以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技機用枠3とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技機用枠3に開閉可能に設けられている額縁状に形成された前面扉(ガラス扉枠)を有する。前面扉の背面には、遊技盤(ゲージ盤)2が着脱可能に取り付けられている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、たとえば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示(変動表示ともいう))される。たとえば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示される。なお、確定特別図柄は、可変表示中に表示される特別図柄とは異なるものであってもよい。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、たとえば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターン(適宜LEDを全て消灯したパターンを点灯パターンとして含んでもよい。)が、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、たとえばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、たとえば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の変動(たとえば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。たとえば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム(第1特図ゲームともいう。)、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム(第2特図ゲームともいう。)と同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、たとえば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、たとえば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(たとえば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行なわれる。特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(たとえば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行なわれる。この実施の形態では、保留記憶表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印、四角印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行なう。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域(第1保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域(第2保留表示領域)に表示される保留表示図柄によって表される。
たとえば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、保留データ(保留記憶)が消化され、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。なお、保留データが消化されたときには、対応する保留表示図柄が消去される。また、第1保留表示領域及び第2保留表示領域のうち消去した保留表示図柄が表示されていた表示領域に、他の保留表示図柄が表示されていた場合には、当該表示されていた保留表示図柄をたとえば1つ左の表示位置(消去した保留表示図柄が表示されていた表示位置を含む)にシフトさせる。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の特図保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(たとえば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
表示エリア5Hとともに、あるいは表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、たとえば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(たとえば「4」)に対応した個数(たとえば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態(進入容易状態)と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態(進入困難(進入不可を含む。)状態)とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、たとえば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、たとえば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値未満であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(たとえば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、たとえば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(たとえば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、たとえば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、第1状態よりも遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、たとえば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、たとえば4個のLEDを含んで構成され、遊技領域に形成された通過ゲート41(所定の部材によって遊技球が通過可能に形成され、遊技球の通過は、図2のゲートスイッチ21によって検出される。)を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、たとえば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、音声等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプが設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(たとえば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。具体的には、遊技者が打球操作ハンドルを操作することに応じて駆動モータが駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域に発射する打球発射装置550(後述する図2に示す)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ30が取り付けられている。スティックコントローラ30は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(たとえば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタン31Aが設けられている。トリガボタン31Aは、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を操作手(たとえば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタン31Aに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ35A(図2を参照)が内蔵されていればよい。スティックコントローラ30の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット32が設けられていればよい。傾倒方向センサユニット32は、透過形フォトセンサなどを含んで構成され、操作桿の傾倒方向(たとえば、前後左右方向)を検知するものであればよい。なお、下皿におけるスティックコントローラ30の取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
上皿を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ30の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(図2を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ30の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン31B及びスティックコントローラ30の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ30の取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
スティックコントローラ30に設けられたトリガボタン31Aは、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を操作手で把持した状態において、操作指で押引操作することなどにより指示操作ができるように構成されている。その一方で、プッシュボタン31Bは、スティックコントローラ30とは別個に上皿を形成する遊技機用枠3の所定位置に設けられており、遊技者がスティックコントローラ30の操作桿を把持しない状態などにおいて、操作手で押下操作することなどにより指示操作ができるように構成されている。
パチンコ遊技機1には、たとえば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、払出制御基板37といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、たとえば情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。また、パチンコ遊技機1には、各基板などに電力を供給する電源基板90(図4)なども搭載されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号を受け取る機能、演出制御基板12、払出制御基板19などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンド(後述の演出制御コマンドなど)を制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(たとえばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。また、主基板11は、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御して、各種保留記憶数を表示する機能も備えている。
主基板11には、たとえば遊技制御用マイクロコンピュータ100や入力ドライバ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。入力ドライバ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(たとえば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号などを受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させる機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(音声信号)に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(音声信号が指定する音声)を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。なお、音声とは、音のみからなるもの(たとえば、歌が入らない演奏のみからなる楽曲、効果音など)も含む。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの信号(電飾信号)に基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行なうランプドライバ回路などが搭載されている。
払出制御基板37は、賞球の払出を制御する基板であり、払出制御マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御基板37は、打球発射装置550とともに球払出装置97が接続され、賞球や貸し球の払い出しが、主基板11からの指示(コマンド)に応じて球払出装置97を制御することにより実行される。球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等も球払出装置97の一部として構成されている。払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに1の検出信号を出力する。
なお、払出制御基板37には、打球発射装置550の近傍位置(図3参照)に設けられて、打球発射装置550にて発射された発射直後の遊技球を検出する発射球検出センサ505が接続されており、発射球検出センサ505から出力される発射信号(検出信号)が入力される。
このように、発射球検出センサ505から出力される発射信号(検出信号)を払出制御基板37に入力することで、これら発射球検出センサ505と払出制御基板37とが、いずれも、遊技機用枠(台枠)3側に設けられている。これにより、発射球検出センサ505と払出制御基板37とを接続する配線の取り回しが容易となるとともに、遊技盤2を交換する毎に、発射球検出センサ505を設けなくてもよいので、パチンコ遊技機1のコスト上昇を抑止できる。
なお、発射球検出センサ505から出力される発射信号(検出信号)は、主基板11からの指示(コマンド)に応じて払出制御を実行する払出制御マイクロコンピュータ(図示省略)に入力されてもよいし、払出制御マイクロコンピュータに入力されずに、払出制御基板37を経由するのみで主基板11に入力されるようにしてもよいし、更には、払出制御基板37を経由せずに、直接、主基板11に入力されるようにしてもよい。なお、発射信号(検出信号)を直接、主基板11に入力されるようにする場合には、後述する拡張回路99は、発射球検出センサ505の近傍に、発射球検出センサ505とともに遊技機用枠3側に設ければよい。
また、払出制御基板37には、発射球検出センサ505から出力される発射信号(検出信号)の出力期間を拡張するための拡張回路99が設けられている。拡張回路99にて拡張された拡張発射信号(拡張検出信号)が、払出制御基板37と主基板11とを接続している接続ケーブル(コマンドライン)を介して主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100のI/Oポート部105に入力されることで、遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技球の発射を検出できる。
また、図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、たとえばセンサ(たとえば、フォトセンサ、近接スイッチなど)と称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい(遊技媒体を検出できるものであればよく、スイッチ以外のものであってもよい。)。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行なうための指令信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82を駆動するためのソレノイド駆動信号を伝送する配線が接続されている。また、主基板11には、賞球個数コマンドなどを制御信号として払出制御基板19に伝送する配線などが接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号(制御コマンド)は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、たとえば演出制御コマンドである(詳しくは後述する)。制御コマンドはいずれも、たとえば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行なうCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理(たとえば、上記主基板11の機能を実現するための処理など。)が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行なわれる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、たとえば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行なわれるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。たとえば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が書換可能に一時記憶される。RAM102は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、たとえば、停電などがあってパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても(所謂、電断などがあっても)、所定期間(たとえば、バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。このようにバックアップRAMに保存されバックアップされたデータを適宜バックアップデータという。
I/O105は、たとえば遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号が入力される入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行なう演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作を制御する処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行なう乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作、異常の報知動作を行なう処理(演出用の電気部品に所定の演出動作などを実行させる機能を実現する処理)が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行なわれる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての音声信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。また、演出制御基板12には、トリガボタン31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線、スティックコントローラ30の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット32から伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、たとえば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。たとえば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行なうために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの各種演出を実行するためのデータの集まりであって、たとえばプロセスタイマ判定値などの判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、駆動制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。
演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データ(各種フラグやカウンタ、タイマなども含む。)が記憶される。なお、RAM122は、バックアップRAMではないので、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合(つまり、電断があった場合)には、記憶しているデータが失われてしまう。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき(たとえば、この指令によって、表示制御部123は、演出制御用CPU120に制御される。)、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定して実行する。たとえば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定して表示制御部123に指令することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示、異常の報知表示などを画像表示装置5に実行させるための制御を行なう。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、たとえば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、たとえば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。たとえば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される画像を表示するための映像信号(表示制御部123から出力される信号)や、音声制御基板13へと伝送される音声信号、ランプ制御基板14へと伝送される電飾信号などが出力される。
