JP2015052780A - 収差補正装置及び結像光学装置 - Google Patents

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貴雄 遠藤
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貴雄 遠藤
佳史 三輪
Yoshifumi Miwa
佳史 三輪
鈴木 二郎
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Toshiyuki Ando
俊行 安藤
今城 正雄
Masao Imashiro
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Abstract

【課題】結像光学系の収差に応じて支持点の幾何学的な配置を調整して、補正対象の歪み成分を変えることができるようにする。
【解決手段】結像光学系1と焦点面検出器2からなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されており、結像光学系1から出射された光を反射する板状の鏡11と、鏡11の背面11bを支持する支持点14a,14bを保持している固定の筐体12と、鏡11の背面11bを支持する支持点17a,17bを保持している鏡支持基板15と、鏡支持基板15に変位を与える可動部18とを備え、制御装置5が、可動部18による鏡支持基板15の変位量を制御する。
【選択図】図1

Description

この発明は、結像光学系による光波面の収差を補正する収差補正装置と、その収差補正装置を実装している結像光学装置とに関するものである。
例えば、望遠鏡のような結像光学系では、望遠鏡に入射された光を焦点面に結像する。
焦点面には焦点面検出器が配置されており、焦点面検出器が焦点面に結像されている光の像を検出する。
このとき、結像光学系によって焦点面に結像されている光の像は、結像光学系を構成するレンズやミラーなどの光学要素の形状だけでなく、光学要素を保持することで発生する応力による変形や、重力下での自重による変形によって、歪みを生じる。
このように、光の像に歪みが生じる課題を解決するために、光路の途中に表面形状が変えられる鏡を配置することで、光の像の歪みの中で、ある特徴的な歪み成分を補正する収差補正装置が以下の特許文献1及び非特許文献1に開示されている。
この収差補正装置は、板状の鏡の表面を支持する支持点と、その鏡の裏面を支持する支持点とを備え、各支持点に対する圧力を制御して、各支持点の幾何学で定まる特定の歪みを鏡に与えることで、この特定の歪み成分に由来する像の歪みを補正するようにしている。
PT103682A
Goncalo Figueira,Joao Wemans,Hugo Pires,Nelson Lopes,and Luis Cardoso."Single adjuster deformable mirror with four contact points for simultaneous correction of astigmatism and defocus"Optics Express,Vol. 15,Issue 9,pp. 5664-5673 (2007)
従来の収差補正装置は以上のように構成されているので、鏡の表面と裏面の双方に支持点が配置されている。そのため、鏡面の一部が支持点で覆われてしまって、鏡面として使えなくなることや、支持点で覆われている部分が光路と干渉して配置上の制約になることがある課題があった。
また、支持点の幾何学的な配置が固定であるため、支持点の幾何学で定まる特定の歪みについては補正することができるが、例えば、同じ特徴の歪みでも位相(例えば、45度回転等)が異なる場合には補正することができない課題があった。
さらに、重力下においては、鏡の自重が表面と裏面に配置されている支持点のみによって支持されているため、鏡の大きさや重さに制約が生じてしまう課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、結像光学系の収差に応じて支持点の幾何学的な配置を調整して、補正対象の歪み成分を変えることができる収差補正装置及び結像光学装置を得ることを目的とする。
この発明に係る収差補正装置は、結像光学系と焦点面検出器からなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されており、結像光学系から出射された光を反射する板状の鏡と、その鏡における光の反射面と反対の面側に配置されており、その鏡を支持する1つ以上の支持点を保持している第1の鏡支持部材と、その鏡における光の反射面と反対の面側に配置されており、その鏡を支持する1つ以上の支持点を保持している第2の鏡支持部材と、第2の鏡支持部材に変位を与える可動部とを備え、制御部が、可動部による第2の鏡支持部材の変位量を制御するようにしたものである。
