JP2015052767A - レジストパターンの形成方法、及び、モールドの作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レジストパターンを形成する際、所定の組成を有するレジスト層に対して、必要露光量を抑えつつも(より高感度で)、所望の高い解像度をもたらすレジストのパターン形成方法、及び当該パターン形成方法を用いたモールドの作製方法を提供すること。
【解決手段】シロキサン結合の繰り返しを主鎖とし、かつ有機溶剤を溶媒とした溶液の溶質と成り得る組成を有する化合物を主成分とする溶液を基板表面に塗布して形成するレジスト層に、エネルギービームを照射して描画又は露光し、その後現像処理して、レジストパターンを形成するパターン形成方法であって、描画又は露光を経たレジスト層を、第1の現像液にて現像処理する第1の現像処理工程と、その後、第1の現像処理工程を経た当該レジスト層を、第2の現像液にて現像処理する第2の現像処理工程と、を有することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
【選択図】図2
【解決手段】シロキサン結合の繰り返しを主鎖とし、かつ有機溶剤を溶媒とした溶液の溶質と成り得る組成を有する化合物を主成分とする溶液を基板表面に塗布して形成するレジスト層に、エネルギービームを照射して描画又は露光し、その後現像処理して、レジストパターンを形成するパターン形成方法であって、描画又は露光を経たレジスト層を、第1の現像液にて現像処理する第1の現像処理工程と、その後、第1の現像処理工程を経た当該レジスト層を、第2の現像液にて現像処理する第2の現像処理工程と、を有することを特徴とするレジストパターン形成方法である。
【選択図】図2
Description
本発明は、レジストパターンの形成方法及びモールドの作製方法に関し、特に、電子線に感度を持つ水素化シルセスキオキサン(hydrogen silsesquioxane、以下HSQと称す)を単独または主成分とするレジスト層にパターンを形成する際の現像液と現像処理方法、及び、当該レジストパターン形成方法を用いたモールド作製方法に関する。
20nm以下のパターン形成が可能な電子線描画(露光)用レジストとして、ポリメチルメタクリレート、α―メチルスチレンとα―クロロアクリル酸の共重合体、カリックスアレン、HSQ等が市販されている。
特にHSQは、シロキサン結合(Si−O結合)の繰り返しを主鎖とする化合物である。従って、塩素と酸素の混合ガスを主成分とするエッチングガスによってドライエッチング処理が可能である被加工層、即ち例えばクロム(Cr)を主成分とする層、にパターン加工する場合において、HSQは最も適したレジスト材料の一つである。また、側鎖に有機官能基を持つために、例えばメチルイソブチルケトン(以下、MiBKと称す)等の有機溶剤に可溶である。
特にHSQは、シロキサン結合(Si−O結合)の繰り返しを主鎖とする化合物である。従って、塩素と酸素の混合ガスを主成分とするエッチングガスによってドライエッチング処理が可能である被加工層、即ち例えばクロム(Cr)を主成分とする層、にパターン加工する場合において、HSQは最も適したレジスト材料の一つである。また、側鎖に有機官能基を持つために、例えばメチルイソブチルケトン(以下、MiBKと称す)等の有機溶剤に可溶である。
HSQの標準現像液は、0.26N(2.38%)のテトラメチルハイドロアンモニウム水溶液(以下、TMAH水溶液と称す)が推奨されている(非特許文献1を参照)。一方で、より高い解像度を、即ち、より微細なパターンの形成を実現するために、種々の現像液が検討されている。
例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)1%に塩(NaCl)4%を添加した水溶液、が考案されている(非特許文献2を参照)。この水溶液を現像液として、必要露光量(感度):5.5nC/cm2(加速電圧10kV)で、解像度:12nmピッチ(即ち、6nmのラインアンドスペースパターン(以下、LSパターンと称す))の形成を実現した、と報告されている。
他方、種々の有機溶剤を現像液とすることが検討されている(非特許文献3を参照)。前記水酸化ナトリウム(NaOH)1%に塩(NaCl)4%を添加した水溶液から成る現像液に対比して、有機溶剤を現像液とすることで、解像度は劣るが、必要露光量の低減(高感度化)が実現できることが報告されている。具体的には、キシレン(Xylene)を現像液として、露光量185μc/cm2(加速電圧100kV)で、124nmピッチのパターン(即ち、62nmのLSパターンが形成できた、と報告されている。
また、HSQの解像度を向上させる別な手段として、アルカリ水溶液による現像処理に続いて、フッ酸によるエッチング処理を行う、というHSQレジストのパターン形成方法(現像処理方法)が提案されている(非特許文献4を参照)。HSQからなるレジスト層に対して、アルカリ水溶液を現像液として現像処理を行うと、現像過程において、HSQからなるレジスト層の表面に難溶化層が生成されて残渣(スカム:scum)となり、解像度を劣化させる。この難溶化層を除去する手段として、アルカリ水溶液による現像処理の後に、フッ酸によるエッチング処理を行うことでHSQの残渣(スカム:scum)を除去する。これによって、25nmピッチの孤立分離したドットパターンが形成できる、即ち、解像度が向上した、と報告されている。
さらに、前記水酸化ナトリウム(NaOH)1%に塩(NaCl)4%を添加した水溶液を現像液とする場合も、NaClの機能効果は、フッ酸によるエッチング処理と同様に、前記難溶化層を除去するものである、と報告されている。
さらに、前記水酸化ナトリウム(NaOH)1%に塩(NaCl)4%を添加した水溶液を現像液とする場合も、NaClの機能効果は、フッ酸によるエッチング処理と同様に、前記難溶化層を除去するものである、と報告されている。
Product Information:XR-1541 E-Beam Resist, DOW CORNING
J.Vac.Sci.Technol.B 27(6), Nov/Dec 2009、"Understanding of HSQ electron resist for sub-5nm-half-pitch lithography"
J.Vac.Sci.Technol.B 22(6), Nov/Dec 2004、"Nonaqueours development of Silsesquioxane electron beam resist"
J.Vac.Sci.Technol.B 27(1), Jan/Feb 2009、"Two-step resist development process of HSQ for high-density EB nano-patterning"
図1は、現像液を、イソプロパノール(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MiBK)、2.38%TMAH水溶液、25%TMAH水溶液、水酸化ナトリウム(NaOH)1%に塩(NaCl)を4%添加した水溶液、の6種類として、HSQからなるレジスト層の残膜感度曲線(電子線露光量に対する露光部残膜率)を求めた結果の代表例である。なお、いずれの場合も、露光(描画)の加速電圧は100kVである。また、ここでは、いずれの場合も、HSQ塗布後の加熱処理は行っていない。
表1は、図1に記載の各残膜感度曲線のコントラスト(γ値)を求めた結果である。
前記のアルカリ水溶液(3種)を現像液とした場合、露光部残膜率が最大となって飽和安定する露光量域は1000μC/cm2以上であり、そのコントラスト(γ値)は4.2乃至5.9であった。即ち、アルカリ水溶液による現像処理は、有機溶剤からなる現像液(3種)に対比して、解像度は高い(解像度に優る)が、感度が低い(必要露光量は高い)。
一方、前記各種の有機溶剤を現像液(3種)とした場合では、露光部残膜率が最大となって飽和安定する露光量域は100μC/cm2以下であるが、そのコントラスト(γ値)は1.2乃至2.6であった。即ち、アルカリ水溶液(3種)を現像液とした場合に対比して、有機溶媒による現像処理は、感度は桁違いに高い(必要露光量は桁違いに低い)が、解像度は低い(解像度に劣る)。
なお、ここでは便宜的に、残膜率20%と80%との間の残膜感度曲線の傾斜をコントラスト(γ値)と定義した。
