JP2015028766A - 触感呈示装置および触感呈示方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タッチパネル上の複数の点において、それぞれ独立した振動によりユーザに触感を与える。【解決手段】実施形態に係る装置100は、ユーザの接触を受ける接触部1と、接触部1に振動を起こす複数の振動部10および11と、接触部1における複数の振動点を決定する第1決定部30と、複数の振動点における、複数の目標振動をそれぞれ決定する第2決定部40と、複数の振動点の位置と複数の目標振動の主成分の周波数とに基づいて得られる振動の伝達特性と、複数の目標振動とに基づいて、複数の振動部をそれぞれ駆動する複数の駆動信号を生成する信号生成部60および61とを備える。信号生成部60および61は、複数の目標振動の主成分の周波数近傍にそれぞれ対応した複数の伝達特性に基づいて、複数の駆動信号を生成する。【選択図】図1
Description
本開示は、ユーザの操作に対して触感を呈示する触感呈示装置および触感呈示方法に関する。
従来、タッチパネルを備える公共端末(例えば、ATMあるいは自動券売機など)がある。また、タッチパネルを備える個人用機器(例えば、タブレットPCあるいはスマートフォンなど)も増加している。
タッチパネルとは、パネルへのタッチを入力として検出する入力機器である。一般に、タッチパネルは、液晶ディスプレイあるいは有機ELディスプレイなどを備える。この場合、タッチパネルは、タッチディスプレイやタッチスクリーンとも呼ばれる。例えば、タッチパネルは、表示領域に表示されたGUIオブジェクト(例えばボタンなど)に対するユーザのタッチを検出する。
このようなタッチパネルを用いたユーザインタフェースは、GUIオブジェクトの配置に対する柔軟性が高いという利点がある。しかし、タッチパネルを用いたユーザインタフェースでは、従来の機械式ボタンを用いたユーザインタフェースと比較して、ボタンを押下したときの感覚のフィードバックが小さい。したがって、ユーザは、タッチパネルをタッチしたときに、そのタッチが正しく検出されたか否かを認識することが難しいという課題がある。この課題を解決するために、特許文献1は、タッチパネルにおいて、タッチに対する触感(haptics)を呈示する方法を提案している。
本開示は、マルチタッチに対して触感を呈示する触感呈示装置および触感呈示方法を提供する。
本開示のある実施形態に係る装置は、ユーザの接触を受ける接触部と、接触部に振動を起こす複数の振動部と、接触部における複数の振動点を決定する第1決定部と、複数の振動点における、複数の目標振動をそれぞれ決定する第2決定部と、複数の振動点の位置と複数の目標振動の主成分の周波数とに基づいて得られる振動の伝達特性と、複数の目標振動とに基づいて、複数の振動部をそれぞれ駆動する複数の駆動信号を生成する信号生成部とを備え、信号生成部は、複数の目標振動の主成分の周波数近傍にそれぞれ対応した複数の伝達特性に基づいて、複数の駆動信号を生成する。
本開示のある実施形態に係る触感呈示装置によれば、目標振動の主成分の周波数近傍に対応した伝達特性に基づいて、振動部を駆動する駆動信号を生成する。これにより、振動部の駆動信号を生成するための演算量を低減することができるので、応答時間の短縮ができるとともに、少ない回路およびソフト資源で触感の呈示を実現できる。
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。また、各実施の形態の構成は適宜組み合わせてもよい。
まず、マルチタッチについて説明する。マルチタッチとは、タッチパネルに同時に接触している状態を有する複数のタッチを意味する。換言すれば、マルチタッチとは、ある時点においてタッチパネルに接触している複数のタッチを意味する。つまり、マルチタッチとは、タッチパネル上の複数の位置に対する複数のタッチであって、時間的に重複する複数のタッチを意味する。したがって、マルチタッチは、同時に開始された複数のタッチだけではなく、異なる時刻に開始され、ある時点において同時に検出される複数のタッチも含む。具体的には、第1タッチが開始された後に、第1タッチが継続された状態で第2タッチが開始された場合、第2タッチの開始時点において、第1タッチと第2タッチとはマルチタッチに相当する。
マルチタッチパネルでは、複数のユーザが同時に操作を行なうことができる。また、複数の指を用いた操作により、ユーザは、対象オブジェクトの拡大あるいは回転などを直感的に行なうことができる。このとき、マルチタッチに対する触感のフィードバックを考えた場合、それぞれのタッチに対して区別可能な触感を呈示することが望ましい。
1つのアクチュエータのみを用いて2つ以上のタッチ位置に同時に触感を呈示しようとした場合は、それぞれのタッチ位置に同種類の触感が同時に呈示される。また、1つのアクチュエータのみを用いて、2つ以上のタッチ位置のうちのいずれかのタッチ位置のみに触感を呈示することは難しい。
そこで、特許文献1が開示するタッチパネルでは、柔らかな表面層の下に、それぞれ独立して上下方向に隆起および埋没する複数のアクチュエータがアレイ状に敷詰められている。タッチ位置の下方に配置されたアクチュエータを独立して隆起させることにより、マルチタッチに対して区別可能な触感が呈示される。
特許文献1が開示するタッチパネルでは、複数のアクチュエータを表面層の下にアレイ状に敷詰めることにより、複数のタッチ位置で同時に異なる触感を呈示することができる。しかしながら、表面層上の任意の位置で触感を呈示するためには、人間の指の解像度(10mm〜20mm程度)以下の単位でアクチュエータが配置される必要がある。したがって、特許文献1の方法では、非常に多数のアクチュエータが必要となる。
また、画面に表示されたGUIオブジェクト(ボタンなど)を直接タッチできるようにするためには、アクチュエータの下方に液晶ディスプレイなどの表示装置を配置する必要がある。そのため、多数のアクチュエータを透明な材料で実現する必要があるなどハードウェアの制約が多い。
本開示は、より少ない回路およびソフト資源で振動を出力する装置及び方法を提供する。特に、例えば、マルチタッチに対して触感を呈示する触感呈示装置および触感呈示方法を提供する。
(実施形態1)
本実施形態1の触感呈示装置について、図1から図8を参照して説明する。図1は、触感呈示装置100の構成を示す図である。図2は、振動点決定部30が決定した振動点の一例を示す図である。図3は、伝達特性記憶部20が有する伝達特性に対応した振動点の候補点の一例を示す図である。図4は、伝達特性記憶部20が有する伝達特性の一例を示す図である。図5は、伝達特性取得部50が取得した伝達特性の一例を示す図である。図6は、伝達特性取得部50が取得した伝達特性の他の一例を示す図である。図7(a)は、キャリア生成部60が生成する基準キャリア信号波形の一例を示す。図7(b)は、キャリア生成部60が生成するキャリア信号波形の一例を示す。図7(c)は、キャリア生成部60が生成するキャリア信号波形の他の一例を示す。図7において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。図8(a)は、目標振動決定部40が生成するエンベロープ信号波形の一例を示す。図8(b)は、駆動乗算部61が生成する駆動信号波形の一例を示す。図8(c)は、駆動乗算部61が生成する駆動信号波形の他の一例を示す。図8において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。
