JP2015034743A - 磁性金属異物を検出するための検出器 - Google Patents
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【課題】磁性金属異物を検出するための検出器の提供。
【解決手段】配管16の中を流れる被検査物に含まれた磁性金属異物を検出するための検出器10が配管16を囲む環状の検出コイル22と、配管16の流れ方向AにN極とS極とを位置させた状態で配管を囲む環状の永久磁石23とを有する。検出コイル22と永久磁石23とは、配管16の径方向において、検出コイル22が内側となり、永久磁石23が外側となるように重なり合っている。
【選択図】図2
【解決手段】配管16の中を流れる被検査物に含まれた磁性金属異物を検出するための検出器10が配管16を囲む環状の検出コイル22と、配管16の流れ方向AにN極とS極とを位置させた状態で配管を囲む環状の永久磁石23とを有する。検出コイル22と永久磁石23とは、配管16の径方向において、検出コイル22が内側となり、永久磁石23が外側となるように重なり合っている。
【選択図】図2
Description
この発明は、配管の中を上流側から下流側に向かって移動する被検査物に含まれた磁性金属異物を検出するための装置に関する。
配管の中を流れる飲料等の液体を被検査物とし、その被検査物に含まれた磁性金属異物の検出および/または取出しのための装置は、従来よく知られている。例えば、飲料や液状食品を個別の容器に充填するための配管の最終工程にノズルが設けられている場合に、ノズルよりも上流側にある配管に対してメッシュタイプのフィルタを取付けることがある。しかし、この種のフィルタは、目詰まりを生じることがあるから、固形物を含む飲料や液状食品に対して使用するには不向きである。仮に使用することがあったとしても、フィルタの目を大きくしなければならず、それでは磁性金属異物を確実に取出すことが困難になる。ノズルの上流側にある配管の内側にマグネットバーを取付けることもある。この場合には、磁性金属異物が固形物に付着していると、そのマグネットでは磁性金属異物を取出すことができない。また、特開2010−276588号公報(特許文献1)に記載の金属異物の検出方法およびそのための装置や特開2012−220382号公報(特許文献2)に記載の磁性金属異物を検出する方法およびそのための装置は、被検査物である流体が配管の中を流れ、その流体に含まれる磁性金属異物を磁化し、しかる後に、磁化した磁性金属異物からの磁力線を測定することによって、磁性金属異物の存在を確認している。配管の上流側には磁性金属異物を磁化するための永久磁石が設けられ、下流側には磁力線を測定するためのセンサが設けられている。そのセンサは、配管の外側において配管の周方向へ並び、周囲からのノイズの影響を受けることがないようにシールドで覆われている。
前記文献に記載の装置は、金属異物を磁化するための永久磁石を配管の上流側に配置し、永久磁石の下流側にはシールドで覆われたセンサを配置するものであるから、その装置を設置するためには配管の周囲にそれなりの広いスペースを必要とする。一方、その配管が飲料用ペットボトル等の飲料容器に飲料を充填するためのノズルである場合には、磁性金属異物を検出するためにノズルの周囲に広いスペースを用意することが難しい、ということがある。しかし、飲料を充填する直前の工程、例えばノズルにおいて磁性金属異物を検出することができることは、廃棄する飲料を極力少なくすることができる等、生産性の向上に寄与するところが大きい。
そこで、この発明では、配管の周囲に広いスペースを用意しなくても使用することができるように改良された磁性金属異物の検出器の提供を課題にしている。
前記課題を解決するために、この発明が対象とするのは、非磁性体で形成された配管の中を上流側から下流側へ向かう流れ方向に沿って移動する被検査物に含まれた磁性金属異物を検出するための検出器である。
この発明が特徴とするところは、この検出器が、前記配管を囲む環状の検出コイルと、前記配管の内側において静磁場の磁力線が前記流れ方向へ向くように前記流れ方向にN極とS極とを位置させた状態で前記配管を囲む環状の永久磁石とを有し、前記検出コイルと前記永久磁石とが、前記配管の径方向において、前記検出コイルが内側となり、前記永久磁石が外側となるように重なり合っていること、にある。
この発明の好ましい実施態様の一つにおいて、前記検出コイルが右巻きコイルと前記右巻きコイルに接続する左巻きコイルとによって形成されている差動型の検出コイルである。
