JP2015024619A - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺基材の表面に対して印刷ムラなく均一に印刷パターンを形成できること。
【解決手段】本発明の一態様である印刷装置は、凹版部を形成する複数の凹部内にインクを順次充満させるグラビアロールと、グラビアロールによって複数の凹部内のインクを順次転写され、転写されたインクを、連続的に搬送される長尺基材の表面に順次印刷するオフセットロールと、を備える。凹版部における単位面積当たりの凹部の容積は、6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下である。インクの粘度は、150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下である。長尺基材の表面に加えるオフセットロールの圧力は、12[kg/m]以上、100[kg/m]以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼帯等の帯状の基材(以下、長尺基材という)にインクを印刷する印刷装置および印刷方法に関するものである。
従来から、版面を構成する細かい凹部(以下、グラビアセルという)がロール表面に多数形成されたグラビアロールを用いて、紙等の媒体に写真や絵画等を印刷するグラビアオフセット印刷が知られている。グラビアオフセット印刷では、グラビアロールによってインクを汲み取ることにより、グラビアロールの各グラビアセルにインクを充填する。このグラビアロールから余分なインクを掻き取った後、各グラビアセル内のインクをオフセットロールに転写し、順次搬送される長尺基材の表面にオフセットロールを介してインクを転写(印刷)する。これらの処理を長尺基材の搬送に対応して繰り返すことにより、長尺基材の表面に所望の印刷パターンを形成する。この長尺基材表面の印刷パターンの模様は、グラビアロール表面の多数のグラビアセルによって表される模様と同じである。
また、上述したグラビアオフセット印刷を行って、鋼帯表面の所定部分にレジストをエッチング防止用マスクとして印刷し、鋼帯表面のうちのレジストが印刷されない部分(以下、非印刷部分という)をエッチングすることにより、この鋼帯表面に所望の模様を形成する方法が知られている。一般に、鋼帯等の金属板にレジストを印刷する方法として、平板オフセット法が知られている。しかし、平板オフセット法によって金属板に印刷されたレジストは、金属板表面の被覆厚みが薄いため、エッチングを防止するレジスト被覆として適さない。また、半導体製造分野等において用いられるフォトエッチング法は、金属板表面にレジストを精度良く印刷可能な技術であるが、鋼帯等の長尺基材の表面にレジストを印刷する場合にコストが高くなる。これらの手法に対し、上述したグラビアオフセット印刷によれば、大量の長尺基材の表面にレジストを安価に印刷することが可能である。このため、鋼帯表面へのレジスト印刷に際し、グラビアオフセット印刷は好適な印刷手法である。
なお、グラビアオフセット印刷に用いるグラビアロールの版面には、上述したグラビアセルが一定間隔毎に多数形成されている。すなわち、これら多数のグラビアセルの形成部分には、隣り合う各グラビアセル同士を隔てる境界部分が存在する。この境界部分は、インク転写を行わない版面部分である。このような境界部分に対応する鋼帯表面上の部分(以下、セル境界部分という)では、レジストが意図せず印刷されない事態、または、印刷されたレジストの膜厚さが極端に薄くなる事態が起こり得る。このため、鋼帯表面の意図的な非印刷部分をエッチングする際、本来はエッチングすべきではないセル境界部分がエッチングされてしまう場合がある。このような問題を解消するために、例えば、レジストインクの粘度範囲、グラビアセルのメッシュ数、およびオフセットロールと鋼帯表面との接触長さ(ニップ幅)を規定する技術が開示されている(特許文献1参照)。
特許第3255498号公報
例えば、エッチング処理によって鋼帯表面に目的パターンの模様を均一に形成するためには、鋼帯表面のうちのレジストインクを印刷した部分の意図せぬエッチングを回避するとともに、鋼帯表面の非印刷部分(エッチング処理対象部分)の形状を均一にすることが必要不可欠である。これを実現するためには、グラビアオフセット印刷によって、鋼帯表面のうちのエッチング処理対象以外の部分に対し、印刷ムラのないようにレジストインクを印刷するとともに、レジストインクの均一な印刷パターンを形成する必要がある。しかしながら、鋼帯等の長尺基材の表面に印刷ムラなく均一な印刷パターンを形成可能なグラビアオフセット印刷の技術については、従来、明らかとされていない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、長尺基材の表面に対して印刷ムラなく均一に印刷パターンを形成するグラビアオフセット印刷を実現可能な印刷装置および印刷方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる印刷装置は、複数の凹部によって形成される凹版部を有し、前記複数の凹部内にインクを順次充満させるグラビアロールと、前記グラビアロールによって前記複数の凹部内のインクを順次転写され、転写された前記インクを、連続的に搬送される長尺基材の表面に順次印刷するオフセットロールと、を備え、前記凹版部における単位面積当たりの前記凹部の容積は、6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下であり、前記インクの粘度は、150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下であり、前記長尺基材の表面に加える前記オフセットロールの圧力は、12[kg/m]以上、100[kg/m]以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷装置は、上記の発明において、前記グラビアロールは、前記凹版部と前記凹版部以外の非凹部とを、前記グラビアロールの周方向に規則性を持って配置されるように有し、前記凹版部の各凹部と前記非凹部とのなす角度は、20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下であることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷装置は、上記の発明において、前記インクは、レジストインクであることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷方法は、凹版部を構成する複数の凹部が形成されたグラビアロールを用い、連続的に搬送される長尺基材の表面にインクを印刷する印刷方法において、前記グラビアロールにより前記インクを汲み取って、前記複数の凹部内に前記インクを順次充満させるインク汲み取りステップと、前記グラビアロールからオフセットロールに前記複数の凹部内のインクを順次転写し、転写した前記インクを、前記オフセットロールから前記長尺基材の表面に転写して印刷する転写印刷ステップと、を含み、前記凹版部における単位面積当たりの前記凹部の容積を6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下とし、前記インクの粘度を150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下とし、前記長尺基材の表面に加える前記オフセットロールの圧力を12[kg/m]以上、100[kg/m]以下とすることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷方法は、上記の発明において、前記グラビアロールの周方向に規則性を持つように、前記凹版部と前記凹版部以外の非凹部とを前記グラビアロールの外周面に配置し、前記凹版部の各凹部と前記非凹部とのなす角度を、20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下とすることを特徴とする。