本実施形態1の触感呈示装置について、図1から図8を参照して説明する。図1は、触感呈示装置100の構成を示す図である。図2は、振動点決定部30が決定した振動点の一例を示す図である。図3は、伝達特性記憶部20が有する伝達特性に対応した振動点の候補点の一例を示す図である。図4は、伝達特性記憶部20が有する伝達特性の一例を示す図である。図5は、伝達特性取得部50が取得した伝達特性の一例を示す図である。図6は、伝達特性取得部50が取得した伝達特性の他の一例を示す図である。図7(a)は、キャリア生成部60が生成する基準キャリア信号波形の一例を示す。図7(b)は、キャリア生成部60が生成するキャリア信号波形の一例を示す。図7(c)は、キャリア生成部60が生成するキャリア信号波形の他の一例を示す。図7において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。図8(a)は、目標振動決定部40が生成するエンベロープ信号波形の一例を示す。図8(b)は、駆動乗算部61が生成する駆動信号波形の一例を示す。図8(c)は、駆動乗算部61が生成する駆動信号波形の他の一例を示す。図8において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。
触感呈示装置100は、ユーザと接触し触感を呈示する振動パネル1と、振動パネル1を振動させる複数の圧電素子10および11と、を備える。図3に示すように、振動パネル1は、圧電素子により振動されるポイントとなる振動点の候補を複数有する。
触覚呈示装置100は、さらに振動パネル1の複数の振動の候補点の中から、触感を呈示するために振動させる複数の振動点を決定する振動点決定部30と、決定された複数の振動点における目標振動を決定する目標振動決定部40と、決定された複数の振動点の位置と決定された目標振動の主成分の周波数とに基づいて得られる振動の伝達特性と、決定された目標振動とに基づいて、圧電素子10および11を駆動する駆動信号を生成するキャリア生成部60および駆動乗算部61とを備える。これらの各部は、それぞれ専用のハードウェア回路として設計されていてもよいし、プログラムに沿ってプロセッサによりその機能が実行されてもよい。
キャリア生成部60および駆動乗算部61は、決定された目標振動の主成分の周波数近傍に対応した伝達特性に基づいて、駆動信号を生成する。キャリア生成部60および駆動乗算部61は、圧電素子10および11の駆動信号を生成する駆動信号生成部として機能する。また、触感呈示装置100は、圧電素子10および11から振動パネル1における各振動点までの振動の伝達特性をそれぞれ記憶する伝達特性記憶部20と、決定された複数の振動点の位置と、決定された目標振動の主成分の周波数とに基づいて、圧電素子10および11の駆動に用いる伝達特性を伝達特性記憶部20から取得する伝達特性取得部50とを備える。伝達特性取得部50は、決定した目標振動の主成分の周波数近傍に対応した伝達特性を取得する。
また、触感呈示装置100は、GUIオブジェクト(例えばボタンなど)等の画像を表示する表示部2を備えていてもよい。表示部2は、例えば液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイである。なお、触感呈示装置100がタッチパッドとして用いられる等、ユーザがタッチする領域に画像が表示されなくてもよい場合は、表示部2は省略できる。
振動パネル1は、触感を呈示するための振動を伝達する部材である。具体的には、振動パネル1は、例えば、ガラス製あるいはアクリル製の透光性を有する板状部材である。圧電素子10および11は、振動パネル1の互いに異なる位置に設置される。例えば図1に示すように、圧電素子10および11は、振動パネル1の左右の端部に貼り付けられる。例えば、圧電素子10および11は、振動パネル1においてある程度距離があり、互いを結ぶ線が振動パネル1の中心を通るような位置に配置される。なぜなら振動パネル1の端部よりも中央部分などの方がユーザに接触されることが多いため、より中央付近において、正確かつ知覚されやすい触覚を呈示することができるからである。圧電素子10および11は、駆動信号に従って、振動パネル1を振動させる。圧電素子10および11によって振動パネル1に与えられた振動が伝播することにより、ユーザに触感が呈示される。圧電素子の数は、振動を制御する点数以上である。本実施形態では一例として2つの振動点を決定し、決定された2つの振動点において振動を制御するため、2個の圧電素子を用いる。
振動パネル1は、例えば、静電容量方式または感圧方式のタッチパネルであり、ユーザによるタッチ操作を受け付けてタッチ位置を検出する。なお、タッチ位置を検出する方式は、静電容量方式および感圧方式に限定されず、マルチタッチを検出できる方式であれば、どのような方式であってもよい。さらに、触覚呈示装置100が、店舗や駅などの壁や柱に設置されるような場合には、振動パネル1が接触を検出する構成以外に、例えば、振動パネル1に向けてカメラを配置し、そのカメラが取得した映像情報を分析することにより、接触したか否かを決定してもよい。
また、ここでは平面形状の振動パネル1を例示しているが、振動パネル1の形状はこれに限定されない。例えば、振動パネル1は湾曲していてもよく、さらに、円筒形状等であってもよい。このように形状が異なる場合には、圧電素子の適切な数や位置は異なってくるが、最もユーザに接触されやすいポイントやエリアなどをユースケースや形状に鑑みて設計すればよい。
振動点決定部30は、振動パネル1上の振動を制御する位置である振動点を2つ決定し、伝達特性取得部50へ送る。振動パネル1には、振動点の候補となる候補点が複数個割り当てられている。例えば、図3の白丸で示すように、振動点の候補点12は70点ある。振動点決定部30は、例えば、予め定められた振動点や、触覚呈示装置100で実行されているアプリケーションごとに設定された振動点や、70点の候補点12の中から、振動パネル1が検出したタッチ位置と一致する位置またはその近傍の位置の振動点を選択する。
目標振動決定部40は、振動点決定部30が選択した、振動パネル1の2つの振動点それぞれにおいて発生させる目標振動を決定する。目標振動は振動のエンベロープ信号とキャリア周波数の情報で表現される。エンベロープ信号は駆動乗算部61へ送られ、キャリア周波数は伝達特性取得部50およびキャリア生成部60へ送られる。エンベロープ信号は、波形のピークが描く曲線で、例えば図8(a)に示すような波形を有する。キャリア周波数は、変調周期を決定する周波数のことである。
伝達特性記憶部20は、振動パネル1の各候補点について、それぞれの圧電素子から当該点までの伝達特性を記憶している。伝達特性取得部50は、決定された振動点それぞれの伝達特性を、伝達特性記憶部20から取得する。伝達特性は、システムにおける入力と出力との関係を示し、本実施形態では、ある1つの圧電素子への駆動信号が入力に相当し、振動パネル1における振動点の候補点のある1点の振動が出力に相当する。また、伝達特性は各周波数におけるゲインと位相で表現できる。
伝達特性取得部50は、伝達特性記憶部20に記憶されている複数の伝達特性の中から、振動点決定部30により決定された2つの振動点の位置および目標振動決定部40からのキャリア周波数に基づいて伝達特性を取得しキャリア生成部60へ送る。
キャリア生成部60は、目標振動決定部40からのキャリア周波数と伝達特性取得部50からの伝達特性、具体的には4つのゲインと4つの位相に基づいて圧電素子10および11の駆動信号で用いるそれぞれのキャリア信号を生成し駆動乗算部61へ送る。
