以下、図面を参照して、実施形態に係る医用情報処理装置、プログラム及びシステムを説明する。なお、以下で説明する医用情報処理装置は、医用情報処理装置単体として用いられてもよく、或いは、例えば、カルテシステムや、リハビリ部門システムなどのシステムに組み込まれて用いられる場合であってもよい。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。第1の実施形態に係る医用情報処理装置100は、例えば、医療機関や自宅、職場等において行われるリハビリテーションを支援する装置である。ここで、「リハビリテーション」とは、障害、慢性疾患、老年病など、治療期間が長期にわたる患者の潜在能力を高めて、生活機能ひいては、社会的機能を回復、促進するための技術や方法を指す。かかる技術や方法としては、例えば、生活機能、社会的機能を回復、促進するための機能訓練などが含まれる。ここで、機能訓練としては、例えば、歩行訓練や関節可動域訓練などが挙げられる。また、リハビリテーションの対象となる者を「対象者」と表記する。この対象者は、例えば、病人やけが人、高齢者、障害者等である。また、リハビリテーションが行われる際に、対象者を介助する者を「介助者」と表記する。この介助者は、例えば、医療機関に従事する医師、理学療法士、看護師等の医療従事者や、対象者を自宅で介護する介護士、家族、友人等である。また、リハビリテーションは、「リハビリ」とも略記する。
図1に示すように、第1の実施形態において、医用情報処理装置100は、動作情報収集部10A、動作情報収集部10B、動作情報収集部10C及び動作情報収集部10Dに接続される。なお、図1においては、医用情報処理装置100に4つの動作情報収集部10A〜10Dが接続される場合を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、医用情報処理装置100に任意数の動作情報収集部が接続されて良い。また、以下において、動作情報収集部10A〜10Dを区別無く総称する場合に、「動作情報収集部10」と表記する。また、動作情報収集部10及び医用情報処理装置100は、ネットワークを介して接続されても良い。この場合、例えば、動作情報収集部10と医用情報処理装置100とがそれぞれ異なる部屋に配置されても良いし、それぞれ異なる施設に配置されても良い。
図2は、第1の実施形態に係る動作情報収集部10の構成の一例を示す図である。動作情報収集部10は、リハビリテーションが行われる空間における人物や物体等の動作を検知し、人物や物体等の動作を表す動作情報を収集する。なお、動作情報については、後述の動作情報生成部14の処理を説明する際に詳述する。また、動作情報収集部10としては、例えば、Kinect(登録商標)が用いられる。
図2に示すように、動作情報収集部10は、カラー画像収集部11と、距離画像収集部12と、音声認識部13と、動作情報生成部14とを有する。なお、図2に示す動作情報収集部10の構成は、あくまでも一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。
カラー画像収集部11は、リハビリテーションが行われる空間における人物や物体等の被写体を撮影し、カラー画像情報を収集する。例えば、カラー画像収集部11は、被写体表面で反射される光を受光素子で検知し、可視光を電気信号に変換する。そして、カラー画像収集部11は、その電気信号をデジタルデータに変換することにより、撮影範囲に対応する1フレーム分のカラー画像情報を生成する。この1フレーム分のカラー画像情報には、例えば、撮影時刻情報と、この1フレームに含まれる各画素にRGB(Red Green Blue)値が対応付けられた情報とが含まれる。カラー画像収集部11は、次々に検知される可視光から連続する複数フレームのカラー画像情報を生成することで、撮影範囲を動画撮影する。なお、カラー画像収集部11によって生成されるカラー画像情報は、各画素のRGB値をビットマップに配置したカラー画像として出力されても良い。また、カラー画像収集部11は、受光素子として、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)を有する。
距離画像収集部12は、リハビリテーションが行われる空間における人物や物体等の被写体を撮影し、距離画像情報を収集する。例えば、距離画像収集部12は、赤外線を周囲に照射し、照射波が被写体表面で反射された反射波を受光素子で検知する。そして、距離画像収集部12は、照射波とその反射波との位相差や、照射から検知までの時間に基づいて、被写体と距離画像収集部12との距離を求め、撮影範囲に対応する1フレーム分の距離画像情報を生成する。この1フレーム分の距離画像情報には、例えば、撮影時刻情報と、撮影範囲に含まれる各画素に、その画素に対応する被写体と距離画像収集部12との距離が対応付けられた情報とが含まれる。距離画像収集部12は、次々に検知される反射波から連続する複数フレームの距離画像情報を生成することで、撮影範囲を動画撮影する。なお、距離画像収集部12によって生成される距離画像情報は、各画素の距離に応じた色の濃淡をビットマップに配置した距離画像として出力されても良い。また、距離画像収集部12は、受光素子として、例えば、CMOSやCCDを有する。この受光素子は、カラー画像収集部11で用いられる受光素子と共用されても良い。また、距離画像収集部12によって算出される距離の単位は、例えば、メートル[m]である。
音声認識部13は、周囲の音声を集音し、音源の方向特定及び音声認識を行う。音声認識部13は、複数のマイクを備えたマイクアレイを有し、ビームフォーミングを行う。ビームフォーミングは、特定の方向からの音声を選択的に集音する技術である。例えば、音声認識部13は、マイクアレイを用いたビームフォーミングによって、音源の方向を特定する。また、音声認識部13は、既知の音声認識技術を用いて、集音した音声から単語を認識する。すなわち、音声認識部13は、例えば、音声認識技術によって認識された単語、その単語が発せられた方向及びその単語を認識した時刻が対応付けられた情報を、音声認識結果として生成する。
動作情報生成部14は、人物や物体等の動作を表す動作情報を生成する。この動作情報は、例えば、人物の動作(ジェスチャー)を複数の姿勢(ポーズ)の連続として捉えることにより生成される。概要を説明すると、動作情報生成部14は、まず、人体パターンを用いたパターンマッチングにより、距離画像収集部12によって生成される距離画像情報から、人体の骨格を形成する各関節の座標を得る。距離画像情報から得られた各関節の座標は、距離画像の座標系(以下、「距離画像座標系」と呼ぶ)で表される値である。このため、動作情報生成部14は、次に、距離画像座標系における各関節の座標を、リハビリテーションが行われる3次元空間の座標系(以下、「世界座標系」と呼ぶ)で表される値に変換する。この世界座標系で表される各関節の座標が、1フレーム分の骨格情報となる。また、複数フレーム分の骨格情報が、動作情報である。以下、第1の実施形態に係る動作情報生成部14の処理を具体的に説明する。
図3Aから図3Cは、第1の実施形態に係る動作情報生成部14の処理を説明するための図である。図3Aには、距離画像収集部12によって生成される距離画像の一例を示す。なお、図3Aにおいては、説明の便宜上、線画で表現された画像を示すが、実際の距離画像は、距離に応じた色の濃淡で表現された画像等である。この距離画像において、各画素は、距離画像の左右方向における「画素位置X」と、距離画像の上下方向における「画素位置Y」と、当該画素に対応する被写体と距離画像収集部12との「距離Z」とを対応付けた3次元の値を有する。以下では、距離画像座標系の座標の値を、この3次元の値(X,Y,Z)で表記する。
第1の実施形態において、動作情報生成部14は、様々な姿勢に対応する人体パターンを、例えば、学習により予め記憶している。動作情報生成部14は、距離画像収集部12によって距離画像情報が生成されるごとに、生成された各フレームの距離画像情報を取得する。そして、動作情報生成部14は、取得した各フレームの距離画像情報に対して人体パターンを用いたパターンマッチングを行う。
ここで、人体パターンについて説明する。図3Bには、人体パターンの一例を示す。第1の実施形態において、人体パターンは、距離画像情報とのパターンマッチングに用いられるパターンであるので、距離画像座標系で表現され、また、距離画像に描出される人物と同様、人体の表面の情報(以下、「人体表面」と呼ぶ)を有する。例えば、人体表面は、その人物の皮膚や衣服の表面に対応する。更に、人体パターンは、図3Bに示すように、人体の骨格を形成する各関節の情報を有する。すなわち、人体パターンにおいて、人体表面と各関節との相対的な位置関係は既知である。
図3Bに示す例では、人体パターンは、関節3aから関節3tまでの20点の関節の情報を有する。このうち、関節3aは、頭部に対応し、関節3bは、両肩の中央部に対応し、関節3cは、腰に対応し、関節3dは、臀部の中央部に対応する。また、関節3eは、右肩に対応し、関節3fは、右肘に対応し、関節3gは、右手首に対応し、関節3hは、右手に対応する。また、関節3iは、左肩に対応し、関節3jは、左肘に対応し、関節3kは、左手首に対応し、関節3lは、左手に対応する。また、関節3mは、右臀部に対応し、関節3nは、右膝に対応し、関節3oは、右足首に対応し、関節3pは、右足の足根に対応する。また、関節3qは、左臀部に対応し、関節3rは、左膝に対応し、関節3sは、左足首に対応し、関節3tは、左足の足根に対応する。
なお、図3Bでは、人体パターンが20点の関節の情報を有する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、関節の位置及び数は操作者が任意に設定して良い。例えば、四肢の動きの変化のみを捉える場合には、関節3aから関節3dまでのうち、関節3b及び関節3cの情報は取得しなくても良い。また、右手の動きの変化を詳細に捉える場合には、関節3hのみならず、右手の指の関節を新たに設定して良い。なお、図3Bの関節3a、関節3h、関節3l、関節3p、関節3tは、骨の末端部分であるためいわゆる関節とは異なるが、骨の位置及び向きを表す重要な点であるため、説明の便宜上、ここでは関節として説明する。
動作情報生成部14は、かかる人体パターンを用いて、各フレームの距離画像情報とのパターンマッチングを行う。例えば、動作情報生成部14は、図3Bに示す人体パターンの人体表面と、図3Aに示す距離画像とをパターンマッチングすることで、距離画像情報から、ある姿勢の人物を抽出する。こうして、動作情報生成部14は、距離画像に描出された人物の人体表面の座標を得る。また、上述したように、人体パターンにおいて、人体表面と各関節との相対的な位置関係は既知である。このため、動作情報生成部14は、距離画像に描出された人物の人体表面の座標から、当該人物内の各関節の座標を算出する。こうして、図3Cに示すように、動作情報生成部14は、距離画像情報から、人体の骨格を形成する各関節の座標を取得する。なお、ここで得られる各関節の座標は、距離座標系の座標である。
なお、動作情報生成部14は、パターンマッチングを行う際、各関節の位置関係を表す情報を補助的に用いても良い。各関節の位置関係を表す情報には、例えば、関節同士の連結関係(例えば、「関節3aと関節3bとが連結」等)や、各関節の可動域が含まれる。関節は、2つ以上の骨を連結する部位である。姿勢の変化に応じて骨と骨とがなす角は変化するものであり、また、関節に応じてその可動域は異なる。例えば、可動域は、各関節が連結する骨同士がなす角の最大値及び最小値等で表される。例えば、動作情報生成部14は、人体パターンを学習する際に、各関節の可動域も学習し、各関節に対応付けてこれを記憶する。
続いて、動作情報生成部14は、距離画像座標系における各関節の座標を、世界座標系で表される値に変換する。世界座標系とは、リハビリテーションが行われる3次元空間の座標系であり、例えば、動作情報収集部10の位置を原点とし、水平方向をx軸、鉛直方向をy軸、xy平面に直交する方向をz軸とする座標系である。なお、このz軸方向の座標の値を「深度」と呼ぶことがある。
ここで、距離画像座標系から世界座標系へ変換する処理について説明する。第1の実施形態において、動作情報生成部14は、距離画像座標系から世界座標系へ変換するための変換式を予め記憶しているものとする。例えば、この変換式は、距離画像座標系の座標、及び当該座標に対応する反射光の入射角を入力として、世界座標系の座標を出力する。例えば、動作情報生成部14は、ある関節の座標(X1,Y1,Z1)、及び、当該座標に対応する反射光の入射角をこの変換式に入力して、ある関節の座標(X1,Y1,Z1)を世界座標系の座標(x1,y1,z1)に変換する。なお、距離画像座標系の座標と、反射光の入射角との対応関係は既知であるので、動作情報生成部14は、座標(X1,Y1,Z1)に対応する入射角を変換式に入力することができる。また、ここでは、動作情報生成部14が距離画像座標系の座標を世界座標系の座標に変換する場合を説明したが、世界座標系の座標を距離座標系の座標に変換することも可能である。
そして、動作情報生成部14は、この世界座標系で表される各関節の座標から骨格情報を生成する。図4は、動作情報生成部14によって生成される骨格情報の一例を示す図である。各フレームの骨格情報は、当該フレームの撮影時刻情報と、各関節の座標とを含む。例えば、動作情報生成部14は、図4に示すように、関節識別情報と座標情報とを対応付けた骨格情報を生成する。なお、図4において、撮影時刻情報は図示を省略する。関節識別情報は、関節を識別するための識別情報であり、予め設定されている。例えば、関節識別情報「3a」は、頭部に対応し、関節識別情報「3b」は、両肩の中央部に対応する。他の関節識別情報についても同様に、各関節識別情報は、それぞれ対応する関節を示す。また、座標情報は、各フレームにおける各関節の座標を世界座標系で示す。
