JP2015025650A - 空気調和装置及び空気調和装置の運転方法 - Google Patents

空気調和装置及び空気調和装置の運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エアコンと輻射式熱交換器を組み合わせた空気調和装置において、輻射式熱交換器により室内空気の対流を促進することにより、エアコンのファンによる送風を抑制してドラフト感を低減した空気調和装置を提供する。【解決手段】空気調和装置A1は、冷凍サイクルに組み込まれた室外機90と室内機91を有するエアコン9と、冷媒が通る配管を含み構成された発熱体1を有し、室外機90と室内機をつなぐ冷媒が通る配管92に、発熱体1を構成する各配管が接続された輻射式熱交換器R1を備えており、輻射式熱交換器R1は発熱体1の正面側と背面側に発熱体1との間に空気が流れる空隙を設けて整流板が鉛直に配置されており、整流板は多数の輻射熱通過孔を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和装置及び空気調和装置の運転方法に関するものである。更に詳しく
は、エアコンと輻射式熱交換器を組み合わせた空気調和装置において、輻射式熱交換器が
発熱体をカバーする機能を有すると共に室内空気の対流を促進することができ、人体に対
し不快なドラフト感を与えないようにしながら、快適性が得られるまでの空調の立ち上が
りをより早くし、室内空気を短時間で均一化できるようにして、室内の空調を効率的に行
うことができるものに関する。
一般家庭や事業所等の室内の空調は、一般にはルームエアコンやマルチエアコン等のパ
ッケージエアコンを使用して行われている。一方で、室内機が強制対流式であるエアコン
と相違して、ファンによる駆動音や風切り音がなく、冷風や温風により人体に対し不快な
ドラフト感を与えることもない熱輻射式熱交換ユニットも使用されている。さらに、エア
コンの冷凍サイクルの冷媒回路に輻射式熱交換器を組み込んだ空気調和装置も提案されて
いる。
このような空気調和装置としては、例えば特許文献1記載の空気調和装置がある。
前記従来の空気調和装置は、圧縮機<11>と室内熱交換器<13>と室外熱交換器<15>とが配
管接続されて冷媒循環により冷凍サイクルを行う冷媒回路<10>を備え、室内熱交換器<13>
で冷媒と熱交換した温風が室内に供給される暖房運転機能を備えている。
冷媒回路<10>は、圧縮機<11>の吐出側と室内熱交換器<13>との間に接続されて冷媒から
吸熱して輻射熱を室内に発する輻射パネル<12>を備える一方、冷凍サイクルの高圧が冷媒
の臨界圧力より高くなるように構成されている。
これにより、冷媒の高温領域を大きくとることができ、輻射パネル<12>からより高温の
輻射熱が室内に供給され、室内熱交換器<13>の温風量が低減され、この結果、ドラフト感
が低減され、輻射熱による暖房能力を大幅に増大させることができるというものである。
特開2005−16919号公報
上記特許文献1の空気調和装置の輻射式熱交換器は、輻射パネルというパネル構造であ
り、(1)室内機とは別の床置き式(実施の形態1、図2参照)、(2)一つの室内ユニ
ット内に輻射パネルと室内熱交換器を収納した一体型の床置き式(実施の形態2、図5、
図6参照)及び(3)ケーシングの中に室内熱交換器、グリルの中央に輻射パネルを埋め
込んだ天井埋め込み式(実施の形態6、図18参照)の三種の形式が記載されている。
特許文献1記載の空気調和装置の場合、これら各形態の輻射パネルは、単に輻射面を室
内に向けて配置されているだけであり、輻射熱による空気の対流の発生は微小で、室内空
気の撹拌は、主として室内熱交換器で加熱された室内空気を送り出すファンによって行わ
れている。したがって、室内の空調を短時間で立ち上げようとしたり、室内空気を短時間
で均一化しようとすれば、結局、ファンの送風量を増やす必要があり、しかもファンによ
る送風は局所的で空気の撹拌効率が悪く時間もかかるため、人体に対し不快なドラフト感
を与えてしまう点は充分には解消できていなかった。
また、特許文献1には、輻射パネルの発熱部がカバーされているという記載は特にない
ので、仮に発熱部表面が露出している場合は、運転時、発熱部が熱せられたときに、利用
者の手や身体が触れてしまうと、火傷のおそれがあり危険であるという課題もあった。
本発明は、上記の点に鑑みて創案されたものであり、エアコンと輻射式熱交換器を組み
合わせた空気調和装置において、輻射式熱交換器が発熱体をカバーする機能を有すると共
に室内空気の対流を促進することができ、人体に対し不快なドラフト感を与えないように
しながら、快適性が得られるまでの空調の立ち上がりを早くし、室内空気を短時間で均一
化できるようにして、室内の空調を効率的に行うことができる空気調和装置及び空気調和
装置の運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
(1)本発明は、圧縮機、膨張弁、流路切替弁、室内側熱交換器及び室外側熱交換器を配
管接続し冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路を有し、前記室内側熱交換器で冷
媒と熱交換された空気をファンによって室内に供給するエアコンと、該エアコンの前記冷
媒回路に組み込まれた発熱体を有する輻射式熱交換器と、該輻射式熱交換器の前記発熱体
を間に挟み前記発熱体の表面との間に空隙を設けて該表面を覆い、内面は前記発熱体から
輻射される輻射熱を反射する反射面となっており、内外面を貫通し輻射熱及び空気が通過
する輻射熱通過部を有し、煙突効果により空気の対流を促進する整流板とを備える空気調
和装置である。
(2)本発明は、前記輻射式熱交換器を、前記発熱体の配管を前記冷媒回路の配管に対し
直列に接続して配することもできる。
この場合、空気調和装置は、エアコンと輻射式熱交換器を有し、その両方を同時に運転
するものにおいて、最もシンプルな構成の空気調和装置となる。したがって、例えば一般
家庭に既設のエアコンに輻射式熱交換器を組み合わせるよう施工する場合、最も簡単で安
価な手段となり得る。
(3)本発明は、前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記
エアコンのみを運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の
運転モードの各運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モ
ード切替手段とを備えることもできる。
この場合、例えば室内の空調を立ち上げるまでは、エアコンと輻射式熱交換器を運転す
る第1の運転モードで運転し、空調が整ったらエアコンのみを運転する第2の運転モード
又は輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードで空調の維持を図るようにする等、
室内の空調の状況に合わせて、最も好適な運転モードを適宜選択できる。したがって、利
用者にとって快適な空調を行うことができると共に、過剰な温度の上昇や下降等を抑制で
きるので省エネルギーにも貢献できる。
(4)本発明は、(運転モード切替手段1:バルブ6個型)
前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段と
を備え、前記運転モード切替手段は、前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の
配管と、該第1の配管がその経路中に有する第1のバルブと、前記流路切替弁と前記室内
側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、該第2の配管が経路中に有する第2のバルブと、一
端側が前記第2の配管に接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一端側
に接続されている第3の配管と、該第3の配管が経路中に有する第3のバルブと、一端側
が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され、他端側が前記第2の配管
の前記第2のバルブより前記流路切替弁寄りに接続されている第4の配管と、該第4の配
管がその経路中に有する第4のバルブと、一端側が前記第2の配管の前記第2のバルブよ
り前記流路切替弁寄りに接続され、他端側が前記第1の配管の前記第1のバルブより前記
膨張弁寄りに接続されている第5の配管と、該第5の配管がその経路中に有する第5のバ
ルブと、前記第2の配管が、前記第4の配管と前記第3の配管の接続部の間の経路中に有
する第6のバルブとを備えるようにしてもよい。
この場合、空気調和装置において、室外機と共に室内機及び輻射式熱交換器を運転する
際には、第5のバルブ及び第6のバルブを閉じ、他の第1のバルブ、第2のバルブ、第3
のバルブ及び第4のバルブを開けておくようにする。
また、室内機の運転を停止し、輻射式熱交換器のみを運転する際には、第1のバルブ、
第2のバルブ及び第6のバルブを閉じ、他の第3のバルブ、第4のバルブ及び第5のバル
ブを開けておくようにする。
更に、輻射式熱交換器の運転を停止し、室内機のみを運転する際は、第3のバルブ、第
4のバルブ及び第5のバルブを閉じ、他の第1のバルブ、第2のバルブ及び第6のバルブ
を開けておくようにする。
(5)本発明は、(運転モード切替手段2:バルブ5個型)
前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段と
を備え、前記運転モード切替手段は、前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の
配管と、前記流路切替弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、一端側が前記第
2の配管に接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一端側に接続されて
いる第3の配管と、一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され
、他端側が前記第2の配管の前記第3の配管の接続部より前記室内側熱交換器寄りに接続
されている第4の配管と、一端側が前記第2の配管の前記第4の配管の接続部近傍に接続
され、他端側が前記第1の配管に接続されている第5の配管と、該第5の配管がその経路
中に有するバルブと、前記第2の配管が、前記第4の配管と前記第3の配管の接続部の間
の経路中に有するバルブとを備え、前記第1の配管と前記第2の配管のうち何れか一方が
経路中にバルブを有するか、又は前記第3の配管と前記第4の配管のうち何れか一方が経
路中にバルブを有するようにしてもよい。
この場合、空気調和装置において、室外機と共に室内機及び輻射式熱交換器を運転する
際には、第5の配管のバルブ及び第4の配管と第3の配管の接続部の間の経路中のバルブ
を閉じ、第1の配管と第2の配管のうち何れか一方の配管のバルブ又は第3の配管と第4
の配管のうち何れか一方の配管のバルブを開けておくようにする。
また、室内機の運転を停止し、輻射式熱交換器のみを運転する際には、第1の配管と第
2の配管のうち何れか一方の配管にバルブがある場合はそのバルブ及び第4の配管と第3
の配管の接続部の間の経路中のバルブを閉じ、第3の配管と第4の配管のうち何れか一方
の配管にバルブがある場合はそのバルブ及び第5の配管のバルブを開けておくようにする

更に、輻射式熱交換器の運転を停止し、室内機のみを運転する際は、第3の配管と第4
の配管のうち何れか一方の配管にバルブがある場合はそのバルブ及び第5の配管のバルブ
を閉じ、第1の配管と第2の配管のうち何れか一方の配管にバルブがある場合はそのバル
ブ及び第4の配管と第3の配管の接続部の間の経路中のバルブを開けておくようにする。
(6)本発明は、(運転モード切替手段3:バルブ4個型)
前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段と
を備え、前記運転モード切替手段は、前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の
配管と、前記流路切替弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、一端側が前記第
2の配管に接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一端側に接続されて
いる第3の配管と、一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され
、他端側が前記第2の配管の前記第3の配管の接続部より前記室内側熱交換器寄りに接続
されている第4の配管と、一端側が前記第2の配管の前記第4の配管の接続部近傍に接続
され、他端側が前記第1の配管に接続されている第5の配管と、該第5の配管がその経路
中に有するバルブと、前記第2の配管が、前記第4の配管と前記第3の配管の接続部の間
の経路中に有するバルブとを備え、前記第1の配管と前記第2の配管のうち何れか一方が
経路中にバルブを有すると共に前記第3の配管と前記第4の配管のうち何れか一方が経路
中にバルブを有するようにしてもよい。
この場合、空気調和装置において、室外機と共に室内機及び輻射式熱交換器を運転する
際には、第5の配管のバルブ及び第4の配管と第3の配管の接続部の間の経路中のバルブ
を閉じ、第1の配管と第2の配管のうち何れか一方の配管のバルブ又は第3の配管と第4
の配管のうち何れか一方の配管のバルブを開けておくようにする。
また、室内機の運転を停止し、輻射式熱交換器のみを運転する際には、第1の配管と第
2の配管のうち何れか一方の配管のバルブ及び第4の配管と第3の配管の接続部の間の経
路中のバルブを閉じ、第3の配管と第4の配管のうち何れか一方の配管のバルブ及び第5
の配管のバルブを開けておくようにする。
更に、輻射式熱交換器の運転を停止し、室内機のみを運転する際は、第3の配管と第4
