JP2015052481A - 計測装置、計測システム、計測方法、及び計測プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】計測装置は、光信号である第1送信情報を送信する送信部と、第1送信情報に対する応答である第2送信情報であって、第1送信情報が受信されたときの受信した信号の位相に基づく第1位相差情報を含む第2送信情報を受光する受光部と、受光部によって受信された第2送信情報から第1位相差情報を抽出し、抽出した第1位相差情報に基づいて距離情報を求める距離算出部と、を備える。
【選択図】図1
Description
また、信号光を送って,信号光を受信した側が自らのIDを付与して一定時間の遅れ時間で送り返すことで複数の対象との距離計測を行うシステムが提案されている(例えば特許文献2参照)。
さらに、信号が往復する時間を計測するために変調光の位相差を利用する方法が提案されている(例えば特許文献3参照)。
上述した(2)、(3)又は(4)の構成によれば、送信情報及び計算量を削減できる。
上述した(5)、(6)又は(7)の構成によれば、受信信号から位相を算出するときのノイズを低減することができる。
上述した(8)の構成によれば、信号を正確に読み出すことができる。
上述した(9)の構成によれば、位相及び振幅を適切なサンプリングタイミングで検出できる。
上述した(10)の構成によれば、複数の移動体に対して優先順位を付けられるので、移動体間で正確な通信を行うことができる。
上述した(1)〜(13)の構成によれば、電波で発生したマルチパスや干渉が生じない。さらに、発光源を面や線とすることで距離による信号強度の低下が低下し狭いダイナミックレンジでも距離計測が可能となる。また、同時に複数台の移動体が存在しても混信しない。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る計測システム1の構成を表すシステム構成図である。図1に示すように、計測システム1は、第1端末10及び第2端末20を備えている。以下の例では、第1端末10が第1車両に搭載され、第2端末20が第2車両に搭載されているとして説明する。
また、以下の例では、第1端末10と第2端末20の構成が同じ場合を説明するが、構成は異なっていてもよい。また、以下の説明では、第1端末10を例に説明する。
発振器12は、変調器13及び復調器17で用いるクロック信号を生成し、生成したクロック信号を変調器13及び復調器17に出力する。
受光部16は、複数の画素が二次元に配列された構造を有し、画素によって受光した光に応じた電荷を発生させて蓄積し、所定のタイミングで蓄積した電荷を復調器17へ出力する。
演算部19は、復号器18から入力された他の端末からの送信情報から、識別子、速度、方位を示す各情報、及び搬送波の位相情報を抽出する。演算部19は、他の端末から送信情報を受信したことに応じて、受信した搬送波の周波数と同じ周波数の変調光に、受信したときの位相情報、自端末の識別子、自端末の移動速度、及び自端末の方位を示す情報を載せて応答信号として送信するように、符号器11に出力する。
以下の説明において、搬送波が正弦波の場合、1周期とは搬送波を構成する正弦波の1周期分の時間を表し一定の値である。図5において、画素321による露光は200周期分の時間行われ、その後に200周期分の時間をかけて読み出し回路324による読み出し処理が行われる。また、以下の説明において、露光が行われる時間を「露光タイム」と呼び、読み出しが行われる時間を「読み出しタイム」と呼ぶ。1フレームの時間(フレームタイム)は、露光タイムと読み出しタイムとの和である。
図6は、第1実施形態に係る画素321から読み出された4つの電圧レベルに基づいて正弦波である搬送波の振幅及び位相を算出するための概略を表す概略図である。図6に表される波形は搬送波を構成する1周期分の正弦波を表し、C(θ0)、C(θ1)、C(θ2)、C(θ3)は、それぞれ画素321の電荷蓄積領域3212a〜3212dから読み出された電圧レベル、則ち1/4周期毎の搬送波の強度を表す。復調器17は、C(θ0)、C(θ1)、C(θ2)、C(θ3)を次式(1)に代入することによって、搬送波の振幅Rを算出する。
