JP2015024937A - グラファイト膜の製造方法およびグラファイト構造体 - Google Patents

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総一郎 大久保
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Risa Utsunomiya
里佐 宇都宮
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勇吾 東
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Junichi Fujita
淳一 藤田
勝久 村上
Katsuhisa Murakami
勝久 村上
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Abstract

【課題】小規模な製造設備でグラファイト膜を簡易かつ効率良く製造することができるグラファイト膜の製造方法およびグラファイト構造体を提供する。
【解決手段】この発明に従ったグラファイト膜の製造方法は、ベース体10の表面にガリウム体20を配置する工程と、ベース体10に炭素を含有する原料ガスを供給するとともに、ベース体10を加熱することにより、ガリウム体20が加熱されて得られた液体ガリウムとベース体10との界面にグラファイト膜を成長させる工程とを備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、グラファイト膜の製造方法およびグラファイト構造体に関し、より特定的には、触媒としてガリウムを用いたグラファイト膜の製造方法およびグラファイト構造体に関する。
従来、グラファイト膜の製造方法として、ガリウムを触媒としたグラファイト化反応により、炭素源の表面にグラファイト膜を成長させる方法が提案されている(たとえば特許文献1参照)。
特開2010−37128号公報
上記の特許文献1に開示される製造方法では、アモルファスカーボンからなる炭素源の表面にガリウム蒸気を接触させることによって、その表面をグラファイト化させる。そのため、従来の製造方法においては、反応管内部に液体ガリウムを充填したアルミナ容器を配置するとともに、このアルミナ容器を加熱するためのヒータを配置することによって、石英反応管内部にガリウム蒸気を発生させている。
しかしながら、従来の製造方法では、液体ガリウムを蒸気化させるための加熱機構や、ガリウム蒸気を炭素源が設置される反応管内部に送り込むための装置などが必要となるため、製造設備が大掛かりな構成となっていた。
また、反応管内部にガリウム蒸気を送り込むため、反応管内部がガリウム蒸気によって汚染されてしまい、装置のクリーニングに手間がかかるといった問題があった。
さらに、グラファイト膜の成長に使用したガリウムを再利用することができないため、製造コストがかさむという問題があった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、小規模な製造設備でグラファイト膜を簡易かつ効率良く製造することができるグラファイト膜の製造方法およびグラファイト構造体を提供することである。
この発明に従ったグラファイト膜の製造方法は、ベース体の表面にガリウム体を配置する工程と、ベース体に炭素を含有する原料ガスを供給するとともに、ベース体を加熱することにより、ガリウム体が加熱されて得られた液体ガリウムとベース体との界面にグラファイト膜を成長させる工程とを備える。
この発明に従ったグラファイト構造体は、上記グラファイト膜の製造方法によって製造される。グラファイト構造体は、ベース体と、ベース体の表面の少なくとも一部に形成されたグラファイト膜とを備える。
この発明によれば、小規模な製造設備でグラファイト膜およびグラファイト構造体を簡易かつ効率良く製造することができる。
本発明の実施の形態によるグラファイト膜の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図1に示した加熱工程および成長工程を説明するための模式図である。 形成されたグラファイト膜を説明するための断面模式図である。 図1に示した成長工程の変形例を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態によるグラファイト構造体の製造方法を説明するための断面模式図である。 本発明の実施の形態によるグラファイト構造体の製造方法により製造されたグラファイト構造体の一例を説明するための断面模式図である。 比較例によるグラファイト構造体の製造方法を説明するための断面模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明については繰り返さない。
