JP2015044684A - 糸端捕捉装置及び糸巻取装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パッケージからの糸端の吸引捕捉の成功率を高くしつつ、糸端以外の糸部分が吸引された場合に、吸引した糸端を係止するための係止部に、上記吸引された糸部分が引っ掛かってしまうのを防止する。【解決手段】サクションマウス31は、2つの板部材40、41によって形成され、内部に第1通路部43などの空気通路が形成されたサクションマウス本体51と、板部材41の上面に取り付けられたアングルガイド52とを備えている。また、第1通路部43には、吸引した糸端部Yaを係止するための櫛歯状の係止部45aが設けられている。パッケージPの表面からの糸端部Yaの吸引捕捉時における、アングルガイド52の先端部とパッケージPの表面との距離をL1とし、板部材40の先端部と、パッケージPの表面との距離をL2とし、係止部45aとパッケージPの表面との距離をL3としたときに、L1<L2<L3となっている。【選択図】図6

Description

本発明は、パッケージ表面から糸端部を吸引して捕捉する糸端捕捉装置、及び、給糸ボビンから解舒した糸をパッケージとして巻き取る糸巻取装置に関する。
特許文献1に記載の糸端引き出し装置は、パッケージ表面から糸端部を引き出し、引き出した糸端部を糸継装置に案内するためのものである。この糸端引き出し装置には、パッケージ表面と対向する先端部に吸引口を有する空気通路が形成されている。また、空気通路の吸引口よりも奥側に、糸端引っ掛け部材が設けられており、吸引された糸端は、糸端引っ掛け部に引っ掛かることで、パッケージに戻らないようになっている。
ここで、糸端引き出し装置により、パッケージ表面の糸端部を吸引しようとした場合、糸端部が吸引されることもあれば、糸端部よりも先にパッケージに巻き取られ、パッケージ表面において弛んだ糸の弛み部分が吸引されてしまうこともある。そして、糸の弛み部分が吸引された場合に、吸引された糸部分が糸端引っ掛け部材に到達すると、糸の弛み部分が糸端引っ掛け部材に引っ掛かってしまう。そして、この状態で、糸端引き出し装置が、引き出した糸を糸継装置に案内するように移動すると、糸の弛み部分が糸端引っ掛け部材により切断され、切断された糸屑がパッケージに残ってしまう虞がある。また、糸の弛み部分が切断されなくてとも、糸端引っ掛け部により、糸の弛み部分が糸継装置に案内されて正常な糸継ができなくなる虞がある。
特許文献1では、空気通路の吸引口よりも奥側に、糸端引っ掛け部材が設けられているため、糸端部が吸引された場合には、糸端部が糸端引っ掛け部分に到達しやすいが、糸の弛み部分が吸引された場合には、吸引された部分は糸端引っ掛け部材に到達しにくい。
特開2002−80170号公報
しかしながら、特許文献1のように、糸端引っ掛け部材を、空気通路の吸引口よりも奥側の部分に設けた場合には、糸端引っ掛け部材を吸引口から離しすぎると、糸端部が吸引された場合にも、糸端部が糸端引っ掛け部材に到達しない虞がある。一方、糸端引っ掛け部材を吸引口に近づけすぎると、糸端部以外の糸部分が糸端引っ掛け部材に到達してしまう虞がある。
本発明の目的は、糸端部の吸引捕捉の成功率を高くしつつ、糸端部以外の糸分が吸引された場合に、吸引された糸部分が、吸引した糸端部を係止するための係止部に到達してしまうのを確実に防止することが可能な糸端捕捉装置、及び、糸巻取装置を提供することである。
第1の発明に係る糸端捕捉装置は、巻取方向に回転して糸を巻き取ることによって形成されたパッケージから糸端部を吸引して捕捉する糸端捕捉装置であって、前記糸端部を吸引して捕捉する際に前記パッケージと対向する先端部において開口した吸引口を有する空気通路が形成された吸引捕捉部材と、前記空気通路に設けられ、吸引された糸端部を係止するための係止部とを備え、糸端部を吸引して捕捉する際に、前記吸引捕捉部材の前記先端部における、前記巻取方向と逆の回転方向である巻出方向の上流側に位置する上流側辺部が、前記巻出方向の下流側に位置する下流側辺部よりも、前記パッケージの表面から離れ、前記係止部が、前記上流側辺部よりも前記パッケージ表面から離れている。
本発明によると、上流側辺部が下流側辺部よりもパッケージ表面から離れているため、巻出方向下流側から吸引口に向かって流れる空気が下流側辺部によって遮られ、その結果、吸引口には、巻出方向の上流側から空気が流れ込みやすくなる。これにより、巻出方向の上流側から吸引口に近づくパッケージ表面の糸端部が吸引されやすくなる。また、上流側辺部は、下流側辺部よりもパッケージ表面から離れているため、糸端部が吸引される際に上流側辺部が邪魔になりにくい。以上のことから、本発明では、糸端部の吸引捕捉の成功率を高くすることができる。
また、パッケージ表面における糸の弛み部分など、糸端部以外の糸部分が吸引された場合、パッケージに巻き付けられた糸の上記糸部分の巻出方向下流側に連なる部分が、下流側辺部に接触する。したがって、糸は、パッケージ表面から下流側辺部を経て係止部に至る経路に沿って係止部に向かうことになる。本発明では、上流側辺部が下流側辺部よりもパッケージ表面から離れ、係止部が上流側辺部よりもパッケージ表面から離れているため、上記経路の長さが長くなり、上記吸引された糸部分が係止部に到達しにくくなる。また、上述したように、巻出方向下流側から吸引口に向かって流れる空気が上流側辺部によって遮られるため、糸端部以外の糸部分が吸引口から糸通路に吸引された場合に、吸引された部分が糸通路内でばたつきにくい。以上のことから、糸端部以外の糸部分が係止部に引っ掛かってしまうのを防止することができる。
第2の発明に係る糸端捕捉装置は、第1の発明に係る糸端捕捉装置において、前記係止部が、前記空気通路の前記巻出方向の下流側に設けられている。
本発明によると、係止部が空気通路の巻出方向の下流側に設けられている場合において、パッケージ表面から下流側辺部を経て係止部に至る経路の長さを長くすることができる。
第3の発明に係る糸端捕捉装置は、第1又は第2の発明に係る糸端捕捉装置において、前記吸引捕捉部材の前記下流側辺部の表面の少なくとも一部分に、前記空気通路の通路壁面よりも摩擦抵抗が大きい抵抗部が設けられている。
