以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、歩行支援情報提供装置を、例えば脳卒中片麻痺等により片足に歩行障害がある歩行者に対する歩容改善や歩行能力の回復等のための歩行リハビリに適用した例である。
<歩行支援システムの全体構成>
まず、図1を参照しつつ、本実施形態の歩行支援情報提供装置を備えた歩行支援システムの全体構成について説明する。
図1に示すように、歩行支援システム1は、片足に歩行障害がある歩行者Wの歩行を支援するシステムである。歩行者Wは、右足F2に歩行障害がある。なお、歩行者Wは、左足F2に歩行障害があってもよい。この歩行支援システム1は、歩行支援情報提供装置2と、歩行支援装置70とを有する。
歩行支援情報提供装置2は、歩行者Wの歩行リハビリの際に、歩行リハビリを介助する者(例えば理学療法士等の医療従事者)や歩行者Wに対し、歩行者Wの足が適切な力で接地できているか否かを表す歩行支援情報を提示する装置である。
歩行支援装置70は、歩行者Wの歩行動作(この例では右足F2の足首関節部分の動き)を支援(補助)する装置である。なお、歩行支援装置70としては、右足F2の足首関節部分の動きを支援する装置に限定されるものではなく、右足F2の足首関節部分に代え又は加え、右足F2の他の部分(例えば膝関節部分等)の動きを支援する装置であってもよい。
<歩行支援情報提供装置の構成>
次に、図1及び図2を参照しつつ、歩行支援情報提供装置2の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、歩行支援情報提供装置2は、この例では歩行者Wの左足F1及び右足F2に亘って設けられ、2つのセンサユニット3,4と、2つの報知モジュール5,6とを有する。
<センサユニットの構成>
図2に示すように、センサユニット3は、上記左足F1側の履物S1(図1参照)の中敷I1に設置されている。なお、センサユニット3は、敷物S1の中敷I1以外の位置(例えば靴底等)に設置されてもよい。このセンサユニット3は、第1感圧センサ31aと、固定抵抗器32と、第2感圧センサ31bと、固定抵抗器33とを備える。
第1感圧センサ31aは、中敷I1における左足F1の足裏の母指球に対応する位置に設置されている。なお、第1感圧センサ31aは、中敷I1における左足F1の足裏の母指球以外の部位に対応する位置に設置されてもよい。この第1感圧センサ31aは、左足F1の足裏の母指球に加わる力を検出する。この例では、第1感圧センサ31aは、左足F1の足裏の母指球に対応する位置に加わる力(圧力)に応じて抵抗値が変化することで、当該母指球に加わる力を検出可能である。具体的には、第1感圧センサ31aとして、左足F1の足裏の母指球に対応する位置に加わる力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサが使用されている。固定抵抗器32は、抵抗値が一定であり、第1感圧センサ31aと直列に接続されている。すなわち、一定の電圧が印加されると、第1感圧センサ31aに加わる力に応じて、第1感圧センサ31aの抵抗値と固定抵抗器32の抵抗値との比率が変化し、第1感圧センサ31aと固定抵抗器32との接続点の電圧が変化する。この電圧は、第1感圧センサ31aの検出結果を表す出力電圧Vout1として、報知モジュール5のマイコン50(後述)へ入力される。
第2感圧センサ31bは、中敷I1における左足F1の足裏の踵に対応する位置に設置されている。なお、第2感圧センサ31bは、中敷I1における左足F1の足裏の踵以外の部位に対応する位置に設置されてもよい。この第2感圧センサ31bは、左足F1の足裏の踵に加わる力を検出する。この例では、第2感圧センサ31bは、左足F1の足裏の踵に対応する位置に加わる力(圧力)に応じて抵抗値が変化することで、当該踵に加わる力を検出可能である。具体的には、第2感圧センサ31bとして、左足F1の足裏の踵に対応する位置に加わる力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサが使用されている。固定抵抗器33は、抵抗値が一定であり、第2感圧センサ31bと直列に接続されている。すなわち、一定の電圧が印加されると、第2感圧センサ31bに加わる力に応じて、第2感圧センサ31bの抵抗値と固定抵抗器33の抵抗値との比率が変化し、第2感圧センサ31bと固定抵抗器33との接続点の電圧が変化する。この電圧は、第2感圧センサ31bの検出結果を表す出力電圧Vout2として、報知モジュール5のマイコン50(後述)へ入力される。
なお、上記第1感圧センサ31aは、特許請求の範囲に記載の第1センサに相当し、上記第2感圧センサ31bは、特許請求の範囲に記載の第2センサに相当する。そして、以下適宜、これら第1及び第2感圧センサ31a,31bを総称して、感圧センサ31という。すなわち、感圧センサ31は、特許請求の範囲に記載のセンサに相当すると共に、歩行者の足裏に加わる力を検出する手段に相当する。
一方、センサユニット4は、上記右足F2側の履物S2(図1参照)の中敷I2に設置されている。なお、センサユニット4は、敷物S2の中敷I2以外の位置(例えば靴底等)に設置されてもよい。このセンサユニット4は、第1感圧センサ41aと、固定抵抗器42と、第2感圧センサ41bと、固定抵抗器43とを備える。
