JP2015032263A - 制御パラメータ適合方法、制御パラメータ適合装置、及び制御パラメータ適合プログラム - Google Patents

制御パラメータ適合方法、制御パラメータ適合装置、及び制御パラメータ適合プログラム Download PDF

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和博 伊賀
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正紀 安藤
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紘明 岡田
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啓史 上島
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Abstract

【課題】制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得る。
【解決手段】制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する制御対象装置の制御結果である試験結果に基づき、複数の制御パラメータと対応する制御結果についての評価指標との関係を表す近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて制御対象装置における制御パラメータの適合値を求めるに当たり、解空間の運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出し、初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を選択し、選択された解候補に基づき運転領域の各々についての解候補を特定する近似式Bを制御パラメータ毎に作成し、作成された近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい解候補を初期解候補の中から再選択し、斯くして近似式Bの作成と解候補の再選択とを所定回数繰り返すことにより最適解を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、制御対象となる装置の制御パラメータ適合方法に関する。また、本発明は、制御対象となる装置の制御パラメータ適合装置にも関する。更に、本発明は、制御対象となる装置の制御パラメータ適合プログラムにも関する。
当該技術分野においては、例えば車両等を始めとする種々の装置の制御において、制御対象となる装置を制御するための制御パラメータの「適合」が、様々な場面で行われている。具体的には、例えば、材料試験の測定値と係数算出式とから推定する係数算出装置においてモデル式に含まれる係数の値を算出するに当たり、近似解の誤差を評価して最適解の候補を更新しながら近似解の繰り返し計算を行うことにより、応力シミュレーションをより安定して行うために必要な安定条件を満たす係数を算出することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、部品形状等の設計に用いられる多目的最適化設計支援技術において、隣接する最適設計パラメータ組間を補間する設計パラメータ組を補間設計パラメータ組として算出し、その組の各々について複数の目的関数近似式を使って複数の目的関数を近似計算し、非劣解に対応する補間設計パラメータ組を最適補間設計パラメータ組として選択し、最適設計パラメータ組候補と統合して新たな最適設計パラメータ組候補とし、当該新たな最適設計パラメータ組候補について同様の補間処理を繰り返すことにより、最適設計パラメータ組候補内の最終的に得られた各最適設計パラメータ組に対応する各部品形状を表示することが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
更に、データベースに蓄積された種々の物質の物性パラメータに基づいて所望の特性を有する新規材料の構成物質を客観的に且つ的確に探索するシステムにおいて、検索パラメータを軸として有する平面又は空間において、多くのデータが密集している領域に密集しているデータ群を特定し、このデータ群に基づいてデータ群の重心又は近似直線を演算又は推定することが提案されている(例えば、特許文献3を参照)。
しかしながら、上述した幾つかの提案を始めとする従来技術においては、最適解を求めるための繰り返し計算については述べられているものの、繰り返し計算における解候補の初期値については言及されていない。かかる繰り返し計算による最適解の特定において、解候補の初期値の与え方によっては、最適解の収束に要する時間(適合時間)が長くなる虞がある。
ところで、例えばエンジンの制御パラメータのマップ定数の適合において、遺伝的アルゴリズム(GA)を適合手法として採用することにより、複数の制御パラメータの全ての組み合わせについて試験を行う必要性を排し、効率的に制御パラメータの解候補を探索することを可能とし、結果として適合時間を短縮することが提案されている(例えば、特許文献4を参照)。
しかしながら、上述した幾つかの提案を始めとする従来技術においては、制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)に基づいて区画される運転領域毎に最適解を特定する手法を採っており(かかる手法を、以降「個別最適」と称する場合がある)、異なる複数の運転領域にわたる全体としての最適解のマップの繋がり(平滑性)を考慮して最適解を特定している訳ではない。そのため、従来技術において個別最適によって特定された最適解を繋ぐことによって得られるマップが平滑にならず、制御対象装置の運転状態が特定の運転領域から異なる運転領域に移る際に制御パラメータが大きくばらつく原因となる場合がある。また、かかる個別最適によって特定された最適解と本来の最適解との乖離が大きい場合、制御対象装置において所望の運転状態を精度良く実現することが困難となったり、運転特性が変化したりする虞がある。
そこで、個別最適によって特定された最適解に基づいて得られるマップを平滑化して、上記のような制御パラメータのばらつきを低減することが提案されている(例えば、特許文献4を参照)。しかしながら、かかる手法においては、全ての解候補についての試験が終了した後に最終的に得られたマップを平滑化することとなるため、平滑化されたマップを得るのに要する時間が長くなってしまう。
以上のように、当該技術分野においては、制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができる制御パラメータ適合方法に対する継続的な要求が存在する。
特開2009−211681号公報 特開2010−061439号公報 特開2007−018444号公報 特開2003−013794号公報
前述したように、当該技術分野においては、制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができる制御パラメータ適合方法に対する継続的な要求が存在する。即ち、本発明は、制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができる制御パラメータ適合方法を提供することを1つの目的とする。
本発明の上記目的は、
制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて前記制御対象装置における前記制御パラメータの適合値を求める、制御パラメータ適合方法であって、
前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する、初期解候補算出ステップと、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する、密集解選択ステップと、
選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する、近似式作成ステップと、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に、所定数の解候補を選択する、解候補選択ステップと、