また、演出制御基板12には、パチンコ遊技機1における後述する第1音量段階や第1光量段階を設定するための設定切替スイッチ300が搭載されている。第1音量段階や第1光量段階は、スピーカ8L、8Rの音量や、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光光量を設定するための段階であり、複数段階からなる。詳しくは後述するが、設定切替スイッチ300は、通常、遊技店の関係者のみが操作できるものである。つまり、第1音量段階や第1光量段階は、遊技店側の操作によって変更される段階である。また、後述のように、スティックコントローラ30への遊技者による操作などに基づいて、第2音量段階や第2光量段階が設定される。第2音量段階や第2光量段階は、スピーカ8L、8Rの音量や、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの発光光量を設定するための段階であり、複数段階からなる。第2音量段階や第2光量段階は、遊技者側の操作によって変更される段階である。
演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、第1音量段階と第2音量段階とに基づいて実際にスピーカ8L、8Rから出力する音声の音量を設定する。演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、第1光量段階と第2光量段階とに基づいて実際に遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを点灯させる光の光量を設定する。たとえば、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、音声制御基板13へと伝送する音声信号において前記設定した音量も指定する。これによって、音声制御基板13は、音声信号によって指定された音量で、スピーカ8L、8Rから音声を出力する処理を実行する。つまり、演出制御用CPU120が第1音量段階及び第2音量段階に基づいて設定した音量での音声が出力される。また、演出制御基板12(演出制御用CPU120)は、ランプ制御基板14へと伝送する電飾信号により、前記設定した光量も指定する。これによって、ランプ制御基板14は、電飾信号によって指定された光量で、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを点灯させる処理を実行する。つまり、演出制御用CPU120が第1光量段階及び第2光量段階に基づいて決定した光量での点灯が行なわれる。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して前記で設定した音量の音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける前記で設定した光量での点灯/消灯駆動を行なわせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたりして、各種の演出を実行する。また、演出制御用CPU120は、演出の実行時などに、トリガセンサ35A、プッシュセンサ35B、傾倒方向センサユニット32からの信号に基づいた演出(つまり、スティックコントローラ30への操作、プッシュボタン31Bへの操作などに応答した演出)を行なうことが可能になっている。
図3は、打球発射装置550およびその周辺部について示す説明図である。遊技盤2の前面側には、打球発射装置550から発射された遊技球を遊技領域内に誘導する発射球案内通路500の一部を構成する第1レール501、第2レール502、第3レール513、第4レール504、外レール飾り600a,600c等が取り付けられている。また、外レール飾り600a,600cは、遊技領域の周囲に配設されることで、遊技盤面上に立設される正面視円弧状の環状の誘導面が構成される。
第2レール502、第3レール513は、遊技盤2を前面側から見て、遊技盤面の下部から略円形の遊技領域の左側周縁に沿って円弧状に配設され、第4レール504は、第2レール502、第3レール513の内側に離間して配設され、これら第2レール502及び第3レール513と第4レール504との間に、打球発射装置550により発射された遊技球を遊技領域に誘導する発射球案内通路500の一部を構成する。
ここで、打球発射装置550から発射された遊技球が通過する発射球案内通路500の構造について説明する。遊技領域の下方位置右側には、上皿から整流器(図示せず)を介して供給される遊技球を遊技領域の上部に向けて打ち出す打球発射装置550が設けられている。打球発射装置550の上部には、整流器から供給される遊技球がセットされて打ち出される発射位置550aが設けられるとともに、該発射位置550aから左斜め上方に向けて直線状の第1レール501が延設されている。
第1レール501は、発射位置550aから遊技盤2の下辺よりも下方の所定位置まで延設され、特に詳細な図示はしないが、上面501aは長手方向にわたりV溝状に形成され、遊技球の幅方向のぶれを低減して軌道のずれを生じにくくさせている。また、上面501aは上端501bに向けて漸次深さが浅くなり、上端501bにおいて断面平坦状をなすように形成されていることで、上端501bを通過する際に遊技球が第2レール502の下端502aの上方位置を通過するように、斜め上方に向けて打ち出される。
第2レール502は、第1レール501の上端501bに対して下端502aが所定距離離間するとともに、遊技領域の周縁左側下部、つまり第4レール504の外側に対向して該第4レール504に沿って配設されている。そして第1レール501の上端501bと第2レール502の下端502aとの間の分断部は、ファール球を排出するための第2排出部520とされている。
第3レール513は、下端503aが第2レール502の上端502bの左側方に位置するとともに、上端(図示せず)が遊技領域の周縁上部右側に位置するように配設されている。詳しくは、下端503aから左側位置の左側方位置まで延びる直線状部503cと、該直線状部503cの上端から遊技領域の周縁上部に沿って右旋回するように設けられる円弧状部503dと、から構成されている。
そして下端503aは、第2レール502の上端502bの左側に離間して設けられていることで、第2レール502の上端502bと第3レール513の下端503aとの間の分断部は、ファール球を排出するための第1排出部510とされており、該第1排出部510に排出されたファール球がファール球通路511を通じて球受部1055b内に誘導される。このように、本実施の形態では、ファール球を球受部1055b内に誘導される第1排出部510並びにファール球通路511を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1排出部510並びにファール球通路511を設けずに、第2レール502上を流下してきたファール球が、第2排出部520からのみ球受部1055b内に落下するようにしてもよい。
また、第3レール513は、円弧状部503dの下部が発射球案内通路500の側壁を構成し、円弧状部503dの上部が遊技領域の周縁上部を覆う周壁の一部を構成している。
このように、遊技機用枠3に遊技盤2を取り付けた状態において、遊技領域の下方位置右側に配置された発射位置550aから発射された発射球を、第1レール501、第2レール502、第3レール513により、遊技領域の左側上部に形成された連絡部(図示せず)に向けて該遊技領域の左周縁を回り込むように延設される円弧状部500bを一部に有し、打球発射装置550から発射された遊技球を遊技領域の左側上部に向けて旋回させるように案内する発射球案内通路500が形成される。
つまり、第1レール501、第2レール502、第3レール513は、右回りに旋回するように形成された発射球案内通路500の外側壁を構成する外レールであり、第4レール504は発射球案内通路500の内側壁を構成する内レールである。これらレールのうち、打球発射装置550から発射された遊技球を実質的に右旋回方向に誘導するのは外レールとされている。
第1排出部510は、発射球案内通路500の円弧状部500bの途中、つまり第2レール502と第3レール513との分断部に設けられ、連絡部500cまで到達できずに落下して戻ってきた遊技球を下方に落下させて排出する。具体的には、発射球案内通路500の円弧状部500bの途中から、当該円弧状部500bの外壁を構成する第3レール513の接線方向であって、かつ垂下方向に遊技球を排出可能な位置に形成されている。
第2排出部520は、発射球案内通路500における第1排出部510と打球発射装置550との間(本実施の形態では、発射位置550aと第1排出部510との略中間位置付近)に設けられ、打球発射装置550から発射された遊技球のうち第1排出部510まで到達できずに落下して戻ってきた遊技球を下方に落下させて排出する。
そして、これら第1排出部510および第2排出部520から排出されたファール球は、第2排出部520の直下に配置される球受部1055b内に落下され、球受部1055bに形成された流出口1056から前面側に移動して下皿に誘導される。
また、第1レール501の下端位置には、発射位置550aに隣接するように、第1レール501に沿って発射球検出センサ505が設けられており、発射位置550aにて発射されて第1レール501を誘導されていく発射直後の遊技球の通過が発射球検出センサ505により検出される。
これら発射球検出センサ505は、打球発射装置550とともに遊技機用枠3に設けられており、遊技盤2を交換しても、継続して発射球検出センサ505を使用することができる。
この発射球検出センサ505としては、本実施の形態では、遊技球が所定の距離以内に近接している期間において信号を出力する近接センサを使用しているため、第1レール501を誘導される発射直後の遊技球の通過期間に応じた期間の検出信号(発射信号)が出力される。
つまり、遊技球の通過速度が速い場合、つまり、発射球検出センサ505が発射位置550aに近い場合には、遊技球が発射球検出センサ505の所定の距離以内に近接している期間が短くなるので検出信号(発射信号)の出力期間も短くなるのに対し、遊技球の通過速度が遅い場合、つまり、発射球検出センサ505が発射位置550aよりも遠い場合には、遊技球が発射球検出センサ505の所定の距離以内に近接している期間が長くなるので、検出信号(発射信号)の出力期間も長くなる。
よって、本実施の形態のように発射球検出センサ505が発射位置550aに近くした場合には、検出信号(発射信号)の出力期間が短くなり、発射強度によっては、該検出信号(発射信号)が入力される入力回路の検出可能時間よりも検出信号(発射信号)の出力期間が短くなって検出信号(発射信号)を検出不能となってしまう場合があるため、後述する拡張回路99(図2参照)を設けて、該検出信号(発射信号)の出力期間を拡張することで、確実に検出信号(発射信号)を検出できる。
なお、本実施の形態では、発射球検出センサ505として近接センサを例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらセンサとしては、遊技球の通過期間に応じた出力期間の信号を出力するものであれば良く、たとえば、遊技球が通過することで光を遮断することに応じて信号を出力するフォトセンサ等であってもよい。
また、発射球検出センサ505をより遊技領域側に近い位置に設けることで、打球発射装置550から発射された遊技球のうち、ファール球を発射数として極力検出しにくいようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の背面の構造について図5を参照して説明する。図5は、パチンコ遊技機1の内部をパチンコ遊技機1の背面から見た背面図である。図5に示すように、主基板11及び演出制御基板12は、パチンコ遊技機1の中央に配置されている。払出制御基板37は、パチンコ遊技機1の下方に配置されている。電源基板90は、左下方に配置されている。球払出装置97は、賞球を払い出すための賞球供給路に対応してパチンコ遊技機1の右側方に配置されている。なお、主基板11は基板収納ケース150に収納されており、演出制御基板12は基板収納ケース270に収納されている。これら基板収納ケース150、270は、いずれも透光性を有するアクリル板等の部材により構成されている。設定切替スイッチ300は、図4に示すように、演出制御基板12にパチンコ遊技機1の背面方向を向くように配置されている。設定切替スイッチ300は、パチンコ遊技機1を背面から見た場合に、演出制御基板12の右上部分に配置され(図5参照)、基板収納ケース270に形成された切欠部270aを介して遊技盤ユニット250の外方から操作可能となっている。
パチンコ遊技機1が設定される遊技店(遊技ホール、遊技場など)の従業員は、たとえば、パチンコ遊技機1の前面扉などを開閉させることができる(通常、遊技者は開閉できない。)。従業員は、前面扉を開放したときに、演出制御基板12などが配置された部材をパチンコ遊技機1に設けられた回転軸を軸として回転させることができる。これによって、従業員は、演出制御基板12の設定切替スイッチ300を操作することができる。一方、遊技者は、通常、前面扉を開放できないので、設定切替スイッチ300の操作できない。つまり、設定切替スイッチは、遊技店用の操作部である。つまり、この実施の形態では、前面扉の開放が、設定切替スイッチ300の操作が行える条件(遊技店用の操作を行なうための第1許可条件)になっている。
設定切替スイッチ300は、図6に示すように、「0」〜「F」までの計16個のチャンネルを備えており、これらチャンネルを、ツマミ301を回動操作することで切り替えるスイッチになっている。この実施の形態では、各チャンネル「0」〜「F」それぞれに対応して、第1音量段階及び第1光量段階が用意されている。つまり、この実施の形態では、第1音量段階として、「0」〜「F」に対応した16段階(ここでは、チャンネルと同じ「0」〜「F」)が用意されている。また、この実施の形態では、第1光量段階として、「0」〜「F」に対応した16段階(ここでは、チャンネルと同じ「0」〜「F」)が用意されている。つまり、チャンネルが「0」であれば、「0」の第1音量段階及び第1光量段階が設定され、チャンネルが「1」であれば、「1」の第1音量段階及び第1光量段階が設定され、・・・チャンネルが「F」であれば、「F」の第1音量段階及び第1光量段階が設定される。この実施の形態では、設定切替スイッチ300は直接又は所定回路を介して間接的に演出制御用CPU120に接続されており、演出制御用CPU120は、設定切替スイッチ300の現在のチャンネルを読み取ることができる(たとえば、チャンネルに応じた信号が演出制御用CPU120に入力される)。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行なわれ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技機において付与される遊技価値は、直接的には、賞球となる遊技球の払出しや、これに相当する得点の付与である。こうした遊技球や、その個数に対応する得点の記録情報は、たとえば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、遊技機で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、遊技機において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、たとえば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(たとえば「2」)よりも多い第1ラウンド数(たとえば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(たとえば「50」)よりも多い第1回数(たとえば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(たとえば1/50)よりも高い第1確率(たとえば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(たとえば「5」)よりも多い第1連チャン数(たとえば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(たとえば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、たとえば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、たとえば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたこと(ゲートスイッチ21がオンになったこと)に基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、たとえば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行なわれ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行なわれる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行なわれる。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、たとえば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行なわれる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(たとえば29秒間)あるいは所定個数(たとえば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球(大入賞口に進入した遊技球)が検出され、その検出ごとに所定個数(たとえば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(たとえば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。たとえば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「確変」又は「非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が所定時間(たとえば29秒などの第1期間)となる通常開放ラウンドが、15ラウンド(15回)などの所定回数分実行される。なお、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」という。また、大当り種別が「確変」のときの「大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」という。
大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の可変表示(特図ゲーム)が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、時短終了条件が成立するまでの可変表示(特図ゲームなど)の残りの実行回数を時短残回数ということがある。時短状態や確変状態も遊技者にとって有利な状態である。
この実施の形態では、非確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態となるが確変状態にはならない。この実施の形態では、確変大当り遊技状態が終了した後の遊技状態は、時短状態及び確変状態になる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(たとえばシステムリセットが行なわれた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。たとえば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行なう傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行なわれるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行なわれるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」、「非時短状態」、「非時短」などともいわれる。確変制御が行なわれる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」、「非確変状態」、「非確変」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにもならない状態、つまり、通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(たとえば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(たとえば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(たとえば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
上記飾り図柄の可変表示中には、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像を表示したり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたりする演出が実行される。これら演出を、飾り図柄の可変表示そのもの(これも演出である。)とともに、可変表示中演出という。つまり、可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像による演出であり、飾り図柄の可変表示そのものも含む概念である。可変表示中演出は、たとえば、遊技の進行に対応して実行され、遊技の進行を遊技者に認識させるような演出であればよい。可変表示態様をリーチ態様にすることも、可変表示中演出のうちの1つである。可変表示中演出は、特別図柄の可変表示にともなって、画像表示装置5の画面上に表示される画像(飾り図柄の可変表示そのものも含む)による演出の他、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などによる演出が含まれていてもよい。
