JP2015032732A - 半導体装置製造用部材及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細化及び高密度化の要求が高い三次元対応の半導体装置製造用部材及び本部材を用いて充分に効率よく、低コストに製造するための半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】支持体1上に仮固定層2を形成する工程と、仮固定層2上に金属層を形成する工程と、金属層上に感光性樹脂層を形成後、当該層に対して露光及び現像処理を施して感光性樹脂からなるパターンを形成し、金属層の一部を露出する工程と、エッチングにより金属層の一部を除去し、仮固定層2の一部を露出する工程と、仮固定層2上に能動面が仮固定層2に貼り合わさるように半導体素子を固定する工程と、半導体素子の少なくとも一部を覆うように、封止樹脂で封止する工程と、封止樹脂の少なくとも一部を除去し、金属層の一部3aを露出する工程と、支持体1を除去する工程と、仮固定層2を除去する工程と、仮固定層2を除去した面に対して再配線層を形成する工程とを備える。【選択図】図5
Description
本発明は、微細化及び高密度化の要求が高い三次元対応の半導体パッケージを充分に効率よく、低コストに製造するための半導体装置製造用部材及び半導体装置の製造方法に関する。
代表的な三次元半導体パッケージとして、ロジック系パッケージの上にメモリ系パッケージを積層するパッケージ・オン・パッケージがある。パッケージ・オン・パッケージは文字通り、パッケージ上にパッケージを積層するため、実装密度を高くできることから、スマートフォンやタブレット端末に広く採用されており、高速化・高機能化の必須アイテムとなっている。
ところで、パッケージ・オン・パッケージは上下のパッケージを電気的に接続する必要がある。従来、下段のパッケージは基板上に半導体素子をフリップチップ実装しただけの単純な構造であり、上段のパッケージをはんだボールを介して接続すれば良かった。
しかしながら、近年の軽薄短小化の要求から、下段のパッケージの反りが増大し、上段パッケージとの接続を確保することが困難になってきている。そこで、下段パッケージの半導体素子を封止材で封止し、パッケージ反りを抑制する構造が提案され、実用化されている(例えば非特許文献1〜2参照)。
Application of Through Mold Via (TMV) as PoP Base Package, Electronic Components and Technology Conference (ECTC), 2008
Advanced Low Profile PoP Solution with Embedded Wafer Level PoP (eWLB−PoP) Technology, ECTC, 2012
非特許文献1〜2に記載されている半導体パッケージは、封止材にレーザーによりビアを設けるため、ビアを介して上下段パッケージを電気的に接続することができる。
図14は、従来の下段パッケージの製造方法を示す図である。図14(h)に示す下段パッケージ100Aは基板、半導体素子、アンダーフィル材、封止材などで構成される。下段パッケージ100Aは、これら部材を用いて組み立てることによって得られる。
下段パッケージ100Aは、まず、コア基材111の両面に配線パターン112を形成する(図14(a)参照)。配線パターン112は銅箔をエッチングしても良いし、セミアディティブのプロセスで形成しても良い。次いで、層間絶縁層113を両面に形成し、ビア開口114及び配線パターンを形成する(図14(b)参照)。層間絶縁層113はガラスクロスに樹脂を含浸させたプリプレグでも良いし、ガラスクロスを含まない、いわゆるビルドアップ材でも構わない。ビア開口114はYAGレーザーや炭酸ガスレーザーを用いて行われる。次いで、両面に液状またはフィルム状のソルダーレジストを形成し、所定箇所を露光及び現像処理により開口する(図14(c)参照)。このようにして下段パッケージ用プリント配線板110を作製する。次いで、バンプ付き半導体素子120をプリント配線板110に実装する(図14(d)参照)。次いで、アンダーフィル材130をバンプ付き半導体素子120と、プリント配線板110の間に含浸させる(図14(e)参照)。アンダーフィル材130は液状の先塗布、または後入れタイプでも良いし、バンプ付き半導体素子120、またはプリント配線板110に予めフィルムで貼り付けられた先供給タイプでも構わない。次いで、半導体素子120を覆うように封止材140で封止する(図14(f)参照)。その後、封止材140に炭酸ガスレーザーを用いて封止開口141を設ける(図14(g)参照)。次いで、封止開口141にはんだや金属材料である接続材料142を供給する(図14(h)参照)。このようにして、下段パッケージ100Aを作製することができる。
このようにして得られた下段パッケージ100Aは、対応する箇所に封止開口141が形成されているため、上段パッケージを下段パッケージに載せて電気的に接続を確保することができる。しかしながら、このような方法で製造された下段パッケージ100Aは、製造方法が複雑で、多くの構成材料が必要であること、レーザー等の設備導入が必要であること、レーザーによって開口するため残渣が残りやすいこと、上段パッケージと接続する際に酸化物の除去に多くのフラックス材や活性の強いフラックス材が必要となり、その量や種類が適切でないと接続不良を生じ易いこと、等の問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、微細化及び高密度化の要求が高い三次元対応の半導体装置製造用部材を提供することを目的とする。また、本部材を用いて充分に効率よく、低コストに製造するための半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも仮固定層と金属層とが一体であることを特徴とする半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明は、少なくとも仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体であることを特徴とする半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明は、少なくとも支持体と仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体であることを特徴とする半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明は、仮固定層と貼り合わせる金属層の表面粗さRaが0.2μm以下である、上記の半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明は、金属層の厚みが5〜200μmである、上記の半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明は、少なくとも仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体であることを特徴とする半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明は、少なくとも支持体と仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体であることを特徴とする半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明は、仮固定層と貼り合わせる金属層の表面粗さRaが0.2μm以下である、上記の半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明は、金属層の厚みが5〜200μmである、上記の半導体装置製造用部材に関する。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、以下のとおりである。
(I)支持体上に仮固定層を形成する工程と、
(II)仮固定層上に金属層を形成する工程と、
(III)金属層上に感光性樹脂層を形成後、当該層に対して露光処理及び現像処理を施して感光性樹脂からなるパターンを形成し、金属層の一部を露出する工程と、
(IV)エッチングにより金属層の一部を除去し、仮固定層の一部を露出する工程と、
(V)仮固定層上に半導体素子を、当該半導体素子の能動面(回路面)が仮固定層に貼り合わさるように配置し、仮固定層に固定する工程と、
(VI)半導体素子の少なくとも一部を覆うように、熱硬化性、熱可塑性、または感光性の封止樹脂で封止する工程と、
(VII)封止樹脂の少なくとも一部を除去し、金属層の一部を露出する工程と、
(VIII)支持体を除去する工程と、
(IX)仮固定層を除去する工程と、
(X)仮固定層を除去した面に対して再配線層を形成する工程と、を備える。
(I)支持体上に仮固定層を形成する工程と、
(II)仮固定層上に金属層を形成する工程と、
(III)金属層上に感光性樹脂層を形成後、当該層に対して露光処理及び現像処理を施して感光性樹脂からなるパターンを形成し、金属層の一部を露出する工程と、
(IV)エッチングにより金属層の一部を除去し、仮固定層の一部を露出する工程と、
(V)仮固定層上に半導体素子を、当該半導体素子の能動面(回路面)が仮固定層に貼り合わさるように配置し、仮固定層に固定する工程と、
(VI)半導体素子の少なくとも一部を覆うように、熱硬化性、熱可塑性、または感光性の封止樹脂で封止する工程と、
(VII)封止樹脂の少なくとも一部を除去し、金属層の一部を露出する工程と、
(VIII)支持体を除去する工程と、
(IX)仮固定層を除去する工程と、
(X)仮固定層を除去した面に対して再配線層を形成する工程と、を備える。
上記製造方法の特徴は、上段パッケージと電気的に接続するための導体を、先に一括形成するところと、仮固定層に導体形成と半導体素子の仮固定の機能を兼備させたところにある。かかる方法によれば、図14に示した従来の下段パッケージの製造方法と比較して、下段パッケージを充分に効率的に形成できる。なお、本発明に用いる感光性樹脂層は金属層をエッチング後にはく離液等によって除去しても良いし、封止後に封止樹脂を除去する際に感光性樹脂層を除去しても構わない。
