本発明では、金融機関が売掛債権を対象に提供している一括決済サービス(一括ファクタリング)を、電子記録債権を対象に実現することを目的とするものであるが、一括決済サービスとは、以下に説明するスキームによって、商品やサービス(納入の対象には、販売される物品だけでなく、提供されるサービスも含むものとする)を納入した納入者が、支払者からの商品又はサービスの代金の支払いを待たずに、売掛債権を金融機関に譲渡することによって、早期に現金化することを可能にするものである。
図1は、一括決済サービスの一般的なスキームを示したものであるが、納入企業Bが支払企業Aにモノやサービスを提供することによって発生した売掛債権を対象に一括決済サービスを利用することを、支払企業A、納入企業B、売掛債権を買い取る買取金融機関Cの三者間で契約する。この契約に基づいて、支払企業Aは一括決済サービスの対象となる売掛債権によって発生する支払いの支払データを買取金融機関Cに提供し、買取金融機関Cはその支払データによる支払金額等を納入企業Bに通知する(1)。納入企業Bが速やかに現金化したい売掛債権について買取金融機関Cに割引を依頼すると、売掛債権は納入企業Bから買取金融機関Cに譲渡され、買取金融機関Cから債権額か期日までの利息を差し引いた割引代金が納入企業Bに支払われる(2)。その後に売掛債権の期日が到来し、支払企業Aから代金の支払いがあると、新たに売掛債権の債権者となった買取金融機関Cへの支払いとして処理される(3)。
尚、このスキームでは、支払企業Aの支払能力に対する信用を背景にして、買取金融機関Cが売掛債権を買い取るものであるため、買取金融機関Cが支払企業Aに対する与信判断を行うことが前提になっている。
こうした一括決済サービスを、電子記録債権を対象にして実現しようとした場合に、電子債権記録機関として「でんさいネット」(登録商標)を活用することを前提にすると、図2に示したようなスキームになることが考えられる。「でんさいネット」(登録商標)への電子記録債権の発生記録や譲渡記録の請求は窓口金融機関を通じて行われるが(非特許文献2の8p.参照)、全国にあるほとんどの金融機関を窓口金融機関として利用することが可能であるため(非特許文献2の11p.参照)、支払企業A、納入企業B、買取金融機関Cは、それぞれ自らの取引金融機関であるX、X、Zを窓口金融機関として利用することを希望するはずである(尚、窓口金融機関Zについては、買取金融機関C自身、又は買取金融機関Cの関連企業となり、実質的に同一とみなせることが通常である)。
つまり、支払企業Aは対象となる債権によって発生する支払いの支払データを自らの取引金融機関である窓口金融機関Xに送信し、窓口金融機関Xを介して電子債権記録機関に発生記録を請求する。電子記録債権の発生記録が行われると、納入企業Bの取引金融機関である窓口金融機関Yを介して、電子記録債権の発生記録が行われたことが納入企業Bに通知される(1)。納入企業Bは速やかに現金化したい電子記録債権の割引依頼を自らの取引金融機関である窓口金融機関Yに送信し、窓口金融機関Yを介して電子債権記録機関に対象となる電子記録債権の譲渡記録を請求する。電子記録債権の譲渡記録が行われると、買取金融機関Cの取引金融機関である窓口金融機関Z(買取金融機関Cと同一となる場合もある)を介して、電子記録債権の譲渡記録が行われたことが買取金融機関Cに通知される(2)。
ところが、図2に示したスキームで一括決済サービスを提供しようとすると、次のような問題が生じることが想定される。第1に、電子記録債権を買い取る場合に、支払企業Aによる電子記録債権の支払いが確実であろうことに対して信用供与を行うのは買取金融機関C(通常は窓口金融機関Zと実質的に同一)であるが、支払企業Aに対する与信判断については、電子記録債権の利用を開始する際に窓口金融機関Xによって審査されることになるため(非特許文献2の12p.参照)、支払企業Aに対する与信判断を行う金融機関(窓口金融機関X)と信用供与を行う金融機関(買取金融機関C)の乖離が生じてしまうという問題である。こうした問題に対処すべく、支払企業Aの窓口金融機関Xと買取金融機関Cの窓口金融機関Zは、同じ金融機関であることが求められることになる。
第2に、納入企業Bは電子記録債権の割引依頼を自らの取引金融機関である窓口金融機関Yに対して行うが、窓口金融機関Yも金融機関として電子記録債権の割引(債権を期日までの利息を差し引いて買い取ること)が可能な機関であるため、例えば、買取金融機関Cの提案で支払企業Aと納入企業Bが一括決済サービスの利用に合意したとしても、電子記録債権の割引を窓口金融機関Yに行われてしまい、買取金融機関Cがこのスキームから除外されてしまうおそれが生じるという問題である。こうした問題に対処すべく、納入企業Bの窓口金融機関Yと買取金融機関Cの窓口金融機関Zは、同じ金融機関であることが求められることになる。
すなわち、支払企業A、納入企業B、買取金融機関Cが、いずれも窓口金融機関に買取金融機関C又は買取金融機関Cと関連のある金融機関を利用して、窓口金融機関を一元化することが求められることになるが、支払企業A、納入企業B、買取金融機関Cにはそれぞれの取引銀行があるため、このような制約を前提にすると、一括決済サービスを利用できる企業は極めて限られたものになってしまう。
この点について、特許文献2記載の発明では、電子記録債権の債務者(支払企業Aに対応)、電子記録債権の債権者(納入企業Bに対応)、電子記録債権を買い取るSPC(買取金融機関Cに対応)がいずれも同一の銀行システムにアクセスする、すなわち窓口金融機関として同一の銀行を利用することを前提にしているため、一括決済サービスを利用できる企業が極めて限られてしまうという本願発明の課題に対応することはできない。
また、特許文献2記載に発明では、一括ファクタリング(一括決済サービス)の対象となる債権の明細データのみを債務者端末から送信することが前提になっているが(特許文献2の段落0025等参照)、一括ファクタリング(一括決済サービス)の対象となる債権を仕訳ける作業を債務者側で行わなければならないため、サービスの利用者側に負担をかけてしまうという課題も生じることも考えられる。
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、取引金融機関の異なる当事者間でもサービスを利用しやすく、かつ利用者の負担軽減にも配慮した、電子記録債権を対象にした一括決済サービスの実現に資する電子記録債権の記録請求管理装置及び電子記録債権の記録請求管理方法を提供することを目的とするものである。
このような本発明の課題に対して、本発明の発明者は、一括決済サービスの利用契約に、対象となる債権の支払者、納入者、債権を買い取る買取者の他に、電子記録債権の発生記録や譲渡記録の請求に関する手続を代行する代行者を加え、発生記録と譲渡記録の請求を代行者という同一主体が行うことによって、支払者、納入者、買取者の取引金融機関の如何に関わらず、一の窓口取引金融機関によって電子記録債権を対象にした一括決済サービスを実現できるというスキームに想到した。このスキームを前提に、本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置において、代行者を含めた一括決済サービスの利用契約に関する情報を保持しておけば、支払者から受け取った支払データについて、利用契約の有無から一括決済サービスの対象になるかをサービスの提供者側で判断することによって、一括決済サービスの利用者の負担を軽減するとともに、利用契約における代行者を電子記録債権の債権者として発生記録を行うことによって、納入者の取引銀行を窓口金融機関とした納入者からの譲渡記録の請求を要することなく、一括決済サービスを実現することを可能にしている。
すなわち、本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段と、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記契約情報格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断手段と、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成手段と、を備えることを特徴とする電子記録債権の記録請求管理装置である。
本発明は、前記生成手段は、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものでないと判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの納入者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成することを特徴とすることもできる。
このように構成すると、一括決済サービスの対象とならない債権に基づく支払データについては、通常どおりに支払者を債務者、納入者を債権者とした電子記録債権の発生記録の請求を行うことができる。
本発明は、前記生成手段が生成した発生記録請求データは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者の窓口金融機関のコンピュータシステムに引き渡され、前記コンピュータシステムは、前記発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信することを特徴とすることもできる。又は、前記生成手段が生成した発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信する送信手段を備えることを特徴としてもよい。
本発明において、代行者と代行者の窓口金融機関は異なる主体となるため、前者のように、生成された発生記録請求データを窓口金融機関のコンピュータシステムに引き渡して、窓口金融機関のコンピュータシステムを介して電子債権記録機関のコンピュータシステムに発生記録を請求するように構成されることとなるが、代行者が代行者の窓口金融機関の関連企業等であり、コンピュータシステムを連携させて運用しているような場合には、後者のように、生成された発生記録請求データに基づいて、本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置から電子債権記録機関のコンピュータシステムに直接、発生記録を請求するように構成すればよい。
本発明は、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断手段は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成手段は、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が定期割引であると判断されると、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記一括決済サービスの利用契約における買取者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とすることもできる。
このように構成すると、一括決済サービスの利用契約に、発生記録がされた電子記録債権を直ちに買い取ることが定められている場合には、代行者から買取者への電子記録債権の譲渡記録もあわせて請求することが可能になり、電子記録債権の割引による資金調達を速やかに実現することが可能になる。
本発明は、前記生成手段は、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けた後に、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記一括決済サービスの利用契約における買取者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とすることもできる。また、前記生成手段は、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記支払データにおける支払期日を基準とする所定の期限が到来するまでに前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けていない場合は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記納入者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴としてもよい。
このように構成すると、一括決済サービスの利用契約に、発生記録がされた電子記録債権を直ちに買い取ることが定められていない場合には、納入者が希望するタイミングにあわせて代行者から買取者への電子記録債権の譲渡記録を請求して、電子記録債権の割引による資金調達を実現することや、納入者が所定の時期まで割引依頼を行わなかった場合は納入者への電子記録債権の譲渡記録を請求して、支払者から受け取る代金を納入者に支払うことが可能になる。
本発明は、前記生成手段が生成した譲渡記録請求データは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者の窓口金融機関のコンピュータシステムに引き渡され、前記コンピュータシステムは、前記譲渡記録請求データに基づく電子記録債権の譲渡記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信することを特徴とすることもできる。又は、前記生成手段が生成した譲渡記録請求データに基づく電子記録債権の譲渡記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信する送信手段を備えることを特徴としてもよい。
