JP2015051435A - コーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

コーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 目封止材を乾燥、焼成する際に生じる収縮で目封止材の体積が減少することで、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ難く、PMの捕集率が良好となり、隔壁と目封止部との結合強度が良好で、安定した長さの目封止部を有するコーディエライト基材からなるハニカムフィルタの製造方法を得る。【解決手段】 コーディエライト基材からなるセラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止スラリーで目封止し、焼成するコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止材スラリーは、焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とからなるセラミックス原料で構成され、前記コーディエライト焼成粉末は、真球度が0.5以上であり、平均粒径が70〜230μmであり、かつ、前記セラミックス原料に対して質量比で30〜70%含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、所定の流路が目封止材で目封止されたコーディエライト基材からなるセラミックハニカムフィルタの製造方法に関する。
ディーゼルエンジンなどの排気ガス中には黒煙を主体とするPM(Particulate Matter:微粒子状物質)が多量に含まれており、これが大気中に放出されると、人体や環境に悪影響を与える。このため、ディーゼルエンジンなどの排気ガス系には、PMを捕集、浄化するためのフィルタが搭載されている。図1は、自動車の排気ガス中のPMを捕集、浄化するセラミックス基材からなるセラミックハニカムフィルタ(以下「ハニカムフィルタ」という)10の一例を示し、(a)は正面図、(b)一部を断面した側面図である。図1で、ハニカム構造体11は、外周壁11aの内側に隔壁14で仕切られた多数の流路15a、15bを有する。そして、ハニカム構造体11の両端面12a、12bの所定の流路15a、15bが目封止材13a、13bで交互に目封止され、ハニカムフィルタ10とされている。図示はしないが、ハニカムフィルタ10は、ハニカム構造体11の外周壁11aの外周が、金属メッシュあるいはセラミックス製のマットなどで形成された把持部材で使用中に動かないように把持され、金属製の収納容器に配置されている。
図1に示すようなハニカムフィルタ10において、排気ガスの浄化は以下の通り行われる。排気ガス(点線矢印で示す)は、端面12aに開口するセル15bから流入する。そして、排気ガス中に含まれるPMは、隔壁14を通過する際に捕集され、浄化された排気ガスは、端面12bに開口している流路15aから流出、大気中に放出される。
図1に示すようなハニカムフィルタ10は、以下のような工程で製造されてきている。先ず、コーディエライト質セラミックハニカム構造体形成用セラミックス原料とバインダーほかの原料を秤量、混合、混練を行なって坏土とする。次に、坏土を例えばスクリュー式押出機のハニカム形状口金から押し出し、同時に、乾燥または焼成工程において生じる変形を見込み、目標寸法よりも長めに切断して、ハニカム構造を有する成形体とする。そして、成形体を乾燥、焼成して、コーディエライト質セラミックハニカム構造体とする。次に、ダイヤモンドカッタやダイヤモンドソーなどの研削工具で端面12a、12bを加工して、所定の長さを有するハニカム構造体31とする。さらに、目封止工程において、ハニカム構造体11の両端面12a、12bの流路15a、15bを各々目封止材13a、13bで封止する。図2(a)〜(c)は、この目封止工程の模式図である。図2(a)で、ハニカム構造体11の一方の端面12aに、目封止用フィルム21を貼着し、この目封止用フィルム21に例えばレーザーなどで貫通孔22をセル15aにあわせて千鳥状に形成する。次に、図2(b)で、ハニカム構造体11を反転してコーディエライト組成となる目封止材を含むスラリー23に浸漬し、このスラリー23を目封止用フィルム21の貫通孔22から流路15a内に所定深さまで充填させる。次に図2(c)で、充填後のスラリー23を硬化、乾燥させ、片方の端面12a側が目封止材13aで交互に目封止されたハニカム構造体11とする。同様にして、他方の端面12b側も目封止材13bで交互に封止を行い、さらに目封止用フィルム21を除去して、目封止材を乾燥、焼成し、図1に示すコーディエライト基材からなるハニカムフィルタ10とする。
このようなコーディエライト基材からなるハニカムフィルタは、目封止材を乾燥、焼成する際に、目封止材が収縮してその体積が減少して目封止部と隔壁との間に隙間が生じてしまう。その場合、PMの捕集率が低下したり、目封止部と隔壁との間にクラックが発生して目封止部が脱落してしまう問題があった。これを解決しようと特許文献1には、目封止材をセラミックハニカム構造体形成用セラミックス原料と同じ材質のセラミックス粉砕物から構成、好ましくは、セラミックス基材の焼成粉砕物70〜80重量%と未焼成粉砕物20〜30重量%とから構成した、ハニカムフィルタおよびその製造方法が提案されている。この特許文献1によれば、目封止材の乾燥による収縮で目封止材の体積が減少して目封止部にクラックが発生したり目封止部が脱落してしまうという従来技術の問題点を解決し、隔壁と目封止部との接合強度が確保され、目封止部が剥離や脱落し難くできるとしている。
