JP2015031484A - 熱交換器及びそれを備えた空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ルーバーが設けられたフィンの切り欠き部に扁平管を差し込む際のフィンの座屈を抑制する。【解決手段】所定方向に配列された複数の扁平管(33)と、扁平管(33)の配列方向に延びるように板状に設けられ、側方に開口して各扁平管(33)を差し込む切り欠き部(45)が形成された複数のフィン(36)とを備え、各フィン(36)の隣り合う切り欠き部(45)同士の間には、横断面の頂角による稜線が切り欠き部(45)の延びる方向と交差する方向に延びるように山形に形成された複数の膨出部(52〜55)が設けられ、複数の膨出部(52〜55)のうち、切り欠き部(45)の開口側に対して反対側の位置に配置される膨出部(52〜54)の斜面には、ルーバー(60)が設けられている。【選択図】図5
Description
本発明は、熱交換器及びそれを備えた空気調和機に関し、特に、フィンの切り欠き部に扁平管が差し込まれた熱交換器及びそれを備えた空気調和機に関するものである。
フィンに形成された切り欠き部に扁平管が差し込まれた熱交換器は、従来より広く知られている。例えば、特許文献1には、側面が対向するように平行に配置された複数の扁平管と、それらの扁平管の配列方向に延びる板状に形成され、各扁平管が直交方向に差し込まれる切り欠き部を有する複数のフィンとを備え、各フィンにルーバーが設けられた熱交換器が開示されている。
ところで、上記特許文献1に開示された熱交換器のように、フィンに切り込みを入れてルーバーが設けられた熱交換器では、ルーバーにより伝熱性が促進されるものの、切り込みによりフィンの強度が低下するので、熱交換器を製造する工程において、側方に開口するように切り欠き部がそれぞれ形成された複数のフィンを整列させた後に、各フィンの切り欠き部に扁平管を差し込む際に、フィンが座屈するおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ルーバーが設けられたフィンの切り欠き部に扁平管を差し込む際のフィンの座屈を抑制することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、フィン(36)の切り欠き部(45)の開口側に対して反対側の位置に配置されてフィン本体(36a)の厚さ方向に膨出する膨出部(52〜54)の斜面にルーバー(60)を設けるようにしたものである。
具体的に第1の発明は、所定方向に配列された複数の扁平管(33)と、上記複数の扁平管(33)の配列方向に延びるように板状にそれぞれ設けられ、側方に開口して上記各扁平管(33)を差し込む切り欠き部(45)が形成された複数のフィン(36)とを備えた熱交換器であって、上記各フィン(36)に形成された隣り合う切り欠き部(45)同士の間には、横断面の頂角による稜線が該切り欠き部(45)の延びる方向と交差する方向に延びるように山形にそれぞれ形成され、フィン本体(36a)の厚さ方向に膨出する複数の膨出部(52〜55)が設けられ、上記複数の膨出部(52〜55)のうち、上記切り欠き部(45)の開口側に対して反対側の位置に配置される膨出部(52〜54)の斜面には、フィン本体(36a)を切り起こして形成されたルーバー(60)が設けられていることを特徴とするものである。
上記第1の発明では、各フィン(36)において、隣り合う切り欠き部(45)同士の間に複数の膨出部(52〜55)が設けられているので、各フィン(36)に厚さ方向に膨出して山形に形成された膨出部(52〜55)の形状により、各フィン(36)における隣り合う切り欠き部(45)同士の間の領域が補強される。ここで、フィンの伝熱性を促進するためのルーバーは、その切り起こしに必要な切り込みによりフィンの強度低下が懸念されるものの、複数の膨出部(52〜55)のうち、切り欠き部(45)の開口側に対して反対側、すなわち、風下側の位置に配置される膨出部(52〜54)の斜面にルーバー(60)が設けられていることにより、隣り合う膨出部(52〜55)同士の間の相対的に低い剛性を有する谷の部分にルーバー(60)が配置しないので、膨出部(52〜54)へのルーバー(60)の設置によるフィン(36)の強度低下が抑制される。これにより、ルーバー(60)の設置によるフィン(36)における隣り合う切り欠き部(45)同士の間の領域の強度低下が抑制されるので、ルーバー(60)が設けられたフィン(36)の切り欠き部(45)に扁平管(33)を差し込む際のフィン(36)の座屈を抑制することができる。なお、隣り合う膨出部(52〜55)同士の間の谷の部分は、膨出部(52〜55)の形状による補強効果が見込めないので、相対的に剛性が低くなる。
また、上記第1の発明では、ルーバー(60)は、各フィン(36)の複数の膨出部(52〜55)のうち、風下側の位置に配置される膨出部(52〜54)の斜面に設けられているので、例えば、暖房運転中に風上側の位置に配置される膨出部(51)に霜が形成され難くなり、通風抵抗を低くすることができる。