図7は、第1実施形態に係る画素321から読み出された4つの電圧レベルに基づいてパルス波である搬送波の振幅及び位相を算出するための概略を表す概略図である。図7に表される波形は搬送波を構成する1周期分のパルス波を表し、C(θ0)、C(θ1)、C(θ2)、C(θ3)は、電圧レベル、則ち1/4周期毎の搬送波の強度を表す。復調器17は、C(θ0)、C(θ1)、C(θ2)、C(θ3)を次式(5)に代入することによって、搬送波の振幅Rを算出する。なお、搬送波は、図7に示すように、中心レベルであるBを中心に、正方向及び負方向が振幅Rの波形である。また、中心レベルのBは、式(2)と同様である。
次に、図8の4行目のようにindexが4のとき、振幅が0、位相が不定であるため、1つ前のサンプルタイムである1つ前のindexが3のときの位相を代表位相とする。この結果、代表位相は15度である。
次に、図8の5行目のようにindexが5のとき、振幅が1、位相が60度、代表位相が60度である。indexが4と5では、代表位相が15度から60度に変化し、すなわち位相が45度増えている。上述したように、この位相差はビット列“00”に対応する。ノイズなどの誤差により検出した位相差には誤差があるため、位相差は、45度に対して数度の誤差が発生する。
次に、図8の7行目のようにindexが7のとき、振幅が1、位相が195度、代表位相が195度である。indexが6と7では、代表位相が60度から195度に変化し、すなわち位相が135度増えている。上述したように、この位相差はビット列“01”に対応する。
なお、復調器17は、図8に示した位相の値等の情報を、所定の時間経過後に消去するようにしてもよい。
また、図8に示すように、本実施形態における送信信号は、π/4 DQPSKであるとする。リーダフレームは、位相変化がない期間を4目盛り以上継続させる。データに応じて、位相変化させ、位相変化させた後は、3目盛り分、同じ位相の信号を継続する。位相変化の間に1目盛り分の無信号期間を設ける。なお、サンプリングタイムが1は、図8におけるindexが1に対応し、サンプリングタイムがnは、図8におけるindexがnに対応する。
リーダフレームタイムが終了すると、時刻t7〜t8の期間、位相が15度から60度に変化する。その後、3目盛り分である時刻t8〜t11の期間、第1フレームが一定の位相(図8に示した例では60度)で送信される。リーダフレームと第1フレームとの位相差がビット列を表し、時刻t8における位相差は+π/4(+45度)である。このため、ビット列は“00”である。なお、位相を変える期間は、無信号期間である。
次に、第2フレームのフレームタイムが終了すると、時刻t15〜t16の期間、位相が195度から150度に変化する。その後、時刻t16〜t19の期間、第3フレームが一定の位相(図8に示した例では150度)で送信される。第2フレームと第3フレームとの位相差が次のビット列を表し、時刻t16における位相差が−π/4(−45度)であり“10”を表す。
そして、第4フレームのフレームタイムが終了すると、送信されるビット列は以上であるため、時刻t23以降のターミナルフレームがターミナルフレームタイムの間、最後のビット列を表すフレーム(この場合は第4フレーム)と同じ位相で送信される。
図10は、本実施形態に係る送信情報の一例を説明する図である。なお、図10に示す送信情報は、128ビットの例を示したが、ビット数はこれに限られない。図10に示す例では、40ビットは、端末の識別情報(ID)であり、40ビットが応答IDである。なお、応答IDとは、受信した端末の識別子である。また、1ビットが途中の位相を示す情報であり、15ビットが位相を示す情報である。なお、途中の位相を示す情報とは、1つの識別子に対して複数の位相測定結果がある場合、順番に位相を示す情報を送信し、途中のデータの場合に1にしておき、最後の位相を示す情報の場合に0にすることを示す情報である。例えば、第1端末10が、複数の他の端末と同時に情報の送受信を行っているような場合に、このビットは用いられる。このようなマルチパス対策については、後述する。さらに、残り32ビットは、付加情報である。この付加情報には、車両の運動情報、送信情報を識別するためのカウント値、位相測定をしたときの受信した情報のカウント値などを含めてもよい。
