JP2015048907A - 平行板ばね式動吸振器及びその最適設計方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動する機械構造物に適用して、その振動低減に優れた効果を発揮する平行板ばね式動吸振器及びその最適設計方法を提供する。【解決手段】平行板ばね式動吸振器は、ばね‐質量からなる振動系を持ち、減衰器を含んでなる。平行に配置した一対の板ばね12の間に錘11を両側から挟んで振動可能に支持し、一対の板ばね12それぞれが、減衰材16を2枚の鋼板でサンドイッチ状に挟む構造でなる減衰器を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、大型の機械構造物、典型的にはマシニングセンタ等の工作機械に適用される平行板ばね式動吸振器及びその最適設計方法に関するものである。
一般に受動型の動吸振器は、振動特性(質量、固有振動数及び減衰比)を適切に選ぶことにより、機械構造物の振動を効果的に低減できることが知られている。一方、従来の受動型の動吸振器は、固有振動数と減衰比、特に減衰比を予測(設計)することが困難なため、要求される仕様を満足する動吸振器の実現は困難な場合が多い。
なお、この種の動吸振器として、例えば特許文献1に開示されるようなものが知られている。
特開2011−106590号公報
特に機械構造物としての工作機械の場合、その高速化(高能率化)に伴って振動が加工精度に及ぼす影響は大きくなっているが、工作機械の構造変更による振動低減は限界に達しつつある。また、動吸振器は構造物の振動低減に有効な装置であるが、工作機械に適した動吸振器はない。
更に、従来の減衰器は構造が複雑で経年変化が大きく、また任意の減衰を得ることが困難である。従来から用いられている片持ちはり構造は、固有振動数の予測(設計)が困難である。工作機械の場合、重量が重く、固有振動数が大きい等の問題がある。
本発明はかかる実情に鑑み、振動する機械構造物に適用して、その振動低減に優れた効果を発揮する比較的簡易な構成でなる平行板ばね式動吸振器及びその最適設計方法を提供することを目的とする。
本発明の平行板ばね式動吸振器は、ばね‐質量からなる振動系を持ち、減衰器を含んでなる動吸振器であって、平行に配置した一対の板ばねの間に錘を両側から挟んで振動可能に支持し、前記一対の板ばねそれぞれが、減衰材を2枚の鋼板でサンドイッチ状に挟む構造でなる前記減衰器を有することを特徴とする。
また、本発明の平行板ばね式動吸振器において、任意の質量を有する前記錘、任意のばね定数を有する前記板ばね及び任意の減衰を有する前記減衰器を備え、自由振動特性を任意に設定可能としたことを特徴とする。
また、本発明の平行板ばね式動吸振器において、前記錘の質量は該錘の大きさを変えることにより、前記ばね定数は前記錘の位置をずらして前記板ばねの長さを変えることにより、前記減衰は前記減衰材の大きさを変えることにより、それぞれ任意に設定することができることを特徴とする。
また、本発明の平行板ばね式動吸振器の最適設計方法は、前記動吸振器に任意の振動特性を持たせることにより、該動吸振器の固有振動数及び減衰比の双方を所定値に設定することを特徴とする。
本発明の動吸振器によれば、板ばねを2枚重ね、その間に減衰材を挟むことで任意の減衰比を得られる。また、この重ね板ばねを一対平行に配置し、それらの間に錘を挟む構造にすることで、重い錘を保持し、高い固有振動数を実現する。かかる構造を持つことにより、振動対策としての動吸振器の適用が容易になる。
本発明の平行板ばね式動吸振器の主振動系との関係でその概要を示す図である。 本発明の平行板ばね式動吸振器のモデル化した例を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器の構造例を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器のそれぞれ減衰材の適用例を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器の振動試験について示す平面図及び側面図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さと固有振動数の関係を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さとモーダル剛性/モーダル質量の関係を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さ/固有振動数とモーダル減衰比の関係を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さに対する固有振動数(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さに対する減衰比(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る固有振動数に対する減衰比(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さに対する等価質量(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さに対する等価剛性(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さに対する固有振動数(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さに対する減衰比(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る固有振動数に対する減衰比(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さに対する等価質量(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る板ばね長さに対する等価剛性(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る錘の質量に対する固有振動数(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る錘の質量に対する減衰比(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る固有振動数に対する減衰比(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る錘の質量に対する等価質量(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る錘の質量に対する固有振動数(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る錘の質量に対する減衰比(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る固有振動数に対する減衰比(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る錘の質量に対する等価質量(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る錘の質量に対する等価剛性(減衰材の厚さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る錘の質量に対する等価剛性(減衰材の長さ比較)を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る減衰材の長さと減衰比の関係を示す図である。 本発明の実施形態における平行板ばね式動吸振器に係る減衰材の厚さと減衰比の関係を示す図である。 本発明の実施形態に係るマシニングセンタ構造の実験モーダル解析を行うための測定方法等を示す図である。 本発明の実施形態に係るマシニングセンタ構造における工具と動吸振器取付位置での周波数応答関数を示す図である。 本発明の実施形態に係るマシニングセンタ構造における振動モードの例を示す図である。 本発明の実施形態に係るマシニングセンタの主軸ヘッドの強制振動解析モデルを示す図である。 本発明の実施形態に係る動吸振器の減衰比を変えた場合の周波数との関係を示す図である。 本発明の実施形態における振動試験評価を行うために平行板ばね式動吸振器をマシニングセンタの主軸ヘッドの前方に取付けた場合の例を示す図である。 本発明の実施形態における振動試験に使用した動吸振器の例を示す図である。 本発明の実施形態における振動試験での主軸ヘッドの振動振幅の平均値を減衰比による比較で示す図である。
以下、図面に基づき、本発明による平行板ばね式動吸振器及びその最適設計方法の好適な実施の形態を説明する。
ここで先ず、本発明に係る平行板ばね式動吸振器の概要について説明する。動吸振器とはばね‐質量からなる振動系を持ち、更に減衰器を含んでなり、図1のように強制振動を生じている機械構造物(主振動系)に取付けられて振動することにより、主振動系の機械構造物の振動を低減あるいは抑制する装置である。
動吸振器の振動抑制原理は、動吸振器の固有振動数を対象物の固有振動数に一致させ、反共振点をつくって振動を抑制するというものである。
振動の減衰メカニズムとしては、減衰材のせん断変形における振動エネルギから熱エネルギへの変換によるものである。
動吸振器により比較的広い範囲の振動数で振動を低減するためには、動吸振器に任意の振動特性を持たせ、動吸振器の固有振動数と減衰比を適当な値に設定する必要がある。
平行板ばね式動吸振器の固有振動数の計算式は、図2のモデルを適用して次のように表される。
動吸振器のばね定数は、次式で与えられる。

k=P/δ=2bEn(t/l)3

また、動吸振器の固有振動数は、次式で与えられる。

f=1/2π√{2bEn/m(t/l)3
なお、図2及び上記各式におけるパラメータは、次の通りである。
P:荷重
δ:たわみ
b:板ばねの幅
t:板ばねの厚さ
n:重ねた板ばねの枚数(片方)
E:ばね材料の縦弾性係数
l:板ばねの長さ
図3は、本発明の実施形態における簡易減衰機能付の平行板ばね式動吸振器の構造例を示している。動吸振器は、任意の質量の錘、任意のばね定数のばね、任意の減衰を持つ減衰器を設ける必要がある。本発明では、この三つの機能を動吸振器に持たせるため、図3に示す構造を有している。即ち、錘の質量は錘の大きさを変えることで、ばね定数は錘の位置をずらして板ばねの長さを変えることで、減衰は図4に示すように減衰材の大きさ(長さ)を変えることで任意の大きさを設定することができる。