また、本発明にかかる印刷方法は、上記の発明において、前記インクとしてレジストインクを用いることを特徴とする。
本発明によれば、長尺基材の表面に対して印刷ムラなく均一に印刷パターンを形成することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる印刷装置の一構成例を示す図である。 図2は、グラビアロールの凹版部および非凹部の一構成例を示す図である。 図3は、グラビアロールの凹版部および非凹部の構成の別例を示す図である。 図4は、グラビアロールの凹版部を構成するグラビアセルの一例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態にかかる印刷方法の一例を示すフローチャートである。 図6は、鋼帯表面のインク膜厚に応じて異なる鋼帯表面のエッチング処理後の状態を説明する図である。 図7は、グラビアロールのセル容積と鋼帯表面のインク膜厚との相関を示す図である。 図8は、グラビアロールのセル傾斜角度に影響される鋼帯表面のエッチング処理対象部分の形成精度を説明する図である。 図9は、グラビアロールのセル傾斜角度と鋼帯表面のエッチング幅差との相関を示す図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる印刷装置および印刷方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、印刷対象の長尺基材の一例として鋼帯を例示し、長尺基材に印刷するインクの一例としてレジストインクを例示して本発明を説明するが、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。また、各図面において同一構成部分には同一符号を付している。
(プロセスライン)
まず、本発明の実施の形態にかかる印刷装置を適用したプロセスラインの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる印刷装置の一構成例を示す図である。なお、図1には、プロセスラインの一部、具体的には、鋼帯15に対するレジスト印刷およびエッチング処理を行うラインが図示されている。
図1に示すように、本実施の形態におけるプロセスラインは、鋼帯15に対するレジストの印刷処理を行う印刷装置1と、鋼帯15の表面に塗布されたレジストインク3を乾燥する乾燥装置11と、鋼帯15に対するエッチング処理を行うエッチング装置12とを備える。このプロセスラインにおいては、図1に示すように、鋼帯15の搬送経路に沿って鋼帯15の搬送方向順に、印刷装置1と、乾燥装置11と、エッチング装置12とが配置される。また、このプロセスラインは、鋼帯15を搬送する複数の搬送ロール(図示せず)を備える。
印刷装置1は、順次搬送される鋼帯15の表面に対し、グラビアオフセット印刷法によってレジストインク3を印刷する。この場合、印刷装置1は、鋼帯15の表面のうち、エッチング処理対象部分にレジストインク3を印刷せず、エッチング処理対象部分以外の部分(以下、エッチング防止対象部分という)にレジストインク3を印刷する。このような印刷装置1の構成の詳細については、後述する。
印刷装置1によってレジストインク3を印刷された鋼帯15は、その搬送方向に連続的に進行して、乾燥装置11内に搬入される。乾燥装置11は、連続搬送中の鋼帯15に対してレジストインク3の焼付け処理を行う。これにより、乾燥装置11は、この鋼帯15の表面上のレジストインク3を乾燥させて硬化する。エッチング装置12は、乾燥装置11によってレジストインク3を焼き付けられた後の鋼帯15を順次受け入れる。エッチング装置12は、この連続搬送中の鋼帯15の表面に対してエッチング処理を行う。この場合、エッチング装置12は、鋼帯15の表面のうち、レジストインク3の非印刷部分(エッチング処理対象部分)をエッチング処理する。一方、鋼帯15の表面上のレジストインク3は、エッチング防止用のレジストマスクとして作用する。すなわち、このレジストインク3の膜は、鋼帯15のエッチング防止対象部分に対するエッチング処理を防止する。このようなエッチング処理により、鋼帯15の表面には、非印刷部分の形状に応じたパターンが形成される。エッチング処理後の鋼帯15は、エッチング装置12から送出され、エッチング装置12の下流側に向けて順次搬送される。なお、この鋼帯15の表面上に残存するレジストインク3の膜は、例えばエッチング装置12の下流側に配置された所定の設備(図示せず)によって除去される。
(印刷装置の構成)
つぎに、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態にかかる印刷装置1の構成について説明する。図1に示すように、印刷装置1は、レジストインク3を貯留するコーターパン2と、鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷(グラビアオフセット印刷)するためのグラビアロール4およびオフセットロール8と、グラビアロール4の余分なレジストインク3を除去するブレード7と、オフセットロール8の余分なレジストインク3を除去するブレード9と、バックアップロール10とを備える。
コーターパン2は、鋼帯15の表面に印刷するレジストインク3を貯留する容器である。コーターパン2には、所定の供給設備によってレジストインク3が自動供給される。あるいは、作業者によってコーターパン2にレジストインク3が適宜供給される。また、コーターパン2は、ブレード7,9によってグラビアロール4またはオフセットロール8から掻き取られたレジストインク3を収容する。このようなコーターパン2内のレジストインク3の粘度(以下、インク粘度と適宜いう)は、150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下の範囲内である。
グラビアロール4は、コーターパン2内からレジストインク3を順次汲み取り、汲み取ったレジストインク3をオフセットロール8に順次転写するロール体である。図1に示すように、グラビアロール4は、その一部分をコーターパン2内のレジストインク3に浸すように配置される。且つ、グラビアロール4は、オフセットロール8と外周面同士を一部接触させるように配置される。
また、図1に示すように、グラビアロール4は、その外周面に凹版部5と非凹部6とを有する。図2は、グラビアロールの凹版部および非凹部の一構成例を示す図である。図3は、グラビアロールの凹版部および非凹部の構成の別例を示す図である。図4は、グラビアロールの凹版部を構成するグラビアセルの一例を示す図である。なお、図2,3には、グラビアロール4の外周面に形成された複数の凹版部5および非凹部6の一部分が図示されている。
凹版部5は、図2,3に示すように、複数のグラビアセル5aによって形成される。複数のグラビアセル5aの各々は、例えば図4に示すように、四角錐台状の凹部である。これら複数のグラビアセル5aは、鋼帯15の表面に印刷するレジストインク3の印刷パターンに対応して、グラビアロール4の外周面に形成される。すなわち、凹版部5は、この印刷パターンに対応する形状(同形状を含む)のパターンを、複数のグラビアセル5aによってグラビアロール4の外周面に表している。このような凹版部5における単位面積当たりのグラビアセル5aの容積(以下、セル容積という)は、6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下の範囲内である。
