以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、縦長の方形状に形成された外枠と、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)6と、遊技盤6を支持固定する遊技機用枠(台枠)と、遊技機用枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2とを備えて構成されている。遊技機用枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(遊技盤6を除く)とを含む構造体である。遊技盤6には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域7が形成されている。この遊技領域2には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。
遊技盤の所定位置(図1に示す例では、遊技盤6における右側下部位置)には、第1特別図柄表示装置(第1可変表示部)8aと、第2特別図柄表示装置(第2可変表示部)8bとが設けられている。第1特別図柄表示装置8aは、第1特別図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED403と、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を表示可能で停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED404とを備えている。第2特別図柄表示装置8bは、第2特別図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED405と、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等を表示可能で停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としての7セグメントLED406とを備えている。
第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bはそれぞれ、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)を、変動可能に表示(可変表示)する。第1特別図柄表示装置8aでは、可変表示中にLED403が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED403が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED404を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。第2特別図柄表示装置8bでは、可変表示中にLED405が所定の時間間隔で点灯と消灯を繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED405が消灯状態となり、表示結果に応じて7セグメントLED406を構成するLEDのうちの所定のLED(セグメント)が点灯状態となる。
なお、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置8aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特別図柄」や「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置8bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特別図柄」や「第2特図」ともいう。
遊技盤6における遊技領域7の中央付近には、画像表示装置9が設けられている。画像表示装置9は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置9の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置8aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置8bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置9の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置9の表示領域では、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置9の表示領域における右上方部には、飾り図柄と特別図柄および普通図柄に次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9a、9b、9c、9dが設けられている。第4図柄表示領域9aは、第1特図を用いた特図ゲームに同期して第1特別図柄用の第4図柄を可変表示する第1表示部となる第1特別図柄用の第4図柄表示領域である。第4図柄表示領域9bは、第1特図が停止表示(停止図柄の導出表示)されたときに第1特別図柄用の第4図柄を停止表示(赤色表示または青色表示)する第2表示部としての第1特別図柄用の第4図柄表示領域である。第4図柄表示領域9cは、第2特図を用いた特図ゲームに同期して第2特別図柄用の第4図柄を可変表示する第1表示部となる第2特別図柄用の第4図柄表示領域である。第4図柄表示領域9dは、第2特図が停止表示(停止図柄の導出表示)されたときに第2特別図柄用の第4図柄を停止表示(赤色表示または青色表示)する第2表示部としての第2特別図柄用の第4図柄表示領域である。
画像表示装置9の表示領域では、特別図柄の可変表示に同期して飾り図柄の可変表示が実行される。一方で、画像表示装置9を用いた演出を行う場合には、例えば、飾り図柄の可変表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われることや、可動部材が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われることなどにより、演出態様を多様化させることがある。そのため、画像表示装置9における表示画面を見ていても、現在の状態が可変表示中であるか否かを認識しにくい場合がある。そこで、画像表示装置9の表示領域における一部では、さらに第4図柄の可変表示を行うことにより、第4図柄の状態を確認すれば現在の状態が可変表示中であるか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で可変表示され、画面上から消えたり可動部材などで遮蔽されることがないように配置され、常に視認することができればよい。
画像表示装置9の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア18cが配置されてもよい。始動入賞記憶表示エリア18cでは、可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、可変表示の保留は、第1始動入賞口13aや可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bに遊技球が進入(始動入賞)したことに基づき、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームを開始するための開始条件は成立していないときに発生する。
例えば、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア18cは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留数表示エリア18c1と、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する第2保留数表示エリア18c2と、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bのいずれで特図ゲームが実行されているかを把握可能に表示する変動中特図表示エリア18ccとを、含んでいる。例えば第1特別図柄表示装置8aによる特図ゲームが開始されるときには、第1保留数表示エリア18c1にて所定の表示色(例えば青色表示)となっている表示部位のうちの1つ(例えば青色表示となっている表示部位のうち右端の表示部位)を非表示(透明色)に変化させる。このときには、変動中特図表示エリア18ccにて第1特図を用いた特図ゲームが実行されることを認識可能に示す演出画像(例えば丸囲みの数字「1」を示すキャラクタ画像)を表示する。これに対して、例えば第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームが開始されるときには、第2保留数表示エリア18c2にて所定の表示色(例えば赤色表示)となっている表示部位のうちの1つ(例えば赤色表示となっている表示部位のうち右端の表示部位)を非表示(透明色)に変化させる。このときには、変動中特図表示エリア18ccにて第2特図を用いた特図ゲームが実行されることを認識可能に示す演出画像(例えば丸囲みの数字「2」を示すキャラクタ画像)を表示する。
始動入賞記憶表示エリア18cとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア18cに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア18cとともに、第1特別図柄表示装置8aおよび第2特別図柄表示装置8bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器18aと第2保留表示器18bとが設けられている。第1保留表示器18aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器18bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器18aと第2保留表示器18bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置9の周囲における飾り部上方には、演出用の可動部材78が設けられている。この可動部材78は、例えば演出用モータの回転軸に取り付けられ、演出用モータが回転することで画像表示装置9の前方に移動するものであればよい。
遊技盤6の盤面上に形成された遊技領域7には、画像表示装置9の天辺よりも左側の左遊技領域7A(第1遊技領域)と、右側の右遊技領域7B(第2遊技領域)とがある。第1遊技領域である左遊技領域7Aと、第2遊技領域である右遊技領域7Bは、例えば遊技領域7の内部における画像表示装置9の端面や釘の配列などにより区分けされていればよい。打球発射装置から発射されて遊技領域7に打ち込まれた遊技球は、第1遊技領域である左遊技領域7Aへと誘導された場合に、例えば釘の配列に沿って誘導されることにより、第2遊技領域である右遊技領域7Bへと誘導不可能または誘導困難となる。また、第2遊技領域である右遊技領域7Bへと誘導された遊技球は、例えば釘の配列に沿って誘導されることにより、左遊技領域7Aへと誘導不可能または誘導困難となる。
左遊技領域7Aにおいて、画像表示装置9の下方に第1始動入賞口13aが設けられている。右遊技領域7Bにおいて、画像表示装置9の右側には、通過ゲート32と、第2始動入賞口13bを形成する可変入賞球装置15とが設けられ、画像表示装置9の下方には、通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bからなる特別可変入賞球装置20が設けられている。
第1始動入賞口13aは、画像表示装置9の直下に設けられており、左遊技領域7Aを狙って遊技球を打ち込む左打ちを行った場合に遊技球が入賞(通過)しやすく、右遊技領域7Bを狙って遊技球を打ち込む右打ちを行った場合には、遊技球の流下経路上に設けられた釘や誘導部材39a〜39cの配置などによって遊技球が入賞(通過)不可能または入賞(通過)困難になっている。したがって、第1始動入賞口13aは、左遊技領域7Aに属する。また、第2始動入賞口13bを形成する可変入賞球装置15は、第1始動入賞口13aの下方に設けられているが、遊技者が右打ちを行うことで、遊技球が通過ゲート32を通過し、可変入賞球装置15が開放状態となり、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞(通過)することを期待できる。そのため、第2始動入賞口13bを形成する可変入賞球装置15は、右遊技領域7Bに属する。
可変入賞球装置15は、普通電動役物用のソレノイド16によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)であり、第2始動入賞口13bを形成する。一例として、可変入賞球装置15では、普通電動役物用のソレノイド16がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、可変入賞球装置15では、普通電動役物用のソレノイド16がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、可変入賞球装置15は、ソレノイド16がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口13bを遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド16がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、右遊技領域7Bには、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)可能な第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能または通過(進入)困難な第2可変状態とに変化可能な可変入賞球装置15が設けられている。
第1始動入賞口13aに進入した遊技球は、第1始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15に形成された第2始動入賞口13bに進入した遊技球は、第2始動口スイッチ15aによって検出される。第1始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ15aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。なお、第1始動口スイッチ14aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ15aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
通常アタッカー20Aは、可変入賞球装置15の直下に配置され、右打ちしたときに誘導部材39bや釘の配列40により誘導された遊技球が入賞(進入)しやすい位置にある。確変アタッカー20Bは、例えば画像表示装置9の右下方にて誘導部材39b、39cによって形成される経路上といった、右打ちしたときに遊技球が入賞(進入)しやすい経路上に配置されている。このように、通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bはいずれも、右遊技領域7Bに属している。
通常アタッカー20Aは、通常アタッカー用のソレノイド21aによって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する第1特別可変入賞球装置である。一例として、通常アタッカー20Aでは、ソレノイド21aがオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、通常アタッカー20Aでは、ソレノイド21aがオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態にする。通常アタッカー20Aにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、この遊技球がカウントスイッチ23aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、通常アタッカー20Aにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、通常アタッカー20Aにおいて大入賞口が開放状態になれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。これに対して、通常アタッカー20Aにおいて大入賞口が閉鎖状態になれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
確変アタッカー20Bは、可変入賞球装置15の右斜め上方に設けられて、確変アタッカー用のソレノイド21bによって開閉駆動される開閉板を備え、その開閉板によって開放状態と閉鎖状態とに変化する大入賞口を形成する第2特別可変入賞球装置である。一例として、確変アタッカー20Bでは、ソレノイド21bがオフ状態であるときに開閉板が大入賞口を閉鎖状態にする。その一方で、確変アタッカー20Bでは、ソレノイド21bがオン状態であるときに開閉板が大入賞口を閉鎖状態にする。確変アタッカー20Bにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、この遊技球が確変検出スイッチ24aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、確変アタッカー20Bにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、確変アタッカー20Bにおいて大入賞口が開放状態になれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。これに対して、確変アタッカー20Bにおいて大入賞口が閉鎖状態になれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
確変アタッカー20Bにおいて大入賞口に入賞(進入)した遊技球が確変検出スイッチ24aによって検出されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が、通常状態よりも大当り遊技状態に制御されやすい高確率状態(確変状態ともいう)となる。なお、確変アタッカー20Bにおいて大入賞口が開放状態となっても、確変検出スイッチ24aにより遊技球が検出されなければ、大当り遊技状態の終了後の遊技状態が高確率状態にはならない。また、通常アタッカー20Aや確変アタッカー20Bにおいて、大入賞口を遊技球が通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
遊技盤6の所定位置(図1に示す例では、遊技領域7の中段左側方)には、普通図柄表示器10が設けられている。一例として、普通図柄表示器10は、普通図柄の可変表示を行う第1表示部としてのLED401と、停止図柄の導出表示(停止表示)を行う第2表示部としてのLED402とを備えて構成される。普通図柄表示器10では、可変表示中にLED401が所定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す点滅状態を継続し、変動停止中はLED401が消灯状態となり、表示結果に応じてLED402が点灯状態(普図当りの場合)または消灯状態(普図ハズレの場合)のいずれかの状態となる。このように、普通図柄表示器10は、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器10の近傍には、通過ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普図保留表示器41が設けられている。通過ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたときには、普図保留表示器41において点灯するLEDを1増加させる。一方、普通図柄表示器10による普図ゲームの実行が開始されるときには、点灯するLEDを1減少させる。
遊技盤6の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bおよび大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。例えば通常アタッカー20Aの周辺には、入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29cに入賞(進入)した遊技球は入賞口スイッチ30aによって検出される一方、入賞口29dに入賞(進入)した遊技球は入賞口スイッチ30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。入賞口29a〜29dのいずれかに遊技球が進入したときには、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域7の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口26が設けられている。
遊技領域7の左右上下部には、効果音等を再生出力するためのスピーカ27が設けられており、さらに遊技領域7の周辺部には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを含んだ装飾用ランプ28が設けられている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cは、パチンコ遊技機1に設けられた装飾発光体の一例である。その他にも、例えばパチンコ遊技機1の遊技領域7における各構造物(例えば可変入賞球装置15、通常アタッカー20A、確変アタッカー20B等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。
パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域7に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。例えば、打球操作ハンドル5は、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドル5には、打球発射装置が備える発射モータ(駆動モータ)の駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。パチンコ遊技機1では、遊技球の発射間隔が、例えば0.6秒といった、一定の間隔になるように設定されていればよい。ただし、打球発射装置に遊技球が供給されなければ、遊技球を発射することはできない。すなわち、例えば0.6秒といった一定の発射間隔は、遊技球を最も短い間隔で発射することができる最短発射間隔となるものであればよい。
遊技領域7の下方における所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。例えば上皿の上面における手前側の所定位置には、押下操作などにより遊技者が所定の操作を可能な操作ボタン112が設置されている。なお、操作ボタン112は、遊技者による押下操作が可能な押しボタンスイッチが設けられるだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルが設けられてもよい。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。
パチンコ遊技機1では、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が第1始動口スイッチ14aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるとともに、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特図を用いた特図ゲームと飾り図柄の可変表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応して実行される。
可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)すると、その遊技球が第2始動口スイッチ15aによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されとともに、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特図を用いた特図ゲームと飾り図柄の可変表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応して実行される。ただし、可変入賞球装置15が第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
右遊技領域7Bに設けられた通過ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器10にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器10による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15を構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板80に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置9の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアは、それぞれの位置が画像表示装置9の表示領域において固定的でなくてもよいし、3つのエリアが離れていてもよい。特図ゲームにおいて可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置9において、最終停止図柄となる確定飾り図柄が導出表示される。
第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置9において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置9の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
