JP2015047555A - Dnaを含有するハイブリッド触媒及びその触媒を有する充填剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DNAが担体に担持されてなる触媒材料であって、前記担体は第四級アンモニウムカチオンを有し、DNAの前記担体への担持が、DNAが有するリン酸骨格と、担体が有する第四級アンモニウムカチオンの静電相互作用によるものである、触媒材料。
【選択図】なし
Description
近年では、銅の触媒活性とDNAのらせん不斉を組み合わせたハイブリッド触媒系がFeringa等によって開発され、上記のフリーデル−クラフツアルキル化反応に加え、ディールス・アルダー反応やマイケル付加反応などの炭素−炭素結合反応において、このようなハイブリッド触媒を用いた場合には、高エナンチオ選択的に目的の生成物が得られることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
上記のハイブリッド触媒には、DNAの他に銅のような金属の錯体が用いられており、そのような金属錯体を構成する配位子としては、4,4’−ジメチル−2,2’−ビピリジン(dmbpy)を用いることが報告されており、また、DNAとしては、例えばサケ精巣から抽出されるDNA(salmon testes DNA)を用いることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
このようなハイブリッド触媒を用いた不斉合成法は、従来必要とされていたレアメタルや人工的なキラルリガンドを用いる必要がなく、また、水のような環境に対する負荷の少ない溶媒中で反応を起こさせることが可能であることから、有望な不斉合成法として注目されている(例えば、非特許文献2参照)。
すなわち、本発明は、DNAが担体に担持されてなる触媒材料であって、前記担体は第四級アンモニウムカチオンを有し、DNAの前記担体への担持が、DNAが有するリン酸骨格と、担体が有する第四級アンモニウムカチオンの静電相互作用によるものである、触媒材料によって、上記課題を解決する。
なお、本発明でいう触媒材料とは、それ自身が触媒となるものではないものの、金属錯体と組み合わせて用いることで、不斉合成の触媒を形成するものである。
そのような結合を介して第四級アンモニウムカチオンを有している担体であれば、特段の制限なく用いることができる。
担体の平均粒径としては、通常5〜100μmのものを用いることができる。
本発明で用いる担体の粒径は、メディアン径(D50)をいい、その測定は、平均粒径D50:レーザー回折散乱式粒子分布測定装置によって測定した粒子分布(直径)の中央値を3回測定し、この平均値を算出して得ることができる。
担体の材料の具体的な例としては、シリカゲルを用いることが、取扱いの容易さ、汎用性の観点から好ましい。シリカゲルは市販されているものを用いることができる。
シリカゲル以外の担体の材料としては、ガラスを挙げることができる。ガラスからなる担体とは、ガラスを構成成分として含む担体をいう。そのようなガラス系担体としては、細孔直径が4.5nm〜400nmで、細孔容積が50〜70%程度のコントロールドポアガラス(Controlled Pore Glass)のような粒子形状ものが好ましく例示できる。
表面処理としては、後述するように第四級アンモニウムカチオンを導入するために必要な官能基を有するようにすれば特段の限定はなく、例えばシリカゲルのシラノールをアミノアルキルシリル基で修飾する処理を挙げることができる。アミノアルキルシリル基のアルキルとしては、炭素数1〜5程度の直鎖炭化水素を挙げることができ、例えばメチル、エチル、プロピルを好ましく挙げることができる。
アミノアルキルシリル基でシラノールを修飾する方法として、公知のアミノ基を有するシランカップリング剤を用いて、公知の方法により行うことができる。
第四級アンモニウムカチオンは、下記式(1)で表される第四級アンモニウムカチオンが有しているアルキル基を介してシリカゲルと直接結合していてもよいし、アルキル基とシリカゲルの間に、その他のスペーサーとなる結合基を介して結合していてもよい。なお、結合の際には、下記式(1)で表される第四級アンモニウムカチオンが有しているアルキル基の一つの水素が置換されることになる。
そして、アミノプロピルシリル基が導入されたシリカゲルと、例えばイソシアネートを有する臭素化炭化水素をジクロロメタンのような溶媒中で反応させて、臭素化炭化水素をシリカゲルに導入する。