上記可変表示中演出ではリーチ演出が実行されることがある。リーチ演出は、リーチ態様となったことに対応して実行される。リーチ演出は、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクター画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作を行なう演出である。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。この実施の形態では、リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチB、及び、スーパーリーチCが用意されている(図17参照、詳しくは後述する)。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、たとえば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されてもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄(「通常図柄」ともいう)と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、たとえば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであってもよく、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
図7は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図7においては、演出制御コマンドについて具体的なコマンドデータと、コマンドの名称およびコマンドの指定内容との関係が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100においては、図7に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを主基板11から演出制御基板12へ送信する。送信される主な制御コマンドについて図7を参照して説明する。なお、「(H)」は16進数であることを示す。
コマンド8001(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第1変動開始指定コマンド)である。コマンド8002(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを指定する演出制御コマンド(第2変動開始指定コマンド)である。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、後述の変動パターン指定コマンドに含めるようにしてもよい。第1変動開始指定コマンド又は第2変動開始指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターン指定コマンド)である。この実施の形態では、変動パターン(図15参照、詳しくは後述する。)それぞれに対応する変動パターン指定コマンドが設定されている。たとえば、各変動パターンには、一意の番号(変動パターン番号)が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(たとえば、変動パターンPA1−1なら「01」など)。また、変動パターン指定コマンドは、飾り図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもあり、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定する演出制御コマンド(表示結果指定コマンド)である。この実施の形態では、表示結果それぞれに対応する表示結果指定コマンドが設定されている。たとえば、各表示結果には、一意の番号が振られ、その番号がコマンド中の「XX」に設定される(たとえば、「ハズレ」なら「00」、大当り種別が「確変」の「大当り」なら「01」など)。また、表示結果指定コマンドは、変動パターン指定コマンドなどとともに、変動パターンの設定時に実行される後述のステップS111にて送信設定される。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。図柄確定指定コマンドは、後述のステップS112における特図ゲーム終了時にて送信設定される。
コマンド95XX(H)は、遊技状態を指定する演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技状態それぞれに対応する遊技状態指定コマンドが設定されている。たとえば、遊技状態が通常状態(低確低ベース)であれば、「XX」は、「00」に設定される。たとえば、遊技状態が高確低ベース状態であれば、「XX」は、「01」に設定される。たとえば、遊技状態が高確高ベース状態であれば、「XX」は、「02」に設定される。遊技状態指定コマンドは、遊技状態の変更が行なわれ得る後述のステップS113やステップS117の実行時に送信設定される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始)を指定する演出制御コマンド(当り開始指定コマンド)である。なお、ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS113において、大当り遊技状態が開始されるときに送信設定される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始)を指定する演出制御コマンド(当り終了指定コマンド)である。なお、エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。このコマンドは、後述のステップS116において、最後のラウンド遊技が終了したときに送信設定される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンド)である。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定する演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンド)である。第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドとを始動口入賞指定コマンドと総称することがある。また、これらコマンドは、後述の始動入賞判定処理(ステップS101)にて送信設定される。
コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2特図保留記憶数指定コマンド)である。「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。第1特図保留記憶数指定コマンドと第2特図保留記憶数指定コマンドとを総称して、特図保留記憶数指定コマンドという場合がある。特図保留記憶数指定コマンドは、第1特図保留記憶数又は第2特図保留記憶数が変化し得る後述のステップS101やステップS111にて送信設定される。
コマンドC500(H)は、デモ画面の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。客待ちデモ指定コマンドは、保留記憶がない場合に、ステップS110にて送信設定される。
コマンドC600(H)は、遊技球が発射されたことを指定する演出制御コマンド(発射通知コマンド)である。発射通知コマンドは、打球発射装置550により1個の遊技球が発射されたときに、S21Aにて送信設定される。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。なお、以下では、フローチャートなどを参照して動作を説明するが、各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが適宜行なわれる場合がある。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行なう。この初期設定では、たとえばRAM102がクリアされる。RAM102のクリアは、たとえば、電源投入時に、パチンコ遊技機1に設けられた図示しないクリアスイッチなどの初期化用操作手段が操作されたことなどによって行なわれる。この操作は、たとえば、遊技店の営業時間外に行なわれる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行なう。これにより、以後、所定時間(たとえば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時(停電などによる電断時)における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい(たとえば、クリアスイッチが押されずに電源が投入(オン)された時にRAM102に所定のデータが記憶されるなどしている状態のとき(たとえば電断のときなど))。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。
図8は、タイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU103は、図8に示すステップS(以下、単に「S」と示す)20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路110を介して、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。次に、発射検出処理(S21A)では、発射球検出センサ505から出力され払出制御基板37を介して入力される検出信号(発射検出信号)の状態を判定することに基づいて、打球発射装置550による遊技球の発射が検出されたか否か(遊技球が発射されたか否か)を判定する。また、発射検出処理(S21A)では、遊技球の発射が検出されたと判定したときに、発射通知コマンドを送信するための設定をする処理も行なわれる。
次に、CPU103は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cの表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4Bおよび普通図柄表示器20については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器(表示装置)に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3等の各判定用乱数(図11参照)を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(遊技用乱数更新処理:S23)。なお、特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「確変」、「非確変」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数の変動パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、および、大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示器20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU103は、遊技状態に応じて、主基板11から演出制御基板12に演出制御コマンドを送信する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。本実施の形態では、打球発射装置550から発射された遊技球が発射球検出センサ505によって検出されると、発射球検出センサ505から検出信号が出力され、その検出信号が払出制御基板37を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。そして、S21Aの発射検出処理で当該検出信号が入力されたことが判定されると、遊技球が発射(検出)されたことを指定(通知)する発射通知コマンドがS28において、主基板11から演出制御基板12に送信される。さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器20における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図9は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図10は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。スイッチ処理にて第1始動口スイッチ22Aがオンであると判定されているなどして第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1特図保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。スイッチ処理にて第2始動口スイッチ22Bがオンであると判定されているなどして第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(たとえば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2特図保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2特図保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値ではあったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1特図保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2特図保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1特図保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2特図保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図11参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。たとえば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図12(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図12(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。なお、このとき、CPU103は、保留データが第1特図保留記憶部にセットされたときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ加算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行なわせる(たとえば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、保留データが第2特図保留記憶部にセットされたときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ加算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行なわせる(たとえば、LEDの点灯個数を1つ増やす)ようにしてもよい。
図12(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(たとえば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(たとえばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図12(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(たとえば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(たとえばリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時コマンドの送信設定を行なう(ステップS211)。始動入賞時コマンドは、始動口入賞指定コマンドと、特図保留記憶数指定コマンドと、から構成される。始動口バッファ値が「1」のときは、始動入賞時コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドと、第1特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行なう。始動口バッファ値が「2」のときは、始動入賞時コマンドとして、第2始動口入賞指定コマンドと、第2特図保留記憶数指定コマンドと、の送信設定を行なう。送信設定されたコマンドは、コマンド制御処理にて送信される。
送信設定する第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドは、現在の第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定するコマンド(当該記憶数に対応したEXTデータを含むコマンド)とし、指定する特図保留記憶数は、第1特図保留記憶数カウンタや第2特図保留記憶数カウンタのカウント値によって特定すればよい。
ステップS211のあと、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図9に戻り、ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行なわれる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」、「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(たとえば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図13は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、たとえば第2特図保留記憶部の先頭領域(たとえば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、ステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、たとえば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、たとえば第2特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。たとえば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(たとえば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、たとえば第1特図保留記憶部の先頭領域(たとえば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、たとえば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、たとえば第1特図保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。たとえば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位(保留番号「1」〜「3」に対応する記憶領域)にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。たとえば、CPU103は、図14に示す特図表示結果決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。特図表示結果決定テーブルでは、たとえば、図14に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、乱数値MR1に合致する決定値に、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて、割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、確変フラグ(確変状態のとくにオンになるフラグ)がオン状態である場合に、確変状態であると判定すればよい。たとえば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変状態のとき)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(非確変状態のとき)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図14に示すように、確変状態のときには、非確変状態のときよりも高い決定割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、たとえば図9に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在が確変状態であるときには、非確変状態のときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。つまり、遊技者にとって有利である。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、たとえば、図13に示す大当り種別決定テーブルを使用テーブルとしてセットする。大当り種別決定テーブルでは、たとえば、図15に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(たとえば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(たとえば、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、たとえば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行なう。