また、本発明者は特許文献2に、目封止材のうちのセラミックス原料は、セラミックス基材の未焼成粉砕物とセラミックス基材の焼成粉砕物とから構成され、質量比で、未焼成粉砕物が40〜80%、焼成粉砕物が20〜60%としたことを開示した。この特許文献2によれば、隔壁と目封止部との接合強度が安定したセラミックハニカムフィルタを製造することができるとしている。
特開2002−136817号公報 特開2008−136919号公報
しかしながら、特許文献1に提案される目封止材では、目封止材を乾燥、焼成する際に生じる収縮で目封止材の体積が減少する現象は緩和されるものの十分ではなく、さらに、隔壁と目封止部との結合強度が安定せず、十分な強度が確保されない場合があった。そして、目封止部と隔壁との間に隙間が生じて、PMの捕集率が低下したり、目封止部と隔壁との間にクラックが発生して目封止部が脱落してしまう問題を有していた。また、目封止部の長さも安定し難かった。
また、特許文献2に提案される目封止材においては、目封止材を乾燥、焼成する際に生じる収縮で目封止材の体積が減少する現象は緩和され難く、さらに、隔壁と目封止部との結合強度が安定せず、十分な強度が確保されない場合があった。そして、目封止部と隔壁との間に隙間が生じて、PMの捕集率が低下したり、目封止部と隔壁との間にクラックが発生して目封止部が脱落してしまう問題を有していた。また、目封止部の長さも安定し難かった。
本発明の課題は、目封止材を乾燥、焼成する際に生じる収縮で目封止部と隔壁との間に隙間が生じ難く、PMの捕集率が良好となり、隔壁と目封止部との結合強度が良好で、安定した長さの目封止部を有するコーディエライト基材からなるハニカムフィルタの製造方法を得ることにある。
本発明者らは、目封止材として用いるセラミックス原料が、目封止材が乾燥、焼成する際に生じる収縮で目封止材の体積が減少する現象、及び、隔壁と目封止材との結合強度にどのように影響するのか鋭意検討の結果、以下の知見を得た。つまり、目封止材として焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料と、所定の真球度を有する、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とから構成されることで、上記課題が解決できるとの知見を得て、本発明に想到した。
すなわち、本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法は、コーディエライト基材からなるセラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止スラリーで目封止し、焼成するコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止スラリーは、焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とからなるセラミックス原料で構成され、前記コーディエライト焼成粉末は、真球度が0.5以上であり、平均粒径が70〜230μmであり、かつ、前記セラミックス原料に対して質量比で30〜70%含むことを特徴とする。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止スラリーは、前記セラミックス原料に対し、質量比で35〜60%の水分を有することが好ましい。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止スラリーは、前記セラミックス原料に対し、2%水溶液で4000cP以下の粘度を有するセルロース誘導体を、質量比で0.5〜3.0%含むことが好ましい。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止スラリーは、大気圧から80kPa以上減圧した雰囲気下で混練することが好ましい。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止スラリーは、前記コーディエライト配合原料に対し、水酸化アルミが質量比で10%以下であることが好ましい。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止スラリーで目封止する前に、前記セラミックハニカム構造体端面に0.2g/cm2以上の含水を行うことが好ましい。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記予め焼成されたコーディエライト焼成粉末は、スプレー乾燥により得られたコーディエライト化顆粒を1300℃以上の温度で焼成して得たことが好ましい。