その際、アミノ基とイソシアネート基の反応により、臭素化炭化水素とシリカゲルの間にはウレア結合が介在する。
あるいは、アミノプロピルシリル基が導入されたシリカゲルと、例えば臭素化炭化水素を有する炭酸エステルをベンゼンのような溶媒中で反応させて、臭素化炭化水素をシリカゲルに導入する。
その際、アミノ基と炭酸エステル基との反応により、臭素化炭化水素とシリカゲルの間にはウレタン結合が介在する。
臭素化炭化水素を構成する炭化水素としては、フェニルやナフチルのようなアリールを有する炭素数1〜10のアルキルを挙げることができる。
炭素数1〜10のアルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−ドデシルのような直鎖状の炭化水素を挙げることができ、これらの中でも、メチル、エチル、n−プロピルのような短鎖のものが好ましく挙げられる。
ヒドロキシメチルアニリンのようなヒドロキシ基を有するアニリンを臭化水素の溶解液中で還流させることでヒドロキシ基を有するアニリンのヒドロキシ基を臭素に置換させて臭素が導入された芳香族アミンを形成させ、これをさらにトリホスゲンと反応させることで、イソシアネートが導入された臭素化炭化水素を得ることができる。
4-ブロモ安息香酸メチルのような臭素を有するエステルをジイソブチルアルミニウムヒ
ドリドのような還元剤を用いて、(4−(ブロモメチル)フェニル)メタノールのような臭素を有するアルコールを調製する。その後、これを4−ニトロクロロホルメートのようなクロロギ酸エステルとピリジンのような塩基性溶媒のもとで反応させると、(4−(ブロモメチル)ベンジル(4−ニトロフェニル)カーボネートのような臭素化炭化水素を有する炭酸エステルを調製することができる。
トリメチルアミンを用いることで、上記式(1)の第四級アンモニウムカチオンを構成する基がメチル基のような立体障害の少ないものになり、DNAとの静電相互作用が好ましいものになり、担体への担持が確保される。
上記の化学反応としての炭素−炭素結合反応には、フリーデル−クラフツ反応に加え、ディールス−アルダー反応やマイケル付加反応も含まれる。上記フリーデル−クラフツ反応には、同一分子内での反応も含まれる。
なお、本発明において基質とは、上記化学反応に用いられる原料のことを意味する。
また、本発明いうハイブリッド触媒とは、DNAと金属錯体から形成される超高分子集合体のことをいう。
本発明によれば、不斉合成反応に用いる触媒材料が粒子状のものであることにより、生成物との分離にかける手間を省くことができるとともに、ハイブリッド触媒の再利用が既存の方法に比べて容易になる。これはDNAが担体に特定の態様で担持されていることで、水や緩衝液などの水溶液、またはアセトニトリルやエーテルなどの高極性の有機溶媒により、ハイブリッド触媒を洗浄することができるためである。
本発明のハイブリッド触媒によれば、これが有するDNAのらせん構造に起因する不斉源の作用により、得られる生成物の鏡像体過剰率が高まる、つまりエナンチオ選択性が高まる。なお、以下の文で略号として用いる「ee」は鏡像体過剰率のことを示す。
鏡像体過剰率は、多い方の物質量から少ない方の物質量を引き、全体の物質量で割った値で表されるものである。
上記の中では、入手の容易性と目的物の高いエナンチオ選択性を得る観点から、st−DNA、さらにはct−DNA(仔ウシ胸腺 DNA)を用いることが好ましい。また、反応速度の観点からは二重鎖のDNAを用いることが好ましい。
ここで、DNAとしては、高AT含量のものを用いる場合に、目的物のエナンチオ選択性や反応速度を若干高める傾向がある。
また、本発明で用いることのできるDNAは、通常400〜3000bpサイズのものを用いことができ、st−DNAを用いる場合には、約500〜2000bpサイズのものを挙げることができる。
DNAとしては、例えば非特許文献2に記載されているように、官能基で修飾されたオリゴヌクレオチドを用いることもできる。
上記DNAは、ハイブリッド触媒として用いる際に、一種のみを用いてもよいし、異なる複数種を用いることでもできる。
DNA原料は、上記で説明した第四級アンモニウムカチオンと臭素イオンからなる基を有する担体に静電相互作用により担持させるために、前記担体をDNA原料の水溶液(例えば1〜5mg/mL程度の濃度)に加え、5〜55℃程度の温度で1時間〜1週間程度撹拌する手段を用いることができる。撹拌時の温度としては、45〜55℃程度であることが好ましい。このような温度帯で撹拌した場合、撹拌時間を短縮しても十分に担体へのDNAの担持が起こる。これにより、本発明の触媒材料を得ることができる。