図9のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間(特図変動時間)が決定される。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行なう処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図16は、変動パターン設定処理として、ステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図17は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、「非リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA1−1、PA1−2が用意されている。「リーチ」の場合の「ハズレ」の変動パターンとして、PA2−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB2−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB2−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB2−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。また、大当り種別が「確変」、「非確変」のときの「大当り」の変動パターンとして、PA4−1(ノーマルリーチが実行される。)、PB4−1(スーパーリーチAが実行される。)、PB4−2(スーパーリーチBが実行される。)、PB4−3(スーパーリーチCが実行される。)が用意されている。
図16に示すステップS262の処理では、たとえば図18に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから変動パターン決定用の乱数値MR3を読み出し、読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。たとえば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPB4−2を選択する。
図16に示すステップS263の処理では、たとえば図19に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一例として、ハズレ変動パターン決定テーブルでは、遊技状態が時短状態であるか非時短状態であるかに応じて(RAM102の所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)によって特定できる。)、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、時短フラグの状態と、に基づいて、ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に、時短状態であるか否かに応じて割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。たとえば、乱数値MR3が「220」である場合、CPU103は、時短フラグがオン状態のときには(時短状態のときには)、変動パターンPA2−1を選択し、時短フラグがオフ状態のときには(非時短状態のときには)、変動パターンPB2−1を選択する。
図19に示すハズレ変動パターン決定テーブルでは、時短状態のときの方が、特図変動時間の短い変動パターンが選択されやすくなっており、時短状態のときには、非時短状態のときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。また、可変表示の実行頻度を高めることができる。
また、図18及び図19を参照すると、リーチ演出のうちスーパーリーチCが実行されたときが、最も高い割合で可変表示結果が「大当り」となる。そして、スーパーリーチB、スーパーリーチA、ノーマルリーチの順で、可変表示結果が「大当り」となる割合(所謂大当り期待度)が下がっていく。
図16に示すステップS262、S263のいずれかの処理を実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間(変動時間ともいう。)を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図17に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S263の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。特図変動時間の設定は、たとえば、特図変動時間に応じたタイマ値を、RAM102の所定領域に設けられた遊技制御プロセスタイマに設定することなどによって行なわれる。変動パターンの決定は、特図変動時間の決定でもある。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための制御を行なう(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行なう。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信する制御を行なう。これによって、特図ゲームが開始される。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行なわせる(たとえば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行なわせる(たとえば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特図表示結果や変動パターンの決定結果などを演出制御基板12側に通知するために、特別図柄の変動開始時におけるコマンド(変動開始時コマンド)の送信設定が行なわれる(ステップS268)。たとえば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第1特図保留記憶数指定コマンド(ステップS237で1減じた第1特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第1特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行なう。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して、変動開始時コマンドとして、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド(ステップS262又はS263で決定した変動パターンを示すEXTデータを含むコマンド)、表示結果指定コマンド(ステップS246で決定した可変表示結果を示すEXTデータを含むコマンド)、第2特図保留記憶数指定コマンド(ステップS233で1減じた第2特図保留記憶数カウント値、つまり、特図ゲームの実行開始によって保留記憶を1つ消化したときの第2特図保留記憶数を示すEXTデータを含むコマンド)を順次に送信するための送信設定を行なう。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図9に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図9のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理などが含まれている。そして、遊技制御プロセスタイマのタイマ値(1減算したあとのタイマ値)が0でないときには、特図変動時間が経過していないので、特図ゲームの可変表示を実行するための制御(たとえば、第1特図や第2特図の表示を更新(所定時間特別図柄の表示を維持させるための更新を適宜含む。以下同じ。)させる駆動信号を送信する制御)などを行って第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための処理を行い、特別図柄変動処理を終了する。一方で、遊技制御プロセスタイマのタイマ値が0になり、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ(確定特別図柄は、所定時間表示し続けるように制御するとよい。)、また、停止表示されるときに図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する。大当りフラグがオン状態である場合には、時短フラグ、確変フラグをリセットし(オフ状態にし)、RAM102の所定領域に設けられた、時短状態中に実行される可変表示の残り回数(時短残回数)をカウントする時短回数カウンタのカウント値をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にする処理が行なわれる。そして、ファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応するタイマ値を初期値として遊技制御プロセスタイマにセットする。そして、RAM102に設けられた、ラウンド遊技をカウントするためのラウンド数カウンタに初期値として「15」を設定する。その後、当り開始指定コマンド及び現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド(ここでは通常状態を指定するコマンド)を送信する設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。なお、大当り遊技状態後に、遊技状態が変更されるので、ここで遊技状態指定コマンドを送信しなくてもよい。
大当りフラグがオフ状態である場合には、時短フラグがオン状態であるかを判定し、オン状態である場合には、時短回数カウンタのカウント値を「1」減算する。その後、「1」減算したあとのカウント値が「0」であるかを判定し、カウント値が「0」である場合には、時短状態が終了する時短終了条件が成立したので(つまり、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたので)、時短状態を終了させるために、時短フラグをオフ状態とする。その後、現在の遊技状態に基づいて遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行なう。時短フラグがオフ状態である場合、「1」減算したあとのカウント値が「0」でない場合、又は、遊技状態指定コマンド送信設定後には、特図プロセスフラグの値を「0」に更新するなどして特別図柄停止処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理では、たとえば、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する。減算後のタイマ値が「0」でない場合には、ファンファーレ待ち時間がまだ経過していないことになるので、大当り開放前処理は終了する。減算後のタイマ値が「0」である場合には、ファンファーレ待ち時間が経過し、ラウンド遊技の開始タイミングになったことになる。この場合には、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理(たとえば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する処理)、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行なわれることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減算する処理や、1減算したあとのタイマ値や、1回のラウンド遊技においてカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数(スイッチ処理でカウントスイッチ23がオン状態と判定される毎に1カウントするカウンタ(RAM102に設けられる。)などによってカウントされればよい。)などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれる。
1減算したあとのタイマ値が0になった、又は、検出された遊技球の個数(前記カウンタのカウント値)が所定個数(たとえば9個)に達したと判定したときには、大入賞口を閉鎖するタイミングになったので、大入賞口を閉鎖状態に戻す処理(たとえば、ソレノイド駆動信号を大入賞口扉用のソレノイド82に伝送することを停止してソレノイド82をオフとする処理)や、大入賞口の閉鎖期間(ラウンド遊技のインターバル期間であり、予め設定されている期間)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理や、ラウンド数カウンタのカウント値を1減じる処理などが実行される。1減算したあとのタイマ値が0になってもなく、検出された遊技球の個数も所定個数に達していない場合には、大入賞口の開放状態に維持する処理(たとえば、ソレノイド駆動信号の供給を継続する処理)などを行って、大当り開放中処理を終了する。大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行なわれることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理では、ラウンド数カウンタのカウント値が「0」になったか否かを判定する処理や、「0」になっていない場合に遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行なわれる。
ラウンド数カウンタのカウント値が「0」であると判定された場合には、ラウンド遊技が上限回数に達したことになるので、遊技制御プロセスタイマにエンディング待ち時間(大当り遊技状態のおけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)に対応したタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する。また、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理なども行なう。
遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理を行った場合には、1減じたあとのタイマ値が0であるかを判定し、0でない場合には、ラウンド遊技の開始タイミングでないので、閉鎖状態が維持され、大当り開放後処理は終了する。0である場合には、ラウンド遊技の開始タイミングになったので、大入賞口を開放状態とする処理、大入賞口を開放状態とする期間の上限(ここでは、29秒)に対応するタイマ値を遊技制御プロセスタイマに設定する処理などが実行される。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
タイマ割り込みの発生ごとにステップS114で大入賞口が開放されてからS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、遊技制御プロセスタイマのタイマ値を1減じる処理などが行なわれる。1減じたタイマ値が0でなっていない場合には、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。1減じたタイマ値が0になった場合には、エンディングが終了するので、大当り種別バッファに格納された大当り種別(大当り種別バッファ設定値)に応じて、時短フラグ、時短回数カウンタ、確変フラグなどの状態を設定する。
たとえば、大当り種別が「確変」であれば、時短フラグ及び確変フラグをオン状態とするとともに、RAM102の所定領域に設けられた時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り種別が「非確変」であれば、時短フラグのみをオン状態とするとともに、時短回数カウンタにカウント初期値として「100」を設定する。大当り終了処理では、このような設定のあと、設定に応じた遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドを送信する送信設定を行い、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットして特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。図20は、演出制御メイン処理の一例のフローチャートである。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理(ステップS71)を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行なう。その後、RAM122の所定領域(たとえば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行なう(ステップS72)。タイマ割込みフラグは、たとえばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(たとえば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する(ステップS72;No)。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、たとえば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、たとえば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、たとえばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には(ステップS72;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS73)、コマンド解析処理(ステップS74)を実行する。コマンド解析処理では、たとえば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファ(RAM122に設けられる。)に格納されている各種の制御コマンドを読み出した後に、その読み出された制御コマンドに対応した設定や制御などが行なわれる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS75)。演出制御プロセス処理では、たとえば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行なわれる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理(ステップS76)が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。ステップS76のあとには、音量等を設定するための音量等設定処理(ステップS77)を実行し、ステップS72の処理に進む。
図21は、各制御コマンドについてコマンド解析処理にて行なわれる処理の表を示す図である。表における各受信フラグや、各格納領域は、RAM122の所定領域に設けられる。また、受信フラグをセットとは、オン状態にすることである。なお、受信フラグや格納領域に格納されるコマンドなどは、適宜のタイミングで適宜クリアされてもよい(たとえば、一度受信フラグによってコマンドの受信が確認された場合であって、再度の確認が後の処理にてない場合などに適宜クリアする)。
演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドを受信しているときには、受信した遊技状態指定コマンドの内容に基づいて、高確フラグ及び高ベースフラグのオン状態・オフ状態を切り替える。高確フラグは、たとえば、RAM122の所定領域(たとえば演出制御フラグ設定部)に設けられ、確変状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の確変フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。高ベースフラグは、たとえば、RAM122の所定領域(たとえば演出制御フラグ設定部)に設けられ、時短状態になったことに対応してオン状態になるものであり、主基板11側の時短フラグのオン状態・オフ状態の切り替えに対応して、オン状態・オフ状態が切り替わる。たとえば、演出制御用CPU120は、遊技状態指定コマンドが高確高ベース状態を指定するものである場合(たとえば、確変フラグ及び時短フラグがオン状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグの両者をオン状態にする(すでにオン状態である場合には、オン状態を維持する。以下、両フラグについてのオン状態、オフ状態について同じ)。遊技状態指定コマンドが高確低ベース状態を指定するものである場合(たとえば、確変フラグがオン状態で時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグをオン状態とし、高ベースフラグをオフ状態にする。遊技状態指定コマンドが低確低ベース状態(通常状態)を指定するものである場合(たとえば、確変フラグ及び時短フラグがオフ状態であることを指定する場合)、高確フラグ及び高ベースフラグをともにオフ状態にする。
また、第1特図保留記憶数指定コマンドや第2特図保留記憶数指定コマンドを受信したときには、表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、現在表示中の保留表示図柄の数を、各コマンドが指定する記憶数に応じた数に変化させるようにしてもよい。なお、保留表示図柄の数を減らすのは、後述のステップS171のときであってもよい。
また、発射通知コマンドを受信したときには、後述する出力音量設定処理のS602において、遊技が開始されているか否かが判定される。
図22は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(たとえば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信したか否か(たとえば、各受信フラグがオン状態になっているか否か)に基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始指定コマンドあるいは第2変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。それ以外の場合には、演出プロセスフラグの値の更新を行なわずに可変表示開始待ち処理を終了する。