第1感圧センサ41aは、中敷I2における右足F2の足裏の母指球に対応する位置に設置されている。なお、第1感圧センサ41aは、中敷I2における右足F2の足裏の母指球以外の部位に対応する位置に設置されてもよい。この第1感圧センサ41aは、右足F2の足裏の母指球に加わる力を検出する。この例では、第1感圧センサ41aは、右足F2の足裏の母指球に対応する位置に加わる力(圧力)に応じて抵抗値が変化することで、当該母指球に加わる力を検出可能である。具体的には、第1感圧センサ41aとして、右足F2の足裏の母指球に対応する位置に加わる力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサが使用されている。固定抵抗器42は、抵抗値が一定であり、第1感圧センサ41aと直列に接続されている。すなわち、一定の電圧が印加されると、第1感圧センサ41aに加わる力に応じて、第1感圧センサ41aの抵抗値と固定抵抗器42の抵抗値との比率が変化し、第1感圧センサ41aと固定抵抗器42との接続点の電圧が変化する。この電圧は、第1感圧センサ41aの検出結果を表す出力電圧Vout3として、報知モジュール6のマイコン60(後述)へ入力される。
第2感圧センサ41bは、中敷I2における右足F2の足裏の踵に対応する位置に設置されている。なお、第2感圧センサ41bは、中敷I2における右足F2の足裏の踵以外の部位に対応する位置に設置されてもよい。この第2感圧センサ41bは、右足F2の足裏の踵に加わる力を検出する。この例では、第2感圧センサ41bは、右足F2の足裏の踵に対応する位置に加わる力(圧力)に応じて抵抗値が変化することで、当該踵に加わる力を検出可能である。具体的には、第2感圧センサ41aとして、右足F2の足裏の踵に対応する位置に加わる力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサが使用されている。固定抵抗器43は、抵抗値が一定であり、第2感圧センサ41bと直列に接続されている。すなわち、一定の電圧が印加されると、第2感圧センサ41bに加わる力に応じて、第2感圧センサ41bの抵抗値と固定抵抗器43の抵抗値との比率が変化し、第2感圧センサ41bと固定抵抗器43との接続点の電圧が変化する。この電圧は、第2感圧センサ41bの検出結果を表す出力電圧Vout4として、報知モジュール6のマイコン60(後述)へ入力される。
なお、上記第1感圧センサ41aは、特許請求の範囲に記載の第1センサに相当し、上記第2感圧センサ41bは、特許請求の範囲に記載の第2センサに相当する。そして、以下適宜、これら第1及び第2感圧センサ41a,41bを総称して、感圧センサ41という。すなわち、感圧センサ41は、特許請求の範囲に記載のセンサに相当すると共に、特許請求の範囲に記載の、歩行者の足裏に加わる力を検出する手段に相当する。
<報知モジュールの構成>
図1及び図2に示すように、報知モジュール5は、略直方体状の筐体51と、筐体51に設けられた、第1光源52a、第2光源52b、及び音源52cとを有する。
筐体51は、上記第1及び第2感圧センサ31a,31bの近傍、具体的には上記履物S1(この例では履物S1における左足F1の甲を覆うアッパー部分)の外表面に、第1光源52aが母指球側、第2光源52bが踵側となるように、面ファスナ7により着脱可能に取り付けられている。
面ファスナ7は、フック状に起毛されたフック面を備えるフックテープ(図示せず)と、ループ状に密集して起毛されたループ面を備えるループテープ71とを有する。面ファスナ7のフックテープとループテープ71とは、別体として構成され、フック面とループ面とが対向した状態で接着されることで、一体化する。この例では、筐体51側にフックテープが貼り付けられ、履物S1側にループテープ51が貼り付けられている。そして、筐体51の裏面に配置されたフックテープのフック面が、履物S1のアッパー部分の外表面に配置されたループテープ51のループ面に接着されることで、フックテープとループテープ51とが一体化し、筐体51が履物S1のアッパー部分の外表面に取り付けられている。
第1及び第2光源52a,52bは、それぞれ、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光を発光可能なもので構成され、発光した光を歩行リハビリを介助する者や歩行者Wが視覚的に認識可能なように、筐体51に設置されている。音源52cは、例えばブザー等の音を発音可能なもので構成され、発音した音を歩行リハビリを介助する者や歩行者Wが聴覚的に認識可能なように、筐体51に設置されている。以下適宜、これら第1光源52a、第2光源52b、及び音源52cを総称して、報知部52という。報知部52は、上記感圧センサ31の検出結果を報知する。すなわち、報知部52は、特許請求の範囲に記載の、前記検出する手段による検出結果を前記検出する手段の近傍で報知する手段に相当し、上記面ファスナ7は、特許請求の範囲に記載の、報知部を履物に着脱可能に取り付ける手段に相当する。
具体的には、報知部52は、上記第1及び第2感圧センサ31a,31bの検出結果を、光、音、又はこれらの組み合わせにより個別に報知する。より具体的には、報知部52は、第1及び第2感圧センサ31a,31bの検出結果を、光を用いて個別に報知すると共に、第2感圧センサ31bの検出結果を、音を用いて報知する。すなわち、第1光源52aが、第1感圧センサ31aの検出結果を、光を用いて報知し、第2光源52bが、第2感圧センサ31bの検出結果を、光を用いて報知し、音源52cが、第2感圧センサ31bの検出結果を、音を用いて報知する。言い換えれば、第1感圧センサ31aの検出結果に関しては、第1光源52aが光のみを用いて報知し、第2感圧センサ31bの検出結果に関しては、第2光源52bが光を用いて報知すると共に音源52cが音を用いて報知する。なお、第1感圧センサ31aの検出結果に関しては、第1光源52aが光を用いて報知すると共に音源等が音を用いて報知したり、第1光源52aを省略して音源等が音のみを用いて報知してもよい。また、第2感圧センサ31bの検出結果に関しては、音源52cを省略して第2光源52bが光のみを用いて報知したり、第2光源52bを省略して音源52cが音のみを用いて報知してもよい。なお、第1光源52a、第2光源52b、及び音源52cによる報知態様については、後で詳細に説明する。