さらに、上記第1の発明では、隣り合う膨出部(52〜54)同士の間の谷の部分にルーバー(60)が設けられていないので、フィン(36)に設けられた複数のルーバー(60)が谷の部分で縁切りされ、フィン(36)のルーバー(60)による保水量が少なくなることにより、フィン(36)の水はけ性が向上する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記複数の膨出部(52〜55)のうち、上記切り欠き部(45)の開口側に対して最も反対側の位置に配置される膨出部(52)では、上記ルーバー(60)が上記切り欠き部(45)の開口側の斜面だけに設けられていることを特徴とするものである。
上記第2の発明では、各フィン(36)の複数の膨出部(52〜55)のうち、最も風下側の位置に配置される膨出部(52)において、切り欠き部(45)の開口側、すなわち、風上側の斜面だけにルーバー(60)が設けられているので、各フィン(36)の風下側の導水路となる部分に保水し易いルーバー(60)が配置しないことになり、フィン(36)の座屈を抑制しつつ、フィン(36)の水はけ性も確保される。
第3の発明は、空気調和機を対象とし、上記第1又は第2の発明の熱交換器(30)が設けられた冷媒回路(20)を備え、上記冷媒回路(20)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行うことを特徴とするものである。
上記第3の発明では、上記第1又は第2の発明の熱交換器(30)が冷媒回路(20)に接続されるので、熱交換器(30)では、冷媒回路(20)を循環する冷媒が扁平管(33)内を流れ、扁平管(33)及びフィン(36)により区画された通風路を流れる空気と熱交換することになる。
本発明によれば、フィン(36)の切り欠き部(45)の開口側に対して反対側の位置に配置されてフィン本体(36a)の厚さ方向に膨出する膨出部(52〜54)の斜面にルーバー(60)が設けられているので、ルーバー(60)が設けられたフィン(36)の切り欠き部(45)に扁平管(33)を差し込む際のフィン(36)の座屈を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではない。
《発明の実施形態1》
図1〜図7は、本発明に係る熱交換器の実施形態1を示している。なお、本実施形態の熱交換器(30)は、後述する空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成している。
図1〜図7は、本発明に係る熱交換器の実施形態1を示している。なお、本実施形態の熱交換器(30)は、後述する空気調和機(10)の室外熱交換器(23)を構成している。
―空気調和機―
本実施形態の空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。ここで、図1は、室外熱交換器(23)を備えた空気調和機(10)の概略構成を示す冷媒回路図である。
本実施形態の空気調和機(10)について、図1を参照しながら説明する。ここで、図1は、室外熱交換器(23)を備えた空気調和機(10)の概略構成を示す冷媒回路図である。
<空気調和機の構成>
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)を備えている。ここで、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。また、空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)により冷媒回路(20)が構成されている。
空気調和機(10)は、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)を備えている。ここで、室外ユニット(11)及び室内ユニット(12)は、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)を介して互いに接続されている。また、空気調和機(10)では、室外ユニット(11)、室内ユニット(12)、液側連絡配管(13)及びガス側連絡配管(14)により冷媒回路(20)が構成されている。
冷媒回路(20)には、圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)及び室内熱交換器(25)が設けられている。ここで、圧縮機(21)、四方切換弁(22)、室外熱交換器(23)及び膨張弁(24)は、室外ユニット(11)に収容されている。そして、室外ユニット(11)には、室外熱交換器(23)へ室外空気を供給するための室外ファン(15)が設けられている。一方、室内熱交換器(25)は、室内ユニット(12)に収容されている。そして、室内ユニット(12)には、室内熱交換器(25)へ室内空気を供給するための室内ファン(16)が設けられている。