この発明に係る検出器によれば、配管を囲む環状の永久磁石の磁力線には、配管の内側で配管の流れ方向に沿うものが生じる。配管を流れる被検査物に含まれた磁性金属異物は、その磁力線によって磁化されるとともにその磁力線を乱し、検出コイルに誘導電流を発生させる。それゆえ、検出器を増幅部に接続し、その増幅部を磁気センサを介して信号処理部に接続しておけば、誘導電流に基づいて磁性金属異物が混入していることを容易に知ることができる。検出器は、環状の検出コイルと環状の永久磁石とで形成することができ、環状の永久磁石は例えば環状の検出コイルの外側に配置することができるから、それを使用するのに広いスペースを必要としない。したがってまた、この検出器は、液状食品等を充填するためのノズルがその周囲に広いスペースを持たない場合であっても、そのノズルに対して使用することができる。
以下の図面は、この発明の特定の実施形態や好ましい実施形態を例示する他に、この発明に不可欠な構成や選択的に採用できる形態等を含む。
この発明に係る検出器の使用例を示す図。
図1のII−II線断面図。
図2における検出器の磁束の分布を例示する図。
実施形態の一例を示す図。
図4の検出器の磁束の分布を例示する図。
実施形態の他の一例を示す図。
実施形態の他の一例を示す図。
磁性金属異物の検出結果を例示する図。
ノイズの測定例を示す図。
磁性金属異物の検出結果を例示する図。
ノイズの測定例を示す図。
添付の図面を参照して、この発明に係る磁性金属異物を検出するための装置の詳細を説明すると、以下のとおりである。
図1は、この発明に係る磁性金属異物の検出器10の使用態様を例示するもので、検出器10が被検査物の一例である清涼飲料水11のボトリングライン12で使用されている。このボトリングライン12では、走行ベルト13に載せられた多数のペットボトル14が機械方向MDへ順次移動する。ペットボトル14がボトリングライン12の所要部位へ来ると、ペットボトル14の口14aに対して進入退出可能なノズル15がその口14aに進入して、定量の清涼飲料水11がペットボトル14に供給される。ノズル15の上方では、飲料水供給配管16に対して検出器10を含む検出装置20が取り付けられている。検出器10から延びる接続線L1,L2は、検出装置20における増幅部40に接続され、増幅部40は信号処理部50に接続されている。検出器10は、取り付け金具17を介して取り付け板18に固定されている。図中の矢印Aは、配管16における清涼飲料水11の流れ方向を示している。
図2は、図1のII−II線断面図であるが、検出器10のみが示されていて、取り付け金具17や取り付け板18の図示が省略されている。図2はまた、検出器10についての流れ方向Aに沿う断面図ということができるものである。図2において、配管16は熱可塑性合成樹脂等の非磁性体で形成されていて、中心軸Cを有する。検出器10は、配管16を囲むように形成されている検出コイル22と、配管16の径方向において検出コイル22の外側に位置していて配管16を囲んでいる環状の永久磁石23とを有する。検出コイル22と永久磁石23とは、非磁性体で形成された取付け部材24−27を介して配管16に取り付けられている。取付け部材24−27は、環状または管状のもので、ボルト等の固定具(図示せず)を介して互いに固定されている。
検出コイル22は、直列に接続された上流側コイル22aと下流側コイル22bとで形成されている。上流側コイル22aと下流側コイル22bとは、一方が左巻きコイルであり他方が右巻きコイルであって差動型コイルを形成している場合と、両コイル22a,22bがともに右巻きコイルであるか、または共に左巻きコイルであって、非差動型コイルを形成している場合とがある。ただし、この発明では、差動型コイルを使用して、検出コイル22に対する外部のノイズを両コイル22aと22bとによってキャンセルすることが好ましい。
永久磁石23は配管16の内側に静磁場を形成するために使用されるもので、そのために後記磁力線29の一部が流れ方向Aへ向くようにN極とS極とを流れ方向Aに位置させた状態で配管16を囲んでいる。ここで、流れ方向Aへ向くということは、上流から下流へ向かう方向と下流から上流へ向かう方向とのいずれかであることを意味している。図示例では、配管16の径方向において検出コイル22の外側に位置するように、環状の第1−第5永久磁石23a−23eが互いのN極とS極とを対向させて重なり合っている。永久磁石23の重なり合う個数に格別の規定はないが、配管16の中心軸C上において所要の磁束密度が得られるように、例えば少なくとも10mTの磁束密度が得られるようにその個数の決められることが好ましい。検出器10は、実質的な意味において、中心軸Cに関して対称となるように作られている。