を含み、
前記近似式作成ステップ及び前記解候補選択ステップを所定回数繰り返すことにより最適解を求める、
制御パラメータ適合方法によって達成される。
本発明によれば、制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができる制御パラメータ適合方法を提供することができる。
制御対象装置の運転領域毎に個別最適によって特定された最適解を繋ぐことによって得られるマップと、本来得られるべきマップとの違いを示す模式図である。 本発明の1つの実施態様に係る制御パラメータ適合方法における各種処理の流れを示すフローチャートである。 運転領域を規定する制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)の指標値を軸とする座標における解空間及び希求領域、並びに初期解候補として算出される希求領域内に存在する解及びパレート解を示す模式的なグラフである。 異なる2つの運転領域における解j(j=A,B…)を構成する因子(制御パラメータ)Xi(i=1,2,3,4,5,6…)の値の違いを表す模式的なグラフである。 密集解選択ステップにおいて選択された密集域に存在する解候補(白抜きの丸印)、及び近似式作成ステップにおいて当該解候補に基づいて作成された近似式Bを表す、模式的なグラフである。 各因子Xiについての近似式Bとの残差の和がより小さい優れた解候補を選択し、斯くして選択された解候補に基づいて新たな近似式Bを作成するステップを表す、模式的なグラフである。 (a)複数の制御パラメータの値を軸とする座標である因子空間上での特定の運転領域内に存在する特定の解と他の運転領域内に存在する他の解との距離、及び(b)異なる運転領域を規定する制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)を軸とする座標である引数空間上での上記特定の解が存在する運転領域と上記他の運転領域との距離を表す模式的なグラフである。 自動変速機において所定の変速比を実現する過程における係合側指示油圧及び解放側指示油圧の推移を表す模式的なグラフである。 自動変速機における変速比の変化に伴う変速ショックの発生を表す模式的なグラフである。 図8に示すグラフに示された評価指標としての変速時間Y1及び変速ショックY2を軸とする座標における解空間及び希求領域、並びに初期解候補として算出される希求領域内に存在する解及びパレート解を示す模式的なグラフである。 図7に示した適合対象となる油圧高さX1及びX4のエンジン回転速度及び要求トルクに対するマップを表すグラフである(油圧高さX1及びX4はそれぞれ(a)及び(b)に対応する)。
前述したように、本発明は、制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができる制御パラメータ適合方法を提供することを1つの目的とする。本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究の結果、制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、複数の制御パラメータと対応する制御結果についての評価指標との関係(マップ)を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて制御対象装置における制御パラメータの適合値を求めるに当たり、解空間の運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出し、初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を選択し、選択された解候補に基づいて、運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成し、作成された近似式Bと各解候補との残差を複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい解候補を初期解候補の中から再選択し、斯くして近似式Bの作成と解候補の再選択とを所定回数繰り返すことにより、制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。本発明を実施するための幾つかの形態につき、以下に詳しく説明する。
先ず、本発明の第1の実施態様は、
制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて前記制御対象装置における前記制御パラメータの適合値を求める、制御パラメータ適合方法であって、
前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する、初期解候補算出ステップと、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する、密集解選択ステップと、
選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する、近似式作成ステップと、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に、所定数の解候補を選択する、解候補選択ステップと、
を含み、
前記近似式作成ステップ及び前記解候補選択ステップを所定回数繰り返すことにより最適解を求める、
制御パラメータ適合方法である。
上記のように、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法は、制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて前記制御対象装置における前記制御パラメータの適合値を求める方法である。本実施態様に係る制御パラメータ適合方法が適用される制御対象装置としては、例えば、車両に搭載されるエンジン、自動変速機等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
冒頭に述べたように、当該技術分野においては、例えば車両等を始めとする種々の装置の制御において、制御対象となる装置を制御するための制御パラメータの「適合」が、様々な場面で行われている。しかしながら、前述した幾つかの提案を始めとする従来技術においては、最適解を求めるための繰り返し計算については述べられているものの、繰り返し計算における解候補の初期値については言及されていない。かかる繰り返し計算による最適解の特定において、解候補の初期値の与え方によっては、最適解の収束に要する時間(適合時間)が長くなる虞がある。
また、前述した幾つかの提案を始めとする従来技術においては、制御対象装置の運転領域毎に個別最適によって最適解を特定することから、かかる最適解を繋ぐことによって得られるマップが平滑にならず、制御対象装置の運転状態が特定の運転領域から異なる運転領域に移る際に制御パラメータが大きくばらつく原因となる場合がある。加えて、かかる個別最適によって特定された最適解と本来の最適解との乖離が大きい場合、制御対象装置において所望の運転状態を精度良く実現することが困難となったり、運転特性が変化したりする虞がある。
ここで、上記につき、添付図面を参照しながら更に詳しく説明する。図1は、前述したように、制御対象装置の運転領域毎に個別最適によって特定された最適解を繋ぐことによって得られるマップと、本来得られるべきマップとの違いを示す模式図である。図1に示す互いに平行な複数の縦方向に伸びる直線は、それぞれ制御対象装置の異なる運転領域を表し、それぞれの直線上に描かれた丸印は、それぞれの直線に対応する運転領域において特定された最適解を表す。尚、実線の丸印は個別最適によって特定された最適解を表し、点線の丸印は、異なる複数の運転領域にわたる全体としての最適解のマップの繋がり(平滑性)を考慮して特定された(本来得られるべき)最適解を表す。図1に示すように、破線によって表される本来得られるべきマップは異なる複数の運転領域にわたって全体として平滑であるのに対し、実線によって表される個別最適によって特定された最適解を繋ぐことによって得られるマップは隣接する運転領域間での最適解の値が大きく異なり、本来得られるべきマップからの乖離が大きい部分を有する。その結果、制御対象装置の運転状態が特定の運転領域から異なる運転領域に移る際に制御パラメータが大きくばらついたり、制御対象装置の運転特性が変化したりする虞がある。