の配管のうち何れか一方の配管のバルブ及び第5の配管のバルブを閉じ、第1の配管と第
2の配管のうち何れか一方の配管のバルブ及び第4の配管と第3の配管の接続部の間の経
路中のバルブを開けておくようにする。
(7)本発明は、(運転モード切替手段4:バルブ1個型)
前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段と
を備え、前記運転モード切替手段は、前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の
配管と、前記流路切替弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、一端側が前記第
2の配管に分岐するように接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一端
側に接続されている第3の配管と、一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他
端側に接続され、他端側が前記第2の配管に分岐するように接続されている第4の配管と
、前記第2の配管が、前記第3の配管の接続部と前記第4の配管の接続部の間の経路中に
有するバルブとを備え、前記第3の配管、前記発熱体の配管及び前記第4の配管を合わせ
た経路の長さが前記第3の配管の接続部と前記第4の配管の接続部の間の経路の長さより
長く形成されている構成とすることもできる。
この場合、室外機と共に室内機及び輻射式熱交換器を運転する際には、第3の配管の接
続部と第4の配管の接続部の間の経路中に有するバルブを閉じるようにする。
また、輻射式熱交換器の運転を停止し、室内機のみを運転する際は、第3の配管の接続
部と第4の配管の接続部の間の経路中に有するバルブを開けるようにする。これにより、
第2の配管を通る冷媒は、第2の配管から分岐した第3の配管の接続部と第4の配管の接
続部の間の経路より長い第3の配管、発熱体の配管及び第4の配管は通らず、経路が短い
側の、第3の配管の接続部と第4の配管の接続部の間の経路を通る。
更に、室内機の運転を停止し、輻射式熱交換器のみを運転する際には、第3の配管の接
続部と第4の配管の接続部の間の経路中に有するバルブを閉じた状態で、エアコンの室内
機のファンを停止させる。これにより、室内機は、室内側熱交換器の配管に冷媒が通るだ
けで空調を行うことはできず、実質的に輻射式熱交換器のみが運転することになる。
(8)本発明は、(運転モード切替手段5:バルブ2個又は3個型)
前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段と
を備え、前記運転モード切替手段は、前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の
配管と、前記流路切替弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、一端側が前記第
2の配管に接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一端側に接続されて
いる第3の配管と、一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され
、他端側が前記第2の配管に接続されている第4の配管と、前記第2の配管が、前記第3
の配管の接続部と前記第4の配管の接続部の間の経路中に有するバルブと、前記第3の配
管又は前記第4の配管のうち何れか一方又は双方が経路中に有するバルブとを備えている
構成とすることもできる。
この場合、室外機と共に室内機及び輻射式熱交換器を運転する際には、第3の配管の接
続部と第4の配管の接続部の間の経路中に有するバルブを閉じ、第3の配管又は第4の配
管のうち何れか一方又は双方が経路中に有するバルブを開けるようにする。
また、輻射式熱交換器の運転を停止し、室内機のみを運転する際は、第3の配管の接続
部と第4の配管の接続部の間の経路中に有するバルブを開け、第3の配管又は第4の配管
のうち何れか一方又は双方が経路中に有するバルブを閉じるようにする。これにより、冷
媒は第2の配管を通り、第3の配管、発熱体の配管及び第4の配管は通らない。
更に、室内機の運転を停止し、輻射式熱交換器のみを運転する際には、第3の配管の接
続部と第4の配管の接続部の間の経路中に有するバルブを閉じ、第3の配管又は第4の配
管のうち何れか一方又は双方が経路中に有するバルブを開けた状態で、エアコンの室内機
のファンを停止させる。これにより、室内機は、室内側熱交換器の配管に冷媒が通るだけ
で空調を行うことはできず、実質的に輻射式熱交換器のみが運転することになる。
(9)本発明は、前記発熱体が複数の配管を有し、該配管が前記冷媒回路を構成する配管
に並列に接続され、冷媒の流通方向が上下方向であり、冷房時には気液二相冷媒が発熱体
の配管の上側から下側へ通るように、暖房時には気相冷媒が発熱体の配管の下側から上側
へ通るようにしてもよい。
この場合、冷房時においては、通常上方の天井付近の温度が高く、再気化するための熱
エネルギーが大きいので、冷媒を発熱体の上側から配管に導入し下側へ通すことにより熱
効率がよくなる。なお、気液二相冷媒が、配管に導かれて熱を吸収しながら重力の作用で
配管を下向きに移動する過程において、効率よく熱交換されて気相冷媒に変化し、気相冷
媒は室外機に導かれる。また、並列型においては、導入された冷媒が、分岐した複数の配
管に均一に分配されるように、導入配管より上部ヘッダー等の断面を大きくとることがで
きる。この場合、上部ヘッダー等は大きい断面(空間)を有しているので、上部ヘッダー
等に冷媒が入ったときに、圧力が解放されることになるため再気化が促進される。
また、暖房時においては、通常下方の床付近の温度が低くなっており、放熱して暖房を
行うためには、温度差が大きい下部から導入したほうが熱交換効率がよくなる。つまり、
気相冷媒は、下部ヘッダー等から分岐された配管に導かれて、凝縮し放熱しながら配管を
上向きに移動する。その際には、冷媒が気相であるため、冷媒に重力はほとんど作用せず
、上方へ円滑に移動できる。また、発熱体では放熱による熱交換が効率よく行われ、冷媒
は、凝縮により一部が液相冷媒に変化し、気液二相冷媒となって室内機に導かれる。そし
て、冷媒は、エアコンの室内機で更に凝縮されて放熱し、冷媒は室外機に導かれる。
(10)本発明は、前記発熱体の配管が、前記冷媒回路を構成する配管に直列に接続され
た冷媒の流通方向が上下方向の蛇管状とすることもできる。
この場合、配管が並列型の発熱体と相違して、暖房時に高温高圧の気相冷媒を配管の下
側から上側へ通し、冷房時に気液二相冷媒を配管の上側から下側へ通すときと同様の優位
性はないが、冷媒を配管の上下どちら側から他方側へ通してもよいので、配管の自由度が
高い。また、冷媒が配管内を上下に繰り返し移動する過程で、気液二相冷媒の重力作用に
よる下方移動と、気相冷媒の重力がかからない状態での上方移動が交互に繰り返し行われ
ることになり、冷媒の流通がスムーズに行われ、蒸発器としての熱交換もスムーズに行わ
れる。
(11)本発明は、前記発熱体の配管が、前記冷媒回路を構成する配管に直列に接続され
た冷媒の流通方向が水平方向の蛇管状であり、冷房時には気液二相冷媒が発熱体の配管の
上側から下側へ通るように、暖房時には気相冷媒が発熱体の配管の下側から上側へ通るよ
うにしてもよい。
この場合、輻射式熱交換器は、上記のように発熱体が複数の配管を有し、配管が冷媒回
路を構成する配管に並列に接続され、冷媒の流通方向が上下方向であるものに、暖房時に
高温高圧の気相冷媒を配管の下側から上側へ通し、冷房時に気液二相冷媒を配管の上側か
ら下側へ通したときと同様の上記したような作用及び優位性を有する。
(12)本発明は、前記各整流板の両側端部に前記各整流板を接続する端部材を配して上
部と下部が開口した筒状体を形成し、該筒状体で前記発熱体を内包するようにしてもよい
この場合、各整流板の両側端部に端部材があるため、各整流板の間を通る空気の流れが
より整った流れになり、煙突効果がより効果的に作用する。
(13)本発明は、前記エアコンが、前記室外側熱交換器一台に対し配管を並列につない
だ複数の室内側熱交換器を有するマルチエアコンであり、前記輻射式熱交換器を、前記複
数の室内側熱交換器のそれぞれに対応させて一又は複数を設置した構成とすることもでき
る。
この場合、複数の室内側熱交換器を、室外側熱交換器を有する一台の室外機で運転する
ことができるので、効率的な運転ができ、特に多数の部屋を有するビル等における各部屋
(各室)の空調に有用である。
(14)本発明は、前記エアコンが、前記圧縮機をインバータ制御するインバータエアコ
ンである構成とすることもできる。
この場合、圧縮機の出力を多段階又は無段階に調節することができるので、冷房及び暖
房のより細かな制御ができるようになり、快適性が向上する。また、エアコンと輻射式熱
交換器を運転する際の電力消費についても細かな制御ができるので、省エネルギーにも貢
献できる。
(15)本発明は、前記発熱体の配管が、内部に長手方向に並行する複数の流路を有する
扁平管又は内面に長手方向に並行する複数の条部を有する管であってもよい。
この場合、扁平管は、熱交換を行う配管の外表面の面積を充分に確保しながら、各流路
は複数に細分化されており、各流路の位置がそれぞれ外表面に近い構造となるので、流路
の中心部分の位置が外表面とやや遠い円管等と比較して、より効率のよい熱交換が可能に
なる。また、複数の条部を有する管は、配管の内面の面積が単なる管体より広くなるので
、より効率のよい熱交換が可能になる。
(16)本発明は、前記発熱体の上方側又は下方側あるいは上方側及び下方側に、前記整
流板の内側の前記空隙に出入りする空気が円滑に流れるよう案内する通気案内部材が配置
されている構成でもよい。
この場合、各整流板の煙突効果による空気の流れを、通気案内部材によって更にスムー
ズにすることができるので、室内において輻射式熱交換器により対流する空気の流量を増
大させることに貢献できる。
(17)本発明は、前記発熱体の表面に、ローレット加工、アルマイト加工、放熱用コー
ティング、遠赤外線放出用コーティング及び消臭機能、抗菌機能又は揮発性有機化合物の
吸着分解機能を有するコーティングから選ばれた一又は複数の加工又はコーティングを施
してもよい。
この場合、ローレット加工、アルマイト加工、放熱用コーティングを施すことで、発熱
体の放熱性を向上させ、発熱体における熱交換をより効率よく行うことができる。遠赤外
線放出用コーティングを施せば、発熱体から放出される遠赤外線が輻射熱とも相まって室
内の温度調節を効率的に行うことができる。また、消臭機能や抗菌機能又は揮発性有機化
合物の吸着分解機能を有するコーティングを施すことで、これらの機能性によって輻射式
熱交換器のメンテナンスがより簡単になり、快適に使用できる。
(18)本発明は、前記整流板の表面に、広告又はアート画像が表示されている構成とす
ることもできる。
この場合、発熱体のカバーとしての機能を有する整流板を広告パネルやサインとして活
用することができる。すなわち、輻射式熱交換器は、設置する室内空間に大きく露出する
形態でもあり存在感が大きいので、広告を表示する場合は、より効果的な広告としての機
能を持たせることができる。また、アート画像を表示する場合は、アート画像によって華
やかな空間や利用者が安らげる空間をつくる等、室内を様々に演出することができる。
(19)本発明は、圧縮機、膨張弁、流路切替弁、室内側熱交換器及び室外側熱交換器を
配管接続し冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路を有し、前記室内側熱交換器で
冷媒と熱交換された空気をファンによって室内に供給するエアコンと、該エアコンの前記
冷媒回路に組み込まれた発熱体を有する輻射式熱交換器と、該輻射式熱交換器の前記発熱
体を間に挟み前記発熱体の表面との間に空隙を設けて該表面を覆い、内面は前記発熱体か
ら輻射される輻射熱を反射する反射面となっており、内外面を貫通し輻射熱及び空気が通
過する輻射熱通過部を有し、煙突効果により空気の対流を促進する整流板と、前記エアコ
ンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを運転する第2
の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各運転モードを
自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段とを備える空気
調和装置において、
前記第1の運転モードで前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転しているときに、前
記エアコンの前記ファンを停止させて、実質的に前記輻射式熱交換器のみの運転を行う空
気調和装置の運転方法である。
輻射熱通過部の構造は、輻射熱(放射熱ともいう)及び空気が通ることができれば、特
に限定するものではない。例えば、パンチングメタルに形成されている孔のように多数の
孔(穴)であってもよいし、多数の細いスリットであってもよい。また、孔やスリットの
形状は特に限定するものではなく、例えば円形、楕円形、各種多角形等である。孔やスリ
ットは、それぞれが貫通穴として繋がっていてもよいし、繋がっておらず別々に形成され
ていてもよい。更に、孔やスリットの大きさは特に限定するものではないが、利用者が過
って発熱体に接触したり故意に触れたりできないように、例えば指が入らない大きさであ
るのが好ましい。なお、本明細書及び請求の範囲において、「輻射」の用語は「放射」と
言い換えることができる。
発熱体の構造は、例えば冷媒を通す配管を平板状に配した構造、あるいは冷媒を通す配
管を円筒状に配した構造等である。また、発熱体の側方周りにある整流板の形状も特に限
定するものではなく、例えば円管状、角管状、平板状又は曲板状等、発熱体の構造に合わ
せて適宜形成される。
本明細書及び請求の範囲にいう「煙突効果」の用語は、整流板を筒状に形成して発熱体