図11は、本実施形態に係る送信信号の読み取り手順処理を表すフローチャートである。
(ステップS1)復調器17は、算出した位相に基づいて復調を行う。次に、復調器17は、復調した送信信号に含まれるリーダフレームを検出する。また、演算部19は、このリーダフレームを受信したとき、自装置の位相を測定する。なお、リーダフレーム期間における位相の算出方法については後述する。復調器17は、リーダフレームを検出後、処理をステップS2に進める。
(ステップS2)復調器17は、送信信号に含まれるビット列の情報を読み取る。
以上で、送信信号の読み取り手順処理を終了する。なお、復調器17は、ステップS1とS2の処理を同時に行うようにしてもよい。
(ステップS11)受光部16は、リーダフレームの領域を探索時間の間(例えば200μ秒の間)露光を行う。なお、探索時間とは、リーダフレームを検出するために露光する時間であり、リーダフレームタイムに応じて予め第1端末10に設定される時間である。具体的には、探索時間は、サンプリング定理に基づき、リーダフレームタイムの半分の時間よりも短く設定される。ステップS11終了後、ステップS12に進める。
(ステップS13)復調器17は、算出した振幅が所定の閾値を超えた明るい画素があるか否かを判別する。復調器17は、明るい画素があると判別した場合(ステップS13;YES)、ステップS14に進み、明るい画素がないと判別した場合(ステップS13;NO)、ステップS15に進む。
(ステップS15)復調器17は、読み出し領域を移動させ、ステップS11に戻る。この際、光源が発光していない期間に露光していることを回避するために、読み出し領域の移動は2回に1回行ったり、移動が重なるように移動させてもよい。
なお、図13及び図14に示した読み出し領域及び読み出し領域の移動は一例であり、これに限られない。例えば、図14において、y軸方向に長い読み出し領域を、x軸方向に移動させるようにしてもよい。
また、図14に示した例においても、復調器17は、ビット読み取り領域を決定するようにしてもよい。
(ステップS101)復調器17は、カウント用のnに1を代入する。復調器17は、ステップS101の処理終了後、処理をステップS102に進める。
(ステップS102)受光部16は、ビット読み取り領域の探索時間の間(例えば200μ秒の間)露光を行う。ステップS102終了後、ステップS103に進める。
(ステップS104)復調器17は、算出した振幅が所定の閾値を超えた画素及びその周囲の画素についてのみ、搬送波の位相を算出し、算出した搬送波の位相を復調器17が有する記憶部のテーブルに記憶させる。復調器17は、ステップS104終了後、処理をS105に進める。
(ステップS106)復調器17は、テーブルに記憶させた位相の値が変化しているか否かを判別する。復調器17は、位相の値が変化していると判別した場合(ステップS106;YES)、ステップS101に戻し、位相の値が変化していないと判別した場合(ステップS106;NO)、ステップS107に進む。なお、復調器17は、送信信号の信号出力が得られない場合、図9で説明したように1目盛り分前の位相情報を保持する。なお、ステップS103の部分読み出しから位相変化の判定までの所要時間は、例えば200μ秒とする。
以上で、ビット読み取り手順処理を終了する。
復調器17は、リーダフレームである時刻t1〜t7の期間、ステップS11〜S15(図12)を繰り返してサンプリングタイミングが1〜3のときの位相を計測する。この結果、図8のように、indexが1〜3のとき、15度の位相が算出される。この位相は、発振器12と搬送波との位相差である。
次に、復調器17は、データが送信されている時刻t7〜t20の期間、ステップS101〜S107(図17)を繰り返してサンプリングタイミングが4〜10のときの位相を計測する。この結果、indexが4〜10のとき、位相は、図8のように算出される。
