JP2015028584A - 硬化性樹脂組成物、その硬化物、これを有するプリント配線板、及び硬化物の製造方法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、その硬化物、これを有するプリント配線板、及び硬化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 引裂、破断、歪、及びねじれに対する強度、及び靭性に優れたアルカリ現像型の硬化性樹脂組成物、その硬化物、これを有するプリント配線板、および硬化物の製造方法を提供する。
【解決手段】
(A)熱可塑性樹脂と、
(B)熱硬化成分と、
(C)アルカリ可溶成分と、
(D−1)光重合開始剤及び(D−2)光塩基発生剤の少なくとも何れか一種と、
を含有する硬化性樹脂組成物であって、
前記熱可塑性樹脂(A)が2つ以上のガラス転移点を有し、そのうち2つのガラス転移点Tg、TgがTg>30℃、Tg<0℃であり、かつ前記熱硬化成分(B)がガラス転移点Tgを有し、Tg≧Tg+20℃であることを特徴とする硬化性樹脂組成物、その硬化物、これを有するプリント配線板、および硬化物の製造方法が得られた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、硬化性樹脂組成物、特にソルダーレジスト等のレジストとして好適に使用される、硬化性樹脂組成物に関する。
更に、本発明は、上記硬化性樹脂組成物の硬化物、これを有するプリント配線板、および硬化物の製造方法に関する。
現在、民生用プリント配線板や、産業用プリント配線板のソルダーレジストにおいて、高精度、高密度の観点から、紫外線照射後、現像することにより画像形成し、熱及び光照射の少なくとも何れか一方で仕上げ硬化(本硬化)する液状現像型フォトソルダーレジストが使用されている。また、エレクトロニクス機器の軽薄短小化に伴うプリント配線板の高密度化に対応して、ソルダーレジストの作業性の向上や高性能化が要求されている。
液状現像型ソルダーレジストの中でも、環境問題への配慮から、現像液として希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像型が主流になっており、プリント配線板の製造において大量に使用されている。このようなアルカリ現像型のフォトソルダーレジストとして、エポキシ樹脂をアクリレートにより変性した樹脂(エポキシアクリレート変性樹脂)が一般的に用いられている。
例えば、特許文献1には、レジスト(硬化物)の冷熱衝撃耐性、PCT耐性、HAST耐性、無電解金メッキ耐性等に優れた硬化性樹脂組成物についての提案がされている。
WO 2012/73242号
上記特許文献1では、レジスト使用条件下での各種耐性が向上する樹脂組成物についての提案がなされているものの、硬化物の物理的強度及び強靭性に関しては、未だ改善の余地がある。
しかるに、本発明の目的は、引裂、破断、歪、及びねじれに対する強度、及び靭性に優れたアルカリ現像型の硬化性樹脂組成物、その硬化物、これを有するプリント配線板、および硬化物の製造方法を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成とすることで上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂と、(B)熱硬化成分と、(C)アルカリ可溶成分と、(D−1)光重合開始剤及び(D−2)光塩基発生剤の少なくとも何れか一種と、を含有し、前記熱可塑性樹脂(A)が2つ以上のガラス転移点を有し、そのうち2つのガラス転移点Tg、Tgが、Tg>30℃、及びTg<0℃であり、かつ前記熱硬化成分(B)がガラス転移点Tgを有し、Tg≧Tg+20℃であることを特徴とする。
これにより、硬化後の強度に優れたアルカリ現像型の硬化性樹脂組成物が得られる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化することにより得られた硬化物の内部にナノシリンダー構造を有していることが好ましい。
ここで、ナノシリンダー構造とは、ナノサイズの共連続相構造をいう。ナノシリンダー構造となる作成条件としては、硬化条件のうち、温度を140〜160℃、時間を30〜90分とすることにより、好ましく作成できる。
硬化物の内容がナノシリンダー構造を有していることによって、強靭であり応力緩和の効果が得られる。
またナノシリンダー構造を形成しない場合、硬化物の内部はマクロ相分離構造又は均一構造を示すことになる。ここでマクロ相分離構造とは、ミクロンサイズの共連続相構造をいい、均一構造とは、相分離が発生していない構造をいう。前者の場合、強靭性低下といった不具合を生じ、後者の場合も、クラックの発生や強靭性低下といった不具合を生じる。
本発明で用いられる上記熱硬化成分(B)は、エポキシ化合物であることが好ましい。
さらに、上記アルカリ可溶成分(C)は、カルボキシル基含有樹脂またはフェノール性水酸基含有樹脂であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、さらに熱硬化触媒(E)を含有することが好ましい。
これにより、硬化性樹脂組成物の熱硬化が促進され、強靭なレジストが形成される。
このように、本発明の硬化性樹脂組成物は、光照射、加熱、またはその双方により硬化物とされ、プリント配線板のレジストとして使用される。
本発明の硬化物は、前記硬化性樹脂組成物を光照射後硬化させて得られることを特徴とする。
本発明の硬化物は、ナノシリンダー構造を有することが好ましい。
本発明のプリント配線板は、前記硬化物を備えることを特徴とする。
本発明の硬化物の製造方法は、基材上に請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物を施与する工程(a)、パターン状の光照射にて前記硬化性組成物に含まれる前記光重合開始剤を活性化して光照射部を硬化する工程(b)、現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程(c)、及び更なる光照射工程(d)、を含むことを特徴とする
本発明により、引裂、破断、歪、及びねじれに対する強度及び靭性が優れた状態での硬化が可能な硬化性樹脂組成物が提供される。更に、本発明の硬化物にはクラックが生じにくく、仮にクラックが発生したとしてもクラック進行が抑制され、硬化性樹脂組成物がレジストである場合、レジストとしての機能を最大限に発揮する。また、本発明の硬化性樹脂組成物は、アルカリにより現像可能である。
図1は、本発明の実施例1に係る硬化性樹脂組成物の硬化物におけるナノシリンダー構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)写真である。 図2は、本発明の比較例2に係る硬化性樹脂組成物の硬化物におけるマクロ相分離構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)写真である。 図3は、本発明の比較例4に係る硬化性樹脂組成物の硬化物における均一構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)写真である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂と、(B)熱硬化成分と、(C)アルカリ可溶成分と、(D−1)光重合開始剤及び(D−2)光塩基発生剤の少なくとも何れか一種と、を含有し、前記熱可塑性樹脂(A)2つ以上のガラス転移点を有し、そのうち2つのガラス転移点T、Tが、Tg>30℃、及びTg<0℃、及びであり、かつ前記熱硬化成分(B)のガラス転移点Tg≧Tg+20℃であることを特徴とする。
本発明の硬化性樹脂組成物は、Tg>30℃、及びTg<0℃、で表わされる2つのガラス転移点を含む2つ以上のガラス転移点を有する熱可塑性樹脂(A)と、ガラス転移点Tg≧Tg+20℃で表わされる熱硬化成分(B)を含むことにより、樹脂組成物中で熱可塑性樹脂(A)におけるTgの発現に寄与する部分(後述のソフトセグメント)が樹脂組成物中で非相溶とされる。
本発明では、樹脂組成物を基板に施与し、後述のように、光照射による組成物表面での塩基の発生、(D−1)光重合開始剤及び(D−2)光塩基発生剤の少なくとも何れか一種の活性化、組成物の硬化が可能とされる。
本発明の樹脂組成物は硬化が進行する段階で、各成分ないしセグメントの相分離が進行し、全体として海島模様の塗膜を形成することとなる。すなわち、樹脂組成物のソフトセグメント以外から構成される海部に対して、ソフトセグメントが島部を形成する。海島構造の島部は、配合や硬化等の基盤作製条件により得られる構造が異なる。最適な条件を適応すれば、島部分はナノサイズのシリンダー構造をとり、強靭であり応力緩和の効果を得られる。一方、不適切な条件では、島部分はミクロンサイズの球状構造となり、強靭性が低下する。
樹脂組成物の硬化物が機械的に破壊されにくい性状(靭性が高いこと)を維持するためには強度の他に、応力上昇を阻止する弾性を考慮する必要がある。一方、樹脂組成物の硬化物は、実際上、製造や硬化の過程で生じた微細な傷、空隙、クラック等の欠陥部が存在する。このような欠陥部に所定の外部応力が付加された場合、欠陥部より応力が上昇ないし伝播してクラックが進行するのが一般的である。
これに対し、本発明の樹脂組成物は、上述の海島構造を有して硬化するため、硬化した樹脂組成物全体が所定の弾性を有することとされ、強靭性が向上する。