なお、この可変表示開始待ち処理において、飾り図柄の可変表示を開始すると判定していない場合であって、客待ちデモ指定コマンドが送信されると(客待ちデモ指定コマンド受信フラグがオン状態となっている場合)、演出制御用CPU120は、デモ画面表示を行なうための制御を行なう(このとき、たとえば、当該フラグをクリアしてオフする。)。デモ画面表示は、ROM121に記憶されている演出制御パターンなどの各種データを用いて実行される。たとえば、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御してデモ画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行なう。タイマ割り込み毎に当該演出動作制御が繰り返し実行されることで、デモ画面表示の実行が実現する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。図23は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、たとえば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)などに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」のときには(ステップS521;Yes)、たとえば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)により指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターン(PA1−1、PA1−2)であるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される非リーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された非リーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(非リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合(変動パターンが、PA2−1、PB2−1〜PB2−3のとき)には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新されるリーチ組合せの飾り図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意されたリーチ組合せの飾り図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄(リーチ組合せの飾り図柄)を決定する。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、たとえば主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されているコマンド)によって特定される大当り種別に応じて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S525のあと、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに対応した演出制御パターン(ROM121に予め記憶されている。)を使用パターンとして設定する(ステップS530)。演出制御パターンは、変動パターンに対応して複数種類用意されており、ここでは、変動パターン指定コマンドによって指定される変動パターンに対応した演出制御パターンが選択されて設定される。たとえば、S77の音量等設定処理に基づいた音量により、変動開始時を演出するための音が出力される。このように、変動開始時から出力される遊技の演出に伴う音を演出音と称する。
ステップS530のあとには、演出制御用CPU120は、たとえば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値(変動パターンに対応する特図変動時間に応じた初期値)を設定する(ステップS531)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定(演出動作制御の開始設定)を行なう(ステップS533)。このときには、たとえばステップS530にて使用パターンとして決定(設定)された演出制御パターンに含まれる表示制御データに基づいて表示制御部123を制御し、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS534)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。図24は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、たとえば演出制御プロセスタイマのタイマ値に基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、1減じたタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであるか否かを判定することによって、特図変動時間が経過したかを判定する。
終了コードでない場合、つまり、特図変動時間が経過していない場合(ステップS551;No)、演出制御用CPU120は、現在がリーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS558)。当該期間は、使用パターンとなっている演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値のプロセスタイマ判定値に対応したデータ(演出制御パターンに含まれるデータ)がリーチ演出実行期間であることを表しているなどして、リーチ演出実行期間であると判定したときには(ステップS558;Yes)、リーチ演出を実行する演出動作制御を行なう(ステップS559)。たとえば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、リーチ演出を実行するための演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、駆動制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行なう。タイマ割り込み毎にステップS559が繰り返し実行されることで、リーチ演出の実行が実現する。
ステップS559のあと、リーチ演出実行期間でないと判定したときには(ステップS558;No)、その他の演出動作制御を行なう(ステップS560)。たとえば、演出制御用CPU120は、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、演出制御プロセスタイマのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行なう。タイマ割り込み毎にステップS560が繰り返し実行されることで、他の演出(たとえば、飾り図柄の可変表示動作などであってもよい。)の実行が実現する。ステップS560のあと、可変表示中演出処理は終了する。
ステップS551の処理で1減じたタイマ値に対応するデータが終了コードであり、特図変動時間が飾り図柄の可変表示(特図ゲームでもある)の開始から経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドの受信があったか否か(図柄確定指定コマンド受信フラグがオン状態であるか否か)を判定する(ステップS561)。このとき、図柄確定指定コマンド受信フラグがオフで図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS561;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定指定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定指定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS561にて図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS561;Yes)、たとえば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送することといった、飾り図柄の可変表示において可変表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)(ステップS171で決定した組合せの確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行なう(ステップS562)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間に対応するタイマ値を演出制御プロセスタイマなどに設定する(ステップS563)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新し(ステップS564)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、たとえば、当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドの受信があったと判定した場合には、大当り遊技状態時に対応した演出を実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。その後、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。
当り開始指定コマンドの受信がないと判定した場合には、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減算し、1減算したタイマ値が0でない場合には、特図当り待ち処理を終了する。一方で、1減算したタイマ値が0である場合(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したとき)には、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この当り中処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行なう。タイマ割り込み毎にステップS174が繰り返し実行されることで、大当り遊技状態に対応した演出(たとえば、ファンファーレを含み、エンディングを除く演出)の実行が実現する。当り中処理では、さらに、当り終了指定コマンドを受信したかを判定し、当り終了指定コマンドを受信していない場合、各ラウンド遊技が全て終了していないので、演出制御プロセスフラグの値を更新せずに当り中処理を終了する。また、当り終了指定コマンドを受信した場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の実行を開始するため、演出制御プロセスフラグの値をステップS175に対応した値である“5”に更新する。なお、この更新時では、エンディングを実行するための演出制御パターンを使用パターンとして選択し、さらに使用パターンとして選択した演出制御パターンの実行時間に応じたタイマ初期値を演出制御プロセスタイマに設定する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング処理において、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマのタイマ値を1減じ、使用パターンとして選択された演出制御パターンに含まれるデータのうちの、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられた、演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データなど)に基づいて、表示制御部123を制御して演出画像を画像表示装置5に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった演出動作制御を行なう。タイマ割り込み毎にステップS175が繰り返し実行されることで、エンディングの演出の実行が実現する。1減じたあとのタイマ値が「0」であったり、1減じたあとのタイマ値と同じ値となるプロセスタイマ判定値に対応付けられたデータが終了コードであったりする場合には、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する(このときには、各受信フラグや、各格納領域に格納されたデータなど(次の可変表示に持ち越したくないもの)は、適宜リセットされる)。
図25は、遊技の状態と演出音の音量の状態との関係を示すタイミングチャートである。図25(a)は、演出音の出力契機である遊技が開始されたときの演出音の音量の状態を示す図である。図25(b)は、遊技が開始されていないときの演出音の音量の状態を示す図である。図25の発射検出において、低レベルは遊技球が発射球検出センサ505により検出されず、発射信号が送信されていないこと、高レベルは遊技球が発射球検出センサ505により検出され、発射信号が送信されたことを示している。また、図25の入賞検出において、低レベルは始動口スイッチ(始動口スイッチ22A,始動口スイッチ22B)により遊技球が検出されず、第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドが送信されていないことを示し、高レベルは当該始動口スイッチにより遊技球が検出され、当該第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンドが送信されたことを示している。
また、図25の変動時における演出音の音量において、グラフの低レベルは演出音が出力されていないことを示している。図25の変動時の音量において、現在の設定音量として示すレベルは、現在の設定音量が基準値の音量より小さい音量のレベル(以下、小さい音、小音とも称する)である。図25の変動時の音量において、基準値として示すレベルは、音量の基準値を示している。なお、基準値の音量とは、遊技が開始される際に演出音の音量が遊技者に十分に聞こえる予め定められた所定レベルの音量である。
図25(a)に示すように、演出制御用CPU120は、発射検出があり、その後入賞検出があった場合に、演出音の出力契機としての変動開始時に、演出音の現在の設定音量が基準値まで引き上げられた音量の演出音を出力する。また、図25(b)に示すように、演出制御用CPU120は、発射検出がなく、その後入賞検出があった場合に、演出音の音の出力契機としての変動開始時に、現在の設定音量のままの音量の演出音を出力する。
図25(a)のような場合には、発射検出があるので、ホールにおいて遊技者が実際に遊技を実行している状態であると判定される。そして、変動開始時に出力される演出音の音量が基準値より小さい場合には、音量が基準値まで引き上げられるので、遊技の開始時に出力される演出音の音量が小さくなりすぎることはない。また、図25(b)のような場合には、発射検出がないので、遊技店の従業員が遊技機の状態を確かめる検査、または、遊技機の試験等のためにパチンコ遊技機1の前面扉を開け、直接第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球を投入している状態であると判定される。そして、図25(b)の変動開始時には、検査や試験のためであり、過度な演出をする必要がないので、演出音の音量を大きくする必要がない。よって、図25(b)のような場合には、現在の演出音の音量が基準値より小さい場合でも、音量を大きくして出力しなくてもよい。
このように、遊技が開始(実行)されているか遊技が開始(実行)されていないかによって、演出音の音量の出力状態を変化することができ、遊技の状況に応じた音出力が実現できる。なお、現在の演出音の音量が変動開始時に基準値の音量より大きい場合には、そのままの音量で変動開始時の音が出力される。
なお、遊技が開始されているかいないかは、発射検出があった後に、入賞検出があるか否かによって、判断される。つまり、遊技の開始とは、遊技者の遊技を開始する意思が認識可能な動作(操作)が検出されたということである。
次に音量等設定処理について説明する。図26は、音量等設定処理の一例を示すフローチャートである。音量等設定処理は、音量(スピーカ8L、8Rから実際に出力される音声の音量、以下単に「音量」として説明する。)の設定や光量(遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどを実際に点灯させるときの光量、以下単に「光量」として説明する。)の設定、その他メニューの表示などを行なうための処理である。図27は、出力音量設定処理の一例を示すフローチャートである。出力音量設定処理は、図26の音量等設定処理内のS704で行なわれる処理である。図28は、設定切替スイッチの状態(チャンネル)と音量等設定処理で設定される音量、光量などとの関係を示す図である。図29は、音量や光量の設定タイミングを説明する図である。図30は、音量や光量の設定に用いられる第2音量段階や第2光量段階を変更するとき(つまり、遊技者による操作によって音量や光量を変更するとき)に表示される設定画面を示す図である。
音量等設定処理では、デモ画面の表示中にメニュー画面を表示する処理などを行なう。また、音量等設定処理内で実行される出力音量設定処理では、遊技の状況に応じて演出音の音量を変更する処理を行なう。メニュー画面は、「音量・光量調整」を含む複数の選択項目などからなる。遊技者は所望の選択項目を、スティックコントローラ30などを用いて選択することができる。たとえば、メニュー画面において、複数の選択項目のうちの1つが強調表示(点滅表示、選択項目の色を変化させる表示など)される。強調表示される選択項目は選択対象となる。遊技者は、スティックコントローラ30などを用いて強調表示される選択項目を切り換え、プッシュボタン31Bの押下によって強調表示される選択項目を選択する。これによって所望の選択項目が選択されたことになる。選択項目が選択されると、その選択項目に応じた画面がメニュー画面から切り替わって新たに表示される。
「音量・光量調整」の選択項目は、遊技者が音量や光量を調整するときに選択するものであり、選択によって、図30の設定画面が表示される。図30のように、設定画面では、複数の音量段階(丸で囲まれた「2」〜「14」)及び複数の光量段階(四角で囲まれた「50%」、「75%」、「100%」)が領域5HH及び領域5HLに表示されている。なお、設定画面で表示される光量段階は、設定切替スイッチ300のチャンネルによって異なる(詳しくは後述)。各音量段階(「2」〜「14」)は、それぞれ、音量の設定に用いられる第2音量段階が取り得る段階になっている。各音量段階のうち、強調表示されている音量段階(図30では「10」)が、現在の第2音量段階になる。遊技者は、スティックコントローラ30への操作によって、強調表示する音量段階を変化させ、最後に、プッシュボタン31Bを押下操作する。この押下操作によって、演出制御用CPU120は、そのときに強調表示している音量段階に応じて第2音量段階を設定し、演出音の音量を設定する。設定画面上の各光量段階(「50%」、「75%」、「100%」など)は、それぞれ、光量の設定に用いられる第2光量段階が取り得る段階になっている。各光量段階のうち、強調表示されている光量段階(図30では「75%」)が、現在の第2光量段階になる。遊技者は、スティックコントローラ30への操作によって、強調表示する光量段階を変化させ、最後に、プッシュボタン31Bを押下操作する。この押下操作によって、演出制御用CPU120は、そのときに強調表示している光量段階に応じて第2光量段階を設定し、演出音の光量を設定する。第2音量段階や第2光量段階が変更されると、変更後の段階と現在の第1音量段階や第1光量段階とに基づいて、音量や光量が設定される。つまり、図30の設定画面における強調表示された音量段階や光量段階を操作によって変更することで、音量や光量が変更される。このように、この実施の形態では、デモ画面の表示や設定画面の表示が、遊技者による音量や光量(第2音量段階や第2光量段階)の設定のための操作が行える条件(遊技者用の操作を行なうための第2許可条件)になっている。
なお、設定切替スイッチ300のチャンネルが「A」〜「F」のときは、遊技者による音量や光量の設定が制限される。つまり、第2音量段階や第2光量段階の設定が制限される。このときには、音量や光量が第1音量段階や第1光量段階のみに基づいて設定される。
音量や光量は、取り得る範囲が予め定められている。具体的には、音量は、「2」〜「22」の21段階(数字が大きい方が音量が大きい)があり、光量は「30%」、「50%」、「65%」、「75%」、「100%」の5段階がある(図28参照)。なお、演出時などの音量は、常に一定ではない。設定される音量は、たとえば、演出時などに出力されることが許容される最大の音量である。演出時などの光量も、常に一定ではない。上記光量は、たとえば、演出時などで許容される最大の光量である。なお、光量は、最大の光量を100%とした割合(%)で段階が示される。
ここで、実際の音量や光量と、第1音量段階などとの関係を、図28を参照して説明する。
設定切替スイッチ300の行は、設定切替スイッチ300のチャンネル(第1音量段階、第2音量段階でもある)を示す(「0」〜「F」)。
初期表示(音量)の行は、設定切替スイッチ300のチャンネルの変更があってから又は電源投入から最初に表示される、設定画面における強調表示される音量段階(第2音量段階)を示す(当該音量段階を初期表示(音量)という)。チャンネルが「0」の場合には初期表示(音量)は「2」になり、チャンネルが「1」の場合には初期表示(音量)は「3」になり、チャンネルが「2」の場合には初期表示(音量)は「4」になり、チャンネルが「3」の場合には初期表示(音量)は「6」になり、チャンネルが「4」の場合には初期表示(音量)は「8」になり、チャンネルが「5」、「6」、「7」、「8」、「9」の場合には初期表示(音量)は、それぞれ、「10」、「11」、「12」、「13」、「14」になる。チャンネルが「A」〜「F」の場合、第2音量段階の設定が制限されており、図30の設定画面は表示されないので、初期表示が設定されていない。