の側部の全部を覆うことにより空隙内の空気の流速が増す効果の他、例えば整流板を発熱
体の表裏側に配置する等、発熱体の側部の一部を覆うことによる同等の効果を含む意味で
使用している。
本明細書及び請求の範囲にいう「アート画像」の用語は、例えばサイン(記号や看板表
示)、各種デザインの他、絵、写真等、各種アーティスティックな表現の意味を含むもの
である。なお、広告とアート画像は、印刷又は手描き等による平面的な表現であるのが好
ましい。
(作用)
本発明の空気調和装置の作用を説明する。
輻射式熱交換器は、整流板による煙突効果によって、発熱体に沿う空隙内での空気の流
れ(輻射式熱交換器が設置される室内空気の全体的な循環(対流)の一部である意味を含
む)が促進される。また、整流板は、内外面を貫通した輻射熱通過部を有しているので、
発熱体に沿って空隙内を速い速度で空気が流れると、空隙内の圧力が低下して(ベルヌー
イの定理から)輻射熱通過部から空隙内に空気が取り込まれ、整流板の内側の空隙を通る
空気の流量が増大し、室内空気の対流が更に促進される。
なお、輻射式熱交換器は、整流板による煙突効果及び発熱体の熱や結露水から利用者を
ガードするカバーとしての機能を有しながら、発熱体から輻射される輻射熱が輻射熱通過
部を通り直接外部へ輻射されるので、整流板が熱を帯びることにより生じる輻射熱とも相
まって、整流板を有していない場合と同等かほとんど変わらない効率的な熱輻射を行うこ
とができる。
つまり、発熱体から輻射される熱を効率よく室内へ輻射して空調に利用することができ
るので、上記良好な室内空気の対流による熱の移動と輻射熱とが相まって、室内の空調を
均一化することができ、空調の立ち上がりが早い。すなわち、空調が快適な状態に整うま
での時間が比較的短い。また、室内空気の対流が良好であることで、室内側熱交換器のフ
ァンの送風量はそれほど必要でないか、又はファンを作動させなくてもすむために、人が
感じるドラフト感を低減するか又はなくすことができる。
また、整流板に輻射熱通過部を設けることで、上記のように室内空気の対流が更に促進
されるので、発熱体による熱交換がより円滑に効率よく行われ、例えば冷房時の発熱体の
凍結や、暖房時の過熱が起こりにくくなる。以下、作用について詳細に説明する。
まず、室内の暖房を行う場合は、発熱体近傍の空気が伝導熱や輻射熱で加熱され、発熱
体に沿うように下から上方向の空気の流れが生じる。これにより、例えば輻射式熱交換器
と床面の隙間等から各整流板の内側の空隙に外部の空気が流入し、各空隙を上昇しながら
発熱体で更に加熱されることにより、前記空気の流れが継続される。また、発熱体との間
に空気が流れる空隙を設けて整流板が配置されることによる、いわゆる煙突効果によって
、流れる空気の流量は大きくなる。
発熱体と整流板の間の空隙を上昇する加熱された空気は、例えば輻射式熱交換器の上端
と天井面との間の隙間から外部へ排出される。排出された空気は、煙突効果によって流速
も増しており、天井面に沿うように輻射式熱交換器から相当に離れた位置まで到達する。
また、空気はこの移動に伴って室内空気及び天井面と熱交換を行い、冷却され降下して床
面側へ移動する。そして、輻射式熱交換器の下部から空隙内に入り、発熱体で加熱され上
昇する。このようにして、室内空気は、発熱体で加熱されながら室内全体を循環し対流す
る。
一方、発熱体から放出される輻射熱は、その一部が各整流板に形成されている各輻射熱
通過部を通り、整流板外側の室内に移動する。なお、輻射熱が輻射熱通過部を通過する割
合は、輻射熱通過部の開口率に依存する。このようにして、輻射熱が利用者に伝播すれば
、利用者は直接的に温かさを感じることができる。また、輻射熱は、壁、天井、床等を温
めるため有効に利用され、温まった壁、天井、床等によって室内空気は間接的に温められ
る。
また、輻射熱のうち、各輻射熱通過部を通ることができなかった輻射熱は、各整流板の
内面側の反射面で反射され、更に発熱体や他の整流板の反射面との間で乱反射が起こる。
これにより、輻射熱の一部は、各輻射熱通過部を通り室内に放出され、一部は各整流板で
形成される上下開口部から室内に放出される。更に、一部は各整流板を加熱して温度を上
昇させ、各整流板からの外方向への輻射熱が室内に放出される。
このように、輻射式熱交換器によれば、室内の暖房を行う場合、前記輻射熱の反射、放
出を繰り返しながら、室内は空気の対流により移動する熱と共に輻射熱によって良好に加
熱され、室内全体の空調を効果的に行うことができる。また、これにより、エアコンの室
内側熱交換器のファンの送風量を少なくするか、又はファンを停止させることが可能にな
り、結果的に利用者が感じるファンからの送風によるドラフト感が抑制されるか、又はド
ラフト感をなくすことができる。
また、室内の冷房を行う場合は、前記暖房を行う場合と異なり、空気が発熱体で冷却さ
れるために、発熱体及び各整流板に沿う空気の流れは上から下方向となり、冷却された空
気の流れは、前記暖房の場合とはほぼ逆方向となるが、室内全体の空調を効果的に行うこ
とができる点や、利用者が感じるファンからの送風によるドラフト感を抑制することがで
きる点等、前記暖房の場合と同様の作用を有する。
更には、発熱体を各整流板の内側に内蔵する構成により、発熱体を直接手で触れること
ができないようになっている。したがって、気相冷媒等による暖房時、発熱体が高温にな
る場合があるが、利用者が誤って発熱体に触れることもないので、利用者にとって安全で
ある。また、冷房時、発熱体表面に凝縮した結露水を、手で触れることがなく衛生的であ
り、利用者の服等が結露水で不意に濡れてしまうこともない。更に、発熱体自体に外的な
力を受けることがほとんどないので、発熱体が外側からの圧力や衝撃で変形したり破損す
るのを防止できる。
したがって、外的な力に対抗する強度もそれほど必要ではなく、少なくとも流体の圧力
に耐えうる強度を有する構造であればよいので、発熱体の素材として比較的強度が低くて
軽いもの等を採用することができ、発熱体に使用する素材の選択肢が広がる。また、発熱
体に誤ってぶつかり怪我をするような危険性も低減できる。
また、液相冷媒や冷媒ガスを利用する場合は、高圧力となるため、耐圧性が高く伝導性
がよいもの、例えば銅又はアルミニウム製等の金属製の冷媒管や精密扁平管の表面に熱放
射率が高い加工を施したものを利用することもできる。前記合成樹脂管やカーボンファイ
バー管の発熱体は、それぞれに比較的に軽量であるので、装置の軽量化が可能である。
これにより、設置工事の際の資材の搬入作業や組み立て作業の負担が軽減され、設置工
事のコストを押さえることができる。また、装置の軽量化により、例えば地震の際の変形
応力等が小さくなり、それを支えるための補強工事等も必要最小限でよい。このように、
設置における様々な制約が軽減され、設置後における地震等による装置の転倒のリスク等
が低減される。したがって、利用者の安全にも寄与できるものである。
このような作用を有する輻射式熱交換器を備えた空気調和装置は、輻射式熱交換器が発
熱体に直接冷媒を通す構造であるため起動が早く、短時間で熱輻射効果を得られる上に、
エアコンの制御を利用することで、室温の調整を容易に制御できる。これにより輻射式熱
交換器専用の空気の温度調整のための回路構成が不要であり、システムのコストを削減す
る事ができる。
すなわち、暖房時は、冷凍サイクルにより圧縮機で高温高圧となった気相冷媒が、まず
、輻射式熱交換器に供給されるため、発熱体の温度が比較的短い時間で冷媒の温度に達し
、例えば60℃から80℃程度の、発熱体の表面温度に応じた輻射熱を放出する。
この輻射式熱交換器からの輻射熱は、上記したように利用者の体感に直接作用できるの
で、エアコンと組み合わせることで、エアコン単体で暖房を行う場合と比較して、快適性
が得られるまでの空調の立ち上がりが早くなる。また、床や壁、天井、人体に直接輻射熱
が伝播することで、利用者の足元から温かさが得られ、温度を低く設定しても温かく感じ
られるので、省エネルギーにも貢献できる。その後、気相状態の冷媒は、エアコンの凝縮
器となる室内機へ送られ、室内機は暖房を行う。
また、冷房時は、冷凍サイクルにより室外機の室外側熱交換器で液化し発熱した液相冷
媒を膨張弁で減圧し、これにより生じた低温の気液二相状態の冷媒を、まずエアコンの室
内機に供給し、室内機を蒸発器として作用させ、空気の熱を奪って冷房を行う。そして、
気液二相状態の冷媒を輻射式熱交換器へ送り、輻射式熱交換器の発熱体を蒸発器として作
用させ、発熱体からの冷熱の輻射によって輻射冷房を行う。
このように、冷房運転においては、例えばエアコンを優位に制御しながら、エアコンと
輻射式熱交換器の両方を運転する、いわゆるハイブリッド運転が可能になり、従来のよう
な輻射パネル(輻射式熱交換器)のみで空調を行う場合のような、空調の立ち上がりの遅
さを改善することができる。また、その後の輻射熱(冷熱)の作用で、床や壁、天井の温
度が徐々に下がり、これらが相乗して利用者の体感に作用するので、エアコンを弱い運転
としても快適性を得ることができる。
また、冷房時、冷凍サイクルにおける輻射冷房の運転における課題が改善できる。すな
わち、空気調和装置は、あくまでエアコンの室内機を蒸発器とし、室内空気の熱で加温さ
れて一部液相となった気液二相の冷媒は、例えば7℃から15℃程度であり、この冷媒を
輻射式熱交換器の発熱体に通すため、発熱体が凍結することはない。さらに、加温される
ことで冷媒の蒸発が促進されるため、気化が充分に行われることで昇圧した気相冷媒とな
って圧縮機に導入されるので、圧縮機にかかる負荷が軽減され、圧縮機の寿命を延ばすこ
とに貢献でき、省エネルギーにも貢献できる。
更には、輻射式熱交換器により無風、無音の冷暖房の機能が発揮され、室内空気の対流
が促進される分だけ、壁や床、天井の温度むらが低減され、室内機のファンによる風量を
下げても充分に快適性が得られるので、エアコンの室内機からの大風量による不快なドラ
フト感を抑制することができる。これにより、室内機のファンの運転を抑制することに貢
献することができ、ファンのモーターの寿命が延び、延いては室内機の寿命を延ばすこと
ができる。
なお、空気調和装置は、エアコンの冷凍サイクルに、室内に設置される輻射式熱交換器
を組み込んだ、いわゆるハイブリッド型の空気調和装置であるので、エアコンの室内温度
制御プログラム等の利用、すなわちリモートコントローラを使用した通常のエアコンの操
作によって、例えばドライ運転、フィルター機能等の空気清浄機能、あるいは加湿機能等
の多機能なエアコンの運転制御と、輻射式熱交換器の運転制御を行うことができる。更に
、負荷が少ない省エネルギー運転においては、冷媒をエアコンの室内機を経由せずに、室
外機と輻射式熱交換器のみに経由するようにしても良く、その際には、室内機を室内空気
の温度を感知して室外機を制御する機能のみに使うこともできる。
本発明は、エアコンと輻射式熱交換器を組み合わせた空気調和装置において、輻射式熱交
換器が発熱体をカバーする機能を有すると共に室内空気の対流を促進することができ、人
体に対し不快なドラフト感を与えないようにしながら、快適性が得られるまでの空調の立
ち上がりを早くし、室内空気を短時間で均一化できるようにして、室内の空調を効率的に
行うことができる空気調和装置及び空気調和装置の運転方法を提供できる。
本発明の空気調和装置の第1実施の形態を示す概略説明図である。 図1の空気調和装置のブロック図である。 図1の空気調和装置を示し、(a)は暖房時のブロック図、(b)は冷房時のブロック図である。 輻射式熱交換器の第1実施の形態を示し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるA−A断面図である。 図4に示す輻射式熱交換器の正面側と背面側の整流板を取り外した状態の正面視説明図である。 輻射式熱交換器の構造を示し、(a)は図4(a)におけるB−B拡大断面図、(b)は鉛直管の拡大横断面図、(c)は発熱体の配管の他の例を示す断面図である。 本発明の空気調和装置の第2実施の形態を示す概略説明図である。 輻射式熱交換器の第2実施の形態を示し、(a)は正面側の整流板を一部切り欠いた正面視説明図、(b)は(a)におけるC−C断面図である。 輻射式熱交換器の第3実施の形態を示し、(a)は正面側の整流板を一部切り欠いた正面視説明図、(b)は(a)におけるD−D断面図である。 輻射式熱交換器の第4実施の形態を示し、(a)は正面側の整流板を一部切り欠いた正面視説明図、(b)は(a)におけるE−E断面図である。 輻射式熱交換器の構造を示し、(a)は図10(a)におけるF−F拡大断面図、(b)は鉛直管の拡大横断面図である。 輻射式熱交換器の第5実施の形態を示し、発熱体の上部と下部に通気案内部材を配した場合の空気の流れを示し、(a)は暖房時、(b)は冷房時の説明図である。 輻射式熱交換器の他の実施の形態を示し、整流板の表面に広告文字を表した例を示す説明図である。 本発明の空気調和装置の第3実施の形態を示す概略説明図である。 本発明の空気調和装置の第4実施の形態を示す概略説明図である。 本発明の空気調和装置の第5実施の形態を示す概略説明図である。 本発明の空気調和装置の第6実施の形態を示す概略説明図である。 空気調和装置のエアコンのみを運転した場合と、エアコンと輻射式熱交換器を同時に運転した場合の室温の変化を示したグラフである。 空気調和装置のビルマルチエアコンのみを運転した場合と、ビルマルチエアコンと輻射式熱交換器を同時に運転した場合の室温の変化を示したグラフである。 空気調和装置のエアコンのみを運転した場合と、エアコンと輻射式熱交換器を同時に運転した場合の消費電力の変化を示したグラフである。 空気調和装置のビルマルチエアコンのみを運転した場合と、ビルマルチエアコンと輻射式熱交換器を同時に運転した場合の消費電力の変化を示したグラフである。
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1、図2及び図3を参照する。図1では、便宜上、輻射式熱交換器R1として発熱体
1のみを表している。図3では、図示の便宜上、下記配管92、92a、92b、92c
を配管92としてまとめて表し、バルブV1〜V6を省略している。