本発明において、代行者と代行者の窓口金融機関は異なる主体となるため、前者のように、生成された譲渡記録請求データを窓口金融機関のコンピュータシステムに引き渡して、窓口金融機関のコンピュータシステムを介して電子債権記録機関のコンピュータシステムに譲渡記録を請求するように構成されることとなるが、代行者が代行者の窓口金融機関の関連企業等であり、コンピュータシステムを連携させて運用しているような場合には、後者のように、生成された譲渡記録請求データに基づいて、本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置から電子債権記録機関のコンピュータシステムに直接、譲渡記録を請求するように構成すればよい。
本発明は、本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置によって実行される、電子記録債権の記録請求管理方法として特定することもできる。
本発明に係る電子記録債権の記録請求管理方法は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段を備えた電子記録債権の記録請求管理装置が、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付ステップと、前記記録請求管理装置が、前記受付ステップで受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記契約情報格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断ステップと、前記記録請求管理装置が、前記判断ステップで前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成ステップと、を有することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理方法である。
また、本発明は、先に説明した各々の構成に対応した本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置によって実行される電子記録債権の記録請求管理方法として特定することもできる。
本発明によると、取引金融機関の異なる当事者間において、いずれの当事者も新たな金融機関との取引を開始することなく、電子記録債権を対象にした一括決済サービスを利用することが可能になる。また、利用者には、電子記録債権の発生記録を請求する際に、一括決済サービスの対象となる債権を仕訳けるための作業負担が軽減され、電子記録債権を対象にした一括決済サービスの実現に資することが期待できる。
本発明を実施するための形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明は本発明の実施形態の一例を示したものであって、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
まず、図3を用いて、本発明の前提となる電子記録債権を対象にした一括決済サービスのスキームについて説明する。先に、発明が解決すべき課題において、図2を用いて説明したように、「でんさいネット」(登録商標)を利用して電子記録債権を対象にした一括決済サービスを提供しようとすると、支払企業A、納入企業B、買取金融機関Cは、それぞれ自らの取引金融機関であるX、X、Zを窓口金融機関として利用することを希望して、各々の窓口金融機関が異なる金融機関になってしまう。そのため、支払企業Aに対して与信判断を行う金融機関と信用供与を行う金融機関の乖離が生じる、一括決済サービスを提案した買取金融機関Cがこのスキームから除外されてしまうおそれがある、といった点が問題になると考えられる。こうした問題に対処するために、支払企業A、納入企業B、買取金融機関Cの窓口金融機関を一元化できるスキームが求められるところである。
そこで、本発明では、支払企業Aの電子記録債権の利用申請や発生記録に必要な手続と、納入企業Bの依頼に基づき電子記録債権の割引く際の電子記録債権の譲渡記録に必要な手続を代行する「代行者」という概念を導入し、図3に示したように、買取金融機関Cの窓口金融機関Z(通常は買取金融機関Cと実質的に同一)を代行者Dの窓口金融機関とすることによって、窓口金融機関を一元化した一括決済サービスのスキームを可能にした。支払企業Aや納入企業Bの取引対象は、窓口金融機関Zではなく代行者Dになるので、一括決済サービスを利用するために、新たな金融機関と口座開設等の取引を開始する必要は生じないことになる。
つまり、図3のスキームでは、支払企業Aが対象となる債権によって発生する支払いの支払データを代行者Dに送信すると、代行者Dは自らの取引金融機関である窓口金融機関Zを介して、電子債権記録機関に発生記録を請求する。電子記録債権の発生が記録されると、窓口金融機関Zを介して代行者Dから、電子記録債権の発生が記録されたことが、納入企業Bと支払企業Aに通知される(1)。納入企業Bが速やかに現金化したい電子記録債権の割引依頼を代行者Dに送信すると、代行者Dは自らの取引金融機関である窓口金融機関Zを介して、電子債権記録機関に譲渡記録を請求する。電子記録債権の譲渡が記録されると、窓口金融機関Zを介して代行者Dから、電子記録債権の譲渡が記録されたことが買取金融機関Cと納入企業Bに通知される(2)。以上のフローを基本とすることによって、支払企業Aと納入企業Bは、窓口金融機関Zとの取引がなくても、一括決済サービスを利用することが可能になる。
次に、図4を用いて、本発明の実施形態の概要について説明する。図4における代行者システムは、先に説明した支払企業の電子記録債権の利用申請や発生記録に必要な手続と、納入企業の依頼に基づき電子記録債権の割引く際の電子記録債権の譲渡記録に必要な手続を代行する、代行者が運用するコンピュータシステムであり、金融機関システムは「でんさいネット」(登録商標)の窓口金融機関が運用するコンピュータシステムである。通常、代行者システムが本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置に対応する構成となるが、代行者が代行者の窓口金融機関の関連企業等であり、コンピュータシステムを連携させて運用しているような場合には、一体として運用される代行者システムと金融機関システムが、本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置に対応することになる。
前提として、支払企業端末から支払データを送信する支払企業は、代行者システムを運用する代行者を通じてサービスの利用を申し込み、金融機関システムを運用する金融機関の審査、利用契約の締結を経て、電子記録債権に関するサービスの利用が可能になっている企業であることが必要である。その支払企業から、電子記録債権として管理したい支払いの支払明細を記録した支払データが、代行者システムに送信される。
