JP2015041259A - リスク計量システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】事故発生日時と損失金額を含む収集された事故データから所定の推定条件により選択された分布推定用事故データに対して、指定された確率分布関数及び指定されたパラメータ推定法を適用して事故件数分布と損失額分布を推定する分布推定手段を備えた処理装置を有するリスク計量システムにおいて、各推定分布の候補について、当該推定分布と前記分布推定用事故データとの当てはまり具合の評価のために、当該推定分布の累積分布逆関数の積分関数と、前記分布推定用事故データに基づいた損失額と一定損失額以下の累積事故件数の全事故件数に対する比率と一定損失額以下の累積損失額とにより表されるデータとをグラフに表示する推定分布評価手段を有する。
【選択図】図1
Description
また、損失額の対数値で表示することが広く行われているが、この場合では損失額のずれの比がグラフ上でのずれとして表示されるため、千円と2千円の損失のずれと、百万円と2百万円の損失のずれが、同一のずれとして表されてしまい、当てはまり具合のずれを損失額ベースで評価しにくくなるという問題がある。
また、推定分布の累積分布は損失額が無限大のときに確率1となることが多いため、当てはまり具合の評価に事故データの最高損失額を考慮することが困難であるという問題がある。
本発明の態様は、事故発生日時と損失金額を含む収集された事故データから所定の推定条件により選択された分布推定用事故データに対して、指定された確率分布関数及び指定されたパラメータ推定法を適用して事故件数分布と損失額分布を推定する分布推定手段と、
推定された前記事故件数分布と前記損失額分布に従う乱数を発生させて一定期間内に発生する損失総額を算出するシミュレーションを複数回実行するシミュレーション手段と、
前記シミュレーション手段によって得られた損失総額データにおける指定された分位点の損失総額を算出するリスク計量手段と、を備えた処理装置を有するリスク計量システムにおいて、前記処理装置は、
前記分布推定手段において事故件数分布と損失額分布を表す複数の確率分布関数及び複数のパラメータ推定法により推定された各推定分布の候補について、
当該推定分布と前記分布推定用事故データとの当てはまり具合の評価のために、当該推定分布の累積分布逆関数の積分関数と、前記分布推定用事故データに基づいた損失額と一定損失額以下の累積事故件数の全事故件数に対する比率と一定損失額以下の累積損失額とにより表されるデータとをグラフに表示する推定分布評価手段を有することを特徴とする。
前記分布推定用事故データについては、横軸を一定損失額以下の累積事故件数の全事故件数に対する比率とし、縦軸を累積損失額若しくはその対数値、又は累積損失額の損失総額に対する比率としたグラフを表示し、
前記推定分布の累積分布逆関数の積分関数については、横軸を確率とし、縦軸を前記積分関数の値若しくはその対数値、又は確率1のときの前記積分関数の値に対する比率としたグラフを表示し、
これらのグラフを並べて表示又は重ね合わせて表示することが、好適である。
事故データに対するグラフの横軸と、推定分布の累積分布逆関数の積分関数に対するグラフの横軸を1件当たりの事故の損失額として表示することが、好適である。
事故データと推定分布のそれぞれのグラフを重ね合わせたときの、横軸の変数を媒介変数として、事故データと推定分布のそれぞれのグラフ上での値の組を縦軸と横軸にとったグラフを表示することが、好適である。
図2(a)の事故データテーブル111は、発生した事故に関する情報を格納し、事故データを特定するためのIDとしての「項番」201、事故の「発生日時」202、事故によって発生した「損失額」203、「事故コード」204などを含む。事故コードには、例えば、発生した事故の業務種別やその原因などを識別する情報や、担当従業員のIDなど、リスクシナリオごとの推定を行う際に必要となる情報が含まれている。
まず、事故データテーブル111から分布推定用事故データテーブル112を生成する(ステップ301)。詳細は図4で説明する。
次に、ステップ301で生成された分布推定用事故データテーブル112に対して、各確率分布候補のパラメータを推定し、推定分布テーブル113を作成する(ステップ302)。詳細は図5で説明する。
次に、ステップ302で推定された推定分布テーブル113を用いて、リスク計量処理を実行する(ステップ303)。詳細は図6で説明する。
次に、出力処理を実行し(ステップ304)、処理を終了する。
まず、推定条件を入力する(ステップ401)。このとき、推定条件が予め設定されていればその条件を利用することができる。例えば、現在蓄積されている事故データから、過去5年分のデータをリスク計量に利用することが決まっていれば、条件の入力を省略することができる。
次に、各事故データの累積損失額を算出し、累積損失額209に格納する(ステップ406)。