表1は、図1に記載の各残膜感度曲線のコントラスト(γ値)を求めた結果である。
一方、前記各種の有機溶剤を現像液(3種)とした場合では、露光部残膜率が最大となって飽和安定する露光量域は100μC/cm2以下であるが、そのコントラスト(γ値)は1.2乃至2.6であった。即ち、アルカリ水溶液(3種)を現像液とした場合に対比して、有機溶媒による現像処理は、感度は桁違いに高い(必要露光量は桁違いに低い)が、解像度は低い(解像度に劣る)。
なお、ここでは便宜的に、残膜率20%と80%との間の残膜感度曲線の傾斜をコントラスト(γ値)と定義した。
ところで、例えばフォトマスク製造で常用される電子線レジストの必要露光量(感度)は10乃至20μC/cm2程度(加速電圧50kV)である。これより高い必要露光量(低い感度)のレジストを用いると、単純には描画の生産性が低化して、フォトマスクの製造コストが増大してしまう。
一方、前記の通り、20nm以下のパターン形成を行う場合、HSQからなるレジスト層とアルカリ水溶液からなる現像液を用いると、その必要露光量(感度)は1000μC/cm2以上(加速電圧100kV)となってしまう。
一方、前記の通り、20nm以下のパターン形成を行う場合、HSQからなるレジスト層とアルカリ水溶液からなる現像液を用いると、その必要露光量(感度)は1000μC/cm2以上(加速電圧100kV)となってしまう。
ここで、電子線描画装置の加速電圧と露光量との関係は略比例の関係にある。加速電圧50kVの装置で、必要露光量20μC/cm2でパターン形成可能なレジストは、加速電圧100kVの装置では(加速電圧が2倍になれば)、必要露光量を40μC/cm2程度(略2倍)としないと、レジストパターンの形成はできない。また、20nm以下のパターン形成を行う場合、加速度電圧100kVの電子線描画装置で、HSQからなるレジスト層の必要露光量は1000μC/cm2以上である。従って、両者の比は25倍(1000/40)以上である。HSQの必要露光量が著しく大きい(感度が著しく低い)ことは明白であり、HSQからなるレジスト層を使ったフォトマスク製造(モールド作製を含む)は、工業的に成り立たない。
また、リソグラフィ技術に要求される解像度は、半導体用途では、2015年にハーフピッチ16nm(16nmのLSパターン)の形成、2019年にハーフピッチ11nm(11nmのLSパターン)の形成、が必要とされている。さらに、より微細なパターン形成が必要とされるパターンドメディア用途では、2015年にビットピッチ18nmビットパターン(9nm径のビット)の形成、2018年にビットピッチ15nmビットパターン(7.5nm径のビット)の形成、が要求されている。
特に、マスク表面の凹凸パターンを物理的に押し付けてパターン転写する、即ち縮小投影露光法(1/4に縮小転写)に対比して等倍パターンを転写するナノインプリント法では、ナノインプリント用マスク(モールド、とも言う)に10nm前後あるいはそれ以下の極微細なパターンを形成する必要がある。
特に、マスク表面の凹凸パターンを物理的に押し付けてパターン転写する、即ち縮小投影露光法(1/4に縮小転写)に対比して等倍パターンを転写するナノインプリント法では、ナノインプリント用マスク(モールド、とも言う)に10nm前後あるいはそれ以下の極微細なパターンを形成する必要がある。
ところが、前記の通り、10nm以下の解像度が実証されているHSQからなるレジスト層ではあるが、工業的なマスク製造(ナノインプリント用マスク(モールド)の製造を含む)に見合ったより低い必要露光量(高い感度)を提供するプロセス方法、パターン形成方法がない。
本発明の目的は、上述の事情を考慮して成されたものであり、レジストパターンを形成する際、所定の組成を有するレジスト層に対して、必要露光量を抑えつつも(より高感度で)、所望の高い解像度をもたらすレジストのパターン形成方法、及び、当該パターン形成方法を用いたモールドの作製方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
シロキサン結合(Si−O結合)の繰り返しを主鎖とし、かつ、有機溶剤を溶媒とした溶液の溶質と成り得る組成を有する化合物を主成分とする溶液を基板表面に塗布して形成するレジスト層に、エネルギービームを照射して描画又は露光し、その後現像処理して、レジストパターンを形成するレジストパターン形成方法であって、
描画又は露光を経た前記レジスト層を、第1の現像液にて現像処理する第1の現像処理工程と、
その後、第1の現像処理工程を経た当該レジスト層を、第2の現像液にて現像処理する第2の現像処理工程と、を有する、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法、である。
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載の発明において、
前記第2の現像液は、前記第1の現像液より、前記化合物(例えば、HSQ)の溶解速度が大きい、
ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、
第1また第2の態様に記載の発明において、
前記第1の現像液は有機溶剤を含む、
ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、
第1から第3の態様のいずれかに記載の発明において、
前記第2の現像液は、アルカリ水溶液を主成分とする水溶液である、
ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、
第3の態様に記載の発明において、
前記有機溶剤は、前記レジスト層を形成するために用いる前記溶液の溶媒である、
ことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、
第3または第5の態様に記載の発明において、
前記有機溶剤は、イソプロパノール(IPA)である、
ことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、
第3または第5の態様に記載の発明において、
前記有機溶剤は、メチルイソブチルケトン(MiBK)である、
ことを特徴とする。
本発明の第8の態様は、
第4の態様に記載の発明において、
前記第2の現像液は、テトラメチルハイドロアンモニウム(TMAH)水溶液を含む、
ことを特徴とする。
本発明の第9の態様は、
第4の態様に記載の発明において、
前記第2の現像液は、水酸化ナトリウム(NaOH)に塩化ナトリウム(NaCl)を添加した水溶液を含む、
ことを特徴とする。
本発明の第10の態様は、
第1から第9の態様のいずれかに記載の発明において、
前記化合物を主成分とする前記溶液は、前記化合物が有機官能基を側鎖に持ち、かつ、有機溶剤が主溶媒である溶液である、
ことを特徴とする。
本発明の第11の態様は、
第1から第9の態様のいずれかに記載の発明において、
前記化合物を主成分とする前記溶液は、前記化合物が有機官能基を側鎖に持ち、かつ、MiBKが主溶媒である溶液である、
ことを特徴とする。
本発明の第12の態様は、
第1から第11の態様のいずれかに記載の発明において、
前記第1の現像処理工程において、前記第1の現像液による第1の現像処理時間は、露光後の前記レジスト層の溶解が飽和する時間に応じて決定される、
ことを特徴とする。
本発明の第13の態様は、
第1から第12の態様のいずれかに記載の発明において、
前記第2の現像処理工程において、前記第2の現像液による第2の現像処理時間は、露光後の前記レジスト層の溶解が飽和する時間に応じて決定される、
ことを特徴とする。
本発明の第14の態様は、
前記第1から第13の態様のいずれかに記載の発明を用いてレジストパターンを形成し、当該レジストパターンを元に、基板を加工して、基板表面に凹凸パターンを形成して、モールドを作製する、
ことを特徴とする。
本発明の第15の態様は、
前記第1から第13の態様のいずれかに記載の発明を用いてレジストパターンを基板の表面に形成し、当該レジストパターンを凹凸パターンとして利用するモールドを作製する、
ことを特徴とする。
