JP2015031396A - 車両用ギヤプレート - Google Patents
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Abstract
【課題】ギヤプレートの厚肉のリングギヤに発生する振動を減衰できるようにすると共に、軽量化を図ることができる車両用ギヤプレートを提供する。
【解決手段】車両用ドライブプレート1は、ウェブ部3が薄肉で、リム部4が厚肉のドライブプレート本体2を有し、リム部4の外周にリングギヤ部5が形成されている。リング部材20が、ドライブプレート本体2に対して車両用ドライブプレート1の軸方向に隣接して設けられ、リング部材20は、薄肉の内周側部21と、内周側部21の外周端部に一体に形成された厚肉の外周側部22からなる。その外周側部22がリム部4と軸方向に隣接して配置され、内周側部21がウェブ部3に固定されている。
【選択図】図2
【解決手段】車両用ドライブプレート1は、ウェブ部3が薄肉で、リム部4が厚肉のドライブプレート本体2を有し、リム部4の外周にリングギヤ部5が形成されている。リング部材20が、ドライブプレート本体2に対して車両用ドライブプレート1の軸方向に隣接して設けられ、リング部材20は、薄肉の内周側部21と、内周側部21の外周端部に一体に形成された厚肉の外周側部22からなる。その外周側部22がリム部4と軸方向に隣接して配置され、内周側部21がウェブ部3に固定されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、金属板で成形され、かつ外周部にリングギヤが連続して形成された車両用ギヤプレートに関し、例えば、車両用エンジンのクランク軸と、自動変速機に装着されたトルクコンバータとを連結し、エンジンの回転力をトルクコンバータに伝達する車両用ドライブプレート等に用いられるものに関する。
図9は、車両用ギヤプレートの一例として車両用ドライブプレートを示したものである。この車両用ドライブプレート101は、薄肉の金属板から塑性加工により成形されるもので、円板状のウェブ部102と、このウェブ部102の外周端部の一側面側に形成されたリング状のリム部103とからなり、このリム部103の外周面にリングギヤ104が形成されて構成されている。
ウェブ部102には、ウェブ部102をクランク軸108に同心的に取り付けるための複数個、例えば8個のクランク軸用取付孔105と、このクランク軸用取付孔105の外側に位置してウェブ部102をトルクコンバータ109に取り付けるための複数個、例えば6個のトルクコンバータ用取付孔106とがそれぞれ同心円上に等配に形成されている。さらに、クランク軸用取付孔105とトルクコンバータ用取付孔106との間に位置して軽量化及び音振性能向上並びに可撓性向上のため複数個、例えば6個の貫通孔107が等配に切欠いて形成されている。
リングギヤ104は、エンジンの始動時に、セルモータの作用によりピニオンギヤ(図示せず)と噛合し、エンジンが回転すると、ピニオンギヤとの噛合が解かれるように設定されており、このため、リングギヤ104には、エンジン始動時に最大のトルクが作用する。
このように、クランク軸108及びトルクコンバータ109に連結された車両用ドライブプレート101によれば、エンジンの回転力をトルクコンバータ109に伝達するのみならず、トルクコンバータ109の作動時に発生するスラスト荷重の吸収を行うことができる。このような作用は、車両用ドライブプレート101自体が撓むことによって行われるので、車両用ドライブプレート101の板厚は可及的に薄く設定されている。
ところで、近時では車両用ドライブプレート101の外周部を増肉して円環状のリム部103を形成し、このリム部103の外周面にギヤを成形することでリングギヤ104を一体成形するものが用いられている。
しかし、リングギヤ104を一体成形した車両用ドライブプレート101では、ギヤを成形したリム部103の剛性が別体のリング状部材を用いる場合に比べて弱くなる。そのため、エンジン始動時にセルモータのピニオンギヤがリングギヤ104に噛合回転すると、リム部103が半径方向に振動し、このリム部103の振動がウェブ部102に伝達されて車両用ドライブプレート101全体が振動して放射音が発生し、このため、エンジン始動音(クランキング音)が悪化するという問題があった。