次に、累積損失額209と事故データの損失総額との比率を算出し、累積損失比率210に格納する(ステップ407)。
ステップ408で算出する統計量には、検定統計量の有位水準ごとの値などを格納しておいてもよい。例えばコルモゴロフ・スミルノフ検定では、データ数によって基準が変化するため、このテーブルに有意水準1%や5%の検定統計量の値を格納することができる。
まず、事故件数分布の推定を行う(ステップ501)。ここでは、分布推定用事故データテーブル112の単位期間当たりの事故件数をもとに、指定された各理論分布と推定法に従って、分布のパラメータを推定する。推定結果は推定分布テーブル113に格納される。
ここでは、分布推定処理302で推定された各推定分布によるモンテカルロ・シミュレーションを実行し、リスク量を計量する。
次に、P[s]の損失額分布に従う乱数を、事故件数の個数だけ発生させ、L[i]に加算する(ステップ609)。次に、iに1を加えて(ステップ610)、ステップ607に戻る。
ステップ607で条件がNoなら、まず、配列Lを昇順にソートし(ステップ611)、VaRを算出する(ステップ612)。予め指定された分位点のVaRを算出する。補間してもよく、又は、配列Lをそのまま格納してもいい。
ステップ604での条件がNoなら、処理を終了する。
推定分布と事故データとの当てはまり具合を評価するためのグラフとしては、事故データについては昇順にソートされた損失額とその事故件数比率とをプロットし、そこに推定分布の累積分布関数グラフを対応させて表示するのが、一般的に利用されている方法である。推定分布に基づくグラフと事故データに基づくグラフは、これらを並べて又は重ねて表示することができる。
事故データに対するグラフの横軸と、推定分布の累積分布逆関数の積分関数に対するグラフの横軸を、1件当たりの事故の損失額として表示してもよい。
さらに、事故データと推定分布の横軸を媒介変数として、事故データと推定分布の値の組を縦軸と横軸にとったグラフをプロットすることが可能である。
102:出力装置
103:表示装置
104:処理装置
105:プログラム
106:推定用事故データ生成部
107:分布推定部
108:リスク計量部
109:出力処理部
110:DB
111:事故データテーブル
112:分布推定用事故データテーブル
113:推定分布テーブル
114:事故データ統計量テーブル
115:推定分布統計量テーブル
116:シミュレーション結果テーブル
Claims (4)
- 事故発生日時と損失金額を含む収集された事故データから所定の推定条件により選択された分布推定用事故データに対して、指定された確率分布関数及び指定されたパラメータ推定法を適用して事故件数分布と損失額分布を推定する分布推定手段と、
推定された前記事故件数分布と前記損失額分布に従う乱数を発生させて一定期間内に発生する損失総額を算出するシミュレーションを複数回実行するシミュレーション手段と、
前記シミュレーション手段によって得られた損失総額データにおける指定された分位点の損失総額を算出するリスク計量手段と、を備えた処理装置を有するリスク計量システムにおいて、前記処理装置は、
前記分布推定手段において事故件数分布と損失額分布を表す複数の確率分布関数及び複数のパラメータ推定法により推定された各推定分布の候補について、
当該推定分布と前記分布推定用事故データとの当てはまり具合の評価のために、当該推定分布の累積分布逆関数の積分関数と、前記分布推定用事故データに基づいた損失額と一定損失額以下の累積事故件数の全事故件数に対する比率と一定損失額以下の累積損失額とにより表されるデータとをグラフに表示する推定分布評価手段を有することを特徴とする
リスク計量システム。 - 前記推定分布評価手段において、
前記分布推定用事故データについては、横軸を一定損失額以下の累積事故件数の全事故件数に対する比率とし、縦軸を累積損失額若しくはその対数値、又は累積損失額の損失総額に対する比率としたグラフを表示し、
前記推定分布の累積分布逆関数の積分関数については、横軸を確率とし、縦軸を前記積分関数の値若しくはその対数値、又は確率1のときの前記積分関数の値に対する比率としたグラフを表示し、
これらのグラフを並べて表示又は重ね合わせて表示することを特徴とする
請求項1に記載のリスク計量システム。 - 前記推定分布評価手段において、
事故データに対するグラフの横軸と、推定分布の累積分布逆関数の積分関数に対するグラフの横軸を1件当たりの事故の損失額として表示することを特徴とする
請求項2に記載のリスク計量システム。 - 前記推定分布評価手段において、
事故データと推定分布のそれぞれのグラフを重ね合わせたときの、横軸の変数を媒介変数として、事故データと推定分布のそれぞれのグラフ上での値の組を縦軸と横軸にとったグラフを表示することを特徴とする
請求項2又は3に記載のリスク計量システム。
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