JP2015027325A - 殺菌装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】殺菌作用を維持しつつ、紫外線照射による樹脂の劣化が原因の樹脂の変色を抑制することができる殺菌装置を提供する。
【解決手段】樹脂の表面に紫外光を照射して殺菌を行う殺菌装置1であって、紫外光を発光する閃光放電管5を有する発光部6と、該発光部6及び樹脂の間に設けられて、前記発光部6から発光される紫外光のうち、265nm以外の波長の光の透過または、250nm以下の波長の光の透過を制限する透過制限部7とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】樹脂の表面に紫外光を照射して殺菌を行う殺菌装置1であって、紫外光を発光する閃光放電管5を有する発光部6と、該発光部6及び樹脂の間に設けられて、前記発光部6から発光される紫外光のうち、265nm以外の波長の光の透過または、250nm以下の波長の光の透過を制限する透過制限部7とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、閃光放電管を用いて樹脂の表面に対して紫外光を照射することで樹脂の表面を殺菌する殺菌装置に関する。
従来より、キセノンフラッシュランプから紫外光を照射することにより、物品を殺菌する殺菌装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。このようなキセノン管は、広い波長の紫外光を瞬間的に照射できることから、短時間で物品を殺菌するのに非常に有用である。
ところで、紫外線は波長が短いことから自身のもつエネルギーが比較的高いので、有機物に対して照射すると有機物の分子結合を切断する作用がある。この作用により、紫外光が殺菌のために有機物(例えば樹脂製品)に対してより多く照射されると、樹脂の表面には、変色等の劣化現象がより早期に現れる。
上記特許文献1及び特許文献2の殺菌装置では、変色等の劣化現象について考慮されておらず、長時間にわたって同じ樹脂製品に紫外光を照射して殺菌する場合、樹脂が劣化して変色する問題がある。
特に、便器内部の汚れ(黒ずみ等)を防止する目的で樹脂製の便器を紫外線で殺菌する場合、原因の一つであるクラドスポリウム(黒カビ)に対しては、紫外線に対する耐性の高さから紫外線照射量を多くする必要がある。また、便器を殺菌する場合には、長時間にわたって定期的に殺菌しなければならないので、紫外線による劣化の蓄積により、便器の耐用年数よりもはるかに早く変色が発生するという課題があった。
そこで、殺菌作用を維持しつつ、紫外光の照射による樹脂の劣化を抑制することのできる殺菌装置を提供することを目的とする。
本発明に係る殺菌装置は、樹脂の表面に紫外光を照射する殺菌装置であって、紫外光を発光する閃光放電管を有する発光部と、該発光部及び樹脂の間に設けられて、発光部から発光される紫外光のうち、265nm以外の波長の光の透過を制限する透過制限部とを備えることを特徴とする。尚、この場合の以外とは、265nmに対して1/2以下のエネルギーである範囲外であり、±10nm以内であることをいう。
この構成によれば、発光部の閃光放電管が発光することで、閃光放電管及び樹脂の間に設けられる透過制限部には、閃光放電管から照射された光が入射する。透過制限部は、入射した光のうち、265nm以外の波長の光の透過を制限することで、265nmの波長の光を樹脂の表面に照射するように機能する。これにより、樹脂が劣化しやすい波長域の光が樹脂の表面に照射されることを防止しつつ、殺菌作用の高い波長域の光を樹脂の表面に照射することができるので、殺菌作用を維持しつつ、紫外線照射による樹脂の劣化を抑制することができる。
上記殺菌装置の一態様として、前記透過制限部は250nm以下の波長の光の透過を制限することを特徴とする。
この構成によれば、透過制限部は、入射した光のうち、250nm以下の波長の光の透過を制限することで、250nmを越える波長の光を樹脂の表面に照射するように機能する。これにより、より樹脂が劣化しやすい波長域の光が樹脂の表面に照射されることを防止しつつ、殺菌作用の高い波長域の光を樹脂の表面に照射することができるので、殺菌作用を維持しつつ、紫外線照射による樹脂の劣化を抑制することができる。