非凹部6は、グラビアロール4の外周面のうちの凹版部5以外の部分、すなわち、グラビアセル5aが形成されていない部分である。グラビアロール4の外周面において、非凹部6は、図2,3に示すように、所定のパターンをなす凹版部5同士の間の境界部分であり、鋼帯15の表面のうちの非印刷部分(レジストインク3が印刷されない部分)に対応する。このような非凹部6と凹版部5の各グラビアセル5aとのなす角度(以下、セル傾斜角度という)は、20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下である。本実施の形態において、このセル傾斜角度θは、図2に示すように、非凹部6に対するグラビアセル5aの傾斜角度であり、グラビアセル5aの開口端における一つの辺5b(図4参照)と非凹部6の端辺とのなす角度として定義される。例えば、グラビアセル5aの一つの辺5bは、非凹部6に対向または接触する辺であり、この非凹部6の端辺は、凹版部5と非凹部6との境界線である。
ここで、図3に示すように非凹部6に対して平行なグラビアセル5aの配置は、上述したセル傾斜角度θの範囲を満足するグラビアセル5aの配置態様の一つである。すなわち、非凹部6に対してグラビアセル5aが平行に配置された場合、この非凹部6とグラビアセル5aとのなすセル傾斜角度θは、0[度]であり、上述した20[度]以下の範囲に含まれる。
グラビアロール4は、上述した凹版部5と凹版部5以外の非凹部6とを、グラビアロール4の周方向に規則性を持って配置されるように有する。例えば図2,3に示すように、グラビアロール4は、その周方向に凹版部5と非凹部6とが一定の間隔で交互に配置されるように、複数の凹版部5および非凹部6を有する。なお、図2,3に示すグラビアロール4の周方向は、グラビアロール4の回転方向と同じ方向である。グラビアロール4は、図1に示すように周方向に回転しながら、各凹版部5の複数のグラビアセル5a内にレジストインク3を順次充満させ、これら各グラビアセル5a内のレジストインク3をオフセットロール8の外周面に順次転写する。
ブレード7は、図1に示すように、その先端部分をグラビアロール4の外周面に接触させるように配置される。ブレード7は、グラビアロール4の回転力を利用して、グラビアロール4の余分なレジストインク3を掻き取る。具体的には、ブレード7は、複数のグラビアセル5aの各々から、グラビアセル5aの容積に比して過多の分のレジストインク3を掻き取る。これにより、各グラビアセル5a内のレジストインク3の量を、鋼帯15に対するレジスト印刷に適した量に調整する。また、ブレード7は、グラビアロール4の非凹部6に付着したレジストインク3を掻き取る。これにより、ブレード7は、鋼帯15のエッチング処理対象部分(非印刷部分)に対するレジストインク3の意図せぬ印刷を抑制する。このようなブレード7によってグラビアロール4から掻き取られたレジストインク3は、コーターパン2内へ回収され、その後、再利用される。
オフセットロール8は、連続的に搬送される鋼帯15の表面にレジストインク3を順次印刷するロール体である。具体的には、オフセットロール8は、例えば鋼ロールの外周面にゴムをライニングしてなるゴムロールを用いて実現され、図1に示すように、グラビアロール4とバックアップロール10との間に配置される。この配置状態において、オフセットロール8は、図1に示すように、グラビアロール4と外周面同士を一部接触させる。且つ、オフセットロール8は、バックアップロール10と協同して鋼帯15を表裏両面から挟む。オフセットロール8は、図1に示すように周方向に回転しながら、グラビアロール4によって各凹版部5から複数のグラビアセル5a内のレジストインク3を順次転写され、転写されたレジストインク3を、連続搬送中の鋼帯15の表面に順次転写して印刷する。この印刷処理において、オフセットロール8は、バックアップロール10に支持された鋼帯15を押圧することにより、鋼帯15の表面にレジストインク3を転写する。この際、鋼帯15の表面に加えるオフセットロール8の圧力(以下、ニップ圧力という)は、線圧であって、12[kg/m]以上、100[kg/m]以下の範囲内である。一方、オフセットロール8は、上述した回転を継続しながら、バックアップロール10と協同して、レジストインク3を印刷した後の鋼帯15をその搬送方向に順次送出する。
なお、オフセットロール8は、グラビアロール4との近接点または密接点においてグラビアロール4と同じ方向に回転するナチュラル回転を行うとともに、バックアップロール10に対しても、これと同様のナチュラル回転を行う。この結果、オフセットロール8は、グラビアロール4の複数のグラビアセル5aによって表されるレジストインク3のパターンを鋼帯15の表面に精度よく転写することができる。また、オフセットロール8は、その外周面がゴムによって被覆されているので、バックアップロール10に支持された鋼帯15を押圧した際に鋼帯15の表面に傷がつくことを防止できる。
ブレード9は、図1に示すように、その先端部分をオフセットロール8の外周面に接触させるように配置される。ブレード9は、オフセットロール8の回転力を利用して、オフセットロール8の余分なレジストインク3を掻き取る。具体的には、ブレード9は、鋼帯15の表面にレジストインク3を転写後のオフセットロール8の外周面に残存するレジストインク3を掻き取る。仮に転写後のオフセットロール8にレジストインク3が残存した場合、グラビアロール4からオフセットロール8へ新たに転写されるレジストインク3と残存のレジストインク3とが重なる。この結果、鋼帯15の表面のうちの本来印刷すべきではない部分(例えばエッチング処理対象部分)にレジストインク3を印刷する印刷不良が生じてしまう。ブレード9は、オフセットロール8に残存のレジストインク3を掻き取ることにより、上記の印刷不良を防止する。このようなブレード9によってオフセットロール8から掻き取られたレジストインク3は、コーターパン2内へ回収され、その後、再利用される。
なお、上述したブレード7,9の素材は、金属であってもよいし、ゴム等の弾性樹脂であってもよい。すなわち、本発明において、ブレード7,9は、グラビアロール4またはオフセットロール8の余分なレジストインク3の均一な掻き取りを行えればよく、特に、その素材は問われない。
バックアップロール10は、図1に示すように、鋼帯15を挟んでオフセットロール8と外周面同士を対向させるように配置される。バックアップロール10は、図1に示すように周方向に回転しながら、オフセットロール8と協同して鋼帯15をその表裏両側から挟むとともに、レジストインク3を転写後の鋼帯15をその搬送方向に順次送出する。この際、バックアップロール10は、上述したオフセットロール8によってレジストインク3が印刷される鋼帯15をその裏面(レジストインク3を印刷される面の反対側の面)を支持する。これと同時に、バックアップロール10は、その外周方向に回転して、この印刷処理後の鋼帯15を乾燥装置11に向けて案内する。
(印刷方法)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる印刷方法について説明する。図5は、本発明の実施の形態にかかる印刷方法の一例を示すフローチャートである。本実施の形態にかかる印刷方法では、図1に示したようにグラビアロール4およびオフセットロール8等を有する印刷装置1を用い、連続的に搬送される鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷する。
具体的には、図5に示すように、印刷装置1は、グラビアロール4により、インクとしてレジストインク3を汲み取る(ステップS101)。このステップS101において、印刷装置1は、所定のセル容積に設定されたグラビアロール4をその周方向に回転させ、このグラビアロール4の各凹版部5によって、所定のインク粘度のレジストインク3をコーターパン2から順次汲み取る。これにより、印刷装置1は、各凹版部5の複数のグラビアセル5a内にレジストインク3を順次充満させる。本実施の形態においては、レジストインク3のインク粘度を150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下の範囲内に調整している。また、図2,3に示したように、グラビアロール4の周方向に規則性を持つように凹版部5と非凹部6とをグラビアロール4の外周面に配置し、このような凹版部5における複数のグラビアセル5aのセル容積を6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下の範囲内に設定している。さらには、各グラビアセル5aのセル傾斜角度θ(図2参照)を20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下の範囲内に設定している。
