付くにつれて、音量を小さくする処理、音の出力間隔を遅くする処理、音の周波数を低くする処理、及び音パターンを変更する処理のうちの少なくとも一つの処理を行うことを特徴とする超音波測定装置。 - 走査面に沿ってスキャンしながら超音波ビームを送信すると共に、前記超音波ビームによる超音波エコーを受信する超音波トランスデューサーデバイスからの受信信号に基づいて処理を行い、音を出力する超音波測定装置の制御方法であって、
測定箇所表面に対する前記超音波トランスデューサーデバイスの前記走査面の方向に応じて、音量、音の出力間隔、音の周波数及び音パターンのうちの少なくとも一つが異なる音を出力することを特徴とする超音波測定装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013105883A JP2014226186A (ja) | 2013-05-20 | 2013-05-20 | 超音波測定装置及び超音波測定装置の制御方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112057110A (zh) * | 2019-05-22 | 2020-12-11 | 深圳市德力凯医疗设备股份有限公司 | 一种三维血管超声图像的成像方法及超声术中导航设备 |
-
2013
- 2013-05-20 JP JP2013105883A patent/JP2014226186A/ja active Pending
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CN112057110A (zh) * | 2019-05-22 | 2020-12-11 | 深圳市德力凯医疗设备股份有限公司 | 一种三维血管超声图像的成像方法及超声术中导航设备 |
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