JP2015044241A - シャー速度設定装置、ローリングカットシャー、シャー速度設定方法、および鋼板の剪断方法 - Google Patents

シャー速度設定装置、ローリングカットシャー、シャー速度設定方法、および鋼板の剪断方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ローリングカットシャーの剪断能率を低下させることなく確実に鋼板搬送時間を確保すること。
【解決手段】シャー速度設定装置5は、上刃を吊持するクランクが所定の移動円周上を周回し、この周回に伴って上刃が下刃上方の垂直面内で揺動することで鋼板を剪断するローリングカットシャーのシャー速度を設定する。このシャー速度設定装置5において、剪断中移動角度特定部571は、鋼板の板厚をもとに上刃が鋼板と接触してから非接触となるまでのクランクの移動円周上の移動角度を特定する。シャー速度最適化処理部573は、特定した移動角度と、鋼板の搬送に要する鋼板搬送時間と、シャー速度の加減速レートとをもとに、クランクが移動円周上を1回周回する時間として予め規定される規定時間内に鋼板搬送時間が収まる鋼板剪断中のシャー速度および鋼板搬送中のシャー速度を設定する。
【選択図】図9

Description

本発明は、ローリングカットシャーのシャー速度を設定するシャー速度設定装置、このシャー速度設定装置を備えるローリンカットシャー、シャー速度設定方法、およびこのシャー速度設定方法によりローリングカットシャーのシャー速度を設定する鋼板の剪断方法に関する。
鋼板を長手方向に剪断し、製品巾出しを行う剪断設備として、ローリングカット方式のシャー(ローリングカットシャー)と搬送テーブルとで構成されるローリングカット方式剪断設備が知られている。ローリングカットシャーは、上刃を吊持するクランクが所定の移動円周上を周回し、上刃を下刃上方の垂直面内で揺動させることで鋼板を剪断するものであり、クランクが移動円周上を1回周回するシャー1サイクル毎に、上刃と鋼板との接触中に行う鋼板の剪断と非接触中に行う下刃上での鋼板の搬送とを繰り返し、鋼板を連続的に剪断している。
このようなローリングカットシャーの剪断能率を向上させるための技術として、例えば特許文献1の技術が知られている。すなわち、特許文献1では、剪断機刃が板に接触する間(鋼板剪断中)の剪断機刃速度を定常運転速度よりも高くする一方、剪断機刃が板と接触しない間(鋼板搬送中)は剪断機刃速度を定常運転速度よりも低くするようにし、搬送機械の責務の低減や生産能力の向上を図っている。
特開昭62−120907号公報
近年の厚板オーダーにおいては、鋼板の厚肉化が進んでいる。ここで、板厚の大きい鋼板を剪断する場合、上刃と鋼板とが接触してから非接触となるまでのクランクの移動円周上の移動角度が大きくなる。一方で、搬送テーブルによる鋼板の搬送能力には上限がある。このため、クランクの周回速度(シャー速度)が一定速度の場合、鋼板剪断中の時間(鋼板剪断時間)が長時間化してシャー1サイクル時間内に鋼板搬送時間を収めることができない場合があった。
ところで、特許文献1の技術を適用すれば、シャー1サイクル時間を維持しつつ、鋼板搬送時間を長くすることが可能となる。しかしながら、特許文献1の技術は、あくまでも鋼板搬送時間を長めに確保するためのものであり、板厚に応じたクランクの移動角度の変動を考慮したものではない。このため、特許文献1を適用したとしても、剪断対象の鋼板の板厚によっては、必ずしも鋼板搬送時間をシャー1サイクル内に収めることができないという問題があった。また、シャー速度を変更する場合、変更の前後でシャー速度が加減速中となるが、この間の時間を考慮するものではないため、上刃と鋼板とが非接触中の時間を適正に把握できない場合があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ローリングカットシャーの剪断能率を低下させることなく確実に鋼板搬送時間を確保することができるシャー速度設定装置、ローリングカットシャー、シャー速度設定方法、および鋼板の剪断方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるシャー速度設定装置は、直線状の下刃と、曲線状の上刃と、該上刃を吊持するクランクとを備え、前記クランクが所定の移動円周上を周回し、該周回に伴って前記上刃が前記下刃上方の垂直面内で揺動することで鋼板を剪断するローリングカットシャーのシャー速度を設定するシャー速度設定装置であって、前記ローリングカットシャーは、前記クランクが前記移動円周上を1回周回する間の前記上刃と前記鋼板との接触中に前記鋼板を剪断し、非接触中に前記鋼板を搬送して、連続的に鋼板の剪断を行い、前記鋼板の板厚をもとに前記上刃が前記鋼板と接触してから非接触となるまでの前記クランクの前記移動円周上の移動角度を特定する特定手段と、前記特定した移動角度と、前記鋼板の搬送に要する鋼板搬送時間と、前記シャー速度の加減速レートとをもとに、前記1回周回する時間として予め規定される規定時間内に前記鋼板搬送時間が収まる鋼板剪断中のシャー速度および鋼板搬送中のシャー速度を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかるローリングカットシャーは、本発明にかかるシャー速度設定装置を備えることを特徴とする。
また、本発明にかかるシャー速度設定方法は、直線状の下刃と、曲線状の上刃と、該上刃を吊持するクランクとを備え、前記クランクが所定の移動円周上を周回し、該周回に伴って前記上刃が前記下刃上方の垂直面内で揺動することで鋼板を剪断するローリングカットシャーのシャー速度を設定するシャー速度設定方法であって、前記ローリングカットシャーは、前記クランクが前記移動円周上を1回周回する間の前記上刃と前記鋼板との接触中に前記鋼板を剪断し、非接触中に前記鋼板を搬送して、連続的に鋼板の剪断を行い、前記鋼板の板厚をもとに前記上刃が前記鋼板と接触してから非接触となるまでの前記クランクの前記移動円周上の移動角度を特定するステップと、前記特定した移動角度と、前記鋼板の搬送に要する鋼板搬送時間と、前記シャー速度の加減速レートとをもとに、前記1回周回する時間として予め規定される規定時間内に前記鋼板搬送時間が収まる鋼板剪断中のシャー速度および鋼板搬送中のシャー速度を設定するステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる鋼板の剪断方法は、本発明にかかるシャー速度設定方法によりローリングカットシャーのシャー速度を設定するステップを含むことを特徴とする。
本発明によれば、ローリングカットシャーの剪断能率を低下させることなく確実に鋼板搬送時間を確保することができる。
図1は、ローリングカットシャーを示す模式図である。 図2は、ローリングカットシャーの1回の剪断動作の流れを説明する図である。 図3−1は、一般強度材を剪断する際の上刃の板接触角度および板抜け角度の一例を移動円周上で示す図である。 図3−2は、図3−1の上刃の板接触角度および板抜け角度の数値例を示す図である。 図4−1は、高強度材を剪断する際の上刃の板接触角度および板抜け角度の一例を移動円周上で示す図である。 図4−2は、図4−1の上刃の板接触角度および板抜け角度の数値例を示す図である。 図5は、従来板厚材を剪断する際のシャー1サイクルにおけるシャー速度および鋼板搬送速度の一例を示す図である。 図6は、厚肉材を剪断する際のシャー1サイクルにおけるシャー速度および鋼板搬送速度の一例を示す図である。 図7は、厚肉材を剪断する際のシャー1サイクルにおけるシャー速度および鋼板搬送速度の他の例を示す図である。 図8は、厚肉材を剪断する際のシャー1サイクルにおけるシャー速度および鋼板搬送速度の他の例を示す図である。 図9は、シャー速度設定装置の構成例を示すブロック図である。 図10は、シャー速度設定装置が行うシャー速度設定処理を説明する図である。 図11は、シャー速度設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明のシャー速度設定装置、ローリングカットシャー、シャー速度設定方法、および鋼板の剪断方法を実施するための形態について説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
図1は、本実施の形態のシャー速度設定装置5(図9を参照)が適用されるローリングカット方式剪断設備のローリングカットシャー1を示す模式図である。また、図2は、ローリングカットシャー1の1回の剪断動作の流れを説明する図である。
図1に示すローリングカットシャー1は、ハウジング等に固定された直線状の下刃11の上方で曲線状の上刃13が揺動することにより、搬送テーブル3によって図1中に矢印Z1で示す右の入側から左の出側へと搬送される剪断対象の鋼板Sをその長手方向に沿って剪断する。