冷媒回路(20)は、冷媒が充填された閉回路である。ここで、冷媒回路(20)において、圧縮機(21)は、その吐出側が四方切換弁(22)の第1のポートに接続されていると共に、その吸入側が四方切換弁(22)の第2のポートに接続されている。また、冷媒回路(20)では、四方切換弁(22)の第3のポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(23)、膨張弁(24)及び室内熱交換器(25)が配置されている。
圧縮機(21)は、スクロール型又はロータリ型の全密閉型圧縮機である。また、四方切換弁(22)は、第1のポートが第3のポートと連通し且つ第2のポートが第4のポートと連通する第1状態(図1に破線で示す状態)と、第1のポートが第4のポートと連通し且つ第2のポートが第3のポートと連通する第2状態(図1に実線で示す状態)とに切り換わる。ここで、膨張弁(24)は、いわゆる電子膨張弁である。
室外熱交換器(23)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。一方、室内熱交換器(25)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。ここで、室内熱交換器(25)は、円管である伝熱管を備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器により構成されている。なお、室外熱交換器(23)は、上述したように、本実施形態の熱交換器(30)により構成されている。
<空気調和機の冷房運転>
空気調和機(10)は、冷房運転を行う。ここで、冷房運転中には、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。また、冷房運転中には、室外ファン(15)及び室内ファン(16)が運転される。
空気調和機(10)は、冷房運転を行う。ここで、冷房運転中には、四方切換弁(22)が第1状態に設定される。また、冷房運転中には、室外ファン(15)及び室内ファン(16)が運転される。
冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(22)を通って室外熱交換器(23)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。そして、室外熱交換器(23)から流出した冷媒は、膨張弁(24)を通過する際に膨張してから室内熱交換器(25)へ流入し、室内空気から吸熱して蒸発する。さらに、室内熱交換器(25)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)を通過後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。ここで、室内ユニット(12)は、室内熱交換器(25)において冷却された空気を室内へ供給するように構成されている。
<空気調和機の暖房運転>
空気調和機(10)は、暖房運転を行う。ここで、暖房運転中には、四方切換弁(22)が第2状態に設定される。また、暖房運転中には、室外ファン(15)及び室内ファン(16)が運転される。
空気調和機(10)は、暖房運転を行う。ここで、暖房運転中には、四方切換弁(22)が第2状態に設定される。また、暖房運転中には、室外ファン(15)及び室内ファン(16)が運転される。
冷媒回路(20)では、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(22)を通って室内熱交換器(25)へ流入し、室内空気へ放熱して凝縮する。そして、室内熱交換器(25)から流出した冷媒は、膨張弁(24)を通過する際に膨張してから室外熱交換器(23)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。さらに、室外熱交換器(23)から流出した冷媒は、四方切換弁(22)を通過後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。ここで、室内ユニット(12)は、室内熱交換器(25)において加熱された空気を室内へ供給するように構成されている。
<空気調和機の除霜動作>
上述したように、暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。そして、外気温が低い運転条件では、室外熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度が0℃を下回る場合があり、この場合には、室外空気中の水分が霜となって室外熱交換器(23)に付着する。そこで、空気調和機(10)は、例えば、暖房運転の継続時間が所定値(例えば、数十分)に達する毎に、除霜動作を行う。