次に、復調器17は、第4フレーム及びターミネータである時刻t20以降、サンプリングタイミングが11〜14のときの位相を計測する。この結果、図8のように、indexが11〜14のとき、15度の位相が算出される。
図18において、符号402で示す画像の領域は、サンプリングタイミングを示す画像の領域である。搬送波のタイミング、位相は、図9と同じである。復調器17は、図18に示したサンプリングタイミングで、搬送波の振幅を取得し、搬送波の位相を算出する。
図19に示すように、例えば1行目のように、indexが1のとき、振幅が0.5、位相が15度、代表位相が15度である。図8と異なり、無信号状態で位相が変化しているタイミングで取得できていない。このような場合、復調器17は、同じ位相が続いていて、前の代表位相が無く且つ振幅が減少していなければ、そのときの位相を代表位相に決定する。そして、復調器17は、代表位相が変化した近接する2つの代表位相の差を求めて、位相変化に決定する。一例として、indexが4のとき、代表位相が15度であり、indexが5のとき、代表位相が60度である。このため、復調器17は、indexが5の代表位相の60度から、indexが4の代表位相の15度を減算して、位相変化の+45度を求める。なお、bit値の設定方法は、図8と同じである。振幅が0.5のindex1とindex4の値からサンプリングタイミングが0.5目盛ずれていることが推定できるため、サンプリングタイミングを調整することが可能である。
以上の処理によって、本実施形態によれば、サンプリングタイミングがずれていても、図8と同じ8ビットのビット列“00”,“01”,“10”,“11”を得ることができる。
この場合、bit値の設定方法は、位相変化が+45度のとき“00”、+135度のとき“01”、−45度のとき“10”、−135度のとき“11”とし、それ以外の位相変化を利用しない。なお、ノイズやタイミングのずれ量によって、たとえば、index4での位相変化が23ではなくて40になることがあり、無信号期間がある場合に比べてノイズに対する許容範囲が狭くなっている。このため、無信号期間がない場合では、例えば、信号にチェックサムを示す情報を付加する等の対策が必要である。
図21は、本実施形態に係る受光部16が3個の端末から識別子を受光したときの状態を説明する図である。符号551が示す画像は、識別子(ID)が00000001の端末から受光した識別子に基づく画像である。符号552が示す画像は、識別子(ID)が00000010の端末から受光した識別子に基づく画像である。符号553が示す画像は、識別子(ID)が00000011の端末から受光した識別子に基づく画像である。
また、符号611が示す画像は、リーダフレームの画像である。符号612が示す画像は、第1フレームの画像であり、符号613が示す画像は、第2フレームの画像である。符号614が示す画像は、第3フレームの画像であり、符号615が示す画像は、第4フレームの画像である。
この場合、他の端末は、例えば識別子の0000001をビット列として送信する。このため、符号601が示す領域の画像のタイミングで、さらに識別子に応じた位相の変化が発生する。第1端末10の復調器17は、図8等で説明したように、搬送波の位相を算出し、算出した位相に基づいて代表位相を決定する。そして決定した代表位相に基づいて、位相変化を算出し、算出した位相変化に基づいて、ビット列を求める。
復調器17は、他の識別子の搬送波についても同様の処理を行ってビット列を求める。
(ステップS201)復調器17は、同一の識別子をまとめて、クラスタリング処理を行う。例えば、近接する同程度の輝度を1つの集まりとしてクラスタにまとめる。
(ステップS202)復調器17は、同一の識別子をまとめたクラスタに対して、重心位置を算出し、算出した重心位置をクラスタの代表位値に決定する。
(ステップS302)移動体Bの受光部26は、移動体Aからの識別子(ID)を含む情報を受信する。ステップS302終了後、処理はステップS303に進む。
(ステップS304)移動体Aは、移動体Bからの情報を受信する。なお、移動体Aは、自装置の識別子(ID)を含む信号を受信した場合、ステップS301で送信した送信信号への応答信号であると解釈する。移動体Aの演算部19は、時間の計測を終了し、計測した時間をステップS301で情報を送信してからステップS304で応答を受信するまでの伝達時間とする。ステップS304終了後、処理はステップS305に進む。
