JP2015047585A - マイクロリアクター及びその製造方法 - Google Patents

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Koichi Namasugi
浩一 生杉
和志 平岡
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和志 平岡
俊夫 滝谷
Toshio Takiya
俊夫 滝谷
隆文 大渕
Takafumi Obuchi
隆文 大渕
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Abstract

【課題】本発明は、化学反応させる試料がマイクロ流路の側壁が崩壊して破損することを防止できるマイクロリアクター及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のマイクロリアクター10は、基板Sと、側壁12と、前記基板Sと前記側壁12とで形成されたマイクロ流路11とを備え、前記側壁12は、複数のカーボンナノチューブ30と、耐酸化性を有する材料とで形成されており、前記カーボンナノチューブ30は、前記基板S上に配列され、かつ波形状に伸長して、隣り合う前記カーボンナノチューブ30同士が部分的に接触しており、前記耐酸化性を有する材料は、前記カーボンナノチューブ30同士の空隙を充填し、かつ前記カーボンナノチューブの表面を覆っていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、化学反応を行うために用いられるマイクロリアクターに関する。
化学反応を行うために用いられる反応器として、幅が数μm〜数百μmの流路(マイクロ流路)に試料を通過させて、化学反応を行うマイクロリアクターは既に知られている。マイクロリアクターは、フラスコ等のバッチ反応器と比較して、エネルギー効率、反応速度、安全性等の面で優れているとされている。
試料は化学反応することによって発熱したり吸熱したりする場合があり、マイクロ流路内に温度変化が生じて、化学反応の反応速度が安定しない場合がある。そのため、マイクロリアクターでは、試料の化学反応の反応速度を安定させるために、マイクロ流路内とマイクロリアクターの外部とで効率よく熱交換をさせることが求められる。そこで、一般的にマイクロリアクターのマイクロ流路の側壁には、熱伝導率が高い材料が用いられる。
特許文献1では、図6に示すように、マイクロ流路61の側壁62に熱伝導率が高いカーボンナノチューブ63が複数用いられている。複数のカーボンナノチューブ63はワイヤ状で基板Sに対して垂直に伸長し、隣り合うカーボンナノチューブ63同士に間隔がある。
特開2010−85337号公報
しかしながら、特許文献1に記載のマイクロリアクター、すなわち、図6に表されたマイクロリアクターでは、カーボンナノチューブ63同士に間隔があるため、化学反応させる試料が気体の場合は、カーボンナノチューブ63同士の間隔を試料が流れてしまう。そして、カーボンナノチューブ63同士の間隔に試料が流れると、マイクロリアクターから気体の試料が漏れ出してしまうという問題がある。
また、カーボンナノチューブ63同士に間隔があり、カーボンナノチューブ63同士が接触していないため、カーボンナノチューブ63同士の伝熱が断たれてしまい、結果としてマイクロリアクターは、マイクロ流路61の内部とマイクロリアクターの外部とで効率よく熱交換ができないという問題がある。
さらに、カーボンナノチューブ63の表面がむき出しの状態となっているため強度が低い。すなわち、マイクロ流路61を通過する試料が、高密度物質や粒子を含む試料の場合、または試料を高圧で注入する等の場合、カーボンナノチューブ63は基板Sから剥離するおそれがある。カーボンナノチューブ63が基板Sから剥離することでマイクロ流路61の側壁62が崩壊し、ひいてはマイクロリアクターが破損するおそれがある。