代行者システムには、一括決済サービスの利用契約に関する契約情報を格納したデータベースが設けられていて、支払企業端末から支払データを受信すると、このデータベースを検索して、支払データから特定される債務者及び債権者の一括決済サービスの利用状況を確認し、債務者と債権者の組合せが一括決済サービスを利用者に該当する場合は、一括決済サービスの対象となる支払であると判断する。
一括決済サービスの対象でない支払いについては、支払データから特定されるとおり、支払いを行う支払企業を債務者、支払いの対象となる商品等を納入した納入企業を債権者として、支払データから特定される債権額や支払期日を含む、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成し、金融機関システムを介して電子債権記録機関システムに発生記録を請求する。電子債権記録機関が管理する記録原簿に電子記録債権の発生記録が行われと、その旨の通知が金融機関システムに送信され、代行者システムを介して支払企業と納入企業に通知される。
一括決済サービスの対象である支払いについては、支払データから特定される支払企業を債務者、代行者を債権者として、支払データから特定される債権額や支払期日を含む電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成し、金融機関システムを介して電子債権記録機関システムに発生記録を請求する。電子債権記録機関が管理する記録原簿に電子記録債権の発生記録が行われと、その旨の通知が金融機関システムに送信され、代行者システムを介して支払企業と納入企業に通知される。
ここで、一括決済サービスの利用契約に、直ちに電子記録債権を割り引く(期日までの利息を差し引いて債権を買い取る)ことが定められている場合には、代行者を譲渡人、一括決済サービスの利用契約から特定される買取金融機関を譲受人とした、発生記録の対象となる電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成し、金融機関システムを介して電子債権記録機関システムに譲渡記録を請求する。電子債権記録機関が管理する記録原簿に電子記録債権の譲渡記録が行われと、その旨の通知が金融機関システムに送信され、代行者システムを介して納入企業と買取金融機関に通知される。尚、電子記録債権を割り引く買取金融機関は、代行者システムを運用する代行者や金融機関システムを運用する窓口金融機関と同一であってもよく、代行者と同一である場合には通知は不要であるが、窓口金融機関と同一である場合は通知を行うことが好ましい。
一方、一括決済サービスの利用契約に、電子記録債権の割引が都度対応となることが定められている場合には、発生記録がされた後に納入企業からの割引依頼があったタイミングで、代行者を譲渡人、一括決済サービスの利用契約から特定される買取金融機関を譲受人とした、先に発生記録がされた電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成し、金融機関システムを介して電子債権記録機関システムに譲渡記録を請求する。電子債権記録機関が管理する記録原簿に電子記録債権の譲渡記録が行われと、その旨の通知が金融機関システムに送信され、代行者システムを介して納入企業と買取金融機関に通知される。尚、電子記録債権を割り引く買取金融機関が代行者システムを運用する代行者や金融機関システムを運用する窓口金融機関と同一となる場合に、代行者と同一である場合には通知は不要であるが、窓口金融機関と同一である場合は通知を行うことが好ましいことは先のケースと同様である。
一括決済サービスの利用契約に電子記録債権の割引が都度対応となることが定められていて、先に発生記録がされた電子記録債権の期日が近づいても納入企業からの割引依頼がない場合には、所定のタイミングで、代行者を譲渡人、一括決済サービスの利用契約から特定される納入企業を譲受人とした、先に発生記録がされた電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成し、金融機関システムを介して電子債権記録機関システムに譲渡記録を請求する。電子債権記録機関が管理する記録原簿に電子記録債権の譲渡記録が行われと、その旨の通知が金融機関システムに送信され、代行者システムを介して納入企業に通知される。
図5は、本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置の構成の一例を示している。代行者システム10は、CPU、メインメモリ、HDD等の補助記憶装置を備えた、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータであるが、コンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではなく、一のコンピュータによって、或いは一のコンピュータの一部の機能として構成されるものであってもよいし、二以上のコンピュータによって構成されるものであってもよい。
代行者システム10の支払データ受信部11、発生記録請求送信部14、割引依頼受信部15、譲渡記録請求送信部16、通知受信部17、通知送信部18はいずれも機能的に特定されるものであって、これらの機能に対応するアプリケーションプログラムがコンピュータのHDD等からメインメモリ等に読み出され、CPUで演算処理が実行されることによって各々の機能が実現される。
契約情報格納部12、債権情報格納部13には、コンピュータのHDD等の補助記憶装置の記憶領域が割り当てられるが、その物理的な構成は特に限定されるものではなく、支払データ受信部11等の機能が実現されるコンピュータと同じコンピュータのHDD等が用いられるものであってもよいし、物理的に異なるコンピュータであるデータベースサーバ等として構成されるものであってもよい。
金融機関システム20は、CPU、メインメモリ、HDD等の補助記憶装置を備えた、ネットワークに接続されたコンピュータであり、コンピュータの物理的な構成は特に限定されるものではない。代行者が窓口金融機関の関連企業である等の事情から、コンピュータシステムを連携させて運用しているような場合には、金融機関システム20は代行者システム10と一体で運用される構成となる。
電子債権記録機関システム30は、窓口金融機関によって運用される金融機関システム20とネットワークで接続され、CPU、メインメモリ、HDD等の補助記憶装置を備えたコンピュータであるが、その物理的な構成は特に限定されるものではない。電子債権記録機関システム30には、電子記録債権の記録原簿が備えられ、金融機関システム20から電子記録債権の発生記録や譲渡記録の請求を受信すると、記録原簿への発生記録や譲渡記録が行われる。
支払企業端末40、納入企業端末50、買取金融機関端末60は、インターネット等のネットワークに接続可能なコンピュータであれば、特にその構成は限定されるものではなく、Webブラウザを備えたパーソナルコンピュータ等を用いることとすればよい。尚、買取金融機関が代行者となる場合、買取金融機関端末60の役割は代行者システム10に含まれることになる(あるいは、買取金融機関端末60は不要となる)。