このようなハイブリッド触媒を形成するためには、DNAの分子と、金属錯体を構成する金属とのモル比が10:3〜1:1の範囲となるように、調製を行うことが好ましい。
このような遷移金属は、硝酸塩、硫酸塩、塩化物及びその水和物、トリフルオロメタンスルホン酸塩などから選択される塩等により、本発明のハイブリッド触媒の金属源として供されることが好ましい。
上記の中でも、特に二価の銅を用いることが、目的物の収率及び高エナンチオ選択性を得る観点から好ましい。またその塩としては、Cu(NO3)2で表される組成式を有する硝酸銅を好ましく例示できる。
)で表される2−(2−ピリジニル)−1H−ベンゾイミダゾールを用いることもできる。これらと、上記式(1)、(2)、(3)、(8)及び(10)で表される化合物は、ディールス・アルダー反応用のハイブリッド触媒の作製に好適に用いられる。
上記の化合物は、上記金属源との金属錯体を形成する配位子となるために、例えば水溶液中で金属錯体を調製する際に、金属源となる金属原子と配位子となる化合物のモル比が、1:1〜1:2となるように混合することが好ましい。
本発明の触媒材料をカラムに充填して用いる場合には、カラムの長さは通常5〜15mmであり、内径は、通常3〜6mmである。カラムの材質としては、ステンレスのような金属製あるいはフッ素樹脂や他の樹脂製のものも使用することができる。
そのようなカラムに、本発明の触媒材料を充填し、さらに金属錯体を溶液のような状態で導入し、カラム内で上述した超分子集合体を形成させることもできる。このような操作を経ることで、カラム内の担体上に保持されたハイブリッド触媒を形成することができる。
MOPSの濃度としては、通常10〜100mMで用いる。
また、通液のための溶媒のpHの範囲は、通常5.5〜6.5である。
1.(4-(2-bromoethyl)anilinium bromide (1)の合成)
240mgの4-(2-hydroxyethyl)aniline (1.75mmol)を20mLの48%臭化水素酸に溶かし、4時間還流を行った。還流後に室温まで放冷し、その後0℃まで冷やすと白色固体が析出したので、濾過して分離し、以下の式(2)で表される4-(2-bromoethyl)anilinium bromideを得た(328mg, 67% yield)。
得られた固体を4mLのジクロロメタンに溶かし、さらに4mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。この溶液を0℃で撹拌させ、十分冷えた後に114mgのトリホスゲン(0.39mmol)を加え、さらに0℃で40分間撹拌を行った。その後、ジクロロメタンで抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、減圧条件下で溶媒を留去して淡黄色のオイル(以下の式(3)で表される4-(2-bromoethyl)phenylisocyanate)を得た(224mg, 1.00mmol)。
上記で得られたオイルを20mLのジクロロメタンに溶かし、800mgの3-aminopropyl-functionalized silica gel (40-63μm, 1mmol/g NH2 loading, Aldrich)を加えた。この懸濁液を室温で20時間撹拌した後濾過し、固体を少量のジクロロメタンで洗って、3-((4-((2-bromo)ethyl)phenyl)ureido)propyl-修飾シリカゲルを得た(以下の式(4))。
上記の固体に7mLのトリメチルアミン−メタノール溶液(3.2 mol/L, TCI)と2mLのエタノールを加えて、50℃で三日間撹拌した。その後濾過し、メタノール、アセトン、水で洗浄した後、減圧乾燥し、白色固体(以下の式(5)で表される3-((4-((2-trimethylammonium)ethyl)phenyl)ureido)propyl-functionalizaed silica gel, bromide)914m
を得た(40-63μm, 1 mmol/g ammonium loading)。
元素分析 計算値: C/N =4.29
実測値:C,9. 79; N,2. 32 C/N =4.22