上記殺菌装置の一態様として、閃光放電管の発光量を制御する発光制御部をさらに備えてもよい。
この構成によれば、発光制御部が閃光放電管の発光量を制御することができるので、樹脂の素材や、樹脂の表面の汚れ具合に応じて樹脂の劣化を抑制する光量を閃光放電管に発光させることができる。
上記発光制御部を備える殺菌装置の一態様として、発光制御部は、透過制限部を透過する光の照射エネルギーを、250nm〜300nmの波長において、1日あたり41mJ/cm2以上97mJ/cm2以下になるように閃光放電管の発光量を制御してもよい。
この構成によれば、発光制御部が、閃光放電管の発光量を制御して、樹脂の表面に照射する光量を具体的に制御することで、殺菌作用を維持しつつ、樹脂の変色劣化が所定の水準になるまでの時間をより長くすることができる。
また、本発明に係る殺菌装置として、樹脂の表面に紫外光を照射する殺菌装置であって、紫外光を発光する閃光放電管を有する発光部と、1発光あたり0.08mJ/cm2以下になるように閃光放電管の発光量を制御する発光制御部とを備えることを特徴とする。
この構成によれば、発光制御部は、発光部の閃光放電管の発光を、1発光あたり0.08mJ/cm2以下に制御することで、殺菌に必要な照射エネルギーになるまで複数回発光するように発光部を制御する。発光制御部が殺菌に必要な照射エネルギーになるまで複数回発光するように発光部を制御したとしても、1発光あたりの照射エネルギーを高くして発光部を制御する場合に比べて、樹脂劣化(変色劣化)を抑制することができる。したがって、殺菌作用を維持しつつ、紫外線照射による樹脂の劣化を抑制することができる。
本発明によれば、殺菌作用を維持しつつ、紫外線照射による樹脂の劣化を抑制することができるという優れた効果を奏する。
(第1の実施形態)
次に、本発明に係る殺菌装置の第1の実施形態について、図1乃至図3を参照しながら説明する。
次に、本発明に係る殺菌装置の第1の実施形態について、図1乃至図3を参照しながら説明する。
まず、本実施形態に係る殺菌装置1の前提として、紫外線による殺菌作用と樹脂の変色劣化の関係について説明する。紫外線は、波長が短いほどエネルギーが高く、樹脂の分子結合を切断する能力が高くなる。他方、紫外線の殺菌作用は、DNAの紫外線吸収波長である265nm付近をピークとしており、それより短波長側では相対的に殺菌作用が小さくなる。そこで、265nm以外の波長の紫外光の透過を光学フィルタ等で制限することで照射エネルギーを減少させて樹脂劣化を抑えつつ、殺菌作用を維持することが考えられる。
本実施形態に係る殺菌装置1は、図1に示すように、便器2及び便座蓋3を備えた洋風大便器4に対して取り付けられる。具体的には、殺菌装置1は、便座蓋3に取り付けられ、便座蓋3を閉じた状態で、便器2の便鉢の表面のほぼ全域(便座蓋3に対向する面のうち、便座蓋3との間で空間を形成する面)を照射可能に構成されている。
本実施形態において、少なくとも便器2は、アクリル系又はスチレン系の樹脂で形成される。より具体的には、少なくとも便器2は、PMMA(Poly methyl methacrylate)樹脂又はABS樹脂で形成される。
殺菌装置1は、樹脂で形成される便器2の表面に紫外光を照射する殺菌装置であって、紫外光を発光する閃光放電管5を有する発光部6と、該閃光放電管5及び樹脂で形成される便器2の間に設けられて、閃光放電管5から発光される紫外光のうち、250nm以下の波長の光の透過をより制限する透過制限部7とを備える。また、殺菌装置1は、閃光放電管5の発光量を制御する発光制御部8をさらに備える。
発光部6は、便座蓋3に取り付けられる。具体的には、発光部6は、便座蓋3の面のうち、便器2の便鉢の表面のほぼ全域に光を照射可能な位置に取り付けられる。本実施形態において、発光部6は、便座蓋3の中央部で、便器2の便鉢の表面のほぼ全域に紫外光を照射可能な位置に設けられる。そして、発光部6はさらに、閃光放電管5から照射された光を反射する反射傘9を有する。
閃光放電管5は、キセノン管等の紫外光を発光可能な放電管である。閃光放電管5は、棒状に形成され、長手方向を便座蓋3が開閉する際の支点となる軸の軸方向に合わせて配置される。