駆動乗算部61は、目標振動決定部40からのエンベロープ信号に対して、圧電素子10および11に対応したキャリア生成部60からの2つのキャリア信号を乗じて2つの駆動信号を生成し、それぞれ圧電素子10および11へ送る。
振動点決定部30は、例えば、伝達特性記憶部20が記憶している伝達特性に対応する振動点の候補点の中から、図2に示す実線の白丸を第1の振動点12aとし、破線の白丸を第2の振動点12bと決定する。
目標振動決定部40は、一例として、第1の振動点12aの目標振動として、図8(a)に示すような半波の正弦波形状のエンベロープ信号を有し、振動パネル1の共振周波数の正弦波形状のキャリア信号を有する振動を決定する。目標振動決定部40は、一例として、第2の振動点12bの目標振動として無振動を決定する。
伝達特性記憶部20は、振動パネル1の振動点の候補点と圧電素子との組合せに対応付けて伝達特性を記憶している。振動点の候補点が70点(図3)であり、圧電素子が2個である場合、伝達特性は140個存在する。伝達特性取得部50は、図4に示すような伝達特性記憶部20に記憶された140個の伝達特性21から、図5に示すような、2つの振動点と2個の圧電素子に該当する4個の伝達特性22を選択する。さらに、伝達特性取得部50は、選択した伝達特性22と、目標振動決定部40からのキャリア周波数(目標振動の主成分)に基づき、キャリア周波数またはその近傍の周波数における伝達特性を取得する。このように伝達特性取得部50は、目標振動決定部40からのキャリア周波数における伝達特性のみを取得する。つまり、例えば、図6に示すように4つの伝達特性それぞれから、黒丸で示したゲインと白丸で示した位相をそれぞれ4つ取得し、それ以外の周波数における伝達特性は取得しないので、少ない処理量で所望の触感の呈示を実現できる。この構成によると、小さなハードウェアおよび/またはソフトウェアで実現できるという優れた効果を奏する。
キャリア生成部60は、伝達特性取得部50により取得された、伝達特性(ゲイン、位相)からなる、圧電素子への駆動信号から振動パネル1の振動点における振動までの伝達行列Gの逆行列を求める。逆行列は振動パネル1のそれぞれの振動点における振動からそれぞれの圧電素子への駆動信号の伝達特性を示す。求めた逆行列と振動状態を表す行列Dを乗じることでフィルタ行列Hを算出する。このようなフィルタ行列を算出する演算の詳細は国際公開第13/161163号パンフレットに記載されている。参考のために国際公開第13/161163号パンフレットの記載内容を本明細書に援用する。
式(1)において、伝達特性Gij(ω)は、圧電素子Ajから振動点Piまでの伝達特性である。また、フィルタ行列Hj(ω)は、圧電素子Ajの駆動信号を生成するためのフィルタである。また、振動状態を表す行列Di(ω)は、振動点Piにおける応答である。ここで、制御対象となる周波数帯域において、第1の振動点12aで振動が発生して(D1(ω)=1)となり、第2の振動点12bで振動が発生せずに(D2(ω)=0)となるようなフィルタ行列Hを算出できれば、所望のフィルタを得ることができる。
上述のようなフィルタの算出方法は一例であり、これに限定するものではないが、Gの一般逆行列G*を算出することにより、式(2)のようにGの一般逆行列G*と振動状態を表す行列Dとからフィルタ行列を算出できる。
H=G*D ・・・式(2)
H=G*D ・・・式(2)
本実施形態では、フィルタ行列Hはそれぞれの圧電素子に対応した2つの伝達特性から求められる。伝達行列Gの周波数はキャリア周波数1つのみであるため、フィルタ行列Hの周波数もキャリア周波数1つのみである。つまり、フィルタ行列Hは、キャリア周波数における圧電素子10の駆動信号のための伝達特性(キャリアゲイン、キャリア位相)および圧電素子11の駆動信号のための伝達特性(キャリアゲイン、キャリア位相)に基づいて求められる。例えば、キャリア生成部60は、まず、図7(a)に示すキャリア周波数を有する基準キャリア信号を生成する。そして、キャリア生成部60は、図7(b)および図7(c)に示すように、基準キャリア信号に対して、それぞれの圧電素子に対応したキャリアゲインを乗じて、キャリア位相だけ位相をずらしたキャリア信号を生成する。
駆動乗算部61は、図8(a)に示すエンベロープ信号に対して、図7(b)に示すキャリア信号を乗じて、図8(b)に示す圧電素子10への駆動信号を生成する。また、駆動乗算部61は、図8(a)に示すエンベロープ信号に対して、図7(c)に示すキャリア信号を乗じて、図8(c)に示す圧電素子11への駆動信号を生成する。
このように、複数の振動点において独立した振動による触感をユーザに与えるための駆動信号の演算において、駆動信号の演算に用いる伝達特性をキャリア周波数のみに限定することで演算量を低減し、応答時間の短縮を実現するとともに、少ない回路およびソフト資源での実装を実現することができる。
尚、本実施形態では、振動点決定部30が、伝達特性記憶部20が記憶している候補点の中から、振動点を決定するとして説明したが、振動パネル1にユーザが接触したタッチ位置に基づいて振動点を決定してもよい。この場合は、振動点決定部30に、入力としてセンサの出力が入る。ここで検出されたタッチ位置が2つある場合には、その2つそれぞれと一致、または近傍の候補点を振動点として選択する。タッチ位置が2つ以上あるように検出された場合には、センサの出力レベルの差などを利用して、ユーザが意図してタッチしている可能性の高い2つに絞ればよい。さらに、タッチ位置にもっとも近い振動点の候補点を振動点としてもよい。
また、本実施形態では、2つの振動点を用いたが、3つ以上の振動点を用いてよい。
また、本実施形態では、振動点の候補点は四角形状に配列したが、その他の形状の配列であっても構わない。また、振動点の候補点同士の間隔は同一である必要はない。例えば、より接触を受けやすいと考えられる振動パネル1の中央付近ほど間隔を小さくし、端部に近づくほど大きくするなど振動点の候補点同士の間隔が異なってもよい。ここで、振動点の候補点同士の間隔が近いほど、触感呈示の分解能を向上させことができるが、伝達特性を記憶するための記憶容量は増大する。つまり、分解能と記憶容量とはトレードオフの関係にあるため、必要な分解能あるいは許容される記憶容量などに基づいて、振動点の候補点同士の間隔が決定されればよい。
また、本実施形態では、振動パネル1は四角形状としたが、振動パネル1の形状、大きさ、厚さ、硬さおよび固定方法などは、特に限定されない。ただし、振動パネル1の形状、大きさ、厚さ、硬さおよび固定方法などに依存して、圧電素子から振動パネル1の振動点までの伝達特性は変化する。
また、本実施形態では、2つの圧電素子を用いたが、3つ以上の圧電素子を用いてよい。
また、本実施形態では、圧電素子を用いて、振動パネル1の振動を発生させていたが、特に振動源に限定はなく振動モータ等を用いてもよい。
また、本実施形態1では、振動パネル1の左右の端部に圧電素子を配置したが、特に圧電素子の配置に限定はなく、振動パネル1における触覚を呈示させたいエリアに複数の振動点が存在できる程度に、圧電素子同士が離れていればどこに配置してもよい。
また、本実施形態1では、キャリア周波数のみの伝達特性を用いて圧電素子への駆動信号を演算したが、キャリア周波数を含む複数の周波数における伝達特性を用いて圧電素子への駆動信号を演算してもよい。