この発明によれば、結像光学系と焦点面検出器からなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されており、結像光学系から出射された光を反射する板状の鏡と、その鏡における光の反射面と反対の面側に配置されており、その鏡を支持する1つ以上の支持点を保持している第1の鏡支持部材と、その鏡における光の反射面と反対の面側に配置されており、その鏡を支持する1つ以上の支持点を保持している第2の鏡支持部材と、第2の鏡支持部材に変位を与える可動部とを備え、制御部が、可動部による第2の鏡支持部材の変位量を制御するように構成したので、結像光学系の収差に応じて支持点の幾何学的な配置を調整して、補正対象の歪み成分を変えることができる効果がある。
この発明の実施の形態1による結像光学装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1による収差補正装置の変形鏡装置を示す構成図である。 変形鏡装置4における鏡支持基板15を水平方向(図中、右方向)に変位させている状態を示す説明図である。 変形鏡装置4における鏡支持基板15を水平方向(図中、左方向)に変位させている状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態2による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による結像光学装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態3による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。 波面センサを実装している結像光学装置を示す構成図である。 波面センサを実装している結像光学装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による結像光学装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態4による収差補正装置の変形鏡装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態5による収差補正装置の変形鏡装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態6による収差補正装置の変形鏡装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態7による収差補正装置の変形鏡装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態8による収差補正装置の変形鏡装置を示す構成図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による結像光学装置を示す構成図である。
図1において、結像光学系1は例えばレンズやミラーなどの光学要素からなる望遠鏡が該当し、入射された光を焦点面に結像する光学系である。
焦点面検出器2は例えば光検出器などから構成されており、結像光学系1によって焦点面に結像されている光の像を検出する検出器である。
収差補正装置3は結像光学系1と焦点面検出器2の間の光路に配置されており、光波面の収差を補正する装置である。
なお、収差補正装置3は変形鏡装置4と制御装置5から構成されている。
図2はこの発明の実施の形態1による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。
特に、図2(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図である。
図2において、鏡11は有限の厚みを有する板状の鏡であり、結像光学系1と焦点面検出器2からなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されている。鏡11は結像光学系1から出射された光を反射し、その反射光は例えば図示せぬ光学素子などによって屈折等され、その後、焦点面に結像される。結像光学系1と焦点面検出器2からなる光学系の瞳面の位置は、光学系によって異なるが、結像光学系1の中に存在していることが多い。
なお、11aは鏡11における光の反射面であり、11bは鏡11の背面(反射面11aと反対の面)である。
筐体12は鏡11の背面11bの側に配置されており、鏡11の背面11bを支持する支持棒13a,13bを有する第1の鏡支持部材である。