上記製造方法において、仮固定層と金属層とが一体であることが好ましい。更には、仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体であることが好ましい。さらには、支持体と仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体であることが好ましい。この場合、支持体は特に限定するものではないが、ガラスクロスに樹脂を含浸させたガラスクロス入りコア基材やSUS板が好ましい。支持体の厚みは0.4mm以上、3.0mm以下が好ましい。0.4mmより薄いと変形し易い傾向にあり、3.0mmより厚いとSUS板の場合に重くなるためハンドリングし難い傾向にある。
上記製造方法において、(IV)の後、(V)の前に感光性樹脂層をはく離する工程を備えることが好ましい。
また、上記製造方法において、工程(VII)の封止樹脂が、機械研磨、化学機械研磨、またはプラズマ処理によって除去されることが好ましい。
また、上記製造方法において、工程(VII)の封止樹脂が、機械研磨、化学機械研磨、またはプラズマ処理によって除去されることが好ましい。
本発明の半導体装置は、上記材料を用いた半導体装置であり、予め上段パッケージと電気的に接続するための金属ポストを仮固定層に形成した半導体装置を提供する。
本発明により、微細化及び高密度化の要求が高い三次元対応の半導体装置製造用部材を提供することが可能となった。また、本部材を用いて充分に効率よく、低コストに製造するための半導体装置の製造方法を提供することが可能となった。
本発明によれば、微細化及び高密度化の要求が高い三次元対応の半導体装置を充分に効率的に製造できる。
本発明によれば、微細化及び高密度化の要求が高い三次元対応の半導体装置を充分に効率的に製造できる。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
ここでは、図13に示す外部接続用の金属ポストを設けた半導体装置100を製造する方法について説明する。なお、本発明の半導体装置の製造方法は、微細化及び多ピン化が必要とされる形態において特に好適である。特に、本発明の製造方法は、eWLB(embeded Wafer Level Ball Grid Array)を三次元化する形態において好適である。
図1から図13を参照しながら、半導体装置製造用部材及び半導体装置100の製造方法について説明する。
本実施形態の半導体装置製造用部材は、少なくとも仮固定層と金属層とが一体である。また、本実施形態の半導体装置製造用部材は、少なくとも仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体である。また、本実施形態の半導体装置製造用部材は、少なくとも支持体と仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体である。
まず、本実施形態の半導体装置製造用部材の作製法としては、支持体1の表面に仮固定層2を形成する(図1参照)。支持体1は特に限定されるものではないが、樹脂を含浸させたガラスクロス入り基板やSUS板などが好適である。寸法精度の観点から、支持体1の熱膨張係数は、好ましくは15ppm/℃以下、更に好ましくは10ppm/℃以下が好適である。支持体1の外形については、円形でも四角でも構わない。厚みは0.4mm以上、3.0mm以下が好ましい。0.4mmより薄いと変形し易い傾向にあり、3.0mmより厚いとSUS板の場合に重くなるためハンドリングし難い傾向にある。
前記支持体1である、樹脂を含浸させたガラスクロス入り基板(又は、樹脂含浸のガラスクロス入り基材)やSUS板などは、支持用材料としても、使用可能である。そして、前記支持用材料は、半導体装置の製造方法、あるいは、半導体装置に使用される。
仮固定層2についても特に限定するものではなく、市販のもので構わないが、作業性、安全性、環境保全の観点から、薬液を使用しない熱はく離タイプのものが好ましい。次いで、仮固定層2の表面に金属層3を形成する(図2参照)。
市販の熱はく離タイプの仮固定層2としては、例えば、リバアルファ(日東電工株式会社製商品名)、ソマタックTE(ソマール株式会社製商品名)等が挙げられる。
また、本実施形態の仮固定フィルムは、仮固定用樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥して得られる。なお、仮固定用樹脂組成物としては、前記の仮固定層2に使用される樹脂組成物が好適である。具体的には、仮固定用樹脂組成物として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂組成物が使用できる。これらは、単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
さらに、はく離性を高めるために、上記の樹脂組成物に離型剤を添加しても良い。具体的には、長鎖アルキル系離型剤、シリコーン系離型剤、フッ素系離型剤が使用できる。これらは、単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
金属層3の材質は、銅に限定されない。金属層3の形態は、金属箔でも金属板でも構わない。なお、金属層3の厚みは、作業性の点から、5〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましく、30〜150μmがさらに好ましい。
また、仮固定層2に貼り付けられる金属層3の表面粗さ(Ra)は、0.2μm以下が好ましい。0.2μmより大きくなると、仮固定層2から剥がれやすくなり、その後の工程で配線を形成できなくなるおそれがある。
前記表面粗さ(Ra)については、表面粗さ計(株式会社小坂研究所製 サーフコーダーSE−2300)を用いて、走査長さは1.0mmの条件で、測定した。
次いで、本実施形態の半導体装置製造用部材の作製法としては、金属層3の表面に感光性樹脂層4を形成する(図3参照)。感光性樹脂層4は液状でもフィルム状でも構わない。液状の場合は、印刷やスピンコータで形成できる。フィルム状の場合はラミネートによって形成できる。市販品である、Photec H−7025、Photec RY−3525(以上、日立化成株式会社製商品名、「Photec」は登録商標)等が、感光性樹脂層4として、使用できる。
また、本実施形態の感光性ドライフィルムレジストは、感光性樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥して得られる。また、例えば、感光性ドライフィルムレジストとして、前記のPhotec H−7025、Photec RY−3525(以上、日立化成株式会社製商品名)等が挙げられる。
また、本実施形態の感光性ドライフィルムレジストは、感光性樹脂組成物を支持体上に塗布、乾燥して得られる。また、例えば、感光性ドライフィルムレジストとして、前記のPhotec H−7025、Photec RY−3525(以上、日立化成株式会社製商品名)等が挙げられる。
次いで、マスクパターンを通して活性光線を照射することにより、感光性樹脂層4の所定部分を露光し、光硬化させる((III)工程の露光処理)。活性光線の光源としては、公知の光源を用いることができるが、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線を有効に放射するものを使用できる。また、直接描画方式のダイレクトレーザ露光を用いてもよい。露光量は使用する装置や感光性樹脂組成物の組成によって異なるが、好ましくは10mJ/cm2〜600mJ/cm2であり、より好ましくは20mJ/cm2〜400mJ/cm2である。露光量が10mJ/cm2未満であると光硬化が不充分となりやすく、他方、600mJ/cm2を超えると光硬化が過剰となり、第一の層の開口形状を安定して得ることが困難となる傾向となる。
次いで、現像により露光部以外の感光性樹脂層4を除去することで、図4に示すように感光性樹脂層4のパターン4aを形成する((III)工程の現像処理)。感光性樹脂層4のパターン4aは、後述の除去処理((VII)工程)によって除去されるか、または金属層をエッチング後((IV)工程)にはく離液等によって除去される。現像処理に用いる現像液としては、例えば、20℃〜50℃の炭酸ナトリウムの希薄溶液(1〜5質量%水溶液)等のアルカリ現像液が用いられ、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング及びスクラッピング等の公知の方法により現像する。これにより所定の感光性樹脂層4のパターン4aが形成される。
感光性樹脂層4の厚さは、好ましくは2μm〜50μmであり、より好ましくは5μm〜25μmである。感光性樹脂層4の厚さが50μmより厚い場合、後述の除去処理((VII)工程)に時間がかかる傾向にある。他方、厚さが2μm未満のフィルムは作製しにくいという事情がある。
現像処理後、図5に示すように、エッチングにより金属層3の一部を除去し、仮固定層4の一部を露出する((IV)工程)。エッチング処理に用いるエッチング液としては、金属層3の種類によって選択される。例えば、金属層3が銅の場合、塩化鉄と塩酸の混合水溶液や、塩化銅と塩酸の混合水溶液が一般的に用いられ、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング及びスクラッピング等の公知の方法によりエッチングする。これにより所定の金属層3のパターン3aが形成される。
次いで、図6に示すように、半導体素子5を仮固定層2の上に配置する((V)工程)。この際、半導体素子5の能動面(素子表面)が仮固定層2と貼り合わさるように配置する。半導体素子5の配置には、市販のダイポンダーやフリップチップボンダーを用いることができる。
次いで、図7に示すように、半導体素子5の少なくとも一部を覆うように、封止樹脂6で封止する((VI)工程)。封止樹脂6は熱硬化性、熱可塑性、または感光性のいずれでも構わないが、耐熱性やその他の信頼性から熱硬化性が好ましい。封止樹脂6の形態は液状、顆粒状、フィルム状のいずれでも構わない。封止には、市販のトランスファー封止成型機やコンプレッション封止成型機を用いることができる。封止樹脂6は所定条件で熱硬化、またはポストUV硬化することができる。