さらに、カーボンナノチューブは一般的に酸素雰囲気で約400℃以上に達すると、酸化により焼失してしまう。また、カーボンナノチューブが酸化雰囲気下に置かれると消失してしまう。したがって、マイクロ流路61の側壁62にカーボンナノチューブ63が用いられた場合、試料の化学反応によって発熱した際等に、試料近傍の温度が400℃以上に達して、カーボンナノチューブ63が焼失したり、試料の化学反応によって、マイクロ流路61の内部が酸化雰囲気下になると、カーボンナノチューブ63が消失したりして、マイクロ流路61の側壁62が崩壊するおそれがある。マイクロ流路61の側壁62が崩壊すれば、マイクロリアクターが破損してしまうという問題点がある。
そこで、本発明は、化学反応させる試料がマイクロ流路の側壁が崩壊して破損することを防止できるマイクロリアクター及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のマイクロリアクターは、基板と、側壁と、前記基板と前記側壁とで形成されたマイクロ流路とを備え、前記側壁は、複数のカーボンナノチューブと、耐酸化性を有する材料とで形成されており、前記カーボンナノチューブは、前記基板上に配列され、かつ波形状に伸長して、隣り合う前記カーボンナノチューブ同士が部分的に接触しており、前記耐酸化性を有する材料は、前記カーボンナノチューブ同士の空隙を充填し、かつ前記カーボンナノチューブの表面を覆っていることを特徴とする。
また、本発明のマイクロリアクターの製造方法は、基板に、波形状に伸長する複数のカーボンナノチューブを、隣り合う前記カーボンナノチューブ同士が部分的に接触するように生成する工程と、マイクロ流路となる予定の箇所の、前記カーボンナノチューブを除去する工程と、SiC前駆体を前記カーボンナノチューブ同士の空隙に充填し、かつ前記SiC前駆体で前記カーボンナノチューブの表面を覆う工程と、前記マイクロ流路となる箇所の、前記SiC前駆体を除去する工程と、前記SiC前駆体を焼結して固化させる工程と、を有することを特徴とする。
本発明のマイクロリアクターによれば、マイクロ流路の側壁に空隙がないため、化学反応させる試料が気体であったとしても、マイクロリアクターから試料が漏れてしまうことを防止できる。そのため、化学反応させる試料が気体であっても適用することができる。
また、隣り合うカーボンナノチューブ同士が部分的に接触しており、その空隙が耐酸化性を有する材料で充填されており、かつ、カーボンナノチューブの表面が耐酸化性を有する材料で覆われているため、カーボンナノチューブ同士、およびカーボンナノチューブと基板とが固められて、カーボンナノチューブが基板から剥離することを防止できる。そのため、カーボンナノチューブが基板から剥離することによってマイクロ流路の側壁が崩壊することを防止でき、ひいてはマイクロリアクターの破損を防止できる。
また、マイクロ流路の側壁として、高熱伝導率のカーボンナノチューブが採用されており、このカーボンナノチューブが隣り合うカーボンナノチューブと部分的に接触しているため、カーボンナノチューブ同士が互いに伝熱し合う。そのため、カーボンナノチューブ同士が接触しない場合と比較して、より効率よくマイクロ流路内とマイクロリアクターの外部とで熱交換ができる。
さらに、カーボンナノチューブが耐酸化性を有する材料で覆われているため、カーボンナノチューブが耐酸化性を有する材料に保護されて、カーボンナノチューブの焼失・腐食を防止することができる。これにより、試料の化学反応によって、カーボンナノチューブが高温となったり、酸化雰囲気下に置かれたりしても、マイクロ流路の側壁が崩壊することを防止し、ひいては、マイクロリアクターの破損を防止できる。
本発明の実施の形態1に係るマイクロリアクターの一例を示す斜視図である。 (a)は本発明の実施の形態1に係るマイクロリアクターの一例を示す平面図、(b)は同マイクロリアクターのA−AA断面図である。 本発明の実施の形態1に係るマイクロリアクターの製造方法を示す断面図である。 (a)は本発明の実施の形態2に係るマイクロリアクターの一例を示す平面図、(b)は同マイクロリアクターのB−BB断面図である。 本発明の実施の形態2に係るマイクロリアクターの製造方法を示す断面図である。 従来のマイクロリアクターを示す断面図である。
(実施の形態1)
