JP2015052364A - 等速自在継手の外側継手部材 - Google Patents

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裕一郎 北村
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祐一 淺野
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Abstract

【課題】 軽量・コンパクトで、低コストで製造でき、かつ精度の良い等速自在継手の外側継手部材を提供すること。
【解決手段】 等速自在継手(1、21、41、61)の外側継手部材(2、22、42、62)であって、この外側継手部材(2、22、42、62)がカップ部(15、35、55、75)を形成するカップ部材(15’、35’、55’、75’)と軸部(16、36、56、76)を形成する軸部材(16’、36’、56’、76’)の2部材からなり、両部材を溶接したものにおいて、カップ部材(15’、35’、55’、75’)は鋼板からなり、トラック溝(7、27、46、67)の奥側端部(15a、35a、55a、75a)が湾曲形状で縮径し、円形部(15b、35b、55b、75b)に接続される形状にプレス加工されたものであって、この円形部(15b、35b、55b、75b)の鋼板の肉厚断面において軸部材(16’、36’、56’、76’)と溶接されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、等速自在継手の外側継手部材に関する。
自動車や各種産業機械の動力伝達系を構成する等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸をトルク伝達可能に連結すると共に、前記二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達することができる。等速自在継手は、角度変位のみを許容する固定式等速自在継手と、角度変位および軸方向変位の両方を許容する摺動式等速自在継手とに大別され、例えば、自動車のエンジンから駆動車輪に動力を伝達するドライブシャフトにおいては、デフ側(インボード側)に摺動式等速自在継手が使用され、駆動車輪側(アウトボード側)には固定式等速自在継手が使用される。
摺動式又は固定式を問わず、等速自在継手は主要な構成部材として、内周面にトルク伝達要素が係合するトラック溝を形成したカップ部と、このカップ部の底部から軸方向に延びた軸部とを有する外側継手部材を備えている。この外側継手部材は、中実の棒状素材(
バー材)を鍛造加工やしごき加工等の塑性加工、切削、熱処理、研削等の加工を施すことによって、カップ部と軸部とを一体成形する場合が多い。
外側継手部材の軽量化やコスト低減を図るために、外側継手部材のカップ部を鋼板や鋼製パイプからプレス加工により成形し、これに軸部材を一体に接合した構成のものが提案されている(例えば、特許文献1)。
実開平7−28234号公報
特許文献1に記載の等速自在継手の外側継手部材では、カップ状の外輪素材とステム(軸部)を同軸嵌合し、嵌合部をレーザビーム溶接又は電子ビーム溶接するものや、外輪素材のカップ部の底にステムの軸端を突合わせ、この突合せ面をレーザビーム溶接又は電子ビーム溶接するものである。このため、溶接長さが長くなり、電子ビーム溶接でも入熱量が多く薄肉のカップ部の変形が懸念される。また、溶接のサイクルタイムが増大するという問題がある。さらに、高周波焼入れを行う場合、焼割れを抑えるため、溶接前に予熱を要するが、溶接長さが長いほど多量の予熱が必要となり、薄肉カップの変形、サイクルタイムの増大が懸念される。
加えて、カップ状の外輪素材の形状は、プレス加工の際の成形荷重を抑制し、成形品の精度を向上する必要があるが、このような問題について特許文献1は着目されていない。
本発明は、上記の問題に鑑み、軽量・コンパクトで、低コストで製造でき、かつ精度の良い等速自在継手の外側継手部材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために種々検討した結果、軽量・コンパクト、低コストで、かつ精度の良い外側継手部材を提供するために、溶接部の構造とカップ部の形状の両方を工夫するという新たな着想により、本発明に至った。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、トルク伝達要素が係合するトラック溝を内周に形成したカップ部と、このカップ部の底部に形成された軸部とを備えた等速自在継手の外側継手部材であって、この外側継手部材が前記カップ部を形成するカップ部材と前記軸部を形成する軸部材の2部材からなり、両部材を溶接したものにおいて、
前記カップ部材は鋼板からなり、前記トラック溝の奥側端部が湾曲形状で縮径し、円形部に接続される形状にプレス加工されたものであって、この円形部の鋼板の肉厚断面において前記軸部材と溶接されていることを特徴とする。
上記の構成により、軽量・コンパクト、低コストで、かつ精度のよい外側継手部材を実現することができる。具体的には、カップ部材を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形するため、外側継手部材の外径面は内径面に倣った形状で略同一の肉厚で形成され、余分な肉がなく軽量・コンパクト化を図ることができると共に、トラック溝の奥側端部が湾曲形状で縮径した形状により、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。加えて、溶接深さをカップ部の肉厚断面とすることで、溶接時の入熱量を抑えることができ、トラック溝や内径面の変形を抑えることができるので、精度の良い外側継手部材を得ることができる。