なお、図1中の表記で、EX1は「冷房運転時の冷媒ガスの流れ」を示し、EX2は「
暖房運転時の冷媒ガスの流れ」を示す。これについては、図14、図15、図16及び図
17も同様である。また、図2中の表記で、EX3は「ファンON/OFF信号」を示し、EX
4は「バルブ開閉信号」を示す。更に、図3中の表記で、EX5は「冷気」を示し、EX
6は「暖気」を示す。
空気調和装置A1は、冷凍サイクルの冷媒回路に組み込まれた室外機90と室内機91
を有するエアコン9と、室外機90と室内機91をつなぐ配管92、98に、発熱体1の
配管が接続されている輻射式熱交換器R1とを備えている。
エアコン9は、冷暖房機能を有し一般家庭で使用されるような公知のルームエアコンで
ある。エアコン9は、圧縮機94をインバータ制御するインバータエアコンであってもよ
いし、インバータ制御されないノンインバータエアコンであってもよい。なお、インバー
タエアコンを採用した方がより効率的な空調を行うことができ、省エネルギーにも寄与で
きる点については後述する。
図2、図3に示すように、エアコン9の室外機90は、蒸発器又は凝縮器として機能す
る室外側熱交換器93を有すると共に、圧縮機94、流路切替弁である四方切替弁95及
び膨張弁96を有している。符号930は、室外側熱交換器93のファンである。
また、室内機91は、室外側熱交換器93が蒸発器として機能するときは凝縮器として
機能し、室外側熱交換器93が凝縮器として機能するときは蒸発器として機能する室内側
熱交換器97を有している。符号970は、室内側熱交換器97のファンである。
そして、輻射式熱交換器R1は、四方切替弁95から室内側熱交換器97につながり冷
媒が通る第2の配管92、詳しくは暖房時(図3(a)参照)に圧縮機94で高温高圧と
なった気相冷媒が室内側熱交換器97へ向け流通する配管92の経路中に、下記発熱体1
を接続して組み込まれている。
第1の配管である配管98は、冷房時において膨張弁96で膨張させた気相冷媒を室内
側熱交換器97へ送る配管である。なお、輻射式熱交換器R1は、本実施の形態では一台
が設置されているが、複数台を直列又は並列に接続し設置することもできる(図7参照)
また、図1に示すように、配管92には、他端側が下記発熱体1の下部ヘッダー管11
につながる第3の配管である配管92aの一端側が接続されている。配管92aの経路に
は、第3のバルブであるバルブV3が設けられている。発熱体1の上部ヘッダー管10に
は、第4の配管である配管92bの一端側が接続され、配管92bの他端側は、配管92
の経路で配管92aの接続部より更に室内機91寄りに接続されている。また、配管92
と配管98は、配管92bの接続位置で第5の配管である配管92cにより接続されてい
る。配管92bの経路には第4のバルブであるバルブV4が設けられ、配管92cの経路
には第5のバルブであるバルブV5が設けられている。
また、配管92の経路において配管92aの接続部と配管92bの接続部の間には、第
6のバルブであるバルブV6が設けられている。更に、配管92と配管98において、配
管92cの接続部と室内機91の間には、配管98に第1のバルブであるバルブV1が設
けられ、配管92に第2のバルブであるバルブV2が設けられている。
制御部99は、温度センサSを有しており、温度センサSは、室内の所定の測定点に配
置されている。各バルブV1、V2、V3、V4、V5及びV6には、制御部99からそ
れぞれ信号経路(図2に点線で図示)を介し、バルブ開閉信号が送られる。また、室内側
熱交換器97のファン970には、制御部99から信号経路を介し、ファン970のON/O
FF信号が送られる。
次に、エアコン9に接続されて空気調和装置A1に組み込まれる輻射式熱交換器R1に
ついて詳細に説明する。図4ないし図6を主に参照する。
輻射式熱交換器R1は、上下方向(鉛直方向)に配置される発熱体1と、発熱体1を支
持する化粧フレーム2、2aと、発熱体1の表裏両側に発熱体1との間に後で説明するよ
うに所要の空隙39、49を設けて上下方向に配置される正面側(図4(a)では手前側
、図4(b)では左側)の整流板3、3a、3b及び背面側の整流板4、4a、4bを備
えている。
発熱体1は、木製の化粧フレーム2、2aの内側に固定されている。化粧フレーム2、
2aは、端部材を構成し、左右に所要間隔をおいて互いに平行に、且つ鉛直方向に配置さ
れている。化粧フレーム2、2aの下端部の内面側には、床面5に固定するためのL板状
の下部固定用部材20、21が固定されている。なお、化粧フレーム2、2aの材料は木
に限定されず、例えば合成樹脂やアルミニウム等の金属を採用することもできる。
また、化粧フレーム2、2aの上端部の内面側には、天井面6に固定するためのL板状
の上部固定用部材22、23が固定されている。床面5に接する下部固定用部材20、2
1の水平部(符号省略)は、化粧フレーム2、2aの下端と面一になっており、天井面6
と接する上部固定用部材22、23の水平部(符号省略)は、化粧フレーム2、2aの上
端よりやや高い位置にある。
化粧フレーム2、2aの間には、アルミニウム、銅等を使用した金属製の発熱体1が上
部ヘッダー管10の両端を取付具24、25によって化粧フレーム2、2aの内面に固定
して取り付けられている。化粧フレーム2、2a間の上下方向の中間部には、水平方向に
補強部材26が固定されており、化粧フレーム2、2aの枠体としての強度を補強してい
る。なお、補強部材26は、発熱体1の下記各鉛直管12の間隔を固定する機能を併せ持
つものである。
発熱体1は、上部ヘッダー管10と、上部ヘッダー管10と下方へ所要の間隔をおいて
平行に配置された下部ヘッダー管11を有している。上部ヘッダー管10と下部ヘッダー
管11の両端は、それぞれ気密及び液密に閉塞されている。
上部ヘッダー管10が配置される高さは、図5に示すように化粧フレーム2、2aの上
端よりやや低い位置に設定されている。また、下部ヘッダー管11が配置される高さは、
化粧フレーム2、2aの下端より高い位置に設定されている。
上部ヘッダー管10と下部ヘッダー管11は、所要間隔で互いに平行に設けられた多数
の鉛直管12で接続され、上部ヘッダー管10と下部ヘッダー管11及び各鉛直管12は
連通している。各鉛直管12は、図6(b)に示すように、内部に長手方向に並行する複
数の流路120を有する金属製の扁平管である。鉛直管12は、熱交換を行う外表面の面
積を充分に確保しながら、各流路120は複数に細分化されている。これにより、各流路
120の位置がそれぞれ外表面に近い構造となるので、効率のよい熱交換が可能になる。
上部ヘッダー管10の図5において右側端部には、上記配管92に接続される給排管1
3が上方へ向け鉛直方向に接続されている。また、下部ヘッダー管11の図5において左
側端部には、配管92に接続される給排管14が上方へ向け鉛直方向に接続されている。
給排管13、14は、上端部が何れも上部固定用部材22、23の水平部よりやや下方位
置まで延長され、給排管14は配管92aに、給排管13は配管92bに接続されている
。この構造によれば、発熱体1の各鉛直管12には、冷房時においては気液二相冷媒が上
側から下側へ通り、暖房時においては気相冷媒が下側から上側へ通る。
なお、上部ヘッダー管10と下部ヘッダー管11及び各鉛直管12の表面には、放熱性
を高めるための放熱用コーティングが施されている。発熱体1の表面には、他にもローレ
ット加工、アルマイト加工、放熱用コーティング等の放熱性に寄与する加工やコーティン
グを施すことができる。また、遠赤外線の放出に寄与する遠赤外線の放出に寄与するコー
ティング又は消臭機能、抗菌機能又は揮発性有機化合物の吸着分解機能を有するコーティ
ングを施すこともできる。これらは単独で採用してもよいし、複数を組み合わせて採用し
てもよい。また、下部ヘッダー管11のやや下方には、上方が開放された樋形状の集水部
材であるドレンパン15が両端部を化粧フレーム2、2aの間に固定して配置されている
。ドレンパン15の底部の一端側にはドレン管16が接続されている。冷房時、発熱体1
の表面に結露した結露水は、ドレンパン15に滴下し、適宜、ドレン管16を通して集め
られ、処理される。
化粧フレーム2、2aの正面側には、整流板3、3a、3bが着脱自在に装着されてお
り、背面側には、整流板4、4a、4bが同じく着脱自在に装着されている。整流板3、
3a、3bと整流板4、4a、4bは、例えば両側縁部の曲げ部に形成された複数の溝を
上記化粧フレーム2、2aの正面側と背面側の内面に形成されたピンに引っ掛けて装着す
る構造であるが、他の公知取り付け手段を採用することもできる。
整流板3、3a、3bと整流板4、4a、4bは、それぞれを一組として上下三段に取
り付けられ、各組全体としては、化粧フレーム2、2a間の全幅及び全高のほぼ全体を塞
ぐことができる大きさの長方形状である。上記発熱体1と整流板3、3a、3b、及び発
熱体1と整流板4、4a、4bの間には、空気が流通する空隙39、49が形成されてい
る。なお、最下部の整流板3b、4bは、他の整流板3、3a、4、4aより小さく形成
されており、これらを取り外すことにより、ドレンパン15のメンテナンスができる。
また、整流板3、3a、3bと整流板4、4a、4bはアルミニウム製で、周縁部の一
部を残しほぼ全面にわたり輻射熱通過部である表裏面を貫通した多数の輻射熱通過孔30
、40(図8を参考)が形成されているパンチングメタル(又はパンチングボード)であ
る。整流板3、3a、3bと整流板4、4a、4bの内面は、輻射熱を反射する反射面3
1、41となっている。整流板3、3a、3bの各輻射熱通過孔30及び整流板4、4a
、4bの各輻射熱通過孔40の開口率は本実施の形態では50%に設定されている。
輻射熱通過孔は、例えば一方側の整流板3、3a、3bのみに形成して、他方側の整流
板4、4a、4bには形成しないようにすることもできるし、上記各整流板3、3a、3
b、4、4a、4bのうち任意の整流板のみに形成することもできる。
前者においては、整流板3、3a、3bからの輻射熱を整流板4、4a、4bより強く
することが可能になり、輻射式熱交換器R1を壁面の近くに位置させる場合も、輻射熱が
弱い整流板4、4a、4b側を壁に向けることで、壁面に対する熱の影響を小さくするこ
とができる。
なお、輻射熱通過孔30、40の配列や個数、孔の形状や開口率は特に限定されるもの
ではなく、多彩なデザインで適宜設定することができる。本実施の形態では、反射面31
、41に、輻射熱の乱反射を促進するためにエンボス加工を施して細かな凹凸を形成して
いる。また、整流板3、3aと整流板4、4aはアルミニウムで形成されているので、伝
熱効果に優れ、空気との熱交換効率がより向上する。
また、例えばドレンパン15に近い上記整流板3b、4bの内面に消臭機能、抗菌機能
、あるいは揮発性有機化合物(VOC:volatile organic compounds)の吸着分解機能等を有
するコーティングを施して、室内空気清浄化を図ることもできる。このようなコーティン
グは、輻射式熱交換器R1の他の部分、例えば発熱体1や整流板3、3a、整流板4、4
aの表面にも施すことができる。
整流板3、3a、3bと整流板4、4a、4bは、全体の周縁部が発熱体1の周縁より
張り出し、正面視及び背面視において発熱体1より広い面を有している。整流板3と整流
板4の上端は、化粧フレーム2、2aの上端と面一に設定されており、整流板3bと整流
板4bの下端は、化粧フレーム2、2aの下端よりやや上方の位置に設定されている。
正面側の整流板3、3a、3b背面側の整流板4、4a、4b及びそれらの幅方向両端
側の化粧フレーム2、2aは、一体となることにより、上端部に上部開口部27、下端部
に下部開口部28を有するやや扁平な四角筒体となる。このように、発熱体1を囲む構造
体が筒体となることで、室内空気の対流を促進する煙突効果がより優れた構造となる。
なお、整流板3、3a、3bと整流板4、4a、4bの大きさ及び取付位置を上記のよ
うに設定することにより、図4(a)、(b)に示すように輻射式熱交換器R1を床面5
と天井面6に固定したときに、床面5と整流板3b及び整流板4bの下端との間には下部
隙間50が形成され、天井面6と整流板3及び整流板4の上端の間には上部隙間60が形
成される。
(作用)
図1ないし図6を参照して、輻射式熱交換器R1を備えた空気調和装置A1の作用を説
明する。
空気調和装置A1において、室外機90と共に室内機91及び輻射式熱交換器R1を運
転する際には、制御部99の制御により、上記バルブV5、V6を閉じ、他のバルブV1
、V2、V3、V4を開けておくようにする。
また、室内機91の運転を停止し、輻射式熱交換器R1を運転する際には、上記バルブ
V1、V2、V6を閉じ、他のバルブV3、V4、V5を開けておくようにする。
更には、バルブV3、V4、V5を閉じ、他のバルブV1、V2、V6を開けておけば
、輻射式熱交換器R1の運転を停止し、室内機91のみを運転することもできる。また、
各バルブV1〜V6の操作は制御部99により自動制御で行うこともできるし、手動によ
り行うこともできる。
なお、運転モード切替手段としての配管とバルブ構成の他のバリエーションについては
後述する。
(輻射式熱交換器R1の作用)
空気調和装置A1の輻射式熱交換器R1は、壁面8からやや離した位置に、下部固定用
部材20、21により床面5に固定し、上部固定用部材22、23により天井面6に固定
して室内に設置される。
輻射式熱交換器R1の発熱体1の給排管14と給排管13は、図1に示すように配管9
2につながる配管92a、92bに接続されている。
輻射式熱交換器R1によって室内の暖房を行う場合、高温の気相冷媒が給排管14から
発熱体1に供給されることにより発熱体1は加熱される。このとき、気相冷媒が各鉛直管
12の下側から上側へ通るようになっており(図5参照)、温度がより低く上方と温度差
が大きい室内下方の床面5付近の空気をまず加熱するので、熱交換効率がよく、効果的な
暖房を行うことができる。また、気相冷媒は、下部ヘッダー11から分岐された各鉛直管
12に導かれて、凝縮し放熱しながら上向きに移動する。その際には、冷媒が気相である
