JP2015035916A - 回転電機のステータおよびコイル保持部材 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機のステータコア(鉄心)のティースに対してコイルを所定の位置に保持する保持部材であって、コイルに掛かる係止爪の外れを抑制する。【解決手段】コイル22をティース26の間に配置されるコイル保持部材36は、コイルエンド28とティース26の間をティース軸線方向に延びる係止片52を有する。係止片52はコイルのティース先端側端面を保持する係止爪58を有する。さらに、係止片52には、ティース26に向けて延びる保持突起60が設けられている。保持突起60の先端がティース26に当接することにより、係止片52のたわみが阻止され、係止爪58がコイル22から外れにくくなる。【選択図】図6
Description
本発明は、回転電機のステータに関し、特に回転電機のステータコアのティースに巻装されるコイルとティースの間に位置するコイル保持部材に関する。
電気エネルギを回転の運動エネルギに変換する電動機、回転の運動エネルギを電気エネルギに変換する発電機、および電動機と発電機のどちらにも機能する電気機器が知られている。これらの電気機器の総称として「回転電機」を用いる。回転電機のコア(鉄心)と、コアのティースに巻装されるコイルとの間に介在し、ティースに対してコイルを所定の位置に保持する保持部材が知られている。また、ティースに対応した形状の保持部材にコイルを取り付け、この状態でティースに装着する、いわゆるカセットコイル方式のコイルが知られている。
下記特許文献1には、回転電機のカセットコイル方式のコイルが示されている。インシュレータ(200)は、側壁絶縁部(206,216)と係止部(203,204)を有し、これらの周囲に巻き付くようにコイルが設けられている。係止部(203,204)には、爪部(207,208)設けられ、この爪部はコイルの端面を係止している(段落0048,0052参照)。
なお、( )で囲まれた符号は、該当する先行技術文献において用いられている符号であり、本願実施形態で用いられる符号とは関連しない。
上記特許文献1の係止部(203)は、外力を受けるとたわむため、ティースに対するコイルの位置が確定せず、またコイルから外れやすい。さらに、コイルエンドを充填材によって埋めて固定する場合には、充填の際の充填材の流れにより、係止部の爪部がコイルから外れてしまうことがある。これもコイルの位置ずれを生じさせる。また、爪部がコイルから外れると、コイルがスプリングバックによって伸びて所定の形状を維持できなくなる場合がある。
本発明は、ティースに対してコイルを所定位置に保持すること、およびコイルを所定形状に保持することのうち、少なくとも一方を可能とすることを目的とする。
本発明に係る回転電機のステータは、複数のティースを有するステータコアと、ティース周囲に巻装されたコイルと、ティースに装着され、ティースとステータの間に配置されるコイル保持部材とを備える。複数のティースのそれぞれは、ステータコアのヨークから延び、周方向に配列されている。コイル保持部材は、ティースの延びる方向先端側のコイルの端面を保持する係止爪を有する係止片と、係止片に設けられ、ティースに向けて延びる保持突起と、を含む。係止片は、コイルの少なくとも一方のコイルエンドとティースの間にティースから離れて位置し、ヨーク側からティースの延びる方向に沿って延びている。保持突起がティースに当接することにより係止爪がコイルから外れることが阻止される。
また、保持突起の先端がティースに接触しているようにできる。
保持突起の先端は、コイル保持部材がティースに装着される前において、装着後にティースが占める領域に位置するようにできる。コイル保持部材がティースに装着されたとき、ティースが保持突起を介して係止片をコイルに向けて押す。これにより、係止爪をコイルにより強く係合させることができる。
さらに、保持突起の、ヨーク側に向いた面の少なくとも先端部分に、係止片の先端に行くに従ってティースに近づく斜面が形成されている。これにより、コイル保持部材をティースに装着するとき、ティースによって係止片を押しやすくなる。
また、コイル保持部材は、ティースの延びる方向に対して側方の周囲を囲む筒部を有するようにでき、この筒部の、コイルエンドに対向する面には切り欠きまたは開口を設けるようにできる。そして、保持突起の先端部がこの切り欠きまたは開口内に進入するようにできる。
また、コイルエンドを充填材に埋めるようにできる。
本発明の他の態様にかかるコイル保持部材は、回転電機のステータコアのティースに装着され、ティースとコイルの間に位置する。コイル保持部材は、ティース先端側のコイルの端面を保持する係止爪を先端に有する係止片と、係止片の先端に設けられ、先端がティースに向けて延びる保持突起と、を含む。係止片は、コイルの少なくとも一方のコイルエンドとティースの間にティースから離れて位置し、ステータコアのヨーク側からティース軸線方向に沿って延びている。保持突起がティースに当接することにより係止爪がコイルから外れることが阻止される。