従来、上記金属音のレベルを低下させる対策として車両用ドライブプレート101のウェブ部102に制振プレートを略全面的に取り付けたものがあるが、この従来例では、車両用ドライブプレート101の可撓性が損なわれ、車両用ドライブプレート101本来の機能を十分に果たすことができなくなると共に、重量が増大するという問題がある。
そのために、リム部の内周面に当接する制振面を有する複数の制振ピースをウェブ部の一部の外周部に取り付けたものが知られている(特許文献1)。
また、最近では、ドライブプレートのウェブ部は薄肉のままで、リングギヤの噛み合い部分を厚肉にして、剛性を高めて欲しいという要求が増えてきている。そのために、例えば、ウェブ部の外周端部を折り曲げて、スピニング加工することで、厚肉のリング状のリム部を形成し、このリム部の外周面にリングギヤが連続して形成されるものが知られている(特許文献2)。
しかし、特許文献1の技術では、制振ピースをウェブ部の外周部の一部に設けただけであり、制振ピースのウエイトが不十分であるので、慣性モーメントが不足し、エンジンからトルクコンバータに伝達される回転駆動力にエンジンで発生されたトルク変動や共振を効果的に抑制することができない。
また、特許文献2の技術では、ドライブプレートのリングギヤが厚肉であるので、噛み合う部分の剛性を高くすることができるが、振動を抑制するものが無く、エンジンのトルク振動を低減することができない。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ドライブプレート等のギヤプレートの厚肉のリングギヤに発生する振動を減衰できるようにすると共に、軽量化を図ることができる車両用ギヤプレートを提供することにある。
上記目的を達成するため、この発明に係る請求項1の発明では、金属板から成形された円板状のウェブ部と、このウェブ部の外周端部に一体に形成されたリング状のリム部とからなるギヤプレート本体を備える車両用ギヤプレートにおいて、該ウェブ部が薄肉で、該リム部が該ウェブ部よりも厚肉で且つ該リム部の外周にリングギヤ部が形成されており、リング部材が、該ギヤプレート本体に対して車両用ギヤプレートの軸方向に隣接して設けられ、該リング部材は、薄肉の内周側部と、該内周側部の外周端部に一体に形成され、内周側部よりも厚肉の外周側部とからなり、該外周側部が該リム部と軸方向に隣接して配置され、該内周側部が上記ウェブ部に固定されていることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1記載の車両用ギヤプレートにおいて、上記リム部及び上記リング部材の該外周側部が、どちらもスピニング加工で厚肉に形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項2記載の車両用ギヤプレートにおいて、上記リム部及び上記リング部材の該外周側部の少なくとも一方が、上記外周部分を折り曲げて重ねてから、スピニング加工することで厚肉に形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項2または3に記載の車両用ギヤプレートにおいて、上記リム部と上記リング部材の該外周側部とが、互いに軸方向に隙間を空けて並設されていることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項2または3に記載の車両用ギヤプレートにおいて、上記リング部材の該外周端部に第2リングギヤ部が形成され、該第2リングギヤ部と上記リム部のリングギヤ部とは、同じ歯面からなる歯部で形成されて、互いの歯面が連続していることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用ギヤプレートにおいて、上記リム部の該リングギヤ部は、焼き入れ処理され、上記リング部材の該外周側部は非焼き入れであることを特徴とする。