また、報知モジュール5は、後述の制御モジュール9と無線通信可能に接続されている。なお、報知モジュール5は、後述の制御モジュール9とケーブルを介して通信可能に接続されてもよい。そして、報知モジュール5では、第1及び第2感圧センサ31a,31bの検出結果が、後述の制御モジュール9へ無線により送信される(詳細は後述)。
一方、報知モジュール6は、略直方体状の筐体61と、筐体61に設けられた、第1光源62a、第2光源62b、及び音源62cとを有する。
筐体61は、上記第1及び第2感圧センサ41a,41bの近傍、具体的には上記履物S2(この例では履物S2における右足F2の甲を覆うアッパー部分)の外表面に、第1光源62aが母指球側、第2光源62bが踵側となるように、面ファスナ8により着脱可能に取り付けられている。
面ファスナ8は、上記フック面を備えるフックテープ(図示せず)と、上記ループ面を備えるループテープ81とを有する。面ファスナ8のフックテープとループテープ81とは、別体として構成され、フック面とループ面とが対向した状態で接着されることで、一体化する。この例では、筐体61側にフックテープが貼り付けられ、履物S2側にループテープ61が貼り付けられている。そして、筐体61の裏面に配置されたフックテープのフック面が、履物S2のアッパー部分の外表面に配置されたループテープ61のループ面に接着されることで、フックテープとループテープ61とが一体化し、筐体61が履物S2のアッパー部分の外表面に取り付けられている。
第1及び第2光源62a,62bは、それぞれ、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光を発光可能なもので構成され、発光した光を歩行リハビリを介助する者や歩行者Wが視覚的に認識可能なように、筐体61に設置されている。音源62cは、例えばブザー等の音を発音可能なもので構成され、発音した音を歩行リハビリを介助する者や歩行者Wが聴覚的に認識可能なように、筐体61に設置されている。以下適宜、これら第1光源62a、第2光源62b、及び音源62cを総称して、報知部62という。報知部62は、上記感圧センサ41の検出結果を報知する。すなわち、報知部62は、特許請求の範囲に記載の、前記検出する手段による検出結果を前記検出する手段の近傍で報知する手段に相当し、上記面ファスナ8は、特許請求の範囲に記載の、報知部を履物に着脱可能に取り付ける手段に相当する。
具体的には、報知部62は、上記第1及び第2感圧センサ41a,41bの検出結果を、光、音、又はこれらの組み合わせにより個別に報知する。より具体的には、報知部62は、第1及び第2感圧センサ41a,41bの検出結果を、光を用いて個別に報知すると共に、第2感圧センサ41bの検出結果を、音を用いて報知する。すなわち、第1光源62aが、第1感圧センサ41aの検出結果を、光を用いて報知し、第2光源62bが、第2感圧センサ41bの検出結果を、光を用いて報知し、音源62cが、第2感圧センサ41bの検出結果を、音を用いて報知する。言い換えれば、第1感圧センサ41aの検出結果に関しては、第1光源62aが光のみを用いて報知し、第2感圧センサ41bの検出結果に関しては、第2光源62bが光を用いて報知すると共に音源62cが音を用いて報知する。なお、第1感圧センサ41aの検出結果に関しては、第1光源62aが光を用いて報知すると共に音源等が音を用いて報知したり、第1光源62aを省略して音源等が音のみを用いて報知してもよい。また、第2感圧センサ41bの検出結果に関しては、音源62cを省略して第2光源62bが光のみを用いて報知したり、第2光源62bを省略して音源62cが音のみを用いて報知してもよい。なお、第1光源62a、第2光源62b、及び音源62cによる報知態様については、後で詳細に説明する。
また、報知モジュール6は、後述の制御モジュール9と無線通信可能に接続されている。なお、報知モジュール6は、後述の制御モジュール9とケーブルを介して通信可能に接続されてもよい。そして、報知モジュール6では、第1及び第2感圧センサ41a,41bの検出結果が、後述の制御モジュール9へ無線により送信される(詳細は後述)。
<歩行支援装置の構成>
次に、図1を参照しつつ、歩行支援装置70の構成について説明する。
図1に示すように、歩行支援装置70は、制御モジュール9と、コントローラ10と、モータ11と、駆動部13とを有する。
制御モジュール9及びコントローラ10は、バンドB1の互いに異なる位置に設置され、バンドB1が歩行者Wの腰部に取り付けられることで、当該腰部に固定されている。なお、制御モジュール9やコントローラ10は、歩行者Wの腰部以外の位置(例えば胸部等)に固定されてもよいし、また歩行者Wに固定されなくてもよい。
そして、制御モジュール9は、上記各報知モジュール5,6と無線通信可能に接続されると共に、コントローラ10とケーブルC1を介して通信可能に接続されている。なお、制御モジュール9は、各報知モジュール5,6とケーブルを介して通信可能に接続されてもよいし、またコントローラ10と無線通信可能に接続されてもよい。この制御モジュール9は、各報知モジュール5,6から無線により受信された上記各感圧センサ31,41の検出結果に基づき、コントローラ10を制御する(詳細は後述)。