尚、従来技術においては、前述したように、上記のような制御パラメータのばらつきを低減することを目的として、個別最適によって特定された最適解に基づいて得られるマップを平滑化することが提案されている(例えば、特許文献4を参照)。しかしながら、かかる手法においては、全ての解候補についての試験が終了した後に最終的に得られたマップを平滑化することとなるため、平滑化されたマップを得るのに要する時間が長くなってしまう。
そこで、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法は、
前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する、初期解候補算出ステップと、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する、密集解選択ステップと、
選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する、近似式作成ステップと、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に、所定数の解候補を選択する、解候補選択ステップと、
を含む。
ここで、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法に含まれる各ステップの実行フローにつき、添付図面を参照しながら更に説明する。図2は、前述したように、本発明の1つの実施態様に係る制御パラメータ適合方法における各種処理の流れを示すフローチャートである。図2に示す実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、初期試験(ステップS100)の後、逐次試験(ステップS200)を実行し、更に後解析(ステップS300)を実行する。初期試験(ステップS100)には、試験設定(ステップS110)、初期試験計画(ステップS120)、試験実施(ステップS130)、試験結果の定量化(ステップS140)、及び応答曲面(近似式A)の取得(ステップS150)という各ステップが含まれる。
即ち、初期試験(ステップS100)においては、制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aが取得される。尚、制御対象となる装置を制御するための制御パラメータの「適合」への最適化手法の適用については当業者に周知であるので、本明細書においては、本発明の理解に必要な事項についての説明に注力し、当業者に周知な事項についての説明は割愛する。
次に、逐次試験(ステップS200)には、希求領域設定(ステップS210)、追加試験点の選出(ステップS220)、試験実施(ステップS230)、試験結果の定量化(ステップS240)、及び応答曲面(近似式A)の取得(ステップS250)という各ステップが含まれる。ステップS210においては、初期試験(ステップS100)における試験点及び前記試験結果に基づく解空間が制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分けられ、当該運転領域毎に希求領域が定められる。ここで、希求領域とは、制御対象装置の制御結果が適合値として満たすべき値となる領域である。
次に、ステップS220において、追加試験点が選出される。当該ステップには、上記希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する、初期解候補算出(ステップS221)と、初期解候補算出ステップにおいて算出された初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する、密集解選択(ステップS222)と、選択された解候補に基づいて、運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する、近似式作成(ステップS223)と、初期解候補算出ステップにおいて算出された初期解候補の中から、近似式作成ステップにおいて作成された近似式Bと各解候補との残差を複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に、所定数の解候補を選択する、解候補選択(ステップS224)と、が含まれる。個々のステップの詳細については後述する。尚、ステップS220において、近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)は所定回数繰り返され、結果として、追加試験点(解)が選出される(ステップS226)。尚、上記のように近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)を繰り返す回数は、例えば、過去の経験値等に基づいて定められる固定値であってもよく、あるいは解候補の数が所定の閾値よりも少なくなるまで及び/又は解候補の近似式Bからの残差(の和)の大きさが所定の閾値よりも小さくなるまで近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)を繰り返してもよい。即ち、ステップS225に記載したように、所望の解候補が得られるまで近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)を繰り返し、所望の解候補が得られたら次のステップS226に進むようにしてもよい。従って、近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)の1回の実行によって所望の解候補が得られた場合は、これらのステップを更に繰り返して実行する必要は無い。
斯くして追加試験点(解)が選出されると、選出された追加試験点(解)を使用して、初期試験と同様に、試験実施(ステップS230)、試験結果の定量化(ステップS240)、及び応答曲面(近似式A)の取得(ステップS250)の各ステップが実行され、逐次試験(ステップS200)が終了する。
次の後解析(ステップS300)には、基準値決定(ステップS310)、ロバスト範囲設定(ステップS320)、及びマップ曲面生成(ステップS330)という各ステップが含まれる。詳しくは後述するが、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補とし、初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を選択し、選択された解候補に基づいて、運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成し、上記初期解候補の中から、作成された近似式Bと各解候補との残差を複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さいものを追加試験点として選択する。これにより、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、異なる複数の運転領域にわたる全体としての最適解のマップの繋がりを滑らかにすることができ、結果として、全体として平滑なマップを得ることができる。
従って、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法によれば、制御対象装置の運転領域毎に個別最適によって最適解を特定する従来技術とは異なり、かかる最適解を繋ぐことによって得られるマップが平滑となり、制御対象装置の運転状態が特定の運転領域から異なる運転領域に移る際に制御パラメータがばらつかず、マップによって特定される最適解と本来の最適解との乖離が小さくなり、制御対象装置において所望の運転状態を精度良く実現することが容易となり、制御対象装置に所期の運転特性を発揮させることができる。本実施態様に係る制御パラメータ適合方法に含まれる各ステップの詳細については、以下に説明する。