従って、本発明の樹脂組成物によると、クラックが発生しにくく、保護対象である基板を十分に保護可能なレジストが形成される。
以下、本発明の硬化性樹脂組成物の各構成成分について詳しく説明する。
[成分(A):熱可塑性樹脂]
本発明では、複数、特に2つのガラス転移点(Tg及びTg)を有する熱可塑性樹脂を成分(A)として用いる。
2つのガラス転移点を有する熱可塑性樹脂としては、下記式(I)
X−Y (I)
(式中、Xはガラス転移点Tg>30℃のポリマー単位(ハードセグメント)であり、Yはガラス転移点Tg<0℃のポリマー単位(ソフトセグメント)である)
の構造を含むブロック共重合体が挙げられる。ここで、ブロック共重合体とは一般的に性質の異なる二種類以上のポリマーが、共有結合で繋がり長い連鎖になった分子構造の共重合体を意味する。上記のブロック共重合体を用いることにより、本発明の硬化性樹脂組成物から得られた硬化物に強靭性が与えられる。
なお、ガラス転移点Tgは示差走査熱量測定(DSC)により測定される。
式(I)の構造を含むブロック共重合体のうち、Xがガラス転移点Tg>30℃のポリマー単位、Yがガラス転移点Tg<0℃のポリマー単位から構成されているものが好ましい。
特に-50℃<Tg<0℃、及び30℃<TgX<150℃でありことが好ましい。また、後述の熱硬化成分のガラス転移点Tgに対しては、Tg≧Tg+20℃の関係を有する。ここでTgの温度が高ければ高いほど硬化物の強靭性がきわめて向上する。
また、式(I)の構造を含むブロック共重合体のうち、Xが後述のアルカリ可溶成分(成分(C))との相溶性が高く、Yがアルカリ可溶成分(成分(C))との相溶性が低いものが好ましく、これにより所望の強靭性を有する硬化型組成物を得ることができる。
式(I)におけるXとしては、ポリメチルメタアクリレート(PMMA(Tg:140℃))等の(C-Cアルキル)メタアクリレート、ポリスチレン(PS)(Tg:100℃)などが好ましく、Yとしてはポリn−ブチルアクリレート(PBA)(Tg:-40℃)等のポリ(C1-Cアルキル)アクリレート、ポリブタジエン(PB)(Tg:-70℃)等C-C6ジエンなどが好ましい。
また本発明に用いるブロック共重合体としては3元以上のブロック共重合体が好ましく、リビング重合法により合成された分子構造が精密にコントロールされたブロック共重合体が本発明の効果を得る上でより好ましい。これは、リビング重合法により合成されたブロック共重合体は分子量分布が狭く、それぞれのユニットの特徴が明確になったためであると考えられる。用いるブロック共重合体の分子量分布は2.5以下が好ましく、更に好ましくは2.0以下である。
中でも下記式(II)
−Y−X (II)
(式中、X及びXは、それぞれガラス転移点Tgx1>30℃及びTgx2>30℃のポリマー単位(ハードセグメント)であり、Yはガラス転移点Tg<0℃のポリマー単位(ソフトセグメント)であり、X1、は相互に異なるポリマー単位であってもよいが、同一のポリマー単位であることが好ましい)で表されるブロック共重合体を使用することが好ましい。
ブロック共重合体の製造方法としては、例えば、特表2005−515281号、特表2007−516326号に記載の方法が挙げられる。
(X−Yタイプの例示(AlkemaD52等))
本発明に適用可能なブロック共重合体の市販品としては、3元系以上のものとしては、アルケマ社製のリビング重合を用いて製造されるアクリル系トリブロックコポリマーが挙げられる。具体例としては、ポリスチレン(Tgx1:100℃)−ポリブタジエン(Tg:-70℃)−ポリメチルメタアクリレート(Tgx2:140℃)に代表されるSBMタイプ、ポリメチルメタアクリレート(Tgx1:140℃)−ポリn−ブチルアクリレート(Tg:-40℃)−ポリメチルメタアクリレート(Tgx2:140℃)に代表されるMAMタイプ、更にはカルボン酸変性や親水基変性処理されたMAM NタイプやMAM Aタイプが挙げられる。SBMタイプとしてはE41、E40、E21、E20等が挙げられ、MAMタイプとしてはM51、M52、M53、M22、SM6290XD30等が挙げられ、MAM Nタイプとしては52N、22N、MAM AタイプとしてはSM4032XM10等が挙げられる。
また、クラレ社製のクラリティ等のメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルより誘導されるブロック共重合を用いることも可能である。市販品としては、LA1114、LA2250、LA2140e、LA2330等が挙げられる。
ブロック共重合体の重量平均分子量は一般的に10,000〜400,000、さらには30,000〜300,000の範囲にあるものが好ましい。重量平均分子量が20,000未満であると、目的とする強靭性、柔軟性の効果が得られず、タック性にも劣る。
一方、重量平均分子量が400,000を超えると、硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり、印刷性、現像性が著しく悪くなる。
上記ブロック共重合体の配合量は、アルカリ可溶性成分100質量部に対して、1〜50質量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜35質量部である。1質量部未満ではその効果は期待されず、50質量部以上では硬化性樹脂組成物として現像性や塗布性の悪化が懸念されるため好ましくない。
本発明においてTg及びTgで表わされる2つのガラス転移点を有する熱可塑性樹脂(成分A)、特に上記式(I)の構造を含むブロック共重合体を用いることにより、本発明の硬化性樹脂組成物から得られた硬化物に優れた強靭性を付与することが可能とされる。本発明の硬化物は、現像によりレジストとしてパターニングされる工程、及びレジストとして適用される場合にも、熱可塑性樹脂(成分(A))を含むことによりレジストの強靭性を保持するため、アルカリ現像や、ソルダーレジストとしての過酷な適用環境においてもクラックの発生、及びクラックが進行しにくく、基板を良好に保護する。
特に、組成物の硬化処理温度を、ハードセグメントのTg以上の温度とすることにより、強靭性に優れたレジストを得ることができる。
[成分(B):熱硬化成分]
さらに、成分(B)として、ガラス転移点Tgを有する熱硬化成分を用いる。これを含有することにより、耐熱性、絶縁信頼性等の特性を向上させることができる。本発明では、(B)熱硬化成分のガラス転移点Tgと、熱可塑性樹脂(成分(A))の2つのガラス転移点の低い方であるTgとが、下式
Tg≧Tg+20℃
の関係を満たすことが必要とされる。
本発明の(B)熱硬化成分のガラス転移点Tgzは、前記熱可塑性樹脂(A)のガラス転移点Tg、Tgと同様に、示差走査熱量計(DSC)により従来から行われている方法で測定することができる。
(A)熱可塑性樹脂のソフトセグメントのガラス転移点Tgは、(B)熱硬化成分のガラス転移点TgがTg≧Tg+20℃で、Tgの温度が高ければ高いほど硬化物の強靭性がきわめて向上する。その理由として、(A)熱可塑性樹脂のソフトセグメントと(B)熱硬化成分の相溶性が関係している。(A)熱可塑性樹脂のソフトセグメントのガラス転移点Tgと(B)熱硬化成分のガラス転移点Tgが離れているほど、(A)熱可塑性樹脂のソフトセグメントと(B)熱硬化成分の相溶性が低く、相分離が起きやすくなるからである。(B)熱硬化成分のガラス転移点Tgにおいてより好ましくはTg≧Tg+30℃である。
前記熱硬化成分(B)としては、エポキシ化合物、または多官能オキセタン化合物を用いることが好ましい。その中でも、エポキシ樹脂がより好ましい。
上記エポキシ化合物としては、液状、結晶性低分子量、半固形、固形の各材料を用いることができ、具体例としては、上記エポキシ樹脂は、エポキシ基を有する樹脂であり、公知のものをいずれも使用できる。分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、水素添加された2官能エポキシ化合物であってもよい。
多官能エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、ナフタレン基含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂、CTBN変性エポキシ樹脂等が挙げられる。
その他の液状2官能性エポキシ樹脂としては、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキシ樹脂を挙げることができる。
エポキシ化合物は、市販の製品を用いることも可能であり、例えばHP4032(DIC社製、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂、Tg:-5℃)、NC3000H、NC3000L(日本化薬社製、ビフェニル型エポキシ化合物、順にTg:20℃、30℃)、EPPN501H(日本化薬社製、トリフェニルグリジジルエーテル型エポキシ樹脂、Tg:20℃)、jER828、jER834、jER1001(三菱化学社、順に液状、半固形、固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂、順にTg:-20℃、0℃、30℃)、DEN 431、DEN438(ダウケミカル社製、エポキシノボラック樹脂、順にTg:-10℃、0℃)、P201(日本化薬社製、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、Tg:5℃)、N870(DIC社製、変性ノボラック型樹脂、Tg:20℃)を用いることができる。