つぎに、印刷装置1は、グラビアロール4の余分なインクを除去する(ステップS102)。このステップS102において、印刷装置1は、ブレード7により、複数のグラビアセル5aの各々から、過剰分のレジストインク3を掻き取る。これにより、印刷装置1は、各グラビアセル5a内のレジストインク3の量を印刷に適した量に調整し、この調整後のレジストインク3の量を保持する。また、印刷装置1は、グラビアロール4の非凹部6に付着したレジストインク3をブレード7によって掻き取り、除去する。
ついで、印刷装置1は、グラビアロール4からオフセットロール8にインクを転写してオフセットロール8から鋼帯15にインクを転写印刷する(ステップS103)。このステップS103において、印刷装置1は、グラビアロール4とともにオフセットロール8をその周方向に回転させ、このグラビアロール4から、このオフセットロール8に複数のグラビアセル5a内のレジストインク3を順次転写する。続いて、印刷装置1は、上記のように転写したレジストインク3を、オフセットロール8から連続搬送中の鋼帯15の表面に順次転写する。このようにして、印刷装置1は、連続搬送中の鋼帯15の表面にレジストインク3を順次印刷する。本実施の形態においては、オフセットロール8から鋼帯15の表面にレジストインク3を順次転写印刷する際のニップ圧力を12[kg/m]以上、100[kg/m]以下の範囲内に設定している。一方、印刷装置1は、グラビアロール4、オフセットロール8、およびバックアップロール10の各回転動作を継続して行い、これにより、レジストインク印刷後の鋼帯15をその搬送方向に順次送出する。
その後、印刷装置1は、オフセットロール8に残存のインクを除去する(ステップS104)。このステップS104において、印刷装置1は、鋼帯15の表面にレジストインク3を転写後のオフセットロール8の外周面に残存するレジストインク3を、ブレード9によって掻き取り、除去する。これにより、印刷装置1は、オフセットロール8の外周面を、グラビアロール4から新たにレジストインク3を転写可能な状態にする。
印刷装置1は、ステップS104の処理ステップを実行後、上述したステップS101に戻り、このステップS101以降の処理ステップを順次繰り返す。これにより、印刷装置1は、連続的に搬送される鋼帯15の表面に、レジストインク3の目的とする印刷パターンを形成することができる。
(グラビアロールのセル容積の範囲)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる印刷装置1のグラビアロール4における単位面積当たりのグラビアセル5aの容積(セル容積C)について説明する。本発明者等は、処理対象の鋼帯15の表面に印刷ムラなくレジストインク3の均一な印刷パターンを形成するための好適なセル容積Cの範囲を確認すべく、基礎調査を実施した。本基礎調査においては、図1に示した印刷装置1のグラビアロール4のセル容積Cを4.0〜65[cm3/m2]に変更し、このようにセル容積Cを変更した印刷装置1を用いて、鋼帯15の表面に転写されるレジストインク3のインク膜厚dと、インク印刷後の鋼帯15の表面におけるエッチング処理後の状態とを調査した。この鋼帯15のエッチング処理後の状態としては、鋼帯15の表面のうちのレジストインク3が印刷された部分(エッチング防止対象部分)におけるエッチング発生の有無と、レジストインク3が印刷されていない非印刷部分(エッチング処理対象部分)の形状とを調査した。
本基礎調査の条件としては、鋼帯15の搬送速度(以下、ライン速度Vという)を60[m/分]とし、レジストインク3のインク粘度Bを1500[mPa・s]とし、グラビアセル5aの形状を四角錐台(図4参照)とし、グラビアセル5aのセル傾斜角度θを0[度]とした。また、鋼帯15として、板厚0.23[mm]の冷延鋼板を用いた。
図6は、鋼帯表面のインク膜厚に応じて異なる鋼帯表面のエッチング処理後の状態を説明する図である。図7は、グラビアロールのセル容積と鋼帯表面のインク膜厚との相関を示す図である。図6,7に示すインク膜厚dは、グラビアロール4からオフセットロール8を介して鋼帯15の表面に転写印刷されたレジストインク3の膜厚である。このインク膜厚dは、以下に示す手法によって取得した。すなわち、鋼帯15の表面に印刷されたレジストインク3を乾燥させた後、この印刷後の鋼帯15のサンプルを採取する。ついで、レーザー顕微鏡を用い、この採取した鋼帯15の表面におけるレジストインク3の印刷部分と非印刷部分との境界領域を観察する。観察した印刷部分と非印刷部分との高さの差から、この印刷部分のインク膜厚dを算出した。
図6の状態A1に示されるように、鋼帯15の表面のうちのエッチング処理対象部分15aを除く部分、すなわち、エッチング防止対象部分15bにレジストインク3が印刷される。これにより、印刷後の鋼帯15のエッチング防止対象部分15bには、インク膜厚dのレジストインク3の膜が形成される。ここで、グラビアロール4のセル容積Cが6[cm3/m2]未満である場合、図7に示すように、乾燥処理後の鋼帯15の表面のインク膜厚dは、0.5[μm]未満となった。この場合、レジストインク3の膜厚不足に起因して、鋼帯15のエッチング防止対象部分15bにレジストインク3の印刷ムラが生じ、この印刷ムラが生じた鋼帯15の表面部分が露出してしまう。このような鋼帯15のエッチング処理後のサンプルを確認したところ、以下のような結果が得られた。すなわち、エッチング処理対象部分15aがエッチングされるのみならず、例えば図6に示す状態A2のエッチング部分16に例示されるように、本来エッチングが防止されるべきエッチング防止対象部分15bにエッチングされた箇所が多数、確認された。
一方、グラビアロール4のセル容積Cが6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下の範囲内である場合、図7に示すように、乾燥処理後の鋼帯15の表面のインク膜厚dは、0.51〜6.8[μm]となった。この場合、鋼帯15のエッチング防止対象部分15bに印刷されたレジストインク3に印刷ムラは発生せず、エッチング防止対象部分15bは、レジストインク3によって露出なく被覆された。このような鋼帯15のエッチング処理後のサンプルを確認したところ、以下のような結果が得られた。すなわち、図6の状態A3に示されるように、レジストインク3の膜によって、エッチング防止対象部分15bのエッチングを防止するレジストマスクが形成され、エッチング防止対象部分15bのエッチングは、このレジストマスクによって防止された。このようなエッチング防止対象部分15bにはエッチングされた箇所がないことが、確認された。また、鋼帯15の表面において、エッチング防止対象部分15b以外の部分の形状、すなわち、エッチング処理対象部分15aのパターンが、レジストインク3の均一な印刷パターンに対応して均一化された。これにより、エッチング処理対象部分15aの実際にエッチングされた部分の幅(以下、エッチング幅Wという)は、図6の状態A3に示されるように、エッチング処理対象部分15aとエッチング防止対象部分15bとの境界に沿って均一化された。
他方、グラビアロール4のセル容積Cが50[cm3/m2]を超過する場合、図7に示すように、乾燥処理後の鋼帯15の表面のインク膜厚dは、7[μm]を超過した。このような鋼帯15のエッチング処理後のサンプルを確認したところ、以下のような結果が得られた。すなわち、レジストインク3の膜厚が過剰であるため、レジストインク3は、乾燥する前に自身のレベリング作用によって流動する。このようなレジストインク3は、図6の状態A4に示されるように、エッチング防止対象部分15bからエッチング処理対象部分15aへ顕著に流れ込んでしまう。これにより、エッチング処理対象部分15aの目的とする幅に比してエッチング幅Wが意図せず狭まる部分(図6の状態A4参照)が生じ、この結果、鋼帯15の表面における非印刷部分の形状が不均一となった。