上述したように、暖房運転中には、室外熱交換器(23)が蒸発器として機能する。そして、外気温が低い運転条件では、室外熱交換器(23)における冷媒の蒸発温度が0℃を下回る場合があり、この場合には、室外空気中の水分が霜となって室外熱交換器(23)に付着する。そこで、空気調和機(10)は、例えば、暖房運転の継続時間が所定値(例えば、数十分)に達する毎に、除霜動作を行う。
除霜動作を開始する際には、四方切換弁(22)が第2状態から第1状態へ切り換わり、室外ファン(15)及び室内ファン(16)が停止する。ここで、除霜動作中の冷媒回路(20)では、圧縮機(21)から吐出された高温の冷媒が室外熱交換器(23)へ供給される。そして、室外熱交換器(23)では、その表面に付着した霜が冷媒により暖められて融解する。さらに、室外熱交換器(23)において放熱した冷媒は、膨張弁(24)及び室内熱交換器(25)を順に通過し、その後に圧縮機(21)へ吸入されて圧縮される。ここで、除霜動作が終了すると、暖房運転が再開される。つまり、四方切換弁(22)が第1状態から第2状態へ切り換わり、室外ファン(15)及び室内ファン(16)の運転が再開される。
−熱交換器−
室外熱交換器(23)を構成する熱交換器(30)について、図2〜図7を参照しながら説明する。ここで、図2は、本実施形態の熱交換器(30)の概略構成を示す正面図である。
室外熱交換器(23)を構成する熱交換器(30)について、図2〜図7を参照しながら説明する。ここで、図2は、本実施形態の熱交換器(30)の概略構成を示す正面図である。
また、図3は、熱交換器(30)の正面を示す一部断面図である。また、図4は、熱交換器(30)の正面の一部を拡大して示す断面図である。また、図5は、図3のV−V断面の一部を拡大して示す熱交換器(30)の断面図である。また、図6は、熱交換器(30)のフィン(36)の一部を拡大して示す正面図である。また、図7は、図6のVII−VII断面を示すフィン(36)の断面図である。
熱交換器(30)は、図2及び図3に示すように、第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、複数の扁平管(33)及び複数のフィン(36)を備えている。ここで、第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)及びフィン(36)は、何れもアルミニウム合金製の部材により構成され、互いにロウ付けにより接合されている。
熱交換器(30)は、図2及び図3に示すように、上側の主熱交換領域(1)と、下側の補助熱交換領域(2)とに区分されている。ここで、主熱交換領域(1)には、図2及び図3に示すように、第1主熱交換部(1a)、第2主熱交換部(1b)及び第3主熱交換部(1c)が下から上に向かって順に設けられている。また、補助熱交換領域(2)には、図2及び図3に示すように、第1補助熱交換部(2a)、第2補助熱交換部(2b)及び第3補助熱交換部(2c)が下から上に向かって順に設けられている。なお、各熱交換領域(1,2)に形成される熱交換部(1a〜1c,2a〜2c)の個数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)は、図2及び図3に示すように、両端が閉塞された細長い中空円筒状にそれぞれ形成されている。なお、図2及び図3では、熱交換器(30)の左端に第1ヘッダ集合管(31)が起立した状態に設けられ、熱交換器(30)の右端に第2ヘッダ集合管(32)が起立した状態に設けられている。
第1ヘッダ集合管(31)の内部空間は、図3及び図4に示すように、アルミニウム合金製の仕切板(31a)により上側空間(81)及び下側空間(82)に仕切られている。なお、仕切板(31a)、並びに後述する上側横仕切板(31b)、下側横仕切板(31c)、縦仕切板(31d)、仕切板(32a)、仕切板(32b)、液側接続管(6)及びガス側接続管(7)は、対応する部材の接触部とロウ付けにより接合されている。
上側空間(81)は、主熱交換領域(1)に対応した主連通空間を構成している。ここで、上側空間(81)は、図3に示すように、主熱交換領域(1)の各主熱交換部(1a〜1c)に設けられた全ての扁平管(33)と連通している。