また、本実施形態1では、第1の振動点では振動を発生させて、第2の振動点では無振動としたが、第2の振動点では振動を発生させて、第1の振動点では無振動とする駆動信号を別途演算して加算することで、第1の振動点と第2の振動点に独立した振動を発生させてもよい。
また、本実施形態1では、伝達特性記憶部20に記憶する伝達特性は、周波数領域で表現されていたが、時間領域で表現された伝達特性で記憶してもよい。時間領域と周波数領域で表現された伝達特性とは、情報としては等価であり、互いに変換することができる。
また、本実施形態1では、伝達特性をゲイン、位相で表現したが、複素数ゲインで表現してもよい。
また、本実施形態1では、伝達特性記憶部20に記憶する伝達特性は、ある範囲の周波数における伝達特性であったが、キャリア周波数として用いる周波数の伝達特性に限定して記憶してもよい。
また、本実施形態1では、キャリア周波数は、振動パネル1の共振周波数としたが、ユーザに触感を呈示できればどのような周波数であってもよい。
また、本実施形態1では、圧電素子への駆動信号を求める際に、それぞれの圧電素子に対応したキャリア信号を生成した後、共通のエンベロープを乗算していたが、演算順序に限定はなく、それぞれの圧電素子に対応した別々のエンベロープを生成してもよい。
尚、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
(実施形態2)
実施形態2に係る触感呈示装置100について図9から図12を参照して説明する。図9は、本実施形態と実施形態1との構成の差である振動残差推定部70を説明する図である。図10(a)は、目標振動決定部40が生成するエンベロープ信号波形の一例を示す。図10(b)は、駆動乗算部61が生成する駆動信号波形の一例を示す。図10(c)は、駆動乗算部61が生成する駆動信号波形の一例を示す。図10において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。図11(a)および図11(b)は、振動残差推定部70が生成する駆動信号波形の一例を示す。図11において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。図12(a)から図12(c)は、振動パネル1の振動波形の一例を示す。図12において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。
実施形態2に係る触感呈示装置100について図9から図12を参照して説明する。図9は、本実施形態と実施形態1との構成の差である振動残差推定部70を説明する図である。図10(a)は、目標振動決定部40が生成するエンベロープ信号波形の一例を示す。図10(b)は、駆動乗算部61が生成する駆動信号波形の一例を示す。図10(c)は、駆動乗算部61が生成する駆動信号波形の一例を示す。図10において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。図11(a)および図11(b)は、振動残差推定部70が生成する駆動信号波形の一例を示す。図11において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。図12(a)から図12(c)は、振動パネル1の振動波形の一例を示す。図12において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。
図9の構成は図1の触感呈示装置100に追加される。図9について図1と同じ内容は省略し、ここでは差分について説明する。伝達特性記憶部20は伝達特性を記憶し振動残差推定部70へ送る。振動点決定部30は2つの振動点の位置を決定し振動残差推定部70へ送る。振動残差推定部70は、伝達特性記憶部20からの伝達特性、および振動点決定部30からの2つの振動点の位置、および目標振動決定部40からのエンベロープ信号およびキャリア周波数に基づいて振動残差を推定し、目標振動決定部40へ送る。目標振動決定部40は、振動残差推定部70からの振動残差に基づいてエンベロープ信号の傾きを調整し、エンベロープ信号とキャリア周波数を振動残差推定部70へ送る。なお、振動残差推定部70は、伝達特性記憶部20から伝達特性を取得するとして説明したが、その場合は、伝達特性取得部50に代えて振動残差推定部70が組み込まれてもよい。伝達特性取得部50と振動残差推定部70を両方備える場合には、振動残差推定部70は、伝達特性記憶部20と接続されず、伝達特性を伝達特性取得部50から取得する構成でも構わない。
実施形態1で示した方法では、伝達特性の周波数をキャリア周波数のみに限定することで演算量を削減している。キャリア周波数のみで構成される目標振動であれば、正しく圧電素子への駆動信号を生成することができ、例えば第1の振動点での振動をユーザが感知できるレベルにし、第2の振動点での振動をユーザが感知できないレベルにすることができる。しかし、タッチ操作等に応じた振動を出力する際には有限長の目標振動が必要となる。有限長の目標振動では、振動の始端および終端においてキャリア周波数以外の周波数成分が発生する。実施形態1で示した方法では、キャリア周波数のみの伝達特性を利用しているため、目標振動のキャリア周波数以外の周波数成分について、正しく圧電素子への駆動信号を生成することができない。そのため、発生する振動は目標振動に対して振動残差が生じる場合がある。上記の例で、第1の振動点における振動は、元々ユーザが感知できるレベルにあるため、多少の振動残差があっても、その差異をユーザが認識するのは困難である。しかし、第2の振動点における振動は、元々ユーザが感知できないレベルにあるため、振動残差により振動が大きくなるとユーザが感知できてしまうことがある。このように振動残差が発生すると、2つの振動点において独立した所望の振動を発生させることが困難となる。
ここで、伝達特性を用いた振動パネル1の各振動点における振動の推定方法の一例を説明する。
本実施形態では振動パネル1の伝達特性を線形時不変システムとして考える。伝達特性は各周波数におけるゲインと位相で表されている。圧電素子への駆動信号として正弦波を用いると、振動パネル1の振動は、駆動信号に対して、該当する周波数におけるゲインを乗じて位相をずらした正弦波と推定される。
圧電素子への駆動信号として任意の信号を用いた場合は、駆動信号を周波数成分に分解し、各周波数の正弦波に対する振動パネル1の振動を求める。振動パネル1の振動は、各周波数の振動パネル1の振動の総和と推定される。
複数の圧電素子を用いる場合は、圧電素子ごとに振動パネル1の振動を求める。全体の振動パネル1の振動は、圧電素子ごとの振動の総和と推定される。
伝達特性記憶部20は、振動パネル1における複数の振動点の候補点における伝達特性を保持しており、振動残差推定部70は、これらの伝達特性を用いて圧電素子への駆動信号に対して、振動パネル1の各振動点における振動を推定する。
尚、振動パネル1の伝達特性として各周波数におけるゲインと位相を保持しているとしたが、振動パネル1の伝達特性としてインパルス応答を保持してもよい。インパルス応答は、圧電素子への駆動信号を非常に短いパルス状としたときの振動パネル1の振動を表す。理論的には、駆動信号の時間的幅は無限小で高さは無限大のパルスとして、振動パネル1の振動を連続時間で表すが、実際のシステムでは駆動信号および振動パネル1の振動を離散的な信号とし、駆動信号をある時刻で大きさ1、それ以外では大きさ0とする。
駆動信号に用いるパルスの大きさが異なると、振動パネル1の振動の形状は変わらず大きさのみが駆動信号の大きさに比例する。