なお、14aは鏡11の背面11bに対する支持棒13aの支持点であり、14bは鏡11の背面11bに対する支持棒13bの支持点である。
鏡支持基板15は鏡11の背面11bの側に配置されており、鏡11の背面11bを支持する支持棒16a,16b(図2(b)では、支持棒16bは支持棒16aの図面奥側に位置しているため、支持棒16aに隠れている)を有する第2の鏡支持部材である。
なお、17aは鏡11の背面11bに対する支持棒16aの支持点であり、17bは鏡11の背面11bに対する支持棒16bの支持点である。
可動部18は制御装置5の制御の下で、鏡支持基板15に変位(図中、矢印が示す水平方向に変位)を与える移動機構である。
この実施の形態1では、鏡支持基板15と可動部18が別体である例を示しているが、鏡支持基板15と可動部18が一体的に構成されていてもよい。
制御装置5は可動部18による鏡支持基板15の変位量を制御する制御部である。
この実施の形態1では、鏡11の背面11bに対する4つの支持点14a,14b,17a,17bが十字状に配置されている例を示しているが、これは一例に過ぎず、支持点の数や位置は特に限定するものではない。したがって、図2のように、支持点14a,14bが、支持点17a,17bより外周側に配置されているものに限るものではなく、支持点14a,14bが、支持点17a,17bより内周側に配置されていてもよいし、同じ周上に配置されていてもよい。
ただし、鏡11の背面11bに対する支持点の数が多くなるほど、鏡11の変形形状が高次(高周波)の変形形状になる。
次に動作について説明する。
鏡11は有限の厚みを有する平面鏡であり、背面11bが支持棒13a,13b,16a,16bによって支持されている。
支持棒13a,13b,16a,16bによる鏡11の支持点14a,14b,17a,17bは、十字状に配置されているが、上述したように、支持点の数や配置は特に限定するものではない。
支持棒13a,13bは固定の筐体12により保持されているが、支持棒16a,16bは可動部18によって変位される鏡支持基板15により保持されている。
このため、可動部18が鏡支持基板15に変位を与えると、支持棒16a,16bによる鏡11の支持点17a,17bが変位し、鏡11の表面形状が変形する。
仮に、結像光学系1が所定の収差を持っている場合、変形鏡装置4の鏡11の形状を、その収差を打ち消す形状にすれば、光波面の収差を補正することができる。
ここで、図3は変形鏡装置4における鏡支持基板15を水平方向(図3(b)では、右方向)に変位させている状態を示す説明図である。
特に、図3(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図であり、(c)は側面(鉛直方向)から変形鏡装置4を見た図である。
図3に示すように、可動部18が制御装置5の制御の下で、鏡支持基板15が鏡11の背面11bから遠ざかる方向(図3(b)では、右方向)に変位させると、鏡11の支持点14a,14bの位置は不動であるため、鏡支持基板15が有する支持棒16a,16bによって、鏡11における支持点17a,17bの位置が、図3(b)中、右方向に引っ張られる。
これにより、鏡11の形状に変形が生じる。
鏡11の背面11bの形状は、図3(b)に示すように、水平方向に凸面に変形し、図3(c)に示すように、鉛直方向に凹面に変形する。
なお、鏡11の形状変形は、可動部18による鏡支持基板15の変位によって鏡11の支持点17a,17bの位置が動くことで生じるため、制御装置5が可動部18の変位を制御することで、間接的に鏡11の変形量を制御する。
最終的に制御したいものは鏡11の変形量であり、これは力学の力の釣り合いの式で決まるため、支持点17a,17bの変位量ではなく、支持点17a,17bで生じる圧力を制御する方が好ましい。
また、図4は変形鏡装置4における鏡支持基板15を水平方向(図4(b)では、左方向)に変位させている状態を示す説明図である。
特に、図4(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図であり、(c)は側面(鉛直方向)から変形鏡装置4を見た図である。
図4に示すように、可動部18が制御装置5の制御の下で、鏡支持基板15が鏡11の背面11bに近づく方向(図4(b)では、左方向)に変位させると、鏡11の支持点14a,14bの位置は不動であるため、鏡支持基板15が有する支持棒16a,16bによって、鏡11における支持点17a,17bの位置が、図4(b)中、左方向に押し込まれる。
これにより、鏡11の形状に変形が生じる。
鏡11の背面11bの形状は、図4(b)に示すように、水平方向に凹面に変形し、図4(c)に示すように、鉛直方向に凸面に変形する。