コイル保持部材は、ティース側方の周囲を囲む筒部を有するものとでき、当該コイル保持部材がティースに装着される前において、保持突起の先端が、筒部の、コイルエンドに対向する部分の内周面より内側に進出しているようにできる。
さらに、筒部の、コイルエンドに対向する面に切り欠きまたは開口を設けることができ、保持突起の先端部がこの切り欠きまたは開口内に進入するようにできる。
保持突起を設けることにより、係止片のたわみが抑制され、係止爪がコイルから外れることが阻止される。また、ティースに対してコイルを所定の位置に保持することができる。コイル保持部材によってコイルが縮められている場合においては、係止爪がコイルから外れたときのスプリングバックによる変形を防止して、コイルの形状を維持することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。以下の説明は、内周側にロータ、外周側にステータが配置される最も一般的なインナーロータ構成を有する回転電機に関して説明する。しかし、外周側にロータ、内周側にステータが配置されるアウタロータ型回転電機、ロータとステータが回転軸線方向において対向するアキシャル型回転電機にも適用することが可能である。
図1は、インナーロータ型の回転電機10の概略構成を示す断面図である。回転電機10は、出力軸12に固定されるロータ14と、ロータ14の周囲を囲むように配置されるステータ16を有する。ロータ14は略円環形または略円筒形であり、その外周近傍には永久磁石18が埋設されている。ステータ16は概略的に円環形または円筒形状であり、ステータコア20とコイル22を有する。以下において、簡単のために、「円環または円筒」を単に「円環」と記す。ステータコア20は、略円環形状に形成されたヨーク24とヨーク24の内周面から内側に延びるティース26を含む(図2参照)。ティース26は周方向に所定間隔で配列され、個々のティース26にコイル22が巻装されている。回転電機10の回転軸線方向において、コイル22の、ステータコア20の端面から出た部分はコイルエンドと呼ばれている。コイルエンド28は、樹脂などの充填材30に埋められて固定されている。上記のように、この実施形態の回転電機10は永久磁石を用いた回転電機であるが、永久磁石を用いない回転電機、例えば誘導回転電機やリラクタンス電動機であってもよい。
図2は、ステータ16の全周の四分の1を、回転電機10の回転軸線方向に視た状態を示す図である。図2において、充填材30は省略されている。回転電機10のステータコア20は、ティース26ごとに分割されており、分割された個々のコアセグメント32は、ヨークセグメント24aとティース26で略T字形の形状となっている。個々のコアセグメント32にコイル22を装着した状態で、これらを環状に並べ、その外側を固定リング34で締め付ける。固定リング34による締め付けは、例えば焼きばめにより実現することができる。ヨークセグメント24aが環状に並べられることで、円環状のヨーク24が形成される。
図3〜図6は、ステータ16の分割された1個を示す図である。コイル22とコアセグメント32の間にはコイル保持部材36が配置される。コイル保持部材36は、コアセグメント32、特にそのティース26に対してコイル22を所定の位置に保持する。図3は、コイル22、コアセグメント32、コイル保持部材36の組み付け前の状態を示す分解斜視図である。図4は、コイル保持部材36にコイル22を組み付けた状態を示す斜視図である。図5は、コイル22、コアセグメント32およびコイル保持部材36を組み付けた状態で、ティース26の先端側から視た状態を示す図である。さらに、図6は、コイル22、コアセグメント32およびコイル保持部材36を組み付けた状態の断面図である。
以下の説明に用いる「方向」について、ティース26を基に以下のように定める。ヨークセグメント24aからティース26が延びる方向をティース軸線方向(図1中、Xで示す方向)、複数のティース26が配列されている方向をティース配列方向(図1中、Yで示す方向)、およびティース軸線方向とティース配列方向に直交する方向をティース横断方向(図1中、Zで示す方向)と記す。円環形のステータの場合、ティース軸線方向Xがステータの径方向に相当し、ティース配列方向Yがステータの周方向に相当し、ティース横断方向Zがステータの軸線方向に相当する。
隣り合うティース26の間の空間はスロットと呼ばれる。ヨークセグメント24aのスロットに対向する面をスロット底面38と記す。また、ティース26の4個の側面のうち、ティース配列方向に向いた側面を配列方向側面40、ティース横断方向に向いた側面を横断方向側面42と記す。
コイル22は、断面が長方形の導線(平角線)を巻回して形成される。コイル22の内側にコイル保持部材36が挿入、装着され、図4に示すように一体化される。一体化された後、コイル22およびコイル保持部材36は、ティース26に装着される。コイル保持部材36は、コイル22がティース26に装着されたとき、ティース26に対するコイル22の位置が所定の位置となるようにコイル22を保持する。また、コイル保持部材36は、絶縁性の材料で構成することができ、コイル22とコアセグメント32の間に介在し、これらを絶縁する。よって、コイル保持部材36は、コイル22とコアセグメント32を絶縁する絶縁部材として機能する。