シロキサン結合(Si−O結合)の繰り返しを主鎖とし、かつ、有機溶剤を溶媒とした溶液の溶質と成り得る組成を有する化合物を主成分とする溶液を基板表面に塗布して形成するレジスト層に、エネルギービームを照射して描画又は露光し、その後現像処理して、レジストパターンを形成するレジストパターン形成方法であって、
描画又は露光を経た前記レジスト層を、第1の現像液にて現像処理する第1の現像処理工程と、
その後、第1の現像処理工程を経た当該レジスト層を、第2の現像液にて現像処理する第2の現像処理工程と、を有する、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法、である。
本発明の第2の態様は、
第1の態様に記載の発明において、
前記第2の現像液は、前記第1の現像液より、前記化合物(例えば、HSQ)の溶解速度が大きい、
ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、
第1また第2の態様に記載の発明において、
前記第1の現像液は有機溶剤を含む、
ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、
第1から第3の態様のいずれかに記載の発明において、
前記第2の現像液は、アルカリ水溶液を主成分とする水溶液である、
ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、
第3の態様に記載の発明において、
前記有機溶剤は、前記レジスト層を形成するために用いる前記溶液の溶媒である、
ことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、
第3または第5の態様に記載の発明において、
前記有機溶剤は、イソプロパノール(IPA)である、
ことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、
第3または第5の態様に記載の発明において、
前記有機溶剤は、メチルイソブチルケトン(MiBK)である、
ことを特徴とする。
本発明の第8の態様は、
第4の態様に記載の発明において、
前記第2の現像液は、テトラメチルハイドロアンモニウム(TMAH)水溶液を含む、
ことを特徴とする。
本発明の第9の態様は、
第4の態様に記載の発明において、
前記第2の現像液は、水酸化ナトリウム(NaOH)に塩化ナトリウム(NaCl)を添加した水溶液を含む、
ことを特徴とする。
本発明の第10の態様は、
第1から第9の態様のいずれかに記載の発明において、
前記化合物を主成分とする前記溶液は、前記化合物が有機官能基を側鎖に持ち、かつ、有機溶剤が主溶媒である溶液である、
ことを特徴とする。
本発明の第11の態様は、
第1から第9の態様のいずれかに記載の発明において、
前記化合物を主成分とする前記溶液は、前記化合物が有機官能基を側鎖に持ち、かつ、MiBKが主溶媒である溶液である、
ことを特徴とする。
本発明の第12の態様は、
第1から第11の態様のいずれかに記載の発明において、
前記第1の現像処理工程において、前記第1の現像液による第1の現像処理時間は、露光後の前記レジスト層の溶解が飽和する時間に応じて決定される、
ことを特徴とする。
本発明の第13の態様は、
第1から第12の態様のいずれかに記載の発明において、
前記第2の現像処理工程において、前記第2の現像液による第2の現像処理時間は、露光後の前記レジスト層の溶解が飽和する時間に応じて決定される、
ことを特徴とする。
本発明の第14の態様は、
前記第1から第13の態様のいずれかに記載の発明を用いてレジストパターンを形成し、当該レジストパターンを元に、基板を加工して、基板表面に凹凸パターンを形成して、モールドを作製する、
ことを特徴とする。
本発明の第15の態様は、
前記第1から第13の態様のいずれかに記載の発明を用いてレジストパターンを基板の表面に形成し、当該レジストパターンを凹凸パターンとして利用するモールドを作製する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、所定の組成を有するレジスト層にパターンを形成するために、必要なエネルギーの照射量(必要露光量)を抑えつつも、高い解像度をもたらすことができる。
本発明者らは、所定の組成を有するレジスト層(本実施形態においてはHSQからなるレジスト層、又は、HSQを主成分とするレジスト層(以下、単に、HSQレジスト層、と称す))に対して、高い解像度と低い必要露光量(高い感度)をもたらすための手段について種々検討した。
本発明者らは、特に、高い解像度を維持したまま、必要露光量の低減を図るべく、第1の現像処理工程の第1の現像液を有機溶剤とし、また、第2の現像処理工程の第2の現像液を前記第1の現像液よりもHSQレジスト層の溶解速度が大きな組成とし、かつ、第1の現像処理工程の後、第2の現像処理工程を経ることで、必要露光量を抑えつつも、前記第2の現像液を単独で用いて現像処理した場合と略同等の解像度のレジストパターンを形成できることを見出した。
<実施の形態>
以下、本発明の実施形態を、レジストパターン形成及びモールド製造の工程を説明するための工程概略図である図2及び断面概略図である図3に基づいて説明する。
以下、本発明の実施形態を、レジストパターン形成及びモールド製造の工程を説明するための工程概略図である図2及び断面概略図である図3に基づいて説明する。
(基板作製工程)
(基板の準備)
まず、最終的にモールド20となる基板1を用意する。
本実施形態における基板とは、石英、サファイヤ、またはSi等の金属、プラスチック、セラミック等からなり、あるいはそれらの組み合わせからなる。モールド20として用いることができるのならば、材質あるいは構造あるいは形状は問わない。
(基板の準備)
まず、最終的にモールド20となる基板1を用意する。
本実施形態における基板とは、石英、サファイヤ、またはSi等の金属、プラスチック、セラミック等からなり、あるいはそれらの組み合わせからなる。モールド20として用いることができるのならば、材質あるいは構造あるいは形状は問わない。
本実施形態においては、ウエハ形状の石英からなる基板1を用いて説明する。以降、このウエハ形状の石英からなる基板1を単に基板1という。
(基板1へのハードマスク層の形成)
まず、必要に応じて適宜研磨し洗浄した基板1(図3(a))をスパッタリング装置に導入する。そして本実施形態においては、クロム(Cr)からなるターゲットをアルゴンガスと窒素ガスでスパッタリングし、窒化クロムからなるハードマスク層2を形成する(図3(b))。
まず、必要に応じて適宜研磨し洗浄した基板1(図3(a))をスパッタリング装置に導入する。そして本実施形態においては、クロム(Cr)からなるターゲットをアルゴンガスと窒素ガスでスパッタリングし、窒化クロムからなるハードマスク層2を形成する(図3(b))。
なお、本実施形態におけるハードマスク層2は、単一または複数の層からなり、後出のレジストパターン4の溝(以降、溝部という)に対応する部位のハードマスク層2をエッチングして除去した後、基板1をエッチングして溝部を形成する際のマスク材として作用し、溝部以外を保護することができる層のことを指す。ここで、ハードマスク層2は、HSQレジスト層3との密着性が良好であるものが好ましい。また、必要に応じて、ハードマスク層2とレジスト層3と間に密着補助層を設けてもよい。また、ハードマスク層2は、HSQレジスト層3とのエッチング選択性が良好であるものが好ましい。また、この時のハードマスク層2の膜厚は、基板1に溝を形成するエッチングが完了するまで残存する厚さであることが好ましい。
(レジスト層形成工程)
(レジスト層の形成)
前記ハードマスク層2を形成した基板1に対して、適宜洗浄し、密着性向上のために必要に応じてレジスト塗布前の脱水ベーク処理あるいは密着補助層の形成を行った後、本実施形態においては、図3(c)に示すように、ハードマスク層2を形成した基板1に対して、HSQレジスト層3を形成する。
本実施形態においては、有機溶剤を溶媒としたHSQを含むレジスト溶液を用い、ハードマスク層2を形成した基板1の主表面に当該レジスト溶液を滴下した後、所定の回転数にて基板1を回転させレジスト層3を形成する回転塗布法を用いる。次いで、レジスト層3が回転塗布されたハードマスク層2を形成した基板1を、ホットプレートにて、所定の温度と時間で加熱処理する。その後、冷却して、乾燥し、レジスト層3を形成した。ただし、場合によっては、この加熱処理を行わなくともよい。