次に、本発明の作用効果について説明する。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法は、コーディエライト基材からなるセラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止スラリーで目封止し、焼成するコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止スラリーは、焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とからなるセラミックス原料で構成され、前記コーディエライト焼成粉末は、真球度が0.5以上であり、平均粒径が70〜230μmであり、かつ、前記セラミックス原料に対して質量比で30〜70%含むことで、目封止材を乾燥、焼成する際に生じる収縮で目封止材の体積が減少することが抑制され、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ難くなり、PMの捕集率が良好となる。さらに、隔壁と目封止部との結合強度が良好で、安定した長さの目封止部を有するコーディエライト基材からなるハニカムフィルタが得られる。
すなわち、目封止材のうちのセラミックス原料が、焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とから構成され、コーディエライト焼成粉末の真球度が0.5以上であることで、コーディエライト焼成粉末の表面積が小さくなり、コーディエライト配合原料が、コーディエライト焼成粉末に付着し易くなり、目封止材の結合強度が良好となり、目封止材と隔壁との接合強度も良好となる。また、目封止材の流動性が良好となり、目封止材を流路に充填する際の粘度上昇が抑制され、安定した長さの目封止部を得ることができる。さらに、真球度が0.5以上である予め焼成されたコーディエライト焼成粉末を、セラミックス原料に対して質量比で30〜70%有していることで、目封止材を焼成した際、コーディエライト焼成粉末は焼成済みであることから、焼成時には収縮しないため、目封止材全体として、コーディエライト化反応時の収縮が抑制され、目封止材の体積の減少を抑制することができる。さらに、前記したように真球度が0.5以上であることから、目封止材の結合強度が良好となり、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ難くなり、PMの捕集率が良好となる。コーディエライト焼成粉末が30%未満である場合、目封止材を焼成した際の目封止材全体としての収縮の抑制効果が小さくなり、目封止材の体積減少の抑制効果が小さくなって、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ易くなり、PMの捕集率が低下する。一方、70%を超える場合、焼成によって固着するコーディエライト配合原料の量が、相対的に少なくなるので、目封止材を焼成した際、目封止材の結合が弱くなり、さらに、目封止材と隔壁との接合強度も弱くなり、目封止部が脱落する恐れがある。真球度は好ましくは0.6以上であり、コーディエライト焼成粉末はセラミックス原料に対して質量比で35〜65%が好ましい。
ここで、コーディエライト焼成粉末の真球度は、電子顕微鏡写真から画像解析装置により得られた20個の粒子の各投影像について求めた、投影面積と、重心を通る直線が粒子外周と交叉する2点間の長さの最大値を直径とした円の面積との比を平均した値である。
また、本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタにおいて、前記コーディエライト焼成粉末の平均粒径が70〜230μmであることが好ましいのは次の理由による。コーディエライト焼成粉末の平均粒径が70〜230μmであることで、目封止材が乾燥する際、コーディエライト配合原料が、70〜230μmのコーディエライト焼成粉末の間に充填され、目封止材が乾燥しても、目封止材の体積減少が生じ難くなり、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ難くなり、PMの捕集率が良好となるのである。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、封止スラリーは、前記セラミックス原料に対し、質量比で35〜60%の水分を有することが好ましいのは次の理由による。セラミックス原料に対し、質量比で35〜60%の水分を有することで、目封止材の流動性が良好となり、安定した目封止長さの目封止部を得ることができる。35%未満である場合、目封止材の流動性が得られ難くなり、目封止材が流路に充填され難くなる。一方、60%を超えると、目封止材が乾燥する際に収縮が大きくなり、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ易くなり、PMの捕集率が低下するので好ましくない。好ましくは、40〜55%である。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止スラリーは、前記セラミックス原料に対し、2%水溶液で4000cP以下の粘度を有するセルロース誘導体を、質量比で0.5〜3.0%含むことが好ましいのは次の理由による。セラミックス原料に対し、2%水溶液で4000cP以下の粘度を有するセルロース誘導体を、質量比で0.5〜3.0%含むことで、目封止材を乾燥、焼成した際、セラミックス原料同士の結合が良好となり、隔壁と目封止部との結合強度が良好となる。さらに、目封止材の流動性が良好となり、安定した目封止長さの目封止部を得ることができる。0.5%未満の場合、目封止材が乾燥する際に収縮が大きくなり、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ易くなり、PMの捕集率が低下するので好ましくない。一方、3.0%を超えると、目封止材の流動性が得られ難くなり、目封止材が流路に充填され難くなるので好ましくない。好ましくは、0.7〜2.8%である。