上記多官能オキセタン化合物としては、ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エーテル、1,4−ビス[(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルメタクリレートやそれらのオリゴマー又は共重合体等の多官能オキセタン類の他、オキセタンアルコールとノボラック樹脂、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)、カルド型ビスフェノール類、カリックスアレーン類、カリックスレゾルシンアレーン類、又はシルセスキオキサンなどの水酸基を有する樹脂とのエーテル化物などが挙げられる。その他、オキセタン環を有する不飽和モノマーとアルキル(メタ)アクリレートとの共重合体なども挙げられる。
ここで、熱反応性化合物がベンゼン骨格を有する場合、耐熱性が向上するので、好ましい。また、熱硬化性樹脂組成物が白色顔料を含有する場合、熱反応性化合物は脂環式骨格であることが好ましい。これにより、光反応性を向上できる。
上記熱反応性化合物の配合量としては、アルカリ現像性樹脂との当量比(アルカリ現像性樹脂:熱反応性化合物)が1:0.5〜1:10であることが好ましい。このような配合比から外れる場合、現像が困難となることがある。上記当量比は、1:0.5〜1:5であることがさらに好ましい。
(B)熱硬化成分は1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
(B)熱硬化成分の配合量は、後述の(C)アルカリ可溶成分との当量比(アルカリ可溶成分:熱硬化成分)が1:0.5〜1:10であることが好ましい。このような配合比から外れる場合、現像が困難となることがある。上記当量比は、1:0.5〜1:5であることがさらに好ましい。
[成分(C):アルカリ可溶成分]
本発明では、アルカリ可溶成分を成分(C)として用いる。アルカリ可溶成分としてはカルボキシル基含有樹脂またはフェノール性水酸基含有樹脂を用いると好ましい。これにより、硬化性樹脂組成物により形成した塗膜を、現像を介してパターン形成することが可能となる。
カルボキシル基含有樹脂としては、アルカリ現像性を付与する目的で分子中にカルボキシル基を有している公知の各種カルボキシル基含有樹脂を使用できる。特に硬化性樹脂組成物が感光性を有する硬化性樹脂組成物である場合、分子中にエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂である方が、硬化性や耐現像性の面において好ましい。そして、その不飽和二重結合は、アクリル酸もしくはメタアクリル酸又はそれらの誘導体由来のものが好ましい。
尚、エチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のみを用いる場合、組成物中、光重合開始剤のエチレン性不飽和二重結合に対する逐次反応を生じさせるために、本発明の感光性化合物又はそのオリゴマーや後述する分子中に2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物、すなわち光重合性モノマーを併用するとよい。
カルボキシル基含有樹脂の具体例としては、以下に列挙するような化合物(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)が好ましい。
(1)(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、C-Cアルキル(メタ)アクリレート、イソブチレン等の不飽和基含有化合物との共重合により得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネートと、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のカルボキシル基含有ジアルコール化合物及びポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキサイド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(3)脂肪族ジイソシアネート、分岐脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等のジイソシアネート化合物と、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、アクリル系ポリオール、ビスフェノールA系アルキレンオキサイド付加体ジオール、フェノール性ヒドロキシル基及びアルコール性ヒドロキシル基を有する化合物等のジオール化合物の重付加反応によるウレタン樹脂の末端に無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等の2塩基酸無水物を反応させてなる末端カルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(4)ジイソシアネートと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂等の2官能エポキシ樹脂の(メタ)アクリレートもしくはその一部を無水プロピオン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸等の2塩基酸無水物により変性させた酸無水物変性物、カルボキシル基含有ジアルコール化合物及びジオール化合物の重付加反応によるカルボキシル基含有感光性ウレタン樹脂。
(5)上述した(2)又は(4)の樹脂の合成中に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の分子中に1つの水酸基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(6)上述した(2)又は(4)の樹脂の合成中に、イソホロンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの等モル反応物等、分子中に1つのイソシアネート基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を加え、末端(メタ)アクリル化したカルボキシル基含有ウレタン樹脂。
(7)後述するような2官能又はそれ以上の多官能(固形)エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、側鎖に存在する水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(8)後述するような2官能(固形)エポキシ樹脂の水酸基をさらにエピクロロヒドリンでエポキシ化した多官能エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、生じた水酸基に無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(9)ノボラックのごとき多官能フェノール化合物にエチレンオキサイドのごとき環状エーテル、プロピレンカーボネートのごとき環状カーボネートを付加させ、得られた水酸基を(メタ)アクリル酸で部分エステル化し、残りの水酸基に多塩基酸無水物を反応させたカルボキシル基含有感光性樹脂。
(10)上述した(1)〜(9)の樹脂にさらにグリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等の分子中に1つのエポキシ基と1つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を付加してなるカルボキシル基含有感光性樹脂。
なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレート及びそれらの混合物を総称する用語で、以下他の類似の表現についても同様である。
上記カルボキシル基含有樹脂の市販品としては、R-2000(上記(6)に対応、DIC社製)、PCR-1160H(日本化薬社製)、VB5301、VB5305(以上三菱レイヨン社製) 等を使用することができる。
上記のようなカルボキシル基含有樹脂は、バックボーン・ポリマーの側鎖に多数の遊離のカルボキシル基を有するため、希アルカリ水溶液による現像が可能になる。
このようなカルボキシル基含有樹脂の酸価は、40〜200mgKOH/gが好ましい。カルボキシル基含有樹脂の酸価が40mgKOH/g未満であるとアルカリ現像が困難となり、一方、200mgKOH/gを超えると現像液による露光部の溶解が進むために、必要以上にラインが痩せたり、場合によっては、露光部と未露光部の区別なく現像液で溶解剥離してしまい、正常なレジストパターンの描画が困難となる。より好ましくは45〜120mgKOH/gである。
また、カルボキシル基含有樹脂の重量平均分子量は、樹脂骨格により異なるが、一般的に2,000〜150,000が好ましい。重量平均分子量が2,000未満であると、タックフリー性能が劣ることがあり、露光後の塗膜の耐湿性が悪く、現像時に膜減りが生じ、解像度が大きく劣ることがある。一方、重量平均分子量が150,000を超えると、現像性が著しく悪くなることがあり、貯蔵安定性が劣ることがある。より好ましくは、5,000〜100,000である。
