JP2015030031A - 溶接装置及び溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザ溶接による溶け込み方向とワイヤにより形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整する。
【解決手段】レーザヘッド10と、アークトーチ20と、溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向と直交する方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度αを調整可能な角度調整機構80と、を備えるハイブリッド溶接装置を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶接装置及び溶接方法に関する。
従来、COレーザやYAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザ等のレーザ発振器を母材に照射するレーザ溶接装置が知られている。レーザ溶接装置は、レーザがビーム状に細く(例えば、φ0.1mm〜0.6mm程度)照射されるため、照射方向の溶け込みを深くすることができる利点がある。一方で、レーザ溶接装置は、レーザがビーム状に細く照射されるため、広範な範囲を溶接することができず、開先裕度が狭いという欠点がある。
また、他の溶接装置として、アーク溶接装置が知られている。アーク溶接装置は、電源から得られる電力によって、母材と電極との間にアークを発生させ、そのアーク熱を利用して金属を接合する装置である。アーク溶接装置は、入熱幅が広い一方で溶け込みが浅いという特徴がある。
そして、近年、レーザ溶接装置の欠点である開先裕度の狭さを補うために、アーク溶接装置を組み合わせたレーザ・アークハイブリッド溶接装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−101270号公報
特許文献1に開示されるようなレーザ・アークハイブリッド溶接装置は、レーザ溶接による溶け込みの深さを実現しつつ、開先裕度を広くすることができる。
しかしながら、従来のレーザ・アークハイブリッド溶接装置は、溶接対象となる母材に対する装置の相対的な移動方向(以下、溶接方向という。)に直交する方向において、レーザ溶接のレーザ照射方向とアーク溶接のアークトーチの軸方向とがなす角度は一定角度で固定されていた。
レーザ溶接のレーザ照射方向とアーク溶接のアークトーチの軸方向とがなす角度が一定の場合、レーザ溶接による溶け込み方向とアークトーチから溶接部(ビード)に供給されるワイヤにより形成される肉盛りの進展方向が一定となる。
例えば、レーザ溶接部のレーザ照射方向とアーク溶接部のアークトーチの軸方向(ワイヤ供給方向)とが一致している(なす角度が0度の)場合、溶接方向に直交する方向のレーザ溶接のレーザ照射方向を適切に設定したとしても、ワイヤにより形成される肉盛りの進展方向が望ましい方向とならない場合もある。肉盛りの進展方向が望ましい方向とならない場合、溶接により形成される溶接部の形状がいびつになり、十分な溶接部の強度が得られない可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、レーザ溶接による溶け込み方向とワイヤにより形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整し、十分な強度の溶接部を形成可能な溶接装置及び溶接方法を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明に係る溶接装置は、母材に対する相対位置を溶接方向に沿って移動させて溶接を行う溶接装置であって、レーザ発振器に接続され、前記レーザ発振器が発振するレーザを溶接対象の前記母材に照射して溶接を行うレーザ溶接部と、電源に接続された溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部を有し、前記溶接ワイヤを前記母材に供給して溶接を行うアーク溶接部と、前記溶接方向に直交する方向における前記レーザ溶接部のレーザ照射方向と、前記溶接方向に直交する方向における前記アーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度を調整可能な第1角度調整部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る溶接装置は、溶接方向に直交する方向におけるレーザ溶接部のレーザ照射方向と、溶接方向に直交する方向におけるアーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度が第1角度調整部により調整可能となっている。
このようにすることで、レーザ溶接部のレーザ照射方向よって定まるレーザ溶接による溶け込み方向と、アーク溶接部のワイヤ供給方向によって定まる肉盛りの進展方向とが、任意に調整可能となる。したがって、レーザ溶接による溶け込み方向とワイヤにより形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整し、十分な強度の溶接部を形成可能な溶接装置を提供することができる。
本発明に係る溶接装置の他の態様は、前記溶接方向における前記レーザ照射方向と、前記溶接方向における前記ワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を調整可能な第2角度調整部と、を備えることを特徴とする。