実際の音量範囲(チャンネル「0」〜「9」)の行は、音量の取り得る範囲を示す。なお、音量範囲の行に記載された括弧内の数字は、その音量のときの第2音量段階(強調表示される音量段階)の値である。たとえば、「2(2)」であれば、第2音量段階が「2」のときに、音量が「2」になることを示す。図28のように、この実施の形態では、チャンネルが「0」〜「4」のときには、音量が「2」〜「14」になる。第2音量段階が「2」、「3」、「4」・・・「14」と上がっていくと、音量もそれに対応して「2」、「3」、「4」・・・「14」と上がっていく。つまり、音量と第2音量段階とは値同士が一致している。また、チャンネルが「5」〜「9」のときには、音量が「10」〜「22」になる。第2音量段階が「2」、「3」、「4」・・・「14」と上がっていくと、音量はそれに対応して「10」、「11」、「12」・・・「22」と上がっていく。つまり、音量は、第2音量段階の値に「8」足した値になる。この実施の形態では、このように、第1音量段階に応じて、実際の音量の取り得る範囲が異なっている。
実際の音量(チャンネル「A」〜「F」)の行は、設定される音量を示す。チャンネルが「A」〜「F」の場合、第2音量段階の設定が制限されており、音量は変更されないので、当該音量は固定になっている。チャンネルが「A」の場合には音量は「2」になり、チャンネルが「B」の場合には音量は「4」になり、チャンネルが「C」の場合には音量は「7」になり、チャンネルが「D」、「E」、「F」の場合にはそれぞれ音量は「10」、「15」、「22」になる。
なお、音量の基準値として、チャンネル「0」〜「9」の中では、チャンネル「4」が基準値とされている。また、チャンネル「A」〜「F」の中では、チャンネル「D」が基準値とされている。図27に示す出力音量設定処理では、遊技中に音出力条件が成立したときには、現在の演出音の音量が基準値より小さい場合には、演出音の音量が基準値まで引き上げられて出力される。また、演出音の音量の基準値は、適宜変更するようにしてもよく、基準値がチャンネル「9」やチャンネル「F」のように演出音の音量の最大値となる場合があってもよい。
初期表示(光量)の行は、設定切替スイッチ300のチャンネルの変更があってから又は電源投入から最初に表示される、設定画面における強調表示される光量段階(第2光量段階)を示す(当該光量段階を初期表示(光量)という)。チャンネルが「0」及び「1」の場合には初期表示(光量)は「30%」になり、チャンネルが「2」及び「3」の場合には初期表示(光量)は「65%」になる(設定画面に表示される光量段階は、「30%」、「65%」、「100%」)。チャンネルが「4」及び「5」の場合には初期表示(光量)は「50%」になり、チャンネルが「6」及び「7」の場合には初期表示(光量)は「75%」になり、チャンネルが「8」及び「9」の場合には初期表示(光量)は「75%」になる(設定画面に表示される光量段階は、「50%」、「75%」、「100%」)。チャンネルが「A」〜「F」の場合、第2光量段階の設定が制限されており、図30の設定画面は表示されないので、初期表示が設定されていない。
実際の光量範囲(チャンネル「0」〜「9」)の行は、光量の取り得る範囲を示す。音量とは異なり、光量は、強調表示される光量段階(第2光量段階)と同じ値になる(音量の場合は、値が異なる場合がある)。図28のように、この実施の形態では、チャンネルが「0」〜「3」のときには、光量は「30%」、「65%」、「100%」のいずれかになる。チャンネルが「4」〜「9」のときには、光量は「50%」、「75%」、「100%」のいずれかになる。
実際の光量(チャンネルが「A」〜「F」の場合)の行は、設定される光量を示す。チャンネルが「A」〜「F」の場合、第2光量段階の設定が制限されており、光量は変更されないので、当該光量は固定になっている。チャンネルが「A」及び「B」の場合には光量は「35%」になり、チャンネルが「C」及び「D」の場合には光量は「75%」になり、チャンネルが「E」及び「F」の場合には初期表示(光量)は「100%」になる。
電源投入時における初期音量及び初期光量は、たとえば、電源投入時における設定切替スイッチ300のチャンネルに応じて予め定められていればよい。たとえば、演出制御用CPU120は、ステップS71の初期化処理において、設定切替スイッチ300のチャンネルを読み取って、読み取ったチャンネルの段階(「0」〜「F」)に対応した段階(「0」〜「F」であり、上述のようにチャンネルに一対一で対応している。)を第1音量段階及び第1光量段階として設定し(たとえば、RAM122の所定領域に格納し)、設定した第1音量段階及び第1光量段階に基づいて音量及び光量を初期音量及び初期光量として設定すればよい(たとえば、RAM122の所定領域に格納する)。第1音量段階及び第1光量段階と初期音量及び初期光量との関係は、予め定められていればよい。当該関係は、たとえば、図28に示す、「A」〜「F」と音量及び光量の関係、及び、「0」〜「9」と初期表示の第2音量段階及び第2光量段階での音量及び光量との関係などであればよい。このような設定が行なわれると、この設定された初期音量や初期光量が現在の設定音量として設定される(RAM122の所定領域に格納される)。
図26の音量等設定処理において、まず、演出制御用CPU120は、設定切替スイッチ300の現在のチャンネルを読み取り、読み取ったチャンネルが従前から変化しているかを判定する(ステップS701)。たとえば、演出制御用CPU120は、ステップS701を実行するごとに、設定切替スイッチ300のチャンネルを読み取る。たとえば、設定切替スイッチ300からの信号に基づいて現在のチャンネルを特定することで読み取る。また、演出制御用CPU120は、読み取ったチャンネル(チャンネルを示すデータ)を順次RAM122の所定領域に格納していく(所定個数分格納し、あとは、古いものから順次更新していくようにすればよい。)。演出制御用CPU120は、たとえば、今回のステップS701で読み取ったチャンネルと、RAM122に格納されている前回のステップS701で読み取ったチャンネルとを比較し、両者が異なる場合には、チャンネルの変化があった(ステップS701;Yes)と判定すればよい。なお、電源を投入してから最初のステップS701では、前回のステップS701で読み取ったチャンネルがないので、必ずチャンネルの変化があったと判定してもよいし、通常、このタイミングではチャンネルの切替がないので、チャンネルの変化がないと判定してもよい。
設定切替スイッチ300のチャンネルが変化している場合(チャンネルの切り替えがあった場合)(ステップS701;Yes)、ステップS701で読み取ったチャンネルが「A」〜「F」のいずれであるかを判定する(ステップS702)。読み取ったチャンネルが「A」〜「F」のいずれかである場合(ステップS702;Yes)、設定切替スイッチ300の状態(現在のチャンネル)に対応して設定を行なう(ステップS703)。設定切替スイッチ300が「A」〜「F」のいずれかである場合には、遊技者による第2音量段階や第2光量段階の設定が制限(禁止)される(つまり、遊技者による音量や光量の調整が制限される。)。このため、音量や光量は、設定切替スイッチ300のチャンネル(つまり、第1音量段階や第1光量段階)に基づいて設定される。
ステップS703では、設定切替スイッチ300のチャンネルに対応した段階を第1音量段階及び第1光量段階として設定するとともに、設定した第1音量段階及び第1光量段階に応じた音量及び光量を実際の音量及び光量として設定する(たとえば、図28に示すような関係のテーブルをROM121に用意して参照するなどして設定を行なう。)。たとえば、設定切替スイッチ300のチャンネルが「A」であれば、第1音量段階及び第1光量段階として「A」を設定し、実際の音量を「2」、実際の光量を「30%」に設定する。設定切替スイッチ300のチャンネルが「B」であれば、第1音量段階及び第1光量段階として「B」を設定し、実際の音量を「4」、実際の光量を「30%」に設定する。以下、図28に示すように設定を行なう。この実施の形態では、ステップS703で音量及び光量の設定が行なわれると、以降、この設定された音量や光量で演出(たとえば、音声信号や電飾信号は、この設定された音量や光量をも指定する。)などが実行される。なお、設定切替スイッチ300のチャンネルは、ステップS701でRAM122に格納したチャンネルによって特定すればよい(以下、当該チャンネルの特定について同じ)。また、設定とは、たとえば、設定対象の情報(第1音量段階など)をRAM122の所定領域に格納し、その後に設定対象の情報に基づいて処理を行えるようにすることをいう(設定について同じ。)。
ステップS703のあと、設定切替スイッチ300のチャンネル変更がない場合(ステップS701;No)、又は、チャンネルが「A」〜「F」でない場合(ステップS702;No)、ステップS704の処理に移る。ステップS704では、遊技の状態に応じた演出音の音量の設定をするための出力音量設定処理(後述する図27の処理)が実行される。次いで、演出制御用CPU120は、ステップS705の処理へ移行する。演出制御用CPU120は、ステップS705の処理において、現在デモ画面表示を実行しているかを判定する(ステップS705)。デモ画面表示中の場合には(ステップS705;Yes)、スティックコントローラ30やプッシュボタン31Bへの操作が受け付けられるので、プッシュセンサ35Bや傾倒方向センサユニット32から、操作があったことや操作内容を示す信号が伝送されたか否かなどに基づいて、遊技者の操作があったか否かを判定する(ステップS707)。
演出制御用CPU120は、遊技者の操作があった場合(ステップS707;Yes)、当該操作がメニュー呼出操作であるかを判定する(ステップS708)。たとえば、デモ画面には、プッシュボタン31Bの押下によってメニュー画面が読み出される旨の操作画像が含まれる。遊技者は、プッシュボタン31Bを操作することによってメニュー画面を呼び出すことができる。演出制御用CPU120は、現在がデモ画面表示中に前記操作画像を表示しているときであり、前記遊技者の操作がプッシュボタン31Bの押下である場合に、当該遊技者の操作がメニュー呼出操作であると判定する(ステップS708;Yes)。
メニュー呼出操作である場合(ステップS708;Yes)、表示制御部123を制御して上述したメニュー画面を画像表示装置5に表示させることを開始する(ステップS709)。メニュー画面は、たとえば、メニュー画面のレイヤーがデモ画面のレイヤーに重畳表示されるように表示される。これによって、メニュー画面の裏ではデモ画面の表示が継続される(音声出力なども継続される)。なお、メニュー画面の表示やメニュー画面から切り替わる各種画面(たとえば、図30の音量・光量の設定画面)の表示は、デモ画面の表示などとともに、飾り図柄の可変表示の開始などによって終了する。なお、演出制御用CPU120は、設定切替スイッチ300のチャンネルが「A」〜「F」である場合には、「音量・光量調整」の項目がないメニュー画面、又は、当該項目を暗くしたメニュー画面を表示するようにして、当該項目が強調表示されないようにし、音量・光量調整が制限されていることを遊技者に報知する。
ステップS709のあと、又は、遊技者の操作がメニュー呼出操作でない場合(ステップS708;No)、前記で操作ありと判定した遊技者の操作が「音量・光量調整」の選択項目を選択する操作であるかを判定する(ステップS710)。たとえば、現在がメニュー画面において「音量・光量調整」の項目が強調表示されているときであり、前記遊技者の操作がプッシュボタン31Bの押下である場合に、当該遊技者の操作が「音量・光量調整」の選択項目を選択する操作であると判定する(ステップS710;Yes)。
この場合(ステップS710;Yes)、演出制御用CPU120は、表示制御部123を制御して、設定切替スイッチ300のチャンネルに応じた初期表示(音量)及び初期表示(光量)を表示する設定画面(図30のような設定画面)を表示開始する制御を行なう(ステップS712)。チャンネルと初期表示との関係は、図28の関係などである(たとえば、図28に示すような関係のテーブルをROM121に用意して参照するなどして初期表示の表示を行なう。)。たとえば、設定切替スイッチ300のチャンネルが「0」であれば、初期表示(音量)を「2」、初期表示(光量)を「30%」とした音量段階及び光量段階を含む設定画面を表示する。たとえば、設定切替スイッチ300のチャンネルが「5」であれば、初期表示(音量)を「10」、初期表示(光量)を「50%」とした設定画面を表示する。たとえば、設定切替スイッチ300のチャンネルが「9」であれば、初期表示(音量)を「14」、初期表示(光量)を「100%」とした音量段階及び光量段階を含む設定画面を表示する。
ステップS712のあと、演出制御用CPU120は、初期表示などに対応した音量及び光量を設定する(ステップS713)。たとえば、演出制御用CPU120は、設定切替スイッチ300のチャンネルに対応した段階を第1音量段階及び第1光量段階として設定するとともに、初期表示(音量)の段階を第2音量段階として設定し、初期表示(光量)の段階を第2光量段階として設定する。また、設定した第1音量段階及び第2音量段階に基づいて音量を設定する。また、設定した第1光量段階及び第2光量段階に基づいて光量を設定する。これら設定は、たとえば、図28に示すような関係のテーブルをROM121に用意して参照するなどして設定を行なう。たとえば、設定切替スイッチ300のチャンネルが「0」であれば、第1音量段階及び第1光量段階として「0」を設定し、第2音量段階として「2」を設定し、第2光量段階として「30%」を設定し、設定した第1音量段階及び第2音量段階に応じた音量として「2」を設定し、設定した第1光量段階及び第2光量段階に応じた光量として「30%」を設定する。設定切替スイッチ300のチャンネルが「5」であれば、第1音量段階及び第1光量段階として「5」を設定し、第2音量段階として「10」を設定し、第2光量段階として「50%」を設定し、設定した第1音量段階及び第2音量段階に応じた音量として「10」を設定し、設定した第1光量段階及び第2光量段階に応じた光量として「50%」を設定する。設定切替スイッチ300のチャンネルが「9」であれば、第1音量段階及び第1光量段階として「9」を設定し、第2音量段階として「14」を設定し、第2光量段階として「100%」を設定し、設定した第1音量段階及び第2音量段階に応じた音量として「14」を設定し、設定した第1光量段階及び第2光量段階に応じた光量として「100%」を設定する。なお、光量については、第2光量段階のみに基づいて設定してもよい。このような設定が行なわれると、これ以降において、この設定された音量や光量で演出(たとえば、音声信号や電飾信号は、この設定された音量や光量をも指定する。)などが実行される。
ステップS713のあと、又は、遊技者の操作が「音量・光量調整」の選択項目を選択する操作でない場合(ステップS713;No)、前記で操作ありと判定した遊技者の操作が音量又は光量を変更する操作であるかを判定する(ステップS715)。たとえば、図30の設定画面では、スティックコントローラ30の操作桿を前後方向に傾倒操作すると、音量の調整と光量の調整とを切り替えることができる。たとえば、領域5HHと領域5HLとのうちのいずれかの枠を太くして色を変更するなどして、一方の領域を強調表示する。強調表示された領域の方が、操作対象の領域となる。スティックコントローラ30の操作桿を左右方向に傾倒操作すると、領域5HHが強調表示されている場合には、強調表示される音量段階(第2音量段階)が変更され、領域5HLが強調表示されている場合には、強調表示される光量段階(第2光量段階)が変更される。なお、図30では、領域5HLが強調表示されている。この状態で、スティックコントローラ30の操作桿を前後方向に傾倒操作すると、領域5HHが強調表示される。演出制御用CPU120は、現在が音量・光量の設定画面(図30参照)を表示しているときであり、前記遊技者の操作がスティックコントローラ30の操作桿を左右方向に傾倒操作である場合に、当該遊技者の操作が音量(第2音量段階)又は光量(第2光量段階)を変更する操作であると判定する(ステップS708;Yes)。
当該遊技者の操作が音量(第2音量段階)又は光量(第2光量段階)を変更する操作である場合(ステップS708;Yes)、演出制御用CPU120は、その操作内容に応じて強調表示している音量段階(第2音量段階)又は光量段階(第2光量段階)を変更する表示制御を行なう(ステップS716)。たとえば、当該遊技者の操作がスティックコントローラ30の操作桿を左に傾倒操作する操作である場合、強調表示される光量段階や音量段階を一段階下げる(現在が最下段階であれば最下段階を維持する)ように表示制御を行なう。当該遊技者の操作がスティックコントローラ30の操作桿を右に傾倒操作する操作である場合、強調表示される光量段階や音量段階を一段階上げる(現在が最上段階であれば最上段階を維持する)ように表示制御を行なう。たとえば、図30の状態で、操作桿を左に傾倒操作すると、強調表示される光量段階(第2光量段階)を「75%」から「50%」に変更する。さらに、左に傾倒操作すると、強調表示される光量段階(第2光量段階)を「50%」のままにする(これによって、遊技者が意図せずに傾倒操作をし過ぎても最小の光量を維持することができる。)。たとえば、図30の状態で、操作桿を右に傾倒操作すると、強調表示される光量段階(第2光量段階)を「75%」から「100%」に変更する。さらに、左に傾倒操作すると、強調表示される光量段階(第2光量段階)を「100%」のままにする(これによって、遊技者が意図せずに傾倒操作をし過ぎても最大の光量を維持することができる。)。
ステップS716のあと、演出制御用CPU120は、現在設定されている第1音量段階又は第1光量段階と、変更後(ここでは、操作がされたにも関わらず最上段階又は再下段階を維持する場合を含む。)の強調表示された音量段階又は光量段階と、に基づいて音量又は光量を設定する(ステップS717)。たとえば、強調表示された音量段階が変更された場合には、変更後の強調された音量段階を新たな第2音量段階として設定し、第1音量段階と新たに設定した第2音量段階とに基づいて新たな音量を設定する。強調表示された光量段階が変更された場合には、変更後の強調された光量段階を新たな第2光量段階として設定し、第1光量段階と新たに設定した第2光量段階とに基づいて新たな光量を設定する。たとえば、第1音量段階が「0」のときに、強調表示の音量段階が「2」又は「4」から「3」に変更された場合、第2音量段階として「3」を設定し、音量として「3」を設定する。たとえば、第1音量段階が「6」のときに、強調表示の音量段階が「13」から「14」に変更された場合、第2音量段階として「14」を設定し、音量として「22」を設定する。たとえば、第1光量段階が「6」のときに、強調表示の光量段階が「75%」から「100%」に変更された場合、第2光量段階として「100%」を設定し、光量として「100%」を設定する。このような設定が行なわれると、これ以降において、この設定された音量や光量で演出(たとえば、音声信号や電飾信号は、この設定された音量や光量をも指定する。)などが実行される。
ステップS717のあと、演出制御用CPU120は、音声制御基板13に対する指令(音声信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから光量又は音量が変更されたこと(操作があったにもかかわらず維持されたことを含む)を報知する確認音を出力させる(ステップS718)。なお、このときの確認音は、設定された音量であるが(音量の変更の場合、これによって変更後の音量を確認できる。)、操作がされたにも関わらず最上段階を維持する場合には、最大音量で出力するようにしてもよい。操作がされたにも関わらず最小段階を維持する場合には、最小音量で出力するようにしてもよい(なお、確認音を分かりやすくするために、最小音量よりも大きい音量での出力を行ってもよい。)。さらに、確認音の代わり又は加えて遊技効果ランプや装飾用LEDなどを点灯又は点滅させて前記報知を行ってもよい。このときの点灯の光量は、設定された光量である(光量の変更の場合、これによって変更後の光量を確認できる。)。操作がされたにも関わらず最上段階を維持する場合には、最大光量で出力するようにしてもよい。操作がされたにも関わらず最小段階を維持する場合には、最小光量で出力するようにしてもよい(なお、点灯などによる報知を分かりやすくするために、最小光量よりも大きい光量での出力を行ってもよい。)。なお、前記報知のための発光体は、当該報知専用に設けられてものであってもよい。これによって、当該報知を分かりやすく行なうことができる。また、変更後の確認のため、音量の変更の場合には、少なくとも確認音の出力を行い、光量の変更の場合には、少なくとも点灯などによる報知を行なうようにしてもよい。
ステップS718のあと、又は、遊技者の操作が音量又は光量を変更する操作でない場合(ステップS715;No)、前記で操作ありと判定した遊技者の操作が上記各操作以外の他の操作であるかを判定する(ステップS719)。他の操作である場合には(ステップS719;Yes)、当該他の操作に応じた処理を実行する(ステップS720)。たとえば、メニュー画面が表示されているときにスティックコントローラ30の操作桿が操作されたときには強調表示される選択項目の変更する表示制御を行なう。メニュー画面が表示されているときにプッシュボタン31Bが押下された場合には、そのときに強調表示されていた選択項目に対応する新たな画面を切り替えて表示する表示制御を行なう。音量・光量調整の設定画面の表示中にスティックコントローラ30の操作桿を前後方向に傾倒操作すると、強調表示する領域を領域5HHと領域5HLと「メニューに戻る」という項目とのいずれか順次変更する。なお、「メニューに戻る」という項目が強調表示されたときに、プッシュボタン31Bが押下された場合には、メニュー画面に戻る表示制御が行なわれる。
ステップS720のあと、他の操作でない場合(ステップS719;No)、デモ画面表示中でない場合(ステップS704;No)、操作がなかった場合(ステップS704;No)には、当該処理を終了する。
このような一連の処理によって、音量や光量の変更などが実現される。たとえば、図29に示すように、遊技中に設定切替スイッチ300のチャンネルが「0」〜「9」に変更されると、そのチャンネルの変更が、音量・光量調整の設定画面(図30)を表示したときに反映され、このときに、変更後のチャンネルに応じた第1音量段階及び第1光量段階が設定され、第1音量段階及び第1光量段階と初期表示(音量)や初期表示(光量)とに応じた音量・光量に変更される。なお、遊技中に設定切替スイッチ300のチャンネルが「A」〜「F」に変更された場合には、すぐにその変更が反映される。つまり、すぐに変更後のチャンネルに応じた第1音量段階及び第1光量段階が設定される。さらに、設定画面中の第2音量段階や第2光量段階がスティックコントローラ30の操作桿への操作などによって変更されると、その都度、光量や音量が変更されて確認音が出力される。