封止樹脂6の厚さは、好ましくは25μm〜500μmであり、より好ましくは100μm〜300μmである。封止樹脂6の厚さが500μmより厚い場合、その後の除去工程に時間がかかる傾向にある。他方、厚さが25μm未満の場合、半導体素子5も薄くする必要があり、半導体素子5を仮固定層2に配置する際や、封止樹脂6で半導体素子5を封止する際に半導体素子5が割れやすくなる傾向にある。
次いで、図8に示すように、封止樹脂6の表面を研削して感光性樹脂層4のパターン4a、さらには金属層3のパターン3aを露出させる((VII)工程)。パターン4a及び3aの露出は、後述のデスミア処理やプラズマ処理によって実施してもよいし、封止樹脂6が厚い場合にはサンドブラストや研磨(機械研磨や化学機械研磨(CMP)等)によって実施してもよい。また、これら除去処理を組み合わせて行っても良い。研磨処理を実施する場合、具体的には、研磨機やグラインダー等の装置を用いて、紙や布等に研磨材を接着した研磨布紙やサンドペーパーで研削する。特に、研磨材は限定するものではないが、溶融アルミナ、炭化ケイ素等の人造研磨材やガーネットやエメリー等の天然研磨材が利用される。特に、砥粒の粒度は限定するものではないが、表面に傷が残らないように、最後には#1500以上で研削するのが望ましい。また、セラミックロールを用いた研削手法を用いて行っても良い。更に、この研磨工程と後述のデスミア工程やプラズマ工程は各々個別の装置で行っても良いし、これら工程を一連の工程として組み込んだ装置で行っても良い。
デスミア処理やプラズマ処理、または研磨処理によってパターン4aを露出させた後、デスミア処理やプラズマ処理によってパターン3aを除去し、図8に示すように、金属層3の表面を露出させる((VII)工程)。このとき、半導体素子5の受動面(裏面)を露出しても構わない。上記デスミア処理は、例えば、過マンガン酸ナトリウム液、水酸化ナトリウム液、過マンガン酸カリウム液、クロム液、硫酸等の混合液に被処理基板を浸漬することによって実施できる。具体的には、熱湯や所定の膨潤液を用いて被処理基板を膨潤処理した後、過マンガン酸ナトリウム液等で残渣等を除去し、還元(中和)を行った後、水洗、湯洗、乾燥を行う。1回の処理を行っても充分に除去できない場合は複数回処理を行ってもよい。なお、デスミア処理は上記のものに限定されない。また、デスミア処理後に、再度、封止樹脂6の熱硬化を行ってもよい。用いる封止樹脂6によっても効果は異なるが、熱硬化させることで、ガラス転移温度を上げることができるだけでなく、低熱膨張化を図ることができるからである。上記プラズマ処理は、例えば、アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス、モノシランガス、酸素ガス、水素ガス、塩素ガスといった活性及び不活性ガスを用いることができる。また、これらを併用することもできる。プラズマ処理装置としては、バレル型や平行平板型のプラズマ処理装置を用いることができる。尚、プラズマ処理の出力、流量、処理時間は適宜選択することができる。
次いで、図9に示すように、支持体1を除去する((VIII)工程)。次いで、図10に示すように、仮固定層2を除去する((IX)工程)。これら除去は熱板上で行うことができる。用いる仮固定層2の特性によって、除去の条件は異なるが、一般的に150℃〜250℃の熱板上で容易に除去できる。
次いで、図11に示すように、半導体素子5の能動面に再配線層7、及び配線パターン8を形成する((X)工程)。再配線層7に用いる材料は感光性でも熱硬化性でも構わない。また、液状でもフィルム状でも構わない。液状の感光性材料を用いる場合は、スピンコータで半導体素子5の能動面に所定の厚みを形成し、その後、露光、現像処理により所定のパターンを形成する。その後、無電界めっきやスパッタ処理等によりシード層を形成する。その後、配線形成用レジストを形成し、露光、現像処理によりパターンを形成する。次いで、電界めっきにより配線パターンを形成する。次いで、レジストをはく離し、シード層を除去する。その後、感光性材料で再配線層7を形成する。多層化が必要な場合はこれらサイクルを再度繰り返すことができる。無電解銅めっき法によりシード層を形成する場合、シード層の厚さは特に制限はないが、通常0.1μm〜1.0μmが好ましく使用される。配線パターン8を形成する前にシード層を形成することにより、電解銅めっき法が可能となり、選択的に配線パターンを形成することができる。シード層の形成は無電解銅めっき法の他に、スパッタ法によっても形成できる。ターゲットは適宜選択できるが、Ti/Cuが一般的である。TiやCuの厚みは特に制限はないが、Tiで20nm〜100nm、Cuで100nmから500nm程度が好適である。最外層の電極には市販の無電解ニッケル/金めっき液等を用いてめっき処理を施すこともできる。次いで、図12に示すように、電極にはんだボールを搭載する。はんだボールの搭載は市販のN2リフロー装置等を用いて容易に行うことができる。最後に、図13に示すように、個片化することで、半導体装置100を得ることができる。
上記の半導体装置100は微細化及び多ピン化が必要とされる形態において特に好適である。特に、本発明の製造方法は、eWLB(embeded Wafer Level Ball Grid Array)を三次元化する形態において好適である。
次に、上述の半導体装置100の製造に用いられる感光性樹脂層及び封止樹脂について詳細に説明するが、本発明はこれらの樹脂組成に限定されるものではない。
半導体装置100の製造に用いる感光性樹脂層は、特に限定するものではないが、以下のものが好適である。すなわち、感光性樹脂層の形成に好適な感光性樹脂組成物は、
(a)バインダーポリマーと、
(b)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物と、
(c)光重合開始剤と、
を含有する、ことが好ましい。これは、第一の感光性樹脂組成物及び第二の感光性樹脂組成物のいずれにも該当する。
(a)バインダーポリマーと、
(b)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物と、
(c)光重合開始剤と、
を含有する、ことが好ましい。これは、第一の感光性樹脂組成物及び第二の感光性樹脂組成物のいずれにも該当する。
感光性樹脂組成物は、(d)無機フィラーを含まないことが好ましい。この場合、現像後の解像度が向上し、微細なパターンを形成でき、デスミア処理ではく離した後の開口部側面が平滑になる傾向にある。なお、感光性樹脂組成物に、(d)無機フィラーを含む場合は、最大粒径が5μm以下、平均粒径が1μm以下であることが好ましい。
上記(a)バインダーポリマー(以下、便宜的に「(a)成分」という場合がある)としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミド系樹脂、アミドエポキシ系樹脂、アルキド系樹脂、及びフェノール系樹脂等が挙げられる。アルカリ現像性の観点からは、アクリル系樹脂が好ましい。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。(a)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。
上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のα−位若しくは芳香族環において置換されている重合可能なスチレン誘導体、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド、アクリロニトリル及びビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(a)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましく、中でもメタクリル酸がより好ましい。
上記(a)バインダーポリマーのカルボキシル基含有量(使用する全重合性単量体に対するカルボキシル基を有する重合性単量体の割合)は、アルカリ現像性とアルカリ耐性のバランスの見地から、好ましくは12〜50質量%であり、より好ましくは12〜40質量%であり、更に好ましくは15〜30質量%であり、特に好ましくは15〜25質量%である。このカルボキシル基含有量が12質量%未満では、アルカリ現像性が劣る傾向があり、50質量%を超えるとアルカリ耐性が劣る傾向がある。
(a)バインダーポリマーの重量平均分子量は、機械強度及びアルカリ現像性のバランスの見地から、好ましくは20,000〜300,000であり、より好ましくは40,000〜150,000であり、更に好ましくは50,000〜120,000である。重量平均分子量が、20,000未満では耐現像液性が低下する傾向があり、300,000を超えると現像時間が長くなる傾向がある。なお、本実施形態において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定され、標準ポリスチレンを用いて作成した検量線により換算された値とする。
(b)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物(以下、便宜的に「(b)成分」という)としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ビスフェノールA系(メタ)アクリレート化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシブタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシオクタエチレンオキシ(メタ)アクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシエチル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシプロピル−β´−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