図3は、図2の検出器10において、永久磁石23からの磁力線29の分布を模式的に示す図であって、磁力線29を明示するために取付け部材25−27の図示が省略されている。磁力線29のうちには、一部分が配管16の内側にあって流れ方向Aに並行しているもの29a,29bや配管16の外側に分布しているもの29c,29d等がある。
このように形成されている検出器10では、清涼飲料水11に混入している磁性金属異物(図示せず)が検出器10を通過するときに磁化されて永久磁石23が形成している配管16の内部における静磁場が乱れ、磁束が収束するので、検出コイル22に誘導電流が発生する。その電流は増幅部40において磁気トランスを形成している入力コイル41に流れ、入力コイル41に磁気的につながるMI効果素子やホール素子、SQUID等の高感度磁気センサ42によって磁気信号として計測される。その磁気信号の大きさに基づいて、信号処理部50では、磁性金属異物を検出したことの作業者等への通報、磁性金属異物が流入したボトル14の走行ベルト13からの排出の指示等を行うことができる。なお、増幅部40では、磁気トランスに代えて低ノイズの検流増幅器や電圧増幅器を使用することもできる。
検出器10はまた、永久磁石23の形成する静磁場の乱れを配管16の流れ方向Aにおいて永久磁石23と同じ位置、またはほぼ同じ位置(図4参照)にセットされている検出コイル22によって検出することのできるものであるから、配管16の流れ方向Aにおける寸法を従来技術の装置に比べて短くすることが可能になる。また、検出コイル22も永久磁石23も配管16を囲むように環状または管状に形成されているものであるから、検出器10を通過するときの磁性金属異物は、それが配管16の径方向や周方向のどのような位置にあっても、容易に検出することができる。
図4は、実施態様の一例を示す図2と同様な図面である。図4の検出器10は、上流側コイル22aと下流側コイル22bとを含む検出コイル22を有するとともに、磁性体で形成されていて配管16と同軸である筒状体、より好ましくは配管16と同軸の円筒状体であるヨーク30と、その筒状体の一部分となるようにヨーク30に組み込まれている永久磁石23とを有する。検出コイル22は、図2におけるものと同じに形成されている。永久磁石23では、第2永久磁石23bと第3永久磁石23cとが流れ方向Aにおいて離間し、第2永久磁石23bには流れ方向Aの上流側から第1永久磁石23aが重なっている。第3永久磁石23cには流れ方向Aの下流側から第4永久磁石23dが重なっている。重なり合う永久磁石どうしの間では、互いのN極とS極とが対向している。図において円筒状に形成されているヨーク30は、配管16の径方向において、検出コイル22の外側に位置する外筒部分30aと、外筒部分30aと配管16との間に位置する内筒部分30bとを有する。内筒部分30bは、流れ方向Aにおいて互いに離間する上流側部分31と下流側部分32とに二分されていて、これら両部分31と32との間には検出コイル22が位置している。内筒部分30bの上流側部分31と外筒部分30aとは、第1,第2永久磁石23a,23bを介して磁気的につながっている。内筒部分30bの下流側部分32と外筒部分30aとは、第3,第4永久磁石23c,23dを介して磁気的につながっている。図4における検出コイル22、第1−第4永久磁石23a−23d、ヨーク30は、図2において使用されているのと同様な取付け部材24−27を介して配管16の外周面に対して固定されている。
