JP2015053307A - 薄膜太陽電池および薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池および薄膜太陽電池の製造方法 Download PDF

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健志 藤井
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Abstract

【課題】変換効率が向上した薄膜太陽電池を提供する。
【解決手段】本発明の薄膜太陽電池100は、透明電極101と、グラフェン膜102と、光電変換層106と、がこの順番に積層されてなる。また、光電変換層106は、p型半導体層103、i型半導体層104およびn型半導体層105がグラフェン膜102の面上からこの順番に積層されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜太陽電池および薄膜太陽電池の製造方法に関する。
薄膜太陽電池は、光エネルギーを電力に変換する発電装置である。薄膜太陽電池は、ガラス等の透光性絶縁基板と、透明電極と、光電変換層と、裏面電極とがこの順番で積層されてなる構造を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、別の種類としては、ポリイミドフィルム等の絶縁性プラスチックフィルム基板と、裏面電極と、光電変換層と、透明電極とがこの順番で積層されてなる構造を有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−125930号公報
しかしながら、従来の薄膜太陽電池は、変換効率が十分満足するものではなかった。
本発明の薄膜太陽電池は、透明電極と、グラフェン膜と、光電変換層と、がこの順番に積層されてなる。また、上記光電変換層は、p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層が上記グラフェン膜の面上からこの順番に積層されている。すなわち、上記グラフェン膜は、上記透明電極と上記p型半導体層との間に設けられている。
グラフェン膜を透明電極とp型半導体層との間に設けることで、透明電極とp型半導体層との電荷移動がグラフェンにより遮蔽され、その結果として、拡散電位が小さくなり、得られる薄膜太陽電池の開放電圧を向上できると考えられる。そして、開放電圧が向上した結果、薄膜太陽電池の変換効率を向上できる。
本発明によれば、変換効率が向上した薄膜太陽電池を提供できる。
本発明に係る実施形態のサブストレート型薄膜太陽電池の構成の一例を示す断面図である。 本発明に係る実施形態のスーパーストレート型薄膜太陽電池の構成の一例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。また、「〜」はとくに断りがなければ、以上から以下を表す。
薄膜太陽電池100は、透明電極101と、グラフェン膜102と、光電変換層106と、がこの順番に積層されてなる。また、光電変換層106は、p型半導体層103、i型半導体層104およびn型半導体層105がグラフェン膜102の面上からこの順番に積層されている。
薄膜太陽電池100は、グラフェン膜102を透明電極101とp型半導体層103との間に設けることで、透明電極101とp型半導体層103との電荷移動がグラフェンにより遮蔽され、その結果として、拡散電位が小さくなり、得られる薄膜太陽電池100の開放電圧を向上できると考えられる。そして、開放電圧が向上した結果、薄膜太陽電池100の変換効率を向上できる。
薄膜太陽電池100は、例えば、サブストレート型とスーパーストレート型の薄膜太陽電池に適用することができる。以下、本実施形態における薄膜太陽電池の典型的な構造を、薄膜太陽電池(サブストレート型、スーパーストレート型)を例に説明する。
<サブストレート型の薄膜太陽電池>
図1は、本発明に係る実施形態のサブストレート型の薄膜太陽電池100の構成の一例を示す断面図である。
サブストレート型の薄膜太陽電池100は、透明電極101と、グラフェン膜102と、p型半導体層103、i型半導体層104およびn型半導体層105がグラフェン膜102の面上からこの順番に積層されてなる光電変換層106と、裏面電極107と、基板108と、がこの順番に積層されてなる。
サブストレート型の薄膜太陽電池100は、透明電極101側から発電のための太陽光hνが入射する。
次に、サブストレート型の薄膜太陽電池100の各構成要素について更に説明する。
(透明電極)
透明電極101は特に限定されないが、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物により構成されている。
透明電極101は、例えば、スパッタリング法により成膜できる。
透明電極101の厚さは特に限定されないが、通常は10nm以上2000nm以下の範囲内である。