有利な構成として、上記のカップ部材を構成する鋼板の肉厚を3〜5mmとすることが望ましい。鋼板の肉厚を3mm以上としたので、トラック溝や内周面の焼入れ時に肉厚方向の焼き抜けを防止し、強度低下を防止できる。一方、鋼板の肉厚を5mm以下としたのでプレス成形性を確保できる。
上記の円形部が半径方向に延びるフランジ部を有し、このフランジ部の内径孔部に軸部材を嵌合させて溶接することができる。この場合、フランジ部の内径孔部に軸部材を圧入して同軸度を確保し安定した溶接を行うことができる。
上記の内径孔部に軸部を嵌合させた溶接において、溶接された部分の溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを3.5以上とすることにより、溶接部に熱硬化処理を施さなくても強度が確保でき、プレス加工性、溶接性も良好である。また、溶接部に焼入れをしないので、焼割れの懸念がない。
また、上記の円形部が円筒状に形成され、この円筒状端面と軸部材の端面を突き合わせて溶接することができる。この場合には、円形部の形状が簡素化され、プレス加工性が一層良好である。
上記の円筒状端面と軸部材の端面を突き合わせた溶接において、溶接された部分の溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを5.0以上とすることにより、溶接部に熱硬化処理を施さなくても強度が確保でき、プレス加工性、溶接性も良好である。また、溶接部に焼入れをしないので、焼割れの懸念がない。
上記の等速自在継手を、軸方向に直線状のトラック溝を有するダブルオフセット型等速自在継手やトリポード型等速自在継手とすることで、プレス加工性が一層良好で、軽量・コンパクト、低コストで、かつ精度の良い外側継手部材を実現することができる。
本発明の等速自在継手の外側継手部材によれば、軽量・コンパクト、低コストで、かつ高精度化を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示し、(a)は横断面図で、(b)は縦断面図である。 図1の外側継手部材の溶接前の状態を示す縦断面図である。 図1の外側継手部材の溶接後の状態を示す縦断面図である。 第1の実施形態の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示し、(a)は縦断面図で、(b)は、(a)図中のB部の溶接前の状態を示す部分的な縦断面図である。 図4の外側継手部材の溶接後の状態を示す縦断面図である。 第1の実施形態の他の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示し、(a)は横断面図で、(b)は縦断面図で、(c)は、(b)図中のC部の溶接前の状態を示す部分的な縦断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示し、(a)は横断面図で、(b)は縦断面図である。 第2の実施形態の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示す縦断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示す縦断面図である。 図9の等速自在継手の横断面図である。 第3の実施形態の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示す縦断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示し、(a)は縦断面図で、(b)は側面図である。 第4の実施形態の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を示す縦断面図である。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図1〜3に基づいて説明する。図1(a)は、本実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手の横断面図であり、図1(b)は縦断面図である。この実施形態は、摺動式等速自在継手の一つであるダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)の外側継手部材である。等速自在継手1は、外側継手部材2、内側継手部材3、ボール4および保持器5を主な構成とする。外側継手部材2の筒状内周面6には6本のトラック溝7が円周方向等間隔に、かつ軸方向に直線状に形成されている。内側継手部材3の球状外周面8には、外側継手部材2のトラック溝7と対向するトラック溝9が円周方向等間隔に、かつ軸方向に直線状に形成されている。外側継手部材2のトラック溝7と内側継手部材3のトラック溝9との間にトルクを伝達する6個のボール4が1個ずつ組み込まれている。外側継手部材2の筒状内周面6と内側継手部材3の球状外周面8との間に、ボール4を保持する保持器5が配置されている。ボール4は保持器5のポケット10に収容されている。
保持器5の球状外周面11は外側継手部材2の筒状内周面6と嵌合し、保持器5の球状内周面12は内側継手部材3の球状外周面8と嵌合している。図示は省略するが、内側継手部材3の内径孔13に中間シャフトの軸端部がスプライン嵌合され、止め輪によって軸方向に固定される。そして、外側継手部材2の開口端部14の外周と中間シャフトの外周にブーツが取り付けられ、継手内部に潤滑剤としてのグリースが封入される。