飾り図柄の可変表示態様は、画像表示装置9の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることで、「リーチ」になることがある。具体的な一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリアなど)では飾り図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態となることで、飾り図柄の可変表示態様が「リーチ」(「リーチ状態」や「リーチ態様」ともいう)になる。また、リーチ状態となったことに対応して、画像表示装置9の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、飾り図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。こうした「リーチ」にはならない飾り図柄の可変表示態様を、「非リーチ」という。
大当り遊技状態では、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口が開放状態となって遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば6個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。通常アタッカー20Aにおいて大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23aにより入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「14」)に達するまで繰返し実行される。したがって、大当り遊技状態では、遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ、遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、可変入賞球装置15を第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御、あるいは、これらの制御の一部または全部を組み合わせることにより、可変入賞球装置15を有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。このように、可変入賞球装置15を有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。高開放制御により第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)しやすくなる遊技状態は、有利遊技状態(「高ベース状態」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、確変状態にて確変制御が行われるときでも、高開放制御が行われない場合があってもよい。例えば可変表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態にて大入賞口が開放状態となる上限時間が短く、遊技球が通過(進入)困難または通過(進入)不可能なラウンド遊技が実行され、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御される場合がある。このような場合は、大当り種別が「突確」(「突然確変」ともいう)であるとも称される。そして、高開放制御が行われていないときに可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となった場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となり確変制御が行われるものの、高開放制御が行われないようにしてもよい。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「14」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」となったときに、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて、確変アタッカー20Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」以外であるときには、通常アタッカー20Aにおける大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて、通常アタッカー20Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、確変アタッカー20Aに進入した遊技球が確変検出スイッチ24aによって検出されることで、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち、確変検出スイッチ24aの設置箇所を特定領域とし、この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、所定の確変制御条件を成立させることができる。
大当り遊技状態には、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」であるとき(第14ラウンド)に、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする上限時間を異ならせた複数種類の大当り種別がある。一例として、大当り種別が「第1大当り」の場合には、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする上限時間が0.05秒に設定される。一方、大当り種別が「第2大当り」の場合には、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする上限時間が29.5秒に設定される。したがって、大当り種別が「第1大当り」の場合には、確変アタッカー20Bにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が低く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しにくい。これに対して、大当り種別が「第2大当り」の場合には、確変アタッカー20Bにおいて開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。大当り種別を複数種類のいずれとするかは、例えば特図ゲームの開始時に可変表示結果を「大当り」とする決定がなされたことに対応して、所定割合で決定される。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板31、演出制御基板80、音声制御基板70、ランプ制御基板35といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板31と演出制御基板80との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板77なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板31は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板31は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板80などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板31は、第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器10の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器10による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板31には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド16、通常アタッカー用のソレノイド21a、確変アタッカー用のソレノイド21bに伝送する。
演出制御基板80は、主基板31とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板77を介して主基板31から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置9、スピーカ27および装飾用ランプ28や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板80は、画像表示装置9における表示動作や、スピーカ27からの音声出力動作の全部または一部、装飾用ランプ28や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板70は、演出制御基板80とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ27から音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板35は、演出制御基板80とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板80からの指令や制御データなどに基づき、装飾用ランプ28や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板31には、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ15a)、大入賞口スイッチ(カウントスイッチ23aおよび確変検出スイッチ24a)、入賞口スイッチ30a、30bといった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板31には、第1特別図柄表示装置8a、第2特別図柄表示装置8b、普通図柄表示器10などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板31から演出制御基板80に向けて伝送される制御信号は、中継基板77によって中継される。中継基板77を介して主基板31から演出制御基板80に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置9における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ27からの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、装飾用ランプ28や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
この実施の形態では、主基板31の側において、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3、普図表示結果決定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント(更新)可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。
特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、飾り図柄の変動パターンを予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として可変入賞球装置15を第1可変状態となる開放状態や拡大開放状態に制御するか否かを、決定するために用いられる乱数値である。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ユーザプログラム(ゲーム制御用の遊技制御処理プログラム)を示す制御コードや固定データ等が記憶されている。また、ROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。こうしたRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータが記憶される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
演出制御基板80には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置9における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板80では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板80の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板80の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板80に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板80には、画像表示装置9に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板70に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板35に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板80には、操作ボタン112に対する遊技者の指示操作(例えば押下操作など)を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、操作検出ユニット107から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板80では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板80に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板80に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板80に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置9における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置9の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板80に搭載されたI/O125は、例えば主基板31などから伝送された演出制御コマンドや操作検出ユニット107から伝送された操作検出信号等の各種信号を取り込むための入力ポートと、演出制御基板80の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置9へと伝送される映像信号や、音声制御基板70へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板35へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
音声制御基板70には、例えば入出力ドライバや音声合成用IC、音声データROM、増幅回路、ボリュームなどが搭載されている。一例として、音声制御基板70では、演出制御基板80から伝送された効果音信号に示される音番号データが入出力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を生成し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号を、スピーカ27に出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されており、音声合成用ICが音番号データに応じた制御データを読み出して、音声や効果音が生成される。音声データROMの記憶データは、所定期間における音声や効果音の出力態様を時系列的に示すデータなどから構成されていればよい。
ランプ制御基板35には、例えば入出力ドライバやランプドライバなどが搭載されている。一例として、ランプ制御基板35では、演出制御基板80から伝送された電飾信号が、入出力ドライバを介してランプドライバに入力される。ランプドライバは、電飾信号を増幅して装飾用ランプ28や装飾用LEDなどに供給する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板31では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介して各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおける表示動作の制御、あるいは、通常アタッカー20Aや確変アタッカー20Bにおける大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器10における表示動作(例えばLED401、402の点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や可変入賞球装置15における可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板31から演出制御基板80などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。一例として、コマンド制御処理では、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板80に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、第1始動入賞口13aに対応して設けられた第1始動口スイッチ14aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ14aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ14aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ13aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bに対応して設けられた第2始動口スイッチ15aからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ15aがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ15aがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じて、保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS208の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データを、抽出する。こうして抽出した各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには保留データが図5(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aにセットされる一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには保留データが図5(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bにセットされる。なお、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データは、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したときに抽出されるものに限定されず、第1特図や第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときに抽出されるようにしてもよい。
図5(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口13aへの入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図5(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、可変入賞球装置15が形成する第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口13bへの入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、始動入賞時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、演出制御基板80に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板80に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。第1始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)したことにより第1始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。第2始動口入賞指定コマンドは、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことにより第2始動条件が成立したことを指定する演出制御コマンドである。また、演出制御基板80に対して合計保留記憶数を通知する保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。あるいは、始動入賞の発生により増加した第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてもよい。
ステップS211の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、始動入賞判定処理を終了する。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23aまたは確変検出スイッチ24aによって検出された遊技球の個数などに基づいて、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置9、スピーカ27、装飾用ランプ28や装飾用LEDなどといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図6は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS231の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS232)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS233)。また、ステップS233の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、ステップS235の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(ステップS236)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(ステップS237)。また、ステップS237の処理では、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)にて合計保留記憶数カウンタが記憶する合計保留記憶数カウント値を1減算するように更新してもよい。このときには、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、確変制御が行われる確変状態であるか否かなどに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図7(A)は、ステップS239の処理における決定例を示している。この決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、ステップS239にて決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図指定バッファ値などに応じて、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図7(B)は、ステップS242の処理における決定例を示している。この決定例では、開始条件が成立した特図ゲームにて可変表示される特別図柄(変動特図)が、第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。ここで、変動特図指定バッファ値が「1」であるときには、第1特別図柄表示装置8aによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第1特図となる。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であるときには、第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームの開始条件が成立しており、変動特図が第2特図となる。図7(B)に示す決定例では、変動特図が第1特図であるときに、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図であるときには、大当り種別が「第2大当り」にのみ決定される。すなわち、大当り種別が「第1大当り」に決定されるのは、変動特図が第1特図のときだけになる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定されてもよい。また、大当り種別が「第2大当り」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