また、コントローラ10は、モータ11とケーブルC2を介して通信可能に接続されている。なお、コントローラ10は、モータ11と無線通信可能に接続されてもよい。このコントローラ10は、制御モジュール9からケーブルC1を介して入力された制御信号に基づき、モータ11の駆動制御を行う。
モータ11は、右足F2の太腿部にバンドB2により固定されている。なお、モータ11は、歩行者Wにおける右足F2の太腿部以外の位置(例えば腰部や右足F2の足首部等)に固定されてもよい。そして、モータ11は、コントローラ10からケーブルC2を介して入力された駆動制御信号に基づき、前述のように歩行障害がある右足F2の足首関節の動きを補助するための動力を発生する。モータ11で発生された動力は、接続金具によりモータ11の回転軸と固定されると共に駆動部13と連結されたフレキシブルシャフト12により、駆動部13へ伝達される。
駆動部13は、右足F2の足首関節部分に配置され、フレキシブルシャフト12により伝達された動力によって駆動される。この駆動部13は、右足F2の足裏部分を支持する足裏支持板を備える。足裏支持板は、駆動部13の回転軸に固定され、当該回転軸の回転により当該回転軸を軸中心として回転運動可能である。また、駆動部13は、支持部材14に連結されている。支持部材14は、右足F2にバンドB3により固定されている。そして、歩行者Wが右足F2を動かす際に、駆動部13がフレキシブルシャフト12により伝達された動力によって駆動することで、右足F2の足首関節部分の動きが補助される。例えば、右足F2の足首関節の底屈及び背屈が補助される。底屈とは、足首関節を足裏(足底)の方向へ曲げる運動であり、背屈とは、足首関節を足甲(足背)の方向へ曲げる運動である。すなわち、振り出し時には、躓きの発生を防ぐため爪先を持ち上げるように、背屈方向に動作が補助され、接地中には、重心の前方移動を促すように、背屈方向に動作が補助され、足裏の浮揚時には、蹴り出しの力になるように、底屈方向に動作が補助される。このとき、二関節筋(2つの関節を跨ぐ筋肉)の伸張性反射が足首・膝・股関節を連動させるので、スムーズな振り出しを補助することができる。これにより、歩行リハビリを安全かつ長時間、反復して行うことが可能となり、歩行リハビリ時の歩行者Wを介助する者の負担軽減にも寄与する。
なお、歩行支援装置70の構成は、上記構成に限定されるものではなく、右足F2の足首関節部分の動きを支援可能な構成であれば、いかなる構成であってもよい。例えば、モータを駆動部と共に右足F2の足首関節部分に配置し、モータにより駆動部を直接駆動することで、当該足首関節部分の動きを補助してもよい。このとき、モータとして扁平モータを使用してもよい。この場合には、右足F2の足首部の装置構成を小型・軽量化することが可能となるので、歩行リハビリ時の歩行者Wの負担を軽減でき、歩行者Wの動きを妨げることなく歩行リハビリを行うことができる。
<各報知モジュール及び制御モジュールの概念的構成>
次に、図3を参照しつつ、各報知モジュール5,6及び制御モジュール9の概念的構成について説明する。
図3に示すように、報知モジュール5は、マイクロコントローラ(図3中ではマイコンと略記している。以下適宜「マイコン」という)50と、上記第1光源52aと、上記第2光源52bと、上記音源52cと、上記制御モジュール9と無線通信する(制御モジュール9に対し情報を送信する)ためのアンテナ53と、電力を供給するバッテリ電源(図示せず)とを有する。
マイコン50は、上記第1感圧センサ31aの検出結果を表す出力電圧Vout1及び上記第2感圧センサ31bの検出結果を表す出力電圧Vout2をそれぞれ入力する。
ここで、印加電圧をVin、第1感圧センサ31aの抵抗値をR1、固定抵抗値32の抵抗値をR2とすると、出力電圧Vout1は、下記の式(1)で表される。
Vout1=Vin・R2/(R1+R2) ・・・(1)
上述したように、第1感圧センサ31aとしては、左足F1の母指球に対応する位置に加わる力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサが使用されている。したがって、上記母指球に対応する位置に加わる力が増加するにつれて、第1感圧センサ31aの抵抗値R1は増加するので、出力電圧Vout1は減少する。
また、印加電圧をVin、第2感圧センサ31bの抵抗値をR3、固定抵抗値33の抵抗値をR4とすると、出力電圧Vout2は、下記の式(2)で表される。
Vout2=Vin・R4/(R3+R4) ・・・(2)
上述したように、第2感圧センサ31bとしては、左足F1の踵に対応する位置に加わる力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサが使用されている。したがって、上記踵に対応する位置に加わる力が増加するにつれて、第2感圧センサ31bの抵抗値R3は増加するので、出力電圧Vout2は減少する。
そして、マイコン50は、出力電圧Vout1,Vout2の値に応じて、第1光源52a、第2光源52b、及び音源52cによる報知態様を変更する。
具体的には、マイコン50は、出力電圧Vout1の値に応じて、第1光源52aの光の色を変更する。本実施形態では、マイコン50は、出力電圧Vout1の値を、当該出力電圧Vout1の値に関し予め設定された閾値と比較し、その比較結果に応じて、第1光源52aの光の色を変更する。
すなわち、出力電圧Vout1の値が閾値以下の場合には、マイコン50は、左足F1の母指球に加わる力が所望の値以上となっている、つまり履物S1の当該母指球に対応する靴底部分(以下適宜、単に「左足F1の母指球」という)が適切な力で接地しているとみなす。そして、マイコン50は、第1光源52aの光の色を第1の色(この例では赤色)とする。なお、第1の色としては、赤色に限定されるものではなく、赤色以外の色でもよい。