図4の1行目には、関節識別情報「3a」と、座標情報「(x1,y1,z1)」とが対応付けられている。つまり、図4の骨格情報は、あるフレームにおいて頭部が座標(x1,y1,z1)の位置に存在することを表す。また、図4の2行目には、関節識別情報「3b」と、座標情報「(x2,y2,z2)」とが対応付けられている。つまり、図4の骨格情報は、あるフレームにおいて両肩の中央部が座標(x2,y2,z2)の位置に存在することを表す。また、他の関節についても同様に、あるフレームにおいてそれぞれの関節がそれぞれの座標で表される位置に存在することを表す。
このように、動作情報生成部14は、距離画像収集部12から各フレームの距離画像情報を取得するごとに、各フレームの距離画像情報に対してパターンマッチングを行い、距離画像座標系から世界座標系に変換することで、各フレームの骨格情報を生成する。そして、動作情報生成部14は、生成した各フレームの骨格情報を、医用情報処理装置100へ出力し、後述の動作情報記憶部131へ格納する。
なお、動作情報生成部14の処理は、上述した手法に限られるものではない。例えば、上述では、動作情報生成部14が人体パターンを用いてパターンマッチングを行う手法を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、人体パターンに替えて、若しくは人体パターンとともに、部位別のパターンを用いてパターンマッチングを行う手法でも良い。
また、例えば、上述では、動作情報生成部14が距離画像情報から各関節の座標を得る手法を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、動作情報生成部14が、距離画像情報とともにカラー画像情報を用いて各関節の座標を得る手法でも良い。この場合、例えば、動作情報生成部14は、カラー画像の座標系で表現された人体パターンとカラー画像情報とでパターンマッチングを行い、カラー画像情報から人体表面の座標を得る。このカラー画像の座標系には、距離画像座標系でいう「距離Z」の情報は含まれない。そこで、動作情報生成部14は、例えば、この「距離Z」の情報については距離画像情報から得て、これら2つの情報を用いた計算処理によって、各関節の世界座標系の座標を得る。
また、動作情報生成部14は、カラー画像収集部11によって生成されたカラー画像情報、距離画像収集部12によって生成された距離画像情報及び音声認識部13によって出力された音声認識結果を、必要に応じて医用情報処理装置100へ適宜出力し、後述の動作情報記憶部131へ格納する。なお、カラー画像情報の画素位置及び距離画像情報の画素位置は、カラー画像収集部11及び距離画像収集部12の位置及び撮影方向に応じて予め対応付けが可能である。このため、カラー画像情報の画素位置及び距離画像情報の画素位置は、動作情報生成部14によって算出される世界座標系とも対応付けが可能である。更に、この対応付けと距離画像収集部12により算出される距離[m]を用いることで、身長や体の各部の長さ(腕の長さや腹部の長さ)を求めたり、カラー画像上で指定された2ピクセル間の距離を求めたりすることが可能である。また、同様に、カラー画像情報の撮影時刻情報及び距離画像情報の撮影時刻情報も、予め対応付けが可能である。また、動作情報生成部14は、音声認識結果と距離画像情報とを参照し、ある時刻に音声認識された単語が発せられた方向の付近に関節3aがあれば、その関節3aを含む人物が発した単語として出力可能である。更に、動作情報生成部14は、各関節の位置関係を表す情報についても、必要に応じて医用情報処理装置100へ適宜出力し、後述の動作情報記憶部131へ格納する。
また、動作情報生成部14は、世界座標系のz軸方向の座標の値である深度を用いて、撮影範囲に対応する1フレーム分の深度画像情報を生成する。この1フレーム分の深度画像情報には、例えば、撮影時刻情報と、撮影範囲に含まれる各画素に、その画素に対応する深度が対応付けられた情報とが含まれる。言い換えると、深度画像情報は、距離画像情報の各画素に対応付けられた距離情報に代えて深度情報を対応付けたものであり、距離画像情報と同様の距離画像座標系で各画素位置を表すことができる。動作情報生成部14は、生成した深度画像情報を医用情報処理装置100へ出力し、後述の動作情報記憶部131に格納する。なお、深度画像情報は、各画素の深度に応じた色の濃淡をビットマップに配置した深度画像として出力されても良い。
なお、ここでは、動作情報収集部10によって一人の人物の動作が検知される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。動作情報収集部10の撮影範囲に含まれていれば、動作情報収集部10は、複数人の人物の動作を検知しても良い。なお、同一フレームの距離画像情報に複数人の人物が撮影される場合には、動作情報収集部10は、同一フレームの距離画像情報から生成される複数人の人物の骨格情報を対応付けて、これを動作情報として医用情報処理装置100へ出力する。
また、動作情報収集部10の構成は、上記の構成に限定されるものではない。例えば、光学式、機械式、磁気式等、他のモーションキャプチャによって人物の動作を検出することで動作情報を生成する場合には、動作情報収集部10は、必ずしも距離画像収集部12を有していなくても良い。かかる場合、動作情報収集部10は、モーションセンサとして、人物の動作を検知するために人体に装着させるマーカと、マーカを検出するセンサとを有する。そして、動作情報収集部10は、モーションセンサを用いて人物の動作を検知して動作情報を生成する。また、動作情報収集部10は、カラー画像収集部11によって撮影した画像に含まれるマーカの位置を用いて、カラー画像情報の画素位置と動作情報の座標とを対応付けた上で、必要に応じて医用情報処理装置100へ適宜出力する。また、例えば、動作情報収集部10は、音声認識結果を医用情報処理装置100へ出力しない場合には、音声認識部13を有していなくても良い。
更に、上述した実施形態において、動作情報収集部10は、骨格情報として世界座標系の座標を出力したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、動作情報収集部10は、変換前の距離画像座標系の座標を出力し、距離画像座標系から世界座標系への変換は、必要に応じて、医用情報処理装置100側で行ってもよい。
図1の説明に戻る。医用情報処理装置100は、動作情報収集部10から出力される動作情報を用いて、リハビリテーションを支援するための処理を行う。医用情報処理装置100は、例えば、コンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置であり、図1に示すように、出力部110と、入力部120と、記憶部130と、制御部140とを有する。
出力部110は、リハビリテーションを支援するための各種情報を出力する。例えば、出力部110は、医用情報処理装置100を操作する操作者が入力部120を用いて各種要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、医用情報処理装置100において生成された出力画像等を表示したり、或いは警告音を出力したりする。例えば、出力部110は、モニタ、スピーカー、ヘッドフォン、ヘッドセットのヘッドフォン部分等である。また、出力部110は、メガネ型ディスプレイやヘッドマウントディスプレイ等、利用者の身体に装着させる方式のディスプレイであってもよい。
入力部120は、リハビリテーションを支援するための各種情報の入力を受け付ける。例えば、入力部120は、医用情報処理装置100の操作者から各種要求の入力を受け付け、受け付けた各種要求を医用情報処理装置100に転送する。例えば、入力部120は、マウス、キーボード、タッチコマンドスクリーン、トラックボール、マイク、ヘッドセットのマイク部分等である。また、入力部120は、血圧計、心拍計、体温計等の生体情報を取得するセンサであっても良い。
記憶部130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク装置や光ディスク装置等の記憶装置である。また、制御部140は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、或いはCPU(Central Processing Unit)が所定のプログラムを実行することで実現することができる。
以上、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の構成について説明した。かかる構成のもと、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100は、複数の対象者をそれぞれ指導する指導者によって行われる指導の質を高めることができる。なお、指導者は、例えば、医療機関に従事する医師、理学療法士、看護師等の医療従事者や、スポーツ施設に従事するスポーツトレーナー等である。
例えば、対象者がリハビリを行う場合に、リハビリを安全かつ効果的に行うために、リハビリの指導者が対象者を指導することが行われている。具体例を挙げると、指導者は、正しいリハビリの動作(フォーム)を対象者に教えたり、対象者の身体を支えたり、対象者を励ましたりするなど、対象者一人一人に対して支援を行う。
ところで、リハビリを要する対象者が増える一方で指導者が不足しているため、一人の指導者が一度に複数の対象者を指導することが求められている。一例としては、医療機関では、リハビリを行う部屋ごとに数人の指導者を配置しておき、その部屋でリハビリを行う複数の対象者を必要に応じて適宜指導するという形式で、リハビリの指導が行われている。
しかしながら、一人の指導者が一度に複数の対象者を指導する場合には、必ずしも質の高い指導が行われていなかった。例えば、指導者が、ある対象者を指導している間に他の対象者が転倒してしまう場合や、一人一人の対象者に平等に関与することができない結果、一部の対象者のモチベーションが低下してしまう場合があった。そこで、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100は、以下に説明する処理により、指導者を支援することで、複数の対象者をそれぞれ指導する指導者によって行われる指導の質を高めることができる。
以下、第1の実施形態では、一人の指導者が、対象者A(Aさん)、対象者B(Bさん)、対象者C(Cさん)、対象者D(Dさん)の4人の対象者がスクワット訓練を行う場合に、この4人の対象者をそれぞれ指導する場合を説明する。この場合、図1に例示した動作情報収集部10A〜10Dがそれぞれの対象者A〜Dを撮影し、動作情報を生成する。なお、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、対象者の人数や対象者が行うリハビリの種目は任意に変更されて良い。また、ここでは、4人の対象者が同じ種目のリハビリを行う場合を説明するが、これに限らず、それぞれの対象者が異なる種目を行う場合であっても良い。また、一つの動作情報収集部10によって複数の対象者を撮影する場合であっても良い。
図5は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の構成の一例を示す図である。図5に示すように、医用情報処理装置100においては、記憶部130が動作情報記憶部131と、実施メニュー記憶部132と、危険動作記憶部133と、怠慢動作記憶部134と、関与情報記憶部135と、警告条件記憶部136とを有する。
動作情報記憶部131は、動作情報収集部10によって収集された各種情報を記憶する。具体的には、動作情報記憶部131は、動作情報生成部14によって生成された動作情報を記憶する。より具体的には、動作情報記憶部131は、動作情報生成部14によって生成されたフレームごとの骨格情報を記憶する。ここで、動作情報記憶部131、動作情報生成部14によって出力されたカラー画像情報、距離画像情報及び音声認識結果をフレームごとにさらに対応付けて記憶することも可能である。
図6は、第1の実施形態に係る動作情報記憶部131によって記憶される動作情報の一例を示す図である。動作情報記憶部131は、図6に示すように、氏名ごとに、氏名番号と、実施日と、動作情報とを対応付けた動作情報を記憶する。ここで、「氏名」とは、対象者の氏名を示す。「対象者番号」とは、対象者を一意に特定するための識別子であり、対象者ごとに付与される。「実施日」とは、対象者がスクワット訓練を実施した日時を示す。「動作情報」とは、動作情報収集部10によって収集された情報を示す。
図6に示すように、動作情報記憶部131は、「氏名:A」、「氏名番号:1」、「実施日:20120801_1」、「動作情報:カラー画像情報、距離画像情報、音声認識結果、骨格情報」、などを記憶する。上記した情報は、「氏名番号」が「1」である「氏名:A」の人物が「2012年」の「8月1日」に実施した「1回目」のスクワット訓練における動作情報として、「カラー画像情報」と、「距離画像情報」と、「音声認識結果」と、「骨格情報」とを含む動作情報が記憶されていることを示す。