このローリングカットシャー1において、上刃13は、左右一対のクランク15,15の一端部に取り付けられて吊持されている。また、上刃13は、その長手方向の両端部が規制部材17,17を介してハウジング等に支持されており、この規制部材17,17によって上刃13の揺動が上刃13上方の垂直面内に規制される。
一方、クランク15,15の上方に配設された駆動モータ19の駆動軸には主動歯車21が連結されており、この主動歯車21に噛み合う左右2つの従動歯車23,23の側面外周部において、対応するクランク15,15の他端部が回転自在に連結されている。そして、クランク15,15は、各々の他端部が従動歯車23,23の回転とともに図1中に一点鎖線で示す移動円周Y1に沿って回動することで移動円周Y1上を周回する。
以上のような構成のローリングカットシャー1において、例えば、駆動モータ19の駆動によって主動歯車21は図1中時計回りに回転し、これに連動して従動歯車23,23は図1中反時計回りに回転する。そして、従動歯車23,23の回転力がクランク15,15を通じて上刃13を揺動させる力として伝達される。より詳細には、各クランク15,15の他端部には予め個別に初期位置が設定されており、ローリングカットシャー1は、各クランク15,15が他端部の起点を各々の初期位置として移動円周Y1上を1回周回し、上刃13を揺動させることで図2に示す1回の剪断動作を行う。
すなわち、図2(a)に示すように、各クランク15,15の他端部の各々が初期位置に位置付けられた初期状態の上刃13は、下刃11から離れて上方に退避する。なお、図2中では図示していないが、このときの上刃13の高さは、搬送テーブル3によって搬送される剪断対象の鋼板Sとも接触しない高さとされる。
そして、上刃13は、前述の初期状態から各クランク15,15が移動円周Y1上を1回周回する過程で左端が次第に下降し、所定角度(上刃13の板接触角度)まで移動すると鋼板Sと接触し、その後下刃11とも接触する(図2(b))。これにより、鋼板Sの剪断が開始される。そして、クランク15,15がさらに移動を続けることで上刃13の左端が上昇する一方、右端が次第に下降して下刃11と接近する(図2(c)→図2(d))。この間、上刃13と鋼板Sとの接触位置は、上刃13の左端側から右端側へと随時移動していく。
最終的には、上刃13の右端が下刃11と接触し(図2(e))、その後右端が上昇してクランク15,15の他端部が所定角度(上刃13の板抜け角度)まで移動すると、上刃13と鋼板Sとが非接触状態となり、図2(a)に示す初期状態に戻る。
ここで、ローリングカットシャー1は、以上説明したようにクランク15,15が移動円周Y1上を1回周回する間(シャー1サイクル)において、上刃13と鋼板Sとの接触中(鋼板剪断中)に鋼板Sを剪断し、非接触中に鋼板Sの搬送を行う。すなわち、ローリングカットシャー1は、シャー1サイクル毎に鋼板Sの剪断と搬送とを繰り返すことで連続的な鋼板Sの剪断を実現している。
ところで、鋼板の板厚が大きいほど、シャー1サイクルにおいて鋼板剪断中の占める割合は高くなる。図3−1は、従来の操業において主に剪断対象としていた一般的な強度の鋼板(以下、「一般強度材」と呼ぶ。)S11〜S16を剪断する際の上刃13の板接触角度XI11〜XI16および板抜け角度XO11〜XO16の一例を移動円周Y1上で示す図であり、図3−2において上刃13の板接触角度XI11〜XI16および板抜け角度XO11〜XO16の数値を例示している。一方、図4−1は、一般強度材よりも高強度の鋼板(以下、「高強度材」と呼ぶ。)S21〜S26を高強度材用に形状変更された刃を用いて剪断する際の上刃13の板接触角度XI21〜XI26および板抜け角度XO21〜XO26の一例を移動円周Y1上で示す図であり、図4−2において上刃13の板接触角度XI21〜XI26および板抜け角度XO21〜XO26の数値を例示している。
図3−1,2および図4−1,2に示すように、鋼板の板厚が厚くなると、上刃13の板接触角度から板抜け角度までのクランク15,15の移動円周Y1上の移動角度が大きい。したがって、クランク15,15の周回速度(シャー速度)を一定速度とする前提では、鋼板剪断時間は板厚が厚い場合に長くなる。このように、板厚が厚い鋼板の剪断に際しては、従来の操業において主に剪断対象としていた中程度以下の板厚の鋼板(以下、従来板厚材と呼ぶ。)を剪断する際と同じシャー1サイクルの時間(クランク15,15が移動円周Y1上を1回周回するのに要する時間として予め規定される規定時間:シャー1サイクル時間)では、鋼板を搬送するために必要な時間(鋼板搬送時間)が確保できない事態が生じ得る。