<グラファイト膜の製造方法>
図1〜図2を参照して、本発明の実施の形態によるグラファイト膜の製造方法を説明する。
図1は、本発明の実施の形態によるグラファイト膜の製造方法を説明するためのフローチャートである。図2は、図1に示した加熱工程(S30)および成長工程(S40)を説明するための模式図である。
図1を参照して、まず、グラファイト膜が形成されるベース体の準備工程(S10)を実施する。ベース体としては、導電膜形成基板として用いられる従来周知のものを使用可能であり、たとえばシリコン(Si)、シリカ(SiO)、ジルコニア(ZrO)などを用いることができる。あるいは、石英ガラス、サファイア、アルミナ(Al)などを用いてもよい。本実施の形態では、一例として、シリコン基板12と、シリコン基板12上に配置されたシリカ膜14とを含むベース体10を用いる。
次に、図1に示すガリウム体の配置工程(S20)を実施する。この配置工程(S20)では、図2に示すように、ベース体10の表面にガリウム体を配置する。なお、ガリウム体は、液体ガリウムおよび固体ガリウムのいずれであってもよい。ガリウム体に液体ガリウムを用いる場合、図2に示すように、ベース体10の表面に液体ガリウム20を塗布する。液体ガリウム20の塗布方法には、融点(29.76℃)以上に加熱することで液状化したガリウムをスポイド等を用いてベース体10の表面に滴下し、塗り広げる方法がある。あるいは、スピンコーティング法、ディップコーティング法などの公知の方法から適宜選択することができる。液体ガリウム20の厚みは、数μmから数mmまでの範囲で調整可能である。
一方、ガリウム体に固体ガリウムを用いる場合、ベース体10の表面に固体ガリウムを載せる。載置された固体ガリウムは、後述する加熱工程(S30)によってベース体10を加熱することにより、液状化されて液体ガリウムとなる。
次に、ベース体10の加熱工程(S30)を実施する。この加熱工程(S30)では、図2に示すように、ガリウム体(液体ガリウム20)が塗布されたベース体10を、石英反応管1の内部に配置する。石英反応管1の外側には、ベース体10を加熱するためのヒータ2が設けられている。ヒータ2としては、任意の加熱機構を用いることができ、たとえば電気炉などを用いてもよい。
図2に示すグラファイト膜の製造装置において、石英反応管1の内部にアルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガスを流通させながらヒータ2を用いてベース体10を加熱する。ベース体10の温度が所定の目標設定温度に到達したとき、図1に示すグラファイト膜の成長工程(S40)を実施する。この成長工程(S40)では、石英反応管1の内部に、アルゴンガスに加えて、グラファイト膜の原料となる炭素を含む原料ガスを供給する。炭素を含む原料ガスとしては、たとえば、メタン(CH)、アセチレン(C)などの炭化水素系ガス、あるいはエタノール(CO)、メタノール(CHO)などのアルコール系ガス、あるいは、一酸化炭素ガスなどを用いることができる。原料ガスの供給時間としては、1秒から1時間程度までの範囲内で設定されることが想定される。
上記の加熱工程(S30)での目標設定温度は、原料ガスの分解に適した温度範囲内の一定の温度に設定される。当該温度範囲としては、たとえば650℃から1000℃までの温度範囲が想定される。
このように炭素を含む原料ガスを供給するとともに、ベース体10を加熱することにより、ベース体10の表面では、液体ガリウム20を触媒としたグラファイト化反応が起こる。図3は、形成されたグラファイト膜を説明するための断面模式図である。グラファイト化反応により、液体ガリウム20とベース体10との界面にグラファイト膜30が成長する。
次に、図1に示すベース体10の冷却工程(S50)を実施する。この冷却工程(S50)では、原料ガスの供給を停止するとともに、ヒータ2を停止する。そして、アルゴンガスを流通させながらベース体10を冷却する。冷却後、ベース体10は石英反応管1から取り出される。
最後に、図1に示すガリウム体の除去工程(S60)を実施する。この除去工程(S60)では、石英反応管1から取り出したベース体10の表面に付着するガリウム体を除去する。ガリウム体の除去方法としては、任意の方法を用いることができる。たとえば、ガリウムを溶解することが可能な薬液(たとえば希塩酸や希硝酸)などを入れた浴槽にベース体10を浸漬する、あるいは当該薬液をベース体10に噴霧する、といった方法を用いることができる。この場合、成長工程(S40)においてベース体10の表面に液体ガリウム20が固化したガリウムが付着しても、当該固化したガリウムをベース体10の表面から除去することができる。このガリウム体を除去したベース体10を水洗浄した後に乾燥させることにより、グラファイト膜30が得られる。