反射傘9は、板状体を湾曲させた扇状に形成され、その内面側で閃光放電管5の表面に当接する。反射傘9は、閃光放電管5から照射された光を、内面で反射して便器2に照射可能に構成される。
透過制限部7は、フィルタであり、例えばガラスフィルタで形成される。透過制限部7は、閃光放電管5から照射された紫外光及び反射傘9で反射された紫外光のうち、250nm以下の波長の光をほとんど透過させない機能をもつ。これにより、透過制限部7は、250nmを越える波長の光を便器2に対して照射可能になっている。
発光制御部8は、閃光放電管5に接続され、発光部6と同様に便座蓋3に取り付けられる。発光制御部8は、閃光放電管5の発光を制御することで、便器2に照射される紫外光の光量を制御する。
具体的には、発光制御部8は、透過制限部7を透過する光の照射エネルギーを、250nm〜300nmの波長において、1日あたり41mJ/cm2以上97mJ/cm2以下になるように閃光放電管5の発光量を制御する。なお、本実施形態において、1日あたりとは、1日に1回照射することをいい、1回照射とは、閃光放電管5が上記発光量になるまで時間的に連続して発光を繰り返すことをいう。例えば、1解消者とは、閃光放電管5が上記発光量になるまで1秒間隔で連続して発光を繰り返すことをいう。
次に、本実施形態に係る殺菌装置1についての作用を説明する。
まず、発光制御部8は、便座蓋3が閉じた状態であることを感知する。発光制御部8は、便座蓋3が閉じた状態であることを、便座蓋3のヒンジの回転位置や、便座蓋3と便器2との接触等を用いて便座蓋3が閉じた状態であることを感知することができる。
発光制御部8は、便座蓋3が閉じた状態であることを感知すると、閃光放電管5を発光させる。閃光放電管5が発光することで、透過制限部7を透過した250nmを超える紫外光が便器2に照射される。透過制限部7を透過した光は、便器2の便鉢のほぼ全域に照射されるので、便器2の表面に存在するクラドスポリウム(黒カビ)等の細菌を殺菌する。発光制御部8は、所定の条件で閃光放電管5を発光することで、樹脂で形成された便器2及び便座蓋3が変色劣化することを防止する。
以下、発光制御部8が閃光放電管5を発光する条件の実施例を説明する。
(実施例1)
最初に、便器2に付着する細菌の殺菌において、最も紫外線耐性のある細菌の一つであるクラドスポリウム(黒カビ)を一回の照射で不活化できるエネルギー量は、200nm以上の波長まで出力可能な紫外線キセノン管(閃光放電管5)を用いて調べた。具体的には、培地にクラドスポリウム(黒カビ)を塗布した上で、培地の表面から17cmから離した位置から閃光放電管5を連続して発光させた。その結果、クラドスポリウム(黒カビ)を不活化するには、200nm〜300nmにおける総照射エネルギーで500mJ/cm2程度が必要であった。
(実施例1)
最初に、便器2に付着する細菌の殺菌において、最も紫外線耐性のある細菌の一つであるクラドスポリウム(黒カビ)を一回の照射で不活化できるエネルギー量は、200nm以上の波長まで出力可能な紫外線キセノン管(閃光放電管5)を用いて調べた。具体的には、培地にクラドスポリウム(黒カビ)を塗布した上で、培地の表面から17cmから離した位置から閃光放電管5を連続して発光させた。その結果、クラドスポリウム(黒カビ)を不活化するには、200nm〜300nmにおける総照射エネルギーで500mJ/cm2程度が必要であった。
一方で、キセノン管から樹脂に紫外線照射することによる樹脂劣化は、照射エネルギーが累積するにつれて大きくなっていく。
照射エネルギー量と変色の関係を確認するため、350μFのコンデンサを閃光放電管5の発光に用いて、PMMA樹脂の表面から5cm離れた位置から、200nm〜300nmにおける1発光あたり1.71mJ/cm2の紫外線照射を1Hzで続けて試験した。その結果、200nm〜300nmにおける総照射量(J/cm2)とPMMA樹脂の変色との関係は、図2に示すとおりであった。
照射エネルギー量と変色の関係を確認するため、350μFのコンデンサを閃光放電管5の発光に用いて、PMMA樹脂の表面から5cm離れた位置から、200nm〜300nmにおける1発光あたり1.71mJ/cm2の紫外線照射を1Hzで続けて試験した。その結果、200nm〜300nmにおける総照射量(J/cm2)とPMMA樹脂の変色との関係は、図2に示すとおりであった。