本発明によると、パッケージ表面の糸端部や糸の弛部分等が、抵抗部に接触したときに、これらの糸部分が、抵抗部との摩擦力によって下流側辺部に留められる。そして、この状態でパッケージが巻出方向に回転すると、パッケージに巻き付けられた糸の、下流側辺部に留められた部分に連なる部分がパッケージから引きはがされる。これにより、糸端部の吸引捕捉の成功率を高くすることができる。
第4の発明に係る糸端捕捉装置は、第3の発明に係る糸端捕捉装置において、前記抵抗部が、前記下流側辺部の前記パッケージの軸方向における全長にわたって延びている。
本発明によると、糸端部や上記弛み部分がパッケージ表面のどの部分にあっても、糸端部や上記弛み部分が抵抗部に接触するため、糸端の吸引捕捉の成功率をさらに高くすることができる。
第5の発明に係る糸端捕捉装置は、第3又は第4の発明に係る糸端捕捉装置において、前記抵抗部は、前記下流側辺部の表面に貼り付けられたサンドペーパーである。
本発明によると、吸引捕捉部材の下流側辺部に容易に抵抗部を設けることができる。
第6の発明に係る糸端捕捉装置は、第1〜第5のいずれかの発明に係る糸端捕捉装置において、前記吸引捕捉部材は、前記空気通路及び前記上流側辺部を形成する筒状の本体と、前記吸引口よりも前記パッケージ側に延出するように、前記本体に取り付けられて、前記下流側辺部を形成する第1板状部材と、を備えている。
本発明によると、糸通路及び上流側辺部を形成する筒状の本体に、下流側辺部を形成する第1板状部材を、吸引口よりもパッケージ側に延出するように取り付けることにより、上流側辺部が下流側辺部よりもパッケージから離れた吸引捕捉部材を容易に形成することができる。
第7の発明に係る糸端捕捉装置は、第6の発明に係る糸端捕捉装置において、前記第1板状部材が、前記本体に対して、前記吸引口からの延出量が変更されるような所定の一方向に方向に移動可能となっていることで、前記糸端部を吸引して捕捉する際の、前記下流側辺部と前記パッケージの表面との距離が調整可能となっている。
本発明によると、パッケージに巻き取られた糸種などに応じて、下流側辺部とパッケージ表面との距離を調整することができる。
第8の発明に係る糸端捕捉装置は、第6又は第7の発明に係る糸端捕捉装置において、前記第1板状部材は、前記本体の、前記巻出方向の下流側の端部に取り付けられ、前記本体に取り付けられた部分よりも前記吸引捕捉部材の先端側の部分において、前記上流側辺部に向かう方向に鈍角に屈曲されている。
本発明によると、パッケージ表面から下流側辺部を経て係止部に至る経路の長さがさらに長くなるため、上記弛んだ部分がさらに係止部に到達しにくくなる。
第9の発明に係る糸端捕捉装置は、第8の発明に係る糸端捕捉装置において、前記係止部が設けられ、第1板状部材とともに前記本体の前記巻出方向の下流側の端部に取り付けられた第2板状部材をさらに備え、前記第2板状部材は、前記本体に取り付けられた部分よりも前記吸引捕捉部材の先端側の部分において、前記上流側辺部に向かう方向に鋭角に屈曲され、前記係止部は、前記第2板状部材の前記先端側の部分に設けられている。
本発明によると、係止部が設けられた第2板状部材が、吸引捕捉部材の下流側辺部を形成する第1板状部材とともに、本体の巻出方向下流側の端部に取り付けられた構成となっているため、吸引捕捉部材の組立等が容易になる。さらに、第1板状部材が、本体に取り付けられた部分よりも先端側の部分において鈍角に屈曲しているのに対して、第2板状部材が、本体に取り付けられた部分よりも先端側の部分において鋭角に屈曲しており、この先端側の部分に係止部が設けられているため、下流側辺部と係止部とを十分に離すことができる。
第10の発明に係る糸巻取装置は、第1〜第9のいずれかの発明に係る糸端捕捉装置と、給糸部と、前記給糸部の糸を所定の巻取方向に巻取ってパッケージを形成する巻取部と、前記給糸部と前記巻取部との間に配置され、前記給糸部側の糸端部と前記巻取部側の糸端部を繋ぐ糸継部と、前記給糸部側の糸端部を前記糸継部に案内する、糸端案内手段と、を備え、前記糸端捕捉装置は、前記巻取部側の糸端部を前記糸継部に案内する。
本発明によると、糸端捕捉装置における糸端部の吸引捕捉の成功率を高くすることができるので、糸継が完了するまでにかかる時間を短くすることができる。
本発明によれば、糸端の吸引捕捉の成功率を高くすることができるとともに、パッケージに表面から糸端部以外の糸部分が吸引されたときに、吸引された糸部分が係止部に引っ掛かってしまうのを防止することができる。
本実施形態に係る自動ワインダの正面図である。 自動ワインダの1つの巻取ユニットの正面図である。 図2に示される巻取ユニットの上部の左側面図である。 図3の二点鎖線で示す糸端捕捉位置にある上糸捕捉案内部材のサクションマウスとパッケージとを、矢印IV方向に見た矢視図である。 (a)が図4のサクションマウスを矢印VA方向に見た矢視図であり、(b)が図4のサクションマウスを矢印VB方向に見た矢視図である。 図4のサクションマウスVI-VI断面図である。 サクションマウスにおいて糸端部が吸引された状態を示す図である。 サクションマウスにおいて糸端部以外の糸部分が吸引された状態を示す図である。 アングルガイドの先端部に糸端部が接触した状態を示す図である。 変形例1の図6相当の図である。 変形例2の図9相当の図である。 変形例3の図9相当の図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、繊維機械の一種である自動ワインダに本発明を適用した一例である。図1は本実施形態に係る自動ワインダの正面図、図2は自動ワインダの1つの巻取ユニットの正面図である。
図1に示すように、自動ワインダ1は、図1の左右方向に配列された多数の巻取ユニット2(糸巻取装置)と、これら多数の巻取ユニット2に沿ってそれらの配列方向に走行自在に設けられた玉揚装置3と、自動ワインダ1の全体制御を司る機台制御装置4とを備えている。なお、図1の左右方向(巻取ユニット2の配列方向)を「左右方向」、図1の紙面垂直方向の手前側を「前方」、図1の紙面垂直方向の向こう側を「後方」と定義し、このような方向語を適宜使用して以下説明する。