請求項1の発明の車両用ギヤプレートによれば、外周側部がリム部と軸方向に隣接して配置され、内周側部がウェブ部に固定されたリング部材を備えるので、ギヤプレート全体の振動が小さくなって放射音が小さくなり、クランキング音のフィーリングを向上させることができる。しかも、リング部材は、薄肉の内周側部がウェブ部に取り付けられ、内周側部の外側に厚肉の外周側部を備えているので、車両用ギヤプレートの可撓性が損なわれることがなく、十分な慣性モーメントを発生して、エンジンからトルクコンバータに伝達される回転駆動力にエンジンで発生されたトルク変動や共振を効果的に抑制することができる。
請求項2の発明によれば、上記リム部及び上記リング部材の該外周側部が、どちらもスピニング加工で厚肉に形成されているので、確実に且つ高重量の厚肉をギヤプレートの半径方向外側に形成できる。特に、薄い板材から一体に厚肉部分を簡単に形成できる。
請求項3の発明によれば、上記リム部及び上記リング部材の該外周側部の少なくとも一方が、上記外周部分を折り曲げて重ねてから、スピニング加工されて厚肉に形成されているので、薄い板材から一体に重厚な厚肉部分を簡単に形成でき、大きなウエイトのものにすることができるので重量を大幅に軽減できる。
請求項4の発明によれば、上記リム部と上記リング部材の該外周側部とが、互いに軸方向に隙間を空けて並設されているので、上記リム部の該リングギヤ部に噛み合うギヤと干渉することなく、上記リング部材の該外周側部を設けることができるので、高重量のものとして設けることができ、振動防止機能に優れる。
請求項5の発明によれば、上記リング部材の該外周端部に第2リングギヤ部が形成され、該第2リングギヤ部と上記リム部のリングギヤ部とは、同じ歯面からなる歯部で形成され、互いの歯面が連続しているので、これらに噛み合うギヤとの噛み合いが確実になる。
請求項6の発明によれば、上記リム部の該リングギヤ部は、焼き入れ処理され、ギヤとしての高硬度を維持できる一方、リング部材の該外周側部は非焼き入れであるので、材料選択の自由度(例えば、安価な材料、塑性加工性の良い材料、比重の高い別の材料等)を増すことができ、両者を使い分けることが容易にできる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
(実施形態1)
以下、この発明の実施形態1を図1及び図2を参照して説明する。この実施形態は、本発明のギヤプレートを車両用ドライブプレート1に適用した例である。車両用ドライブプレート1は、ドライブプレート本体2(ギヤプレート本体)を備える。ドライブプレート本体2は、薄肉の金属板から塑性加工により成形された円板状のウェブ部3と、このウェブ部3の外周端部の一側面側に形成されたリング状の厚肉のリム部4とからなり、このリム部4の外周部に連続してリングギヤ部5が形成されている。リム部4(リングギヤ部5)は、後で詳細に説明するが、スウエジングあるいはスピニング(以降スピニングと称す)加工よる塑性加工にて増肉変形して成形されている。
以下、この発明の実施形態1を図1及び図2を参照して説明する。この実施形態は、本発明のギヤプレートを車両用ドライブプレート1に適用した例である。車両用ドライブプレート1は、ドライブプレート本体2(ギヤプレート本体)を備える。ドライブプレート本体2は、薄肉の金属板から塑性加工により成形された円板状のウェブ部3と、このウェブ部3の外周端部の一側面側に形成されたリング状の厚肉のリム部4とからなり、このリム部4の外周部に連続してリングギヤ部5が形成されている。リム部4(リングギヤ部5)は、後で詳細に説明するが、スウエジングあるいはスピニング(以降スピニングと称す)加工よる塑性加工にて増肉変形して成形されている。
ウェブ部3の中心部には、クランク軸貫通孔12が設けられ、この貫通孔12の直ぐ外周に、クランク軸取付孔6が形成されている。このクランク軸取付孔6は、複数個、例えば8個が同一円周上に等配に形成されている。