JIS−B0601:2001に準拠して測定される、透明電極101の一方の面110の表面粗さRaは、好ましくは0nmを超えて100nm以下であり、より好ましくは0nmを超えて50nm以下である。
薄膜太陽電池100は、表面粗さRaが上記範囲内であると、透明電極101とグラフェン膜102との接触面積および密着性がより一層向上するため、透明電極101とグラフェン膜102との接触抵抗をより一層低減することができる。その結果、得られる薄膜太陽電池100の開放電圧がより一層向上し、薄膜太陽電池100の変換効率をより一層向上できる。
透明電極101の一方の面110の表面粗さRaは、例えば、透明電極101の一方の面110に対して酸等によるウェットエッチング;反応性イオンエッチング等のドライエッチング等をおこなうことにより調整することができる。
透明電極101は、通常、n型縮退半導体である。そのため、透明電極101はp型半導体層103に比べて仕事関数が小さく、透明電極101とp型半導体層103との間にはショットキー障壁が生じていると考えられる。薄膜太陽電池100において、透明電極101とp型半導体層103との間にグラフェン膜102を設けることにより、透明電極101とp型半導体層103との間のショットキー障壁が低下し、その結果として、得られる薄膜太陽電池100の開放電圧を向上できるものと推察される。
(グラフェン膜)
本実施形態に係るグラフェンとは、sp結合で互いに結合して炭素原子が1原子層以上の膜状または層状に形成されている状態の物質を指す。したがって、本実施形態に係るグラフェンには、単層グラフェンのみならず、多層グラフェンも含む。なお、本実施形態において、グラフェン膜102とは、例えば、基板または支持基材に支持されるグラフェンを意味する。
グラフェンは1層で約2.3%もの高い光吸収を示す。そのため、グラフェン膜102の透明性を確保する観点から、グラフェン膜102の層数は好ましくは1層以上10層以下の範囲内であり、より好ましくは1層以上5層以下の範囲内であり、特に好ましくは1層以上3層以下の範囲内である。グラフェン膜102の層数が上記範囲内であると、グラフェンの高い移動度を維持しつつ、グラフェン膜102の透明性を向上させることができる。これにより、例えば、薄膜太陽電池100の変換効率をより一層向上させることができる。
グラフェン膜102の層厚方向における波長550nmでの光線透過率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。グラフェン膜102の光線透過率が上記下限値以上であると、薄膜太陽電池100の変換効率をより一層向上させることができる。
(光電変換層)
光電変換層106は薄膜半導体層であり、p型半導体層103、i型半導体層104およびn型半導体層105がグラフェン膜102の面上からこの順番に積層されてなる。
光電変換層106の材質としては一般的に薄膜太陽電池に使用されるものを使用でき、特に限定されないが、例えば、アモルファスシリコン(a−Si)、アモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)、アモルファスシリコンオキサイド(a−SiO)、アモルファスシリコンナイトライド(a−SiN)、微結晶シリコン(μc−Si)、微結晶シリコンゲルマニウム(μc−SiGe)、微結晶シリコンカーバイド(μc−SiC)、微結晶シリコンオキサイド(μc−SiO)、微結晶シリコンナイトライド(μc−SiN)等を用いることができる。また、化合物系や有機系の材質を用いてもよい。なお、光電変換層106を構成する各層は、プラズマ化学気相成長(プラズマCVD)法、スパッタ法、蒸着法、触媒化学気相成長(Cat−CVD)法、光化学気相成長(光CVD)法等を用いて成膜することができる。
p型半導体層103の膜厚は、例えば、5〜50nmである。i型半導体層104の膜厚は、例えば、100〜2500nmである。n型半導体層105の膜厚は、例えば、10〜100nmである。
(裏面電極)
裏面電極107を構成する材料としては特に限定されないが、例えば、Al、Ag、Ti、Ta、Zn、Mo、W、Ni、Cr等の単体材料もしくはこれらを主成分とした合金材料または酸化亜鉛(ZnO)等が挙げられる。また、図では省略しているが、裏面電極107の光電変換層106と接する面には、入射光を乱反射させるための凹凸が形成されていてもよい。
(基板)
基板108としては特に限定されないが、例えば、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、アクリルフィルム、アラミドフィルム等の絶縁性プラスチックフィルム基板;ガラス基板;ステンレス基板等を用いることができる。この基板108が光入射側に配される場合には、光透過性の材料で構成する。なお、可撓性を必要としない場合には、ガラス基板等を用いてもよい。
<サブストレート型の薄膜太陽電池の製造方法>