保持器5の球状外周面11は曲率中心Oを有し、保持器5の球状内周面12は曲率中心Oを有する。曲率中心O、Oは、継手中心Oに対して軸方向の反対側に等距離オフセットされている。これにより、継手が作動角をとった場合、外側継手部材2と内側継手部材3の両軸線がなす角度を二等分する平面上にボール4が常に案内され、二軸間で等速に回転が伝達されることになる。
外側継手部材2は、中空のカップ部15と軸部16とからなる。カップ部15は、鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工されて形成され、図1(a)に示すように、カップ部15の外径面は、内径面(トラック溝7、筒状内周面6)に倣った形状で略同一の肉厚で形成されている。したがって、余分な肉がなく軽量・コンパクト化を図ることができる。
カップ部15は、図1(b)に示すように、その内周に形成されたトラック溝7の奥側端部15aが湾曲形状で縮径し、円形部15bに接続されている。トラック溝7の奥側端部15aを湾曲形状で縮径する形態としたので、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。円形部15bは半径方向内方に延びるフランジ部15cを有し、このフランジ部15cの内径孔部15d(図2参照)に軸部16を嵌合させて、鋼板の肉厚断面において電子ビーム溶接により溶接されている。軸部16はデファレンシャルのサイドギヤ(図示省略)に連結される。
詳細には、図2に示すように、外側継手部材2を構成するカップ部15と軸部16は、それぞれカップ部材15’と軸部材16’として別体で製作される。カップ部材15’は、鋼製のパイプ材又はステム平板からなり、その肉厚は3〜5mmとしている。材料としては、必要な部位を硬化させ、母材層を残すことで靱性が確保できる0.3〜0.6質量%程度の炭素(C)を含有する高周波焼入れ用鋼(例えば、S53C)が望ましい。高周波焼入れ用鋼は、表面に発生する大きな圧縮残留応力により疲労強度の向上が期待できる。また、材料費を抑えることができる。肉厚を3mm以上にすることにより、トラック溝7や筒状内周面6の焼入れ時に肉厚方向の焼き抜けを防止し、強度低下を防止できる。一方、肉厚を5mm以下にすることにより、トラック溝7の奥側端部15aの湾曲形状と相俟って、プレス成形性を確保できる。
カップ部材15’には、円形部15bのフランジ部15cに内径孔部15dが設けられている。軸部材16’には、溶接側の軸端部に外径部16aが設けられている。内径孔部15dに外径部16aを圧入嵌合させ、カップ部材15’と軸部材16’の同軸度を確保する。
その状態で、図3に示すように、内径孔部15dと外径部16aの嵌合部に対して軸方向から電子ビーム溶接を行う。これにより、カップ部材15’と軸部材16’の同軸度を確保し安定した溶接を行うことができる。また、溶接深さをカップ部15の肉厚断面とすることで、溶接時の入熱量を抑えることができ、トラック溝7や筒状内周面6の変形を抑えることができる。
図示は省略するが、カップ部材15’と軸部材16’を嵌合した状態で、溶接装置の密閉空間にセットし、この密閉空間を真空(大気圧以下)にして、電子ビーム溶接を行うことが望ましい。これにより、安定した溶接強度、品質を得ることができる。
カップ部材と軸部材の接合形態として、次の二通りがある。
(1)本実施形態のように、カップ部材の内径孔部に軸部材の外径部を圧入嵌合し嵌合部を溶接する接合形態
(2)後述する変形例のように、カップ部材の円形部を円筒状に形成し、この円筒状部の端面と軸部材の端面を突合せて溶接する接合形態
図3に基づいて、まず、前記(1)項の接合形態を説明する。この場合、カップ部材の内径孔部に軸部材の外径部を圧入嵌合し溶接しているので、溶接部の捩り強度は次の式で計算することができる。
=D×π×t×τ
ただし、T:前記(1)項の条件下での溶接部の捩り強度、D:溶接径、t:溶接断面長さ、τ:せん断強度
前記の計算式に基づき、本実施形態に係る外側継手部材2では、溶接された部分の溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを3.5以上としている。これにより、溶接部に熱硬化処理を施さなくても強度が確保でき、プレス加工性、溶接性も良好である。また、溶接部に焼入れをしないので、焼割れの懸念がない。溶接後、高周波焼入れにより、カップ部15のトラック溝7および筒状内周面6のクロスハッチングH、Hで示す所定範囲に表面硬さHRC58〜62程度の熱処理硬化層を形成する。また、軸部16のクロスハッチングHで示す所定範囲に表面硬さHRC50〜62程度の熱処理硬化層を形成する。このように必要な部位を硬化させ、母材層を残すことで靱性が確保できる。また、表面に発生する大きな圧縮残留応力により疲労強度を向上することができる。本実施形態に係る外側継手部材2は、図示のように溶接部は焼入れを施さない。熱硬化処理を施さなくても強度が確保でき、焼割れの懸念がない。
本実施形態に係る外側継手部材2は、カップ部材15’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形するため、外側継手部材2の外径面は、内径面(トラック溝7、筒状内周面6)に倣った形状で略同一の肉厚で形成され、余分な肉がなく軽量・コンパクトで、低コスト化を図ることができる.また、トラック溝7の奥側端部15aが湾曲形状で縮径させているので、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。さらに、溶接深さ(溶接断面長さt)をカップ部15の肉厚断面とすることで、溶接時の入熱量を抑えることができ、トラック溝7や筒状内周面6の変形を抑えることができるので、精度の良い外側継手部材2を得ることができる。