以上の構成を前提にして、代行者システム10によって電子記録債権の発生記録や譲渡記録を請求する処理について、図6のフローチャートの処理フローに沿って、図7〜図14を用いながら説明する。
支払企業Aの支払企業端末40から、電子記録債権として管理したい支払いの支払明細を記録した支払データが代行者Dの代行者システム10に送信されると、代行者システム10では支払データ受信部11が起動されて、支払データを受信する(S1)。図12は、支払データの一例を示したものであるが、支払コードによって識別される各々の支払データには、債務者(支払企業)と債権者(納入企業)、支払額、支払期日などの情報が含まれている。
次に、受信した各々の支払データについて、債務者(支払企業)と債権者(納入企業)をキーに契約情報格納部12を検索する(S2)。図13は契約情報格納部12の一例を示したものであるが、支払企業、納入企業、買取金融機関及び代行者の四者(買取金融機関が代行者となる場合は三者)によって一括決済サービスの利用契約が締結されている場合には、契約毎に契約コードが割り当てられ、契約当事者と納入企業の割引依頼に応じて電子記録債権を買い取るタイミング(定期割引又は都度対応)を含む一括決済サービスの利用契約に関する情報が、契約情報格納部12格納されている。
そのため、支払データに記録された債務者(支払企業)と債権者(納入企業)を契約当事者とする一括決済サービスの利用契約(一括契約)に関する情報が契約情報格納部12に格納されている場合は、一括決済サービスの対象となる支払であると判断され、格納されていない場合は、一括決済サービスの対象外の支払であると判断することができるため(S3)、各々のケースに応じて、次に説明する処理が行われる。
尚、上記の債務者(支払企業)と債権者(納入企業)をキーに契約情報格納部12を検索する方法は、契約情報格納部12を検索して、支払データから特定できる債務者(支払企業)と債権者(納入企業)を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が締結されているかを判断する方法の一例を示したものであり、本発明において、一括決済サービスの利用契約の有無を判断する方法は、この方法に限定されるものではない。例えば、支払データに一括決済サービスの利用契約を識別できる契約コードを付与するように求めて、この契約コードをキーに契約情報格納部12を検索することによっても、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無を判断することができる。
一括契約あり、すなわち、一括決済サービスの対象となる支払であると判断された場合は、さらに、債務者(支払企業)と債権者(納入企業)を契約当事者とする一括決済サービスの利用契約に関する情報から、納入企業から電子記録債権を買い取るタイミングが定期割引(発生記録とあわせて直ちに電子記録債権の割引を実行する)、都度対応(納入者からの割引依頼がある都度、電子記録債権の割引を実行する)のいずれであるかを判断する(S4)。尚、ここで用いている定期割引、都度対応の区分は、各々の意味を示すものであればよく、契約区分を示す用語はこれらの例に限定されるものではない。
納入企業から電子記録債権を買い取るタイミングが定期割引と判断されたケースの処理の流れを示したのが、図7である。このケースでは、支払データから特定される支払企業Aを債務者、一括決済サービスの利用契約から特定される代行者Dを債権者として、支払データから特定される債権額や支払期日を含めた、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する(S5)。
続いて、発生記録請求送信部14を起動し、発生記録請求データは窓口金融機関Zの金融機関システム20を介して電子債権記録機関システム30に送信され(電子記録債権の発生記録の請求に必要な情報が含まれるものであれば、発生記録請求データは金融機関システム20においてフォーマット等が変更されてもよい)、記録原簿への発生記録が行われる。記録原簿への発生記録が行われると、電子債権記録機関システム30から金融機関システム20を介して代行者システム10の通知受信部17で発生記録が行われた通知を受信し、さらに通知送信部18を起動して、支払企業Aの支払企業端末40と納入企業Bの納入企業端末50に発生記録が行われた通知を送信する。
このケースでは、納入企業Bは利用契約において直ちに電子記録債権の割引を実行することを承諾しているので、発生記録請求データの生成とあわせて、代行者Dを譲渡人、一括決済サービスの利用契約から特定される買取金融機関Cを譲受人として、対象となる電子記録債権(発生記録を請求する電子記録債権)を指定した、電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成する(S6)。買取金融機関が代行者となる場合、すなわち、買取金融機関Cと代行者Dが同一である場合にも、このステップを実行する。
続いて、譲渡記録請求送信部16を起動し、譲渡記録請求データは窓口金融機関Zの金融機関システム20を介して電子債権記録機関システム30に送信され(電子記録債権の譲渡記録の請求に必要な情報が含まれるものであれば、譲渡記録請求データは金融機関システム20においてフォーマット等が変更されてもよい)、記録原簿への譲渡記録が行われる。記録原簿への譲渡記録が行われると、電子債権記録機関システム30から金融機関システム20を介して代行者システム10の通知受信部17で譲渡記録が行われた通知を受信し、さらに通知送信部18を起動して、納入企業Bの納入企業端末50と買取金融機関Cの買取金融機関端末60に譲渡記録が行われた通知を送信する。これとあわせて、割引に伴って生じる割引代金の支払いのための資金移動処理も行われる。
尚、こうした発生記録の請求と譲渡記録の請求は、同時に行うこととしてもよいし、発生記録の請求の通知を受けた後に、譲渡記録の請求を行うこととしてもよい。いずれの場合もこのスキームによると、譲渡対象となる電子記録債権の債権者が代行者Dとなっているため、譲渡記録の請求は、納入企業Bが選択する窓口金融機関ではなく、代行者Dの窓口金融機関Zを介して行うことができるので、窓口金融機関の一元化が実現される。
次に、納入企業から電子記録債権を買い取るタイミングが都度対応と判断されたケースの処理の流れを示したのが、図8である。このケースでも、支払データから特定される支払企業Aを債務者、一括決済サービスの利用契約から特定される代行者Dを債権者として、支払データから特定される債権額や支払期日を含めた、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する(S7)。
続いて、発生記録請求送信部14を起動し、発生記録請求データは窓口金融機関Zの金融機関システム20を介して電子債権記録機関システム30に送信され、記録原簿への発生記録が行われること、記録原簿への発生記録が行われると、電子債権記録機関システム30から金融機関システム20を介して代行者システム10の通知受信部17で発生記録が行われた通知を受信し、さらに通知送信部18を起動して、支払企業Aの支払企業端末40と納入企業Bの納入企業端末50に発生記録が行われた通知を送信することは、先に説明した定期割引のケースと同様である。