先ず、初期解候補算出ステップにおいては、前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する。希求領域内に存在する解は、必ずしもパレート解であるとは限らないため、必ずしもパレート解よりも好ましい(適合している)解とは言えない。しかしながら、パレート解のみを初期解候補とすると、解が偏り、平滑なマップを得ることが困難となる虞がある。
従って、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法に含まれる初期解候補算出ステップにおいては、希求領域内に存在するパレート解のみならず、希求領域内に存在するパレート解以外の解をも初期解候補として算出するのである。尚、結果として得られる最適解の精度を高める観点からは、初期解候補の数はできるだけ多いことが望ましい。しかしながら、初期解候補の数が増えるほど、例えば、近似式の算出における演算負荷が増大する。従って、実際の初期解候補の数は、例えば、初期解候補算出ステップを実行する演算処理部が備える中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)の処理能力、制御パラメータの適合値を求めるために割くことができる時間の長さ等の種々の要因に応じて適宜決定することができる。
ここで、上記につき、添付図面を参照しながら更に説明する。図3は、前述したように、運転領域を規定する制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)の指標値を軸とする座標における解空間及び希求領域、並びに初期解候補として算出される希求領域内に存在する解及びパレート解を示す模式的なグラフである。座標軸となる指標値は、例えば、車速、要求トルク等の運転条件に対応する値とすることができる。図3に示すグラフにおいて、淡いグレーで描かれている領域は解空間を表す。また、希求領域としては、横軸の指標値Y1が0.2〜0.6の範囲にあり、縦軸の指標値Y2が0〜0.15の範囲にある領域が設定されている。更に、図3のグラフによって示される例においては、希求領域内に存在するパレート解は、希求領域内に存在する解のうち、当該希求領域における指標値Y1及びY2が共に小さい側(図3のグラフに向かって左下の角側)の端部(パレート解析フロント)に存在する解である。従って、図3のグラフによって示される例においては、黒い丸印によって表されているように、指標値Y1の上限値(0.6)を表す縦軸に平行な直線、指標値Y2の上限値(0.15)を表す横軸に平行な直線、及びパレート解析フロントを表す曲線によって囲まれる領域内に存在する解が初期解候補として選択される。
ところで、ある特定の解を適合値として採用する際に、解空間において当該解の周囲に存在する他の解が少ない場合、当該解はマップを表す近似式(例えば、応答曲面等)に載り難くなると考えられる。従って、他の解候補が周囲に多数存在する解候補を適合値として選択すれば、当該解候補は近似式に載り易くなり、全体として平滑なマップを得ることができる可能性が高まると考えられる。即ち、全体として平滑なマップを得るためには、解の密集度が高い領域(密集域)に存在する解候補(密集解)を選択し、斯くして選択された密集解に基づいて制御パラメータと対応する制御対象装置の評価指標との関係を表す近似式を作成することが望ましい。
そこで、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法に含まれる密集解選択ステップにおいて、前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する。但し、前述したように、本発明の1つの目的は、制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができる制御パラメータ適合方法を提供することである。かかる目的を達成するためには、異なる複数の運転領域にわたる全体としての最適解のマップの繋がりを滑らかにする必要がある。従って、解空間において、ある特定の解に対して距離的に近い他の解が同一の運転領域内に存在しても、全体として平滑なマップを得ることへの寄与は小さい。逆に、解空間において、ある特定の解に対して距離的に近い他の解が他の運転領域内に存在する場合は、全体として平滑なマップを得ることへの寄与は大きい。即ち、密集解の選択に当たっては、異なる複数の運転領域にわたって解空間における存在位置が大きく変動しない解を密集解として選択することが望ましい。
ここで、上記につき、添付図面を参照しながら更に説明する。図4は、前述したように、異なる運転領域における解j(j=A,B…)を構成する因子(制御パラメータ)Xi(i=1,2,3,4,5,6…)の値の違いを表す模式的なグラフである。図4に示すように、運転領域がある領域から異なる別の領域に移行すると、所望の評価指標を得るための解が解Aから解Bに変化する。この解の変化が急峻であったり、不連続的であったりする場合、これらの解を繋ぐことによって得られるマップが平滑とならず、制御対象装置の運転状態が特定の運転領域から異なる運転領域に移る際に制御パラメータがばらつき、マップによって特定される最適解と本来の最適解との乖離が大きくなり、制御対象装置において所望の運転状態を精度良く実現することが困難となり、制御対象装置に所期の運転特性を発揮させることが困難となる虞が高まる。
本実施態様に係る制御パラメータ適合方法は、密集解選択ステップにおいて、前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する。これにより、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法によれば、制御対象装置の運転領域毎に個別最適によって最適解を特定する従来技術とは異なり、かかる最適解を繋ぐことによって得られるマップが平滑となり、制御対象装置の運転状態が特定の運転領域から異なる運転領域に移る際に制御パラメータがばらつかず、マップによって特定される最適解と本来の最適解との乖離が小さくなり、制御対象装置において所望の運転状態を精度良く実現することが容易となり、制御対象装置に所期の運転特性を発揮させることができる。
次に、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法に含まれる近似式再作成ステップにおいて、選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する。この際、密集解選択ステップにおいて、密集域にある解候補が密集解として選択されているので、マップを表す近似式(例えば、応答曲面等)に解候補が載り易くなり、全体として平滑なマップを得ることができる可能性が高まる。
次に、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法に含まれる解候補選択ステップにおいて、前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に、所定数の解候補を選択する。ところで、通常は、複数個の因子Xiが存在する。複数個の因子Xiが存在する場合は、因子毎に作成された近似式と各因子との残差の和が小さい順に解候補を選択する。当該解候補選択ステップにおいて選択される解候補の数は、例えば、過去の経験値等に基づいて定められる固定値であってもよく、あるいは近似式からの残差の大きさが所定の閾値よりも小さい解候補のみを選択するようにしてもよい。