(ステップS306)移動体Aの演算部19は、自装置と移動体Bとの位相差を演算部19が有する記憶部に記憶させる。ステップS306終了後、処理はステップS307に進む。
(ステップS308)移動体Aの演算部19は、移動体Bから送信された識別子(ID)を受信する。
(ステップS309)移動体Aの演算部19は、ステップS305と同様の処理を行い、位相差を距離に変換する。
以上で、端末間の距離を算出する手順の処理を終了する。
まず、移動体Aと移動体Bによる発光源の強度を、y1、y2とする。また、移動体Aの角周波数をω1、移動体Bの角周波数をω2、移動体Aの初期位相をα1、移動体Bの初期位相をα2、移動体Bの角周波数と移動体Aの角周波数との差をO2、移動体Bの初期位相と移動体Aの初期位相との差をP2とする。
移動体Aと移動体Bによる発光源の強度y1及びy2、動体Aの角周波数ω1、移動体Bの初期位相α2は、次式(8)のように表される。
したがって、ステップS305及びS309(図24)において、演算部19は、式(20)を用いて位相差を距離に変換する。
ここで、例えば、応答遅れ時間nが10m秒、角周波数ωが1MHzである場合、発振器の精度をpとすると、誤差nO2/ω1の位相差が0.1%以下になるためには、発振器12及び22には、1.6×10−8程度の精度が必要である。この精度が得られる振動子は、例えばOCXO(恒温槽付水晶発振器)である。
図25は、本実施形態に係る発光部の取り付け位置の例を説明する図である。なお、発光部とは、少なくとも投光器14(または投光器24)を備えている。図25の符号701が示す領域の画像のように、ヘッドライト付近に取り付けられていてもよい。または、符号702が示す領域の画像のように、ルーフの周囲に取り付けられていてもよい。あるいは、符号703が示す領域の画像のように、テールライトやブレーキランプ付近に取り付けられていてもよい。さらには、発光部は複数あってもよく、複数の発光部が、図25に示した複数の箇所に取り付けられていてもよい。
第1実施形態では、互いに備えている発振器12または22の位相差を把握することで、第1端末10と第2端末20とは、情報の送受信を行う例を説明した。本実施形態の第1端末10と第2端末20は、端末間の同期を取った後、情報の送受信を行う。
(ステップS301〜S304)図24のステップS301〜304と同様の処理を行う。ステップS304終了後、処理をステップS401に進める。このとき、IDの大きい方の送信周期を小さい方の周期に一致させる。これによりリーダフレームのタイミングが同じになる。
このステップS301〜S304の処理を、同期を取ると言う。なお、これらの処理は、周期的に行ってもよい。
(ステップS401)移動体Aの演算部19は、符号器11、変調器13、及び投光器14を介して、応答を依頼する応答依頼信号を移動体Bに送信する。並行して、移動体Aの演算部19は、移動体Bからの応答依頼信号を受信(受光)し、応答依頼信号に含まれるリーダー部の位相差情報を自部に記憶させる。
(ステップS402)移動体Bの演算部29は、符号器21、変調器23、及び投光器24を介して、応答を依頼する応答依頼信号を移動体Aに送信する。並行して、移動体Bの演算部29は、移動体Aからの応答依頼信号を受信(受光)し、応答依頼信号に含まれるリーダー部の位相差情報を自部に記憶させる。
(ステップS404)ステップS402が終了してから所定の時間が経過後、移動体Bの演算部29は、移動体Aの識別子(ID)と記憶させた位相差情報とを、応答信号に含めて、符号器21、変調器23、及び投光器24を介して、応答を依頼する指示を移動体Aに送信する。この場合もS403と同様に応答信号は無線通信でもよい。
(ステップS406)移動体Bの演算部29は、ステップS309(図24)と同様に、位相差を距離に変換する。
以上で、端末間の距離を算出する手順の処理を終了する。
これにより、本実施形態では、第1実施形態より、端末間の位相差の誤差を低減することができる。