次に、サブストレート型の薄膜太陽電池100の製造方法について説明する。
まず、基板108上に、Al、Ag、Ti、Ta、Zn、Mo、W、Ni、Cr等の単体材料もしくはこれらを主成分とした合金材料または酸化亜鉛(ZnO)等を、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレー製膜法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、めっき法等従来公知の方法により製膜して基板108上に裏面電極107を形成する。
次に、このようにして裏面電極107を形成した基板108を、例えばプラズマCVD装置に導入し、そこに原料ガスを導入して、プラズマCVD法により光電変換層106を構成する各半導体層の製膜を行う。光電変換層106は、従来公知の原料ガスを用いて、従来公知の製膜条件で製膜できる。
つづいて、光電変換層106上にグラフェン膜102の形成を行う。グラフェン膜102は、例えば、以下の方法により形成できる。
はじめに、支持基材上に形成されたグラフェン膜を作製する。
まず、遷移金属基板の表面に、炭素を含む原料物質を供給することにより、1層以上のグラフェン膜を成長させる。
具体的には、グラフェン膜の成長法としては、例えば、CVD法、物理的気相堆積(PVD)法等が挙げられる。
CVD法を用いたグラフェン膜の成長法は、例えば、以下の手順で遷移金属基板上にグラフェン膜を成長させる。はじめに、1×10−7Pa以下の超高真空、10〜10000Pa程度の低圧、または大気圧等の条件下で、遷移金属基板を600〜1200℃程度に加熱する。次いで、遷移金属基板に対して、炭素原子を含むメタン等の炭化水素ガスを吹き付ける。これより、炭化水素ガスは遷移金属基板にクラッキング(解離吸着)される。炭化水素ガスに由来する炭素原子は遷移金属基板の表面の触媒効果を受け、長い距離をマイグレーションすることで、グラフェンの核に到達し、グラフェンが成長する。
一方、PVD法を用いたグラフェン膜の成長法としては、例えば、分子線エピタキシー法(MBE)やパルスレーザー堆積(PLD)等によりグラフェンを成長させる方法等が挙げられる。
MBEを用いたグラフェン膜の成長法は、例えば、以下の手順で遷移金属基板上にグラフェン膜を成長させる。はじめに、超高真空中でグラファイトを1200〜2000℃に加熱することで原子状の炭素を発生させる。次いで、分子線となった原子状炭素を、加熱した遷移金属基板の表面上に供給する。これにより、遷移金属基板の触媒効果によってグラフェン膜が成長する。
PLDを用いたグラフェン膜の成長法は、例えば、以下の手順で遷移金属基板上にグラフェン膜を成長させる。はじめに、超高真空中でグラファイトをKrFのエキシマレーザーにてアブレーションすることにより、瞬時に蒸発した炭素が分子線の状態で供給される。次いで、この炭素の分子線を加熱された遷移金属基板に供給することにより、遷移金属基板の表面にグラフェン膜が成長する。
上記遷移金属基板を構成する遷移金属としては、例えば、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Ru、Rh、Pd、W、Re、Ir、Ptまたはこれらの合金からなる群から選択される1種または2種以上の遷移金属が挙げられる。また、遷移金属基板の形態は、箔、薄膜、バルク、およびそれらの単結晶、多結晶等とすることができる。これらの中でも、最も典型的な遷移金属基板は銅箔である。遷移金属基板は、グラフェンの支持基板となるとともに、上述したとおり、供給された炭素を含有するガスをクラッキングする触媒となり、炭素原子がシート状である結晶構造のグラフェンの成長を促進する作用を有する。
次に、支持基材をグラフェン膜の表面に接するように形成する。
具体的には、遷移金属基板上に形成されているグラフェン膜の状態を維持しつつ、支持基材をグラフェン膜上に形成する。このとき、支持基材は、グラフェン膜を保持できるものが好ましい。
このような支持基材としては、例えば、高分子材料を含む溶液から溶媒を揮発させることによって固化したものや、プレポリマー等の高分子材料の前駆体を重合することによって固化したものである。支持基材は、例えば、(1)ある程度の支持機能を発揮できること、(2)遷移金属基板の除去の際に影響を受けないこと、(3)グラフェン膜に影響を与えずにそれ自体が除去可能であること、という3つの条件を満たすものが好ましい。なお、この段階のグラフェン膜は、遷移金属基板と支持基材とに挟まれた状態となっている。
このような条件を満たす支持基材としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリジメチルシロキサン(PDMS)等が挙げられる。PMMAやPDMSは、溶媒に溶解して溶液とし、その溶液をグラフェン膜上に塗布して乾燥することにより容易にグラフェン膜上に支持基材を形成できる。