図3に示す構造を持つ平行板ばね式動吸振器10の基本構成において錘11、板ばね12及びマウントもしくは台座13からなる。錘11の両側に一対の板ばね12を結合し、板ばね12の基端側はマウント13に堅固に固定される。この場合、板ばね12に長穴に形成したスライドガイド溝15に沿って、締着ボルト14を介して錘11を適宜スライドさせることができるようになっており、このスライドにより固有振動数を変更可能とする。
上記の場合、一対の板ばね12を平行に配置することで、振動方向を規定することができる。即ち、板ばね12によって支持された錘11は、矢印で示される振動方向に1自由系として振動し、これにより有害なねじり振動が発生し難い構造となっている。また、薄い板ばねであっても比較的高いばね定数が得られる。更に板ばね12の枚数や厚さ、材料あるいは長さを変えることによっても、固有振動数や減衰比を容易に変更することが可能である。
図3の本実施形態において錘11の質量1.26kg、板ばね12の材料としてばね鋼を使用し、枚数は2枚で厚さ2mmとする。
また、2枚重ねた板ばね12を間にサンドイッチ状に減衰材16を挟むことで任意の減衰比を得られるようにしている。減衰材16の寸法としては、長さ5mm、10mm、15mm、35mm、厚さ1mm、2mm、3mmのものを使用する。
図4(A)は長さ35mmの減衰材、図4(B)は長さ10mmの減衰材の例をそれぞれ示している。
次に動吸振器の振動試験について説明する。試験手順としては、先ず剛性の高い基礎に取り付けた状態とし、図5(A)のように打撃点をインパクトハンマで水平に打撃する。この回数は5回とする。インパクトハンマの反対側には3軸加速度計が取り付けられる。次に、測定された加振力を入力、振動加速度を出力として周波数応答関数から固有振動数と減衰比を求める。この場合、錘を動かし板ばねの長さを5mmずつ変え、上記の操作を繰り返し、長さ35〜60mmまで行った。
振動試験の試験結果及びその考察等について説明する。
1)減衰材の長さの影響
図6は、板ばね長さと固有振動数の関係を示している。減衰材を付加した場合としなかった場合の固有振動数の差は、ほとんど見られなかった。
図7は、板ばね長さとモーダル剛性/モーダル質量の関係を示している。モーダル剛性とモーダル質量において、減衰材を付加した場合と付加しなかった場合で大きな差は見られなかった。
図8は、板ばね長さ/固有振動数とモーダル減衰比の関係を示している。減衰材は長くなる程モーダル減衰比は大きくなり、最大で約6%になった。
2)減衰材の寸法の影響
図9は、板ばね長さに対する固有振動数(減衰材の厚さ比較)を示している。
図10は、板ばね長さに対する減衰比(減衰材の厚さ比較)を示している。
図11は、固有振動数に対する減衰比(減衰材の厚さ比較)を示している。
図12は、板ばね長さに対する等価質量(減衰材の厚さ比較)を示している。
図13は、板ばね長さに対する等価剛性(減衰材の厚さ比較)を示している。
図14は、板ばね長さに対する固有振動数(減衰材の長さ比較)を示している。
図15は、板ばね長さに対する減衰比(減衰材の長さ比較)を示している。
図16は、固有振動数に対する減衰比(減衰材の長さ比較)を示している。
図17は、板ばね長さに対する等価質量(減衰材の長さ比較)を示している。
図18は、板ばね長さに対する等価剛性(減衰材の長さ比較)を示している。
3)錘の重さの影響
図19は、錘の質量に対する固有振動数(減衰材の長さ比較)を示している。
図20は、錘の質量に対する減衰比(減衰材の長さ比較)を示している。
図21は、固有振動数に対する減衰比(減衰材の長さ比較)を示している。
図22は、錘の質量に対する等価質量(減衰材の長さ比較)を示している。
図23は、錘の質量に対する固有振動数(減衰材の厚さ比較)を示している。
図24は、錘の質量に対する減衰比(減衰材の厚さ比較)を示している。
図25は、固有振動数に対する減衰比(減衰材の厚さ比較)を示している。
図26は、錘の質量に対する等価質量(減衰材の厚さ比較)を示している。
図27は、錘の質量に対する等価剛性(減衰材の厚さ比較)を示している。
図28は、錘の質量に対する等価剛性(減衰材の長さ比較)を示している。
上記実験結果に基づく結論として、図29及び図30も参照して、固有振動数は減衰材を付加してもほとんど変わらなかった。また、減衰材を厚くすることで、モーダル減衰比は約2倍になった。更に、減衰材が長くなるにつれて減衰比は増加し、最大で約10%になった。
次に、本発明の平行板ばね式動吸振器の適用例とそれに関連する最適設定方法等について説明する。
この例では平行板ばね式動吸振器を用いて、特にマシニングセンタの主軸ヘッドの振動の低減を図ることを目的とし、その際マシニングセンタ構造の実験モーダル解析、主軸ヘッドアーム系の強制振動の計算式の導出、そして動吸振器の自由振動特性の最適化等を行った。
1)マシニングセンタ構造の実験モーダル解析等
測定方法として、図31のように主軸ヘッドの測定点の17番をインパクトハンマで打撃して加振力を測定し、測定点の1〜42番に3軸加速度センサを取り付け、振動加速度を測定した。
エンドミル工具(Tool)と主軸ヘッド17番(動吸振器取付位置)での周波数応答関数は、図32に示すものとなった。
なお、動吸振器取付位置でのモーダルパラメータは、次の通りである。
固有振動数:163Hz モーダル減衰比:2.5%
モーダル質量:83kg モーダル剛性:80MN/m
163Hzでの振動モードは、図33に示されるものであった。
2)主軸ヘッドアーム系の強制振動の計算等
主軸ヘッドの強制振動の解析モデルを図34に示す。