この実施の形態では、大当り種別が「第2大当り」の場合に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「14」である第14ラウンドにて、大当り種別が「第1大当り」の場合よりも確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする上限時間が長くなり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。図7(B)に示すような決定割合で大当り種別が決定されることにより、変動特図が第2特図であるときには、第1特図であるときよりも高い割合で、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。すなわち、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合には、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームで特図表示結果が「大当り」となる場合よりも、確変制御条件が成立しやすい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。ステップS243の処理では、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することで、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではなく「ハズレ」である場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置9において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板31から演出制御基板80に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図8(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS251)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS251;Yes)、特図表示結果(特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果)が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS252)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS251;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS253)。
図8(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。そして、変動パターンごとに、特図変動時間が定められている。特図変動時間は、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間である。
図8(A)に示すステップS252の処理では、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして予め用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、例えば大当り種別などに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図8(A)に示すステップS253の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、例えばROM101の所定領域に記憶するなどして予め用意されたハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短制御が行われていないときには、通常時のハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短制御が行われているときには、時短中のハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。通常時と時短中のハズレ変動パターン決定テーブルでは、それぞれ、所定の特図保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。例えば、通常時のハズレ変動パターン決定テーブルでは、第1特図保留記憶数に応じて、変動パターンの決定結果に対する決定値の割当てが異なっていればよい。一方、時短中のハズレ変動パターン決定テーブルでは、第2特図保留記憶数に応じて、変動パターンの決定結果に対する決定値の割当てが異なっていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、所定の特図保留記憶数(第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数)が所定数(例えば「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられてもよい。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されてもよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することで、パチンコ遊技機1における遊技を促進できる。
高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われない通常時には、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)することによる第2始動入賞が発生しにくいことから、第2特図保留記憶数にかかわらず第1特図保留記憶数に応じて異なる割合で、複数の変動パターンのうちいずれかを使用パターンに決定できればよい。このような通常時に第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときにも、第1特図保留記憶数に応じて異なる割合で、ハズレ時の変動パターンが決定されればよい。これに対して、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われる時短中には、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、可変入賞球装置15を第1可変状態と第2可変状態とに変化させる。そして、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。したがって、時短中には第1特図保留記憶数にかかわらず第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、複数の変動パターンのうちいずれかを使用パターンに決定できればよい。このような時短中に第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が「0」になっていることから、第2特図保留記憶数が「0」であることに応じた割合で、ハズレ時の変動パターンが決定されればよい。なお、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で変動パターンが決定されるものに限定されず、例えば合計保留記憶数に応じて異なる割合で、ハズレ時の変動パターンが決定されるものであってもよい。
図9(A)および(B)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。図9(A)に示す決定例では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である通常時や、時短制御(これに伴う高開放制御)が行われる時短中に第2特図保留記憶数が「0」となる時短中第2特図保留記憶なしの場合に対応して、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかに応じた所定割合で、変動パターンPA3−1〜PA3−3のいずれかを、使用パターンに決定する。より具体的には、大当り種別が「第1大当り」であるときには、変動パターンPA3−2に決定される割合が最も高く、続いて変動パターンPA3−3、変動パターンPA3−1の順に、決定割合が低くなる。一方、大当り種別が「第2大当り」であるときには、変動パターンPA3−3に決定される割合が最も高く、続いて変動パターンPA3−2、変動パターンPA3−1の順に、決定割合が低くなる。このような設定により、変動パターンPA3−3に決定された場合には、変動パターンPA3−2に決定された場合よりも、大当り種別が「第2大当り」となる可能性が高くなる。
図9(B)に示す決定例では、時短制御(これに伴う高開放制御)が行われる時短中に第2特図保留記憶数が「0」以外となる時短中第2特図保留記憶ありの場合に対応して、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかに応じた所定割合で、変動パターンPA3−1〜PA3−3および変動パターンPB2−2のいずれかを、使用パターンに決定する。図9(B)に示す設定でも、変動パターンPA3−3に決定された場合には、変動パターンPA3−2に決定された場合よりも、大当り種別が「第2大当り」となる可能性が高くなる。
図9(A)および(B)に示す決定例では、時短中第2特図保留記憶ありの場合に対応して、所定割合で変動パターンPB2−2を使用パターンに決定することができる。一方、通常時や時短中第2特図保留記憶なしの場合には、変動パターンPB2−2を使用パターンに決定することがない。図8(B)に示すように、変動パターンPB2−2は、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」になる変動パターンの中でも、特図変動時間が200ミリ秒(0.20秒)と最短である。このような飾り図柄の可変表示態様を、「超短縮変動大当り」の可変表示態様と称することもある。このように、本実施形態においては、時短中第2特図保留記憶ありの場合に、一定の割合で極めて短い特図変動時間(0.20秒)で大当り図柄が確定特別図柄として導出表示されることがある。一方、通常時や時短中第2特図保留記憶なしの場合には、「超短縮変動大当り」の可変表示態様となることがない。
図10(A)〜(C)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。これらの決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーAまたはスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されないリーチ演出の決定割合が、変動パターンPA2−2、変動パターンPA2−3といった、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されてる。一方、図9(A)および(B)に示したように、大当り時にはスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められる。
図10(B)に示す決定例では、時短中第2特図保留記憶なしの場合に対応して、変動パターンPB1−1に所定割合(90/100)で決定することができる。図10(C)に示す決定例では、時短中第2特図保留記憶ありの場合に対応して、変動パターンPB1−2に所定割合(90/100)で決定することができる。図8(B)に示すように、変動パターンPB1−1は、時短中に可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」になるときに用いられ、特図変動時間が15000ミリ秒(15.0秒)と比較的に長い「時短中ロング」の変動パターンである。一方、変動パターンPB1−2は、変動パターンPB1−1と同様の時短中に可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」になるときに用いられるが、変動パターンPB1−1とは異なり特図変動時間が200ミリ秒(0.20秒)と最短になる「時短中ショート」の変動パターンである。このように、本実施形態においては、時短中第2特図保留記憶ありで飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、極めて短い特図変動時間(0.20秒)で確定特別図柄が導出表示される。このような飾り図柄の可変表示態様を、「超短縮変動ハズレ」の可変表示態様と称することもある。
時短中第2特図保留記憶なしで飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」となる場合には、比較的に長い特図変動時間(15.0秒)で確定特別図柄が導出表示される。ここで、図8(A)に示すステップS253の処理は、特図ゲームの開始条件が成立したことに基づいて、図6に示すステップS233の処理により第2特図保留記憶数が1減算された後に、または、ステップS237の処理により第1特図保留記憶数が1減算された後に、実行される。また、本実施形態では、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームが、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームよりも、優先して実行される。したがって、ステップS253の処理にて時短中第2特図保留記憶なしの場合には、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときに、第2特図保留記憶数が「0」になっている場合と、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始される場合とが含まれている。
このように、特図ゲームの開始条件が成立したときに、第2特図保留記憶数が「0」以外である場合には、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始される。一方、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるのは、第2特図保留記憶数が「0」である場合に限られる。そして、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときに、可変表示結果が「ハズレ」に決定(事前決定)されるとともに第2特図保留記憶数が「0」以外であれば、変動パターンPB1−1に決定されることがなく、所定割合で変動パターンPB1−2に決定されることがある。可変表示結果が「大当り」に決定(事前決定)されたときには、時短中第2特図保留記憶ありに対応して、所定割合で変動パターンPB2−2に決定されることがある。
これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、可変表示結果が「ハズレ」に決定(事前決定)されれば、所定割合で変動パターンPB1−1に決定されることがあり、変動パターンPB1−2に決定されることはない。可変表示結果が「大当り」に決定(事前決定)されたときには、時短中第2特図保留記憶なしに対応して、変動パターンPB2−2に決定されることがない。したがって、時短制御(これに伴う高開放制御を含む)が行われる時短中(高ベース中)であるときには、第1特図を用いた特図ゲームにおける平均的な特図変動時間は、第2特図を用いた特図ゲームにおける平均的な特図変動時間よりも長くなるように、変動パターンの決定が行われることになる。
時短中に第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときに、第2特図保留記憶数が「0」で可変表示結果が「ハズレ」に決定(事前決定)された場合には、高い割合で変動パターンPB1−1に決定される。可変表示結果が「大当り」に決定(事前決定)されたときには、時短中第2特図保留記憶なしに対応して、変動パターンPB2−2に決定されることがない。
一方、時短中に第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるとき、第2特図保留記憶数が「0」以外で可変表示結果が「ハズレ」に決定(事前決定)された場合には、高い割合で変動パターンPB1−2に決定される。可変表示結果が「大当り」に決定(事前決定)されたときには、時短中第2特図保留記憶ありに対応して、所定割合で変動パターンPB2−2に決定されることがある。したがって、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときに、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数が所定数未満(例えば「0」)である場合には、その記憶数が所定数以上(例えば「1」〜「4」のいずれか)である場合よりも特図変動時間が長くなるように、変動パターンの決定が行われることになる。
なお、時短中に第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が「0」の場合(時短中第2特図保留記憶なしの場合)に第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときよりも特図変動時間が長くなるように、変動パターンの決定が行われるようにしてもよい。すなわち、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われている確変状態や時短状態であるときには、第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間(特図変動時間)が、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間よりも常に長くなるように、変動パターンの決定が行われるようにしてもよい。
こうして図8(A)に示すステップS252、S253の処理のいずれかを実行することにより変動パターンを決定した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS254)。特図変動時間は、図8(B)に示すような変動パターンに対応して予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS254の処理に続いて、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS255)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS255の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS256)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板31から演出制御基板80に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板31から演出制御基板80に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置9における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS256の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS257)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS257にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図11は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図確定表示中フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特図確定表示中フラグは、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されたことに対応して、後述するステップS265の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオフであるときには(ステップS261;No)、確定特別図柄を導出表示するための設定を行う(ステップS262)。また、図柄確定時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS263)。例えば、図柄確定コマンドとして予め用意された演出制御コマンドを、演出制御基板80に対して送信するための設定が行われる。さらに、特図確定表示時間として予め定められた一定時間(例えば500ミリ秒)を設定する(ステップS264)。そして、特図確定表示中フラグをオン状態にセットしてから(ステップS265)、特別図柄停止処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行される。
ステップS261にて特図確定表示中フラグがオンであるときには(ステップS261;Yes)、特図確定表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS266)。このとき、特図確定表示時間が経過していなければ(ステップS266;No)、特別図柄停止処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに特別図柄停止処理が再び実行され、特図確定表示時間が経過するまで待機する。
ステップS266にて特図確定表示時間が経過した場合には(ステップS266;Yes)、特図確定表示中フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS267)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS268)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS268;Yes)、大当り開始時演出待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS269)。このときには、大当り開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS270)。また、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当り開始フラグをオン状態にセットする(ステップS271)。続いて、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了するための設定を行う(ステップS272)。例えば、ステップS272の処理として、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグや時短フラグをクリアしてオフ状態とする処理や、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための時短回数カウンタをクリアする処理、確変制御が行われる特図ゲームの残り回数をカウントするための確変回数カウンタをクリアする処理などが、実行されればよい。
時短回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態や時短状態となる場合に、時短制御や高開放制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「70」)が設定されればよい。確変回数カウンタは、例えば遊技制御カウンタ設定部といったRAM102の所定領域に設けられ、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる場合に、確変制御が行われる特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「71」)が設定されればよい。
ステップS272の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS273)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS114の大当り開放前処理が実行される。
ステップS268にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS268;No)、時短制御(高開放制御を含む)や確変制御を終了させるか否かの判定を行う(ステップS274)。一例として、ステップS274の処理では、時短回数カウンタの格納値である時短回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の時短回数カウント値が所定の時短終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、時短終了判定値と合致すれば、所定の時短フラグをクリアしてオフ状態とすることなどにより、時短制御や高開放制御を終了すればよい。一方、時短終了判定値と合致しなければ、時短フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
また、ステップS274の処理では、確変回数カウンタの格納値である確変回数カウント値が「0」以外であるときに、そのカウント値を1減算するなどして更新する。そして、更新後の確変回数カウント値が所定の確変終了判定値(例えば「0」)と合致するか否かの判定を行う。このとき、確変終了判定値と合致すれば、所定の確変フラグをクリアすることなどにより、確変制御を終了すればよい。一方、確変終了判定値と合致しなければ、確変フラグの状態を維持するなどして、ステップS274の処理を終了すればよい。
ステップS274の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新してから(ステップS275)、特別図柄停止処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“0”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
図12は、大当り開放前処理として、図3のステップS114にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12に示す大当り開放前処理において、CPU103は、まず、大当り開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。大当り開始フラグは、大当り遊技状態の開始に対応して、図11に示すステップS271の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS291にて大当り開始フラグがオンであるときには(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS292)。このとき、大当り開始時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS292;No)、大当り開放前処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放前処理が再び実行され、大当り開始時演出待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS292にて大当り開始時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS292;Yes)、大当り開始フラグをクリアしてオフ状態とした後に(ステップS293)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたラウンドカウンタに、ラウンド遊技の実行回数に対応するカウント初期値として「1」を設定する(ステップS294)。