なお、除去したガリウム体を回収することによって、当該ガリウム体を図1のガリウム体の配置工程(S20)において再利用することができる。これにより、グラファイト膜の製造コストを低減できる。
(実施例1,2)
次に、図1に示すグラファイト膜の製造方法を用いてグラファイト膜を製造し、その製造したグラファイト膜について、ラマンスペクトルおよびシート抵抗の測定を行なった。
実施例1では、内径2.6cmの石英管を用意し、石英反応管1とした。この石英反応管1の内部に液体ガリウム20を塗布したベース体10を設置し、ヒータ2によりベース体10を800℃に加熱した。
実施例1では、不活性ガスとしてアルゴン(Ar)ガスを用いるとともに、原料ガスとしてメタン(CH)ガスを用いた。なお、メタンガスおよびアルゴンガスの流量をそれぞれ200sccm,200sccm(流量比=50:50)とした。また、原料ガスの供給時間を30分間とした。
実施例2では、不活性ガスとしてアルゴンガスまたは窒素(N)ガスを用いるとともに、原料ガスとしてアセチレン(C)ガスを用いた。アセチレンガスおよびアルゴンガス(または窒素ガス)の流量をそれぞれ20sccm,380sccm(流量比=1:19)とした。その他の工程は、実施例1と同様に行なった。
これら実施例1,2で得られたグラファイト膜のラマンスペクトルおよびシート抵抗の測定結果は、表1のとおりとなった。
Figure 2015024937
一般に、ラマンスペクトル測定においては、1580cm−1付近にグラファイト構造(sp2結合)に由来のGバンドのピークと、1350cm−1付近に欠陥由来(sp3結合)のDバンドのピークとが現れる。これらのピークの強度比はG/D比と呼ばれ、G/D比が高いほど欠陥量が少ないと評価される。表1を参照して、実施例1ではG/D比が0.7程度のグラファイト膜が得られ、実施例2ではG/D比が0.4程度のグラファイト膜が得られた。
また、グラファイト膜のシート抵抗値は、実施例1が139kΩcm−2であり、実施例2が0.43kΩcm−2であり、いずれのグラファイト膜も導電性を有することが確認された。なお、図1に示すグラファイト膜の製造方法により形成されるグラファイト膜の導電性としては、0.1kΩcm−2〜10kΩcm−2の範囲内のシート抵抗値を有することが想定される。
<変形例>
次に、図4を参照して、図1および図2に示したグラファイト膜の製造方法の変形例を説明する。
図4は、図1に示した成長工程(S40)の変形例を説明するための模式図である。
図4を参照して、本変形例は、基本的に図2に示した製造装置と同様の構成を備えるが、原料ガスを生成するための原料ガス生成部が設けられている点が図2に示した製造装置とは異なっている。この原料ガス生成部は、反応管3と、反応管3の外部に設けられたヒータ4とにより構成される。反応管3の内部に樟脳(C1016O)5を設置し、ヒータ4を用いて反応管3を加熱(200〜300℃程度)することにより、樟脳5が昇華して原料ガスが生成される。生成された原料ガスは、反応管3内部に導入されるアルゴンガスをキャリアとして石英反応管1の内部に導入される。
石英反応管1の内部には、シリコン膜12と、シリコン基板12上に配置されたシリカ膜14とを含むベース体10が配置されている。なお、ベース体10の上層には、図1に示すガリウム体の配置工程(S20)によってガリウム体(たとえば液体ガリウム20)が配置されている。
原料ガスである樟脳蒸気を供給するとともに(図1のS40)、ベース体10を加熱することにより(図1のS30)、ベース体10の表面では、液体ガリウム20を触媒としたグラファイト化反応が起こる。これにより、液体ガリウム20とベース体10との界面にグラファイト膜が成長する。
<グラファイト構造体の製造方法>
上述した本発明の実施の形態によるグラファイト膜の製造方法によれば、ガリウム体が加熱されて得られた液体ガリウムとベース体との界面にグラファイト膜が形成される。したがって、ベース体の表面にガリウム体を部分的に配置することで、ベース体の一部にグラファイト膜を形成することができる。また、ベース体が表面に凹凸形状を有する場合においては、その凹凸形状を覆うようにガリウム体を配置することで、凹凸形状を有するグラファイト膜を形成することも可能となる。
このように、本発明の実施の形態によれば、グラファイト膜の形状を任意に設定できる。これにより、目的のグラファイト構造体の形状に応じてグラファイト膜の形状を適宜設計することが可能となる。このようなグラファイト構造体としては、たとえば、液晶表示装置などに用いられる、ガラス基板上に積層された透明導電膜がある。その他、グラフェンを導電層に用いたデバイスや、炭素繊維やカーボンナノチューブなどがある。