(b)成分の含有量は、光感度及び解像性のバランスの見地から、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、好ましくは10〜40質量部であり、より好ましくは20〜30質量部である。
上記(c)成分の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N´−テトラメチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4´−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3ーベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1ークロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、及び2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、及びベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、及びエチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、及び9,10−ジペントキシアントラセン等の置換アントラセン類、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、及び2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、クマリン系化合物、オキサゾール系化合物、ピラゾリン系化合物等が挙げられる。ここで、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。また、密着性及び感度のバランスの見地から、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体がより好ましい。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
上記(a)バインダーポリマーの含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、好ましくは30〜80質量部であり、より好ましくは40〜75質量部であり、更に好ましくは50〜70質量部である。(a)成分の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の塗膜性及び光硬化物の強度がより良好となる。上記(b)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光重合性化合物の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、好ましくは20〜60質量部であり、より好ましくは30〜55質量部であり、更に好ましくは35〜50質量部である。(b)成分の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の光感度及び塗膜性がより良好となる。
上記(c)光重合開始剤の含有量は、(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜30質量部であり、より好ましくは0.1〜20質量部であり、更に好ましくは0.2〜10質量部である。(c)成分の含有量がこの範囲であると、感光性樹脂組成物の光感度及び内部の光硬化性がより良好となる。
感光性樹脂組成物は、(d)無機フィラーを充填しないフィラーレスであることが好ましいが、少量であれば充填しても構わない。(d)無機フィラーを少量充填することで、収縮量が小さくなるとともに、剛性が高くなり、厚さ寸法精度を向上させることができる。しかしながら、感光性樹脂組成物の総量100質量部に対して5質量部を超えて充填した場合、解像性が著しく低下するため、(d)無機フィラーを充填する場合は、充填量が感光性樹脂組成物の総量100質量部に対して5質量部未満とすることが好ましい。
(d)無機フィラーとしては、例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、粉状酸化珪素、無定形シリカ、タルク、クレー、焼成カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、雲母粉等の無機充填剤が使用できる。特に好ましくは、シリカフィラーで一次粒径のまま、凝集することなく樹脂中に分散させるために、シランカップリング剤を用いたものが望ましい。(d)無機フィラーの最大粒径は、好ましくは2μm以下であり、より好ましくは1μm以下である。また、(d)無機フィラーの平均粒径は、解像度の観点から、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。
また、感光性樹脂組成物には、必要に応じて、マラカイトグリーン、ビクトリアピュアブルー、ブリリアントグリーン、及びメチルバイオレット等の染料、トリブロモフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット、ジフェニルアミン、ベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジエチルアニリン、o−クロロアニリン及びターシャリブチルカテコール等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤、重合禁止剤等を(a)成分及び(b)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部含有することができる。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60質量%の溶液として塗布することができる。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用される。
感光性樹脂組成物には、特に制限はないが、金属面、例えば、銅、銅系合金、ニッケル、クロム、鉄、ステンレス等の鉄系合金、好ましくは銅、銅系合金、鉄系合金の表面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
感光性エレメントの形態とは、支持体と、該支持体上に上記感光性樹脂組成物の溶液を均一に塗布、乾燥して形成された感光性樹脂組成物層(樹脂層)とを備えるものであり、感光性樹脂組成物の層上にはそれを被覆する保護フィルムをさらに備えていてもよい。支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリエステル等の耐熱性及び耐溶剤性を有する重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得られる。透明性の見地からは、ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
半導体装置100の製造に用いる熱硬化性樹脂組成物は、特に限定するものではないが、フィルムタイプの封止樹脂については、以下のものが好適である。すなわち、封止樹脂層の形成に好適な熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも一種を含む樹脂組成物と、最大粒径が5μm以下であり、且つ平均粒径が1μm以下である無機フィラーと、を含むことが好ましい。
エポキシ樹脂としては、分子内に1つ以上のグリシジル基を有するエポキシ樹脂が好ましい。無機フィラーの充填量は、好ましくは0〜90質量%の範囲、より好ましくは20〜70質量%の範囲、更に好ましくは30〜60質量%である。
エポキシ樹脂は、2個以上のグリシジル基を持つエポキシ樹脂ならば、すべて使用することができるが、好適には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールSジグリシジルエーテル等のビスフェノールS型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビキシレノールジグリシジルエーテル等のビキシレノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールAグリシジルエーテル等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び、それらの二塩基酸変性ジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等であり、単独、又は二種以上組み合わせて用いることができる。
市販のエポキシ樹脂としては、DIC株式会社製EXA4700(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、日本化薬株式会社製NC−7000(ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のナフタレン型エポキシ樹脂;日本化薬株式会社EPPN−502H(トリスフェノールエポキシ樹脂)等のフェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物(トリスフェノール型エポキシ樹脂);DIC株式会社製エピクロンHP−7200H(ジシクロペンタジエン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のジシクロペンタジエンアラルキル型エポキシ樹脂;日本化薬株式会社製NC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂;DIC株式会社製エピクロンN660、エピクロンN690、日本化薬株式会社製EOCN−104S等のノボラック型エポキシ樹脂;日産化学工業株式会社製TEPIC等のトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、DIC株式会社製エピクロン860、エピクロン900−IM、エピクロンEXA―4816、エピクロンEXA−4822、旭チバ株式会社製アラルダイトAER280、東都化成株式会社製エポトートYD−134、ジャパンエポキシレジン株式会社製JER834、JER872、住友化学工業株式会社製ELA−134等のビスフェノールA型エポキシ樹脂;DIC株式会社製エピクロンHP−4032等のナフタレン型エポキシ樹脂;DIC株式会社製エピクロンN−740等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールとサリチルアルデヒドの縮合物のエポキシ樹脂;日本化薬株式会社製EPPN−500シリーズ等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は各々単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エポキシ樹脂の中でも、銅との密着性や絶縁性に優れる点で、日本化薬株式会社製NC−3000H(ビフェニル骨格含有多官能固形エポキシ樹脂)等のビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が好ましく、また、架橋密度が高く、高Tgが得られる点で、日本化薬株式会社製EPPN−500シリーズを用いることがより好ましい。