ステップS291にて大当り開始フラグがオフであるときや(ステップS291;No)、ステップS294の処理を実行した後には、ラウンド遊技にて開放状態とするアタッカーの大入賞口を、通常アタッカー20Aに形成された大入賞口または確変アタッカー20Bに形成された大入賞口のいずれかに決定する(ステップS295)。図13(A)は、ステップS295の処理における決定例を示している。この実施の形態では、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかであるときに、通常アタッカー20Aにおける大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。一方、ラウンドカウント値が「14」であるときには、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行することに決定される。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」となったときに、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行され、確変アタッカー20Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。
ステップS295の処理により開放する大入賞口を決定することにあわせて、遊技球を有効に検出するための検出有効スイッチを設定してもよい。例えば、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかであるときには、通常アタッカー20Aにおける大入賞口が開放状態となることにあわせて、カウントスイッチ23aによる遊技球の検出を有効にする。一方、ラウンドカウント値が「14」であるときには、確変アタッカー20Bにおける大入賞口が開放状態となることにあわせて、確変検出スイッチ24aによる遊技球の検出を有効にする。
ステップS295の処理に続いて、例えば大当り種別バッファなどから大当り種別の記憶データを読み出す(ステップS296)。そして、大入賞口開放上限時間を決定する(ステップS297)。大入賞口開放上限時間は、大当り遊技状態にて実行される各回のラウンド遊技にて、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする上限時間である。図13(B)は、ステップS297の処理における決定例を示している。この実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」であるときに、ラウンドカウント値が「1」〜「13」のいずれかである場合と「14」である場合とで、大入賞口開放上限時間を異ならせている。特に、ラウンドカウント値が「14」である場合には、大入賞口開放上限時間が極めて短い時間(0.05秒)に設定され、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が極めて低い。一方、大当り種別が「第2大当り」であるときには、ラウンドカウント値が「1」〜「14」のいずれであるかにかかわらず、大入賞口開放上限時間が一定時間(29.5秒)に設定される。したがって、大当り種別が「第2大当り」である場合には、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。
本実施形態では、図7(B)に示すように、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに、大当り種別が「第2大当り」に決定される割合が高くなる(決定割合が100/100になる)。そして、大当り種別が「第2大当り」である場合には、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を遊技球が通過(進入)する可能性が高く、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立しやすい。したがって、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームにて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」になった場合には、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームにて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」になった場合よりも、遊技者にとって有利な大当り種別が「第2大当り」の大当り遊技状態に制御されやすい。すなわち、第2始動入賞口13bを遊技球が通過したことに基づいて特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」に決定されたときには、遊技者にとって不利な大当り種別が「第1大当り」の大当り遊技状態に制御すると決定されることがない。なお、第2始動入賞口13bを遊技球が通過したことに基づいて特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」に決定されたときには、第1始動入賞口13aを遊技球が通過したことに基づいて特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」に決定されたときに比べて低い割合で、遊技者にとって不利な大当り種別が「第1大当り」の大当り遊技状態に制御すると決定されてもよい。
ステップS297の処理を実行した後には、ステップS295の処理により決定された大入賞口(通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20B)を閉鎖状態から開放状態とするための開放開始制御が行われる(ステップS298)。このときには、ステップS295の処理により決定された開放する大入賞口に応じて、ソレノイド21a、21bのいずれかに駆動信号を送信するための設定が行われる。一例として、通常アタッカー20Aにおける大入賞口を開放状態とする場合には、通常アタッカー用のソレノイド21aに駆動信号を送信するための設定を行う。一方、確変アタッカー20Bにおける大入賞口を開放状態とする場合には、確変アタッカー用のソレノイド21bに駆動信号を送信するための設定を行う。
その後、特図プロセスフラグの値を“5”に更新してから(ステップS299)、大当り開放前処理を終了する。ステップS299にて特図プロセスフラグの値が“5”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS115の大当り開放中処理が実行される。
図14は、大当り開放中処理として、図3のステップS115にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す大当り開放中処理において、CPU103は、まず、大入賞口開放上限時間が経過したか否かを判定する(ステップS311)。このとき、大入賞口開放上限時間が経過していなければ(ステップS311;No)、カウントスイッチ23aと確変検出スイッチ24aのうちで、遊技球の検出が有効な検出有効スイッチ(大入賞口スイッチ)から伝送された検出信号がオン状態となったか否かを判定する(ステップS312)。
ステップS312にて検出有効スイッチがオンである場合には(ステップS312;Yes)、入賞個数カウント値を1加算するように更新する(ステップS313)。入賞個数カウント値は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた入賞個数カウンタの格納値であり、1回のラウンド遊技が実行されるあいだに検出有効スイッチにより検出された遊技球の個数を示すものであればよい。その後、検出有効スイッチにより遊技球が検出されたことに基づいて、賞球となる遊技球を払い出すための設定を行う(ステップS314)。なお、賞球を直接に払い出すことに代えて、賞球の個数に対応した得点を付与するようにしてもよい。
ステップS312にて大入賞口スイッチがオフである場合や(ステップS312;No)、ステップS314の処理を実行した後には、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS315)。このとき、確変確定フラグがオフであれば(ステップS315;No)、確変検出スイッチ24aから伝送された検出信号がオン状態であるか否かを判定する(ステップS316)。そして、確変検出スイッチ24aがオンであるときには(ステップS316;Yes)、確変確定フラグをオン状態にセットする(ステップS317)。
ステップS315にて確変確定フラグがオンであるときや(ステップS315;Yes)、ステップS316にて確変検出スイッチ24aがオフであるとき(ステップS316;No)、あるいはステップS317の処理を実行した後には、入賞個数カウント値が予め定められた入賞上限判定値(例えば「6」)に達したか否かを判定する(ステップS318)。このとき、入賞上限判定値に達していなければ(ステップS318;No)、大当り開放中処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放中処理が再び実行される。
一方、ステップS311にて大入賞口開放上限時間が経過した場合や(ステップS311;Yes)、ステップS318にて入賞上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS318;Yes)、今回のラウンド遊技を終了すると判断して、開放状態となっている大入賞口(通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20B)を閉鎖状態に戻すための開放終了制御が行われる(ステップS319)。このときには、開放した大入賞口に応じて、ソレノイド21a、21bのいずれかに対する駆動信号の送信を停止するための設定が行われればよい。
ステップS319の処理に続いて、入賞個数カウンタをクリアすることで、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS320)。そして、特図プロセスフラグの値を“6”に更新してから(ステップS321)、大当り開放中処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“6”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS116の大当り開放後処理が実行される。
図15は、大当り開放後処理として、図3のステップS116にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り開放後処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた次ラウンド待ちフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS331)。次ラウンド待ちフラグは、大当り遊技状態における次回のラウンド遊技が開始されるまで待機することに対応して、後述するステップS334の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS331にて次ラウンド待ちフラグがオフであるときには(ステップS331;No)、ラウンドカウント値が予め定められたラウンド上限判定値(例えば「14」)に達したか否かを判定する(ステップS332)。このとき、ラウンド上限判定値に達していなければ(ステップS332;No)、次ラウンド待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS333)。そして、次ラウンド待ちフラグをオン状態にセットしてから(ステップS334)、大当り開放後処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの値が更新されないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行される。
ステップS332にてラウンド上限判定値に達したと判定された場合には(ステップS332;Yes)、大当り終了前時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS335)。このときには、ラウンドカウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化する(ステップS336)。また、大当りフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS337)。そして、特図プロセスフラグの値を“7”に更新してから(ステップS338)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“7”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS117の大当り終了処理が実行される。
ステップS331にて次ラウンド待ちフラグがオンである場合には(ステップS331;Yes)、次ラウンド待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS339)。そして、次ラウンド待ち時間が経過していなければ(ステップS339;No)、大当り開放後処理を終了する。このときには、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り開放後処理が再び実行され、次ラウンド待ち時間が経過するまで待機する。
ステップS339にて次ラウンド待ち時間が経過したときには(ステップS339;Yes)、次ラウンド待ちフラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS340)。また、ラウンドカウント値を1加算するように更新する(ステップS341)。そして、特図プロセスフラグの値を“4”に更新してから(ステップS342)、大当り開放後処理を終了する。特図プロセスフラグの値が“4”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS114の大当り開放前処理が実行され、新たなラウンド遊技を開始させることができる。
図16は、大当り終了処理として、図3のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了前時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。このとき、大当り終了前時間が経過していなければ(ステップS361;No)、大当り終了処理を終了する。ここでは、特図プロセスフラグの更新が行われないことから、次回のタイマ割込みが発生したときに大当り終了処理が再び実行され、大当り終了前時間が経過するまで待機する。
ステップS361にて大当り終了前時間が経過した場合には(ステップS361;Yes)、時短制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を時短状態とするための設定を行う(ステップS362)。一例として、ステップS361の処理では、時短フラグをオン状態にセットすることに加え、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「70」)を、時短回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS363)。
ステップS363にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS363;Yes)、確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS364)。一例として、ステップS364の処理では、確変フラグをオン状態にセットすることに加え、確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「71」)を、確変回数カウンタに設定する。その後、確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS365)。
ステップS363にて確変確定フラグがオフであるときや(ステップS363;No)、ステップS365の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS366)、大当り終了処理を終了する。特図プロセスフラグが“0”に初期化されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS110の特別図柄通常処理が実行される。
このような大当り終了処理では、ステップS364で確変制御を開始するための設定を行う前に、ステップS362で時短制御を開始するための設定が行われる。したがって、大当り遊技状態中に確変確定フラグがオン状態にセットされて確変制御条件が成立すると、大当り遊技状態の終了後における遊技状態は、確変制御とともに時短制御(これに伴う高開放制御)が行われる高確率/高ベース状態としての確変状態に制御される。
図17(A)は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17(A)に示す普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS130)。例えば、ステップS130のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ32aからの検出信号に基づき、ゲートスイッチ32aがオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ32aがオンであるときには、RAM102の所定領域に設けられた普図保留記憶部における保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR4を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで、乱数値MR4が記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
普図保留記憶部は、通過ゲート32を遊技球が通過したものの未だ開始されていない普図ゲームの保留データを記憶する。一例として、普図保留記憶部は、通過ゲート32の通過順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過による普図始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして普図保留記憶部に記憶された保留データは、普通図柄表示器10による普通図柄を用いた普図ゲームの実行が保留されていることを示し、この普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」に決定されるか否かなどを判定可能にする普図保留記憶情報となる。
ステップS130のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、図17(A)に示すステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器10による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部に格納された保留データがある場合には、普図表示結果決定処理や普図変動時間決定処理を実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。普通図柄決定処理は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する処理である。普図変動時間決定処理は、普通図柄表示器20における普通図柄の可変表示を開始してから普図表示結果が導出されるまでの可変表示時間である普図変動時間を決定する処理である。
普図表示結果決定処理では、普図保留記憶部から読み出した保留データに含まれる普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データなどに基づき、所定の普図表示結果決定テーブルを参照して、普図表示結果を決定する。ここで、普図表示結果決定テーブルでは、高開放制御を伴う時短制御が行われているか否かに応じて、普図表示結果決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、普図表示結果を「普図当り」と「普図ハズレ」のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
図17(B)は、普図表示結果等の決定例を示している。この決定例では、時短制御の有無に応じて、普図表示結果を「普図当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、時短制御が行われているときには、時短制御が行われていないときよりも高い割合で、普図表示結果が「普図当り」に決定される。これにより、遊技状態が高ベース状態で高開放制御を伴う時短制御が行われるときには、低ベース状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となりやすくなることで、可変入賞球装置15に形成された第2始動入賞口13bが開放状態または拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
また、高開放制御を伴う時短制御が行われる高ベース状態では、時短制御が行われない低ベース状態よりも普図変動時間が短くなるように設定される。これにより、高ベース状態にて時短制御が行われるときには、低ベース状態であるときに比べて普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が導出表示される間隔が短くなることで、「普図当り」の可変表示結果が導出表示される間隔も短くなり、可変入賞球装置15に形成された第2始動入賞口13bが開放状態または拡大開放状態となる頻度が高まり、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)しやすくなる。
さらに、高ベース状態では、第2始動入賞口13bを開放状態または拡大開放状態とする開放時間や開放回数が低ベース状態よりも増加するように設定されてもよい。これにより、高ベース状態にて時短制御が行われるときには、低ベース状態であるときに比べて第2始動入賞口13bが開放状態や拡大開放状態となる時間や回数が増加することで、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)しやすくなればよい。図17(B)に示す決定例では、時短制御が行われていない「時短制御なし」に対応して、第2始動入賞口13bの開放時間が0.3秒(×1回)に決定される。一方、時短制御が行われている「時短制御あり」に対応して、第2始動入賞口13bの開放時間が5.8秒(×1回)に決定される。こうした開放時間の増加に代えて、あるいは、開放時間の増加とともに、第2始動入賞口13bの開放回数を増加させることにより、高ベース状態では低ベース状態よりも第2始動入賞口13bに遊技球が通過(進入)しやすくなるようにしてもよい。なお、第2始動入賞口13bを開放状態や拡大開放状態とする設定は、ステップS142の普通図柄停止処理やステップS143の普通電動役物作動処理にて行うようにしてもよい。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器10において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器10にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、可変入賞球装置15が備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口13bを通常開放状態から拡大開放状態に変化させるための設定などが行われる。
次に、演出制御基板80における動作を説明する。