図1および図2(a)(b)に示すように、本発明の実施の形態1に係るマイクロリアクター10は、マイクロ流路11を備えている。また、マイクロ流路11は、基板Sと、基板Sの上に設置された側壁12と、図示しない上面壁とで囲まれている。側壁12は基板Sに対して垂直に形成されている。
次に、実施の形態1に係るマイクロリアクター10の使用方法について説明する。図1に示すような、マイクロ流路11がY字型となっているマイクロリアクター10においては、化学反応前の試料Aをマイクロ流路11の一方の入口11aから供給し、化学反応前の試料Bをマイクロ流路11の他方の入口11bから供給することによって、マイクロ流路11の合流地点11cで試料Aと試料Bとを化学反応させて、マイクロ流路11の出口11dで化学反応後の試料Cを得ることができる。
また、図2(b)に示すように、マイクロ流路11の側壁12は、カーボンナノチューブ30とSiC焼結体31とで形成されている。
カーボンナノチューブ30は基板S上に複数配列されており、カーボンナノチューブ30の根本はそれぞれ一定の間隔がおかれている。また、カーボンナノチューブ30はそれぞれ波形状に伸長しており、カーボンナノチューブ30は隣り合うカーボンナノチューブ30と接触する箇所と、接触しない箇所を有している。
そして、カーボンナノチューブ30同士が接触しない箇所(以下、カーボンナノチューブ同士の空隙と称す。)は、耐酸化性を有する材料としてのSiC焼結体31で充填されている。さらに、SiC焼結体31は、カーボンナノチューブ30の表面を覆っている。
なお、図1および図2(a)(b)では、マイクロ流路11の形状がY字型となっているが、これに限定されず、T字型やJ字型など他のマイクロ流路の形状を採用してもよい。また、マイクロリアクター10には、マイクロ流路11のフタとなる上面壁が設置されるが、図面においては、この上面壁を省略している。
基板S及び上面壁は、ガラスやセラミックなどが用いられる。
また、マイクロ流路11の内部とマイクロリアクター10の外部とで効率よく熱交換させるために、基板Sや上面壁に、ガラスやセラミックより高い熱伝導性を有する材料、例えばCu等(試料に応じて選択)を用いても良い。
なお、特許文献1に記載のマイクロリアクターでは、カーボンナノチューブ63同士に間隔があるためマイクロ流路61の内部とマイクロリアクターの外部とを熱交換したい場合は、基板Sや上面壁にCuなどの高い熱伝導率を有する材料を用いることが望ましいが、試料によっては腐食などの問題がある。一方、本実施の形態に係るマイクロリアクター10では、マイクロ流路11の側壁12として複数のカーボンナノチューブ30が用いられ、隣り合うカーボンナノチューブ30同士が部分的に接触しているため、カーボンナノチューブ30同士が互いに伝熱し合って、マイクロ流路11の内部とマイクロリアクター10の外部とで効率よく熱交換することができる。そのため、マイクロ流路11の基板Sや上面壁としては、高い熱伝導率を有する材料を用いることは必須ではなく、試料に対して安定的なガラスやセラミックなども用いることができる。
以下、実施の形態1に係るマイクロリアクター10の製造方法を図3(a)〜(e)を参照しながら説明する。
まず、図3(a)に示すように、基板Sの面に対して垂直に配列するように、基板Sに波形状のカーボンナノチューブ30を生成する。波形状のカーボンナノチューブ30の生成方法は、例えば、CVD法(化学気相成長法)が挙げられる。CVD法は、鉄やニッケルなどの触媒粒子を有する基板Sにアセチレン等の原料ガスを供給することで、触媒粒子上にカーボンナノチューブを成長させる方法である。原料ガスの濃度は、10%〜20%で、残りは不活性ガスである。触媒粒子は基板S上に、鉄やニッケル等の触媒をコーティングし、その後加熱することで得ることができる。触媒粒子のサイズは5〜50nm、より好ましくは10〜30nmである。
基板S上に設置した触媒粒子の間隔に応じて、カーボンナノチューブ30の根本同士の間隔を制御することができる。この時のカーボンナノチューブ30の根本同士の間隔は、隣り合うカーボンナノチューブ30同士が部分的に接触するように波形状の振幅よりも小さくしておく。カーボンナノチューブ30同士が接触しない箇所は空隙となる。