さらに、遷移金属基板の除去のための処理(エッチング処理)にも耐えることができ、かつ、支持基材自体も容易に除去することができる。そして、グラフェン膜を転写するために適した膜に形成可能である。これらの条件を満たすPMMAやPDMSは、本実施形態における支持基材として好ましい。
次いで、遷移金属基板を除去することにより、支持基材付きグラフェン膜を得る。遷移金属基板の除去方法としては、支持基材付きグラフェン膜を変質させない手法から選択される。例えば、エッチングが挙げられる。具体的には、酸等によるウェットエッチング;反応性イオンエッチング等のドライエッチング等が挙げられる。
遷移金属基板が除去されると、グラフェン膜が支持基材に付着して表面を露出させている状態になる。
次に、グラフェン膜の遷移金属基板に接していた面を、裏面電極107上に形成された光電変換層106上に貼り付ける。具体的には、グラフェン膜を光電変換層106の表面に、例えば、180℃、30分間の条件で押し付ける。これにより、支持基材が軟化し、グラフェン膜を光電変換層106の表面に密着させることができる。
次いで、支持基材を除去する。支持基材を除去する手法としては、グラフェン膜102、および光電変換層106に対して影響を及ぼしにくい任意の手法を採用することができる。例えば、支持基材を有機溶媒に溶解させることにより、支持基材を除去することができる。したがって、支持基材の材質や性状は、本工程において除去可能なものを採用しておくのが好ましい。
有機溶媒に溶解させることにより支持基材を除去する手法によれば、熱剥離粘着剤などの粘着剤をグラフェン膜と支持基材との間に介在させる必要がないため、グラフェン膜を高温に曝すことなく、支持基材を容易に除去できる。そのため、グラフェン膜が熱により劣化するのを抑制することができ、その結果として、得られる薄膜太陽電池の開放電圧をより一層向上させることができる。そして、開放電圧が向上した結果、薄膜太陽電池の変換効率をより一層向上できる。
次いで、グラフェン膜102上に、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物を、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレー製膜法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、めっき法等従来公知の方法により製膜して透明電極101を形成することで、サブストレート型の薄膜太陽電池100が得られる。
<スーパーストレート型薄膜太陽電池>
図2は、本発明に係る実施形態のスーパーストレート型の薄膜太陽電池100の構成の一例を示す断面図である。
スーパーストレート型の薄膜太陽電池100は、透光性基板109と、透明電極101と、グラフェン膜102と、p型半導体層103、i型半導体層104およびn型半導体層105がグラフェン膜102の面上からこの順番に積層されてなる光電変換層106と、裏面電極107と、がこの順番に積層されてなる。
スーパーストレート型の薄膜太陽電池100は、透光性基板109側から発電のための太陽光hνが入射する。
次に、スーパーストレート型の薄膜太陽電池100の各構成要素について更に説明する。
(透光性基板)
透光性基板109は可視光に対して透明な基板であれば特に限定されるものではなく、一般的に薄膜太陽電池に使用されるものを用いることができる。例えば、ガラス基板、プラスチックフィルム基板等が挙げられる。
透光性基板109の厚さは特に限定されないが、通常は10μm以上200μm以下の範囲内である。
透明電極101、グラフェン膜102、光電変換層106、および裏面電極107は、前述したサブストレート型の薄膜太陽電池100と同様のものを用いることができる。
<スーパーストレート型の薄膜太陽電池の製造方法>
次に、スーパーストレート型の薄膜太陽電池100の製造方法について説明する。
透光性基板109上に、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物を、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレー製膜法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、めっき法等従来公知の方法により製膜して透明電極101を形成する。
次に、サブストレート型の薄膜太陽電池100の製造方法でも用いた支持基材付きグラフェン膜を、透明電極101上に貼り付ける。具体的には、グラフェン膜を透明電極101の表面に、例えば、180℃、30分間の条件で押し付ける。これにより、支持基材が軟化し、グラフェン膜を透明電極101の表面に密着させることができる。
次いで、支持基材を除去する。支持基材を除去する手法としては、グラフェン膜102および透明電極101に対して影響を及ぼしにくい任意の手法を採用することができる。例えば、支持基材を有機溶媒に溶解させることにより、支持基材を除去することができる。したがって、支持基材の材質や性状は、本工程において除去可能なものを採用しておくのが好ましい。