一方、出力電圧Vout1の値が閾値よりも大きい場合には、マイコン50は、左足F1の母指球に加わる力が所望の値よりも小さい、つまり左足F1の母指球が接地していない又は接地していても適切な力で接地していないとみなす。そして、マイコン50は、第1光源52aの光の色を上記第1の色と異なる第2の色(この例では緑色)とする。なお、第2の色としては、緑色に限定されるものではなく、上記第1の色と異なる色であれば緑色以外の色でもよい。
また、マイコン50は、出力電圧Vout2の値に応じて、第2光源52bの光の色を変更すると共に、音源52cの音量を変更する。本実施形態では、マイコン50は、出力電圧Vout2の値を、当該出力電圧Vout2の値に関し予め設定された閾値と比較し、その比較結果に応じて、第2光源52bの光の色を変更すると共に、音源52cの音量を変更する。
すなわち、出力電圧Vout2の値が閾値以下の場合には、マイコン50は、左足F1の踵に加わる力が所望の値以上となっている、つまり履物S1の当該踵に対応する靴底部分(以下適宜、単に「左足F1の踵」という)が適切な力で接地しているとみなす。そして、マイコン50は、第2光源52bの光の色を第3の色(この例では赤色)とすると共に、音源52cにより第1の周波数の音(以下適宜「ピーという音」という)を発音させる。
一方、出力電圧Vout2の値が閾値よりも大きい場合には、マイコン50は、左足F1の踵に加わる力が所望の値よりも小さい、つまり左足F1の踵が接地していない又は接地していても適切な力で接地していないとみなす。そして、マイコン50は、第2光源52bの光の色を上記第3の色と異なる第4の色(この例では緑色)とすると共に、音源52cにより上記ピーという音を発音させない(音源52cの音量を0とする)。
なお、マイコン50は、出力電圧Vout2の値が閾値以下の場合に、音源52cによりピーという音を発音させないで(音源52cの音量を0として)、出力電圧Vout2の値が閾値よりも大きい場合に、音源52cによりピーという音を発音させてもよい。あるいは、マイコン50は、出力電圧Vout2の値が閾値以下の場合と閾値よりも大きい場合との両方とも、音源52cによりピーという音の発音を行わせるが、出力電圧Vout2の値が閾値以下の場合と閾値よりも大きい場合とで、発音音量を異ならせてもよい。
また、マイコン50は、上記アンテナ53を介した無線通信により、出力電圧Vout1,Vout2の値を表す情報(又は、出力電圧Vout2のみを表す情報でもよい)を、上記制御モジュール9へ送信する。
なお、上記マイコン50は、特許請求の範囲に記載の制御部に相当する。
したがって、図4(a)に示すように、左足F1の母指球及び踵が共に適切な力で接地している状態では、第1及び第2光源52a,52bではそれぞれ赤色が発光され、音源52cからはピーという音がなる。その後、図4(b)に示すように、左足F1の母指球が適切な力で接地したままで、踵が接地しなくなった状態では、第1光源52aでは赤色が発光されたままで、第2光源52bでは緑色が発光され、音源52cからはピーという音がならなくなる。そして、図4(c)に示すように、左足F1の踵に加え母指球が接地しなくなった状態では、第1及び第2光源52a,52bではそれぞれ緑色が発光され、音源52cからはピーという音がならないままである。その後、図4(d)に示すように、左足F1の母指球が接地していないままで、踵が適切な力で接地するようになった状態では、第1光源52aでは緑色が発光されたままで、第2光源52bでは赤色が発光され、音源52cからはピーという音がなるようになる。
図3に示すように、報知モジュール6は、マイコン60と、上記第1光源62aと、上記第2光源62bと、上記音源62cと、上記制御モジュール9と無線通信する(制御モジュール9に対し情報を送信する)ためのアンテナ63と、電力を供給するバッテリ電源(図示せず)とを有する。
マイコン60は、上記第1感圧センサ41aの検出結果を表す出力電圧Vout3及び上記第2感圧センサ41bの検出結果を表す出力電圧Vout4をそれぞれ入力する。
ここで、印加電圧をVin、第1感圧センサ41aの抵抗値をR5、固定抵抗値42の抵抗値をR6とすると、出力電圧Vout3は、下記の式(3)で表される。
Vout3=Vin・R6/(R5+R6) ・・・(3)
上述したように、第1感圧センサ41aとしては、右足F2の母指球に対応する位置に加わる力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサが使用されている。したがって、上記母指球に対応する位置に加わる力が増加するにつれて、第1感圧センサ41aの抵抗値R5は増加するので、出力電圧Vout3は減少する。
また、印加電圧をVin、第2感圧センサ41bの抵抗値をR7、固定抵抗値43の抵抗値をR8とすると、出力電圧Vout4は、下記の式(4)で表される。
Vout4=Vin・R8/(R7+R8) ・・・(4)
上述したように、第2感圧センサ41bとしては、右足F2の踵に対応する位置に加わる力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサが使用されている。したがって、上記踵に対応する位置に加わる力が増加するにつれて、第2感圧センサ41bの抵抗値R7は増加するので、出力電圧Vout4は減少する。
そして、マイコン60は、出力電圧Vout3,Vout4の値に応じて、第1光源62a、第2光源62b、及び音源62cによる報知態様を変更する。