コイル保持部材36は、ティース26に装着されたときに、ティース26の基部(根元)に位置する基部板44と、ティース26の、ティース軸線方向に関して側方の周囲を取り囲む筒部46を有する。基部板44は、外形が略四角形であり、中央にはティース26が通る略四角形の開口が設けられている。基部板44は、コイル22とヨークセグメント24aの間の絶縁部材として機能する。筒部46は、基部板44の開口の縁に接続される。筒部46は、略四角形の断面形状を有し、ティース26の4個の側面40,42にそれぞれ対応する4個の側面を有する。ティース26の側面40,42と同様に、ティース配列方向に向いた側面を配列方向側面48、横断方向に向いた側面を横断方向側面50と記す。筒部46の横断方向側面50は、コイル保持部材36がコイル22に装着されたとき、コイルエンド28に対向して、その内側に位置する。筒部46は、コイル22とティース26の間の絶縁部材として機能する。
筒部46の二つの横断方向側面50の外側には、それぞれ係止片52および2本の保持リブ54が設けられている。係止片52は、筒部46の横断方向側面50と間隔を空け、ヨークセグメント24a側から、ティース軸線方向に沿ってティース先端の向きに延びている。係止片52は、基部板44を起点としてティース先端に向けて延びてもよく、また基部板44から離れた位置を起点としてティース先端に向けて延びてもよい。係止片52は、係止片軸部56と、係止片軸部56の先端に設けられ、コイル22に係合する係止爪58を有している。2本の保持リブ54は、筒部46の横断方向側面50上に設けられ、また係止片52の両側にティース軸線方向に延びて設けられている。図3〜6において筒部46の上側に設けられた保持リブ54および係止片軸部56の各上面は同一の高さにある。同様に、筒部46の下側の保持リブ54および係止片軸部56の各下面は同一の高さにある。
係止片52の、係止爪58が設けられた面に対して背面側の先端には、保持突起60が設けられている。保持突起60は、係止片52からティース26に向けて延びている。保持突起60の先端は、ティース26に当接してもよく、またわずかな間隔を持ってティース26近傍まで延びていてもよい。この間隔は、係止片52がたわんだときにおいても、係止爪58がコイル22から外れない寸法とすることができる。保持突起60をティース26に当接させるために、筒部46の横断方向側面50は、筒部46の先端側から延びる切り欠き62を有している。保持突起60の先端は、この切り欠き62内に進入してティース26の横断方向側面42に当接する。切り欠き62に替えて、周囲を筒部46の部材により囲まれた開口とすることもできる。
図5,6において上側、下側の保持リブ54は、これらの端面がそれぞれコイル22の内周に、ティース軸線方向において全体にわたって当接している。これによりコイル22のティース横断方向の位置が定められる。言い換えれば、保持リブ54は、コイル22がティース横断方向において動かないように、ティースの、ティース横断方向の両側においてティースとコイルの間隔を定めている。
図6に示されるように、係止片52の係止爪58は、コイル22のティース先端側の端面に掛かり、コイル22をティース先端側において保持する。これにより、コイル22のティース先端側への移動が阻止される。また、拘束されない状態におけるコイル22のティース軸線方向の寸法(コイル22の自由長)が、基部板44と係止爪58の間隔よりも大きいとき、コイル22は縮められた状態で基部板44と係止爪58に挟持される。これにより、コイルのティース軸線方向における位置が定められる。したがって、コイル保持部材36は、コイル22を所定の形状に、特にティース軸線方向における寸法を所定値に維持する機能を有する。コイル22のティース配列方向における位置は、ティース26の配列方向側面40が筒部46を介してコイル22の内周を支持することにより定められる。
コイル22をコアセグメント32に装着し、さらにこのコアセグメント32を円環状に配列した後、コイルエンド28を埋めるように充填材30を充填してインサート成形する。インサート成形により、コイル22の導線同士の隙間、またコイルとコアセグメント32の間の空間を充填材30で埋める。充填材30は、絶縁性の樹脂を用いることができる。図7に、インサート成形後のコイルエンド28およびその周囲の断面を示す。コイルエンド28、保持部材36の係止片52などが充填材30に埋まっている。