ここで、ハードマスク層2を必要とせずにレジストパターンをマスク材として基板1をエッチングして溝形成できる場合、基板1に直接レジスト層3を形成してもよい。またこの場合、基板1に対して脱水ベーク処理あるいは密着補助層の形成を行った後、その上にレジスト層3を設ける。
(レジスト層の形成)
前記ハードマスク層2を形成した基板1に対して、適宜洗浄し、密着性向上のために必要に応じてレジスト塗布前の脱水ベーク処理あるいは密着補助層の形成を行った後、本実施形態においては、図3(c)に示すように、ハードマスク層2を形成した基板1に対して、HSQレジスト層3を形成する。
本実施形態においては、有機溶剤を溶媒としたHSQを含むレジスト溶液を用い、ハードマスク層2を形成した基板1の主表面に当該レジスト溶液を滴下した後、所定の回転数にて基板1を回転させレジスト層3を形成する回転塗布法を用いる。次いで、レジスト層3が回転塗布されたハードマスク層2を形成した基板1を、ホットプレートにて、所定の温度と時間で加熱処理する。その後、冷却して、乾燥し、レジスト層3を形成した。ただし、場合によっては、この加熱処理を行わなくともよい。
ここで、ハードマスク層2を必要とせずにレジストパターンをマスク材として基板1をエッチングして溝形成できる場合、基板1に直接レジスト層3を形成してもよい。またこの場合、基板1に対して脱水ベーク処理あるいは密着補助層の形成を行った後、その上にレジスト層3を設ける。
また、このHSQレジスト層は、エネルギービームを照射して描画又は露光したときに反応性を有するものであればよく、また、紫外線、X線、電子線、イオンビーム、プロトンビーム等に感度を持つレジスト層であってもよい。なお、このHSQレジスト層は、有機溶剤に可溶な、あるいは、有機溶剤を溶媒とする溶液の溶質として成る得るものであればよい。
なお、本実施形態においては、電子線描画を行う場合について述べる。
なおこの際、レジスト層3の上に、チャージアップ防止のための導電剤を塗布してもよい。
また、この時のレジスト層3の厚さは、基板1に形成したハードマスク層2へのエッチングが完了するまでレジスト層3が残存する程度の厚さであることが好ましい。ハードマスク層2へのエッチングにより、レジスト層3に形成されるレジスト溶解部に対応する部位のみならず、レジスト非溶解部のレジスト層3も少なからず除去されるためである。
また、この時のレジスト層3の厚さは、基板1に形成したハードマスク層2へのエッチングが完了するまでレジスト層3が残存する程度の厚さであることが好ましい。ハードマスク層2へのエッチングにより、レジスト層3に形成されるレジスト溶解部に対応する部位のみならず、レジスト非溶解部のレジスト層3も少なからず除去されるためである。
(パターン描画工程)
(パターン描画)
次に、電子線描画装置を用いて、レジスト層3に所望のパターンを描画・露光する。
この微細パターンはミクロンオーダーであってもよいが、近年の電子機器の性能という観点からはナノオーダーであってもよいし、最終製品の性能を考えると、その方が好ましい。
なお、本実施形態においては、HSQレジスト層3はネガ型レジストである。即ち、電子線描画した部位が現像液に対する非溶解部となり、ひいてはモールド20の非溝部に対応する場合について説明する。
(パターン描画)
次に、電子線描画装置を用いて、レジスト層3に所望のパターンを描画・露光する。
この微細パターンはミクロンオーダーであってもよいが、近年の電子機器の性能という観点からはナノオーダーであってもよいし、最終製品の性能を考えると、その方が好ましい。
なお、本実施形態においては、HSQレジスト層3はネガ型レジストである。即ち、電子線描画した部位が現像液に対する非溶解部となり、ひいてはモールド20の非溝部に対応する場合について説明する。
(第1の現像処理工程)
(第1の現像)
所望の微細パターンを電子線描画した後、図3(d)に示すように、レジスト層3を所定の第1の現像液で現像処理し、レジスト層3において電子線描画されなかった非描画部を除去し、所望の微細パターンに対応する第1のレジストパターン4を形成する。
(第1の現像)
所望の微細パターンを電子線描画した後、図3(d)に示すように、レジスト層3を所定の第1の現像液で現像処理し、レジスト層3において電子線描画されなかった非描画部を除去し、所望の微細パターンに対応する第1のレジストパターン4を形成する。
ここで本実施形態においては、有機溶剤を含む第1の現像液によって、前記描画されたレジスト層3を現像処理する(第1の現像処理工程)。即ち、非描画部分のレジスト層を溶解除去する。
さらに詳しくは、前記第1の現像処理工程に用いる第1の現像液は、HSQレジスト溶液の溶媒が望ましい。さらには、前記第1の現像処理工程に用いる第1の現像液は、HSQレジスト溶液の溶媒がMiBKである場合、MiBKが望ましい。
図1には、各種有機溶剤(3種)を現像液として、HSQレジスト層の残膜感度曲線(残膜率と電子線露光量との関係)を求めた結果を記載した。図1に示したように、HSQレジスト溶液を塗布した後の加熱処理の温度と時間を固定した場合(この場合、加熱処理はなし、とした)、MiBKによる現像処理によって、低露光領域(例えば図1中の10μC/cm2以下の露光量の領域)での残膜率は、他の有機溶剤を第1の現像液とした場合に対比して、最小となった。
また、前記電子線描画された部分(所望の描画部)以外の部分(非描画部)も、実際には、電子線描画に起因する後方散乱、前方散乱やフォギング(fogging)により僅かに露光されて、第1の現像処理工程後に残渣として残る。従って、HSQレジスト溶液の溶媒を第1の現像処理工程に用いる第1の現像液とすれば、当該残渣を最小限に抑えることができる。
このレジスト層3に対する現像処理の具体的方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
すなわち、ハードマスク層2とレジスト層3が設けられ、所望のパターンを電子線描画(露光)された基板1を所定の回転数で回転させる。そして、この基板1の上方から、基板1に対して、前記有機溶剤を含む第1の現像液を滴下供給する。この際、この第1の現像液は室温であってもよいし、所定の温度に維持されていてもよい。この第1の現像液の滴下が行われている最中に第1の現像液によるレジスト溶解部の溶解が起こる。
また、このレジスト溶解部の溶解が終了した後も、基板1を回転させながら第1の現像液を過剰に滴下し続けることで、レジスト溶解物を含んだ第1の現像液は、基板1の回転による遠心力により、基板外縁部から流れ落ちる。また、基板1を回転させながら、さらに第1の現像液を過剰に滴下し続けることで、レジスト溶解物を含んだ第1の現像液はレジスト溶解物を含まない第1の現像液に置換され、清浄なレジストパターンが形成される。
すなわち、ハードマスク層2とレジスト層3が設けられ、所望のパターンを電子線描画(露光)された基板1を所定の回転数で回転させる。そして、この基板1の上方から、基板1に対して、前記有機溶剤を含む第1の現像液を滴下供給する。この際、この第1の現像液は室温であってもよいし、所定の温度に維持されていてもよい。この第1の現像液の滴下が行われている最中に第1の現像液によるレジスト溶解部の溶解が起こる。
また、このレジスト溶解部の溶解が終了した後も、基板1を回転させながら第1の現像液を過剰に滴下し続けることで、レジスト溶解物を含んだ第1の現像液は、基板1の回転による遠心力により、基板外縁部から流れ落ちる。また、基板1を回転させながら、さらに第1の現像液を過剰に滴下し続けることで、レジスト溶解物を含んだ第1の現像液はレジスト溶解物を含まない第1の現像液に置換され、清浄なレジストパターンが形成される。
(第1の現像処理時間)
なお、第1の現像処理工程の現像液による現像処理時間は、非描画(露光)部あるいは描画部(露光部)の溶解が飽和し、それ以上進行しない時間を予め決定しておき、それを第1の現像処理時間とする。
これは、第1の現像処理工程において、特に非描画部の生じる残渣を最小限に抑えるためである。
なお、第1の現像処理工程の現像液による現像処理時間は、非描画(露光)部あるいは描画部(露光部)の溶解が飽和し、それ以上進行しない時間を予め決定しておき、それを第1の現像処理時間とする。
これは、第1の現像処理工程において、特に非描画部の生じる残渣を最小限に抑えるためである。
(第1の現像処理の現像液)