以上の結果から、処理対象の鋼帯15の表面に印刷ムラなくレジストインク3の均一な印刷パターンを形成するためには、グラビアロール4のセル容積Cを6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下の範囲内に設定する必要があることが明らかとなった。
(インク粘度の範囲)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる印刷装置1によって鋼帯15の表面に印刷されるレジストインク3の粘度(インク粘度B)について説明する。本発明者等は、処理対象の鋼帯15の表面に印刷ムラなくレジストインク3の均一な印刷パターンを形成するための好適なインク粘度Bの範囲を確認すべく、基礎調査を実施した。本基礎調査においては、図1に示した印刷装置1を用い、インク粘度Bを50〜3000[mPa・s]の範囲に変化させたレジストインク3を鋼帯15の表面に印刷して、インク印刷後、インク乾燥後、およびエッチング処理後の各鋼帯15のエッチング防止対象部分15b(印刷部分)におけるエッチング発生の有無と、エッチング処理対象部分15a(非印刷部分)の形状とを調査した。
本基礎調査の条件としては、鋼帯15のライン速度Vを60[m/分]とし、グラビアセル5aの形状を四角錐台(図4参照)とし、グラビアロール4のセル容積Cを6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下とし、グラビアセル5aのセル傾斜角度θを0[度]とした。また、鋼帯15として、板厚0.23[mm]の冷延鋼板を用いた。
インク粘度Bが150[mPa・s]未満である場合、レジストインク3は、過小な粘度に起因して自身のレベリング作用が促進される。このため、レジストインク3は、鋼帯15のエッチング防止対象部分15bに印刷されてから乾燥硬化するまでの間に、エッチング防止対象部分15bからエッチング処理対象部分15aへ流れ込む(図6の状態A4参照)。これにより、エッチング処理対象部分15aにおいて露出の幅が意図せず狭くなる部分が発生し、あるいは、本来レジストインク3を印刷すべきではないエッチング処理対象部分15a(鋼帯15の非印刷部分)においてレジストインク3が印刷された箇所が発生した。この結果、鋼帯15の表面における非印刷部分の形状が不均一となった。
一方、インク粘度Bが150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下の範囲内である場合、レジストインク3は、鋼帯15のエッチング防止対象部分15bに印刷されてから乾燥硬化するまでの間、自身のレベリングによるエッチング処理対象部分15aの狭幅化およびエッチング処理対象部分15aへの流れ込みを発生しない。このようなレジストインク3によって被覆されたエッチング防止対象部分15bにはエッチングされた箇所がないことが、確認された。また、鋼帯15の表面において、エッチング防止対象部分15b以外の部分の形状、すなわち、エッチング処理対象部分15aのパターンが、このようなレジストインク3の均一な印刷パターンに対応して均一化された。すなわち、鋼帯15の非印刷部分の形状は、エッチング処理対象部分15aとエッチング防止対象部分15bとの境界に沿って均一化された。
他方、インク粘度Bが2500[mPa・s]を超過する場合、図1に示したグラビアロール4の外周面とブレード7との間においてレジストインク3のすり抜けが顕著に発生してしまう。これに起因して、グラビアロール4の非凹部6にレジストインク3が残存し、これにより、鋼帯15のエッチング処理対象部分15aに意図せずレジストインク3が印刷される。この結果、鋼帯15の表面上のレジストインク3の印刷パターンが不均一となることから、鋼帯15の目的とするエッチング形状(エッチング処理対象部分15aの目的パターン)が得られなかった。
以上の結果から、処理対象の鋼帯15の表面に印刷ムラなくレジストインク3の均一な印刷パターンを形成するためには、レジストインク3のインク粘度Bを150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下の範囲内に設定する必要があることが明らかとなった。
(ニップ圧力の範囲)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる印刷装置1によって鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷する際にオフセットロール8から鋼帯15の表面に加えられる圧力(ニップ圧力f)について説明する。本発明者等は、処理対象の鋼帯15の表面に印刷ムラなくレジストインク3の均一な印刷パターンを形成するための好適なニップ圧力fの範囲を確認すべく、基礎調査を実施した。本基礎調査においては、図1に示した印刷装置1のオフセットロール8と鋼帯15との間のニップ圧力fを5〜150[kg/m]に変更し、このようにニップ圧力fを変更した印刷装置1を用いて鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷し、インク印刷後およびインク乾燥後の各鋼帯15の表面外観と、エッチング処理後の鋼帯15のエッチング処理対象部分15a(非印刷部分)の形状とを調査した。
本基礎調査の条件としては、鋼帯15のライン速度Vを60[m/分]とし、グラビアセル5aの形状を四角錐台(図4参照)とし、グラビアロール4のセル容積Cを6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下とし、グラビアセル5aのセル傾斜角度θを0[度]とした。また、レジストインク3のインク粘度Bを150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下とし、鋼帯15として、板厚0.23[mm]の冷延鋼板を用いた。オフセットロール8としては、上述したように鋼ロールにゴムをライニングしたゴムロールを用いた。このオフセットロール8において、ゴムのライニング厚みは10[mm]とし、ゴムの硬度はHs80度とした。
ニップ圧力fが12[kg/m]未満である場合、オフセットロール8の偏芯の影響により、オフセットロール8から鋼帯15の表面へのレジストインク3の転写が不十分となる。このため、鋼帯15の印刷部分(エッチング防止対象部分15b)へ十分なレジストインク3が転写されず、これに起因して、エッチング防止対象部分15bにレジストインク3の印刷ムラが生じる。この結果、エッチング処理後の鋼帯15の表面において、本来エッチングされるべきではない印刷部分、すなわち、エッチング防止対象部分15bに多数のエッチング箇所が観察された。
一方、ニップ圧力fが12[kg/m]以上、100[kg/m]以下の範囲内である場合、オフセットロール8の外周面と鋼帯15の表面との接触状態を、レジストインク3の印刷に適した状態に確保することが可能となる。このため、オフセットロール8から鋼帯15のエッチング防止対象部分15bへレジストインク3を印刷ムラなく適度に転写することができる。このようなレジストインク3によって被覆されたエッチング防止対象部分15bには、エッチング箇所が発生しなかった。また、鋼帯15のエッチング処理対象部分15aのパターン(非印刷部分の形状)がレジストインク3の均一な印刷パターンに対応して均一化されたことを確認することができた。