図8には、本実施形態と対比される例として保持突起60を有していないコイル保持部材64が示されている。係止片52の背面側に保持突起が設けられていないので、係止片52は、図中の上方から外力を受けるとたわみ、係止爪58がコイル22から外れる場合がある。例えば、充填材30を流し込む際に、係止片52がたわむ場合がある。図9に示すように、充填材30は、係止片52の両側に並ぶ保持リブ54に阻止されて、係止片52の下側には回りづらくなる一方、上側には送られる。このため、充填時、先に上側に充填材30が送られ、下側への充填材30の供給は遅れる。この時間差によって、充填初期において、上側に送られた充填材30が係止片52を下方に押し、下側から係止片52を支えるものがないので、図8に示すように係止片が下方にたわむ。係止片52のたわみが大きくなれば、係止爪58がコイル22から外れ、コイル22のティース軸線方向の位置決めができなくなる。また、コイル22が縮められて挟持されている場合には、コイル22のティース軸線方向の寸法が、スプリングバックにより伸びて、コイルを所定の形状に保持できなくなる。
前述の保持突起60は、係止片52のティース26側へのたわみを抑制するために設けられている。係止片52にティース26に向かう方向の力が加わっても、保持突起60がティース26に当接することにより、係止片52のそれ以上のたわみが阻止される。これにより、係止爪58がコイル22から外れることが防止される。
図10,11は、コイル22、コイル保持部材36およびコアセグメント32の組み付けに関する説明図である。まず、コイル22にコイル保持部材36が装着される。図10に示すように、係止片52をたわませて、係止爪58がコイル22に掛からない状態とする。このとき、保持突起60はティース26に阻止されず、係止片52は係止爪58がコイル22に掛からなくなるまでたわむことができる。この状態で、コイル保持部材36を、コイル22の内側に矢印66の方向に沿って挿入する。図においてコイル22の右端に基部板44が当接すると、コイル22の左端は係止爪58を通過しており、係止片52のたわみを解消してまっすぐに延びた状態とする。これにより、係止爪58がコイル22のティース先端側端面に掛かった状態となる。コイル22の自由長が係止爪58と基部板44間の距離より長い場合には、コイル22をティース軸線方向に縮めて、コイル保持部材36を挿入する。係止爪58がコイル22に掛かった後、コイル保持部材36の筒部46の内側にティース26を挿入する。コイル22と共にコイル保持部材36を、その基部板44がコアセグメント32のスロット底面に当接するまでティース26に押し込むと、保持突起60がティース26の横断方向側面42に対向するようになる。この状態となると、係止片52のたわみが抑制され、係止爪58がコイルから外れなくなる。コイル22が装着されたコアセグメント32を図2に示すように円環状に並べ、これらの外周を固定リング34により締め付け固定する。
次に、コイルエンドの部分を成形型内に収めインサート成形を行う。つまり、成形型とステータコア20の端面で形成される空間内に充填材30を充填し、コイルエンド28を充填材30に埋める。充填材30は、絶縁性の樹脂を用いることができる。
図11は、コイル22の内径寸法が若干小さく、係止爪58がコイル22の端に掛かっていても、係止片52がたわんでいる状態を示す図である。図においては、コイル22の一つの導線22aがやや内側、つまりティース26に近い位置にある場合を示している。この導線22aに押されて係止片52は若干たわんでおり、保持突起60の先端が筒部46の横断方向側面50の下面より下に位置している。この状態で、コイル22とコイル保持部材36を矢印68の方向に沿ってティース26に挿入すると、ティース26の先端が保持突起60を矢印70の方向に押し上げる。これにより、係止片52が、導線22aを押し上げて正規の位置とする。保持突起60は、ティースの横断方向側面42に当接すると、この位置で導線22aを保持する。
コイル保持部材36をティース26に挿入する過程において、保持突起60がティース26に当たる面を斜面とすることで、保持突起60に上向きの力を作用させることができる。このために、保持突起60の基部板44側は斜面72となっている。基部板側の面の先端の、ティース26に当たる可能性のある部分のみを斜面72としてもよい。
図12は、コイル保持部材の他の態様を示す図である。コイル保持部材74は、前述の保持突起60より突出量の大きい保持突起76を有する。他の構成要素は、前述のコイル保持部材36と同一であり、同一の符号を付し、その説明を省略する。保持突起76は、外力が加わらない状態(自由状態)で、筒部の横断方向側面50より下方に突出している。横断方向側面50の下側の空間は、コイル保持部材74をティース26に装着したとき、ティース26が占める空間であり、この領域に突出量の大きい保持突起76の先端が位置している。したがって、コイル保持部材74をコアセグメント32に挿入する際には、保持突起76はティース26により上方に向けて押される。これにより、係止片52は、コイル22の内周に押されて密着する。特に、この保持突起76による押し上げは、図12に示すようにコイル22と係止片軸部56の間に隙間がある場合、この隙間を小さくするように作用する。これにより、係止爪58が、より深くコイル22に掛かり、係止爪58の外れが抑制される。なお、突出量の大きい保持突起76においても、基部板44側の面に、特にティース26が当接する先端部分に、斜面72を形成することができる。