このようなカルボキシル基含有樹脂の配合量は、全組成物中に、20〜60質量%であることが好ましい。配合量が20質量%より少ない場合、皮膜強度が低下したりする。一方、60質量%より多い場合、組成物の粘性が高くなり、塗布性等が低下する。より好ましくは30〜50質量%である。
これらカルボキシル基含有樹脂は、列挙したものに限らず使用することができ、1種類でも複数種混合しても使用することができる。
フェノール性水酸基含有樹脂としては、フェノール性水酸基を有する化合物、例えば、ビフェニル骨格、或いはフェニレン骨格、又はその両方の骨格を有する化合物、又はフェノール性水酸基含有化合物、例えばフェノール、オルソクレゾール、パラクレゾール、メタクレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,6−ジメチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、ピロガロール、フロログルシノール等とを用いて合成した、様々な骨格を有するフェノール性水酸基含有樹脂を用いてもよい。
例えばフェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ポリビニルフェノール類、ビスフェノールF、ビスフェノールS型フェノール樹脂、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ナフトールとアルデヒド類の縮合物、ジヒドロキシナフタレンとアルデヒド類との縮合物など公知慣用のフェノール樹脂を用いることができる。
これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
かかるフェノール性水酸基含有樹脂の市販品としては、HF1H60(明和化成社製)フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2131(大日本印刷社製)、ベスモールCZ−256−A(DIC社製)、シヨウノールBRG−555、シヨウノールBRG−556(昭和電工社製)、CGR−951(丸善石油化学社製)、またはポリビニルフェノールのCST70、CST90、S−1P、S−2P(丸善石油化学社製)等を挙げることができる。これらのフェノール性水酸基含有樹脂を、単独で、あるいは2種類以上を適宜組合せて用いることができる。
本発明では、成分(C)として、カルボキシル基含有樹脂及びフェノール性水酸基含有樹脂のいずれか一方、又はこれらの混合物を用いてもよい。
[成分(D−1):光重合開始剤及び(D−2):光塩基発生剤の少なくとも何れか一種]
本発明において用いられる(D−1)光重合開始剤としては、公知のいずれのものも用いることができるが、中でも、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が好ましい。
この他、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する光重合開始剤を用いることもできる。
(D−1)光重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
オキシムエステル系光重合開始剤としては、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ペンタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘキサンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−ヘプタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(エチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、2−(O−ベンゾイルオキシム)−1−[4−(ブチルフェニルチオ)フェニル]−1,2−ブタンジオン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−メチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−プロピル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、1−(O−アセチルオキシム)−1−[9−エチル−6−(2−ブチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン、2−(ベンゾイルオキシイミノ)−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1−オクタノン、2−(アセトキシイミノ)−4−(4−クロロフェニルチオ)−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−ブタノンが使用可能であり、市販品として、BASFジャパン社製のCGI−325、イルガキュア(登録商標)OXE01、イルガキュアOXE02、ADEKA社製N−1919などが挙げられる。
また、分子内に2個のオキシムエステル基を有する光重合開始剤も好適に用いることができ、具体的には、下記一般式(I)で表されるカルバゾール構造を有するオキシムエステル化合物が挙げられる。
Figure 2015028584
(式中、Xは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)を表し、Y、Zはそれぞれ、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、ハロゲン基、フェニル基、フェニル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、ナフチル基(炭素数1〜17のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜8のアルキル基を持つアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基により置換されている)、アンスリル基、ピリジル基、ベンゾフリル基、ベンゾチエニル基を表し、Arは、炭素数1〜10のアルキレン、ビニレン、フェニレン、ビフェニレン、ピリジレン、ナフチレン、チオフェン、アントリレン、チエニレン、フリレン、2,5−ピロール−ジイル、4,4’−スチルベン−ジイル、4,2’−スチレン−ジイルを表し、nは0又は1の整数である)。
特に、上記式中、X、Yが、それぞれ、メチル基又はエチル基であり、Zがメチル又はフェニルであり、nが0であり、Arが、フェニレン、ナフチレン、チオフェン又はチエニレンであるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
オキシムエステル系光重合開始剤を使用する場合の配合量は、アルカリ可溶性成分100質量部に対して、0.01〜10質量部、特に、0.5〜5質量部とすることが好ましい。0.01質量部以上10質量部以下とすることにより、塗膜が安定に形成されとともに、耐薬品性などの塗膜特性も保持され、またソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が一定に保たれ、深部硬化性が良好とされる。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、N,N−ジメチルアミノアセトフェノンなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379などが挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、具体的には2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のルシリン(登録商標)TPO、BASFジャパン社製のイルガキュア819などが挙げられる。
α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤またはアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いる場合のそれぞれの配合量は、アルカリ可溶性成分100質量部に対して、0.01〜15質量部、特に0.5〜10質量部であることが好ましい。0.01質量部以上15質量部以下とすることにより、塗膜が安定に形成されるとともに、耐薬品性などの塗膜特性も保持され、また十分なアウトガスの低減効果が得られ、ソルダーレジスト塗膜表面での光吸収が一定に保たれ、更に深部硬化性が良好とされる。
チタノセン系光重合開始剤としては、具体的にはビス(シクロペンタジエニル)−ジ−フェニル−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ジ−クロロ−チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、3、4、5、6ペンタフルオロフェニル)チタニウム、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2、6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル)チタニウムなどが挙げられる。市販品としては、BASFジャパン社製のイルガキュア784などが挙げられる。