下側空間(82)は、補助熱交換領域(2)に対応した補助連通空間を構成している。そして、下側空間(82)は、図3及び図4に示すように、連通用貫通孔(98a)及びスリット孔(99a)が形成されたアルミニウム合金製の上側横仕切板(31b)、連通用貫通孔(98b)及びスリット孔(99b)が形成されたアルミニウム合金製の下側横仕切板(31c)、並びに連通用開口部(96a,96b)及び連通用貫通孔(97)が形成されたアルミニウム合金製の縦仕切板(31d)により、第1補助熱交換部(2a)に対応する第1連通室(82a)、第2補助熱交換部(2b)に対応する第2連通室(82b)、第3補助熱交換部(2c)に対応する第3連通室(82c)、及び第1〜第3連通室(82a〜82c)に連通する混合室(83)に仕切られている。ここで、上側横仕切板(31b)及び下側横仕切板(31c)に形成されたスリット孔(99a,99b)には、図4に示すように、縦仕切板(31d)が挿入されている。また、図3及び図4に示すように、最も下方に位置する第1連通室(82a)は、第1補助熱交換部(2a)に設けられた全ての扁平管(33)と連通し、第1連通室(82a)の上方に位置する第2連通室(82b)は、第2補助熱交換部(2b)に設けられた全ての扁平管(33)と連通し、最も上方に位置する第3連通室(82c)は、第3補助熱交換部(2c)に設けられた全ての扁平管(33)と連通している。
下側空間(82)の混合室(83)には、図3及び図4に示すように、アルミニウム合金製の液側接続管(6)の一方端が接続されている。ここで、液側接続管(6)の他方端は、図1及び図2に示すように、室外熱交換器(23)と膨張弁(24)とを繋ぐ銅製の配管(17)に継手(不図示)を介して接続されている。
上側空間(81)には、図3に示すように、その上下方向のほぼ中央にアルミニウム合金製のガス側接続管(7)の一方端が接続されている。ここで、ガス側接続管(7)の他方端は、図1及び図2に示すように、室外熱交換器(23)と四方切換弁(22)の第3のポートとを繋ぐ銅製の配管(18)に継手(不図示)を介して接続されている。
第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、図3に示すように、主熱交換領域(1)に対応した主連通空間(91)と、補助熱交換領域(2)に対応した補助連通空間(92)とに区分されている。
主連通空間(91)は、図3に示すように、アルミニウム合金製の2枚の仕切板(32a)により第1〜第3部分空間(91a〜91c)に仕切られている。ここで、図3に示すように、最も下方に位置する第1部分空間(91a)は、第1主熱交換部(1a)に設けられた全ての扁平管(33)と連通し、第1部分空間(91a)の上方に位置する第2部分空間(91b)は、第2主熱交換部(1b)に設けられた全ての扁平管(33)と連通し、最も上方に位置する第3部分空間(91c)は、第3主熱交換部(1c)に設けられた全ての扁平管(33)と連通している。
補助連通空間(92)は、アルミニウム合金製の2枚の仕切板(32b)により第4〜第6部分空間(92a〜92c)に仕切られている。ここで、図3に示すように、最も下方に位置する第4部分空間(92a)は、第1補助熱交換部(2a)に設けられた全ての扁平管(33)と連通し、第4部分空間(92a)の上方に位置する第5部分空間(92b)は、第2補助熱交換部(2b)に設けられた全ての扁平管(33)と連通し、最も上方に位置する第6部分空間(92c)は、第3補助熱交換部(2c)に設けられた全ての扁平管(33)と連通している。
第2ヘッダ集合管(32)では、図3に示すように、第2部分空間(91b)及び第4部分空間(92a)が第1接続用配管(8)を介して互いに接続され、第3部分空間(91c)及び第5部分空間(92b)が第2接続用配管(9)を介して互いに接続され、第1部分空間(91a)及び第6部分空間(92c)が互いに連続している。
したがって、熱交換器(30)では、第1主熱交換部(1a)及び第3補助熱交換部(2c)が直列に接続され、第2主熱交換部(1b)及び第1補助熱交換部(2a)が直列に接続され、第3主熱交換部(1c)及び第2補助熱交換部(2b)が直列に接続されている。
扁平管(33)は、図5に示すように、例えば、長円形状の横断面を有し、複数の流体通路(34)が互いに並行に延びるように設けられた伝熱管である。ここで、熱交換器(30)において、複数の扁平管(33)は、図3〜図5に示すように、平坦な面が互いに対向するように一定の間隔で上下に並んで配列されている。また、各扁平管(33)は、図3及び図4に示すように、その一方の端部が第1ヘッダ集合管(31)に接続されていると共に、その他方の端部が第2ヘッダ集合管(32)に接続されている。
フィン(36)は、図3及び図4に示すように、扁平管(33)の延びる方向に互いに一定の間隔で配置されている。つまり、フィン(36)は、扁平管(33)の延びる方向と実質的に直交するように配置されている。詳しくは後述するが、各フィン(36)では、上下に隣り合う一対の扁平管(33)の間の中間領域(71)に複数の膨出部(52〜55)が設けられている。
熱交換器(30)では、図3及び図4に示すように、上下に隣り合う一対の扁平管(33)の間の空間が、フィン(36)により複数の通風路(40)に区画されている。そして、熱交換器(30)は、扁平管(33)の流体通路(34)を流れる冷媒を、通風路(40)を流れる空気と熱交換させるように構成されている。
フィン(36)は、例えば、金属板をプレス加工することにより形成された縦長の板状フィンである。