演出制御基板80では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板80に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板80の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板31から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板31からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板77を介して主基板31から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ27からの音声出力動作、装飾用ランプ28および装飾用LEDなどの装飾発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板31から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板31から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置9の表示領域における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置9の表示領域における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板31から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板31からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板80の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板31から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板31から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置9の表示領域に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾用ランプ28や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板31から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置9の表示領域に表示させることや、音声制御基板70に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板35に対する指令(電飾信号)の出力により装飾用ランプ28や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図19(A)は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。ステップS401の処理として、演出制御用CPU120は、主基板31から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「大当り」がある。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「大当り」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となる。
図19(B)は、ステップS401の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリアに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリアに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリアに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリアにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置9の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「大当り」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置9の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかなどに応じて、異なる確定飾り図柄が決定されてもよい。具体的な一例として、大当り種別が「第1大当り」である場合には、複数種類の飾り図柄のうちで偶数を示す飾り図柄を、確定飾り図柄に決定してもよい。また、大当り種別が「第2大当り」である場合には、複数種類の飾り図柄のうちで奇数を示す飾り図柄を、確定飾り図柄に決定してもよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、予告演出を決定する(ステップS402)。ステップS402の処理では、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
ステップS402の処理に続いて、右打ち促進演出設定処理を実行する(ステップS402A)。本実施形態では、パチンコ遊技機1における遊技状態が高ベース状態(時短状態)や確変状態であり高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われているときに、所定の促進演出条件が成立することで、遊技球を右遊技領域7Bに向けて発射させるよう遊技者に促す右打ち促進演出が実行される。促進演出条件は、例えば第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときに、第2特図保留記憶数が所定の促進判定値以下(本実施形態では「0」)であれば成立する。また、促進演出条件は、例えば第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときにも成立する。本実施形態では、第2特図を用いた特図ゲームが、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。したがって、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が「0」になっている。このように、右打ち促進演出は、第2特図保留記憶数が「0」になり、今回の特図ゲームが終了してしまうと次回は第2特図を用いた特図ゲームの実行を開始させられない状況において、第2始動入賞口13bを通過するように遊技球の発射を促す演出(特定演出)であればよい。
図20(A)は、図19(A)のステップS402Aにて実行される右打ち促進演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図20(A)に示す右打ち促進演出設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、高開放制御(高ベース制御)が行われている高ベース制御中であるか否かを判定する(ステップS601)。このとき、高ベース制御中ではないと判定された場合には(ステップS601;No)、右打ち促進演出設定処理を終了する。
ステップS601にて高ベース制御中であると判定された場合には(ステップS601;Yes)、第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおいて第2特図の変動が開始されるか否かを判定する(ステップS602)。演出制御用CPU120は、例えば主基板31から伝送された変動開始コマンドが第2変動開始コマンドであるか否かに応じて、第2特図の変動が開始されるか否かを判定すればよい。そして、第2特図の変動開始であると判定されたときには(ステップS602;Yes)、第2特図保留記憶数が予め定められた促進判定値以下(例えば「0」)であるか否かを判定する(ステップS603)。第2特図保留記憶数は、例えば主基板31から伝送された第2保留記憶数通知コマンドなどにより、演出制御用CPU120において特定できればよい。第2特図保留記憶数が促進判定値を超えているときには(ステップS603;No)、右打ち促進演出設定処理を終了する。
ステップS602にて第2特図ではなく第1特図の変動が開始されると判定した場合や(ステップS602;No)、ステップS603にて第2特図保留記憶数が促進判定値以下であると判定したときには(ステップS603;Yes)、右打ち促進演出の有無を決定する(ステップS604)。一例として、演出制御用CPU120は、ステップS604の処理が実行されたときに、常に右打ち促進演出を実行する「演出あり」に決定してもよい。他の一例として、演出制御用CPU120は、主基板31から伝送された変動パターン指定コマンドにより変動パターンPB1−1が指定された場合に右打ち促進演出を実行する「演出あり」に決定する一方、変動パターンPB1−1以外が指定された場合には右打ち促進演出を実行しない「演出なし」に決定してもよい。この場合には、特図変動時間が変動パターンPB1−1における特定時間(15.0秒)に決定されたことに対応して、右打ち促進演出を実行することに決定できる。また、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる場合には、右打ち促進演出が実行されないように制限(禁止)することで、リーチ演出に対して遊技者を注目させることができる。なお、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われる時短中には、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合に、リーチ演出を伴う変動パターンに決定される割合が低くなるように、変動パターンの決定割合が設定されていてもよい。
さらに他の一例として、演出制御用CPU120は、ステップS604の処理において、所定割合で右打ち促進演出を実行するか否かを決定してもよい。右打ち促進演出を実行するか否かは、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された促進演出決定テーブルを用いて、決定されればよい。促進演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、促進演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、右打ち促進演出の有無の決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される促進演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、促進演出決定テーブルを参照することにより、右打ち促進演出の有無を決定すればよい。促進演出決定テーブルでは、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「大当り」のいずれであるかにかかわらず、所定割合で右打ち促進演出を実行することに決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。あるいは、促進演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」や「大当り」の場合よりも高い割合で右打ち促進演出を実行することに決定されるように、決定値が割り当てられていてもよい。このような設定では、右打ち促進演出が実行されない場合に、実行される場合よりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性(リーチ信頼度)や、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)を高めることができる。
ステップS604の処理による決定に基づいて、右打ち促進演出を実行する「演出あり」であるか否かを判定する(ステップS605)。このとき、右打ち促進演出を実行しない「演出なし」であると判定された場合には(ステップS605;No)、右打ち促進演出設定処理を終了する。一方、右打ち促進演出を実行する「演出あり」であると判定された場合には(ステップS605;Yes)、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示時間を特定する(ステップS606)。演出制御用CPU120は、例えば主基板31から伝送された変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応して、可変表示時間(特図変動時間)を特定すればよい。
ステップS606の処理に続いて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否か、すなわち、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されているか否かという、第1特図保留の有無を特定する(ステップS607)。演出制御用CPU120は、例えば主基板31から伝送された第1保留記憶数通知コマンドなどに基づいて、第1特図保留の有無を特定すればよい。このような第1特図保留の有無を特定した結果に応じて、右打ち促進演出における演出態様を設定するために予め用意された複数種類の右打ち促進実行設定情報のうちで、いずれかの情報を選択して使用可能にセットしてから(ステップS608)、右打ち促進演出設定処理を終了する。
本実施形態では、右打ち促進演出において、画像表示装置9の表示領域に所定のメッセージを示す演出画像(文字画像)を表示させることができる。こうした演出画像の表示によるメッセージの報知は、右打ち促進演出における第1演出要素となり、遊技球を右遊技領域7Bに向けて発射すべきことを遊技者が認識可能に報知する。なお、演出画像の表示によるメッセージの報知に限定されず、例えばスピーカ27からの音声出力によりメッセージの報知が行われるものであってもよい。このように、右打ち促進演出は、第2始動入賞口13bを通過するように遊技球の発射を促す「メッセージ」の演出内容を含んでいればよい。また、右打ち促進演出において、画像表示装置9の表示領域に所定のメータを示す演出画像を表示させ、特図ゲームや飾り図柄の可変表示が進行するに従ってメータの残り表示量が減少していくような演出表示を実行させることもできる。遊技者は、メータの残り表示量を確認することで、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示時間の残り時間を、認識することができる。こうしたメータの演出表示による報知は、右打ち促進演出における第2演出要素となり、特別図柄や飾り図柄の可変表示が終了するまでの残り時間を遊技者が認識可能に示唆する。なお、メータの演出表示による残り時間の示唆に限定されず、例えば装飾用LEDの点灯個数により可変表示の残り時間を示唆するものであってもよい。このように、右打ち促進演出は、可変表示の残り時間を示唆する「メータ」の演出内容を含んでいればよい。
図20(B)は、ステップS608の処理によってセットされる右打ち促進実行設定情報の一例を示している。本実施形態では、複数種類の右打ち促進実行設定情報として、実行設定情報INF01と、実行設定情報INF02とが、予め用意されている。演出制御用CPU120は、ステップS607の処理により特定された第1特図保留の有無に応じて、実行設定情報INF01、INF02のいずれかを選択し、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた実行設定情報バッファに記憶させることなどにより、使用可能にセットすればよい。図20(B)に示す例では、第1特図保留がある場合に実行設定情報INF01が選択されてセットされる一方、第1特図保留がない場合に実行設定情報INF02が選択されてセットされる。実行設定情報INF01は、右打ち促進演出として、第1演出要素となる「メッセージ」の演出内容と、第2演出要素となる「メータ」の演出内容との両方を含んだ演出を、実行するための設定情報である。実行設定情報INF02は、右打ち促進演出として、第1演出要素となる「メッセージ」の演出内容を含む一方で、第2演出要素となる「メータ」の演出内容を含まない演出を、実行するための設定情報である。
このように、第1特図保留記憶部151Aに保留データが記憶されていないことに対応して第1特図保留がない場合には、第2演出要素となる「メータ」の演出内容が含まれないという、右打ち促進演出の実行に制限が設けられる。この場合には、今回の可変表示が終了しても第1特図を用いた特図ゲームが実行されない。したがって、第2始動入賞口13bに遊技球を通過(進入)させなくても、遊技者にとって不利な大当り遊技状態に制御すると決定されることがない。
なお、右打ち促進演出の実行に制限を設ける場合には、第1演出要素となる「メッセージ」の演出内容が含まれず第2演出要素となる「メータ」の演出内容のみが含まれる演出が実行されるようにしてもよい。あるいは、右打ち促進演出を実行しないように制限(禁止)してもよい。あるいは、演出画像の表示、音声出力、装飾発光体の点灯といった、複数の演出装置を用いた演出動作のうちで、一部の演出装置を用いた演出動作を実行しないことにより、右打ち促進演出の実行に制限を設けるようにしてもよい。また、例えば演出画像の縮小表示や、音声出力の音量低下、装飾発光体の点灯量低下などにより、右打ち促進演出の一部または全部が遊技者に認識困難な演出態様で実行されるように制限するものであってもよい。
図20(A)に示す右打ち促進演出設定処理では、ステップS602で第2特図の変動開始ではなく第1特図の変動開始であると判定されたときと、ステップS603で第2特図保留記憶数が促進判定値以下(例えば「0」)であると判定されたときに、ステップS604で右打ち促進演出を実行することに決定できる。したがって、時短制御に伴う高開放制御(高ベース制御)が行われる高ベース制御中に、第2特図保留記憶数が「0」となる時短中第2特図保留記憶なしに対応して、特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が変動パターンPB1−1における特定時間(15.0秒)に決定されたことなどに基づいて、右遊技領域7Bに向けた遊技球の発射(右打ち)を促す右打ち促進演出を実行することに決定できる。なお、変動パターンPB1−1に対応した特図変動時間を特定時間とするものに限定されず、時短中第2特図保留記憶なしに対応して決定可能な任意の変動パターンに対応した特図変動時間を特定時間としてもよい。すなわち、特定時間は、変動パターンPB1−1といった特定の変動パターンに対応する特図変動時間であってもよいし、時短中第2特図保留記憶なしの場合における平均的な特図変動時間であってもよい。
図19(A)に示すステップS402Aにて右打ち促進演出設定処理を実行した後には、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS402の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。さらに、演出制御用CPU120は、実行設定情報バッファの記憶データに示される右打ち促進演出の実行設定情報に対応して、複数用意された右打ち促進演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。
ステップS403の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。そして、画像表示装置9における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。このときには、例えばステップS404にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置9の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア18cにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、始動入賞記憶表示エリア18cに含まれる第1保留数表示エリア18c1において保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。一方、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、始動入賞記憶表示エリア18cに含まれる第2保留数表示エリア18c2において保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図21は、可変表示中演出処理として、図18のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、予告演出を実行するための予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS452)。予告演出実行期間は、例えば図19(A)に示すステップS403の処理にて選択された予告演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS452にて予告演出実行期間であるときには(ステップS452;Yes)、例えば所定のキャラクタ画像となる演出画像の表示といった、予告演出を実行するための演出制御を行う(ステップS453)。ステップS453の処理では、例えば図19(A)に示すステップS403の処理にて選択された予告演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板70、ランプ制御基板35などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置9の表示領域に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ27から所定の効果音を出力させること、装飾用ランプ28および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて予告演出を実行できればよい。
ステップS452にて予告演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS452;No)、ステップS453の処理を実行した後には、例えば実行設定情報バッファの記憶データを読み取ることなどにより、右打ち促進演出を実行するための実行設定情報があるか否かを判定する(ステップS454)。このとき、実行設定情報があると判定された場合には(ステップS454;Yes)、予め定められた促進終了条件が成立したか否かを判定する(ステップS455)。一例として、演出制御用CPU120は、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて最終停止図柄となる確定飾り図柄が導出表示(停止表示)されるときに、促進終了条件が成立したと判定すればよい。また、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」や「大当り」である場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となったときに、促進終了条件が成立したと判定すればよい。あるいは、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達したときに、促進終了条件が成立したと判定してもよい。
ステップS455にて促進終了条件が成立していないときには(ステップS455;No)、予め定められた促進変更条件が成立したか否かを判定する(ステップS456)。一例として、演出制御用CPU120は、第2特図保留記憶数が所定値(例えば「1」)に達したときに、促進変更条件が成立したと判定すればよい。促進変更条件が成立した場合には(ステップS456;Yes)、右打ち促進実行設定情報を変更する(ステップS457)。これにより、右打ち促進演出における演出態様が変更される。例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた実行設定情報バッファの記憶データを書き替えて、新たな右打ち促進実行設定情報を記憶させる。こうして、促進変更条件が成立したときには、演出画像の表示色や大きさ、音声出力の音量やBGM、装飾発光体の発光量や発光間隔を変化させることなどにより、右打ち促進演出における演出態様を変更すればよい。
ステップS456にて促進変更条件が成立していない場合や(ステップS456;No)、ステップS457の処理を実行した後には、右打ち促進演出を実行するための演出制御を行う(ステップS458)。ステップS458の処理では、例えば実行設定情報バッファに記憶されている右打ち促進実行設定情報に対応して選択された右打ち促進演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板70、ランプ制御基板35などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置9の表示領域に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ27から所定の効果音を出力させること、装飾用ランプ28および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて右打ち促進演出を実行できればよい。
ステップS455にて促進終了条件が成立した場合には(ステップS455;Yes)、右打ち促進演出の実行を終了するための設定を行う(ステップS459)。ステップS459の処理では、演出制御用CPU120が作成した所定の制御指令を、表示制御部123や音声制御基板70、ランプ制御基板35などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置9、スピーカ27、装飾用ランプ28や装飾用LEDといった、所定の演出装置を用いた右打ち促進演出の実行を、終了させる。このときには、RAM122の所定領域(演出制御バッファなど)に設けられた実行設定情報バッファの記憶データを消去することなどにより、右打ち促進実行設定情報をクリアする(ステップS460)。
ステップS454にて右打ち促進実行設定情報がないと判定された場合や(ステップS454;No)、ステップS458、S460の処理のいずれかを実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS461)。リーチ演出実行期間は、例えば図19(A)に示すステップS403の処理にて選択された特図変動時演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS461にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS461;Yes)、リーチ演出を実行するための演出制御を行う(ステップS462)。ステップS461にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS461;No)、ステップS462の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS463)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板31から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS464)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS464;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS464にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS464;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS465)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS466)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS467)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な動作例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域7に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bを通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置8aや第2特別図柄表示装置8bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。より具体的には、遊技球が第1始動入賞口13aを通過(進入)して第1始動入賞が発生したことに基づいて、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行される。また、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)して第2始動入賞が発生したことに基づいて、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。画像表示装置9の表示領域では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態に変化するラウンド遊技が行われることで、遊技者が多数の賞球(または対応する得点)を得られる有利な状態となる。