式(8)〜(14)までは、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
t1は、移動体Bが信号を受信した時刻であるため、伝達時間だけ遅れたT2−1に等しい。さらに、t2は、移動体Aが信号を受信した受信した時刻であるため、伝達時間と同期誤差D2だけ遅れたT1−2+D2に置き換えることができる。これらの値を式(14)に代入すると、式(14)は次式(21)のようになる。
ここで、例えば、同期誤差nが100、つまり、100μ秒、角周波数ωが0.16×106、つまり、1MHzである場合、発振器の精度をpとすると、誤差nO2/ω1の位相差が0.1%以下になるためには、発振器12及び22には、1.6×10−6程度の精度が必要である。この精度が得られる振動子は、例えば携帯端末等に使用されているTCXO(温度補償型水晶発振器)である。すなわち、本実施形態によれば、第1実施形態より、安い水晶発振器を用いて、高い精度を確保できる。
そして、周波数のずれ量が検出された後、移動体Aと移動体Bとは、ステップS401とS402のように互いに送受信を行わなくても、例えば一方から識別子を送信するだけで、距離を算出することができる。
式(13)に示した位相差Δω1−2から、時刻TとT’のときに2回、位相差を受信した場合、受信した2つの位相差の差Δω1−2(T)−Δω1−2(T’)は、次式(27)のようになる。
本実施形態では、複数の他装置に対応する識別情報を受信したときの処理を行う例を説明する。
図28は、本実施形態に係る応答順位判定の手順処理のフローチャートである。なお、以下の処理は、第1端末10が行うとして説明するが、第2端末20が行ってもよい。
(ステップS501)演算部19は、受光部16を走査して最初に検出された識別子(ID)を自部内の記憶部のテーブルに登録する。次に、演算部19は、登録した識別子(ID)に対して得点を0として登録する。また、演算部19は、テーブルに登録した識別子に、応答したことを示す情報を関連付けて登録していく。ステップ501終了後、演算部19は、処理をステップS502に進める。
(ステップS504)演算部19は、識別子(ID)に1点を加算して記憶させる。ステップS504終了後、演算部19は、処理をステップS505に進める。
(ステップS505)演算部19は、検出された識別子(ID)がテーブルに登録されている最後の識別子(ID)で有るか否かを判別する。演算部19は、検出された識別子(ID)がテーブルに登録されている最後の識別子(ID)で有ると判別した場合(ステップS505;YES)ステップS507に進む。一方、検出された識別子(ID)がテーブルに登録されている最後の識別子(ID)ではないと判別した場合(ステップS505;NO)、ステップS506に進む。
(ステップS507)演算部19は、テーブルに登録さえた識別子(ID)のうち、最も得点が高く、且つテーブルの先頭に近い識別子(ID)を選択する。ステップ507終了後、演算部19は、処理をステップS508に進める。
(ステップS508)演算部19は、ステップS507で選択した識別子(ID)の端末に対して応答信号を送信する。応答信号の送信後、演算部19は、応答した識別子(ID)に関連付けられている得点を0点にする。
以上で、処理を終了する。
この構成によって、本実施形態の計測装置(第1端末10または第2端末20)は、受光部16が複数の識別子(ID)を受光した場合であっても、優先順位を付けて応答することができる。また、演算部19は、受光部16を探索したときに登録した識別情報(ID)が見えなくなった後、所定の時間経過後に、テーブルに登録した情報を削除するようにしてもよい。これにより、記憶容量を有効に使用することができる。
図29に示すように、符号500が示す領域の画像には、5つの識別子(ID)を示す画像がある。この場合、少なくとも1つの光が直接光として検出されているとする。このような場合、前述したように、クラスタリング処理を行い、一定画素範囲内にある識別子(ID)を、1つの識別子(ID)とする。そして、1つの識別子(ID)として位相差の平均値を代表位相に決定する。