本実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、斯くして選択された解候補を使用して近似式作成ステップを実行し、斯くして作成された近似式を使用して解候補選択ステップを実行するというサイクルを所定回数繰り返すことにより、最適解を求める。当該サイクルは、最終的には運転領域Zj毎に1つの最適解を求めることを目的としており、例えば、解候補選択ステップにおいて近似式Bからの残差が小さい順に選択される解候補の数を、近似式Bからの残差(の和)の大きさに応じて変化させてもよい。具体的には、近似式Bからの残差(の和)が大きいほど、近似式Bからの残差が小さい順に選択される解候補の数を少なく(換言すれば、解候補の選択時に選択から除外される解候補の数を多く)してもよい。また、上記サイクルを繰り返す回数は、例えば、過去の経験値等に基づいて定められる固定値であってもよく、あるいは解候補の数が所定の閾値よりも少なくなるまで及び/又は解候補の近似式Bからの残差(の和)の大きさが所定の閾値よりも小さくなるまで上記サイクルを繰り返してもよい。
ここで、上記サイクルにつき、添付図面を参照しながら更に説明する。図5(a)及び図5(b)は、近似式作成ステップにおいて取得された近似式Bからの残差が小さい順に所定数の初期解候補を選択し、斯くして選択された解候補を使用して近似式作成ステップを実行する処理の流れを説明する模式的なグラフである。図5(a)は、前述したように、密集解選択ステップにおいて選択された密集域に存在する解候補(白抜きの丸印)、及び近似式作成ステップにおいて当該解候補に基づいて作成された近似式B(図5(a)においては直線として表される)を表す。図5(a)及び図5(b)において、横軸は運転領域Zjを表し、縦軸は因子Xiにおける解候補の値を表す。前述したように、複数の因子Xiが存在することが一般的である。各解候補のうち図5(a)に例示した解候補aと解候補bとを比較すると、複数の因子Xi(i=1,2…n)のマップにおける近似式Bとの残差の和は、解候補bよりも解候補aの方が小さい。即ち、解候補aは解候補bよりも優れた解候補である。図5(b)は、このような優れた解候補を前述したような方法によって選択し、斯くして選択された解候補に基づいて新たな近似式Bを作成するステップ(近似式作成ステップ)を表す。
上記のように、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する近似式作成ステップと、初期解候補算出ステップにおいて算出された初期解候補の中から近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に所定数の解候補を選択する解候補選択ステップと、を所定回数繰り返すことにより最適解を求める。尚、図5(a)及び図5(b)においては、近似式Bを直線(即ち、一次近似)として描いたが、当然のことながら、近似式Bは、例えば二次近似等、希求する形状を有する近似式であってもよい。
斯くして、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法によれば、制御対象装置の運転領域毎に個別最適によって最適解を特定する従来技術とは異なり、かかる最適解を繋ぐことによって得られるマップが平滑となり、制御対象装置の運転状態が特定の運転領域から異なる運転領域に移る際に制御パラメータがばらつかず、マップによって特定される最適解と本来の最適解との乖離が小さくなり、制御対象装置において所望の運転状態を精度良く実現することが容易となり、制御対象装置に所期の運転特性を発揮させることができる。
ところで、前述したように、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法に含まれる初期解候補算出ステップにおいては、試験点及び試験結果に基づく解空間を制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する。この際、複数の制御パラメータの全ての組み合わせについて試験を行うことは労力的にも時間的にも負担が大きい。そこで、例えば、多目的遺伝的アルゴリズム(MOGA)等の多目的最適化手法を用いることにより、複数の制御パラメータの全ての組み合わせについて試験を行うこと無く、効率的に制御パラメータの追加試験点を探索することができる。
即ち、本発明の第2の実施態様は、
本発明の前記第1の実施態様に係る制御パラメータ適合方法であって、
前記初期解候補算出ステップにおいて、多目的最適化手法により前記初期解候補を算出する、
制御パラメータ適合方法である。
上記のように、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、前記初期解候補算出ステップにおいて、多目的最適化手法(例えば、多目的遺伝的アルゴリズム(MOGA)等)により前記初期解候補を算出する。これにより、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、複数の制御パラメータの全ての組み合わせについて試験を行うこと無く、効率的に制御パラメータの追加試験点を探索することができる。
ところで、前述したように、本発明の1つの目的は、制御対象となる装置の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができる制御パラメータ適合方法を提供することである。従って、本発明に係る制御パラメータ適合方法に含まれる密集解選択ステップにおいて前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択するに当たっては、異なる複数の運転領域にわたる全体としての最適解のマップの繋がりを滑らかにする必要がある。即ち、密集解の選択に当たっては、異なる複数の運転領域にわたって解空間における存在位置が大きく変動しない解を密集解として選択することが望ましい。
ところが、結果として得られるマップの平滑性は、例えば、前記複数の制御パラメータの値を軸とする座標である因子空間上での、ある特定の解と他の運転領域内に存在する他の解との距離のみならず、これらの異なる運転領域を規定する制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)を軸とする座標である引数空間上での、上記特定の解が存在する運転領域と上記他の運転領域との距離によっても影響される。例えば、ある特定の解と同じ距離だけ離れている他の解が異なる2つの運転領域内に存在する場合、当該特定の解が存在する運転領域に近い側の運転領域内に存在する他の解と当該特定の解との間の「勾配」は、当該特定の解が存在する運転領域から遠い側の運転領域内に存在する他の解と当該特定の解との間の「勾配」よりも大きい。このように、異なる解の間の勾配が大きいと、平滑なマップを得ることが困難となる。即ち、ある特定の解と同じ距離だけ離れている他の解がマップの平滑性に与える影響は、かかる他の解が存在する運転領域が当該特定の解が存在する運転領域に近いほど大きくなるので、平滑なマップを得るためには、単に因子空間上での距離ではなく、上記のような勾配が小さい解候補を密集解として選択することが望ましい。
ここで、上記につき、添付図面を参照しながら更に説明する。図6は、前述したように、(a)複数の制御パラメータの値を軸とする座標である因子空間上での特定の運転領域内に存在する特定の解と他の運転領域内に存在する他の解との距離、及び(b)異なる運転領域を規定する制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)を軸とする座標である引数空間上での上記特定の解が存在する運転領域と上記他の運転領域との距離を表す模式的なグラフである。
図6の(a)に示すように、制御パラメータX1及びX2を軸とする座標における運転領域P内に存在する解a(X1P,X2P)と運転領域Q内に存在する解b(X1Q,X2Q)との間の距離(因子間距離)d(a,b)は以下の式(1)によって表すことができる。
Figure 2015032263
上式中、R(Xi)は、個々の制御パラメータの解空間における最大変化幅(最大値と最小値との差、レンジ)である。即ち、因子間距離d(a,b)は、個々の制御パラメータのレンジによって正規化された距離である。尚、上式中、nの値が6となっているのは、図4において表示した因子Xi(X1〜X6)の数に対応させたものであり、実際に制御パラメータの適合を行う際には、制御対象となる装置において考慮される因子の数に応じた値をnとすることができることは言うまでも無い。