ラウンド遊技にて開放状態となる大入賞口としては、図1に示す右遊技領域7Bに属する通常アタッカー20Aや確変アタッカー20Bに形成された大入賞口がある。大当り遊技状態にて実行される複数回のラウンド遊技にて、いずれの大入賞口を開放状態とするかは、図12に示すステップS295の処理にて、図13(A)に示すようなラウンドカウント値に応じて決定される。また、図12に示すステップS297の処理では、図13(B)に示すような大当り種別やラウンドカウント値に応じた大入賞口開放上限時間が決定される。
大当り遊技状態の終了後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、通常状態よりも特図表示結果が「大当り」となりやすい確変状態に制御されることがある。一例として、確変アタッカー20Bにおいて開放状態となった大入賞口を通過(進入)した遊技球が確変検出スイッチ24aにより検出されたときに、確変制御条件が成立する。ここで、通常アタッカー20Aに形成された大入賞口に進入した遊技球(通常アタッカー入賞球)は、カウントスイッチ23aにより検出された後に、確変検出スイッチ24aでは検出されずに排出経路へと誘導される。一方、確変アタッカー20Bに形成された大入賞口に進入した遊技球(確変アタッカー入賞球)は、確変検出スイッチ24aにより検出することができる。その後、確変アタッカー入賞球は、排出経路へと誘導される。
図14に示すステップS315の処理にて確変確定フラグがオフであるときには、ステップS316の処理にて確変検出スイッチ24aがオンであるか否かが判定される。そして、確変検出スイッチ24aがオンであると判定された場合には、ステップS317の処理により確変確定フラグがオン状態にセットされる。大当り遊技状態の終了時には、図16に示すステップS363の処理により確変確定フラグがオンであると判定された場合に、ステップS364の処理により確変制御を開始するための設定が行われる。こうして、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行中に確変検出スイッチ24aにより遊技球が検出されたことに基づいて、大当り遊技状態の終了後には確変状態に制御することができる。
本実施形態では、大当り種別が「第1大当り」または「第2大当り」のいずれに決定された場合でも、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大実行回数は「14」になる(第14ラウンドまで)。そして、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」である第1ラウンド(1R)〜第13ラウンド(13R)までは、通常アタッカー20Aに形成された大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」である第14ラウンド(14R)では、確変アタッカー20Bに形成された大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。この第14ラウンドにて確変アタッカー20Bを開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)は、図13(B)に示すような決定により、大当り種別が「第1大当り」である場合に、大当り種別が「第2大当り」である場合よりも極めて短い時間(0.05秒)となる。したがって、大当り種別が「第1大当り」である場合には、確変用アタッカー20Bに形成された大入賞口に遊技球を進入させることが極めて困難または不可能であり、確変制御条件が成立しにくい。
大当り種別は、図6に示すステップS242の処理により、図7(B)に示すような変動特図に応じて異なる割合で決定される。第1特図を用いた特図ゲームは、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)したことに基づいて実行される。一方、第2特図を用いた特図ゲームは、第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)したことに基づいて実行される。第2始動入賞口13bは、可変入賞球装置15の可動翼片が開放状態または拡大開放状態になることで遊技球が通過(進入)しやすくなり、閉鎖状態または通常開放状態になることで遊技球が通過(進入)不可能あるいは通過(進入)困難になる。可変入賞球装置15は、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったときに、開放状態または拡大開放状態になる。確変状態や時短状態にて高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われるときには、時短制御が行われない通常状態などよりも第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、可変入賞球装置15に形成された第2始動入賞口13bを開放状態または拡大開放状態に変化させる。
時短制御が行われていない通常状態であるときには、第1始動入賞口13aを遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となる場合が多い。この場合、大当り種別が所定割合(50/100)で「第1大当り」に決定されることで、確変制御条件が成立しにくい。したがって、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り遊技状態の終了後に確変状態となる可能性(いわゆる「連チャン率」)が抑制される。ただし、第1ラウンド〜第13ラウンドまでは通常アタッカー20Aの大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)が十分に長い時間(29.5秒)に設定される。これにより、遊技者には多くの賞球(または対応する得点)を得る機会が与えられ、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣が高められる。
通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に連チャン率を抑制するものとして、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数を少なくすることや、各回のラウンド遊技にて大入賞口を開放状態とする上限時間を短くすることにより、遊技球が大入賞口に進入しにくい大当り遊技状態を設け、その大当り遊技状態の終了後には確変制御を行う一方で、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われないようにすることがある。この場合、遊技球が大入賞口に進入しにくい大当り遊技状態が頻発することで、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣が低下するおそれがあった。この発明の実施の形態によれば、通常状態にて特図表示結果が「大当り」となる場合に連チャン率を抑制しつつ、通常アタッカー20Aの大入賞口は遊技球が進入しやすい開放状態となるラウンド遊技が実行されることから、可変表示結果が「大当り」となる遊技興趣の低下を防止することができる。
また、第1ラウンド〜第13ラウンドまでのラウンド遊技では、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかにかかわらず、通常アタッカー20Aの大入賞口を開放状態とする上限時間が十分に長い時間に設定され、通常アタッカー20Aを遊技球が入賞しやすい第1変化態様で遊技者にとって有利な第1状態に変化させる。一方、第14ラウンドのラウンド遊技において、大当り種別が「第1大当り」である場合には、確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態とする上限時間が極めて短い時間に設定され、確変アタッカー20Bを遊技球が入賞しにくい第2変化態様で遊技者にとって有利な第1状態に変化させる。他方、第14ラウンドのラウンド遊技において、大当り種別が「第2大当り」である場合には、確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態とする上限時間が十分に長い時間に設定され、確変アタッカー20Bを遊技球が入賞しやすい第1変化態様で遊技者にとって有利な第1状態に変化させる。したがって、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」となったときに、確変アタッカー20Bの大入賞口の変化態様に応じて確変制御条件の成立しやすさを異ならせて、特定回数のラウンド遊技に対する遊技者の興味を高めることができる。
なお、確変アタッカー20Bには、大入賞口が閉鎖状態であるときに不正部材等により強制的に開放状態とすることを防止するための開放防止機構が設けられてもよい。一方、通常アタッカー20Aには、このような開放防止機構が設けられないようにしてもよい。
図6に示す特別図柄通常処理では、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定された場合に、ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」であるか否かが判定され、第1特図保留記憶数が「0」以外であれば、第1特図を用いた特図ゲームの実行を開始するための開始条件(第1開始条件)が成立する。一方、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外である場合には、ステップS235の処理が実行されずに第2特図を用いた特図ゲームの実行を開始するための開始条件(第2開始条件)が成立する。したがって、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。ステップS242の処理では、図7(B)に示すような変動特図に応じて異なる割合で大当り種別が決定され、変動特図が第1特図の場合には大当り種別が「第1大当り」に決定されることがある一方で、変動特図が第2特図の場合には大当り種別が「第1大当り」に決定されることがない。すなわち、第2始動入賞口13bを遊技球が通過したことに基づいて特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」に決定されたときには、遊技者にとって不利な大当り種別が「第1大当り」の大当り遊技状態に制御すると決定されることがない。
パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態や時短状態であり高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われているときには、有利変化態様で第2始動入賞口13bを開放状態または拡大開放状態に変化させる。このとき、遊技者は右遊技領域7Bに向けて遊技球を発射することで、第2始動入賞口13bに遊技球を通過(進入)させれば、特図表示結果が「大当り」に決定されたときに大当り種別が「第1大当り」に決定されてしまうことを防止できる。しかしながら、パチンコ遊技機1における遊技に習熟していない遊技者は、第2始動入賞口13bに遊技球を通過(進入)させることができずに、第1特図を用いた特図ゲームが実行されてしまい、遊技者にとって不利な大当り種別が「第1大当り」の大当り遊技状態に制御すると決定されるおそれがある。
そこで、本実施形態では、図8(A)に示すステップS253の処理にて、時短中第2特図保留記憶なしの場合に、図10(B)に示すような割合で変動パターンPB1−1に決定することで、時短中第2特図保留記憶ありの場合よりも長い特図変動時間を設定可能にする。こうして、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数が所定数未満(具体的には「0」)であるときに、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間(特図変動時間)を、保留データの記憶数が所定数以上であるときよりも長い特定時間に決定する。また、高開放制御(高ベース制御)が行われる確変状態や時短状態であるときに開始される特図ゲームについて、第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間(特図変動時間)を、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示時間(特図変動時間)よりも長い特定時間に決定する。
加えて、図20(A)に示すステップS603にて第2特図保留記憶数が促進判定値以下(具体的には「0」)であると判定されたときや、ステップS602にて第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始ではないと判定されたときに、ステップS604の処理にて右打ち促進演出を実行することに決定する。こうした決定結果に基づいて、図21に示すステップS458の演出制御が行われることにより、右打ち促進演出を実行して、第2始動入賞口13bを通過するような遊技球の発射を、遊技者に促すことができる。
図22は、高ベース制御中に第1特図保留記憶数が「1」以上である場合の演出動作例を示している。高ベース制御中には、遊技球を右遊技領域7Bに向けて発射させて、通過ゲート32を通過させたり、可変入賞球装置15において開放状態(または拡大開放状態)となった第2始動入賞口13bを通過(進入)させたりするのが望ましい。そこで、画像表示装置9の表示領域における所定位置(例えば右上部)には、図22(A)に示すような右向き矢印AR1の演出画像を表示させる。この矢印AR1を示す演出画像は、高ベース制御中には常に表示させておけばよい。
図22(A)に示す第1保留数表示エリア18c1では、3つの表示部位が所定の表示色(図22(A)では実線)で表示される一方、1つの表示部位が非表示(図22(A)では点線)となることで、第1特図保留記憶数が「3」であることを報知している。また、第2保留数表示エリア18c2では、1つの表示部位が所定の表示色(実線)で表示される一方、3つの表示部位が非表示(点線)となることで、第2特図保留記憶数が「1」であることを報知している。また、変動中特図表示エリア18ccでは、丸囲みの数字「2」を示すキャラクタ画像が表示されることで、第2特図を用いた特図ゲームが実行されることを認識可能に示している。その後、図22(B)に示すように、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出されて、特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示が終了する。
このとき、第2特図保留記憶数が「1」であることから、第2特図を用いた特図ゲームの実行を許容する開始条件(第2開始条件)が成立する。この特図ゲームが開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算されて「0」になる。そして、第1特図保留記憶数が「0」以外の「3」であり、図20(A)に示すステップS608で第1特図保留ありに対応して、実行設定情報INF01がセットされる。これにより、第1演出要素となる「メッセージ」の演出内容と、第2演出要素となる「メータ」の演出内容とを含む右打ち促進演出が実行される。図22(C)では、「メッセージ」の演出内容として、右遊技領域7Bに向けた遊技球の発射を促すメッセージを報知する演出画像MS1が表示される。また、「メータ」の演出内容として、特図ゲームや飾り図柄の可変表示が終了するまでの残り時間を示唆するメータの演出画像MT1が表示される。メータの演出画像MT1は、例えば図22(D)に示すように、飾り図柄の可変表示が進行するに従って残量が減少してゆき、図22(E)に示すように可変表示が終了するときには、残量が「0」になる。
なお、メータの演出画像MT1は、可変表示が終了するときに残量が「0」になるものに限定されず、例えば飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様になるときに、残量が「0」になるものであってもよい。飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様になってリーチ演出が実行される場合には、一般に、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にならない「非リーチ」の場合よりも、可変表示時間が長くなる。そのため、可変表示が終了するときにメータの残量が「0」になるように減少させると、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるか否かを、メータの減少速度から遊技者が予め認識してしまうことがある。そこで、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様になるときにメータの残量が「0」になるように減少させることで、リーチ態様となるか否かを予め認識することが困難または不可能になればよい。一方、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様になる場合でも、可変表示が終了するときにメータの残量が「0」になるように、演出画像MT1の表示を更新してもよい。この場合には、メータの減少速度により、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるか否かを予告することができる。あるいは、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるまでのメータの減少速度を、リーチ態様となってからのメータの減少速度よりも速いものにすることで、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるか否かを予め認識不可能または認識困難なものにしてもよい。
図22(E)に示すように確定飾り図柄が導出されて可変表示が終了したときには、第2特図保留記憶数が「0」である一方で、第1特図保留記憶数は「3」である。そのため、第1特図を用いた特図ゲームの実行を許容する開始条件(第1開始条件)が成立して、図22(F)に示すように、第1特図を用いた特図ゲームに対応した飾り図柄の可変表示が開始される。このときには、第1特図保留記憶数が1減少して「2」になるが、依然として第1特図保留ありとなることから、実行設定情報INF01がセットされることにより、「メッセージ」の演出内容と「メータ」の演出内容とを含む右打ち促進演出が実行される。
図23は、高ベース制御中に第1特図保留記憶数が「0」である場合の演出動作例を示している。第1特図保留記憶数が「0」である場合には、図20(A)に示すステップS608にて第1特図保留なしとなることから、実行設定情報INF02がセットされる。これにより、例えば図23(A)に示すように、第1演出要素となる「メッセージ」の演出内容だけを含む右打ち促進演出が実行される。こうして、第1特図保留記憶数が「0」であり、今回の可変表示が終了しても第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されない場合には、右打ち促進演出の実行に制限を設けてもよい。なお、実行設定情報INF02をセットして「メッセージ」の演出内容だけを含む右打ち促進演出が実行されるものに限定されず、例えば実行設定情報をセットしないようにして、図23(B)に示すように、右打ち促進演出の全部を実行しないように制限(禁止)してもよい。
図24(A)〜(C)では、図22(A)〜(C)と同様にして、第2特図を用いた特図ゲームに対応する飾り図柄の可変表示が実行され、「メッセージ」の演出内容と「メータ」の演出内容とを含む右打ち促進演出が実行される。その後、図24(D)に示すように可変入賞球装置15にて開放状態または拡大開放状態となった第2始動入賞口13bを遊技球が通過(進入)して、図21に示すステップS456の処理にて促進変更条件が成立したと判定される。このときには、例えば第2演出要素となる「メータ」の演出内容といった、右打ち促進演出の一部を終了させることなどにより、右打ち促進演出における演出態様を変更してもよい。あるいは、飾り図柄の可変表示を通常時の大きさで行い、演出画像MS1や演出画像MT1を背景画像として表示することにより、右打ち促進演出における演出態様を変更してもよい。あるいは、図24(E)に示すように、右打ち促進演出の全部を終了させることにより、右打ち促進演出における演出態様を変更してもよい。なお、第2特図保留記憶数が上限値の「4」に達したときに、図21に示すステップS455の処理にて促進終了条件が成立したと判定されて、ステップS459の処理が実行されることで、右打ち促進演出の全部を終了させてもよい。
第1特別図柄表示装置8aは、LED403、404を備えて構成されている。そして、第1特図の可変表示中には、LED403が点滅状態になることで第1特図を更新表示する一方、LED404の全セグメントを消灯状態とすることで一定の表示状態とする。第1特図の可変表示結果を導出表示(停止表示)するときには、LED403を消灯状態とすることで第1特図の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、LED404における所定のセグメントを点灯状態とすることで第1特図の可変表示結果となる確定特別図柄を表示する。
第2特別図柄表示装置8bは、LED405、406を備えて構成されている。そして、第2特図の可変表示中には、LED405が点滅状態になることで第2特図を更新表示する一方、LED406の全セグメントを消灯状態とすることで一定の表示状態とする。第2特図の可変表示結果を導出表示(停止表示)するときには、LED405を消灯状態とすることで第2特図の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、LED406における所定のセグメントを点灯状態とすることで第2特図の可変表示結果となる確定特別図柄を表示する。
図25は、第2特図(第2特別図柄)の可変表示中(変動表示中)と導出表示時(変動停止時)における第2特別図柄表示装置8bの表示態様を示している。第2特図の可変表示中は、図25(a)に示すように、LED405が所定のパターンで点滅する。このとき7セグメントLED406は全セグメントが消灯状態となっている。そして特図変動時間が経過すると、LED405が消灯状態となり、7セグメントLED406における所定のセグメントが点灯状態となることにより可変表示結果となる確定特悦図柄が導出表示される。一例として、図25(b)に示すように、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」に対応して、「9」の数字を形成する各セグメントが点灯状態となればよい。一方、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」に対応して、「−」の記号を形成するセグメントが点灯状態になればよい。第1特図(第1特別図柄)の可変表示中(変動表示中)と導出表示時(変動停止時)における第1特別図柄表示装置8aの表示態様も、これと同様であればよい。
本実施形態において、特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)は、図8(B)に示す複数の変動パターンごとに異なる。一方、特別図柄を導出表示(確定停止表示)する特図確定表示時間は、変動パターンにかかわらず、図11に示すステップS264の処理により一定の500ミリ秒(0.5秒)に設定される。図8(B)に示す変動パターンのうちで、特図変動時間が200ミリ秒(0.2秒)となる変動パターンPB1−2や変動パターンPB2−2といった「時短中ショート」の変動パターンは、時短制御に伴う高開放制御(高ベース制御)が行われる時短中に、第2特図保留記憶数が「0」以外である第2特図保留記憶ありに対応して、所定割合で選択される。
第1特別図柄表示装置8aは、第1特図の可変表示が行われるLED403と、停止図柄の導出表示が行われる7セグメントLED404を、別表示部として分離している。第2特別図柄表示装置8bは、第2特図の可変表示が行われるLED405と、停止図柄の導出表示が行われる7セグメントLED406を、別表示部として分離している。仮に、複数の表示部を設けずに、単一の表示部のみで「時短中ショート」の可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、特図変動時間が極めて短いために、特別図柄の可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が把握することが困難または不可能になるという問題が生じる。例えば、単一の7セグメントLEDを用いて、各セグメントをリレー式に点灯させて可変表示を行い、特図変動時間の経過時に停止図柄を導出表示するようにしても、7セグメントLEDが可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が判別するのは困難または不可能になる。本実施形態では、第1特別図柄表示装置8aと第2特別図柄表示装置8bがそれぞれ、第1表示部と第2表示部となるLEDを分離して備えているので、特別図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