上記エポキシ樹脂の含有量は、無機フィラー成分を除く樹脂成分100質量部に対して、30〜90質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましい。
エポキシ樹脂と組み合わせる硬化剤としては、従来公知の各種エポキシ樹脂硬化剤もしくはエポキシ樹脂硬化促進剤を配合することができる。例えば、フェノール樹脂、イミダゾール化合物、酸無水物、脂肪族アミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、第3級アミン、ジシアンジアミド、グアニジン類、又はこれらのエポキシアダクトやマイクロカプセル化したもののほか、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウム、テトラフェニルボレート等の有機ホスフィン系化合物、DBUもしくはその誘導体等、硬化剤もしくは硬化促進剤の如何に拘らず、公知慣用のものを単独であるいは二種以上組み合わせて使用することができる。エポキシ樹脂の硬化を進行させれば特に限定されないが、具体的には、4,4´−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、トリメチレンビス(4−アミノベンゾエート)、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、9,9´−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等を例示でき、単独、又は二種以上組み合わせて用いることができる。
シアネートエステル樹脂は、加熱によりトリアジン環を繰り返し単位とする硬化物を生成する樹脂であり、硬化物は誘電特性に優れるため、特に高周波特性が要求される場合などに用いられることが多い。シアネートエステル樹脂としては、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナトフェニル)エタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−シアナトフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、α,α´−ビス(4−シアナトフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、フェノールノボラック及びアルキルフェノールノボラックのシアネートエステル化物等が挙げられる。その中でも、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパンは硬化物の誘電特性と硬化性のバランスが特に良好であり、コスト的にも安価であるため好ましい。またシアネートエステル化合物は、一種類を単独で用いてもよく、二種類以上を混合して用いてもよい。また、ここで用いられるシアネートエステル化合物は予め一部が三量体や五量体にオリゴマー化されていても構わない。さらに、シアネート樹脂に対して硬化触媒や硬化促進剤を入れても良い。硬化触媒としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等の金属類が用いられ、具体的には、2−エチルヘキサン酸塩、ナフテン酸塩、オクチル酸塩等の有機金属塩及びアセチルアセトン錯体などの有機金属錯体として用いられる。これらは、単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。硬化促進剤としてはフェノール類を使用することが好ましく、ノニルフェノール、パラクミルフェノールなどの単官能フェノールや、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどの二官能フェノールあるいはフェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの多官能フェノールなどを用いることができる。これらは、単独で使用しても良いし、二種類以上を混合して使用しても良い。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、分子構造中に少なくとも2個の不飽和N−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物を含有することが好ましい。具体的には、例えば、N,N´−エチレンビスマレイミド、N,N´−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N´−(1,3−フェニレン)ビスマレイミド、N,N´−[1,3−(2−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N´−[1,3−(4−メチルフェニレン)]ビスマレイミド、N,N´−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ケトン、ビス(4−マレイミドシクロヘキシル)メタン、1,4−ビス(4−マレイミドフェニル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(マレイミドメチル)ベンゼン、1,3−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、4,4−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、4,4−ビス(4−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]ケトン、2,2´−ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス(4−マレイミドフェニル)ジスルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−マレイミドフェノキシ)−3,5−ジメチル−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、ポリフェニルメタンマレイミド等が挙げられ、これらのマレイミド化合物は、単独で用いても二種類以上を混合して用いてもよい。
また、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂や各種カルボン酸含有樹脂をエポキシ樹脂と反応させる別な樹脂として使用しても良い。ポリアミドイミド樹脂としては、東洋紡株式会社製の「バイロマックスHR11NN」、「バイロマックスHR12N2」、「バイロマックスHR16NN」(商品名、「バイロマックス」は登録商標)等が挙げられる。カルボン酸含有樹脂としては、アクリル樹脂や酸変性エポキシアクリレート、酸含有ウレタン樹脂等が挙げられる。
上記硬化剤の含有量は、無機フィラー成分を除く樹脂成分100質量部に対して、5〜50質量部であることが好ましく、10〜40質量部であることがより好ましい。
無機フィラーとしては従来公知の全ての無機充填剤及び有機充填剤が使用でき、特定のものに限定されない。例えば、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、無定形シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、球状シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の体質顔料や、銅、錫、亜鉛、ニッケル、銀、パラジウム、アルミニウム、鉄、コバルト、金、白金等の金属粉体が挙げられる。
シリカフィラーを用いる場合は、フィラーで一次粒径のまま、凝集することなく樹脂中に分散させるために、シランカップリング剤を用いたものが望ましい。最大粒径は5μm以下であることが好ましく、更に1μm以下であることが望ましい。シランカップリング剤としては、一般的に入手可能なものを用いることができ、例えば、アルキルシラン、アルコキシシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、アミノシラン、アクリルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン、スルフィドシラン、イソシアネートシラン、サルファーシラン、スチリルシラン、アルキルクロロシラン等が使用可能である。
具体的な化合物名としては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリフェニルシラノール、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、n−オクチルジメチルクロロシラン、テトラエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、N−(1,3−ジメチルブチルデン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノシラン等がある。