他方、ニップ圧力fが100[kg/m]を超過する場合、オフセットロール8の変形が大きくなり、このオフセットロール8の変形に伴い、鋼帯15のエッチング防止対象部分15b(印刷部分)からエッチング処理対象部分15a(非印刷部分)へのレジストインク3の流れ込みが発生する。これにより、エッチング処理対象部分15aにおいて露出の幅が意図せず狭くなる部分が発生し、あるいは、本来レジストインク3を印刷すべきではないエッチング処理対象部分15aにおいてレジストインク3が印刷された箇所が発生した。この結果、エッチング処理後の鋼帯15の表面における非印刷部分の形状が不均一となった。
以上の結果から、処理対象の鋼帯15の表面に印刷ムラなくレジストインク3の均一な印刷パターンを形成するためには、オフセットロール8と鋼帯15との間のニップ圧力fを12[kg/m]以上、100[kg/m]以下の範囲内に設定する必要があることが明らかとなった。
(グラビアロールのセル傾斜角度の範囲)
つぎに、本発明の実施の形態にかかる印刷装置1のグラビアロール4における複数のグラビアセル5aの配置態様、具体的には、図2に示したグラビアセル5aのセル傾斜角度θについて説明する。本発明者等は、処理対象の鋼帯15の表面にレジストインク3の印刷パターンを高精度に形成するための好適なセル傾斜角度θの範囲を確認すべく、基礎調査を実施した。本基礎調査においては、図1に示した印刷装置1のグラビアロール4の各凹版部5を構成する複数のグラビアセル5aのセル傾斜角度θを変更し、このセル傾斜角度θを変更した印刷装置1を用いて鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷した。このインク印刷後およびエッチング処理後の各鋼帯15のエッチング処理対象部分15a(非印刷部分)の形状とセル傾斜角度θとの相関について調査した。
本基礎調査の条件としては、鋼帯15のライン速度Vを60[m/分]とし、鋼帯15として、板厚0.23[mm]の冷延鋼板を用いた。また、グラビアセル5aの形状およびセル容積C、インク粘度B、またはニップ圧力f等、セル傾斜角度θ以外の各条件は、上述した実施の形態と同様に設定した。
図8は、グラビアロールのセル傾斜角度に影響される鋼帯表面のエッチング処理対象部分の形成精度を説明する図である。図9は、グラビアロールのセル傾斜角度と鋼帯表面のエッチング幅差との相関を示す図である。図8において、目標エッチング幅Wtは、鋼帯15の表面に形成するエッチング処理対象部分15aのエッチング幅の目標値である。この目標エッチング幅Wtは、レジストインク3の目的とする印刷パターン、すなわち、グラビアロール4の複数のグラビアセル5aによって表される目的パターンに対応して決定する。また、最大エッチング幅Wmaxは、エッチング処理対象部分15aのエッチング幅W(図6参照)の最大値である。この最大エッチング幅Wmaxは、セル傾斜角度θの影響によって変化する。一方、図9において、エッチング幅差ΔWは、鋼帯15の表面に形成されるエッチング形状(エッチング処理対象部分15aのパターン)の精度を評価する値であり、最大エッチング幅Wmaxと目標エッチング幅Wtとの差によって算出される。
まず、セル傾斜角度θが20[度]以下である場合、図8に示す鋼帯15のエッチング処理対象部分15aの最大エッチング幅Wmaxは、目標エッチング幅Wtに近い値または同値となった。具体的には、図9に示すように、エッチング処理対象部分15aのエッチング幅差ΔWは20[μm]未満となった。これにより、鋼帯15の表面のエッチング形状を高精度に確保することが可能となった。すなわち、このようなエッチング形状をなすレジストインク3の印刷パターンを鋼帯15の表面に対して高精度に形成できるようになった。
一方、セル傾斜角度θが20[度]を超過し且つ70[度]以下の範囲内である場合、エッチング処理対象部分15aの最大エッチング幅Wmaxは、目標エッチング幅Wtとの差を増大させた。具体的には、図9に示すように、エッチング処理対象部分15aのエッチング幅差ΔWは、20[μm]を超過する値に増大し、セル傾斜角度θが45[度]である場合に最大となり、エッチング不良が発生した。これは、セル傾斜角度θが20[度]または70[度]から45[度]に向けて変化するに伴い、図2に示した凹版部5と非凹部6との境界部分において隣り合う各グラビアセル5a同士の間に非凹部6が拡大形成されたためと考えられる。このようなセル傾斜角度θの条件下では、鋼帯15の表面におけるエッチング形状の形成精度が劣化した。すなわち、エッチング形状をなすレジストインク3の印刷パターンを鋼帯15の表面に精度よく形成することが困難であった。
他方、セル傾斜角度θが70[度]を超過し且つ90[度]以下の範囲である場合、上述したセル傾斜角度θが20[度]以下である場合と同様に、エッチング処理対象部分15aのエッチング幅差ΔWは20[μm]未満となった。この場合、鋼帯15の表面のエッチング形状を高精度に確保可能である。すなわち、このようなエッチング形状をなすレジストインク3の印刷パターンを鋼帯15の表面に対して高精度に形成可能であった。
以上の結果から、処理対象の鋼帯15の表面にレジストインク3の印刷パターンを高精度に形成するためには、セル傾斜角度θが20[度]以下、または70[度]を超過し且つ90[度]以下である範囲(以下、セル傾斜角度θの好適範囲と適宜略す)内に設定する必要があることが明らかになった。すなわち、グラビアロール4の外周面において、複数のグラビアセル5aの各々を、非凹部6に対して上記のセル傾斜角度θの好適範囲を満足するように配置することにより、鋼帯15の表面におけるレジストインク3の印刷パターンを高精度に形成でき、延いては、鋼帯15の表面にエッチング形状を高精度に確保可能であることが明らかになった。
なお、上述したセル容積C、インク粘度B、ニップ圧力f、およびセル傾斜角度θの各範囲は、グラビアセル5aの凹形状が四角錐台である場合に限定されず、底面が三角またはその他の多角形の角錐台状のグラビアセルあるいは三角錐または四角錐等の多角形の角錐体状のグラビアセルにおいても同様である。
(実施例1)
つぎに、本発明の実施例1について説明する。本実施例1では、図1に示した印刷装置1を用いて鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷(グラビアオフセット印刷)した。この印刷装置1において、グラビアロール4は、上述したように、複数のグラビアセル5aによって形成される凹版部5と、凹部が形成されていない非凹部6とを外周面に備え、この外周面の最表層に硬質クロムめっきを施した金属ロールである。オフセットロール8は、外周面にゴムをライニングしたゴムロールである。このゴムのライニング厚みは10[mm]とし、ゴム硬度は、Hs80度とした。
本実施例1の条件として、グラビアロール4のセル容積C、レジストインク3のインク粘度B、およびオフセットロール8のニップ圧力fは、上述した実施の形態における好適範囲に設定した。すなわち、セル容積Cは、6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下である。インク粘度Bは、150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下である。ニップ圧力fは、12[kg/m]以上、100[kg/m]以下である。また、グラビアセル5aのセル傾斜角度θは、上述した好適範囲内(20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下)の所定角度、例えば0[度]とした。
また、本実施例1では、処理対象の鋼帯15として、板厚が0.23[mm]であり、板幅が1000[mm]であるコイルから順次払い出された冷延鋼板を用いた。この鋼帯15の表面に対してレジストインク3を印刷する際の鋼帯15のライン速度Vは、30[m/分]以上、80[m/分]以下とした。
上述した本実施例1の各条件をその好適範囲内において変化させて、印刷装置1により鋼帯15の表面にレジストインク3を順次印刷し、印刷後およびエッチング処理後の鋼帯15の外観評価を行った。この外観評価は、鋼帯15の幅方向および搬送方向の複数箇所におけるサンプル#1〜#22を採取し、レーザー顕微鏡を用いてサンプル#1〜#22の各表面の外観を観察することにより、行った。