画像表示装置9の表示領域における右上方部には、第4図柄表示領域9a〜9dが設けられている。第1特図の可変表示中には、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aが所定の表示色(例えば黒色)での表示(点灯)と非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)とを、所定の時間間隔で繰り返し継続することで、第1特別図柄用の第4図柄を更新表示する。このときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bが非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)となることで一定の表示状態となる。第1特図の可変表示結果が導出表示(停止表示)されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aを所定の表示色で表示(例えば黒色表示)することで第4図柄の更新表示を停止して一定の表示状態となる。このときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9bを第1特図の可変表示結果に応じた所定の表示色で表示(点灯)することで第4図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)する。例えば第1特図の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」の場合には第4図柄表示領域9bを赤色表示とする一方、第1特図の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合には第4図柄表示領域9bを青色表示とすればよい。
第2特図の可変表示中には、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cが所定の表示色(例えば白色)での表示(点灯)と非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)とを、所定の時間間隔で繰り返し継続することで、第2特別図柄用の第4図柄を更新表示する。このときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dが非表示(消灯あるいは背景画像の透過表示)となることで一定の表示状態となる。第2特図の可変表示結果が導出表示(停止表示)されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cを所定の表示色で表示(例えば白色表示)することで第4図柄の更新表示を停止して一定の表示状態となる。このときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを第2特図の可変表示結果に応じた所定の表示色で表示(点灯)することで第4図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)する。例えば第2特図の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」の場合には第4図柄表示領域9dを赤色表示とする一方、第2特図の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合には第4図柄表示領域9dを青色表示とすればよい。
このように、第1特別図柄表示装置8a(より具体的にはLED403)における第1特図の可変表示と同期して、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aにおける第1特別図柄用の第4図柄が可変表示される。また、第2特別図柄表示装置8b(より具体的にはLED405)における第2特図の可変表示と同期して、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第2特別図柄用の第4図柄が可変表示される。ここで、同期とは、可変表示の開始時点と終了時点が同じであって、可変表示の期間が一致することをいう。
図26は、第2特別図柄用の第4図柄が可変表示(変動表示)および導出表示(変動停止)されるときの表示態様を示している。第2特図の可変表示中には、図26(a)に示すように、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9cが所定のパターンで白色表示と非表示を繰り返すことで点滅する。このとき、第4図柄表示領域9dは非表示の状態となっている。また、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9aは、点灯状態(黒色表示の状態)にあり、第4図柄表示領域9bは非表示の状態となっている。そして特図変動時間が経過して第2特図の可変表示結果が導出表示されるときには、図26(b)に示すように、第4図柄表示領域9cが点灯状態(白色表示)となり、第4図柄表示領域9dが表示結果に応じた点灯状態となる。例えば第2特図の可変表示結果が「大当り」であれば赤色表示となる一方、第2特図の可変表示結果が「ハズレ」であれば青色表示となる。第1特図(第1特別図柄)の可変表示中(変動表示中)と導出表示時(変動停止時)における第4図柄表示領域9a、9bの表示態様も、これと同様であればよい。
このように、第1特別図柄用の第4図柄表示領域は、第4図柄表示領域9aと第4図柄表示領域9bとからなり、別表示部として分離している。第2特別図柄用の第4図柄表示領域は、第4図柄表示領域9cと第4図柄表示領域9dとからなり、別表示部として分離している。仮に、複数の表示部を設けずに、単一の表示部のみで「時短中ショート」に対応した第4図柄の可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、特図変動時間が極めて短いために、第4図柄の可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が把握することが困難または不可能になるという問題が生じる。本実施形態では、第4図柄の可変表示が行われる第1表示部(第1特別図柄用の第4図柄表示領域9a、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9c)と、第4図柄の導出表示が行われる第2表示部(第1特別図柄用の第4図柄表示領域9b、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9d)とを分離して備えているので、第4図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
普通図柄表示器10は、LED401、402を備えて構成されている。図27は、普通図柄の可変表示中(変動表示中)と導出表示時(変動停止時)における普通図柄表示器10の表示態様を示している。普通図柄の可変表示中には、図27(a)に示すように、LED401が所定のパターンで点滅する点滅状態になることで普通図柄を更新表示する一方、LED402を消灯状態とすることで一定の表示状態とする。普通図柄の可変表示結果を導出表示(停止表示)するときには、LED401を消灯状態とすることで普通図柄の更新表示を停止して一定の表示状態とする一方、普図表示結果が「普図当り」の場合にはLED402を点灯状態とし、普図表示結果が「普図ハズレ」の場合にはLED402を消灯状態とすることで、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を表示する。
本実施形態において、普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)は、図17(B)に示すように、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われる「時短制御あり」の場合であれば0.2秒に設定される。普通図柄表示器10には、LED401、402が別表示部として分離して設けられている。仮に、複数の表示部を設けずに、単一の表示部のみで「時短制御あり」に対応した普通図柄の可変表示と停止図柄の導出表示を行うものとした場合、普図変動時間が極めて短いために、普通図柄の可変表示中であるか停止図柄の導出表示中であるかを遊技者が把握することが困難または不可能になるという問題が生じる。本実施形態では、普通図柄の可変表示が行われる第1表示部としてのLED401と、普通図柄の導出表示が行われる第2表示部としてのLED402とを分離して備えているので、普通図柄の可変表示が行われているのか停止図柄が導出表示されているのかを、遊技者が容易に把握することができる。
通過ゲート32は、図1に示すような右遊技領域7Bに設けられる。右遊技領域7Bに発射された遊技球は、右遊技領域7Bにおける釘の配列38により誘導されて、通過ゲート32を通過することがある。釘の配列38は、右遊技領域7Bに発射された遊技球が通過ゲート32を通過しやすいように配設されていればよい。すなわち、右打ち状態では、遊技球が高い確率で通過ゲート32を通過すればよい。
通過ゲート32を通過した遊技球は、通過ゲート32の下方に配置された障害釘に衝突して進路を変えつつ流下する。このとき、通過ゲート32のさらに下方に配置された誘導部材39aや誘導部材39bの誘導面(上面)に高確率で落下して、誘導部材39a〜39cや、誘導部材39bと可変入賞球装置15との間における釘の配列40などにより、可変入賞球装置15へと誘導される。こうして、通過ゲート32を通過した遊技球は、その大部分が可変入賞球装置15へと誘導される。したがって、可変入賞球装置15において第2始動入賞口13bが開放状態(または拡大開放状態)であるときには、釘の配列40などにより誘導された遊技球が高い確率で第2始動入賞口13bを通過(進入)すればよい。
誘導部材39a、39cや釘の配列40によって誘導された遊技球は、可変入賞球装置15において第2始動入賞口13bが閉鎖状態(または通常開放状態)であるために第2始動入賞口13bを通過(進入)しなかったときに、さらに、通常アタッカー20Aに向けて誘導される。このとき、通常アタッカー20Aにおける大入賞口が開放状態であれば、その大入賞口に遊技球が高い確率で通過(進入)すればよい。
このように、右遊技領域7Bに発射された遊技球は高い確率で通過ゲート32を通過することから、高開放制御(高ベース制御)が行われる高ベース状態では、右遊技領域7Bを流下する遊技球の大半は通過ゲート32を通過して、可変入賞球装置15へと誘導される。ここで、通過ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15に到達したときに、その通過に基づいて開始された普通図柄の可変表示(普図ゲーム)が未だ終了していなければ、可変入賞球装置15において第2始動入賞口13bが開放状態にならないために、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)できない。また、通過ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15に到達したときに普図ゲームが終了していても、第2始動入賞口13bの開放制御(可動翼片の傾動制御)が開始されていなければ、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)できない。
さらに、通過ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15に到達したときに、その通過に基づいて開始された普図ゲームが終了して、普図表示結果が「普図当り」となったことによる第2始動入賞口13bの開放制御(可動翼片の傾動制御)も終了していた場合には、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)できない。
図28は、本実施形態における普通図柄の可変表示期間と可変入賞球装置15における第2始動入賞口13bの状態(閉鎖状態または開放状態)との関係を示している。図28に示す関係において、遊技球が通過ゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間(図28における(1)ゲート通過〜(2)可変入賞球装置到達までの期間)T1は、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となって可変入賞球装置15において第2始動入賞口13bが開放状態となるまでの期間(図28における(1)ゲート通過〜(4)開までの期間)t1よりも長くなる。また、上記の期間T1は、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となったことに基づく第2始動入賞口13bの開放状態が終了するまでの期間(図28における(1)ゲート通過〜(5)閉までの期間)t2よりも短くなる。
すなわち、t1<T1<t2となるように、高ベース状態における普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)と可変入賞球装置15における第2始動入賞口13bの開閉制御時間とを制御(設定)する。これにより、通過ゲート32を通過した遊技球は、そのまま第2始動入賞口13bを通過(進入)することができる。こうして、高ベース状態において通過ゲート32を通過した遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)せずにアウト口26へと導かれて無駄になることを抑制し、遊技者が不利益になることを防止して遊技意欲を低下させないようにしている。
パチンコ遊技機1では、図1に示すように、通過ゲート32から可変入賞球装置15までの間に障害釘(例えば誘導部材39a、39bの上方における障害釘や釘の配列40を構成する障害釘など)が多数配置されている。したがって、遊技球の発射間隔が一定(例えば0.6秒間隔)であっても、各遊技球が通過ゲート32を通過してから可変入賞球装置15に到達するまでの期間T1には、遊技球が障害釘に衝突することによるばらつきが生じる。その結果、遊技球が通過ゲート32を通過して、これに伴う可変入賞球装置15の開放制御期間中に第2始動入賞口13bを通過(進入)する場合(t1<T1<t2となる場合)もあれば、開放制御期間より前または開放制御期間より後に可変入賞球装置15へと到達する場合(t1>T1またはT1>t2となる場合)もある。後者の場合を極力抑制するために、期間T1の平均値または中央値が、可変入賞球装置15における第2始動入賞口13bの開放開始から開放終了までの中間時点(図28に示す(4)開と(5)閉との中間時点)となるように、可変入賞球装置15を制御することが望ましい。
第2始動入賞口13bを通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ15aによって検出されたことに基づいて、1個の遊技球が賞球として払い出されるようにしてもよい。このように、第2始動入賞口13bの入賞による賞球数を「1」とした場合、高ベース状態において、仮に発射された遊技球の全部が第2始動入賞口13bを通過(進入)しても、発射された遊技球の数を超えた賞球が払い出されることはなく、高ベース状態において遊技者が過度に有利になることはない。したがって、右遊技領域7Bに向けて発射された遊技球が極めて高い確率で第2始動入賞口13bを通過(進入)するように、右遊技領域7Bを構成することができる。
パチンコ遊技機1における遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒といった、一定の間隔に設定されている。一方、高ベース状態における普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)は0.2秒に決定され、普通図柄の可変表示結果となる停止図柄の表示期間(図柄確定停止時間)は0.5秒に決定される。すなわち、高ベース状態では、およそ0.7秒の周期で普通図柄の可変表示が実行され、その周期は遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね一致している。このように、遊技球が通過ゲート32を通過したことに基づいて普通図柄の可変表示が開始されてから、普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口13bが開放状態(または拡大開放状態)となるまでの期間や、普図表示結果が「普図ハズレ」となって次回の可変表示が開始されるまでの期間は、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一になる。これにより、高ベース状態であるときに通過ゲート32を通過したが第2始動入賞口13bを通過(進入)せずにアウト口26へと導かれて無駄になる遊技球の発生を抑制して、遊技意欲の低下を防止することができる。なお、これらの期間は、遊技球の発射間隔以下となるように制御(設定)されてもよい。このようにしても、遊技球の発射間隔と概ね同一になる場合と同様の効果を得ることができる。
通過ゲート32から可変入賞球装置15へと到達するまでの経路には、この経路から遊技球が外れることもあるように、障害釘や誘導部材39a〜39cが配置されてもよい。例えば誘導部材39aの下方には、入賞口29dが設けられている。通過ゲート32を通過した遊技球または通過しなかった遊技球は、入賞口29dに入賞(進入)することがある。入賞口29dに遊技球が入賞(進入)したときには、第2始動入賞口13bを通過(進入)したときよりも多い個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出される。第2始動入賞口13bの入賞による賞球数を「1」とした場合には、第2始動入賞口13bを通過(進入)しない遊技球が発生することで、遊技者の持玉数が徐々に減少してしまうことがある。一方、入賞口29dに遊技球が入賞(進入)することで、持玉数の減少が緩和され、あるいは持玉数が増加して、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、例えば図29(a)および(b)に示すように、誘導部材39bから可変入賞球装置15に向けて遊技球を誘導する釘の配列40を構成する障害釘40a〜40cを調整することで、第2始動入賞口13bを通過(進入)する遊技球の割合(入賞率)を抑制することができる。より具体的には、障害釘40a〜40cのうちで、最も可変入賞球装置15に近い位置にある障害釘40aを右に調整(図29(b)の点線位置から実線位置に調整)して、障害釘40aと可変入賞球装置15において第2始動入賞口13bを開放状態とした可動翼片との距離を遠くする。これにより、図29(a)に示すような障害釘40aの調整前と比較して、図29(b)に示す実線位置への調整後には、遊技球が第2始動入賞口13bへと到達する前に落下する頻度が高まり、高ベース状態において遊技者が過度に有利になることを防止できる。こうして、例えば遊技場の営業形態などに合わせて、遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)する割合(入賞率)を調整することができる。
図1に示すパチンコ遊技機1では、可変入賞球装置15が通過ゲート32の下流に設けられ、通過ゲート32を通過した遊技球が可変入賞球装置15において開放状態となった第2始動入賞口13bを通過(進入)できるものとしている。これに対して、通過ゲート32の上流に可変入賞球装置が設けられるようにしてもよい。図30(a)および(b)に示す構成例では、可変入賞球装置15’が通過ゲート32’の上流に設けられている。可変入賞球装置15’では、ソレノイド16cによる可動翼片の傾動制御によって第2始動入賞口13cが閉鎖状態と開放状態とに変化する。このような構成例において、左遊技領域7Aに向けて発射(左打ち)された遊技球は、可変入賞球装置15’において第2始動入賞口13cが開放状態であるときに、第2始動入賞口13cを通過(進入)しやすい。第2始動入賞口13cを通過(進入)した遊技球は、第2始動口スイッチ15cによって検出される。第2始動入賞口13cを通過(進入)しなかった遊技球は、所定の釘の配列や画像表示装置9の外枠等によって誘導され、可変入賞球装置15’の左下方に設けられた通過ゲート32’を高い確率で通過する。通過ゲート32’を通過した遊技球はゲートスイッチ32cにより検出される。
図31は、図30(a)および(b)に示すような構成例において、普通図柄の可変表示期間と可変入賞球装置15’における第2始動入賞口13cの状態(閉鎖状態または開放状態)との関係を示している。図31に示す関係において、期間t1は、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過したことに基づいて普図ゲームが開始されてから普図表示結果が「普図当り」となって可変入賞球装置15’において第2始動入賞口13cが開放状態となるまでの期間である。期間t2は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示が開始されてから普図表示結果が「普図当り」となったことに基づく第2始動入賞口13cの開放状態が終了するまでの期間である。期間T2は、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過してから直後(例えば第1の遊技球が発射されてから0.6秒後)に発射された第2の遊技球が可変入賞球装置15’に到達するまでの期間である。そして、期間T2は、期間t1よりも長くなるとともに期間t2よりも短くなるように、設定されている。
すなわち、t1<T2<t2となるように、高ベース状態における普通図柄の可変表示時間(普図変動時間)と可変入賞球装置15’における第2始動入賞口13cの開閉制御時間とを制御(設定)する。これにより、第2の遊技球が可変入賞球装置15’に到達したときに、未だ第2始動入賞口13cが開放状態となっていないことや(t1>T2となること)、既に開放状態が終了していること(T2>t2となること)を防止して、可変入賞球装置15’における第2始動入賞口13cへの入賞率を高めることができる。
この場合、第1の遊技球が第2始動入賞口13cを通過(進入)せずに可変入賞球装置15’から通過ゲート32’へと到達するまでの時間と、期間t1に対応する時間との加算値は、遊技球の発射間隔である0.6秒と同一または発射間隔よりも短くなるように設定してもよい。このような設定では、第2始動入賞口13cが閉鎖状態であるときに、第1の遊技球が通過ゲート32’を通過したことに基づく普図ゲームが開始され、その普図表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口13cが開放状態となることで、第2の遊技球が第2始動入賞口13cを通過(進入)することができる。例えば、第1の遊技球が第2始動入賞口13cを通過(進入)せずに可変入賞球装置15’から通過ゲート32’まで到達するまでの時間が0.2秒である場合に、期間t1を0.4秒程度またはこれより短い時間となるように設定すればよい。
高ベース状態において普図表示結果が「普図当り」となったときに第2始動入賞口13b、13cの開放回数が通常状態よりも増加する場合には、普図ゲームにおいて普通図柄の可変表示が開始されてから第2始動入賞口13b、13cが最初に開放状態となるまでの期間をt1とし、普通図柄の可変表示が開始されてから第2始動入賞口13b、13cを最後に開放状態とする制御が終了するまでの期間をt2としてもよい。この場合にも、通過ゲート32を通過した遊技球が第2始動入賞口13bを通過(進入)しやすくなり、また、第2の遊技球が第2始動入賞口13cを通過(進入)しやすくなって、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
図8(A)に示すステップS252の処理では、図9(B)に示すような時短中第2特図保留記憶ありの場合に対応して、所定割合で変動パターンPB2−2に決定されて「超短縮変動大当り」の可変表示態様となる。図8(A)に示すステップS253の処理では、図10(C)に示すような時短中第2特図保留記憶ありの場合に対応して、所定割合で変動パターンPB1−2に決定されて「超短縮変動ハズレ」の可変表示態様となる。本実施形態では、高ベース状態における特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)を最短で200ミリ秒(0.2秒)としており、この超短縮変動で可変表示結果が「ハズレ」または「大当り」となる変動パターンは、特に可変表示結果が「ハズレ」の場合に比較的高い確率で選択される。こうした特図変動時間の最短時間である0.2秒を、停止図柄の表示期間(特図確定表示時間)である0.5秒と加算すると0.7秒になる。すなわち、高ベース状態では、およそ0.7秒の周期で特別図柄の可変表示が実行され、その周期は遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね一致している。
このように、高ベース状態における特別図柄の可変表示が実行される周期は、遊技球の発射間隔である0.6秒と概ね同一になる。これにより、高ベース状態において右遊技領域7Bに向けて発射(右打ち)された遊技球が高い確率(例えば90%)で第2始動入賞口13bを通過(進入)したとしても、第2特図保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達する可能性が低下して、第2始動入賞口13bを通過(進入)したことによる始動条件(第2始動条件)の成立が無効(特図ゲームが実行されない無効入賞)になる頻度を抑制することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
例えば図6に示すステップS242の処理による大当り種別の決定割合は、図7(B)に示すものに限定されず、通常状態であるときの連チャン率を抑制可能な任意の決定割合に設定されればよい。
上記実施の形態では、図8(A)に示す変動パターン設定処理のステップS252、S253で時短中第2特図保留記憶なしの場合に対応して、時短中第2特図保留記憶ありの場合よりも可変表示時間が長くなるように、変動パターンの決定が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われる時短中に第2特図保留記憶数が所定数未満の場合に対応して、第2特図保留記憶数が所定数以上の場合よりも可変表示時間が長くなるように、変動パターンの決定が行われるものであればよい。例えば第2特図保留記憶数が「1」の場合に対応して、第2特図保留記憶数が「2」以上である場合よりも可変表示時間が長くなるように、変動パターンが決定されてもよい。