一方、図6の(b)に示すように、運転領域を規定する制御対象装置の運転条件(例えば、車速、要求トルク等)を軸とする座標における運転領域P(Z1A、Z2A)と運転領域Q(Z1B,Z2B)との間の距離(引数間距離)D(a,b)は以下の式(2)によって表すことができる。
Figure 2015032263
上式中、R(Zj)は、個々の運転条件の解空間における最大変化幅(最大値と最小値との差、レンジ)である。即ち、引数間距離D(a,b)は、個々の運転条件のレンジによって正規化された距離である。尚、上式中、kの値が2となっているのは、図4において表示した解(A及びB)の数に対応させたものであり、実際に制御パラメータの適合を行う際には、制御対象となる装置において考慮される解の数に応じた値をkとすることができることは言うまでも無い。
更に、運転領域P内に存在する解a(X1P,X2P)と運転領域Q内に存在する解b(X1Q,X2Q)との間の傾きは因子間距離d(a,b)の引数間距離D(a,b)に対する比として定義することができる。上述したように、他の解との間の勾配が小さい解ほど密集度が高く、平滑なマップを得ることが容易となる。即ち、ある特定の解の密集度は、当該解と他の運転領域内に存在する他の解との勾配の総和の平均として定義することができる。例えば、解a(X1P,X2P)の密集度は以下の式(3)によって表すことができる。
Figure 2015032263
上式中、Nは、解a(X1P,X2P)との間の勾配を算出して上記式(3)に加えた他の解の総数である。
このようにして、全ての解について密集度sum(a)を評価し、斯くして算出された密集度sum(a)の値が小さい順に、所定数の初期解候補を密集解として選択することにより、初期解候補算出ステップにおいて算出された初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択して、平滑なマップを容易に得ることができるようになる。
即ち、本発明の第3の実施態様は、
本発明の前記第1又は前記第2の実施態様の何れか1つに係る制御パラメータ適合方法であって、
前記密集解選択ステップにおいて、前記初期解候補の各々について、異なる運転領域に存在する他の初期解候補との前記複数の制御パラメータの前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である因子空間上における距離に対応する値である因子間距離を算出し、当該異なる運転領域を規定する前記制御対象装置の運転条件の前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である引数空間上における当該異なる運転領域間の距離に対応する値である引数間距離を算出し、前記因子間距離の前記引数間距離に対する比の総和の平均値を前記密集度として算出し、斯くして算出された密集度の値が小さい順に、所定数の初期解候補を密集解として選択する、
制御パラメータ適合方法である。
上記のように、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、前記密集解選択ステップにおいて、前記初期解候補の各々について、異なる運転領域に存在する他の初期解候補との前記複数の制御パラメータの前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である因子空間上における距離に対応する値である因子間距離を算出し、当該異なる運転領域を規定する前記制御対象装置の運転条件の前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である引数空間上における当該異なる運転領域間の距離に対応する値である引数間距離を算出し、前記因子間距離の前記引数間距離に対する比の総和の平均値を前記密集度として算出し、斯くして算出された密集度の値が小さい順に、所定数の初期解候補を密集解として選択する。これにより、本実施態様に係る制御パラメータ適合方法においては、初期解候補算出ステップにおいて算出された初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択して、平滑なマップを容易に得ることができるようになる。
ところで、冒頭で述べたように、本発明は、制御対象となる装置の制御パラメータ適合方法のみならず、制御対象となる装置の制御パラメータ適合装置及び制御対象となる装置の制御パラメータ適合プログラムにも関する。かかる制御パラメータ適合装置において実行される種々の処理及び制御パラメータ適合プログラムによって実行される種々の処理については、制御パラメータ適合方法についての上記説明により既に明らかである。従って、かかる制御パラメータ適合装置及び制御パラメータ適合プログラムとしての幾つかの実施態様を以下に列挙するが、制御パラメータ適合方法についての上記説明と重複する事項及び当業者に周知である事項については説明を割愛する。
先ず、本発明の第4の実施態様は、
制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて前記制御対象装置における前記制御パラメータの適合値を求める、制御パラメータ適合装置であって、
前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する「初期解候補算出ステップ」を実行する、初期解候補算出部と、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する「密集解選択ステップ」を実行する、密集解選択部と、
選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する「近似式作成ステップ」を実行する、近似式作成部と、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる残差の和が小さい順に、所定数の解候補を選択する「解候補選択ステップ」を実行する、解候補選択部と、
を含み、
前記近似式作成ステップ及び前記解候補選択ステップを所定回数繰り返すことにより最適解を求める、
制御パラメータ適合装置である。
また、本発明の第5の実施態様は、
本発明の前記第4の実施態様に係る制御パラメータ適合装置であって、
前記初期解候補算出部が、多目的最適化手法により前記初期解候補を算出する、
制御パラメータ適合装置である。
更に、本発明の第6の実施態様は、
本発明の前記第4又は前記第5の実施態様の何れか1つに係る制御パラメータ適合装置であって、
前記密集解選択部が、前記初期解候補の各々について、異なる運転領域に存在する他の初期解候補との前記複数の制御パラメータの前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である因子空間上における距離に対応する値である因子間距離を算出し、当該異なる運転領域を規定する前記制御対象装置の運転条件の前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である引数空間上における当該異なる運転領域間の距離に対応する値である引数間距離を算出し、前記因子間距離の前記引数間距離に対する比の総和の平均値を前記密集度として算出し、斯くして算出された密集度の値が小さい順に、所定数の初期解候補を密集解として選択する、
制御パラメータ適合装置である。
加えて、本発明の第7の実施態様は、
少なくとも入力用インターフェース、演算処理部、及び記憶部を備える制御パラメータ適合装置において、制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて前記制御対象装置における前記制御パラメータの適合値を求める、制御パラメータ適合方法を実行させる制御パラメータ適合プログラムであって、
前記入力用インターフェースを介して入力された前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出し、前記記憶部が備える記憶手段に格納する、初期解候補算出ステップと、