また、本実施例1に対する比較例1として、上述したセル容積C、インク粘度B、およびニップ圧力fの各条件を本発明における好適範囲外に設定し、その他の条件を本実施例1と同様にして、印刷後およびエッチング処理後の鋼帯15のサンプル#23〜#29を採取した。この比較例1のサンプル#23〜#29についても、本実施例1のサンプル#1〜#22と同様に外観評価した。
本実施例1のサンプル#1〜#22および比較例1のサンプル#23〜#29の各外観評価の結果を表1に示す。本実施例1における外観評価では、鋼帯15の印刷部分(エッチング防止対象部分15b)においてレジストインク3の印刷ムラが発生した場合、並びに、鋼帯15の本来印刷すべきではない非印刷部分(エッチング処理対象部分15a)に意図せぬレジストインク3の流れ込みまたは印刷が発生して印刷パターンが不均一となった場合、印刷不良と判定した。なお、印刷ムラは、鋼帯15の印刷部分に過小に薄いレジストインク3の膜部分が発生する現象、または、鋼帯15の印刷部分にレジストインク3を印刷し損じた部分が発生する現象である。一方、鋼帯15の印刷部分においてエッチングされた部分が発生した場合、並びに、不均一な印刷パターン等に起因して鋼帯15の非印刷部分のエッチング形状にムラが発生した場合、すなわち、エッチング形状が不均一であった場合、エッチング不良と判定した。
Figure 2015024619
表1に示すように、本実施例1のサンプル#1〜#22の何れにおいても、印刷後の鋼帯15の表面に印刷ムラおよび印刷パターンの不均一部分は見られず、印刷不良は発生しなかった。また、エッチング処理後の鋼帯15の表面に意図せぬエッチング部分およびエッチング形状の不均一部分は見られず、エッチング不良は発生しなかった。この実施例1の結果は、上述した実施の形態における好適範囲内の条件にしたがって鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷したためと考えられる。特に、セル容積C、インク粘度B、およびニップ圧力fを上述した実施の形態における好適範囲内にしてグラビアオフセット印刷を行うことにより、鋼帯15の表面に目的パターンに応じたレジストインク3の均一な印刷パターンを形成でき、延いては、鋼帯15の表面に目的パターンに応じた均一なエッチング形状を形成できることが分かった。
一方、表1を参照して分かるように、比較例1のサンプル#23〜#29のうち、サンプル#23,#27においてエッチング不良が発生し、サンプル#24〜#26において印刷不良が発生した。また、サンプル#28,#29においては、エッチング不良および印刷不良の双方が発生した。比較例1のようにセル容積C、インク粘度B、およびニップ圧力fを上述した実施の形態における好適範囲外に設定した場合、鋼帯15の表面におけるレジストインク3の印刷ムラまたは不均一な印刷パターンの発生が顕著となった。また、鋼帯15の表面におけるエッチング形状のムラまたは不均一部分の発生が顕著となった。
(実施例2)
つぎに、本発明の実施例2について説明する。本実施例2では、図1に示した印刷装置1を用いて鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷(グラビアオフセット印刷)した。この印刷装置1において、グラビアロール4は、上述したように、複数のグラビアセル5aによって形成される凹版部5と、凹部が形成されていない非凹部6とを外周面に備え、この外周面の最表層に硬質クロムめっきを施した金属ロールである。オフセットロール8は、外周面にゴムをライニングしたゴムロールである。このゴムのライニング厚みは10[mm]とし、ゴム硬度は、Hs80度とした。
本実施例2の条件として、グラビアセル5aのセル傾斜角度θは、上述した実施の形態における好適範囲に設定した。すなわち、セル傾斜角度θは、20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下である。また、グラビアロール4のセル容積C、レジストインク3のインク粘度B、およびオフセットロール8のニップ圧力fは、各々、上述した好適範囲内の所定値とした。
また、本実施例2では、処理対象の鋼帯15として、板厚が0.23[mm]であり、板幅が1000[mm]であるコイルから順次払い出された冷延鋼板を用いた。この鋼帯15の表面に対してレジストインク3を印刷する際の鋼帯15のライン速度Vは、30[m/分]以上、80[m/分]以下とした。
上述した本実施例2のセル傾斜角度θの条件をその好適範囲内において変化させ、すなわち、グラビアロール4における各グラビアセル5aの配置態様を好適範囲内に変更して、印刷装置1により鋼帯15の表面にレジストインク3を順次印刷した。この印刷後の鋼帯15に対してインク乾燥処理およびエッチング処理を順次行い、エッチング処理後の鋼帯15の表面における非印刷部分の形状(すなわち、エッチング形状)の形成精度を評価した。このエッチング形状の精度評価は、鋼帯15の幅方向および搬送方向の複数箇所におけるサンプル#31〜#49を採取し、レーザー顕微鏡を用いてサンプル#31〜#49の各エッチング形状の幅の誤差、すなわち、エッチング幅差ΔW(図8,9参照)を測定することにより、行った。
また、本実施例2に対する比較例2として、上述したセル傾斜角度θの条件を本発明における好適範囲外に設定し、その他の条件を本実施例2と同様にして、エッチング処理後の鋼帯15のサンプル#50〜#56を採取した。この比較例2のサンプル#50〜#56についても、本実施例2のサンプル#31〜#49と同様にエッチング形状の形成精度を評価した。
本実施例2のサンプル#31〜#49および比較例2のサンプル#50〜#56の各評価結果を表2に示す。本実施例2における評価では、鋼帯15に形成されたエッチング形状のエッチング幅差ΔWがエッチング処理としての精度の許容範囲外である場合、具体的にはエッチング幅差ΔWが20[μm]以上である場合、エッチング不良と判定した。
Figure 2015024619
表2に示すように、本実施例2のサンプル#31〜#49のいずれにおいても、エッチング処理後の鋼帯15の表面に形成されたエッチング形状のエッチング幅差ΔWは20[μm]未満であり、エッチング不良は発生しなかった。この実施例2の結果は、上述した実施の形態における好適範囲内の条件にしたがって鋼帯15の表面にレジストインク3を印刷したためと考えられる。特に、セル傾斜角度θを上述した実施の形態における好適範囲内にしてグラビアオフセット印刷を行うことにより、鋼帯15の表面にレジストインク3の印刷パターンを目的パターンに応じて高精度に形成でき、延いては、鋼帯15の表面にエッチング形状を目的パターンに応じて高精度に形成できることが分かった。
一方、表2を参照して分かるように、比較例2のサンプル#50〜#56のいずれにおいても、エッチング不良が発生した。比較例2のようにセル傾斜角度θを上述した実施の形態における好適範囲外に設定した場合、鋼帯15の表面にレジストインク3の印刷パターンを高精度に形成することが困難となり、この結果、鋼帯15の表面におけるエッチング形状の形成精度の劣化が顕著となった。
以上、説明したように、本発明の実施の形態では、グラビアロール外周面の凹版部を構成する複数のグラビアセルの凹版部におけるセル容積を6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下とし、処理対象の長尺基材の表面に印刷するインクの粘度を150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下とし、オフセットロールから処理対象の長尺基材の表面に加えるニップ圧力を12[kg/m]以上、100[kg/m]以下として、グラビアロールの各グラビアセル内に充満するインクを、連続的に搬送される長尺基材の表面に順次、オフセットロールを介してグラビアオフセット印刷している。