また、第1の現像処理工程の第1の現像液として、本実施形態においては、単独の有機溶剤のみを用いたが、複数の有機溶剤を混合してもよい。また、後出の第2の現像処理工程に用いる第2の現像液に対比して、HSQレジスト層に対する溶解速度が小さければよい。
また、第1の現像処理工程の第1の現像液として、本実施形態においては、単独の有機溶剤のみを用いたが、複数の有機溶剤を混合してもよい。また、後出の第2の現像処理工程に用いる第2の現像液に対比して、HSQレジスト層に対する溶解速度が小さければよい。
(リンス)
前記所定の第1の現像処理の時間を経た後、前記第1の現像処理の第1の現像液の滴下供給を止めた直後に、基板1を回転させながら基板1の上方から、前記第1の現像液を洗い流すためにリンス液を滴下供給して、リンス処理を行ってもよい。
このリンス液の滴下供給は、第1の現像液の滴下供給を止める前に行い、かつ、第1の現像液の滴下供給を停止した後も継続するのが好ましい。こうすることにより、第1の現像液が段階的にリンス液に置換され、基板上に滞留している現像液中に残存するレジスト溶解物が再度析出して汚れとなることを防止できる。
さらに、このリンス液は第1の現像液と混合するものが望ましく、さらには、後出の第2の現像処理工程に用いる第2の現像液とも混合するものが望ましい。
またさらには、このリンス液は、HSQレジスト層に対する溶解速度が、第1及び第2の現像液に対比して、小さいことが望ましい。前記溶解速度が比較的小さいことで、前記第1の現像処理の後のHSQレジストパターンの無用な溶解を引き起こすことなく、HSQレジストパターンの品質を高く維持できる。
前記所定の第1の現像処理の時間を経た後、前記第1の現像処理の第1の現像液の滴下供給を止めた直後に、基板1を回転させながら基板1の上方から、前記第1の現像液を洗い流すためにリンス液を滴下供給して、リンス処理を行ってもよい。
このリンス液の滴下供給は、第1の現像液の滴下供給を止める前に行い、かつ、第1の現像液の滴下供給を停止した後も継続するのが好ましい。こうすることにより、第1の現像液が段階的にリンス液に置換され、基板上に滞留している現像液中に残存するレジスト溶解物が再度析出して汚れとなることを防止できる。
さらに、このリンス液は第1の現像液と混合するものが望ましく、さらには、後出の第2の現像処理工程に用いる第2の現像液とも混合するものが望ましい。
またさらには、このリンス液は、HSQレジスト層に対する溶解速度が、第1及び第2の現像液に対比して、小さいことが望ましい。前記溶解速度が比較的小さいことで、前記第1の現像処理の後のHSQレジストパターンの無用な溶解を引き起こすことなく、HSQレジストパターンの品質を高く維持できる。
(乾燥)
上記のリンス処理を行った基板1に対して、また、上記リンス処理を行わずに前記第1の現像処理のみを行った基板1に対して、乾燥処理を行う。この乾燥処理は、リンス処理を行った後にリンス剤の滴下供給を止めた後、所定の回転数にて基板1を回転させることによって行う。これにより、リンス剤が遠心力により基板外縁部から流れ落ちる、または、蒸発する。こうして、所望のレジスト溶解部とレジスト非溶解部からなるレジストパターン4が形成されたハードマスク層2付きの基板1が得られる。
なお、この乾燥処理を行わずに、続けて後出の第2の現像処理を行ってもよい。
なお、乾燥処理を行う場合、形成されたレジストパターン4の中に残存している現像剤あるいはリンス剤の除去と、レジストパターン4とハードマスク層2との密着性を向上させることを目的に、必要に応じて、乾燥工程に次いで加熱処理を行ってもよい。
上記のリンス処理を行った基板1に対して、また、上記リンス処理を行わずに前記第1の現像処理のみを行った基板1に対して、乾燥処理を行う。この乾燥処理は、リンス処理を行った後にリンス剤の滴下供給を止めた後、所定の回転数にて基板1を回転させることによって行う。これにより、リンス剤が遠心力により基板外縁部から流れ落ちる、または、蒸発する。こうして、所望のレジスト溶解部とレジスト非溶解部からなるレジストパターン4が形成されたハードマスク層2付きの基板1が得られる。
なお、この乾燥処理を行わずに、続けて後出の第2の現像処理を行ってもよい。
なお、乾燥処理を行う場合、形成されたレジストパターン4の中に残存している現像剤あるいはリンス剤の除去と、レジストパターン4とハードマスク層2との密着性を向上させることを目的に、必要に応じて、乾燥工程に次いで加熱処理を行ってもよい。
(第2の現像処理工程)
(第2の現像処理)
所定の第1の現像処理を経た後、形成されたレジストパターン4を所定の第2の現像液で現像処理し、残渣を除去して、本来所望のレジストパターンを形成する。即ち、本来所望の電子線描画(露光)部以外に、描画電子線の前方散乱、後方散乱、及び、フォギング(fogging)によって比較的低い露光量で電子線描画された部分、これを前記第2の現像液によって、溶解除去する。
(第2の現像処理)
所定の第1の現像処理を経た後、形成されたレジストパターン4を所定の第2の現像液で現像処理し、残渣を除去して、本来所望のレジストパターンを形成する。即ち、本来所望の電子線描画(露光)部以外に、描画電子線の前方散乱、後方散乱、及び、フォギング(fogging)によって比較的低い露光量で電子線描画された部分、これを前記第2の現像液によって、溶解除去する。
ここで本実施形態においては、アルカリ水溶液を含む第2の現像液によって、前記第1の現像処理を経て形成されたレジストパターン4を再度現像処理し(第2の現像処理工程)、即ち、余剰な描画部分(レジスト層)を溶解除去して、本来所望のレジストパターン5を形成する。
さらに詳しくは、前記第2の現像処理工程に用いる第2の現像液は、TMAH水溶液が望ましい。
NaOHにNaClを添加した水溶液を第2の現像液として用いることもできるが、この場合、必要露光量の著しい増加が引き起こされる。
TMAH水溶液を用いることで、NaOHにNaClを添加した水溶液を用いる場合に対比して、より低い必要露光量(高い感度)でレジストパターンを形成できる。
NaOHにNaClを添加した水溶液を第2の現像液として用いることもできるが、この場合、必要露光量の著しい増加が引き起こされる。
TMAH水溶液を用いることで、NaOHにNaClを添加した水溶液を用いる場合に対比して、より低い必要露光量(高い感度)でレジストパターンを形成できる。
このレジストパターン4に対する第2の現像処理の具体的方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
すなわち、前記第1の現像処理(場合によっては、前記リンス処理工程及び前記乾燥工程を含む)を経た基板1を所定の回転数で回転させる。そして、この基板1の上方から、基板1に対して、前記アルカリ水溶液を含む第2の現像液を滴下供給する。この際、この第2の現像液は室温であってもよいし、所定の温度に維持されていてもよい。この第2の現像液の滴下が行われている最中に、前記余剰に露光された部位を第2の現像液によって溶解除去する。
また、この余剰に露光された部位の溶解が終了した後も、基板1を回転させながら第2の現像液を過剰に滴下し続けることで、レジスト溶解物を含んだ第2の現像液は、基板1の回転による遠心力により、基板外縁部から流れ落ちる。また、基板1を回転させながら、さらに第2の現像液を過剰に滴下し続けることで、レジスト溶解物を含んだ第2の現像液はレジスト溶解物を含まない第2の現像液に置換され、清浄なレジストパターンが形成される。
すなわち、前記第1の現像処理(場合によっては、前記リンス処理工程及び前記乾燥工程を含む)を経た基板1を所定の回転数で回転させる。そして、この基板1の上方から、基板1に対して、前記アルカリ水溶液を含む第2の現像液を滴下供給する。この際、この第2の現像液は室温であってもよいし、所定の温度に維持されていてもよい。この第2の現像液の滴下が行われている最中に、前記余剰に露光された部位を第2の現像液によって溶解除去する。
また、この余剰に露光された部位の溶解が終了した後も、基板1を回転させながら第2の現像液を過剰に滴下し続けることで、レジスト溶解物を含んだ第2の現像液は、基板1の回転による遠心力により、基板外縁部から流れ落ちる。また、基板1を回転させながら、さらに第2の現像液を過剰に滴下し続けることで、レジスト溶解物を含んだ第2の現像液はレジスト溶解物を含まない第2の現像液に置換され、清浄なレジストパターンが形成される。