前記記憶手段に格納された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択し、前記記憶手段に格納する、密集解選択ステップと、
選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する、近似式作成ステップと、
前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に、所定数の解候補を選択する、解候補選択ステップと、
を含み、
前記近似式作成ステップ及び前記解候補選択ステップを所定回数繰り返すことにより最適解を求める、
制御パラメータ適合方法を、前記演算処理部に実行させる、
制御パラメータ適合プログラムである。
また、本発明の第8の実施態様は、
本発明の前記第7の実施態様に係る制御パラメータ適合プログラムであって、
前記初期解候補算出ステップにおいて、多目的最適化手法により前記初期解候補を算出する処理を前記演算処理部に実行させる、
制御パラメータ適合プログラムである。
更に、本発明の第9の実施態様は、
本発明の前記第7又は前記第8の実施態様の何れか1つに係る制御パラメータ適合プログラムであって、
前記密集解選択ステップにおいて、前記初期解候補の各々について、異なる運転領域に存在する他の初期解候補との前記複数の制御パラメータの前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である因子空間上における距離に対応する値である因子間距離を算出し、当該異なる運転領域を規定する前記制御対象装置の運転条件の前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である引数空間上における当該異なる運転領域間の距離に対応する値である引数間距離を算出し、前記因子間距離の前記引数間距離に対する比の総和の平均値を前記密集度として算出し、斯くして算出された密集度の値が小さい順に、所定数の初期解候補を密集解として選択する処理を前記演算処理部に実行させる、
制御パラメータ適合プログラムである。
以下、本発明の特定の実施態様に係る制御パラメータ適合方法について更に詳しく説明する。但し、以下に述べる説明はあくまでも例示を目的とするものであり、本発明の範囲が以下の説明に限定されるものと解釈されるべきではない。
本実施例においては、本発明の1つの実施態様に係る制御パラメータ適合方法を車両の自動変速機(AT)における変速ショックの低減に適用する事例について説明する。当業者に周知であるように、自動変速機は、クラッチ及びブレーキの係合/解放によって所定の変速比を実現する。具体的には、例えば、図7に示すように、係合側指示油圧及び解放側指示油圧の大きさを所定のタイミングにて変化させることによって所定の変速比を実現する。図7は、前述したように、自動変速機において所定の変速比を実現する過程における係合側指示油圧及び解放側指示油圧の推移を表す模式的なグラフである。従って、自動変速機における適合は、主として、クラッチ及びブレーキの係合/解放のタイミングを制御することとなる。尚、図7においては適合対象となる指示油圧の大きさ(油圧高さ)及び油圧高さを維持又は変化させる時間の長さをX1〜X5によって表している。また、評価指標としては、例えば、図8に示すように、変速時間Y1及び変速ショックY2(=A+B)を挙げることができる。図8は、前述したように、自動変速機における変速比の変化に伴う変速ショックの発生を表す模式的なグラフである。
先ず、図2に示すフローチャートを参照しながら前述したように、上記適合対象因子の初期試験(ステップS100)を実施する。初期試験(ステップS100)の終了後、逐次試験(ステップS200)の実施に移る。この逐次試験(ステップS200)に含まれる追加試験点の選出(ステップS220)には、前述した初期解候補算出(ステップS221)、密集解選択(ステップS222)、近似式作成(ステップS223)、及び解候補選択(ステップS224)が含まれる。本実施例においては、初期解候補算出(ステップS221)において、図8に示すグラフを参照しながら説明した評価指標である変速時間Y1を横軸とし、変速ショックY2(=A+B)を縦軸とする座標(図9を参照)において、多目的最適化手法によって解候補を算出した。図9は、前述したように、図8に示すグラフに示された評価指標としての変速時間Y1及び変速ショックY2を軸とする座標における解空間及び希求領域、並びに初期解候補として算出される希求領域内に存在する解及びパレート解を示す模式的なグラフである。
これ以降の密集解選択(ステップS222)、近似式作成(ステップS223)、及び解候補選択(ステップS224)については前述した通りである。また、前述したように、追加試験点の選出(ステップS220)において、近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)が所定回数繰り返され、結果として、追加試験点(解)が選出される(ステップS226)。尚、上記のように近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)を繰り返す回数は、例えば、過去の経験値等に基づいて定められる固定値であってもよく、あるいは解候補の数が所定の閾値よりも少なくなるまで及び/又は解候補の近似式Bからの残差(の和)の大きさが所定の閾値よりも小さくなるまで近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)を繰り返してもよい。即ち、ステップS225に記載したように、所望の解候補が得られるまで近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)を繰り返し、所望の解候補が得られたら次のステップS226に進むようにしてもよい。従って、近似式作成(ステップS223)及び解候補選択(ステップS224)の1回の実行によって所望の解候補が得られた場合は、これらのステップを更に繰り返して実行する必要は無い。
その後、逐次試験(ステップS200)に含まれる試験実施(ステップS230)、試験結果の定量化(ステップS240)、及び応答曲面(近似式A)の取得(ステップS250)の実行後、後解析(ステップS300)の実施に移る。後解析(ステップS300)に含まれる基準値決定(ステップS310)、ロバスト範囲設定(ステップS320)、及びマップ曲面生成(ステップS330)を実行した結果の一部を図10に示す。図10は、前述したように、図7に示した適合対象となる油圧高さX1及びX4のエンジン回転速度及び要求トルクに対するマップを表すグラフである(油圧高さX1及びX4はそれぞれ(a)及び(b)に対応する)。図10に示すように、本発明の1つの実施態様に係る制御パラメータ適合方法を車両の自動変速機(AT)における変速ショックの低減に適用した結果、制御対象となる装置(自動変速機)の制御パラメータの適合値を高精度且つ効率的に得ることができた。
以上のように、本実施例においては車両の自動変速機(AT)の適合システムを使用したが、前述したように、本発明は、例えば、車両のエンジン等、他の制御対象装置にも広く適用し得る。尚、車両適合システム(例えば、エンジン、自動変速機(AT)等の適合システム)は、本願の出願時点において既に公知であり、市販品も存在する(例えば、株式会社小野測器製 自動計測制御システム「FAMS−8000」、同エンジン試験装置「KY−1000シリーズ」、同マップ最適化支援ツール「ORANGE」等を参照)。従って、本明細書においては、かかる適合システム、計測制御システム、試験装置、最適化支援ツール等の構成について詳細な説明は割愛する。
以上、本発明を説明することを目的として、特定の構成を有する幾つかの実施態様及び実施例につき、時に添付図面を参照しながら説明してきたが、本発明の範囲は、これらの例示的な実施態様及び実施例に限定されるものと解釈されるべきではなく、特許請求の範囲及び明細書に記載された事項の範囲内で、適宜修正を加えることが可能であることは言うまでも無い。

Claims (9)