ため、冷媒に重力はほとんど作用せず、上方へ円滑に移動できる。
また、発熱体1の放熱による空気との熱交換も効率よく行われ、冷媒は、凝縮により一
部が液相冷媒に変化し、気液二相冷媒となって室内機91に導かれる。そして、冷媒は、
室内機91の室内側熱交換器97で更に凝縮されて放熱し、冷媒は室外機90の室外側熱
交換器93に導かれる。
このようにして、発熱体1近傍の空気が輻射熱で加熱され、発熱体1に沿うように下か
ら上方向の空気の流れが生じる。なお、以下の空気の流れの説明では、便宜上、下記図1
2(a)を参照する。
これにより、床面5側の隙間50から整流板3bと整流板4bの間の下部開口部28を
通り外部の空気が流入する。流入した空気が、整流板3、3a、3bと整流板4、4a、
4bの内側の各空隙39、49を上昇しながら発熱体1で更に加熱されることにより、上
方向への空気の流れが継続される。また、発熱体1の正面側と背面側に整流板3、3a、
3bと整流板4、4a、4b及び化粧フレーム2、2aにより扁平な四角筒体が形成され
ていることにより、その煙突効果によって、室内空気の対流を良好に行うのに充分な流量
が確保される。
各空隙39、49を上昇する加熱された空気は、整流板3と整流板4の間の上部開口部
27を通り上部の天井面6側の隙間60から外部へ排出される。排出された空気は、煙突
効果によって流速も増しており、天井面6に沿うように輻射式熱交換器R1から相当に離
れた位置まで到達する。また、空気はこの移動に伴って室内空気と熱交換を行い、冷却さ
れ降下して床面5側へ移動し、再度輻射式熱交換器A1の下部から入り、発熱体1で加熱
され上昇する。このようにして、室内空気は、発熱体1で加熱されながら室内全体を循環
し、対流が促進される。
一方、発熱体1から輻射される輻射熱は、その一部(本実施の形態では、輻射熱通過孔
30、40の開口率が50%であるので、通過する割合は、下部開口部28及び上部開口
部27を通るものを勘案すると、輻射熱全体の50%程度と思われる)が整流板3、3a
、3bと整流板4、4a、4bに形成されている各輻射熱通過孔30、40を通り、室内
に放出される。これにより、輻射熱は、室内空気の温度を上げるために直接的に、且つ有
効に利用される。
また、上記発熱体1から輻射される輻射熱のうち、各輻射熱通過孔30、40を通るこ
とができなかった輻射熱は、整流板3、3a、3bと整流板4、4a、4bの内面側の反
射面31、41で反射され、更に発熱体1や他の対向する整流板の反射面31、41との
間で乱反射が起こる。これにより、輻射熱の一部は、各輻射熱通過孔30、40を通り室
内に放出され、一部は整流板3、3a、3bと整流板4、4a、4bの間の下部開口部2
8及び上部開口部27から室内に放出される。更に、一部は整流板3、3a、3bと整流
板4、4a、4bを加熱して温度を上昇させ、各整流板からの外方向への輻射熱が室内に
放出される。
また、輻射式熱交換器R1によって室内の冷房を行う場合、通常上方の天井6付近の温
度が高く、再気化するための熱エネルギーが大きいので、冷媒を発熱体1の配管の上側か
ら導入し下側へ通したほうが熱効率がよくなる。発熱体1のような並列型の配管において
は、上部ヘッダー10から分岐された鉛直管12に導かれて、熱を吸収しながら重力の作
用も相まって気液二相冷媒が鉛直管12を下向きに移動する過程において効率よく熱交換
されて気相冷媒に変化し、気相冷媒は室外機90に導かれる。
なお、冷房時においては、輻射式熱交換器R1により生じる空気の流れが上記暖房時と
逆方向となるが、他の作用については暖房時と大体において同じである。
このように、本実施の形態に係る輻射式熱交換器R1によれば、上記のような輻射熱の
反射、放出を繰り返しながら、室内空気の対流を良好に行うことができるので、室内は空
気の対流により移動する熱及び輻射熱によって良好に加熱又は冷却され、室内全体の空調
を効率的且つ効果的に行うことができる。
(空気調和装置A1の作用)
上記作用と機能性を有する輻射式熱交換器R1を備えた空気調和装置A1は、次のよう
に作用する。
まず、暖房時においては、冷凍サイクルにより圧縮機94で高温(例えば60〜80℃
程度)、高圧となった気相冷媒が、四方切替弁95を通って、まず、輻射式熱交換器R1
に供給される。これにより、発熱体1の温度が比較的短い時間で冷媒の温度に達し、輻射
式熱交換器R1は、発熱体1の表面温度に応じた輻射熱を放出する。
なお、輻射式熱交換器R1からの輻射熱は、利用者の体感に直接作用できるので、上記
のように輻射式熱交換器R1で室内空気の対流が促進されることとも相まって、エアコン
9単体で暖房を行う場合と比較して、快適性が得られるまでの空調の立ち上がりが早くな
る。また、床面5や壁面8、天井面6、あるいは人体に直接輻射熱が伝播することで、足
元から温かさが得られ、エアコン9の調節により温度を低く設定しても温かく感じられる
ので、結果的に省エネルギーとなる。
そして、輻射式熱交換器R1を通った気相冷媒は、放熱によって5〜10℃程度温度が
低下した高温、高圧の気相冷媒として、凝縮器となる室内機91へ送られ、室内機91は
室内側熱交換器97によって室内空気との熱交換を行い、冷媒が凝縮し放熱することで暖
房を行う。
また、冷房時においては、四方切替弁95の切替により、上記暖房時とは逆の冷凍サイ
クルとなる。すなわち、室外機90の室外側熱交換器93で液化し発熱した液相冷媒を膨
張弁96で減圧膨張させ、これにより生じた低温の気液二相状態の冷媒を、まずエアコン
9の室内機91に供給し、室内機91を蒸発器として作用させ、室内空気の熱を奪って冷
房を行う。そして、室内機91から気液二相状態の冷媒を輻射式熱交換器R1へ送り、輻
射式熱交換器R1を蒸発器として作用させ、冷媒を再気化させることで室内空気の熱を奪
い発熱体1からの冷熱の輻射によって輻射冷房を行う。
輻射式熱交換器R1による室内空気との熱交換により、冷媒を再気化させることで、発
熱体1の温度がより低下する。また、冷媒は完全に気化し、昇圧された冷媒は圧縮機94
に導入され、更に圧縮されるが、気相冷媒の圧力は高くなっているため圧縮機94にかか
る負荷は比較的軽い。そして、冷媒を高温高圧の気相冷媒として凝縮器である室外側熱交
換器93に送ることで、上記のように圧縮機の負荷を軽減しながらも、より低い温度でも
効率よく凝縮できるので、エアコン9のヒートポンプとしての効率も高まり、省エネルギ
ーとなる。
また、圧縮機94においては、気化が促進された低温低圧の気相冷媒を吸引することに
より、圧縮機94の負担を軽減し、この点からも省エネルギーとなる。端的にいえば、空
気調和装置A1は、従来、空調に利用されずに無駄になっていた熱エネルギーを、輻射式
熱交換器R1を採用することで有効に利用して、エアコン9のヒートポンプとしての効率
を上げたものである。
つまり、室内の熱エネルギーを利用して冷媒の相変化のために消費させて、室内空気の
温度を下げることができるので、今まで潜熱エネルギーが残った状態で圧縮機94に戻っ
ていた気液二相冷媒の未利用エネルギーを利用することが可能になり、その分効率が上が
る。更に、輻射式熱交換器R1で気液二相冷媒が蒸発して再気化することにより、圧縮機
94に供給される前に低温のガスとなって圧力が高まった状態で供給されるので、圧縮機
94の運転を助けることになると同時に、冷媒の液相が逆流することを抑制し、圧縮機9
4の寿命も伸ばすことができる。また、気液分離器(アーキュムレータ)の容積を小さく
して小型化することができる。
また、冷房運転においては、エアコン9と輻射式熱交換器R1のうち、エアコン9を優
位に動かす、いわゆるハイブリッド運転が可能になり、従来のような輻射パネルによる空
調の立ち上がりの遅さを改善することができる。また、その後の輻射熱(冷熱)の作用で
、床面5や壁面8、天井面6の温度が徐々に下がり、これらからの輻射熱が相乗して利用
者の体感に作用するので、エアコン9を弱い運転としても快適性を得ることができる。
なお、空気調和装置A1の運転においては、上記各運転モード、すなわち(1)エアコ
ン9と輻射式熱交換器R1を同時に運転するモード、(2)輻射式熱交換器R1の運転を
停止し、エアコン9のみを運転するモード、(3)エアコン9の運転を停止し、輻射式熱
交換器R1のみを運転するモードの他、輻射式熱交換器R1のみを運転するモードについ
ては、(4)エアコン9と輻射式熱交換器R1を運転している状態でエアコン9の室内機
91側のファン970を停止させる(止める)方法もある。
上記(4)の場合の、空気調和装置A1の運転状態及び作用を説明する。
空気調和装置A1において、制御部99の制御によって上記バルブV5、V6を閉じ、
他のバルブV1、V2、V3、V4を開けておき、エアコン9と輻射式熱交換器R1を同
時に運転するハイブリッド運転を行う。そして、室内の空調が整い、室温が設定温度に達
したところで、室内機91側のファン970を停止させる。
なお、エアコンだけで空調を行う場合は、冷房時においては、室温が設定温度に達する
と、設定温度を維持するために、冷凍サイクルとファンを併用して省エネルギー運転を行
い、最終的にはファンを停止させ、更に冷凍サイクルも停止する。つまり、ファンを停止
させると室内側熱交換器が蒸発器として機能しないので、冷凍サイクルも停止せざるを得
ない。
仮に、設定温度を維持するために、冷凍サイクルを停止した状態でファンにより送風を
行うと、蒸発器に結露した水分の影響で、湿度が高い不快な風となり、冷房されている室
内空気に悪影響を及ぼすことになる。また、ファンと冷凍サイクルの運転と停止を繰り返
す運転は、消費電力が大きい冷凍サイクルの起動を繰り返すことになるので、多くの無駄
なエネルギーを消費することになる。
これに対し、空気調和装置A1は、無動力である輻射式熱交換器R1が、室内機91の
ファン970が停止していても、冷房時においては蒸発器として作動するので、冷凍サイ
クルを維持することができる。これにより、空気調和装置A1は、実質的に輻射式熱交換
器R1のみを運転して快適性を維持する省エネルギー運転を行うことができる。
また、ファン970を停止させることで、モーターノイズや風切り音がなく、静寂性が
得られ、エアコン9の送風(冷風)による不快なドラフト感や冷え過ぎも防止できる。
更には、輻射式熱交換器R1からの輻射熱による熱移動によって、床壁天井、人体、備
品等の温度が下がり、室内の上下で温度ムラが少なくなって快適性が向上するのは上記し
た通りである。
輻射熱は、体感に直接作用するため、同じ室温でもより涼しく感じられる。また、上記
のようにエアコン9の送風を停止できるので、そのような制御を行うことで、消費電力が
低減され、省エネルギーに寄与できる。更に、発熱体1の冷却作用により室内空気の除湿
を行うことができ、湿度を低下させることで、快適性が得られる。
なお、エアコンだけで空調を行う場合、暖房時においては、室温が設定温度に達すると
、設定温度を維持するために、冷凍サイクルとファンを併用して、温度維持のために省エ
ネルギー運転を行い、最終的にはファンを停止し、更に冷凍サイクルも停止する。つまり
、ファンを停止させると室内側熱交換器が凝縮器として機能しないので、冷凍サイクルも
停止せざるを得ない。
仮に、設定温度を維持するために、冷凍サイクルを停止した状態でファンにより送風を
行うと、不快なドラフト感のある温度が低い風となり、暖房されている室内空気に悪影響
を及ぼすことになる。また、ファンと冷凍サイクルの運転と停止を繰り返す運転は、消費
電力が大きい冷凍サイクルの起動を繰り返すことになるので、多くの無駄なエネルギーを
消費することになるのは上記冷房の場合と同様である。
これに対し、空気調和装置A1は、無動力の輻射式熱交換器R1が、室内機91のファ
ン970が停止していても暖房時においては凝縮器として作動するので、冷凍サイクルを
維持することができる。これにより、空気調和装置A1は、実質的に輻射式熱交換器R1
のみを運転して快適性を維持する省エネルギー運転を行うことができる。
また、ファン970を停止させることで、モーターノイズや風切り音がなく、静寂性が
得られ、エアコン9の送風(温風)による不快なドラフト感や冷え過ぎも防止できる。
更には、輻射式熱交換器R1からの輻射熱による熱移動によって、床壁天井、人体、備
品等の温度が上がり、室内の上下で温度ムラが少なくなって快適性が向上するのは上記冷
房の場合と同様である。なお、輻射熱は、体感に直接作用するため、同じ室温でもより温
かく感じられる。
このような、エアコンと輻射式熱交換器を同時に運転してハイブリッド運転を行い、そ
の状態からエアコンのファンを停止させて実質的に輻射式熱交換器のみを運転する制御は
、後で説明する空気調和装置A2、A3、A4、A5及びA6でも同様に行うことができ
る。
また、空気調和装置A1の運転において、エアコン9のみによる冷房及び暖房と、エア
コン9と輻射式熱交換器A1による冷房及び暖房を行い、それぞれについてPMVの評価
を行った。PMV(Predicted Mean Vote)とは、予想平均温冷感申告のことで、デンマー
ク工科大学のFanger教授によって発表された理論であり、人間が感じる温冷感の指標であ
る。PMV値を計算することによって、温度環境に関する六要素(空気温度、平均輻射温
度、風速、相対湿度、着衣量、代謝量)の組み合わせに対する快適度を求めることができ
る。
PMVの計算式は次の通りである。

PMV=(0.303e-0.036M+0.028)×M−W-Ed-Es-Ere-Cre-R-C)

M:代謝量(W/m2) Ere:呼吸による潜熱損失量(W/m2)
W:機械的仕事量(W/m2) Cre:呼吸による顕熱損失量(W/m2)
Ed:不感蒸泄量(w/m2) R:放射熱損失量(W/m2)
Es:皮膚面よりの蒸発熱損失量(w/m2
C:対流熱損失量(W/m2)

夏期0.6(半袖)と1.1(椅子座)、
冬期1.0(背広)と1.1(椅子座)、を想定。
(条件)
エアコン冷房 (室温24.2℃:グローブ温度27℃:風速0.10m/s:湿度52.8%)
エアコン+輻射冷房(室温24.2℃:グローブ温度26℃:風速0.10m/s:湿度51.6%)
エアコン暖房 (室温30.6℃:グローブ温度31℃:風速0.10m/s:湿度40.0%)