図5は、従来板厚材を剪断する際のシャー1サイクルにおけるシャー速度および鋼板搬送速度の一例を示す図である。また、図6〜図8は、従来板厚材よりも板厚の大きい鋼板(以下、「厚肉材」と呼ぶ。)を剪断する際のシャー1サイクルにおけるシャー速度および鋼板搬送速度の一例を示す図である。
例えば、シャー1サイクル時間が2[sec]、シャー速度が30[rpm]、鋼板搬送速度が2[m/sec]であったとする。ここで、上刃13の板接触角度および板抜け角度は板厚によって定めることができ、これら上刃13の板接触角度および板抜け角度とシャー速度とから鋼板剪断時間が求まる。そして、鋼板搬送時間は、シャー1サイクル時間から鋼板剪断時間を差し引いた時間となる。
図5に示す従来板厚材の場合では、シャー1サイクル時間内に鋼板の剪断と搬送とが可能となっている。これに対し、図6に示す厚肉材の場合では、鋼板剪断時間が長いため、図6中に一点鎖線で示すように鋼板剪断時間と一部ラップしている。すなわち、この場合、2[sec]のシャー1サイクル時間では鋼板搬送時間が確保できず、そのままローリングカットシャー1の操業を続けると鋼板搬送中に剪断を開始してしまい、設備の破損を招く。
ところで、ローリングカットシャー1は、クランク15,15を連続的に周回させて停止はさせないで操業すること等が運用上要求されているが、シャー1サイクル時間は、厚肉材の場合でも薄肉材の場合のシャー1サイクル時間を維持することが望まれている。また、鋼板搬送速度については、鋼板剪断時間を確保するために最大速度に設定されている場合が一般的であり、図5や図6に例示した従来板厚材で採用していた鋼板搬送速度以上に加速することが困難な場合が多い。
このため、例えば、図7に示すように、シャー1サイクル時間を長くするとともに、適宜鋼板搬送中のシャー速度を小さくすれば、鋼板搬送時間を確保することができる。これによれば、設備破損の問題は解消するが、シャー1サイクル時間を長くするため剪断能率が低下する。
これに対し、図8に示すように、鋼板剪断中のシャー速度を大きくして鋼板剪断時間を短くし、加えて鋼板搬送中のシャー速度を小さくすれば、シャー1サイクル時間を長くしなくても鋼板搬送時間を確保することができる。そこで、本実施の形態のシャー速度設定装置5は、シャー1サイクル時間を従来の規定時間に維持しつつ鋼板を剪断し搬送するための鋼板剪断中および鋼板搬送中の最適なシャー速度を算出する。
図9は、本実施の形態のシャー速度設定装置5の構成例を示すブロック図である。このシャー速度設定装置5は、例えばワークステーションやパソコン等の汎用コンピュータを用いて実現され、シャー速度を設定するための処理(シャー速度設定処理)を行う。図9に示すように、シャー速度設定装置5は、主な機能部として、入力部51と、出力部53と、記録部55と、処理部57とを含む。
入力部51は、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、各種スイッチ等の入力装置によって実現されるものであり、操作入力に応じた入力信号を処理部57に出力する。出力部53は、LCDやELディスプレイ、CRTディスプレイ等の表示装置によって実現されるものであり、処理部57から入力される表示信号に基づいて各種画面を表示する。なお、出力部53は、適宜プリンタやスピーカ等の出力装置を含む構成としてよい。
記録部55は、更新記録可能なフラッシュメモリ、内蔵あるいはデータ通信端子で接続されたハードディスク、メモリカード等の情報記録媒体およびその読み書き装置等によって実現され、用途に応じた記録装置を適宜採用して用いることができる。この記録部55には、シャー速度設定装置5を動作させ、このシャー速度設定装置5が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め保存され、あるいは処理の都度一時的に保存される。
処理部57は、CPU等で実現され、入力部51から入力される入力信号、記録部55に保存されるプログラムやデータ等に基づき、シャー速度設定装置5を構成する各部への指示やデータの転送等を行ってシャー速度設定装置5の動作を制御する。この処理部57は、特定手段としての剪断中移動角度特定部571と、設定手段としてのシャー速度最適化処理部573とを含む。