なお、図34におけるパラメータは、次の通りである。
m:質量
k:ばね定数
x:振動変位
θ:主軸ヘッドアームの回転角
L:主軸ヘッドアームの長さ
l:動吸振器の取付け位置
c:減衰係数
添え字の1は主軸ヘッド、2は動吸振器をそれぞれ表す。
上記解析モデルにおいて、動吸振器がない場合とある場合の運動方程式等を(1)〜(8)式に示す。この場合、(1)〜(3)において、θ=x1/Lとおき、m1=I/L2、c1=c/L2、k1=k/L2とすると、それぞれ(4)〜(6)式が得られる。
なお、(1)式、(4)式及び(7)式は動吸振器がない場合を、また、(2)式、(3)式、(5)式及び(8)式は動吸振器がある場合を示し、このうち(2)式及び(5)式は主軸ヘッドに関するもの、(3)式及び(6)式は動吸振器に関するものである。
なお、(1)〜(8)式におけるパラメータは、次の通りである。
f:固有振動数比=ω2/ω1
g:強制振動数比=ω/ω1
ω1:主軸ヘッドの固有振動数=√(k1/m1
ω2:動吸振器の固有振動数=√(k2/m2
ω:強制振動数
1:主軸ヘッドの減衰比=c1/cc1
2:動吸振器の減衰比=c2/cc2
c1:主軸ヘッドの臨界減衰係数=2√(m11
c2:動吸振器の臨界減衰係数=2√(m22
μ:質量比=m2/m1
st:静たわみ=P0/k1
図35は、動吸振器の減衰比を変えた場合の周波数応答曲線を示している。減衰比が大きくなるにつれて2つの共振点での振動が小さくなっている。つまり、広い周波数範囲での振動が低減できるため、動吸振器の減衰比は10%程度が適していると言える。
3)動吸振器の自由振動特性の最適化等
図36は、振動試験による評価を行うために、簡易減衰機能付の平行板ばね式動吸振器をマシニングセンタの主軸ヘッドの前方に取付けた場合の例を示している。この場合、工具ホルダに対して不釣合い錘として機能するボルトを取付け、主軸速度を4000〜11000rpmで回転(66.7〜183.3Hzで加振)し、主軸ヘッドに強制振動を発生させたときの主軸ヘッドの振動振幅を測定した。このとき使用した動吸振器の例を図37に示す。また、表1は、振動実験に用いた動吸振器の振動特性(モーダルパラメータ)を示している。なお、実験では実際の切削は行われない。
図38は、主軸ヘッドの振動振幅の平均値を、減衰比による比較で示している。図中、太実線は動吸振器がない場合の振動振幅、一点鎖線は動吸振器の減衰比が0.5%、点線は3.6%、細実線は5.5%での主軸ヘッドの振動振幅である。減衰比が大きくなるのに伴ってピーク値が小さくなっている。即ち、動吸振器の減衰比0.5%で、主軸ヘッドの振動振幅の最大ピーク値が約40%低減し、同様に減衰比3.6%で約45%低減し、減衰比5.5%で約55%低減した。工作機械は様々な主軸回転速度で用いられるため、特定の主軸回転速度で大きな振動が発生しないことが望ましい。従って、この場合は、動吸振器の減衰比として最も望ましい値は5.5%となる。このように最適な動吸振器を得るためには、固有振動数だけでなく、減衰比も任意の値に設定できることが必要である。
上記のような動吸振器による振動低減効果を確認した結果を要約すると、動吸振器の振動パラメータの最適値は,質量は主軸ヘッド振動系のモード質量の約2%であり,固有振動数は主軸ヘッド振動系の固有振動数と同じであった。また、減衰比は約5%であった。この振動特性を持つ動吸振器によれば、主軸ヘッドの振動振幅の最大のピーク値は約55%、エンドミル工具の振動振幅の最大のピーク値は4000rpmのときの振動変位を基準とした場合、約55%低減した。
以上、本発明を種々の実施形態と共に説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
マシニングセンタの主軸ヘッドに適用した例を説明したが、その他の工作機械や産業機械等に対しても上記実施形態と同様に本発明を適用可能である。
10 平行板ばね式動吸振器
11 錘
12 板ばね
13 マウントもしくは台座
14 締着ボルト
15 スライドガイド溝
16 減衰材

Claims (4)

  1. ばね‐質量からなる振動系を持ち、減衰器を含んでなる平行板ばね式動吸振器であって、
    平行に配置した一対の板ばねの間に錘を両側から挟んで振動可能に支持し、前記一対の板ばねそれぞれが、減衰材を2枚の鋼板でサンドイッチ状に挟む構造でなる前記減衰器を有することを特徴とする平行板ばね式動吸振器。
  2. 任意の質量を有する前記錘、任意のばね定数を有する前記板ばね及び任意の減衰を有する前記減衰器を備え、自由振動特性を任意に設定可能としたことを特徴とする請求項1に記載の平行板ばね式動吸振器。
  3. 前記錘の質量は該錘の大きさを変えることにより、前記ばね定数は前記錘の位置をずらして前記板ばねの長さを変えることにより、前記減衰は前記減衰材の大きさを変えることにより、それぞれ任意に設定することができることを特徴とする請求項2に記載の平行板ばね式動吸振器。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の平行板ばね式動吸振器の最適設計方法であって、
    前記動吸振器に任意の振動特性を持たせることにより、該動吸振器の固有振動数及び減衰比の双方を所定値に設定することを特徴とする平行板ばね式動吸振器の最適設計方法。
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