セルロース誘導体としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、等を使用できる。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記目封止スラリーは、大気圧から80kPa以上減圧した雰囲気下で混練することが好ましいのは次の理由による。目封止スラリーを大気圧から80kPa以上減圧した雰囲気下で混練することで、混練時に巻き込まれたエアーを目封止スラリーから除去することができ、目封止部に空隙が生じるのを防ぐことができる。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、目封止スラリーは、前記コーディエライト配合原料に対し、水酸化アルミが質量比で10%以下であることが好ましいのは次の理由による。水酸化アルミは、目封止材が焼成する際、その中の結晶水が放散されることで、目封止材が収縮することを助長するが、コーディエライト配合原料に対し、水酸化アルミが質量比で10%以下であることで、この収縮が緩和され、目封止材が収縮するのを抑制される。10%を超えると、目封止材の収縮への寄与が顕著となり、目封止材が収縮し、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ易くなり、PMの捕集率が低下するので好ましくない。好ましくは、8%以下である。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、目封止スラリーで目封止する前に、前記セラミックハニカム構造体端面に0.2g/cm2以上の含水を行うことが好ましいのは次の理由による。目封止スラリーで目封止する前に、前記セラミックハニカム構造体端面に0.2g/cm2以上の含水を行うことで、目封止材が乾燥する際、目封止部と隔壁との境界部の乾燥が遅くなり、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ難くなり、PMの捕集率が良好となる。0.2g/cm2未満の含水では、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ易くなるり、PMの捕集率が低下するので好ましくない。好ましくは0.3g/cm2以上である。
本発明のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法において、前記予め焼成されたコーディエライト焼成粉末は、スプレー乾燥により得られたコーディエライト化顆粒を1300℃以上の温度で焼成して得たことが好ましいのは次の理由による。コーディエライト化原料粉末を調合し、これに水を加えてコーディエライト化原料スラリーを作製した後、スプレー乾燥機により、水分を蒸発させることで、真球度が0.5以上であるコーディエライト化顆粒を得る。このコーディエライト化顆粒を1300℃以上の温度で焼成することにより、真球度が0.5以上である予め焼成されたコーディエライト焼成粉末が得られるのである。
本発明によれば、目封止材を乾燥、焼成する際に生じる収縮で目封止材の体積が減少するのを抑制し、目封止部と隔壁との間に隙間が生じ難く、PMの捕集率が良好となり、隔壁と目封止部との結合強度が良好で、安定した長さの目封止部を有するコーディエライト基材からなるハニカムフィルタの製造方法を得ることができる。
本発明に係る排気ガス中のPMを捕集、浄化する、セラミックハニカムフィルタ10の一例を示し、(a)は正面図、(b)断面図である。 本発明に係る目封止工程を示した模式図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
カオリン、タルク、シリカ、アルミナ粉末を調整し、質量比で、SiO2:48〜52%、Al2O3:33〜37%、MgO:12〜15%となるコーディエライト質のセラミックハニカム構造体形成用セラミックス原料を準備し、これにメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのバインダー、潤滑剤、造孔材としてグラファイトを添加し、乾式で十分混合した後、規定量の水を添加、十分な混練を行って可塑化したセラミック坏土を作製した。次に、押出し成形用金型を用いて坏土を押出し成形し、所定長さに切断し、ハニカム構造を有する成形体とした。次に、成形体を、マイクロ波乾燥装置を用いて乾燥した後、1425℃の温度で焼成し、外径が266.7mm、全長が304.8mm、隔壁厚が0.3mm、隔壁ピッチが1.5mmのコーディエライト質のセラミックス基材からなるハニカム構造体とした。
次に、目封止材として、コーディエライト配合原料と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とを表1のように配合し、さらに、有機バインダーとして2%水溶液で1500cPの粘度のメチルセルロースと、水を加えて、表1に示す大気圧からの減圧下で混練してスラリー状の目封止材を調整した。予め焼成されたコーディエライト焼成粉末は、次のようにして得た。質量比で、SiO2:48〜52%、Al2O3:33〜37%、MgO:12〜15%となるコーディエライト化原料粉末を調合し、水を加えてコーディエライト化原料スラリーを作製し、スプレー乾燥機への入口温度を変更して、真球度の異なるコーディエライト化顆粒を得る。このコーディエライト化顆粒を1400℃の温度で焼成して、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末を得る。そして、前述した図2の目封じ工程に基づき、ハニカム構造体に目封止部長さが10mmとなるように目封止を行なった。さらに、目封止材後、目封止されたハニカムフィルタを1400℃に加熱して、隔壁と目封止材との固着一体化を図った。