この結果より、CIE(国際照明委員会)1976のL*a*b*表色系における2色間の色差の数値化表現におけるΔE*ab=1(ΔE*abが1以上になると変色したと認識される虞がある値)に到達するのは、1日に1回500mJ/cm2を毎日照射するとした場合、51日目となり、1年をもたずに変色したと認識される虞がある。
そこで、殺菌作用が低下する250nm以下の短波長をカットすることで紫外線の照射エネルギーを低下させ、樹脂の変色を抑えることを考えた。検証試験として、閃光放電管5を樹脂の表面から5cm離れた位置で発光させ、250nm以下の短波長をカットする透過制限部7(フィルタ)を樹脂とキセノン管(閃光放電管5)との間に入れた場合と、透過制限部7(フィルタ)を樹脂とキセノン管(閃光放電管5)との間に入れなかった場合とで比較した。試験条件として、上記と同様に、PMMA樹脂に200nm〜300nmにおける1発光あたり1.71mJ/cm2の紫外線照射を1Hzで続けて試験した。試験の結果、図3に示すように、透過制限部7を樹脂とキセノン管(閃光放電管5)との間に入れた場合、照射エネルギーが累積しても、ΔE*abの上昇度合いは抑制される結果となった。
次に、250nm以下の波長を制限しても殺菌能力に問題がないかを試験した。2つの培地のそれぞれにクラドスポリウム(黒カビ)を塗布し、一方のクラドスポリウム(黒カビ)の培地に、200〜300nmで500mJ/cm2を照射した条件(培地表面から17cm離れた位置から閃光放電管5を連続して発光)と同発光条件で250nm以下をカット(エネルギーも289mJ/cm2に減少)して紫外光を照射した。そして、2つの培地を7日間放置した後、2つの培地のコロニー数を比較した。
その結果、殺菌率は、照射しなかった培地のクラドスポリウム(黒カビ)のコロニー数に対して、照射した培地のクラドスポリウム(黒カビ)の殺菌率(コロニー数の減少率)は、98.86%になった。一般に、90%以上の殺菌率があれば、汚れとして視認されないとされており、95%以上であれば、よりよいとされる。本試験では、95%を超える結果が得られ、十分に殺菌できることがわかった。
以上により、250nm以下をカットする透過制限部7を設けた場合にΔE*abが1以上になるのは384J/cm2に到達した時点であり、1日289mJ/cm2照射では、約3.6年相等となり、透過制限部7がない場合に比べて樹脂劣化を抑えることができ、殺菌能力も落ちないことがわかった。
(実施例2)
樹脂で形成された便器2は、少なくとも10年は使用され、特に、15年以上使用されることを想定されている。実施例1の結果では約3.6年相当でΔE*abが1以上になるので、上記使用年数に対して非常に短い時間で変色劣化が発現することになる。そこで、殺菌装置1が毎日汚れに対して紫外線を照射することで殺菌を繰り返すことを考慮し、少ないエネルギーを毎日照射することで、殺菌効果を維持しつつ、変色劣化の発現を抑えることができるかどうかを試験した。
(実施例2)
樹脂で形成された便器2は、少なくとも10年は使用され、特に、15年以上使用されることを想定されている。実施例1の結果では約3.6年相当でΔE*abが1以上になるので、上記使用年数に対して非常に短い時間で変色劣化が発現することになる。そこで、殺菌装置1が毎日汚れに対して紫外線を照射することで殺菌を繰り返すことを考慮し、少ないエネルギーを毎日照射することで、殺菌効果を維持しつつ、変色劣化の発現を抑えることができるかどうかを試験した。
本実施例の試験では、6つの培地のそれぞれにクラドスポリウム(黒カビ)を塗布した。そして、1つの培地では、そのまま紫外光を照射せずに7日間クラドスポリウム(黒カビ)を培養した。他の5つの培地には、キセノン管(閃光放電管5)に短波長カットフィルタを設け、1日あたりの紫外線の照射エネルギーを実施例1で得られた1日の照射量(おおよそ289mJ/cm2)から表1に示す各条件まで減少させた上で、照射を7日間繰り返した。そして、紫外光に曝露されなかった培地(7日間培養された培地)と、それぞれの照射条件で紫外光に曝露された5つの培地のそれぞれとのクラドスポリウム(黒カビ)の殺菌率(コロニー数の減少率)を比較した。なお、紫外光の照射条件として、培地表面から17cm離れた位置にキセノン管(閃光放電管5)を配置した上で、1日毎に、1日あたりの照射エネルギー達するまで、1.71mJ/cm2の紫外線照射を1Hzで続けた。