上述した各実施形態では、たわむことができる係止片52は、ティース横断方向において両側にそれぞれ配置したが、一方のみとしても良い。例えば、一方の側では上述の保持リブ54と係止片52を設け、他方の側では係止片52を設けず、保持リブ54の先端に、コイル22の端面に掛かる係止爪を設けるようにしてもよい。
また、別の態様では、保持リブ54を用いず、係止片52によりティース横断方向のコイル22の位置決めを行ってもよい。保持突起60又は76により係止片52のたわみが抑えられれば、係止片軸部56の位置が定まり、これが保持リブ54と同様に機能し、コイル22を位置決めすることができる。
以上、分割型のステータコアを例として説明したが、分割コアだけでなく一体型のコア、つまり一体のヨークに複数のティースが配列されたコアにも、上述したコイル保持部材を適用することができる。
10 回転電機、16 ステータ、20 ステータコア、22 コイル、26 ティース、28 コイルエンド、30 充填材、32 コアセグメント、36 コイル保持部材、44 基部板、46 筒部、50 筒部の横断方向側面、52 係止片、54 保持リブ、56 係止片軸部、58 係止爪、60 保持突起、62 切り欠き、72 斜面、74 コイル保持部材、76 保持突起。
Claims (9)
- ヨークと、それぞれがヨークから延び周方向に配列される複数のティースを有するステータコアと、
ティース周囲に巻装されたコイルと、
ティースとコイルの間に配置されるコイル保持部材と、
を備える回転電機のステータであって、
コイル保持部材は、
コイルの少なくとも一方のコイルエンドとティースの間にティースから離れて位置し、ヨーク側からティースの延びる方向に沿って延びる係止片であって、ティースの延びる方向先端側のコイルの端面を保持する係止爪を有する係止片と、
係止片に設けられ、ティースに向けて延びる保持突起と、
含み、
保持突起がティースに当接することにより係止爪がコイルから外れることが阻止される、
回転電機のステータ。 - 請求項1に記載の回転電機のステータであって、保持突起の先端がティースに接触している、回転電機のステータ。
- 請求項1または2に記載の回転電機のステータであって、
保持突起の先端は、コイル保持部材がティースに装着される前において、装着後にティースが占める領域に位置している、
回転電機のステータ。 - 請求項3に記載の回転電機のステータであって、保持突起の、ヨーク側に向いた面の少なくとも先端部分に、係止片の先端に行くに従ってティースに近づく斜面が形成されている、回転電機のステータ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機のステータであって、
コイル保持部材は、ティースの側方の周囲を囲む筒部を有し、
筒部の、コイルエンドに対向する面には切り欠きまたは開口が設けられ、保持突起の先端部がこの切り欠きまたは開口内に進入している、
回転電機のステータ。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転電機のステータであって、コイルエンドが充填材に埋まっている、回転電機のステータ。
- 回転電機のステータコアのティースに装着され、ティースとコイルの間に位置するコイル保持部材であって、
コイルの少なくとも一方のコイルエンドとティースの間にティースから離れて位置し、ステータコアのヨーク側からティース軸線方向に沿って延びる係止片であって、ティース先端側のコイルの端面を保持する係止爪を有する係止片と、
係止片に設けられ、ティースに向けて延びる保持突起と、
を含み、
保持突起がティースに当接することにより係止爪がコイルから外れることが阻止される、
コイル保持部材。 - 請求項7に記載のコイル保持部材であって、
ティースの側方の周囲を囲む筒部を有し、
当該コイル保持部材がティースに装着される前において、保持突起の先端が、筒部の、コイルエンドに対向する部分の内周面より内側に進出している、
コイル保持部材。 - 請求項8に記載のコイル保持部材であって、
筒部の、コイルエンドに対向する面には切り欠きまたは開口が設けられ、保持突起の先端部がこの切り欠きまたは開口内に進入している、
コイル保持部材。
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JP2020141551A (ja) * | 2019-02-25 | 2020-09-03 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
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- 2013-08-09 JP JP2013166488A patent/JP2015035916A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020141551A (ja) * | 2019-02-25 | 2020-09-03 | 株式会社デンソー | 回転電機 |
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