但し、このケースでは、納入企業Bは利用契約において電子記録債権の割引依頼を必要な都度行うこととしているので、この段階で譲渡記録の請求は行わない。譲渡記録を請求するのは、図9に示したように、納入企業Bから割引依頼を受信したタイミングとなるが、発生記録がされた電子記録債権に関して、支払期日や買取金融機関Cの識別コード等を含む情報を、図14に例示したように、債権情報格納部13に格納しておくことが好ましい。
図9に示したように、納入企業Bの納入企業端末50から、電子記録債権の割引依頼が代行者Dの代行者システム10に送信されると、代行者システム10では割引依頼受信部15が起動されて、割引依頼を受信する。代行者Dを譲渡人、債権情報格納部13を検索して割引依頼の対象となる電子記録債権に関する情報から特定した買取金融機関Cを譲受人として、対象となる電子記録債権(先に発生記録がされた電子記録債権)を指定した、電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成する。買取金融機関が代行者となる場合、すなわち、買取金融機関Cと代行者Dが同一である場合にも、このステップを実行する。
続いて、譲渡記録請求送信部16を起動し、譲渡記録請求データは窓口金融機関Zの金融機関システム20を介して電子債権記録機関システム30に送信され、記録原簿への譲渡記録が行われること、記録原簿への譲渡記録が行われると、電子債権記録機関システム30から金融機関システム20を介して代行者システム10の通知受信部17で譲渡記録が行われた通知を受信し、さらに通知送信部18を起動して、納入企業Bの納入企業端末50と買取金融機関Cの買取金融機関端末60に譲渡記録が行われた通知を送信すること、これとあわせて、割引に伴って生じる割引代金の支払いのための資金移動処理が行われることは、先に説明した定期割引のケースと同様である。
一方、支払期日が近づいても納入企業Bからの割引依頼がない場合、具体的には、債権情報格納部13に格納された各々の電子記録債権に関する情報に指定された支払期日を基準とする所定の期限が到来するまでに、納入企業端末50から割引依頼を受信しない場合は、納入企業Bが電子記録債権を期日まで持ち切るものと判断して、図10に示した、納入企業Bを債権者とするための処理を行う。
つまり、債権情報格納部13に格納された支払期日を基準とする所定の期限が到来した電子記録債権について、代行者Dを譲渡人、債権情報格納部13に格納されたこの電子記録債権に関する情報に債権者として記録されている納入企業Bを譲受人として、電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成する。
続いて、譲渡記録請求送信部16を起動し、譲渡記録請求データは窓口金融機関Zの金融機関システム20を介して電子債権記録機関システム30に送信され、記録原簿への譲渡記録が行われること(但し、譲受人は買取金融機関Cではなく納入企業Bになる)、記録原簿への譲渡記録が行われると、電子債権記録機関システム30から金融機関システム20を介して代行者システム10の通知受信部17で譲渡記録が行われた通知を受信し、さらに通知送信部18を起動して、納入企業Bの納入企業端末50に譲渡記録が行われた通知を送信すること(但し、買取金融機関Cへの通知は行われない)は、先に説明した定期割引のケースと同様である。支払期日に支払企業Aから代金の支払いがあると、この代金は債権者である納入企業Bに送金される。
S3において、一括契約なし、すなわち、一括決済サービスの対象となる支払ではないと判断された場合の処理の流れを示したのが、図11である。このケースでは一般的な発生記録における処理と同様に、支払データから特定される支払企業Aを債務者、納入企業Bを債権者として、支払データから特定される債権額や支払期日を含めた、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する(S8)。
続いて、発生記録請求送信部14を起動し、発生記録請求データは窓口金融機関Zの金融機関システム20を介して電子債権記録機関システム30に送信され、記録原簿への発生記録が行われること(但し、債権者は代行者Dではなく納入企業Bになる)、記録原簿への発生記録が行われると、電子債権記録機関システム30から金融機関システム20を介して代行者システム10の通知受信部17で発生記録が行われた通知を受信し、さらに通知送信部18を起動して、支払企業Aの支払企業端末40と納入企業Bの納入企業端末50に発生記録が行われた通知を送信することは、先に説明した一括決済サービスにおける定期割引のケースと同様である。
尚、これまでの説明は、代行者システム10における支払企業A、納入企業B、買取金融機関Cとの支払データ、割引依頼、通知の送受信を、支払企業端末40、納入企業端末50、買取金融機関端末60とネットワークを介したデータの送受信によって行うことを前提としているが、これらの情報を直接代行者システム10とのデータ通信によって受信するのではなく、他の手段によって代行者が受け取った情報を、オペレータによる入力端末からの入力、スキャナによる情報の読み取り等によって代行者システム10に入力し、入力された情報を代行者システム10で受け付けるよう構成してもよい。
すなわち、本発明に係る電子記録債権の記録請求管理装置は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段と、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断手段と、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものでないと判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの納入者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成手段と、を備え、前記生成手段が生成した発生記録請求データは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者の窓口金融機関のコンピュータシステムに引き渡され、前記コンピュータシステムは、前記発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信するよう構成され、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断手段は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成手段は、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けた後に、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記一括決済サービスの利用契約における買取者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理装置である。