ウェブ部3の外周部側は、軸方向J(図2参照)に見てトルクコンバータ側Tに突出した突出面3aが形成され、この突出面3aにトルクコンバータ取付孔7が形成されている。このトルクコンバータ取付孔7は、複数個、例えば6個が同一円周上に等配に形成されている。また、クランク軸取付孔6とトルクコンバータ取付孔7との間に位置して軽量化及び音振性能向上並びに加撓性向上のための大きな貫通孔8が4個形成されている。6個のトルクコンバータ取付孔7と同一円周上に、且つ隣接する2つのトルクコンバータ取付孔7間に、リング部材取付孔9が、複数個、例えば6個が同一円周上に等配に形成されている。リング部材取付孔9をトルクコンバータ取付孔7と同一円周上に設けたが、同じ円周上でなくても良く、別の位置でも良い。
クランク軸取付孔6、トルクコンバータ取付孔7、貫通孔8の数量や位置等は、ドライブプレート、エンジン、トルクコンバータなどの応じて適切に設定すれば良いものであって、上記した数や位置に限定されるものでは無い。
リング部材20は、薄肉の金属板から塑性加工により成形されたドーナツ形状のリング状であり、ドライブプレート本体2に対して車両用ドライブプレート1の軸方向Jに隣接して設けられている。リング部材20は、薄肉の内周側部21と、内周側部21の外周端部に連続して一体に形成され、内周側部21よりも厚肉の外周側部22とからなる。外周側部22は、後で詳細に説明するが、スピニング加工により、厚肉に形成されている。外周側部22がリム部4と軸方向Jに隣接(対面)して配置され、内周側部21がウェブ部3に固定されている。内周側部21は、外周側部22に比較して、軸方向Jに見てエンジン側Eに突出した突出面21aになって形成されている。この突出面21aに、ドライブプレート本体2のリング部材取付孔9と一致する開口孔25が形成されている。この突出面21aとウェブ3の突出面3a同士が合わせられて、リング部材取付孔9と開口孔25にリベット26を通して、リング部材20とドライブプレート本体2とが固定されている。なお、リング部材20とウェブ部3とを一体に固定する手段として、リベット26を用いたが、この手段に限られるものでは無く、他の手段、例えば、カシメ、溶接などでも良い。
突出面21aと突出面3a同士が合わせられることにより、外周側部22とリングギヤ部5との隙間10を安定して確実に確保できるとともに、両者が簡単に位置合わせできて、容易に組み立てられる。この隙間10を確保することによって、リングギヤ部5に噛み合うピニオンギヤ15が、噛み合い時にトルクコンバータ側T方向に突出した場合にも、ピニオンギヤ15が外周側部22に接触することが無いようにできるので、外周側部22を削って噛み合い用のギヤを設ける必要が無く、外周側部22の重量を十分に確保でき、イナーシャとしての機能を十分に発揮できる。
実施形態1の車両用ドライブプレート1の製造方法について、図7により説明する。なお、基本的な厚肉の製造方法は、例えば特開平07−290181号公報、特開平10−286646号公報等に開示されており、良く知られた技術であるので、詳細な説明は省略して本発明のポイントを詳しく説明する。
図7に示すように、例えば、板厚が2〜3mmの板材を円板状に打抜き成形した円板状の素材30の外周を2重に折り曲げて、外周に2重折り曲げ部35を備える素材30を用意する。この素材30の中心に開口したクランク軸貫通孔38に位置固定部33を挿入して、軸心側を下型32と押圧型31にて挾持して固定する。次に、スピニング型41にて上記素材30の2重折り曲げ部35を軸心方向に押圧するスピニング加工を行なう。これにより、2重折り曲げ状態よりも厚肉になった厚肉加工部(三角形状)35aに形成する。図7の右側にその状態の厚肉形状を示す。そして、ドライブプレート本体2にあっては、リム形状の型(図示省略)で押し当ててリム部4の形状に成形する。これらの成形は素材が一回転する間に順次スピニング加工からリム形状の成形まで行っても良く、別の型で行っても良い。
上記の結果、薄肉円板状のウェブ部3とこの外周に一体に厚肉に形成されたリム部4とからなるドライブプレート本体2の原形が形成される。なお、押圧型31に押え部31aを設けて、2重折り曲げ部35の内周側を下型32との間で把持することで、スピニング型41で厚肉に形成する際に、2重折り曲げ部35が分離することを防止している。押え部31aを押圧型31に設けたが、押え部を下型32でもあるいは両方にでも良い。