上記表1のように、殺菌率90%を達成できるのは、1日あたり41mJ/cm2の照射エネルギーよりも高いエネルギーで紫外線が照射された場合であることがわかった。また、ΔE*abが1以上になるまでの時間は、97mJ/cm2以下の照射エネルギーよりも低いエネルギーで紫外線が照射された場合に、樹脂の変色劣化までの時間を10年以上にできることがわかった。したがって、250nm以下の波長をカットした上で、1日あたり41mJ/cm2から97mJ/cm2の照射エネルギーの紫外線を汚れに対して照射することで、殺菌作用を維持しつつ、樹脂で形成された便器2の変色劣化を10年以上抑制することができる。
以上のように、本実施形態に係る殺菌装置1によれば、殺菌作用を維持しつつ、樹脂の変色劣化を抑制することができる。また、殺菌作用を維持するための紫外光の照射エネルギーを減少させることができるので、安全性を向上することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の殺菌装置に係る第2の実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。本実施形態に係る殺菌装置1は、図4に示すように、実施形態1の構成に対して透過制限部7を設けていない。そして、本実施形態に係る殺菌装置1は、発光制御部8により、1秒間隔で発光部6を発光させるように制御するとともに、発光エネルギーを1発光(1パルス)あたり、0.08mJ/cm2以下で発光するように発光部6を制御する。具体的には、本実施形態に係る殺菌装置1は、発光部6の発光に用いられるコンデンサを35μFとすることで、発光部6から照射される照射エネルギーを1発光あたり0.08mJ/cm2とする。
(第2の実施形態)
次に、本発明の殺菌装置に係る第2の実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。本実施形態に係る殺菌装置1は、図4に示すように、実施形態1の構成に対して透過制限部7を設けていない。そして、本実施形態に係る殺菌装置1は、発光制御部8により、1秒間隔で発光部6を発光させるように制御するとともに、発光エネルギーを1発光(1パルス)あたり、0.08mJ/cm2以下で発光するように発光部6を制御する。具体的には、本実施形態に係る殺菌装置1は、発光部6の発光に用いられるコンデンサを35μFとすることで、発光部6から照射される照射エネルギーを1発光あたり0.08mJ/cm2とする。
本実施形態に係る殺菌装置1の作用は、発光制御部8による発光部6の制御を上記のようにする点で第1の実施形態と相違する。
(実施例3)
発光部6から照射される照射エネルギーが、1発光あたり0.08mJ/cm2になるように、35μFのコンデンサを用いて試験した。試験条件として、樹脂の表面から5cm離した位置にキセノン管(閃光放電管5)を配置した上で、キセノン管(閃光放電管5)を1秒間隔で発光した。その結果、図5に示すように、350μFのコンデンサを用いて同様の照射エネルギーを照射した場合に比べ、照射エネルギーが累積しても、ΔE*abの上昇度合いは抑制される結果となった。
(実施例3)
発光部6から照射される照射エネルギーが、1発光あたり0.08mJ/cm2になるように、35μFのコンデンサを用いて試験した。試験条件として、樹脂の表面から5cm離した位置にキセノン管(閃光放電管5)を配置した上で、キセノン管(閃光放電管5)を1秒間隔で発光した。その結果、図5に示すように、350μFのコンデンサを用いて同様の照射エネルギーを照射した場合に比べ、照射エネルギーが累積しても、ΔE*abの上昇度合いは抑制される結果となった。
また、総照射エネルギーが500mJ/cmになるまで発光部6の発光を繰り返して、殺菌能力に問題がないかを試験した。具体的には、2つの培地のそれぞれにクラドスポリウム(黒カビ)を塗布し、一方のクラドスポリウム(黒カビ)の培地(コロニー)に、培地表面から12cm離した位置から、1発光あたり0.08mJ/cm2の紫外光を1秒間隔で、総照射エネルギーが500mJ/cm2になるまで照射した。そして、2つの培地を7日間放置した後、2つの培地のコロニー数を比較した。