ここで、変形鏡装置4の鏡11は、結像光学系1と焦点面検出器2からなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されており、その共役な瞳を通過する光波面が鏡11により反射される。
鏡11の形状は、鉛直・水平方向に、平面から僅かに凹凸に撓んでいるため、瞳を通過する光波面も、その影響を受けることになる。
このとき、焦点面検出器2がある像面と瞳面は、フーリエ変換(Fourier変換)の関係にあり、瞳面で平坦な光波面であれば、像面では点像が得られることになる。
この実施の形態1の例では、鏡11の形状が鉛直方向と水平方向で凹凸が逆方向に曲がるので、光波面では非点収差に対応する。
したがって、結像光学系1が収差に非点収差を持つような場合、瞳面と共役な位置に配置されている変形鏡装置4において、その光波面を打ち消すように鏡11の形状を変形させると、光波面が平坦に近づき、焦点面検出器2上のぼやけている像が、より点像に近づくようになる。
なお、鏡11は、一般には厚みが均一なものが多いが、鏡11の変形を所望の形状に制御するために、例えば、背面11b側の中央部分が厚く、背面11bの縁部分が薄いなど、均一でないものであってもよい。また、軽量化するために内部をくりぬいたものであってもよい。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、結像光学系1と焦点面検出器2からなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されており、結像光学系1から出射された光を反射する板状の鏡11と、鏡11の背面11bの側に配置されており、鏡11を支持する支持点14a,14bを保持している固定の筐体12と、鏡11の背面11bの側に配置されており、鏡11を支持する支持点17a,17bを保持している鏡支持基板15と、鏡支持基板15に変位を与える可動部18とを備え、制御装置5が、可動部18による鏡支持基板15の変位量を制御するように構成したので、結像光学系1の収差に応じて支持点14a,14b,17a,17bの幾何学的な配置を調整して、補正対象の歪み成分を変えることができる効果を奏する。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。
特に、図5(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図である。図において、図2と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
上記実施の形態1では、筐体12が支持棒13a,13bによって鏡11の背面11bを支持(支持点14a,14bで支持)するものを示したが、この実施の形態2では、筐体12が支持棒13a,13bによって鏡11の背面11bを支持(支持点14a,14bで支持)する他に、筐体12が鏡11の側面を覆う位置において、筐体12が支持点19a,19b,19c,19dを備え、支持点19a,19b,19c,19dによって鏡11の側面を支持するようにしている。
なお、図5では、筐体12が一つの部品からなるように図示しているが、複数の部品から構成されていてもよいことは言うまでもない。
次に動作について説明する。
ただし、収差補正装置3の基本的な動作は上記実施の形態1と同様であり、可動部18の変位を制御することで、鏡11の形状を変形させるものである。
上記実施の形態1との相違点は、筐体12が支持点19a,19b,19c,19dを備えており、支持点19a,19b,19c,19dが鏡11の側面を支持していることである。
例えば、地上では重力の影響があるため、鏡11の重量を支える必要があるが、上記実施の形態1では、支持点14a,14b,17a,17bだけで、鏡11の背面11bを支持する構造になっている。
例えば、鏡11の内部をくりぬく等して軽量化すれば、支持点14a,14b,17a,17bだけでも、鏡11を支えることが可能であるが、鏡11が大きくなると、鏡11の表面積は長さの2乗に比例し、鏡11の重さは長さの3乗に比例(鏡11の重さは体積に比例)するため、重量の影響が無視できなくなり、支持点14a,14b,17a,17bだけでは、鏡11を支えることが困難になる場合も考えられる。
そこで、この実施の形態2では、背面の支持点14a,14b,17a,17bだけで鏡11を支えるのではなく、筐体12が鏡11の側面を覆う位置において、筐体12が支持点19a,19b,19c,19dを備え、側面の支持点19a,19b,19c,19dによっても鏡11を支持するようにしている。
ただし、鏡11の形状を制御するには、背面の支持点14a,14b,17a,17bと、側面の支持点19a,19b,19c,19dとの位置関係をうまく調整する必要がある。