次に、下型32と押圧型31にて挾着した状態で、2重折り曲げ状態よりも厚肉になった厚肉加工部35a(リム部4)を外周側から歯形成形ローラ(図示省略)を押圧してこれの外周面に歯形を冷間、成形または温間塑性加工により転造成形にて成形する。なお、歯形成形は、上記した転造成形によることなく、通常の歯切り盤を用いた機械加工にて行ってもよい。このようにして、断面形状を角状にしたリングギヤ部5を形成する。なお、突出面3a、クランク軸用取付孔6、トルクコンバータ用取付孔7、貫通孔8、リング部材取付孔9等の加工部分は、リングギヤ部5を形成した後に加工する。なお、これらの加工は、このタイミングに限られるものでは無く、別の適切なタイミングでそれぞれの加工を行うようにしても良い。
最後に、リングギヤ部5を高周波加熱装置(図示省略)にて400〜500℃に加熱して急冷して焼き入れする。
また、リング部材20は、ドーナツ状の薄板を用意して、上記ドライブプレート本体2と同様な製造方法で、薄肉の内周側部21と厚肉の外周側部22とを有するものを製造する。突出面21a、開口孔25は適切なタイミングの工程で加工される。
次に、実施形態1の車両用ドライブプレート1の製造方法の変形例を、図8に基づいて説明する。即ち、リム部4の厚肉部分の厚さを図7よりももっと厚くしたい場合には、図8に示すように3重折り曲げ部37として形成しても良い。図8でも、右側に略三角形状に厚肉になった厚肉加工部37aを示す。この後の工程は、上記2重折り曲げ部の工程と同じであり、説明を省略する。3重折り曲げ部37は包み込むように形成したが、そうでなく、ジグザグに折り曲げて多重に形成しても良い。なお、3重から更に重ねて4重や5重のようにしても良い。
なお、手間であるが、折り曲げの間に、別の部材を挟み込むようにして、スピニング加工しても良い。この場合には、間に挟む部材の板厚を自由に選択できるとともに材質も自由に選択できる点で優れる。
上記実施形態1によれば、外周側部22がリム部4と軸方向Jに隣接して配置され、内周側部21がウェブ部3に固定されたリング部材20を備えるので、ドライブプレート1全体の振動が小さくなって放射音が小さくなり、クランキング音のフィーリングを向上させることができる。しかも、リング部材20は、薄肉の内周側部21がウェブ部3に取り付けられ、内周側部21の外側に厚肉の外周側部22を備えているので、ドライブプレート1の可撓性が損なわれることがなく、十分な慣性モーメントを発生して、エンジンからトルクコンバータに伝達される回転駆動力にエンジンで発生されたトルク変動や共振を効果的に抑制することができる。特に、変形例のように製造すれば、厚肉部を図7よりも厚くできるので、ピニオンギヤ15のギヤ幅が大きい場合やイナーシャを重くしたい場合に好適である。
また、リム部4のリングギヤ部5とリング部材20の外周側部22とが、お互いに軸方向Jに隙間10を空けて並設されているので、リム部4のリングギヤ部5に噛み合うピニオンギヤ15と干渉することなく、リング部材20の外周側部22を設けることができるので、外周側部22を高重量のイナーシャとして設けることができ、振動防止機能に優れる。
実施形態1では、ドライブプレート本体2のウェブ部3及びリング部材20の外周側部22のどちらも2重又は3重以上に折り曲げて2重又は3重折り曲げ部35,37を形成してから、スピニング加工で厚肉に形成した。しかし、場合によっては、どちらも2重又は3重折り曲げ部35,37を形成しないで厚肉にすることも可能であるが、イナーシャのウエイトを十分に確保するためには、少なくとも一方は2重又は3重折り曲げ部35,37とした方が好ましく、特に両方とも2重又は3重折り曲げ部35,37とした方が好ましい。
実施形態1では、ドライブプレート本体2には歯面を設けるので、焼き入れに適した高炭素鋼を用い、リング部材20には歯面を設けないので、焼き入れを施す必要が無い。そのために、リング部材20の材料としては、SPC材等の軟鋼板を用いることが可能である。軟鋼板を用いると、塑性加工、2重折り曲げ加工、スピニング加工等の加工を行いやすく且つ割れ等の不具合も生じにくいので、好ましい。