上記チタノセン系光重合開始剤を用いる場合の配合量は、(C)アルカリ可溶性成分100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部であり、より好ましくは0.05〜3質量部、特に好ましくは、0.1〜2質量部である。0.05質量部以上5質量部以下とすることにより、深部硬化性が向上し、また大きなハレーションを引き起こすおそれがなくなる。
また、アシルオキシイミノ基を有する光重合開始剤の具体例としては,O,O’−コハク酸ジアセトフェノンオキシム,O,O’−コハク酸ジナフトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシムアクリレートースチレン共重合体などが挙げられる。
N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基を有する光重合開始剤の具体例としては、例えば、ジ−N−(p−ホルミルアミノ)ジフェニルメタン、ジ−N(p−アセエチルアミノ)ジフェニルメラン、ジ−N−(p−ベンゾアミド)ジフェニルメタン、4−ホルミルアミノトルイレン、4−アセチルアミノトルイレン、2,4−ジホルミルアミノトルイレン、1−ホルミルアミノナフタレン、1−アセチルアミノナフタレン、1,5−ジホルミルアミノナフタレン、1−ホルミルアミノアントラセン、1,4−ジホルミルアミノアントラセン、1−アセチルアミノアントラセン、1,4−ジホルミルアミノアントラキノン、1,5−ジホルミルアミノアントラキノン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジホルミルアミノビフェニル、4,4’−ジホルミルアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。
ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基を有する光重合開始剤としては、例えば、ビス{{(2−ニトロベンジル)オキシ}カルボニル}ジアミノジフェニルメタン、2,4−ジ{{(2−ニトロベンジル)オキシ}トルイレン、ビス{{(2−ニトロベンジルオキシ)カルボニル}ヘキサン−1,6−ジアミン、m−キシリジン{{(2−ニトロ−4−クロロベンジル)オキシ}アミド}などが挙げられる。
(D−2)光塩基発生剤は、紫外線や可視光等の光照射により分子構造が変化するか、または、分子が開裂することにより、カルボキシル基を有するポリイミド樹脂と熱硬化成分との付加反応の触媒として機能しうる1種以上の塩基性物質を生成する化合物である。塩基性物質として、例えば2級アミン、3級アミンが挙げられる。
光塩基発生剤として、例えば、α−アミノアセトフェノン化合物、オキシムエステル化合物や、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する化合物等が挙げられる。なかでも、オキシムエステル化合物、α−アミノアセトフェノン化合物が好ましい。α−アミノアセトフェノン化合物としては、特に、2つ以上の窒素原子を有するものが好ましい。
その他の光塩基発生剤として、WPBG-018(商品名:9-anthrylmethyl N,N’-diethylcarbamate)、WPBG-027(商品名:(E)-1-[3-(2-hydroxyphenyl)-2-propenoyl]piperidine)、WPBG-082(商品名:guanidinium2-(3-benzoylphenyl)propionate)、 WPBG-140 (商品名:1-(anthraquinon-2-yl)ethyl imidazolecarboxylate)等を使用することもできる。
(D−2)光塩基発生剤としては、カルバメート誘導体、4級アンモニウム塩等があげ
られる。また(D−1)光重合開始剤の一部物質が(D−2)光塩基発生剤としても機能し、オキシムエステル基を有するオキシムエステル系光重合開始剤、α−アミノアセトフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤が好ましい。この他、アシルオキシイミノ基,N−ホルミル化芳香族アミノ基、N−アシル化芳香族アミノ基、ニトロベンジルカーバメイト基、アルコオキシベンジルカーバメート基等の置換基を有する光重合開始剤を用いることもできる。各開始剤の説明は(D−1)光重合開始剤での説明の通りである。
(光開始助剤または増感剤)
光開始助剤または増感剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アントラキノン化合物、チオキサントン化合物、ケタール化合物、ベンゾフェノン化合物、3級アミン化合物、及びキサントン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、(D−1)光重合開始剤として用いることができる場合もあるが、(D−1)光重合開始剤と併用して用いることが好ましい。また、光開始助剤または増感剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ベンゾイン化合物としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、例えばアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。
アントラキノン化合物としては、例えば2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどが挙げられる。
チオキサントン化合物としては、例えば2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
ケタール化合物としては、例えばアセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
ベンゾフェノン化合物としては、例えばベンゾフェノン、4−ベンゾイルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−エチルジフェニルスルフィド、4−ベンゾイル−4’−プロピルジフェニルスルフィドなどが挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えばエタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、市販品では、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達社製ニッソキュアー(登録商標)MABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学社製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)などのジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製カヤキュアー(登録商標)EPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセティクス社製Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬社製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)などが挙げられる。3級アミン化合物としては、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物が好ましく、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物、最大吸収波長が350〜450nmにあるジアルキルアミノ基含有クマリン化合物及びケトクマリン類が特に好ましい。
ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物としては、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンの毒性が低いことから好ましい。ジアルキルアミノ基含有クマリン化合物は、最大吸収波長が350〜410nmと紫外線領域にあるため、着色が少なく、無色透明な感光性組成物はもとより、着色顔料を用い、着色顔料自体の色を反映した着色ソルダーレジスト膜を得ることが可能となる。特に、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オンが、波長400〜410nmのレーザー光に対して優れた増感効果を示すことから好ましい。
これらのうち、チオキサントン化合物及び3級アミン化合物が好ましい。特に、チオキサントン化合物が含まれることにより、深部硬化性を向上させることができる。
光開始助剤または増感剤を用いる場合の配合量としては、(C)アルカリ可溶成分100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。光開始助剤または増感剤の配合量が0.1質量部未満であると、十分な増感効果を得ることができない傾向にある。一方、20質量部を超えると、3級アミン化合物による塗膜の表面での光吸収が激しくなり、深部硬化性が低下する傾向がある。より好ましくは、(C)アルカリ可溶成分100質量部に対して0.1〜10質量部である。
光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤の総量は、(C)アルカリ可溶成分100質量部に対して35質量部以下であることが好ましい。35質量部を超えると、これらの光吸収により深部硬化性が低下する傾向にある。