具体的には、マイコン60は、出力電圧Vout3の値に応じて、第1光源62aの光の色を変更する。本実施形態では、マイコン60は、出力電圧Vout3の値を、当該出力電圧Vout3の値に関し予め設定された閾値と比較し、その比較結果に応じて、第1光源62aの光の色を変更する。
すなわち、出力電圧Vout3の値が閾値以下の場合には、マイコン60は、右足F2の母指球に加わる力が所望の値以上となっている、つまり履物S2の当該母指球に対応する靴底部分(以下適宜、単に「右足F2の母指球」という)が適切な力で接地しているとみなす。そして、マイコン60は、第1光源62aの光の色を第5の色(この例では赤色)とする。なお、第5の色としては、赤色に限定されるものではなく、赤色以外の色でもよい。
一方、出力電圧Vout3の値が閾値よりも大きい場合には、マイコン60は、右足F2の母指球に加わる力が所望の値よりも小さい、つまり右足F2の母指球が接地していない又は接地していても適切な力で接地していないとみなす。そして、マイコン60は、第1光源62aの光の色を上記第5の色と異なる第6の色(この例では緑色)とする。なお、第6の色としては、緑色に限定されるものではなく、上記第5の色と異なる色であれば緑色以外の色でもよい。
また、マイコン60は、出力電圧Vout4の値に応じて、第2光源62bの光の色を変更すると共に、音源62cの音量を変更する。本実施形態では、マイコン60は、出力電圧Vout4の値を、当該出力電圧Vout4の値に関し予め設定された閾値と比較し、その比較結果に応じて、第2光源62bの光の色を変更すると共に、音源62cの音量を変更する。
すなわち、出力電圧Vout4の値が閾値以下の場合には、マイコン60は、右足F2の踵に加わる力が所望の値以上となっている、つまり履物S2の当該踵に対応する靴底部分(以下適宜、単に「右足F2の踵」という)が適切な力で接地しているとみなす。そして、マイコン60は、第2光源62bの光の色を第7の色(この例では赤色)とすると共に、音源62cにより上記第1の周波数と異なる第2の周波数の音(以下適宜「ポーという音」という)を発音させる。なお、このとき、マイコン60は、音源62cにより上記第1の周波数の音を発音させてもよい。
一方、出力電圧Vout4の値が閾値よりも大きい場合には、マイコン60は、右足F2の踵に加わる力が所望の値よりも小さい、つまり右足F2の踵が接地していない又は接地していても適切な力で接地していないとみなす。そして、マイコン60は、第2光源62bの光の色を上記第7の色と異なる第8の色(この例では緑色)とすると共に、音源62cにより上記ポーという音を発音させない(音源62cの音量を0とする)。
なお、マイコン60は、出力電圧Vout4の値が閾値以下の場合に、音源62cによりポーという音を発音させないで(音源62cの音量を0として)、出力電圧Vout4の値が閾値よりも大きい場合に、音源62cによりポーという音を発音させてもよい。あるいは、マイコン60は、出力電圧Vout4の値が閾値以下の場合と閾値よりも大きい場合との両方とも、音源62cによりポーという音の発音を行わせるが、出力電圧Vout4の値が閾値以下の場合と閾値よりも大きい場合とで、発音音量を異ならせてもよい。
また、マイコン60は、上記アンテナ63を介した無線通信により、出力電圧Vout3,Vout4の値を表す情報(又は、出力電圧Vout4のみを表す情報でもよい)を、上記制御モジュール9へ送信する。
なお、上記マイコン60は、特許請求の範囲に記載の制御部に相当する。
したがって、図4(e)に示すように、右足F2の母指球及び踵が共に適切な力で接地している状態では、第1及び第2光源62a,62bではそれぞれ赤色が発光され、音源62cからはポーという音がなる。その後、図4(f)に示すように、右足F2の母指球が適切な力で接地したままで、踵が接地しなくなった状態では、第1光源62aでは赤色が発光されたままで、第2光源62bでは緑色が発光され、音源62cからはポーという音がならなくなる。そして、図4(g)に示すように、右足F2の踵に加え母指球が接地しなくなった状態では、第1及び第2光源62a,62bではそれぞれ緑色が発光され、音源62cからはポーという音がならないままである。その後、図4(h)に示すように、右足F2の母指球が接地していないままで、踵が適切な力で接地するようになった状態では、第1光源62aでは緑色が発光されたままで、第2光源62bでは赤色が発光され、音源62cからはポーという音がなるようになる。
なお、上記では、出力電圧Vout1〜Vout4の値に関する閾値は、予め設定された値であったが、これに限定されるものではない。例えば、出力電圧Vout1〜Vout4の値をロギングし、そのロギングデータをフィードバックして、出力電圧Vout1〜Vout4の値に関する閾値を決定・変更してもよい。この場合には、歩行者Wの習慣や癖等による足裏の荷重の分布の違いや歩行者Wの歩行リズムの変化等にも柔軟に対応することが可能となる。
図3に示すように、制御モジュール9は、マイコン90と、各報知モジュール5,6と無線通信する(各報知モジュール5,6から情報を受信する)ためのアンテナ93とを有する。