次に、本発明の第1の実施形態の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図4および図5に基づいて説明する。図4(a)は、本変形例の外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手の縦断面図で、図4(b)は、図4(a)中のB部の溶接前の状態を示す部分的な縦断面図である。図5は外側継手部材の縦断面図である。本変形例の外側継手部材は、第1の実施形態の外側継手部材に対して、カップ部の円形部および溶接部の形状が異なる。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、同様の機能を有する部位には同じ符号を付して要点のみ説明する。
本変形例は、第1の実施形態と同じダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)の外側継手部材である。外側継手部材2を構成するカップ部15と軸部16は、それぞれカップ部材15’と軸部材16’として別体で製作される。第1の実施形態と同様に、図4(a)および図5に示すように、外側継手部材2のカップ部15は、その内周に形成されたトラック溝7の奥側端部15aが湾曲形状で縮径し、円形部15bに接続されている。トラック溝7の奥側端部15aを湾曲形状で縮径する形態としたので、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。
本変形例では円形部15bは円筒状に形成されている。円形部15bの形状が簡素化され、プレス加工性が一層良好である。軸部16は、溶接側の端部に半径方向に延びるフランジ部16bが形成され、このフランジ部16bは、その半径方向外側部に円筒部16cを有している。カップ部材15’の円形部15bの端面15e〔図4(b)参照〕と軸部材16’の円筒部16cの端面16d〔図4(b)参照〕を突き合わせて、鋼板の肉厚断面において半径方向から電子ビーム溶接されている。
図5に基づいて、前述した(2)項の接合形態を説明する。この場合、カップ部材の円形部の円筒状部の端面と軸部材の端面を突合せて溶接しているので、溶接部の捩り強度は次の式で計算することができる。
=τ×π×(D −D )/16/D
=D−2t
ただし、T:前述した(2)項の条件下での溶接部の捩り強度、D:溶接径、D:溶接部内径、t:溶接断面長さ、τ:せん断強度
前記の計算式に基づき、本変形例の外側継手部材2では、溶接された部分の溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを5.0以上としている。これにより、溶接部に熱硬化処理を施さなくても強度が確保でき、プレス加工性、溶接性も良好である。また、溶接部に焼入れをしないので、焼割れの懸念がない。第1の実施形態と同様に、溶接後、カップ部15のトラック溝7および筒状内周面6のクロスハッチングH、Hで示す所定範囲に表面硬さHRC58〜62程度の熱処理硬化層を形成する。また、軸部16のクロスハッチングHで示す所定範囲に表面硬さHRC50〜62程度の熱処理硬化層を形成する。本変形例に係る外側継手部材2も、図示のように溶接部は焼入れを施さない。熱硬化処理を施さなくても強度が確保でき、焼割れの懸念がない。
カップ部材15’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形することや、鋼板の肉厚が3〜5mmであること、また、材料として高周波焼入れ用鋼を用いること、更には、それらの作用効果については、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態の記載内容を準用し、説明を省略する。
本発明の第1の実施形態の他の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図6に基づいて説明する。本変形例の外側継手部材は、第1の実施形態の外側継手部材に対して、溶接部の嵌合部の形態が異なる。その他の構成については、第1の実施形態と同様であるので、同様の機能を有する部位には同じ符号を付して要点のみ説明する。
図6(a)は、本変形例の外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手の横断面図で、図6(b)は縦断面図であり、図6(c)は、図6(b)中のC部の溶接前の状態を示す部分的な縦断面図である。図6(b)および図6(c)に示すように、カップ部材15’には、円形部15bのフランジ部15cにテーパ状の内径孔部15dが設けられ、軸部材16’には、溶接側の軸端部にテーパ状の外径部16aが設けられている。互いにテーパ状をなす内径孔部15dと外径部16aを圧入嵌合させ、カップ部材15’と軸部材16’の同軸度を確保する。テーパ状をなす内径孔部15dと外径部16aのテーパ角αは、電子ビーム溶接を適用した場合、内径孔部15dと外径部16aの嵌合面の延長線と軸部16の外径との間の空間を広げるように傾ける。これによって、電子ビームの照射がし易くなり、溶接をし易くする。テーパ角αは、10°〜20°程度が望ましい。
カップ部材15’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形すること、鋼板の肉厚を3〜5mmとすることや、溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを3.5以上とすること、また、材料として高周波焼入れ用鋼を用いること、更には、それらの作用効果については、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態の記載内容を準用し、説明を省略する。