フィン(36)には、図5及び図6に示すように、図中左側の側方に開口して、フィン(36)の幅方向、すなわち、空気の通過方向に延びる細長い切り欠き部(45)が、複数の扁平管(33)に対応して複数形成されている。ここで、フィン(36)では、複数の切り欠き部(45)が、図5及び図6に示すように、フィン(36)の長手方向(図中上下方向)に一定の間隔で形成され、複数の切り欠き部(45)に複数の扁平管(33)がそれぞれ差し込まれている。そして、扁平管(33)は、フィン(36)の切り欠き部(45)に差し込まれた状態で切り欠き部(45)の内縁部とロウ付けにより接合されている。
フィン(36)は、図5に示すように、図中上下に隣り合う一対の扁平管(33)の間に配置して扁平管(33)に接触する複数の中間領域(71)、各中間領域(71)から切り欠き部45の開口側(図中左側の風上側)に突出して互いに離間する複数の突出領域(72)、及び複数の中間領域(71)を図中右側の風下側で連結する連結領域(73)を有している。
フィン(36)の連結領域(73)には、図5及び図6に示すように、平面視でLの字状の第1膨出部(51)が複数設けられ、図中上下に隣り合う一対の第1膨出部(51)の間には、第1スペーサ部(47)が設けられている。また、フィン(36)の連結領域(73)には、図5〜図7に示すように、横断面が逆Vの字状に形成された導水用リブ(49)が図5及び図6中上下方向に延びるように設けられている。ここで、第1膨出部(51)は、フィン本体(36a)の厚さ方向に膨出して山形に形成されている。また、第1スペーサ部(47)は、図7に示すように、フィン本体(36a)を切り起こして形成された略台形状の小片であり、小片の突出した端部が隣のフィン(36)に当接することにより、隣り合うフィン(36)同士の間隔を保持するように構成されている。
フィン(36)の各中間領域(71)には、図5及び図6に示すように、図中右側の風下側から図中左側の風上側に向かって、第2〜第5膨出部(52〜55)が順に設けられている。ここで、第2〜第5膨出部(52〜55)は、図5〜図7に示すように、横断面の頂角による稜線が切り欠き部(45)の延びる方向と直交する方向に延びるようにフィン本体(36a)の厚さ方向に膨出して山形にそれぞれ形成されている。また、図5〜図7に示すように、第2膨出部(52)の図中左側の風上側、並びに第3膨出部(53)の図中右側の風下側及び図中左側の風上側の各斜面には、3つのルーバー(60)がそれぞれ設けられている。さらに、図5〜図7に示すように、第4膨出部(54)の図中右側の風下側の斜面には、2つのルーバー(60)が設けられている。ここで、ルーバー(60)は、フィン本体(36a)に対応する第2〜第4膨出部(52〜54)の横断面の頂角による稜線と平行に延びるようにスリット状の切り込みを入れ、隣り合う一対の切り込みの間の部分、又は1つの切り込みの側方の部分を捩るように塑性変形させることにより形成されている。なお、図5〜図7に示すように、第2〜第5膨出部(52〜55)のうち、図中右側の最も風下側の位置に配置される第2膨出部(52)では、図中右側の風下側の斜面にルーバー(60)が設けられていない。また、図5〜図7に示すように、第2膨出部(52)と第3膨出部(53)との間の谷の部分、第3膨出部(53)と第4膨出部(54)との間の谷の部分、及び第4膨出部(54)と第5膨出部(55)との間の谷の部分には、ルーバー(60)が設けられていない。
フィン(36)の各突出領域(72)には、図5及び図6に示すように、第2スペーサ部(48)が設けられ、第2スペーサ部(48)を囲むように平面視でコの字状(Uの字状)の第6膨出部(56)が設けられている。ここで、第2スペーサ部(48)は、図7に示すように、フィン本体(36a)を切り起こして形成された略台形状の小片であり、小片の突出した端部が隣のフィン(36)に当接することにより、隣り合うフィン(36)同士の間隔を保持するように構成されている。また、第6膨出部(56)は、フィン本体(36a)の厚さ方向に膨出して山形に形成されている。
第5膨出部(55)と第6膨出部(56)との間の谷の部分には、横断面の頂角による稜線が切り欠き部(45)の延びる方向と直交する方向に延びるようにフィン本体(36a)の厚さ方向に膨出して山形に形成され、第5膨出部(55)の斜面と第6膨出部(56)の斜面とを連結する第7膨出部(57)が設けられている。ここで、第7膨出部(57)の両端は、第7膨出部(57)を介して互いに隣り合う第5膨出部(55)の両端、及び第6膨出部(56)の第7膨出部(57)に沿う部分の両端よりも内側に位置している。
上記構成の熱交換器(30)では、各フィン(36)に第1〜第7膨出部(51〜57)が設けられているので、第1〜第7膨出部(51〜57)の山形の形状による補強効果が得られることにより、凹凸の無い平板状のフィンよりも各フィン(36)の強度が向上している。