無機フィラーの平均粒径は、好ましくは300nm以下であり、より好ましくは100nm以下である。無機フィラーの平均粒径が小さいほど、デスミア処理後の表面が平滑となり、その後のフリップチップ実装時にアンダーフィル材の充填性が良くなる傾向にある。無機フィラーの充填量は、好ましくは0〜90質量%であり、より好ましくは20〜70質量%であり、更に好ましくは30〜60質量%である。
以上、本発明に係る半導体装置の製造方法、感光性樹脂組成物、並びに熱硬化樹脂組成物の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
<仮固定フィルムの製造>
仮固定フィルムに使用する仮固定用樹脂組成物として、以下に示すものを調製した。
仮固定フィルムに使用する仮固定用樹脂組成物として、以下に示すものを調製した。
<仮固定用樹脂組成物の調製>
アクリルゴム(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−DR3)100質量部、硬化促進剤(四国化成工業株式会社製2PZ−CN)1質量部、シリコーン系離型剤(日立化成ポリマー株式会社製TA31−209E)20質量部、シクロヘキサノン200質量部を秤量及び攪拌し、仮固定用樹脂組成物を調製した。
アクリルゴム(ナガセケムテックス株式会社製HTR−860P−DR3)100質量部、硬化促進剤(四国化成工業株式会社製2PZ−CN)1質量部、シリコーン系離型剤(日立化成ポリマー株式会社製TA31−209E)20質量部、シクロヘキサノン200質量部を秤量及び攪拌し、仮固定用樹脂組成物を調製した。
<仮固定用フィルムの作製>
調製した仮固定用樹脂組成物を、離型処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、90℃10分間、120℃で30分間加熱乾燥して、基材フィルム付き仮固定用フィルムを得た。
調製した仮固定用樹脂組成物を、離型処理した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、90℃10分間、120℃で30分間加熱乾燥して、基材フィルム付き仮固定用フィルムを得た。
<半導体装置製造用部材の準備>
まず、支持体1として厚さ1.5mm、9インチサイズのSUS板を準備した。SUS板上に、前記<仮固定用フィルムの作製>で作製した仮固定フィルム(仮固定層2)をロールラミネーターで80℃にてラミネートした(図1参照)。次いで、金属層3として9インチサイズに加工した銅箔または銅板を仮固定層2上にラミネートした(図2参照)。銅箔については、厚さ35μm、70μmのものを、銅板については150μm、300μmのものを用いた。尚、銅箔については、シャイニー面とマット面があるため、それぞれラミネートした。次いで、感光性樹脂層4としてドライフィルムレジスト(日立化成株式会社 Photec H−7025)を用いて、ロールラミネーターにより、銅箔または銅板上にラミネートした(図3参照)。次いで、パターンを形成したフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製EXM‐1201型露光機を使用して、50mJ/cm2のエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、感光性樹脂層4を開口させて第一のパターン4aを形成した(図4参照)。
まず、支持体1として厚さ1.5mm、9インチサイズのSUS板を準備した。SUS板上に、前記<仮固定用フィルムの作製>で作製した仮固定フィルム(仮固定層2)をロールラミネーターで80℃にてラミネートした(図1参照)。次いで、金属層3として9インチサイズに加工した銅箔または銅板を仮固定層2上にラミネートした(図2参照)。銅箔については、厚さ35μm、70μmのものを、銅板については150μm、300μmのものを用いた。尚、銅箔については、シャイニー面とマット面があるため、それぞれラミネートした。次いで、感光性樹脂層4としてドライフィルムレジスト(日立化成株式会社 Photec H−7025)を用いて、ロールラミネーターにより、銅箔または銅板上にラミネートした(図3参照)。次いで、パターンを形成したフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製EXM‐1201型露光機を使用して、50mJ/cm2のエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、感光性樹脂層4を開口させて第一のパターン4aを形成した(図4参照)。
<銅のエッチング>
塩化第二鉄(30質量%)の水溶液を用いて、スプレー方式により銅をエッチングし、3aを形成し、仮固定層を露出させた(図5参照)。
塩化第二鉄(30質量%)の水溶液を用いて、スプレー方式により銅をエッチングし、3aを形成し、仮固定層を露出させた(図5参照)。
<半導体素子の実装>
7.3mm×7.3mmに加工した半導体素子を能動面(表面)が仮固定層に張り合わさるように実装した(図6参照)。実装にはフリップチップボンダーを用いた。半導体素子の厚みは25μm、50μm、80μm、130μm、280μmのものを用いた。
7.3mm×7.3mmに加工した半導体素子を能動面(表面)が仮固定層に張り合わさるように実装した(図6参照)。実装にはフリップチップボンダーを用いた。半導体素子の厚みは25μm、50μm、80μm、130μm、280μmのものを用いた。
<封止用フィルムの製造>
封止用フィルムに使用する熱硬化性樹脂組成物として、以下に示すものを調製した。
封止用フィルムに使用する熱硬化性樹脂組成物として、以下に示すものを調製した。
<熱硬化性樹脂組成物A>
エポキシ樹脂としては、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、製品名NC−3000H(日本化薬株式会社製)70質量部を用いた。
硬化剤の合成実施例1:温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−アミノフェニル)スルホン:26.40gと、2,2´−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:484.50gと、p−アミノ安息香酸:29.10g、及びジメチルアセトアミド:360.00gを入れ、140℃で5時間反応させて分子主鎖中にスルホン基を有し、酸性置換基と不飽和N−置換マレイミド基を有する硬化剤(A−1)の溶液を得た。本硬化剤を30質量部配合した。
エポキシ樹脂としては、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、製品名NC−3000H(日本化薬株式会社製)70質量部を用いた。
硬化剤の合成実施例1:温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−アミノフェニル)スルホン:26.40gと、2,2´−ビス[4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン:484.50gと、p−アミノ安息香酸:29.10g、及びジメチルアセトアミド:360.00gを入れ、140℃で5時間反応させて分子主鎖中にスルホン基を有し、酸性置換基と不飽和N−置換マレイミド基を有する硬化剤(A−1)の溶液を得た。本硬化剤を30質量部配合した。
無機フィラー成分としては、平均粒径が50nm、ビニルシランでシランカップリング処理したシリカフィラーを用いた。なお、無機フィラー成分は、樹脂分に対し、30質量%になるように配合した。分散状態は、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA−EX150」(日機装株式会社製)、及びレーザー回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装株式会社製)を用いて測定し、最大粒径が1μm以下となっていることを確認した。
<熱硬化性樹脂組成物B>
エポキシ樹脂としては、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、製品名NC−3000H(日本化薬株式会社製)70質量部を用いた。
硬化剤の合成実施例2:ジアミン化合物としてワンダミンHM(WHM)〔(4,4´−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン、新日本理化株式会社製、商品名、「ワンダミン」は登録商標〕52.7g、反応性官能基を有するジアミンとして3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル6g、トリカルボン酸無水物として無水トリメリット酸(TMA)108g及び非プロトン性極性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)1281gを入れ、フラスコ内の温度を80℃に設定して30分間撹拌した。撹拌終了後、水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン192gをさらに添加し、フラスコ内の温度を160℃に昇温して2.5時間還流した。水分定量受器に理論量の水が貯留され、水の留出が見られなくなっていることを確認した後、水分定量受器中の水及びトルエンを除去しながら、フラスコ内の温度を180℃まで上昇させて反応溶液中のトルエンを除去した。フラスコ内の溶液を60℃まで冷却した後、長鎖炭化水素鎖骨格(炭素原子数約50)を有するジカルボン酸として水添α,ω−ポリブタジエンジカルボン酸(CI−1000、日本曹達株式会社製、商品名)309.5gを入れ、10分間撹拌した。撹拌終了後、ジイソシアネートとして4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)119.7gを添加し、フラスコ内の温度を160℃に上昇させて2時間反応させ、樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところ47,000であった。ポリアミドイミド1分子あたりの平均反応性官能基数Nは4.4であった。本硬化剤を30質量部配合した。無機フィラー成分としては、熱硬化性樹脂組成物Aと同様のものを用いた。