本発明の第2の実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図7に基づいて説明する。図7(a)は横断面図であり、図7(b)は縦断面図である。本実施形態は、3個のボールを有する摺動式ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)の外側継手部材である。3個のボールを有する摺動式ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)は、軽自動車やそれより小型な自動車、又はレジャー、農耕用の特殊車両のドライブシャフト等に好適である。
等速自在継手21は、外側継手部材22、内側継手部材23、ボール24および保持器25を主な構成とする。外側継手部材22は、肉厚が全周において略同一の筒状をなし、その内周面の周方向に120°ピッチでトラック溝27が形成されている。内側継手部材23は、その球状外周面28の周方向に120°ピッチでトラック溝29が形成されている。二点鎖線で示すように、内側継手部材23にシャフト40を突設させ、内側継手部材23とシャフト40を一体に形成してもよい。この場合、保持器25は、図7(b)の左右を逆にして組み込むことができる。
保持器25には、ボール24を収容するポケット30が設けられている。保持器25の球状外周面31は曲率中心O1を有し、保持器25の球状内周面32は曲率中心O2を有する。曲率中心O1、O2は、継手中心Oに対して軸方向の反対側に等距離オフセットされている。
図7(a)に示すように、外側継手部材22の横断面形状は、頂部41が凸アール状の三角形において、頂部41間の辺の中央部を凸状に膨出させた形状となっている。そして、頂部41の内周部がトラック溝27を形成し、頂部41間の膨出部42の内周部が保持器25の球状外周面31と嵌合する筒状内周面43を形成する。外側継手部材22は、肉厚が全周において略同一であり、しかも内周形状が円弧と直線で段差がない構成となっている。
外側継手部材22を構成するカップ部35と軸部36は、それぞれカップ部材35’と軸部材36’として別体で製作される。第1の実施形態と同様に、図7(b)に示すように、カップ部35は、その内周に形成されたトラック溝27の奥側端部35aが湾曲形状で縮径し、円形部35bに接続されている。トラック溝27の奥側端部35aを湾曲形状で縮径する形態としたので、前述した内周形状が円弧と直線で段差がない構成と相俟って、成形荷重を一層抑制しかつ高精度に成形することができる。カップ部材35’の円形部35bは半径方向内方に延びるフランジ部35cを有し、このフランジ部35cの内径孔部35dに軸部材36’の外径部36aを圧入嵌合させて、鋼板の肉厚断面において電子ビーム溶接により溶接されている。
カップ部材35’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形すること、鋼板の肉厚を3〜5mmとすることや、溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを3.5以上とすること、また、材料として高周波焼入れ用鋼を用い、所定範囲に熱処理硬化層を形成すること、更には、それらの作用効果については、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態の記載内容を準用し、説明を省略する。
本発明の第2の実施形態の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図8に基づいて説明する。図8は縦断面図である。本変形例の外側継手部材は、第2の実施形態の外側継手部材に対して、カップ部の円形部および溶接部の形状が異なる。その他の構成については、第2の実施形態と同様であるので、同様の機能を有する部位には同じ符号を付して要点のみ説明する。
本変形例は、第2の実施形態と同じ3個のボールを有するダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)の外側継手部材である。外側継手部材22を構成するカップ部35と軸部36は、それぞれカップ部材35’と軸部材36’として別体で製作される。第1の実施形態と同様に、図8に示すように、外側継手部材22のカップ部35は、その内周に形成されたトラック溝27の奥側端部35aが湾曲形状で縮径し、円形部35bに接続されている。トラック溝27の奥側端部35aを湾曲形状で縮径する形態としたので、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。
円形部35bは円筒状に形成されている。軸部36は、溶接側の端部に半径方向に延びるフランジ部36bが形成され、このフランジ部36bは、その半径方向外側部に円筒部36cを有している。カップ部材35’の円形部35bの端面35eと軸部材36’の円筒部36cの端面36dを突き合わせて、鋼板の肉厚断面において半径方向から電子ビーム溶接されている。その他の構成は第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