カーボンナノチューブ30の長さは、カーボンナノチューブを成長させる時間を調節することによって制御することができる。CVD法による成長時間は、例えば10〜30分程度である。このようにして生成されたカーボンナノチューブ30は、ある程度の振幅をもった波形状となる。また、カーボンナノチューブ30は、多層カーボンナノチューブで、層の数は3〜10層程度となる。
次に、図3(b)に示すように、マイクロ流路となる予定の箇所のカーボンナノチューブ30を除去する。カーボンナノチューブ30の除去方法は、マイクロ流路となる予定の箇所に、レーザー、電子線、プラズマ等の高エネルギー体を照射する方法や、微細な針をマイクロ流路となる予定の箇所に沿うように移動させて、直接カーボンナノチューブ30を取り払う等のメカニカルな方法が挙げられる。
そして、図3(c)に示すように、SiC前駆体32をカーボンナノチューブ30同士の空隙に充填する。充填する方法は、水やエタノール等の液体中にSiC前駆体32を分散させて、この液体をカーボンナノチューブ30同士の空隙に染み込ませる。具体的には、この液体にカーボンナノチューブ30と基板Sを含んだ構造物を浸漬させたり、この液体をカーボンナノチューブ30と基板を含んだ構造物に滴下したりしてカーボンナノチューブ30同士の空隙にSiC前駆体を染み込ませる。
SiC前駆体32をカーボンナノチューブ30同士の空隙に侵入させやすくするため、染み込ませる液体の粘度は0.01Pa・s以下とし、SiC前駆体32となる粒子のサイズは、カーボンナノチューブ30同士の間隔に対して3分の1以下とする。
SiC前駆体32を分散させた液体をカーボンナノチューブ30同士の空隙に染み込ませた後、その液体を乾燥させる。乾燥の温度は、液体がエタノールの場合、80℃程度である。このとき、超音波振動や真空脱気を行うことによって、より効率よくSiC前駆体32をカーボンナノチューブ30同士の空隙に染み込ませることができる。
また、このようにSiC前駆体32を分散させた液体を染み込ませて、乾燥させる工程を3回以上繰り返して、SiC前駆体32の充填率を向上させる。このようにして、SiC前駆体32の充填率を90%以上となるようにする。
その後、図3(d)に示すように、マイクロ流路となる予定の箇所に堆積したSiC前駆体32を除去する。SiC前駆体32の除去方法は、ブロワ―や微細な針をマイクロ流路となる予定の箇所に沿うように移動させて、直接SiC前駆体32を除去する。カーボンナノチューブ30同士が部分的に接触している空隙に入り込んだSiC前駆体32と比較して、マイクロ流路となる予定の箇所に堆積しただけのSiC前駆体32は容易に除去することができる。
最後に、図3(e)に示すように、SiC前駆体を焼結して固化させて、カーボンナノチューブ30の空隙がSiC焼結体31で充填された構造を得る。このとき、カーボンナノチューブ30を基板Sに対して垂直な方向に加重(好ましくは、1MPa/cm以上で強いほど波形が大きくなる)を与えることによって、波形状のカーボンナノチューブ30の振幅を大きくすることができる。波形状のカーボンナノチューブ30の振幅を大きくすることにより、カーボンナノチューブ30同士を部分的に接触させられる上、熱伝導性が向上し、さらにカーボンナノチューブ30同士の空隙を小さくして、より密な構造とすることができる。
SiC前駆体32の焼結温度は1000℃〜2000℃とするが、高圧雰囲気下においては、低温化することが可能である。カーボンナノチューブは400℃に達すると酸化するとされているが、この場合カーボンナノチューブ30はSiC前駆体で覆われているため、1000℃〜2000℃に加熱してもカーボンナノチューブ30が酸化することはない。
実施の形態1に係るマイクロリアクター10によれば、マイクロ流路11の側壁12として、高熱伝導率のカーボンナノチューブ30が採用されており、このカーボンナノチューブ30が隣り合うカーボンナノチューブ30と部分的に接触しているため、カーボンナノチューブ同士が互いに伝熱し合う。例えば、試料の化学反応によってマイクロ流路11の内部に熱が発生した場合、その熱がマイクロ流路11近傍のカーボンナノチューブ30に伝熱し、その熱がさらに隣のカーボンナノチューブ30に伝熱して、カーボンナノチューブ30同士で伝熱が連鎖して、マイクロリアクター10の外部へと伝熱できる。そのため、カーボンナノチューブ同士が接触しない場合と比較して、マイクロ流路11の内部とマイクロリアクター10の外部とで、より効率よく熱交換ができる。