自動ワインダ1は、機台制御装置4から各巻取ユニット2に対して指令を送り、各々の巻取ユニット2において給糸ボビン8から解舒される糸Yを巻取管17に巻取ってパッケージPを形成するように構成されている。また、ある巻取ユニット2に満玉のパッケージPが形成されたときには、玉揚装置3がその巻取ユニット2の頭上に移動して、満玉のパッケージPを空の巻取管17に取り替えるようになっている。また、機台制御装置4は、各巻取ユニット2の動作を制御するとともに、動作状態の監視や動作パラメータの設定記憶等を行う。
次に、各々の巻取ユニット2の詳細な構成について説明する。図2に示す巻取ユニット2は、給糸ボビン8から解舒される糸Yをトラバースさせながら巻取管17に巻き付けて、所定形状のパッケージPを形成するものである。図3は、図2に示される巻取ユニットの上部の左側面図である。
図2に示すように、巻取ユニット2は、給糸ボビン8の糸Yを解舒して供給する給糸部11と、給糸部11から供給された糸Yに対して様々な処理を行う糸処理実行部12と、糸処理実行部12で処理された糸Yを巻取管17に巻取ってパッケージPを形成する巻取部13とを有する。給糸部11、糸処理実行部12、及び、巻取部13は、この順に、下から上へ並べて配置されている。また、巻取ユニット2は、自動ワインダ1の機台制御装置4と通信可能に接続されたユニット制御部33を備えている。
給糸部11は、給糸ボビン8を保持するボビン保持部15と、給糸ボビン8からの糸Yの解舒を補助する解舒補助装置16を有する。解舒補助装置16は、給糸ボビン8に上方から被せられる筒体29と、この筒体29を昇降駆動する筒体駆動モータ25を有する。解舒補助装置16は、糸Yの解舒が進行するに従って、筒体駆動モータ25により筒体29を下降させることで、解舒中の糸Yの膨らみ(バルーン)を規制し、解舒張力を安定させる。
図2、図3に示すように、巻取部13は、巻取管17を回転自在に把持するクレードル14と、綾振ドラム18と、綾振ドラム18を回転させるドラム駆動モータ28とを備えている。綾振ドラム18の周面には螺旋状の綾振溝18aが形成されており、この綾振溝18aによって糸Yをトラバースさせるように構成されている。そして、綾振ドラム18が、綾振溝18aによって糸Yをトラバースさせながら、巻取管17に形成されたパッケージPに接触した状態で回転することで、綾振ドラム18との接触摩擦によってパッケージPが巻取方向に回転し、給糸ボビン8から解舒された糸Yが巻取管17に巻取られていくようになっている。
給糸部11と巻取部13の間に配置された糸処理実行部12は、ヤーンフィーラ19、テンション付与装置20、糸継装置21、ヤーンクリアラ22を有する。
ヤーンフィーラ19は、解舒補助装置16とテンション付与装置20との間において、走行する糸Yの有無を検出するものである。
テンション付与装置20は、走行する糸Yに所定のテンションを付与するものである。図2では、一例として、いわゆるゲート式のものが開示されている。複数の固定ゲート体20aと複数の可動ゲート体20bとが上下方向に交互に配置されている。そして、複数の可動ゲート体20bの水平方向の位置を調整することによって、固定ゲート体20aと可動ゲート体20bとの間を走行する糸Yにテンションを付与する。
糸継装置21(糸継部)は、後述するヤーンクリアラ22により糸欠陥が検出されたときのカッター22aによる糸切断時、パッケージ巻取中における糸切れ時、あるいは、給糸ボビン8の交換時に、給糸ボビン8側の下糸Y1とパッケージP側の上糸Y2とを糸継ぎするものである。この糸継装置21の一例としては、空気流を発生させて下糸Y1と上糸Y2の繊維同士を絡ませて糸継ぎをおこなう、エアスプライサを挙げることができる。
糸継装置21の下側と上側には、給糸ボビン8側の下糸Y1を捕捉して糸継装置21へ案内する下糸捕捉案内部材23と、パッケージP側の上糸Y2を捕捉して糸継装置21へ案内する上糸捕捉案内部材24とがそれぞれ設けられている。下糸捕捉案内部材23は、軸23aを中心に回転可能であり、モータ26によって回転駆動されることで上下に旋回する。上糸捕捉案内部材24も、軸24aを中心に回転可能な構成であり、モータ27によって回転駆動されることで上下に旋回する。また、図3に示すように、下糸捕捉案内部材23と上糸捕捉案内部材24は、それぞれ吸引源50に接続されている。なお、下糸捕捉案内部材23と、この下糸捕捉案内部材23を旋回させるモータ26とが、本発明の「糸端案内手段」に相当する。また、上糸捕捉案内部材24と、この上糸捕捉案内部材24を旋回させるモータ27とが、本発明の「糸端捕捉装置」に相当する。
下糸捕捉案内部材23は、その先端部に下糸Y1の糸端部を吸引して捕捉する吸引部30を有する。この吸引部30が下糸Y1の糸端部を捕捉した状態で、下糸捕捉案内部材23は、モータ26で駆動されて下から上へと旋回して糸継装置21に下糸Y1を案内する。また、上糸捕捉案内部材24は、その先端部に上糸Y2の糸端部を吸引して捕捉するサクションマウス31を有する。この上糸捕捉案内部材24は、まず、モータ27で駆動されて図3の実線の位置から二点鎖線で示す糸端捕捉位置まで上方へ旋回する。このとき、サクションマウス31が、パッケージPと綾振ドラム18の接点近傍に位置して、パッケージPの表面に付着している上糸Y2の糸端部を吸引して捕捉する。糸端部の捕捉後には、上糸捕捉案内部材24はモータ27で駆動されて下へと旋回することで、捕捉した上糸Y2を糸継装置21に案内する。なお、後ほど、上糸捕捉案内部材24のサクションマウス31の具体的な構造について詳細に説明する。
糸継装置21は、下糸捕捉案内部材23によって案内されてきた下糸Y1の糸端部と、上糸捕捉案内部材24によって案内されてきた上糸Y2の糸端部とを繋いで1本の糸Yにする。
ヤーンクリアラ22は、走行する糸Yの太さの情報を常時取得しており、この糸太さの情報に基づいて、糸Yに含まれる一定以上に糸太さが太い異常部分を糸欠陥として検出する。また、ヤーンクリアラ22にはカッター22aが付設されており、ヤーンクリアラ22で糸欠陥が検出されたときにカッター22aは即座に糸Yを切断する。