有機溶媒に溶解させることにより支持基材を除去する手法によれば、熱剥離粘着剤などの粘着剤をグラフェン膜と支持基材との間に介在させる必要がないため、グラフェン膜を高温に曝すことなく、支持基材を容易に除去できる。そのため、グラフェン膜が熱により劣化するのを抑制することができ、その結果として、得られる薄膜太陽電池の開放電圧をより一層向上させることができる。そして、開放電圧が向上した結果、薄膜太陽電池の変換効率をより一層向上できる。
次に、このようにしてグラフェン膜102を形成した透明電極101を、例えばプラズマCVD装置に導入し、そこに原料ガスを導入して、プラズマCVD法により光電変換層106を構成する各半導体層の製膜を行う。光電変換層106は、従来公知の原料ガスを用いて、従来公知の製膜条件で製膜できる。
次いで、光電変換層106上に、Al、Ag、Ti、Ta、Zn、Mo、W、Ni、Cr等の単体材料あるいは、これらを主成分とした合金材料等を、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレー製膜法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、めっき法等従来公知の方法により製膜して光電変換層106上に裏面電極107を形成する。
以上により、スーパーストレート型の薄膜太陽電池100が得られる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
また、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、遷移金属基板として、20mm角の化学機械研磨した銅箔(膜厚100μm)を用いた。この銅箔をCVDの反応炉に配置し、1×10−3Paまで真空引きを行った。そして、水素を4sccmの流量で導入した状態で、銅箔を67℃/minの昇温レートで1000℃まで加熱した。その後、銅箔を1000℃に保持した状態で、水素の流量を20sccmとし、原料ガスとしてメタンを20sccmの流量で導入した。この状態で10分間成膜を行った。成膜後は100℃/secの冷却レートにて急冷し、銅箔上にグラフェン膜を得た。
次いで、グラフェン膜の表面に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)をジククロベンゼンに10wt%の濃度で溶解した溶液を20μl滴下した。次いで、回転数4000rpm、60秒の条件でグラフェン膜の表面にPMMA溶液をスピンコートした。その後、40℃、30分間の条件でPMMA溶液を乾燥させ、グラフェン膜の表面に膜厚約1μmのPMMA膜を形成した。
次いで、得られた銅箔−グラフェン膜−PMMA膜の積層体を塩酸10ml、過酸化水素10ml、純水50mlの混合液に浸漬し、銅箔が完全になくなるまでエッチングした。その後、5分間の流水洗浄し、乾燥させることでPMMA膜付きグラフェン膜を得た。
次いで、ガラス基板上に形成したSnO透明電極(25mm角、表面粗さRa:35nm、膜厚:700nm)の表面に、PMMA膜付きグラフェン膜を180℃、30分間の条件で押し付けた。この加熱により、PMMA膜が軟化し、グラフェン膜がSnO電極の表面に密着した。
次いで、アセトンに5分間浸漬することにより、PMMA膜をグラフェン膜の表面から除去し、さらに超純水にて5分間洗浄した。以上によりSnO透明電極上にグラフェン膜を形成した。ここで、層厚方向におけるグラフェン膜の波長550nmでの光線透過率は97%であり、グラフェン膜の層数は1層から2層であった。
次いで、グラフェン膜上にp型半導体層(p−μc−Si層(10nm)+p−a−SiC層(10nm))/i型半導体層(i−a−SiC層(10nm)+i−a−Si層(270−300nm))/n型半導体層(n−μc−SiO層(40nm))構造を持つ光変電換層をプラズマCVDにて200℃にて成膜を行った。そして、ZnO/Ag/Al電極膜からなる裏面電極をn型半導体層上に製膜した。
以上により、ガラス基板/透明電極(SnO)/グラフェン膜/p型半導体層(p−μc−Si層/p−a−SiC層)/i型半導体層(i−a−SiC層/i−a−Si層)/n型半導体層(n−μc−SiO層)/ZnO/Ag/Al構造を持つ薄膜太陽電池を得た。
(実施例2)
ガラス基板上に形成したZnO透明電極(25mm角、表面粗さRa:15nm、膜厚:1500nm)の表面に、実施例1と同様の手順で作製したPMMA膜付きグラフェン膜を180℃、30分間の条件で押し付けた。この加熱により、PMMA膜が軟化し、グラフェン膜がZnO透明電極の表面に密着した。
次いで、アセトンに5分間浸漬することにより、PMMA膜をグラフェン膜の表面から除去し、さらに超純水にて5分間洗浄した。以上によりZnO透明電極上にグラフェン膜を形成した。ここで、層厚方向におけるグラフェン膜の波長550nmでの光線透過率は97%であり、グラフェン膜の層数は1層から2層であった。