また、上記構成の熱交換器(30)では、扁平管(33)の延びる方向に隣り合うフィン(36)同士の間に通風路(40)が形成され、風上側から風下側に順に設けられた第6膨出部(56)、第7膨出部(57)、第5膨出部(55)、第4膨出部(54)、第3膨出部(53)、第2膨出部(52)及び第1膨出部(51)により各通風路(40)が蛇行する形状になっており、さらに、第2〜第4膨出部(52〜54)の斜面にルーバー(60)が設けられ、通風路(40)における空気の流れが乱されているので、凹凸の無い平板状のフィンや膨出部だけが形成されたフィンよりも、通風路(40)を流れる空気とフィン(36)との間の熱伝達が促進されている。
また、上記構成の熱交換器(30)では、除霜動作中に霜が融解することにより、中間領域(71)の第2〜第5膨出部(52〜55)の表面に付着した霜から生成したドレイン水が扁平管(33)の表面、すなわち、扁平管(33)の平面状の上面及び曲面状の側面に沿って流れ落ち、鉛直下方向に排水されることにより、水はけ性が確保されている。
以上説明したように、本実施形態の熱交換器(30)によれば、各フィン(36)において、隣り合う切り欠き部(45)同士の間の中間領域(71)に第2〜第5膨出部(52〜55)が設けられているので、各フィン(36)に厚さ方向に膨出して山形に形成された第2〜第5膨出部(52〜55)の形状により、各フィン(36)の隣り合う切り欠き部(45)同士の間の中間領域(71)が補強される。ここで、フィンの伝熱性を促進するためのルーバーは、その切り起こしに必要な切り込みによりフィンの強度低下が懸念されるものの、第2〜第4膨出部(52〜54)の斜面にルーバー(60)が設けられていることにより、隣り合う第2〜第5膨出部(52〜55)同士の間の相対的に低い剛性を有する谷の部分にルーバー(60)が配置しないので、膨出部(52,53,54)へのルーバー(60)の設置によるフィン(36)の強度低下が抑制される。これにより、ルーバー(60)の設置によるフィン(36)における隣り合う切り欠き部(45)同士の間の中間領域(71)の強度低下が抑制されるので、ルーバー(60)が設けられたフィン(36)の切り欠き部(45)に扁平管(33)を差し込む際のフィン(36)の座屈を抑制することができる。なお、隣り合う第2〜第5膨出部(52〜55)同士の間の谷の部分は、第2〜第5膨出部(52〜55)の形状による補強効果が見込めないので、相対的に剛性が低くなる。
また、本実施形態の熱交換器(30)によれば、ルーバー(60)は、各フィン(36)の中間領域(71)に配置される第2〜第5膨出部(52〜55)のうち、風下側の位置に配置される第2〜第4膨出部(52〜54)の斜面に設けられているので、例えば、暖房運転中に風上側の位置に配置される第1膨出部(51)に霜が形成され難くなり、通風路(40)の通風抵抗を低くすることができる。
また、本実施形態の熱交換器(30)によれば、隣り合う第2〜第4膨出部(52〜54)同士の間の谷の部分にルーバー(60)が設けられていないので、フィン(36)に設けられた複数のルーバー(60)が谷の部分で縁切りされ、フィン(36)のルーバー(60)による保水量が少なくなることにより、フィン(36)の水はけ性を向上させることができる。
また、本実施形態の熱交換器(30)によれば、各フィン(36)の第2〜第5膨出部(52〜55)のうち、最も風下側の位置に配置される第2膨出部(52)において、風上側の斜面だけにルーバー(60)が設けられているので、各フィン(36)の風下側の導水路となる部分に保水し易いルーバー(60)が配置しないことになり、フィン(36)の座屈を抑制しつつ、フィン(36)の水はけ性も確保することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、短冊状の複数の扁平管(33)が水平に配列された熱交換器(30)を例示したが、本発明は、例えば、コンパクトな設置スペースを実現するために、フィン(36)と扁平管(33)とのロウ付けを行った後に、各扁平管(33)の平坦な面が水平に保持されるように各扁平管(33)を略Lの字状に折り曲げた熱交換器にも適用することができる。
上記実施形態1では、短冊状の複数の扁平管(33)が水平に配列された熱交換器(30)を例示したが、本発明は、例えば、コンパクトな設置スペースを実現するために、フィン(36)と扁平管(33)とのロウ付けを行った後に、各扁平管(33)の平坦な面が水平に保持されるように各扁平管(33)を略Lの字状に折り曲げた熱交換器にも適用することができる。
また、上記実施形態1では、第1〜第7膨出部(51〜57)が設けられたフィン(36)を備えた熱交換器(30)を例示したが、本発明は、例えば、連結領域(73)の第1膨出部(51)、並びに突出領域(72)の第6膨出部(56)及び第7膨出部(57)が適宜省略された熱交換器にも適用することができる。