このようにすることで、溶接方向におけるレーザ溶接部のレーザ照射方向とアーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整して十分な強度の溶接部を形成可能な溶接装置を提供することができる。
本発明に係る溶接方法は、レーザ溶接部とアーク溶接部とを有する溶接装置を用いた溶接方法であって、前記レーザ溶接部は、レーザ発振器に接続され、前記レーザ発振器が発振するレーザを溶接対象の前記母材に照射して溶接を行い、前記アーク溶接部は、電源に接続された溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部を有し、前記溶接ワイヤを前記母材に供給して溶接を行い、前記溶接方向に直交する方向における前記レーザ溶接部のレーザ照射方向と、前記溶接方向に直交する方向における前記アーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度を調整可能な第1角度調整部を用いて該第1相対角度を調整する第1調整工程と、前記第1調整工程により前記第1相対角度が調整された前記溶接装置を用いて前記母材を溶接する溶接工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る溶接方法は、溶接方向に直交する方向におけるレーザ溶接部のレーザ照射方向と、溶接方向に直交する方向におけるアーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度を調整可能な第1角度調整部を用いて調整する第1調整工程を備えている。
このようにすることで、レーザ溶接部のレーザ照射方向よって定まるレーザ溶接による溶け込み方向と、アーク溶接部のワイヤ供給方向によって定まる肉盛りの進展方向とが、任意に調整可能となる。したがって、レーザ溶接による溶け込み方向とワイヤにより形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整することができる溶接方法を提供することができる。
本発明に係る溶接方法の他の態様は、前記溶接方向における前記レーザ照射方向と、前記溶接方向における前記ワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を調整可能な第2角度調整部を用いて該第2相対角度を調整する第2調整工程と、を備え、前記溶接工程は、前記第1調整工程により前記第1相対角度が調整され、前記第2調整工程により前記第2相対角度が調整された前記溶接装置を用いて前記母材を溶接することを特徴とする。
このようにすることで、溶接方向におけるレーザ照射方向とワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整することができる。
本発明によれば、レーザ溶接による溶け込み方向とワイヤにより形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整し、十分な強度の溶接部を形成可能な溶接装置及び溶接方法を提供することができる。
本実施形態のハイブリッド溶接装置を示す概略構成図である。 本実施形態のレーザヘッド及びアークトーチを示す正面図である。 本実施形態のレーザヘッド及びアークトーチを示す右側面図である。 本実施形態のレーザヘッド及びアークトーチを示す上面図である。 本実施形態のハイブリッド溶接装置を重ね隅肉溶接に適用した場合の溶接部を示す図である。 比較例のハイブリッド溶接装置を重ね隅肉溶接に適用した場合の溶接部を示す図である。
以下、本発明の一実施形態のハイブリッド溶接装置について、図1を参照しながら説明する。
図1は本実施形態のハイブリッド溶接装置を示す概略構成図である。
ハイブリッド溶接装置100は、母材200に対する相対位置を溶接方向に沿って移動させて溶接を行う溶接装置である。ハイブリッド溶接装置100は、母材200が固定された状態でハイブリッド溶接装置100を移動させることにより相対位置を一定方向(この方向を溶接方向という。)に沿って移動させる方式であってもよい。また、ハイブリッド溶接装置100は、ハイブリッド溶接装置100が固定された状態で母材200を移動させることにより相対位置を溶接方向に移動させる方式であってもよい。
また、ハイブリッド溶接装置100は、例えば、橋梁等に用いられる鉄骨の溶接に用いることが可能である。橋梁等の既設の構造物の溶接部を補修する場合、例えば、鉛直方向の下方から上方に向けて溶接を行う必要があるが、本実施形態のハイブリッド溶接装置100は、上方に向けた溶接、下方に向けた溶接を含め、任意の方向の溶接に適用可能である。
図1に示すように、ハイブリッド溶接装置100は、レーザ発振器60と、レーザ発振器60が発振するレーザを伝達する光ファイバ70と、光ファイバ70に接続されたレーザヘッド10とを備える。レーザ発振器60は、例えば、数kW程度の発振出力が得られるCOレーザやYAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザ等を用いることができる。レーザヘッド10(レーザ溶接部)は、光ファイバ70を介して伝達されるレーザ発振器60が発振するレーザを集光レンズ(不図示)により集光して溶接対象の母材200の表面に照射し、母材200の一部を溶かすことで溶接を行う。母材200の表面に照射されるレーザのビーム径は、例えばφ0.1mm〜0.6mm程度となる。