なお、ヤーンクリアラ22の糸欠陥検出後にカッター22aによって糸Yが切断されたときには、上糸Y2にはまだ糸欠陥が残存している。そのため、糸継装置21は、内蔵するカッター(図示省略)を用いて、上糸捕捉案内部材24により案内されてきた上糸Y2から上記の糸欠陥を除去してから、下糸Y1と上糸Y2の糸継を行う。
図2に示されるユニット制御部33は、上述した巻取ユニット2の各部の動作を制御することによって、巻取管17に巻取パッケージPを形成させる。このユニット制御部33は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びプログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read-Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)、及び、外部とのデータの入出力を行う入出力インターフェース等で構成されている。
ユニット制御部33は、筒体駆動モータ25、下糸捕捉案内部材を駆動するモータ26、上糸捕捉案内部材を駆動するモータ27、ドラム駆動モータ28等の、巻取ユニット2の駆動部や、ヤーンフィーラ19、糸継装置21、ヤーンクリアラ22等と電気的に接続されている。そして、巻取ユニット2は、自動ワインダ1の全体動作を制御する機台制御装置4から送られた巻取条件等に関する情報に基づいて、巻取ユニット2の各部を制御して、巻取ユニット2にパッケージPの巻取動作を行わせる。
また、ヤーンクリアラ22によって糸欠陥が検出されて糸Yが切断された場合、ヤーンフィーラ19によって糸切れが検出された場合、あるいは、給糸部11において給糸ボビンが交換された場合には、ユニット制御部33は、糸継装置21等を制御して一連の糸継動作を行わせる。即ち、モータ26、27を制御して、下糸捕捉案内部材23と上糸捕捉案内部材24に、給糸部11側の下糸Y1と巻取部13側の上糸Y2をそれぞれ糸継装置21に案内させる。次に、糸継装置21を制御して、案内されてきた下糸Y1と上糸Y2とを糸継ぎさせる。
次に、上糸捕捉案内部材24の詳細構成について説明する。図2、図3に示すように、上糸捕捉案内部材24は、その先端部に、上糸Y2の糸端部を吸引するサクションマウス31(吸引捕捉部材)を有する。図4は、図3の糸端捕捉位置にある上糸捕捉案内部材24のサクションマウス31とパッケージPとを、矢印IV方向に見た矢視図である。図5は、図4のサクションマウス31を矢印Vの方向に見た矢視図である。図6は、図4のVI−VI線断面図である。
図4〜図6に示すように、サクションマウス31は、サクションマウス本体51と、アングルガイド52(第1板状部材)と、を有している。サクションマウス本体51は、筒状の部材であり、2つの側壁部40a、40bを有する図5の下側に位置する板部材40と、図5の上側に位置する板部材41とが、相対向した状態で接合されることによって形成されている。2枚の板部材40、41の間には、吸引口42と、この吸引口42に連なる第1通路部43及び第2通路部44が形成されている。図4、図5からもわかるように、2枚の板部材40、41からなるサクションマウス31は、全体として、厚みに対して、面方向の寸法がかなり大きい偏平な形状を有する。それ故、先端に形成された吸引口42も、図5に示すように、その幅が厚み(2枚の板部材40、41の間隔)よりも大きい、偏平な開口形状を有する。また、内部に位置する第1通路部43及び第2通路部44も断面形状が偏平になっている。なお、以下の説明において、「幅方向」とは、吸引口42、第1通路部43及び第2通路部44において、板部材40、41に平行な面内において、吸引口42から吸い込まれた空気が流れる方向である、図4の「吸引方向」と直交する方向のことをいう。
図4に示すように、パッケージPに付着した上糸Y2の糸端部Yaを吸引して捕捉できるように、吸引口42の幅は、パッケージPの幅とほぼ同じになっている。また、第1通路部43は、吸引口42において幅が最も大きく、奥側ほど(吸引口42から離れるほど)幅が狭くなっている。具体的には、第1通路部43を形成する板部材40の一方(図4の左側)の側壁部40aが、吸引口42から離れるほど、他方の側壁部40bに近づくことによって、第1通路部43の奥側では幅が狭くなっている。
第2通路部44は、第1通路部43の奥側の、吸引口42よりも幅が狭くなった端部に接続されている。また、この第2通路部44は、第1通路部43の幅方向の一方(図4における左側)へ向けて、90度に近い角度をなして屈曲するように接続されている。また、第2通路部44の、第1通路部43とは反対側の端部44aが、吸引源50(図3参照)と接続されている。なお、本実施の形態では、第1通路部43と第2通路部44とを合わせたものが、本発明に係る空気通路に相当する。
また、板部材41には、板部材45(第2板状部材)が取り付けられている。板部材45は、金属材料などからなり、吸引口42とほぼ同じ幅を有している。板部材45は、先端部(図6における左端部)を除く部分が板部材41の上面に配置されている。また、板部材45は、板部材41の上面に配置された部分よりも先端側の部分において、板部材40側(巻出方向の上流側に向かう方向)に屈曲している。ここで、板部材45は、屈曲部分における屈曲角度が鋭角となるように形成されている。板部材45の先端部は、板部材41よりも図6の下側に位置し、上記幅方向に沿って櫛歯状に形成された係止部45aとなっている。これにより、係止部45aは、第1通路部43の通路壁面のうち、上側(後述の巻出方向の下流側)の通路壁面に設けられている。
アングルガイド52は、金属材料などからなる板状の部材であり、パッケージPと反対側の略半分(図6の略右半分)が、板部材41の上面に配置され、板部材41との間で板部材45を挟んでいる。板部材41、板部材45及びアングルガイド52の板部材41の上面に配置された部分には、それぞれ、幅方向の両端部の互いに重なる部分に貫通孔41a、45b、51aが形成されている。板部材45及びアングルガイド52は、貫通孔41a、45b、51aに挿通されたボルト53によって、板部材41に固定されている。ここで、貫通孔41aがボルト53とほぼ同じ径の円形の孔であるのに対して、貫通孔45b、51aは、幅方向と直交する図6の左右方向に延びた長孔である。これにより、ボルト53を緩めた状態で、板部材45及びアングルガイド52が、板部材41の上面に沿って、図6の左右方向(所定の一方向)に移動可能となっている。すなわち、板部材45及びアングルガイド52は、サクションマウス本体51に対して図6の左右方向に移動可能となっている。