(第2の現像処理時間)
なお、第2の現像処理工程の第2の現像液による現像処理時間は、非描画(露光)部あるいは描画部(露光部)の溶解が飽和し、それ以上進行しない時間を予め決定しておき、それを第2の現像処理時間とする。
これは、第2の現像処理工程において、特に第1の現像処理で生じる非描画部の残渣を最小限に抑えるためである。
なお、第2の現像処理工程の第2の現像液による現像処理時間は、非描画(露光)部あるいは描画部(露光部)の溶解が飽和し、それ以上進行しない時間を予め決定しておき、それを第2の現像処理時間とする。
これは、第2の現像処理工程において、特に第1の現像処理で生じる非描画部の残渣を最小限に抑えるためである。
(第2の現像処理の現像液)
また、第2の現像処理工程の第2の現像液として、本実施形態においては、単独物質のアルカリ水溶液を用いたが、複数のアルカリ性物質を混合してもよい。また、NaClを添加してもよい。
また、前出の第1の現像処理工程に用いる第1の現像液に対比して、第2の現像液はHSQレジスト層に対する溶解速度が大きいことが望ましい。
また、第2の現像処理工程の第2の現像液として、本実施形態においては、単独物質のアルカリ水溶液を用いたが、複数のアルカリ性物質を混合してもよい。また、NaClを添加してもよい。
また、前出の第1の現像処理工程に用いる第1の現像液に対比して、第2の現像液はHSQレジスト層に対する溶解速度が大きいことが望ましい。
(リンス)
前記所定の第2の現像処理の時間を経た後、前記第2の現像処理の第2の現像液の滴下供給を止めた直後に、基板1を回転させながら基板1の上方から、前記第2の現像液を洗い流すためにリンス液を滴下供給して、リンス処理を行ってもよい。
このリンス液の滴下供給は、第2の現像液の滴下供給を止める前に行い、かつ、第2の現像液の滴下供給を停止した後も継続するのが好ましい。こうすることにより、第2の現像液が段階的にリンス液に置換され、基板上に滞留している現像液中に残存するレジスト溶解物が再度析出して汚れとなることを防止できる。
さらに、このリンス液は第2の現像液と混合するものが望ましい。
またさらには、このリンス液は、HSQレジスト層に対する溶解速度が、第2の現像液に対比して、小さいことが望ましい。前記溶解速度が比較的小さいことで、無用な現像処理後のHSQレジストパターンの溶解を引き起こすことなく、HSQレジストパターンの品質を高く維持できる。
また、続く乾燥工程でのレジストパターンの倒壊(パターン倒れ)を防止のために、リンス液はIPAでもよく、界面活性剤を添加した水でもよい。あるいはまた、前記IPAでリンス処理した後に、続けてフッ素系溶剤を用いてリンス処理してもよい。表面張力のより小さな現像液を用いることで、続く乾燥工程でのレジストパターンの倒壊(パターン倒れ)はより一層防止される。
前記所定の第2の現像処理の時間を経た後、前記第2の現像処理の第2の現像液の滴下供給を止めた直後に、基板1を回転させながら基板1の上方から、前記第2の現像液を洗い流すためにリンス液を滴下供給して、リンス処理を行ってもよい。
このリンス液の滴下供給は、第2の現像液の滴下供給を止める前に行い、かつ、第2の現像液の滴下供給を停止した後も継続するのが好ましい。こうすることにより、第2の現像液が段階的にリンス液に置換され、基板上に滞留している現像液中に残存するレジスト溶解物が再度析出して汚れとなることを防止できる。
さらに、このリンス液は第2の現像液と混合するものが望ましい。
またさらには、このリンス液は、HSQレジスト層に対する溶解速度が、第2の現像液に対比して、小さいことが望ましい。前記溶解速度が比較的小さいことで、無用な現像処理後のHSQレジストパターンの溶解を引き起こすことなく、HSQレジストパターンの品質を高く維持できる。
また、続く乾燥工程でのレジストパターンの倒壊(パターン倒れ)を防止のために、リンス液はIPAでもよく、界面活性剤を添加した水でもよい。あるいはまた、前記IPAでリンス処理した後に、続けてフッ素系溶剤を用いてリンス処理してもよい。表面張力のより小さな現像液を用いることで、続く乾燥工程でのレジストパターンの倒壊(パターン倒れ)はより一層防止される。
(乾燥)
上記のリンス処理を行った基板1に対して乾燥処理を行う。この乾燥処理は、リンス処理を行った後にリンス剤の滴下供給を止めた後、所定の回転数にて基板1を回転させることによって行う。これにより、リンス剤が遠心力により基板外縁部から流れ落ちる、または、蒸発する。こうして、所望のレジスト溶解部とレジスト非溶解部からなるレジストパターン5が形成されたハードマスク層2付きの基板1が得られる。
なお、形成されたレジストパターン5の中に残存している現像剤あるいはリンス剤の除去と、レジストパターン5とハードマスク層2との密着性を向上させることを目的に、必要に応じて、乾燥工程に次いで加熱処理を行ってもよい。
上記のリンス処理を行った基板1に対して乾燥処理を行う。この乾燥処理は、リンス処理を行った後にリンス剤の滴下供給を止めた後、所定の回転数にて基板1を回転させることによって行う。これにより、リンス剤が遠心力により基板外縁部から流れ落ちる、または、蒸発する。こうして、所望のレジスト溶解部とレジスト非溶解部からなるレジストパターン5が形成されたハードマスク層2付きの基板1が得られる。
なお、形成されたレジストパターン5の中に残存している現像剤あるいはリンス剤の除去と、レジストパターン5とハードマスク層2との密着性を向上させることを目的に、必要に応じて、乾燥工程に次いで加熱処理を行ってもよい。
(基板エッチング工程)
(レジストパターン5のデスカム:第1のエッチング)
その後、レジストパターン5が形成されたハードマスク層2付きの基板1を、ドライエッチング装置に導入する。そして、例えばCF4等のフッ素系ガスによる第1のエッチングを行い、レジスト溶解部の残渣(スカム)を除去する。ここで、フッ素系ガスにヘリウム(He)あるいはアルゴン(Ar)ガスが添加されてもよい。
(レジストパターン5のデスカム:第1のエッチング)
その後、レジストパターン5が形成されたハードマスク層2付きの基板1を、ドライエッチング装置に導入する。そして、例えばCF4等のフッ素系ガスによる第1のエッチングを行い、レジスト溶解部の残渣(スカム)を除去する。ここで、フッ素系ガスにヘリウム(He)あるいはアルゴン(Ar)ガスが添加されてもよい。
(ハードマスク層2のエッチング:第2のエッチング)
続いて、第1のエッチングで用いたガスを排気した後、塩素ガスと酸素ガスからなる混合ガスにより、ドライエッチングを行い、前記現像処理と上記第1のエッチング処理により露出したハードマスク層2を除去する。
こうして図3(f)に示すように、レジストパターン5に対応する溝加工が基板1上のハードマスク層2に施される。
なお、この時のエッチング終点は、例えば反射光学式の終点検出器等を用いることで判別する。
続いて、第1のエッチングで用いたガスを排気した後、塩素ガスと酸素ガスからなる混合ガスにより、ドライエッチングを行い、前記現像処理と上記第1のエッチング処理により露出したハードマスク層2を除去する。
こうして図3(f)に示すように、レジストパターン5に対応する溝加工が基板1上のハードマスク層2に施される。
なお、この時のエッチング終点は、例えば反射光学式の終点検出器等を用いることで判別する。
(基板1のエッチング:第3のエッチング)
続いて、第2のエッチングで用いたガスを排気した後、フッ素系ガスを用いた第3のエッチングを基板1に対して行う。
続いて、第2のエッチングで用いたガスを排気した後、フッ素系ガスを用いた第3のエッチングを基板1に対して行う。
こうして図3(g)に示すように、レジストパターン5及びハードマスクパターン6に対応する溝加工が基板1に施され、溝部以外が残存したハードマスクパターン6及びレジストパターン5の残存物が除去される前のモールド7が作製される。
なお、前記第1のエッチング及び前記第3のエッチングで用いるフッ素系ガスとしては、CxFy(例えば、CF4、C2F6、C3F8)、CHF3、これらの混合ガス又はこれらに添加ガスとして希ガス(He、Ar、Xeなど)を含むもの等が挙げられる。なお、前記第1のエッチング及び前記第3のエッチングにおいては、形成すべきパターンがマイクロオーダーの場合、フッ酸を用いたウェットエッチングを行ってもよい。