次いで、グラフェン膜上にp型半導体層(p−a−SiC層(10nm))/i型半導体層(i−a−SiC層(10nm)+i−a−Si層(270−300nm))/n型半導体層(n−μc−SiO層(40nm))構造を持つ光変電換層をプラズマCVDにて200℃にて成膜を行った。そして、ZnO/Ag/Al電極膜からなる裏面電極をn型半導体層上に製膜した。
以上により、ガラス基板/透明電極(ZnO)/グラフェン膜/p型半導体層(p−a−SiC層)/i型半導体層(i−a−SiC層/i−a−Si層)/n型半導体層(n−μc−SiO層)/ZnO/Ag/Al構造を持つ薄膜太陽電池を得た。
(比較例1)
グラフェン膜を形成しない以外は実施例1と同様の方法で薄膜太陽電池を作製した。
(比較例2)
グラフェン膜を形成しない以外は実施例2と同様の方法で薄膜太陽電池を作製した。
実施例1〜2及び比較例1〜2の薄膜太陽電池の開放電圧(Voc)、短絡電流密度(Jsc)、曲線因子(FF)、変換効率(η)を求めた。結果を表1にまとめて記す。なお、これらの値は、AM1.5という条件の下で、ソーラシミュレータを用いて測定したものである。
Figure 2015053307
SnO透明電極を用いた実施例1と比較例1との比較から、透明電極とp型半導体層との間にグラフェン膜を設けることにより、開放電圧が約30mV増加し、その結果、変換効率が約0.4%向上したことが分かった。曲線因子および短絡電流密度に大きな差がないことから、開放電圧の増加がそのまま変換効率の増加に寄与していることが分かった。
また、ZnO透明電極を用いた実施例2と比較例2との比較から、透明電極とp型半導体層との間にグラフェン膜を設けることにより、開放電圧が約35mV増加し、その結果、変換効率が約0.3%向上したことが分かった。曲線因子および短絡電流密度に大きな差がないことから、SnO透明電極を用いた場合と同様に、開放電圧の増加がそのまま変換効率の増加に寄与していることが分かった。
100 薄膜太陽電池
101 透明電極
102 グラフェン膜
103 p型半導体層
104 i型半導体層
105 n型半導体層
106 光電変換層
107 裏面電極
108 基板
109 透光性基板
110 一方の面

Claims (9)

  1. 透明電極と、
    グラフェン膜と、
    p型半導体層、i型半導体層およびn型半導体層が前記グラフェン膜の面上からこの順番に積層されてなる光電変換層と、
    がこの順番に積層されてなる薄膜太陽電池。
  2. 請求項1に記載の薄膜太陽電池において、
    JIS−B0601:2001に準拠して測定される、前記透明電極の前記グラフェン膜が積層される側の面の表面粗さRaが100nm以下である薄膜太陽電池。
  3. 請求項1または2に記載の薄膜太陽電池において、
    前記グラフェン膜の層数が1層以上10層以下の範囲内である薄膜太陽電池。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の薄膜太陽電池において、
    層厚方向における前記グラフェン膜の波長550nmでの光線透過率が70%以上である薄膜太陽電池。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の薄膜太陽電池において、
    前記透明電極は酸化インジウムスズ、酸化スズ、および酸化亜鉛から選択される1種または2種以上の透明導電性酸化物により形成されたものである薄膜太陽電池。
  6. 請求項1乃至5いずれか一項に記載の薄膜太陽電池において、
    サブストレート型またはスーパーストレート型である薄膜太陽電池。
  7. 請求項1に記載の薄膜太陽電池を製造するための製造方法であって、
    支持基材上に形成されたグラフェン膜を前記透明電極の前記グラフェン膜が積層される側の面上または前記光電変換層の前記p型半導体層側の面上に貼り合わせた後、前記支持基材を除去することにより、前記グラフェン膜を前記透明電極の前記グラフェン膜が積層される側の面上または前記光電変換層の前記p型半導体層側の面上に形成する工程を含む、薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 請求項7に記載の薄膜太陽電池を製造するための製造方法であって、
    前記支持基材は有機溶媒に溶解させることにより除去する、薄膜太陽電池の製造方法。
  9. 請求項7または8に記載の薄膜太陽電池を製造するための製造方法であって、
    前記支持基材上に形成された前記グラフェン膜は、熱剥離粘着剤を介在せずに前記支持基材上に形成されたものである、薄膜太陽電池の製造方法。
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