この実施の形態では、このような構成によって、初期表示(音量)や初期表示(光量)の段階(第2音量段階や第2光量段階の初期表示)が、設定切替スイッチ300のチャンネルの状態(第1音量段階や第1光量段階)に応じて異なるようになっているので、設定切替スイッチ300のチャンネルの状態と第2音量段階や第2光量段階とが関連するので、遊技者は、設定切替スイッチ300のチャンネルの状態を把握しやすく、また、第1音量段階や第1光量段階が異なっているのに実際に表示される第2音量段階や第2光量段階が同じになりにくく、これによって、実際の音量や光量が誤認されにくく、好適に音量や光量を調整できる。また、上記実施形態では、第1音量段階や第1光量段階が最高段階であるときと最低段階であるときとで初期表示(音量)や初期表示(光量)が異なるようになっているので、実際の音量や光量が誤認されにくく、好適に音量や光量を調整できる。また、上記実施形態では、初期表示(音量)や初期表示(光量)が、第1音量段階や第1光量段階が最高段階以外であるときには最高段階以外の第2音量段階(「2」〜「13」)や第2光量段階(「30%」、「65%」、「50%」、「75%」)を示すように、かつ、第1音量段階や第1光量段階が最高段階であるときには最高段階である第2音量段階(「14」)や第2光量段階(「100%」)を示すようになっているので、実際の音量や光量が誤認されにくく、好適に音量や光量を調整できる。また、この構成によって、音量や光量が遊技店側の設定よりも大きくならなくなるので、遊技店側は、第1音量段階や第1光量段階を最高にしておくことで、意図しない大きな音の出力や明るい光での点灯などが防止される。
また、設定切替スイッチ300のチャンネルが変更された場合、第1音量段階や第1光量段階は、設定画面の表示時に初めて設定され、実際の音量や光量が反映されるので、遊技者の意図しないタイミング(第1音量段階や第1光量段階は、通常遊技者が設定できないので、第1音量段階や第1光量段階が変更されても遊技者にとっては変更前の音量や光量を望むことがある)で音量や光量が変更されることが防止される(設定画面の表示によって遊技者は音量や光量の変更を意図するので、このとき音量や光量の変更があっても不都合は少ない。)。
第1音量段階が上がると初期表示(音量)も上がるので、第1音量段階と第2音量段階との関係が把握しやすいので、好適に音量を調整できる。第1光量段階が上がると初期表示(光量)も上がるので、第1光量段階と第2光量段階との関係が把握しやすいので、好適に光量を調整できる。また、第2音量段階の設定時において確認音が出力されるので、第2音量段階において音でも設定を確認できるので、好適に音量を調整できる。設定切替スイッチ300のチャンネルとして、遊技者の音量や光量の調整を制限する「A」〜「F」が用意されているので、遊技者側の音量設定や光量設定を制限でき、遊技店が意図しない音量での音声出力を防止できる。また、前記制限中では、「音量・光量調整」の項目があるメニュー画面の代わりに「音量・光量調整」の項目がないメニュー画面を表示するので、第2音量段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
図27は、出力音量設定処理の一例を示すフローチャートである。出力音量設定処理は、図26のステップS704の処理において実行される。出力音量設定処理において、演出制御用CPU120は、ステップS601の処理において、演出音の出力音量が設定済であるか否かを判定する。演出音の出力音量が設定済であるか否かは、後述するステップS607の処理においてセットされる出力音量設定済フラグがON状態であるか否かに基づいて判定される。
演出音の出力音量が設定済である場合には、処理を終了する(ステップS601;Yes)。出力音量が設定済でない場合(ステップS601;No)には、演出制御用CPU120は、ステップS602の処理において、発射通知コマンドを受信済(電源投入後最初に受信した発射通知コマンド)であるか否かを判定する。発射通知コマンドは、図8のS21Aの処理において、遊技球の発射検出があった場合に、主基板11から演出制御基板12に送信されるコマンドである。演出制御用CPU120は、発射通知コマンドの判定をRAM122の所定領域に発射通知コマンド受信フラグがセットされているか否かに基づいて判定する。
発射通知コマンドを受信済である場合(ステップS602;Yes)には、ステップS603の処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞があるか否かを判定する。始動入賞があるか否かは、図21のS211の処理で送信される第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動入賞口指定コマンド(電源投入後最初に受信した発射通知コマンドの後に受信した最初の入賞口指定コマンド)を演出制御基板12が受信しているか否かに基づいて判定する。演出制御用CPU120は、入賞口指定コマンドの判定をRAM122の所定領域に入賞口指定コマンド受信フラグ(第1始動入賞口指定コマンド受信フラグまたは第2始動入賞口指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否かに基づいて判定する。始動入賞がない場合には、処理を終了する(ステップS603;No)。始動入賞がある場合には、ステップS604の処理において、演出制御用CPU120は、現在の設定音量を確認する。現在の設定音量は、設定切替スイッチ300に応じた設定音量のデータ(RAM122の所定領域に格納されたデータ)に基づいて確認される。
本実施の形態の出力音量設定処理における実質的な処理は、電源投入時に実行される処理を想定している。ここで、演出制御用CPU120は、電源再投入時において、遊技店側の設定切替スイッチ300で設定された遮断前の設定値を維持する一方、遊技者側のスティックコントローラ30およびプッシュボタン31Bで設定された遮断前の設定値を初期化する。遊技店側の操作手段は、演出制御基板12にけられた物理的なスイッチの物理的な操作位置に基づいて音量等の設定値がデータとして設定される。したがって、遊技店側の操作手段の操作手段により設定された音量等の設定値は、設定値データのバックアップを取っていなくでも、電断後も継続してセットされる。設定切替スイッチ300で設定した値は、電源再投入前と変わらないからである。それに対し、遊技者側の操作手段は、スティックコントローラ30およびプッシュボタン31Bのような物理的な操作手段を用いているが、設定画面の画像上で音量等の設定値がデータとして設定される。したがって、遊技者側の操作手段により設定された音量等の設定値は、設定値データのバックアップを取っていなければ、電断したときにリセットされる。したがって、電源再投入時に演出制御用CPU120は、遊技店側の設定切替スイッチ300で設定された値を確認することで現在の設定音量を確認する。
次いで、演出制御用CPU120は、ステップS605の処理において、ステップS604の処理で確認した現在の設定音量が基準値より小さいか否かを判定する。現在の設定音量が基準値より小さくない(大きい)場合(ステップS605;No)には、処理を終了する。現在の設定音量が基準値より小さい場合(ステップS605;Yes)には、演出制御用CPU120は、演出音として出力される音量を基準値に設定する処理を行なう(ステップS606)。次いで、出力音量設定済フラグをセットし(ステップS607)、処理を終了する。
ステップS602の処理において、発射通知コマンドを受信済でない場合(ステップS602;No)には、ステップS603の処理において、演出制御用CPU120は、始動入賞があるか否かを判定する。始動入賞があるか否かは、図21のS211の処理で送信される第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動入賞口指定コマンドを演出制御基板12が受信しているか否かに基づいて判定する。始動入賞がない場合には、処理を終了する(ステップS608;No)。始動入賞がある場合には、ステップS609の処理において、演出制御用CPU120は、演出音の音量を現在の設定音量に設定する(現在の設定音量のままにする)。次いで、出力音量設定済フラグをセットし(ステップS607)、処理を終了する。
出力音量設定済フラグは、出力音量の値が設定されたことを示すフラグであり、パチンコ遊技機1の電源を遮断したときにリセットされる。これにより、一度基準値まで引上げた音量設定を次の電源再投入まで維持することが可能である。また、出力音量設定済フラグをセットすることで、変動開始または発射検出のたびにS602〜S607の処理を実行しなくてもよい。よって、演出制御用CPU120の実行する処理が増大することを防ぐことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図27に示すように、ステップS602の発射通知コマンドが受信済みであるか否かにより、その後の処理が異なる。具体的には、発射通知コマンドが受信されているということは、遊技が行なわれている状況であるので、その場合に始動入賞があり、さらに、現在の設定音量が基準値より小さければ音量が基準値に引き上げられる。よって、遊技が開始(実行)されている状態では、パチンコ遊技機1から出力される音量が基準値であるので、好適な音出力を実現できる。また、発射通知コマンドが受信されていない状態で、始動入賞がある場合は、現在の設定音量で音が出力される。このような場合は、遊技が開始(実行)されていない状態で遊技店の従業員等が動作確認のためにパチンコ遊技機1の前面扉を開け直接始動入賞口に遊技球を投入した状況が考えられる。しかしながら、動作確認においては、音量を基準値まで引き上げる必要がない。よって、現在の設定音量が小さければ、小さいままで音が出力される。このように、遊技の状況に応じた音出力が実現できる。
(2) 図27のS602に示すように、発射通知コマンドを受信済か否かに基づいて遊技が開始されているか否かが判定されるので、発射通知コマンドの受信状態を確認すれば、遊技の状況を的確に判定することができる。
(3) 図25に示すように、演出制御用CPU120は、図27のS605,S606に示すように、現在の設定音量が、基準値より小さく設定されている場合には、基準値まで音量を上げる制御を行なうので、小さい音量に設定されているときであっても、好適な音量で遊技を開始することができる。
(4) 電源再投入時は、設定切替スイッチ300で設定された遮断前の設定値を維持する一方、スティックコントローラ30およびプッシュボタン31Bで設定された遮断前の設定値は初期化するように制御されるので、スティックコントローラ30およびプッシュボタン31Bで設定された音量は初期値となり、設定切替スイッチ300で設定された音量は、遮断前の音量設定を維持する。よって、電断後は、設定切替スイッチ300で設定された音量が小であれば、電源投入後の音量が小のままのおそれがあるが、遊技開始時には、大きな音量で出力されるので、小さな音量で遊技が開始されることを防止できる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、遊技店側が操作する操作手段として、複数の設定値から段階的に設定を切替える設定切替スイッチ300を設け、遊技者側が操作する操作手段として、複数の設定値から段階的に設定を切替えるスティックコントローラ30およびプッシュボタン31Bが設けられていた。しかしながら、設定切替スイッチ300の代わりに操作手段として、ジョグダイヤル、十字キーなどを設けてもよい。また、遊技者側が操作できる操作手段は、切替スイッチやジョグダイヤル、十字キーなど音量や光量を設定する専用の操作装置であってもよい。また、光量の調整は、音量の調整とは別の操作装置によって行なうようにしてもよい。上記実施の形態では、「第1音量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置のいずれかに前記第1操作によって物理的に変位する変位部を備える操作装置」として、設定切替スイッチ300(ツマミ301が変位部になっている。)を例示しているが、当該操作装置は、変位部(ツマミなど)が回転するロータリーフェーダーやジョグダイヤル、変位部(ツマミなど)が上下又は左右方向に移動するリニアフェーダーなどであってもよい。変位とは、回転、上下方向、又は、左右方向への移動なども含む。変位部は、設定切替スイッチ300のように段階的に移動するものの他、連続的に移動するもの(たとえば、フェーダーなど)であってもよい。また、変位部が変位する位置(回転の場合には、回転角などで表されればよい。)と、第1音量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置とは、一対一に対応していなくてもよい。たとえば、変位部が変位できる複数位置に対応して、第1音量段階が取り得る複数段階のうちの1つの段階が設定されていてもよい。音声出力部は、音声を出力するものであればよく、スピーカ8R、8Lなどであればよい。
(2) 前述した実施の形態では、遊技の音出力契機として、変動開始時を説明したが、遊技の音出力契機は、変動開始時以外でもよい。変動停止中に操作手段による操作を行なえば、音量等を設定するメニュー画面を表示する遊技機において、メニュー画面を表示した際に遊技が開始されていると音を大きくし、遊技が開始されていなければ音を小さくするものでもよい。つまり、遊技が開始されているか否かを遊技球の発射検知(発射通知コマンド)により判定し、遊技が開始されていれば、メニュー画面の表示の際に音量を大きくし、遊技が開始されていなければ、メニュー画面の表示の際にも、現在の設定音量の音が出力されるようにしてもよい。また、遊技が開始され、始動入賞による変動が終了した後にメニュー画面が表示される際を音出力契機としてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、遊技球の発射検出があり(短い出力信号)、その後に始動入賞口への遊技球の進入があったことにより、発射通知コマンドと始動入賞口指定コマンドとに基づいて、変動開始時に基準値の演出音が出力されていた。しかしながら、遊技球の発射検出があった際には、発射信号を連続して長い時間出力し、その信号が発生している際中に遊技球の入賞があることにより、変動開始時に演出音を出力するようにしてもよい。このようにすれば、音出力を回路の構成で行なうことが可能となる。
(4) 前述した実施の形態では、遊技球を検出する発射球検出センサ505から出力される発射信号(検出信号)に基づいて、主基板11から演出制御基板12に発射通知コマンドが送信され、その発射通知コマンドにより遊技の開始が判定されていた。しかしながら、発射の検出は別の方法により検出されるようにしてもよい。たとえば、普図の変動を開始する通過ゲート41を遊技球が通過したことを条件に遊技の開始を判定してもよい。また、遊技者が打球操作ハンドルに触れていることがタッチセンサによって検出されることを条件に遊技の開始を判定してもよい。また、打球操作ハンドルに付されているいわゆる止め打ち用の単発スイッチがOFFとなっている(遊技球が発射されている)ことを条件に遊技の開始を判定してもよい。また、ハンドルのひねりを検出すること、主基板11と払出制御基板37との接続を確認すること、遊技者の支払い代金の対価としてのカード残額が記録された遊技用のカードを受付け該遊技用のカードに記録されているカード残額を用いて対応するパチンコ遊技機1での遊技を可能にするいわゆるCRユニットと払出制御基板37との接続を確認すること等を条件に遊技の開始を判定するようにしてもよい。なお、ハンドルタッチについては、通常、払出制御基板37経由で主基板11と接続されるが、ハンドルタッチからの信号を分岐しその信号が直接、演出制御基板12に送信されるようにしてもよい。さらに、遊技の開始をパチンコ遊技機1に設けられた赤外線センサでの遊技者の検出やパチンコ遊技機1に設けられたカメラでの撮影による遊技者の検出によって判断するようにしてもよい。このように、遊技の開始とは、遊技者の遊技を開始する意思が認識可能な動作(操作)が検出されたということである。
(5) 前述した実施の形態では、現在の設定音量が基準値より小さい場合に、変動開始時の音を大きくする制御をしていた。しかしながら、現在の設定音量に関わらず(たとえば、現在の設定音量が基準値を超えている場合など)、一律に音量を大きくするようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、現在の設定音量が基準値より小さい場合に、変動開始時の音を基準値まで大きくする制御を実行していた。しかしながら、遊技者側が操作する操作手段により音量が小に設定されていた場合(たとえば、電源再投入後始動入賞が発生する前に、遊技者による音量設定が行なわれた場合)には、出力される音量が小音であったとしても音量を変更しないようにしてもよい。このようにすれば、遊技者が操作したにも関わらず、意図した音量と異なる音量が出力されることを防ぐことができる。
(7) 前述した実施の形態では、電源再投入時は、遊技店側の設定切替スイッチ300で設定された遮断前の設定値が維持される一方、遊技者側のスティックコントローラ30およびプッシュボタン31Bで設定された遮断前の設定値は初期化されていた。しかしながら、演出制御基板12側で遊技者側の設定値を電断時にバックアップ(バックアップRAMに記憶しておいたデータを読み出す)するようにして、設定値が電源再投入時に維持されるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、遊技店側の設定切替スイッチ300は従業員がツマミを回して設定値を変更する物理的なスイッチであった。しかしながら、遊技者側で用いられたスティックコントローラ30およびプッシュボタン31Bで遊技店側の音量が設定変更可能としてもよい。このような場合には、電源投入後のたとえば5分間だけ、遊技者側のスティックコントローラ30やプッシュボタン31Bで所定の操作(たとえば、ボタンを10秒長押し等)をすることにより、音量設定が可能となるようにしてもよい。なお、初期状態の音量を毎回設定しなくてもいいように、演出制御基板12側で初期状態の音量をバックアップするようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、電源投入時(主基板11側から電源投入時に演出制御基板12側に送信される電源投入コマンドの受信時)のタイミングにおいて、演出制御用CPU120は、音量の設定が基準値より小音の設定の場合に演出音が小音であることを報知するようにしてもよい。たとえば、電源投入コマンド受信時(RAMクリア時)に30秒間「音量が小になっています」と音による報知を行なうようにしてもよい。また、停電から復旧したときに送信される停電復旧コマンドを受信したときに4秒間「音量が小になっています」と音による報知を行なうようにしてもよい。なお、このような場合、演出制御用CPU120が、音量が小になっていることをエラーとして判定するようにすればよい。また、報知音は、エラーであることが認識できるように最大音量で報知するようにしてもよい。また、音による報知だけでなく、遊技効果ランプ9等を用いた光による報知を音による報知の代わりに行なうか、または、音による報知と同時に行なうようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、遊技店側が操作できる操作手段の操作は、電源投入時などに限らず、いつでも行えるようにしてもよい。原則、遊技店(遊技機が設定されている遊技場など)の従業員などによって操作がなされることを想定している。遊技者側が操作できる操作手段の操作(つまり、第2音量段階や第2光量段階を変更して音量や光量を変更する操作)は、大当り遊技状態中、飾り図柄の可変表示中などに行えるようにしたり、いつでも行えるようにしたりしてもよい。このような場合には、原則、遊技者によって操作がなされることを想定している(例外的に遊技店の従業員が業務などで操作することがあってもよい。)。たとえば、大当り遊技状態中では、大当り中に流れる曲(BGMなど)の種類をスティックコントローラ30の操作桿の前後方向の傾倒操作に応じて選択できるようにし、操作桿の左右方向の傾倒操作に応じて音量や光量(第2音量段階や第2光量段階)を変更するようにしてもよい。このように大当り遊技状態中に変更操作を受け付けることで、遊技者の好みに応じた大当り遊技状態が実現される。また、たとえば、可変表示中では、特定の演出が行なわれているときに、操作桿の左右方向の傾倒操作に応じて音量や光量(第2音量段階や第2光量段階)を変更するようにしてもよい。これによって、特定の演出の実行時の音量や光量を遊技者の好みに応じて変更できる。また、特定の演出が行なわれていないときに、操作桿の左右方向の傾倒操作に応じて音量や光量(第2音量段階や第2光量段階)を変更するようにしてもよい。これは特に特定演出が、音量や光量を変更するための操作部と同じ操作部への操作を受け付ける演出であるときに有効である。これによって、操作部への操作が両者で被らないようにすることができる。また、操作部への操作を受け付ける演出の実行中に音量や光量の変更を受け付ける場合には、音量や光量を変更する操作をするための操作部と、演出用の操作をするための操作部とを別々に設けるとよい。これによって操作の重複が防止される。
(11) 前述した実施の形態では、第2音量段階は、第1音量段階が一段階変化するごとに一段階ずつ変化する例を示した。しかしながら、第1音量段階が複数段階変化したときに一段階変化するものなどであってもよい。つまり、第1音量段階と第2音量段階とは、一対一で変化するものでなくてもよい。たとえば、複数のチャンネル(ここでは、第1音量段階でもある。)に1つの音量を割り当ててもよい。また、複数のチャンネル(ここでは、第1音量段階でもある。)毎に実際の音量の設定範囲をずらしていってもよい。このように、一定の対応関係があれば、一対一になっていなくてもよい。
(12) 前述した実施の形態では、電源投入後に設定された音量は、再度電源が投入されるまで維持される場合を示した。しかしながら、遊技者の変更があった場合には、音量の設定値を初期値に戻すようにしてもよい。演出制御用CPU120は、(A)始動入賞が一定期間以上発生しなかったとき、メニュー画面が表示されずにデモ画面が一定期間以上表示されたとき、遊技媒体が一定期間以上発射されなかったとき(発射の検出が一定期間以上なかったとき)などの、遊技が一定時間進行しなかったとき、又は、(B)ゲームデータを示す2次元コードなどの各種情報を出力したとき(各種操作に基づいて行なわれる。)、所定のパスワードを遊技者が入力したとき(各種操作に基づいて行なわれる)、メニュー画面において遊技のスタートの項目を用意し、この項目を選択する操作が行なわれたときなどの、遊技の開始の指示操作(パスワードの入力やスタートの選択など)や遊技の終了の指示操作(各種情報の出力のための操作など)があったときに、遊技者の変更があったと判定する。ここで、遊技が開始されているときとは逆の遊技が開始されていないときについて具体的に説明する。たとえば、遊技が開始されていないときとは、パチンコ遊技機1の前面扉が開放されている状態のときである。このような場合には、遊技球の発射が行なわれたとしても、遊技球が手前に飛び出てくるので、始動入賞が発生せず、遊技が開始されるとはいえない。よって、前面扉の開放中であることを示す信号が演出制御用CPU120に送信されることで、遊技が開始されていない状態であると判断するようにしてもよい。また、前面扉の開放だけではなく、何らかのエラーが発生した状態で遊技が開始できない状況を遊技が開始されていないとしてもよい。また、上述した初期値に戻す条件は、遊技が開始されていないことを示す条件であるので、このような条件の場合に遊技が開始されていないとしていもよい。