殺菌率は、紫外光を照射しなかった培地のクラドスポリウム(黒カビ)のコロニー数に対して、紫外光を照射した培地の殺菌率(コロニー数の減少率)は、98.31%になった。一般に、90%以上の殺菌率があれば、汚れとして視認されないとされており、95%以上であれば、よりよいとされる。本試験では、95%を超える結果が得られ、十分に殺菌できることがわかった。
以上のように、本実施形態に係る殺菌装置1によれば、殺菌作用を維持しつつ、樹脂の変色劣化を抑制することができる。また、殺菌作用を維持するための紫外光の照射エネルギーを減少させることができるので、安全性を向上することができる。
なお、本発明に係る殺菌装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく。本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施形態においては、殺菌装置1を洋風大便器4に取り付ける例で説明したが、洋風大便器4に限定されず、樹脂を用いた物品であれば、どのような物品に使用してもよい。
また、上記実施形態における発光制御部8は、便座蓋3に取り付けられる以外に、洋風大便器4のその他の位置や、洋風大便器4とは離れた位置に設置されてもよい。
また、上記実施形態における閃光放電管5は、長手方向を便座蓋3が開閉する際の支点となる軸の軸方向に交差する方向に向けて配置されてもよい。具体的には、上記実施形態における閃光放電管5は、便器2の便鉢の表面のほぼ全域を照射することができれば、どのように配置されてもよい。
本発明の殺菌装置は、閃光放電管を用いて樹脂に対して紫外光を照射することで樹脂の表面を殺菌する殺菌装置に有効に利用できる。
1 殺菌装置
2 便器
3 便座蓋
4 洋風大便器
5 閃光放電管
6 発光部
7 透過制限部
8 発光制御部
9 反射傘
2 便器
3 便座蓋
4 洋風大便器
5 閃光放電管
6 発光部
7 透過制限部
8 発光制御部
9 反射傘
Claims (5)
- 樹脂の表面に紫外光を照射する殺菌装置であって、
紫外光を発光する閃光放電管を有する発光部と、該発光部及び樹脂の間に設けられて、前記発光部から発光される紫外光のうち、265nm以外の波長の光の透過を制限する透過制限部とを備えることを特徴とする殺菌装置。 - 前記透過制限部は少なくとも250nm以下の波長の光の透過を制限することを特徴とする請求項1に記載の殺菌装置。
- 前記閃光放電管の発光量を制御する発光制御部をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の殺菌装置。
- 前記発光制御部は、前記透過制限部を透過する光の照射エネルギーを、250nm〜300nmの波長において、1日あたり41mJ/cm2以上97mJ/cm2以下になるように前記閃光放電管の発光量を制御することを特徴とする請求項3に記載の殺菌装置。
- 樹脂の表面に紫外光を照射する殺菌装置であって、
紫外光を発光する閃光放電管を有する発光部と、1発光あたり0.08mJ/cm2以下になるように前記閃光放電管の発光量を制御する発光制御部とを備えることを特徴とする殺菌装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113933923A (zh) * | 2017-12-27 | 2022-01-14 | 优志旺电机株式会社 | 光学滤光器 |
WO2023053820A1 (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | ウシオ電機株式会社 | 抗菌性樹脂成形品の殺菌方法、抗菌性樹脂成形品のメンテナンス方法、および抗菌性樹脂で成形された便座のメンテナンス方法 |
-
2013
- 2013-07-30 JP JP2013157380A patent/JP2015027325A/ja active Pending
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