図10は、シャー速度設定装置5が行うシャー速度設定処理を説明する図であり、クランク15,15の移動円周Y1上で上刃13の板接触角度XIおよび板抜け角度XOを示している。
先ず、シャー1サイクルをクランク15,15の移動円周Y1上の移動角度A,B,Cによって表す。移動角度Aは、上記したように剪断対象の鋼板の板厚によって定まる上刃13の板接触角度XIから板抜け角度XOまでの移動角度(鋼板剪断中移動角度)である。一方、移動角度B,Cの合計角度が、上刃13と鋼板とが非接触中の移動角度となる。
ここで、本実施の形態では、鋼板剪断中と鋼板搬送中とで適宜シャー速度を可変に設定するため、鋼板剪断中の前後でシャー速度が加減速される。移動角度Cは、この加減速中に移動するクランク15,15の移動角度(速度加減速中移動角度)である。そして、移動角度Bは、シャー速度が鋼板搬送中のシャー速度となっている間にクランク15,15が移動する移動角度(鋼板搬送中移動角度)である。
図5等では、シャー1サイクル時間から鋼板剪断時間を差し引いた時間を鋼板搬送時間としたが、本シャー速度設定処理では、鋼板剪断時間と鋼板搬送時間との間の2回のシャー速度加減速中の時間(速度加減速時間)を考慮する。すなわち、シャー速度設定処理では、前述の移動角度A,B,Cを用いた次式(1)〜(4)を用いて、鋼板搬送時間が規定のシャー1サイクル時間内に収まり、鋼板剪断時間、鋼板搬送時間、および速度加減速時間の合計値が規定のシャー1サイクル時間と同じかそれ以下でなるべく近い値となるように鋼板剪断中および鋼板搬送中のシャー速度を最適化する。このとき、鋼板搬送時間については、鋼板を搬送するために最低限必要な時間を事前に定めておき、これを用いる。
Figure 2015044241
上記式(1)〜(4)において、VDは鋼板剪断中のシャー速度[°/sec]を表し、VTは鋼板搬送中のシャー速度[°/sec]を表し、T1は鋼板剪断時間[sec]を表し、T2は鋼板搬送時間[sec]を表す。また、αは、シャー加減速レート[°/sec2]を表し、予め設定される定数である。そして、T0は、シャー1サイクル時間[sec]を表す。
例えば、先ず、上記式(1)〜(4)を用い、シャー速度VD,VTを従来板厚材でのシャー速度(例えば、図5等に示した30[rpm])とした場合に上記式(4)を満たすか否かを判定する。そして、満たさない場合、すなわち、上記式(4)で求まるシャー1サイクル時間T0が規定時間を超過する場合は、鋼板剪断中のシャー速度VDを所定速度加速した値とする一方、鋼板搬送中のシャー速度VTを所定速度減速した値とした上で、再度上記式(4)を満たすか否かを判定する。そして、満たすと判定するまでこれを繰り返し行うことで鋼板剪断中および鋼板搬送中の最適なシャー速度VD,VTを設定する。
図11は、シャー速度設定装置5が行うシャー速度設定処理の処理手順を示すフローチャートである。シャー速度設定装置5は、図11の処理手順に従って処理を行うことでシャー速度設定方法を実施する。なお、ここで説明する処理は、シャー速度設定処理を実現するためのプログラムを記録部55に保存しておき、処理部57がこのプログラムを読み出して実行することで実現できる。
図11に示すように、シャー速度設定処理では、処理部57は、先ず、剪断対象の鋼板の板厚を取得する(ステップS1)。ここでの処理は、入力部51を介してオペレータによる入力操作を受け付けることで行ってもよいし、事前にローリングカットシャー1が剪断対象とする鋼板の板厚を記録部55に保存しておき、これを読み出す構成としてもよい。
続いて、剪断中移動角度特定部571が、ステップS1で取得した鋼板の板厚に従ってクランク15,15の鋼板剪断中移動角度を特定する(ステップS3)。ここでの処理は、板厚と上刃13の板接触角度および板抜け角度との対応関係を予め定義して記録部55に保存しておき、これを参照することで実現できる。
続いて、シャー速度最適化処理部573が、鋼板搬送時間が規定のシャー1サイクル時間内に収まるように上記式(1)〜(4)を用いて鋼板剪断中および鋼板搬送中の最適なシャー速度を設定する(ステップS5)。