カップ部材35’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形すること、鋼板の肉厚を3〜5mmとすることや、溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを5.0以上とすること、また、材料として高周波焼入れ用鋼を用い、所定範囲に熱処理硬化層を形成すること、更には、それらの作用効果については、第1の実施形態の変形例と同様であるので、第1の実施形態の変形例の記載内容を準用し、説明を省略する。
本発明の第3の実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図9および図10に基づいて説明する。図9は縦断面図であり、図10は横断面図である。本実施形態は、摺動式等速自在継手の一つであるトリポード型等速自在継手の外側継手部材である。
トリポード型等速自在継手41は、外側継手部材42、内側継手部材としてのトリポード部材43、球状ローラ44および転動体としての針状ころ45を主な構成とする。外側継手部材42は、その内周に円周方向の三等分位置に軸方向に延びる3本のトラック溝46を有する中空カップ状である。各トラック溝46の対向する側壁にローラ案内面47が形成されている。ローラ案内面47は、円筒面の一部、すなわち部分円筒面で形成されている。
トリポード部材43は、トラニオン胴部48とトラニオンジャーナル49からなり、トラニオンジャーナル49はトラニオン胴部48の円周方向の三等分位置から半径方向に突出して3本形成されている。各トラニオンジャーナル49は、円筒形外周面50と、軸端付近に形成された環状の止め輪溝51を備えている。トラニオンジャーナル49の円筒形外周面50の周りに複数の針状ころ45を介して回転自在に球状ローラ44が装着されている。トラニオンジャーナル49の円筒形外周面50は針状ころ45の内側軌道面を形成する。球状ローラ44の内周面44aは円筒形状で、針状ころ45の外側軌道面を形成する。
トラニオンジャーナル49の軸端付近に形成された止め輪溝51には、アウタワッシャ52を介して止め輪53が装着されている。針状ころ45は、トラニオンジャーナル49の付根段部とアウタワッシャ52により、トラニオンジャーナル49の軸方向の移動が規制されている。アウタワッシャ52は、トラニオンジャーナル49の半径方向に延びた円盤部52aと、トラニオンジャーナル49の軸線方向に延びた円筒部52bとからなる。アウタワッシャ52の円筒部52bは球状ローラ44の内周面44aより小さな外径を有し、トリポード部材43の半径方向で見た円筒部52bの外側の端部52cは、球状ローラ44の内周面44aよりも大径に形成されている。したがって、球状ローラ44は、トラニオンジャーナル49の軸線方向に移動することができ、かつ、端部52cにより脱落が防止されている。
トラニオン部材43のトラニオンジャーナル49に回転自在に装着された球状ローラ44は、外側継手部材42のトラック溝46のローラ案内面47に回転自在に案内される。このような構造により、外側継手部材42とトリポード部材43との間の相対的な軸方向変位や角度変位が吸収され、回転が等速で伝達される。本実施形態の外側継手部材42では、トラニオンジャーナル49上に針状ころ45を介して球状ローラが装着されたシングルローラタイプのトリポード型等速自在継手41に用いるものを例示したが、これに限ることなく、トルク伝達要素が外側ローラ、内側リングおよび両部材間に配置される転動体(針状ころ)からなるローラカセットを備えたダブルローラタイプのトリポード型等速自在継手に用いるものであってもよい。
外側継手部材42を構成するカップ部55と軸部56は、それぞれカップ部材55’と軸部材56’として別体で製作される。第1の実施形態と同様に、図9に示すように、カップ部42は、その内周に形成されたトラック溝46の奥側端部55aが湾曲形状で縮径し、円形部55bに接続されている。トラック溝46の奥側端部55aを湾曲形状で縮径する形態としたので、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。円形部55bは半径方向内方に延びるフランジ部55cを有し、このフランジ部55cの内径孔部55dに軸部材56’の外径部56cを圧入嵌合させて、鋼板の肉厚断面において電子ビーム溶接により溶接されている。
カップ部材55’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形すること、鋼板の肉厚を3〜5mmとすることや、溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを3.5以上とすること、また、材料として高周波焼入れ用鋼を用い、所定範囲に熱処理硬化層を形成すること、更には、それらの作用効果については、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態の記載内容を準用し、説明を省略する。
本発明の第3の実施形態の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図11に基づいて説明する。図11は縦断面図である。本変形例の外側継手部材は、第3の実施形態の外側継手部材に対して、カップ部の円形部および溶接部の形状が異なる。その他の構成については、第3の実施形態と同様であるので、同様の機能を有する部位には同じ符号を付して要点のみ説明する。
本変形例は、第3の実施形態と同じトリポード型等速自在継手の外側継手部材である。外側継手部材42を構成するカップ部55と軸部56は、それぞれカップ部材55’と軸部材56’として別体で製作される。カップ部55は、その内周に形成されたトラック溝46の奥側端部55aが湾曲形状で縮径し、円形部55bに接続されている。トラック溝46の奥側端部55aを湾曲形状で縮径する形態としたので、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。