エアコン+輻射暖房(室温30.6℃:グローブ温度31.8℃:風速0.10m/s:湿度41.9%

PMV評価は、−3〜+3までの数値で表され、PMV値±0を中立状態とし、数値が
より大きくなると、より暖かいか、又は暑いと感じる評価となり、数値がより小さくなる
と、より涼しいか、又は寒いと感じる評価になる。
指標としては、−3:寒い、−2:涼しい、−1:やや涼しい、±0:どちらでもない
、1:やや温かい、2:温かい、3:暑い、とされる。
(冷房時の結果)
エアコンのみによる冷房・・・・・・・・・・・・・PMV=0.25
エアコンと輻射式熱交換器による冷房・・・・・・・PMV=0.09
このように、エアコン9と輻射式熱交換器R1を連動して運転した方が、エアコン単独
運転よりも数値が低くなっており、より涼しさを感じるという結果となった。
これは、冷房時、輻射式熱交換器R1の冷熱輻射(吸熱作用)と、除湿作用によって湿
度が低下したことも要因と考えられる。すなわち、輻射式熱交換器R1の冷熱輻射作用と
空気の流れによる発熱体1との熱交換により表面に結露した水分をドレンパン15に集め
、水分は屋外に排出されるので、湿度が低下し、双方が相まって快適性が向上すると思わ
れる。
(暖房時の結果)
エアコンのみによる暖房・・・・・・・・・・・・・PMV=1.99
エアコンと輻射式熱交換器による暖房・・・・・・・PMV=2.10
このように、輻射式熱交換器を連動して運転した方が、エアコン単独運転よりも数値が
高くなっており、より暖かさを感じるという結果となった。
また、冷房時、エアコン9の室内機91を蒸発器とし、室内空気の熱で加温されて一部
液相(気液二相)となった冷媒は、例えば7℃から15℃程度であり、この冷媒を輻射式
熱交換器R1の発熱体1に通すため、発熱体1が凍結することはない。さらに、輻射式熱
交換器R1の発熱体1で加温されることで冷媒の蒸発が促進され、気化が充分に行われる
ので、圧縮機94にかかる負荷が軽減され、圧縮機94の寿命を延ばすことに貢献できる
と共に省エネルギーになる。
空気調和装置A1は、輻射式熱交換器R1による無風、無音の輻射冷暖房の機能が発揮
される分だけ、床面5や壁面8、天井面6の温度むらが低減され、室内機91の風量を下
げても充分に快適性が得られるので、室内機91からの大風量による不快なドラフトを抑
制することができる。これにより、室内機91側の室内側熱交換器97のファン970の
運転を抑制することが可能になり、ファン970のモーターの寿命が延び、延いては室内
機91の寿命を延ばすことができる。
図7を参照する。
空気調和装置A2は、店舗等で多く使用されるマルチエアコン9aと、二台の輻射式熱
交換器R1を備えている。マルチエアコン9aは、室外機90aと、室外機90aに並列
につながれた各室内に設置される二台の室内機91a、91bを有している。また、各輻
射式熱交換器R1、R1は、上記空気調和装置A1の輻射式熱交換器R1と同様に床5と
天井6の間に設置されている。
また、本実施の形態では、輻射式熱交換器は、室内機一台当たり一台を設置しているが
、室内機一台当たり複数台を直列又は並列に接続して設置することもできる。
なお、空気調和装置A2は、室内機91a、91bと輻射式熱交換器R1、R1をそれ
ぞれ二台有する点で上記空気調和装置A1とは相違しているが、各室内の室内機91a、
91bと輻射式熱交換器R1、R1、それらをつなぐ配管92a、92b、92c及び各
バルブV1〜V6を有する構造は、上記空気調和装置A1と同様であるので、構造につい
ての説明は省略する。
また、本実施の形態では、輻射式熱交換器は、室内機一台当たり一台を設置しているが
、室内機一台当たり複数台を直列又は並列に接続して設置することもできる。
なお、空気調和装置A2は、それぞれ二台の室内機91a、91bと輻射式熱交換器R
1、R1を有する点で上記空気調和装置A1とは相違しているが、各室内における室内機
91aと輻射式熱交換器R1及び室内機91bと輻射式熱交換器R1の運転方法及び作用
は、上記空気調和装置A1の室内機91と輻射式熱交換器R1とほぼ同様であるので、運
転方法及び作用の説明は省略する。
図8を参照する。
上記輻射式熱交換器R1は、図8に示す輻射式熱交換器R2で代替することもできる。
輻射式熱交換器R2は、配管がそれぞれ直列型である発熱体1a、1bが、輻射式熱交
換器R1の配管が並列型である発熱体1と構造が異なる以外は、輻射式熱交換器R1とほ
ぼ同様の構造を有している。なお、図8(a)、(b)において、輻射式熱交換器R1と
同等箇所には同一の符号を付して示し、その部分の構造の説明は省略する。
発熱体1a、1bは、輻射式熱交換器R2の正面側と背面側にやや間隔をおいて併設さ
れており、互いに同じ構造である。化粧フレーム2、2aの上端部には、吊り梁部材19
が架設されている。発熱体1a、1bは、上記鉛直管12と同じ扁平管で形成され、上下
端にそれぞれ同じ高さに多数のU字状の折り返し部(符号省略)を有する蛇管である。
なお、上記発熱体1の鉛直管12及び発熱体1a、1bの蛇管状の配管は、内面に長手
方向に並行する複数の条部121を有する管体12a(図6(c)参照)又は条部が形成
されていない管体で形成することもできる。
発熱体1a、1bは、それぞれ上側の折り返し部が、多数の吊具190を介し、吊り梁
部材19に吊設されている。発熱体1a、1bの蛇管状の配管の両端側は、それぞれ吊り
梁部材19を貫通し、各先端部には給排管13、14が接続されている。給排管14、1
3は、配管92a、92bに接続されている。
また、発熱体1a、1bは、上記したような蛇管状であるため、配管が並列型の上記発
熱体1とは相違して、暖房時に高温高圧の気相冷媒を配管の下側から上側へ通し、冷房時
に気液二相冷媒を配管の上側から下側へ通すことにより上記したような効果が得られる優
位性はないが、冷媒を配管の上下どちら側から他方側へ通してもよいので、配管の自由度
が高い。
また、冷媒が配管内を上下に繰り返し移動する過程で、気液二相冷媒の重力による下方
移動と、気相冷媒の重力がほとんど作用しない状態での上方移動が交互に繰り返し行われ
ることになり、冷媒の流通がスムーズに行われ、蒸発器としての熱交換もスムーズに行わ
れる。
なお、蛇管の形態は冷媒の流通方向が上下方向であるものに限定するものではなく、次
に説明する冷媒の流通方向が水平方向の蛇管を採用することもできる。
図9を参照する。
上記輻射式熱交換器R1は、図9に示す輻射式熱交換器R3で代替することもできる。
輻射式熱交換器R3は、配管が冷媒の流通方向が水平方向の蛇管である発熱体1cが、
配管が並列型である発熱体1と構造が異なる以外は、輻射式熱交換器R1とほぼ同様の構
造を有している。なお、図9(a)、(b)において、輻射式熱交換器R1と同等箇所に
は同一の符号を付して示し、その部分の構造の説明は省略する。
発熱体1cは、上記発熱体1の鉛直管12と同じ扁平管で形成され、左右端にそれぞれ
多段にU字状の折り返し部(符号省略)を有する蛇管である。発熱体1cは、化粧フレー
ム2、2aのそれぞれの内側に鉛直に設けられた支持部材29に、左右端の各折り返し部
を取付具(図示省略)で固定することにより支持されている。発熱体1cの蛇管状の配管
の両端部は、給排管13、14に接続されている。そして、給排管14、13は、配管9
2a、92bに接続されている。
なお、発熱体1cの配管は、上記発熱体1a、1bと同様に内面に長手方向に並行する
複数の条部121を有する管体12a(図6(c)参照)又は条部が形成されていない管
体で形成することもできる。
また、発熱体1cは、上記したような蛇管状であるため、上記発熱体1と同様に、暖房
時に高温高圧の気相冷媒を配管の下側から上側へ通し、冷房時に気液二相冷媒を配管の上
側から下側へ通すことにより、発熱体1と同様に上記したような効果が得られる優位性を
備えている。
すなわち、暖房時においては、高温の気相冷媒が給排管14から発熱体1に供給される
ことにより発熱体1は加熱され、温度がより低く上方と温度差が大きい室内下方の床面5
付近の空気をまず加熱するので、熱交換効率がよく、効果的な暖房を行うことができる。
また、気相冷媒は、下部ヘッダー11から分岐された各鉛直管12に導かれて、凝縮し放
熱しながら上向きに移動する。その際には、冷媒が気相であるため、冷媒に重力はほとん
ど作用せず、上方へ円滑に移動できる。
また、冷房時においては、通常上方の天井付近の温度が高く、再気化するための熱エネ
ルギーが大きいので、冷媒を発熱体1cの上部の給排管13から配管に導入することによ
り熱効率がよくなる。また、気液二相冷媒が、配管に導かれて熱を吸収しながら重力の作
用で配管を下向きに移動する過程において、効率よく熱交換されて気相冷媒に変化し、気
相冷媒は室外機90に導かれる。
図10及び図11を参照する。
なお、図10(a)、(b)において、上記輻射式熱交換器R1と同一または同等箇所
には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
上記輻射式熱交換器R1は、図10に示す輻射式熱交換器R4で代替することができる

輻射式熱交換器R4は、発熱体1dの構造が上記発熱体1と異なるだけで、他の部分の
構造は輻射式熱交換器R1と同じである。なお、発熱体1dは、配管が並列型であるが、
これに限定するものではなく、配管を、直列型であり冷媒の流通方向が縦方向又は横方向
の蛇管状とすることもできる。
発熱体1dに使用されている鉛直管である管体12a(図6(c)の管体と同じもの)
は、熱交換効率を高めるための熱伝導性に優れたアルミニウム製の外殻体18で覆われて
いる。外殻体18は、互いに同じ形状の殻部材181、182で構成されている。殻部材
181、182は、図11(b)に示すように嵌合部(符号省略)で嵌め合わせることで
、横断面の外形がやや扁平なほぼ楕円形状となるように形成されている。殻部材181、
182のそれぞれの嵌合部には、それぞれ管体12aの外形(外表面)に密着するように
合わさる凹面部(符号省略)を有している。殻部材181、182のそれぞれには、空隙
183、184が長手方向に、かつ互いに独立して形成されている。なお、空隙183、
184は本実施の形態では密封されているが、外気と通じていてもよい。
殻部材181、182の外表面(嵌合時の外表面)には、多数の凹凸185を有するロ
ーレット加工が施されており、表面積をより広くして熱交換効率を上げるようにしている
。図11(b)に示すように、殻部材181、182を各凹面部で管体12aを保持する
ように嵌め合わせた状態では、外殻体18と管体12aは、相対的には動くことがない。
そして、管体12aを内包している各外殻体18は、図11(a)に示すように、隣り合
う各外殻体18同士で、互いに放射熱の影響を受けにくいように、外面が相対向しないよ
うにハの字状(又はジグザグ状)に配置されており、この点でも熱交換効率を上げること
ができるようにしている。
図12を参照する。なお、図12中の表記で、EX7は「暖房時」を示し、EX8は「
冷房時」を示し、EX9は「暖房時膨張」を示し、EX10は「冷房時収縮」を示す。
上記輻射式熱交換器R1は、図12に示す輻射式熱交換器R5で代替することもできる
。 輻射式熱交換器R5は、発熱体1の下部に、流れる空気を案内する下部通気案内部材
17を備えており、発熱体1の上部に上部通気案内部材18を備えている。下部通気案内
部材17は、発熱体1の下部ヘッダー管11の長さとほぼ同じ幅で上下方向に所要の長さ
を有する二枚の曲板(符号省略)で構成され、各曲板はドレンパン15の正面側と背面側
に対向して化粧フレーム2、2aに固定されている。
また、上部通気案内部材18は、発熱体1の上部ヘッダー管10の長さとほぼ同じ幅で
上下方向に所要の長さを有する二枚の曲板(符号省略)で構成され、各曲板は上部ヘッダ
ー管10の正面側と背面側に対向して化粧フレーム2、2aに固定されている。なお、下
部通気案内部材17及び上部通気案内部材18の素材は、各種金属又は合成樹脂等である
が、これらに限定はされない。
輻射式熱交換器R5は、下部通気案内部材17及び上部通気案内部材18を備えること
により、空隙39、49における空気の流れが円滑に行われるようになり、本形態ではそ
れぞれ二枚構造である整流板3、3aと整流板4、4aを利用した煙突効果による空気の
流れを更に効率よく行うことができる。
なお、下部通気案内部材17及び上部通気案内部材18には、表面に消臭機能、抗菌機
能、あるいは揮発性有機化合物の吸着分解機能等を有するコーティングを施して、室内空
気清浄化を図ることもできる。
図13を参照する。
上記輻射式熱交換器R1、R2、R3、R4、R5は、図13(a)、(b)に示すよ
うに正面側の整流板3、3aの表面に、広告を表示することもできる。
図13(a)では整流板3aから上側の整流板3にかけて縦方向へ、「ecowin」
のロゴを表現した広告文字7aが印刷されている。図13(b)では、上側の整流板3下
部の表面に幅方向へ「ecowin」のロゴを表現した広告文字7bが印刷されている。
また、背面側の整流板4、4aにも同様に広告文字を印刷することができる。各整流板
に表現するものとしては、広告やサイン(記号や看板表示)、各種デザインに限らず、絵
、写真等、各種アーティスティックな表現を採用することもできる。
これにより、空気の対流を促進する煙突効果を生む機能性に加えて、発熱体1のカバー
としての機能を有する整流板3、3a、3b及び整流板4、4a、4bを広告パネルやサ
インとして活用することができる。すなわち、輻射式熱交換器R1、R2、R3、R4、
R5は、設置する室内空間に大きく露出する形態でもあり、存在感があるので、この露出
する形態を利用することで、より効果的な広告の機能を持たせることができる。
図14を参照する。
以下、図17までは、運転モード切替手段としての配管とバルブの構成のバリエーショ
ンを表したものである。なお、図14ないし図17においては、図1と同様に符号を付与
し、便宜上、バルブの符号に数字を残しているが、その数字に順番、順位又は重要度等の
意味が含まれるものではない。