図5の例では、鉛直・水平に配置されている背面の支持点14a,14b,17a,17bに対し、45度回転の位置の鏡11の側面に4点の支持点19a,19b,19c,19dを配置している。
このように構成すると、例えば、鏡11の背面11bの形状が水平方向に凸面に変形し、鉛直方向に凹面に変形する場合、斜め45度方向の側面の支持点付近は、鏡11の変形量が小さくなることが容易に推定される。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、筐体12が鏡11の側面を覆う位置において、筐体12が支持点19a,19b,19c,19dを備え、支持点19a,19b,19c,19dによって鏡11の側面を支持するように構成したので、鏡11が大きくて重量が重くても、鏡11を支えることができる効果を奏する。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による結像光学装置を示す構成図であり、図6において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
回転機構6は制御装置7の制御の下で、鏡11の中央を通る鏡11の法線を回転軸として、鏡11を回転させる機構である。
制御装置7は図1の制御装置5と同様に、可動部18による鏡支持基板15の変位量を制御する他に、回転機構6による鏡11の回転量を制御する制御部である。
図7はこの発明の実施の形態3による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。
特に、図7(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図である。図において、図5と同一符号は同一または相当部分を示している。
次に動作について説明する。
ただし、収差補正装置3の基本的な動作は上記実施の形態1,2と同様であり、可動部18の変位を制御することで、鏡11の形状を変形させるものである。
上記実施の形態1,2との相違点は、鏡11を回転させることが可能な回転機構6を備えていることである。
例えば、図7(a)のように鏡11を回転させて配置するようにすると、結像光学系1が収差に非点収差を持つような場合、瞳面と共役な位置に配置されている変形鏡装置4において、その光波面を打ち消すように鏡11を変形させることになるが、その際、結像光学系1の非点収差の回転方向の位相(凹凸の向き)を合わせることができるようになる。
上記実施の形態1では、結像光学系1の非点収差の回転方向が事前に分かっていて、その回転方向の位相(凹凸の向き)が合っている場合に限り、その収差を補正することができるが、この実施の形態3では、制御装置7の制御の下で、回転機構6が回転方向の位相を合わせることができる。
これにより、光波面が平坦に近づき、焦点面検出器2上のぼやけた像がより点像に近づくことになる。
なお、焦点面検出器2の像がより点像に近づくように鏡11を変形させて光波面を補正するようにしてもよいが、図8又は図9に示すように、結像光学系1と焦点面検出器2の間に光分配装置8(例えば、ビームスプリッター)を配置して光路を分割し、波面センサ9(例えば、Shack-Hartmannセンサ、干渉計など)が光波面を測定して、その測定結果を制御装置7に出力するようにしてもよい。
例えば、波面センサ9を変形鏡装置4の後段に配置して(図8を参照)、変形鏡装置4の後側の瞳と共役な位置の光波面を測定すれば、鏡11により補正された後の光波面を測定することができる。
また、波面センサ9を変形鏡装置4の前段に配置して(図9を参照)、変形鏡装置4の後側の瞳と共役な位置の光波面を測定すれば、鏡11により補正される前の光波面を測定することができる。
なお、鏡11の変形量は可動部18の移動量に依存する。これは鏡11の変形量と可動部18の移動量の対応関係を事前に校正して、制御装置7の内部に応答関数として持っておくことで、可動部18の移動量と鏡11の変形量の対応関係が分かるようになる。つまり、結像光学系1の収差の大きさが分かっていれば、鏡11の変形量から逆算することで、可動部18の移動量が決まるので、波面センサ9で毎回瞳と共役な位置の光波面を測定しなくてもよいことになる。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4による結像光学装置を示す構成図であり、図10において、図6と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
並進機構21は制御装置22の制御の下で、鏡11の中央を通る鏡11の法線が平行に移動するように、鏡11、筐体12、鏡支持基板15及び可動部18からなる変形鏡装置4の全体を並進させる機構である。