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図3を参照して説明する。実施形態2では、実施形態1と異なる部分のみ説明する。実施形態2が実施形態1と異なるのは、リング部材20の外周側部22に第2リングギヤ部29を形成し、突出面21aは無くした点である。これによって、エンジン側のピニオンギヤ15が歯面の幅が大きい場合やトルクコンバータT方向に大きく入り込んで噛み合う場合でも、この第2リングギヤ部29とリム部4のリングギヤ部5とで大きな幅のギヤ部分(噛み合い部分)を形成できるので、上記のような場合でも対応できる。
本発明の実施形態2について図3を参照して説明する。実施形態2では、実施形態1と異なる部分のみ説明する。実施形態2が実施形態1と異なるのは、リング部材20の外周側部22に第2リングギヤ部29を形成し、突出面21aは無くした点である。これによって、エンジン側のピニオンギヤ15が歯面の幅が大きい場合やトルクコンバータT方向に大きく入り込んで噛み合う場合でも、この第2リングギヤ部29とリム部4のリングギヤ部5とで大きな幅のギヤ部分(噛み合い部分)を形成できるので、上記のような場合でも対応できる。
なお、実施形態2では、ドライブプレート本体2とリング部材20とを一体に結合した後に、第2リングギヤ部29とリングギヤ部5とを一緒に歯面を形成して、焼き入れするようにした方が、歯面のずれが低減できるので好ましい。
実施形態2では、リング部材20の外周端部に第2リングギヤ部29が形成され、第2リングギヤ部29とリム部4のリングギヤ部5とは、同じ歯面からなる歯部で形成され、お互いの歯面が連続しているので、これらに噛み合うピニオンギヤ15との噛み合いが確実になる。
(実施形態3)
本発明の実施形態3について図4を参照して説明する。実施形態3では、実施形態2と異なる部分のみ説明する。実施形態3が実施形態2と異なるのは、ドライブプレート本体2aとリング部材20aとを入れ替えたような構成にした点である。
本発明の実施形態3について図4を参照して説明する。実施形態3では、実施形態2と異なる部分のみ説明する。実施形態3が実施形態2と異なるのは、ドライブプレート本体2aとリング部材20aとを入れ替えたような構成にした点である。
即ち、ドライブプレート本体2aをトルクコンバータ側Tに配置し、リング部材20aをエンジン側Eに配置する。その上で、リング部材20aを実施形態2のリム部4と同じ形状にし、ドライブプレート本体2aを外周側部22と同じ形状にしたものである。この実施形態3では、エンジン側のピニオンギヤ15が、初めにリング部材20aの第2リングギヤ部29に噛み合って、更にドライブプレート本体2aのリングギヤ部5に噛み合う。この構成では、リング部材20aは、イナーシャの機能を果たしながら、エンジン側のピニオンギヤ15の噛み合いの誘い部分として機能する点で優れる。また、歯面が損傷した場合には、噛み合い初めのリング部材20aが損傷する可能性が高く、その場合にはリング部材20aを交換するだけで良いので、交換作業が容易であり、低コストでできる。
(実施形態4)
本発明の実施形態4について図5を参照して説明する。実施形態4では、実施形態3と異なる部分のみ説明する。実施形態4が実施形態3と異なるのは、ドライブプレート本体2aとリング部材20aとの形状を一部変更したものである。
本発明の実施形態4について図5を参照して説明する。実施形態4では、実施形態3と異なる部分のみ説明する。実施形態4が実施形態3と異なるのは、ドライブプレート本体2aとリング部材20aとの形状を一部変更したものである。
ドライブプレート本体2aとリング部材20aとを一緒に歯切りして、リングギヤ部5と第2リングギヤ部29とを一緒に焼き入れする際に、両者の半径方向の位置ずれを防止するために、両者が係合する構成を付け加えたものである。即ち、ドライブプレート本体2aからリング部材20aに向かって突出する係合部11を設け、リング部材20aの外周側部22と内周側部21との境界部分に被係合部27を設けている。係合部11を被係合部27に係合することで、ドライブプレート本体2aとリング部材20aの両方に歯切りをする際に、両者が半径方向にずれることを抑制できる。なお、係合部11と被係合部27とは逆に設けても良い。