また、カーボンナノチューブ30同士の空隙が、SiC焼結体31で充填されているため、SiC焼結体31は基板Sとも固着する。したがってカーボンナノチューブ30同士、およびカーボンナノチューブ30と基板SとがSiC焼結体31で固められて、カーボンナノチューブ30が基板Sから剥離することを防止できる。そのため、カーボンナノチューブ30が基板Sから剥離することによってマイクロ流路11の側壁12が崩壊することを防止でき、ひいてはマイクロリアクター10の破損を防止できる。
また、カーボンナノチューブ30がSiC焼結体31で覆われているため、カーボンナノチューブ30がSiC焼結体31によって保護されて大気から遮断され、カーボンナノチューブ30の酸化を防止することができる。これにより、カーボンナノチューブ30が高温となって焼失してマイクロ流路11の側壁12が崩壊することを防止し、ひいては、マイクロリアクター10の破損を防止できる。
また、充填材料と同じ材料でカーボンナノチューブ30の表面が覆われているため、カーボンナノチューブ30同士、及びカーボンナノチューブ30と基板Sとが互いに結合しやすく、カーボンナノチューブ30同士の空隙が小さくすることができる。
また、実施の形態1に係るマイクロリアクター10によれば、化学反応させる試料が液体でも気体でも適用することができる。以下、詳細を述べる。
化学反応させる試料が液体の場合、SiCで覆われていないカーボンナノチューブがマイクロリアクターの側壁として用いられると、カーボンナノチューブは疎水性のため液体の試料をはじいて、試料がマイクロ流路の側壁との接触面積が小さくなることが考えられる。試料が側壁と接触しなければ、試料が化学反応によって生じる発熱や吸熱について、マイクロ流路の内部とマイクロリアクターの外部とで効率よく熱交換をすることができないという問題がある。
この点、実施の形態1に係るマイクロリアクター10では、マイクロ流路11の側壁12に、カーボンナノチューブ30を用いて、カーボンナノチューブ30がSiC焼結体31で覆われているため、SiCはカーボンナノチューブと比較して表面エネルギーが大きいことから、SiC焼結体31は試料をはじくことなく試料と接触する。そのため、試料の化学反応によって発熱や吸熱が起こっても、マイクロ流路11の内部とマイクロリアクター10の外部とで効率よく熱交換を行うことができる。
次に化学反応させる試料が気体の場合について説明する。例えば、特許文献1に記載のマイクロリアクターでは、図6に示すように、カーボンナノチューブ63同士に間隔があるが、この間隔に液体の試料が流れないようになっている。これは、化学反応させる試料が液体の場合は、カーボンナノチューブ63が液体をはじくことに基づく。しかし、化学反応させる試料が気体の場合は、カーボンナノチューブ63同士の間隔を試料が流れてしまう。そして、カーボンナノチューブ63同士の間隔に試料が流れると、マイクロリアクターから気体の試料が漏れ出してしまうことが考えられる。
この点、本発明の実施の形態1に係るマイクロリアクター10によれば、マイクロ流路11の側壁12に空隙がないため、化学反応させる試料が気体であったとしても、マイクロリアクター10から試料が漏れてしまうことを防止できる。そのため、化学反応させる試料が気体であっても適用することができる。
また、マイクロ流路を作成する方法としては、実施の形態1に係るマイクロ流路11の作成方法の他に、カーボンナノチューブを成長させる触媒粒子を、メタルマスク等を用いてパターン成膜し、その後、カーボンナノチューブを成長させることによって、マイクロ流路を作成する方法がある。
この点、実施の形態1に係るマイクロリアクター10の製造方法によれば、メタルマスクを必要としない。また、微細な針の2次元操作等によってマイクロ流路11を作成することができるため、容易であり、任意の形状・場所にマイクロ流路を作成することができる。