次に、目封止部と隔壁との間の隙間の状態について、PM捕集率で評価した。捕集率の測定は、圧力損失テストスタンドにて、セラミックハニカムフィルタに空気流量10Nm3/minで、粒径0.042μmのカーボン粉を3g/hの投入速度で投入しながら、1分毎にハニカムフィルタに流入するカーボン粉の粒子数とハニカムフィルタから流出するカーボン粉の粒子数をSMPS(Scanning Mobility Particle Sizer)を用いて計測した。カーボン粉の粒子数の計測は、TIS社製モデル3936を用いた。投入開始3分から4分までのハニカムフィルタに流入するカーボン粉の粒子数Nin、及びハニカムフィルタから流出するカーボン粉の粒子数Noutから、捕集効率を式:(Nin−Nout)/Nin により求めた。その結果、捕集率が、
98%以上の場合を(◎)、
95%以上98%未満の場合を(○)、
95%未満の場合を(×)、
として捕集効率を評価した。
次に、目封止部と隔壁との接合強度を評価した。目封止部と隔壁との接合強度は、先端が直径1mmの丸棒形状の圧子を目封止材に押し込み、圧子が押し抜けたときの荷重を測定し、10箇所の平均値を算出して求めた。そして、目封止材にコーディエライト配合原料を100%用いた比較例1の接合強度を1.0として、目封止部と隔壁との接合強度を相対比較し、
比較例1の接合強度の2.0倍を超える場合を(◎)、
比較例1の接合強度の1.0倍を超え2.0倍以下の場合を(○)、
比較例1の接合強度の1.0倍以下の場合を(×)
として評価した。
次に、目封止部の長さは、次のように評価した。先端が直径1mmの丸棒形状の金属棒を目封止された流路の反対側から挿入し、目封止部に到達した時の流路に挿入された金属棒の長さから、目封止部の長さを測定し、10箇所の平均値を算出して求めた。その結果、目封止部の長さが、目標10mmに対して、
8〜12mmであった場合を(◎)、
6mm以上8mm未満、又は、12mmを超え14mm以下であった場合を(○)、
6mm未満、又は、14mmを超える場合を(×)
として評価した。
これらの結果を表1に示す。
Figure 2015051435
表1から、本発明の実施例1〜6は、PM捕集率、接合強度、目封止部長さとが優れていることがわかる。一方、比較例1〜5は、PM捕集率、接合強度、目封止部長さの何れかの面で問題があることがわかる。
10:セラミックハニカムフィルタ(ハニカムフィルタ)
11:セラミックハニカム構造体(ハニカム構造体)
11a:外周壁
12a、12b:端面
13a、13b:目封止材
14:隔壁
15a、15b:流路
21:目封止用フィルム
22:貫通孔
23:スラリー

Claims (7)

  1. コーディエライト基材からなるセラミックハニカム構造体の所定の流路に目封止スラリーで目封止し、焼成するコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法であって、前記目封止スラリーは、焼成後にコーディエライトとなるよう配合されたコーディエライト配合原料と、予め焼成されたコーディエライト焼成粉末とからなるセラミックス原料で構成され、前記コーディエライト焼成粉末は、真球度が0.5以上であり、平均粒径が70〜230μmであり、かつ、前記セラミックス原料に対して質量比で30〜70%含むことを特徴とするコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記目封止スラリーは、前記セラミックス原料に対し、質量比で35〜60%の水分を有することを特徴とする請求項1に記載のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法。
  3. 前記目封止スラリーは、前記セラミックス原料に対し、2%水溶液で4000cP以下の粘度を有するセルロース誘導体を、質量比で0.5〜3.0%含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法。
  4. 前記目封止スラリーは、大気圧から80kPa以上減圧した雰囲気下で混練することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法。
  5. 前記目封止スラリーは、前記コーディエライト配合原料に対し、水酸化アルミが質量比で10%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法。
  6. 前記目封止スラリーで目封止する前に、前記セラミックハニカム構造体端面に0.2g/cm2以上の含水を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法。
  7. 前記予め焼成されたコーディエライト焼成粉末は、スプレー乾燥により得られたコーディエライト化顆粒を1300℃以上の温度で焼成して得たことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のコーディエライト質セラミックハニカムフィルタの製造方法。

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