(実施形態5)
本発明の実施形態5について図6を参照して説明する。実施形態5では、実施形態1と異なる部分のみ説明する。実施形態5が実施形態1と異なるのは、ドライブプレート本体2を2部品としたものである。即ち、リングギヤ部5をリングギヤ51として別部材とし、このリングギヤ51をギヤとしての強度を得られる材料、即ち焼き入れして高強度になる材料であるS45C等(焼入性に優れる材料)とした。そして、ドライブプレート本体2をリングギヤ51と別部材にすることで、焼入性を考慮しないで済む材料、例えば、塑性加工しにくい高張力鋼板を採用できる。即ち、必要な特性に合った材料を組み合わせて用いることができ、材料の選択代が大幅に向上する。なお、両者の締結方法としては、どんな方法でも良いが、例えば、ドライブプレート本体2のリム部4の外周を折り曲げて折り曲げ部41を形成し、その折り曲げ部41をリングギヤ51に溶接、ボルト締め、圧入などの固定手段で固定すれば良い。
本発明の実施形態5について図6を参照して説明する。実施形態5では、実施形態1と異なる部分のみ説明する。実施形態5が実施形態1と異なるのは、ドライブプレート本体2を2部品としたものである。即ち、リングギヤ部5をリングギヤ51として別部材とし、このリングギヤ51をギヤとしての強度を得られる材料、即ち焼き入れして高強度になる材料であるS45C等(焼入性に優れる材料)とした。そして、ドライブプレート本体2をリングギヤ51と別部材にすることで、焼入性を考慮しないで済む材料、例えば、塑性加工しにくい高張力鋼板を採用できる。即ち、必要な特性に合った材料を組み合わせて用いることができ、材料の選択代が大幅に向上する。なお、両者の締結方法としては、どんな方法でも良いが、例えば、ドライブプレート本体2のリム部4の外周を折り曲げて折り曲げ部41を形成し、その折り曲げ部41をリングギヤ51に溶接、ボルト締め、圧入などの固定手段で固定すれば良い。
なお、実施形態1〜5は、それぞれ他の実施形態の構成を付け加えても良い。
本発明は、車両用ギヤプレート、特に車両用エンジンのクランク軸と、自動変速機に装着されたトルクコンバータとを連結し、エンジンの回転力をトルクコンバータに伝達する車両用ドライブプレートに適する。
1 車両用ドライブプレート(車両用ギヤプレート)
2,2a ドライブプレート本体(ギヤプレート本体)
3 ウェブ部
4 リム部
5 リングギヤ部
6 クランク軸用取付孔
7 トルクコンバータ用取付孔
8 貫通孔
9 リング部材取付孔
10 隙間
11 係合部
12 クランク軸貫通孔
15 ピニオンギヤ
T トルクコンバータ側
E エンジン側
J 軸方向
20,20a リング部材
21 内周側部
22 外周側部
23 突出部
24 ウエイト部
25 開口孔
26 リベット
27 係合部
28 被係合部
29 第2リングギヤ部
30 素材
31 押圧型
31a 押え部
32 下型
33 スピニングダイ
34 突出
35 2重折り曲げ部
35a 厚肉加工部
37 3重折り曲げ部
37a 厚肉加工部
2,2a ドライブプレート本体(ギヤプレート本体)
3 ウェブ部
4 リム部
5 リングギヤ部
6 クランク軸用取付孔
7 トルクコンバータ用取付孔
8 貫通孔
9 リング部材取付孔
10 隙間
11 係合部
12 クランク軸貫通孔
15 ピニオンギヤ
T トルクコンバータ側
E エンジン側
J 軸方向
20,20a リング部材
21 内周側部
22 外周側部
23 突出部
24 ウエイト部
25 開口孔
26 リベット
27 係合部
28 被係合部
29 第2リングギヤ部
30 素材
31 押圧型
31a 押え部
32 下型
33 スピニングダイ
34 突出
35 2重折り曲げ部
35a 厚肉加工部
37 3重折り曲げ部
37a 厚肉加工部
Claims (6)