次に実施の形態1に係るマイクロリアクターの具体的な態様を説明する。
カーボンナノチューブ30の太さは、10nm以上とすることが望ましい。カーボンナノチューブ30の太さが10nmよりも小さい場合は、カーボンナノチューブ30の強度が弱く、湾曲しやすい。そのため、カーボンナノチューブ30同士の空隙にSiC前駆体を染み込ませる際に、カーボンナノチューブ30同士がバンドル化するおそれがあるためである。カーボンナノチューブ同士がバンドル化すると、カーボンナノチューブ同士の空隙の大きさがバラバラになり、SiC前駆体の充填が困難となる。
カーボンナノチューブ30の長さは、設計したマイクロ流路11の高さに応じて決定すればよく、例えば、50μmである。カーボンナノチューブ30の長さは、カーボンナノチューブ30の成長時間を調節することにより、制御することができる。
カーボンナノチューブ30の根本同士の間隔は、例えば10nmである。また、波形状のカーボンナノチューブ30の振幅は、隣り合うカーボンナノチューブ30同士が部分的に接触する構造とするため、カーボンナノチューブ30同士の間隔の半分以上とすればよく、例えば、5nm以上である。
(実施の形態2)
図4(a)(b)に示すように、本発明の実施の形態2に係るマイクロリアクター40は、隣接流路20を備えている。隣接流路20は、マイクロ流路11と仕切壁21で隔てられている。
仕切壁21は側壁12と同様に、波形状のカーボンナノチューブ30と、その空隙を充填するSiC焼結体31とで形成されている。また、隣り合うカーボンナノチューブ30同士は部分的に接触している。マイクロ流路11、側壁12、基板Sの構成については、実施の形態1と同様であるため、その詳しい説明は省略する。
次に、実施の形態2に係るマイクロリアクター40の製造方法について図5(a)〜(e)を参照しながら説明する。
まず、図5(a)に示すように、基板Sに波形状のカーボンナノチューブ30を生成する。カーボンナノチューブ30の具体的な生成方法については実施の形態1と同様である。
次に、図5(b)に示すように、マイクロ流路となる予定の箇所、および隣接流路となる予定の箇所のカーボンナノチューブ30を除去する。隣接流路となる予定の箇所のカーボンナノチューブ30を除去する点が、実施の形態1と相違する。カーボンナノチューブ30の具体的な除去方法については、実施の形態1と同様である。
そして、図5(c)に示すように、カーボンナノチューブ30同士の空隙にSiC前駆体32を充填する。SiC前駆体32の具体的な充填方法については実施の形態1と同様である。
次に、図5(d)に示すように、マイクロ流路となる予定の箇所、および隣接流路となる予定の箇所のSiC前駆体32を除去する。隣接流路となる予定の箇所のSiC前駆体32を除去する点が、実施の形態1と相違する。SiC前駆体32の具体的な除去方法については、実施の形態1と同様である。
最後に、図5(e)に示すように、SiC前駆体を焼結してSiC焼結体31として固化させる。SiC前駆体の具体的な焼結方法については、実施の形態1と同様である。
実施の形態2に係るマイクロリアクター40によれば、例えば、隣接流路20に冷水や熱水、または高温ガス等を供給することによって、試料同士の化学反応を補助することができる。以下詳細を述べる。
例えば、試料を化学反応させるために熱が必要な場合(吸熱反応の場合)は、温水や高温ガスを隣接流路20に供給する。試料を化学反応させることによって熱が発生する場合(発熱反応の場合)は、冷水を隣接回路20に供給する。これにより、試料同士の化学反応を補助することができる。すなわち、隣接流路20に冷水や熱水、または高温ガス等を供給することによって、仕切壁21を介して隣接流路20の内部とマイクロ流路11の内部とで伝熱し合い、マイクロ流路11の内部の温度を制御することができる。これにより、化学反応の反応速度を向上させたり、安定させたりすることができる。
仕切壁21は、マイクロ流路11と隣接流路20とを隔てるため、試料と隣接流路20を通過する冷水等とが混ざり合うことを防止している。また、仕切壁21は、カーボンナノチューブ30が用いられており、カーボンナノチューブ30同士が部分的に接触しているため、カーボンナノチューブ30同士が互いに伝熱し合う。そのため、マイクロ流路11の内部と隣接流路20を通過する冷水等とで効率よく熱交換を行うことができる。