また、発生時刻が異なる複数のパルスに対する振動パネル1の振動は、それぞれのパルスに対する振動パネル1の振動の和となる。
さらに、任意の駆動信号は、大きさと発生時刻が異なるパルスに分解できる。
したがって、圧電素子への駆動信号として任意の信号を用いた場合の振動パネル1の振動は、駆動信号を複数のパルスに分解し、各パルスにおける振動パネル1の振動の総和と推定される。
目標振動決定部40は、例えば、第1の振動点の目標振動として図10(a)に示すように台形状のエンベロープ信号を有し、振動パネル1の共振周波数の正弦波形状のキャリア信号を有する振動を決定し、第2の振動点の目標振動として無振動を決定する。エンベロープ信号の変化が大きいほど、目標振動のキャリア周波数以外の成分が増加する。つまりエンベロープ信号の傾きが大きいほど、振動残差が大きくなる。そのため、目標振動の中央部ではエンベロープ信号をフラット(傾きを零)にし、目標振動の始端および終端ではエンベロープ信号を直線状に傾けることで、エンベロープ信号に発生する傾きを最小化する。したがってエンベロープ信号は台形状となる。
ここで、無振動点の振動残差と直線エンベロープ信号波形との関係をさらに説明する。図13は、エンベロープ信号の始端および終端における傾きと、無振動を目標とした振動点の振動との関係を示す図である。横軸はエンベロープ信号の始端および終端における傾きを示し、縦軸は振動のレベルを示している。実線はエンベロープ信号が台形状である場合の特性を示し、破線はエンベロープ信号が正弦波形状である場合の特性を示している。
図14は、振動させる振動点の目標振動のFFT特性を示す図である。横軸は周波数を示し、縦軸は振動のレベルを示している。図14(a)は、エンベロープ信号の始端および終端における傾きが±20mm/sのときのFFT特性を示し、図14(b)は、エンベロープ信号の始端および終端における傾きが±100mm/sのときのFFT特性を示している。図14においてエンベロープ信号は台形状である。
図15は、エンベロープ信号の始端および終端における傾きと、目標振動のFFT面積に対するFFT最大値の割合との関係を示す図である。横軸はエンベロープ信号の始端および終端における傾きを示している。実線はエンベロープ信号が台形状である場合の特性を示し、破線はエンベロープ信号が正弦波形状である場合の特性を示している。
エンベロープ信号の始端および終端における傾きを異ならせたときの、振動残差の大きさのシミュレーション結果を図13に示す。図13に示すように、エンベロープ信号の始端および終端における傾きが小さいほど振動残差は小さくなる。また、実線で示すようなエンベロープ信号が台形状であるほうが振動残差は小さくなっていることが分かる。
このような特性差の要因について説明する。エンベロープ信号の始端および終端における傾きが大きくなると、図14に示すように、目標振動のFFT特性におけるキャリア周波数以外の成分が増加する。演算はキャリア周波数における伝達特性のみを用いているため、目標振動のキャリア周波数以外の成分が増加するほど、求める駆動信号に誤差が生じ、振動残差が大きくなる。
図15に示すように、エンベロープ信号が正弦波形状(破線)より直線状(実線)のほうが、目標振動のFFT特性の面積に対する最大値の割合が大きくなる。つまり、エンベロープ信号が正弦波形状より台形状のほうが、目標振動のキャリア周波数の成分が支配的になり、キャリア周波数以外の成分が少なくなる。そのため、エンベロープ信号の形状は正弦波形状より台形状のほうが、振動残差は小さくなる。
振動残差推定部70は、伝達特性記憶部20もしくは伝達特性取得部50から2つの振動点と2個の圧電素子に該当する4つの伝達特性を取得する。取得した4つの伝達特性と生成した2つの駆動信号から、2つの振動点における振動を推定する。推定した振動と目標振動決定部40からの目標振動の差分を演算することで、振動残差を推定する。
目標振動決定部40はエンベロープ信号の始端および終端における傾きを変化させて、それぞれの傾きにおける振動残差を振動残差推定部70から取得する。目標振動決定部40は振動残差が許容できる範囲で、最大の傾きを有するエンベロープ信号を決定する。決定されたエンベロープ信号に基づき、実施の形態1と同様に、キャリア生成部60はキャリア信号を生成し、駆動乗算部61は実際に振動パネル1を振動させる駆動信号を生成する。
エンベロープ信号の始端および終端における傾きを変化させたときの、第2の振動点の振動量の例を図12に示す。第2の振動点の目標振動は無振動であるため、そこに発生する振動はすべて振動残差となる。第1の振動点における目標振動の条件は、長さを100msとし、キャリア周波数は200Hzとし、振幅は±1mmとする。エンベロープ信号の始端および終端における傾きは、図12(a)においては±20mm/sとし、図12(b)においては±33mm/sとし、図12(c)においては±100mm/sとする。許容できる振動残差は0.1mmとする。図12に示すように、エンベロープ信号の始端および終端における傾きが大きいほど振動残差が大きくなっている。この例において、振動残差を±0.1mmの範囲内におさめるためには、エンベロープ信号の始端および終端における傾きを、±33mm/sの範囲内に調整すればよい。なお、エンベロープ信号の始端および終端における傾きが大きいほど、目標振動の中央部におけるエンベロープ信号がフラットになる範囲が広がるため、図12に示すように、目標振動の中央部における振動残差は小さくなる。
このようにして、複数の振動点における独立した振動により、目標とする触感を実際にユーザに与えるための駆動信号を求めることができる。
尚、本実施形態では、エンベロープ信号の始端および終端の傾きによる振動の残差を推定してエンベロープ信号の傾きを調整したが、予めエンベロープ信号の始端および終端の傾きと振動の残差との関係を保持しておいて、保持した情報からエンベロープ信号の傾きを決定してもよい。また、予め振動の残差が許容できるエンベロープ信号の傾きを保持して用いてもよい。
また、本実施形態では、振動残差が許容できる範囲で、最大の傾きを有するエンベロープ信号を採用したが、振動残差が許容できればエンベロープ信号の傾きは最大でなくともよい。しかし、エンベロープ信号の傾きが低くなるほど、ユーザが感知する触感は弱くなる。
また、本実施形態では、台形状のエンベロープ信号を例示したが、エンベロープ信号は台形のフラットな部分が無くなった三角形状であってもよい。振動パネル1等の部材の特性や呈示したい触覚に応じて、適切なエンベロープ信号の形状は異なるため、部材やアプリケーションに応じて適宜変更するとよい。
また、本実施形態では、エンベロープ信号の中央部はフラットとしたが、振動の残差が許容できる範囲で傾きを調整してもよい。また、エンベロープ信号の中央部は、振動の残差が許容できる範囲で、揺らいでいてもよい。
また、本実施形態では、目標振動や許容残差の数値例を示したが、本実施形態はこれら使用した数値に限定されず任意の数値に適用できる。
(実施形態3)
本実施形態3に係る触感呈示装置100について図16および図17を参照して説明する。図16は、本実施形態に係る触感呈示装置100の構成を示す図である。図17は、振動出力手順を示すフローチャートである。
本実施形態3に係る触感呈示装置100について図16および図17を参照して説明する。図16は、本実施形態に係る触感呈示装置100の構成を示す図である。図17は、振動出力手順を示すフローチャートである。