図5は、図4の検出器10における第1−第4永久磁石23a−23dの磁力線29の分布を例示するための検出器10についての流れ方向Aに沿う断面図である。ただし、図5では、磁力線29を明示するために図4における取付け部材25−27の図示が省略されている。重なり合う第3,第4永久磁石23c,23dから重なり合う第1,第2永久磁石23a,23bに向かって延びる磁力線29は、外筒部分30aを直進した後に内筒部分30bのうちの上流側部分31へと進む。その上流側部分31は、配管16と対向する内周面33と、ヨーク30の外筒部分30aと対向する外周面34とを有し、これら内周面33と外周面34とが配管16の中心軸Cと斜めに交差するように延びている。内周面33と外周面34とはまた、外筒部分30aから配管16に向かって互いに次第に接近する態様にある。さらに外周面34は、中心軸Cに近づくにつれて、外筒部分30aから大きく離間する傾向にある。このような形態の内筒部分30bに進入した磁力線29には、上流側部分31から出ると配管16の内部へと進むもの、およびその内部において中心軸Cとほぼ平行に進むものがあり、それらの磁力線29は、内筒部分30bにおける下流側部分32を経て第3,第4永久磁石23c,23dに終端する。なお、ヨーク30の内筒部分30bにおける下流側部分32の形状は、上流側部分31のそれと同様に形成されていて、内周面33と外周面34とを有している。
このように形成されている図4,5の検出器10では、ヨーク30の内筒部分30bにおける上流側部分31から出た磁力線29が外筒部分30aに引き寄せられる傾向を抑えられて、配管16の内側へ向かう傾向が強まり、配管16の内部を流れる磁性金属異物の検出が容易になる。また、検出器10では、磁力線29が円筒状のヨーク30の内側にあって、ヨーク30の外側に出るものがないので、外部からのノイズによって磁力線29に乱れが生じることを防ぐことができる。これらの結果として、検出器10では、外部からのノイズの影響による検出器10のS/N比の低下を防ぐことができる。ここでいう外部からのノイズの例には、検出器10の外部から検出器10に対して加わる衝撃や振動、外部にある磁性体の揺れ等がある。図4の検出器10は、図2の検出器10と同様にその形状を小さなものにすることができるばかりでなく、検出精度が向上して微細な磁性金属異物の検出がさらに容易になる。
図6は、実施態様の一例を示す図4と同様な図である。ただし、図6の検出器10では、配管16の上流側に第1永久磁石23aが使用され、下流側に第2永久磁石23bが使用されている。第1永久磁石23aは、内筒部分30bにおける上流側部分31の一部となるようにヨーク30に組み込まれている。第2永久磁石23bは、内筒部分30bにおける下流側部分32の一部となるようにヨーク30に組み込まれている。上流側部分31と下流側部分32とにおいては、外周面34が中心軸Cと斜めに交差するように延びる一方、内周面33は中心軸Cに平行して延びている。上流側部分31および下流側部分32における厚さは検出コイル22に近づくほど薄くなっている。図6のヨーク30においても、中心軸Cと斜めに交差する方向へ延びる外周面34の作用によって、第1永久磁石23aを出た磁力線29の中には、配管16の内側を通り、第2永久磁石23bに終端するものがある。なお、ヨーク30には、中間部分35,36が形成されていて、これらの部分35,36と、第1,第2永久磁石23a,23bとを介して外筒部分30aが内筒部分30bの上流側部分31および下流側部分32につながっている。このような検出器10においても、ヨーク30の作用によって、磁性金属異物にたいする検出精度が向上する。なお、図6における第1,第2永久磁石23a,23bに対しては、必要に応じて適宜の個数の永久磁石を重ねることができる。
図7は、実施形態の他の一例を示す図4と同様な図である。ただし、図7の検出器10では、環状の永久磁石23が1個使用されている。ヨーク30は、外筒部分30aが永久磁石23を介して上流側のものと下流側のものとに二分されている。上流側の外筒部分30aには内筒部分30bのうちの上流側部分31がつながり、下流側の外筒部分30aには内筒部分30bのうちの下流側部分32がつながっている。このような検出器10を図4のそれと比べると、永久磁石23から出る磁力線(図示せず)には円筒状のヨーク30の外側においてN極からS極へ向かうものが生じることによって、磁性金属異物の検出精度が低下する傾向にはあるが、それでもこの検出器10は、ノズル15(図1参照)の周囲における狭い空間にも設置できる検出精度の良い小型の検出器になり得る。