ここで、図6に示す動作情報において、スクワット訓練を実行している際に撮影された全てのフレームごとの「カラー画像情報」、「距離画像情報」、「音声認識結果」及び「骨格情報」が時系列順に時間に対応付けて記憶される。
また、動作情報記憶部131は、図6に示すように、「氏名:A」、「氏名番号:1」、「実施日:20120801_2」、「動作情報:カラー画像情報、距離画像情報、音声認識結果、骨格情報」、などを記憶する。すなわち、動作情報記憶部131は、「氏名:A」の人物が「2012年」の「8月1日」に実施した「2回目」のスクワット訓練における動作情報も同様に記憶する。
また、動作情報記憶部131は、図6に示すように、「氏名:B」、「氏名番号:2」の人物についても、「カラー画像情報」、「距離画像情報」、「音声認識結果」及び「骨格情報」を含む動作情報を記憶する。このように、動作情報記憶部131は、対象者ごとに収集されたスクワット訓練の動作情報を、それぞれの対象者に対応付けて記憶する。なお、図6に示す動作情報はあくまでも一例である。すなわち、動作情報記憶部131は、図6に示す「カラー画像情報」、「距離画像情報」、「音声認識結果」及び「骨格情報」以外の情報をさらに対応付けて記憶することができ、また、例えば、動作情報収集部10が音声認識部13を有さない場合には、音声認識結果を含まれないものとして記憶することとなる。
また、動作情報に含まれる「カラー画像情報」及び「距離画像情報」には、ビットマップ(bitmap)、JPEG、その他バイナリ形式の画像データ、または、当該画像データへのリンク等が含まれる。また、動作情報に含まれる「音声認識結果」には、上述した認識情報の他、音声データそのものや、認識情報或いは音声データへのリンクであってもよい。
実施メニュー記憶部132は、対象者の所定動作に関する習熟の度合いを表す習熟度を算出するための情報を記憶する。例えば、実施メニュー記憶部132は、後述の習熟度算出部142Aによって参照される。また、例えば、実施メニュー記憶部132は、医用情報処理装置100の操作者によって予め登録される。
図7は、第1の実施形態に係る実施メニュー記憶部132に記憶される情報の一例を示す図である。実施メニュー記憶部132は、図7に示すように、実施メニューと、未習熟動作情報と、加算習熟度とを対応付けた情報を記憶する。ここで、「実施メニュー」とは、対象者が行うリハビリの種目である。「未習熟動作情報」とは、該当する実施メニューを未習熟の者が行う動作を表す動作情報である。「加算習熟度」とは、習熟度算出部142Aによって習熟度が算出される場合に、習熟度に加算される値である。なお、リハビリの種類は、所定動作の一例である。
図7に示すように、実施メニュー記憶部132は、実施メニュー「スクワット訓練」と、未習熟動作情報「膝が足首よりも5cm以上前方に出ている」と、加算習熟度「−1」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、実施メニュー記憶部132は、対象者がスクワット訓練を行う場合に、対象者の膝が足首よりも5cm以上前方に出ていると、習熟度算出部142Aによって対象者の加算習熟度に「−1」が加算されることを記憶する。この未習熟動作情報「膝が足首よりも5cm以上前方に出ている」は、例えば、対象者が動作情報収集部10に正対する場合には、対象者の膝(関節3n又は3r)のz座標の値が足首(関節3o又は3s)のz座標の値より5cm以上小さい値になるか否かに応じて判定される。また、実施メニュー記憶部132は、実施メニュー「ジャンプ訓練」と、未習熟動作情報「ジャンプ着地後1秒以内に膝が内側に5cm以上入り込んでいる(内股)。又はジャンプ着地後1秒以内に膝が外側に5cm以上出ている(がに股)」と、加算習熟度「−1」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、実施メニュー記憶部132は、対象者がジャンプ訓練を行う場合に、ジャンプ着地後1秒以内に対象者の膝が内側に5cm以上入り込む動作、又は、ジャンプ着地後1秒以内に対象者の膝が外側に5cm以上出る動作が行われると、習熟度算出部142Aによって対象者の習熟度に「−1」が加算されることを記憶する。この未習熟動作情報「ジャンプ着地後1秒以内に膝が内側に5cm以上入り込む(内股)。又はジャンプ着地後1秒以内に膝が外側に5cm以上出る(がに股)」は、例えば、対象者が動作情報収集部10に正対する場合には、対象者の足根(関節3p又は3t)のz座標の値が0(床面のz座標)になった時点の膝(関節3n又は3r)のx座標の値と、その1秒後の膝(関節3n又は3r)のx座標の値とを比較することで判定される。具体的には、右膝(関節3n)を用いる場合には、x座標の値が5cm以上大きい値になると内股、5cm以上小さい値になるとがに股と判定される。また、実施メニュー記憶部132は、他の実施メニューについても同様に、実施メニューと、未習熟動作情報と、加算習熟度とを対応付けた情報を記憶する。
なお、図7に示した実施メニュー記憶部132は一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、実施メニュー記憶部132に記憶される未習熟動作情報は、操作者によって任意の項目が登録されて良い。また、実施メニュー記憶部132に記憶される加算習熟度は、操作者によって任意の値が登録されて良い。
危険動作記憶部133は、対象者の所定動作における危険の度合いを表す危険度を算出するための情報を記憶する。例えば、危険動作記憶部133は、後述の危険度算出部142Bによって参照される。また、例えば、実施メニュー記憶部132は、医用情報処理装置100の操作者によって予め登録される。
図8は、第1の実施形態に係る実施メニュー記憶部132に記憶される情報の一例を示す図である。危険動作記憶部133は、図8に示すように、危険動作情報と、加算危険度とを対応付けた情報を記憶する。ここで、「危険動作情報」とは、対象者が危険な状況に陥る可能性を示唆する対象者の動作を表す動作情報であり、例えば、対象者が転倒しそうな状態や対象者が過度に疲労している状態を表す動作情報である。「加算危険度」とは、危険度算出部142Bによって危険度が算出される場合に、危険度に加算される値である。
図8に示すように、危険動作記憶部133は、危険動作情報「足の接地点と体の重心点が横方向に大きくズレている」と、加算危険度「+3」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、危険動作記憶部133は、対象者の足の接地点と体の重心点が横方向に大きくズレていると、危険度算出部142Bによって対象者の危険度に「+3」が加算されることを記憶する。この危険動作情報「足の接地点と体の重心点が横方向に大きくズレている」は、例えば、対象者の足根(関節3p又は3t)のz座標の値が0(床面のz座標)である場合に、足根と腰(関節3d)の水平距離が30cm以上離れているか否かに応じて判定される。また、危険動作記憶部133は、危険動作情報「膝が小刻みに振動する」と、加算危険度「+1」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、危険動作記憶部133は、対象者の膝が小刻みに振動するという動作が行われると、危険度算出部142Bによって対象者の危険度に「+1」が加算されることを記憶する。この危険動作情報「膝が小刻みに振動する」は、例えば、対象者が動作情報収集部10に正対する場合には、対象者の膝(関節3n又は3r)のx座標の値の変位が閾値以上であるか否かに応じて判定される。また、危険動作記憶部133は、他の危険動作情報についても同様に、危険動作情報と、加算危険度とを対応付けた情報を記憶する。
なお、図8に示した危険動作記憶部133は一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、危険動作記憶部133に記憶される危険動作情報は、操作者によって任意の項目が登録されて良い。また、危険動作記憶部133に記憶される加算危険度は、操作者によって任意の値が登録されて良い。
怠慢動作記憶部134は、対象者が所定動作をいい加減に行っている度合いを表す怠慢度を算出するための情報を記憶する。例えば、怠慢動作記憶部134は、後述の怠慢度算出部142Cによって参照される。また、例えば、怠慢動作記憶部134は、医用情報処理装置100の操作者によって予め登録される。
図9は、第1の実施形態に係る怠慢動作記憶部134に記憶される情報の一例を示す図である。怠慢動作記憶部134は、図9に示すように、実施メニューと、怠慢動作情報と、加算怠慢度とを対応付けた情報を記憶する。ここで、「怠慢動作情報」とは、該当する実施メニューを対象者が正しい動作(フォーム)で行わずに、手抜きをしている場合の動作を表す動作情報である。「加算怠慢度」とは、怠慢度算出部142Cによって怠慢度が算出される場合に、怠慢度に加算される値である。
図9に示すように、怠慢動作記憶部134は、実施メニュー「スクワット訓練」と、怠慢動作情報「10秒間の腰の高さが20cm以上変化していない」と、加算怠慢度「+1」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、怠慢動作記憶部134は、対象者がスクワット訓練を行う場合に、対象者の腰の高さが20cm以上変化していなければ、怠慢度算出部142Cによって対象者の怠慢度に「+1」が加算されることを記憶する。この怠慢動作情報「腰の高さが20cm以上変化していない」は、例えば、10秒間に対象者の腰(関節3d)のy座標の値が20cm以上変化しているか否かに応じて判定される。また、怠慢動作記憶部134は、実施メニュー「ジャンプ訓練」と、怠慢動作情報「足が床面から離れていない」と、加算怠慢度「+1」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、怠慢動作記憶部134は、対象者がジャンプ訓練を行う場合に、対象者の足が床面から離れていなければ、怠慢度算出部142Cによって対象者の怠慢度に「+1」が加算されることを記憶する。この怠慢動作情報「足が床面から離れていない」は、例えば、10秒間に対象者の足根(関節3p又は3t)のy座標の値が床面から10cm以上大きい値になっているか否かに応じて判定される。また、怠慢動作記憶部134は、他の実施メニューについても同様に、実施メニューと、怠慢動作情報と、加算怠慢度とを対応付けた情報を記憶する。
なお、図9に示した怠慢動作記憶部134は一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、怠慢動作記憶部134に記憶される怠慢動作情報は、操作者によって任意の項目が登録されて良い。また、怠慢動作記憶部134に記憶される加算怠慢度は、操作者によって任意の値が登録されて良い。
関与情報記憶部135は、指導者から対象者への関与の度合いを表す関与度を算出するための情報を記憶する。ここで言う関与とは、指導者が対象者を指導することに限らず、指導者が対象者と雑談して対象者をリラックスさせることや、指導者が対象者の肩を軽くたたいて激励すること等も含む。例えば、関与情報記憶部135は、後述の関与度算出部142Dによって参照される。また、例えば、関与情報記憶部135は、医用情報処理装置100の操作者によって予め登録される。
図10は、第1の実施形態に係る関与情報記憶部135に記憶される情報の一例を示す図である。関与情報記憶部135は、図10に示すように、関与条件と、加算関与度とを対応付けた情報を記憶する。ここで、「関与情報」とは、指導者が対象者に関与したことを表す情報である。「加算関与度」とは、関与度算出部142Dによって関与度が算出される場合に、関与度に加算される値である。
図10に示すように、関与情報記憶部135は、関与情報「対象者の名前を呼ぶ」と、加算関与度「+1」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、関与情報記憶部135は、対象者の名前が呼ばれると、関与度算出部142Dによって対象者の関与度に「+1」が加算されることを記憶する。この関与情報「対象者の名前を呼ぶ」は、対象者の名前が単語として認識された音声認識結果が取得されたか否かに応じて判定される。また、関与情報記憶部135は、関与情報「対象者に対して10秒以上の声かけを行う」と、加算関与度「+3」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、関与情報記憶部135は、対象者に対して10秒以上の声かけが行われると、関与度算出部142Dによって対象者の関与度に「+3」が加算されることを記憶する。この関与情報「対象者に対して10秒以上の声かけを行う」は、対象者の名前が単語として認識された音声認識結果の所要時間が10秒以上あるか否かに応じて判定される。また、関与情報記憶部135は、関与情報「対象者に指導者が近づく」と、加算関与度「+3」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、関与情報記憶部135は、対象者に指導者が近づくと、関与度算出部142Dによって対象者の関与度に「+3」が加算されることを記憶する。この関与情報「対象者に指導者が近づく」は、対象者を撮影する動作情報収集部10の撮影領域に、白衣を着た人物(白衣をパターンマッチングで検出する)が検出されたか否かに応じて判定される。また、関与情報記憶部135は、関与情報「対象者に直接指導する(指導者が対象者に接触する)」と、加算関与度「+5」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、関与情報記憶部135は、指導者が対象者に直接指導する(指導者が対象者に接触する)と、関与度算出部142Dによって対象者の関与度に「+5」が加算されることを記憶する。この関与情報「対象者に直接指導する(指導者が対象者に接触する)」は、例えば、白衣を着た人物の手(関節3h又は3l)が対象者のいずれかの関節から10cm以内に近づいたか否かに応じて判定される。また、関与情報記憶部135は、他の関与情報についても同様に、関与情報と、加算関与度とを対応付けた情報を記憶する。