図14に示す空気調和装置A3は、上記空気調和装置A1の構成からバルブV2を除い
て、使用するバルブを五個としたものであり、他の部分の構成は同じである。
そして、空気調和装置A3において、室外機90と共に室内機91及び輻射式熱交換器
R1を運転する際には、バルブV5、バルブV6を閉じ、バルブV1、バルブV3、バル
ブV4を開けておくようにする。また、室内機91の運転を停止し、輻射式熱交換器R1
のみを運転する際には、バルブV1、バルブV6を閉じ、バルブV3、バルブV4、バル
ブV5を開けておくようにする。更に、輻射式熱交換器R1の運転を停止し、室内機91
のみを運転する際は、バルブV3、バルブV4、バルブV5を閉じ、バルブV1、バルブ
V6を開けておくようにする。
図15を参照する。
図15に示す空気調和装置A4は、上記空気調和装置A1の構成からバルブV2とバル
ブV4を除いて、使用するバルブを四個としたものであり、他の部分の構成は同じである
。なお、本実施の形態では、他にも上記空気調和装置A1の構成からバルブV2とバルブ
V3を除く構成、バルブV1とバルブV3を除く構成、又はバルブV1とバルブV4を除
く構成としても実質的に下記と同様の運転をすることができる。
そして、空気調和装置A4において、室外機90と共に室内機91及び輻射式熱交換器
R1を運転する際には、バルブV5、バルブV6を閉じ、バルブV1、バルブV3を開け
ておくようにする。また、室内機91の運転を停止し、輻射式熱交換器R1のみを運転す
る際には、バルブV1、バルブV6を閉じ、バルブV3、バルブV5を開けておくように
する。更に、輻射式熱交換器R1の運転を停止し、室内機91のみを運転する際は、バル
ブV3、バルブV5を閉じ、バルブV1、バルブV6を開けておくようにする。
図16を参照する。
図16に示す空気調和装置A5は、上記空気調和装置A1の構成から配管92c、バル
ブV1、V2、V3、V4、V5を除いて、使用するバルブをバルブV6の一個としたも
のであり、他の部分の構成は同じである。
そして、空気調和装置A5において、室外機90と共に室内機91及び輻射式熱交換器
R1を運転する際には、バルブV6を閉じるようにする。
また、輻射式熱交換器R1の運転を停止し、室内機91のみを運転する際は、バルブV
6を開けるようにする。これにより、配管92を通る冷媒は、配管92から分岐した配管
92aの接続部と配管92bの接続部の間の経路より長い配管92a、発熱体1の配管1
2及び配管92bは通らず、経路が短い側の配管92aの接続部と配管92bの接続部の
間の経路を通る。更に、室内機91の運転を停止し、輻射式熱交換器R1のみを運転する
際には、バルブV6を閉じた状態で、エアコン9の室内機91側のファン970を停止さ
せる。これにより、室内機91は、室内側熱交換器97の配管に冷媒が通るだけで空調を
行うことはできず、実質的に輻射式熱交換器R1のみが運転することになる。
図17を参照する。
図17に示す空気調和装置A6は、上記空気調和装置A1の構成から配管92c、バル
ブV1、V2、V5を除いて、使用するバルブをバルブV6とバルブV3、バルブV4の
三個としたものであり、他の部分の構成は同じである。なお、本実施の形態においては、
更にバルブV3又はバルブV4を除いた構成としても、実質的に下記と同様の運転をする
ことができる。
そして、空気調和装置A6において、室外機90と共に室内機91及び輻射式熱交換器
R1を運転する際には、バルブV6を閉じ、バルブV3、バルブV4を開けるようにする
。また、輻射式熱交換器R1の運転を停止し、室内機91のみを運転する際は、バルブV
6を開け、バルブV3、バルブV4を閉じるようにする。更に、室内機91の運転を停止
し、輻射式熱交換器R1のみを運転する際には、バルブV6を閉じ、バルブV3、バルブ
V4を開けた状態で、エアコン9の室内機91側のファン970を停止させる。これによ
り、室内機91は、室内側熱交換器97の配管に冷媒が通るだけで空調を行うことはでき
ず、実質的に輻射式熱交換器R1のみが運転することになる。
ところで、一般的に使用されているパッケージエアコンとしては、大別してルームエア
コンとビルマルチエアコンがある。ルームエアコンは主に家庭用で、ビルマルチエアコン
は業務用施設などで多く利用されている。上記輻射式熱交換器R1、R2、R3、R4、
R5は、これらと組み合わせて使用することが想定されており、以下の実験ではインバー
タを備えたエアコンとの組合せ、及びインバータを備えていないエアコンとの組合せで輻
射式熱交換器の能力がどのように発揮されるか、暖房の場合で比較を行った。
実験は、以下の四つのケースで、それぞれ温度の変化(推移)、及び消費電力量の変化
(推移)について行った。
<CASE1>⇒インバータ付きルームエアコンのみの運転による対流式空調。
<CASE2>⇒インバータ付きルームエアコンと輻射式熱交換器の同時運転によるハイブリ
ッド空調。
<CASE3>⇒インバータのないビルマルチエアコンのみの運転による対流式空調。
<CASE4>⇒インバータのないビルマルチエアコンと輻射式熱交換器の同時運転によるハ
イブリッド空調。
(温度変化の比較試験)
○ルームエアコン(インバータ付)での比較
図18を参照する。図18はCASE1のエアコンのみを運転した場合と、CASE2のエアコン
と輻射式熱交換器を同時に運転した場合の室温の変化を示したグラフである。なお、図中
、CASE末尾の(d)は温度の測定点が実験室の中央であり、(e)は温度の測定点が輻射式熱交
換器の正面であることを示している。
実験の条件は次の通りである。
項目 CASE1 CASE2
設定温度℃ 27 24
風量 最小 最小
風向 水平 水平
試験時間min 90 90
外気温度(平均)℃ 9.71 10.2
外気湿度(平均)% 18.1 22.7
(考察)
図18に示すように、30分を経過するまでは、最初の約5分間を除いて、CASE1に比べCA
SE2の温度が高くなっている。つまり、輻射式熱交換器を備えたCASE2の方が室温の立ち上
がりが早いことが分かる。そして、CASE1では、(d),(e)の室温が共に設定温度(27℃)に
達するまで約50分を要したが、CASE2では、室温が設定温度(24℃)に達するのに約15分
しかかからなかった。なお、CASE1では、CASE2の設定温度(24℃)に達するのに25分以
上かかっている。
そして、実験開始直後、CASE2では急速に部屋が温まり、約30分でPMVが0である定常状
態となった。一方、CASE1では、部屋の温まりが遅く、PMVが0となる定常状態までは、約5
0分かかった。この結果から、設定温度の差を加味しても、ハイブリッド式のCASE2の方が
、エアコン単独で対流式のCASE1に比べて高効率であり、快適性に優れていることが分か
った。
○ビルマルチエアコン(インバータなし)での比較
図19を参照する。図19は<CASE3>のビルマルチエアコンのみを運転した場合と、<CA
SE4>のビルマルチエアコンと輻射式熱交換器を同時に運転した場合の室温の変化を示した
グラフである。なお、図中、CASE末尾の(d)は温度の測定点が実験室の中央であり、(g)は
温度の測定点が輻射式熱交換器の正面であることを示している。
実験の条件は次の通りである。
項目 CASE3 CASE4
設定温度℃ 27 27
風量 最小 最小
風向 水平 水平
試験時間min 90 90
外気温度(平均)℃ 10.5 11.8
外気湿度(平均)% 75.2 69.9
(考察)
輻射式熱交換器の正面に位置する測定点(g)においては、ビルマルチエアコンのみが運
転しているCASE3と、ビルマルチエアコンと輻射式熱交換器が一緒に運転しているCASE4の
温度の推移には、それ程大きな差は認められなかった。また、実験室中央である測定点(d
)においても、CASE3とCASE4では、同様にほとんど差が認められなかった。更に、温度上
昇の速度についても、ルームエアコンの場合のような顕著な違いは確認できなかった。
このようなルームエアコンとの結果の違いは、インバータの有無に起因すると考えられ
る。ビルマルチエアコンと輻射式熱交換器のハイブリッド空調では、コンプレッサが停止
するのに伴って輻射式熱交換器の運転も停止している。よって、輻射熱の放出が充分では
ないために、ルームエアコンのような顕著なデータが得られなかったと思われる。
(消費電力量の比較試験)
○ルームエアコン(インバータ付)での比較
図20を参照する。図20は、空気調和装置のエアコンのみを運転した場合と、エアコ
ンと輻射式熱交換器を同時に運転した場合の消費電力の変化を示したグラフである。なお
、図20中の表記で、EX11は「消費電力量」を示す。
実験の条件は次の通りである。
項目 CASE1 CASE2
設定温度℃ 27 24
風量 最小 最小
風向 水平 水平
試験時間min 90 90
外気温度(平均)℃ 9.71 10.2
外気湿度(平均)% 18.1 22.7
グローブ温度(定常時)℃ 24 23.5
室温(定常時)℃ 25.8 24.4
PMV(定常時) 0.087442 0.085886
(考察)
初動状態,定常状態の両方で、輻射式熱交換器をエアコンと同時に運転したCASE2の方
が、エアコンのみを運転したCASE1に比べて消費電力量が少ないことが確認できた。本分
析は、初動状態と定常状態を合わせた場合の消費電力量を比較し、輻射式熱交換器の設置
による省エネルギー効果を定量的に示すものである。そして、運転開始から90分間の消費
電力量の総量では、以下に示すように、CASE2はCASE1に比べて約34%の削減となった。
CASE1 CASE2 削減効果%
消費電力量 kWh/90分 1.103 0.73 33.8
○ビルマルチエアコン(インバータなし)での比較
図21を参照する。図21は、空気調和装置のビルマルチエアコンのみを運転した場合
と、ビルマルチエアコンと輻射式熱交換器を同時に運転した場合の消費電力の変化を示し
たグラフである。なお、図21中の表記で、EX11は「消費電力量」を示す。
実験の条件は次の通りである。
項目 CASE3 CASE4
設定温度℃ 27 27
風量 最小 最小
風向 水平 水平
試験時間min 90 90
外気温度(平均)℃ 10.49 11.8
外気湿度(平均)% 75.2 69.9
グローブ温度(定常時)℃ 23.3 23.8
室温(定常時)℃ 24.5 24.4
PMV(定常時) 0.015546 0.039101
(考察)
運転開始から90分間の消費電力量の総量では、削減効果は見られなかった。これは、ビ
ルマルチエアコンにはインバータ機能がないため、輻射式熱交換器からの輻射熱が充分に
発せられなかったためだと考えられる。
CASE3 CASE4 削減効果%
消費電力量 kWh/90分 1.566 1.686 -8
上記のように、インバータを備えたルームエアコンでは、充分に輻射式熱交換器の効果
を確認できた。一方で、インバータのないビルマルチエアコンにおいては、温度変化比較
試験,消費電力量比較試験の両試験で輻射式熱交換器の有無の差異がほとんど見られず、
輻射式熱交換器の効果を確認できなかった。
すなわち、輻射式熱交換器は、停止状態になることが少なく輻射式熱交換器から持続的
に輻射熱を生じさせることができるインバータ付きのエアコンと組み合わせることによっ
て、機能を充分に発揮できることが分かった。また、上記実験は暖房で行ったが、冷房の
場合も、輻射式熱交換器の機能を充分に発揮させるにはインバータ付きのエアコンを使用
すべき点において、同様の結果が推定できる。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定
的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外
する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形が可能であるというこ
とは言うまでもない。
A1 空気調和装置
9 エアコン
90 室外機
91 室内機
92 配管
92a、92b、92c 配管
93 室外側熱交換器
930 ファン
94 圧縮機
95 四方切替弁
96 膨張弁
97 室内側熱交換器
970 ファン
98 配管
99 制御部
V1、V2、V3、V4、V5、V6 バルブ
R1 輻射式熱交換器
1 発熱体
10 上部ヘッダー管
11 下部ヘッダー管
12 鉛直管
120 流路
13 給排管
14 給排管
15 ドレンパン
16 ドレン管
160 排水管
12a 配管
121 条部
2、2a 化粧フレーム
20、21 下部固定用部材
22、23 上部固定用部材
24、25 取付具
26 補強部材
27 上部開口部
28 下部開口部
3、3a、3b 整流板
30 輻射熱通過孔
31 反射面
39 空隙
4、4a、4b 整流板
40 輻射熱通過孔
41 反射面
49 空隙
5 床面
50 下部隙間
6 天井面
60 上部隙間
7a、7b 広告文字
8 壁面
R2 輻射式熱交換器
1a、1b 発熱体
19 吊り梁部材
190 吊り具
R3 輻射式熱交換器
1c 発熱体
29 支持部材
R4 輻射式熱交換器
1d 発熱体
18 外殻体
181、182 殻部材
183、184 空隙
185 条部
R5 輻射式熱交換器
17 下部通気案内部材
18 上部通気案内部材
A2 空気調和装置
9a マルチエアコン
90a 室外機
91a、91b 室内機
A3 空気調和装置
A4 空気調和装置
A5 空気調和装置
A6 空気調和装置

Claims (19)

  1. 圧縮機、膨張弁、流路切替弁、室内側熱交換器及び室外側熱交換器を配管接続し冷媒を
    循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路を有し、前記室内側熱交換器で冷媒と熱交換され
    た空気をファンによって室内に供給するエアコンと、
    該エアコンの前記冷媒回路に組み込まれた発熱体を有する輻射式熱交換器と、
    該輻射式熱交換器の前記発熱体を間に挟み前記発熱体の表面との間に空隙を設けて該表
    面を覆い、内面は前記発熱体から輻射される輻射熱を反射する反射面となっており、内外