制御装置22は図6の制御装置7と同様に、可動部18による鏡支持基板15の変位量及び回転機構6による鏡11の回転量を制御し、また、並進機構21による変形鏡装置4の並進量を制御する制御部である。
図11はこの発明の実施の形態4による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。
特に、図11(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図である。
上記実施の形態1における図2では、筐体12が鏡11の側面を覆い隠しているが、この実施の形態4では、筐体12が鏡11の側面を覆い隠していない点で相違している。
図11(a)では、並進機構21が、鏡11、筐体12、鏡支持基板15及び可動部18からなる変形鏡装置4の全体を紙面の左から右方向に移動させている。
次に動作について説明する。
収差補正装置3の基本的な動作は上記実施の形態1〜3と同様であり、可動部18の変位を制御することで、鏡11の形状を変形させるものである。
上記実施の形態1〜3では、結像光学系1の収差の基準位置(一般的には結像光学系1の中心)と、鏡11の中心とが合っている場合に限り、その収差を補正することができ、結像光学系1の収差の基準位置と、鏡11の中心とが合っていない場合、その収差を補正することができない。
この実施の形態4では、結像光学系1の収差の基準位置と、鏡11の中心とが合っていない場合でも、その収差を補正することができるようにするために、並進機構21を備えている。
制御装置22は、結像光学系1の収差の基準位置と、鏡11の中心とが合っていない場合、その基準位置と中心のずれ量だけ並進させる指示を並進機構21に出力する。
並進機構21は、制御装置22の制御の下で、鏡11、筐体12、鏡支持基板15及び可動部18からなる変形鏡装置4の全体を平行移動することで、結像光学系1の収差の基準位置と、鏡11の中心とを合わせている。図11(a)の例では、変形鏡装置4の全体を紙面の左から右方向に移動させている。
これにより、光波面が平坦に近づき、焦点面検出器2上のぼやけた像がより点像に近づくことになる。
なお、一般的には、変形鏡装置4を配置する部分は、光学設計上、空間的に狭く、配置スペースに余裕がないことが多いが、この実施の形態4では、筐体12が鏡11の側面を覆い隠していないため、鏡11の側面に自由となる空間ができる。これにより、配置の自由度が向上している。
実施の形態5.
図12はこの発明の実施の形態5による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。
特に、図12(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図であり、(c)は側面(鉛直方向)から変形鏡装置4を見た図である。
上記実施の形態4では、筐体12が鏡11の側面を覆い隠していないものを示したが、この実施の形態5では、その筐体12の外周に第2の筐体23を配置するようにしている。
また、上記実施の形態2では、筐体12が支持点19a,19b,19c,19dを備え、支持点19a,19b,19c,19dによって鏡11の側面を支持するようにしているが、この実施の形態5では、第2の筐体23が支持点19a,19b,19c,19dを備え、支持点19a,19b,19c,19dによって鏡11の側面を支持するようにしている。
次に動作について説明する。
収差補正装置3の基本的な動作は上記実施の形態1〜4と同様であり、可動部18の変位を制御することで、鏡11の形状を変形させるものである。
上記実施の形態1〜4との相違点は、第2の筐体23が支持点19a,19b,19c,19dを備えており、並進機構21が、制御装置22の制御の下で、筐体12と第2の筐体23の相対位置を変えていることである。
制御装置22は、結像光学系1の収差の基準位置と、鏡11の中心とが合っていない場合、上記実施の形態4と同様に、その基準位置と中心のずれ量だけ並進させる指示を並進機構21に出力する。
並進機構21は、制御装置22の制御の下で、鏡11、筐体12、鏡支持基板15及び可動部18からなる部分を平行移動させて、第2の筐体23との相対位置を変えことで、結像光学系1の収差の基準位置と、鏡11の中心とを合わせている。図12(a)(c)の例では、鏡11、筐体12、鏡支持基板15及び可動部18からなる部分を紙面の左から右方向に移動させている。
これにより、光波面が平坦に近づき、焦点面検出器2上のぼやけた像がより点像に近づくことになる。
また、第2の筐体23が支持点19a,19b,19c,19dを備え、支持点19a,19b,19c,19dによって鏡11の側面を支持するように構成したので、鏡11が大きくて重量が重くても、鏡11を支えることができる効果を奏する。
実施の形態6.