なお、図10に示した関与情報記憶部135は一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、関与情報記憶部135に記憶される関与情報は、操作者によって任意の項目が登録されて良い。また、関与情報記憶部135に記憶される加算関与度は、操作者によって任意の値が登録されて良い。
警告条件記憶部136は、指導者に対する警告の要否を判定するための警告条件を記憶する。この警告は、ある対象者に対する指導が必要である旨を指導者に通知するために行われるものである。例えば、警告条件記憶部136は、後述の決定部143によって参照される。また、例えば、警告条件記憶部136は、医用情報処理装置100の操作者によって予め登録される。
図11は、第1の実施形態に係る警告条件記憶部136に記憶される情報の一例を示す図である。警告条件記憶部136は、図11に示すように、パラメータと、警告条件とを対応付けた情報を記憶する。ここで、「パラメータ」とは、対象者に対する指導が不要か否かを判定するためパラメータであり、例えば、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度等である。「警告条件」とは、対象者に対する指導が不要か否かを判定するために設定される該当のパラメータの閾値である。
図11に示すように、警告条件記憶部136は、パラメータ「習熟度」と、警告条件「−10未満」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、警告条件記憶部136は、対象者ごとに算出される習熟度が−10未満になると、該当の対象者に対する指導が必要であると判定することを記憶する。また、警告条件記憶部136は、パラメータ「危険度」と、警告条件「+10以上」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、警告条件記憶部136は、対象者ごとに算出される危険度が+10以上になると、該当の対象者に対する指導が必要であると判定することを記憶する。また、警告条件記憶部136は、パラメータ「怠慢度」と、警告条件「+10以上」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、警告条件記憶部136は、対象者ごとに算出される怠慢度が+10以上になると、該当の対象者に対する指導が必要であると判定することを記憶する。また、警告条件記憶部136は、パラメータ「関与度」と、警告条件「−10未満」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、警告条件記憶部136は、対象者ごとに算出される関与度が−10未満になると、該当の対象者に対する指導が必要であると判定することを記憶する。なお、警告条件記憶部136は、他の指標値が用いられる場合には、その指標値と、指標値に応じた警告条件とを記憶しても良い。
なお、図11に示した警告条件記憶部136は一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、警告条件記憶部136に記憶されるパラメータは、操作者によって任意の項目が登録されて良い。また、関与情報記憶部135に記憶される警告条件は、操作者によって任意の値が登録されて良い。
図5の説明に戻る。医用情報処理装置100において、制御部140は、取得部141と、算出部142と、決定部143と、出力制御部144とを有する。
取得部141は、それぞれ所定動作を行う複数の対象者について、対象者の動作を表す動作情報を対象者ごとに取得する。例えば、取得部141は、動作情報収集部10によって収集され、動作情報記憶部131によって記憶された動作情報を取得する。例えば、取得部141は、動作情報記憶部131によってフレームごとに記憶されたカラー画像情報、距離画像情報、音声認識結果及び骨格情報などを取得する。一例を挙げると、取得部141は、対象者のスクワット訓練における一連の動作にかかる全てのカラー画像情報、距離画像情報及び骨格情報を取得する。
算出部142は、対象者ごとの動作情報に基づいて、所定動作の実施状況を示す指標値を対象者ごとに算出する。例えば、算出部142は、指標値として、対象者の前記所定動作に関する習熟の度合いを表す習熟度、対象者の所定動作における危険の度合いを表す危険度、及び、対象者が所定動作をいい加減に行っている度合いを表す怠慢度のうち少なくとも一つを算出する。また、例えば、算出部142は、更に、指導者から対象者への関与の度合いを表す関与度を対象者ごとに算出する。
例えば、算出部142は、動作情報記憶部131に記憶された情報を用いて、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度を対象者ごとに算出する。具体的には、算出部142は、対象者A〜Dの動作情報を用いて、対象者A〜Dそれぞれについて、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度を算出する。
例えば、算出部142は、図5に示すように、習熟度算出部142Aと、危険度算出部142Bと、怠慢度算出部142Cと、関与度算出部142Dとを有する。
習熟度算出部142Aは、対象者ごとに習熟度を算出する。例えば、習熟度算出部142Aは、対象者が行う実施メニューを指定するための指定操作を、操作者から入力部120を介して受け付ける。そして、習熟度算出部142Aは、実施メニュー記憶部132を参照し、指定された実施メニューに対応する未習熟動作情報を取得する。そして、習熟度算出部142Aは、取得部141によって取得された各対象者の動作情報が未習熟動作情報に該当するか否かを判定する。そして、習熟度算出部142Aは、対象者の動作情報が未習熟動作情報に該当する場合には、その対象者の習熟度に未習熟動作情報に対応する加算習熟度を加算する。そして、習熟度算出部142Aは、各対象者の習熟度を決定部143に出力する。
一例として、対象者Aがスクワット訓練を行う場合を説明する。この場合、習熟度算出部142Aは、対象者Aがスクワット訓練を行う旨を指定する指定操作を受け付ける。そして、習熟度算出部142Aは、実施メニュー記憶部132を参照し、スクワット訓練に対応する未習熟動作情報「膝が足首よりも5cm以上前方に出ている」を取得する。そして、習熟度算出部142Aは、取得部141によって対象者Aの動作情報が取得されるごとに、取得された各対象者の動作情報が未習熟動作情報に該当するか否かを判定する。具体的には、習熟度算出部142Aは、対象者が動作情報収集部10に正対する場合には、対象者Aの右膝(関節3n)のz座標の値が右足首(関節3o)のz座標の値より5cm以上小さい値になるか否かを判定する。そして、習熟度算出部142Aは、対象者Aの右膝のz座標の値が右足首のz座標の値より5cm以上小さい値になると、スクワットの加算習熟度「−1」を対象者Aの習熟度に加算する。そして、習熟度算出部142Aは、対象者Aの習熟度を決定部143に出力する。なお、習熟度算出部142Aには、各対象者の習熟度の初期値として「0」が設定されている。また、ここでは、対象者の右膝と右足首のz座標の値を用いる場合を例示したが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、習熟度算出部142Aは、左膝と左足首のz座標の値を用いても良い。また、例えば、習熟度算出部142Aは、両足の膝と足首のz座標の値を用いても良い。この場合、習熟度算出部142Aは、いずれか一方の膝が足首よりも5cm以上前方に出ている場合に、加算習熟度を加算しても良いし、両足の膝が足首よりも5cm以上前方に出ている場合に、加算習熟度を加算しても良い。
危険度算出部142Bは、対象者ごとに危険度を算出する。例えば、危険度算出部142Bは、危険動作記憶部133を参照し、取得部141によって取得された各対象者の動作情報が危険動作情報に該当するか否かを判定する。そして、危険度算出部142Bは、対象者の動作情報が危険動作情報に該当する場合には、その対象者の危険度に危険動作情報に対応する加算危険度を加算する。そして、危険度算出部142Bは、各対象者の危険度を決定部143に出力する。
一例として、危険度算出部142Bは、危険動作記憶部133を参照し、危険動作記憶部133に記憶された全ての危険動作情報を取得する。そして、危険度算出部142Bは、取得部141によって対象者Aの動作情報が取得されるごとに、取得された対象者Aの動作情報が危険動作情報に該当するか否かをそれぞれ判定する。具体的に、危険度算出部142Bは、対象者Aの足根(関節3p又は3t)のz座標の値が0(床面のz座標)である場合に、足根と腰(関節3d)との水平距離を算出する。そして、危険度算出部142Bは、算出した水平距離が30cm以上離れていると、その危険動作情報に対応する加算危険度「+3」を対象者Aの危険度に加算する。そして、危険度算出部142Bは、対象者Aの習熟度を決定部143に出力する。なお、危険度算出部142Bには、各対象者の危険度の初期値として「0」が設定されている。また、危険度算出部142Bは、上記の例に限定されるものではなく、例えば、危険動作記憶部133に記憶される他の危険動作情報についても同様に、取得された対象者Aの動作情報がそれぞれの危険動作情報に該当するか否かを判定し、判定結果に応じて対象者Aの危険度を算出する。
怠慢度算出部142Cは、対象者ごとに怠慢度を算出する。例えば、怠慢度算出部142Cは、対象者が行う実施メニューを指定するための指定操作を、操作者から入力部120を介して受け付ける。そして、怠慢度算出部142Cは、怠慢動作記憶部134を参照し、指定された実施メニューに対応する怠慢動作情報を取得する。そして、怠慢度算出部142Cは、取得部141によって取得された各対象者の動作情報が怠慢動作情報に該当するか否かを判定する。そして、怠慢度算出部142Cは、対象者の動作情報が怠慢動作情報に該当する場合には、その対象者の怠慢度に怠慢動作情報に対応する加算怠慢度を加算する。そして、怠慢度算出部142Cは、各対象者の怠慢度を決定部143に出力する。
一例として、対象者Aがスクワット訓練を行う場合を説明する。この場合、怠慢度算出部142Cは、対象者Aがスクワット訓練を行う旨を指定する指定操作を受け付ける。そして、怠慢度算出部142Cは、実施メニュー記憶部132を参照し、スクワット訓練に対応する怠慢動作情報「腰の高さが20cm以上変化していない」を取得する。そして、怠慢度算出部142Cは、取得部141によって対象者Aの動作情報が取得されるごとに、取得された各対象者の動作情報が怠慢動作情報に該当するか否かを判定する。具体的に、怠慢度算出部142Cは、対象者が動作情報収集部10に正対する場合には、取得された対象者の動作情報のフレームから10秒前までのフレーム群を動作情報記憶部131から取得する。そして、怠慢度算出部142Cは、10秒の間における対象者Aの腰(関節3d)のy座標の最大値と最小値との差分が20cm以上あるか否かを判定する。そして、怠慢度算出部142Cは、対象者Aの腰のy座標の最大値と最小値との差分が20cm以上ないと、スクワットの加算怠慢度「+1」を対象者Aの怠慢度に加算する。そして、怠慢度算出部142Cは、対象者Aの怠慢度を決定部143に出力する。なお、怠慢度算出部142Cには、各対象者の怠慢度の初期値として「0」が設定されている。
関与度算出部142Dは、対象者ごとに関与度を算出する。例えば、関与度算出部142Dは、関与情報記憶部135を参照し、取得部141によって取得された各対象者の動作情報が関与情報に該当するか否かを判定する。そして、関与度算出部142Dは、対象者の動作情報が関与情報に該当する場合には、その対象者の関与度に関与情報に対応する加算関与度を加算する。そして、関与度算出部142Dは、各対象者の関与度を決定部143に出力する。
一例として、関与度算出部142Dは、関与情報記憶部135を参照し、関与情報記憶部135に記憶された全ての関与情報を取得する。そして、関与度算出部142Dは、取得部141によって対象者Aの動作情報が取得されるごとに、取得された対象者Aの動作情報が関与情報に該当するか否かをそれぞれ判定する。具体的に、関与度算出部142Dは、対象者Aの名前「Aさん」が単語として認識された音声認識結果が取得された場合に、その関与情報「対象者の名前を呼ぶ」に対応する加算関与度「+1」を対象者Aの関与度に加算する。また、関与度算出部142Dは、対象者Aのカラー画像情報から白衣を着た人物がパターンマッチングによって検出された場合に、関与情報「対象者に指導者が近づく」に対応する加算関与度「+3」を対象者Aの関与度に加算する。そして、関与度算出部142Dは、対象者Aの関与度を決定部143に出力する。なお、関与度算出部142Dには、各対象者の関与度の初期値として「0」が設定されている。また、関与度算出部142Dは、上記の例に限定されるものではなく、例えば、危険動作記憶部133に記憶される他の危険動作情報についても同様に、取得された対象者Aの動作情報がそれぞれの関与情報に該当するか否かを判定し、判定結果に応じて対象者Aの関与度を算出する。