  1. 制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて前記制御対象装置における前記制御パラメータの適合値を求める、制御パラメータ適合方法であって、
    前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する、初期解候補算出ステップと、
    前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する、密集解選択ステップと、
    選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する、近似式作成ステップと、
    前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に、所定数の解候補を選択する、解候補選択ステップと、
    を含み、
    前記近似式作成ステップ及び前記解候補選択ステップを所定回数繰り返すことにより最適解を求める、
    制御パラメータ適合方法。
  2. 請求項1に記載の制御パラメータ適合方法であって、
    前記初期解候補算出ステップにおいて、多目的最適化手法により前記初期解候補を算出する、
    制御パラメータ適合方法。
  3. 請求項1又は2の何れか1項に記載の制御パラメータ適合方法であって、
    前記密集解選択ステップにおいて、前記初期解候補の各々について、異なる運転領域に存在する他の初期解候補との前記複数の制御パラメータの前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である因子空間上における距離に対応する値である因子間距離を算出し、当該異なる運転領域を規定する前記制御対象装置の運転条件の前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である引数空間上における当該異なる運転領域間の距離に対応する値である引数間距離を算出し、前記因子間距離の前記引数間距離に対する比の総和の平均値を前記密集度として算出し、斯くして算出された密集度の値が小さい順に、所定数の初期解候補を密集解として選択する、
    制御パラメータ適合方法。
  4. 制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて前記制御対象装置における前記制御パラメータの適合値を求める、制御パラメータ適合装置であって、
    前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出する「初期解候補算出ステップ」を実行する、初期解候補算出部と、
    前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択する「密集解選択ステップ」を実行する、密集解選択部と、
    選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する「近似式作成ステップ」を実行する、近似式作成部と、
    前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる残差の和が小さい順に、所定数の解候補を選択する「解候補選択ステップ」を実行する、解候補選択部と、
    を含み、
    前記近似式作成ステップ及び前記解候補選択ステップを所定回数繰り返すことにより最適解を求める、
    制御パラメータ適合装置。
  5. 請求項4に記載の制御パラメータ適合装置であって、
    前記初期解候補算出部が、多目的最適化手法により前記初期解候補を算出する、
    制御パラメータ適合装置。
  6. 請求項4又は5の何れか1項に記載の制御パラメータ適合装置であって、
    前記密集解選択部が、前記初期解候補の各々について、異なる運転領域に存在する他の初期解候補との前記複数の制御パラメータの前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である因子空間上における距離に対応する値である因子間距離を算出し、当該異なる運転領域を規定する前記制御対象装置の運転条件の前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である引数空間上における当該異なる運転領域間の距離に対応する値である引数間距離を算出し、前記因子間距離の前記引数間距離に対する比の総和の平均値を前記密集度として算出し、斯くして算出された密集度の値が小さい順に、所定数の初期解候補を密集解として選択する、
    制御パラメータ適合装置。
  7. 少なくとも入力用インターフェース、演算処理部、及び記憶部を備える制御パラメータ適合装置において、制御対象装置の複数の制御パラメータの組み合わせである試験点及び当該試験点に対応する前記制御対象装置の制御結果である試験結果に基づいて、前記複数の制御パラメータとこれらの制御パラメータに対応する前記制御対象装置の制御結果についての評価指標との関係を表す近似式である近似式Aを取得し、当該近似式Aに基づいて前記制御対象装置における前記制御パラメータの適合値を求める、制御パラメータ適合方法を実行させる制御パラメータ適合プログラムであって、
    前記入力用インターフェースを介して入力された前記試験点及び前記試験結果に基づく解空間を前記制御対象装置の運転条件に基づいて区画される1つ以上の運転領域に分け、当該運転領域毎に希求領域内に存在する解及びパレート解を初期解候補として算出し、前記記憶部が備える記憶手段に格納する、初期解候補算出ステップと、
    前記記憶手段に格納された前記初期解候補の中から解の密集度が高い領域に存在する解候補を密集解として選択し、前記記憶手段に格納する、密集解選択ステップと、
    選択された前記解候補に基づいて、前記1つ以上の運転領域の各々についての解候補を特定する近似式である近似式Bを制御パラメータ毎に作成する、近似式作成ステップと、
    前記初期解候補算出ステップにおいて算出された前記初期解候補の中から、前記近似式作成ステップにおいて作成された前記近似式Bと各解候補との残差を前記複数の制御パラメータにわたって合計して得られる「残差の和」が小さい順に、所定数の解候補を選択する、解候補選択ステップと、
    を含み、
    前記近似式作成ステップ及び前記解候補選択ステップを所定回数繰り返すことにより最適解を求める、
    制御パラメータ適合方法を、前記演算処理部に実行させる、
    制御パラメータ適合プログラム。
  8. 請求項7に記載の制御パラメータ適合プログラムであって、
    前記初期解候補算出ステップにおいて、多目的最適化手法により前記初期解候補を算出する処理を前記演算処理部に実行させる、
    制御パラメータ適合プログラム。
  9. 請求項7又は8の何れか1項に記載の制御パラメータ適合プログラムであって、
    前記密集解選択ステップにおいて、前記初期解候補の各々について、異なる運転領域に存在する他の初期解候補との前記複数の制御パラメータの前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である因子空間上における距離に対応する値である因子間距離を算出し、当該異なる運転領域を規定する前記制御対象装置の運転条件の前記解空間における最大変化幅に対する相対値を軸とする座標である引数空間上における当該異なる運転領域間の距離に対応する値である引数間距離を算出し、前記因子間距離の前記引数間距離に対する比の総和の平均値を前記密集度として算出し、斯くして算出された密集度の値が小さい順に、所定数の初期解候補を密集解として選択する処理を前記演算処理部に実行させる、
    制御パラメータ適合プログラム。
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CN109283685A (zh) * 2018-09-27 2019-01-29 中山大学 一种超构透镜纳米单元的设计方法及超构透镜

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