図13はこの発明の実施の形態6による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。
特に、図13(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図である。
鏡30は、上記実施の形態1〜5における鏡11と同様に、有限の厚みを有する板状の鏡であり、結像光学系1と焦点面検出器2からなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されている。また、鏡30は、鏡11と同様に、結像光学系1から出射された光を反射し、その反射光は例えば図示せぬ光学素子などによって屈折等され、その後、焦点面に結像される。
鏡30は、鏡11と異なり、厚みが場所によって異なる構成となっている。図13の例では、鏡30は、背面の中央部が薄く、縁部が厚くなっている。
次に動作について説明する。
収差補正装置3の基本的な動作は上記実施の形態1〜5と同様であり、可動部18の変位を制御することで、鏡30の形状を変形させるものである。
上記実施の形態1〜5との相違点は、鏡11とは異なり、鏡30の厚みが場所によって異なる構成となっていることである。
一般的に、鏡は、厚みが小さいと変形が大きく、厚みが大きいと変形が小さくなる傾向にある。
そこで、この実施の形態6では、可動部18の変位量が小さくても、中央部の変形を大きくできるようにするため、鏡11の代わりに、中央部が薄くて、縁部が厚くなっている鏡30を用いている。
これにより、可動部18の可動幅を小さく抑えることができるので、配置の自由度が向上する。
実施の形態7.
図14はこの発明の実施の形態7による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。
特に、図14(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図である。
この実施の形態7の変形鏡装置4の構成は、上記実施の形態5と同様である。
上記実施の形態5では、筐体12の支持棒13a,13bが支持点14a,14bを保持することで、鏡11の背面11bを支持し、鏡支持基板15の支持棒16a,16bが支持点17a,17bを保持することで、鏡11の背面11bを支持しているが、支持棒13a,13b,16a,16bと支持点14a,14b,17a,17bを固定する際、鏡11が変形していない状態で、支持棒13a,13b,16a,16bと支持点14a,14b,17a,17bの間を固定している。
したがって、可動部18を動かしていない状態では、鏡11は変形しておらず、可動部18を動かすと、鏡11が変形する。
これに対して、この実施の形態7では、支持棒13a,13b,16a,16bと支持点14a,14b,17a,17bを固定する際、鏡11が変形している状態で、支持棒13a,13b,16a,16bと支持点14a,14b,17a,17bの間を固定している。
したがって、可動部18を動かしていない状態でも、鏡11が変形している。
この実施の形態7では、可動部18を動かしていない位置でも、既に鏡11が変形している状態であるので、光波面が平坦から大きくずれている場合、その光波面を打ち消すように鏡11の形状を変形させる際の可動部18の変位量を小さくすることが可能になる。
これにより、可動部18の可動幅を小さく抑えることができるので、配置の自由度が向上する。
実施の形態8.
図15はこの発明の実施の形態8による収差補正装置3の変形鏡装置4を示す構成図である。
特に、図15(a)は正面から変形鏡装置4を見た図であり、(b)は側面(水平方向)から変形鏡装置4を見た図である。
また、(c)は変形鏡装置4に対して取付可能な鏡11の一例を示している。
第1の鏡支持部材である筐体12は、支持点14a,14bを保持する支持棒13a,13bと、その支持棒13a,13bと着脱自在に嵌合する支持棒接続部31a,31bとを有している。
また、第2の鏡支持部材である鏡支持基板15は、支持点17a,17bを保持する支持棒16a,16bと、その支持棒16a,16bと着脱自在に嵌合する支持棒接続部32a,32bとを有している。図15(b)では、支持棒接続部32bは支持棒接続部32aの図面奥側に位置しているため、支持棒接続部32aに隠れている。
次に動作について説明する。
収差補正装置3の基本的な動作は上記実施の形態1〜7と同様であり、可動部18の変位を制御することで、鏡11の形状を変形させるものである。
上記実施の形態1〜7との相違点は、鏡11を交換することが可能な構造を備えていることである。
この実施の形態8では、筐体12が、支持点14a,14bによって鏡11を支持するとともに、鏡支持基板15が、支持点17a,17bによって鏡11を支持しているが、筐体12に固定されている支持棒接続部31a,31bから、支持棒13a,13bを取り外すことができる。また、鏡支持基板15に固定されている支持棒接続部32a,32bから、支持棒16a,16bを取り外すことができる。