又は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段と、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断手段と、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものでないと判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの納入者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成手段と、を備え、前記生成手段が生成した発生記録請求データは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者の窓口金融機関のコンピュータシステムに引き渡され、前記コンピュータシステムは、前記発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信するよう構成され、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断手段は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成手段は、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記支払データにおける支払期日を基準とする所定の期限が到来するまでに前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けていない場合は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記納入者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理装置である。又は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段と、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断手段と、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものでないと判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの納入者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成手段と、前記生成手段が生成した発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信する送信手段と、を備え、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断手段は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成手段は、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けた後に、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記一括決済サービスの利用契約における買取者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理装置である。又は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段と、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断手段と、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものでないと判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの納入者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成手段と、前記生成手段が生成した発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信する送信手段と、を備え、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断手段は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成手段は、前記判断手段によって前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記支払データにおける支払期日を基準とする所定の期限が到来するまでに前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けていない場合は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記納入者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理装置である。
本発明に係る電子記録債権の記録請求管理方法は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段を備えた電子記録債権の記録請求管理装置が、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付ステップと、前記記録請求管理装置が、前記受付ステップで受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断ステップと、前記記録請求管理装置が、前記判断ステップで前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成ステップと、を有し、前記生成ステップで生成した発生記録請求データは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者の窓口金融機関のコンピュータシステムに引き渡され、前記コンピュータシステムは、前記発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信するよう構成され、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断ステップでは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成ステップでは、前記判断ステップにおいて前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けた後に、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記一括決済サービスの利用契約における買取者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理方法である。