    面を貫通し輻射熱及び空気が通過する輻射熱通過部を有し、煙突効果により空気の対流を
    促進する整流板とを備える
    空気調和装置。
  2. 前記輻射式熱交換器が、前記発熱体の配管を前記冷媒回路の配管に対し直列に接続して
    配されている
    請求項1の空気調和装置。
  3. 前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
    運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
    運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段と
    を備える
    請求項1の空気調和装置。
  4. 前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
    運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
    運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段を
    備え、
    前記運転モード切替手段は、
    前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の配管と、
    該第1の配管がその経路に有する第1のバルブと、
    前記流路切替弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、該第2の配管が経路中
    に有する第2のバルブと、
    一端側が前記第2の配管に接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一
    端側に接続されている第3の配管と、
    該第3の配管が経路中に有する第3のバルブと、
    一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され、他端側が前記第
    2の配管の前記第2のバルブより前記流路切替弁寄りに接続されている第4の配管と、
    該第4の配管がその経路中に有する第4のバルブと、
    一端側が前記第2の配管の前記第2のバルブより前記流路切替弁寄りに接続され、他端
    側が前記第1の配管の前記第1のバルブより前記膨張弁寄りに接続されている第5の配管
    と、
    該第5の配管がその経路中に有する第5のバルブと、
    前記第2の配管が、前記第4の配管と前記第3の配管の接続部の間の経路中に有する第
    6のバルブとを備える
    請求項1の空気調和装置。
  5. 前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
    運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
    運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段を
    備え、
    前記運転モード切替手段は、
    前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の配管と、
    前記流路切替弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、
    一端側が前記第2の配管に接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一
    端側に接続されている第3の配管と、
    一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され、他端側が前記第
    2の配管の前記第3の配管の接続部より前記室内側熱交換器寄りに接続されている第4の
    配管と、
    一端側が前記第2の配管の前記第4の配管の接続部近傍に接続され、他端側が前記第1
    の配管に接続されている第5の配管と、
    該第5の配管がその経路中に有するバルブと、
    前記第2の配管が、前記第4の配管と前記第3の配管の接続部の間の経路中に有するバ
    ルブとを備え、
    前記第1の配管と前記第2の配管のうち何れか一方が経路中にバルブを有するか、又は
    前記第3の配管と前記第4の配管のうち何れか一方が経路中にバルブを有する
    請求項1の空気調和装置。
  6. 前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
    運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
    運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段を
    備え、
    前記運転モード切替手段は、
    前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の配管と、
    前記流路切替弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、
    一端側が前記第2の配管に接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一
    端側に接続されている第3の配管と、
    一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され、他端側が前記第
    2の配管の前記第3の配管の接続部より前記室内側熱交換器寄りに接続されている第4の
    配管と、
    一端側が前記第2の配管の前記第4の配管の接続部近傍に接続され、他端側が前記第1
    の配管に接続されている第5の配管と、
    該第5の配管がその経路中に有するバルブと、
    前記第2の配管が、前記第4の配管と前記第3の配管の接続部の間の経路中に有するバ
    ルブとを備え、
    前記第1の配管と前記第2の配管のうち何れか一方が経路中にバルブを有すると共に前
    記第3の配管と前記第4の配管のうち何れか一方が経路中にバルブを有する
    請求項1の空気調和装置。
  7. 前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
    運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
    運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段を
    備え、
    前記運転モード切替手段は、
    前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の配管と、
    前記流路切替弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、
    一端側が前記第2の配管に分岐するように接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発
    熱体の配管の一端側に接続されている第3の配管と、
    一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され、他端側が前記第
    2の配管に分岐するように接続されている第4の配管と、
    前記第2の配管が、前記第3の配管の接続部と前記第4の配管の接続部の間の経路中に
    有するバルブとを備え、
    前記第3の配管、前記発熱体の配管及び前記第4の配管を合わせた経路の長さが前記第
    3の配管の接続部と前記第4の配管の接続部の間の経路の長さより長く形成されている
    請求項1の空気調和装置。
  8. 前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
    運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
    運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段を
    備え、
    前記運転モード切替手段は、
    前記膨張弁と前記室内側熱交換器とをつなぐ第1の配管と、前記流路切替弁と前記室内
    側熱交換器とをつなぐ第2の配管と、
    一端側が前記第2の配管に接続され、他端側が輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の一
    端側に接続されている第3の配管と、
    一端側が前記輻射式熱交換器の前記発熱体の配管の他端側に接続され、他端側が前記第
    2の配管に接続されている第4の配管と、
    前記第2の配管が、前記第3の配管の接続部と前記第4の配管の接続部の間の経路中に
    有するバルブと、
    前記第3の配管又は前記第4の配管のうち何れか一方又は双方が経路中に有するバルブ
    とを備える
    請求項1の空気調和装置。
  9. 前記発熱体が複数の配管を有し、該各配管が前記冷媒回路を構成する配管に並列に接続
    され、冷媒の流通方向が上下方向であり、冷房時には気液二相冷媒が発熱体の配管の上側
    から下側へ通るように、暖房時には気相冷媒が発熱体の配管の下側から上側へ通るように
    してある
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  10. 前記発熱体の配管が、前記冷媒回路を構成する配管に直列に接続された冷媒の流通方向
    が上下方向の蛇管状である
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  11. 前記発熱体の配管が、前記冷媒回路を構成する配管に直列に接続された冷媒の流通方向
    が水平方向の蛇管状であり、冷房時には気液二相冷媒が発熱体の配管の上側から下側へ通
    るように、暖房時には気相冷媒が発熱体の配管の下側から上側へ通るようにしてある
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  12. 前記各整流板の両側端部に前記各整流板を接続する端部材を配して上部と下部が開口し
    た筒状体を形成し、該筒状体で前記発熱体を内包している
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  13. 前記エアコンが、前記室外側熱交換器一台に対し配管を並列につないだ複数の室内側熱
    交換器を有するマルチエアコンであり、前記輻射式熱交換器を、前記複数の室内側熱交換
    器のそれぞれに対応させて一又は複数を設置した
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  14. 前記エアコンが、前記圧縮機をインバータ制御するインバータエアコンである
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  15. 前記発熱体の配管が、内部に長手方向に並行する複数の流路を有する扁平管又は内面に
    長手方向に並行する複数の条部を有する管である
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  16. 前記発熱体の上方側又は下方側あるいは上方側及び下方側に、前記整流板の内側の前記
    空隙に出入りする空気が円滑に流れるよう案内する通気案内部材が配置されている
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  17. 前記発熱体の表面に、ローレット加工、アルマイト加工、放熱用コーティング、遠赤外
    線放出用コーティング及び消臭機能、抗菌機能又は揮発性有機化合物の吸着分解機能を有
    するコーティングから選ばれた一又は複数の加工又はコーティングを施している
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  18. 前記整流板の表面に、広告又はアート画像が表示されている
    請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の空気調和装置。
  19. 圧縮機、膨張弁、流路切替弁、室内側熱交換器及び室外側熱交換器を配管接続し冷媒を
    循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路を有し、前記室内側熱交換器で冷媒と熱交換され
    た空気をファンによって室内に供給するエアコンと、
    該エアコンの前記冷媒回路に組み込まれた発熱体を有する輻射式熱交換器と、
    該輻射式熱交換器の前記発熱体を間に挟み前記発熱体の表面との間に空隙を設けて該表
    面を覆い、内面は前記発熱体から輻射される輻射熱を反射する反射面となっており、内外
    面を貫通し輻射熱及び空気が通過する輻射熱通過部を有し、煙突効果により空気の対流を
    促進する整流板と、
    前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転する第1の運転モード、前記エアコンのみを
    運転する第2の運転モード及び前記輻射式熱交換器のみを運転する第3の運転モードの各
    運転モードを自動又は手動で何れか一つの運転モードに切り替える運転モード切替手段と
    を備える空気調和装置において、
    前記第1の運転モードで前記エアコンと前記輻射式熱交換器を運転しているときに、前
    記エアコンの前記ファンを停止させて、実質的に前記輻射式熱交換器のみの運転を行う
    空気調和装置の運転方法。
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