図16について図1と同じ内容は省略し、ここでは差分について説明する。駆動乗算部61からの圧電素子10のための駆動信号はアンプ80で増幅されて圧電素子10へ送られる。駆動乗算部61からの圧電素子11のための駆動信号はアンプ81で増幅されて圧電素子11へ送られる。消費電力低減のため、圧電素子への駆動が0であるときなど増幅が不要なときには、アンプ80およびアンプ81をスリープモードにできる。
実施形態1で示した方法は、駆動信号を生成するまでの演算量を削減して応答時間を短くしている。アンプ80およびアンプ81をスリープモードから復帰させる際には回路が安定するまでの時間が必要である。したがって、駆動信号を出力開始する直前にアンプ80およびアンプ81をスリープモードから復帰させる指令を送ると、スリープモードから復帰完了するまで圧電素子10および11には駆動信号が正しく伝わらないことになる。スリープモードから復帰完了するまで駆動信号の出力開始を待たせると応答時間が長くなる。
タッチ操作に対して短い応答時間で振動を発生させるために、図17に示すように触感呈示装置100は動作する。ステップS301で、タッチ入力を検知し、ステップS302で、アンプ80およびアンプ81のスリープモードの解除指令を送る。その後、ステップS303で、駆動乗算部61から出力する駆動信号を演算し、ステップS304で、駆動乗算部61からアンプ80およびアンプ81を介して圧電素子10および11へ駆動信号を出力開始する。ステップS305では、駆動乗算部61からの駆動信号が出力し終わるまで待機する。ステップS306で、アンプ80およびアンプ81をスリープモードにする。
このように、駆動信号を演算する前にアンプ80およびアンプ81のスリープモードの解除指令を送り、回路が安定するまでの時間を利用して駆動信号を演算することで応答時間を短くできる。
尚、本実施形態では、駆動信号を演算する前にアンプ80およびアンプ81をスリープモードから復帰させていたが、駆動信号を出力開始するまでに回路が安定するのであれば、駆動信号を演算している途中でスリープモードから復帰させてもよい。
(実施形態4)
本実施形態4に係る触感呈示装置100について図18および図20を参照して説明する。図18(a)は、共振の強度が強い場合の振動パネル1の振動点における振動波形の一例を示す。図18(b)は、共振の強度が弱い場合の振動パネル1の振動点における振動波形の一例を示す。図18において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。図20に共振の強度が強い場合および共振の強度が弱い場合の振動点における伝達特性の一例を示す。図20の実線は共振の強度が強い場合の伝達特性を示し、破線は共振の強度が弱い場合の伝達特性を示している。
本実施形態4に係る触感呈示装置100について図18および図20を参照して説明する。図18(a)は、共振の強度が強い場合の振動パネル1の振動点における振動波形の一例を示す。図18(b)は、共振の強度が弱い場合の振動パネル1の振動点における振動波形の一例を示す。図18において横軸は時間であり、縦軸はそれぞれの信号レベルである。図20に共振の強度が強い場合および共振の強度が弱い場合の振動点における伝達特性の一例を示す。図20の実線は共振の強度が強い場合の伝達特性を示し、破線は共振の強度が弱い場合の伝達特性を示している。
実施形態1で示した方法は、伝達特性の周波数をキャリア周波数のみに限定することで演算量を削減している。振動パネル1などの機械構造には共振があり、構造や素材によって共振周波数や共振の強さが決まる。共振が強すぎる場合は、圧電素子による振動で振動パネル1の共振が励起され収束に時間がかかる。図18(b)に示すように、共振が弱いと圧電素子を駆動することにより目標振動を発生できるが、図18(a)に示すように、共振が強いと圧電素子を駆動することにより共振が励起され、振動の終端で共振周波数の振動収束に時間がかかり、目標振動から乖離した振動となる。
キャリア周波数と振動パネル1の共振周波数が異なる場合、実施形態1で示した方法では、キャリア周波数のみの伝達特性を利用しているため、共振周波数での振動を抑制するための正しい圧電素子への駆動信号を生成することができない場合がある。
構造や素材によって共振周波数や共振の強さが決まるため、図20に実線で示すように共振が強い伝達特性を有する振動パネル1に対して、緩衝材3を設けることにより、図20に破線で示すように共振の強さを低減することができる。なお、緩衝材3は、振動パネル1に接着されていてもよいし、筐体と振動パネル1とに挟まれることで、振動パネル1に接触するように設置されるものであってもよい。振動パネル1の部材自体が緩衝材3として用いても良いのであれば、緩衝部として突起を有する形にしてもよい。なお、緩衝機能を発揮できればよいのであって、図20の配置はあくまで例であり、この配置に限定するものではない。図19は、緩衝材3を設けた振動パネル1を示す図である。緩衝材3は例えばシリコンゴムまたはウレタンで形成されるがこれに限定されない。
尚、緩衝材3をつけすぎると振動パネル1が振動しにくくなり目標振動で振動させるために必要な圧電素子への駆動電力が増加する。そのため、励起された振動パネル1の共振が収束するまでの時間が例えば100ms以下の範囲内となり、且つ圧電素子への駆動電力が許容できるレベルになるように、緩衝材3を設ける。
このようにして、圧電素子への駆動電力を大幅に増加させることなく、振動パネル1の共振の影響を低減し目標振動を発生できる。
尚、本実施形態では、緩衝材3を用いて振動パネル1の共振の強さを低減したが、振動パネル1に付加するものは振動を吸収するものであれば何でもよい。また、振動パネル1の素材を変えることにより共振の強さを低減させてもよい。
尚、上記各実施形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体、ネットワークを介して接続される外部サーバに記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。なお、各構成要素は説明のため便宜的に分けて記載しているものであって、全体としてフローが実行されればよく、例えば、キャリア生成部60と駆動乗算部61の処理を必ずしも別の専用ハードウェアで構成することを意図したものではない。
図21は、マイクロコンピュータ91および記憶部92を備える触感呈示装置100を示す図である。また、図22は、アンプ80および81を備える触感呈示装置100がマイクロコンピュータ91および記憶部92を備えた構成を示している。記憶部92は、例えばハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体であり得る。マイクロコンピュータ91は、記憶部92に記録されたソフトウェアプログラムおよび各種データを読み出して、上述した各種処理を実行する。例えば、図1および図16に示す伝達特性記憶部20、振動点決定部30、目標振動決定部40、伝達特性取得部50、キャリア生成部60、駆動乗算部61、および図9に示す振動残差推定部70の少なくとも何れかが行う処理は、マイクロコンピュータ91および記憶部92を組み合わせた構成により実現されてもよい。