また、アングルガイド52のパッケージP側の略半分(図6の略左半分)は、板部材41よりもパッケージP側に突出しているとともに、その途中部分において板部材40側(上流側辺部に向かう方向)に屈曲している。ここで、アングルガイド52は、屈曲部分における屈曲角度が鈍角となるように形成されている。これにより、アングルガイド52の先端部を含む部分が、吸引口42よりもパッケージP側に延出している。そして、サクションマウス31では、上述したように、アングルガイド52をサクションマウス本体51に対して図6の左右方向に移動させることによって、アングルガイド52の吸引口42からの延出量を変更することができるようになっている。
また、アングルガイド52の先端部の表面には、サンドペーパー54(抵抗部)が貼り付けられている。より詳細に説明すると、サンドペーパー54は、アングルガイド52の先端部の表面に、パッケージPの表面と対向する対向面52bを経由して、第1通路部43側の面52cと、第1通路部43と反対側の面52dとにまたがって延びている。また、サンドペーパー54は、アングルガイド52の先端部の表面に、吸引口42の幅方向の全長にわたって延びている。そして、サンドペーパー54が貼り付けられたアングルガイド52先端部の表面は、第1通路部43の通路壁面よりも摩擦抵抗が大きくなっている。
また、本実施の形態では、このように、サンドペーパー54が、アングルガイド52の第1通路部43側の面52cと第1通路部43と反対側の面52dとにまたがって延びているため、アングルガイド52へのサンドペーパー54の貼り付けを容易に行うことができる。また、本実施の形態では、アングルガイド52の先端部の表面にサンドペーパー54を貼り付けることにより、アングルガイド52の先端部の表面に、部分的に摩擦抵抗が大きくなった抵抗部を容易に形成することができる。また、サンドペーパー54は容易に交換することもできる。
ここで、サクションマウス31では、図6に示すように、アングルガイド52の先端部(下流側辺部)と、パッケージPの表面との最短の距離をL1とし、板部材40の先端部(上流側辺部)とパッケージPの表面との最短の距離をL2とし、係止部45aとパッケージPの表面との最短の距離をL3として、L1<L2<L3となっている。すなわち、板部材40の先端部が、アングルガイド52の先端部よりも、パッケージPの表面から離れ、係止部45aが、板部材40の先端部よりも、パッケージPの表面から離れている。
なお、本実施の形態では、上述したように、係止部45aが設けられた板部材45、及び、アングルガイド52が、サクションマウス本体51に対して移動可能となっているが、L1<L2<L3の関係が崩れない範囲でのみ、板部材45及びアングルガイド52が移動可能となるように、貫通孔45b、51aの長さなどが決められている。
このサクションマウス31による上糸Y2の糸端捕捉時の作用は次の通りである。図4に示すように、パッケージP側の上糸Y2の糸端部Yaは、パッケージPに巻取られて表面に付着している。モータ27(駆動部)によって駆動される上糸捕捉案内部材24が、図3に二点鎖線で示される糸端捕捉位置まで旋回すると、その先端部のサクションマウス31の吸引口42がパッケージPの表面と対向する。このとき同時に、巻取部13において、ドラム駆動モータ28によって、パッケージ巻取時とは逆の回転方向に綾振ドラム18を低速で回転させることで、パッケージPを、巻取方向と逆の回転方向である巻出方向に回転させる。これにより、図7に示すように、パッケージPに巻き付けられた糸端部Yaが、パッケージPから引き出されつつ、吸引口42から吸い込まれて捕捉される。
そして、図7に示すように、上糸Y2の糸端部Yaが吸引口42から第1通路部43に吸引されると、吸引された糸端部Yaは、板部材45の係止部45aに引っ掛かる。これにより、一旦吸引された糸端部Yaが、糸毛がらみ等によるパッケージPの表面への強い付着によりパッケージPの巻出方向への回転につられて再び外側に引き出されてしまうことが抑制され、その結果、糸端部Yaの捕捉成功率が上がる。
このとき、糸端部Yaは、巻出方向の上流側から吸引口42に近づく。本実施の形態では、上述したように、板部材40の先端部が、アングルガイド52の先端部よりも、パッケージPの表面から離れている。そのため、図7に矢印Aで示すような、巻出方向の上流側から吸引口42に向かって流れる空気は吸引口42から第1通路部43に流れ込みやすいのに対して、矢印Bで示すような、巻出方向の下流側から吸引口42に向かって流れる空気はアングルガイド52によって遮られ、吸引口42から第1通路部43に流れ込みにくい。すなわち、本実施の形態では、吸引口42には、巻出方向の上流側から空気が導入されやすい。これにより、巻出方向の上流側から吸引口42に近づく糸端部Yaが吸引されやすくなる。また、板部材40の先端部が、アングルガイド52の先端部よりも、パッケージPの表面から離れているため、糸端部Yaが吸引口42から第1通路部43に吸引される際に、板部材40の先端部が邪魔になることがない。
また、本実施の形態では、カッター22aによる糸切断時、パッケージ巻取中における糸切れ時、あるいは、給糸ボビン8の交換時に、糸Yが切断されると、上糸Y2の糸端部Ya近傍の部分に、上糸Y2が弛んで外側に膨らんだ弛み部分Ybができる。そのため、弛み部分Ybが吸引口42から第1通路部43に吸引されることがある。このとき、吸引された弛み部分Ybが係止部45aに到達し、弛み部分Ybが係止部45aに引っ掛かってしまうと、捕捉した糸Yを糸継装置21に案内するために、上糸捕捉案内部材24を旋回させたときに、糸Yが切断され、パッケージPの表面に切断された糸屑が残ってしまう。あるいは、上糸捕捉案内部材24を旋回させたときに、弛み部分Ybが切断されずに糸継装置21に案内され、弛み部分Ybと下糸Y1とが糸継処理されてしまう。すなわち、正常な糸継が行われなくなってしまう。
