JP2015053662A - 無線中継装置の設定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、無線中継装置の設置により、空中線電力が1Wに満たないようなハンディトランシーバ相互間であっても数十km程度も離れた位置で交信が可能になり、また、電波の送受信条件が大きく変化するモービル局にとっても常に安定した通信が確保できるようになっている。
たとえば、アマチュア無線の無線中継装置では、長時間に亘る通信を防止するためにタイム・アウト・タイマー機能が設けられており、一回の通信時間を通常3分程度に制限し、その時間を超えると自動的に一旦送信動作を停止させるようになっているが、利用許諾されていない者による長時間通信の執拗な繰り返し行為や、不適切な内容の送信が行われているような場合には、無線中継装置の動作を無期限に停止させたり速やかにシャットダウンさせる等の対応が必要になる。
また、受信信号がアナログ変調信号であるかデジタル変調信号であるか識別して中継する無線中継装置である場合において、デジタル変調信号の中継動作だけに専用化するような場合には、内部の制御プログラムを書き換える必要が生じる。
そのため、従来から、無線中継装置にアップリンクとダウンリンクの各周波数と異なる専用周波数による送受信部を設け、遠隔制御用の無線通信機から前記専用周波数で設定制御データを送り込むことにより、無線中継装置の設定制御を行う方法が実施されている。
また、他の方法としては、無線中継装置に電話回線を接続しておき、電話回線を通じて設定信号を伝送して無線中継装置の設定を行う方法もある。
また、電話回線を用いて設定信号を伝送する方法では常に回線使用料を負担しなければならず、やはりコストがかかることになる。
なお、無線中継装置のアップリンク周波数を用いて設定制御データを送り込むことも考えられるが、チャンネルの確保が困難である場合が多く、緊急を要するときなどには対応できないことになる。
そこで、本発明は、送信動作の停止時間にダウンリンク(送信)周波数を利用して管理用無線通信端末から各種設定を行える無線中継装置の設定方法を提供し、もって低コストでの無線中継装置の運用を実現することを目的とする。
その場合、管理用無線通信端末が無線中継装置に対する管理権限を有しているものであることを確認する必要があるため、無線中継装置の識別情報記憶部に予め前記管理権限のある管理用無線通信端末の識別情報を登録しておく。
そして、無線中継装置の設定制御手段は、その登録されている識別情報と設定用データと共に管理用無線通信端末から送信される識別情報が一致している場合にのみ変更設定が許可され、設定用データに基づいて中継機能部の動作・機能を変更設定する。
したがって、このように管理用無線通信端末側で無線中継装置からの設定許可信号を受信できると、設定用データの送信前に無線中継装置へアクセスできていることを確認できて都合がよい。
また、無線中継装置のダウンリンク周波数を、設定作業における受信用だけでなく、本来の中継機能と同様に送信用にも用い、無線中継装置から管理用無線通信端末へ設定許可信号や設定完了信号を送信できるようにしておけば、管理用無線通信端末側において無線中継装置に対するアクセス状態や無線中継装置での設定動作の完了を確認できる。
先ず、図1において、1はアナログ変調方式及びデジタル変調方式のいずれの電波も中継することが可能な無線中継装置、2はハンディトランシーバである管理用無線通信端末であり、この実施形態では、山頂やビルの屋上などに設置されている無線中継装置1の動作・機能に係る設定状態を管理用無線通信端末2から変更する。
また、制御部25は切替え回路22の接続状態も制御し、後述するように、送信部20が送信状態にある場合にはb側に、非送信状態にある場合にはa側に接続させるようになっている。
また、管理用無線通信端末2においては、ボタン操作によって無線中継装置1の各種設定データを選択することが可能であり、その選択により前記データ通信フレームのデータフレーム部に選択された設定データがセットされる。
先ず、無線中継装置1においては、受信用アンテナ11と受信部12はアップリンク周波数fUで電波を受信しているが、受信信号がない場合には当然に送信部20からの中継送信出力は無く、この非送信状態は通常の中継動作中において不定期に発生する。
また、非送信状態はタイム・アウト・タイマー機能が作動した場合にも当然に発生する。
したがって、この時点で無線中継装置1は送受信用アンテナ21と受信部23によるダウンリンク周波数fDでの受信状態となる。
具体的には、データ通信フレームである場合には、図2に示すように、最初に無線部ヘッダのビット同期信号とフレーム同期信号が検出されるため、それらを検出した時点でデータ通信フレームの検出とみなして復調データをセーブする。
なお、ビット同期信号はGMSK(Gaussian minimum shift keying)変調の場合は“1010”、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調の場合は“1001”の繰り返しからなる64bitとされ、フレーム同期信号は“111011001010000”の15bitとされている。
すなわち、ID部の自局コールサインが無線中継装置の運用管理者のものであることは、管理用無線通信端末2からのデータ通信フレームであることが確認できたことになり、この段階で無線中継装置1はその動作・機能の変更設定を許可する(S5→#→図4)。
切替え回路22の接続状態をa側に保ったままデータ通信フレームに係る受信信号の検出があるか否かの判別に戻り、以降、その動作を繰り返すことになるが(S3-S7)、その過程で送信部20の送信出力が確認された場合には、直ちに切替え回路22の接続状態をb側に戻して、通常の中継動作に復帰する(S7,S8→S1)。