なお、上記の例に限定されるものではない。例えば、関与情報「対象者に指導者が近づく」は、他の方法によって検出されても良い。一例を挙げると、関与度算出部142Dは、指導者の顔画像を用いて、対象者Aのカラー画像情報から指導者の顔画像を検出しても良い。また、例えば、対象者Aを撮影する動作情報収集部10AがRFID(Radio Frequency Identification)タグを検出可能な構成であれば、関与度算出部142Dは、指導者が所持するRFIDタグが動作情報収集部10Aに検出される場合に、対象者Aに指導者が近づいたことを検出しても良い。更に、これに限らず、関与度算出部142Dは、対象者Aのカラー画像情報に他の人物が検出された場合に、その人物が他の対象者でなければ、これを指導者として検出しても良い。具体的には、関与度算出部142Dは、トレーニング着をパターンマッチングで検出したり、顔認識を行ったり、或いはリハビリの動作を行っている人物を検出したりすることで、対象者を判定し、対象者でなければ指導者であると判定する構成としても良い。
また、関与度算出部142Dは、時間の経過に応じて、算出された関与度から所定値を減算する。これは、時間が経過するほど、対象者は指導者から関与されていないと感じるからである。例えば、関与度算出部142Dは、関与度が更新された時刻を記憶しておく。そして、関与度算出部142Dは、前回関与度が更新されてから1分経過するごとに、対象者の関与度に「−1」を加算する。
このように、算出部142は、習熟度算出部142A、危険度算出部142B、怠慢度算出部142C及び関与度算出部142Dを用いて、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度を対象者ごとに算出する。そして、算出部142は、算出した対象者ごとの習熟度、危険度、怠慢度及び関与度を決定部143に出力する。
なお、ここでは、算出部142が習熟度、危険度、怠慢度及び関与度をそれぞれ算出する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、算出部142は、習熟度、危険度及び怠慢度のうち少なくとも一つを算出する場合であっても良い。具体的には、算出部142は、習熟度のみを算出しても良いし、危険度及び怠慢度を算出しても良い。
決定部143は、算出された対象者ごとの習熟度、危険度及び怠慢度のうち少なくとも一つに基づいて、いずれの対象者から優先して指導するかを表す指導優先度を対象者ごとに決定する。例えば、決定部143は、対象者ごとの習熟度、危険度、怠慢度及び関与度を算出部142から受け付ける。そして、決定部143は、受け付けた対象者ごとの習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータが、それぞれ警告条件に該当するか否かを判定する。そして、決定部143は、警告条件に該当したパラメータに応じて、指導優先度を決定する。
図12は、第1の実施形態に係る決定部143の処理を説明するための図である。図12には、対象者ごとの習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータがそれぞれ警告条件に該当するか否かを判定した判定結果の一例を示す。図12において、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータの項目に例示した「×」印は、各対象者のパラメータが警告条件に該当したことを示し、「○」印は、各対象者のパラメータが警告条件に該当しなかったことを示す。また、各パラメータにはそれぞれ優先度が予め設定されている。この優先度は、決定部143が指導優先度を決定する際に、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度のうちいずれのパラメータを優先させるかを定義する情報であり、例えば、優先度「A」からアルファベット順に優先すべきパラメータを示す。図12の例では、最も優先すべきパラメータは優先度「A」の危険度であり、次いで、優先度「B」の習熟度、優先度「C」の関与度、優先度「D」の怠慢度と優先順位が設定されている。また、指導優先度は、いずれの対象者から優先して指導するかを表す情報であり、例えば、指導優先度「A」からアルファベット順に優先すべき対象者を示す。なお、危険度は対象者自身の怪我や病気の悪化等、直接的に被害をもたらす可能性があるため、図12に例示するように、危険度の優先度は他のパラメータの優先度よりも高いことが好ましい。
図12に示すように、決定部143は、図11に示した警告条件記憶部136を参照し、受け付けた習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータが警告条件に該当するか否かを対象者ごとに判定する。一例としては、決定部143は、対象者Aの習熟度「−13」、危険度「10」、怠慢度「2」及び関与度「2」を受け付ける。この場合、決定部143は、受け付けた習熟度「−13」が「−10未満」であるので、対象者Aの習熟度が警告条件に該当すると判定する。また、決定部143は、受け付けた危険度「10」が「10以上」であるので、対象者Aの危険度が警告条件に該当すると判定する。また、決定部143は、受け付けた怠慢度「2」が「10以上」でないので、対象者Aの怠慢度が警告条件に該当しないと判定する。また、決定部143は、受け付けた関与度「2」が「−10未満」でないので、対象者Aの習熟度が警告条件に該当しないと判定する。そして、決定部143は、警告条件に該当したパラメータのうち、最も優先度が高いパラメータの優先度を、対象者の指導優先度として決定する。この場合、警告条件に該当したパラメータの優先度は、優先度「B」の習熟度と優先度「A」の危険度であるので、決定部143は、危険度の優先度「A」を対象者Aの指導優先度として決定する。また、決定部143は、他の対象者についても同様に、各対象者の習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータが、それぞれ警告条件に該当するか否かを判定して、警告条件に該当したパラメータの優先度を指導優先度として決定する。なお、図12に例示の対象者Cのように、全てのパラメータが警告条件に該当しない場合には、パラメータに設定されている優先度よりも低い優先度(例えば、「E」)を対象者Cの指導優先度として決定する。
なお、決定部143が指導優先度を決定する方法は、上記の例に限定されるものではない。例えば、決定部143は、各パラメータの優先度に対してスコアを割り当てておき、警告条件に該当したパラメータのスコアを集計する。そして、決定部143は、集計したスコアが高い順に、指導優先度を決定しても良い。
出力制御部144は、指導優先度に基づいて、複数の対象者を指導する指導者を支援するための支援情報を出力する。例えば、出力制御部144は、支援情報として、指導優先度の高さに応じて対象者を順位付けした情報を出力部110に出力する。また、例えば、出力制御部144は、支援情報として、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータのうち警告条件に該当したパラメータを示す情報を出力部110に出力する。
図13は、第1の実施形態に係る出力制御部144によって表示される表示画面について説明するための図である。図13に示すように、出力部110の表示画面には、表示領域21〜25が含まれる。このうち、表示領域21〜24には、動作情報収集部10A〜10Dによってそれぞれ撮影された対象者A〜Dのカラー画像(動画)が略リアルタイムで表示される。また、表示領域25には、指導優先度の高い順に、各対象者の名前が表示される。なお、図13には、決定部143によって図12に例示した処理が行われた場合に表示される表示画面の一例を示す。
図13に示すように、出力制御部144は、対象者A〜Dのカラー画像をそれぞれ表示する表示領域21〜24を出力部110に表示させる。ここで、出力制御部144は、各対象者について、警告条件に該当したパラメータを示す情報を、各対象者を表示する表示領域21〜24に表示させる。例えば、出力制御部144は、対象者の習熟度が警告条件に該当している場合には、「要指導」というアイコンを表示領域21〜24に表示させる。また、出力制御部144は、対象者の危険度が警告条件に該当している場合には、「危険」というアイコンを表示領域21〜24に表示させる。また、出力制御部144は、対象者の怠慢度が警告条件に該当している場合には、「怠慢」というアイコンを表示領域21〜24に表示させる。また、出力制御部144は、対象者の関与度が警告条件に該当している場合には、「長時間放置」というアイコンを表示領域21〜24に表示させる。図13に示す例では、出力制御部144は、対象者Aが習熟度及び危険度の警告条件に該当するため、表示領域21に「危険」及び「要指導」のアイコンを表示させる。また、出力制御部144は、対象者Bが怠慢度及び関与度の警告条件に該当するため、表示領域22に「怠慢」及び「長時間放置」のアイコンを表示させる。また、出力制御部144は、対象者Cがいずれのパラメータも警告条件に該当しないため、表示領域23にはいずれのアイコンも表示させない。また、出力制御部144は、対象者Dが習熟度の警告条件に該当するため、表示領域24に「要指導」のアイコンを表示させる。
また、出力制御部144は、指導優先度の高い順に各対象者の名前を表示する表示領域25を出力部110に表示させる。ここで、図12において、対象者Aの指導優先度は「A」であり、対象者Bの指導優先度は「C」であり、対象者Cの指導優先度は「E」であり、対象者Dの指導優先度は「B」である。この場合、出力制御部144は、指導優先度が高い順に対象者の名前を並べ替えて表示する。具体的には、出力制御部144は、「対象者A」、「対象者D」、「対象者B」、「対象者C」の順に、各対象者の名前を表示領域25に表示させる。また、出力制御部144は、各対象者について、警告条件に該当したパラメータのうち優先度が高いパラメータを示すアイコンを表示領域25に表示させる。具体的には、出力制御部144は、対象者Aが習熟度及び危険度の警告条件に該当するため、対象者Aの名前の隣に「危険」のアイコンを表示させる。また、出力制御部144は、対象者Bが怠慢度及び関与度の警告条件に該当するため、対象者Bの名前の隣に「長時間放置」のアイコンを表示させる。また、出力制御部144は、対象者Cがいずれのパラメータも警告条件に該当しないため、対象者Cの名前の隣にはいずれのアイコンも表示させない。また、出力制御部144は、対象者Dが習熟度の警告条件に該当するため、対象者Dの名前の隣に「要指導」のアイコンを表示させる。
このように、出力制御部144は、支援情報として、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータのうち警告条件に該当したパラメータを示すアイコンや、指導優先度の高さに応じて対象者を順位付けした表示領域25を出力部110に表示させる。
なお、上記の例に限定されるものではない。例えば、出力制御部144は、警告条件に該当した場合には、支援情報として音声を出力しても良い。具体的には、出力制御部144は、対象者Aの危険度が警告条件に該当した場合には、「Aさんが危険です」という音声を出力しても良い。
次に、図14〜図18を用いて、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100の処理について説明する。図14は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100による全体的な処理の手順を示すフローチャートである。図15は、第1の実施形態に係る習熟度算出処理の手順を示すフローチャートである。図16は、第1の実施形態に係る危険度算出処理の手順を示すフローチャートである。図17は、第1の実施形態に係る怠慢度算出処理の手順を示すフローチャートである。図18は、第1の実施形態に係る関与度算出処理の手順を示すフローチャートである。
図14に示すように、医用情報処理装置100において、指導者による指導を開始する旨の指導開始指示を入力部120が受け付けると(ステップS101肯定)、取得部141は、複数の対象者の動作情報を対象者ごとに取得する(ステップS102)。なお、医用情報処理装置100は、指導開始指示を受け付けるまで(ステップS101否定)、待機状態である。
そして、習熟度算出部142Aは、対象者ごとに、習熟度を算出する処理である習熟度算出処理を行う(ステップS103)。続いて、危険度算出部142Bは、対象者ごとに、危険度を算出する処理である危険度算出処理を行う(ステップS104)。続いて、怠慢度算出部142Cは、対象者ごとに、怠慢度を算出する処理である怠慢度算出処理を行う(ステップS105)。続いて、関与度算出部142Dは、対象者ごとに、関与度を算出する処理である関与度算出処理を行う(ステップS106)。習熟度算出処理、危険度算出処理、怠慢度算出処理及び関与度算出処理については、図15〜図18を用いて後述する。