円形部55bは円筒状に形成されている。軸部56は、溶接側の端部に半径方向に延びるフランジ部56bが形成され、このフランジ部56bは、その半径方向外側部に円筒部56cを有している。カップ部材55’の円形部55bの端面55eと軸部材56’の円筒部56cの端面56dを突き合わせて、鋼板の肉厚断面において半径方向から電子ビーム溶接されている。その他の構成は第3の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
カップ部材55’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形すること、鋼板の肉厚を3〜5mmとすることや、溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを5.0以上とすること、また、材料として高周波焼入れ用鋼を用い、所定範囲に熱処理硬化層を形成すること、更には、それらの作用効果については、第1の実施形態の変形例と同様であるので、第1の実施形態の変形例の記載内容を準用し、説明を省略する。
本発明の第4の実施形態に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図12に基づいて説明する。図12(a)は縦断面図であり、図12(b)は側面図である。本実施形態は、固定式等速自在継手の一つであるツェッパ型等速自在継手の外側継手部材である。
この等速自在継手61は、外側継手部材62、内側継手部材63、ボール64および保持器65を主な構成とする。外側継手部材62の球状内周面66には6本のトラック溝67が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。内側継手部材63の球状外周面68には、外側継手部材62のトラック溝67と対向するトラック溝69が円周方向等間隔に、かつ軸方向に沿って形成されている。外側継手部材62のトラック溝67と内側継手部材63のトラック溝69との間にトルクを伝達する6個のボール64が1個ずつ組み込まれている。トラック溝67、69がボール64の軌道面を形成する。外側継手部材62の球状内周面66と内側継手部材63の球状外周面68の間に、ボール64を保持する保持器65が配置されている。内側継手部材63の内周面にはスプラインが形成され、このスプラインにシャフト80のスプラインが嵌合され、止め輪79により軸方向に固定されている。外側継手部材62の外周と、内側継手部材63にスプライン連結されたシャフト80の外周とをブーツで覆い、継手内部には、潤滑剤としてグリースが封入される。
図12(a)に示すように、外側継手部材62の球状内周面66と内側継手部材63の球状外周面68の曲率中心は、いずれも、継手の中心Oに形成されている。また、保持器65の球状外周面71および球状内周面72の曲率中心も継手の中心Oに形成されている。これに対して、外側継手部材62のトラック溝67の曲率中心Oと、内側継手部材63のトラック溝69の曲率中心Oとは、継手の中心Oに対して軸方向の反対側に等距離オフセットされている。これにより、継手が作動角をとった場合、外側継手部材62と内側継手部材63の両軸線がなす角度を二等分する平面上にボール64が常に案内され、二軸間で等速に回転が伝達されることになる。
外側継手部材62を構成するカップ部75と軸部76は、それぞれカップ部材75’と軸部材76’として別体で製作される。図12(a)に示すように、カップ部75は、その内周に形成されたトラック溝67の形状に沿って奥側端部75aが湾曲形状で縮径し、円形部75bに接続されている。トラック溝67の奥側端部75aを湾曲形状で縮径する形態としたので、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。円形部75bは半径方向内方に延びるフランジ部75cを有し、このフランジ部75cの内径孔部75dに軸部材76’の外径部76aを圧入嵌合させて、鋼板の肉厚断面において電子ビーム溶接により溶接されている。
カップ部材75’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形すること、鋼板の肉厚を3〜5mmとすることや、溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを3.5以上とすること、また、材料として高周波焼入れ用鋼を用い、所定範囲に熱処理硬化層を形成すること、更には、それらの作用効果については、第1の実施形態と同様であるので、第1の実施形態の記載内容を準用し、説明を省略する。
本発明の第4の実施形態の変形例に係る外側継手部材およびこれを組み込んだ等速自在継手を図13に基づいて説明する。図13は縦断面図である。本変形例の外側継手部材は、第4の実施形態の外側継手部材に対して、カップ部の円形部および溶接部の形状が異なる。その他の構成については、第4の実施形態と同様であるので、同様の機能を有する部位には同じ符号を付して要点のみ説明する。
本変形例は、第4の実施形態と同じツェッパ型等速自在継手の外側継手部材である。外側継手部材62を構成するカップ部75と軸部76は、それぞれカップ部材75’と軸部材76’として別体で製作される。カップ部75は、その内周に形成されたトラック溝67の形状にそって奥側端部75aが湾曲形状で縮径し、円形部75bに接続されている。トラック溝67の奥側端部75aを湾曲形状で縮径する形態としたので、成形荷重を抑制しかつ高精度に成形することができる。