以上のようにして設定された鋼板剪断中のシャー速度および鋼板搬送中のシャー速度は、実際に該当する鋼板をローリングカットシャー1において剪断対象とする際、駆動モータ19の駆動制御に用いられる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、剪断対象の鋼板の板厚が大きい場合であっても、鋼板剪断中のシャー速度を加速する一方、鋼板搬送中のシャー速度を減速する調整を行うことで、鋼板搬送時間が規定のシャー1サイクル時間内に収まるように鋼板剪断中および鋼板搬送中のシャー速度を最適化することができる。また、鋼板剪断中と鋼板搬送中とでシャー速度を変更する前後においてシャー速度が加減速中となる時間を考慮することができるので、上刃13と鋼板とが非接触となる時間を適正に把握できる。したがって、シャー1サイクル時間を長くすることなく確実に鋼板剪断時間を確保することができる。これによれば、鋼板搬送時間を確保するためにシャー1サイクル時間を長くする必要がなく、ローリングカットシャー1の剪断能率を維持することができる。
なお、上記した実施の形態では、シャー1サイクル時間が規定時間になるべく近づくように鋼板剪断中および鋼板搬送中のシャー速度を最適化する場合について説明したが、シャー1サイクル時間が規定時間以下となるように鋼板剪断中および鋼板搬送中のシャー速度を設定するようにしてもよい。これによれば、シャー1サイクル時間を最大限短縮できるシャー速度を設定することができ、ローリングカットシャー1の剪断能率を最大化することができる。また、鋼板搬送時間を最低限必要な時間よりも長い時間にして用い、鋼板剪断中および鋼板搬送中のシャー速度を設定するようにしてもよい。これによれば、鋼板搬送時間を十分に確保したローリングカットシャー1の操業が可能となる。
1 ローリングカットシャー
11 下刃
13 上刃
15 クランク
3 搬送テーブル
5 シャー速度設定装置
51 入力部
53 出力部
55 記録部
57 処理部
571 剪断中移動角度特定部
573 シャー速度最適化処理部
S 鋼板
Z1 搬送方向
Y1 移動円周

Claims (4)

  1. 直線状の下刃と、曲線状の上刃と、該上刃を吊持するクランクとを備え、前記クランクが所定の移動円周上を周回し、該周回に伴って前記上刃が前記下刃上方の垂直面内で揺動することで鋼板を剪断するローリングカットシャーのシャー速度を設定するシャー速度設定装置であって、
    前記ローリングカットシャーは、前記クランクが前記移動円周上を1回周回する間の前記上刃と前記鋼板との接触中に前記鋼板を剪断し、非接触中に前記鋼板を搬送して、連続的に鋼板の剪断を行い、
    前記鋼板の板厚をもとに前記上刃が前記鋼板と接触してから非接触となるまでの前記クランクの前記移動円周上の移動角度を特定する特定手段と、
    前記特定した移動角度と、前記鋼板の搬送に要する鋼板搬送時間と、前記シャー速度の加減速レートとをもとに、前記1回周回する時間として予め規定される規定時間内に前記鋼板搬送時間が収まる鋼板剪断中のシャー速度および鋼板搬送中のシャー速度を設定する設定手段と、
    を備えることを特徴とするシャー速度設定装置。
  2. 請求項1に記載のシャー速度設定装置を備えることを特徴とするローリングカットシャー。
  3. 直線状の下刃と、曲線状の上刃と、該上刃を吊持するクランクとを備え、前記クランクが所定の移動円周上を周回し、該周回に伴って前記上刃が前記下刃上方の垂直面内で揺動することで鋼板を剪断するローリングカットシャーのシャー速度を設定するシャー速度設定方法であって、
    前記ローリングカットシャーは、前記クランクが前記移動円周上を1回周回する間の前記上刃と前記鋼板との接触中に前記鋼板を剪断し、非接触中に前記鋼板を搬送して、連続的に鋼板の剪断を行い、
    前記鋼板の板厚をもとに前記上刃が前記鋼板と接触してから非接触となるまでの前記クランクの前記移動円周上の移動角度を特定するステップと、
    前記特定した移動角度と、前記鋼板の搬送に要する鋼板搬送時間と、前記シャー速度の加減速レートとをもとに、前記1回周回する時間として予め規定される規定時間内に前記鋼板搬送時間が収まる鋼板剪断中のシャー速度および鋼板搬送中のシャー速度を設定するステップと、
    を含むことを特徴とするシャー速度設定方法。
  4. 請求項3に記載のシャー速度設定方法によりローリングカットシャーのシャー速度を設定するステップを含むことを特徴とする鋼板の剪断方法。
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