なお、これら光重合開始剤、光開始助剤、及び増感剤は、特定の波長を吸収するため、場合によっては感度が低くなり、紫外線吸収剤として働くことがある。しかしながら、これらは組成物の感度を向上させることだけの目的に用いられるものではない。必要に応じて特定の波長の光を吸収させて、表面の光反応性を高め、レジストのライン形状及び開口を垂直、テーパー状、逆テーパー状に変化させるとともに、ライン幅や開口径の加工精度を向上させることができる。
[成分E: 熱硬化触媒(E)]
本発明では、さらに(E)熱硬化触媒を用いることが好ましく、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物などを使用することができる。
また、市販されているものとしては、例えば四国化成工業社製の2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(いずれもイミダゾール系化合物の商品名)、サンアプロ社製のU−CAT(登録商標)3503N、U−CAT3502T(いずれもジメチルアミンのブロックイソシアネート化合物の商品名)、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(いずれも二環式アミジン化合物及びその塩)などが挙げられる。特に、これらに限られるものではなく、エポキシ化合物やオキセタン化合物の熱硬化触媒、もしくはエポキシ基及び/又はオキセタニル基とカルボキシル基の反応を促進するものであればよく、単独で又は2種以上を混合して使用してもかまわない。
また、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもでき、好ましくはこれら密着性付与剤としても機能する化合物を熱硬化触媒と併用する。
これら熱硬化触媒の配合量は、(B)熱硬化成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜15.0質量部である。
[感光性モノマー]
本発明の硬化性樹脂組成物は、感光性モノマーを用いることができる。特に硬化性樹脂組成物が感光性を有する硬化性樹脂組成物である場合、硬化性や耐現像性の面において好ましい。感光性モノマーは、分子中にエチレン性不飽和基を有する化合物であり、硬化性樹脂組成物の粘度調整、硬化性の促進や現像性の向上の為に用いられる。このような化合物としては、慣用公知のポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどのアクリルアミド類;N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス−ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどの多価アルコールまたはこれらのエチレオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、もしくはε−カプロラクトン付加物などの多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、およびこれらのフェノール類のエチレンオキサイド付加物もしくはプロピレンオキサイド付加物などの多価アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリシジルエーテルの多価アクリレート類;上記に限らず、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオール、水酸基末端ポリブタジエン、ポリエステルポリオールなどのポリオールを直接アクリレート化、もしくは、ジイソシアネートを介してウレタンアクリレート化したアクリレート類およびメラミンアクリレート、および上記アクリレートに対応する各メタクリレート類の少なくとも何れか1種などが挙げられる。
さらに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の多官能エポキシ樹脂に、アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート樹脂や、さらにそのエポキシアクリレート樹脂の水酸基に、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のヒドロキシアクリレートとイソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートのハーフウレタン化合物を反応させたエポキシウレタンアクリレート化合物等が挙げられる。このようなエポキシアクリレート系樹脂は、指触乾燥性を低下させることなく、硬化性を向上させることができる。
上記のような分子中にエチレン性不飽和基を有する化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のような感光性モノマーの配合量は、前記(C)アルカリ可溶成分100質量部に対して、5〜100質量部が好ましい。配合量が、1質量部未満の場合、硬化性が低下し、活性エネルギー線照射後のアルカリ現像により、パターン形成が困難となることがある。一方、100質量部を超えた場合、希アルカリ水溶液に対する溶解性が低下して、塗膜が脆くなることがある。より好ましくは、5〜70質量部である。
[その他の任意成分]
本発明の硬化性組成物にはさらに、連鎖移動剤、密着促進剤、酸化防止剤、防錆剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、消泡剤及びレベリング剤の少なくとも何れか1種、シランカップリング剤、フィラー、バインダー、難燃剤、チキソ化剤、防錆剤などの成分を配合することができる。これらは、電子材料の分野において公知の物を使用することができる。
さらに、本発明の硬化性樹脂組成物は、上記カルボキシル基含有樹脂の合成や組成物の調整のため、又は基板に塗布するための粘度調整のため、有機溶剤を使用することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、キャリアフィルム(支持体)と、該キャリアフィルム上に形成された上記硬化性樹脂組成物からなる層とを備えたドライフィルムの形態とすることもできる。
ドライフィルム化に際しては、本発明の硬化性樹脂組成物を有機溶剤で希釈して適切な粘度に調整し、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファロールコーター、グラビアコーター、スプレーコーター等でキャリアフィルム上に均一な厚さに塗布し、通常、50〜130℃の温度で1〜30分間乾燥して膜を得ることができる。塗布膜厚については特に制限はないが、一般に、乾燥後の膜厚で、5〜150μm、好ましくは10〜60μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルムとしては、プラスチックフィルムが用いられ、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のプラスチックフィルムを用いることが好ましい。キャリアフィルムの厚さについては特に制限はないが、一般に、10〜150μmの範囲で適宜選択される。
キャリアフィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を成膜した後、さらに、膜の表面に塵が付着するのを防ぐなどの目的で、膜の表面に剥離可能なカバーフィルムを積層することが好ましい。
剥離可能なカバーフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面処理した紙等を用いることができ、カバーフィルムを剥離するときに膜とキャリアフィルムとの接着力よりも膜とカバーフィルムとの接着力がより小さいものであればよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば有機溶剤で塗布方法に適した粘度に調整し、基材上に、ディップコート法、フローコート法、ロールコート法、バーコーター法、スクリーン印刷法、カーテンコート法等の方法により塗布し、約60〜100℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥(仮乾燥)させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。また、上記組成物をキャリアフィルム上に塗布し、乾燥させてフィルムとして巻き取ったドライフィルムの場合、ラミネーター等により硬化性樹脂組成物層が基材と接触するように基材上に張り合わせた後、キャリアフィルムを剥がすことにより、樹脂絶縁層を形成できる。
本発明の硬化性組成物は、プリント配線板のパターン層の形成の各種レジストないし絶縁性材料として好適に用いることができ、中でもソルダーレジストや層間絶縁層の材料として有用である。
本発明の硬化性樹脂組成物は、基材に対するスクリーン印刷、又はパターン状の光照射によりパターン形成・硬化させることができる。
本発明の硬化性組成物によるパターン形成方法では、
基材上に硬化性組成物を施与する工程(a)、
パターン状の光照射にて硬化性組成物に含まれる光重合開始剤を活性化して光照射部を硬化する工程(b)、及び
現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程(c)により、ネガ型パターンが形成される。
[工程(a):組成物層形成工程]