サケ精巣由来のDNA(Sigma-Aldorich)2mgを超純水(MiliQ, Millipore)1mLに溶解させた。この溶液と、上記で合成した第四級アンモニウムカチオンが導入されたシリカゲル50mgに加え、5℃で7日間振とうした。溶液中のDNA濃度が振とう開始時の10%未満になった時点で振とうを止めて濾過し、1mLの超純粋で二回洗浄、凍結乾燥を経て、本発明の触媒材料であるシリカゲル担持DNA粉末50mgを得た。
本発明の実施例の触媒材料の作製に用いたシリカゲル、市販品のシリカゲル(3−アミノプロピル−修飾-シリカゲル(40-63μm,アルドリッチ社製))、本発明の実施例のシリカゲル担持DNA(触媒材料)について、IR分析を行った。結果を図1に示す。
図1の結果から、1400〜1700cm-1の間で、本発明の実施例の触媒材料では特徴的なピークが見られた。これは、本発明の実施例の触媒材料が有する、ウレア基やアリール基に起因するものであると考えられる。
上記で作製したシリカゲル担持DNA粉末50mgに240μLのMOPSバッファー(20mmol/L, pH6.5)を加え、さらに120μLの銅触媒溶液([Cu(dmbpy)(NO3)2]の2.7μmol/mL水溶液)を加えた後、5℃で1.5時間振とうし、触媒混和物(ハイブリッド触媒)とした。これに反応基質である2-azachalconeの0.5Mアセトニトリル溶液を2μLと、cyclopentadine2μLを加え、5℃で三日間振とうすることで反応を行った。反応後はジエチルエーテルで生成物を抽出し、減圧条件下で溶媒を留去して目的の生成物を得た。生成物の転化率とエナンチオ選択性はHPLCで(株)ダイセル製キラルカラム(CHIRALCEL OD-H、溶離液イソプロパノール/ヘキサン=19/1、流速0.5mL/min)を用いて調べたところ、収率98%、94%eeであった。
実施例1で作製した使用済みの本発明の触媒材料であるシリカゲル担持DNA粉末を、抽出作業後の懸濁液から回収し、新しく240μLのMOPSバッファーと120μLの銅触媒溶液を加えなおし、5℃で1.5時間振とうした。これを触媒混和物(ハイブリッド触媒)とし、前項と同じ条件で基質添加からHPLCでの転化率とエナンチオ選択性の測定までの工程を繰り返した。この再利用実験を10回繰り返したところ、以下の表1に示す結果が得られた。
実施例1と同様の手順により、サケ精巣由来のDNA(Sigma-Aldorich:以下、単にst−DNAともいう)2mgを超純水(MiliQ, Millipore)1mLに溶解させた。この溶液と、市販品のシリカゲル(3-(trimethylammonium)propyl-functionalized silica gel, carbonate (200-400 mesh 0.8mmol/g loading))50mgに加え、5℃で7日間振とうした。溶液中のDNA濃度が振とう開始時の10%未満になった時点で振とうを止めて濾過し、1mLの超純粋で二回洗浄、凍結乾燥を経て、本発明の触媒材料であるシリカゲル担持DNA粉末50mgを得た。
実施例1と同様の手順により、サケ精巣由来のDNA(Sigma-Aldorich)2mgを超純水(MiliQ, Millipore)1mLに溶解させた。この溶液と、市販品のシリカゲル60N(球状、中性、平均粒径40-50μm)50mgに加え、5℃で7日間振とうした。溶液中のDNA濃度が振とう開始時の10%未満になった時点で振とうを止めて濾過し、1mLの超純粋で二回洗浄、凍結乾燥を経て、触媒材料50mgを得た。
実施例1、比較例1及び2で作製した触媒材料を、st−DNAの溶液(st−DNA2mgを水1mLに溶解)にそれぞれ加えて、1週間撹拌した。その際のDNA濃度の経時変化を確認した。結果を図2に示す。
図2の結果から明らかなように、本発明の触媒材料は、DNA分子を徐々に吸着するのに対し、比較例の触媒材料はDNA分子をほとんど吸着しなかった。
シリカゲルに担持させていないst−DNAを用い(1.3M)、金属触媒としてCu(dmbpy)(1.5mM)を用いて反応を行わせた例を試験例3−1とした。
実施例1の触媒材料を用い、Diels-Alder反応を行った例を試験例3−2とした。
また、実施例1の触媒材料においてDNAを担持してないものを触媒材料として用い、
配位子としてdmbpyを用いた金属触媒を用いたこと以外は試験例3−2と同様の手順、操作により、Diels-Alder反応を行った例を試験例3−3とした。
得られた転化率、endo/exo比、ee%について、以下の表2に示す。試験例3−1〜3−3のいずれにおいても、用いた基質は以下の式(6):2-azachalcone及び(7)cyclopentadieneであり、得られた生成物は式(8):endo体、式(9):exo体で表される化合物である。