そして、決定部143は、習熟度算出処理、危険度算出処理、怠慢度算出処理及び関与度算出処理によって算出された各パラメータを用いて、各対象者の指導優先度を決定する(ステップS107)。例えば、決定部143は、対象者ごとの習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータが、それぞれ警告条件に該当するか否かを判定し、警告条件に該当したパラメータに応じて、指導優先度を決定する。
そして、出力制御部144は、各対象者の指導優先度に基づいて、支援情報を出力する(ステップS108)。例えば、出力制御部144は、支援情報として、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータのうち警告条件に該当したパラメータを示すアイコンや、指導優先度の高さに応じて対象者を順位付けした表示領域25を出力部110に表示させる。
医用情報処理装置100は、指導者による指導を終了する旨の指導終了指示を入力部120が受け付けるまで(ステップS109否定)、ステップS102〜ステップS108の処理を繰り返し実行する。そして、医用情報処理装置100は、指導終了指示を受け付けると(ステップS109肯定)、処理を終了する。
ここで、図15を用いて、図14のステップS103に示した習熟度算出処理について説明する。図15に示すように、習熟度算出部142Aは、取得部141によって各対象者の動作情報が取得されるごとに、取得された各対象者の動作情報が未習熟動作情報に該当するか否かを判定する(ステップS201)。そして、習熟度算出部142Aは、各対象者の動作情報が未習熟動作情報に該当すると判定された場合に(ステップS201肯定)、未習熟動作情報に対応する加算習熟度を対象者の習熟度に加算する(ステップS202)。
そして、習熟度算出部142Aは、各対象者の習熟度を決定部143に出力し(ステップS203)、処理を終了する。なお、習熟度算出部142Aは、各対象者の動作情報が未習熟動作情報に該当しないと判定された場合には(ステップS201否定)、ステップS203へ移行する。
また、図16を用いて、図14のステップS104に示した危険度算出処理について説明する。図16に示すように、危険度算出部142Bは、取得部141によって各対象者の動作情報が取得されるごとに、取得された各対象者の動作情報が危険動作情報に該当するか否かを判定する(ステップS301)。そして、危険度算出部142Bは、各対象者の動作情報が危険動作情報に該当すると判定された場合に(ステップS301肯定)、危険動作情報に対応する加算危険度を対象者の危険度に加算する(ステップS302)。
そして、危険度算出部142Bは、各対象者の危険度を決定部143に出力し(ステップS303)、処理を終了する。なお、危険度算出部142Bは、各対象者の動作情報が危険動作情報に該当しないと判定された場合には(ステップS301否定)、ステップS303へ移行する。
また、図17を用いて、図14のステップS105に示した怠慢度算出処理について説明する。図17に示すように、怠慢度算出部142Cは、取得部141によって各対象者の動作情報が取得されるごとに、取得された各対象者の動作情報が怠慢動作情報に該当するか否かを判定する(ステップS401)。そして、怠慢度算出部142Cは、各対象者の動作情報が危険動作情報に該当すると判定された場合に(ステップS401肯定)、怠慢動作情報に対応する加算怠慢度を対象者の怠慢度に加算する(ステップS402)。
そして、怠慢度算出部142Cは、各対象者の怠慢度を決定部143に出力し(ステップS403)、処理を終了する。なお、怠慢度算出部142Cは、各対象者の動作情報が怠慢動作情報に該当しないと判定された場合には(ステップS401否定)、ステップS403へ移行する。
また、図18を用いて、図14のステップS106に示した関与度算出処理について説明する。図18に示すように、関与度算出部142Dは、取得部141によって各対象者の動作情報が取得されるごとに、取得された各対象者の動作情報が関与情報に該当するか否かを判定する(ステップS501)。そして、関与度算出部142Dは、各対象者の動作情報が関与情報に該当すると判定された場合に(ステップS501肯定)、関与情報に対応する加算関与度を対象者の関与度に加算する(ステップS502)。
そして、関与度算出部142Dは、時間の経過に応じて、算出された関与度から所定値を減算する(ステップS503)。そして、関与度算出部142Dは、各対象者の関与度を決定部143に出力し(ステップS504)、処理を終了する。なお、関与度算出部142Dは、各対象者の動作情報が関与情報に該当しないと判定された場合には(ステップS501否定)、ステップS503へ移行する。
なお、上記の処理手順は一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用情報処理装置100は、習熟度算出処理、危険度算出処理、怠慢度算出処理及び関与度算出処理を操作者の任意の順序で実行しても良いし、これらの処理を並行して実行しても良い。
上述してきたように、第1の実施形態に係る医用情報処理装置100は、それぞれ所定動作を行う複数の対象者について、対象者の動作を表す動作情報を対象者ごとに取得する。そして、医用情報処理装置100は、対象者ごとの動作情報に基づいて、習熟度、危険度及び怠慢度のうち少なくとも一つを、対象者ごとに算出する。そして、医用情報処理装置100は、算出された対象者ごとの習熟度、危険度及び怠慢度のうち少なくとも一つに基づいて、指導優先度を対象者ごとに決定する。そして、医用情報処理装置100は、指導優先度に基づいて、複数の対象者をそれぞれ指導する指導者を支援するための支援情報を出力する。このため、医用情報処理装置100は、複数の対象者をそれぞれ指導する指導者によって行われる指導の質を高めることができる。例えば、医用情報処理装置100は、支援情報として、指導優先度の高さに応じて対象者を順位付けした情報を出力部110に表示させるので、現在指導が必要な対象者を指導者に通知することができる。これにより、指導者は、必要なタイミングで対象者を支援することができる。
また、例えば、医用情報処理装置100は、支援情報として、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータのうち警告条件に該当したパラメータを示すアイコンを出力部110に表示させる。このため、医用情報処理装置100は、それぞれの対象者に必要な支援の内容を指導者に適切に通知することができる。これにより、指導者は、対象者にとって必要な支援を適宜行うことができる。例えば、指導者は、バランスを崩した対象者の体を支えることで、対象者の転倒を防止することができる。また、例えば、指導者は、一人一人の対象者に平等に関与することで、対象者のモチベーションの低下を防ぐことができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度の各パラメータを、全ての対象者に一律の基準で算出する場合を説明した。しかしながら、対象者の個人情報を用いて各パラメータを算出することが好ましい。例えば、転倒によって怪我をする危険性は、若年者よりも高齢者の方が高いため、転倒しそうな状況では若年者よりも高齢者の方が高い危険度が算出されることが好ましい。そこで、第2の実施形態では、対象者の個人情報を用いて各パラメータを算出する場合を説明する。
第2の実施形態に係る医用情報処理装置100は、図5に示した医用情報処理装置100と基本的には同様の構成を有し、記憶部130が個人情報記憶部137を更に有する点と、算出部142における処理の一部が相違する。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態と相違する点を中心に説明することとし、第1の実施形態において説明した構成と同様の機能を有する点については説明を省略する。
第2の実施形態に係る個人情報記憶部137は、対象者の個人情報を記憶する。例えば、個人情報記憶部137は、習熟度算出部142A、危険度算出部142B、怠慢度算出部142C及び関与度算出部142Dによって参照される。また、個人情報記憶部137に記憶される情報は、電子カルテシステム等から予め取得される。
図19は、第2の実施形態に係る個人情報記憶部137に記憶される情報の一例を示す図である。個人情報記憶部137は、図19に示すように、対象者名と、年齢(歳)と、ADL尺度とを対応付けた情報を記憶する。ここで、「対象者名」とは、対象者の名前を示す情報である。「年齢(歳)」とは、該当の対象者の年齢を表す情報である。「ADL(Activities of Daily Living)尺度」とは、日常生活動作・活動に関する判定基準であり、例えば、日常生活における動作や活動を自分でできる場合には、高いスコアが付与され、日常生活における動作や活動に介助を要する場合には、低いスコアが付与される。なお、ADL尺度としては、例えば、FIM(Function Independence Measure)やBI(Barthel Index)等が適用可能である。
図19に示すように、個人情報記憶部137は、対象者名「A」と、年齢「85」と、ADL尺度「3」とを対応付けて記憶する。つまり、個人情報記憶部137は、Aさんが85歳であり、AさんのADL尺度が3であることを記憶する。また、個人情報記憶部137は、対象者名「B」と、年齢「20」と、ADL尺度「8」とを対応付けて記憶する。つまり、個人情報記憶部137は、Bさんが20歳であり、BさんのADL尺度が8であることを記憶する。また、個人情報記憶部137は、他の対象者についても同様に、対象者名と、年齢(歳)と、ADL尺度とを対応付けた情報を記憶する。なお、個人情報記憶部137に記憶される情報は、これに限定されるものではなく、例えば、対象者の身長、体重、血圧等の情報が記憶されても良い。
第2の実施形態に係る算出部142は、対象者の個人情報を記憶する個人情報記憶部137に記憶された個人情報を更に用いて、習熟度、危険度及び怠慢度のうち少なくとも一つを、対象者ごとに算出する。
例えば、算出部142において、危険度算出部142Bは、危険動作記憶部133及び個人情報記憶部137を用いて、対象者ごとの加算危険度を算出する。そして、危険度算出部142Bは、算出した対象者ごとの加算危険度を用いて、各対象者の危険度を算出する。なお、以下では、算出部142が個人情報を用いて各パラメータを算出する場合の例として、危険度算出部142Bが個人情報を用いて危険度を算出する処理を説明するが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、習熟度算出部142A、怠慢度算出部142C及び関与度算出部142Dが個人情報を用いて各パラメータを算出しても良い。
図20A及び図20Bは、第2の実施形態に係る算出部142の処理を説明するための図である。図20Aには、算出部142が対象者A用の加算危険度を算出する処理を例示し、図20Bには、算出部142が対象者B用の加算危険度を算出する処理を例示する。
危険度算出部142Bは、図20Aに示すように、危険動作記憶部133及び個人情報記憶部137を参照し、危険動作記憶部133に記憶された全ての危険動作情報と、対象者Aの個人情報とをそれぞれ取得する。そして、危険度算出部142Bは、危険動作記憶部133にプリセットされた加算危険度と対象者Aの個人情報とを用いて、対象者A用の加算危険度を算出する。具体的には、危険度算出部142Bは、式「プリセットの加算危険度×(年齢/100−ADL尺度/100)」を用いて、対象者ごとの加算危険度を算出する。より具体的には、危険度算出部142Bは、対象者Aの危険動作情報「足の接地点と体の重心点が横方向に大きくズレている」の加算危険度を、「3×(85/100−3/100)=2.46」と算出する。また、危険度算出部142Bは、対象者Aの危険動作情報「膝が小刻みに振動する」の加算危険度を、「1×(85/100−3/100)=0.82」と算出する。
また、危険度算出部142Bは、図20Bに示すように、危険動作記憶部133にプリセットされた加算危険度と対象者Bの個人情報とを用いて、対象者B用の加算危険度を算出する。具体的には、危険度算出部142Bは、対象者Bの危険動作情報「足の接地点と体の重心点が横方向に大きくズレている」の加算危険度を、「3×(20/100−8/100)=0.36」と算出する。また、危険度算出部142Bは、対象者Bの危険動作情報「膝が小刻みに振動する」の加算危険度を、「1×(20/100−8/100)=0.12」と算出する。なお、ここでは説明を省略するが、危険度算出部142Bは、他の対象者についても同様に、各対象者の加算危険度を算出する。
このように、危険度算出部142Bは、対象者の個人情報を用いて、各対象者の加算危険度を算出する。具体的には、危険度算出部142Bは、対象者の年齢が高いほど高くなり、対象者のADL尺度が高いほど低くなるように、各対象者の加算危険度を算出する。そして、危険度算出部142Bは、取得部141によって取得された対象者の動作情報が危険動作情報に該当する場合には、算出した対象者ごとの加算危険度を対象者の危険度に加算する。
なお、ここでは、算出部142が個人情報を用いて各パラメータを算出する場合の例として、危険度算出部142Bが個人情報を用いて加算危険度を算出する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、習熟度算出部142Aは、対象者の年齢が高いほど低くなる加算習熟度を算出する。また、例えば、怠慢度算出部142Cは、対象者の年齢が低いほど高くなる加算怠慢度を算出する。また、例えば、関与度算出部142Dは、対象者の年齢が高いほど低くなる加算関与度を算出する。また、上述した式「プリセットの加算危険度×(年齢/100−ADL尺度/100)」はあくまで一例であり、これに限定されるものではない。例えば、危険度算出部142Bは、対象者Aの年齢のみを用いて、対象者A用の加算危険度を算出しても良いし、対象者AのADL尺度のみを用いて、対象者A用の加算危険度を算出しても良い。