また、本実施の形態では、吸引された弛み部分Ybを第1通路部43から排出させるために、パッケージPの表面の糸端部Yaを捕捉する動作を行っている間、定期的に、モータ27を駆動して、上糸捕捉案内部材24を、サクションマウス31の先端部がパッケージPの表面に最も近づく位置と、この位置よりもパッケージPの表面から少し離れた位置との間で往復移動させている。このとき、吸引された弛み部分Ybが係止部45aに引っ掛かっていると、弛み部分Ybが第1通路部43から排出されなかったり、弛み部分Ybが切断されたりする虞がある。
ここで、弛み部分Ybが吸引口42から第1通路部43に吸引されると、図8に示すように、上糸Y2の、弛み部分Ybの巻出方向下流側に連なる部分が、アングルガイド52の先端部に接触する。したがって、弛み部分Ybが吸引口42から第1通路部43に吸引されたときに、上糸Y2の弛み部分Ybを含む部分は、パッケージPの表面からアングルガイド52の先端部を経て係止部45aに至る上糸経路に沿って、係止部45aに向かうことになる。
本実施の形態では、上述したようにL1<L2となっており、アングルガイド52の先端部が、板部材40の先端部よりも、パッケージP側に出っ張っているため、L1≧L2となっている場合よりも、上糸Y2の上糸経路の長さが長くなっている。ここで、L1≧L2となっている場合とは、例えば、アングルガイドが図8に一点鎖線で示すような形状となっている場合などである。そして、上糸経路の長さが長くなっていることにより、弛み部分Ybが吸引口42から第1通路部43に吸引されても、吸引された弛み部分Ybが係止部45aに到達しにくい。
なお、ここでは、弛み部分Ybが吸引された場合について説明したが、上糸Y2の糸端部Ya以外の他の部分が吸引された場合にも同様である。
また、本実施の形態では、アングルガイド52の先端部が、板部材40の先端部よりもパッケージPの表面に近い位置に位置しているため、パッケージPが巻出方向に回転して糸端部Yaが巻出方向の上流側からアングルガイド52に近づくと、図9に示すように、糸端部Yaは、アングルガイド52の先端部における第1通路部43側の面52cに接触する。面52cには、サンドペーパー54が貼り付けられているため、糸端部Yaが面52cに接触すると、糸端部Yaは、サンドペーパー54との摩擦力により、アングルガイド52に留められる。
また、このとき、サンドペーパー54が、アングルガイド52の、第1通路部43側の面52cと、パッケージPとの対向面52bとにまたがって延びているため、アングルガイド52の先端部に糸端部Yaが接触したときに、糸端部Yaが高確率でサンドペーパーに接触し、より確実にアングルガイド52に留められる。
さらに、本実施の形態では、サンドペーパー54が、アングルガイド52の先端部の対向面52b、及び、第1通路部43側の面52cに加えて、アングルガイド52の第1通路部43と反対側の面52dにもまたがって設けられているため、糸端部Yaが暴れて、糸端部Yaがアングルガイド52の第1通路部43と反対側の面52dに接触したときにも、糸端部Yaがアングルガイド52に留められることになる。これにより、糸端部Yaがアングルガイド52に留められる可能性がより高くなる。
そして、糸端部Yaがアングルガイド52に留められた状態で、パッケージPが巻出方向に回転すると、パッケージPの表面に貼り付いていた糸Yの糸端部Yaに連なる部分がパッケージPの表面から引きはがされる。そして、パッケージPが巻出方向にさらに回転すると、糸端部Yaにおける張力が大きくなり、糸端部Yaがアングルガイド52から離脱する。これにより、この後、パッケージPがさらに巻出方向に回転し、糸端部Yaが、巻出方向の上流側から吸引口42に近づいたときに、一度引きはがされた状態の糸端部YaをパッケージPの表面から吸引することが可能となり、糸端部Yaの捕捉成功率が上がる。
なお、ここでは、糸端部Yaがサンドペーパー54に接触する場合について説明したが、弛み部分Ybがサンドペーパー54に接触した場合であっても、上述したのと同様、パッケージPに巻き付けられた糸Yの弛み部分Ybに連なる部分がパッケージPの表面から引きはがされ、糸端部Yaの捕捉成功率が上がる。また、弛み部分に連なる部分を引きはがすことができなかった場合には、弛み部分Ybがアングルガイド52から離脱するため、糸が切断されたり、弛み部分Ybが糸継装置に案内されたりすることがない。
また、本実施の形態では、サンドペーパー54が、アングルガイド52の先端部に、吸引口42の幅方向の全長にわたって延びているため、糸端部Yaや弛み部分Ybが、パッケージPの表面のどの部分にあっても、糸端部Yaや弛み部分Ybをサンドペーパー54に接触させることができる。
また、本実施の形態では、アングルガイド52の先端部の表面にサンドペーパー54を貼り付けることにより、容易に、アングルガイド52の先端部の表面に、第1通路部43の通路壁面よりも摩擦抵抗が大きい抵抗部を形成することができる。
また、本実施の形態では、サクションマウス31が、筒状のサクションマウス本体51にアングルガイド52が取り付けられた構成となっているため、アングルガイド52をサクションマウス本体51に取り付ける際に、サクションマウス本体51とアングルガイド52との位置関係を調整することにより、サクションマウス31を、容易に、先端部において、巻出方向の上流側の端部が下流側の端部よりもパッケージPの表面から離れたものとすることができる。
また、本実施の形態では、上述したように、板部材45及びアングルガイド52が、サクションマウス本体51(板部材41)に対して、図6の左右方向に移動可能となっている。これにより、パッケージPに巻き付けられている糸Yの糸種などに応じて、板部材45及びアングルガイド52のサクションマウス本体51に対する位置を変えて、距離L1、L3を調整することができる。
例えば、パッケージPに巻き付けられている糸Yの糸種が、吸引口42から吸引されにくいものである場合に、板部材45(係止部45a)をパッケージPの表面に近づける(距離L3を小さくする)。これにより、吸引された糸端部Yaを係止部45aに引っ掛かりやすくなり、糸端部Yaの捕捉成功率を高くすることができる。