以上、説明したように、ある実施形態に係る触感呈示装置100は、ユーザと接触し触感を呈示する接触部1と、接触部1を振動させる複数の振動部10および11と、接触部1における複数の振動点を決定する振動点決定部30と、決定した複数の振動点における目標振動を決定する目標振動決定部40と、決定した複数の振動点の位置と決定した目標振動の主成分の周波数とに基づいて得た振動の伝達特性と、決定した目標振動とに基づいて、振動部10および11を駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部60および61とを備える。駆動信号生成部60および61は、決定した目標振動の主成分の周波数近傍に対応した伝達特性に基づいて、駆動信号を生成する。これにより、振動部10および11の駆動信号を生成するための演算量を低減することができるので、応答時間の短縮ができるとともに、少ない回路およびソフト資源で触感の呈示を実現できる。
触感呈示装置100は、振動部10および11から接触部1までの振動の伝達特性を複数個記憶する伝達特性記憶部20と、決定した複数の振動点の位置と、決定した目標振動の主成分の周波数とに基づいて、振動部10および11の駆動に用いる伝達特性を伝達特性記憶部20から取得する伝達特性取得部50とをさらに備えてもよく、伝達特性取得部50は、決定した目標振動の主成分の周波数近傍に対応した伝達特性を取得してもよい。これにより、振動部10および11の駆動信号を生成するための演算量を低減することができるので、応答時間の短縮ができるとともに、少ない回路およびソフト資源で触感の呈示を実現できる。
目標振動決定部40は、例えば、目標振動の始端および終端において、エンベロープ信号を直線状に増加および減少させてもよい。これにより、一方の振動点における目標振動の影響を、他方の振動点において低減できる。
目標振動決定部40は、例えば、目標振動の始端および終端を除く中央部におけるエンベロープ信号の傾きを零にしてもよい。これにより、一方の振動点における目標振動の影響を、他方の振動点において低減できる。
伝達特性取得部50は、例えば、目標振動の主成分の周波数に対応した伝達特性を取得してもよい。これにより、振動部10および11への駆動信号を生成するための演算量を低減できる。
接触部1は、例えば、ユーザによるタッチ操作を受け付けてタッチ位置を検出し、振動点決定部30は、検出したタッチ位置に基づいて振動点を決定してもよい。これにより、タッチ操作に対して、振動パネルの振動位置を高速に追従できる。
伝達特性記憶部20は、例えば、振動部10および11への駆動信号を入力とした伝達特性を記憶してもよい。逆伝達特性を用いることで、簡易に振動部10および11への駆動信号を導出できる。
接触部1には、例えば、複数の振動点の候補点が割り当てられており、伝達特性記憶部20は、候補点のそれぞれにおける振動を出力とした伝達特性を記憶してもよい。これにより、目標とする振動点に最適な伝達特性を選択できる。
伝達特性取得部50は、例えば、決定した目標振動のキャリア周波数近傍に対応した伝達特性を取得してもよい。これにより、振動部10および11への駆動信号を生成するための演算量を低減できる。
駆動信号生成部60および61は、例えば、伝達特性のゲインおよび位相に基づいて、振動部10および11の駆動ゲインおよびキャリア位相を演算してもよい。これにより、振動部10および11への駆動信号を生成するための演算量を低減できる。
駆動信号生成部60および61は、例えば、決定した目標振動のエンベロープ信号に、複数の振動部10および11ごとに求められる駆動ゲインおよびキャリア位相を有するキャリア信号を乗じて、複数の振動部10および11の駆動信号を生成してもよい。これにより、振動部10および11への駆動信号を生成するための演算量を低減できる。
触感呈示装置100は、目標振動決定部40が出力する目標振動および伝達特性記憶部20が出力する伝達特性に基づいて各振動点における振動を推定し、目標振動に対する残差を求める振動残差推定部70をさらに備えてもよく、目標振動決定部40は、残差に基づいて目標振動の始端および終端におけるエンベロープ信号の傾きを調整してもよい。これにより、一方の振動点における目標振動の影響を、他方の振動点において低減できる。
目標振動決定部40は、例えば、残差が所定値以下になるように、目標振動の始端および終端におけるエンベロープ信号の傾きを調整してもよい。これにより、一方の振動点における目標振動の影響を、他方の振動点において低減できる。
目標振動決定部40は、例えば、エンベロープ信号の波形を三角形状にしてもよい。これにより、一方の振動点における目標振動の影響を、他方の振動点において低減できる。
触感呈示装置100は、目標振動決定部40が出力する目標振動および伝達特性記憶部20が出力する伝達特性に基づいて各振動点における振動を推定し、目標振動に対する残差を求める振動残差推定部70をさらに備えてもよく、目標振動決定部40は、残差に基づいて目標振動の始端および終端を除く中央部におけるエンベロープ信号の傾きを調整してもよい。これにより、一方の振動点における目標振動の影響を、他方の振動点において低減できる。
触感呈示装置100は、接触部1の共振の強度を下げる緩衝材3をさらに備えてもよい。これにより、振動点における振動の終端を目標振動に近づけることができる。
緩衝材3は、例えば、励起された共振による振動が収束するまでの時間が100ms以下になるように共振の強度を下げてもよい。これにより、振動点における振動の終端を目標振動に近づけることができる。
触感呈示装置100は、駆動信号生成部60および61が生成した駆動信号を増幅して振動部10および11へ出力する増幅部80および81をさらに備えてもよく、増幅部80および81は、振動を発生させないときはスリープモードになり、増幅部80および81は、駆動信号生成部60および61が駆動信号を演算し終わる前にスリープモードを解除してもよい。これにより、増幅部80および81のスリープ解除の所要時間による応答時間の遅れを低減できる。
ある実施形態に係る触感呈示方法は、ユーザと接触する接触部1における複数の振動点を決定するステップと、決定した複数の振動点における目標振動を決定するステップと、決定した複数の振動点の位置と決定した目標振動の主成分の周波数とに基づいて得た振動の伝達特性と、決定した目標振動とに基づいて、接触部1を振動させる振動部10および11を駆動する駆動信号を生成するステップと、接触部1を振動させてユーザに触感を呈示するステップとを含む。駆動信号を生成するステップは、決定した目標振動の主成分の周波数近傍に対応した伝達特性に基づいて、駆動信号を生成する。これにより、振動部10および11の駆動信号を生成するための演算量を低減することができるので、応答時間の短縮ができるとともに、少ない回路およびソフト資源で触感の呈示を実現できる。
ある実施形態に係るコンピュータプログラムは、触感呈示装置100に振動動作を実行させるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムは、ユーザと接触する接触部1における複数の振動点を決定するステップと、決定した複数の振動点における目標振動を決定するステップと、決定した複数の振動点の位置と決定した目標振動の主成分の周波数とに基づいて得た振動の伝達特性と、決定した目標振動とに基づいて、接触部1を振動させる振動部10および11を駆動する駆動信号を生成するステップと、接触部1を振動させてユーザに触感を呈示するステップとを触感呈示装置100のコンピュータに実行させる。駆動信号を生成するステップは、決定した目標振動の主成分の周波数近傍に対応した伝達特性に基づいて、駆動信号を生成する。これにより、振動部10および11の駆動信号を生成するための演算量を低減することができるので、応答時間の短縮ができるとともに、少ない回路およびソフト資源で触感の呈示を実現できる。