マイコン90は、アンテナ93を介した無線通信により、上記報知モジュール5から送信された出力電圧Vout1,Vout2の値を表す情報と、上記報知モジュール6から送信された出力電圧Vout3,Vout4の値を表す情報とをそれぞれ受信する。そして、マイコン90は、その受信された各情報に基づき、歩行者Wの左右両足F1,F2それぞれの母指球及び踵(又は踵のみでもよい)の接地状態を判断する。そして、マイコン90は、その判断結果に応じてコントローラ10を制御することで、コントローラ10に対しモータ11の駆動制御を適切に行わせ、歩行者Wが右足F2を動かす際に駆動部13による右足F2の足首関節部分の動きの補助を行わせることができる。例えば、マイコン90は、右足F2で底屈が行われると判断した場合には、所定のトリガー信号をコントローラ10へ出力し、底屈を補助するように、コントローラ10に対しモータ11の駆動制御を行わせる。また例えば、マイコン90は、右足F2で背屈が行われると判断した場合には、所定のトリガー信号をコントローラ10へ出力し、背屈を補助するように、コントローラ10に対しモータ11の駆動制御を行わせる。これにより、歩行者Wの足の動作状態に応じてモータ11の動作タイミングを調整することが可能となる。また例えば、マイコン90は、歩行が停止したと判断した場合には、所定のトリガー信号をコントローラ10へ出力し、モータ11の駆動を停止させる。これにより、歩行者Wが歩行を停止した際に、歩行支援装置70が誤って歩行アシストを継続するのを防止できる。したがって、歩行者Wの意図に応じた適切な歩行アシストを実施できる。
<本実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の歩行支援情報提示装置2は、歩行者Wの足裏に加わる力を検出する感圧センサ31,41と、感圧センサ31,41の検出結果を報知する報知部52,62とを有する。報知部52,62の報知により、歩行リハビリを介助する者や歩行者Wは、歩行者Wの足F1,F2が適切な力で接地できているかを容易且つ正確に確認することができる。また、報知部52,62が歩行者Wの履物S1,S2に配置されるので、フォースプレート等の計測装置を床に設置する場合のように足F1,F2の接地を確認可能な歩行範囲が制限されることがない。したがって、広い歩行範囲で足F1,F2の接地の確認をすることができる。さらに、高額な計測装置が不要となるので、コストを低減できる。
また、本実施形態では特に、感圧センサ31,41は、履物S1,S2に2つ配置されている。これにより、足裏の2箇所(上記の例では母指球及び踵)に加わる力をそれぞれ検出することが可能となる。その結果、足裏のある箇所(母指球)は接地しているが別の箇所(踵)は接地していない、あるいはその逆の場合等、より詳細な歩行支援情報を提示することができる。
また、本実施形態では特に、感圧センサ31,41の検出結果に応じて報知部52,62による報知態様を変更するマイコン50,60を有する。マイコン50,60によって歩行者Wの足裏に加わる力が所望の値となった際に報知部52,62による報知態様を変更することで、歩行リハビリを介助する者や歩行者Wは、足F1,F2が適切な力で接地できているかをより容易且つ正確に確認することができる。
また、本実施形態では特に、報知部52,62は、光又は音を用いて感圧センサ31,41の検出結果を報知する。これにより、歩行リハビリを介助する者や歩行者Wは、感圧センサ31,41の検出結果を視覚的又は聴覚的に認識することができるので、足F1,F2が適切な力で接地できているかを容易且つ正確に確認することができる。また、報知部52,62が光と音の組み合わせにより報知を行う場合には、歩行者W等が視覚又は聴覚のいずれかに障害を有する場合でも検出結果を認識することができる。
また、本実施形態では特に、マイコン50,60は、感圧センサ31,41の検出結果に応じて報知部52,62の光の色を変更する。これにより、歩行リハビリを介助する者や歩行者Wは、報知結果を視覚的に明瞭に認識することができる。
また、本実施形態では特に、マイコン50,60は、感圧センサ31,41の検出結果に応じて報知部52,62の音量を変更する。これにより、歩行リハビリを介助する者や歩行者Wは、報知結果を聴覚的に明瞭に認識することができる。
また、本実施形態では特に、第1感圧センサ31a,41aが足裏の母指球に加わる力を検出し、第2感圧センサ31b,41bが足裏の踵に加わる力を検出する。そして、報知部52,62は、第1感圧センサ31a,41a及び第2感圧センサ31b,41bの検出結果を個別に報知するように構成される。これにより、踵は接地しているが母指球は接地していない、あるいはその逆の場合等、より詳細な歩行支援情報を提示することできる。
また、本実施形態では特に、報知部52,62は、第1感圧センサ31a,41a及び第2感圧センサ31b,41bの検出結果を、光を用いて個別に報知すると共に、第2感圧センサ31b,41bの検出結果を、音を用いて報知する。これにより、歩行動作において比較的重要な踵部分の接地については、光と音の両方で報知を行うこととなり、歩行リハビリを介助する者や歩行者Wによる、より確実な認識を促すことが可能となる。一方で、2つの感圧センサ31,41の検出結果の報知については光により個別に行うことで、確認の容易性を確保できる。
また、本実施形態では特に、報知部52,62を履物S1,S2に着脱可能に取り付ける面ファスナ7、8を有する。これにより、感圧センサ31,41や報知部52,62が予め組み込まれた専用の履物を用意する必要が無く、既存の履物S1,S2に感圧センサ31,41を配置すると共に報知部52,62を装着して使用することが可能となるので、汎用性を高めることができる。また、報知部52,62の装着位置を所望の位置(視認し易い位置)に変更することが可能となるので、報知部52,62の配置の自由度を向上できる。
<変形例等>
なお、実施の形態は、上記内容に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