以下に、グラフェンデバイスの配線層を形成する場合を例として、グラファイト構造体の製造方法を説明する。
図5は、本発明の実施の形態によるグラファイト構造体の製造方法を説明するための断面模式図である。
図5を参照して、本発明によるグラファイト構造体の製造方法では、まず、ガリウム体の配置工程(図1のS20)を実施する。この工程では、ベース体10の表面の所望の配線層の形状に応じた領域にガリウム体が配置される。たとえば、ベース体10のシリカ膜14の上にレジストが塗布された後、露光および現像が行なわれ、所望の配線層の形状に応じた領域に開口を有するレジスト膜が形成される。そして、当該レジスト膜をマスクとして用いて、たとえばRIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)によりシリカ膜14が部分的に除去されることによって、開口パターンを有するシリカ膜14が形成される。この開口パターンに、図5(a)に示すように、液体ガリウム20を塗布する。
なお、ベース体10の表面に液体ガリウム20を部分的に塗布するための他の方法としては、ベース体10の表面において、所望の配線層の形状に応じた領域と残りの領域とで、液体ガリウム20に対する濡れ性を異ならせるようにしてもよい。
次に、ベース体10の加熱工程(図1のS30)およびグラファイト膜の成長工程(S40)を実施する。この工程では、ベース体10を配置した石英反応管の内部に原料ガスを供給するとともに、ベース体10を加熱する。これにより、図5(b)に示すように、液体ガリウム20とベース体10との界面にグラファイト膜30が成長する。
その後、ベース体10の冷却工程(図1のS50)およびガリウム体の除去工程(図1のS60)を実施する。このようにして、図5(c)に示すように、ベース体10の表面にグラファイト膜30からなる配線層が形成される。
なお、図5(a)に示すガリウム体の配置工程において、形成するグラファイト膜30の膜厚に応じてシリカ膜14上に形成される開口パターンの深さを調整することにより、配線層が形成される領域とそれ以外の領域とで表面の高さを揃えることができる。
図6は、本発明の実施の形態によるグラファイト構造体の製造方法により製造されたグラファイト構造体の一例を説明するための断面模式図である。
図6(a),(b)を参照して、ベース体10は、表面に凹凸形状を有している。図5(a)に示したガリウム体の配置工程において、凹凸形状を覆うようにベース体10の表面にガリウム体を配置することにより、図6に示すような凹凸形状を有するグラファイト膜30からなる配線層を形成することができる。
このような構成としたことにより、ベース体10の単位面積当たりに形成されるグラファイト膜の面積を増やすことができる。これにより、ベース体10の表面においてグラファイト膜の占有面積を小さくすることができる。この結果、グラフェンデバイスを利用した集積回路においては、回路内の配線密度を高めることが可能となる。
<比較例>
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態によるグラファイト構造体の製造方法の比較例として、従来のグラファイト膜の製造方法を利用したグラファイト構造体の製造方法を説明する。比較例では、図6に示した本発明の実施の形態によるグラファイト構造体の製造方法と同様に、グラフェンデバイスの配線層を形成するものとする。
図7に示したグラファイト構造体の製造方法では、最初に、グラファイト膜の成長工程を実施する。具体的には、シリカ膜14を形成したシリコン基板12からなるベース体10の表面に、アモルファスカーボン膜を成膜する。このベース体10と、液体ガリウムを充填したアルミナ容器とを石英反応管内部に設置する。そして、反応管用ヒータで加熱することで石英反応管内部の液体ガリウムを気化し、ガリウム蒸気の温度を上昇させてアモルファスカーボン膜の表面に接触させる。このガリウム蒸気中の熱処理によって、図7(a)に示すように、アモルファスカーボン膜の表面にグラファイト膜30が形成される。
次に、ベース体10の表面に形成されたグラファイト膜30を、所望の形状にパターニングすることによって配線層が形成される。具体的には、図7(b)に示すように、グラファイト膜30の上にレジストが塗布された後、露光および現象が行なわれ、所望の配線層の形状に応じた領域に開口を有するレジスト膜50が形成される。そして、図7(c)に示すように、レジスト膜50をマスクとして、たとえばイオンミリングによりグラファイト膜30の一部がエッチングされる。最後にレジスト膜50が除去されて、図7(d)に示すように、グラファイト膜30からなる配線層が形成される。