(レジストパターン5及びハードマスクパターン6の除去:第4のエッチング)
引き続いて、前記第3のエッチングの後に生じた残存ハードマスクパターン6及びレジストパターン5の残存を除去する。ここでは、クロム(Cr)を主成分としてなるハードマスクパターン6を溶解除去できる薬液を用い、ウェットエッチング処理して、ハードマスクパターン6及びその上に残るレジストパターン5の残存を除去する。
引き続いて、前記第3のエッチングの後に生じた残存ハードマスクパターン6及びレジストパターン5の残存を除去する。ここでは、クロム(Cr)を主成分としてなるハードマスクパターン6を溶解除去できる薬液を用い、ウェットエッチング処理して、ハードマスクパターン6及びその上に残るレジストパターン5の残存を除去する。
(モールド完成)
以上の工程を経た後、必要があれば基板1の洗浄等を行う。このようにして、図3(h)に示すようなマスターモールド20を完成させる。
以上の工程を経た後、必要があれば基板1の洗浄等を行う。このようにして、図3(h)に示すようなマスターモールド20を完成させる。
以上のような本実施形態においては、以下の効果を得ることができる。
すなわち、所定の組成を有するレジスト層にパターン形成するために、必要なエネルギーの照射量(必要露光量)を抑えつつも、高い解像度をもたらすことができる。
すなわち、所定の組成を有するレジスト層にパターン形成するために、必要なエネルギーの照射量(必要露光量)を抑えつつも、高い解像度をもたらすことができる。
なお、本実施形態においては、シロキサン結合(Si−O結合)の繰り返しを主鎖とし、かつ、有機溶剤を溶媒とした溶液の溶質と成り得る組成からなる化合物を主成分とする溶液を基板表面に塗布して形成するレジスト層について説明したが、本発明の技術的思想はこの種のレジストに限られないと推測される。レジストは、エネルギービームを照射して描画又は露光したときに反応性を有するものであればよく、また、紫外線、X線、電子線、イオンビーム、プロトンビーム等に感度を持つレジストであってもよい。
すなわち、レジストの種類に応じて、そのレジストへの第1の現像液と第2の現像液をその都度設定できるものと推測される。また、本実施形態で挙げた有機溶剤とアルカリ水溶液を用いずとも、別種の化合物を第1の現像液として用いて、さらに、この第1の現像液よりもレジスト溶解度が高い化合物を用いた場合であれば、本実施形態に記載の効果を奏する可能性がある。
以上、本発明の技術的思想については、現在発明者により鋭意研究中である。
すなわち、レジストの種類に応じて、そのレジストへの第1の現像液と第2の現像液をその都度設定できるものと推測される。また、本実施形態で挙げた有機溶剤とアルカリ水溶液を用いずとも、別種の化合物を第1の現像液として用いて、さらに、この第1の現像液よりもレジスト溶解度が高い化合物を用いた場合であれば、本実施形態に記載の効果を奏する可能性がある。
以上、本発明の技術的思想については、現在発明者により鋭意研究中である。
また、前記実施の形態におけるレジストパターン形成方法、モールド作製方法は、モールド作製以外にも、以下の用途に適用できる。例えば、半導体装置用フォトマスク、半導体製造、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、回折格子や偏光素子等の光学部品、ナノデバイス、有機トランジスタ、カラーフィルター、オーバーコート層、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック液晶等の作製にも幅広く適用できる。
以上、本発明に係る実施の形態を挙げたが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。本発明の範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。本明細書中に明示的に記載されている又は示唆されているか否かに関わらず、当業者であれば、本明細書の開示内容に基づいて本発明の実施形態に種々の改変を加えて実施し得る。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろんこの発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例においては、基板1としてウエハ形状の合成石英基板(外径150mm、厚み0.7mm)を用いた(図3(a))。
そしてまず、前記基板1をスパッタリング装置に導入し、クロム(Cr)からなるターゲットをアルゴンガスと窒素ガスでスパッタリングし、厚さ2nmの窒化クロムからなるハードマスク層2を形成した(図3(b))。このハードマスク層を形成した基板1に対して、ホットプレートにて200℃で10分間ベークを行い、脱水ベーク処理を行った。その後、基板1を冷却プレート上に載置して、基板1を冷却した。
本実施例においては、基板1としてウエハ形状の合成石英基板(外径150mm、厚み0.7mm)を用いた(図3(a))。
そしてまず、前記基板1をスパッタリング装置に導入し、クロム(Cr)からなるターゲットをアルゴンガスと窒素ガスでスパッタリングし、厚さ2nmの窒化クロムからなるハードマスク層2を形成した(図3(b))。このハードマスク層を形成した基板1に対して、ホットプレートにて200℃で10分間ベークを行い、脱水ベーク処理を行った。その後、基板1を冷却プレート上に載置して、基板1を冷却した。
次に、ハードマスク層を形成した基板1をレジストコーターにセットした。そして、MiBKを溶媒とするHSQレジスト溶液であるXR−1541(Dow Corning社製)の6%溶液を予め用意した。このレジスト溶液を基板1上に3ml程滴下し、次いで、800rpmで60秒間基板1を回転させた。
レジスト液のスピンコート後、この基板1に対して、ホットプレートにて200℃で15分間ベーク(塗布後ベーク)を行い、形成されたレジスト層における不要な残存溶媒を除去して、厚さ約200nmのHSQレジスト層を得た。
そして、加速電圧100kVのポイントビーム型電子線描画機を用い、一辺が50μmの正方形パターンを、露光量を順次増加させて、描画した。
その後、この基板1のレジスト層を、本実施例に係る第1の現像液にて現像処理した。本実施例に係る第1の現像液は、MiBKを用いた。
この第1の現像処理の際には、基板1を250rpmで回転させ続けた。そして、この基板1の上方から、前記第1の現像液を60秒間滴下供給した。この際、この現像剤は室温(22.5℃)に保った。
そして、第1の現像液による第1の現像処理を終えた後、即ち、前記第1の現像液の滴下供給を停止した後、基板1を1500rpmで適宜回転させて乾燥処理を行った。
次いで、前記一辺が50μmの正方形パターンを、露光量を順次増加させて描画し、その後、前記第1の現像処理を終えた基板1に形成されたレジストパターンの膜厚を、分光反射型レジスト膜厚計で測定して、予め同様な方法で測定した前記第1の現像処理前のレジスト層の膜厚を参照して、残膜感度曲線を求めた。即ち、残膜率と電子線露光量との関係を求めた(図4)。
次に、本実施例に係る第2の現像液にて第2の現像処理を行った。この第2の現像液には、0.476%TMAH水溶液を用いた。
この第2の現像処理の際には、基板1を250rpmで回転させ続けた。そして、この基板1の上方から、前記第2の現像液を60秒間滴下供給した。この際、この現像剤は室温(22.5℃)に保った。
そして、第2の現像液による第2の現像処理を終えた後、即ち、前記第2の現像液の滴下供給を停止した後、基板1を1500rpmで適宜回転させて乾燥処理を行った。こうして実施例に係る試料を作製した。
その後更に、前記第2の現像処理を終えて基板1に形成されたレジストパターンを、分光反射型レジスト膜厚計で測定して、予め同様な方法で測定した前記第1の現像処理前のレジスト層の膜厚を参照して、前記第2の現像処理後の残膜感度曲線を求めた。即ち、残膜率と電子線露光量との関係を求めた(図4)。
<比較例1>
比較例1においては、パターン描画後の現像処理は、前記第2の現像液、即ち、0.476%TMAH水溶液を用いて行った。また、現像処理前後のレジスト層の膜厚を分光反射型レジスト膜厚計で計測し、実施例1と同様に、残膜感度曲線を求めた(図4)。
これ以外は実施例1と同様にして試料を作製した。