すなわち、上記実施形態では、報知モジュール5を、歩行者Wの左足F1の履物S1のアッパー部分の外表面に、面ファスナ7により着脱可能に取り付けていたが、これに限定されるものではない。例えば、報知モジュール5を、履物S1のアッパー部分以外の位置(例えば側部等)の外表面に取り付けてもよく、また面ファスナ7以外の部材(例えばバンド等)により着脱可能に取り付けてもよい。なお、報知モジュール6も、上記と同様に変更してもよい。
また、上記実施形態では、報知モジュール5のマイコン50は、出力電圧Vout1の値に応じて、第1光源52aの光の色を2色(赤色及び緑色)間で変更していたが、これに限定されるものではない。例えば、マイコン50は、出力電圧Vout1の値に応じて、第1光源52aの光の色を3色以上の間で変更してもよい。また例えば、マイコン50は、出力電圧Vout1の値に応じて、第1光源52aの光量を変更したり(例えば、光量を多くする・光量を少なくする、発光する・発光しない(光量を0とする)等)、発光態様を変更してもよい(例えば、点灯させる・点滅させる、点滅間隔を速くする・点滅間隔を遅くする等)。なお、マイコン50は、第2光源52bの光についても上記と同様に変更してもよい。また、報知モジュール6のマイコン60も、第1及び第2光源61a,62bの光について上記と同様に変更してもよい。
また、上記実施形態では、報知モジュール5のマイコン50は、出力電圧Vout2の値に応じて、音源52cの音量を0と所定の音量との2段階で変更していたが、これに限定されるものではない。例えば、マイコン50は、出力電圧Vout2の値に応じて、音源52cの音量を3段階以上の間で変更してもよい。また例えば、マイコン50は、出力電圧Vout2の値に応じて、音源52cの音の周波数を変更してもよい。また、マイコン50は、歩行者Wが適切に歩行している間は、発音される音の変化がリズムとなる(例えば、音量が次第に大きくなる、音域がド→レ→ミ→ファ→ソ→ラ→シ→ドとなる、音声で1→2→3→・・・とカウントする、等)ように、音源52cの音量や音の周波数を変更してもよい。この場合には、歩行者Wのリズムを継続させたいという意欲を刺激し、歩行リハビリを促進することが可能となる。なお、報知モジュール6のマイコン60も、音源62cの音について上記と同様に変更してもよい。
また、上記実施形態では、報知部52は、第1光源52a、第2光源52b、及び音源52cで構成され、光、音、又はこれらの組み合わせにより報知を行っていたが、これに限定されるものではない。例えば、報知部52は、上記に代え又は加え、履物S1(又は歩行者Wの左腕等でもよい)に配置されたバイブレータによる振動により報知を行ってもよい。なお、報知部62も、上記と同様に変更してもよい。
また、上記実施形態では、左足F1側の履物S1に、2つの感圧センサ31a,31bを配置していたが、これに限定されるものではない。例えば、左足F1側の履物S1に、感圧センサを1つだけ(例えば感圧センサ31bだけ)配置してもよい。あるいは、感圧センサ31a,31bに加え、左足F1側の履物S1における適宜の位置(例えば左足F1の足裏の子指球に対応する位置等)にも感圧センサを設置してもよい。なお、右足F2側の履物S2も、感圧センサについて上記と同様に変更してもよい。このとき、感圧センサ31a,31bに加え、左足F1側の履物S1における足裏の内側及び外側に対応する位置に感圧センサを設置することで、当該足裏の前後左右の計4箇所に対応する位置に感圧センサを設置し、同様に、右足F2側の履物S2における足裏の前後左右の計4箇所に対応する位置に感圧センサを設置してもよい。この場合には、歩行者Wの歩容の違いやX脚、O脚等についても把握することが可能となる。
また、上記実施形態では、左右両足F1,F2の履物S1,S2それぞれに、センサユニット3,4及び報知モジュール5,6を配置していたが、これに限定されるものではない。例えば、歩行障害がある足(上記の例では右足F2)だけに、センサユニット4及び報知モジュール6を配置してもよい。
また、上記実施形態では、報知モジュール5のマイコン50により、感圧センサ31の検出結果に応じて報知部52による報知態様を変更していたが、これに限定されるものではない。例えば、マイコン50により、報知部52を、感圧センサ31の検出結果に応じて報知を行うか行わないか制御してもよい。なお、報知モジュール6のマイコン60も、上記と同様に変更してもよい。
また、上記実施形態では、感圧センサ31,41として、圧力が増加するにつれて抵抗値が増加する感圧センサを使用していたが、これに限定されるものではなく、圧力が増加するにつれて抵抗値が減少する感圧センサを使用してもよい。
また、上記実施形態では、感圧センサ31,41として、抵抗値の変化を用いた様式の感圧センサを使用していたが、これに限定されるものではなく、静電容量の変化を用いた様式やひずみゲージを用いた様式等の感圧センサを使用してもよい。
また、上記実施形態では、感圧センサ31、41により歩行者Wの足裏に加わる力を検出していたが、これに限定されるものではない。例えば、いわゆる荷重センサにより歩行者Wの足裏に加わる力を検出してもよい。
また、上記実施形態では、歩行者支援情報提示装置2を、片足(上記の例では右足F2)に歩行障害がある歩行者Wの歩行リハビリに適用していたが、これに限定されるものではない。例えば、歩行者支援情報提示装置を、片足に歩行障害がある歩行者Wの歩行リハビリ以外の用途(例えば、両足に歩行障害がある歩行者の歩行リハビリや、歩行障害がない歩行者の歩行矯正等)に適用してもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。