図8は、図2の検出器10を使用した検出装置20においての磁性金属異物の検出結果を例示する図である。磁性金属異物には直径0.3mmの鉄球を使用し、永久磁石23には外径40mm、内径30mm、厚さ10mmであって、表面磁束密度が529mTの環状ネオジウム磁石を5個使用した。そのときの配管16の中心軸C上における磁束密度は62−67mTの範囲にあった。検出装置20では、信号増幅率を10倍、ハイパスフィルタ(HPF)を3Hz、ローパスフィルタ(LPF)を30Hzに設定した。図2の検出器10における寸法は、D1=11mm,D2=30mm,D3=40mmであり、H1=42mm,H2=50mm,H3=70mmであった。なお、寸法D1は配管16の外径であり、その配管16の内径は10mmであった。検出結果は、図8のとおりであり、検出信号が0.116V、ノイズが0.007V、S/N比が16.6であった。外部からのノイズのレベルがこの程度であれば、図2の検出器10は小型のものではあるが、微小な磁性金属異物を検出するには十分なものであった。
図9は、図8の測定結果を得た検出器10における取付け部材27を実験者がこぶしで叩いたときに生じるノイズの測定結果を示している。ノイズの最大値は0.04Vであった。この測定結果から、図2の検出器10は、外部からの衝撃の影響を受け易いものであることがわった。
図10は、図4に例示の検出器10を使用した検出装置20においての磁性金属異物の検出結果を例示する図であるが、測定条件は図8における場合と同じである。測定結果は、信号:0.155V、ノイズ:0.006V、S/N比:25.8であって、図8の測定結果に比べると、ヨーク30の使用によるS/N比の改善効果が顕著であった。
図11は、図9の測定で使用した検出器10(図4参照)における取付け部材27をこぶしで叩いたときに生じるノイズの測定結果を示している。ノイズの最大値は0.01Vであって、検出器10は、ノイズの影響を受けにくいものであった。
これまでの説明で使用した第1−第5永久磁石23a−23eにおける第1−第5の付番は、個々の永久磁石を区別するためのものにすぎない。これらの付番は、磁石の特性の違いを意味したり、磁石の使用を順序付けたりするような格別の意味を持つものではない。
以上に記載したこの発明に係る開示は、少なくとも下記事項に整理することができる。
非磁性体で形成された配管の中を上流側から下流側へ向かう流れ方向に沿って移動する被検査物に含まれた磁性金属異物を検出するための検出器であって、前記配管を囲む環状の検出コイルと、前記配管の内側において静磁場の磁力線が前記流れ方向へ向くように前記流れ方向にN極とS極とを位置させた状態で前記配管を囲む環状の永久磁石とを有し、前記検出コイルと前記永久磁石とは、前記配管の径方向において、前記検出コイルが内側となり、前記永久磁石が外側となるように重なり合っていることを特徴とする前記検出器。
上記段落に開示した検出器は、少なくとも下記態様を含み、その態様は互いに組合わせて採択することができる。
前記検出コイルが右巻きコイルと前記右巻きコイルに接続する左巻きコイルとによって形成されている差動型の検出コイルである態様。
前記永久磁石が前記流れ方向において互いのN極とS極とが対向するように配置された複数の環状の永久磁石である態様。
前記検出コイルは、磁性体で形成されていて前記配管と同軸の筒状体を形成しているヨークによって覆われた状態にあり、前記ヨークは、外筒部分と前記外筒部分の内側に位置する内筒部分とを有し、これら両部分は前記ヨークにおける前記上流側の端部と前記下流側の端部とのそれぞれにおいて連結されており、前記外筒部分は前記配管に並行して延びていて前記配管の径方向において前記検出コイルの外側に位置する一方、前記内筒部分は前記流れ方向において互いに離間するように上流側部分と下流側部分とに二分されていて、前記上流側部分と前記下流側部分との間に前記検出コイルが位置しており、前記永久磁石が前記ヨークの形成する前記筒状体の一部分となるように前記ヨークに組み込まれている態様。
前記永久磁石は、N極とS極とが対向するように前記流れ方向において離間する環状の上流側永久磁石と環状の下流側永久磁石とであって、前記上流側永久磁石と前記下流側永久磁石のそれぞれは、前記流れ方向において前記ヨークの前記外筒部分に組み込まれている態様。
前記上流側永久磁石が前記内筒部分における前記上流側部分に組み込まれていて、前記下流側永久磁石が前記内筒部分における前記下流側部分に組み込まれている態様。
前記配管の前記流れ方向における断面では、前記内筒部分を形成している前記上流側部分と前記下流側部分とのそれぞれが、前記配管と対向する内周面と、前記外筒部分と対向する外周面とを有し、これら両周面のうちの少なくとも前記外周面は、前記配管の中心軸と斜めに交差する方向へ延びている態様。
前記上流側永久磁石には前記上流側から追加の第1永久磁石が重ねられ、前記下流側永久磁石には前記下流側から追加の第2永久磁石が重ねられ、重ねられた前記上流側永久磁石と前記第1永久磁石との間、および重ねられた前記下流側永久磁石と前記第2永久磁石との間ではN極とS極とが対向している態様。