- 金属板から成形された円板状のウェブ部と、このウェブ部の外周端部に一体に形成されたリング状のリム部とからなるギヤプレート本体を備える車両用ギヤプレートにおいて、
該ウェブ部が薄肉で、該リム部が該ウェブ部よりも厚肉で且つ該リム部の外周にリングギヤ部が形成されており、
リング部材が、該ギヤプレート本体に対して車両用ギヤプレートの軸方向に隣接して設けられ、
該リング部材は、薄肉の内周側部と、該内周側部の外周端部に一体に形成され、内周側部よりも厚肉の外周側部とからなり、
該外周側部が該リム部と軸方向に隣接して配置され、
該内周側部が上記ウェブ部に固定されていることを特徴とする車両用ギヤプレート。 - 請求項1記載の車両用ギヤプレートにおいて、
上記リム部及び上記リング部材の該外周側部が、どちらもスピニング加工で厚肉に形成されていることを特徴とする車両用ギヤプレート。 - 請求項2記載の車両用ギヤプレートにおいて、
上記リム部及び上記リング部材の該外周側部の少なくとも一方が、上記外周部分を折り曲げて重ねてから、スピニング加工することで厚肉に形成されていることを特徴とする車両用ギヤプレート。 - 請求項2または3に記載の車両用ギヤプレートにおいて、
上記リム部と上記リング部材の該外周側部とが、互いに軸方向に隙間を空けて並設されていることを特徴とする車両用ギヤプレート。 - 請求項2または3に記載の車両用ギヤプレートにおいて、
上記リング部材の該外周端部に第2リングギヤ部が形成され、
該第2リングギヤ部と上記リム部のリングギヤ部とは、同じ歯面からなる歯部で形成されて、互いの歯面が連続していることを特徴とする車両用ギヤプレート。 - 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用ギヤプレートにおいて、
上記リム部の該リングギヤ部は、焼き入れ処理され、
上記リング部材の該外周側部は非焼き入れであることを特徴とする車両用ギヤプレート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013164092A JP2015031396A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | 車両用ギヤプレート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013164092A JP2015031396A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | 車両用ギヤプレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015031396A true JP2015031396A (ja) | 2015-02-16 |
Family
ID=52516877
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013164092A Pending JP2015031396A (ja) | 2013-08-07 | 2013-08-07 | 車両用ギヤプレート |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2015031396A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020029194A1 (zh) * | 2018-08-09 | 2020-02-13 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 液力变矩器 |
-
2013
- 2013-08-07 JP JP2013164092A patent/JP2015031396A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020029194A1 (zh) * | 2018-08-09 | 2020-02-13 | 舍弗勒技术股份两合公司 | 液力变矩器 |
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