エポキシ樹脂としては、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、製品名NC−3000H(日本化薬株式会社製)70質量部を用いた。
硬化剤の合成実施例2:ジアミン化合物としてワンダミンHM(WHM)〔(4,4´−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン、新日本理化株式会社製、商品名、「ワンダミン」は登録商標〕52.7g、反応性官能基を有するジアミンとして3,3´−ジヒドロキシ−4,4´−ジアミノビフェニル6g、トリカルボン酸無水物として無水トリメリット酸(TMA)108g及び非プロトン性極性溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)1281gを入れ、フラスコ内の温度を80℃に設定して30分間撹拌した。撹拌終了後、水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン192gをさらに添加し、フラスコ内の温度を160℃に昇温して2.5時間還流した。水分定量受器に理論量の水が貯留され、水の留出が見られなくなっていることを確認した後、水分定量受器中の水及びトルエンを除去しながら、フラスコ内の温度を180℃まで上昇させて反応溶液中のトルエンを除去した。フラスコ内の溶液を60℃まで冷却した後、長鎖炭化水素鎖骨格(炭素原子数約50)を有するジカルボン酸として水添α,ω−ポリブタジエンジカルボン酸(CI−1000、日本曹達株式会社製、商品名)309.5gを入れ、10分間撹拌した。撹拌終了後、ジイソシアネートとして4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)119.7gを添加し、フラスコ内の温度を160℃に上昇させて2時間反応させ、樹脂溶液を得た。このポリアミドイミド樹脂溶液の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところ47,000であった。ポリアミドイミド1分子あたりの平均反応性官能基数Nは4.4であった。本硬化剤を30質量部配合した。無機フィラー成分としては、熱硬化性樹脂組成物Aと同様のものを用いた。
<熱硬化性樹脂組成物C>
シアネートエステル樹脂としてビスフェノールAジシアネートのプレポリマー,製品名BA230S75(ロンザジャパン株式会社製,不揮発分75質量%のメチルエチルケトン溶液)60質量部用いた。
エポキシ樹脂としては、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、製品名NC−3000H(日本化薬株式会社製)40質量部を用い、硬化触媒として、コバルト(II)アセチルアセトナート(東京化成株式会社製)を30ppmとなるように加えた。無機フィラー成分としては、熱硬化性樹脂組成物Aと同様のものを用いた。
シアネートエステル樹脂としてビスフェノールAジシアネートのプレポリマー,製品名BA230S75(ロンザジャパン株式会社製,不揮発分75質量%のメチルエチルケトン溶液)60質量部用いた。
エポキシ樹脂としては、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、製品名NC−3000H(日本化薬株式会社製)40質量部を用い、硬化触媒として、コバルト(II)アセチルアセトナート(東京化成株式会社製)を30ppmとなるように加えた。無機フィラー成分としては、熱硬化性樹脂組成物Aと同様のものを用いた。
<熱硬化性樹脂組成物D>
エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、製品名エピクロンN660(DIC株式会社製)70質量部を用いた。
硬化剤として、フェノキシ樹脂YP−55(新日鉄化学株式会社製)、メラミン変性フェノールノボラック樹脂LA7054(DIC株式会社製)30質量部を用いた。無機フィラー成分としては、平均粒径が300nmの硫酸バリウムを、スターミルLMZ(アシザワファインテック株式会社製、「スターミル」は登録商標)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて3時間分散して調整した。分散状態を、熱硬化性樹脂組成物Aと同様の方法で測定し、最大粒径が2μmであることを確認した。
エポキシ樹脂としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、製品名エピクロンN660(DIC株式会社製)70質量部を用いた。
硬化剤として、フェノキシ樹脂YP−55(新日鉄化学株式会社製)、メラミン変性フェノールノボラック樹脂LA7054(DIC株式会社製)30質量部を用いた。無機フィラー成分としては、平均粒径が300nmの硫酸バリウムを、スターミルLMZ(アシザワファインテック株式会社製、「スターミル」は登録商標)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速12m/sにて3時間分散して調整した。分散状態を、熱硬化性樹脂組成物Aと同様の方法で測定し、最大粒径が2μmであることを確認した。
上述のように得た各熱硬化性樹脂組成物の溶液を支持層である16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(G2−16、帝人株式会社製、商品名)上に均一に塗布することにより熱硬化性樹脂組成物層を形成した。その後、熱風対流式乾燥機を用いて熱硬化性樹脂組成物層を100℃で約10分間乾燥することによって支持層上に封止用フィルムを得た。フィルムの膜厚は10μm〜125μmのものを準備した。
次いで、フィルム状層間絶縁材に埃等が付着しないように、支持層と接している側とは反対側の表面上にポリエチレンフィルム(NF−15、タマポリ株式会社製、商品名)を保護フィルムとして貼り合わせた。
<コンプレッション封止>
得られた封止用フィルムを6インチサイズに加工し、半導体素子上に封止用フィルムを形成した。詳細には、まず、熱硬化性樹脂組成物A,B、C又はDからなる熱硬化性樹脂フィルムの保護フィルムのみを剥がし、半導体素子上に封止用フィルムを載置した。プレス式真空ラミネータ(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて半導体素子上に封止用フィルムを積層し、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。プレス条件は、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。必要に応じて、コンプレッション封止後の封止フィルムの厚みが350μmとなるように繰り返し封止用フィルムを積層した。次いで、コンプレッション封止設備(アピックヤマダ株式会社製 WCM−300MS)を用いて半導体素子搭載面を8インチサイズにコンプレッション封止した(図7参照)。封止温度140℃、封止圧力4.8MPa、封止時間10分の条件で封止した。次いで、クリーンオーブンで150℃、1時間で熱硬化を行った。
得られた封止用フィルムを6インチサイズに加工し、半導体素子上に封止用フィルムを形成した。詳細には、まず、熱硬化性樹脂組成物A,B、C又はDからなる熱硬化性樹脂フィルムの保護フィルムのみを剥がし、半導体素子上に封止用フィルムを載置した。プレス式真空ラミネータ(MVLP−500、株式会社名機製作所製、商品名)を用いて半導体素子上に封止用フィルムを積層し、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した。プレス条件は、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間30秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。必要に応じて、コンプレッション封止後の封止フィルムの厚みが350μmとなるように繰り返し封止用フィルムを積層した。次いで、コンプレッション封止設備(アピックヤマダ株式会社製 WCM−300MS)を用いて半導体素子搭載面を8インチサイズにコンプレッション封止した(図7参照)。封止温度140℃、封止圧力4.8MPa、封止時間10分の条件で封止した。次いで、クリーンオーブンで150℃、1時間で熱硬化を行った。
<封止用フィルムの研削>
グラインダーを用いて封止フィルム面を研削した(図8参照)。まず、封止フィルム面を徐々に研削し、感光性樹脂層のパターン4aが露出するまで研削した。次いで、さらに、エッチングによりパターン形成した金属層のパターン(銅パターン)3aが露出するまで研削した。このとき、半導体素子面が露出するまで研削しても構わないし、封止用フィルムの研削は図11に示す再配線パターン形成後でも、図12に示すはんだボール搭載後でも構わない。
グラインダーを用いて封止フィルム面を研削した(図8参照)。まず、封止フィルム面を徐々に研削し、感光性樹脂層のパターン4aが露出するまで研削した。次いで、さらに、エッチングによりパターン形成した金属層のパターン(銅パターン)3aが露出するまで研削した。このとき、半導体素子面が露出するまで研削しても構わないし、封止用フィルムの研削は図11に示す再配線パターン形成後でも、図12に示すはんだボール搭載後でも構わない。
<支持体及び仮固定層の除去>
封止用フィルム研削後のサンプルを、200℃に設定したホットプレート上に、支持体が上になるように配置し、支持体を除去した(図9参照)。次いで、仮固定層を剥離して半導体素子の能動面(表面)を露出させた(図10参照)。
封止用フィルム研削後のサンプルを、200℃に設定したホットプレート上に、支持体が上になるように配置し、支持体を除去した(図9参照)。次いで、仮固定層を剥離して半導体素子の能動面(表面)を露出させた(図10参照)。
<再配線層の形成>