このように、第2の実施形態に係る医用情報処理装置100は、対象者の個人情報を更に用いて、習熟度、危険度、怠慢度及び関与度のうち少なくとも一つを、対象者ごとに算出する。すなわち、医用情報処理装置100は、一人一人の対象者に応じて各パラメータを算出するので、指導優先度を正確に決定することができる。
(その他の実施形態)
さて、これまで第1及び第2の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されて良いものである。
(指標値のみの表示)
上記の実施形態では、医用情報処理装置100において、出力制御部144が支援情報を出力する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、出力制御部144は、算出部142によって算出された指標値を出力しても良い。具体例を挙げると、出力制御部144は、対象者ごとに危険度を出力部110に表示しても良い。これにより、指導者は、表示された対象者ごとの危険度を閲覧することで、指導の優先度を判断することが容易になる。このため、医用情報処理装置100は、指導者によって行われる指導の質を高めることができる。
(強調表示)
上記の実施形態では、医用情報処理装置100が支援情報として、指導優先度の高さに応じて対象者を順位付けした情報を表示する場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用情報処理装置100は、指導優先度が最も高い対象者に関する情報を強調表示した支援情報を出力しても良い。
図21は、その他の実施形態に係る出力制御部144の処理を説明するための図である。図21では、医用情報処理装置100が、出力部110として、メインディスプレイとセカンドディスプレイとを有する場合を例示する。なお、図21に示す例では、指導優先度が最高の対象者は対象者Aである。
図21に示すように、医用情報処理装置100において、出力制御部144は、セカンドディスプレイには、図13に例示の表示画面と同様の表示画面を表示させる。更に、出力制御部144は、対象者A〜Dのうち指導優先度が最も高い対象者Aのカラー画像を、メインディスプレイの表示画面26に全画面表示させる。なお、出力制御部144が指導優先度が最も高い対象者に関する情報を強調表示する方法は、これに限定されるものではない。例えば、出力制御部144は、図13において、対象者Aの表示領域21を他の対象者の表示領域22〜24とは異なる色調で表示しても良い。また、例えば、出力制御部144は、対象者Aの表示領域21を他の対象者の表示領域22〜24よりも大きくなるように拡大して表示しても良い。
このように、医用情報処理装置100は、指導優先度が最も高い対象者に関する情報を強調表示した支援情報を出力する。このため、医用情報処理装置100は、現在最も指導が必要な対象者を指導者に明示することができる。
(注目画像の表示)
また、例えば、医用情報処理装置100は、更に、対象者に注目すべき変化が発生した時間の画像である注目画像(サマリ画像)を表示しても良い。例えば、医用情報処理装置100は、注目画像として、対象者Aの危険度が警告条件に該当した時点における対象者Aのカラー画像を出力部110に表示させる。
図22A及び図22Bは、その他の実施形態に係る出力制御部144の処理を説明するための図である。図22Aには、対象者Aがリハビリを開始してからの対象者Aの危険度の時間変化を示す。図22Aにおいて、縦軸は、対象者Aの危険度を示し、横軸は、時間を示す。また、図22Bには、対象者Aを表示する表示領域21の一例を示す。この表示領域21には、注目画像として、対象者Aの危険度が警告条件に該当した時点における対象者Aのカラー画像27が含まれる。
図22A及び図22Bに示すように、出力制御部144は、対象者Aの危険度が警告条件に該当した場合に、警告条件に該当した時刻を決定部143から取得する。そして、出力制御部144は、取得した時刻における対象者Aのカラー画像情報27を表示領域21に表示させる。また、例えば、出力制御部144は、警告条件に該当した時刻と現在時刻との時間差を算出し、算出した時間差をカラー画像27とともに表示させる。具体的には、出力制御部144は、警告条件に該当した時刻と現在時刻との時間差が15秒である場合には、カラー画像27とともに「15秒」と表示する。
なお、ここでは、医用情報処理装置100が、注目画像として、対象者の危険度が警告条件に該当した時点における対象者のカラー画像を表示させる場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用情報処理装置100は、習熟度、怠慢度及び関与度等、他の指標値が警告条件に該当した時点における対象者のカラー画像を表示しても良い。また、表示されるカラー画像は静止画像に限らず、例えば、指標値が警告条件に該当した時点を含む所定時間(例えば、5秒間)の動画像であっても良い。
また、例えば、注目画像は、対象者の指標値が警告条件に該当した時点の画像に限らず、例えば、対象者の指標値が最も変化した時点の画像であっても良い。具体的には、医用情報処理装置100は、図22Aに例示したグラフから指標値の傾きを算出し、算出した傾きが最大となる時刻の画像を注目画像として表示しても良い。
このように、医用情報処理装置100は、対象者に注目すべき変化が発生した時間の画像である注目画像を出力部110に表示させる。このため、指導者は、対象者に注目すべき変化が発生した場合に対象者の画像を見逃してしまったとしても、注目すべき画像を容易に閲覧することができる。
(指導レポートの作成)
また、例えば、医用情報処理装置100は、指導者による指導が終了した後に、各対象者の指導における要点を抽出した指導レポートを出力しても良い。例えば、医用情報処理装置100は、指導レポートとして、上記の注目画像と指標値の時間変化とを含む情報を対象者ごとに出力部110に表示させる。
図23は、その他の実施形態に係る出力制御部144の処理を説明するための図である。図23には、出力部110の表示画面に指導レポートが表示された場合を例示する。図23に示すように、出力部110の表示画面には、対象者Aの開始32分後におけるカラー画像27と、危険度の時間変化を示すグラフとを含む指導レポート28が表示される。また、出力部110の表示画面には、対象者Cの開始2分後におけるカラー画像29と、習熟度の時間変化を示すグラフとを含む指導レポート30が表示される。
図23に示すように、出力制御部144は、指導終了指示を入力部120が受け付けると、図22Aに例示の各指標値の時間変化に基づいて、注目画像を抽出する。具体的には、出力制御部144は、対象者Aの指導が終了すると、対象者Aについて、警告条件に該当した指標値のうち、最も優先度が高い指標値について、警告条件に該当した時刻を取得する。図23に示す例では、出力制御部144は、対象者Aの危険度が警告条件に該当した時刻を取得する。そして、出力制御部144は、取得した時刻に対応する対象者Aのカラー画像27を動作情報記憶部131から抽出する。そして、出力制御部144は、抽出したカラー画像27と、対象者Aの危険度の時間変化を示すグラフとを含む指導レポートを生成する。そして、出力制御部144は、生成した指導レポートを出力部110の表示画面に表示させる。また、出力制御部144は、他の対象者についても同様に、各対象者への指導が終了するごとに、各対象者の危険度が警告条件に該当した時刻のカラー画像を抽出し、指導レポートを生成して表示させる。なお、出力制御部144によって表示される指導レポートは、記憶部130、外部の記憶装置、又は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等に記憶されても良いし、プリンタによって紙媒体に印刷されても良い。
このように、医用情報処理装置100は、指導者による指導が終了した後に、各対象者の指導における要点を抽出した指導レポートを出力する。このため、指導者は、指導に参加しなかった場合にも、行われていた指導の要点を知ることができる。
(生体センサの併用)
また、例えば、医用情報処理装置100は、生体センサから取得される生体情報を更に用いて、危険度を算出しても良い。例えば、医用情報処理装置100は、入力部120として脈拍計や血圧計等の生体センサを有する場合には、生体センサから取得される脈拍や血圧の値を用いて、危険度を算出しても良い。
この場合、例えば、医用情報処理装置100において、記憶部130が危険生体情報記憶部138を更に有する。
危険生体情報記憶部138は、危険と判断される生体情報を記憶する。例えば、危険生体情報記憶部138は、危険度算出部142Bによって参照される。また、例えば、危険生体情報記憶部138は、医用情報処理装置100の操作者によって予め登録される。
図24は、その他の実施形態に係る危険生体情報記憶部138に記憶される情報の一例を示す図である。危険生体情報記憶部138は、図24に示すように、危険生体情報と、加算危険度とを対応付けた情報を記憶する。ここで、「危険生体情報」とは、対象者が危険な状況に陥る可能性を示唆する対象者の生体情報である。
図24に示すように、危険生体情報記憶部138は、危険生体情報「脈拍が130/min以上」と、加算危険度「+4」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、危険生体情報記憶部138は、対象者の脈拍が1分間に130回以上あると、危険度算出部142Bによって対象者の危険度に「+3」が加算されることを記憶する。また、危険生体情報記憶部138は、危険生体情報「血圧が上130mmHg以上」と、加算危険度「+5」とを対応付けた情報を記憶する。つまり、危険生体情報記憶部138は、対象者の最高血圧が130mmHg以上あると、危険度算出部142Bによって対象者の危険度に「+5」が加算されることを記憶する。また、危険生体情報記憶部138は、他の危険生体情報についても同様に、危険生体情報と、加算危険度とを対応付けた情報を記憶する。
なお、図24に示した危険生体情報記憶部138は一例であり、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、危険生体情報記憶部138に記憶される危険生体情報は、操作者によって任意の項目が登録されて良い。また、危険生体情報記憶部138に記憶される加算危険度は、操作者によって任意の値が登録されて良い。
その他の実施形態に係る危険度算出部142Bは、基本的には第1の実施形態において説明した機能と同様の機能を有する。そして、危険度算出部142Bは、更に、危険生体情報記憶部138を参照し、入力部120によって取得された対象者の生体情報が危険生体情報に該当するか否かを判定する。そして、危険度算出部142Bは、対象者の生体情報が危険生体情報に該当する場合には、その対象者の危険度に危険生体情報に対応する加算危険度を加算する。そして、危険度算出部142Bは、各対象者の危険度を決定部143に出力する。
一例として、危険度算出部142Bは、危険生体情報記憶部138を参照し、危険生体情報記憶部138に記憶された全ての危険生体情報を取得する。そして、危険度算出部142Bは、入力部120によって対象者Aの生体情報が取得されるごとに、取得された対象者Aの生体情報が危険生体情報に該当するか否かをそれぞれ判定する。具体的に、危険度算出部142Bは、対象者Aの脈拍が1分間に130回以上ある場合には、その危険生体情報に対応する加算危険度「+4」を対象者Aの危険度に加算する。そして、危険度算出部142Bは、対象者Aの危険度を決定部143に出力する。
このように、医用情報処理装置100は、生体センサから取得される生体情報を更に用いて、危険度を算出する。すなわち、医用情報処理装置100は、対象者の動作情報のみでは推定できない危険性を踏まえて危険度を算出するので、対象者が危険な状態に陥る可能性を軽減することができる。
(複数の指導者が指導する場合)
また、例えば、医用情報処理装置100は、複数の指導者が指導に関わる場合には、関与度を指導者ごとに算出しても良い。例えば、医用情報処理装置100は、指導者E及び指導者Fの2人の指導者が対象者Aの指導に関わる場合には、指導者Eが対象者Aに関与する関与度と、指導者Fが対象者Aに関与する関与度とをそれぞれ算出しても良い。
図25は、その他の実施形態に係る医用情報処理装置100の構成の一例を示す図である。図25に示すように、その他の実施形態に係る医用情報処理装置100は、図4に示した医用情報処理装置100と比較して、制御部140が判定部145を更に有する。
その他の実施形態に係る判定部145は、各対象者に関与する指導者を判定する。例えば、判定部145は、声紋認証によって、各対象者に関与する指導者を判定する。具体的には、判定部145は、指導者(例えば、指導者E又は指導者F)の声紋をそれぞれ記憶する。そして、判定部145は、取得部141によって音声認識結果が取得されるごとに、取得された音声認識結果に対して声紋認証を行う。これにより、判定部145は、取得された音声認識結果がいずれの指導者の声紋に対応するか判定する。そして、判定部145は、声紋が対応すると判定された指導者を示す情報を音声認識結果に対応付けて、関与度算出部142Dに出力する。