上記実施の形態では、高開放制御(高ベース制御)を伴う時短制御が行われる時短中に、可変表示時間が長い変動パターンに決定されたことなどに対応して右打ち促進演出が実行され、第2始動入賞口13bを通過するような遊技球の発射が促されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば特図表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態の終了後に変動パターンの決定割合が変更される特定期間といった所定期間にて可変表示時間が長い変動パターンに決定されたことなどに対応して、第2始動入賞口13bを通過するような遊技球の発射が促されるものであってもよい。
上記実施の形態では、図20(A)に示すステップS604の処理により右打ち促進演出を実行すると決定されたときにステップS608の処理を実行することで、右打ち促進演出を実行するための設定が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば主基板31から演出制御基板80へと伝送された変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに対応して、図19(A)に示すステップS403の処理で演出制御パターンを決定することにより右打ち促進演出を実行するための設定が行われるようにしてもよい。すなわち、例えば変動パターンPB1−1のように、時短中で第2特図保留記憶数が「0」であることに対応して決定される専用の変動パターンを用意して、この変動パターンに決定されたときには右打ち促進演出が実行されるように設定や制御が行われるようにしてもよい。また、時短中で第2特図保留記憶数が「0」であるものの第1特図保留記憶数も「0」である場合には、変動パターンPB1−1とは異なる専用の変動パターンに決定することで、右打ち促進演出の実行に制限が設けられるようにしてもよい。
上記実施の形態では、図20(A)に示すステップS608の処理で第1特図保留がある場合には、実行設定情報INF01に対応して「メッセージ」の演出内容と「メータ」の演出内容の両方を含む右打ち促進演出が実行されるものとして説明した。これに対して、第1特図保留がある場合でも保留データの内容に応じて、右打ち促進演出の有無や演出態様を異ならせるようにしてもよい。一例として、第1特図保留記憶部151Aに記憶されている特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データのうちに、特図表示結果が「大当り」に決定される数値データが含まれていない場合には、右打ち促進演出を実行しないことに決定したり、右打ち促進演出の実行に制限を設けたりしてもよい。第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」にならなければ、遊技者にとって不利な大当り種別が「第1大当り」の大当り遊技状態に制御されることもない。そのため、特図表示結果が「大当り」に決定される数値データが保留データとして記憶されていない場合には、第2始動入賞口13bを通過するような遊技球の発射を促す必要性が低い。この場合には、右打ち促進演出を実行しないことや、右打ち促進演出の実行に制限を設けることにより、遊技者に過度な不安感を与えることを防止できる。
上記実施の形態では、通常アタッカー20Aにおける大入賞口に進入した遊技球は確変検出スイッチ24aにより検出されることがない一方で、確変アタッカー20Bにおける大入賞口に進入した遊技球はすべて確変検出スイッチ24aにより検出されるものとして説明した。すなわち、通常アタッカー20Aにおける大入賞口に遊技球が入賞しても確変制御条件は成立しない一方で、確変アタッカー20Bにおける大入賞口に遊技球が入賞すれば常に確変制御条件が成立するものとして説明した。
これに対して、遊技球が通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bにおける大入賞口のいずれに進入したかに応じて、確変検出スイッチ24aの設置箇所へと誘導される割合を異ならせるようにしてもよい。一例として、通常アタッカー20Aにおける大入賞口に進入した通常アタッカー入賞球と、確変アタッカー20Bにおける大入賞口に進入した確変アタッカー入賞球のいずれであっても、確変検出スイッチ24aの設置箇所へと誘導されることもあれば、確変検出スイッチ24aの設置箇所へと誘導されずに排出経路へと誘導されることもあるように構成してもよい。ここで、確変検出スイッチ24aの設置箇所へと誘導されて特定領域を通過する割合(特定領域通過割合)は、通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bとで異ならせるように、それぞれのアタッカーにおける内部構造が形成されればよい。例えば通常アタッカー20Aの大入賞口における特定領域通過割合は、確変アタッカー20Bの大入賞口における特定領域通過割合よりも極めて低くなるように設定される。これにより、通常アタッカー20Aの大入賞口に進入した遊技球は、確変アタッカー20Bの大入賞口に進入した遊技球よりも特定領域を通過しにくくなる。したがって、通常アタッカー20Aにおける入賞球である通常アタッカー入賞球は、確変アタッカー20Bにおける入賞球である確変アタッカー入賞球よりも確変制御条件を成立させにくい。こうして、通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bのうちいずれに遊技球が入賞したかに応じて、確変制御条件を成立させる割合を異ならせることができればよい。
この場合、図12に示すステップS295の処理では、大当り種別が「第1大当り」でラウンドカウント値が「14」であるときに、開放するアタッカーを通常アタッカー20Aに決定してもよい。この決定に対応して、図12に示すステップS297の処理では、大当り種別やラウンドカウント値にかかわらず、大入賞口開放上限時間を一定時間(例えば29.5秒)に決定してもよい。これらの決定がなされた場合でも、通常アタッカー20Aの大入賞口に進入した通常アタッカー入賞球が確変検出スイッチ24aの設置箇所へと誘導される可能性はあることから、大当り種別が「第1大当り」となる場合でも、所定確率で確変制御条件を成立させることができる。
上記実施の形態では、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかにかかわらず、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が一定の上限回数となる「14」に達するまで繰返し実行され、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」に達したときの大入賞口開放上限時間を異ならせることにより、大当り種別に応じて確変制御条件の成立しやすさを相違させるものとして説明した。これに対して、大当り種別に応じて、ラウンド遊技を実行する上限回数を異ならせるようにしてもよい。そして、大当り遊技状態のうちには、ラウンド遊技の上限回数が特定回数以上となる大当り遊技状態と、ラウンド遊技の上限回数が特定回数未満となる大当り遊技状態とがあるようにしてもよい。
一例として、大入賞口開放上限時間は、大当り種別にかかわらず一定時間(例えば29.5秒)に決定される。一方、図15に示すステップS332の処理では、大当り種別に応じて異なるラウンド上限判定値が用いられる。例えば、大当り種別が「第1大当り」である場合には、ラウンド遊技の実行回数が「13」となることで大当り遊技状態が終了し、特定回数である「14」に達するより前に大当り遊技状態が終了する。これに対して、大当り種別が「第2大当り」である場合には、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」に達するまでは大当り遊技状態が終了しない。
このような設定では、大当り種別が「第2大当り」に決定された場合にのみ大当り遊技状態におけるラウンド遊技の最大実行回数が「14」になる(第14ラウンドまで)。そして、ラウンド遊技の実行回数が「1」〜「13」である第1ラウンド(1R)〜第13ラウンド(13R)までは、上記実施の形態と同じく、通常アタッカー20Aの大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」である第14ラウンド(14R)では、確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態するラウンド遊技が実行される。ただし、大当り種別が「第1大当り」の場合には、ラウンド上限判定値が「13」に設定されることから、確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されない。すなわち、第14ラウンドとなるより前に、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行が終了する。したがって、大当り種別が「第1大当り」である場合には、確変アタッカー20Bの大入賞口に遊技球を進入させることが不可能であり、確変制御条件が成立しない。
こうした大当り種別を、図13(B)に示すような大当り種別と組み合わせてもよい。すなわち、複数の大当り種別として、第1大当り種別〜第3大当り種別を設ける。ここで、第1大当り種別の場合には、ラウンド遊技を実行する上限回数が特定回数以上であり、特定回数のラウンド遊技にて確変アタッカー20Bの大入賞口を遊技球が進入しやすい第1変化態様で開放状態に変化させる。第2大当り種別の場合には、ラウンド遊技を実行する上限回数が特定回数以上であり、特定回数のラウンド遊技にて確変アタッカー20Bの大入賞口を遊技球が進入しにくい第2変化態様で開放状態に変化させる。第3大当り種別の場合には、ラウンド遊技を実行する上限回数が特定回数未満であり、確変アタッカー20Bの大入賞口が開放状態に変化しない。こうした様々なラウンド遊技の実行態様により、大当り遊技状態におけるラウンド遊技に対する遊技者の興味を高めて、遊技興趣を向上させることができる。
大当り種別が「第1大当り」であるか「第2大当り」であるかに応じて、ラウンド遊技の実行回数が特定回数である「14」となるときに開放状態とする大入賞口を異ならせてもよい。例えば図12に示すステップS295の処理では、ラウンドカウント値が「14」であるときに、大当り種別が「第1大当り」であれば開放するアタッカーを通常アタッカー20Aに決定する一方、大当り種別が「第2大当り」であれば開放するアタッカーを確変アタッカー20Bに決定してもよい。この場合にも、通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bのうちいずれに遊技球が入賞したかに応じて、確変制御条件を成立させる割合を異ならせてもよい。例えば、通常アタッカー20Aの大入賞口に遊技球が入賞した場合には、1/1000の割合で確変制御条件を成立させる。一方、確変アタッカー20Bの大入賞口に遊技球が入賞した場合には、900/1000の割合で確変制御条件を成立させる。このように、通常アタッカー20Aの大入賞口に進入した遊技球が検出されたときには、確変アタッカー20Bの大入賞口に進入した遊技球が検出されたときよりも極めて低い割合で、確変制御条件が成立すればよい。
こうして、大当り種別が複数種別のいずれであるかに応じて、ラウンド遊技の実行回数が特定回数に達したときに開放状態とする大入賞口が異なる複数種類の大当り遊技状態を設ける。そして、複数の大入賞口のうちいずれに遊技球が進入したかに応じて異なる割合で、確変制御条件を成立させればよい。なお、特定回数のラウンド遊技が実行されたときにのみ、確変制御条件を成立させることができるようにしてもよいし、すべてのラウンド遊技において大入賞口に進入した遊技球が検出されたことに基づいて、確変制御条件を成立させるか否かが決定されてもよい。
大当り遊技状態であるときに大入賞口を閉鎖状態から開放状態へと変化させる可変入賞装置の一例として、通常アタッカー20Aや確変アタッカー20Bとは異なる役物可変入賞装置が設けられてもよい。役物可変入賞装置は、特別電動役物の1つであり、単に「役物」ということもある。例えば役物可変入賞装置の左右上部には、可動部材としての羽根部材(役物開閉部材)が、摺動変化可能に設けられている。また、羽根部材の設置箇所には、遊技球が役物可変入賞装置の内部へと進入可能に形成された役物進入口が設けられている。羽根部材は、例えば連係アームといった所定のリンク機構などを介して、羽根用ソレノイドにおけるコイルに内装されたプランジャなどに連結されている。そして、羽根用ソレノイドがオフ状態であるときには、羽根部材が役物進入口を閉塞することにより、役物可変入賞装置の内部に遊技球が進入できない閉鎖状態とする。他方、羽根用ソレノイドがオン状態であるときには、羽根部材が役物進入口を開放することにより、役物可変入賞装置の内部に遊技球が進入できる開放状態とする。なお、羽根部材は、摺動変化可能に構成されたものに限定されず、例えば回動可能に構成されることにより、役物進入口を、役物可変入賞装置の内部に遊技球が進入可能な開放状態と進入不可能な閉鎖状態とに変化させることができるものであればよい。
役物可変入賞装置の内部には、遊技球が流下や転動をして通過可能な球経路が設けられている。役物可変入賞装置の内部に進入した遊技球は、所定の球経路を通過した後に、例えば特定領域(V入賞領域)や通常領域(ハズレ領域)などといった、複数の領域のいずれかを通過(進入)して、役物可変入賞装置の外部へと排出される。開放状態となった役物進入口から役物可変入賞装置の内部に進入した遊技球は、役物入賞スイッチによって検出される。特定領域を通過(進入)した遊技球は、所定のV入賞スイッチによって検出される。役物可変入賞装置の外部へと排出される遊技球は、排出球検出スイッチによって検出される。
このような構成において、遊技状態が大当り遊技状態であるときに、ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「14」(第14ラウンド)である場合には、役物進入口が閉鎖状態から開放状態へと変化する。開放状態となった役物進入口から役物可変入賞装置の内部へと進入した遊技球のうち、特定領域を通過(進入)した遊技球が検出されることにより、確変制御条件が成立して大当り遊技状態の終了後に確変状態となるように制御されてもよい。
なお、例えば第14ラウンドといった特定回数のラウンド遊技にて役物進入口が閉鎖状態から開放状態へと変化するものに限定されない。例えば、特定回数以外のラウンド遊技でも、役物進入口が閉鎖状態から開放状態へと変化する一方で、このとき役物可変入賞装置の内部へと進入した遊技球は、特定領域(V入賞領域)を通過(進入)しないように誘導されて、役物可変入賞装置の外部へと排出されてもよい。
大当り遊技状態にて開放状態となった確変アタッカー20Bの大入賞口に遊技球が進入することなどにより付与される遊技価値は、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となることに限定されず、遊技者にとって有利な任意の遊技価値であればよい。例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が時短状態であるときに実行可能な特図ゲームの上限回数(時短中変動上限回数)が増加することによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。あるいは、大当り遊技状態が終了した後に遊技状態が確変状態となる場合に、特図表示結果を「大当り」に決定する大当り確率が第1確変状態よりも高い第2確変状態となることによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。あるいは、遊技状態が確変状態であるときに実行可能な特図ゲームの上限回数である確変中変動上限回数が増加することによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。あるいは、有利開放制御が行われるときに普図ゲームの平均的な可変表示時間、普図当り確率、第2始動入賞口13bの開放回数や開放時間のうち一部または全部といった開放制御態様が第1有利態様よりも有利な第2有利態様となることによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。あるいは、大当り遊技状態の終了後に遊技状態が繰返し確変状態になる上限回数である連チャン上限回数が増加することによって遊技者に有利な遊技価値が付与されてもよい。
確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は、大当り遊技状態における最終のラウンド遊技に限定されず、大当り遊技状態が開始されてから終了するまでにおける任意の実行回数(例えば「7」など)となるラウンド遊技であればよい。
上記実施の形態において、大当り遊技状態におけるラウンド遊技が実行されるごとに、通常アタッカー20Aまたは確変アタッカー20Bにおける大入賞口のいずれか一方が閉鎖状態から開放状態へと変化し、入賞個数が所定数に達したこと、または大入賞口開放上限時間が経過したことにより、開放状態の大入賞口を閉鎖状態に戻して1回のラウンド遊技が終了するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、1回のラウンド遊技にて大入賞口を短時間(例えば1秒ごと)で閉鎖状態と開放状態とに繰返し変化させ、その繰返し回数が所定回数に達したこと、または入賞個数が所定数に達したことにより、1回のラウンド遊技が終了するようにしてもよい。
一例として、ラウンド遊技の実行回数が特定回数以外であるときには、通常アタッカー20Aの大入賞口を閉鎖状態と開放状態とに繰返し変化させるラウンド遊技が実行され、入賞個数が所定数に達しない場合には、繰返し回数が「15」に達したことにより、1回のラウンド遊技が終了するものとする。一方、ラウンド遊技の実行回数が特定回数であるときには、確変アタッカー20Bの大入賞口を閉鎖状態と開放状態とに変化させるラウンド遊技が実行される。このとき、大当り種別が「第1大当り」と「第2大当り」のいずれであるかに応じて、確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態に変化させる回数を異ならせることで、確変制御条件の成立しやすさを異ならせてもよい。例えば、大当り種別が「第1大当り」である場合には、確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態に変化させる回数を「1」とし、確変アタッカー20Bの大入賞口を1回だけ開放状態としてラウンド遊技の実行を終了させる。これに対して、大当り種別が「第2大当り」である場合には、確変アタッカー20Bの大入賞口を開放状態に変化させる回数が「15」に達したことにより、ラウンド遊技の実行を終了させればよい。こうした設定によっても、特定回数のラウンド遊技において確変アタッカー20Bの大入賞口に遊技球が進入して確変制御条件が成立する可能性を、大当り種別に応じて異ならせることができる。
上記実施の形態において、遊技領域7には、それぞれが大入賞口を形成する通常アタッカー20Aと確変アタッカー20Bとを設けて、特定回数以外のラウンド遊技では通常アタッカー20Aの大入賞口が開放状態に変化する一方、特定回数のラウンド遊技では確変アタッカー20Bの大入賞口が開放状態に変化するものとして説明した。しかしながら、通常アタッカー20Aや確変アタッカー20Bの大入賞口といった複数の大入賞口と、ラウンド遊技の実行態様(開放する大入賞口、大入賞口開放上限時間など)、特定領域通過割合や確変決定割合といった確変制御条件の成立可能性などとの対応関係は、上記実施の形態とは異なる設定であってもよい。すなわち、複数の大入賞口のうちいずれに遊技球が進入したかに応じて、確変状態となるための確変制御条件が成立する可能性を異ならせたものであれば、それぞれの大入賞口の配置や大当り遊技状態における動作態様などは、任意に変更および修正が可能である。また、第1特図や第2特図といった複数種類の特別図柄を用いた特図ゲームが実行可能な構成において、いずれの特別図柄を用いた特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となったかに応じて、特定領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させる割合が異なるように設定されていればよい。
上記実施の形態では、第1始動入賞口13aを通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第1特図を用いた特図ゲームが実行され、第2始動入賞口13b(図30に示す構成例では第2始動入賞口13c)を通過(進入)した遊技球の検出に基づいて第2特図を用いた特図ゲームが実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13b、13cのいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず共通の特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるものであってもよい。この場合、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13b、13cのいずれを遊技球が通過したことに基づく特図ゲームにて特図表示結果が「大当り」となったかにかかわらず、所定割合で特定領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させるか否かが決定されてもよいし、いずれの始動入賞口を遊技球が通過したことに基づく特図ゲームであるかに応じて、特定領域を遊技球が通過しやすい大入賞口を開放状態に変化させる割合が異なるように設定されてもよい。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置9の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、パチンコ遊技機1のような遊技機では、第2特図保留記憶部151Bにおける保留データの記憶数を示す第2特図保留記憶数が「0」といった、所定数未満であるときに、例えば図8(A)に示すステップS253の処理で図10(B)に示すようなハズレ変動パターンの決定が行われる。このときには、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームの実行に対応して、所定割合で変動パターンPB1−1に決定される。この場合、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間は、第2特図保留記憶数が所定数以上であるときよりも長い特定時間となる。そして、図20(A)に示すステップS603の処理にて第2特図保留記憶数が促進判定値以下であると判定されたことなどに基づいて、右打ち促進演出が実行されて、第2始動入賞口13bを通過するような遊技球の発射が促される。こうして、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されないようにすることで、大当り種別が「第2大当り」の大当り遊技状態よりも遊技者にとって不利な大当り種別が「第1大当り」の大当り遊技状態となる可能性を低下させ、遊技の興趣を向上させることができる。
高開放制御を伴う時短制御が行われる確変状態や時短状態であるときには、例えば図8(A)に示すステップS253の処理にて、時短中第2特図保留記憶なしに対応して高い割合で変動パターンPB1−1に決定される。また、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されることから、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間は、第2特別図柄表示装置8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間よりも長い特定時間となる。そして、図20(A)に示すステップS602の処理にて第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始ではないと判定されたことなどに基づいて、右打ち促進演出が実行されて、第2始動入賞口13bを通過するような遊技球の発射が促される。こうして、次回の可変表示が開始されるまでに遊技球を第2始動入賞口13bに通過(進入)させて、第1特別図柄表示装置8aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されないようにすることで、大当り種別が「第2大当り」の大当り遊技状態よりも遊技者にとって不利な大当り種別が「第1大当り」の大当り遊技状態となる可能性を低下させ、遊技の興趣を向上させることができる。
図20(A)に示すステップS607の処理にて第1特図保留の有無を特定した結果に基づいて、ステップS608の処理では図20(B)に示すような右打ち促進実行設定情報がセットされる。このとき、第1特図保留なしの場合には、例えば「メータ」の演出内容を含まない右打ち促進演出が実行されるといったように、右打ち促進演出の実行に制限が設けられる。こうして、第1特図を用いた特図ゲームが実行されない場合には、右打ち促進演出の実行に制限を設けることで、適切な演出により遊技の興趣を向上させることができる。
右打ち促進演出では、例えば図22(C)に示す演出画像MS1のように、「メッセージ」の演出内容に対応して遊技球を右遊技領域7Bに向けて発射すべきことを遊技者に報知する第1演出要素と、図22(C)に示す演出画像MT1のように、「メータ」の演出内容に対応して特図ゲームや飾り図柄の可変表示が終了するまでの残り時間を示唆する第2演出要素とを含む複数の演出要素からなる演出が実行される。これにより、遊技者にとって不利な大当り種別が「第1大当り」の大当り遊技状態となる可能性を低下させ、遊技の興趣を向上させることができる。
例えば第2特図保留記憶数が所定数(「1」など)に達したことにより、図21に示すステップS456の処理にて促進変更条件が成立したと判定されたときには、ステップS457の処理により右打ち促進実行設定情報を変更するなどして、右打ち促進演出の実行態様を変更する。こうして、第1特図を用いた特図ゲームが実行されにくくなったときに、第2始動入賞口13bに向けた遊技球の発射を促す演出の実行態様を変更することで、適切な演出により遊技の興趣を向上させることができる。