上記工程(a)は、基材に硬化性組成物からなる組成物層を形成する工程である。組成物層を形成する方法は、液状の硬化性組成物を基材上に、塗布、乾燥する方法や、硬化性組成物をドライフィルムにしたものを基材上にラミネートする方法によることができる。
硬化性組成物の基材への塗布方法は、ブレードコーター、リップコーター、コンマコーター、フィルムコーター等の公知の方法を適宜採用することができる。また、乾燥方法は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブン等、蒸気による加熱方式の熱源を備えたものを用い、乾燥機内の熱風を向流接触させる方法、およびノズルより支持体に吹き付ける方法等、公知の方法が適用できる。
基材としては、予め回路形成されたプリント配線基材やフレキシブルプリント配線基材の他、紙−フェノール樹脂、紙−エポキシ樹脂、ガラス布−エポキシ樹脂、ガラス−ポリイミド、ガラス布/不繊布−エポキシ樹脂、ガラス布/紙−エポキシ樹脂、合成繊維−エポキシ樹脂、フッ素樹脂・ポリエチレン・ポリフェニレンエーテル,ポリフェニレンオキシド・シアネートエステル等の複合材を用いた全てのグレード(FR−4等)の銅張積層板、ポリイミドフィルム、PETフィルム、ガラス基材、セラミック基材、ウエハ基材等を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物を塗布した後に行う揮発乾燥は、熱風循環式乾燥炉、IR炉、ホットプレート、コンベクションオーブンなど(蒸気による空気加熱方式の熱源を備えたものを用い乾燥機内の熱風を向流接触せしめる方法及びノズルより支持体に吹き付ける方式)を用いて行うことができる。
[工程(b):硬化工程]
工程(b)では、上記工程(a)ののちに溶剤を揮発乾燥した後に得られた塗膜に対し、露光(活性エネルギー線、特に紫外線等の光照射)を行うことにより、パターニングが行われる。一態様()として硬化性樹脂組成物中の光重合開始剤がエチレン性不飽和二重結合に対して逐次反応をすることにより、露光部(活性エネルギー線、特に紫外線等によりにより光照射された部分)が硬化する。かかる態様の場合、その後、アルカリ現像液に対してネガ型のパターン形成が可能となり、また、熱硬化も併せて行なうことで硬化性が向上する点で好ましい。
また、かかる態様においては、接触式(又は非接触方式)により、パターンを形成したフォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光もしくは直接描画装置により直接パターン露光する。これにより、露光部分の硬化性組成物に含まれる光塩基発生成分が塩基を発生させることにより、光照射部を硬化させる。
また他の態様(b−2)としてはネガ型のパターン状に光照射されることにより、硬化性組成物に含まれる光重合開始剤を活性化して光照射部が硬化する際に、光照射部で発生した塩基により、光重合開始剤が不安定化し、さらに塩基が発生、増殖することにより、光照射部の深部まで十分硬化する。
光照射に用いられる光照射機としては、直接描画装置(例えばコンピューターからのCADデータにより直接レーザーで画像を描くレーザーダイレクトイメージング装置)、メタルハライドランプを搭載した光照射機、(超)高圧水銀ランプを搭載した光照射機、水銀ショートアークランプを搭載した光照射機、もしくは(超)高圧水銀ランプ等の紫外線ランプ、LEDを使用した直接描画装置を用いることができる。
活性エネルギー線としては、最大波長が350〜410nmの範囲にあるレーザー光又は散乱光を用いることが好ましい。最大波長をこの範囲とすることにより、効率よく硬化性組成物の光反応性を向上させることができる。この範囲を用いていれば、レーザー光の場合、ガスレーザー、固体レーザーのいずれでもよい。また、その光照射量は膜厚等によって異なるが、一般には100〜1500mJ/cm、好ましくは300〜1500mJ/cmの範囲内とすることができる。
なお、パターン状の光照射用のマスクは、ネガ型のマスクを用いることができる。
工程(b)において、b−2の態様、すなわち、ネガ型のパターン状に光照射されることにより、硬化性組成物に含まれる光重合開始剤を活性化して光照射部が硬化する際に、光照射部で発生した塩基により、光重合開始剤が不安定化し、さらに塩基が発生、増殖することにより、光照射部の深部まで十分硬化した場合、更に加熱により光照射部を硬化することが好ましい(PEB:Post Exposure Bake)。これにより、工程(b)で発生した塩基が熱硬化成分に対して付加反応することより、深部まで硬化できる。
ただし、パターニングおいて、50μmレベルの小径の開口を設ける場合には、PEB処理を行わないほうが、開口にハレーションやアンダーカットが発生せず、解像度が良好となる。
加熱温度は、硬化性組成物のうち、光照射部は光照射後に熱硬化するが、未照射部は熱硬化しない温度であることが好ましい。
例えば、未照射の硬化性組成物の発熱開始温度又は発熱ピーク温度よりも低く、かつ、光照射した硬化性組成物の発熱開始温度又は発熱ピーク温度よりも高い温度で加熱することが好ましい。このように加熱することにより、光照射部のみを選択的に硬化することができる。
ここで、加熱温度は、例えば、40〜140℃、好ましくは60〜120℃である。加熱温度を40℃以上とすることにより、光照射部を十分に硬化できる。一方、加熱温度を140℃以下とすることにより、光照射部のみを選択的に硬化できる。加熱時間は、例えば、1〜120分、好ましくは10-80分である。加熱方法は、上記乾燥方法と同様である。
なお、未照射部では、光重合開始剤から塩基が発生しないため、熱硬化が抑制される。
また、本発明では、上述のように、熱可塑性樹脂(A)の2つのガラス転移点が、Tg<0℃、及びTg>30℃であり、かつ熱硬化成分(B)のガラス転移点Tg≧Tg+20℃とすることにより、組成物の硬化が進行段階で、各成分ないしセグメントの相分離が進行し、全体として海島模様の組成物膜を形成することとなる。
樹脂組成物の硬化物を海島構造とし、これに起因して弾性、及び靭性に優れたパターンを得ることができるが、ハードセグメントのTg以上の温度で熱硬化すると、樹脂組成物に微細な海島構造が発現し、強靭性に優れた硬化物を得ることができる。
なお、樹脂組成物硬化物の表面ないし断面を電子顕微鏡(SEM,TEM,STEM)の及び電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)により観察することにより、海島構造の有無を確認できるが、ソフトセグメントに由来する「島」の直径が1μm以下、好ましくは500nm以下、更に好ましくは50nm以下であることにより、硬化物の強靭性ないし伸び率が向上する。
[工程(c):現像工程]
工程(c)は、現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程である。現像方法としては、ディッピング法、シャワー法、スプレー法、ブラシ法等公知の方法によることができ、現像液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、エタノールアミンなどのアミン類、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ水溶液またはこれらの混合液を用いることができる。
環境への配慮から、本発明の樹脂組成物はpH12未満の現像液により現像可能であることが好ましい。
[工程(d)]
上記パターン形成方法は、工程(c)の後に、さらなる光照射程(d)を含むことが好ましい。工程(c)の後にさらに紫外線照射等の光照射を行うことで、露光時に反応せずに残ったモノマーを反応させることができる。光照射工程(d)における照射光の波長および光照射量(露光量)は、工程(b)と同じであってもよく、異なっていてもよい。好適な光照射量(露光量)は、150〜2000mJ/cmである。
[工程(e)]
上記パターン形成方法は、工程(c)の後に、さらに、熱硬化(ポストキュア)工程(E)を含むことが好ましい。
工程(c)の後に工程(d)と工程(e)をともに行う場合、工程(E)は、工程(D)の後に行うことが好ましい。
工程(e)は、工程(b)、または工程(b)および工程(d)により光重合開始剤から発生した塩基により、パターン層を十分に熱硬化させる。工程(e)の時点では、未照射部を既に除去しているため、工程(e)は、未照射の硬化性組成物の硬化反応開始温度以上の温度で行うことができる。これにより、パターン層を十分に熱硬化させることができる。加熱温度は、例えば、150℃以上である。
以下、本発明を実施例等により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下において特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準であるものとする。
(実施例1〜13、及び比較例1〜8)
<硬化性組成物の調製>
下記表1及び表2に記載した配合に従って、実施例に記載の材料をそれぞれ配合、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、硬化性組成物を調製した。
<1.強靭性>
1−1.評価基板の作成
上記により得られた実施例1〜13、及び比較例1〜8の配合の硬化性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷により、乾燥膜厚約40μmになるように全面塗布した(順に未硬化サンプル1〜13、比較未硬化サンプル1〜8という)。