あるいは、パッケージPに巻き付けられている糸Yの糸種が、吸引口42から吸引されにくいものである場合に、アングルガイド52の先端部をパッケージPの表面に近づける(距離L1を小さくする)。これにより、糸端部Yaや弛み部分Ybが、サンドペーパー54が貼り付けられたアングルガイド52の先端部に接触しやすくなり、パッケージPから糸Y2が引きはがされる確率が高くなる。そして、その結果、糸端部Yaの捕捉成功率を高くすることができる。
一方、パッケージPに巻き付けられている糸Yの糸種が、吸引口42から吸引されやすいものである場合に、板部材45(係止部45a)をパッケージPの表面から遠ざける(距離L3を大きくする)とともに、アングルガイド52の先端部をパッケージPの表面に近づける(距離L1を小さくする)。これにより、アングルガイド52の先端部の係止部45aとの距離が大きくなることで、パッケージPの表面からアングルガイド52の先端部を経て係止部45aに至る上糸経路の長さが長くなり、弛み部分Ybを係止部45aに到達しにくくすることができる。
また、本実施の形態では、係止部45aが設けられた板部材45が、アングルガイド52とともに、ボルト53によって板部材41の上面に固定されたものあるので、サクションマウス31の組み立てを容易に行うことができる。また、板部材45及びアングルガイド52が、ともに板部材41の上面に取り付けられているのに対して、上述したように、アングルガイド52が鈍角に屈曲され、板部材45が鋭角に屈曲されているので、アングルガイド52の先端部と係止部45aとを十分に離すことができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上述の実施の形態では、貫通孔45b、51aの両方が長孔であって、ボルト53を緩めた状態で、係止部45aが設けられた板部材45、及び、アングルガイド52の両方が、サクションマウス本体51に対して移動可能となっていたが、これには限られない。例えば、貫通孔45b、51aのいずれか一方が長孔となっており、他方がボルト53とほぼ同じ径の円形の孔となっていることにより、ボルト53を緩めた状態で、板部材45及びアングルガイド52のいずれか一方のみが、サクションマウス本体51に対して移動整可能となっていてもよい。あるいは、貫通孔45b、51aのいずれもがボルトとほぼ同じ径の円形の孔となっていることにより、ボルト53を緩めても、板部材45及びアングルガイド52のいずれもが、サクションマウス本体51に対して移動できないようになっていてもよい。
また、上述の実施の形態では、板部材45及びアングルガイド52が、ボルト53によって板部材41に取り付けられているのに対して、貫通孔45b、51aが長孔となっていることで、ボルト53を緩めた状態で、板部材45及びアングルガイド52が、サクションマウス本体51に対して移動可能となっていたが、これには限られない。板部材45やアングルガイド52は、これとは別の構成によって、サクションマウス本体51に対して移動可能となっていてもよい。
また、上述の実施の形態では、係止部45aが設けられた板部材45が、アングルガイド52とともに板部材41の上面に取り付けられ、板部材41が途中部分において鋭角に屈曲されていたが、これには限られない。板部材45は、途中部分において直角、あるいは鋭角に屈曲されていてもよい。この場合でも、例えば、上述の実施の形態よりも、板部材45をパッケージPと反対側(図6の右側)に位置させ、アングルガイド52をパッケージP側(図6の左側)に位置させれば、アングルガイド52の先端部と、係止部45aとの距離を大きくすることができる。
また、係止部45aが設けられた部材は、板部材41の側面や下面、あるいは、板部材40など、アングルガイド52が取り付けられているのと異なる部分に取り付けられていてもよい。この場合には、係止部45aが設けられる部材は鋭角に屈曲された板状の部材であることに限られず、取り付けられる場所に応じた形状の部材とすればよい。
また、このとき、係止部45aが第1通路部43の巻出方向の下流側に設けられることにも限られない。係止部45aは、第1通路部43の巻出方向の上流側に設けられていてもよい。
また、上述の実施の形態では、アングルガイド52が途中部分で屈曲されていたが、これには限られない。一変形例(変形例1)では、図10に示すように、アングルガイド61が、途中部分において屈曲されていない板状の部材となっている。そして、アングルガイド61の先端部とパッケージPの表面との距離をL4として、L4<L2<L3となっている。この場合でも、アングルガイド61の先端部が、パッケージPの表面側に出っ張っているため、吸引された弛み部分Ybが通る、パッケージPの表面からアングルガイド61を経て係止部45aに至る経路の長さが長くなる。したがって、弛み部分Ybが吸引口42から第1通路部43に吸引されたときに、弛み部分Ybが係止部45aに到達しにくくなる。
また、上述の実施の形態では、サンドペーパー54が、吸引口42の幅方向の全長にわたって延びていたが、これには限られない。例えば、サンドペーパー54は、アングルガイド52の先端部の、吸引口42の幅方向の一部分に対応する部分にのみ配置されていてもよい。
また、上述の実施の形態では、サンドペーパー54が、アングルガイド52の先端部のパッケージPとの対向面52bを経由して、アングルガイド52の第1通路部43側の面52cと、第1通路部43と反対側の面52dとにまたがって設けられていたが、これには限られない。
例えば、一変形例(変形例2)では、図11に示すように、サンドペーパー54が、アングルガイド52の先端部のパッケージPとの対向面52bと、アングルガイド52の第1通路部43側の面52cとにのみまたがって延びている。すなわち、サンドペーパー54は、第1通路部43と反対側の面52dには設けられていない。
さらに、別の一変形例(変形例3)では、図12に示すように、サンドペーパー54が、アングルガイド52の先端部の第1通路部43側の面52cにのみ設けられている。すなわち、サンドペーパー54は、アングルガイド52の先端部のパッケージPとの対向面52b、及び、第1通路部43と反対側の面52dには設けられていない。