又は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段を備えた電子記録債権の記録請求管理装置が、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付ステップと、前記記録請求管理装置が、前記受付ステップで受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断ステップと、前記記録請求管理装置が、前記判断ステップで前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成ステップと、を有し、前記生成ステップで生成した発生記録請求データは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者の窓口金融機関のコンピュータシステムに引き渡され、前記コンピュータシステムは、前記発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信するよう構成され、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断ステップでは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成ステップでは、前記判断ステップにおいて前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記支払データにおける支払期日を基準とする所定の期限が到来するまでに前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けていない場合は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記納入者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理方法である。又は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段を備えた電子記録債権の記録請求管理装置が、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付ステップと、前記記録請求管理装置が、前記受付ステップで受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断ステップと、前記記録請求管理装置が、前記判断ステップで前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成ステップと、前記記録請求管理装置が、前記生成ステップで生成した発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信する送信ステップと、を有し、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断ステップでは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成ステップでは、前記判断ステップにおいて前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けた後に、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記一括決済サービスの利用契約における買取者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理方法である。又は、電子記録債権の対象となる債権に係る代金を支払う支払者、前記債権に係る商品又はサービスを納入した納入者、前記債権を買い取る買取者及び前記債権を電子記録債権とするための発生記録請求と前記電子記録債権を買取者が買い取るための譲渡記録請求に関する手続を代行する代行者によって締結された一括決済サービスの利用契約に関する情報を格納する格納手段を備えた電子記録債権の記録請求管理装置が、電子記録債権の発生記録を請求する債権の支払データを受け付ける受付ステップと、前記記録請求管理装置が、前記受付ステップで受け付けた支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであるかを、前記格納手段を検索して、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約の有無から判断する判断ステップと、前記記録請求管理装置が、前記判断ステップで前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであると判断されると、前記支払データに基づいて、前記支払データに係る支払いの支払者を債務者、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を債権者とする、電子記録債権の発生記録を請求するための発生記録請求データを生成する生成ステップと、前記記録請求管理装置が、前記生成ステップで生成した発生記録請求データに基づく電子記録債権の発生記録請求を、電子記録債権の記録原簿を管理する電子債権記録機関のコンピュータシステムに送信する送信ステップと、を有し、前記格納手段に格納される一括決済サービスの利用契約に関する情報には、各々の一括決済サービスの利用契約に、債権を買い取るタイミングについて、定期割引又は都度対応のいずれかの条件が記録されていて、前記判断ステップでは、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約が有る場合は、債権を買い取るタイミングの条件が定期割引か都度対応かを判断し、前記生成ステップでは、前記判断ステップにおいて前記支払データが一括決済サービスの対象となる債権に基づくものであり、かつ債権を買い取るタイミングの条件が都度対応であると判断されると、前記支払データにおける支払期日を基準とする所定の期限が到来するまでに前記納入者からの前記電子記録債権の割引依頼を受け付けていない場合は、前記支払データに係る支払いの支払者と納入者を契約当事者に含む一括決済サービスの利用契約における代行者を譲渡人、前記納入者を譲受人とする、前記電子記録債権の譲渡記録を請求するための譲渡記録請求データを生成することを特徴とする電子記録債権の記録請求管理方法である。