半導体素子の能動面(表面)側に再配線層を形成した(図11参照)。具体的には、スピンコーターで感光性再配線材料を塗布し、露光・現像処理を行った。次いで、所定温度200℃で窒素雰囲気(酸素濃度50ppm以下)下、1時間の熱硬化を行った。次いで、スパッタ法により、Tiを100nm蒸着し、連続してCuを300nm蒸着し、シード層を形成した。次いで、ドライフィルムレジスト(日立化成株式会社製商品名 Photec RY−3525)をロールラミネーターで貼着し、パターンを形成したフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製EXM‐1201型露光機を使用して、100mJ/cm2のエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、ドライフィルムレジストを開口させた。次いで、電解銅めっき法により、シード層上に、厚さ7μmの銅めっきを形成した。次いで、はく離液により、ドライフィルムレジストを剥離した。次いでシード層をエッチング液より除去した。次いで、スピンコーターで再度、感光性再配線材料を塗布し、露光・現像処理を行った。次いで、所定温度200℃で窒素雰囲気(酸素濃度50ppm以下)下、1時間の熱硬化を行った(図11参照)。
半導体素子の能動面(表面)側に再配線層を形成した(図11参照)。具体的には、スピンコーターで感光性再配線材料を塗布し、露光・現像処理を行った。次いで、所定温度200℃で窒素雰囲気(酸素濃度50ppm以下)下、1時間の熱硬化を行った。次いで、スパッタ法により、Tiを100nm蒸着し、連続してCuを300nm蒸着し、シード層を形成した。次いで、ドライフィルムレジスト(日立化成株式会社製商品名 Photec RY−3525)をロールラミネーターで貼着し、パターンを形成したフォトツールを密着させ、株式会社オーク製作所製EXM‐1201型露光機を使用して、100mJ/cm2のエネルギー量で露光を行った。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、90秒間スプレー現像を行い、ドライフィルムレジストを開口させた。次いで、電解銅めっき法により、シード層上に、厚さ7μmの銅めっきを形成した。次いで、はく離液により、ドライフィルムレジストを剥離した。次いでシード層をエッチング液より除去した。次いで、スピンコーターで再度、感光性再配線材料を塗布し、露光・現像処理を行った。次いで、所定温度200℃で窒素雰囲気(酸素濃度50ppm以下)下、1時間の熱硬化を行った(図11参照)。
<Ni/Auめっき及びボール搭載>
次いで、市販の無電解ニッケル/金めっき液を用いて、ニッケルめっき厚2μm、金めっき厚0.1μmとなるようにめっき処理を行い、ニッケル/金層を形成した。次いで、リフロー装置を用いて、窒素雰囲気(酸素濃度100ppm以下)ではんだボールを搭載した(図12参照)。
次いで、市販の無電解ニッケル/金めっき液を用いて、ニッケルめっき厚2μm、金めっき厚0.1μmとなるようにめっき処理を行い、ニッケル/金層を形成した。次いで、リフロー装置を用いて、窒素雰囲気(酸素濃度100ppm以下)ではんだボールを搭載した(図12参照)。
<個片化>
最後に、ダイシングすることによって、パッケージサイズが9.6mm×9.6mmの半導体装置100を得た(図13参照)。
最後に、ダイシングすることによって、パッケージサイズが9.6mm×9.6mmの半導体装置100を得た(図13参照)。
銅箔及び銅板の表面粗さRaについては、表面粗さ計(株式会社小坂研究所製 サーフコーダーSE−2300)を用いて評価した。走査長さは1.0mmとした。
銅箔及び銅板のラミネート性については、目視で確認して以下の基準に基づいて評価した。
「○」:ラミネート後に銅箔や銅板が仮固定層から剥離しないもの。
「×」:ラミネート後に銅箔や銅板が仮固定層から剥離したもの。
「○」:ラミネート後に銅箔や銅板が仮固定層から剥離しないもの。
「×」:ラミネート後に銅箔や銅板が仮固定層から剥離したもの。
銅のエッチング性については、目視で観察して以下の基準に基づいて評価した。
「◎」:最小ピッチ0.5mm以下でエッチングできたもの。
「○」:最小ピッチ0.8mm以下でエッチングできたもの。
「△」:最小ピッチ1.0mm以下でエッチングできたもの。
「×」:最小ピッチ1.0mm以下でエッチングできなかったもの。
「◎」:最小ピッチ0.5mm以下でエッチングできたもの。
「○」:最小ピッチ0.8mm以下でエッチングできたもの。
「△」:最小ピッチ1.0mm以下でエッチングできたもの。
「×」:最小ピッチ1.0mm以下でエッチングできなかったもの。
半導体素子の仮固定性については、以下の基準に基づいて評価した。
「○」:仮固定後に半導体素子が剥離することなく、封止後に顕著な位置ズレがないもの。
「×」:仮固定後に半導体素子が剥離、または封止後に位置ズレしたもの。
「○」:仮固定後に半導体素子が剥離することなく、封止後に顕著な位置ズレがないもの。
「×」:仮固定後に半導体素子が剥離、または封止後に位置ズレしたもの。
研削後の封止用フィルムの表面平滑性については、電子顕微鏡で確認して以下の基準に基づいて評価した。
「○」:表面が平滑なもの。
「△」:表面にフィラーの欠落が一部認められるもの。
「×」:表面にフィラーの欠落が顕著に認められるもの。
なお、製造プロセス上の問題で、その後の評価ができないものを−と標記した。
「○」:表面が平滑なもの。
「△」:表面にフィラーの欠落が一部認められるもの。
「×」:表面にフィラーの欠落が顕著に認められるもの。
なお、製造プロセス上の問題で、その後の評価ができないものを−と標記した。
仕様を表1及び2に、評価結果を表3及び4に示す。本処理はeWLBに限定するものでなく、QFN(QuadFlat Non−Lead package)等、金属リードフレームを用いた半導体パッケージに変わる製造方法等にも適用することができる。
表3及び表4に示したように、金属層の貼付面の表面粗さ(Ra)が1.4μmの実施例2は、ラミネート性、エッチング性、仮固定性及び表面平滑性に問題があることがわかる。また、フィラ粒径の大きな封止フィルムDを用いた実施例8は、表面平滑性のみにやや問題があり、また、金属層の厚みが300μmである実施例9は、エッチング性のみにやや問題があることがわかる。
それに対し、金属層の貼付面の表面粗さ(Ra)が0.2μm以下で、金属層の厚みが150μm以下である、実施例1、3〜7、10〜12は、ラミネート性、エッチング性、仮固定性及び表面平滑性が良好であることがわかる。
それに対し、金属層の貼付面の表面粗さ(Ra)が0.2μm以下で、金属層の厚みが150μm以下である、実施例1、3〜7、10〜12は、ラミネート性、エッチング性、仮固定性及び表面平滑性が良好であることがわかる。
1…支持体、2…仮固定層、3…金属層、3a…金属層のパターン(銅パターン)、4…感光性樹脂層(感光性材料)、4a…感光性樹脂層(感光性材料)のパターン、5…半導体素子、6…封止樹脂、7…再配線層、8…配線パターン、9…はんだボール、100…半導体装置、111…コア基材、112…配線パターン、113…層間絶縁層、114…ビア開口、110…下段パッケージ用プリント配線板、100A…下段パッケージ、120…バンプ付き半導体素子、130…アンダーフィル材、140…封止材、141…封止開口、142…接続材料。
Claims (8)
- 少なくとも仮固定層と金属層とが一体であることを特徴とする半導体装置製造用部材。
- 少なくとも仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体であることを特徴とする半導体装置製造用部材。
- 少なくとも支持体と仮固定層と金属層と感光性樹脂層とが一体であることを特徴とする半導体装置製造用部材。
- 仮固定層と貼り合わせる金属層の表面粗さRaが0.2μm以下である、請求項1〜3いずれかに記載の半導体装置製造用部材。
- 金属層の厚みが5〜200μmである、請求項1〜4いずれかに記載の半導体装置製造用部材。
- (I)支持体上に仮固定層を形成する工程と、
(II)仮固定層上に金属層を形成する工程と、
(III)金属層上に感光性樹脂層を形成後、当該層に対して露光処理及び現像処理を施して感光性樹脂からなるパターンを形成し、金属層の一部を露出する工程と、
(IV)エッチングにより金属層の一部を除去し、仮固定層の一部を露出する工程と、
(V)仮固定層上に半導体素子を、当該半導体素子の能動面(回路面)が仮固定層に貼り合わさるように配置し、仮固定層に固定する工程と、
(VI)半導体素子の少なくとも一部を覆うように、熱硬化性、熱可塑性、または感光性の封止樹脂で封止する工程と、
(VII)封止樹脂の少なくとも一部を除去し、金属層の一部を露出する工程と、
(VIII)支持体を除去する工程と、
(IX)仮固定層を除去する工程と、
(X)仮固定層を除去した面に対して再配線層を形成する工程と、を備える半導体装置の製造方法。 - (IV)の後、(V)の前に感光性樹脂層をはく離する工程を備える請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
- (VII)の封止樹脂が、機械研磨、化学機械研磨、又はプラズマ処理によって除去される、請求項6又は7に記載の半導体装置の製造方法。
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JP2013162278A JP2015032732A (ja) | 2013-08-05 | 2013-08-05 | 半導体装置製造用部材及び半導体装置の製造方法 |
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JP2020017555A (ja) * | 2018-07-23 | 2020-01-30 | 株式会社アルバック | ドライエッチング方法 |
-
2013
- 2013-08-05 JP JP2013162278A patent/JP2015032732A/ja active Pending
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