1.(4-(bromomethyl)phenyl)methanol の合成
2.0 gのmethyl 4-bromomethyl benzoate (18.7 mmol)を50 mLのdichloromethaneに溶かし、-78 ℃に冷却した後、29 mLのDIBAL-H (Diisobutylaluminium hydride, 1.0 M in THF)を加えた。この溶液を-78 ℃で1.5時間撹拌した後、0 ℃まで昇温し、さらに30分間撹拌した。少量の水で反応を停止し、dichloromethaneで抽出操作を行い、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、減圧条件下で溶媒を留去して白色の個体を得た。((4-(bromomethyl)phenyl)methanol, 1.95 g, quant)
得られた固体を50 mLのdichloromethaneに溶かし、2.6 gの4-nitrochloroformateと2.1
mLのpyridineを加えた。この溶液を常温で24時間撹拌した。Chloroformを加えて反応溶液を希釈し、1 Mの硫酸水素ナトリウムで洗浄し、得られた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥、濾過し、減圧条件下で溶媒を留去した。得られた混合物からシリカゲルカラムクロマトグラフィにより黄色の個体を得た。(4-(bromomethyl)benzyl (4-nitrophenyl) carbonate, 3.19 g, quant)
得られた個体を20 mLのbenzeneに溶かし、500 mg の3-aminopropyl-functionalized silica gel (40-63 μm, 1 mmol/g NH2 loading, Aldrich)を加えた。この懸濁液を室温で20時間撹拌した後濾過し、固体を少量のdichloromethaneとacetoneで洗った。この固体に4.7 mLのtrimethylamine in methanol 溶液(3.2 mol/L, TCI)と2 mLのethanolを加えて、50 ℃で三日間撹拌した。その後濾過し、methanol, acetone, 水、で洗浄した後減圧乾燥
し、白色固体310 mgを得た。(3-((4-((2-trimethylammonium)ethyl)phenyl)carbamoyl)propyl-functionalized silica gel, bromide, 40-63 μm, 1 mmol/g ammonium loading)
サケ精巣由来DNA(sigma-aldrich)2 mgを超純水(MilliQ, Millipore)1 mLに溶解させた。この溶液と、上で合成したカチオン修飾シリカゲル 50 mgに加え、5℃で7日間振とうした。溶液中のDNA濃度が振とう開始時の10%未満になった時点で振とうを止めて濾過し、1 mLの超純水で二回洗浄、凍結乾燥を経てシリカゲル担持DNA粉末50 mgを得た。
Claims (7)
- DNAが担体に担持されてなる触媒材料であって、
前記担体は第四級アンモニウムカチオンを有し、
DNAの前記担体への担持が、DNAが有するリン酸骨格と、担体が有する第四級アンモニウムカチオンの静電相互作用によるものである、触媒材料。 - 前記担体が以下の式(1)で表される第四級アンモニウムカチオンを有するシリカゲルである、請求項1に記載の触媒材料。
- 前記R1が、任意の−CH2−の一つがフェニルで置換されているエチル、プロピル及びブチルから選択されるものである、請求項2に記載の触媒材料。
- 前記DNAが、st−DNAである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒材料。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒材料と、金属錯体とから形成される、ハイブリッド触媒。
- 前記金属錯体を構成する金属が、銅(II)である、請求項5に記載のハイブリッド触媒。
- 前記金属錯体を構成する配位子が、下記式(1)〜(10)で表される化合物のいずれか1以上である、請求項5または6に記載のハイブリッド触媒。
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