また、実施の形態2に係るマイクロリアクター40の製造方法によれば、実施の形態1に係るマイクロリアクターの製造方法と同様に、メタルマスク等によってカーボンナノチューブの触媒のパターン成膜を行わないため、メタルマスク等を必要とせず、さらに、任意の形状・場所に隣接流路20を形成することができる。
また、実施の形態2に係るマイクロリアクター40は、実施の形態1のマイクロリアクター10と同様の構成を有するため、実施の形態1のマイクロリアクター10と同様の効果を奏することができる。すなわち、マイクロ流路11の側壁12としてカーボンナノチューブ30が用いられており、隣り合うカーボンナノチューブ30同士が部分的に接触して、カーボンナノチューブ30同士の空隙がSiC焼結体31で充填されている。これにより、マイクロ流路11の内部とマイクロリアクター10の外部とで効率よく熱交換を行うことができ、さらにマイクロ流路11の側壁が崩壊してマイクロリアクター10が破損することを防止できる。
なお、実施の形態1および2に係るマイクロリアクターでは、カーボンナノチューブ30同士の空隙を充填する材料として、SiC焼結体31を用いることを述べたが、耐酸化性を有する材料であれば、SiCに限定されず、他の材料であってもマイクロ流路が崩壊する可能性を低下させることができる。
耐酸化性を有する材料としては、無機物に限られず、例えばシリコン樹脂のような有機物も含まれる。この場合、耐久性は低下するが、焼結の工程を省略することができる。
10 マイクロリアクター
11 マイクロ流路
12 側壁
20 隣接流路
21 仕切壁
30 カーボンナノチューブ
31 SiC焼結体
32 SiC前駆体

Claims (5)

  1. 基板と、
    側壁と、
    前記基板と前記側壁とで形成されたマイクロ流路とを備え、
    前記側壁は、複数のカーボンナノチューブと、耐酸化性を有する材料とで形成されており、
    前記カーボンナノチューブは、前記基板上に配列され、かつ波形状に伸長して、隣り合う前記カーボンナノチューブ同士が部分的に接触しており、
    前記耐酸化性を有する材料は、前記カーボンナノチューブ同士の空隙を充填し、かつ前記カーボンナノチューブの表面を覆っている
    ことを特徴とするマイクロリアクター。
  2. 仕切壁によって前記マイクロ流路と隔てられた隣接流路をさらに備え、
    前記仕切壁は、前記カーボンナノチューブと、前記耐酸化性を有する材料とで形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクター。
  3. 前記耐酸化性を有する材料が、SiCである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロリアクター。
  4. 基板に、波形状に伸長する複数のカーボンナノチューブを、隣り合う前記カーボンナノチューブ同士が部分的に接触するように生成する工程と、
    マイクロ流路となる予定の箇所の、前記カーボンナノチューブを除去する工程と、
    SiC前駆体を前記カーボンナノチューブ同士の空隙に充填し、かつ前記SiC前駆体で前記カーボンナノチューブの表面を覆う工程と、
    前記マイクロ流路となる箇所の、前記SiC前駆体を除去する工程と、
    前記SiC前駆体を焼結してSiC焼結体として固化させる工程と、を有する
    ことを特徴とするマイクロリアクターの製造方法。
  5. 前記マイクロ流路となる予定の箇所の、前記カーボンナノチューブを除去する工程の際に、前記マイクロ流路と隔てられた隣接流路となる予定の箇所の前記カーボンナノチューブを除去し、
    前記マイクロ流路となる予定の箇所の、前記SiC前駆体を除去する工程の際に、前記隣接流路となる予定の箇所の前記SiC前駆体を除去する
    ことを特徴とする請求項4に記載のマイクロリアクターの製造方法。
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