また、演算部19は、各々の識別子(ID)との距離を演算し、最も距離が短い識別子(ID)を、直接光により識別子(ID)とするようにしてもよい。
また、距離を算出した結果、同じ距離の場合、演算部19は、強度が強い方を直接光による識別子(ID)とするようにしてもよい。
さらに、距離も強度も同じ場合、演算部19は、クラスタリングした画素数が多い方を直接光による識別子(ID)とするようにしてもよい。
図30は、本実施形態に係る本実施形態に係る計測システム1Aの構成を表すシステム構成図である。図1に示した計測システム1と同じ機能をする機能部には、同じ符号を用いて説明を省略する。
計測システム1との差異は、第1端末10AがGPS(グローバル・ポジショニング・システム)811を備え、第2端末20AがGPS821を備えている。
発振器12は、GPS811から入力されたクロック信号に応じて、クロックのタイミングを調整する。
GPS821は、衛星から受信した情報に基づいて、クロック信号を生成する。GPS821は、生成したクロック信号を発振器22に出力する。この場合も使用する衛星は天頂に近い衛星が望ましい。
発振器22は、GPS821から入力されたクロック信号に応じて、クロックのタイミングを調整する。
GPSによってリーダフレームのタイミングの同期をとることで、図27における同期処理が不要になる。このように周波数をGPSの原子時計に同期させることで発振周波数が原子時計の精度になり距離誤差が減少する。
移動体Aは、自己の識別子(ID)、速度、及び進行方向をデジタル信号として符号化し変調して投光器14より光信号として送信する。
復調器27は、変調光が復調器の差分回路を通ることで、復調され振幅と位相を求めて復号器28に出力する。
復号器28は、デジタル信号に戻して演算部29に情報を出力する。
移動体Bは、受信した信号の位相情報をのせて光信号として送信する。
また、本実施形態では、さらに2次元の面である受光部の角度情報から3次元の位置情報に変換できる。
さらに、本実施形態では、相互の発振器の周波数精度はGPS(811、821)により10−9以下の精度で一致している。
同期しているGPSの衛星番号を付加情報として送信することでGPSに同期していることが互いに認識できるため同期処理を省く助けになる。同じ衛星からの信号が受信できていればその衛星の仰角と方位角から相互の位置における位相差が推定でき、位相差情報を互いに交換しなくても受け取った信号の位相差から距離に変換することも可能である。
Claims (13)
- 光信号である第1送信情報を送信する送信部と、
前記第1送信情報に対する応答である第2送信情報であって、前記第1送信情報が受信されたときの受信した信号の位相に基づく第1位相差情報を含む前記第2送信情報を受光する受光部と、
前記受光部によって受信された前記第2送信情報から前記第1位相差情報を抽出し、抽出した前記第1位相差情報に基づいて距離情報を求める距離算出部と、
を備えることを特徴とする計測装置。 - 前記距離算出部は、
前記受光部によって受信された前記第2送信情報を受信したときの受信した信号の位相に基づく第2位相差を、前記抽出した前記第1位相差情報を用いて補正し、補正した位相差に基づいて距離情報を求める
ことを特徴とする請求項1に記載の計測装置。 - 前記第1送信情報は、自装置を識別する第1識別情報を含み、
前記受光部は、
前記第2送信情報に他装置に対応する第2識別情報が含まれている場合に前記第2送信情報が前記第1送信情報に対する応答であると判別する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の計測装置。 - 前記距離算出部は、
前記第2識別情報と、前記受光部によって受信された前記第2送信情報を受信したときの受信した信号の位相に基づく該第2識別情報に対応する第2位相差とが関連付けられた情報を記憶する記憶部を備え、
前記送信部は、
前記第2識別情報が前記記憶部に記憶されている場合、前記第1識別情報のみを送信し、
前記距離算出部は、
前記記憶部に記憶させた位相差を示す情報を、所定の時間経過後、消去する
ことを特徴とする請求項3に記載の計測装置。 - 送信データに対して変調を行う変調部を備え、