このため、処理対象の長尺基材表面のうち、印刷を意図しない部分にインクが流れ込み或いは印刷されることなく、印刷を意図する部分に適量のインクをムラ無く転写印刷することができる。この結果、グラビアロールの複数のグラビアセルによって表される目的パターンに応じたインクの印刷パターンを、処理対象の長尺基材の表面に印刷ムラなく均一に形成することができる。
本発明にかかる印刷装置および印刷方法を鋼帯表面に対するレジストインクのグラビアオフセット印刷に適用することにより、鋼帯表面のうちのエッチング処理対象以外の部分に対し、印刷ムラのないようにレジストインクを印刷できるとともに、レジストインクの均一な印刷パターンを形成することができる。これにより、鋼帯表面のうちのレジストインクを印刷した部分の意図せぬエッチングを回避できるとともに、鋼帯表面の非印刷部分(エッチング処理対象部分)の形状を均一化することができる。この結果、エッチング処理によって鋼帯表面に目的パターンのエッチング形状を均一に形成することができる。
また、本発明の実施の形態では、上述した複数のグラビアセルによる凹版部と該凹版部以外の非凹部とを、グラビアロールの周方向に規則性を持って配置し、これら複数のグラビアセルの各々と非凹部とのなすセル傾斜角度を20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下にしている。このため、処理対象の長尺基材表面のうちの印刷を意図する部分に対し、高精度にインクを転写印刷することができる。この結果、グラビアロールの複数のグラビアセルによって表される目的パターンに応じたインクの印刷パターンを、処理対象の長尺基材の表面に高精度に形成することができる。
このような印刷技術を鋼帯表面に対するレジストインクのグラビアオフセット印刷に適用することにより、鋼帯表面のうちのエッチング処理対象以外の部分に対し、目的パターンに応じて高精度にレジストインクを印刷して、レジストインクの目的とする印刷パターンを高精度に形成することができる。これにより、鋼帯表面にエッチング処理対象部分の形状を印刷パターンに沿って高精度に形成することができる。この結果、エッチング処理によって鋼帯表面に形成されるエッチング形状のエッチング幅差を可能な限り低減できることから、鋼帯表面に目的パターンのエッチング形状を高精度に形成することができる。
なお、上述した実施の形態では、複数のグラビアセル5aによって構成される凹版部5と凹版部5以外の非凹部6とがグラビアロール4の周方向に沿って交互に配置されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、グラビアロール4の外周面における凹版部5および非凹部6の配置の規則性は、交互に限らず、螺旋状、格子状または網目状等の所定のパターンであってもよい。また、凹版部5および非凹部6は、処理対象の長尺基材の表面に形成する印刷パターンに対応するパターンを表すようにグラビアロール4の外周面に配置されればよく、この場合、グラビアロール4における凹版部5および非凹部6の配置にはグラビアロール4の周方向に沿った規則性を持たせなくてもよい。
また、上述した実施の形態では、グラビアロール4に形成されるグラビアセル5aが四角錐台の凹部である場合を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、グラビアセル5aの凹形状は、上述した四角錐台以外の形状であってもよく、例えば、底面が他の多角形の角錐台状であってもよいし、多角形の角錐体状であってもよい。
さらに、上述した実施の形態では、長尺基材の表面に転写印刷するインクとしてレジストインクを例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明におけるインクは、長尺基材の処理内容、用途、または印刷パターン等に応じて所望のものを用いればよい。例えば、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレン樹脂等のいずれかの樹脂を主成分とするレジストインクが挙げられる。
また、上述した実施の形態では、処理対象の長尺基材として鋼帯15を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明における長尺基材は、鋼帯に限らず、鋼以外の金属または合金の帯状体であってもよいし、紙またはフィルム等の非金属の帯状体であってもよい。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。
1 印刷装置
2 コーターパン
3 レジストインク
4 グラビアロール
5 凹版部
5a グラビアセル
5b 辺
6 非凹部
7,9 ブレード
8 オフセットロール
10 バックアップロール
11 乾燥装置
12 エッチング装置
15 鋼帯
15a エッチング処理対象部分
15b エッチング防止対象部分
16 エッチング部分

Claims (6)

  1. 複数の凹部によって形成される凹版部を有し、前記複数の凹部内にインクを順次充満させるグラビアロールと、
    前記グラビアロールによって前記複数の凹部内のインクを順次転写され、転写された前記インクを、連続的に搬送される長尺基材の表面に順次印刷するオフセットロールと、
    を備え、
    前記凹版部における単位面積当たりの前記凹部の容積は、6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下であり、前記インクの粘度は、150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下であり、前記長尺基材の表面に加える前記オフセットロールの圧力は、12[kg/m]以上、100[kg/m]以下であることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記グラビアロールは、前記凹版部と前記凹版部以外の非凹部とを、前記グラビアロールの周方向に規則性を持って配置されるように有し、
    前記凹版部の各凹部と前記非凹部とのなす角度は、20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記インクは、レジストインクであることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
  4. 凹版部を構成する複数の凹部が形成されたグラビアロールを用い、連続的に搬送される長尺基材の表面にインクを印刷する印刷方法において、
    前記グラビアロールにより前記インクを汲み取って、前記複数の凹部内に前記インクを順次充満させるインク汲み取りステップと、
    前記グラビアロールからオフセットロールに前記複数の凹部内のインクを順次転写し、転写した前記インクを、前記オフセットロールから前記長尺基材の表面に転写して印刷する転写印刷ステップと、
    を含み、
    前記凹版部における単位面積当たりの前記凹部の容積を6[cm3/m2]以上、50[cm3/m2]以下とし、前記インクの粘度を150[mPa・s]以上、2500[mPa・s]以下とし、前記長尺基材の表面に加える前記オフセットロールの圧力を12[kg/m]以上、100[kg/m]以下とすることを特徴とする印刷方法。
  5. 前記グラビアロールの周方向に規則性を持つように、前記凹版部と前記凹版部以外の非凹部とを前記グラビアロールの外周面に配置し、
    前記凹版部の各凹部と前記非凹部とのなす角度を、20[度]以下、または70[度]超過且つ90[度]以下とすることを特徴とする請求項4に記載の印刷方法。
  6. 前記インクとしてレジストインクを用いることを特徴とする請求項4または5に記載の印刷方法。
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