ハイブリッド溶接装置100は、また、電源40と、ワイヤフィーダ30(ワイヤ供給部)と、アークトーチ20(アーク溶接部)とを備える。ワイヤフィーダ30は、電源40に接続された溶接ワイヤ21をアークトーチ20に供給するものである。アークトーチ20は、例えば、MIG(Metal Inert Gas welding)溶接を行うものである。MIG溶接は、溶接ワイヤ21が電極線として用いられ、溶接ワイヤ21の先端と母材200との間にアークを発生させることにより、溶接ワイヤ21と母材200を同時に溶融させて溶接する方式である。アークトーチ20は、溶接により形成される溶接部の大気元素との反応による特性劣化を防ぐために、不活性ガス供給部(不図示)からアルゴンやヘリウム等の不活性ガスの供給を受ける。したがって、溶接ワイヤ21と母材200とが溶融して形成される溶接部は、不活性ガス雰囲気において形成される。
ハイブリッド溶接装置100は、また、コントローラ50を備える。コントローラ50は、レーザ発振器60によるレーザ発振、電源40が出力する電流、及びワイヤフィーダ30によるワイヤ供給量を制御する装置である。図1には1つのコントローラ50がレーザ発振器60、ワイヤフィーダ30、電源40にそれぞれ接続されている例を示したが、他の態様であってもよい。例えば、レーザ発振器60、ワイヤフィーダ30、電源40にそれぞれ別個のコントローラが接続されている態様であってもよい。また、レーザ発振器60、ワイヤフィーダ30、電源40自体に、それらを制御するためのコントローラが組み込まれている態様であってもよい。
次に、図2〜図4を用いて、ハイブリッド溶接装置100が更に備える角度調整機構(第1角度調整部、第2角度調整部)80について説明する。図2は、本実施形態のレーザヘッド10及びアークトーチ20を示す正面図である。図3は、本実施形態のレーザヘッド10及びアークトーチ20を示す右側面図である。図4は、本実施形態のレーザヘッド10及びアークトーチ20を示す上面図である。図3に示す溶接方向の矢印は、ハイブリッド溶接装置100が母材200に対して相対的に移動する方向を示す。
角度調整機構80は、スライドプレート81と、スライド部材82と、スライドプレート83と、スライドプレート84と、ボルト85とを備えている。図2に示すように、スライドプレート81には、スライド部材82が挿入される挿入穴86が設けられている。スライド部材82は、挿入穴86に挿入された状態でスライド部材82に設けられた締結穴(不図示)にボルト87が締結されることにより、スライドプレート81に固定される。図2に示す挿入穴86は、レーザヘッド10の中心軸X1とアークトーチ20の中心軸X2との交点Pを中心とした円の円周上に沿って延在する穴である。挿入穴86に挿入されるスライド部材82の位置を調整することにより、交点Pの位置を固定したままレーザヘッド10の中心軸X1とアークトーチ20の中心軸X2とがなす相対角度α(第1相対角度)を調整することができる。
レーザヘッド10の中心軸X1の軸方向はレーザヘッド10のレーザ照射方向と一致しており、この方向がレーザ溶接による溶け込み方向となる。また、アークトーチ20の中心軸X2の軸方向はアークトーチ20が溶接ワイヤ21を供給する方向(ワイヤ供給方向)と一致しており、この方向がアーク溶接における肉盛りの進展方向となる。
したがって、角度αは、ハイブリッド溶接装置100の溶接方向(図3に示す方向)に直交する方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向と直交する方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす相対角度である。角度調整機構80のうち、スライドプレート81と、スライド部材82と、ボルト87とが、第1相対角度αを調整する機構(第1角度調整部)となっている。
図3に示すように、スライドプレート83及びスライドプレート84には、それぞれ、2カ所に平行して延在する一対のボルト挿入穴が設けられている。ボルト85は、一対のボルト挿入穴に挿入された状態でレーザヘッド10の所定箇所に設けられているボルト締結穴(不図示)に締結される。スライドプレート84の端部はスライドプレート81に固定されている。ボルト85の締結を緩めた状態でスライドプレート83を移動させることにより、レーザヘッド10に対するアークトーチ20の鉛直方向(図3中のZで示す方向)の位置を調整することができる。また、ボルト84の締結を緩めた状態でスライドプレート84を移動させることにより、レーザヘッド10に対するアークトーチ20の水平方向(図3中のXで示す方向)の位置を調整することができる。アークトーチ20の鉛直方向及び水平方向の位置は、ボルト85を締結することにより固定される。
図2及び図3に示すように、アークトーチ20はスライド部材82に固定されているが、スライド部材82に対する取り付け角度を任意に調整できる取り付け角度調整機構が備わっている。レーザヘッド10に対するアークトーチ20の鉛直方向及び水平方向を調整した上で、アークトーチ20のスライド部材82に対する取り付け角度を調整することにより、溶接方向におけるレーザヘッド10の中心軸X1とアークトーチ20の中心軸X2とがなす相対角度θ(第2相対角度)を調整することができる。
前述したように、レーザヘッド10の中心軸X1の軸方向はレーザヘッド10のレーザ照射方向と一致しており、アークトーチ20の中心軸X2の軸方向はアークトーチ20が溶接ワイヤ21を供給するワイヤ供給方向と一致している。