比較例1においては、パターン描画後の現像処理は、前記第2の現像液、即ち、0.476%TMAH水溶液を用いて行った。また、現像処理前後のレジスト層の膜厚を分光反射型レジスト膜厚計で計測し、実施例1と同様に、残膜感度曲線を求めた(図4)。
これ以外は実施例1と同様にして試料を作製した。
<評価>
実施例1の第1の現像処理後のHSQレジスト層の残膜感度曲線を図4中の(a)に示し、実施例1の第2の現像処理後のHSQレジスト層の残膜感度曲線を図4中の(b)に示し、また、比較例1の現像処理後のHSQレジストの残膜感度曲線を図4中の(c)に示す。
実施例1の第1の現像処理後のHSQレジスト層の残膜感度曲線を図4中の(a)に示し、実施例1の第2の現像処理後のHSQレジスト層の残膜感度曲線を図4中の(b)に示し、また、比較例1の現像処理後のHSQレジストの残膜感度曲線を図4中の(c)に示す。
比較例1の残膜感度曲線(図4の(c))から、残膜率50%が得られる必要露光量は、約150μC/cm2で、コントラスト(γ値)は約5であった。
一方、実施例1の残膜感度曲線(図4の(b))から、残膜率50%が得られる必要露光量は、約70μC/cm2で、コントラスト(γ値)は比較例1と同様に約5であった。
以上の比較から、本発明の態様に準じてパターン形成した場合、即ち実施例1の結果は、比較例1に対比して、コントラスト値を維持したまま、約53%の必要露光量の削減が達成された(感度が2倍となった)ことを示している。
一方、実施例1の残膜感度曲線(図4の(b))から、残膜率50%が得られる必要露光量は、約70μC/cm2で、コントラスト(γ値)は比較例1と同様に約5であった。
以上の比較から、本発明の態様に準じてパターン形成した場合、即ち実施例1の結果は、比較例1に対比して、コントラスト値を維持したまま、約53%の必要露光量の削減が達成された(感度が2倍となった)ことを示している。
1 基板
2 ハードマスク層
3 HSQレジスト層
4 第1の現像処理工程後のレジストパターン
5 第2の現像処理工程後のレジストパターン
6 ハードマスクパターン
7 残存ハードマスクパターン及びレジストパターン除去前のモールド
20 モールド
2 ハードマスク層
3 HSQレジスト層
4 第1の現像処理工程後のレジストパターン
5 第2の現像処理工程後のレジストパターン
6 ハードマスクパターン
7 残存ハードマスクパターン及びレジストパターン除去前のモールド
20 モールド
Claims (15)
- シロキサン結合の繰り返しを主鎖とし、かつ、有機溶剤を溶媒とした溶液の溶質と成り得る組成を有する化合物を主成分とする溶液を基板表面に塗布して形成するレジスト層に、エネルギービームを照射して描画又は露光し、その後現像処理して、レジストパターンを形成するパターン形成方法であって、
描画又は露光を経た前記レジスト層を、第1の現像液にて現像処理する第1の現像処理工程と、
その後、第1の現像処理工程を経た当該レジスト層を、第2の現像液にて現像処理する第2の現像処理工程と、を有する、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項1に記載のレジストパターン形成方法において、
前記第2の現像液は、前記第1の現像液より、前記化合物の溶解速度が大きい、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項1または2に記載のレジストパターン形成方法において、
前記第1の現像液は有機溶剤を含む、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載のレジストパターン形成方法において、
前記第2の現像液は、アルカリ水溶液を主成分とする水溶液である、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項3に記載のレジストパターン形成方法において、
前記有機溶剤は、前記レジスト層を形成するために用いる前記溶液の溶媒である、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項3または5に記載のレジストパターン形成方法において、
前記有機溶剤は、イソプロパノールである、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項3または5に記載のレジストパターン形成方法において、
前記有機溶剤は、メチルイソブチルケトンである、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項4に記載のレジストパターン形成方法において、
前記第2の現像液は、テトラメチルハイドロアンモニウム水溶液を含む、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項4に記載のレジストパターン形成方法において、
前記第2の現像液は、水酸化ナトリウムに塩化ナトリウムを添加した水溶液を含む、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項1から9のいずれかに記載のレジストパターン形成方法において、
前記化合物を主成分とする前記溶液は、前記化合物が有機官能基を側鎖に持ち、かつ、有機溶剤が主溶媒である溶液である、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項1から9のいずれかに記載のレジストパターン形成方法において、
前記化合物を主成分とする溶液は、前記化合物が有機官能基を側鎖に持ち、かつ、メチルイソブチルケトンが主溶媒である溶液である、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項1から11のいずれかに記載のレジストパターン形成方法において、
前記第1の現像処理工程において、前記第1の現像液による第1の現像処理時間は、露光後の前記レジスト層の溶解が飽和する時間に応じて決定される、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項1から12のいずれかに記載のレジストパターン形成方法において、
前記第2の現像処理工程において、前記第2の現像液による第2の現像処理時間は、露光後の前記レジスト層の溶解が飽和する時間に応じて決定される、
ことを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 請求項1から13のいずれかに記載のレジストパターン形成方法を用いてレジストパターンを形成し、当該レジストパターンを元に、基板を加工して、基板表面に凹凸パターンを形成して、モールドを作製する、
ことを特徴とするモールドの作製方法。 - 請求項1から13のいずれかに記載のレジストパターン形成方法を用いてレジストパターンを基板の表面に形成し、当該レジストパターンを凹凸パターンとして利用する、モールドを作製する、
ことを特徴とするモールドの作製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013186775A JP2015052767A (ja) | 2013-09-09 | 2013-09-09 | レジストパターンの形成方法、及び、モールドの作製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015052767A true JP2015052767A (ja) | 2015-03-19 |
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JP2013186775A Pending JP2015052767A (ja) | 2013-09-09 | 2013-09-09 | レジストパターンの形成方法、及び、モールドの作製方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015052767A (ja) |
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2013
- 2013-09-09 JP JP2013186775A patent/JP2015052767A/ja active Pending
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