また、例えば、判定部145は、顔画像認識によって、各対象者に関与する指導者を判定する。具体的には、判定部145は、指導者(例えば、指導者E又は指導者F)の顔画像をそれぞれ記憶する。そして、判定部145は、取得部141によってカラー画像情報が取得されるごとに、取得されたカラー画像情報に対して顔画像認識を行う。これにより、判定部145は、取得されたカラー画像情報にいずれの指導者が含まれるかを判定する。そして、判定部145は、カラー画像情報に含まれると判定された指導者を示す情報をカラー画像情報に対応付けて、関与度算出部142Dに出力する。
その他の実施形態に係る関与度算出部142Dは、各対象者の関与度を指導者ごとに算出する。一例として、関与度算出部142Dは、関与情報記憶部135を参照し、関与情報記憶部135に記憶された全ての関与情報を取得する。そして、関与度算出部142Dは、取得部141によって対象者Aの動作情報が取得されるごとに、取得された対象者Aの動作情報が関与情報に該当するか否かをそれぞれ判定する。そして、関与度算出部142Dは、対象者Aの動作情報が関与情報に該当する場合には、その動作情報に対応付けられた指導者を示す情報を参照し、指導者ごとの関与度として算出する。
具体的には、関与度算出部142Dは、対象者Aの名前「Aさん」が単語として認識された音声認識結果が取得された場合に、その音声認識結果に対応付けられた指導者を示す情報を参照する。そして、関与度算出部142Dは、音声認識結果に対応付けられた指導者(例えば、指導者E)の対象者Aに対する関与を表す関与度(指導者E−対象者A)に、関与情報「対象者の名前を呼ぶ」に対応する加算関与度「+1」を加算する。そして、関与度算出部142Dは、関与度(指導者E−対象者A)を決定部143に出力する。
このように、医用情報処理装置100は、複数の指導者が指導に関わる場合には、各対象者の関与度を指導者ごとに算出する。このため、医用情報処理装置100は、関与度を詳細に算出することができる。また、例えば、医用情報処理装置100は、各指導者が各対象者に対して平等に関与できているかどうかを通知することができる。
更に、複数の指導者が指導する場合には、指導者ごとに指導優先度を決定しても良い。例えば、決定部143は、複数の対象者が同一の指導優先度になった場合に、指導者ごとに指導優先度を決定しても良い。
ここで、指導者E及び指導者Fが、対象者G及び対象者Hを指導する場合において、対象者G及び対象者Hに同一の指導優先度になった場合を説明する。なお、指導者Eは、スポーツ医学を専門とする指導者であり、指導者Fは、老人ホームでの勤務経験が長い指導者である。また、対象者Gは、スクワット訓練を行っている25歳の人物であり、対象者Hは、歩行訓練を行っている70歳の人物である。
この場合、記憶部130は、指導者E、指導者F、対象者G及び対象者Hそれぞれについて、個人情報を記憶する。具体的には、記憶部130は、指導者Eが、スクワット訓練やジャンプ訓練等のリハビリを行う対象者を優先的に指導する旨の情報を記憶する。また、記憶部130は、指導者Fが、より高齢の対象者を優先的に指導する旨の情報を記憶する。また、記憶部130は、対象者Gが行うリハビリの種類が「スクワット訓練」である旨の情報と、「25歳」である旨の情報とを記憶する。また、記憶部130は、対象者Hが行うリハビリの種類が「歩行訓練」である旨の情報と、「70歳」である旨の情報とを記憶する。
まず、指導者Eの指導優先度を決定する場合を説明する。決定部143は、記憶部130から、指導者Eがスクワット訓練やジャンプ訓練等のリハビリを行う対象者を優先的に指導する旨の情報を取得する。そして、決定部143は、記憶部130から対象者G及び対象者Hの個人情報をそれぞれ取得し、比較する。この場合、対象者Gのリハビリの種類は「スクワット訓練」であり、対象者Hのリハビリの種類は「歩行訓練」である。このため、決定部143は、指導者Eの指導優先度として、対象者Hよりも対象者Gを優先的に指導する旨の情報を生成し、出力制御部144に出力する。
次に、指導者Fの指導優先度を決定する場合を説明する。決定部143は、記憶部130から、指導者Fがより高齢の対象者を優先的に指導する旨の情報を取得する。そして、決定部143は、記憶部130から対象者G及び対象者Hの個人情報をそれぞれ取得し、比較する。この場合、対象者Gは「25歳」であり、対象者Hは「70歳」である。このため、決定部143は、指導者Fの指導優先度として、対象者Gよりも対象者Hを優先的に指導する旨の情報を生成し、出力制御部144に出力する。
このように、決定部143は、複数の指導者が指導する場合には、指導者ごとに指導優先度を決定する。なお、上記の例では、対象者G及び対象者Hに同一の指導優先度になった場合を説明したが、これに限定されない。また、出力制御部144は、指導者ごとの指導優先度を受け付けた場合には、その旨を表示する。上記の例では、出力制御部144は、出力部110の表示画面に、指導者Eの指導優先度を表示する領域と、指導者Fの指導優先度を表示する領域とを設けて、上記の指導者ごとの指導優先度を表示する。また、例えば、出力制御部144は、指導者E及び指導者Fがそれぞれ専用の出力部110(ヘッドセット、専用モニタ等)があれば、各指導者に対して各自の指導優先度のみを出力しても良い。
(リハビリ以外への適用)
また、上記の実施形態では、医用情報処理装置100がリハビリテーションを行う対象者に適用される場合を説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、医用情報処理装置100は、所定動作が正しく行われているか否かを確認する場合に適用されても良い。
図26は、その他の実施形態に係る実施メニュー記憶部132に記憶される情報の一例を示す図である。図26に示すように、その他の実施形態に係る実施メニュー記憶部132は、実施メニュー「換気扇のネジ取り付け」と、未習熟動作除法「肘が肩よりも高い位置にある」とを対応付けて記憶する。つまり、実施メニュー記憶部132は、対象者が換気扇のネジ取り付けを行う場合に、対象者の肘が肩よりも高い位置にあると、習熟度算出部142Aによって対象者の習熟度に「−1」が加算されることを記憶する。この未習熟動作情報「肘が肩よりも高い位置にある」は、例えば、対象者の肘(関節3f又は3j)のy座標の値が肩(関節3e又は3i)のy座標の値よりも大きい値であるか否かに応じて判定される。また、実施メニュー記憶部132は、他の実施メニューについても同様に、実施メニューと、未習熟動作情報と、加算習熟度とを対応付けた情報を記憶する。
このように、医用情報処理装置100は、リハビリテーションを行う対象者に適用される場合に限らず、様々な所定動作について、正しい動作で行われているかどうかを確認することができる。
(サービス提供装置への適用)
図27は、サービス提供装置に適用される場合の一例を説明するための図である。図27に示すように、サービス提供装置200は、サービスセンタ内に配置され、例えば、ネットワーク5を介して、医療機関や、自宅、職場に配置される端末装置300とそれぞれ接続される。医療機関、自宅及び職場に配置された端末装置300は、動作情報収集部10がそれぞれ接続される。また、各端末装置300は、サービス提供装置200によって提供されるサービスを利用するクライアント機能を備える。また、ネットワーク5には、有線又は無線を問わず、インターネット(Internet)、WAN(Wide Area Network)などの任意の種類の通信網を採用できる。
例えば、サービス提供装置200は、図5において説明した医用情報処理装置100と同様の機能を有し、当該機能によって端末装置300にサービスとして提供する。すなわち、サービス提供装置200は、取得部141と、算出部142と、出力制御部144とそれぞれ同様の機能部を有する。そして、取得部141と同様の機能部は、それぞれ所定動作を行う複数の対象者について、対象者の動作を表す動作情報を対象者ごとに取得する。そして、算出部142と同様の機能部は、対象者ごとの動作情報に基づいて、所定動作の実施状況を示す指標値を、対象者ごとに算出する。そして、出力制御部144と同様の機能部は、指標値を出力する。
例えば、サービス提供装置200は、端末装置300から処理の対象となる動作情報のフレーム群のアップロードを受け付ける。そして、サービス提供装置200は、上記の処理を行って指標値を算出する。そして、サービス提供装置200は、指標値を端末装置300にダウンロードさせる。
これにより、医療機関や自宅、職場等に動作情報収集部10があれば、サービス提供装置200は、医療機関や自宅、職場等でリハビリを行う対象者及び指導者に対して、上記の機能を提供することができる。なお、サービス提供装置200は、上記の決定部143と同様の処理を行って、対象者ごとに指導優先度を決定し、これを端末装置300にダウンロードさせても良い。
(遠隔地指導)
また、例えば、指導者と対象者とが離れた場所にいる場合には、医用情報処理装置100は、遠隔地指導を支援しても良い。例えば、図27において、サービス提供装置200は、医療機関にいる指導者が自宅でリハビリを行う対象者を指導する場合に、指導者を支援することができる。
具体的には、サービス提供装置200は、自宅の端末装置300から処理の対象となる動作情報のフレーム群のアップロードを受け付ける。そして、サービス提供装置200は、上記の処理を行って指標値を算出する。そして、サービス提供装置200は、指標値を端末装置300にダウンロードさせる。これにより、サービス提供装置200は、遠隔地指導を支援することができる。
なお、この場合、サービス提供装置200の機能(医用情報処理装置100と同様の機能)は、医療機関の端末装置300で実現されても良いし、自宅の端末装置300で実現されても良い。すなわち、図27において、サービス提供装置200、医療機関の端末装置300及び自宅の端末装置300は、医用情報処理システムとして機能する。
一例を挙げると、サービス提供装置200において指標値を算出する場合には、自宅の端末装置300は、動作情報収集部10が、所定動作を行う対象者について、対象者の動作を表す動作情報を対象者ごとに収集する。そして、自宅の端末装置300は、動作情報をサービス提供装置200に送信する。そして、サービス提供装置200は、自宅の端末装置300から動作情報を受信する。そして、サービス提供装置200において、算出部142と同様の機能部が、対象者ごとの動作情報に基づいて、所定動作の実施状況を示す指標値を、対象者ごとに算出する。そして、サービス提供装置200は、指標値を医療機関の端末装置300に送信する。医療機関の端末装置300は、サービス提供装置200から指標値を受信する。そして、医療機関の端末装置300は、指標値をモニタに出力する。
また、他の例を挙げると、自宅の端末装置300において指標値を算出する場合には、自宅の端末装置300は、動作情報収集部10が、所定動作を行う対象者について、対象者の動作を表す動作情報を対象者ごとに収集する。そして、自宅の端末装置300において、算出部142と同様の機能部が、対象者ごとの動作情報に基づいて、所定動作の実施状況を示す指標値を、対象者ごとに算出する。そして、自宅の端末装置300は、指標値を医療機関の端末装置300に送信する。そして、医療機関の端末装置300は、自宅の端末装置300から指標値を受信する。そして、医療機関の端末装置300は、受信した指標値をモニタに出力する。
また、他の例を挙げると、医療機関の端末装置300において指標値を算出する場合には、自宅の端末装置300は、動作情報収集部10が、所定動作を行う対象者について、対象者の動作を表す動作情報を対象者ごとに収集する。そして、自宅の端末装置300は、動作情報を医療機関の端末装置300に送信する。そして、医療機関の端末装置300は、自宅の端末装置300から動作情報を受信する。そして、医療機関の端末装置300において、算出部142と同様の機能部が、対象者ごとの動作情報に基づいて、所定動作の実施状況を示す指標値を、対象者ごとに算出する。そして、医療機関の端末装置300は、指標値をモニタに出力する。
また、上述した実施形態における医用情報処理装置100の構成はあくまでも一例であり、各部の統合及び分離は適宜行うことができる。例えば、取得部141及び算出部142を統合することが可能である。
また、上述した実施形態において説明した取得部141、算出部142、決定部143及び出力制御部144の機能は、ソフトウェアによって実現することもできる。例えば、取得部141、算出部142、決定部143及び出力制御部144の機能は、上記の実施形態において取得部141、算出部142、決定部143及び出力制御部144が行うものとして説明した処理の手順を規定した医用情報処理プログラムをコンピュータに実行させることで、実現される。この医用情報処理プログラムは、例えば、ハードディスクや半導体メモリ素子等に記憶され、CPUやMPU等のプロセッサによって読み出されて実行される。また、この医用情報処理プログラムは、CD−ROM(Compact Disc − Read Only Memory)やMO(Magnetic Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読取り可能な記録媒体に記録されて、配布され得る。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、本実施形態の医用情報処理装置及びプログラムは、複数の対象者をそれぞれ指導する指導者によって行われる指導の質を高めることができる。