円形部75bは円筒状に形成されている。軸部76は、溶接側の端部に半径方向に延びるフランジ部76bが形成され、このフランジ部76bは、その半径方向外側部に円筒部76cを有している。カップ部材75’の円形部75bの端面75eと軸部材76’の円筒部76cの端面76dを突き合わせて、鋼板の肉厚断面において半径方向から電子ビーム溶接されている。その他の構成は第4の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
カップ部材75’を鋼製のパイプ材又はステム平板からプレス加工で成形すること、鋼板の肉厚を3〜5mmとすることや、溶接径Dと溶接断面長さtの比D/tを5.0以上とすること、また、材料として高周波焼入れ用鋼を用い、所定範囲に熱処理硬化層を形成すること、更には、それらの作用効果については、第1の実施形態の変形例と同様であるので、第1の実施形態の変形例の記載内容を準用し、説明を省略する。
以上の実施形態およびその変形例では、カップ部材と軸部材を電子ビーム溶接により溶接する例を示したが、これに限ることなく、レーザ溶接でも同様に適用することができる。
また、以上の実施形態およびその変形例では、カップ部材に用いるパイプ材又はステム平板の材料として高周波焼入れ用鋼を適用することを例示したが、これに限ることなく、クロムモリブデン鋼(SCM)やクロム鋼(SCr)等の肌焼鋼を適用し浸炭焼入れ処理を施してもよい。
以上の実施形態では、摺動式等速自在継手としてダブルオフセット型等速自在継手およびトリポード型等速自在継手の外側継手部材を示したが、これに限ることなく、クロスグルーブ型等速自在継手等の他の形式の等速自在継手の外側継手部材に適用することができる。また、固定式等速自在継手として、ツェッパ型等速自在継手の外側継手部材を例示したが、これに限ることなく、アンダーカットフリー型等速自在継手やカウンタートラック形式の等速自在継手、更には、交差溝タイプの等速自在継手等の他の形式の等速自在継手の外側継手部材に適用することができる。
また、ボールの個数は3個と6個のものを示したが、これに限られることなく、4個、5個、8個や10個以上でも実施することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々の形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1、21、41、61 等速自在継手
2、22、42、62 外側継手部材
3、23、43、63 内方部材(内側継手部材、トリポード部材)
4、24、44、64 トルク伝達要素(ボール、球状ローラ)
5、25、65 保持器
7、27、46、67 トラック溝
9、29、69 トラック溝
15、35、55、75 カップ部
15’、35’、55’、75’ カップ部材
15a、35a、55a、75a 奥側端部
15b、35b、55b、75b 円形部
15d、35d、55d、75d 内径孔部
15e、35e、55e、75e 端面
16、36、56、76 軸部
16’、36’、56’、76’ 軸部材
16a、36a、56a、76a 外径部
16d、36d、56d、76d 端面
溶接径
溶接径
、O、O、O 曲率中心
t 溶接断面長さ

Claims (8)

  1. トルク伝達要素が係合するトラック溝を内周に形成したカップ部と、このカップ部の底部に形成された軸部とを備えた等速自在継手の外側継手部材であって、この外側継手部材が前記カップ部を形成するカップ部材と前記軸部を形成する軸部材の2部材からなり、両部材を溶接したものにおいて、
    前記カップ部材は鋼板からなり、前記トラック溝の奥側端部が湾曲形状で縮径し、円形部に接続される形状にプレス加工されたものであって、この円形部の鋼板の肉厚断面において前記軸部材と溶接されていることを特徴とする等速自在継手の外側継手部材。
  2. 前記カップ部材を構成する鋼板の肉厚を3〜5mmとしたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  3. 前記円形部が半径方向に延びるフランジ部を有し、このフランジ部の内径孔部に前記軸部を嵌合させて溶接されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  4. 前記溶接された部分の溶接径DAと溶接断面長さtの比DA/tを3.5以上としたことを特徴とする請求項3に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  5. 前記円形部が円筒状に形成され、この円筒状端面と前記軸部材の端部を突き合わせて溶接されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  6. 前記溶接された部分の溶接径DBと溶接断面長さtの比DB/tを5.0以上としたことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  7. 前記等速自在継手がダブルオフセット型等速自在継手であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
  8. 前記等速自在継手がトリポード型等速自在継手であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の等速自在継手の外側継手部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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