前記変調部は、
自装置の基準信号の位相に対して送信データに応じた位相変化をさせる期間、無信号状態に制御する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の計測装置。 - 受信された送信データを復調する復調器を備え、
前記受光部は、前記受信された送信データの振幅と位相とを検出し、
前記復調器は、
前記無信号状態の期間の1つ前のサンプリングタイミング且つ前記振幅が減少していないときの位相を、前記無信号状態の期間における前記受信された送信データの位相として決定し、前記決定された位相に基づいて近接する位相の位相差に基づいて前記送信データを復調する
ことを特徴とする請求項5に記載の計測装置。 - 前記受光部は、複数の画素を備え、
前記復調器は、
装置を識別するための識別情報であって、前記複数の画素が同じ値の前記識別情報を受光している場合、同一の前記識別情報が含まれる光信号を同じクラスとしてクラス分けし、前記クラス分けした同じクラスの領域の中心を重心位置として決定する
ことを特徴とする請求項6に記載の計測装置。 - 前記復調器は、
前記受光部の複数の画素に対して、搬送波に含まれるリーダフレームを探索し、リーダフレームが検出された位置をビット読み出しの開始位置にする
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の計測装置。 - 所定の周波数の基準信号を生成する発振器を備え、
前記復調器は、
前記発振器が生成した基準信号と、前記受光部によって前記第2送信情報に含まれる搬送波との位相差を前記送信データの位相として検出し、
前記基準信号の周波数は、前記送信データを受信してから前記位相が算出されるまでに処理時間の1/n(nは1以上の整数)である
ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の計測装置。 - 複数の他装置に対応する第2識別情報を受信したとき、送信した信号に対する応答、算出された距離、及び受信された信号の強度のうち少なくとも1つに基づいて応答する順番を決定する応答順位決定部
を備えることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の計測装置。 - 第1計測装置は、
光信号である第1送信情報を送信する第1送信部と、
前記第1送信情報に対する応答としての光信号である第2送信情報を受光する第1受光部と、
前記第1受光部が受信した前記第2送信情報に含まれる位相差情報を抽出し、抽出した前記位相差情報に基づいて距離情報を求める第1距離算出部と、
を備え、
第2計測装置は、
前記第1計測装置から光信号である前記第1送信情報を受光する第2受光部と、
前記第2受光部が前記第1送信情報を受信したときの受信した信号の位相に基づく位相差を求める位相差算出部と、
前記第1送信情報への応答である第2送信情報に前記位相差算出部が算出した前記位相差情報を含めて送信する第2送信部と、
を備えることを特徴とする計測システム。 - 送信部が、光信号である第1送信情報を送信する送信手順と、
距離算出部が、前記第1送信情報に対する応答である第2送信情報であって、前記第1送信情報が受信されたときの受信した信号の位相に基づく第1位相差情報を含む前記第2送信情報を受光する受光手順と、
距離算出部が、前記受光手順によって受信された前記第2送信情報から前記第1位相差情報を抽出し、抽出した前記第1位相差情報に基づいて距離情報を求める距離算出手順と、
を含むことを特徴とする計測方法。 - 計測装置のコンピュータに、
光信号である第1送信情報を送信する送信手順と、
前記第1送信情報に対する応答である第2送信情報であって、前記第1送信情報が受信されたときの受信した信号の位相に基づく第1位相差情報を含む前記第2送信情報を受光する受光手順と、
前記受光手順によって受信された前記第2送信情報から前記第1位相差情報を抽出し、抽出した前記第1位相差情報に基づいて距離情報を求める距離算出手順と、
を実行させる計測プログラム。
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