これらの場合でも、上述の実施の形態と同様、糸端部Yaは、巻出方向の上流側からアングルガイド52に近づいたときに、サンドペーパー54が貼り付けられた面52cや対向面52bに接触することにより、アングルガイド52に留められる。そして、この状態でパッケージPが巻出方向に回転することにより、パッケージPから糸Y2の糸端部Yaに連なる部分から引きはがされる。
また、上述の実施の形態では、アングルガイド52の先端部にサンドペーパー54が貼り付けられることによって、アングルガイド52の先端部の表面が、第1通路部43の通路壁面よりも摩擦抵抗が大きい抵抗部となっていたが、これには限られない。例えば、アングルガイド52の先端部の表面に光化学エッチング処理を施して、アングルガイド52の先端部の表面をエッチング処理面とすることで、アングルガイド52の先端部の表面を抵抗部としてもよい。あるいは、アングルガイド52の先端部の表面にブラスト処理を施して、アングルガイド52の先端部の表面をブラスト処理面とすることで、アングルガイド52の先端部の表面を抵抗部としてもよい。
さらには、アングルガイド52の先端部の表面に、第1通路部43よりも摩擦抵抗が大きい抵抗部が設けられておらず、アングルガイド52の先端部の表面全体の摩擦抵抗が、第1通路部43の通路壁面の摩擦抵抗と同程度となっていてもよい。
また、上述の実施の形態では、サクションマウス31が、筒状のサクションマウス本体51に、アングルガイド52が取り付けられたものとなっていたが、これには限られない。サクションマウス31は、サクションマウス本体51に対応する部分と、アングルガイド52に対応する部分とが一体的に形成されたものであってもよい。
1 自動ワインダ
2 巻取ユニット
8 給糸ボビン
11 給糸部
13 巻取部
21 糸継装置
24 上糸捕捉案内部材
27 モータ
31 サクションマウス
42 吸引口
43 第1通路部
44 第2通路部
45 板部材
45a 係止部
46 案内溝
50 吸引源
51 サクションマウス本体
52 アングルガイド
52b 対向面
53c、53d 面
54 サンドペーパー
P パッケージ
Y 糸
Ya 糸端部

Claims (10)

  1. 巻取方向に回転して糸を巻き取ることによって形成されたパッケージから糸端部を吸引して捕捉する糸端捕捉装置であって、
    前記糸端部を吸引して捕捉する際に前記パッケージと対向する先端部において開口した吸引口を有する空気通路が形成された吸引捕捉部材と、
    前記空気通路に設けられ、吸引された糸端部を係止するための係止部とを備え、
    糸端部を吸引して捕捉する際に、
    前記吸引捕捉部材の前記先端部における、前記巻取方向と逆の回転方向である巻出方向の上流側に位置する上流側辺部が、前記巻出方向の下流側に位置する下流側辺部よりも、前記パッケージの表面から離れ、
    前記係止部が、前記上流側辺部よりも前記パッケージ表面から離れていることを特徴とする糸端捕捉装置。
  2. 前記係止部が、前記空気通路を形成する通路壁面のうち、前記巻出方向の下流側の通路壁面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の糸端捕捉装置。
  3. 前記吸引捕捉部材の前記下流側辺部の表面の少なくとも一部分に、前記空気通路の通路壁面よりも摩擦抵抗が大きい抵抗部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の糸端捕捉装置。
  4. 前記抵抗部が、前記下流側辺部の前記パッケージの軸方向における全長にわたって延びていることを特徴とする請求項3に記載の糸端捕捉装置。
  5. 前記抵抗部は、前記下流側辺部の表面に貼り付けられたサンドペーパーであることを特徴とする請求項3又は4に記載の糸端捕捉装置。
  6. 前記吸引捕捉部材は、
    前記空気通路及び前記上流側辺部を形成する筒状の本体と、
    前記吸引口よりも前記パッケージ側に延出するように、前記本体に取り付けられて、前記下流側辺部を形成する第1板状部材と、を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の糸端捕捉装置。
  7. 前記第1板状部材が、前記本体に対して、前記吸引口からの延出量が変更されるような所定の一方向に方向に移動可能となっていることで、前記糸端部を吸引して捕捉する際の、前記下流側辺部と前記パッケージの表面との距離が調整可能となっていることを特徴とする請求項6に記載の糸端捕捉装置。
  8. 前記第1板状部材は、
    前記本体の、前記巻出方向の下流側の端部に取り付けられ、
    前記本体に取り付けられた部分よりも前記吸引捕捉部材の先端側の部分において、前記上流側辺部に向かう方向に鈍角に屈曲されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の糸端捕捉装置。
  9. 前記係止部が設けられ、第1板状部材とともに前記本体の前記巻出方向の下流側の端部に取り付けられた第2板状部材をさらに備え、
    前記第2板状部材は、前記本体に取り付けられた部分よりも前記吸引捕捉部材の先端側の部分において、前記上流側辺部に向かう方向に鋭角に屈曲され、
    前記係止部は、前記第2板状部材の前記先端側の部分に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の糸端捕捉装置。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の糸端捕捉装置と、
    給糸部と、
    前記給糸部の糸を所定の巻取方向に巻取ってパッケージを形成する巻取部と、
    前記給糸部と前記巻取部との間に配置され、前記給糸部側の糸端部と前記巻取部側の糸端部を繋ぐ糸継部と、
    前記給糸部側の糸端部を前記糸継部に案内する、糸端案内手段と、を備え、
    前記糸端捕捉装置は、前記巻取部側の糸端部を前記糸継部に案内することを特徴とする糸巻取装置。
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