したがって、第2相対角度θは、ハイブリッド溶接装置100の溶接方向(図3に示す方向)におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす相対角度である。角度調整機構80のうち、スライドプレート83と、スライドプレート84と、取り付け角度調整機構とが、角度θを調整する機構(第2角度調整部)となっている。第2角度θは、ハイブリッド溶接装置100が母材200に対して移動する速度(溶接速度)やレーザヘッド10のレーザ照射強度等の種々の条件に応じて、十分な強度の溶接部を形成可能となるように角度調整機構80を用いて適宜調整される。
次に、図5用いて本実施形態のハイブリッド溶接装置100を用いた溶接により形成される溶接部を説明する。図5は、本実施形態のハイブリッド溶接装置を重ね隅肉溶接に適用した場合の溶接部を示す図である。図6は、比較例のハイブリッド溶接装置を重ね隅肉溶接に適用した場合の溶接部を示す図である。図6において2点鎖線で示されているのは、図5に示す本実施形態のハイブリッド溶接装置100により形成される溶接部である。
比較例のハイブリッド溶接装置は、図6に示すように、溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10´の中心軸X1とアークトーチ20´の中心軸X2と一致して、これらの軸がなす第1相対角度αが0°となっている例である。なお、図6に示す比較例のハイブリッド溶接装置は、溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10´の中心軸X1とアークトーチ20´の中心軸X2とがなす相対角度を調整することができず、常にこの相対角度は0°となっている。
図5は、図1と同様に、ハイブリッド溶接装置100を正面から見た図となっている。重ね隅肉溶接は、端面の位置が異なる状態で2枚の板状部材201,202を重ね合わせ、一方の板状部材の端面と他方の板状部材の側面の境界部分を溶接するものである。この重ね隅肉溶接の場合、2枚の板状部材201,202が重ね合わせられた重ね合わせ部203が延在する方向に沿って深く溶け込ませた溶接部204を形成する必要がある。このような溶接部204を形成するには、レーザヘッド10の中心軸X1を重ね合わせ部203が延在する方向に近づける必要がある。しかしながら、図6に示す比較例のハイブリッド溶接装置100のように、レーザヘッド10の中心軸X1とアークトーチ20の中心軸X2と一致していると、レーザ溶接による溶け込み方向とワイヤにより形成される肉盛りの進展方向が一致する。したがって図6に示すように、溶接部204の表面の形状がいびつな形状となり十分な溶接強度を得られない可能性がある。
それに対して、本実施形態のハイブリッド溶接装置100は、図5に示すように、溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10の中心軸X1とアークトーチ20の中心軸X2と一致しておらず、これらの軸が第1相対角度αをなしている。この第1相対角度αは前述した角度調整機構80により調整可能となっている。したがって、角度調整機構80を用いて溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10の中心軸X1とアークトーチ20の中心軸X2とがなす第1相対角度αを適切に調整することにより、肉盛りの進展方向を適切に調整することができる。このようにして、溶接部204の表面の形状がいびつな形状とならず、十分な溶接強度を持った形状とすることができる。
ここで、本実施形態のハイブリッド溶接装置100を用いた溶接方法について説明する。
この溶接方法は、溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向に直交する方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度αを角度調整機構80により調整する第1調整工程を備える。また、この溶接方法は、溶接方向におけるレーザ照射方向と、溶接方向におけるワイヤ供給方向とがなす第2相対角度θを角度調整機構80により調整する第2調整工程を備える。また、この溶接方法は、第1調整工程及び第2調整工程により第1相対角度α及び第2相対角度θが調整されたハイブリッド溶接装置100を用いて母材200を溶接する溶接工程を備える。
このようにすることで、溶接方向に直交する方向おけるレーザ照射方向とワイヤ供給方向とがなす第1相対角度αと、溶接方向におけるレーザ照射方向とワイヤ供給方向とがなす第2相対角度θとを、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整することができる。
以上説明したように本実施形態のハイブリッド溶接装置100は、溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向に直交する方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度αが角度調整機構80により調整可能となっている。
このようにすることで、レーザヘッド10のレーザ照射方向よって定まるレーザ溶接による溶け込み方向と、アークトーチ20のワイヤ供給方向によって定まる肉盛りの進展方向とが、任意に調整可能となる。したがって、レーザ溶接による溶け込み方向と溶接ワイヤ21により形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整し、十分な強度の溶接部を形成可能なハイブリッド溶接装置100を提供することができる。