このように、支持棒接続部31a,31b,32a,32bから、支持棒13a,13b,16a,16bを取り外すことで、変形鏡装置4から鏡11を取り外すことができるので、必要に応じて鏡11を交換することができる。
鏡11の変形量は、鏡11の厚みに依存するため、例えば、図15(c)のように厚みが異なる複数の鏡11を用意しておき、必要に応じて鏡11を交換することで、可動部18を大きく動かさなくても、光波面を打ち消すことが可能な鏡11の変形形状を得ることができる。
これにより、可動部18の可動幅を小さく抑えることができるので、配置の自由度が向上する。
また、鏡11を交換することができるため、鏡11の配置の自由度が向上する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 結像光学系、2 焦点面検出器、3 収差補正装置、4 変形鏡装置、5 制御装置(制御部)、6 回転機構、7 制御装置(制御部)、8 光分配装置、9 波面センサ、11 鏡、11a 反射面、11b 背面(反射面と反対の面)、12 筐体(第1の鏡支持部材)、13a,13b 支持棒、14a,14b 支持点、15 鏡支持基板(第2の鏡支持部材)、16a,16b 支持棒、17a,17b 支持点、18 可動部、19a,19b,19c,19d 支持点、21 並進機構、22 制御装置、23 第2の筐体、30 鏡、31a,31b,32a,32b 支持棒接続部。

Claims (7)

  1. 入射された光を焦点面に結像する結像光学系と、前記焦点面に結像されている光の像を検出する焦点面検出器とからなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されており、前記結像光学系から出射された光を反射する板状の鏡と、
    前記鏡における光の反射面と反対の面側に配置されており、前記鏡を支持する1つ以上の支持点を保持している第1の鏡支持部材と、
    前記鏡における光の反射面と反対の面側に配置されており、前記鏡を支持する1つ以上の支持点を保持している第2の鏡支持部材と、
    前記第2の鏡支持部材に変位を与える可動部と、
    前記可動部による前記第2の鏡支持部材の変位量を制御する制御部と
    を備えた収差補正装置。
  2. 前記第1及び第2の鏡支持部材により保持されている支持点は、前記鏡における光の反射面と反対の面を支持していることを特徴とする請求項1記載の収差補正装置。
  3. 前記第1の鏡支持部材は、前記鏡における光の反射面と反対の面を支持する支持点の他に、前記鏡の側面を支持する支持点を保持していることを特徴とする請求項2記載の収差補正装置。
  4. 前記鏡の中央を通る前記鏡の法線を回転軸として、前記鏡を回転させる回転機構を備え、
    前記制御部は、前記回転機構による前記鏡の回転量を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の収差補正装置。
  5. 前記鏡の中央を通る前記鏡の法線が平行に移動するように、前記鏡と前記第1及び第2の鏡支持部材と前記可動部とを並進させる並進機構を備え、
    前記制御部は、前記並進機構による並進量を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の収差補正装置。
  6. 前記第1及び第2の鏡支持部材は、前記鏡における光の反射面と反対の面を支持している前記支持点を保持する支持棒と、前記支持棒と着脱自在に嵌合する支持棒接続部とを有していることを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項記載の収差補正装置。
  7. 入射された光を焦点面に結像する結像光学系と、
    前記結像光学系によって前記焦点面に結像されている光の像を検出する焦点面検出器と、
    前記結像光学系と前記焦点面検出器からなる光学系の瞳面と共役な位置に配置されており、前記結像光学系から出射された光を反射する板状の鏡と、
    前記鏡における光の反射面と反対の面側に配置されており、前記鏡を支持する1つ以上の支持点を保持している第1の鏡支持部材と、
    前記鏡における光の反射面と反対の面側に配置されており、前記鏡を支持する1つ以上の支持点を保持している第2の鏡支持部材と、
    前記第2の鏡支持部材に変位を与える可動部と、
    前記可動部による前記第2の鏡支持部材の変位量を制御する制御部と
    を備えた結像光学装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023241813A1 (de) * 2022-06-17 2023-12-21 Trumpf Lasersystems For Semiconductor Manufacturing Gmbh Vorrichtung zum korrigieren eines astigmatismus eines laserstrahls

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