前記検出器が増幅器に電気的に接続され、前記増幅器が磁気センサに磁気的に接続され、前記磁気センサが信号処理部に電気的に接続されていて、前記信号処理部では前記検出器において前記磁性金属異物の検出のあったことを表示可能である態様。
10 検出器
11 被検査物
16 配管
22 検出コイル
22a コイル(上流側コイル)
22b コイル(下流側コイル)
23 永久磁石
23a−23e 永久磁石(第1−第5 永久磁石)
30 ヨーク
30a 外筒部分
30b 内筒部分
31 上流側部分
32 下流側部分
40 増幅器
50 信号処理部
A 流れ方向
C 中心軸
11 被検査物
16 配管
22 検出コイル
22a コイル(上流側コイル)
22b コイル(下流側コイル)
23 永久磁石
23a−23e 永久磁石(第1−第5 永久磁石)
30 ヨーク
30a 外筒部分
30b 内筒部分
31 上流側部分
32 下流側部分
40 増幅器
50 信号処理部
A 流れ方向
C 中心軸
Claims (9)
- 非磁性体で形成された配管の中を上流側から下流側へ向かう流れ方向に沿って移動する被検査物に含まれた磁性金属異物を検出するための検出器であって、
前記配管を囲む環状の検出コイルと、
前記配管の内側において静磁場の磁力線が前記流れ方向へ向くように前記流れ方向にN極とS極とを位置させた状態で前記配管を囲む環状の永久磁石とを有し、
前記検出コイルと前記永久磁石とは、前記配管の径方向において、前記検出コイルが内側となり、前記永久磁石が外側となるように重なり合っていることを特徴とする前記検出器。 - 前記検出コイルが右巻きコイルと前記右巻きコイルに接続する左巻きコイルとによって形成されている差動型の検出コイルである請求項1記載の検出器。
- 前記永久磁石が前記流れ方向において互いのN極とS極とが対向するように配置された複数の環状の永久磁石である請求項1記載の検出器。
- 前記検出コイルは、磁性体で形成されていて前記配管と同軸の筒状体を形成しているヨークによって覆われた状態にあり、
前記ヨークは、外筒部分と前記外筒部分の内側に位置する内筒部分とを有し、これら両部分は前記ヨークにおける前記上流側の端部と前記下流側の端部とのそれぞれにおいて連結されており、
前記外筒部分は前記配管に並行して延びていて前記配管の径方向において前記検出コイルの外側に位置する一方、前記内筒部分は前記流れ方向において互いに離間するように上流側部分と下流側部分とに二分されていて、前記上流側部分と前記下流側部分との間に前記検出コイルが位置しており、
前記永久磁石が前記ヨークの形成する前記筒状体の一部分となるように前記ヨークに組み込まれている請求項1−3のいずれかに記載の検出器。 - 前記永久磁石は、N極とS極とが対向するように前記流れ方向において離間する環状の上流側永久磁石と環状の下流側永久磁石とであって、前記上流側永久磁石と前記下流側永久磁石のそれぞれは、前記流れ方向において前記ヨークの前記外筒部分に組み込まれている請求項4記載の検出器。
- 前記上流側永久磁石が前記内筒部分における前記上流側部分に組み込まれていて、前記下流側永久磁石が前記内筒部分における前記下流側部分に組み込まれている請求項4記載の検出器。
- 前記配管の前記流れ方向における断面では、前記内筒部分を形成している前記上流側部分と前記下流側部分とのそれぞれが、前記配管と対向する内周面と、前記外筒部分と対向する外周面とを有し、これら両周面のうちの少なくとも前記外周面は、前記配管の中心軸と斜めに交差する方向へ延びている請求項4−6のいずれかに記載の検出器。
- 前記上流側永久磁石には前記上流側から追加の第1永久磁石が重ねられ、前記下流側永久磁石には前記下流側から追加の第2永久磁石が重ねられ、重ねられた前記上流側永久磁石と前記第1永久磁石との間、および重ねられた前記下流側永久磁石と前記第2永久磁石との間ではN極とS極とが対向している請求項4−7のいずれかに記載の検出器。
- 前記検出器が増幅器に電気的に接続され、前記増幅器が磁気センサに磁気的に接続され、前記磁気センサが信号処理部に電気的に接続されていて、前記信号処理部では前記検出器において前記磁性金属異物の検出のあったことを表示可能である請求項1−8のいずれかに記載の検出器。
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