このように、比較例によるグラファイト構造体の製造方法においては、グラファイト膜を部分的に除去するためのエッチング処理が必要となる。そのため、グラファイト膜へのダメージが避けられない。一方、本発明の実施の形態によるグラファイト構造体の製造方法によれば、ガリウム体が配置される領域の形状を調整することで、エッチング処理を必要とせず、グラファイト膜の形状を任意に設定することができる。その結果、品質の良いグラファイト構造体を製造できる。
最後に、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
この発明に従ったグラファイト膜の製造方法は、ベース体の表面にガリウム体を配置する工程(配置工程(S20))と、ベース体に炭素を含有する原料ガスを供給するとともに、ベース体を加熱することにより、ガリウム体が加熱されて得られた液体ガリウムとベース体との界面にグラファイト膜を成長させる工程(加熱工程(S30)および成長工程(S40))とを備える。
このようにすれば、液体ガリウムを触媒としたグラファイト化反応によってグラファイト膜が成長する。そのため、ガリウム蒸気を炭素源の表面に接触させる従来のグラファイト膜の製造方法と比較して、ガリウム蒸気の準備工程が不要となる。これにより、ガリウムを蒸気化するための加熱設備や、ガリウム蒸気を反応管内部に送り込むための装置などが不要となる。また、ガリウム蒸気によって反応管内部が汚染されることもない。さらに、ベース体から除去したガリウム体を再利用することができる。この結果、小規模な製造設備でグラファイト膜を効率良く製造することができるとともに、製造コストの低廉化を図ることができる。
上記グラファイト膜の製造方法において、ベース体の表面にガリウム体を配置する工程(S20)では、ベース体の表面にガリウム体を部分的に配置する。この場合、ベース体上のガリウム体を配置する領域の形状を調整することで、任意の形状のグラファイト膜を成長させることができる。
上記グラファイト膜の製造方法において、ベース体の表面にガリウム体を部分的に配置する工程では、ベース体の表面に液体ガリウムを部分的に塗布する。この場合、表面に凹凸形状を有するベース体であっても、ベース体の表面の所望の領域にガリウム体を容易に配置できる。これにより、凹凸形状を有するグラファイト膜を容易に成長させることができる。
上記グラファイト膜の製造方法を用いて製造されたグラファイト膜は、ベース体の表面にガリウム体を配置することができれば、ベース体の形状を問わず、グラファイト膜を容易に成長させることができる。したがって、たとえばカーボンナノチューブ等に代表される炭素繊維の表面にもグラファイト膜を容易に成長させることができるため、当該炭素繊維の導電性をより高めることが可能となる。
この発明に従ったグラファイト構造体は、表面に凹凸形状を有するベース体と、ベース体の表面の少なくとも一部に形成されたグラファイト膜とを備える。この場合、グラファイト膜の形状を任意の形状とすることができ、グラファイト膜の形状設計の自由度を大きくすることができる。
上記グラファイト構造体において、グラファイト膜は、ベース体の表面の凹凸形状の少なくとも一部を覆う。このようにすれば、ベース体の単位面積当たりに形成されるグラファイト膜の面積を増やすことができるため、ベース体の微細化に有利である。
上記グラファイト構造体において、グラファイト膜は導電性を有する。好ましくは、グラファイト膜は、0.1kΩcm−2〜10kΩcm−2の範囲内のシート抵抗値を有する。この場合、グラファイト構造体は、任意の形状とともに高導電性を有し得る。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の適用は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明によれば、任意の形状を有し得るグラファイト膜およびグラファイト構造体を、簡易かつ効率的に得ることができる。
1 石英反応管、2,4 ヒータ、3 反応管、5 樟脳、10 ベース体、12 シリコン基板、14 シリカ膜、20 液体ガリウム、30 グラファイト膜、50 レジスト膜。

Claims (2)

  1. ベース体の表面にガリウム体を配置する工程と、
    前記ベース体に炭素を含有する原料ガスを供給するとともに、前記ベース体を加熱することにより、前記ガリウム体が加熱されて得られた液体ガリウムと前記ベース体との界面にグラファイト膜を成長させる工程とを備える、グラファイト膜の製造方法。
  2. 請求項1に記載の製造方法を用いて製造され、
    ベース体と、
    前記ベース体の表面の少なくとも一部に形成されたグラファイト膜とを備える、グラファイト構造体。
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