ここで、管理用無線通信端末2側からみると、その送受信周波数が無線中継装置1のダウンリンク周波数fDに調整設定されているため、受信モードにするとダウンリンク周波数fDでの送信出力の有無が音声出力状態から確認でき、データ通信フレームを送信させるタイミングが把握し易い。
そして、RAM26にセーブしたデータ通信フレーム中のデータフレーム部にセットされている設定用データに基づいて自機の動作・機能の設定変更を行う(S10)。
(1) この無線中継装置1では切替え回路15,17を制御してアナログ変調方式とデジタル変調方式の送信信号に対応できるようになっているが、いずれかの変調方式専用の中継装置とするための機能設定用プログラム。
(2) 規定時間を超える通信についてはタイム・アウト・タイマー機能が作動して一旦中継動作が停止するが、タイム・アウト・タイマー機能が作動した際の通信に係るコールサインを登録し、その登録回数が所定値を超えたコールサインに係る無線通信端末の通信に係る中継を拒否するようにして、特定の無線通信端末が長時間通信を執拗に繰り返すことを防止するための機能設定用プログラム。
(3) 利用許諾されていない者による長時間通信の執拗な繰り返し行為や、不適切な内容の送信が行われているような場合等において、中継動作を緊急に停止させるための動作設定用コマンド。
また、切替え回路17のその時点での接続状態は最後の中継動作がアナログ変調方式の受信信号であったかデジタル変調方式の受信信号であったかによるが、いずれにしてもb側の接続状態となるように制御される(S12)。
この場合、管理用無線通信端末2では前記ダウンリンク周波数fDでデータ通信フレームの送信を行った後、直ちに前記ダウンリンク周波数fDを受信周波数に設定しており、設定完了データを受信することにより、先に送信したデータ通信フレームにセットした設定データに基づいて無線中継装置1の動作・機能の変更設定がなされたことを確認できる。
ただし、自機設定モードにおいて中継動作の継続的停止に係る動作設定がなされていた場合には、中継動作を復帰させずにそのまま停止状態を維持する。
したがって、管理用無線通信端末2では、設定用データを送信したものの、それが無線中継装置1側で受信されて有効に用いられたかどうかは、設定完了データを受信するまで確認することができない。
図5及び図6のフローチャートは、図3及び図4と同様に、管理用無線通信端末2から無線中継装置1の各種設定を行う場合における無線中継装置1で実行される動作手順を示す。
もっとも、データ通信フレームAは無線中継装置1に対する管理権限を示して設定要求を行うものであることから、必ずしも設定要求コードがセットされていることを設定許諾条件とする必要はなく、この場合の無線中継装置1においても無線部ヘッダのID部のコールサインがROM27に登録されているものかどうかのみを確認するようになっている(S23,S24,S25)。
すなわち、この動作は制御部25によって実行されるが、自機設定モードを設定すると、無線中継装置1の中継動作におけるダウンリンク周波数fDを用いた受信状態から、一旦中継動作と同様の送信状態とし、ROM27に固定データとして格納されている設定許可データを信号バッファ16へ読み出し、切替え回路17とデジタル変調部19を介して送信部20へ入力することにより、設定許可信号が切替え回路22から送受信用アンテナ21を通じて無線送信され、その後に再び受信状態に戻る。
Claims (4)
- 無線中継装置の動作・機能を管理用無線通信端末から遠隔設定する方法であって、
前記無線中継装置は、本来の中継機能部と共に、前記中継機能部の非送信状態において、前記中継機能部のダウンリンク周波数を受信周波数として電波を受信し復調する副受信復調部と、前記管理用無線通信端末の識別情報が登録されている識別情報記憶部と、前記中継機能部の動作・機能の設定制御手段とを備え、
一方、前記管理用無線通信端末は、自機の識別情報と前記無線中継装置の動作・機能に係る各種設定用データを格納した端末側記憶部と、前記各種設定用データの選択操作部と、前記ダウンリンク周波数を送信周波数として前記端末側記憶部の識別情報と前記選択操作部で選択された設定用データを含む信号で変調した被変調信号を送信する端末側変調送信部とを備えており、
前記無線中継装置が非送信状態にある期間に、前記管理用無線通信端末から前記識別情報と前記設定用データを送信し、前記無線中継装置では、前記設定制御手段が、前記副受信復調部で受信・復調された識別情報と前記識別情報記憶部の識別情報とが一致している場合に、中継動作を停止させて設定モードへ移行させて、前記副受信復調部で受信・復調された設定用データに基づいて前記中継機能部の動作・機能を変更設定することを特徴とする無線中継装置の設定方法。 - 前記無線中継装置における中継機能部の送信用アンテナと副受信復調部の受信用アンテナは単一アンテナを共用しており、その共用アンテナの給電部が切替え回路により前記中継機能部の送信部と前記副受信復調部の受信部に対して選択的に接続される請求項1に記載の無線中継装置の設定方法。
- 前記管理用無線通信端末の受信周波数も前記ダウンリンク周波数に設定されており、前記無線中継装置の前記設定制御手段は、前記副受信復調部で受信・復調された識別情報と前記識別情報記憶部の識別情報とが一致している場合に、中継動作を停止させて設定モードへ移行させ、前記中継機能部の送信部から前記ダウンリンク周波数で設定許可信号を送信させた後、前記管理用無線通信端末から送信されて前記副受信復調部で受信・復調される設定用データに基づいて前記中継機能部の動作・機能を変更設定することとした請求項1又は請求項2に記載の無線中継装置の設定方法。
- 前記無線中継装置の前記設定制御手段が、設定用データに基づいて前記中継機能部の動作・機能を変更設定した後、前記中継機能部の送信部から前記ダウンリンク周波数で設定完了信号を送信させることとした請求項1、請求項2又は請求項3に記載の無線中継装置の設定方法。
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