本開示に係る触感呈示装置および触感呈示方法は、マルチタッチに対して互いに異なる触感を呈示することができるので、例えば、テレビ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、あるいは携帯電話などのユーザインタフェースに適用できる。また、例えば、電子黒板あるいはデジタルサイネージ用ディスプレイなど、複数の人が同時に画面にタッチする機器にも適用できる。また、例えば、自動車内に設置されるタッチパッド、カーナビゲーションシステム、カーオーディオ、エアーコンディショナー等の各種電子機器にも適用できる。
1 振動パネル
2 表示部
3 緩衝材
10 圧電素子
11 圧電素子
20 伝達特性記憶部
30 振動点決定部
40 目標振動決定部
50 伝達特性取得部
60 キャリア生成部
61 駆動乗算部
70 振動残差推定部
80 アンプ
81 アンプ
100 触感呈示装置
2 表示部
3 緩衝材
10 圧電素子
11 圧電素子
20 伝達特性記憶部
30 振動点決定部
40 目標振動決定部
50 伝達特性取得部
60 キャリア生成部
61 駆動乗算部
70 振動残差推定部
80 アンプ
81 アンプ
100 触感呈示装置
Claims (18)
- ユーザの接触を受ける接触部と、
前記接触部に振動を起こす複数の振動部と、
前記接触部における複数の振動点を決定する第1決定部と、
前記複数の振動点における、複数の目標振動をそれぞれ決定する第2決定部と、
前記複数の振動点の位置と前記複数の目標振動の主成分の周波数とに基づいて得られる振動の伝達特性と、前記複数の目標振動とに基づいて、前記複数の振動部をそれぞれ駆動する複数の駆動信号を生成する信号生成部と
を備え、
前記信号生成部は、前記複数の目標振動の主成分の周波数近傍にそれぞれ対応した複数の伝達特性に基づいて、前記複数の駆動信号を生成する、装置。 - 前記振動部のそれぞれから前記接触部までの振動の伝達特性を複数個記憶する記憶部と、
前記複数の振動点の位置と、前記複数の目標振動の主成分の周波数とに基づいて、前記複数の振動部の駆動に用いる伝達特性を前記記憶部から取得する取得部と
をさらに備え、
前記取得部は、前記目標振動の主成分の周波数近傍におけるゲイン及び位相を前記伝達特性として取得する、請求項1に記載の装置。 - 前記第2決定部は、始端および終端においてそれぞれ略直線状に増加および減少するエンベロープ信号を用いて各目標振動を決定する、請求項1又は2に記載の装置。
- 前記第2決定部は、始端および終端を除く中央部における傾きが零近傍であるエンベロープ信号を用いて各目標振動を決定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
- 前記第2決定部は、略三角形状の波形を有するエンベロープ信号を用いて各目標振動を決定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
- 前記接触部は、ユーザによるタッチ操作を受け付けて複数のタッチ位置を検出し、
前記第1決定部は、前記検出された複数のタッチ位置に基づいて前記複数の振動点を決定する、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。 - 前記接触部には、複数の振動点の候補点が割り当てられており、
前記複数の伝達特性は、前記複数の振動部への複数の駆動信号のそれぞれを入力とし、前記候補点のそれぞれにおける振動を出力とする伝達特性である、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。 - 前記信号生成部は、前記伝達特性のゲインおよび位相に基づいて、前記振動部の駆動ゲインおよびキャリア位相を演算する、請求項2に記載の装置。
- 前記信号生成部は、前記目標振動のエンベロープ信号に、前記複数の振動部ごとに求められる駆動ゲインおよびキャリア位相を有するキャリア信号を乗じて、前記複数の振動部の駆動信号を生成する、請求項8に記載の装置。
- 前記目標振動および前記伝達特性に基づいて前記振動点における振動を推定し、前記目標振動に対する残差を求める残差推定部をさらに備え、
前記第2決定部は、前記残差に基づいて調整されたエンベロープ信号を用いて前記目標振動を更新する、請求項3から5のいずれか一項に記載の装置。 - 前記第2決定部は、前記残差が所定値以下になるように、前記目標振動の始端および終端におけるエンベロープ信号の傾きを調整する、請求項9に記載の装置。
- 前記第2決定部は、前記残差が所定値以下になるように、前記目標振動の始端および終端を除く中央部におけるエンベロープ信号の傾きを調整する、請求項9に記載の装置。
- 前記接触部に設置される緩衝材をさらに備えた、請求項1又は2に記載の装置。
- 前記緩衝材が設置された前記接触部において、励起された共振による振動は、100ms以下で収束される、請求項13に記載の装置。
- 前記駆動信号を増幅して前記振動部へ出力する増幅部をさらに備え、
前記増幅部は、前記接触部において振動を発生させないときはスリープモードになり、前記信号生成部が駆動信号を演算し終わる前に前記スリープモードを解除する、請求項1又は2に記載の装置。 - ユーザの接触を受ける接触部における複数の振動点を決定するステップと、
前記複数の振動点における、複数の目標振動をそれぞれ決定するステップと、
前記複数の振動点の位置と前記複数の目標振動の主成分の周波数とに基づいて得られる振動の伝達特性と、前記複数の目標振動とに基づいて、前記接触部を振動させる複数の振動部をそれぞれ駆動する複数の駆動信号を生成するステップと、
を含み、
前記複数の駆動信号を生成するステップは、前記複数の目標振動の主成分の周波数近傍にそれぞれ対応した複数の伝達特性に基づいて、前記複数の駆動信号を生成する、方法。 - 電子機器に振動動作を実行させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、
ユーザの接触を受ける接触部における複数の振動点を決定するステップと、
前記複数の振動点における、複数の目標振動をそれぞれ決定するステップと、
前記複数の振動点の位置と前記複数の目標振動の主成分の周波数とに基づいて得られる振動の伝達特性と、前記複数の目標振動とに基づいて、前記接触部を振動させる複数の振動部をそれぞれ駆動する複数の駆動信号を生成するステップと、
を前記電子機器のコンピュータに実行させ、
前記複数の駆動信号を生成するステップは、前記複数の目標振動の主成分の周波数近傍にそれぞれ対応した複数の伝達特性に基づいて、前記複数の駆動信号を生成する、コンピュータプログラム。 - ユーザの接触を受ける接触部と、前記接触部に振動を起こす複数の振動部と、記憶部と、前記記憶部に接続される1以上のプロセッサとを備え、
前記1以上のプロセッサは、
前記接触部における複数の振動点を決定する第1決定ステップと、
前記複数の振動点における、複数の目標振動をそれぞれ決定する第2決定ステップと、
前記複数の振動点の位置と前記複数の目標振動の主成分の周波数とに基づいて得られる振動の伝達特性と、前記複数の目標振動とに基づいて、前記複数の振動部をそれぞれ駆動する複数の駆動信号を生成する信号生成ステップと、
を実行し、
前記信号生成ステップでは、前記複数の目標振動の主成分の周波数近傍にそれぞれ対応した複数の伝達特性に基づいて、前記複数の駆動信号を生成する、装置。
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