(13) 前述した実施の形態では、電源投入後に設定された音量は、再度電源が投入されるまで維持される場合を示した。しかしながら、現在時刻を特定するためのRTC(リアルタイムクロック回路)を演出制御基板12に設置し、RTCの計時データに基づいて、毎日特定の時間に音量の設定値を初期値に戻すようにしてもよい。たとえば、開店時において遊技が開始されときに設定された音量設定済フラグを閉店時に削除するようにすればよい。
(14) 前述した実施の形態では、所定の条件により、遊技の音量や演出モードを変更できるようにしてもよい。たとえば、2次元コードとして、遊技の設定音量、演出モード、遊技者が所持する端末装置を用いて所定の管理サーバにアクセスするためのネットワークアドレスなどを含むコードが出力されればよい。遊技者は、端末装置を操作して、画像表示装置5の画面上などに表示された2次元コードを撮像させ、端末装置の内部に取り込ませることができればよい。こうした2次元コードなどに基づいて、所定のネットワークアドレス(具体例としてURLやIPアドレスなど)を端末装置により指定してアクセスした管理サーバにて、次回の演出カスタマイズで使用可能なパスワードなどが発行されればよい。なお、パチンコ遊技機1から出力されたコードを遊技者が端末装置に取り込むことにより、次回の演出カスタマイズで使用可能なカスタマイズ情報が発行されてもよい。あるいは、管理サーバから端末装置にダウンロードされて実行されたアプリケーションプログラムにより、演出カスタマイズで使用可能なカスタマイズ情報が発行されてもよい。遊技者は、パスワードを遊技開始時に入力することによって、たとえば、前回と同じ設定音量で遊技したり、演出モードを変更したりすることができる。また、通常は、音量や光量を変更できないのを所定条件をクリアすると変更できるようにしてもよい。その際に、2次元コードを用いるようにしてもよい。
(15) 前述した実施の形態では、音出力契機である変動開始時に音量が基準値の音量まで一気に引上げられていた。しかしながら、音量を一気に引上げるのではなく段階的に引上げるようにしてもよい。たとえば、変動毎に徐々に音量を引上げるようにしてもよい。
(16) 前述した実施の形態では、遊技の開始されていない状態で始動入賞があれば基準値より小さい音量のままで音が出力されていた。しかしながら、前面扉開いていない状態かつ遊技の開始されていない状態で始動入賞があれば、エラーと判断し大きな音でエラーの報知を行なうようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態は、遊技を行なうための遊技機全般に適用できる。たとえば、遊技媒体として遊技球を遊技領域に発射して所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となるパチンコ遊技機1に限定されず、たとえば複数種類の識別情報となる図柄の可変表示といった所定の遊技を行い、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値を付与可能となる任意の遊技機に適用することもできる。より具体的には、1ゲームに対して所定の賭数(メダル枚数またはクレジット数)を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を可変表示する可変表示装置(たとえば複数のリールなど)の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、その表示結果に応じて入賞(たとえばチェリー入賞、スイカ入賞、ベル入賞、リプレイ入賞、BB入賞、RB入賞など)が発生可能とされたスロットマシンにも適用できる。たとえば、パチンコ遊技機1と同様に、音量調整や光量調整を行なうことができるスロットマシンなどの遊技機にも適用できる。これら遊技機であっても、遊技店用の操作手段(第1音量段階などの設定用の操作手段)が筐体内部の演出制御用の基板などに設けられてもよいし、電源投入後一定期間などにおいて、遊技者が普段操作する遊技者用の操作手段(遊技の進行に用いられる操作部や第2音量段階などを設定するための操作手段など)を遊技店用の操作手段として機能させてもよい。遊技者側の音量設定など(第2音量段階の変更など)は、たとえば、デモ画面の表示中(ゲームが実行されていない期間)に実行可能とする。また、リプレイが成立してゲームが終了した場合には、自動でBETが行なわれるので、音量設定などを制限してもよい。音量の調整などは、ジョグダイヤルや処理の調整ボタン、スティックコントローラ、スロットマシンのレバーやストップボタンなどによって行えばよい。音量などを調整するときは、上記実施形態と同様に、メニュー画面などから設定画面を表示して調整可能としてもよいし、調整ボタンなどの専用の操作部が操作されたことに応じて画面に前記段階表示を表示するようにしてもよい。また、遊技が開始されるときに基準値より音量が小さいときには、基準値まで音量を引上げるようにしてもよく、好適な音量で遊技を開始できるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態は、小当りを設けた遊技機に適用してもよい。小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(たとえば、数秒間の開放を1回または2回)まで許容される当りである。また、前述した実施の形態は、始動入賞を条件として導出表示された可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となることによって特定遊技状態(大当り状態)に制御される第一種の遊技機であったが、始動入賞によって一旦可変入賞球装置が第1の状態(開放状態)となった後第2の状態(閉塞状態)となり、可変入賞球装置に入賞した打玉が特定入賞領域に入賞することによって特定遊技状態(大当り状態)に制御される第二種の遊技機(いわゆる羽根物)にも適用可能である。このような、第二種の遊技機では、可変入賞球装置への入賞が小当りであり、その後特定入賞領域への入賞により、可変入賞球装置が複数ラウンドにわたり長時間開放可能となる大当り状態が開始される。このような第二種の遊技機において、音の出力契機を大当り遊技状態の開始時としてもよい。また、小当りを音の出力契機としてもよい。
(19) 前述した実施の形態では、変動表示において実行する演出として、擬似連の演出を実行するようにしてもよい。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。また、変動表示において実行する演出としては、滑り演出を実行するようにしてもよい。滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。
(20) 前述した実施の形態では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPUに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPUに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用CPUは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行なうようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPUの方で選択を行なう様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(たとえば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。また、このように2つのコマンドにより変動パターンを演出制御用CPUに通知する構成においては、1つ目のコマンドを送信した後の2つ目のコマンドにおいて、入賞時演出処理による表示結果の判定結果、および、変動パターン種別のような先読み判定情報を送信し、その2つ目のコマンドを受信したことに基づいて、当該始動入賞に起因する変動表示開始前の段階から、複数回の変動表示に亘り連続して予告報知する先読み予告の演出を実行するようにしてもよい。
(21) 前述した実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13およびランプ制御基板14が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、画像表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(遊技効果ランプ、スピーカ8L,8R等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(22) 前述した実施の形態では、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取付けた構成としたが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。
(23) 前述した実施の形態では、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(24) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(25) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(26) また、以下のような遊技機に前述した実施の形態のパチンコ遊技機を適用してもよい。
遊技を行うための遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
遊技店用の第1許可条件が成立しているとき(例えば、設定切替スイッチ300を操作可能な状態にしたときなど)に行われる第1操作(例えば、設定切替スイッチ300のチャンネルの切替操作など)に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第1音量段階(例えば、第1音量段階など)として設定する第1設定手段(例えば、第1音量段階を設定する演出制御用CPU120など)と、
遊技者用の第2許可条件が成立しているとき(例えば、音量調整用の設定画面を表示しているとき)に行われる第2操作(例えば、スティックコントローラ30の操作棍への操作)に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第2音量段階(例えば、第2音量段階など)として設定する第2設定手段(例えば、第2音量段階を設定する演出制御用CPU120など)と、
前記第1設定手段によって設定された前記第1音量段階と前記第2設定手段によって設定された前記第2音量段階とに応じた音量の音声を音声出力部(例えば、スピーカ8L、8Rなど)から出力させる音声出力制御手段(例えば、第1音量段階と第2音量段階とに基づいて音量を設定してから、その設定した音量で演出などを行う演出制御用CPU120など)と、
遊技者が視認可能な表示領域を有する表示手段(例えば、画像表示装置5など)と、
前記表示手段を制御して前記表示領域に表示される表示内容を制御する表示制御手段(例えば、音量調整用の設定画面を表示したり、強調表示される音量段階を変更したりする表示制御を行う演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記表示制御手段は、
前記第2操作が行われるときに前記第2音量段階を示す段階表示(例えば、複数の音量段階のうちの1つを第2音量段階として強調表示した領域5HHなど)を前記表示領域に表示するとともに(例えば、音量調整用の設定画面を表示する表示制御を行う演出制御用CPU120など)、
前記段階表示を表示するときの当該段階表示の初期表示が、前記第1設定手段によって設定された前記第1音量段階に応じて異なるように、前記段階表示を表示する(例えば、音量調整用の設定画面における初期表示(音量)を第1音量段階に応じて表示する表示制御を行う演出制御用CPU120など)、ことを特徴とする。
上記のような構成によれば、好適に音量を調整できる。
「前記第1設定手段によって設定された前記第1音量段階と前記第2設定手段によって設定された前記第2音量段階とに応じた音量の音声を音声出力部から出力させる音声出力制御手段」は、音声を出力するごとに第1音量段階と第2音量段階との両者に応じた音量の音声を出力させるものであってもよいし、第1期間中(例えば、第1設定後第2設定前の期間中)に少なくとも第1音量段階に応じた音量の音声を出力し、第2期間中(例えば、第2設定後の期間中)に少なくとも第2音量段階に応じた音量の音声を出力するものであってもよい。例えば、音量が第1音量段階に依存せず第2音量段階にのみ依存する場合などには、通常(例えば、第2操作が行われるときなど)は、第1音量段階には基づかず、第2音量段階に応じて音量を設定し、第1音量段階設定時(例えば、第2操作による第2音量段階の設定の禁止時や、電源投入時などの初期音量や初期光量の設定時など)にのみ、第2音量段階に基づかず、第1音量段階に応じて音量(例えば、上記初期音量など)を設定してもよい。
「前記段階表示を表示するときの当該段階表示の初期表示」とは、例えば、第1設定手段によって第1音量段階が設定されたあとに最初に表示される段階表示であってもよいし、遊技機の電源がオンになったあとに最初に表示される段階表示であってもよいし、第2操作を行うことが可能な1回の期間において最初に表示される段階表示であってもよい。なお、第2操作が行われることによって初めて段階表示が表示される場合の初期表示とは、その第2操作で変更される前の第2音量段階を示すものであってもよい。つまり、初期表示は、第1操作が行われた後かつ第2操作が行われる前に第1音量段階に応じた音量段階を示すものであってもよく、実際に表示されていないものであってもよい。
「前記第1設定手段によって設定された前記第1音量段階に応じて異なる」とは、第2音量段階が、第1音量段階が取り得る段階の少なくとも一部の変化に対応して変化する段階となっていることを含む表現である。例えば、第2音量段階は、第1音量段階が一段階変化するごとに一段階ずつ変化するものの他、第1音量段階が複数段階変化したときに一段階変化するものなどであってもよい。つまり、第1音量段階と第2音量段階とは、一対一で変化するものでなくてもよい。
前記表示制御手段は、前記第1設定手段によって設定された前記第1音量段階が高い段階であるほど、前記初期表示が示す前記第2音量段階を高くする、ようにしてもよい。
このような構成によれば、第1音量段階と第2音量段階との関係が把握しやすので、好適に音量を調整できる。
前記音声出力制御手段は、前記第2設定手段によって前記第2音量段階が新たに設定されたときに当該新たに設定されたことを示す確認音を前記音声出力部から出力させ、前記第1設定手段によって前記第1音量段階が新たに設定されたときには当該新たに設定されたことを示す確認音を前記音声出力部から出力させない(例えば、演出制御用CPU120は、第2音量段階を設定したときには確認音の出力制御を行うが、第1音量段階を設定したときには確認音の出力制御を行わないなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2音量段階において音でも設定を確認できるので、好適に音量を調整できる。
前記第1設定手段によって設定される前記第1音量段階が取り得る複数段階には、前記第2設定手段が前記第2音量段階を設定することを制限する制限段階が含まれ(例えば、第1音量段階には、「A」〜「F」が含まれるなど)、
前記遊技機は、前記第1設定手段によって前記制限段階が前記第1音量段階として設定されたときに、前記第2設定手段が前記第2音量段階を設定することを制限する設定制限を行う設定制限手段(例えば、第1音量段階として「A」〜「F」が設定されたときには、「音量・光量調整」の項目が無いメニュー画面を表示する制御を行う)をさらに備える、ようにしてもよい。
このような構成においては、遊技者側の音量設定を制限でき、遊技店が意図しない音量での音声出力を防止できる。
前記表示制御手段は、前記第2許可条件が成立している期間において、前記設定制限手段によって前記設定制限が行われているときには前記第2許可条件が成立していることに対応した対応画像(例えば、「音量・光量調整」の項目があるメニュー画面など)を前記表示領域に表示し、前記設定制限が行われていないときには前記対応画像を前記表示領域に表示しない(例えば、「音量・光量調整」の項目があるメニュー画面の代わりに「音量・光量調整」の項目が無いメニュー画面を表示する制御を行うなど)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2音量段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
前記設定制限手段によって前記設定制限が行われているときに前記第2操作が行われたことに応じて所定演出を実行する所定演出実行手段(例えば、設定切替スイッチ300のチャンネルが「A」〜「F」のときにおいて第2操作が行われたとき、音量の変更ができない旨のブザー音の出力制御を行う演出制御用CPU120など)をさらに備える、ようにしてもよい。
このような構成によれば、第2音量段階の設定が制限されていることを遊技者に報知できる。
前記第2設定手段は、設定中の前記第2音量段階を所定タイミング(例えば、遊技者の変更があったと判断できるときなど)においてクリアし、初期設定の段階(例えば、初期表示(音量)など)を前記第2音量段階として設定し(例えば、遊技者の変更があったと判断できるときに第2音量段階を初期音量にリセットする演出制御用CPU120など)、
前記第1設定手段が設定する前記第1音量段階は、前記第1操作に基づいてのみ変更される(例えば、設定切替スイッチ300は物理的なスイッチなのでリセットがないなど)、ようにしてもよい。
このような構成においては、第2設定手段によって設定された第2音量段階が意図せずに引きずられたまま遊技が行われることなどを防止できる。
遊技を行うための遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
遊技店用の第1許可条件が成立しているとき(例えば、設定切替スイッチ300を操作可能な状態にしたときなど)に行われる第1操作(例えば、設定切替スイッチ300のチャンネルの切替操作など)に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第1音量段階(例えば、第1音量段階など)として設定する第1設定手段(例えば、第1音量段階を設定する演出制御用CPU120など)と、
遊技者用の第2許可条件が成立しているとき(例えば、音量調整用の設定画面を表示しているとき)に行われる第2操作(例えば、スティックコントローラ30の操作棍への操作)に基づいて、複数段階のいずれかの段階を第2音量段階(例えば、第2音量段階など)として設定する第2設定手段(例えば、第2音量段階を設定する演出制御用CPU120など)と、
前記第1設定手段によって設定された前記第1音量段階と前記第2設定手段によって設定された前記第2音量段階とに応じた音量の音声を音声出力部(例えば、スピーカ8L、8Rなど)から出力させる音声出力制御手段(例えば、第1音量段階と第2音量段階とに基づいて音量を設定してから、その設定した音量で演出などを行う演出制御用CPU120など)と、
遊技者が視認可能な表示領域を有する表示手段(例えば、画像表示装置5など)と、
前記表示手段を制御して前記表示領域に表示される表示内容を制御する表示制御手段(例えば、音量調整用の設定画面を表示したり、強調表示される音量段階を変更したりする表示制御を行う演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記表示制御手段は、前記第2操作が行われるときに前記第2音量段階を示す段階表示(例えば、複数の音量段階のうちの1つを第2音量段階として強調表示した領域5HHなど)を前記表示領域に表示し(例えば、音量調整用の設定画面を表示する表示制御を行う演出制御用CPU120など)、
前記遊技機は、前記第1操作の操作対象として、前記第1音量段階が取り得る複数段階に対応した複数位置のいずれかに前記第1操作によって物理的に変位する変位部を備える操作装置(例えば、設定切替スイッチ300など)を備え、
前記第1設定手段は、前記第1操作によって変位した前記変位部の位置に応じた前記第1音量段階を前記第1操作に基づく前記第1音量段階として設定し(例えば、設定切替スイッチ300のチャンネルに応じて第1音量段階を設定する演出制御用CPU120など)、
前記音声出力制御手段は、前記変位部の位置が変更されたあとにおいて、前記表示制御手段によって前記段階表示が表示されるときに、前記第1設定手段によって新たに設定された前記第1音量段階に応じた音量の音声を前記音声出力部から出力させることを開始する(例えば、設定切替スイッチ300のチャンネル変更後、設定画面を表示するときに、新たな第1音量段階に応じて音量を設定する演出制御用CPU120など)、ことを特徴とする。
上記のような構成によれば、好適に音量を調整できる。
前記第1音量段階が設定される「前記変位部の位置」は、変位部が位置し得る複数位置のうちの一部の位置のいずれかであってもよいし、変位部が位置し得る複数位置すべてのうちのいずれかであってもよい。また、「前記表示制御手段によって前記段階表示が表示されるとき」は、前記段階表示が表示される期間中の所定タイミング及び段階表示を表示するタイミングの他、段階表示を表示すると決定したタイミングや、当該決定したタイミングから段階表示が表示されるまでの期間中の所定タイミングなども含む。なお、所定タイミングは、例えば、所定の事象が発生したときになどであればよい。
(27) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。