これを、80℃で30分乾燥し、室温まで放冷し、硬化性樹脂組成物に対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)により、最適露光量(1000mJ/cm)にて、ソルダーレジストパターン状の露光を行った。30℃の1wt.%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.2MPaの条件で120秒間噴射することにより現像を行い、レジストパターンを得た。
この基板をUVコンベア炉にて積算露光量1000mJ/cmの条件で紫外線照射した後、更に(1)160℃×60分、(2)180℃×60分の各条件で加熱して硬化した。
1−2.強靭性の評価
上記により得られた評価基板を、80mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。測定は、引張試験機(島津製作所社製 機種名:AGS-G 100N)を用いて行い、破断点伸び率について評価を行った。評価基準は以下の通りである。
◎…破断点伸び率8%以上
○…破断点伸び率5%以上8%未満
△…破断点伸び率3%以上5%未満
×…破断点伸び率3%未満
<2.パターニング試験>
未硬化サンプル1〜13、比較未硬化サンプル1〜8に対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)にてネガ型のパターン状に照射量を1000mJ/cmの積算光量で光照射した(順に光照射サンプル1〜13、比較光照射サンプル1〜8という)。
更に、光照射サンプル1〜7、及び比較光照射サンプルサンプル1〜4に対しては、加熱炉にて90℃、40分の加熱(PEB)を行った(順に光照射/PEBサンプル1〜7、比較光照射/PEBサンプル1〜4という)。
その後、35℃の、3wt%TMAH/5wt%エタノールアミン混合水溶液に、光照射/PEBサンプル1〜7、比較光照射/PEBサンプル1〜4、光照射サンプル8〜13、比較光照射サンプル5〜8を浸漬して3分間現像を行った。
更に上記とは別に、現像条件の厳しい1.0wt%炭酸ナトリウム水溶液に、光照射/PEBサンプル1〜7、比較光照射/PEBサンプル1〜4、光照射サンプル8〜13、比較光照射サンプル5〜8を浸漬して3分間現像を行った。
パターニングの評価基準は以下の通りである。
◎…TMAH/エタノールアミン混合水溶液に代えて、1.0wt%炭酸ナトリウム水溶液でも現像可能。光照射部表面に現像液によるダメージがなく、また未照射部に現像残渣が見られない状態。
○…光照射部表面にTMAH/エタノールアミン混合水溶液の現像液によるダメージがなく、また未照射部に現像残渣が見られない状態。
×…光照射部表面にTMAH/エタノールアミン混合水溶液の現像液によるダメージがある、未照射部に現像残渣が見られる、 未照射部の現像ができない、または光照射部及び未照射部ともに完全溶解した状態。
<3.開口径>
上記パターニング試験をした際、開口径のサイズを50μm、100μmとしてその開口状態をそれぞれ目視にて評価を行った。現像液は1.0wt%炭酸ナトリウム水溶液を使用した。
◎…50um以下の開口良好
○…100um以下、50umを超えるサイズでは開口良好なものの、50umは開口不良(ハレーションやアンダーカットが発生)
×…100um以下開口不良(ハレーションやアンダーカットが発生)
3.ナノシリンダー構造の確認
上記パターニング試験にて用いた条件にて硬化したサンプルを引張試験機(島津製作所社製 機種名:AGS-G 100N)を用いて破断させ、破断した断面をFE-SEM(JEOL)で観測した。
その際、観測されるナノシリンダー構造を以下の基準で評価した。
○…直径0.1nm〜1μmのナノシリンダー構造を形成
×…直径1μm以上のマクロ相分離または均一系となる
得られた結果を下記表1及び2に示す。
更に、図1〜図3に、実施例1、比較例2及び4のサンプル断面の電子顕微鏡写真を示す。
Figure 2015028584
Figure 2015028584
表1及び2における材料は以下の通りである。
LA2250・・・・・・・・・株式会社クラレ社製
NanoStrengthM52N・・アルケマ社製
EPPN501H・・・・・・・・・日本化薬社製
jER828・・・・・・・・・・・三菱化学社製
AER−900・・・・・・・・・・旭化成イーマテリアルズ社製
HF1H60・・・・・・・・・・・明和火星社製
ジョンクリル586H60・・・・・・ジョンソンポリマー社製
R-2000・・・・・・・・・・・・日本社製
WPBG-082・・・・・・・・・・和光純薬社製
IrgOXE02・・・・・・・・・・BASFジャパン社製
TPO・・・・・・・・・・・・・・・BASFジャパン社製
2E4MZ・・・・・・・・・・・・・四国化成工業社製
DHPA・・・・・・・・・・・・・・日本化薬社製
本発明の樹脂組成物から得られたサンプル1〜13は、アルカリ現像可能であることに加え、比較サンプルと比較して、強靭性において顕著に優れていることがわかる。また、樹脂組成物の硬化物にはいずれもナノシリンダー構造が観察された。これに対し、比較例の硬化物は何れもナノシリンダー構造が観察されなかった。これにより、樹脂組成物の優れた強度は、硬化物の強靭性向上によるものであることがうかがえる。
さらに、光塩基発生剤、光塩基発生剤兼光重合開始剤、又は熱硬化触媒のいずれを用いた硬化であっても、PEB処理を行わない場合に、開口の状態が良好とされた。
(実施例1〜13、及び比較例1〜5、7及び8)
<硬化性組成物の調製>
下記表1及び表2に記載した配合に従って、実施例に記載の材料をそれぞれ配合、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールミルにて混練し、硬化性組成物を調製した。
<1.強靭性>
1−1.評価基板の作成
上記により得られた実施例1〜13、及び比較例1〜5、7及び8の配合の硬化性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷により、乾燥膜厚約40μmになるように全面塗布した(順に未硬化サンプル1〜13、比較未硬化サンプル1〜5、7及び8という)。
<2.パターニング試験>
未硬化サンプル1〜13、比較未硬化サンプル1〜5、7及び8に対して、ORC社製HMW680GW(メタルハライドランプ、散乱光)にてネガ型のパターン状に照射量を1000mJ/cmの積算光量で光照射した(順に光照射サンプル1〜13、比較光照射サンプル1〜5、7及び8という)。
その後、35℃の、3wt%TMAH/5wt%エタノールアミン混合水溶液に、光照射/PEBサンプル1〜7、比較光照射/PEBサンプル1〜4、光照射サンプル8〜13、比較光照射サンプル5、7及び8を浸漬して3分間現像を行った。
更に上記とは別に、現像条件の厳しい1.0wt%炭酸ナトリウム水溶液に、光照射/PEBサンプル1〜7、比較光照射/PEBサンプル1〜4、光照射サンプル8〜13、比較光照射サンプル5、7及び8を浸漬して3分間現像を行った。
Figure 2015028584
Figure 2015028584

Claims (9)

  1. (A)熱可塑性樹脂と、
    (B)熱硬化成分と、
    (C)アルカリ可溶成分と、
    (D−1)光重合開始剤及び(D−2)光塩基発生剤の少なくとも何れか一種と、
    を含有する硬化性樹脂組成物であって、
    前記熱可塑性樹脂(A)が2つ以上のガラス転移点を有し、そのうち2つのガラス転移点Tgx、TgyがTgx>30℃、Tgy<0℃であり、かつ前記熱硬化成分(B)がガラス転移点Tgzを有し、Tgz≧Tgy+20℃であることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. 硬化することにより得られる硬化物の内部にナノシリンダー構造を有することを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記熱硬化成分(B)がエポキシ化合物であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶成分(C)が、カルボキシル基含有樹脂またはフェノール性水酸基含有樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. さらに、(E)熱硬化触媒を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を光照射後熱硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
  7. ナノシリンダー構造を有することを特徴とする請求項6記載の硬化物。
  8. 請求項6または7記載の硬化物を備えることを特徴とするプリント配線板。
  9. 基材上に請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物を施与する工程(a)、
    パターン状の光照射にて前記硬化性組成物に含まれる前記光重合開始剤を活性化して光照射部を硬化する工程(b)、
    現像により未照射部を除去することによりネガ型のパターン層を形成する工程(c)、及び
    更なる光照射工程(d)、を含むことを特徴とする、前記硬化性樹脂組成物の硬化物の製造方法。
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