また、本実施形態のハイブリッド溶接装置100は、溶接方向におけるレーザ照射方向と、溶接方向におけるワイヤ供給方向とがなす第2相対角度θを調整可能な角度調整機構80を備える。
このようにすることで、溶接方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向とアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす第2相対角度θを、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整することができる。
本実施形態の溶接方法は、溶接方向に直交する方向におけるレーザヘッド10のレーザ照射方向と、溶接方向に直交する方向におけるアークトーチ20のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度αを調整可能な角度調整機構80を用いて調整する第1調整工程を備えている。
このようにすることで、レーザヘッド10のレーザ照射方向よって定まるレーザ溶接による溶け込み方向と、アークトーチ20のワイヤ供給方向によって定まる肉盛りの進展方向とが、任意に調整可能となる。したがって、レーザ溶接による溶け込み方向と溶接ワイヤ21により形成される肉盛りの進展方向とを、溶接対象に応じた適切な方向に調整し、十分な強度の溶接部を形成可能な溶接方法を提供することができる。
また、本実施形態の溶接方法は、溶接方向におけるレーザ照射方向と、溶接方向におけるワイヤ供給方向とがなす第2相対角度θを調整可能な角度調整機構80を用いて調整する第2調整工程と、を備えている。
このようにすることで、溶接方向におけるレーザ照射方向とワイヤ供給方向とがなす相対角度θを、溶接速度やレーザ照射強度等の種々の条件に応じて適切に調整することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、適宜必要に応じて変形実施、変更実施することができる。
また、上述した実施形態では、重ね隅肉溶接について説明したが、突合わせ溶接や隅肉溶接等の他の溶接にも適用可能である。
また、上述した実施形態では、橋梁等の既設の構造物の溶接部を補修する例について説明したが、溶接の対象となるのは橋梁等の既設の構造物に限らず他の態様であってもよい。
10 レーザヘッド(レーザ溶接部)
20 アークトーチ(アーク溶接部)
21 溶接ワイヤ
30 ワイヤフィーダ(ワイヤ供給部)
40 電源
60 レーザ発振器
70 光ファイバ
80 角度調整機構(第1角度調整部、第2角度調整部)
100 ハイブリッド溶接装置
200 母材
204 溶接部
X1 レーザヘッドの中心軸
X2 アークトーチの中心軸
α 第1相対角度
θ 第2相対角度

Claims (4)

  1. 母材に対する相対位置を溶接方向に沿って移動させて溶接を行う溶接装置であって、
    レーザ発振器に接続され、前記レーザ発振器が発振するレーザを溶接対象の前記母材に照射して溶接を行うレーザ溶接部と、
    電源に接続された溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部を有し、前記溶接ワイヤを前記母材に供給して溶接を行うアーク溶接部と、
    前記溶接方向に直交する方向における前記レーザ溶接部のレーザ照射方向と、前記溶接方向と直交する方向における前記アーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度を調整可能な第1角度調整部と、を備えることを特徴とする溶接装置。
  2. 前記溶接方向における前記レーザ照射方向と、前記溶接方向における前記ワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を調整可能な第2角度調整部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の溶接装置。
  3. レーザ溶接部とアーク溶接部とを有する溶接装置を用いた溶接方法であって、
    前記レーザ溶接部は、レーザ発振器に接続され、前記レーザ発振器が発振するレーザを溶接対象の前記母材に照射して溶接を行い、
    前記アーク溶接部は、電源に接続された溶接ワイヤを供給するワイヤ供給部を有し、前記溶接ワイヤを前記母材に供給して溶接を行い、
    前記溶接方向に直交する方向における前記レーザ溶接部のレーザ照射方向と、前記溶接方向に直交する方向における前記アーク溶接部のワイヤ供給方向とがなす第1相対角度を調整可能な第1角度調整部を用いて該第1相対角度を調整する第1調整工程と、
    前記第1調整工程により前記第1相対角度が調整された前記溶接装置を用いて前記母材を溶接する溶接工程と、を備えたことを特徴とする溶接方法。
  4. 前記溶接方向における前記レーザ照射方向と、前記溶接方向における前記ワイヤ供給方向とがなす第2相対角度を調整可能な第2角度調整部を用いて該第2相対角度を調整する第2調整工程と、を備え、
    前記溶接工程は、前記第1調整工程により前記第1相対角度が調整され、前記第2調整工程により前記第2相対角度が調整された前記溶接装置を用いて前記母材を溶接することを特徴とする請求項3に記載の溶接方法。
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