また、上記実施形態1では、中間領域(71)に4つの第2〜第5膨出部(52〜55)が設けられ、第2〜第4膨出部(52〜54)の斜面に2つ又は3つのルーバー(60)が設けられたフィン(36)を例示したが、中間領域(71)に設ける膨出部の個数、及びその膨出部に設けるルーバーの個数は、これに限定されるものではない。
なお、上記各実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物又はその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、ルーバーが設けられたフィンの切り欠き部に扁平管を差し込む際のフィンの座屈を抑制することができるので、フィンの切り欠き部に扁平管が差し込まれた熱交換器及びそれを備えた空気調和機について有用である。
20 冷媒回路
30 熱交換器
33 扁平管
36 フィン
36a フィン本体
45 切り欠き部
52 第2膨出部
53 第3膨出部
54 第4膨出部
55 第5膨出部
60 ルーバー
30 熱交換器
33 扁平管
36 フィン
36a フィン本体
45 切り欠き部
52 第2膨出部
53 第3膨出部
54 第4膨出部
55 第5膨出部
60 ルーバー
Claims (3)
- 所定方向に配列された複数の扁平管(33)と、
上記複数の扁平管(33)の配列方向に延びるように板状にそれぞれ設けられ、側方に開口して上記各扁平管(33)を差し込む切り欠き部(45)が形成された複数のフィン(36)とを備えた熱交換器であって、
上記各フィン(36)に形成された隣り合う切り欠き部(45)同士の間には、横断面の頂角による稜線が該切り欠き部(45)の延びる方向と交差する方向に延びるように山形にそれぞれ形成され、フィン本体(36a)の厚さ方向に膨出する複数の膨出部(52〜55)が設けられ、
上記複数の膨出部(52〜55)のうち、上記切り欠き部(45)の開口側に対して反対側の位置に配置される膨出部(52〜54)の斜面には、フィン本体(36a)を切り起こして形成されたルーバー(60)が設けられていることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1において、
上記複数の膨出部(52〜55)のうち、上記切り欠き部(45)の開口側に対して最も反対側の位置に配置される膨出部(52)では、上記ルーバー(60)が上記切り欠き部(45)の開口側の斜面だけに設けられていることを特徴とする熱交換器。 - 請求項1又は2の熱交換器(30)が設けられた冷媒回路(20)を備え、
上記冷媒回路(20)において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行うことを特徴とする空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013163219A JP2015031484A (ja) | 2013-08-06 | 2013-08-06 | 熱交換器及びそれを備えた空気調和機 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017083041A (ja) * | 2015-10-26 | 2017-05-18 | 株式会社富士通ゼネラル | 熱交換器 |
WO2017179553A1 (ja) * | 2016-04-13 | 2017-10-19 | ダイキン工業株式会社 | 熱交換器 |
CN109443071A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-03-08 | 珠海格力电器股份有限公司 | 散热翅片和散热器 |
-
2013
- 2013-08-06 JP JP2013163219A patent/JP2015031484A/ja active Pending
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JP2017083041A (ja) * | 2015-10-26 | 2017-05-18 | 株式会社富士通ゼネラル | 熱交換器 |
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US10801784B2 (en) | 2016-04-13 | 2020-10-13 | Daikin Industries, Ltd. | Heat exchanger with air flow passage for exchanging heat |
CN109443071A (zh) * | 2018-10-30 | 2019-03-08 | 珠海格力电器股份有限公司 | 散热翅片和散热器 |
CN109443071B (zh) * | 2018-10-30 | 2019-12-17 | 珠海格力电器股份有限公司 | 散热翅片和散热器 |
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